電気光学装置、画像印刷装置および画像読み取り装置
【課題】 電気光学装置において、発光素子からの光を光透過性の基板において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成する。
【解決手段】 主基板220と、主基板220上に形成された発光素子205と、主基板220に重なって発光素子205を封止する封止基板230とを有する。封止基板230はその表面から裏面まで貫通した光導波路235を有し、光導波路235は光透過性の材料から形成されており、その形状は円柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料(平板231)で覆われており、その先端面のうち発光素子205側の先端面は発光素子205を構成する発光層210を覆っている。
【解決手段】 主基板220と、主基板220上に形成された発光素子205と、主基板220に重なって発光素子205を封止する封止基板230とを有する。封止基板230はその表面から裏面まで貫通した光導波路235を有し、光導波路235は光透過性の材料から形成されており、その形状は円柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料(平板231)で覆われており、その先端面のうち発光素子205側の先端面は発光素子205を構成する発光層210を覆っている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子からの光を光透過性の基板を介して出射する電気光学装置と、この電気光学装置を用いる画像印刷装置および画像読み取り装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置としては、ボトムエミッションタイプのものとトップエミッションタイプのものがある。発光素子からの光は、ボトムエミッションタイプのものでは発光素子が形成された主基板を透過し、トップエミッションタイプのものでは発光素子を封止する封止基板を透過する。
【0003】
図21はボトムエミッションタイプの従来の電気光学装置の一例を示す断面図である。この図においては、本発明の解決課題に直結する要部のみにハッチングが付されている。この電気光学装置は、電気エネルギを受けて発光する有機EL(ElectroLuminescent)素子を発光素子として有する。この発光素子は、光透過性を有する主基板920上に形成されており、発光層910を有する。発光層910は、主基板920に沿って延在しており、有機EL材料から形成されている。
【0004】
発光層910からの光は、ある程度の広がりを有し、その多くが主基板920に入射する。入射光は主基板920内で更に広がるため、その多くは出射面S900から出射するものの、一部は出射面S900で反射する。ここで反射した光は利用され得ない。つまり、発光層910からの光の利用効率の観点からすると、出射面S900での反射の発生は望ましくない。
【0005】
また、この電気光学装置を、感光体ドラムなどの像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光ヘッドとして用いる場合、S900からの出射光の全てを静電潜像の形成に利用可能とは限らない。所定の大きさの平面領域に到達した光のみを用いて静電潜像を形成するのが普通だからである。つまり、主基板920において入射光が広がると、その全てが出射面S900から出射したとしても、発光層910からの光の利用効率が低くなる場合がある。
【0006】
このような問題を解決するために別の電気光学装置が提案されている(特許文献1)。
図22は従来の別の電気光学装置の一例を示す断面図である。この図においては、本発明の解決課題に直結する要部のみにハッチングが付されている。この図に例示する電気光学装置が前述のものと異なる点は、主基板930が光ファイバ935の束(ファイバアレイ)を埋め込んで構成されている点である。各光ファイバ935は主基板930を厚さ方向に貫通しており、その先端面のうち、内側のものは発光層910に対向し、外側のものは出射面S905を構成している。この電気光学装置では、発光層910からの光の多くは、主基板930において、各光ファイバ935により主基板930の厚さ方向に導かれ、出射面S905から出射する。この結果、出射面S905には発光層910と略同一の大きさのスポット像が形成される。この電気光学装置では、主基板930において入射光が広がらないから、前述の問題は生じない。
【特許文献1】特開2000−343752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、出射面S905上に形成されるスポット像には別の問題がある。
図23は図22の電気光学装置により形成されるスポット像を示す図である。この図に示すように、出射面S905では、発光層910の中央付近に対応する領域(先端面)の輝度が高く、発光層910の周縁付近に対応する領域(先端面)の輝度が低くなる。つまり、スポット像の輪郭が不鮮明となっている。これは、前述の露光ヘッドとして用いた場合、画像印刷装置の印刷品質を低下させる一因となり得る。
【0008】
なお、以上説明した従来のボトムエミッションタイプの電気光学装置に関する問題は、トップエミッションタイプの電気光学装置にも共通している。また、これらの問題は、電気光学装置を光ヘッドとして用いる画像読み取り装置にも悪影響を与え得る。
本発明は、上述した事情に基づき、発光素子からの光を光透過性の基板において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる電気光学装置と、この電気光学装置を用いる画像印刷装置および画像読み取り装置とを提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、主基板と、前記主基板上に形成された発光素子と、前記主基板に重なって前記発光素子を封止する封止基板とを備え、前記封止基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする。
【0010】
この電気光学装置では、発光素子からの光は封止基板の発光素子に対向する面に向かって進行する。以降、この面を「裏面」と呼び、裏面の裏側の面を「表面」と呼ぶ。封止基板の裏面を構成する光導波路の先端面は発光素子を覆っているから、発光素子からの光の多くは、この先端面から光導波路に入射する。以降、この先端面を「他方の先端面」と呼び、他の先端面を「一方の先端面」と呼ぶ。
【0011】
光導波路内を進行する光は、光導波路の周面に到達すると、その多くが全反射する。この理由について説明する。光導波路の周面に到達する光の多くは、封止基板に直交する方向にほぼ沿って進行する。一方、光導波路は封止基板の表面から裏面まで貫通しているから、その周面は当該方向に沿ったものとなる。よって、周面への光の入射角は、その多くが極めて大きなものとなる。また、光導波路を形成している材料の屈折率はその周面を覆っている材料の屈折率よりも高いから、周面に入射した光は、その入射角が上記2つの屈折率の比に基づく臨界角以上である場合に全反射する。以上より、極端な臨界角となる材料を用いない限り、周面に達した光の多くが全反射するのである。つまり、光導波路が、大口径の一本の光ファイバのコアとして機能するのである。
【0012】
こうして、光導波路に入射した光は、広がることなく光導波路内を導かれて一方の先端面から出射し、封止基板の表面に一方の先端面と同一形状のスポット像を形成する。このスポット像における輝度の分布は略均一となる。この理由について、光導波路に代えて光ファイバの束であるファイバアレイを用いる態様と比較して説明する。この態様において、ファイバアレイの中心付近の光ファイバが発光素子の中央部分と正対している場合、封止基板の裏面においては、中心付近に位置する光ファイバに入射する光よりも周縁付近に位置する光ファイバに入射する光の方が少なくなる。この偏った光量の分布はファイバアレイによる導光過程においても維持される。このため、スポット像の周縁付近の輝度が低くなり、スポット像における輝度の分布に偏りが生じてしまう。これに対して、この電気光学装置では、発光素子からの光は、大口径の一本の光ファイバのコアとして機能する光導波路により導かれる。このため、他方の先端面における光量の分布の偏りが一方の先端面においては緩和されることになる。これが、スポット像の輝度が略均一となる理由である。
【0013】
以上説明したことから明らかなように、この電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の封止基板において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。
ところで、封止基板に光導波路を形成する方法としては、封止基板に穴を開け、この穴を一種類の材料で埋める方法を例示することができる。基板に穴を開けるには基板を切削しなければならないが、この電気光学装置によれば、高い利用効率を要求される主基板ではなく、封止基板を切削すればよいことになる。よって、主基板の利用効率が低下しないという量産時に有効な効果が得られる。
【0014】
また、本発明に係る別の電気光学装置は、主基板と、前記主基板上に形成された発光素子と、前記主基板に重なって前記発光素子を封止する封止基板とを備え、前記封止基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は前記発光素子側から反対側にかけて先細になっており、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする。
【0015】
この電気光学装置が前述の電気光学装置と異なる点は、光導波路の形状が柱状ではなく、発光素子側から反対側にかけて先細になっている点である。よって、この電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の封止基板において狭めつつ導いて、より鮮明なスポット像を形成することができる。これは、特に、必要とされるスポット像の大きさが発光素子よりも小さい場合に好適な特性である。
【0016】
また、上記の各電気光学装置において、前記封止基板は光透過性の接着剤により前記主基板に固定されており、前記光導波路を形成する材料の屈折率は前記接着剤の屈折率より大きいか同等であるようにしてもよい。この場合、発光素子からの光は、接着剤を透過して他方の先端面に到達する。光導波路を形成する材料の屈折率は接着剤の屈折率より大きいか同等であるため、他方の先端面に到達した光は他方の先端面で反射しにくく、光導波路に入射し易い。つまり、光導波路に入射する光がより多くなる。よって、スポット像の輝度をより高くすることができる。
【0017】
また、本発明に係る別の電気光学装置は、主基板と、前記主基板上に形成された発光素子とを備え、前記主基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴としている。
【0018】
この電気光学装置では、発光素子からの光は主基板の発光素子に対向する面に向かって進行する。以降、この面を「裏面」と呼び、裏面の裏側の面を「表面」と呼ぶ。主基板の裏面を構成する光導波路の先端面は発光素子を覆っているから、発光素子からの光の多くは、この先端面から光導波路に入射する。以降、この先端面を「他方の先端面」と呼び、他の先端面を「一方の先端面」と呼ぶ。
【0019】
光導波路内を進行する光は、光導波路の周面に到達すると、その多くが全反射する。その理由は前述の通りである。こうして、光導波路に入射した光の多くは広がることなく光導波路内を導かれて一方の先端面から出射し、主基板の表面に一方の先端面と同一形状のスポット像を形成する。また、当該スポット像における輝度の分布は略均一となる。その理由は前述の通りである。これらのことから明らかなように、この電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の主基板において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。
さらに、この電気光学装置によれば、光導波路が形成されている基板は発光素子が形成された主基板であるため、発光素子を封止する封止基板に光導波路を形成した形態に比較して、発光素子のより近くに他方の先端面を配置することができる。これは、スポット像の輝度の向上に寄与する。
【0020】
また、本発明に係る別の電気光学装置は、主基板と、前記主基板上に形成された発光素子とを備え、前記主基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は前記発光素子側から反対側にかけて先細になっており、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする。
この電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の主基板において狭めつつ導いて、より鮮明なスポット像を形成することができる。これは、特に、必要とされるスポット像の大きさが発光素子よりも小さい場合に好適な特性である。
【0021】
また、本発明に係る画像印刷装置は、像担持体と、上記像担持体を帯電する帯電器と、複数の上記発光素子が配列され、上記像担持体の帯電された面に複数の上記発光素子により光を照射して潜像を形成する上記のいずれかの電気光学装置と、上記潜像にトナーを付着させることにより上記像担持体に顕像を形成する現像器と、上記像担持体から上記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える。
前述したように、上記のいずれかの電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の基板において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。よって、このような電気光学装置を備えた当該画像印刷装置は、発光素子からの光を効率よく利用して高い品質の印刷を行うことができる。
【0022】
また、本発明に係る画像読み取り装置は、複数の上記自発光素子が配列された上記のいずれかの電気光学装置と、上記自発光素子から発して読み取り対象で反射した光を電気信号に変換する受光装置とを備える。
前述したように、上記のいずれかの電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の基板において大きく広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。よって、このような電気光学装置を備えた当該画像読み取り装置は、発光素子からの光を効率よく利用して高い品質で画像の読み取りを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において共通する部分には同一の符号を付してある。また、以下の各図面においては、各部の寸法の比率を実際のものとは適宜に異ならせている。また、以下の各断面図においては要部のみにハッチングを付してある。また、以下の各実施形態に係る電気光学装置は感光体ドラムなどの像担持体に静電潜像を形成する画像印刷装置の露光ヘッドとして用いられる。静電潜像の形成では、所定の方向に進行する感光面を横切るように光を照射する必要がある。以降の説明では、この所定の方向を方向Xとする。
【0024】
<A:第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る電気光学装置はトップエミッションタイプのものである。
図1は本発明の第1実施形態に係る電気光学装置200の構成を示す平面図である。この図に示すように、電気光学装置200では、多数の発光素子205が方向Xに沿って二列かつ千鳥状に配列されている。これらの発光素子205は板状の封止基板230によって覆われている。封止基板230の表面は出射面S200となっており、裏面は発光素子205に対向している。出射面S200は後述のスポット像が形成される面であり、静電潜像の形成には、この面から出射した光が用いられる。封止基板230の発光素子205に重なる部分には円柱状の光導波路235が発光素子205毎に形成されている。
【0025】
図2は図1のC−C’断面図である。この図に示すように、電気光学装置200は、多数の発光素子205を平板状の主基板220と平板状の封止基板230とで挟んだ構成を有する。主基板220はガラス、石英またはプラスチックにより形成されており、この主基板220上に発光素子205が形成されている。発光素子205は電気エネルギを受けて光を発する有機EL素子であり、発光素子205が形成される領域は、酸化膜260と酸化膜260上に形成された隔壁(バンク)270により区画されている。各領域では、主基板220側から順に、陰極として機能する電極240、有機EL材料から形成されて面発光する発光層210、光透過性の正孔注入層250、陽極として機能する透明電極280が積層されている。
【0026】
発光素子205が形成された主基板220には、主基板220と協働して発光素子205を封止するように封止基板230が重ねて固定されている。この封止によって、発光素子205が外気(特に水分および酸素)から隔離され、その劣化が抑制される。主基板220への封止基板230の固定には、光透過性の接着剤290が用いられる。接着剤290としては、例えば熱硬化型接着剤または紫外線硬化型接着剤が用いられる。
【0027】
なお、この分野で使用される封止の種類には、封止基板230の一面全体を接着剤290により主基板220に接合する膜封止と、封止基板230の周縁部を接着剤290により主基板220に接合して発光素子205の周囲に封止基板230と主基板220とで画定される空間を設けるキャップ封止がある。キャップ封止ではこの空間内に乾燥剤が配置される。この実施形態では、膜封止を用いているが、キャップ封止を利用することも可能である。
【0028】
封止基板230は平板231内に多数の光導波路235を配して構成されている。平板231としては、ガラス、金属、セラミック、またはプラスチックから形成されたものを使用しうる。各光導波路235は、封止基板230をその表面から裏面まで貫通しており、その中心軸は封止基板230の厚さ方向に沿っており、その周面は平板231により覆われている。光導波路235の先端面のうち、発光素子205側のものは封止基板230の裏面の一部となっており、反対側のものは封止基板230の表面(出射面S200)の一部となっている。光導波路235の発光素子205側の先端面は、出射面S200側から見て、対応する発光素子205の発光層210を覆っている。
【0029】
また、光導波路235は光透過性を有する材料から形成されている。この材料の屈折率は、接着剤290の屈折率より大きいか同等であり、平板231を形成する材料の屈折率よりも高い。ただし、発光層210からの光の利用効率についての要求が厳しくない場合には、光導波路235を形成する材料の屈折率が接着剤290の屈折率より大きいか同等である必要はない。
【0030】
また、光導波路235は平板231に固定されている。この固定の方法は任意であるが、光導波路235の周面と平板231とが接しない方法を用いる場合には注意を要する。そのような方法としては、光導波路235を接着剤により平板231に固定する方法が考えられる。この場合、光導波路235を形成する材料よりも屈折率が低い接着剤を用いる必要がある。つまり、光導波路235の周面が当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われねばならない。
【0031】
図3は電気光学装置200における光学的作用を説明するための断面図である。電気光学装置200では、電極240および透明電極280により電圧が印加されると、これらに挟まれた発光層210が発光する。発光層210から封止基板230へ進行する光の多くは、封止基板230に直交する方向にほぼ沿って直進し、正孔注入層250、透明電極280および接着剤290を透過して封止基板230の裏面に、より具体的には光導波路235の発光素子205側の先端面に到達する。光導波路235を形成する材料の屈折率は接着剤290の屈折率より大きいか同等であるから、この先端面に到達した光は当該先端面で反射しにくく、光導波路235に入射し易い。この結果、当該先端面に到達した光の多くが光導波路235に入射し、光導波路235内を進行する。
【0032】
光導波路235内を進行する光は、光導波路235の周面に到達すると、その多くが全反射する。つまり、光導波路235が大口径の一本の光ファイバのコアとして機能し、入射した光を導く。全反射が起こるのは、光導波路235の周面に到達する光の進行方向と当該周面とのなす角が極めて小となるのが普通だからである。換言すれば、光導波路235の周面への入射角が極めて大となるのが普通だからである。より詳しく述べれば次の通りである。
【0033】
光導波路235を形成する材料の屈折率はその周面を覆っている材料(例えば平板231を形成する材料や接着剤)の屈折率よりも高いから、光導波路235内を進行する光は当該周面において全反射し得る。ただし、全反射するには、入射角が、上記2つの屈折率の比に基づいて定まる臨界角以上である必要がある。しかし、上述したように周面への入射角が極めて大となるのが普通であるから、極端な臨界角となる材料を用いない限り、周面に達した光の多くが全反射することになる。言うまでもないが、十分に多くの光が全反射されるように光導波路235を形成する材料およびその周面を覆っている材料を定めるのが望ましい。
【0034】
こうして、光導波路235内を進行する光は光導波路235に導かれて出射面S200側の先端面から出射する。これにより、出射面S200にスポット像(光像)が形成される。
図4は電気光学装置200により形成されるスポット像を示す図である。このスポット像の形状、大きさおよび形成位置は、光導波路235の出射面S200側の先端面と一致する。また、このスポット像の輝度の分布は略均一となる。
【0035】
以上説明したように、電気光学装置200によれば、発光層210からの光を透過させる封止基板230において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。また、発光層210からの光が接着剤290と光導波路235との境界面で全く反射されないから、発光層210からの光の利用効率をより向上させることができる。また、光導波路は主基板ほどの面精度を要求されない封止基板に形成されるから、光導波路を主基板に形成することになるボトムエミッションタイプの電気光学装置に比較して、製造が容易となる。
【0036】
次に、電気光学装置200の製造方法の一例について説明する。
図5は電気光学装置200の製造方法の一例における最初の工程を示す図である。この図に示すように、まず、平板231に多数の円柱状の穴を開ける。これらの穴は後に埋められて光導波路235となるものであるから、先端面が発光層210を覆うことができるように、穴開けが行われる。穴開けの方法としては、平板231を形成する材料に適合した公知の方法を採用可能である。例えば、平板231がガラスから形成されている場合には、フッ酸によりエッチングして穴を開ける方法を採用することができる。また例えば、平板231を紫外線硬化型樹脂から形成することができる場合には、マスクを介して平板231の一部に紫外線をあてて硬化させ、非硬化部分を切削する方法を採用することもできる。
【0037】
図6は図5の次の工程を示す図である。この図に示すように、穴埋めを行って、光導波路235が形成された封止基板230を作成する。この穴埋めは、封止基板230の表面および裏面がそれぞれ面一となるよう、開けた穴に、光導波路235を形成する材料である樹脂を入れ込む作業である。穴埋めの方法としては、スキージで樹脂を入れ込む方法や、インクジェット等のディスペンサーによって塗布する方法等がある。なお、穴埋めにより封止基板230を作成する場合には光導波路235を形成する材料が樹脂に限定されるが、他の手法により封止基板230を作成する場合にはこの限りではない。
【0038】
図7は図6の次の工程を示す図である。この図に示すように、主基板220上に多数の発光素子205を形成する。
図8は図7の次の工程を示す図である。この図に示すように、主基板220の発光素子205が形成された面(または封止基板230の裏面)に接着剤290を塗布し、この接着剤290により封止基板230を主基板220に接着して固定する。この際、主基板220および封止基板230は、各光導波路235の主基板220に対向する先端面が対応する発光素子205の発光層210を覆うように配置される。こうして電気光学装置200が完成する。
【0039】
上述したように、この製造方法では、基板の切削が必要となる。しかし、切削されるのは封止基板であり、主基板は切削されない。したがって、高い利用効率を要求される主基板の利用効率が低下しないという量産時に有効な効果を奏する。
【0040】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る電気光学装置はボトムエミッションタイプのものである。
図9は本発明の第2実施形態に係る電気光学装置300の構成を示す断面図である。この電気光学装置300が図2の電気光学装置200と大きく異なる点は、封止基板ではなく、主基板に光導波路が形成されている点である。この相違点に起因して、電気光学装置300では、発光素子205に代えて発光素子305が用いられ、平板231がそのまま封止基板として用いられ、主基板220に代えて主基板320が用いられている。
【0041】
また、主基板320の発光素子305が形成されている面の裏側の面が出射面S300となっており、静電潜像の形成に用いられる光は出射面S300から出射する。発光素子305が発光素子205と異なる点は、陰極として機能する電極240に代えて陽極として機能する透明電極340、陽極として機能する透明電極280に代えて陰極として機能する電極380を有する点のみである。
【0042】
主基板320は平板321内に円柱状の光導波路325を発光素子305毎に形成して構成されている。各光導波路325は対応する発光素子305に重なっている。平板321としては、ガラス、石英またはプラスチックから形成されたものを使用しうる。各光導波路325は主基板320をその表面から裏面まで貫通しており、その中心軸は主基板320の厚さ方向に沿っており、その周面は平板321により覆われている。光導波路325の先端面のうち、発光素子305側のものは主基板320の裏面の一部となっており、反対側のものは主基板320の表面(出射面S300)の一部となっている。
【0043】
また、光導波路325の発光素子305側の先端面は、出射面S300側から見て、対応する発光素子305の発光層210を覆っている。また、光導波路325は光透過性を有する材料から形成されている。この材料の屈折率は、平板321を形成する材料の屈折率よりも高い。また、光導波路325は平板321に固定されており、その周面が当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われている。
【0044】
図10は電気光学装置300における光学的作用を説明するための断面図である。電気光学装置300では、透明電極340および電極380により電圧が印加されると、これらに挟まれた発光層210が発光する。発光層210から主基板320へ進行する光の多くは、主基板320に直交する方向にほぼ沿って直進し、透明電極340を透過して主基板320の裏面に、より具体的には光導波路325の発光素子305側の先端面に到達する。この先端面に到達した光は光導波路325に入射し、光導波路325内を進行する。光導波路325が大口径の一本の光ファイバのコアとして機能するから、光導波路325に入射した光の多くは、光導波路325に導かれて出射面S300側の先端面から出射する。
【0045】
この電気光学装置300によれば、電気光学装置200と同様の効果が得られる。ただし、光導波路は主基板に形成されるから、光導波路を封止基板に形成することにより得られる効果は得られない。
また、この電気光学装置300では、光導波路325が主基板320に形成されているため、電気光学装置200に比較して発光層から光導波路までの距離が短い。これは、スポット像の輝度の向上に寄与する。
【0046】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る電気光学装置はボトムエミッションタイプのものである。
図11は本発明の第3実施形態に係る電気光学装置400の構成を示す断面図である。この電気光学装置400が図9の電気光学装置300と大きく異なる点は、光導波路の形状である。この相違点に起因して、電気光学装置400では、主基板320に代えて主基板420が用いられている。また、主基板420の発光素子305が形成されている面の裏側の面が出射面S400となっており、静電潜像の形成に用いられる光は出射面S400から出射する。
【0047】
主基板420には、光導波路325に代えて円錐台状の光導波路425が形成されている。光導波路425が光導波路325と異なる点はその形状のみである。また、光導波路425は、主基板420の表面から裏面まで貫通しており、その先端面のうち、発光素子305側の広い方の先端面は主基板420の裏面の一部となっており、反対側の狭い方の先端面は主基板420の表面(出射面S400)の一部となっている。また、光導波路425の広い方の先端面は、出射面S400側から見て、対応する発光素子305の発光層210を覆っている。
【0048】
この電気光学装置400によれば、電気光学装置300と同様の効果が得られる。ただし、光導波路425内を進行して周面に到達した光の多くが全反射されるようにするには、光導波路425を形成する材料と光導波路425の周面を覆う材料との組み合わせだけでなく、光導波路425の周面の傾斜角にも留意する必要がある。
また、電気光学装置400によれば、光導波路425の形状が、発光素子305側から反対側にかけて先細になっているから、主基板420において、発光層210からの光を狭めつつ導くことができる。これにより、スポット像の輝度が高くなる。また、必要とされるスポット像の大きさが発光層210の発光面よりも狭い場合に用いて好適である。
【0049】
次に、電気光学装置400の製造方法の一例について説明する。
図12は電気光学装置400の製造方法の一例における最初の工程を示す図である。この図に示すように、まず、平板321に多数の円錐台状の穴を開ける。穴開けの方法としては、例えばフッ酸によりエッチングして穴を開ける方法がある。この方法で穴を開けた場合、その形状は、円錐台状となるのが普通であるから、この工程では、この性質を利用することにより、円錐台状の穴を効率よく開けることができる。なお、上記の穴開けは、円錐台の狭い方の先端面の大きさが必要とされるスポット像の大きさと略同一となり、広い方の先端面の大きさが発光層210を覆うことができる大きさとなるように行われる。
【0050】
図13は図12の次の工程を示す図である。この図に示すように、前述の穴埋めを行って、光導波路425が形成された主基板420を作成する。穴は円錐台状であるから、穴埋めにより、円錐台状の光導波路425が形成される。つまり、平板321に穴を開けたときに現れる端面が傾いていても、この傾きを解消することなく、穴埋めによって光導波路425を形成することができる。これは、量産時に有効な効果である。
【0051】
図14は図13の次の工程を示す図である。この図に示すように、主基板420上に多数の発光素子305を形成する。この際、各発光素子305は、対応する光導波路425の広い先端面に覆われるように配置される。以降の工程は電気光学装置200について前述した工程と同様である。
【0052】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る電気光学装置はトップエミッションタイプのものである。
図15は本発明の第4実施形態に係る電気光学装置500の構成を示す断面図である。この電気光学装置500が図2の電気光学装置200と大きく異なる点は、光導波路の形状である。この相違点に起因して、電気光学装置500では、封止基板230に代えて封止基板530が用いられている。封止基板530の発光素子205に対向する面の裏側の面が出射面S500となっており、静電潜像の形成に用いられる光は出射面S500から出射する。
【0053】
封止基板530には、光導波路235に代えて円錐台状の光導波路535が形成されている。光導波路535が光導波路235と異なる点はその形状のみである。また、光導波路535は、封止基板530の表面から裏面まで貫通しており、その先端面のうち、発光素子205側の広い方の先端面は封止基板530の裏面の一部となっており、反対側の狭い方の先端面は封止基板530の表面(出射面S500)の一部となっている。また、光導波路535の広い方の先端面は、出射面S500側から見て、対応する発光素子205の発光層210を覆っている。
【0054】
この電気光学装置500によれば、電気光学装置200と同様の効果が得られる。なお、留意点や更なる効果については電気光学装置400について述べた通りであるから、その説明を省略する。
また、電気光学装置500の製造方法については、電気光学装置200の製造方法および電気光学装置400の製造方法から自明である。なお、光導波路535の向きは電気光学装置400の光導波路425の向きと逆であるから、穴埋めにより作成した封止基板530をその表裏を反転させてから主基板220に接着することとなる。
【0055】
<変形例>
上述した実施形態では、円柱状または円錐台状の光導波路を例示したが、光導波路の形状はこれらに限らない。例えば、角柱状としてもよいし、先端面が半円形の柱状としてもよい。つまり、任意の柱状とすることができる。また例えば、角錐台状としてもよいし、任意の先細の形状としてもよい。ただし、いずれの形状に変形するにせよ、光導波路内を進行する光の多くがその周面で全反射することが担保されねばならない。
また、上述した実施形態では、発光素子として有機EL素子を用いた例を示したが、無機EL素子を用いてもよい。
【0056】
<応用例>
前述したように、上述した実施形態に係る電気光学装置は感光体ドラムなどの像担持体に静電潜像を形成する画像印刷装置の露光ヘッドとして用いられる。露光ヘッドとして用いられる場合、その用いられ方は二つに大別される。一つは、出射面からの光を直接的に像担持体に照射する形態であり、もう一つは、出射面からの光を集束性レンズアレイ経由で像担持体に照射する形態である。前者の形態では、出射面が像担持体に近接または接触するように電気光学装置が配置されることになる。後者の形態については図面を参照して説明する。
【0057】
図16は、集束性レンズアレイ610を有する電気光学装置600の概略を示す斜視図である。この電気光学装置600は、所定方向に回転する感光体ドラム620に光を照射して静電潜像を形成するものであり、光源として、第1実施形態に係る電気光学装置200を備えている。電気光学装置200は、その発光素子205の配列方向(方向X)が感光体ドラム620の回転軸方向と揃うように、図示しない画像印刷装置の筐体に取り付けられている。なお、電気光学装置200は一例に過ぎず、これに代えて、他の実施形態に係る任意の電気光学装置を用いてもよい。
【0058】
図17は集光性レンズアレイ610の構成を示す斜視図である。集光性レンズアレイ610は複数の屈折率分布型レンズ615を二列かつ千鳥状に配列したものであり、この配列方向と電気光学装置200の発光素子205の配列方向とが揃うように電気光学装置200に固定されている。集光性レンズアレイ610としては、例えば日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)がある(セルフォック\SELFOCは日本板硝子株式会社の登録商標)。
【0059】
集光性レンズアレイ610は、電気光学装置200と感光体ドラム620との間に配置されている。電気光学装置200の出射面S200から集光性レンズアレイ610までの距離と、集光性レンズアレイ610から感光体ドラム620までの距離は共にL0である。このような配置とすることにより、電気光学装置200の出射面S200からの光が集光性レンズアレイ610により導かれて感光体ドラム620に到達し、出射面S200に形成されたスポット像と同様のスポット像が感光体ドラム620の外周面に形成される。
【0060】
<画像印刷装置>
次に、図18を参照して、本発明に係る画像印刷装置の全体の構成を説明する。
図18は、上述した実施形態または応用例に係る電気光学装置を露光ヘッドとして用いた画像形成装置の一例を示す縦断面図である。この画像印刷装置は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像印刷装置である。
【0061】
この画像印刷装置では、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッド10K,10C,10M,10Yが、同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K,110C,110M,110Yの露光位置にそれぞれ配置されている。有機ELアレイ露光ヘッド10K,10C,10M,10Yは、以上に例示した各実施形態または応用例に係る電気光学装置(200、300、400、500または600)である。
【0062】
図18に示すように、この画像印刷装置には、駆動ローラ121と従動ローラ122とが設けられており、これらのローラ121,122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印に示すようにローラ121,122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラなどの張力付与手段を設けてもよい。
【0063】
この中間転写ベルト120の周囲には、外周面に感光層を有する4個の感光体ドラム110K,110C,110M,110Yが互いに所定の間隔をおいて配置される。添え字K,C,M,Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K,110C,110M,110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0064】
各感光体ドラム110(K,C,M,Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K,C,M,Y)と、有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)と、現像器114(K,C,M,Y)とが配置されている。コロナ帯電器111(K,C,M,Y)は、これに対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、感光体ドラムの帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。各有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、複数の発光素子が感光体ドラム110(K,C,M,Y)の母線(主走査方向)に沿って配列するように設置される。静電潜像の書き込みは、複数の発光素子によって感光体ドラムに光を照射することにより行う。現像器114(K,C,M,Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラムに顕像すなわち可視像を形成する。
【0065】
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写されることにより、中間転写ベルト120上で重ね合わされ、この結果としてフルカラーの顕像が得られる。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K,C,M,Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K,C,M,Y)は、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K,C,M,Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
【0066】
最終的に画像を形成する対象としてのシート102は、ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラ121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラ126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラ126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
【0067】
次に、図19を参照して、本発明に係る画像印刷装置の他の形態について説明する。
図19は、上述した実施形態または応用例に係る電気光学装置を露光ヘッドとして用いた他の画像形成装置の縦断面図である。この画像印刷装置は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリ現像式のフルカラー画像印刷装置である。図19に示すように、感光体ドラム165の周囲には、コロナ帯電器168、ロータリ式の現像ユニット161と、有機ELアレイ露光ヘッド167と、中間転写ベルト169とが設けられている。
【0068】
コロナ帯電器168は、感光体ドラム165の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ露光ヘッド167は、感光体ドラム165の帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。この有機ELアレイ露光ヘッド167は、以上に説明した各実施形態または応用例に係る電気光学装置(200、300、400、500または600)であり、複数の発光素子が感光体ドラム165の母線(主走査方向)に沿って配列するように設置される。静電潜像の書き込みは、これらの発光素子から感光体ドラム165に光を照射することにより行う。
【0069】
現像ユニット161は、4つの現像器163Y,163C,163M,163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y,163C,163M,163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム165に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム165に顕像すなわち可視像を形成する。
【0070】
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラ170a、従動ローラ170b、一次転写ローラ166およびテンションローラに巻回されて、これらのローラの周囲を矢印に示す向きに回転させられる。一次転写ローラ166は、感光体ドラム165から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写ローラ166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
【0071】
具体的には、感光体ドラム165の最初の1回転で、露光ヘッド167によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、露光ヘッド167によりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム165が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次重ね合わせられ、この結果フルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上で得る。
【0072】
画像印刷装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラ170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラ171の間のニップを通過する。二次転写ローラ171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラ171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近および離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラ171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラ171から離される。
【0073】
以上のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラ172aと加圧ローラ172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラ対176を通過した後、排紙ローラ対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラ171により顕像がシートの他面に転写され、再び定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラ対176でシートが排出される。
【0074】
図18および図19に例示した画像印刷装置は、有機EL素子を書込手段(露光手段)として利用しているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。なお、以上に例示した以外の電子写真方式の画像印刷装置にも本発明の発光装置を採用することができる。例えば、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラムから直接シートに顕像を転写するタイプの画像印刷装置や、モノクロの画像を形成する画像印刷装置や、感光体ドラムに代えて感光体ベルトを備えた画像印刷装置にも本発明に係る電気光学装置を応用することが可能である。
【0075】
<画像読み取り装置>
また、上述した実施形態に係る電気光学装置は、画像読み取り装置における読み取り対象に光を照射するためのライン型の光ヘッドとして用いることが可能である。画像読み取り装置の例としては、スキャナ、複写機の読み取り部分、ファクシミリの読み取り部分、バーコードリーダおよび、例えばQRコード(登録商標)のような二次元画像コードを読む二次元画像コードリーダがある。
【0076】
図20は、電気光学装置200、300、400または500をライン型の光ヘッド706として用いた画像読み取り装置の一例を示す縦断面図である。この画像読み取り装置のキャビネット701の上部には、平板状のプラテンガラス702が設けられており、プラテンガラス702には原稿703がその画像面を下方に向けて載置される。そして、図示しないプラテンカバーが原稿703をプラテンガラス702に向けて押さえる。
【0077】
キャビネット701の内部には、高速キャリッジ704と低速キャリッジ705が横方向に移動可能に配置されている。高速キャリッジ704には原稿703を照射する光ヘッド706と反射鏡707が搭載されており、低速キャリッジ705には二つの反射鏡708,709が搭載されている。これらの光ヘッド706および反射鏡707,708,709は図13の紙面垂直方向(主走査方向)に延びている。また、光ヘッド706は、複数のEL素子14の配列方向が主走査方向に沿うように設置される。
【0078】
また、キャビネット701の内部の固定位置には、原稿読み取り器710が配置されている。この原稿読み取り器710は、結像レンズ712と、多数の感光画素(電荷結合素子)から構成されるラインセンサ(受光装置)713を備える。ラインセンサ713は図13の紙面垂直方向(主走査方向)に延びており、複数の感光画素の配列方向が主走査方向に沿うように設置される。
【0079】
光ヘッド706から発した光は、プラテンガラス702を透過して原稿703の下面で反射する。原稿703からの反射光は、プラテンガラス702を透過し、反射鏡707〜709で反射した後、結像レンズ712によりラインセンサ713で結像する。高速キャリッジ704は横方向に移動して、原稿703の全面が光ヘッド706で照射されるようにし、低速キャリッジ705は高速キャリッジ704の半分の速度で移動して、原稿703からラインセンサ713に到る反射光路の長さを一定に維持する。
【0080】
以上、電気光学装置200、300、400または500を応用可能な画像読み取り装置を例示したが、これらの電気光学装置は他の画像読み取り置にも応用することが可能であり、そのような画像読み取り装置は本発明の範囲内にある。例えば、受光装置が照明装置としての電気光学装置と共に移動してもよいし、受光装置と電気光学装置が共に固定されて原稿または読み取り対象が移動して読み取られるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置200の構成を示す平面図である。
【図2】図1のC−C’断面図である。
【図3】電気光学装置200における光学的作用を説明するための断面図である。
【図4】電気光学装置200により形成されるスポット像を示す図である。
【図5】電気光学装置200の製造方法の一例における最初の工程を示す図である。
【図6】図5の次の工程を示す図である。
【図7】図6の次の工程を示す図である。
【図8】図7の次の工程を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る電気光学装置300の構成を示す断面図である。
【図10】電気光学装置300における光学的作用を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る電気光学装置400の構成を示す断面図である。
【図12】電気光学装置400の製造方法の一例における最初の工程を示す図である。
【図13】図12の次の工程を示す図である。
【図14】図13の次の工程を示す図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る電気光学装置500の構成を示す断面図である。
【図16】集束性レンズアレイ610を有する電気光学装置600の概略を示す斜視図である。
【図17】集光性レンズアレイ610の構成を示す斜視図である。
【図18】上述した実施形態または応用例に係る電気光学装置を露光ヘッドとして用いた画像形成装置の一例を示す縦断面図である。
【図19】上述した実施形態または応用例に係る電気光学装置を露光ヘッドとして用いた他の画像形成装置の縦断面図である。
【図20】電気光学装置200、300、400または500をライン型の光ヘッド706として用いた画像読み取り装置の一例を示す縦断面図である。
【図21】ボトムエミッションタイプの従来の電気光学装置の一例を示す断面図である。
【図22】従来の別の電気光学装置の一例を示す断面図である。
【図23】図22の電気光学装置により形成されるスポット像を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
200,300,400,500,600……電気光学装置、205……発光素子、210……発光層、220……主基板、230……封止基板、290……接着剤、S200……出射面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子からの光を光透過性の基板を介して出射する電気光学装置と、この電気光学装置を用いる画像印刷装置および画像読み取り装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置としては、ボトムエミッションタイプのものとトップエミッションタイプのものがある。発光素子からの光は、ボトムエミッションタイプのものでは発光素子が形成された主基板を透過し、トップエミッションタイプのものでは発光素子を封止する封止基板を透過する。
【0003】
図21はボトムエミッションタイプの従来の電気光学装置の一例を示す断面図である。この図においては、本発明の解決課題に直結する要部のみにハッチングが付されている。この電気光学装置は、電気エネルギを受けて発光する有機EL(ElectroLuminescent)素子を発光素子として有する。この発光素子は、光透過性を有する主基板920上に形成されており、発光層910を有する。発光層910は、主基板920に沿って延在しており、有機EL材料から形成されている。
【0004】
発光層910からの光は、ある程度の広がりを有し、その多くが主基板920に入射する。入射光は主基板920内で更に広がるため、その多くは出射面S900から出射するものの、一部は出射面S900で反射する。ここで反射した光は利用され得ない。つまり、発光層910からの光の利用効率の観点からすると、出射面S900での反射の発生は望ましくない。
【0005】
また、この電気光学装置を、感光体ドラムなどの像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光ヘッドとして用いる場合、S900からの出射光の全てを静電潜像の形成に利用可能とは限らない。所定の大きさの平面領域に到達した光のみを用いて静電潜像を形成するのが普通だからである。つまり、主基板920において入射光が広がると、その全てが出射面S900から出射したとしても、発光層910からの光の利用効率が低くなる場合がある。
【0006】
このような問題を解決するために別の電気光学装置が提案されている(特許文献1)。
図22は従来の別の電気光学装置の一例を示す断面図である。この図においては、本発明の解決課題に直結する要部のみにハッチングが付されている。この図に例示する電気光学装置が前述のものと異なる点は、主基板930が光ファイバ935の束(ファイバアレイ)を埋め込んで構成されている点である。各光ファイバ935は主基板930を厚さ方向に貫通しており、その先端面のうち、内側のものは発光層910に対向し、外側のものは出射面S905を構成している。この電気光学装置では、発光層910からの光の多くは、主基板930において、各光ファイバ935により主基板930の厚さ方向に導かれ、出射面S905から出射する。この結果、出射面S905には発光層910と略同一の大きさのスポット像が形成される。この電気光学装置では、主基板930において入射光が広がらないから、前述の問題は生じない。
【特許文献1】特開2000−343752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、出射面S905上に形成されるスポット像には別の問題がある。
図23は図22の電気光学装置により形成されるスポット像を示す図である。この図に示すように、出射面S905では、発光層910の中央付近に対応する領域(先端面)の輝度が高く、発光層910の周縁付近に対応する領域(先端面)の輝度が低くなる。つまり、スポット像の輪郭が不鮮明となっている。これは、前述の露光ヘッドとして用いた場合、画像印刷装置の印刷品質を低下させる一因となり得る。
【0008】
なお、以上説明した従来のボトムエミッションタイプの電気光学装置に関する問題は、トップエミッションタイプの電気光学装置にも共通している。また、これらの問題は、電気光学装置を光ヘッドとして用いる画像読み取り装置にも悪影響を与え得る。
本発明は、上述した事情に基づき、発光素子からの光を光透過性の基板において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる電気光学装置と、この電気光学装置を用いる画像印刷装置および画像読み取り装置とを提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、主基板と、前記主基板上に形成された発光素子と、前記主基板に重なって前記発光素子を封止する封止基板とを備え、前記封止基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする。
【0010】
この電気光学装置では、発光素子からの光は封止基板の発光素子に対向する面に向かって進行する。以降、この面を「裏面」と呼び、裏面の裏側の面を「表面」と呼ぶ。封止基板の裏面を構成する光導波路の先端面は発光素子を覆っているから、発光素子からの光の多くは、この先端面から光導波路に入射する。以降、この先端面を「他方の先端面」と呼び、他の先端面を「一方の先端面」と呼ぶ。
【0011】
光導波路内を進行する光は、光導波路の周面に到達すると、その多くが全反射する。この理由について説明する。光導波路の周面に到達する光の多くは、封止基板に直交する方向にほぼ沿って進行する。一方、光導波路は封止基板の表面から裏面まで貫通しているから、その周面は当該方向に沿ったものとなる。よって、周面への光の入射角は、その多くが極めて大きなものとなる。また、光導波路を形成している材料の屈折率はその周面を覆っている材料の屈折率よりも高いから、周面に入射した光は、その入射角が上記2つの屈折率の比に基づく臨界角以上である場合に全反射する。以上より、極端な臨界角となる材料を用いない限り、周面に達した光の多くが全反射するのである。つまり、光導波路が、大口径の一本の光ファイバのコアとして機能するのである。
【0012】
こうして、光導波路に入射した光は、広がることなく光導波路内を導かれて一方の先端面から出射し、封止基板の表面に一方の先端面と同一形状のスポット像を形成する。このスポット像における輝度の分布は略均一となる。この理由について、光導波路に代えて光ファイバの束であるファイバアレイを用いる態様と比較して説明する。この態様において、ファイバアレイの中心付近の光ファイバが発光素子の中央部分と正対している場合、封止基板の裏面においては、中心付近に位置する光ファイバに入射する光よりも周縁付近に位置する光ファイバに入射する光の方が少なくなる。この偏った光量の分布はファイバアレイによる導光過程においても維持される。このため、スポット像の周縁付近の輝度が低くなり、スポット像における輝度の分布に偏りが生じてしまう。これに対して、この電気光学装置では、発光素子からの光は、大口径の一本の光ファイバのコアとして機能する光導波路により導かれる。このため、他方の先端面における光量の分布の偏りが一方の先端面においては緩和されることになる。これが、スポット像の輝度が略均一となる理由である。
【0013】
以上説明したことから明らかなように、この電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の封止基板において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。
ところで、封止基板に光導波路を形成する方法としては、封止基板に穴を開け、この穴を一種類の材料で埋める方法を例示することができる。基板に穴を開けるには基板を切削しなければならないが、この電気光学装置によれば、高い利用効率を要求される主基板ではなく、封止基板を切削すればよいことになる。よって、主基板の利用効率が低下しないという量産時に有効な効果が得られる。
【0014】
また、本発明に係る別の電気光学装置は、主基板と、前記主基板上に形成された発光素子と、前記主基板に重なって前記発光素子を封止する封止基板とを備え、前記封止基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は前記発光素子側から反対側にかけて先細になっており、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする。
【0015】
この電気光学装置が前述の電気光学装置と異なる点は、光導波路の形状が柱状ではなく、発光素子側から反対側にかけて先細になっている点である。よって、この電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の封止基板において狭めつつ導いて、より鮮明なスポット像を形成することができる。これは、特に、必要とされるスポット像の大きさが発光素子よりも小さい場合に好適な特性である。
【0016】
また、上記の各電気光学装置において、前記封止基板は光透過性の接着剤により前記主基板に固定されており、前記光導波路を形成する材料の屈折率は前記接着剤の屈折率より大きいか同等であるようにしてもよい。この場合、発光素子からの光は、接着剤を透過して他方の先端面に到達する。光導波路を形成する材料の屈折率は接着剤の屈折率より大きいか同等であるため、他方の先端面に到達した光は他方の先端面で反射しにくく、光導波路に入射し易い。つまり、光導波路に入射する光がより多くなる。よって、スポット像の輝度をより高くすることができる。
【0017】
また、本発明に係る別の電気光学装置は、主基板と、前記主基板上に形成された発光素子とを備え、前記主基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴としている。
【0018】
この電気光学装置では、発光素子からの光は主基板の発光素子に対向する面に向かって進行する。以降、この面を「裏面」と呼び、裏面の裏側の面を「表面」と呼ぶ。主基板の裏面を構成する光導波路の先端面は発光素子を覆っているから、発光素子からの光の多くは、この先端面から光導波路に入射する。以降、この先端面を「他方の先端面」と呼び、他の先端面を「一方の先端面」と呼ぶ。
【0019】
光導波路内を進行する光は、光導波路の周面に到達すると、その多くが全反射する。その理由は前述の通りである。こうして、光導波路に入射した光の多くは広がることなく光導波路内を導かれて一方の先端面から出射し、主基板の表面に一方の先端面と同一形状のスポット像を形成する。また、当該スポット像における輝度の分布は略均一となる。その理由は前述の通りである。これらのことから明らかなように、この電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の主基板において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。
さらに、この電気光学装置によれば、光導波路が形成されている基板は発光素子が形成された主基板であるため、発光素子を封止する封止基板に光導波路を形成した形態に比較して、発光素子のより近くに他方の先端面を配置することができる。これは、スポット像の輝度の向上に寄与する。
【0020】
また、本発明に係る別の電気光学装置は、主基板と、前記主基板上に形成された発光素子とを備え、前記主基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は前記発光素子側から反対側にかけて先細になっており、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする。
この電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の主基板において狭めつつ導いて、より鮮明なスポット像を形成することができる。これは、特に、必要とされるスポット像の大きさが発光素子よりも小さい場合に好適な特性である。
【0021】
また、本発明に係る画像印刷装置は、像担持体と、上記像担持体を帯電する帯電器と、複数の上記発光素子が配列され、上記像担持体の帯電された面に複数の上記発光素子により光を照射して潜像を形成する上記のいずれかの電気光学装置と、上記潜像にトナーを付着させることにより上記像担持体に顕像を形成する現像器と、上記像担持体から上記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える。
前述したように、上記のいずれかの電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の基板において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。よって、このような電気光学装置を備えた当該画像印刷装置は、発光素子からの光を効率よく利用して高い品質の印刷を行うことができる。
【0022】
また、本発明に係る画像読み取り装置は、複数の上記自発光素子が配列された上記のいずれかの電気光学装置と、上記自発光素子から発して読み取り対象で反射した光を電気信号に変換する受光装置とを備える。
前述したように、上記のいずれかの電気光学装置によれば、発光素子からの光を光透過性の基板において大きく広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。よって、このような電気光学装置を備えた当該画像読み取り装置は、発光素子からの光を効率よく利用して高い品質で画像の読み取りを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において共通する部分には同一の符号を付してある。また、以下の各図面においては、各部の寸法の比率を実際のものとは適宜に異ならせている。また、以下の各断面図においては要部のみにハッチングを付してある。また、以下の各実施形態に係る電気光学装置は感光体ドラムなどの像担持体に静電潜像を形成する画像印刷装置の露光ヘッドとして用いられる。静電潜像の形成では、所定の方向に進行する感光面を横切るように光を照射する必要がある。以降の説明では、この所定の方向を方向Xとする。
【0024】
<A:第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る電気光学装置はトップエミッションタイプのものである。
図1は本発明の第1実施形態に係る電気光学装置200の構成を示す平面図である。この図に示すように、電気光学装置200では、多数の発光素子205が方向Xに沿って二列かつ千鳥状に配列されている。これらの発光素子205は板状の封止基板230によって覆われている。封止基板230の表面は出射面S200となっており、裏面は発光素子205に対向している。出射面S200は後述のスポット像が形成される面であり、静電潜像の形成には、この面から出射した光が用いられる。封止基板230の発光素子205に重なる部分には円柱状の光導波路235が発光素子205毎に形成されている。
【0025】
図2は図1のC−C’断面図である。この図に示すように、電気光学装置200は、多数の発光素子205を平板状の主基板220と平板状の封止基板230とで挟んだ構成を有する。主基板220はガラス、石英またはプラスチックにより形成されており、この主基板220上に発光素子205が形成されている。発光素子205は電気エネルギを受けて光を発する有機EL素子であり、発光素子205が形成される領域は、酸化膜260と酸化膜260上に形成された隔壁(バンク)270により区画されている。各領域では、主基板220側から順に、陰極として機能する電極240、有機EL材料から形成されて面発光する発光層210、光透過性の正孔注入層250、陽極として機能する透明電極280が積層されている。
【0026】
発光素子205が形成された主基板220には、主基板220と協働して発光素子205を封止するように封止基板230が重ねて固定されている。この封止によって、発光素子205が外気(特に水分および酸素)から隔離され、その劣化が抑制される。主基板220への封止基板230の固定には、光透過性の接着剤290が用いられる。接着剤290としては、例えば熱硬化型接着剤または紫外線硬化型接着剤が用いられる。
【0027】
なお、この分野で使用される封止の種類には、封止基板230の一面全体を接着剤290により主基板220に接合する膜封止と、封止基板230の周縁部を接着剤290により主基板220に接合して発光素子205の周囲に封止基板230と主基板220とで画定される空間を設けるキャップ封止がある。キャップ封止ではこの空間内に乾燥剤が配置される。この実施形態では、膜封止を用いているが、キャップ封止を利用することも可能である。
【0028】
封止基板230は平板231内に多数の光導波路235を配して構成されている。平板231としては、ガラス、金属、セラミック、またはプラスチックから形成されたものを使用しうる。各光導波路235は、封止基板230をその表面から裏面まで貫通しており、その中心軸は封止基板230の厚さ方向に沿っており、その周面は平板231により覆われている。光導波路235の先端面のうち、発光素子205側のものは封止基板230の裏面の一部となっており、反対側のものは封止基板230の表面(出射面S200)の一部となっている。光導波路235の発光素子205側の先端面は、出射面S200側から見て、対応する発光素子205の発光層210を覆っている。
【0029】
また、光導波路235は光透過性を有する材料から形成されている。この材料の屈折率は、接着剤290の屈折率より大きいか同等であり、平板231を形成する材料の屈折率よりも高い。ただし、発光層210からの光の利用効率についての要求が厳しくない場合には、光導波路235を形成する材料の屈折率が接着剤290の屈折率より大きいか同等である必要はない。
【0030】
また、光導波路235は平板231に固定されている。この固定の方法は任意であるが、光導波路235の周面と平板231とが接しない方法を用いる場合には注意を要する。そのような方法としては、光導波路235を接着剤により平板231に固定する方法が考えられる。この場合、光導波路235を形成する材料よりも屈折率が低い接着剤を用いる必要がある。つまり、光導波路235の周面が当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われねばならない。
【0031】
図3は電気光学装置200における光学的作用を説明するための断面図である。電気光学装置200では、電極240および透明電極280により電圧が印加されると、これらに挟まれた発光層210が発光する。発光層210から封止基板230へ進行する光の多くは、封止基板230に直交する方向にほぼ沿って直進し、正孔注入層250、透明電極280および接着剤290を透過して封止基板230の裏面に、より具体的には光導波路235の発光素子205側の先端面に到達する。光導波路235を形成する材料の屈折率は接着剤290の屈折率より大きいか同等であるから、この先端面に到達した光は当該先端面で反射しにくく、光導波路235に入射し易い。この結果、当該先端面に到達した光の多くが光導波路235に入射し、光導波路235内を進行する。
【0032】
光導波路235内を進行する光は、光導波路235の周面に到達すると、その多くが全反射する。つまり、光導波路235が大口径の一本の光ファイバのコアとして機能し、入射した光を導く。全反射が起こるのは、光導波路235の周面に到達する光の進行方向と当該周面とのなす角が極めて小となるのが普通だからである。換言すれば、光導波路235の周面への入射角が極めて大となるのが普通だからである。より詳しく述べれば次の通りである。
【0033】
光導波路235を形成する材料の屈折率はその周面を覆っている材料(例えば平板231を形成する材料や接着剤)の屈折率よりも高いから、光導波路235内を進行する光は当該周面において全反射し得る。ただし、全反射するには、入射角が、上記2つの屈折率の比に基づいて定まる臨界角以上である必要がある。しかし、上述したように周面への入射角が極めて大となるのが普通であるから、極端な臨界角となる材料を用いない限り、周面に達した光の多くが全反射することになる。言うまでもないが、十分に多くの光が全反射されるように光導波路235を形成する材料およびその周面を覆っている材料を定めるのが望ましい。
【0034】
こうして、光導波路235内を進行する光は光導波路235に導かれて出射面S200側の先端面から出射する。これにより、出射面S200にスポット像(光像)が形成される。
図4は電気光学装置200により形成されるスポット像を示す図である。このスポット像の形状、大きさおよび形成位置は、光導波路235の出射面S200側の先端面と一致する。また、このスポット像の輝度の分布は略均一となる。
【0035】
以上説明したように、電気光学装置200によれば、発光層210からの光を透過させる封止基板230において広げることなく導いて鮮明なスポット像を形成することができる。また、発光層210からの光が接着剤290と光導波路235との境界面で全く反射されないから、発光層210からの光の利用効率をより向上させることができる。また、光導波路は主基板ほどの面精度を要求されない封止基板に形成されるから、光導波路を主基板に形成することになるボトムエミッションタイプの電気光学装置に比較して、製造が容易となる。
【0036】
次に、電気光学装置200の製造方法の一例について説明する。
図5は電気光学装置200の製造方法の一例における最初の工程を示す図である。この図に示すように、まず、平板231に多数の円柱状の穴を開ける。これらの穴は後に埋められて光導波路235となるものであるから、先端面が発光層210を覆うことができるように、穴開けが行われる。穴開けの方法としては、平板231を形成する材料に適合した公知の方法を採用可能である。例えば、平板231がガラスから形成されている場合には、フッ酸によりエッチングして穴を開ける方法を採用することができる。また例えば、平板231を紫外線硬化型樹脂から形成することができる場合には、マスクを介して平板231の一部に紫外線をあてて硬化させ、非硬化部分を切削する方法を採用することもできる。
【0037】
図6は図5の次の工程を示す図である。この図に示すように、穴埋めを行って、光導波路235が形成された封止基板230を作成する。この穴埋めは、封止基板230の表面および裏面がそれぞれ面一となるよう、開けた穴に、光導波路235を形成する材料である樹脂を入れ込む作業である。穴埋めの方法としては、スキージで樹脂を入れ込む方法や、インクジェット等のディスペンサーによって塗布する方法等がある。なお、穴埋めにより封止基板230を作成する場合には光導波路235を形成する材料が樹脂に限定されるが、他の手法により封止基板230を作成する場合にはこの限りではない。
【0038】
図7は図6の次の工程を示す図である。この図に示すように、主基板220上に多数の発光素子205を形成する。
図8は図7の次の工程を示す図である。この図に示すように、主基板220の発光素子205が形成された面(または封止基板230の裏面)に接着剤290を塗布し、この接着剤290により封止基板230を主基板220に接着して固定する。この際、主基板220および封止基板230は、各光導波路235の主基板220に対向する先端面が対応する発光素子205の発光層210を覆うように配置される。こうして電気光学装置200が完成する。
【0039】
上述したように、この製造方法では、基板の切削が必要となる。しかし、切削されるのは封止基板であり、主基板は切削されない。したがって、高い利用効率を要求される主基板の利用効率が低下しないという量産時に有効な効果を奏する。
【0040】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る電気光学装置はボトムエミッションタイプのものである。
図9は本発明の第2実施形態に係る電気光学装置300の構成を示す断面図である。この電気光学装置300が図2の電気光学装置200と大きく異なる点は、封止基板ではなく、主基板に光導波路が形成されている点である。この相違点に起因して、電気光学装置300では、発光素子205に代えて発光素子305が用いられ、平板231がそのまま封止基板として用いられ、主基板220に代えて主基板320が用いられている。
【0041】
また、主基板320の発光素子305が形成されている面の裏側の面が出射面S300となっており、静電潜像の形成に用いられる光は出射面S300から出射する。発光素子305が発光素子205と異なる点は、陰極として機能する電極240に代えて陽極として機能する透明電極340、陽極として機能する透明電極280に代えて陰極として機能する電極380を有する点のみである。
【0042】
主基板320は平板321内に円柱状の光導波路325を発光素子305毎に形成して構成されている。各光導波路325は対応する発光素子305に重なっている。平板321としては、ガラス、石英またはプラスチックから形成されたものを使用しうる。各光導波路325は主基板320をその表面から裏面まで貫通しており、その中心軸は主基板320の厚さ方向に沿っており、その周面は平板321により覆われている。光導波路325の先端面のうち、発光素子305側のものは主基板320の裏面の一部となっており、反対側のものは主基板320の表面(出射面S300)の一部となっている。
【0043】
また、光導波路325の発光素子305側の先端面は、出射面S300側から見て、対応する発光素子305の発光層210を覆っている。また、光導波路325は光透過性を有する材料から形成されている。この材料の屈折率は、平板321を形成する材料の屈折率よりも高い。また、光導波路325は平板321に固定されており、その周面が当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われている。
【0044】
図10は電気光学装置300における光学的作用を説明するための断面図である。電気光学装置300では、透明電極340および電極380により電圧が印加されると、これらに挟まれた発光層210が発光する。発光層210から主基板320へ進行する光の多くは、主基板320に直交する方向にほぼ沿って直進し、透明電極340を透過して主基板320の裏面に、より具体的には光導波路325の発光素子305側の先端面に到達する。この先端面に到達した光は光導波路325に入射し、光導波路325内を進行する。光導波路325が大口径の一本の光ファイバのコアとして機能するから、光導波路325に入射した光の多くは、光導波路325に導かれて出射面S300側の先端面から出射する。
【0045】
この電気光学装置300によれば、電気光学装置200と同様の効果が得られる。ただし、光導波路は主基板に形成されるから、光導波路を封止基板に形成することにより得られる効果は得られない。
また、この電気光学装置300では、光導波路325が主基板320に形成されているため、電気光学装置200に比較して発光層から光導波路までの距離が短い。これは、スポット像の輝度の向上に寄与する。
【0046】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る電気光学装置はボトムエミッションタイプのものである。
図11は本発明の第3実施形態に係る電気光学装置400の構成を示す断面図である。この電気光学装置400が図9の電気光学装置300と大きく異なる点は、光導波路の形状である。この相違点に起因して、電気光学装置400では、主基板320に代えて主基板420が用いられている。また、主基板420の発光素子305が形成されている面の裏側の面が出射面S400となっており、静電潜像の形成に用いられる光は出射面S400から出射する。
【0047】
主基板420には、光導波路325に代えて円錐台状の光導波路425が形成されている。光導波路425が光導波路325と異なる点はその形状のみである。また、光導波路425は、主基板420の表面から裏面まで貫通しており、その先端面のうち、発光素子305側の広い方の先端面は主基板420の裏面の一部となっており、反対側の狭い方の先端面は主基板420の表面(出射面S400)の一部となっている。また、光導波路425の広い方の先端面は、出射面S400側から見て、対応する発光素子305の発光層210を覆っている。
【0048】
この電気光学装置400によれば、電気光学装置300と同様の効果が得られる。ただし、光導波路425内を進行して周面に到達した光の多くが全反射されるようにするには、光導波路425を形成する材料と光導波路425の周面を覆う材料との組み合わせだけでなく、光導波路425の周面の傾斜角にも留意する必要がある。
また、電気光学装置400によれば、光導波路425の形状が、発光素子305側から反対側にかけて先細になっているから、主基板420において、発光層210からの光を狭めつつ導くことができる。これにより、スポット像の輝度が高くなる。また、必要とされるスポット像の大きさが発光層210の発光面よりも狭い場合に用いて好適である。
【0049】
次に、電気光学装置400の製造方法の一例について説明する。
図12は電気光学装置400の製造方法の一例における最初の工程を示す図である。この図に示すように、まず、平板321に多数の円錐台状の穴を開ける。穴開けの方法としては、例えばフッ酸によりエッチングして穴を開ける方法がある。この方法で穴を開けた場合、その形状は、円錐台状となるのが普通であるから、この工程では、この性質を利用することにより、円錐台状の穴を効率よく開けることができる。なお、上記の穴開けは、円錐台の狭い方の先端面の大きさが必要とされるスポット像の大きさと略同一となり、広い方の先端面の大きさが発光層210を覆うことができる大きさとなるように行われる。
【0050】
図13は図12の次の工程を示す図である。この図に示すように、前述の穴埋めを行って、光導波路425が形成された主基板420を作成する。穴は円錐台状であるから、穴埋めにより、円錐台状の光導波路425が形成される。つまり、平板321に穴を開けたときに現れる端面が傾いていても、この傾きを解消することなく、穴埋めによって光導波路425を形成することができる。これは、量産時に有効な効果である。
【0051】
図14は図13の次の工程を示す図である。この図に示すように、主基板420上に多数の発光素子305を形成する。この際、各発光素子305は、対応する光導波路425の広い先端面に覆われるように配置される。以降の工程は電気光学装置200について前述した工程と同様である。
【0052】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る電気光学装置はトップエミッションタイプのものである。
図15は本発明の第4実施形態に係る電気光学装置500の構成を示す断面図である。この電気光学装置500が図2の電気光学装置200と大きく異なる点は、光導波路の形状である。この相違点に起因して、電気光学装置500では、封止基板230に代えて封止基板530が用いられている。封止基板530の発光素子205に対向する面の裏側の面が出射面S500となっており、静電潜像の形成に用いられる光は出射面S500から出射する。
【0053】
封止基板530には、光導波路235に代えて円錐台状の光導波路535が形成されている。光導波路535が光導波路235と異なる点はその形状のみである。また、光導波路535は、封止基板530の表面から裏面まで貫通しており、その先端面のうち、発光素子205側の広い方の先端面は封止基板530の裏面の一部となっており、反対側の狭い方の先端面は封止基板530の表面(出射面S500)の一部となっている。また、光導波路535の広い方の先端面は、出射面S500側から見て、対応する発光素子205の発光層210を覆っている。
【0054】
この電気光学装置500によれば、電気光学装置200と同様の効果が得られる。なお、留意点や更なる効果については電気光学装置400について述べた通りであるから、その説明を省略する。
また、電気光学装置500の製造方法については、電気光学装置200の製造方法および電気光学装置400の製造方法から自明である。なお、光導波路535の向きは電気光学装置400の光導波路425の向きと逆であるから、穴埋めにより作成した封止基板530をその表裏を反転させてから主基板220に接着することとなる。
【0055】
<変形例>
上述した実施形態では、円柱状または円錐台状の光導波路を例示したが、光導波路の形状はこれらに限らない。例えば、角柱状としてもよいし、先端面が半円形の柱状としてもよい。つまり、任意の柱状とすることができる。また例えば、角錐台状としてもよいし、任意の先細の形状としてもよい。ただし、いずれの形状に変形するにせよ、光導波路内を進行する光の多くがその周面で全反射することが担保されねばならない。
また、上述した実施形態では、発光素子として有機EL素子を用いた例を示したが、無機EL素子を用いてもよい。
【0056】
<応用例>
前述したように、上述した実施形態に係る電気光学装置は感光体ドラムなどの像担持体に静電潜像を形成する画像印刷装置の露光ヘッドとして用いられる。露光ヘッドとして用いられる場合、その用いられ方は二つに大別される。一つは、出射面からの光を直接的に像担持体に照射する形態であり、もう一つは、出射面からの光を集束性レンズアレイ経由で像担持体に照射する形態である。前者の形態では、出射面が像担持体に近接または接触するように電気光学装置が配置されることになる。後者の形態については図面を参照して説明する。
【0057】
図16は、集束性レンズアレイ610を有する電気光学装置600の概略を示す斜視図である。この電気光学装置600は、所定方向に回転する感光体ドラム620に光を照射して静電潜像を形成するものであり、光源として、第1実施形態に係る電気光学装置200を備えている。電気光学装置200は、その発光素子205の配列方向(方向X)が感光体ドラム620の回転軸方向と揃うように、図示しない画像印刷装置の筐体に取り付けられている。なお、電気光学装置200は一例に過ぎず、これに代えて、他の実施形態に係る任意の電気光学装置を用いてもよい。
【0058】
図17は集光性レンズアレイ610の構成を示す斜視図である。集光性レンズアレイ610は複数の屈折率分布型レンズ615を二列かつ千鳥状に配列したものであり、この配列方向と電気光学装置200の発光素子205の配列方向とが揃うように電気光学装置200に固定されている。集光性レンズアレイ610としては、例えば日本板硝子株式会社から入手可能なSLA(セルフォック・レンズ・アレイ)がある(セルフォック\SELFOCは日本板硝子株式会社の登録商標)。
【0059】
集光性レンズアレイ610は、電気光学装置200と感光体ドラム620との間に配置されている。電気光学装置200の出射面S200から集光性レンズアレイ610までの距離と、集光性レンズアレイ610から感光体ドラム620までの距離は共にL0である。このような配置とすることにより、電気光学装置200の出射面S200からの光が集光性レンズアレイ610により導かれて感光体ドラム620に到達し、出射面S200に形成されたスポット像と同様のスポット像が感光体ドラム620の外周面に形成される。
【0060】
<画像印刷装置>
次に、図18を参照して、本発明に係る画像印刷装置の全体の構成を説明する。
図18は、上述した実施形態または応用例に係る電気光学装置を露光ヘッドとして用いた画像形成装置の一例を示す縦断面図である。この画像印刷装置は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像印刷装置である。
【0061】
この画像印刷装置では、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッド10K,10C,10M,10Yが、同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K,110C,110M,110Yの露光位置にそれぞれ配置されている。有機ELアレイ露光ヘッド10K,10C,10M,10Yは、以上に例示した各実施形態または応用例に係る電気光学装置(200、300、400、500または600)である。
【0062】
図18に示すように、この画像印刷装置には、駆動ローラ121と従動ローラ122とが設けられており、これらのローラ121,122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印に示すようにローラ121,122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラなどの張力付与手段を設けてもよい。
【0063】
この中間転写ベルト120の周囲には、外周面に感光層を有する4個の感光体ドラム110K,110C,110M,110Yが互いに所定の間隔をおいて配置される。添え字K,C,M,Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K,110C,110M,110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0064】
各感光体ドラム110(K,C,M,Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K,C,M,Y)と、有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)と、現像器114(K,C,M,Y)とが配置されている。コロナ帯電器111(K,C,M,Y)は、これに対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、感光体ドラムの帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。各有機ELアレイ露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、複数の発光素子が感光体ドラム110(K,C,M,Y)の母線(主走査方向)に沿って配列するように設置される。静電潜像の書き込みは、複数の発光素子によって感光体ドラムに光を照射することにより行う。現像器114(K,C,M,Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラムに顕像すなわち可視像を形成する。
【0065】
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写されることにより、中間転写ベルト120上で重ね合わされ、この結果としてフルカラーの顕像が得られる。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K,C,M,Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K,C,M,Y)は、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K,C,M,Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
【0066】
最終的に画像を形成する対象としてのシート102は、ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラ121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラ126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラ126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
【0067】
次に、図19を参照して、本発明に係る画像印刷装置の他の形態について説明する。
図19は、上述した実施形態または応用例に係る電気光学装置を露光ヘッドとして用いた他の画像形成装置の縦断面図である。この画像印刷装置は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリ現像式のフルカラー画像印刷装置である。図19に示すように、感光体ドラム165の周囲には、コロナ帯電器168、ロータリ式の現像ユニット161と、有機ELアレイ露光ヘッド167と、中間転写ベルト169とが設けられている。
【0068】
コロナ帯電器168は、感光体ドラム165の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ露光ヘッド167は、感光体ドラム165の帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。この有機ELアレイ露光ヘッド167は、以上に説明した各実施形態または応用例に係る電気光学装置(200、300、400、500または600)であり、複数の発光素子が感光体ドラム165の母線(主走査方向)に沿って配列するように設置される。静電潜像の書き込みは、これらの発光素子から感光体ドラム165に光を照射することにより行う。
【0069】
現像ユニット161は、4つの現像器163Y,163C,163M,163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y,163C,163M,163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム165に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム165に顕像すなわち可視像を形成する。
【0070】
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラ170a、従動ローラ170b、一次転写ローラ166およびテンションローラに巻回されて、これらのローラの周囲を矢印に示す向きに回転させられる。一次転写ローラ166は、感光体ドラム165から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写ローラ166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
【0071】
具体的には、感光体ドラム165の最初の1回転で、露光ヘッド167によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、露光ヘッド167によりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム165が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次重ね合わせられ、この結果フルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上で得る。
【0072】
画像印刷装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラ170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラ171の間のニップを通過する。二次転写ローラ171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラ171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近および離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラ171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラ171から離される。
【0073】
以上のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラ172aと加圧ローラ172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラ対176を通過した後、排紙ローラ対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラ171により顕像がシートの他面に転写され、再び定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラ対176でシートが排出される。
【0074】
図18および図19に例示した画像印刷装置は、有機EL素子を書込手段(露光手段)として利用しているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。なお、以上に例示した以外の電子写真方式の画像印刷装置にも本発明の発光装置を採用することができる。例えば、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラムから直接シートに顕像を転写するタイプの画像印刷装置や、モノクロの画像を形成する画像印刷装置や、感光体ドラムに代えて感光体ベルトを備えた画像印刷装置にも本発明に係る電気光学装置を応用することが可能である。
【0075】
<画像読み取り装置>
また、上述した実施形態に係る電気光学装置は、画像読み取り装置における読み取り対象に光を照射するためのライン型の光ヘッドとして用いることが可能である。画像読み取り装置の例としては、スキャナ、複写機の読み取り部分、ファクシミリの読み取り部分、バーコードリーダおよび、例えばQRコード(登録商標)のような二次元画像コードを読む二次元画像コードリーダがある。
【0076】
図20は、電気光学装置200、300、400または500をライン型の光ヘッド706として用いた画像読み取り装置の一例を示す縦断面図である。この画像読み取り装置のキャビネット701の上部には、平板状のプラテンガラス702が設けられており、プラテンガラス702には原稿703がその画像面を下方に向けて載置される。そして、図示しないプラテンカバーが原稿703をプラテンガラス702に向けて押さえる。
【0077】
キャビネット701の内部には、高速キャリッジ704と低速キャリッジ705が横方向に移動可能に配置されている。高速キャリッジ704には原稿703を照射する光ヘッド706と反射鏡707が搭載されており、低速キャリッジ705には二つの反射鏡708,709が搭載されている。これらの光ヘッド706および反射鏡707,708,709は図13の紙面垂直方向(主走査方向)に延びている。また、光ヘッド706は、複数のEL素子14の配列方向が主走査方向に沿うように設置される。
【0078】
また、キャビネット701の内部の固定位置には、原稿読み取り器710が配置されている。この原稿読み取り器710は、結像レンズ712と、多数の感光画素(電荷結合素子)から構成されるラインセンサ(受光装置)713を備える。ラインセンサ713は図13の紙面垂直方向(主走査方向)に延びており、複数の感光画素の配列方向が主走査方向に沿うように設置される。
【0079】
光ヘッド706から発した光は、プラテンガラス702を透過して原稿703の下面で反射する。原稿703からの反射光は、プラテンガラス702を透過し、反射鏡707〜709で反射した後、結像レンズ712によりラインセンサ713で結像する。高速キャリッジ704は横方向に移動して、原稿703の全面が光ヘッド706で照射されるようにし、低速キャリッジ705は高速キャリッジ704の半分の速度で移動して、原稿703からラインセンサ713に到る反射光路の長さを一定に維持する。
【0080】
以上、電気光学装置200、300、400または500を応用可能な画像読み取り装置を例示したが、これらの電気光学装置は他の画像読み取り置にも応用することが可能であり、そのような画像読み取り装置は本発明の範囲内にある。例えば、受光装置が照明装置としての電気光学装置と共に移動してもよいし、受光装置と電気光学装置が共に固定されて原稿または読み取り対象が移動して読み取られるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置200の構成を示す平面図である。
【図2】図1のC−C’断面図である。
【図3】電気光学装置200における光学的作用を説明するための断面図である。
【図4】電気光学装置200により形成されるスポット像を示す図である。
【図5】電気光学装置200の製造方法の一例における最初の工程を示す図である。
【図6】図5の次の工程を示す図である。
【図7】図6の次の工程を示す図である。
【図8】図7の次の工程を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る電気光学装置300の構成を示す断面図である。
【図10】電気光学装置300における光学的作用を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る電気光学装置400の構成を示す断面図である。
【図12】電気光学装置400の製造方法の一例における最初の工程を示す図である。
【図13】図12の次の工程を示す図である。
【図14】図13の次の工程を示す図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る電気光学装置500の構成を示す断面図である。
【図16】集束性レンズアレイ610を有する電気光学装置600の概略を示す斜視図である。
【図17】集光性レンズアレイ610の構成を示す斜視図である。
【図18】上述した実施形態または応用例に係る電気光学装置を露光ヘッドとして用いた画像形成装置の一例を示す縦断面図である。
【図19】上述した実施形態または応用例に係る電気光学装置を露光ヘッドとして用いた他の画像形成装置の縦断面図である。
【図20】電気光学装置200、300、400または500をライン型の光ヘッド706として用いた画像読み取り装置の一例を示す縦断面図である。
【図21】ボトムエミッションタイプの従来の電気光学装置の一例を示す断面図である。
【図22】従来の別の電気光学装置の一例を示す断面図である。
【図23】図22の電気光学装置により形成されるスポット像を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
200,300,400,500,600……電気光学装置、205……発光素子、210……発光層、220……主基板、230……封止基板、290……接着剤、S200……出射面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主基板と、
前記主基板上に形成された発光素子と、
前記主基板に重なって前記発光素子を封止する封止基板とを備え、
前記封止基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、
前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
主基板と、
前記主基板上に形成された発光素子と、
前記主基板に重なって前記発光素子を封止する封止基板とを備え、
前記封止基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、
前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は前記発光素子側から反対側にかけて先細になっており、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
前記封止基板は光透過性の接着剤により前記主基板に固定されており、
前記光導波路を形成する材料の屈折率は前記接着剤の屈折率より大きいか同等であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
主基板と、
前記主基板上に形成された発光素子とを備え、
前記主基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、
前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
主基板と、
前記主基板上に形成された発光素子とを備え、
前記主基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、
前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は前記発光素子側から反対側にかけて先細になっており、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
像担持体と、
上記像担持体を帯電する帯電器と、
複数の上記発光素子が配列され、上記像担持体の帯電された面に複数の上記発光素子により光を照射して潜像を形成する請求項1から請求項5のいずれかに記載の電気光学装置と、
上記潜像にトナーを付着させることにより上記像担持体に顕像を形成する現像器と、
上記像担持体から上記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える画像印刷装置。
【請求項7】
複数の上記自発光素子が配列された請求項1から請求項5のいずれかに記載の電気光学装置と、
上記自発光素子から発して読み取り対象で反射した光を電気信号に変換する受光装置とを備える画像読み取り装置。
【請求項1】
主基板と、
前記主基板上に形成された発光素子と、
前記主基板に重なって前記発光素子を封止する封止基板とを備え、
前記封止基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、
前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
主基板と、
前記主基板上に形成された発光素子と、
前記主基板に重なって前記発光素子を封止する封止基板とを備え、
前記封止基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、
前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は前記発光素子側から反対側にかけて先細になっており、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
前記封止基板は光透過性の接着剤により前記主基板に固定されており、
前記光導波路を形成する材料の屈折率は前記接着剤の屈折率より大きいか同等であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
主基板と、
前記主基板上に形成された発光素子とを備え、
前記主基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、
前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は柱状を成し、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
主基板と、
前記主基板上に形成された発光素子とを備え、
前記主基板はその表面から裏面まで貫通した光導波路を有し、
前記光導波路は光透過性の材料から形成されており、その形状は前記発光素子側から反対側にかけて先細になっており、その周面は当該材料よりも屈折率の低い材料で覆われており、その先端面のうち前記発光素子側の先端面は前記発光素子を覆っていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
像担持体と、
上記像担持体を帯電する帯電器と、
複数の上記発光素子が配列され、上記像担持体の帯電された面に複数の上記発光素子により光を照射して潜像を形成する請求項1から請求項5のいずれかに記載の電気光学装置と、
上記潜像にトナーを付着させることにより上記像担持体に顕像を形成する現像器と、
上記像担持体から上記顕像を他の物体に転写する転写器とを備える画像印刷装置。
【請求項7】
複数の上記自発光素子が配列された請求項1から請求項5のいずれかに記載の電気光学装置と、
上記自発光素子から発して読み取り対象で反射した光を電気信号に変換する受光装置とを備える画像読み取り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2006−278115(P2006−278115A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94773(P2005−94773)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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