説明

電気光学装置、電子機器及び電気光学装置の製造方法

【課題】従来の電気光学装置では、電気光学素子の特性を電気光学素子間でそろえることが困難である。
【解決手段】基板と、前記基板の第1面一部の領域を複数の素子領域91に区画する隔壁と、複数の発光素子67と、を含み、発光素子67は、発光機能を発揮する機能層を有し、発光機能は、前記基板のY方向における分解能が、複数の発光素子67のY方向における間隔Pに対応しており、複数の発光素子67は、F方向に連続して一列に並ぶ複数の発光素子67を1組の素子群241とする複数組の素子群241に区分されており、素子領域91は、少なくとも1組の素子群241を包含しており、素子領域91の長手方向は、F方向に延在しており、F方向は、X方向から傾いており、複数組の素子群241は、F方向と交差し、且つY方向から傾いている方向に並んでいる、ことを特徴とする電気光学装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置、電子機器及び電気光学装置の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気光学装置の1つである発光装置を利用した画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−87693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された画像記録装置は、有機EL(Electro Luminescence)素子を利用した発光装置を有している。この画像記録装置において、発光装置は、感光体(感光ドラム)を露光するための光を発する。
上記特許文献1によれば、発光装置は、複数の有機EL素子(発光素子)と、バンク(隔壁)と、を有している。また、発光素子は、互いに相対する一対の電極間に発光層を含む有機層が介在した構成を有している。特許文献1に記載された発光装置では、バンクが、複数の発光素子の全体を囲んでいる。そして、発光層は、バンクによって囲まれた領域にわたって設けられている。この発光装置の構成によれば、発光層の発光を発光素子ごとに制御することができる。
【0005】
複数の発光素子の全体をバンクで囲む構成では、有機層の膜厚が発光素子間でばらつきやすいという結果が、実験によって得られた。この膜厚のばらつきの一因は、液状体をバンク25の凹部内に吐出した後の乾燥工程において、液状体がバンク25の凹部内で対流し、その対流により凹部の周縁部に厚く析出物が堆積されることによるものと考察される。
特に、発光装置22は、細長い形状であるため、長手方向の端部と中央部とでは、液状体の溶媒分子分圧が異なり、また、乾燥速度も異なるため、これらの要因も加味されて層厚のばらつきが助長されていた。有機層の膜厚が発光素子間でばらつくということは、発光輝度が発光素子間でばらつくということを意味する。
このため、特許文献1に記載された画像記録装置では、発光特性が発光素子間でばらつきやすい。この結果、感光体の露光状態が発光素子間でばらつきやすくなる。つまり、特許文献1に記載された画像記録装置では、印刷品位を向上させることが困難である。
【0006】
ところで、有機EL素子を利用した発光装置では、発光層を含む有機層が発光の機能を発揮する。このため、有機EL素子を利用した発光装置では、有機層は、機能層とも呼ばれる。また、発光装置を包含する概念として電気光学装置が存在する。このような電気光学装置では、発光に限られない種々の機能(電気光学機能ともいう)を発揮する層が機能層と呼ばれる。そして、電気光学装置において、発光に限られない種々の機能を果たす素子は、電気光学素子と呼ばれる。ここで発光以外の電気光学機能としては、例えば受光機能等が挙げられる。
つまり、従来の電気光学装置では、電気光学素子の特性を電気光学素子間でそろえることが困難であるという未解決の課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0008】
[適用例1]基板と、前記基板に設けられ、前記基板の第1面の一部の領域を複数の素子領域に区画する隔壁と、前記基板に設けられた複数の電気光学素子と、を含み、前記複数の電気光学素子の各々は、電気光学機能を発揮する機能層を有し、前記電気光学機能は、前記基板の第1方向における分解能が、前記複数の電気光学素子の前記第1方向における配置間隔に対応しており、前記複数の電気光学素子は、前記複数の電気光学素子のうち前記第1方向に一列に配列された複数の前記電気光学素子を1つの素子列とする複数の素子列を備え、前記複数の素子列において、各々の前記素子列は前記第1方向と略直交する方向に並んで配置されており、且つ前記複数の電気光学素子のうち、前記第1方向と交差する第2方向に連続して一列に並ぶ複数の前記電気光学素子を1組の素子群とする複数組の素子群を備え、前記複数の素子領域における各々の素子領域は、少なくとも1組の前記素子群を包含した状態で、前記各々の素子領域の長手方向は、前記第1方向と交差する第3方向に延在しており、前記第2方向は、前記第1方向とは直交する第4方向から傾いており、前記複数組の素子群は、前記第2方向と交差し、且つ前記第1方向から傾いている第5方向に並んでいる、ことを特徴とする電気光学装置。
【0009】
この適用例の電気光学装置は、基板と、隔壁と、複数の電気光学素子と、を有している。
隔壁は、基板に設けられている。隔壁は、基板の第1面の一部の領域を、複数の素子領域に区画している。
複数の電気光学素子は、基板に設けられている。複数の電気光学素子の各々は、電気光学機能を発揮する機能層を有している。ここで電気光学機能としては、例えば、発光機能や受光機能等が挙げられる。電気光学機能は、基板の第1方向における分解能が、複数の電気光学素子の第1方向における配置間隔に対応している。複数の電気光学素子は、複数の素子列を備えている。素子列では、複数の電気光学素子が第1方向に一列に配列している。複数の素子列において、各々の素子列は、第1方向と略直交する方向に並んで配置されている。
複数の電気光学素子は、複数組の素子群を備えている。素子群では、複数の電気光学素子が第1方向と交差する第2方向に連続して一列に並んでいる。
複数の素子領域における各々の素子領域は、少なくとも1組の素子群を包含している。各々の素子領域の長手方向は、第1方向と交差する第3方向に延在している。
この適用例では、複数の電気光学素子は、隔壁によって素子領域ごとに電気光学素子の複数個単位で区画されている。この適用例では、素子領域は、すべての電気光学素子を包含する領域よりも狭い。これにより、すべての電気光学素子を包含する領域を1つの素子領域にする場合に比較して、機能層の厚みを素子領域内の電気光学素子間でそろえやすくすることができる。この結果、電気光学素子の特性を電気光学素子間でそろえやすくすることができる。
【0010】
また、この適用例では、第2方向が第4方向から傾いている。第4方向は、第1方向とは直交する方向である。これにより、複数の電気光学素子の第1方向における密度を高めることができる。この結果、第1方向における電気光学機能の分解能を高めることができる。
また、この適用例では、複数組の素子群が第5方向に並んでいる。第5方向は、第2方向と交差し、且つ第1方向から傾いている方向である。これにより、隣り合う素子領域間にまたがって隣り合う2組の素子群の間隔を、素子領域内で隣り合う2組の素子群の間隔よりも広くすることができる。このため、例えば、隣り合う素子領域間に、隔壁を設ける領域を確保しやすくすることができる。この結果、複数の電気光学素子の第1方向における密度を一層高めやすくすることができる。
【0011】
[適用例2]上記の電気光学装置であって、前記第3方向と前記第5方向とは、互いに同じ方向であることを特徴とする電気光学装置。
【0012】
この適用例では、第3方向と第5方向とが互いに同じ方向であるので、素子領域における素子群の並び方向と、素子領域の延在方向とをそろえることができる。
【0013】
[適用例3]上記の電気光学装置であって、前記第3方向と前記第5方向とは、互いに異なる方向であることを特徴とする電気光学装置。
【0014】
[適用例4]上記の電気光学装置であって、前記機能層が、前記各々の素子領域に設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【0015】
この適用例では、機能層を素子領域ごとに区分することができる。
【0016】
[適用例5]上記の電気光学装置であって、前記複数の電気光学素子の各々は、発光素子であり、前記電気光学機能は発光機能であることを特徴とする電気光学装置。
【0017】
[適用例6]上記の電気光学装置であって、前記機能層は、有機物を含む材料で構成された有機層を有していることを特徴とする電気光学装置。
【0018】
この適用例では、例えば、発光機能を発揮する有機層で機能層を構成することができる。
【0019】
[適用例7]上記の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
【0020】
この適用例の電子機器は、電気光学素子の特性を電気光学素子間でそろえやすくすることができる電気光学装置を有している。このため、電子機器における電気光学特性を、電気光学素子間でそろえやすくすることができる。
また、この適用例の電子機器は、電気光学機能の分解能を高めやすくすることができる電気光学装置を有している。このため、電子機器における電気光学機能の分解能を高めやすくすることができる。
【0021】
[適用例8]基板と、前記基板に設けられ、前記基板の第1面の一部の領域を複数の素子領域に区画する隔壁と、前記基板に設けられた複数の電気光学素子と、を含み、前記複数の電気光学素子の各々は、電気光学機能を発揮する機能層を有し、前記電気光学機能は、前記基板の第1方向における分解能が、前記複数の電気光学素子の前記第1方向における配置間隔に対応しており、前記複数の電気光学素子は、前記複数の電気光学素子のうち前記第1方向に一列に配列された複数の前記電気光学素子を1つの素子列とする複数の素子列を備え、前記複数の素子列において、各々の前記素子列は前記第1方向と略直交する方向に並んで配置されており、且つ前記複数の電気光学素子のうち、前記第1方向と交差する第2方向に連続して一列に並ぶ複数の前記電気光学素子を1組の素子群とする複数組の素子群を備え、前記複数の素子領域における各々の素子領域は、少なくとも1組の前記素子群を包含した状態で、前記各々の素子領域の長手方向は、前記第1方向と交差する第3方向に延在しており、前記第2方向は、前記第1方向とは直交する第4方向から傾いており、前記複数組の素子群は、前記第2方向と交差し、且つ前記第1方向から傾いている第5方向に並んでいる、電気光学装置の製造方法であって、前記隔壁が設けられた前記基板と、前記機能層を構成する材料を含有する液状体を吐出するヘッドと、を前記第3方向とは交差する方向に相対移動させながら、前記液状体を前記素子領域内に吐出する工程を有していることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【0022】
この適用例の製造方法が適用され得る電気光学装置は、基板と、隔壁と、複数の電気光学素子と、を有している。
隔壁は、基板に設けられている。隔壁は、基板の第1面の一部の領域を、複数の素子領域に区画している。
複数の電気光学素子は、基板に設けられている。複数の電気光学素子の各々は、電気光学機能を発揮する機能層を有している。ここで電気光学機能としては、例えば、発光機能や受光機能等が挙げられる。電気光学機能は、基板の第1方向における分解能が、複数の電気光学素子の第1方向における配置間隔に対応している。複数の電気光学素子は、複数の素子列を備えている。素子列では、複数の電気光学素子が第1方向に一列に配列している。複数の素子列において、各々の素子列は、第1方向と略直交する方向に並んで配置されている。
複数の電気光学素子は、複数組の素子群を備えている。素子群では、複数の電気光学素子が第1方向と交差する第2方向に連続して一列に並んでいる。
複数の素子領域における各々の素子領域は、少なくとも1組の素子群を包含している。各々の素子領域の長手方向は、第1方向と交差する第3方向に延在している。
この電気光学装置では、第2方向が第4方向から傾いている。第4方向は、第1方向とは直交する方向である。また、複数組の素子群が第5方向に並んでいる。第5方向は、第2方向と交差し、且つ第1方向から傾いている方向である。
【0023】
この適用例の製造方法は、隔壁が設けられた基板と、機能層を構成する材料を含有する液状体を吐出するヘッドと、を第3方向とは交差する方向に相対移動させながら、液状体を素子領域内に吐出する工程を有している。
ここで、この適用例の製造方法が適用され得る電気光学装置では、複数の電気光学素子は、隔壁によって素子領域ごとに電気光学素子の複数個単位で区画される。この電気光学装置では、素子領域は、すべての電気光学素子を包含する領域よりも狭い。このため、例えば、すべての電気光学素子を包含する領域を1つの素子領域にする場合に比較して、液状体の乾燥タイミングを素子領域内の電気光学素子間でそろえやすくすることができる。これにより、機能層の厚みを素子領域内の電気光学素子間でそろえやすくすることができる。この結果、電気光学素子の特性を電気光学素子間でそろえやすくすることができる。
また、この電気光学装置では、第2方向が第4方向から傾いているので、複数の電気光学素子の第1方向における密度を高めることができる。この結果、第1方向における電気光学機能の分解能を高めることができる。
また、この電気光学装置では、複数組の素子群が第5方向に並んでいる。これにより、隣り合う素子領域間にまたがって隣り合う2組の素子群の間隔を、素子領域内で隣り合う2組の素子群の間隔よりも広くすることができる。このため、例えば、隣り合う素子領域間に、隔壁を設ける領域を確保しやすくすることができる。この結果、複数の電気光学素子の第1方向における密度を一層高めやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態におけるプリンターの主要構成を模式的に示す断面図。
【図2】本実施形態における露光ヘッドと感光ローラーとを示す斜視図。
【図3】図2中のA−A線における断面図。
【図4】本実施形態における発光パネルを示す平面図。
【図5】図4中のD−D線における断面図。
【図6】図4中のE部の拡大図。
【図7】第1実施形態における発光パネルの構成(1)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図8】本実施形態における発光パネルの回路構成を示す図。
【図9】図6中のH−H線における断面図。
【図10】図6中のI−I線における断面図。
【図11】図6中のJ−J線における断面図。
【図12】本実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図13】本実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図14】本実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図15】本実施形態での素子基板の製造工程に適用され得る液滴吐出ヘッドの底面図。
【図16】第1実施形態での発光パネルの構成(2)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図17】第1実施形態での発光パネルの構成(3)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図18】第1実施形態での発光パネルの構成(4)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図19】第1実施形態での発光パネルの構成(5)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図20】第1実施形態での発光パネルの構成(6)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図21】第1実施形態での発光パネルの構成(7)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図22】第1実施形態での発光パネルの構成(8)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図23】第1実施形態での発光パネルの構成(9)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図24】第1実施形態での発光パネルの構成(10)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図25】第1実施形態での発光パネルの構成(10)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図26】第1実施形態での発光パネルの構成(11)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図27】第2実施形態における発光パネルの図4中のE部の拡大図。
【図28】第2実施形態での発光パネルの構成(12)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図29】第2実施形態での発光パネルの構成(13)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図30】第2実施形態での発光パネルの構成(14)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図31】第2実施形態での発光パネルの構成(15)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図32】第2実施形態での発光パネルの構成(16)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図33】第2実施形態での発光パネルの構成(17)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図34】第2実施形態での発光パネルの構成(18)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図35】第2実施形態での発光パネルの構成(19)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図36】第2実施形態での発光パネルの構成(20)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図37】第2実施形態での発光パネルの構成(21)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図38】第2実施形態での発光パネルの構成(22)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【図39】第2実施形態での発光パネルの構成(23)における素子領域と発光素子とを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態について、電子写真方式のプリンターを例に図面を参照しながら説明する。
本実施形態におけるプリンター1は、図1に示すように、画像形成部3と、転写装置5と、搬送装置7と、を有している。
ここで、プリンター1は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色で、記録用紙8にフルカラーの印刷を実現する。
なお、以下では、プリンター1の構成において、K、C、M及びYが識別される場合に、符号にK、C、M又はYが付加される。
【0026】
画像形成部3は、画像形成装置9(9K,9C,9M,9Y)を有している。画像形成装置9K,9C,9M,9Yは、図中のX方向に並んでいる。
転写装置5は、駆動ローラー11と、従動ローラー13と、ベルト17と、押圧ローラー19と、を有している。
駆動ローラー11及び従動ローラー13は、互いに隙間をあけた状態で、X方向に並んでいる。ベルト17は、駆動ローラー11、従動ローラー13、及びテンションローラー15に架け渡されている。
【0027】
駆動ローラー11は、図示しない駆動源によって、図1で見て反時計方向に回転駆動される。
なお、以下では、ベルト17において、従動ローラー13から駆動ローラー11に向かってX方向に移動する領域が、往路領域17aと呼ばれる。また、ベルト17において、駆動ローラー11から従動ローラー13に向かって移動する領域が、復路領域17bと呼ばれる。
【0028】
押圧ローラー19は、ベルト17の外側に設けられており、ベルト17を挟んで従動ローラー13の外周面に対向している。ベルト17は、従動ローラー13と押圧ローラー19とによって挟持されている。
画像形成部3は、ベルト17の往路領域17aにおいて、ベルト17の外側に設けられている。
画像形成装置9K,9C,9M,9Yは、従動ローラー13から駆動ローラー11に向かって、画像形成装置9K、画像形成装置9C、画像形成装置9M、画像形成装置9Yの順に位置している。
【0029】
画像形成装置9K,9C,9M,9Yは、それぞれ、現像装置31を有している。
また、画像形成装置9K,9C,9M,9Yは、それぞれ、感光ローラー33と、押圧ローラー35と、帯電器37と、露光ヘッド39と、クリーニング装置41と、を有している。
【0030】
感光ローラー33は、ベルト17の往路領域17aにおいて、ベルト17の外側に設けられている。感光ローラー33は、外周面がベルト17の外周面に当接しており、ベルト17の回転にともなって図中の矢印方向(時計方向)に回転可能に設けられている。
帯電器37は、ベルト17の外側において、感光ローラー33の外周面に対向した状態で設けられており、感光ローラー33の外周面を一様に帯電させる。
露光ヘッド39は、ベルト17の外側において、感光ローラー33の外周面に対向した状態で設けられている。露光ヘッド39は、感光ローラー33の回転方向において、帯電器37の下流側に位置している。露光ヘッド39は、図示しないパーソナルコンピューターなどのホストコンピューターから入力された画像情報に基づいて、感光ローラー33の外周面に光を選択的に照射する。
【0031】
帯電した感光ローラー33の外周面は、露光ヘッド39から光が照射されると、静電気の電位が下がる。従って、感光ローラー33の外周面には、露光ヘッド39によって静電的な潜像(以下、静電潜像と呼ぶ)が形成され得る。
現像装置31K,31C,31M,31Yは、それぞれ、ベルト17の外側において、感光ローラー33の外周面に対向した状態で設けられている。現像装置31K,31C,31M,31Yは、それぞれ、感光ローラー33の回転方向において、露光ヘッド39と押圧ローラー35との間に位置している。
【0032】
現像装置31Kには、内部にブラックのトナーが収容されている。同様に、現像装置31Cには、内部にシアンのトナーが収容されており、現像装置31Mには、内部にマゼンタのトナーが収容されており、現像装置31Yには、内部にイエローのトナーが収容されている。
現像装置31K,31C,31M,31Yは、それぞれ、トナーを感光ローラー33の外周面に付着させて、静電潜像をトナー像として現像する。
感光ローラー33の外周面に現像されたトナー像は、感光ローラー33の回転にともなって、感光ローラー33と押圧ローラー35とのニップ部でベルト17の外周面に対面する。このとき、押圧ローラー35に転写バイアス電圧を印加することによって、トナー像が感光ローラー33からベルト17の外周面に転写される。なお、押圧ローラー35に印加する転写バイアス電圧は、トナーの帯電極性とは逆極性である。
【0033】
搬送装置7は、ピックアップローラー51と、ゲートローラー53と、定着ローラー55と、排出ローラー57と、を有している。搬送装置7は、記録用紙8を搬送経路59に沿って搬送する。
ピックアップローラー51は、搬送経路59の最上流側に設けられており、記録用紙8を1枚ずつ搬送経路59に送り込む。
搬送経路59は、ピックアップローラー51から、ゲートローラー53及び定着ローラー55を経て排出ローラー57に至っている。
ここで、搬送経路59において、ゲートローラー53と定着ローラー55との間には、転写装置5の一部が介在している。搬送経路59では、ゲートローラー53から、ベルト17と押圧ローラー19とのニップ部を経て、定着ローラー55に至る経路が採用されている。
【0034】
ピックアップローラー51によって搬送経路59に送り込まれた記録用紙8は、ゲートローラー53によって傾きが補正されてから、ベルト17と押圧ローラー19とのニップ部に供給される。
一方、ベルト17の外周面に転写されたトナー像は、ベルト17の復路領域17bを経て、ベルト17と押圧ローラー19とのニップ部に至る。このとき、ベルト17と押圧ローラー19とのニップ部において、記録用紙8とトナー像とが重畳する。このとき、押圧ローラー19には、転写バイアス電圧が印加される。
これにより、トナー像がベルト17の外周面から記録用紙8に転写される。
【0035】
転写装置5を経てトナー像が転写された記録用紙8は、定着ローラー55に供給される。
定着ローラー55に供給された記録用紙8は、ローラー55a及びローラー55b間に挟持された状態で、加熱及び加圧される。加熱及び加圧によって、トナーが記録用紙8に融着する。これにより、トナー像が記録用紙8に定着する。
トナー像が定着した記録用紙8は、排出ローラー57に供給される。
排出ローラー57に供給された記録用紙8は、ローラー57a及びローラー57bの回転によって、プリンター1の外部に排出される。
【0036】
ここで、露光ヘッド39の構成について、詳細を説明する。
露光ヘッド39は、図2に示すように、発光パネル61と、光学部材63と、カバー65と、を有している。なお、図中のY方向は、発光パネル61の長手方向(長辺の延在する方向)を示している。また、感光ローラー33は、Y方向に延在している。本実施形態では、X方向とY方向とは、互いに直交している。
第1実施形態における発光パネル61は、図2中のA−A線における断面図である図3に示すように、感光ローラー33から離間して設けられている。このため、発光パネル61と感光ローラー33との間には、隙間が設けられている。
【0037】
光学部材63は、感光ローラー33と発光パネル61との間に介在している。光学部材63は、Y方向に延在している。光学部材63と発光パネル61とは、互いに対向している。光学部材63は、感光ローラー33から離間して設けられている。このため、光学部材63と感光ローラー33との間には、隙間が設けられている。
カバー65は、発光パネル61の光学部材63側とは反対側に設けられている。カバー65は、発光パネル61の光学部材63側とは反対側から、発光パネル61を覆っている。
【0038】
発光パネル61は、複数の発光素子67を有している。また、光学部材63は、複数のレンズ69を有している。レンズ69は、発光素子67に対応して設けられている。
発光パネル61では、発光素子67ごとに発光が制御される。発光素子67からの光は、レンズ69によって集光された状態で感光ローラー33に照射される。
【0039】
発光パネル61は、平面図である図4に示すように、端子配置領域71aと、端子配置領域71bと、素子配置領域73と、ダミー配置領域75と、シール領域77と、を有している。図4では、構成をわかりやすく示すため、各領域にハッチングが施されている。
端子配置領域71a及び端子配置領域71bは、それぞれ、図示しない端子の配置が許可される領域である。端子は、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)などの配線が接続される電極である。
端子配置領域71aは、発光パネル61において、Y方向の一方の端部に設けられている。端子配置領域71bは、発光パネル61において、Y方向の他方の端部に設けられている。
【0040】
素子配置領域73は、発光素子67(図3)の配置が許可される領域である。素子配置領域73は、Y方向において、端子配置領域71aと端子配置領域71bとの間に設けられている。
ダミー配置領域75は、後述するダミー領域の配置が許可される領域である。ダミー配置領域75は、Y方向において、端子配置領域71aと端子配置領域71bとの間に設けられている。ダミー配置領域75は、素子配置領域73の外側に設けられている。ダミー配置領域75は、素子配置領域73の外側において、素子配置領域73を囲んでいる。
【0041】
シール領域77は、後述するシール材の配置が許可される領域である。Y方向において、端子配置領域71aと端子配置領域71bとの間に設けられている。シール領域77は、ダミー配置領域75の外側に設けられている。シール領域77は、ダミー配置領域75の外側において、ダミー配置領域75を囲んでいる。
このため、素子配置領域73は、ダミー配置領域75によって囲まれているとともに、シール領域77によっても囲まれている。
【0042】
発光パネル61は、図4中のD−D線における断面図である図5に示すように、素子基板81と、封止基板83と、シール材85と、を有している。
素子基板81は、有機層87を有している。有機層87は、有機化合物を含む材料で構成されており、後述する発光層を含んでいる。発光層は、有機層87を流れる電流によって発光する。有機層87は、発光機能を発揮する層であり、機能層とも呼ばれる。本実施形態では、発光層からの光が、感光ローラー33に照射するための光として利用されている。
発光パネル61は、有機EL(Electro Luminescence)装置の1つである。
【0043】
封止基板83は、素子基板81の有機層87が形成された側の面に設けられており、有機層87に対向している。
シール材85は、シール領域77内に設けられている。シール材85は、シール領域77内において、素子基板81と封止基板83との間に介在している。本実施形態では、シール材85は、素子基板81と封止基板83とによって挟持されている。
有機層87は、シール領域77によって囲まれている領域内に設けられている。有機層87は、シール材85によって、素子基板81及び封止基板83の間に封止されている。
【0044】
前述した素子配置領域73には、図4中のE部の拡大図である図6に示すように、複数の素子領域91が設けられている。
また、ダミー配置領域75には、複数のダミー領域93が設けられている。図6では、構成をわかりやすく示すため、素子領域91の外側の領域、及びダミー領域93の外側の領域にハッチングが施されている。
発光素子67は、素子領域91内に設けられている。素子領域91内には、複数の発光素子67が設けられている。本実施形態では、1つの素子領域91内に、3つの発光素子67が設けられている。
【0045】
1つの素子領域91内に設けられた3つの発光素子67は、図7に示すように、それぞれ、発光素子67a、発光素子67b及び発光素子67cとして識別される。以下においては、発光素子67という表記と、発光素子67aという表記と、発光素子67bという表記と、発光素子67cという表記とが、適宜に使いわけられる。
【0046】
本実施形態では、複数の発光素子67aは、Y方向に沿って配列している。同様に、複数の発光素子67bがY方向に沿って配列しており、複数の発光素子67cがY方向に沿って配列している。
Y方向に一列に配列する複数の発光素子67aは、1つの素子列97を構成している。同様に、Y方向に一列に配列する複数の発光素子67bも、1つの素子列97を構成しており、Y方向に一列に配列する複数の発光素子67cも、1つの素子列97を構成している。
【0047】
これらの3つの素子列97は、素子列97a、素子列97b及び素子列97cとして識別される。以下においては、素子列97という表記と、素子列97aという表記と、素子列97bという表記と、素子列97cという表記とが、適宜に使いわけられる。
Y方向に配列する複数の発光素子67aが、素子列97aを構成している。同様に、Y方向に配列する複数の発光素子67bが素子列97bを構成しており、Y方向に配列する複数の発光素子67cが素子列97cを構成している。これら3つの素子列97は、Y方向と略直交するX方向に並んで配列されている。
【0048】
1つの素子領域91において、発光素子67aと発光素子67bと発光素子67cとが一列に並ぶ方向を第2方向とすると、第2方向は、図中のF方向と一致している。本実施形態では、F方向に並ぶ3つの発光素子67a,67b,67cが1つの素子領域91内に配置されるように、素子領域91が設けられている。このため、本実施形態では、素子領域91は、F方向に延在している。なお、F方向は、X方向及びY方向の双方に対して交差する方向である。
【0049】
1つの素子領域91において、発光素子67aと発光素子67bとは、Y方向にPの間隔で並んでおり、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。1つの素子領域91において、発光素子67bと発光素子67cとは、Y方向にPの間隔で並んでおり、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。また、1つの素子領域91において、発光素子67aと発光素子67cとは、Y方向に2×Pの間隔で並んでおり、X方向に6×Pの間隔で並んでいる。
【0050】
Y方向に隣り合う2つの発光素子67aは、Y方向に3×Pの間隔で並んでいる。同様に、Y方向に隣り合う2つの発光素子67bは、Y方向に3×Pの間隔で並んでいる。Y方向に隣り合う2つの発光素子67cも、Y方向に3×Pの間隔で並んでいる。
つまり、素子列97aでは、複数の発光素子67aが、Y方向に3×Pの間隔で並んでいる。同様に、素子列97bでは、複数の発光素子67bがY方向に3×Pの間隔で並んでおり、素子列97cでは、複数の発光素子67cがY方向に3×Pの間隔で並んでいる。
【0051】
そして、素子列97a、素子列97b及び素子列97cは、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。
ここで、Pの長さは、プリンター1の印刷解像度に応じて設定される。例えば、印刷解像度が600DPI(Dot Per Inch)の場合、Pの長さは、約0.042mmに設定される。プリンター1では、印刷解像度に応じたPの長さが、発光パネル61のY方向における分解能であるとみなされる。
なお、本実施形態では、X方向において、素子列97aと素子列97bとの間隔、及び素子列97bと素子列97cとの間隔が、それぞれ、3×Pの距離に設定されている。しかしながら、これらの間隔は、3×Pの距離に限定されず、任意の距離が採用され得る。
【0052】
さて、上述したように、本実施形態では、F方向に並ぶ3つの発光素子67a,67b,67cが1つの素子領域91内に配置されるように、素子領域91が設けられている。このため、本実施形態では、素子領域91は、3×Pの間隔でY方向に並んでいる。
また、本実施形態では、図6に示すダミー領域93は、F方向に延在して設けられている。複数のダミー領域93は、Y方向に沿って3×Pの間隔で設けられている。つまり、本実施形態では、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔と、Y方向に並ぶダミー領域93の間隔とが、互いに同等の距離に設定されている。
【0053】
そして、ダミー配置領域75のうちで、X方向に素子配置領域73を挟んで対峙する領域においては、素子領域91とダミー領域93とは、F方向に沿って並んでいる。本実施形態では、素子領域91は、F方向において、2つのダミー領域93に挟まれている。別の観点から、ダミー配置領域75のうちで、X方向に素子配置領域73を挟んで対峙するそれぞれの領域において、ダミー領域93が素子領域91に対応して設けられていると定義され得る。
【0054】
発光パネル61は、回路構成を示す図である図8に示すように、発光素子67ごとに、選択トランジスター111と、駆動トランジスター113と、容量素子115と、を有している。発光素子67は、画素電極117と、有機層87と、共通電極119と、を有している。選択トランジスター111及び駆動トランジスター113は、それぞれ、TFT(Thin Film Transistor)素子で構成されている。
また、発光パネル61は、複数の走査線123と、複数の信号線125と、複数の電源線127と、を有している。
【0055】
複数の走査線123は、X方向に互いに間隔をあけた状態でY方向に延びている。
複数の信号線125は、Y方向に互いに間隔をあけた状態でF方向に延びている。
複数の電源線127は、X方向に互いに間隔をあけた状態で、且つ各電源線127と各走査線123とがX方向に間隔をあけた状態でY方向に延びている。
【0056】
発光素子67は、走査線123と信号線125との交差に対応して設定されている。各走査線123及び各電源線127は、それぞれ、素子列97に対応している。各信号線125は、素子領域91に対応している。
選択トランジスター111のゲート電極は、対応する走査線123に電気的につながっている。選択トランジスター111のソース電極は、対応する信号線125に電気的につながっている。選択トランジスター111のドレイン電極は、駆動トランジスター113のゲート電極及び容量素子115の一方の電極に電気的につながっている。
【0057】
容量素子115の他方の電極と、駆動トランジスター113のソース電極は、それぞれ、対応する電源線127に電気的につながっている。
駆動トランジスター113のドレイン電極は、画素電極117に電気的につながっている。画素電極117と共通電極119とは、画素電極117を陽極とし、共通電極119を陰極とする一対の電極を構成している。
ここで、共通電極119は、素子配置領域73(図6)における複数の発光素子67間にわたって一連した状態で設けられており、複数の発光素子67間にわたって共通して機能する。
有機層87は、画素電極117と共通電極119との間に介在している。
【0058】
選択トランジスター111は、この選択トランジスター111につながる走査線123に選択信号が供給されるとON状態となる。このとき、この選択トランジスター111につながる信号線125からデータ信号が供給され、駆動トランジスター113がON状態になる。駆動トランジスター113のゲート電位は、データ信号の電位が容量素子115に一定の期間だけ保持されることによって、一定の期間だけ保持される。これにより、駆動トランジスター113のON状態が一定の期間だけ保持される。なお、各データ信号は、印刷における階調に応じた電位に生成される。
【0059】
駆動トランジスター113のON状態が保持されているときに、駆動トランジスター113のゲート電位に応じた電流が、電源線127から画素電極117と有機層87を経て共通電極119に流れる。そして、有機層87に含まれる発光層が、有機層87を流れる電流量に応じた輝度で発光する。これにより、発光パネル61では、階調発光が行われ得る。
発光パネル61は、有機層87に含まれる発光層が発光し、発光層からの光が素子基板81(図5)を介して射出されるボトムエミッション型の有機EL装置の1つである。
【0060】
ここで、素子基板81及び封止基板83のそれぞれの構成について、詳細を説明する。
素子基板81は、図6中のH−H線における断面図である図9に示すように、基板131を有している。なお、図9では、構成をわかりやすく示すため、選択トランジスター111、容量素子115、信号線125及び電源線127が省略されている。
基板131は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されている。基板131は、封止基板83側すなわちカバー65側に向けられた第1面131aと、封止基板83側とは反対側すなわち感光ローラー33側に向けられた第2面131bとを有している。
【0061】
基板131の第1面131aには、ゲート絶縁膜133が設けられている。ゲート絶縁膜133のカバー65側には、絶縁膜135が設けられている。絶縁膜135のカバー65側には、絶縁膜137が設けられている。
また、基板131の第1面131aには、各発光素子67の駆動トランジスター113に対応して、半導体層139が設けられている。半導体層139は、ゲート絶縁膜133によってカバー65側から覆われている。なお、ゲート絶縁膜133の材料としては、例えば酸化シリコンなどの材料が採用され得る。
【0062】
ゲート絶縁膜133のカバー65側には、平面視で半導体層139に重なる領域にゲート電極141が設けられている。ゲート電極141の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、タングステン、クロムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。ゲート電極141は、絶縁膜135によってカバー65側から覆われている。
【0063】
絶縁膜135のカバー65側には、平面視で半導体層139のソース領域(図示せず)に重なる領域にソース電極143が設けられている。ソース電極143は、絶縁膜135及びゲート絶縁膜133に設けられたコンタクトホール145を介して半導体層139のソース領域(図示せず)につながっている。ソース電極143の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、タングステン、クロムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。ソース電極143は、絶縁膜137によってカバー65側から覆われている。
【0064】
絶縁膜137のカバー65側には、画素電極117が設けられている。画素電極117は、絶縁膜137、絶縁膜135及びゲート絶縁膜133に設けられたコンタクトホール147を介して半導体層139のドレイン領域(図示せず)につながっている。画素電極117の材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)などの光透過性を有する材料が採用され得る。
また、絶縁膜135及び絶縁膜137の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの材料が採用され得る。
【0065】
隣り合う画素電極117同士の間には、各発光素子67を互いに区画する絶縁膜(第1隔壁)151が領域(第1隔壁形成領域)153にわたって設けられている。絶縁膜151の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、絶縁膜151の材料として酸化シリコンが採用されている。
絶縁膜151は、平面視で、素子配置領域73(図6)にわたって格子状に設けられている。このため、素子配置領域73は、絶縁膜151によって複数の領域155に区画されている。1つの発光素子67に着目すると、絶縁膜151は、平面視で発光素子67を囲むように設けられている。別の観点から、絶縁膜151には、画素電極117に重なる領域155に開口部が形成されているとみなされ得る。
【0066】
絶縁膜151のカバー65側には、各素子領域91を互いに区画する絶縁膜(第2隔壁)157が設けられている。
1つの素子領域91に着目すると、絶縁膜157は、平面視で素子領域91を囲むように設けられている。別の観点から、絶縁膜157には、素子領域91に重なる領域に開口部が形成されているとみなされ得る。
絶縁膜157の材料としては、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有するアクリル系の樹脂やポリイミド樹脂などの有機材料が採用され得る。本実施形態では、絶縁膜157の材料としてアクリル系の樹脂が採用されている。
【0067】
本実施形態では、絶縁膜157は、図6中のI−I線における断面図である図10に示すように、素子領域91内の3つの発光素子67a,67b,67cを囲んでいる。素子領域91は、絶縁膜157によって他の素子領域91と区画されている。つまり、素子領域91は、絶縁膜157によって規定される領域であり、絶縁膜157によって囲まれた領域であると定義される。
また、素子領域91内において、3つの発光素子67a,67b,67cは、絶縁膜151によって互いに区画されている。
【0068】
画素電極117のカバー65側には、図9に示すように、絶縁膜157に囲まれた素子領域91内に、有機層87が設けられている。有機層87は、正孔注入層161と、正孔輸送層163と、発光層165とを有している。
正孔注入層161は、有機材料で構成されており、平面視で絶縁膜157によって囲まれた素子領域91内で、画素電極117のカバー65側に設けられている。
正孔注入層161の有機材料としては、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体と、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等との混合物が採用され得る。正孔注入層161の有機材料としては、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやこれらの誘導体なども採用され得る。
【0069】
正孔輸送層163は、有機材料で構成されており、平面視で絶縁膜157によって囲まれた素子領域91内で、正孔注入層161のカバー65側に設けられている。
正孔輸送層163の有機材料としては、例えば、下記化合物1として示されるTFBなどのトリフェニルアミン系ポリマーを含んだ構成が採用され得る。
【0070】
【化1】

【0071】
発光層165は、有機材料で構成されており、平面視で絶縁膜157によって囲まれた素子領域91内で、正孔輸送層163のカバー65側に設けられている。
発光層165の有機材料としては、例えば、下記化合物2として示されるF8(ポリジオクチルフルオレン)などが採用され得る。
【0072】
【化2】

【0073】
また、発光層165の他の有機材料としては、例えば、下記化合物3として示されるF8BTと、上記化合物1として示されるTFBと、上記化合物2として示されるF8とを混合したものなども採用され得る。
【0074】
【化3】

【0075】
有機層87のカバー65側には、図9に示すように、絶縁膜157に囲まれた素子領域91内に、電子注入層167が設けられている。電子注入層167の材料としては、例えば、マグネシウムと銀とを含む合金や、カルシウムなどが採用され得る。本実施形態では、電子注入層167の材料として、マグネシウムと銀とを含む合金が採用されている。
電子注入層167のカバー65側には、共通電極119が設けられている。共通電極119は、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等の金属などや、これらを含有する合金などが採用され得る。共通電極119は、電子注入層167及び絶縁膜157をカバー65側から素子配置領域73(図6)にわたって覆っている。
本実施形態では、有機層87及び電子注入層167に含まれる層が、絶縁膜157に囲まれた素子領域91内に完全に収まっているものを示したが、有機層87及び電子注入層167に含まれる層のうち、少なくとも1つの層が、絶縁膜157のカバー65側の面(上面)の一部または全部に乗り上げて形成されても良い。
【0076】
なお、発光パネル61では、各発光素子67の発光領域は、領域155内において、平面視で画素電極117と有機層87と共通電極119とが重なる領域であって、且つ平面視において絶縁膜151及び絶縁膜157と重ならない領域であると定義され得る。但し、ここで定義した発光領域と実際に発光素子67を発光させたときの発光領域とは必ずしも一致するとは限らず、多少のずれが出る場合もある。本実施形態では、各発光素子67の発光領域(有効領域)は、領域155によって規定される。
また、発光素子67は、各領域155内において、画素電極117から共通電極119までの要素の一群によって構成されると定義され得る。このため、発光パネル61では、1つの発光素子67は、1つの画素電極117と、この画素電極117に対応する有機層87と、この画素電極117に対応する電子注入層167と、この画素電極117に対応する共通電極119(の一部)とを含んだ構成を有している。
【0077】
発光パネル61では、ダミー領域93は、図6中のJ−J線における断面図である図11に示すように、絶縁膜157に囲まれている。ダミー領域93は、絶縁膜157によって区画されている。つまり、ダミー領域93は、絶縁膜157によって規定される領域であり、絶縁膜157によって囲まれた領域であると定義される。
別の観点から、絶縁膜157には、ダミー領域93に重なる領域に開口部が形成されているとみなされ得る。1つのダミー領域93に着目すると、絶縁膜157は、平面視で各ダミー領域93を囲んでいる。このため、絶縁膜157は、ダミー領域93ごとに環状に設けられているとみなされ得る。
【0078】
ダミー領域93には、有機層87、電子注入層167及び共通電極119が設けられている。なお、本実施形態では、ダミー領域93には、画素電極117が設けられていない。
また、絶縁膜151は、ダミー領域93にわたって設けられている。つまり、ダミー領域93において有機層87は絶縁膜151のカバー65側の面に形成されている。このため、ダミー領域93においては、発光層165が機能しない。
本実施形態では、ダミー配置領域75(図4)は、発光層165が機能しない領域とされている。ここで発光層165が機能しないとは、発光層165が発光しない場合以外にも、発光層165で発光された光が、露光ヘッド39の露光や、表示装置の表示、照明装置の光源等に利用されない場合も含む。
【0079】
封止基板83は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、図9に示すように、カバー65側に向けられた外向面83aと、感光ローラー33側に向けられた対向面83bとを有している。
上記の構成を有する素子基板81及び封止基板83は、素子基板81の共通電極119と封止基板83の対向面83bとの間が、接着剤175を介して接合されている。本実施形態では、素子基板81の共通電極119と封止基板83の対向面83bとの間が、接着剤175を介して接合されている例を示したが、素子基板81のカバー65側の面と封止基板83の対向面83bとシール材85とによって囲まれた空間に窒素等の不活性ガスを満たすようにしても良い。またこの場合、封止基板83の対向面83bに水分及び/または酸素を吸収するゲッター剤を配置しても良い。
【0080】
発光パネル61では、図5に示すシール材85は、図9に示す素子基板81のカバー65側の面と、封止基板83の対向面83bとによって挟持されている。つまり、発光パネル61では、発光素子67及び接着剤175が、素子基板81及び封止基板83並びにシール材85によって封止されている。なお、シール材85は、対向面83b及び共通電極119の間に設けられていてもよい。
【0081】
ここで、発光パネル61の製造方法について説明する。
発光パネル61の製造方法は、素子基板81を製造する工程と、発光パネル61を組み立てる工程とに大別される。
素子基板81を製造する工程では、図12(a)に示すように、まず、基板131の第1面131aに駆動素子層181を形成する。この駆動素子層181には、前述した選択トランジスター111(図8)、駆動トランジスター113、容量素子115(図8)、走査線123(図8)、信号線125(図8)、電源線127(図8)、画素電極117、ゲート絶縁膜133、絶縁膜135、絶縁膜137が含まれている。
【0082】
次いで、図12(b)に示すように、領域153に絶縁膜151を形成する。絶縁膜151の形成では、まず、CVD技術などを活用することにより、平面視で画素電極117及び絶縁膜137を覆う酸化シリコン膜を形成する。次いで、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術などを活用することによって、酸化シリコン膜をパターニングする。これにより、領域155が開口された絶縁膜151が形成され得る。
なお、駆動素子層181から絶縁膜151までの構成が形成された基板131は、基板182と呼ばれる。
【0083】
次いで、図12(c)に示すように、領域158に絶縁膜157を形成する。絶縁膜157の形成では、まず、ネガ型の感光物質を含むアクリル系の樹脂で、平面視で画素電極117及び絶縁膜151を覆う樹脂膜を形成する。この樹脂膜の形成では、スピンコート技術や印刷技術などが活用され得る。次いで、例えばフォトリソグラフィ技術を活用することによって、樹脂膜をパターニングする。これにより、素子領域91及びダミー領域93(図11)が開口された絶縁膜157が形成され得る。
なお、駆動素子層181から絶縁膜157までの構成が形成された基板131は、以下において基板183と呼ばれる。
【0084】
次いで、図13(a)に示すように、基板183に酸素プラズマ処理を施す。これにより、酸素プラズマ処理前よりも、画素電極117及び絶縁膜151に、後述する液状体161a,163a,165aに対して親液性が付与される。本実施形態では、処理室内を所定の真空度に保った状態で処理室内に処理ガスを導入しながら、処理室内にプラズマを発生させる方法が採用されている。本実施形態では、処理ガスとして酸素を含むガスが採用されている。
【0085】
本実施形態では、酸素プラズマ処理の条件として、処理室内の圧力を約133Pa(1Torr)とし、酸素の導入量を約500SCCMとし、プラズマ照射強度を1W/cm2とし、処理時間を1分間とした。
【0086】
基板183に酸素プラズマ処理を施す工程に次いで、図13(b)に示すように、基板183にUVオゾン処理を施す。これにより、画素電極117及び絶縁膜151の親液性が高められる。本実施形態では、処理室内に基板183を収容した状態で、処理室内に酸素を含むガスを導入しながら、処理室内で紫外線を発生させる方法が採用されている。
【0087】
基板183にUVオゾン処理を施す工程では、処理室内に基板183を収容した状態で、低圧水銀ランプを点灯させながらチャンバー内に処理ガスを導入する。なお、本実施形態では、処理ガスに酸素が含まれている。酸素は、約185nmの波長の紫外線によって分解され、オゾンに変化する。これにより、基板183にUVオゾン処理が施される。
【0088】
基板183にUVオゾン処理を施す工程に次いで、図13(c)に示すように、基板183にCF4プラズマ処理を施す。これにより、CF4プラズマ処理前よりも、絶縁膜157に、後述する液状体161a,163a,165aに対して撥液性が付与される。本実施形態では、処理室内を所定の真空度に保った状態で処理室内に処理ガスを導入しながら、処理室内にプラズマを発生させる方法が採用されている。本実施形態では、処理ガスとして、フッ素化合物を含むガスであるCF4ガスが採用されている。
【0089】
本実施形態では、CF4プラズマ処理の条件として、処理室内の圧力を約133Pa(1Torr)とし、CF4ガスの導入量を約900SCCMとし、プラズマ照射強度を1W/cm2とし、処理時間を30分間とした。
なお、処理ガスは、CF4ガスに限定されず、SF6やCHF3などのハロゲンガスや、フッ素ガスなども採用され得る。
【0090】
基板183にCF4ラズマ処理を施す工程に次いで、図14(a)に示すように、絶縁膜157によって囲まれた各領域(素子領域91及びダミー領域93)内に液状体161aを配置する。液状体161aには、正孔注入層161を構成する有機材料が含まれている。液状体161aの配置には、液滴吐出ヘッド233を利用したインクジェット法が活用され得る。
液滴吐出ヘッド233から液状体161aなどを液滴161bとして吐出する技術は、インクジェット技術と呼ばれる。そして、インクジェット技術を活用して液状体161aなどを所定の位置に配置する方法は、インクジェット法と呼ばれる。このインクジェット法は、塗布法の1つである。
【0091】
ここで、本実施形態では、液滴吐出ヘッド233には、液滴吐出ヘッド233の底面図である図15に示すように、底面235に複数のノズル237が設けられている。なお、この図15では、ノズル237をわかりやすく示すため、ノズル237が誇張されている。
複数のノズル237は、S方向に沿ってUの間隔で並んでいる。複数のノズル237は、Vの長さを有するノズル列239を構成している。この液滴吐出ヘッド233では、液滴161bの吐出をノズル237ごとに制御することができる。ノズル列239の長さVは、素子領域91のF方向における長さ以上に設定され得る。本実施形態では、長さVは、素子領域91のF方向における長さよりも長く設定されている。
【0092】
本実施形態では、絶縁膜157によって囲まれた各領域内に液状体161a(図14(a))を配置するとき、液滴吐出ヘッド233のS方向(図15)を、図6に示すF方向に合わせる。
そして、液滴吐出ヘッド233と基板183とをY方向に相対移動させながら、液滴吐出ヘッド233のノズル237から液滴161bを、絶縁膜157によって囲まれた各領域内に吐出させることが好ましい。
液滴吐出ヘッド233のS方向(図15)を図6に示すF方向に合わせると、液状体161aの吐出のタイミングが各ノズル間で揃うため制御が容易であり、また素子領域91の長辺方向(F方向)の境界に沿って精度良く液滴161bを着弾できるため、安定した塗布が実現できる。本実施形態では、液滴吐出ヘッド233のS方向(図15)を図6に示すF方向に合わせる例を示したが、液滴吐出ヘッド233のS方向(図15)を図6に示すX方向に合わせるようにしても良い。液滴吐出ヘッド233のS方向(図15)を図6に示すX方向に合わせた場合は、異なる基板デザイン(例えばF方向が異なるもの)を有する発光パネルを製造する場合においても、同一のヘッド構成で対応できるため、装置を簡略化することが可能である。
【0093】
液滴吐出ヘッド233と基板183との相対移動としては、基板183をY方向に移動させる方法、液滴吐出ヘッド233をY方向に移動させる方法、及び、液滴吐出ヘッド233及び基板183の双方を移動させる方法のいずれも採用され得る。
また、液滴吐出ヘッド233と基板183との相対移動では、連続的に移動させる方法、及び間欠的に移動させる方法のいずれも採用され得る。
【0094】
素子領域91及びダミー領域93のそれぞれの領域内に配置された液状体161aは、図14(a)に示すように、絶縁膜157によって各領域内にせき止められる。この観点から、絶縁膜157は、液状体161aを素子領域91及びダミー領域93のそれぞれの領域内にせき止める隔壁(バンク)としての機能を有しているとみなされ得る。
素子領域91及びダミー領域93は、それぞれ、絶縁膜157で構成された隔壁によって囲まれているとみなされ得る。
【0095】
素子領域91及びダミー領域93のそれぞれの領域内に配置された液状体161aを減圧乾燥法で乾燥させてから焼成を行うことによって、図14(b)に示す正孔注入層161が形成され得る。なお、液状体161aには、PEDOTとPSSとの混合物を、溶媒に溶解または分散させた構成が採用され得る。溶媒としては、例えば、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノールなどが採用され得る。なお、減圧乾燥法は、減圧環境下で行う乾燥方法であり、真空乾燥法とも呼ばれる。また、液状体161aの焼成条件は、環境温度が約200℃で、保持時間が約10分間である。
【0096】
次いで、図14(b)に示すように、絶縁膜157によって囲まれた各領域(素子領域91及びダミー領域93)内に液状体163aを配置する。液状体163aには、正孔輸送層163を構成する有機材料が含まれている。液状体163aは、液滴吐出ヘッド233から液状体163aを液滴163bとして吐出することによって配置される。
このとき、正孔注入層161は、液状体163aによって覆われる。なお、液状体163aには、TFBを溶媒に溶解または分散させた構成が採用され得る。溶媒としては、例えば、シクロヘキシルベンゼンなどが採用され得る。
なお、液状体163aの配置においても、液滴吐出ヘッド233のS方向(図15)を、図6に示すF方向に合わせた状態で、液滴吐出ヘッド233と基板183とをY方向に相対移動させながら、液滴163bを吐出させる方法が好ましい。
【0097】
次いで、液状体163aを減圧乾燥法で乾燥させてから、不活性ガス中で焼成を行うことによって、図14(c)に示す正孔輸送層163が形成され得る。なお、液状体163aの焼成条件は、環境温度が約130℃で、保持時間が約1時間である。
【0098】
次いで、図14(c)に示すように、絶縁膜157によって囲まれた各領域(素子領域91及びダミー領域93)内に、液状体165aを配置する。液状体165aには、発光層165を構成する有機材料が含まれている。液状体165aは、液滴吐出ヘッド233から液状体165aを液滴165bとして吐出することによって配置される。このとき、正孔輸送層163は、液状体165aによって覆われる。なお、液状体165aには、F8を溶媒に溶解または分散させた構成や、F8BTとTFBとF8とを溶媒に溶解または分散させた構成などが採用され得る。溶媒としては、例えば、シクロヘキシルベンゼンなどが採用され得る。
なお、液状体165aの配置においても、液滴吐出ヘッド233のS方向(図15)を、図6に示すF方向に合わせた状態で、液滴吐出ヘッド233と基板183とをY方向に相対移動させながら、液滴165bを吐出させる方法が好ましい。
【0099】
次いで、液状体165aを減圧乾燥法で乾燥させてから、不活性ガス中で焼成を行うことによって、図10や図11に示す発光層165が形成され得る。液状体165aの焼成条件は、環境温度が約130℃で、保持時間が約1時間である。
【0100】
次いで、蒸着技術などを活用してカルシウム等の膜を、絶縁膜157に囲まれた各領域(素子領域91及びダミー領域93)内に形成することにより、図10や図11に示す電子注入層167が形成され得る。このとき、電子注入層167は、絶縁膜157をマスクで覆った状態で形成され得る。
次いで、マスクを用いた蒸着技術を活用してアルミニウム等の膜を形成することにより、図10や図11に示す共通電極119が形成され得る。これにより、素子基板81が製造され得る。
【0101】
発光パネル61を組み立てる工程では、図5に示すように、素子基板81及び封止基板83を、接着剤175(図9)及びシール材85を介して接合する。
このとき、素子基板81及び封止基板83は、図9に示すように、基板131の第1面131aと、封止基板83の対向面83bとが向き合った状態で接合される。これにより、発光パネル61が製造され得る。
【0102】
本実施形態において、プリンター1が画像記録装置に対応し、発光パネル61が露光装置としての発光装置に対応し、基板182が基板に対応し、第2隔壁としての絶縁膜157が隔壁に対応している。また、Y方向が第1方向に対応し、F方向が第2方向及び第3方向に対応し、X方向が第4方向に対応している。
【0103】
本実施形態では、発光パネル61の複数の発光素子67は、絶縁膜157によって素子領域91ごとに3個単位で囲まれている。このため、素子領域91は、すべての発光素子67を包含する領域よりも狭い。
本実施形態では、発光パネル61の製造において、液状体161a,163a,165aが素子領域91ごとに配置される。つまり、液状体161a,163a,165aは、素子領域91ごとにせき止められる。
【0104】
これに対し、例えば、素子配置領域73(図4)のようにすべての発光素子67を包含する領域を1つの素子領域とする構成では、液状体161a,163a,165aは、素子配置領域73にわたって一連した状態で配置される。
液状体161a,163a,165aを素子配置領域73にわたって一連した状態で配置する場合、液滴161b,163b,165bの着弾タイミングが、素子配置領域73内で大きくばらつきやすい。
【0105】
また、素子領域内に配置された液状体161a,163a,165aでは、素子領域の外縁側から内側に向かって乾燥が進行していく。つまり、液状体161a,163a,165aの乾燥では、素子領域の外縁側と、素子領域の中央側とで、乾燥が始まるタイミングや乾燥が終るタイミング(乾燥タイミング)にずれが生じる。上述した着弾タイミングのばらつきと、乾燥タイミングのずれとが生じると、有機層87の各層の膜厚が、素子配置領域73内で大きくばらつきやすい。
素子領域が大きくなるのに応じて、有機層87の各層の膜厚が、素子領域内で大きくばらつきやすくなる。
【0106】
これに対し、本実施形態では、素子領域91を、すべての発光素子67を包含する領域よりも狭くすることができる。このため、素子領域91内での液滴161b,163b,165bの着弾タイミングのずれや乾燥タイミングのずれを軽減することができる。これにより、有機層87の各層の膜厚を、素子領域91内でそろえやすくすることができる。この結果、発光素子67の発光特性を、複数の発光素子67間でそろえやすくすることができる。
【0107】
また、本実施形態では、素子領域91内で複数の発光素子67がF方向に並んでいる。F方向は、X方向から傾いている。このため、複数の発光素子67のY方向における配置密度を高めることができる。これにより、発光パネル61において、Y方向における発光機能の分解能を高めることができる。
【0108】
また、本実施形態では、素子領域91がF方向に延在している。つまり、素子領域91内の複数の発光素子67の並び方向と、素子領域91の延在方向とがそろっている。これにより、複数の素子領域91を効率よく配置することができる。この結果、複数の素子領域91の配置密度を高めやすくすることができ、複数の発光素子67の配置密度を一層高めやすくすることができる。
【0109】
なお、本実施形態では、発光パネル61の構成として、図7に示すように、素子領域91内に3つの発光素子67(67a,67b,67c)を配置する構成(以下、構成(1)と呼ぶ)が採用されているが、発光パネル61の構成はこれに限定されない。発光パネル61の構成としては、図16に示すように、素子領域91ごとに2つの発光素子67(67a,67b)を配置した構成(以下、構成(2)と呼ぶ)も採用され得る。構成(2)では、2つの素子列97(97a,97b)が設けられる。また、構成(2)では、複数の素子領域91は、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。
構成(2)においても、構成(1)と同様の効果が得られる。このため、素子領域91内に配置する発光素子67の個数は、2つ以上の任意の個数が採用され得る。
【0110】
しかしながら、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔が、構成(2)では2×Pの距離であるのに対し、構成(1)では3×Pの距離である。つまり、構成(2)では、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔が、構成(1)よりも狭い。このため、構成(2)では、発光素子67と絶縁膜157(図9)との間の隙間Wが、構成(1)よりも狭くなる。この結果、構成(2)では、Y方向における発光素子67の高密度化、すなわちプリンター1における印刷解像度の向上が構成(1)に比べて困難になる。この観点から、素子領域91内に配置する発光素子67の個数は、3つ以上であることがより好ましいといえる。
【0111】
例えば、素子領域91ごとに4つの発光素子67(67a,67b,67c,67d)を配置した構成(以下、構成(3)と呼ぶ)では、図17に示すように、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔を、4×Pの距離にすることができる。このため、構成(3)では、構成(1)よりも隙間Wを広くすることができる。この結果、構成(3)では、構成(1)よりもプリンター1における印刷解像度を向上させやすくすることができる。
【0112】
素子領域91内に4つ以上の発光素子67を配置する構成においては、図18に示すように、F方向に連続して一列に並ぶ発光素子67を1組の素子群241として、素子領域91ごとに複数組の素子群241を配置した構成も採用され得る。
図18に示す例では、素子領域91ごとに2組の素子群241を配置した構成が採用されている。また、本実施形態では、1組の素子群241は、3つの発光素子67a,67b,67cで構成されている。
F方向に連続して一列に並ぶ3つの発光素子67a,67b,67cを1組の素子群241として、素子領域91ごとに2組の素子群241を配置した構成(以下、構成(4)と呼ぶ)においても、構成(1)と同様の効果が得られる。また、構成(4)では、隙間Wを構成(1)と同等にすることができる。なお、構成(1)(図7)、構成(2)(図16)、構成(3)(図17)のそれぞれにおいても、F方向に連続して一列に並ぶ複数の発光素子67が、1組の素子群241を構成している。構成(1)、構成(2)、及び構成(3)のそれぞれでは、素子領域91が1組の素子群241を包含している。
【0113】
さらに、構成(4)では、構成(1)に比較して、素子領域91を広くすることができる。素子領域91を広くすることができるということは、素子領域91内に配置する各液状体161a,163a,165aの量を増やすことができるということを意味する。
このことは、プリンター1における印刷解像度の向上、すなわち発光素子67の高密度化にとって有利である。
【0114】
発光素子67の高密度化にともなって、素子領域91は狭くなっていく。発光素子67の高密度化と、素子領域91の拡大とは、相反する関係にある。素子領域91が狭くなると、素子領域91内に配置することができる各液状体161a,163a,165aの量が減少する。各液状体161a,163a,165aの量が減少すると、一回の各液状体の吐出で素子領域91に形成することの出来る、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165のそれぞれの厚みが減少する。
つまり、発光素子67の高密度化にともなって、インクジェット法などの塗布法では、有機層87の各層の厚みを確保するために、各液状体を多数回吐出する必要が出てくる。また素子領域91の大きさによっては、有機層87の各層の厚みを確保することが困難となる。
【0115】
これに対し、構成(4)では、構成(1)に比較して、素子領域91の面積が広いため、素子領域91内に配置する各液状体161a,163a,165aの量を構成(1)よりも増やすことができる。このため、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165のそれぞれの厚みを確保しつつ、発光素子67の高密度化を図りやすくすることができる。
【0116】
また、別の観点から、構成(4)では、各液状体161a,163a,165aの配置にかかる時間を短縮しやすくすることができるといえる。
構成(1)と構成(4)とで発光素子67の密度が同等である場合に、構成(4)では、構成(1)に比較して、素子領域91の面積が広いため、一度の塗布プロセスで素子領域91に塗布可能な液状体の量を多くすることができる。従って一度の塗布プロセスで素子領域91に形成できる正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165のそれぞれの層の膜厚を構成(1)に比較して厚くすることができる。
換言すれば、構成(1)では、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165のそれぞれの層について、構成(4)と同じ膜厚を得ようとする場合、各液状体161a,163a,165aの塗布プロセスを、構成(4)に比較してそれぞれ、多数回行う必要がある。
この結果、構成(4)では、構成(1)よりも少ない回数の塗布プロセスで、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165のそれぞれの層の膜厚を所定の膜厚とすることができるため、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165のそれぞれの層の膜厚を所定の膜厚とするのにかかる時間を短縮しやすくすることができる。
【0117】
さらに別の観点から、構成(4)では、各液状体161a,163a,165aにおける溶媒の比率を高めることができるといえる。
上述したように、構成(4)では素子領域91の広さが構成(1)における素子領域91の広さよりも広くなるため、単位面積あたりに充填可能な液状体の量が、構成(1)よりも増える。このため、素子領域91から各液状体161a,163a,165aが溢れる限度より十分に少ない量の液状体で、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165のそれぞれの厚みを構成(1)と同等の厚みにすることができる。従って、素子領域91から各液状体161a,163a,165aが溢れる限度まで溶媒を充填する量を増やすことが可能となるため、各液状体161a,163a,165aにおける各溶媒の比率を高めることができる。
各液状体161a,163a,165aにおける溶媒の比率を高めることは、インクジェット法において有利である。それは、各液状体161a,163a,165aの粘度を低減することができるからである。
【0118】
各液状体161a,163a,165aの粘度が高いと、例えば、液滴吐出ヘッド233から各液滴161b,163b,165bを吐出させるときの吐出量や、着滴位置などがばらつきやすくなる。つまり、各液状体161a,163a,165aの粘度が高いと、液滴吐出ヘッド233における吐出制御が難しくなっていく。
これに対し、構成(4)では、構成(1)に比較して、各液状体161a,163a,165aの粘度を低減することができる。このため、液滴吐出ヘッド233における吐出制御を容易にすることができる。この結果、複数の発光素子67間で、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165のそれぞれの厚みをそろえやすくすることができる。これにより、複数の発光素子67間で発光輝度をそろえやすくすることができ、印刷における品位を向上させやすくすることができる。
【0119】
なお、構成(4)では、3つの発光素子67が1組の素子群241を構成する例が示されている。しかしながら、素子群241を構成する発光素子67の個数は、3つに限定されず、2つ以上の任意の個数が採用され得る。ただし、素子群241を構成する発光素子67の個数を増やしすぎると、F方向において、素子群241の端部に位置する発光素子67と中央部に位置する発光素子67とで、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165の膜厚にバラツキが生じるため、素子群241を構成する発光素子67の数は、F方向において、素子群241の端部に位置する発光素子67と中央部に位置する発光素子67とで、各層の膜厚にバラツキが生じない程度の数にするのが望ましい。
また、素子領域91内に配置する素子群241の組数は、2組に限定されず、3組以上の任意の組数も採用され得る。ただし、素子領域91内に配置する素子群241の数を増やしすぎると、Y方向において、端部に位置する素子群241と中央部に位置する素子群241とで、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165の膜厚にバラツキが生じるため、素子領域91内に配置する素子群241の数は、Y方向において、端部に位置する素子群241と中央部に位置する素子群241とで、各層の膜厚にバラツキが生じない程度の数にするのが望ましい。
【0120】
ところで、前述したように、構成(3)(図17)では、構成(1)よりも隙間Wを広くすることができる。そして、構成(3)において、素子領域91内に配置する発光素子67の個数を、図19に示すように、増やしていけば、隙間Wを一層広くすることができる。図19では、素子領域91内に6つの発光素子67を配置した構成(以下、構成(5)と呼ぶ)が示されている。
塗布法で形成された機能層には、絶縁膜157の端部において絶縁膜157の影響で膜厚の変動が現れることがある。絶縁膜157の影響を排除し、発光素子67の発光領域で均一な膜厚、ひいては均一な発光輝度分布を得るという観点から、隙間Wを広くすることは好ましい。隙間Wを広く取れるということは、より均一性の高い膜を複数の発光素子67にわたって形成できるという効果が有る。
さらに、隙間Wを広く取れるということは、広くなった隙間Wの分だけ発光素子67の配置密度を高くすることができるという効果にもつながる。
ところが、構成(5)では、構成(3)に比較して、素子群241の素子領域91のF方向における長さが長くなる。つまり、構成(3)において、素子領域91内に配置する発光素子67の個数を増やしていくと、素子群241の素子領域91のF方向における長さが長くなっていく。
【0121】
ここで、素子領域91が細長い形状である場合、素子領域91に液状体を塗布し、乾燥させると、液状体は素子領域91の長手方向に流動を起こし、素子領域91の長手方向における端部に形成された膜と中央部に形成された膜とを比較した場合、膜厚にばらつきが発生しやすくなる。また、このばらつきは、素子領域91の短手方向の長さに対する長手方向の長さの比が大きくなるにつれて大きくなる傾向にある。
このため、構成(3)と構成(5)とにおいて、素子領域91の大きさが変わらない場合、構成(5)では、構成(3)に比較して素子群241に含まれる発光素子67の数が増える分だけ、素子群241の端部が素子領域91のF方向(長手方向)の端部に近づくことになり、長手方向における膜厚のばらつきの影響を受けやすく(ばらつきが大きく)なる。換言すると、素子領域91が細長い形状である場合に、素子領域91の長手方向において、素子群241における端部の発光素子67の正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165の膜厚と素子群241における中央部の発光素子67の正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165の膜厚との差は、素子領域91の長手方向における素子群241の端部と素子領域91の端部との間隙が狭くなるほど大きくなると言える。
【0122】
また、素子群241の素子領域91の長手方向に対する長さが長くなるのに合わせて、素子領域91の長手方向の長さを長くした場合であっても、素子領域91の長手方向において、素子領域91の長さにおける素子群241の長さの割合が大きくなっている場合は、上記と同様に各層の膜厚のバラつきは大きくなる。(ただし素子群241の素子領域91の長手方向における中心は、素子領域91の長手方向における略中心に位置するものとする)
このとき、素子領域91の長手方向における膜厚のばらつきの影響を低減するためには、素子領域91の長手方向において素子群241の端部と素子領域91の端部との間隙の長さを十分に長くすることが望ましく、例えば間隙の長さを、素子群241の素子領域91の長手方向における長さの3倍以上とするのが効果的である。
【0123】
上記に説明したように、素子領域91の長手方向において素子群241の端部と素子領域91の端部との間隙が狭くなると、複数の発光素子67間で発光輝度がばらつきやすくなる。この結果、プリンター1における印刷品位を向上させることが困難となる。
そこで、プリンター1における印刷品位を向上させやすくするという観点から、上述した構成(4)(図18)を採用することは好ましい。構成(4)では、構成(5)(図19)に比較して、素子領域91のF方向(長手方向)において素子群241の端部と素子領域91の端部との間隙を長くすることができ、且つ、素子領域91のF方向における長さを短くすることができる。この結果、構成(4)では、プリンター1における印刷品位を向上させやすくすることができる。
【0124】
また、構成(4)では、プリンター1における印刷品位を向上させやすくすることができるという観点から、素子領域91内の複数の素子群241を、図20に示すように、X方向に相互にずらした構成が好ましい。
図20に示す例では、素子領域91ごとに2組の素子群241(241a,241b)を配置した構成が採用されている。2組のうちの1組の素子群241aは、F方向に連続して一列に並ぶ3つの発光素子67a,67b,67cで構成されている。他方の素子群241bは、F方向に連続して一列に並ぶ3つの発光素子67b,67c,67dで構成されている。
【0125】
素子群241aの発光素子67aと、素子群241bの発光素子67bとは、互いにX方向に3×Pの距離だけずれている。このため、素子群241aと素子群241bとは、互いにX方向に3×Pの距離だけずれているとみなされ得る。
また、素子群241aの発光素子67aと、素子群241bの発光素子67bとは、互いにY方向に3×Pの距離だけずれている。このため、素子群241aと素子群241bとは、互いにY方向に3×Pの距離だけずれているとみなされ得る。
以下において、図20に示される構成例は、構成(6)と呼ばれる。
【0126】
構成(4)では、3つの素子列97(97a,97b,97c)が設けられている。これに対し、構成(6)では、4つの素子列97(97a,97b,97c,97d)が設けられているとみなされ得る。
構成(6)の素子列97aには、発光素子67aが、Y方向に6×Pの間隔で複数並んでいる。
素子列97bには、1つの素子領域91内に発光素子67bが、Y方向に2×Pの間隔で2つ並んでいる。そして、素子列97bでは、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ2つの発光素子67bからなる組が、Y方向に6×Pの間隔で複数並んでいる。
【0127】
素子列97cには、1つの素子領域91内に発光素子67cが、Y方向に2×Pの間隔で2つ並んでいる。そして、素子列97cでは、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ2つの発光素子67cからなる組が、Y方向に6×Pの間隔で並んでいる。
素子列97dには、発光素子67dが、Y方向に6×Pの間隔で複数並んでいる。
そして、素子群241aにおいて、発光素子67aと発光素子67bとは、Y方向にPの間隔で並んでおり、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。素子群241aにおいて、発光素子67bと発光素子67cとは、Y方向にPの間隔で並んでおり、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。
【0128】
また、素子群241bにおいて、発光素子67bと発光素子67cとは、Y方向にPの間隔で並んでおり、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。素子群241bにおいて、発光素子67cと発光素子67dとは、Y方向にPの間隔で並んでおり、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。
このため、1つの素子領域91内において、発光素子67aと発光素子67dとは、Y方向に5×Pの間隔で並んでおり、X方向に9×Pの間隔で並んでいる。
つまり、構成(6)では、素子群241aと素子群241bとが、Y方向に3×Pの間隔で並んでおり、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。
構成(6)では、構成(4)(図18)に比較して、隙間Wを広くすることができ、さらに、F方向に垂直な方向において、素子群241aと素子群241bとの距離を近づけることが出来る。この結果、構成(6)では、構成(4)よりもプリンター1における印刷品位及び印刷解像度を向上させやすくすることができる。
【0129】
なお、構成(6)では、素子領域91内の2組の素子群241a,241bを、互いにX方向に3×Pの距離だけずらした構成が採用されている。しかしながら、素子群241a,241bをずらす距離は、3×Pの距離に限定されないが、9×P以上の距離にすると、素子領域91のF方向における長さが構成(5)よりも長くなってしまうため、9×Pよりも短い任意の距離を採用するのが良い。
素子群241a,241bをずらす距離では、9×Pよりも短い距離として、例えば、図21に示すように、0よりも長く且つ3×Pよりも短い距離が採用され得る。
以下において、素子群241a,241bをずらす距離として、0よりも長く且つ3×Pよりも短い距離が採用された構成例は、構成(7)と呼ばれる。図21に示す例では、素子群241a,241bをずらす距離として、1.5×Pの距離が採用されている。
【0130】
構成(7)では、3つの発光素子67が1組の素子群241を構成する例が示されている。しかしながら、素子群241を構成する発光素子67の個数は、3つに限定されない。
素子群241としては、図22に示すように、2つの発光素子67を1組の素子群241とする構成(以下、構成(8)と呼ぶ)も採用され得る。構成(8)では、複数の素子領域91は、Y方向に4×Pの間隔で並んでいる。
構成(8)においても、構成(7)と同様の効果が得られる。このため、1組の素子群241を構成する発光素子67の個数は、2つ以上の任意の個数が採用され得る。
【0131】
しかしながら、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔が、構成(6)(図20)や構成(7)(図21)では6×Pの距離であるのに対し、構成(8)では4×Pの距離である。つまり、構成(8)では、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔が、構成(6)や構成(7)よりも狭い。このため、構成(8)では、図22に示す隙間Wが、図20に示す隙間Wよりも狭くなる。この結果、構成(8)では、Y方向における発光素子67の高密度化、すなわちプリンター1における印刷解像度の向上が構成(6)や構成(7)に比べて困難になる。この観点から、1組の素子群241を構成する発光素子67の個数は、3つ以上であることがより好ましいといえる。
【0132】
例えば、4つの発光素子67を1組の素子群241とする構成(以下、構成(9)と呼ぶ)では、図23に示すように、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔を、8×Pの距離にすることができる。このため、構成(9)では、構成(6)(図20)や構成(7)(図21)よりも隙間Wを広くすることができる。この結果、構成(9)では、構成(6)や構成(7)よりもプリンター1における印刷解像度を向上させやすくすることができる。
また、構成(6)(図20)、構成(7)(図21)、構成(8)(図22)や構成(9)(図23)において、素子領域91内に配置する素子群241の組数は、2組に限定されず、3組以上の任意の組数も採用され得る。
【0133】
例えば、構成(6)に新たな1組の素子群241(241c)を付加した構成(以下、構成(10)と呼ぶ)では、図24に示すように、隙間Wを構成(6)における隙間Wよりも広くすることができる。
構成(10)において、素子群241cは、F方向に連続して一列に並ぶ3つの発光素子67c,67d,67eで構成されている。素子群241bの発光素子67bと、素子群241cの発光素子67cとは、互いにX方向に3×Pの距離だけずれている。このため、素子群241bと素子群241cとは、互いにX方向に3×Pの距離だけずれているとみなされ得る。
【0134】
また、素子群241bの発光素子67bと、素子群241cの発光素子67cとは、互いにY方向に3×Pの距離だけずれている。このため、素子群241bと素子群241cとは、互いにY方向に3×Pの距離だけずれているとみなされ得る。
構成(6)(図20)では、4つの素子列97(97a,97b,97c,97d)が設けられている。これに対し、構成(10)では、図24に示すように、5つの素子列97(97a,97b,97c,97d,97e)が設けられているとみなされ得る。
【0135】
構成(10)の素子列97aには、複数の発光素子67aが、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
素子列97bには、1つの素子領域91内に2つの発光素子67bが、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。そして、素子列97bでは、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ2つの発光素子67bが、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
素子列97cには、1つの素子領域91内に3つの発光素子67cが、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。そして、素子列97cでは、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ3つの発光素子67cからなる組が、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
【0136】
素子列97dには、1つの素子領域91内に2つの発光素子67dが、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。そして、素子列97dでは、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ2つの発光素子67dからなる組が、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
素子列97eには、複数の発光素子67eが、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
なお、素子領域91において、発光素子67aと、発光素子67eとは、Y方向に8×Pの間隔で、且つX方向に12×Pの間隔で並んでいる。
【0137】
上述したように、構成(10)では、隙間Wを構成(6)における隙間Wよりも広くすることができる。このため、構成(10)では、構成(6)よりもプリンター1における印刷解像度を向上させやすくすることができる。
さらに、構成(10)では、構成(6)に比較して、素子領域91を広くすることができる。素子領域91を広くすることができるということは、種々の観点から、発光素子67の高密度化にとって有利である。種々の観点としては、例えば、前述した3つの観点を挙げることができる。1つ目の観点は、有機層87の各層の厚みを確保するという観点である。2つ目の観点は、各液状体161a,163a,165aの配置にかかる時間を短縮しやすくすることができるという観点である。3つ目の観点は、各液状体161a,163a,165aにおける各溶媒の比率を高めることができるという観点である。
【0138】
構成(7)(図21)、構成(8)(図22)や構成(9)(図23)のそれぞれにおいても、新たな1組の素子群241(241c)を付加することにより、同様の効果が得られる。
つまり、構成(7)に新たな1組の素子群241(241c)を付加した構成においても、隙間Wや素子領域91を構成(7)における隙間Wや素子領域91よりも広くすることができる。
構成(8)に新たな1組の素子群241(241c)を付加した構成においても、隙間Wや素子領域91を構成(8)における隙間Wや素子領域91よりも広くすることができる。
構成(9)に新たな1組の素子群241(241c)を付加した構成においても、隙間Wや素子領域91を構成(9)における隙間Wや素子領域91よりも広くすることができる。
【0139】
ところで、構成(10)において、素子群241aの発光素子67aと、素子群241bの発光素子67bと、素子群241cの発光素子67cとが並ぶ方向、すなわち素子領域91内に位置する複数の素子群241のそれぞれの素子群241において、素子群241に配列された複数の発光素子67のうち端部に位置する発光素子67であって、F方向の一方の側に位置する発光素子67を結ぶ線分が延在する方向を第5方向とすると、構成(10)では第5方向は、図25に示すように、Q方向に該当している。このため、図25に示す素子群241aと素子群241bと素子群241cとは、Q方向に沿って並んでいるといえる。すなわち、第5方向は複数の素子群241が並ぶ方向ということもできる。
【0140】
素子群241が並ぶ方向に着目することにより、素子領域91の延在する方向(長手方向)を素子群241の並ぶ方向すなわちQ方向に延在させる構成(以下、構成(11)と呼ぶ)が、本発明者によって創作された。
構成(11)では、素子領域245の長手方向が、図26に示すように、Q方向に沿って延在している。すなわち構成(11)では、素子領域245の延在方向であるQ方向が第5方向に対応している。
素子領域245は、Q方向に並ぶ3つの素子群241(241a,241b,241c)ごとに設けられている。素子領域245は、Q方向に並ぶ3つの素子群241(241a,241b,241c)を覆う(平面視で重なる)領域に設けられている。
【0141】
構成(11)においても、複数の素子領域245は、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。Y方向に隣り合う2つの素子領域245間は、隙間(絶縁膜157)によって隔てられている。構成(11)では、発光素子67と素子領域245の縁部との間に、隙間Wを確保することができる。
さらに、構成(11)では、素子領域91(図24)に比較して、素子領域245を効率的に狭小化することができる。
特に、素子領域245のQ方向における長さを、素子領域91のF方向における長さに比較して短くすることができる。
【0142】
素子領域245のQ方向における長さを短縮することは、有機層87の各層の膜厚を素子領域245内において均一にしやすくすることができる点で好ましい。
素子領域245内に配置された各液状体161a,163a,165aでは、素子領域245の外縁側から内側に向かって乾燥が進行していく。つまり、各液状体161a,163a,165aの乾燥では、素子領域245の外縁側と、素子領域245の中央側とで、乾燥が始まるタイミングや乾燥が終るタイミング(乾燥タイミング)にずれが生じる。
【0143】
このとき、素子領域245のQ方向における長さに応じて、素子領域245のQ方向における縁部での乾燥タイミングと、素子領域245の中央部での乾燥タイミングとのずれが大きくなる。
素子領域245内での乾燥タイミングのずれが大きいと、素子領域245のQ方向における縁部と素子領域245の中央部とで、乾燥後の各層の膜厚ばらつきが大きくなりやすい。この結果、素子領域245内のQ方向における縁部に位置する発光素子67と素子領域245の中央部に位置する発光素子67との間で、発光輝度がばらつきやすくなる。
【0144】
この点に関して、構成(11)では、素子領域245のQ方向における長さを、素子領域91のF方向における長さに比較して短縮することができる。これにより、素子領域245のQ方向における縁部での乾燥タイミングと、素子領域245の中央部での乾燥タイミングとのずれを軽減しやすくすることができる。このため、素子領域245内において、正孔注入層161、正孔輸送層163及び発光層165のそれぞれの膜厚ばらつきを低減しやすくすることができる。これにより、素子領域245内において、複数の発光素子67間での発光輝度のばらつきを低減しやすくすることができる。この結果、構成(11)では、プリンター1における印刷品位を向上させやすくすることができる。
【0145】
なお、構成(10)、(11)では、素子領域245の延在方向である第3方向と複数の素子群241が並ぶ方向である第5方向とがともにQ方向である。また、構成(4)〜構成(9)では、素子領域91の延在方向である第3方向と複数の素子群241が並ぶ方向である第5方向とは同じ方向になっておらず、第3方向は1つの素子群241において複数の発光素子67が一列に連続して配列された方向である第2方向と一致しており、これらはF方向と一致している。
【0146】
さらに、本実施形態では、素子配置領域73(図4)を外側から囲む領域に、ダミー配置領域75が設けられている。ダミー配置領域75には、複数のダミー領域(図6)が設けられている。
これにより、各液状体161a,163a,165aのそれぞれにおいて、素子領域91や素子領域245内での乾燥タイミングのずれを一層低減しやすくすることができる。この結果、本実施形態では、プリンター1における印刷品位を一層向上させやすくすることができる。
【0147】
上述した第1実施形態(構成(1)〜構成(11))では、発光パネル61の構成として、Y方向にPの間隔で発光素子67を1つずつ配置した構成が採用されているが、発光パネル61の構成はこれに限定されない。発光パネル61の構成としては、X方向において重複する複数個の発光素子67からなる組をY方向にPの間隔で配置した構成も採用され得る。
以下に、X方向において重複する複数個の発光素子67からなる組をY方向にPの間隔で配置した構成を有する発光パネル100を第2実施形態として説明する。
【0148】
第2実施形態における発光パネル100は、X方向において重複する複数個の発光素子67からなる組をY方向にPの間隔で配置した構成を有することを除いて、発光パネル61と同様の構成を有している。このため、以下においては、重複した説明を避けるため、発光パネル100において発光パネル61と同一の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
また、第2実施形態におけるプリンター1は、発光パネル61が発光パネル100に置換されることを除いて、第1実施形態におけるプリンター1と同一の構成を有している。従って、以下においては、プリンター1及びプリンター1の構成についての詳細な説明を省略する。
【0149】
発光パネル100においても、図27に示すように、素子配置領域73に複数の素子領域91が設けられている。素子領域91内には、複数の発光素子67が設けられている。本実施形態では、1つの素子領域91内に、6つの発光素子67が設けられている。
1つの素子領域91内に設けられた6つの発光素子67は、図28に示すように、それぞれ、発光素子67a、発光素子67b、発光素子67c、発光素子67d、発光素子67e及び発光素子67fとして識別される。発光素子67aは、素子列97aに属している。同様に、発光素子67bが素子列97bに属し、発光素子67cが素子列97cに属し、発光素子67dが素子列97dに属し、発光素子67eが素子列97eに属し、発光素子67fが素子列97fに属している。
【0150】
各素子列97において、複数の発光素子67は、Y方向に3×Pの間隔で並んでいる。6つの素子列97は、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。
素子領域91内において、発光素子67a、発光素子67b、発光素子67c、発光素子67d、発光素子67e及び発光素子67fは、F方向に並んでいる。F方向に並ぶ複数の発光素子67は、1組の素子群241を構成している。複数の素子群241は、Y方向に3×Pの間隔で並んでいる。
本実施形態では、素子領域91が1組の素子群241を包含している。
【0151】
図28に示す構成(以下、構成(12)と呼ぶ)では、X方向に2つの発光素子67が整列している。つまり、本実施形態では、複数の発光素子67がX方向に重複している。
構成(12)は、X方向に重複する2つの発光素子67からなる組をY方向にPの間隔で配置した構成を有している。構成(12)では、X方向に重複する2つの発光素子67は、隣り合う2組の素子群241間にまたがっている。換言すれば、隣り合う2組の素子群241は、これらの素子群241間でX方向に整列する複数の発光素子67を有している。
【0152】
構成(12)において、連続して並ぶ3つの素子領域91(91a,91b及び91c)に着目すると、素子領域91bの発光素子67a,67b及び67cが、それぞれ、素子領域91cの発光素子67d,67e及び67fのそれぞれに重複している。
素子領域91bの発光素子67d,67e及び67fは、それぞれ、素子領域91aの発光素子67a,67b及び67cのそれぞれに重複している。
【0153】
発光パネル100は、発光素子67の配置が異なることを除いて、発光パネル61と同様の構成を有している。また、発光パネル100は、発光パネル61の製造方法と同様の製造方法によって製造され得る。従って、発光パネル100の製造方法については、詳細な説明を省略する。
本実施形態において、発光パネル100が露光装置としての発光装置に対応し、基板182が基板に対応し、第2隔壁としての絶縁膜157が隔壁に対応し、Y方向が第1方向に対応し、F方向が第2方向及び第3方向に対応し、X方向が第4方向に対応している。
本実施形態では、発光パネル100が、X方向に重複する複数の発光素子67を有している。このため、発光パネル100は、発光機能をX方向に重複して発揮することができる。
【0154】
これにより、例えば、露光ヘッド39において、1つの発光素子67の発光機能が劣化した場合に、この発光素子67に重複する他の発光素子67で発光機能を補完することができる。
また、例えば、露光ヘッド39において、X方向に重複する複数の発光素子67を循環的に使用する方法も採用され得る。
これらの使用方法によって、露光ヘッド39の露光特性を長期間にわたって維持することができる。
【0155】
なお、構成(12)では、素子領域91内に6つの発光素子67を配置する構成が採用されているが、発光パネル100の構成はこれに限定されない。発光パネル100の構成としては、図29に示すように、素子領域91ごとに2つの発光素子67(67a,67b)を配置した構成(以下、構成(13)と呼ぶ)も採用され得る。構成(13)では、2つの素子列97(97a,97b)が設けられる。また、構成(13)では、複数の素子領域91は、Y方向にPの間隔で並んでいる。
構成(13)においても、構成(12)と同様の効果が得られる。このため、素子領域91内に配置する発光素子67の個数は、2以上が採用され得る。ただし、素子領域91内に配置する発光素子67の個数が奇数個であると、X方向に重複しない発光素子67が出てくるため、素子領域91内に配置する発光素子67の個数は偶数個であることが望ましい。
【0156】
しかしながら、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔が、構成(12)では3×Pの距離であるのに対し、構成(13)ではPの距離である。つまり、構成(13)では、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔が、構成(12)よりも狭い。このため、構成(13)では、発光素子67と絶縁膜157(図9)との間の隙間Wが、構成(12)よりも狭くなる。この結果、構成(13)では、Y方向における発光素子67の高密度化、すなわちプリンター1における印刷解像度の向上が構成(12)に比べて困難になる。
【0157】
これに対し、発光パネル100の構成としては、図30に示すように、素子領域91内に4つの発光素子67を配置する構成(以下、構成(14)と呼ぶ)も採用され得る。
構成(14)では、各素子列97において、複数の発光素子67は、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。このため、Y方向に並ぶ素子領域91の間隔を2×Pの距離にすることができる。これにより、構成(14)では、構成(13)(図29)に比較して隙間Wを広げることができる。
つまり、構成(12)、構成(13)や、構成(14)では、プリンター1における印刷解像度の向上の観点から、素子群241を構成する発光素子67の個数を増やすことが好ましい。
【0158】
また、構成(12)では、素子領域91が1組の素子群241を包含する構成が採用されているが、発光パネル100の構成はこれに限定されない。発光パネル100の構成としては、図31に示すように、素子領域91が2組の素子群241を包含する構成(以下、構成(15)と呼ぶ)も採用され得る。
構成(15)においても、構成(12)と同様の効果が得られる。構成(15)では、隙間Wを構成(12)と同等にすることができる。
【0159】
さらに、構成(15)では、構成(12)に比較して、素子領域91を広くすることができる。素子領域91を広くすることができるということは、種々の観点から、発光素子67の高密度化にとって有利である。種々の観点としては、例えば、前述した3つの観点を挙げることができる。1つ目の観点は、有機層87の各層の厚みを確保するという観点である。2つ目の観点は、各液状体161a,163a,165aの配置にかかる時間を短縮しやすくすることができるという観点である。3つ目の観点は、各液状体161a,163a,165aにおける各溶媒の比率を高めることができるという観点である。
【0160】
なお、構成(15)では、6つの発光素子67が1組の素子群241を構成する例が示されている。しかしながら、素子群241を構成する発光素子67の個数は、6つに限定されず、2以上の偶数個が採用され得る。
また、素子領域91内に配置する素子群241の組数は、2組に限定されず、3組以上の任意の組数も採用され得る。
【0161】
ところで、上述したように、構成(15)では、構成(12)と隙間Wを同等にすることができるが、構成(15)に対して、隙間Wを広げることができるという観点から、素子領域91内の複数の素子群241を、図32に示すように、X方向に相互にずらした構成(以下、構成(16)と呼ぶ)が採用され得る。
構成(16)では、素子領域91ごとに2組の素子群241(241a,241b)を配置した構成が採用されている。2組のうちの1組の素子群241aは、F方向に並ぶ6つの発光素子67a,67b,67c,67d,67e,67fで構成されている。他方の素子群241bは、F方向に並ぶ6つの発光素子67b,67c,67d,67e,67f,67gで構成されている。
【0162】
素子群241aの発光素子67aと、素子群241bの発光素子67bとは、互いにX方向に3×Pの距離だけずれている。このため、素子群241aと素子群241bとは、互いにX方向に3×Pの距離だけずれているとみなされ得る。
また、素子群241aの発光素子67aと、素子群241bの発光素子67bとは、互いにY方向に3×Pの距離だけずれている。このため、素子群241aと素子群241bとは、互いにY方向に3×Pの距離だけずれているとみなされ得る。
【0163】
構成(15)(図31)では、6つの素子列97(97a,97b,97c,97d,97e,97f)が設けられている。これに対し、構成(16)では、7つの素子列97(97a,97b,97c,97d,97e,97f,97g)が設けられているとみなされ得る。
構成(16)の素子列97aには、複数の発光素子67aが、Y方向に6×Pの間隔で並んでいる。
素子列97bには、1つの素子領域91内に2つの発光素子67bが、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。そして、素子列97bでは、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ2つの発光素子67bが、Y方向に6×Pの間隔で並んでいる。
【0164】
素子列97c,97d,97e,97fのそれぞれにおいても、素子列97bと同様に複数の発光素子67が並んでいる。
素子列97gには、複数の発光素子67gが、Y方向に6×Pの間隔で並んでいる。
1つの素子領域91内において、発光素子67aと発光素子67gとは、Y方向に8×Pの間隔で並んでおり、X方向に18×Pの間隔で並んでいる。
構成(16)では、素子群241aと素子群241bとが、Y方向に3×Pの間隔で並んでおり、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。
【0165】
構成(16)では、素子領域91内でX方向に重複する2つの発光素子67のX方向における間隔が、6×Pである。これに対し、隣り合う2つの素子領域91間にまたがってX方向に重複する2つの発光素子67では、X方向における間隔が12×Pである。つまり、構成(16)では、隣り合う2つの素子領域91間にまたがってX方向に重複する2つの発光素子67の間隔を、素子領域91内でX方向に重複する2つの発光素子67の間隔よりも広くすることができる。
このため、構成(16)では、構成(15)(図31)に比較して、隙間Wを広くすることができる。この結果、構成(16)では、構成(15)よりもプリンター1における印刷解像度を向上させやすくすることができる。
ここで、構成(16)では、素子領域91の長手方向はF方向に沿って延在しているが、構成(11)と同様に、複数の素子群241が並ぶ方向である第5方向に沿って素子領域91の長手方向が延在するようにしても良い。
【0166】
なお、構成(16)では、素子領域91内の2組の素子群241a,241bを、互いにX方向に3×Pの距離だけずらした構成が採用されている。しかしながら、素子群241a,241bをずらす距離は、3×Pの距離に限定されず、9×Pよりも短い任意の距離が採用され得る。
素子群241a,241bをずらす距離では、9×Pよりも短い距離として、例えば、図33に示すように、0よりも長く且つ3×Pよりも短い距離が採用され得る。
以下において、素子群241a,241bをずらす距離として、0よりも長く且つ3×Pよりも短い距離が採用された構成例は、構成(17)と呼ばれる。図33に示す例では、素子群241a,241bをずらす距離として、1.5×Pの距離が採用されている。
【0167】
構成(17)では、6つの発光素子67が1組の素子群241を構成する例が示されている。しかしながら、素子群241を構成する発光素子67の個数は、6つに限定されず、2以上の偶数個が採用され得る。
また、構成(16)(図32)において、発光素子67gを素子列97aに組み入れた構成(以下、構成(18)と呼ぶ)では、図34に示すように、素子列97の数を6つに低減することができる。このため、F方向における素子領域91の長さを、構成(16)よりも短くすることができる。
構成(18)の素子列97aには、1つの素子領域91内に2つの発光素子67aが、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。そして、素子列97aでは、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ2つの発光素子67aが、Y方向に6×Pの間隔で並んでいる。このため、構成(18)では、素子群241aと素子群241bとが、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。
【0168】
構成(18)においても、構成(16)と同様に、隣り合う2つの素子領域91間にまたがってX方向に重複する2つの発光素子67の間隔を、素子領域91内でX方向に重複する2つの発光素子67の間隔よりも広くすることができる。
このため、構成(18)においても、構成(15)(図31)に比較して、隙間Wを広くすることができる。この結果、構成(18)では、構成(15)よりもプリンター1における印刷解像度を向上させやすくすることができる。
【0169】
ところで、構成(16)(図32)や構成(17)(図33)において、素子領域91内に配置する素子群241の組数は、2組に限定されず、3組以上の任意の組数も採用され得る。
例えば、構成(16)に新たな1組の素子群241(241c)を付加した構成(以下、構成(19)と呼ぶ)では、図35に示すように、隙間Wを構成(16)における隙間Wよりも広くすることができる。
構成(19)において、素子群241cは、F方向に並ぶ6つの発光素子67c,67d,67e,67f,67g,67hで構成されている。素子群241bの発光素子67bと、素子群241cの発光素子67cとは、互いにX方向に3×Pの距離だけずれている。このため、素子群241bと素子群241cとは、互いにX方向に3×Pの距離だけずれているとみなされ得る。
【0170】
また、素子群241bの発光素子67bと、素子群241cの発光素子67cとは、互いにY方向に3×Pの距離だけずれている。このため、素子群241bと素子群241cとは、互いにY方向に3×Pの距離だけずれているとみなされ得る。
構成(16)(図32)では、7つの素子列97(97a,97b,97c,97d,97e,97f,97g)が設けられている。これに対し、構成(19)では、図35に示すように、8つの素子列97(97a,97b,97c,97d,97e,97f,97g,97h)が設けられているとみなされ得る。
【0171】
構成(19)の素子列97aには、複数の発光素子67aが、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
素子列97bには、1つの素子領域91内に2つの発光素子67bが、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。そして、素子列97bでは、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ2つの発光素子67bが、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
素子列97c,97d,97e,97fのそれぞれには、1つの素子領域91内に3つの発光素子67が、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。そして、各素子列97では、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ3つの発光素子67が、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
【0172】
素子列97gには、1つの素子領域91内に2つの発光素子67gが、Y方向に2×Pの間隔で並んでいる。そして、素子列97gでは、1つの素子領域91内でY方向に並ぶ2つの発光素子67gが、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
素子列97hには、複数の発光素子67hが、Y方向に9×Pの間隔で並んでいる。
なお、素子領域91において、発光素子67aと、発光素子67hとは、Y方向に11×Pの間隔で、且つX方向に21×Pの間隔で並んでいる。
【0173】
上述したように、構成(19)では、隙間Wを構成(16)における隙間Wよりも広くすることができる。このため、構成(19)では、構成(16)よりもプリンター1における印刷解像度を向上させやすくすることができる。
さらに、構成(19)では、構成(16)に比較して、素子領域91を広くすることができる。素子領域91を広くすることができるということは、種々の観点から、発光素子67の高密度化にとって有利である。種々の観点としては、例えば、前述した3つの観点を挙げることができる。1つ目の観点は、有機層87の各層の厚みを確保するという観点である。2つ目の観点は、各液状体161a,163a,165aの配置にかかる時間を短縮しやすくすることができるという観点である。3つ目の観点は、各液状体161a,163a,165aにおける各溶媒の比率を高めることができるという観点である。
【0174】
構成(17)(図33)においても、新たな1組の素子群241(241c)を付加することにより、同様の効果が得られる。
つまり、構成(17)に新たな1組の素子群241(241c)を付加した構成においても、隙間Wや素子領域91を構成(17)における隙間Wや素子領域91よりも広くすることができる。
【0175】
なお、構成(12)〜構成(19)では、それぞれ、2つの発光素子67がX方向に重複している構成が採用されているが、X方向に重複する発光素子67の個数は2つに限定されない。X方向に重複する発光素子67の個数としては、3以上の整数個も採用され得る。
例えば、3つの発光素子67がX方向に重複する構成では、図36に示すように、9つの素子列97(97a,97b,97c,97d,97e,97f,97g,97h,97i)を有する構成(以下、構成(20)と呼ぶ)が採用され得る。
【0176】
構成(20)において、素子領域91aの発光素子67aと、素子領域91bの発光素子67dと、素子領域91cの発光素子67gとが、X方向に重複している。素子領域91aの発光素子67bと、素子領域91bの発光素子67eと、素子領域91cの発光素子67hとが、X方向に重複している。同様に、素子領域91aの発光素子67cと、素子領域91bの発光素子67fと、素子領域91cの発光素子67iとが、X方向に重複している。
これにより、露光ヘッド39の露光特性を一層長期間にわたって維持することができる。
【0177】
構成(20)では、各素子列97において、複数の発光素子67がY方向に3×Pの間隔で並んでいる。9つの素子列97は、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。
素子領域91は、1組の素子群241を包含している。素子群241は、F方向に並ぶ9つの発光素子67で構成されている。
なお、構成(20)では、各素子群241が9つの発光素子67を有する構成が採用されているが、発光パネル100の構成はこれに限定されない。発光パネル100の構成としては、各素子群241が、3×n(nは、2以上の整数)個の発光素子67を有する構成が採用され得る。素子群241に属する発光素子67の個数に応じて、Y方向に並ぶ複数の発光素子67の間隔を調整すればよい。
【0178】
また、構成(20)では、素子領域91が1組の素子群241を包含する構成が採用されているが、発光パネル100の構成はこれに限定されない。発光パネル100の構成としては、素子領域91が2組以上の素子群241を包含する構成も採用され得る。
素子領域91が3組の素子群241を包含する構成では、図37に示すように、3組の素子群241(241a,241b,241c)をX方向に相互にずらした構成(以下、構成(21)と呼ぶ)が採用され得る。構成(21)では、構成(20)に比較して、隙間Wを広げることができる。また、構成(21)では、構成(20)に比較して、素子領域91を広げることができる。
【0179】
また、構成(21)において、素子群241bの発光素子67jを素子列97aに組み入れ、且つ素子群241cの発光素子67j,67kを素子列97a,97bに組み入れた構成(以下、構成(22)と呼ぶ)も採用され得る。構成(22)では、図38に示すように、構成(21)に比較して、素子列97の数を9つに低減することができる。このため、F方向における素子領域91の長さを、構成(21)よりも短くすることができる。
【0180】
なお、構成(21)や構成(22)においても、構成(16)と同様に、隣り合う2つの素子領域91間にまたがってX方向に重複する2つの発光素子67の間隔を、素子領域91内でX方向に重複する2つの発光素子67の間隔よりも広くすることができる。
このため、構成(21)や構成(22)においても、構成(20)(図36)に比較して、隙間Wを広くすることができる。この結果、構成(21)や構成(22)では、構成(20)よりもプリンター1における印刷解像度を向上させやすくすることができる。
また、構成(16)、構成(17)、構成(19)、構成(21)において、素子領域91内で素子群241が並んでいる方向が第5方向に対応している。
【0181】
第2実施形態では、素子領域91をX方向に分割した構成も採用され得る。素子領域91をX方向に分割した構成としては、例えば、図39に示すように、X方向に素子領域251と素子領域253とに分割した構成(以下、構成(23)と呼ぶ)が例示される。
構成(23)では、素子領域251に3つの発光素子67(67a,67b,67c)が配置され、素子領域253に3つの発光素子67(67d,67e,67f)が配置されている。また、構成(23)では、6つの素子列97(97a,97b,97c,97d,97e,97f)が設けられている。
【0182】
各素子列97において、複数の発光素子67は、Y方向に3×Pの間隔で並んでいる。素子列97aと、素子列97bと、素子列97cとは、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。同様に、素子列97dと、素子列97eと、素子列97fとは、X方向に3×Pの間隔で並んでいる。素子列97cと、素子列97dとの間隔は、任意の距離が採用され得る。
F方向に並ぶ3つの発光素子67a,67b,67cは、素子群257を構成している。また、F方向に並ぶ3つの発光素子67d,67e,67fは、素子群259を構成している。
【0183】
素子領域251は、1組の素子群257を包含している。素子領域253は、1組の素子群259を包含している。
構成(23)では、発光素子67aと、発光素子67dとが、X方向に重複している。発光素子67bと、発光素子67eとが、X方向に重複している。発光素子67cと、発光素子67fとが、X方向に重複している。つまり、素子群257と、素子群259とは、X方向に並んでいる。このため、素子領域251と、素子領域253とは、X方向に並んでいる。
構成(23)においても、構成(12)と同様の効果が得られる。
【0184】
なお、構成(23)では、素子列97cと素子列97dとのX方向における間隔として、12×Pの距離を採用することが好ましい。これは、F方向に延在する素子領域251と、F方向に延在する素子領域253とを、F方向に沿って整列させることができるためである。素子領域251と素子領域253とがF方向に沿って整列すれば、液滴吐出ヘッド233のノズル列239(図15)を、F方向に整列する素子領域251と素子領域253とに対面させやすい。これにより、液滴161b,163b,165bを、F方向に整列する素子領域251及び素子領域253の双方にまとめて吐出しやすくすることができる。
なお、構成(23)の素子領域251及び素子領域253のそれぞれに対して、構成(2)〜構成(11)の各構成を適用することが可能である。
【0185】
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、発光パネル61や発光パネル100として、ボトムエミッション型の有機EL装置が採用されているが、発光パネル61や発光パネル100はこれに限定されない。発光パネル61や発光パネル100としては、発光光を基板とは反対側から取り出すトップエミッション型の有機EL装置も採用され得る。
【0186】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、発光パネル61や発光パネル100がプリンター1の露光ヘッド39に適用されているが、発光パネル61や発光パネル100の適用はプリンター1に限定されない。発光パネル61や発光パネル100としては、ファクシミリやコピー機などの露光ヘッドにも適用され得る。
【0187】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、それぞれ、電気光学装置の1つである発光パネル61及び発光パネル100が例示されているが、電気光学装置はこれらに限定されない。電気光学装置としては、例えば、光センサーなども挙げられる。光センサーは、電気光学素子として受光素子を有している。光センサーでは、上述した複数の発光素子67に替えて複数の受光素子が適用される。光センサーでは、上述した各発光素子67が、受光素子に置換される。
本実施形態によれば、光センサーなどの電気光学装置においても、機能層の厚みを素子領域内の電気光学素子間でそろえやすくすることができる。この結果、電気光学素子の特性を電気光学素子間でそろえやすくすることができる。
【符号の説明】
【0188】
1…プリンター、39…露光ヘッド、61…発光パネル、67…発光素子、73…素子配置領域、75…ダミー配置領域、81…素子基板、83…封止基板、87…有機層、91…素子領域、93…ダミー領域、97…素子列、100…発光パネル、131…基板、131a…第1面、131b…第2面、151…絶縁膜、153…領域、155…領域、157…絶縁膜、158…領域、161…正孔注入層、161a…液状体、161b…液滴、163…正孔輸送層、163a…液状体、163b…液滴、165…発光層、165a…液状体、165b…液滴、167…電子注入層、181…駆動素子層、182…基板、183…基板、233…液滴吐出ヘッド、235…底面、237…ノズル、239…ノズル列、241…素子群、251…素子領域、253…素子領域、257…素子群、259…素子群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に設けられ、前記基板の第1面の一部の領域を複数の素子領域に区画する隔壁と、
前記基板に設けられた複数の電気光学素子と、を含み、
前記複数の電気光学素子の各々は、電気光学機能を発揮する機能層を有し、
前記電気光学機能は、前記基板の第1方向における分解能が、前記複数の電気光学素子の前記第1方向における配置間隔に対応しており、
前記複数の電気光学素子は、前記複数の電気光学素子のうち前記第1方向に一列に配列された複数の前記電気光学素子を1つの素子列とする複数の素子列を備え、前記複数の素子列において、各々の前記素子列は前記第1方向と略直交する方向に並んで配置されており、且つ前記複数の電気光学素子のうち、前記第1方向と交差する第2方向に連続して一列に並ぶ複数の前記電気光学素子を1組の素子群とする複数組の素子群を備え、
前記複数の素子領域における各々の素子領域は、少なくとも1組の前記素子群を包含した状態で、前記各々の素子領域の長手方向は、前記第1方向と交差する第3方向に延在しており、
前記第2方向は、前記第1方向とは直交する第4方向から傾いており、
前記複数組の素子群は、前記第2方向と交差し、且つ前記第1方向から傾いている第5方向に並んでいる、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第3方向と前記第5方向とは、互いに同じ方向であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第3方向と前記第5方向とは、互いに異なる方向であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記機能層が、前記各々の素子領域に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記複数の電気光学素子の各々は、発光素子であり、前記電気光学機能は発光機能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記機能層は、有機物を含む材料で構成された有機層を有していることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
基板と、
前記基板に設けられ、前記基板の第1面の一部の領域を複数の素子領域に区画する隔壁と、
前記基板に設けられた複数の電気光学素子と、を含み、
前記複数の電気光学素子の各々は、電気光学機能を発揮する機能層を有し、
前記電気光学機能は、前記基板の第1方向における分解能が、前記複数の電気光学素子の前記第1方向における配置間隔に対応しており、
前記複数の電気光学素子は、前記複数の電気光学素子のうち前記第1方向に一列に配列された複数の前記電気光学素子を1つの素子列とする複数の素子列を備え、前記複数の素子列において、各々の前記素子列は前記第1方向と略直交する方向に並んで配置されており、且つ前記複数の電気光学素子のうち、前記第1方向と交差する第2方向に連続して一列に並ぶ複数の前記電気光学素子を1組の素子群とする複数組の素子群を備え、
前記複数の素子領域における各々の素子領域は、少なくとも1組の前記素子群を包含した状態で、前記各々の素子領域の長手方向は、前記第1方向と交差する第3方向に延在しており、
前記第2方向は、前記第1方向とは直交する第4方向から傾いており、
前記複数組の素子群は、前記第2方向と交差し、且つ前記第1方向から傾いている第5方向に並んでいる、電気光学装置の製造方法であって、
前記隔壁が設けられた前記基板と、前記機能層を構成する材料を含有する液状体を吐出するヘッドと、を前記第3方向とは交差する方向に相対移動させながら、前記液状体を前記素子領域内に吐出する工程を有していることを特徴とする電気光学装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2010−219271(P2010−219271A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64001(P2009−64001)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】