電気機器および電気機器の製造方法
【課題】放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことが可能な電気機器および電気機器の製造方法を提供する。
【解決手段】電気機器201において、放熱体11における基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4および電気部品4の周辺領域に対応する第2主表面SF2における第1の領域A1、ならびに固定用部材3および固定用部材3の周辺領域に対応する第2主表面SF2における第2の領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起しており、接触部分22における第1の領域A1および第2の領域A2との接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【解決手段】電気機器201において、放熱体11における基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4および電気部品4の周辺領域に対応する第2主表面SF2における第1の領域A1、ならびに固定用部材3および固定用部材3の周辺領域に対応する第2主表面SF2における第2の領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起しており、接触部分22における第1の領域A1および第2の領域A2との接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器および電気機器の製造方法に関し、特に、放熱体を備えた電気機器、および当該電気機器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器の放熱対策の一例として、たとえば、特開平11−195889号公報(特許文献1)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、プリント基板に実装される電子部品の放熱を行なうためにプリント基板に取り付けられるプリント基板用放熱部品であって、プリント基板のリード挿入穴に挿通され電子部品のリードとともにプリント基板にはんだ付けされる取付部と、この取付部と一体で基板面から立ち上がった放熱部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−195889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、パワーデバイスの実装構造を考える。パワーデバイスは発熱度合いが大きいことから、たとえば、パワーデバイスを実装した基板と放熱体とを接触させ、両者をネジで固定することによって放熱を行なう構造が考えられる。
【0005】
しかしながら、このような実装構造では、放熱体の平坦度が低い場合には、基板と放熱体とが接触する部分が少なくなることから、十分な放熱効果が得られなくなる。その一方で、放熱体において平坦度を高くする面積を大きくするほど、表面加工コストが増加してしまう。
【0006】
そして、特許文献1には、このような問題点を解決するための構成は開示されていない。
【0007】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことが可能な電気機器および電気機器の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電気機器は、第1主表面および第2主表面を有し、上記第1主表面に電気部品が取り付けられた基板と、放熱体と、上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、上記放熱体に挿通することにより、上記基板の第2主表面と上記放熱体とを接触させた状態で固定する固定用部材とを備える電気機器であって、上記放熱体における上記基板と対向する対向部のうち、上記電気部品および上記電気部品の周辺領域に対応する上記第2主表面における第1の領域、ならびに上記固定用部材および上記固定用部材の周辺領域に対応する上記第2主表面における第2の領域と接触する接触部分は、上記対向部における他の部分と比べて隆起しており、上記接触部分における上記第1の領域および上記第2の領域との接触面の扁平度合いは、上記対向部における他の表面と比べて高い。
【0009】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、電気部品およびその周辺領域に対応する基板の部分、ならびに固定用部材およびその周辺領域に対応する基板の部分と、放熱体とを接触させることにより、上記2つの部分のいずれかと放熱体とを接触させる構成と比べて、放熱性能を向上させることができる。
【0010】
(2)またこの発明の別の局面に係わる電気機器は、第1主表面および第2主表面を有し、電気部品が取り付けられた基板と、放熱体と、上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、上記放熱体に挿通することにより、上記基板と上記放熱体とを固定する固定用部材とを備える電気機器であって、上記電気部品は、上記基板の上記第2主表面から突出し、突出部分の先端において上記放熱体と接触しているか、または上記電気部品と上記放熱体との間に設けられた第1の放熱用部材を介して上記放熱体と接触しており、上記放熱体において、上記電気部品または上記第1の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、上記基板と対向する対向部における他の表面と比べて高い。
【0011】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、放熱体において、電気部品または第1の放熱用部材に対応する部分のみ扁平度合いを高くすればよいため、表面加工コストを低減することができる。また、電気部品からの熱が直接または第1の放熱用部材を介して放熱体へ伝わることから、固定用部材から放熱体への熱伝導を促進する構成の必要性が低くなる。
【0012】
(3)好ましくは、上記固定用部材は、上記基板と上記放熱体との間において上記基板および上記放熱体と密着する第2の放熱用部材を挿通して上記放熱体に達しており、上記放熱体において、上記電気部品または上記第1の放熱用部材と接触する接触面、および上記第2の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、上記対向部における他の表面と比べて高い。
【0013】
このように、第2の放熱用部材を設け、放熱体において第2の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、電気部品から放熱体への熱伝導を促進することができるため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0014】
(4)好ましくは、上記対向部のうち、上記固定用部材および上記固定用部材の周辺領域に対応する上記第2主表面における部材領域と接触する接触部分は、上記対向部における他の部分と比べて隆起しており、上記放熱体において、上記電気部品または上記第1の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合い、および上記接触部分における上記部材領域との接触面の扁平度合いは、上記対向部における他の表面と比べて高い。
【0015】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、電気部品または放熱用部材、ならびに固定用部材およびその周辺領域に対応する基板の部分と、放熱体とを接触させることにより、電気部品または放熱用部材、ならびに固定用部材およびその周辺領域に対応する基板の部分のいずれかと放熱体とを接触させる構成と比べて、放熱性能を向上させることができる。
【0016】
(5)またこの発明の別の局面に係わる電気機器は、第1主表面および第2主表面を有し、上記第1主表面に電気部品が取り付けられた基板と、放熱体と、上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、上記放熱体に挿通することにより、上記基板の第2主表面と上記放熱体とを接触させた状態で固定する固定用部材とを備える電気機器であって、上記放熱体における上記基板と対向する対向部のうち、上記電気部品および上記電気部品の周辺領域に対応する上記第2主表面における部品領域と接触する接触部分は、上記対向部における他の部分と比べて隆起しており、上記固定用部材は、上記基板と上記放熱体との間において上記基板および上記放熱体と密着する放熱用部材を挿通して上記放熱体に達しており、上記接触部分における上記部品領域との接触面の扁平度合い、および上記放熱体において上記放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、上記対向部における他の表面と比べて高い。
【0017】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、隆起した接触部分の扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所において基板と放熱体との接触性を高める。また、第2の放熱用部材を設け、放熱体において第2の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、電気部品から放熱体への熱伝導を促進することができるため、放熱効果を高めることができる。これにより、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0018】
(6)好ましくは、上記電気部品は、上記固定用部材の近傍に取り付けられている。
【0019】
このような構成により、放熱体との接触性の高い領域に電気部品を配置し、また、電気部品から発する熱を固定用部材経由で放熱体へ伝導させることができるため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0020】
(7)好ましくは、上記電気機器は、無線信号を増幅するための増幅器を上記電気部品として備える無線通信装置である。
【0021】
このような構成により、無線通信装置において特に高熱となる増幅器の放熱対策を適切に施すことができる。
【0022】
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電気機器の製造方法は、第1主表面および第2主表面を有し、上記第1主表面に電気部品が取り付けられる基板、および上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させるための固定用部材を準備するステップと、上記基板と対向する対向部のうち、上記電気部品および上記電気部品の周辺領域に対応する上記第2主表面における第1の領域、ならびに上記固定用部材および上記固定用部材の周辺領域に対応する上記第2主表面における第2の領域と接触させる接触部分が、上記対向部における他の部分と比べて隆起する放熱体を鋳造するステップと、上記接触部分における上記第1の領域および上記第2の領域との接触面の扁平度合いが、上記対向部における他の表面と比べて高くなるように上記放熱体を加工するステップと、上記固定用部材を上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させて上記放熱体に挿通することにより、上記基板の第2主表面と上記放熱体とを接触させた状態で固定するステップとを含む。
【0023】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、基板において、電気部品およびその周辺領域に対応する部分、ならびに固定用部材およびその周辺領域に対応する部分と、放熱体とを接触させることにより、上記2つの部分のいずれかと放熱体とを接触させる構成と比べて、放熱性能を向上させることができる。
【0024】
(9)またこの発明の別の局面に係わる電気機器の製造方法は、第1主表面および第2主表面を有し、電気部品が取り付けられる基板、および上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させるための固定用部材を準備するステップと、上記電気部品を、上記基板の上記第2主表面から突出させ、突出部分の先端において上記放熱体と接触させるか、または上記電気部品と上記放熱体との間に設けられた放熱用部材を介して上記放熱体と接触させるステップと、上記固定用部材を上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させて上記放熱体に挿通することにより、上記基板の第2主表面および上記電気部品と、上記放熱体とを固定するステップと、上記電気部品を接触させるステップおよび上記固定用部材を用いて固定するステップの前に、上記対向部において上記電気部品または上記放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いが、上記対向部における他の表面と比べて高くなるように上記放熱体を加工するステップとを含む。
【0025】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、放熱体において、電気部品または放熱用部材に対応する部分のみ扁平度合いを高くすればよいため、表面加工コストを低減することができる。また、電気部品からの熱が直接または放熱用部材を介して放熱体へ伝わることから、固定用部材から放熱体への熱伝導を促進する構成の必要性が低くなる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るリモートラジオヘッドの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例の実装構造を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例1における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例2における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の変形例の実装構造を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る電気機器の変形例の実装構造を示す断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【図16】本発明の第4の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の構成を示す図である。
【0030】
図1を参照して、電気機器201は、たとえば無線通信装置であり、1または複数のリモートラジオヘッド(RRH)101と、本体装置102とを備える。
【0031】
リモートラジオヘッド101は、移動体通信において用いられる無線基地局装置から、無線信号の送受信を行なう部分を独立させた装置である。リモートラジオヘッド101は、ビルの屋上等に設置されたアンテナポール104に取り付けられる。また、このアンテナポール104にアンテナ103が取り付けられる。
【0032】
リモートラジオヘッド101は、アンテナ103経由で無線端末装置301から受信した無線信号をデジタル信号に変換し、光ファイバ105経由で本体装置102へ出力する。また、リモートラジオヘッド101は、光ファイバ105経由で本体装置102から受けたデジタル信号を無線信号に変換し、アンテナ103経由で無線端末装置301へ送信する。
【0033】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るリモートラジオヘッドの機能ブロック図である。
【0034】
図2を参照して、リモートラジオヘッド101は、信号処理部81と、無線送信部71と、無線受信部72と、送受信フィルタ86とを備える。無線送信部71は、デジタル/アナログ変換器(DAC)82と、変調器83と、ドライバアンプ84と、パワーアンプ85と、発振器87とを含む。無線受信部72は、受信アンプ89,90と、ミキサ91と、BPF(Band Pass Filter)92と、アナログ/デジタル変換器(ADC)93と、発振器94とを含む。信号処理部81は、たとえばDSP(Digital Signal Processor)である。
【0035】
信号処理部81は、光ファイバ105経由で本体装置102から受けたデジタル信号に対して信号処理を行い、無線送信部71へ出力する。
【0036】
無線送信部71は、信号処理部81から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号すなわちRF(Radio Frequency)帯の信号に変換して無線端末装置301へ送信する。
【0037】
無線受信部72は、無線端末装置301から無線信号を受信してIF(Intermediate Frequency)信号に変換し、変換したIF信号をデジタル信号に変換して信号処理部81へ出力する。
【0038】
信号処理部81は、無線受信部72から受けたデジタル信号に対して種々の信号処理を行い、光ファイバ105経由で本体装置102へ出力する。
【0039】
より詳細には、信号処理部81は、本体装置102から受けたデジタル信号をデジタル/アナログ変換器82へ出力する。
【0040】
デジタル/アナログ変換器82は、信号処理部81から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変調器83へ出力する。
【0041】
発振器87は、局部発振信号を生成して変調器83へ出力する。変調器83は、デジタル/アナログ変換器82から受けたベースバンドのアナログ信号と発振器87から受けた局部発振信号とを乗算することにより、デジタル/アナログ変換器82から受けたアナログ信号をたとえば直交変調して無線信号に変換し、ドライバアンプ84へ出力する。
【0042】
ドライバアンプ84は、変調器83から受けた無線信号を増幅し、パワーアンプ85へ出力する。
【0043】
パワーアンプ85は、ドライバアンプ84から受けた無線信号をさらに増幅する。パワーアンプ85によって増幅された無線信号は、送受信フィルタ86およびアンテナ103を介して無線端末装置301へ送信される。
【0044】
送受信フィルタ86は、パワーアンプ85から受けた無線信号から不要信号を除去してアンテナ103へ出力する。また、送受信フィルタ86は、アンテナ103から受けた無線信号のノイズを除去して受信アンプ89へ出力する。送受信フィルタ86は、たとえばバンドパスフィルタであり、受けた無線信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させた信号を出力する。
【0045】
受信アンプ89は、たとえばLNA(Low Noise Amplifier)であり、アンテナ103および送受信フィルタ86を介して無線端末装置301から無線信号を受信し、受信した無線信号を増幅して受信アンプ90へ出力する。
【0046】
受信アンプ90は、たとえばLNAであり、受信アンプ89から受けた無線信号をさらに増幅してミキサ91へ出力する。
【0047】
発振器94は、局部発振信号を生成してミキサ91へ出力する。ミキサ91は、受信アンプ90から受けた無線信号と発振器94から受けた局部発振信号とを乗算することにより、受信アンプ90から受けた無線信号をIF信号に変換し、バンドパスフィルタ92へ出力する。
【0048】
バンドパスフィルタ92は、ミキサ91から受けたIF信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させた信号をアナログ/デジタル変換器93へ出力する。
【0049】
アナログ/デジタル変換器93は、バンドパスフィルタ92から受けたIF信号をデジタル信号に変換し、信号処理部81へ出力する。
【0050】
信号処理部81は、アナログ/デジタル変換器93から受けたIF帯のデジタル信号をたとえば直交復調してベースバンドのデジタル信号に変換し、光ファイバ105経由で本体装置102へ出力する。
【0051】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例の実装構造を示す図である。
【0052】
図3を参照して、電気機器200は、プリント基板1と、放熱体2と、固定用部材3と、電気部品4とを備える。
【0053】
電気部品4は、たとえば図2に示すパワーアンプ85である。固定用部材3は、たとえばネジである。
【0054】
プリント基板1および放熱体2には、ネジ穴5および6がそれぞれ設けられている。固定用部材3は、ネジ穴5を通ってプリント基板1を貫通し、放熱体2におけるネジ穴6に挿通されることにより、プリント基板1および放熱体2を接触させた状態で固定する。
【0055】
このように、電気機器200では、電気部品4を実装したプリント基板1と放熱体2とを接触させ、両者をネジで固定することによって放熱を行なう。
【0056】
このような実装構造では、放熱体2におけるプリント基板1との接触面の平坦度すなわち扁平度合いが低い場合には、プリント基板1と放熱体2とが接触する部分が少なくなることから、十分な放熱効果が得られなくなる。その一方で、上記接触面において扁平度合いを高くする面積を大きくするほど、表面加工コストが増加してしまう。
【0057】
そこで、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器では、以下のような実装構造を採用することにより、上記問題点を解決する。以下、図3と同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0058】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す斜視図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【0059】
図4を参照して、電気機器201は、プリント基板1と、放熱体11と、固定用部材3と、電気部品4とを備える。
【0060】
プリント基板1は、主表面SF1および主表面SF2を有し、主表面SF1に電気部品4が取り付けられる。
【0061】
固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体11に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体11とを接触させた状態で固定する。
【0062】
放熱体11におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1、ならびに固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。ネジ領域A2は、たとえば、ネジである固定用部材3、およびワッシャ7に対応する領域である。
【0063】
そして、接触部分22における部品領域A1およびネジ領域A2との接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0064】
また、ネジ穴5およびネジ穴6近傍では、プリント基板1と放熱体11との接触性が最も高くなる。また、固定用部材3自身がプリント基板1から放熱体11への熱伝導を促進する。このため、ネジ穴5およびネジ穴6近傍では、放熱効果が顕著に大きくなる。
【0065】
ここで、電気機器201では、電気部品4は、固定用部材3の近傍に取り付けられている。すなわち、電気機器201では、ネジ穴を、構造上必要な部分に加えて、電気部品4の近傍に設ける。このような構成により、放熱効果をさらに高めることができる。
【0066】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【0067】
図6を参照して、まず、主表面SF1および主表面SF2を有し、主表面SF1に電気部品4が取り付けられるプリント基板1を準備する。また、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させるための固定用部材3を準備する(ステップS1)。
【0068】
次に、プリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1、ならびに固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触させる接触部分22が、対向部21における他の部分と比べて隆起する放熱体11を鋳造する(ステップS2)。
【0069】
次に、接触部分22における部品領域A1およびネジ領域A2との接触面の扁平度合いが、対向部21における他の表面と比べて高くなるように放熱体11を加工する(ステップS3)。
【0070】
次に、固定用部材3をプリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させて放熱体11に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体11とを接触させた状態で固定する(ステップS4)。
【0071】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例1における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【0072】
図7を参照して、電気機器200において、放熱性能を向上させるために、対向部21の全体に対して表面加工を行なうことが考えられる。しかしながら、このような方法では、表面加工コストが増加してしまう。
【0073】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例2における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【0074】
図8を参照して、電気機器200において、加工コストを低減するために、放熱体2のうち、電気部品4または固定用部材3に対応する部分のみ表面加工を行なうことが考えられる。しかしながら、このような表面加工を行なった部分P1は、他の周辺部分P2と比べて低くなることから、部分P1において、放熱体2とプリント基板1とを接触させること自体が困難となってしまう。
【0075】
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【0076】
図9を参照して、電気機器201において、対向部21のうち、対向部21における他の部分と比べて隆起した接触部分22に対して、研削および研磨等の表面加工を行なうことにより、接触部分22の表面の扁平度合いを高める。この表面加工により、接触部分22は加工前と比べて低くなるが、接触部分22はもともと対向部21における他の部分と比べて隆起していることから、接触部分22とプリント基板1とを密着させることが可能である。
【0077】
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の変形例の実装構造を示す断面図である。
【0078】
図10を参照して、領域A1および領域A2の両方と接触し、かつ対向部21における他の部分と比べて隆起する接触部分22が設けられる構成に限らず、領域A1と接触する接触部分23および領域A2と接触する接触部分24が別個に設けられる構成であってもよい。
【0079】
ところで、パワーデバイスを実装した基板と放熱体とを接触させ、両者をネジで固定することによって放熱を行なう構造では、放熱体の平坦度が低い場合には、基板と放熱体とが接触する部分が少なくなることから、十分な放熱効果が得られなくなる。その一方で、放熱体において平坦度を高くする面積を大きくするほど、表面加工コストが増加してしまう。
【0080】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体11に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体11とを接触させた状態で固定する。放熱体11におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1、ならびに固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。そして、接触部分22における部品領域A1およびネジ領域A2との接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0081】
すなわち、本発明の第1の実施の形態では、対向部21のうち、ネジ穴近傍およびパワーデバイス近傍のみが隆起するように放熱体11を鋳造して製作する。そして、隆起した接触部分22のみ扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所においてプリント基板1と放熱体11との接触性を高める。
【0082】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。
【0083】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器では、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0084】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器では、電気部品4は、固定用部材3の近傍に取り付けられている。
【0085】
このような構成により、放熱体11との接触性の高い領域に電気部品4を配置し、また、電気部品4から発する熱を固定用部材3経由で放熱体11へ伝導させることができるため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0086】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器は、無線信号を増幅するためのパワーアンプ85等の増幅器を電気部品4として備える無線通信装置である。
【0087】
このような構成により、無線通信装置において特に高熱となる増幅器の放熱対策を適切に施すことができる。
【0088】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0089】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電気機器と比べて放熱構造を変更した電気機器に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電気機器と同様である。
【0090】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【0091】
図11を参照して、電気機器202は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と比べて、さらに、放熱用部材33を備え、放熱体11の代わりに放熱体12を備える。
【0092】
プリント基板1は、主表面SF1および主表面SF2を有し、電気部品4が取り付けられる。
【0093】
固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体12に挿通することにより、プリント基板1と放熱体12とを互いに間隔を隔てた状態で固定する。固定用部材3は、プリント基板1と放熱体12との間においてプリント基板1および放熱体12と密着する放熱用部材33を挿通して放熱体12に達している。
【0094】
電気部品4は、プリント基板1の主表面SF2から突出し、突出部分の先端において放熱体12と接触している。
【0095】
放熱体12において、電気部品4と接触する接触面の扁平度合い、および放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いは、プリント基板1と対向する対向部21における他の表面と比べて高い。
【0096】
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【0097】
図12を参照して、まず、主表面SF1および主表面SF2を有し、電気部品4が取り付けられるプリント基板1、放熱体12、固定用部材3、および放熱用部材33を準備する(ステップS11)。
【0098】
次に、放熱体12において、電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合い、および放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いが、プリント基板1と対向する対向部21における他の表面と比べて高くなるように放熱体12を加工する(ステップS12)。
【0099】
次に、電気部品4を、プリント基板1の主表面SF2から突出させ、突出部分の先端において放熱体12と接触させる(ステップS13)。
【0100】
次に、固定用部材3を、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させ、放熱用部材33を介して放熱体12に挿通することにより、プリント基板1と放熱体12とを互いに間隔を隔てた状態で固定する(ステップS14)。
【0101】
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器の変形例の実装構造を示す断面図である。
【0102】
図13を参照して、この電気機器202は、さらに、放熱用部材32を備える。図11に示すように電気部品4を直接放熱体12と接触させる構成に限らず、電気部品4を、電気部品4と放熱体12との間に設けられた放熱用部材32を介して放熱体12と接触させる構成であってもよい。
【0103】
この場合、放熱体12において、放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合い、および放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いは、プリント基板1と対向する対向部21における他の表面と比べて高い。
【0104】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電気機器と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0105】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体12に挿通することにより、プリント基板1と放熱体12とを固定する。電気部品4は、プリント基板1の主表面SF2から突出し、突出部分の先端において放熱体12と接触している。あるいは、電気部品4は、電気部品4と放熱体12との間に設けられた放熱用部材32を介して放熱体12と接触している。そして、放熱体12において、電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いは、プリント基板1と対向する対向部21における他の表面と比べて高い。
【0106】
すなわち、本発明の第2の実施の形態では、放熱体12において、電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所においてプリント基板1と放熱体12との接触性を高める。
【0107】
このような構成により、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と同様に、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0108】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1と放熱体12との間においてプリント基板1および放熱体12と密着する放熱用部材33を挿通して放熱体12に達している。そして、放熱体12において、電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面、および放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0109】
このように、放熱用部材33を設け、放熱体12において放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、電気部品4から放熱体12への熱伝導を促進することができるため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0110】
なお、図13において、放熱用部材32は、放熱体12と電気部品4との間に位置していればよく、一方端部が放熱体12と接触していればよい。たとえば、プリント基板1の主表面SF2から突出した電気部品4と、放熱体12との間に設けられてもよいし、プリント基板1の内部に放熱用部材32の他方端部が位置してもよいし、放熱用部材32の他方端部が主表面SF1から突出していてもよい。
【0111】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器では、電気部品4からの熱が直接または放熱用部材32を介して放熱体12へ伝わることから、放熱用部材33の代わりに、放熱性の低い何らかの部材を設ける構成であってもよい。
【0112】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0113】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電気機器と比べて放熱構造を変更した電気機器に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電気機器と同様である。
【0114】
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【0115】
図14を参照して、電気機器203は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と比べて、さらに、放熱用部材33を備え、放熱体11の代わりに放熱体13を備える。
【0116】
プリント基板1は、主表面SF1および主表面SF2を有し、主表面SF1に電気部品4が取り付けられる。
【0117】
固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体13に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体13とを接触させた状態で固定する。固定用部材3は、プリント基板1と放熱体13との間においてプリント基板1および放熱体13と密着する放熱用部材33を挿通して放熱体13に達している。
【0118】
放熱体13におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。
【0119】
接触部分22における部品領域A1との接触面の扁平度合い、および放熱体13において放熱用部材33と接触する接触面は、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0120】
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【0121】
図15を参照して、まず、主表面SF1および主表面SF2を有し、主表面SF1に電気部品4が取り付けられるプリント基板1、放熱体13、固定用部材3、および放熱用部材33を準備する(ステップS21)。
【0122】
次に、プリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1と接触する接触部分22が、対向部21における他の部分と比べて隆起する放熱体13を鋳造する(ステップS22)。
【0123】
次に、接触部分22における部品領域A1との接触面の扁平度合い、および放熱体13において放熱用部材33と接触する接触面が、対向部21における他の表面と比べて高くなるように放熱体13を加工する(ステップS23)。
【0124】
次に、固定用部材3をプリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させて放熱用部材33を介して放熱体13に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体13とを接触させた状態で固定する(ステップS24)。
【0125】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電気機器と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0126】
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体13に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体13とを固定する。放熱体13におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。そして、接触部分22における部品領域A1との接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0127】
すなわち、本発明の第3の実施の形態では、対向部21のうち、パワーデバイス近傍のみが隆起するように放熱体13を鋳造して製作する。そして、隆起した接触部分22の扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所においてプリント基板1と放熱体13との接触性を高める。
【0128】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1と放熱体13との間においてプリント基板1および放熱体13と密着する放熱用部材33を挿通して放熱体13に達している。そして、接触部分における部品領域A1との接触面の扁平度合い、および放熱体13において放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0129】
このように、放熱用部材33を設け、放熱体13において放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、電気部品4から放熱体13への熱伝導を促進することができるため、放熱効果を高めることができる。
【0130】
したがって、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器では、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と同様に、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0131】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0132】
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電気機器と比べて放熱構造を変更した電気機器に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電気機器と同様である。
【0133】
図16は、本発明の第4の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【0134】
図16を参照して、電気機器204は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と比べて、放熱体11の代わりに放熱体14を備える。
【0135】
プリント基板1は、主表面SF1および主表面SF2を有し、電気部品4が取り付けられる。
【0136】
固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体14に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体14とを接触させた状態で固定する。
【0137】
放熱体14におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。
【0138】
電気部品4は、プリント基板1の主表面SF2から突出し、突出部分の先端において放熱体14と接触している。なお、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の変形例と同様に、電気部品4と放熱体14との間に設けられた放熱用部材32を介して電気部品4と放熱体14とを接触させてもよい。
【0139】
接触部分22におけるネジ領域A2との接触面の扁平度合い、および対向部21において電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0140】
図17は、本発明の第4の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【0141】
図17を参照して、まず、主表面SF1および主表面SF2を有し、電気部品4が取り付けられるプリント基板1、放熱体14、およびプリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させるための固定用部材3を準備する(ステップS31)。
【0142】
次に、プリント基板1と対向する対向部21のうち、固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22が、対向部21における他の部分と比べて隆起する放熱体14を鋳造する(ステップS32)。
【0143】
次に、接触部分22におけるネジ領域A2との接触面の扁平度合い、および対向部21において電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いが、対向部21における他の表面と比べて高くなるように放熱体14を加工する(ステップS33)。
【0144】
次に、電気部品4を、プリント基板1の主表面SF2から突出させ、突出部分の先端において放熱体14と接触させるか、または電気部品4と放熱体14との間に設けられた放熱用部材32を介して放熱体14と接触させる(ステップS34)。
【0145】
次に、固定用部材3をプリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させて放熱体14に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2および電気部品4と、放熱体14とを接触させた状態で固定する(ステップS35)。
【0146】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電気機器と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0147】
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体14に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体14とを接触させた状態で固定する。放熱体14におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。電気部品4は、プリント基板1の主表面SF2から突出し、突出部分の先端において放熱体14と接触しているか、または電気部品4と放熱体14との間に設けられた放熱用部材32を介して放熱体14と接触している。そして、接触部分22におけるネジ領域A2との接触面の扁平度合い、および対向部21において電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0148】
すなわち、本発明の第1の実施の形態では、対向部21のうち、ネジ穴近傍のみが隆起するように放熱体14を鋳造して製作する。そして、放熱体14において、隆起した接触部分22、および電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面のみ扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所においてプリント基板1と放熱体14との接触性を高める。
【0149】
このような構成により、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と同様に、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0150】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0151】
1 プリント基板
2 放熱体
3 固定用部材
4 電気部品
7 ワッシャ
11,12,13,14 放熱体
21 対向部
22 接触部分
32,33 放熱用部材
71 無線送信部
72 無線受信部
81 信号処理部
82 デジタル/アナログ変換器(DAC)
83 変調器
84 ドライバアンプ
85 パワーアンプ
86 送受信フィルタ
87 発振器
89,90 受信アンプ
91 ミキサ
92 BPF
93 アナログ/デジタル変換器(ADC)
94 発振器
101 リモートラジオヘッド
102 本体装置
103 アンテナ
104 アンテナポール
201,202,203,204 電気機器
A1 部品領域
A2 ネジ領域
SF1,SF2 主表面
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器および電気機器の製造方法に関し、特に、放熱体を備えた電気機器、および当該電気機器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器の放熱対策の一例として、たとえば、特開平11−195889号公報(特許文献1)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、プリント基板に実装される電子部品の放熱を行なうためにプリント基板に取り付けられるプリント基板用放熱部品であって、プリント基板のリード挿入穴に挿通され電子部品のリードとともにプリント基板にはんだ付けされる取付部と、この取付部と一体で基板面から立ち上がった放熱部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−195889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、パワーデバイスの実装構造を考える。パワーデバイスは発熱度合いが大きいことから、たとえば、パワーデバイスを実装した基板と放熱体とを接触させ、両者をネジで固定することによって放熱を行なう構造が考えられる。
【0005】
しかしながら、このような実装構造では、放熱体の平坦度が低い場合には、基板と放熱体とが接触する部分が少なくなることから、十分な放熱効果が得られなくなる。その一方で、放熱体において平坦度を高くする面積を大きくするほど、表面加工コストが増加してしまう。
【0006】
そして、特許文献1には、このような問題点を解決するための構成は開示されていない。
【0007】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことが可能な電気機器および電気機器の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電気機器は、第1主表面および第2主表面を有し、上記第1主表面に電気部品が取り付けられた基板と、放熱体と、上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、上記放熱体に挿通することにより、上記基板の第2主表面と上記放熱体とを接触させた状態で固定する固定用部材とを備える電気機器であって、上記放熱体における上記基板と対向する対向部のうち、上記電気部品および上記電気部品の周辺領域に対応する上記第2主表面における第1の領域、ならびに上記固定用部材および上記固定用部材の周辺領域に対応する上記第2主表面における第2の領域と接触する接触部分は、上記対向部における他の部分と比べて隆起しており、上記接触部分における上記第1の領域および上記第2の領域との接触面の扁平度合いは、上記対向部における他の表面と比べて高い。
【0009】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、電気部品およびその周辺領域に対応する基板の部分、ならびに固定用部材およびその周辺領域に対応する基板の部分と、放熱体とを接触させることにより、上記2つの部分のいずれかと放熱体とを接触させる構成と比べて、放熱性能を向上させることができる。
【0010】
(2)またこの発明の別の局面に係わる電気機器は、第1主表面および第2主表面を有し、電気部品が取り付けられた基板と、放熱体と、上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、上記放熱体に挿通することにより、上記基板と上記放熱体とを固定する固定用部材とを備える電気機器であって、上記電気部品は、上記基板の上記第2主表面から突出し、突出部分の先端において上記放熱体と接触しているか、または上記電気部品と上記放熱体との間に設けられた第1の放熱用部材を介して上記放熱体と接触しており、上記放熱体において、上記電気部品または上記第1の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、上記基板と対向する対向部における他の表面と比べて高い。
【0011】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、放熱体において、電気部品または第1の放熱用部材に対応する部分のみ扁平度合いを高くすればよいため、表面加工コストを低減することができる。また、電気部品からの熱が直接または第1の放熱用部材を介して放熱体へ伝わることから、固定用部材から放熱体への熱伝導を促進する構成の必要性が低くなる。
【0012】
(3)好ましくは、上記固定用部材は、上記基板と上記放熱体との間において上記基板および上記放熱体と密着する第2の放熱用部材を挿通して上記放熱体に達しており、上記放熱体において、上記電気部品または上記第1の放熱用部材と接触する接触面、および上記第2の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、上記対向部における他の表面と比べて高い。
【0013】
このように、第2の放熱用部材を設け、放熱体において第2の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、電気部品から放熱体への熱伝導を促進することができるため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0014】
(4)好ましくは、上記対向部のうち、上記固定用部材および上記固定用部材の周辺領域に対応する上記第2主表面における部材領域と接触する接触部分は、上記対向部における他の部分と比べて隆起しており、上記放熱体において、上記電気部品または上記第1の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合い、および上記接触部分における上記部材領域との接触面の扁平度合いは、上記対向部における他の表面と比べて高い。
【0015】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、電気部品または放熱用部材、ならびに固定用部材およびその周辺領域に対応する基板の部分と、放熱体とを接触させることにより、電気部品または放熱用部材、ならびに固定用部材およびその周辺領域に対応する基板の部分のいずれかと放熱体とを接触させる構成と比べて、放熱性能を向上させることができる。
【0016】
(5)またこの発明の別の局面に係わる電気機器は、第1主表面および第2主表面を有し、上記第1主表面に電気部品が取り付けられた基板と、放熱体と、上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、上記放熱体に挿通することにより、上記基板の第2主表面と上記放熱体とを接触させた状態で固定する固定用部材とを備える電気機器であって、上記放熱体における上記基板と対向する対向部のうち、上記電気部品および上記電気部品の周辺領域に対応する上記第2主表面における部品領域と接触する接触部分は、上記対向部における他の部分と比べて隆起しており、上記固定用部材は、上記基板と上記放熱体との間において上記基板および上記放熱体と密着する放熱用部材を挿通して上記放熱体に達しており、上記接触部分における上記部品領域との接触面の扁平度合い、および上記放熱体において上記放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、上記対向部における他の表面と比べて高い。
【0017】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、隆起した接触部分の扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所において基板と放熱体との接触性を高める。また、第2の放熱用部材を設け、放熱体において第2の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、電気部品から放熱体への熱伝導を促進することができるため、放熱効果を高めることができる。これにより、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0018】
(6)好ましくは、上記電気部品は、上記固定用部材の近傍に取り付けられている。
【0019】
このような構成により、放熱体との接触性の高い領域に電気部品を配置し、また、電気部品から発する熱を固定用部材経由で放熱体へ伝導させることができるため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0020】
(7)好ましくは、上記電気機器は、無線信号を増幅するための増幅器を上記電気部品として備える無線通信装置である。
【0021】
このような構成により、無線通信装置において特に高熱となる増幅器の放熱対策を適切に施すことができる。
【0022】
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電気機器の製造方法は、第1主表面および第2主表面を有し、上記第1主表面に電気部品が取り付けられる基板、および上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させるための固定用部材を準備するステップと、上記基板と対向する対向部のうち、上記電気部品および上記電気部品の周辺領域に対応する上記第2主表面における第1の領域、ならびに上記固定用部材および上記固定用部材の周辺領域に対応する上記第2主表面における第2の領域と接触させる接触部分が、上記対向部における他の部分と比べて隆起する放熱体を鋳造するステップと、上記接触部分における上記第1の領域および上記第2の領域との接触面の扁平度合いが、上記対向部における他の表面と比べて高くなるように上記放熱体を加工するステップと、上記固定用部材を上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させて上記放熱体に挿通することにより、上記基板の第2主表面と上記放熱体とを接触させた状態で固定するステップとを含む。
【0023】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、基板において、電気部品およびその周辺領域に対応する部分、ならびに固定用部材およびその周辺領域に対応する部分と、放熱体とを接触させることにより、上記2つの部分のいずれかと放熱体とを接触させる構成と比べて、放熱性能を向上させることができる。
【0024】
(9)またこの発明の別の局面に係わる電気機器の製造方法は、第1主表面および第2主表面を有し、電気部品が取り付けられる基板、および上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させるための固定用部材を準備するステップと、上記電気部品を、上記基板の上記第2主表面から突出させ、突出部分の先端において上記放熱体と接触させるか、または上記電気部品と上記放熱体との間に設けられた放熱用部材を介して上記放熱体と接触させるステップと、上記固定用部材を上記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させて上記放熱体に挿通することにより、上記基板の第2主表面および上記電気部品と、上記放熱体とを固定するステップと、上記電気部品を接触させるステップおよび上記固定用部材を用いて固定するステップの前に、上記対向部において上記電気部品または上記放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いが、上記対向部における他の表面と比べて高くなるように上記放熱体を加工するステップとを含む。
【0025】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。したがって、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。また、放熱体において、電気部品または放熱用部材に対応する部分のみ扁平度合いを高くすればよいため、表面加工コストを低減することができる。また、電気部品からの熱が直接または放熱用部材を介して放熱体へ伝わることから、固定用部材から放熱体への熱伝導を促進する構成の必要性が低くなる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るリモートラジオヘッドの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例の実装構造を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例1における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例2における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の変形例の実装構造を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る電気機器の変形例の実装構造を示す断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【図16】本発明の第4の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の構成を示す図である。
【0030】
図1を参照して、電気機器201は、たとえば無線通信装置であり、1または複数のリモートラジオヘッド(RRH)101と、本体装置102とを備える。
【0031】
リモートラジオヘッド101は、移動体通信において用いられる無線基地局装置から、無線信号の送受信を行なう部分を独立させた装置である。リモートラジオヘッド101は、ビルの屋上等に設置されたアンテナポール104に取り付けられる。また、このアンテナポール104にアンテナ103が取り付けられる。
【0032】
リモートラジオヘッド101は、アンテナ103経由で無線端末装置301から受信した無線信号をデジタル信号に変換し、光ファイバ105経由で本体装置102へ出力する。また、リモートラジオヘッド101は、光ファイバ105経由で本体装置102から受けたデジタル信号を無線信号に変換し、アンテナ103経由で無線端末装置301へ送信する。
【0033】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るリモートラジオヘッドの機能ブロック図である。
【0034】
図2を参照して、リモートラジオヘッド101は、信号処理部81と、無線送信部71と、無線受信部72と、送受信フィルタ86とを備える。無線送信部71は、デジタル/アナログ変換器(DAC)82と、変調器83と、ドライバアンプ84と、パワーアンプ85と、発振器87とを含む。無線受信部72は、受信アンプ89,90と、ミキサ91と、BPF(Band Pass Filter)92と、アナログ/デジタル変換器(ADC)93と、発振器94とを含む。信号処理部81は、たとえばDSP(Digital Signal Processor)である。
【0035】
信号処理部81は、光ファイバ105経由で本体装置102から受けたデジタル信号に対して信号処理を行い、無線送信部71へ出力する。
【0036】
無線送信部71は、信号処理部81から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を無線信号すなわちRF(Radio Frequency)帯の信号に変換して無線端末装置301へ送信する。
【0037】
無線受信部72は、無線端末装置301から無線信号を受信してIF(Intermediate Frequency)信号に変換し、変換したIF信号をデジタル信号に変換して信号処理部81へ出力する。
【0038】
信号処理部81は、無線受信部72から受けたデジタル信号に対して種々の信号処理を行い、光ファイバ105経由で本体装置102へ出力する。
【0039】
より詳細には、信号処理部81は、本体装置102から受けたデジタル信号をデジタル/アナログ変換器82へ出力する。
【0040】
デジタル/アナログ変換器82は、信号処理部81から受けたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変調器83へ出力する。
【0041】
発振器87は、局部発振信号を生成して変調器83へ出力する。変調器83は、デジタル/アナログ変換器82から受けたベースバンドのアナログ信号と発振器87から受けた局部発振信号とを乗算することにより、デジタル/アナログ変換器82から受けたアナログ信号をたとえば直交変調して無線信号に変換し、ドライバアンプ84へ出力する。
【0042】
ドライバアンプ84は、変調器83から受けた無線信号を増幅し、パワーアンプ85へ出力する。
【0043】
パワーアンプ85は、ドライバアンプ84から受けた無線信号をさらに増幅する。パワーアンプ85によって増幅された無線信号は、送受信フィルタ86およびアンテナ103を介して無線端末装置301へ送信される。
【0044】
送受信フィルタ86は、パワーアンプ85から受けた無線信号から不要信号を除去してアンテナ103へ出力する。また、送受信フィルタ86は、アンテナ103から受けた無線信号のノイズを除去して受信アンプ89へ出力する。送受信フィルタ86は、たとえばバンドパスフィルタであり、受けた無線信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させた信号を出力する。
【0045】
受信アンプ89は、たとえばLNA(Low Noise Amplifier)であり、アンテナ103および送受信フィルタ86を介して無線端末装置301から無線信号を受信し、受信した無線信号を増幅して受信アンプ90へ出力する。
【0046】
受信アンプ90は、たとえばLNAであり、受信アンプ89から受けた無線信号をさらに増幅してミキサ91へ出力する。
【0047】
発振器94は、局部発振信号を生成してミキサ91へ出力する。ミキサ91は、受信アンプ90から受けた無線信号と発振器94から受けた局部発振信号とを乗算することにより、受信アンプ90から受けた無線信号をIF信号に変換し、バンドパスフィルタ92へ出力する。
【0048】
バンドパスフィルタ92は、ミキサ91から受けたIF信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させた信号をアナログ/デジタル変換器93へ出力する。
【0049】
アナログ/デジタル変換器93は、バンドパスフィルタ92から受けたIF信号をデジタル信号に変換し、信号処理部81へ出力する。
【0050】
信号処理部81は、アナログ/デジタル変換器93から受けたIF帯のデジタル信号をたとえば直交復調してベースバンドのデジタル信号に変換し、光ファイバ105経由で本体装置102へ出力する。
【0051】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例の実装構造を示す図である。
【0052】
図3を参照して、電気機器200は、プリント基板1と、放熱体2と、固定用部材3と、電気部品4とを備える。
【0053】
電気部品4は、たとえば図2に示すパワーアンプ85である。固定用部材3は、たとえばネジである。
【0054】
プリント基板1および放熱体2には、ネジ穴5および6がそれぞれ設けられている。固定用部材3は、ネジ穴5を通ってプリント基板1を貫通し、放熱体2におけるネジ穴6に挿通されることにより、プリント基板1および放熱体2を接触させた状態で固定する。
【0055】
このように、電気機器200では、電気部品4を実装したプリント基板1と放熱体2とを接触させ、両者をネジで固定することによって放熱を行なう。
【0056】
このような実装構造では、放熱体2におけるプリント基板1との接触面の平坦度すなわち扁平度合いが低い場合には、プリント基板1と放熱体2とが接触する部分が少なくなることから、十分な放熱効果が得られなくなる。その一方で、上記接触面において扁平度合いを高くする面積を大きくするほど、表面加工コストが増加してしまう。
【0057】
そこで、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器では、以下のような実装構造を採用することにより、上記問題点を解決する。以下、図3と同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0058】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す斜視図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【0059】
図4を参照して、電気機器201は、プリント基板1と、放熱体11と、固定用部材3と、電気部品4とを備える。
【0060】
プリント基板1は、主表面SF1および主表面SF2を有し、主表面SF1に電気部品4が取り付けられる。
【0061】
固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体11に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体11とを接触させた状態で固定する。
【0062】
放熱体11におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1、ならびに固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。ネジ領域A2は、たとえば、ネジである固定用部材3、およびワッシャ7に対応する領域である。
【0063】
そして、接触部分22における部品領域A1およびネジ領域A2との接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0064】
また、ネジ穴5およびネジ穴6近傍では、プリント基板1と放熱体11との接触性が最も高くなる。また、固定用部材3自身がプリント基板1から放熱体11への熱伝導を促進する。このため、ネジ穴5およびネジ穴6近傍では、放熱効果が顕著に大きくなる。
【0065】
ここで、電気機器201では、電気部品4は、固定用部材3の近傍に取り付けられている。すなわち、電気機器201では、ネジ穴を、構造上必要な部分に加えて、電気部品4の近傍に設ける。このような構成により、放熱効果をさらに高めることができる。
【0066】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【0067】
図6を参照して、まず、主表面SF1および主表面SF2を有し、主表面SF1に電気部品4が取り付けられるプリント基板1を準備する。また、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させるための固定用部材3を準備する(ステップS1)。
【0068】
次に、プリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1、ならびに固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触させる接触部分22が、対向部21における他の部分と比べて隆起する放熱体11を鋳造する(ステップS2)。
【0069】
次に、接触部分22における部品領域A1およびネジ領域A2との接触面の扁平度合いが、対向部21における他の表面と比べて高くなるように放熱体11を加工する(ステップS3)。
【0070】
次に、固定用部材3をプリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させて放熱体11に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体11とを接触させた状態で固定する(ステップS4)。
【0071】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例1における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【0072】
図7を参照して、電気機器200において、放熱性能を向上させるために、対向部21の全体に対して表面加工を行なうことが考えられる。しかしながら、このような方法では、表面加工コストが増加してしまう。
【0073】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の比較例2における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【0074】
図8を参照して、電気機器200において、加工コストを低減するために、放熱体2のうち、電気部品4または固定用部材3に対応する部分のみ表面加工を行なうことが考えられる。しかしながら、このような表面加工を行なった部分P1は、他の周辺部分P2と比べて低くなることから、部分P1において、放熱体2とプリント基板1とを接触させること自体が困難となってしまう。
【0075】
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器における放熱体の表面加工の方法を示す断面図である。
【0076】
図9を参照して、電気機器201において、対向部21のうち、対向部21における他の部分と比べて隆起した接触部分22に対して、研削および研磨等の表面加工を行なうことにより、接触部分22の表面の扁平度合いを高める。この表面加工により、接触部分22は加工前と比べて低くなるが、接触部分22はもともと対向部21における他の部分と比べて隆起していることから、接触部分22とプリント基板1とを密着させることが可能である。
【0077】
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の変形例の実装構造を示す断面図である。
【0078】
図10を参照して、領域A1および領域A2の両方と接触し、かつ対向部21における他の部分と比べて隆起する接触部分22が設けられる構成に限らず、領域A1と接触する接触部分23および領域A2と接触する接触部分24が別個に設けられる構成であってもよい。
【0079】
ところで、パワーデバイスを実装した基板と放熱体とを接触させ、両者をネジで固定することによって放熱を行なう構造では、放熱体の平坦度が低い場合には、基板と放熱体とが接触する部分が少なくなることから、十分な放熱効果が得られなくなる。その一方で、放熱体において平坦度を高くする面積を大きくするほど、表面加工コストが増加してしまう。
【0080】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体11に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体11とを接触させた状態で固定する。放熱体11におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1、ならびに固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。そして、接触部分22における部品領域A1およびネジ領域A2との接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0081】
すなわち、本発明の第1の実施の形態では、対向部21のうち、ネジ穴近傍およびパワーデバイス近傍のみが隆起するように放熱体11を鋳造して製作する。そして、隆起した接触部分22のみ扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所においてプリント基板1と放熱体11との接触性を高める。
【0082】
このような構成により、低い表面加工コストと高い放熱効果とを両立することが可能となる。すなわち、扁平度合いを高くする面積を最小限にするとともに、十分な放熱効果を得ることができる。
【0083】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器では、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0084】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器では、電気部品4は、固定用部材3の近傍に取り付けられている。
【0085】
このような構成により、放熱体11との接触性の高い領域に電気部品4を配置し、また、電気部品4から発する熱を固定用部材3経由で放熱体11へ伝導させることができるため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0086】
また、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器は、無線信号を増幅するためのパワーアンプ85等の増幅器を電気部品4として備える無線通信装置である。
【0087】
このような構成により、無線通信装置において特に高熱となる増幅器の放熱対策を適切に施すことができる。
【0088】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0089】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電気機器と比べて放熱構造を変更した電気機器に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電気機器と同様である。
【0090】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【0091】
図11を参照して、電気機器202は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と比べて、さらに、放熱用部材33を備え、放熱体11の代わりに放熱体12を備える。
【0092】
プリント基板1は、主表面SF1および主表面SF2を有し、電気部品4が取り付けられる。
【0093】
固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体12に挿通することにより、プリント基板1と放熱体12とを互いに間隔を隔てた状態で固定する。固定用部材3は、プリント基板1と放熱体12との間においてプリント基板1および放熱体12と密着する放熱用部材33を挿通して放熱体12に達している。
【0094】
電気部品4は、プリント基板1の主表面SF2から突出し、突出部分の先端において放熱体12と接触している。
【0095】
放熱体12において、電気部品4と接触する接触面の扁平度合い、および放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いは、プリント基板1と対向する対向部21における他の表面と比べて高い。
【0096】
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【0097】
図12を参照して、まず、主表面SF1および主表面SF2を有し、電気部品4が取り付けられるプリント基板1、放熱体12、固定用部材3、および放熱用部材33を準備する(ステップS11)。
【0098】
次に、放熱体12において、電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合い、および放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いが、プリント基板1と対向する対向部21における他の表面と比べて高くなるように放熱体12を加工する(ステップS12)。
【0099】
次に、電気部品4を、プリント基板1の主表面SF2から突出させ、突出部分の先端において放熱体12と接触させる(ステップS13)。
【0100】
次に、固定用部材3を、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させ、放熱用部材33を介して放熱体12に挿通することにより、プリント基板1と放熱体12とを互いに間隔を隔てた状態で固定する(ステップS14)。
【0101】
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器の変形例の実装構造を示す断面図である。
【0102】
図13を参照して、この電気機器202は、さらに、放熱用部材32を備える。図11に示すように電気部品4を直接放熱体12と接触させる構成に限らず、電気部品4を、電気部品4と放熱体12との間に設けられた放熱用部材32を介して放熱体12と接触させる構成であってもよい。
【0103】
この場合、放熱体12において、放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合い、および放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いは、プリント基板1と対向する対向部21における他の表面と比べて高い。
【0104】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電気機器と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0105】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体12に挿通することにより、プリント基板1と放熱体12とを固定する。電気部品4は、プリント基板1の主表面SF2から突出し、突出部分の先端において放熱体12と接触している。あるいは、電気部品4は、電気部品4と放熱体12との間に設けられた放熱用部材32を介して放熱体12と接触している。そして、放熱体12において、電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いは、プリント基板1と対向する対向部21における他の表面と比べて高い。
【0106】
すなわち、本発明の第2の実施の形態では、放熱体12において、電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所においてプリント基板1と放熱体12との接触性を高める。
【0107】
このような構成により、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と同様に、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0108】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1と放熱体12との間においてプリント基板1および放熱体12と密着する放熱用部材33を挿通して放熱体12に達している。そして、放熱体12において、電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面、および放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0109】
このように、放熱用部材33を設け、放熱体12において放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、電気部品4から放熱体12への熱伝導を促進することができるため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0110】
なお、図13において、放熱用部材32は、放熱体12と電気部品4との間に位置していればよく、一方端部が放熱体12と接触していればよい。たとえば、プリント基板1の主表面SF2から突出した電気部品4と、放熱体12との間に設けられてもよいし、プリント基板1の内部に放熱用部材32の他方端部が位置してもよいし、放熱用部材32の他方端部が主表面SF1から突出していてもよい。
【0111】
また、本発明の第2の実施の形態に係る電気機器では、電気部品4からの熱が直接または放熱用部材32を介して放熱体12へ伝わることから、放熱用部材33の代わりに、放熱性の低い何らかの部材を設ける構成であってもよい。
【0112】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0113】
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電気機器と比べて放熱構造を変更した電気機器に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電気機器と同様である。
【0114】
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【0115】
図14を参照して、電気機器203は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と比べて、さらに、放熱用部材33を備え、放熱体11の代わりに放熱体13を備える。
【0116】
プリント基板1は、主表面SF1および主表面SF2を有し、主表面SF1に電気部品4が取り付けられる。
【0117】
固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体13に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体13とを接触させた状態で固定する。固定用部材3は、プリント基板1と放熱体13との間においてプリント基板1および放熱体13と密着する放熱用部材33を挿通して放熱体13に達している。
【0118】
放熱体13におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。
【0119】
接触部分22における部品領域A1との接触面の扁平度合い、および放熱体13において放熱用部材33と接触する接触面は、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0120】
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【0121】
図15を参照して、まず、主表面SF1および主表面SF2を有し、主表面SF1に電気部品4が取り付けられるプリント基板1、放熱体13、固定用部材3、および放熱用部材33を準備する(ステップS21)。
【0122】
次に、プリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1と接触する接触部分22が、対向部21における他の部分と比べて隆起する放熱体13を鋳造する(ステップS22)。
【0123】
次に、接触部分22における部品領域A1との接触面の扁平度合い、および放熱体13において放熱用部材33と接触する接触面が、対向部21における他の表面と比べて高くなるように放熱体13を加工する(ステップS23)。
【0124】
次に、固定用部材3をプリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させて放熱用部材33を介して放熱体13に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体13とを接触させた状態で固定する(ステップS24)。
【0125】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電気機器と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0126】
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体13に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体13とを固定する。放熱体13におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、電気部品4およびその周辺領域に対応する主表面SF2における部品領域A1と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。そして、接触部分22における部品領域A1との接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0127】
すなわち、本発明の第3の実施の形態では、対向部21のうち、パワーデバイス近傍のみが隆起するように放熱体13を鋳造して製作する。そして、隆起した接触部分22の扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所においてプリント基板1と放熱体13との接触性を高める。
【0128】
また、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1と放熱体13との間においてプリント基板1および放熱体13と密着する放熱用部材33を挿通して放熱体13に達している。そして、接触部分における部品領域A1との接触面の扁平度合い、および放熱体13において放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0129】
このように、放熱用部材33を設け、放熱体13において放熱用部材33と接触する接触面の扁平度合いを高くすることにより、電気部品4から放熱体13への熱伝導を促進することができるため、放熱効果を高めることができる。
【0130】
したがって、本発明の第3の実施の形態に係る電気機器では、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と同様に、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0131】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0132】
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電気機器と比べて放熱構造を変更した電気機器に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電気機器と同様である。
【0133】
図16は、本発明の第4の実施の形態に係る電気機器の実装構造を示す断面図である。
【0134】
図16を参照して、電気機器204は、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と比べて、放熱体11の代わりに放熱体14を備える。
【0135】
プリント基板1は、主表面SF1および主表面SF2を有し、電気部品4が取り付けられる。
【0136】
固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体14に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体14とを接触させた状態で固定する。
【0137】
放熱体14におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。
【0138】
電気部品4は、プリント基板1の主表面SF2から突出し、突出部分の先端において放熱体14と接触している。なお、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器の変形例と同様に、電気部品4と放熱体14との間に設けられた放熱用部材32を介して電気部品4と放熱体14とを接触させてもよい。
【0139】
接触部分22におけるネジ領域A2との接触面の扁平度合い、および対向部21において電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0140】
図17は、本発明の第4の実施の形態に係る電気機器を製造する際の手順を定めたフローチャートである。
【0141】
図17を参照して、まず、主表面SF1および主表面SF2を有し、電気部品4が取り付けられるプリント基板1、放熱体14、およびプリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させるための固定用部材3を準備する(ステップS31)。
【0142】
次に、プリント基板1と対向する対向部21のうち、固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22が、対向部21における他の部分と比べて隆起する放熱体14を鋳造する(ステップS32)。
【0143】
次に、接触部分22におけるネジ領域A2との接触面の扁平度合い、および対向部21において電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いが、対向部21における他の表面と比べて高くなるように放熱体14を加工する(ステップS33)。
【0144】
次に、電気部品4を、プリント基板1の主表面SF2から突出させ、突出部分の先端において放熱体14と接触させるか、または電気部品4と放熱体14との間に設けられた放熱用部材32を介して放熱体14と接触させる(ステップS34)。
【0145】
次に、固定用部材3をプリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通させて放熱体14に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2および電気部品4と、放熱体14とを接触させた状態で固定する(ステップS35)。
【0146】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電気機器と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0147】
以上のように、本発明の第4の実施の形態に係る電気機器では、固定用部材3は、プリント基板1の主表面SF1から主表面SF2へ貫通し、放熱体14に挿通することにより、プリント基板1の主表面SF2と放熱体14とを接触させた状態で固定する。放熱体14におけるプリント基板1と対向する対向部21のうち、固定用部材3およびその周辺領域に対応する主表面SF2におけるネジ領域A2と接触する接触部分22は、対向部21における他の部分と比べて隆起している。電気部品4は、プリント基板1の主表面SF2から突出し、突出部分の先端において放熱体14と接触しているか、または電気部品4と放熱体14との間に設けられた放熱用部材32を介して放熱体14と接触している。そして、接触部分22におけるネジ領域A2との接触面の扁平度合い、および対向部21において電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面の扁平度合いは、対向部21における他の表面と比べて高い。
【0148】
すなわち、本発明の第1の実施の形態では、対向部21のうち、ネジ穴近傍のみが隆起するように放熱体14を鋳造して製作する。そして、放熱体14において、隆起した接触部分22、および電気部品4または放熱用部材32と接触する接触面のみ扁平度合いを高くすることにより、放熱効果が特に大きくなる箇所においてプリント基板1と放熱体14との接触性を高める。
【0149】
このような構成により、本発明の第1の実施の形態に係る電気機器と同様に、放熱性能を向上させるとともに、製造コストの増加を防ぐことができる。
【0150】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0151】
1 プリント基板
2 放熱体
3 固定用部材
4 電気部品
7 ワッシャ
11,12,13,14 放熱体
21 対向部
22 接触部分
32,33 放熱用部材
71 無線送信部
72 無線受信部
81 信号処理部
82 デジタル/アナログ変換器(DAC)
83 変調器
84 ドライバアンプ
85 パワーアンプ
86 送受信フィルタ
87 発振器
89,90 受信アンプ
91 ミキサ
92 BPF
93 アナログ/デジタル変換器(ADC)
94 発振器
101 リモートラジオヘッド
102 本体装置
103 アンテナ
104 アンテナポール
201,202,203,204 電気機器
A1 部品領域
A2 ネジ領域
SF1,SF2 主表面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主表面および第2主表面を有し、前記第1主表面に電気部品が取り付けられた基板と、
放熱体と、
前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、前記放熱体に挿通することにより、前記基板の第2主表面と前記放熱体とを接触させた状態で固定する固定用部材とを備える電気機器であって、
前記放熱体における前記基板と対向する対向部のうち、前記電気部品および前記電気部品の周辺領域に対応する前記第2主表面における第1の領域、ならびに前記固定用部材および前記固定用部材の周辺領域に対応する前記第2主表面における第2の領域と接触する接触部分は、前記対向部における他の部分と比べて隆起しており、
前記接触部分における前記第1の領域および前記第2の領域との接触面の扁平度合いは、前記対向部における他の表面と比べて高い、電気機器。
【請求項2】
第1主表面および第2主表面を有し、電気部品が取り付けられた基板と、
放熱体と、
前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、前記放熱体に挿通することにより、前記基板と前記放熱体とを固定する固定用部材とを備える電気機器であって、
前記電気部品は、前記基板の前記第2主表面から突出し、突出部分の先端において前記放熱体と接触しているか、または前記電気部品と前記放熱体との間に設けられた第1の放熱用部材を介して前記放熱体と接触しており、
前記放熱体において、前記電気部品または前記第1の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、前記基板と対向する対向部における他の表面と比べて高い、電気機器。
【請求項3】
前記固定用部材は、前記基板と前記放熱体との間において前記基板および前記放熱体と密着する第2の放熱用部材を挿通して前記放熱体に達しており、
前記放熱体において、前記電気部品または前記第1の放熱用部材と接触する接触面、および前記第2の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、前記対向部における他の表面と比べて高い、請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記対向部のうち、前記固定用部材および前記固定用部材の周辺領域に対応する前記第2主表面における部材領域と接触する接触部分は、前記対向部における他の部分と比べて隆起しており、
前記放熱体において、前記電気部品または前記第1の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合い、および前記接触部分における前記部材領域との接触面の扁平度合いは、前記対向部における他の表面と比べて高い、請求項2に記載の電気機器。
【請求項5】
第1主表面および第2主表面を有し、前記第1主表面に電気部品が取り付けられた基板と、
放熱体と、
前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、前記放熱体に挿通することにより、前記基板の第2主表面と前記放熱体とを接触させた状態で固定する固定用部材とを備える電気機器であって、
前記放熱体における前記基板と対向する対向部のうち、前記電気部品および前記電気部品の周辺領域に対応する前記第2主表面における部品領域と接触する接触部分は、前記対向部における他の部分と比べて隆起しており、
前記固定用部材は、前記基板と前記放熱体との間において前記基板および前記放熱体と密着する放熱用部材を挿通して前記放熱体に達しており、
前記接触部分における前記部品領域との接触面の扁平度合い、および前記放熱体において前記放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、前記対向部における他の表面と比べて高い、電気機器。
【請求項6】
前記電気部品は、前記固定用部材の近傍に取り付けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項7】
前記電気機器は、無線信号を増幅するための増幅器を前記電気部品として備える無線通信装置である、請求項1から6のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項8】
第1主表面および第2主表面を有し、前記第1主表面に電気部品が取り付けられる基板、および前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させるための固定用部材を準備するステップと、
前記基板と対向する対向部のうち、前記電気部品および前記電気部品の周辺領域に対応する前記第2主表面における第1の領域、ならびに前記固定用部材および前記固定用部材の周辺領域に対応する前記第2主表面における第2の領域と接触させる接触部分が、前記対向部における他の部分と比べて隆起する放熱体を鋳造するステップと、
前記接触部分における前記第1の領域および前記第2の領域との接触面の扁平度合いが、前記対向部における他の表面と比べて高くなるように前記放熱体を加工するステップと、
前記固定用部材を前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させて前記放熱体に挿通することにより、前記基板の第2主表面と前記放熱体とを接触させた状態で固定するステップとを含む、電気機器の製造方法。
【請求項9】
第1主表面および第2主表面を有し、電気部品が取り付けられる基板、および前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させるための固定用部材を準備するステップと、
前記電気部品を、前記基板の前記第2主表面から突出させ、突出部分の先端において前記放熱体と接触させるか、または前記電気部品と前記放熱体との間に設けられた放熱用部材を介して前記放熱体と接触させるステップと、
前記固定用部材を前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させて前記放熱体に挿通することにより、前記基板の第2主表面および前記電気部品と、前記放熱体とを固定するステップと、
前記電気部品を接触させるステップおよび前記固定用部材を用いて固定するステップの前に、前記対向部において前記電気部品または前記放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いが、前記対向部における他の表面と比べて高くなるように前記放熱体を加工するステップとを含む、電気機器の製造方法。
【請求項1】
第1主表面および第2主表面を有し、前記第1主表面に電気部品が取り付けられた基板と、
放熱体と、
前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、前記放熱体に挿通することにより、前記基板の第2主表面と前記放熱体とを接触させた状態で固定する固定用部材とを備える電気機器であって、
前記放熱体における前記基板と対向する対向部のうち、前記電気部品および前記電気部品の周辺領域に対応する前記第2主表面における第1の領域、ならびに前記固定用部材および前記固定用部材の周辺領域に対応する前記第2主表面における第2の領域と接触する接触部分は、前記対向部における他の部分と比べて隆起しており、
前記接触部分における前記第1の領域および前記第2の領域との接触面の扁平度合いは、前記対向部における他の表面と比べて高い、電気機器。
【請求項2】
第1主表面および第2主表面を有し、電気部品が取り付けられた基板と、
放熱体と、
前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、前記放熱体に挿通することにより、前記基板と前記放熱体とを固定する固定用部材とを備える電気機器であって、
前記電気部品は、前記基板の前記第2主表面から突出し、突出部分の先端において前記放熱体と接触しているか、または前記電気部品と前記放熱体との間に設けられた第1の放熱用部材を介して前記放熱体と接触しており、
前記放熱体において、前記電気部品または前記第1の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、前記基板と対向する対向部における他の表面と比べて高い、電気機器。
【請求項3】
前記固定用部材は、前記基板と前記放熱体との間において前記基板および前記放熱体と密着する第2の放熱用部材を挿通して前記放熱体に達しており、
前記放熱体において、前記電気部品または前記第1の放熱用部材と接触する接触面、および前記第2の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、前記対向部における他の表面と比べて高い、請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記対向部のうち、前記固定用部材および前記固定用部材の周辺領域に対応する前記第2主表面における部材領域と接触する接触部分は、前記対向部における他の部分と比べて隆起しており、
前記放熱体において、前記電気部品または前記第1の放熱用部材と接触する接触面の扁平度合い、および前記接触部分における前記部材領域との接触面の扁平度合いは、前記対向部における他の表面と比べて高い、請求項2に記載の電気機器。
【請求項5】
第1主表面および第2主表面を有し、前記第1主表面に電気部品が取り付けられた基板と、
放熱体と、
前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通し、前記放熱体に挿通することにより、前記基板の第2主表面と前記放熱体とを接触させた状態で固定する固定用部材とを備える電気機器であって、
前記放熱体における前記基板と対向する対向部のうち、前記電気部品および前記電気部品の周辺領域に対応する前記第2主表面における部品領域と接触する接触部分は、前記対向部における他の部分と比べて隆起しており、
前記固定用部材は、前記基板と前記放熱体との間において前記基板および前記放熱体と密着する放熱用部材を挿通して前記放熱体に達しており、
前記接触部分における前記部品領域との接触面の扁平度合い、および前記放熱体において前記放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いは、前記対向部における他の表面と比べて高い、電気機器。
【請求項6】
前記電気部品は、前記固定用部材の近傍に取り付けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項7】
前記電気機器は、無線信号を増幅するための増幅器を前記電気部品として備える無線通信装置である、請求項1から6のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項8】
第1主表面および第2主表面を有し、前記第1主表面に電気部品が取り付けられる基板、および前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させるための固定用部材を準備するステップと、
前記基板と対向する対向部のうち、前記電気部品および前記電気部品の周辺領域に対応する前記第2主表面における第1の領域、ならびに前記固定用部材および前記固定用部材の周辺領域に対応する前記第2主表面における第2の領域と接触させる接触部分が、前記対向部における他の部分と比べて隆起する放熱体を鋳造するステップと、
前記接触部分における前記第1の領域および前記第2の領域との接触面の扁平度合いが、前記対向部における他の表面と比べて高くなるように前記放熱体を加工するステップと、
前記固定用部材を前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させて前記放熱体に挿通することにより、前記基板の第2主表面と前記放熱体とを接触させた状態で固定するステップとを含む、電気機器の製造方法。
【請求項9】
第1主表面および第2主表面を有し、電気部品が取り付けられる基板、および前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させるための固定用部材を準備するステップと、
前記電気部品を、前記基板の前記第2主表面から突出させ、突出部分の先端において前記放熱体と接触させるか、または前記電気部品と前記放熱体との間に設けられた放熱用部材を介して前記放熱体と接触させるステップと、
前記固定用部材を前記基板の第1主表面から第2主表面へ貫通させて前記放熱体に挿通することにより、前記基板の第2主表面および前記電気部品と、前記放熱体とを固定するステップと、
前記電気部品を接触させるステップおよび前記固定用部材を用いて固定するステップの前に、前記対向部において前記電気部品または前記放熱用部材と接触する接触面の扁平度合いが、前記対向部における他の表面と比べて高くなるように前記放熱体を加工するステップとを含む、電気機器の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−142391(P2012−142391A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293484(P2010−293484)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]