説明

電気浸透材の支持構造、電気浸透流ポンプ、発電装置及び電子機器

【課題】衝撃が起きても電気浸透材の破損を抑えることができるようにする。
【解決手段】支持枠6の中央部には円形状の開口61が形成され、その開口61に電気浸透材3が配置されて支持されている。開口61の周囲において、減衰室(空間)62が支持枠6に形成されている。減衰室62が貫通していることで、減衰室62と開口61を境する弾性片63が形成され、弾性片63の周方向中央部に設けられた突起64は、開口61の中心に向かって突出している。開口61の内側に電気浸透材3が嵌め込まれ、電気浸透材3の縁が突起64に当接し、電気浸透材3が突起64及び弾性片63によって支えられている。電気浸透材3の縁と開口61の壁部との間の隙間には、緩衝材65が充填されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気浸透流現象を用いた電気浸透流ポンプ、その電気浸透流ポンプに備えられた電気浸透材の支持構造、電気浸透流ポンプを備えた発電装置及びその発電装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液体を送液するポンプの一種として、電気浸透流原理を用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。電気浸透流ポンプは、機械的可動部を持たずに液体を送液するものであるので、長寿命という利点をもつ。特許文献1には、電気浸透材(28)が筒状のハウジング(ポンプ本体24)に嵌め込まれ、ハウジングによって電気浸透材が固定支持され、電気浸透材の両面に電極(31,32)が形成されたものが開示されている。
【特許文献1】特開2006−22807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電気浸透材にはセラミック多孔質体が用いられているので、電気浸透材自体は機械的に脆く、衝撃荷重に対して弱い材料である。このような電気浸透材がハウジングに直接固定されると、外部衝撃がそのまま電気浸透材に伝わり、クラックが発生するといった電気浸透材の破損に繋がる虞がある。
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決しようとしてなされたものであり、衝撃が起きても電気浸透材の破損を抑えることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、電気浸透材の支持構造において、支持部材に形成された開口に電気浸透材が配置され、前記開口の周囲において空間が前記支持部材に形成されることにより前記開口と前記空間を境する弾性片が形成され、前記弾性片によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする。
【0005】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電気浸透材の支持構造において、前記開口の壁部と前記電気浸透材の縁との間の隙間に緩衝材が充填されていることを特徴とする。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の電気浸透材の支持構造において、前記弾性片及び前記空間が前記開口の周囲に沿って複数配列されていることを特徴とする。
【0007】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の電気浸透材の支持構造において、前記開口に向けて突出する突部が前記弾性片に設けられ、前記電気浸透材が前記突部及び前記弾性片に支持されることを特徴とする。
【0008】
請求項5に係る発明は、電気浸透材の支持構造において、支持部材に形成された開口に電気浸透材が配置され、前記開口の壁部と前記電気浸透材の縁との間の隙間に緩衝材が充填され、前記緩衝材により前記電気浸透材が支持されることを特徴とする。
【0009】
請求項6に係る発明は、電気浸透材の支持構造において、支持部材に形成された開口に電気浸透材が配置され、前記開口の壁部に突部が設けられ、前記突部によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする。
【0010】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の電気浸透材の支持構造において、前記突部が前記開口の周方向に沿って複数配列され、これら突部によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする。
【0011】
請求項8に係る発明は、燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプにおいて、中空を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容され、前記中空を導入側と排出側に仕切る電気浸透材と、を備え、前記電気浸透材の周囲において空間が前記ハウジングに形成されることにより前記中空と前記空間を境する弾性片が形成され、前記弾性片によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする。
【0012】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプにおいて、前記中空の壁部と前記電気浸透材の縁との間の隙間に緩衝材が充填されていることを特徴とする。
【0013】
請求項10に係る発明は、請求項8又は9に記載の燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプにおいて、前記弾性片及び前記空間が前記電気浸透材の周囲に沿って複数配列されていることを特徴とする。
【0014】
請求項11に係る発明は、請求項8から10の何れか一項に記載の燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプにおいて、前記中空に向けて突出する突部が前記弾性片に設けられ、前記電気浸透材が前記突部及び前記弾性片に支持されることを特徴とする。
【0015】
請求項12に係る発明は、燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプにおいて、中空を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容され、前記中空を導入側と排出側に仕切る電気浸透材と、を備え、前記中空の壁部と前記電気浸透材の縁との間の隙間に緩衝材が充填され、前記緩衝材により前記電気浸透材が支持されることを特徴とする。
【0016】
請求項13に係る発明は、燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプにおいて、中空を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容され、前記中空を導入側と排出側に仕切る電気浸透材と、を備え、前記中空の壁部に突部が設けられ、前記突部によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする。
【0017】
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプにおいて、前記突部が前記電気浸透材の縁に沿って複数配列され、これら突部によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする。
【0018】
請求項15に係る発明は、発電装置において、請求項8から14の何れか一項に記載の電気浸透流ポンプを備え、前記電気浸透流ポンプにより燃料を送液し、その送液される燃料により発電を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項16に係る発明は、電子機器において、請求項15に記載の発電装置と、前記発電装置によって発電された電気により動作する電子機器本体と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1から4、請求項8から11に係る発明によれば、開口(中空)と空間を境する弾性片によって電気浸透材が支持されているため、支持部材(ハウジング)に衝撃が作用した場合、弾性片が弾性変形することで、電気浸透材に作用する衝撃荷重を抑えることができる。そのため、衝撃が起きても、電気浸透材の破損を抑えることができる。
【0021】
請求項2、5、9、12に係る発明によれば、開口(中空)の壁部と電気浸透材の縁との間の隙間に緩衝材が充填されているため、支持部材(ハウジング)に衝撃が作用した場合、その衝撃荷重が緩衝材によって緩衝され、電気浸透材に作用する衝撃荷重を抑えることができる。そのため、衝撃が起きても、電気浸透材の破損を抑えることができる。
【0022】
請求項4、6、7、11、13、14に係る発明によれば、開口(中空)内に突出した突部によって電気浸透材が支持されているため、支持部材(ハウジング)に衝撃が作用した場合、その衝撃荷重によって突部が弾性変形することで、電気浸透材に作用する衝撃荷重を抑えることができる。そのため、衝撃が起きても、電気浸透材の破損を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0024】
<第一の実施の形態>
図1は電気浸透流ポンプ1の分解斜視図であり、図2は電気浸透流ポンプ1の縦断面図である。
【0025】
図1及び図2に示すように、電気浸透流ポンプ1は、中空を有するハウジング2と、ハウジング2の中空に収容され、その中空をインレット側とアウトレット側に仕切る薄板状の電気浸透材3とを備える。
【0026】
電気浸透材3は円板状に形成され、その電気浸透材3の両面には白金の電極膜31,32が成膜されている。電気浸透材3には誘電体の多孔質材、繊維材又は粒子充填材が用いられ、一例としてシリカ繊維材料が用いられる。電気浸透材3の電極膜31,32はスパッタ法、蒸着法その他の気相成長法により成膜されたものである。電極膜31,32が気相成長法により成膜されたものであるから、電極膜31,32に多数の微小孔が形成されており、電極膜31,32を液体が浸透する。なお、電極膜31,32を網目状に形成されたものでもよく、その網目を通じて液体が浸透する。
【0027】
ハウジング2がインレットケース4、電極板5、支持枠6、電極板7及びアウトレットケース8を備え、これらが接着されることでハウジング2内の中空が形成されている。以下、インレットケース4、電極板5、支持枠6、電極板7及びアウトレットケース8について説明する。
【0028】
インレットケース4の下面にはインレット室41が円形状に凹設され、インレットケース4の上面にはインレットニップル42が凸設され、インレットニップル42の先端からインレット室41まで導入孔43がインレットニップル42の中心線に沿って貫通している。
【0029】
電極板5の中央部には円形状の貫通穴51が形成され、電極板5の外周縁から接片52が延出している。接片52にリード線が接続される。
【0030】
支持枠6の中央部には円形状の開口61が形成され、その開口61に電気浸透材3が配置されて支持されている。電気浸透材3を支持枠6の支持構造について図3の平面図を用いて具体的に説明する。
【0031】
図3に示すように、開口61の周囲において、空間としての三つの減衰室62が支持枠6に形成されている。減衰室62は支持枠6の上面から下面に貫通した穴であって、開口61の周方向に沿って弓なり状に形成されている。減衰室62が貫通していることで、減衰室62と開口61を境する弾性片63が形成され、弾性片63も開口61の周方向に沿って弓なり状に設けられている。弾性片63の周方向中央部に設けられた突起64は、開口61の中心に向かって突出している。開口61の内側に電気浸透材3が嵌め込まれ、電気浸透材3の縁が三つの突起64に当接し、電気浸透材3が三つの突起64及び弾性片63によって支えられている。支持枠6の厚さは電気浸透材3の厚さに等しく、支持枠6の両面が電気浸透材3の両面に対してそれぞれ面一になっている。三つの突起64は開口61の周方向に沿って等角度に配列されている。
【0032】
なお、支持枠6に設ける減衰室62は三つでなくとも、一つ、二つ又は四つ以上でも良い。また、突起64は三つでなくとも良いが、三つ以上あると電気浸透材3の位置を確実に決めることができる。弾性片63が一つ又は二つの場合には、各弾性片63に設けられた突起64の他に別の突起を開口61の内側に設けることで、電気浸透材3の位置を確実に決めることができる。
【0033】
電気浸透材3の縁と開口61の壁部との間の隙間には緩衝材65が充填されている。緩衝材65としてはゴム弾性材が用いられ、例えば接着剤が固化したものである。ゴム硬度JIS−A 30〜40°を満足したものを緩衝材65として用いる。緩衝材65の具体的な材料としてフッ素系エラストマー(例えば、信越化学工業(株)製「SIFEL(登録商標)」)又はシリコーン系のゲル(例えば、(株)ジェルテック製「アルファゲル(αGEL(登録商標))」を用いると、アルコール系の液体に対して耐性を持つ。なお、図1が電気浸透流ポンプ1を組み立てる前の分解斜視図であるので、図1では電気浸透材3の縁と開口61の壁部との間の隙間に緩衝材65が充填されていない状態で示しているが、実際に電気浸透流ポンプ1を組み立てた状態では図2に示すように緩衝材65が充填されている。
【0034】
続いて、図1及び図2を用いて電極板7及びアウトレットケース8について説明する。電極板7は電極板5と同様に設けられ、中央部に貫通穴71が形成され、外周縁から接片72が延出している。アウトレットケース8はインレットケース4と同様に設けられ、上面にはアウトレット室81が凹設され、上面にはアウトレットニップル82が凸設され、アウトレットニップル82の先端からアウトレット室81まで排出孔83が貫通している。
【0035】
電極板5及び電極板7は、金属、合金といった電気導電性材料からなる。更に、電極板5及び電極板7の材質は、電気浸透流ポンプ1によって送液する液体に対して耐性を持つものである。例えば、電気浸透流ポンプ1によってメタノール、エタノールその他のアルコール類を送液する場合には、りん青銅などの良導体を電極板5及び電極板7の材質として用い、電極反応を防止するために表面にニッケル、金等のメッキを施すのが好ましい。
【0036】
インレットケース4、支持枠6及びアウトレットケース8の材質は、電気浸透流ポンプ1によって送液する液体に対して耐性を持つものである。例えば、電気浸透流ポンプ1によってメタノール、エタノールその他のアルコール類を送液する場合には、エンジニアリングプラスチックとしてのPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)のほか、PEI(ポリエーテルイミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PES(ポリエーテルサルフォン)をインレットケース4、支持枠6及びアウトレットケース8の材質として用いることが好ましい。これらの部材は、電気浸透材の部材より柔らかい。
【0037】
支持枠6とインレットケース4との間には電極板5が挟まれて、電極板5とインレットケース4が接着剤91によって接着され、電極板5と支持枠6が導電性接着剤92によって接着されている。インレットケース4のインレット室41の内径と電極板5の貫通穴51の内径はほぼ等しく、インレット室41と貫通穴51が重なっている。また、貫通穴51の内径が電気浸透材3の直径よりも小さく、電気浸透材3の縁部分において電極膜31が導電性接着剤92を介して電極板5に電気的に接触している。
【0038】
支持枠6とアウトレットケース8との間には電極板7が挟まれて、支持枠6と電極板7が導電性接着剤93によって接着され、電極板7とアウトレットケース8が接着剤94によって接着されている。アウトレットケース8のアウトレット室81の内径と電極板7の貫通穴71の内径はほぼ等しく、アウトレット室81と貫通穴71が重なっている。また、貫通穴71の内径が電気浸透材3の直径よりも小さく、電気浸透材3の縁部分において電極膜32が導電性接着剤93を介して電極板7に電気的に接触している。なお、接着剤を用いずに、アウトレットケース8からインレットケース4へ貫通したネジ等によりアウトレットケース8がインレットケース4側へ締め付けられることによって、インレットケース4、電極板5、支持枠6、電極板7及びアウトレットケース8が接合されても良い。
【0039】
以上のようにすれば、電気浸透体3を支える構造において、減衰室62が弾性片63の応力を逃がすダンパーとして機能し、衝撃・振動を緩衝することができる。
また、支持枠6が電極板5と電極板7の間に挟まれてこれらに接着されることによって、減衰室62を気密度の高い密閉空間とすることもできる。減衰室62は空気等の気体が満たされた気室であるが、減衰室62にオイルが充填されても良いし、ゴム弾性材が充填されても良い。気密度、充填する物質の弾性の度合いに応じて、ダンパーとしての弾性定数を調整することもできる。
さらに、弾性片63の電気浸透材3の直径方向の直交方向(図3の紙面に垂直な方向)の厚さ、減衰室の形状を調整することによってもダンパーとしての弾性定数を調整することができる。
【0040】
接着剤91,94の材料を一例として挙げると、メタノール耐性を持つフッ素系エラストマー(例えば、信越化学工業(株)製「SIFEL(登録商標)」)がある。導電性接着剤92,93の材料として一例を挙げると、導電性とメタノール耐性を併せ持ち、且つ効果後にゴム弾性を保つ接着剤(例えば、藤倉化成(株)「ドータイト(登録商標)」)がある。接着剤91,94及び導電性接着剤92,93の塗布方法としてシルクスクリーン印刷法を用いると、接着剤91,94及び導電性接着剤92,93を均一な厚さ(例えば、約30μm)にすることができ、接着剤91,94及び導電性接着剤92,93の接着強度を高めることができる。
【0041】
なお、導入孔43からインレット室41にかけて吸液体が充填され、その吸液体が電極膜31に面接触していても良い。吸液体は、セラミック多孔質体、繊維材料、不織布、スポンジ等のように液体を吸収し得るものである。
【0042】
続いて、電気浸透流ポンプ1の動作について説明する。
導入孔43を通じてインレット室41に液体が供給されると、供給された液体が電極膜31を浸透して電気浸透材3に吸収される。この状態で電極板5と電極板7との間に電圧を印加すると、電極膜31と電極膜32との間に電界が生じ、電気浸透材3内の液体が電極膜31側から電極膜32側へ流動し、この電極膜32側の面から電気浸透材3の外に滲み出る。これにより、インレット側の導入孔43からアウトレット側の排出孔83への液体の流れが生じ、液体が電気浸透流ポンプ1によってアウトレットの下流へと送液される。緩衝材65はシール材としても機能し、電気浸透材3の縁と穴61の壁部との間の隙間を通ってインレット室41からアウトレット室81へ浸水することが防止される。
【0043】
電極板5と電極板7との間の電圧の向きは、電気浸透材3の誘電体や送液する液体により決まる。電気浸透材3の誘電体が液体と接触することでその誘電体が負に帯電する場合には、電極膜31の電位を電極膜32の電位よりも高くなるように電圧を印加し、電気浸透材3の誘電体が液体と接触することでその誘電体が正に帯電する場合には、電極膜31の電位を電極膜32の電位よりも低くなるように電圧を印加する。例えば、電気浸透材3が多孔質シリカであり、液体が水とメタノールの混合液である場合、誘電体にSi−OH(シラノール基)が生成され、シラノール基がSi−Oとなり、シリカ表面は負に帯電する。一方、界面近傍には、溶液中の正イオン(カウンターイオン)が集まり、正電荷が過剰となる。そして、電極膜31を陽極とし、電極膜32を陰極とし、電圧を加えると、過剰な正電荷が陰極方向に移動し、粘性により液体全体が陰極方向に流れる。
【0044】
以上のように設けられた電気浸透流ポンプ1においては、電気浸透材3が三つの突起64及び弾性片63によって支えられているので、電気浸透材3の周方向や直径方向に振動や衝撃が生じた場合、その衝撃や振動が弾性片63に伝わる。そのため、弾性片63が振動して、電気浸透材3に大きな荷重が作用しない。また、電気浸透材3が弾性片63とともに振動しても、減衰室62内の気体や弾性片63によってその振動が減衰する。このように電気浸透材3を支える構造(突起64、弾性片63、減衰室62)がダンパーとして機能し、衝撃・振動を緩衝することができ、電気浸透材3の破損を抑えることができる。緩衝材65がゴム弾性材であるので、衝撃・振動の緩衝効果を更に高める。また、動的荷重に限らず静的荷重(例えば、熱膨張等により寸法変化で生じる荷重)についても、弾性片63が変形することで、電気浸透材3に静的荷重が作用せず、電気浸透材3の破損を抑えることができる。
【0045】
また、三つの突起64が開口61の周方向に沿って等角度に配列され、電気浸透材3の重心が開口61の中心に配置され、弾性片63及び減衰室62により、均一に荷重を分散して緩衝することができ、緩衝効果をより高めることができる。
【0046】
また、電極板5,7と電気浸透材3との間にエラストマー性の導電性接着剤92,93が介在することによって、電気浸透材3の直径方向の直交方向(図3の紙面に垂直な方向)に作用する衝撃や静的荷重が導電性接着剤92,93によって緩衝される。
【0047】
<第一の実施の形態の変形例>
なお、第一実施形態では、減衰室62は支持枠6の上面から下面に貫通した穴からなるものであって、支持枠6が電極板5と電極板7との間に挟まれることによって減衰室62が密閉空間となっていたが、減衰室62が閉じた空間でなくても良い。例えば、図4に示すように、支持枠の縁に、支持枠の半径方向中心に向かって凹んだ切欠き62Aが形成されているような支持枠6Aとなっていても良い。これにより、切欠き62Aと開口61を境する弓なり状の弾性片63が形成される。切欠き62Aが形成された支持枠6Aを電極板5と電極板6との間に挟んでハウジング2を組み立てれば、切欠き62Aは、ハウジング2の外面において凹んだ凹部となり、その凹部の内側に電気浸透材3が配置されることになる。つまり、電気浸透材3を支持する弾性片63の半径方向厚みが支持枠3の他の部分の半径方向の厚みよりも薄くなれば、支持枠の開口61の周囲において支持枠に形成される空間が、穴による減衰室62であっても良いし、切欠き62Aであっても良い。
【0048】
<第二の実施の形態>
電気浸透材3の支持構造を図5に示す平面図のように変更しても良い。図5において、支持枠6Bは、図1〜図3に示された支持枠6の代わりに電極板5と電極板7の間に挟まれるものである。この支持枠6Bには、支持枠6のような減衰室62、弾性片63Bは設けられているが、突起64が設けられていない。そして、支持枠6Bの中央部には円形状の開口61Bが形成され、緩衝材65を介さずにその開口61Bに電気浸透材3が嵌められ、位置している。支持枠6Bの厚さは電気浸透材3の厚さに等しく、支持枠6Bの両面が電気浸透材3の両面に対してそれぞれ面一になっている。その他の構成は第一実施形態と同様である。
【0049】
このような構成でも、電気浸透体3を支える構造において、減衰室62が弾性片63Bの応力を逃がすダンパーとして機能し、衝撃・振動を緩衝することができ、電気浸透材3の破損を抑えることができる。
【0050】
<第三の実施の形態>
電気浸透材3の支持構造を図6に示す平面図のように変更しても良い。図6において、支持枠6Cは、図1〜図3に示された支持枠6の代わりに電極板5と電極板7の間に挟まれるものである。この支持枠6Cには、支持枠6のような減衰室62、弾性片63、突起64が設けられていない。そして、支持枠6Cの中央部には円形状の開口61Cが形成され、その開口61Cに電気浸透材3が嵌められ、開口61Cの中心に電気浸透材3の重心が位置している。支持枠6Cの厚さは電気浸透材3の厚さに等しく、支持枠6Cの両面が電気浸透材3の両面に対してそれぞれ面一になっている。
【0051】
電気浸透材3の縁と開口61Cの壁部との間の隙間には緩衝材65Cが充填され、これにより電気浸透材3が支持枠6Cで支持される。この緩衝材65Cはゴム弾性材からなるものであり、アルコール系の液体に対して耐性を持つことが好ましい。また、緩衝材65Cの内部に一又は複数の中空が設けられていても良い。例えば、多数の気泡状の中空が緩衝材65Cの内部に設けられても良いし、開口61Cの周方向に一回りした中空が緩衝材65Cの内部に設けられて緩衝材65Cがチューブ状に設けられても良い。
【0052】
この支持枠6Cは第一の実施の形態における支持枠6と同様に導電性接着剤92によって電極板5に接着され、電気浸透材3の縁部分において電極膜31が導電性接着剤92を介して電極板5に電気的に接触する。また、支持枠6Cが導電性接着剤93によって電極板7に接着され、電気浸透材3の縁部分において電極膜32が導電性接着剤93を介して電極板7に電気的に接触している。電気浸透材3、インレットケース4、電極板5、電極板7及びアウトレットケース8並びにこれらの間に介在した接着剤91,94及び導電性接着剤92,93は第一実施形態のそれと同様である。
【0053】
本実施形態においても、電気浸透材3が緩衝材65Cによって支えられているので、電気浸透材3の周方向や直径方向に振動や衝撃が生じた場合、緩衝材65Cが変形することによって、電気浸透材3に大きな荷重が作用しない。そのため、電気浸透材3の破損を抑えることができる。
【0054】
<第四の実施の形態>
また、電気浸透材3の支持構造を図7に示す平面図のように変更しても良い。図5において、支持枠6Dは、図1〜図3に示された支持枠6の代わりに電極板5と電極板7の間に挟まれるものである。この支持枠6Dには、支持枠6のような突起64が設けられているが、減衰室62、弾性片63は設けられていない。そして、支持枠6Bの中央部には円形状の開口61Bが形成され、緩衝材65がない状態でその開口61Bに電気浸透材3が嵌められ、位置している。弾性突起(特に、三つが好ましい。)によって電気浸透材3の位置を正確に決めることができる。支持枠6Dの厚さは電気浸透材3の厚さに等しく、支持枠6Dの両面が電気浸透材3の両面に対してそれぞれ面一になっている。その他の構成は第一実施形態と同様である。
【0055】
この場合、緩衝材が担っていたシールとしての役割は、電極板5、電極板7、導電性接着剤92、導電性接着剤93で果たすようにすればよい。
このような構成でも、衝撃や振動が加わったとき、弾性突起64が、電気浸透材3の縁と開口61の壁部との間の隙間で変形ことにより、電気浸透材3に作用する荷重を小さくすることができ、電気浸透材3の破損を抑えることができる。
【0056】
<第五の実施の形態>
また、電気浸透材3の支持構造を図8に示す平面図のように変更しても良い。第四の実施の形態と異なる点は緩衝材65も備える点である。その他の構成は第四の実施の形態と同様である。
【0057】
この場合、電気浸透材3が弾性突起64とともに緩衝材65によって支持されることになり、弾性突起によって電気浸透材3の位置を正確に決めることができる。このような構成でも、衝撃や振動が加わったとき、弾性突起が緩衝材65とともに弾性変形し、これにより電気浸透材3に作用する荷重を小さくすることができ、電気浸透材3の破損を抑えることができる。
【0058】
<第六の実施の形態>
電気浸透材3の支持構造を図9に示す平面図のように変更しても良い。図9において、支持枠6Fは、図1〜図3に示された支持枠6の代わりに電極板5と電極板7の間に挟まれるものである。この支持枠6Fには、支持枠6のような減衰室62、弾性片63Fは設けられているが、突起64が設けられていない。そして、支持枠6Fの中央部には円形状の開口61Cが形成され、その開口61Cに電気浸透材3が嵌められ、開口61Cの中心に電気浸透材3の重心が位置している。そして、電気浸透材3の縁と開口61Cの壁部との間の隙間には緩衝材65Cが充填されている。支持枠6Fの厚さは電気浸透材3の厚さに等しく、支持枠6Fの両面が電気浸透材3の両面に対してそれぞれ面一になっている。その他の構成は第一実施形態と同様である。
【0059】
このような構成でも、電気浸透体3を支える構造において、減衰室62が弾性片63Fの応力を逃がすダンパーとして機能し、衝撃・振動を緩衝することができる。また、緩衝材65Cがゴム弾性材であるので、衝撃・振動の緩衝効果を更に高め、電気浸透材3の破損を抑えることができる。
【0060】
<第七の実施の形態>
電気浸透材3の支持構造を図10に示す平面図のように変更しても良い。図10において、図3と異なる点は緩衝材65がないことである。その他の構成は第一実施形態と同様である。
この場合も、緩衝材が担っていたシールとしてのシールとしての役割は、電極板5、電極板7、導電性接着剤92、導電性接着剤93で果たすようにすればよい。
【0061】
このような構成でも、電気浸透体3を支える構造において、減衰室62が弾性片63の応力を逃がすダンパーとして機能し、衝撃・振動を緩衝することができる。また、弾性突起が、電気浸透材3の縁と開口61の壁部との間の隙間で変形ことにより、電気浸透材3に作用する荷重を小さくすることができ、電気浸透材3の破損を抑えることができる。
【0062】
<第八の実施の形態>
図11は第八実施形態における電気浸透流ポンプ1Hの分解斜視図であり、図12は電気浸透流ポンプ11Hの縦断面図である。電気浸透流ポンプ1Hは、ハウジング2Hと、ハウジング2H内の空間をインレット側とアウトレット側に仕切る薄板状の電気浸透材3とを備える。ハウジング2Hはインレットケース4、電極板5、支持枠6H、電極板7及びアウトレットケース8を備える。電気浸透材3、インレットケース4、電極板5、電極板7及びアウトレットケース8は第一実施形態におけるそれと同様に設けられているので、これらには第一実施形態の場合と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0063】
支持枠6Hは、図1〜図3に示された支持枠6の代わりに電極板5と電極板7の間に挟まれるものであり、この支持枠6Hに電気浸透材3が支持される。電気浸透材3の支持構造について具体的に説明する。
【0064】
支持枠6Hの上面には円形凹部67Hが形成され、支持枠6Hの下面には円形凹部68Hが形成され、円形凹部67Hの底から反対側の円形凹部68Hの底にかけて円形状の開口61Hが貫通している。
【0065】
図13は支持枠6Hの平面図である。図13に示すように、開口61Hの周囲において、三つの減衰室62Hが支持枠6Hに形成されている。減衰室62Hは円形凹部67Hの底から反対側の円形凹部67Hの底に貫通した穴であって、開口61Hの周方向に沿って弓なり状に形成されている。減衰室62Hが貫通していることで、減衰室62Hと開口61Hを境する弾性片63Hが形成され、弾性片63Hも開口61Hの周方向に沿って弓なり状に設けられている。弾性片63Hの周方向中央部に設けられた突起64Hは、開口61Hの中心に向かって突出している。開口61Hの内側に電気浸透材3が嵌め込まれ、電気浸透材3の縁が三つの突起64Hに当接し、電気浸透材3が三つの突起64H及び弾性片63Hによって支えられている。電気浸透材3の縁と開口61Hの壁部との間の隙間には、ゴム弾性材からなる緩衝材65Hが充填されている。
【0066】
図11〜図12に示すように、円形凹部67Hにはリング状のゴム弾性材95Hが嵌め込まれている。ゴム弾性材95Hの外径は円形凹部67Hの内径とほぼ等しく、ゴム弾性材95Hの内径は電気浸透材3の直径よりも小さい。そのため、ゴム弾性材95Hによって三つの減衰室62Hの上側が塞がれ、電気浸透材3の縁部分において電極膜31がゴム弾性材95Hに当接している。ゴム弾性材95Hは導電性及びエラストマー性を有する。
【0067】
支持枠6Hは接着剤92Hによって電極板5に接着され、この電極板5にゴム弾性材95Hが当接している。そのため、電気浸透材3の電極膜31がゴム弾性材95Hを介して電極板5に電気的に接触している。
【0068】
円形凹部68Hにはリング状のゴム弾性材96Hが嵌め込まれている。ゴム弾性材96Hの外径は円形凹部68Hの内径とほぼ等しく、ゴム弾性材96Hの内径は電気浸透材3の直径よりも小さい。そのため、ゴム弾性材96Hによって三つの減衰室62Hの下側が塞がれ、電気浸透材3の縁部分において電極膜32がゴム弾性材96Hに当接している。ゴム弾性材96Hは導電性及びエラストマー性を有する。
【0069】
支持枠6Hは接着剤93Hによって電極板7に接着され、この電極板7にゴム弾性材96Hが当接している。そのため、電気浸透材3の電極膜32がゴム弾性材96Hを介して電極板5に電気的に接触している。なお、接着剤92H,93Hは絶縁性接着剤であっても良いし、導電性接着剤であっても良い。
【0070】
本実施形態においても、電気浸透材3が三つの突起64H及び弾性片63Hによって支えられ、突起64H、弾性片63H及び減衰室62Hがダンパーとして機能するので、衝撃・振動を緩衝することができる。また、ゴム弾性材95H,96Hによって、電気浸透材3の直径方向の直交方向(図13の紙面に垂直な方向)に作用する衝撃や振動が緩衝される。従って、電気浸透材3の破損を抑えることができる。
なお、図4に示すような切欠き62Aと同様に、減衰室62Hが穴ではなく切欠きであっても良い。
さらに、この場合も、第一実施形態と同様に電気浸透材3の支持構造が、図5〜図10に示すような構造であっても良い。
【0071】
<電気浸透流ポンプの使用例>
次に、電気浸透流ポンプ1の用途について説明する。
電気浸透流ポンプ1は、図14に示すような発電装置900に用いることができる。この発電装置900は電子機器に備え付けられ、発電装置900により電気エネルギーが電子機器本体1000に供給され、電子機器本体1000が動作する。
【0072】
この発電装置900は、燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル)と水を液体の状態で貯留した燃料カートリッジ901と、燃料カートリッジ901から供給された水と燃料を気化器902に送液する電気浸透流ポンプ1と、電気浸透流ポンプ1から送液された燃料と水を気化させる気化器902と、気化器902から送られた燃料と水から水素ガス等を生成する複合型マイクロ反応装置100と、複合型マイクロ反応装置100から供給された水素ガスの電気化学反応により電気エネルギーを生成する燃料電池型の発電セル903と、発電セル903により生成された電気エネルギーを適切な電圧に変換するDC/DCコンバータ904と、DC/DCコンバータ904に接続される2次電池905と、それらを制御する制御部906と、を備える。複合型マイクロ反応装置100は、改質器101と、CO除去器102と、燃焼器103とを有する。
【0073】
電気浸透流ポンプ1が駆動されることによって燃料と水の混合液が燃料カートリッジ901から気化器902へ送られ、気化器902で気化した燃料と水は複合型マイクロ反応装置100の改質器101に流れ込む。改質器101においては燃料と水が触媒により改質反応を起こし、水素ガスが生成されるとともに僅かながら一酸化炭素ガスも生成される(燃料がメタノールの場合には、下記化学式(1)、(2)を参照。)。改質器101で生成された水素ガス等はCO除去器102に送られ、更に外部の空気がCO除去器102に送られる。CO除去器102においては、一酸化炭素ガスが一酸化炭素除去触媒により優先的に酸化する選択酸化反応が起こり、一酸化炭素ガスが除去される(下記化学式(3)を参照)。CO除去器102を経た水素ガス等は発電セル903の燃料極に供給され、発電セル903の酸素極には空気が供給され、発電セル903における電気化学反応により電気エネルギーが生成される。
CH3OH+H2O→3H2+CO2・・・(1)
2+CO2→H2O+CO・・・(2)
2CO+O2→2CO2・・・(3)
【0074】
DC/DCコンバータ904は発電セル903により生成された電気エネルギーを適切な電圧に変換したのちに電子機器本体1000に供給する機能の他に、発電セル903により生成された電気エネルギーを2次電池905に充電し、発電セル903や複合型マイクロ改質装置100等が動作していない時に、2次電池905に蓄電された電気エネルギーを電子機器本体1000に供給する機能も果たせるようになっている。制御部906は気化器902、複合型マイクロ反応装置100、発電セル903を運転するために必要な図示しないポンプやバルブ類、ヒータ類のほか、電気浸透流ポンプ1やDC/DCコンバータ904等を制御し、電子機器本体1000に安定して電気エネルギーが供給されるような制御を行う。
【0075】
ここで、発電セル903の燃料極に供給された水素ガスは全てが反応しない方が高効率であり、残留した水素ガスは燃焼器103に供給される。燃焼器103には水素ガスの他に空気が供給され、燃焼器103内において水素ガスが触媒により酸化し、燃焼熱が発する。燃焼器103で発した熱によって改質器101が加熱される。
【0076】
なお、図14では、第1実施形態における電気浸透流ポンプ1を用いているが、第一から第八の何れかの実施形態における電気浸透流ポンプを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第一実施形態における電気浸透流ポンプの分解斜視図である。
【図2】第一実施形態における電気浸透流ポンプの縦断面図である。
【図3】第一実施形態における支持部材及び電気浸透材の平面図である。
【図4】第一実施形態の変形例における支持部材及び電気浸透材の平面図である。
【図5】第二実施形態における支持部材及び電気浸透材の平面図である。
【図6】第第三実施形態における支持部材及び電気浸透材の平面図である。
【図7】第四実施形態における支持部材及び電気浸透材の平面図である。
【図8】第五実施形態における支持部材及び電気浸透材の平面図である。
【図9】第六実施形態における支持部材及び電気浸透材の平面図である。
【図10】第七実施形態における支持部材及び電気浸透材の平面図である。
【図11】第八実施形態における電気浸透流ポンプの分解斜視図である。
【図12】第八実施形態における電気浸透流ポンプの縦断面図である。
【図13】第八実施形態における支持部材及び電気浸透材の平面図である。
【図14】電気浸透流ポンプを用いた発電装置と、その発電装置を用いた電子機器のブロック図である。
【符号の説明】
【0078】
1、1H 電気浸透流ポンプ
2、2H ハウジング
3 電気浸透材
4 インレットケース
5、7 電極板
6、6A、6B、6C、6D、6F 支持枠(支持部材)
8 アウトレットケース
31、32 電極膜
61、61B、61C、61H 開口
62、62H 減衰室(空間)
62A 切欠き(空間)
63、63B、63H 弾性片
64、64H 突起(突部)
65、65C、65H 緩衝材
900 発電装置
1000 電子機器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材に形成された開口に電気浸透材が配置され、前記開口の周囲において空間が前記支持部材に形成されることにより前記開口と前記空間を境する弾性片が形成され、前記弾性片によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする電気浸透材の支持構造。
【請求項2】
前記開口の壁部と前記電気浸透材の縁との間の隙間に緩衝材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の電気浸透材の支持構造。
【請求項3】
前記弾性片及び前記空間が前記開口の周囲に沿って複数配列されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気浸透材の支持構造。
【請求項4】
前記開口に向けて突出する突部が前記弾性片に設けられ、前記電気浸透材が前記突部及び前記弾性片に支持されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電気浸透材の支持構造。
【請求項5】
支持部材に形成された開口に電気浸透材が配置され、前記開口の壁部と前記電気浸透材の縁との間の隙間に緩衝材が充填され、前記緩衝材により前記電気浸透材が支持されることを特徴とする電気浸透材の支持構造。
【請求項6】
支持部材に形成された開口に電気浸透材が配置され、前記開口の壁部に突部が設けられ、前記突部によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする電気浸透材の支持構造。
【請求項7】
前記突部が前記開口の周方向に沿って複数配列され、これら突部によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする請求項6に記載の電気浸透材の支持構造。
【請求項8】
中空を有するハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、前記中空を導入側と排出側に仕切る電気浸透材と、を備え、
前記電気浸透材の周囲において空間が前記ハウジングに形成されることにより前記中空と前記空間を境する弾性片が形成され、前記弾性片によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプ。
【請求項9】
前記中空の壁部と前記電気浸透材の縁との間の隙間に緩衝材が充填されていることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプ。
【請求項10】
前記弾性片及び前記空間が前記電気浸透材の周囲に沿って複数配列されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプ。
【請求項11】
前記中空に向けて突出する突部が前記弾性片に設けられ、前記電気浸透材が前記突部及び前記弾性片に支持されることを特徴とする請求項8から10の何れか一項に記載の燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプ。
【請求項12】
中空を有するハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、前記中空を導入側と排出側に仕切る電気浸透材と、を備え、
前記中空の壁部と前記電気浸透材の縁との間の隙間に緩衝材が充填され、前記緩衝材により前記電気浸透材が支持されることを特徴とする燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプ。
【請求項13】
中空を有するハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、前記中空を導入側と排出側に仕切る電気浸透材と、を備え、
前記中空の壁部に突部が設けられ、前記突部によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプ。
【請求項14】
前記突部が前記電気浸透材の縁に沿って複数配列され、これら突部によって前記電気浸透材が支持されることを特徴とする請求項13に記載の燃料電池を含む発電装置に搭載される電気浸透流ポンプ。
【請求項15】
請求項8から14の何れか一項に記載の電気浸透流ポンプを備え、
前記電気浸透流ポンプにより燃料を送液し、その送液される燃料により発電を行うことを特徴とする発電装置。
【請求項16】
請求項15に記載の発電装置と、
前記発電装置によって発電された電気により動作する電子機器本体と、を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−69711(P2008−69711A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249357(P2006−249357)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】