説明

電気的に可変の及び多目的ライトとして用いられる散乱パターンを有する光を生成するためのライトモジュール

本発明は、光ビーム(5)を出射するための光源(2)と、電気的に変えることができる散乱パターンを有する調節可能な光ビーム(25)に光源(2)からもたらされる光ビーム(5)を調節するための調節可能光学要素(300)と、調節制御信号(371)に応じて、少なくとも1つの駆動信号(375,376)により調節可能光学要素(300)及び光源(2)を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御するための制御器(304)と、を有するライトモジュール(1)を提供する。例えば、自動車用室内照明のための多目的ライトは、それにより、有利に備えられることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライトモジュール、ライトモジュールで用いる制御器及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のライトモジュールは、今日の自動車において種々の室内照明機能を実行するために用いられる。スポットが読書ライトとして用いられ、少し拡散した照明がバニティ照明及びコンフォート照明のために用いられることが可能である。自動車内のステップ領域を照明するように自動車のドアのそばに位置付けられたランプがまた、存在する。種々の光源が、それ故、読書ライト、バニティライト及びステップライト等のような種々の機能のために自動車内で用いられる。
【0003】
自動車用室内灯の例については、欧州特許第0669224号明細書に記載されている。この特許文献においては、バルブを有する2つの別個のチャンバを有する自動車の内部に収容された車内ランプについて記載されていて、一のチャンバは地図を読むためのものであり、一は一般照明である。読書ランプのレンズ及びそのバルブは、2つのランプチャンバ及び2つのコンタクトを分離する壁が付加されると共に、第1ランプチャンバの内部に適合する且つバルブの取り替えのために取り外されることが可能である単独のユニットを構成する。ここでは、2つのライトが、異なる目的のために用いられている。
【特許文献1】欧州特許第0669224号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の自動車用ライトは、通常、形状又は特性が複数の目的のために適合されない及び使用されない光ビームを生成する。
【0005】
それ故、本発明の目的は、電気的に可変の散乱特性を有する光を生成するためのライトモジュールを提供することである。更なる本発明の目的は、特に、自動車の室内照明で用いられる多目的のライトを提供することである。
【0006】
本発明の目的の一つはまた、比較的ユーザフレンドリであるライトモジュールを提供することである。
【0007】
本発明の更なる特徴は、比較的ユーザフレンドリである及び/又は多目的で有効であるコンピュータプログラム及びライトモジュールで用いる制御器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、オブジェクトを照明するためのライトモジュールであって:
− 光ビームを出射するための光源;
− 電気的に可変である散乱パターンを有する調節された光ビームに光源からもたらされた光ビームを調節するように備えられている調節可能光学要素;並びに
− 調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により光源及び調節可能光学要素の群の少なくとも1つの要素を制御するように備えられている調節可能な光学要素;
を有するライトモジュールを提供する。
【0009】
本発明の次の特徴にしたがって、制御器がライトモジュールにおいて又はライトモジュールと共に用いられるように備えられ、制御器は、調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により光源及び電気的に調節可能な光学要素を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御するように備えられている。制御器は、2つ以上のライトモジュールを制御することが可能である。
【0010】
本発明の他の特徴にしたがって、制御器において実行されるコンピュータプログラムであって、調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により光源及び電気的に調節可能な光学要素を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御する機能を有する、コンピュータプログラムを提供する。
【0011】
特に、2つ以上の光ビームを生成するライトモジュールであって:
a.2つ以上の光ビームを生成するように備えられている2つ以上の光源;及び
b.電気的に可変であるそれぞれの散乱パターンを有する、2つ以上の光源から2つ以上の調節された光ビームに2つ以上の光ビームを調節するように備えられている2つ以上の電気的に調節可能な光学要素;
を有する、ライトモジュールを備えている。
【0012】
このライトモジュールは更に、調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により1つ又はそれ以上の光源と、1つ又はそれ以上の調節可能光学要素を有する要素の群の少なくとも1つの要素と、を制御するための制御器を有することが可能である。
【0013】
それ故、本発明の次の特徴にしたがって、調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により1つ又はそれ以上の光源と、1つ又はそれ以上の調節可能光学要素を有する要素の群の少なくとも1つの要素とを制御するように備えられている制御器を、ライトモジュールにおいて又はライトモジュールのために用いる制御器が備えられている。その制御器は、2つ以上のライトモジュールを制御することが可能である。
【0014】
本発明の他の特徴にしたがって、制御器において実行されるコンピュータプログラムであって、調節制御信号に応じて、本発明にしたがった少なくとも1つの駆動信号により1つ又はそれ以上の光源及び1つ又はそれ以上の電気的に調節可能な光学要素を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御する機能を有する、コンピュータプログラムを提供する。
【0015】
更に、本発明の他の特徴にしたがって、本発明は、多目的ライトとして、特に、多目的の自動車用室内ライトとして、本発明にしたがったライトモジュールを用いることを可能にする。
【0016】
ここでは、光源及び電気的に調節可能な光学要素(特に、電気的に導入される散乱要素)について説明し、その要素は、電場の印加時に光ビームの散乱を変化させることが可能である。有利であることに、散乱パターンを調節するための調節可能な光学要素を使用することにより、単独のライトモジュールにおいて複数の機能を組み合わせる可能性が与えられる。このようにして、例えば、実質的に散乱されないスポットライト又は読書ライトは、単に暗い中で互いに見えるように広い分布を有する低強度ライトを広いビームのコンフォートライトに、更に超ワイドのビーム形状(ステップライト、アプローチライト又は一般強度の照明ライト)に切り換えられることができる。それ故、調節可能光学要素が駆動信号に応じて調節可能散乱特性を有するビームを有する調節可能光ビームを与えるように、調節可能光学要素が備えられる実施形態においてモジュールが備えられる。
【0017】
それ故、本発明にしたがったライトモジュールの特定の実施形態は、多目的ライトとして、特に、多目的の自動車用室内ライトとして、用いられる。自動車は、ライトモジュールを使用することにより、読書ライト、バニティライト及びステップライトを有する群から選択されるようなライトモジュールを備えることが可能である。当業者に明らかであるように、2つ以上のライトモジュールが備えられることが可能である。有利であることに、調節可能光学要素は、散乱角が電気的に変えられることができるために、調節可能コーン角及び/又は調節可能方向を有するビームを有する調節可能光を与えるように備えられることが可能である。本発明にしたがったライトモジュールは、自動車において適用可能であるばかりでなく、トラック、バス、飛行機及び電車においても用いられることが可能であり、また、屋内用及び屋外用照明のために、そして(携帯用)ランタン、(携帯用)トーチ、フラッシュライト、照明ライト、分光器、テレスコープ、望遠鏡、静止画カメラ、動画カメラ、カメラ機能付き携帯電話、電子レンジ、洗濯機、洗浄機、オーブン等の汎用電気製品のような装置のために用いられることが可能である。
【0018】
このようなライトモジュールを用いることにより、もはや、光源からもたらされる光を調節するために手動でレンズを移動させる必要はなく、手動でライトの必要な強度を調節する必要もない。それに代えて、制御器が、より自動化された方式で光源からもたらされる光の発光強度及びビーム形状を調節することができる。本発明にしたがったモジュールは、それにより、よりユーザフレンドリである。
【0019】
照明されるオブジェクトは、例えば、反射を介して、直接に又は間接に照明されることが可能であることに留意する必要がある。調節制御信号は、例えば、電気信号、磁気信号、電磁信号、光信号又は超音波信号である。
【0020】
本発明にしたがった装置は、特に、下記のように、ユーザに多くの可能性を提供する更なる有利点を有する。
【0021】
種々の実施形態において、光源は、連続光を与えるように備えられる(例えば、動画カメラ)ことが可能であり、又は、フラッシュ光を与えるように備えられる(例えば、写真カメラ)ことが可能であり、駆動信号に応じて連続光及びフラッシュ光の組み合わせを与えるように備えられる(例えば、動画カメラ及び写真カメラ)ことが可能である。連続光は、ライトモジュールが、例えば、トーチランプとして用いられるときに適用されることがまた、可能である。
【0022】
他の実施形態においては、光源は、請求項3に記載している光源、例えば、少なくとも、発光ダイオード、キセノンランプ又はハロゲンランプを有する。実施形態においては、発光ダイオード(LED)は光源として好ましいものである。種々の光源の組み合わせをまた、用いることが可能である。有利であることに、発光ダイオードは、フラッシュ状態及び非フラッシュ状態で用いられることが可能である。その光源は、明らかに、ダイオードのアレイを有する。そのダイオードのアレイは、集合的に又は個別に駆動される(例えば、制御器により)ことが可能である。
【0023】
他の実施形態においては、調節可能光学要素は、広汎のオブジェクトの照明を最適化するように、調節可能コーン角及び/又は調節可能方向を有するビームを有する調節可能光を与えるように備えられている。
【0024】
他の実施形態においては、調節可能光学要素は、撮影される写真又は映像の選択されたアスペクト比にビーム形状を調節するように、光ビームの調節可能アスペクト比、例えば、4:3又は16:9のアスペクト比を有する調節光を生成するように備えられている。他の実施形態においては、調節可能光学要素は、エレクトロウェッティングレンズ、液晶レンズ、制御可能散乱要素、制御可能反射要素及び反射要素を有する光学要素の群の少なくとも1つの要素を有する。それ故、レンズは、単独のレンズ又はレンズアレイを有することが可能である。液晶要素を通るビームのコリメーションは、例えば、この要素に調節可能振幅を有する交流電圧の印加により調節されることが可能である。エレクトロウェッティングレンズにおける流体は、このレンズに調節可能振幅を有する交流電圧の印加により凸状又は凹状にされることが可能である。光の調節において機械運動部品を回避することは、従来技術と比べて改善された装置の高信頼性に繋がり、本発明を更にユーザフレンドリにする。
【0025】
他の実施形態においては、調節可能光学要素は液晶屈折率勾配要素を有する。そのような要素はまた、GRIN要素として知られている。
【0026】
他の実施形態においては、調節可能光学要素は、少なくとも1つの受動ビーム整形要素と、光源とその受動ビーム整形要素との間に位置付けられている制御可能な散乱要素とを有する。この請求項においては、受動ビーム整形要素間に位置付けられている制御可能散乱要素を有する2つ以上の受動ビーム整形要素の場合を、明らかに有する。他の実施形態においては、調節可能光学要素は、光源と制御可能散乱要素との間に位置付けられている少なくとも1つの受動ビーム整形要素を有する。
【0027】
他の実施形態においては、調節制御信号はユーザにより生成される。
【0028】
本発明にしたがった制御器及び本発明にしたがったコンピュータプログラムプロダクトの実施形態は、本発明にしたがったライトモジュールの実施形態と対応し、その実施形態については、請求項16乃至19に記載されている。
【0029】
本発明は、比較的ユーザフレンドリであり、上記のように、ユーザに多くの可能性を提供する点で更に有利である光学装置及びライトモジュールの製造方法の課題を解決する。
【0030】
本発明の上記の及び他の特徴は、以下、添付している図面に関連付けて説明している実施形態を参照することにより明らかになり、理解することができるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
多くの光源が、今日の自動車における種々の室内照明機能を実行するために用いられている。種々のスポットが読書ライトとして用いられ、少し拡散した拡散照明がバニティ照明及びコンフォート照明として用いられている。ランプはまた、自動車内への又は自動車外への足の運びにおけるステップ領域を照明するように自動車のドアに位置付けられている。図1は、例えば、バニティライト101、リーディングライト102及びステップライト103等の自動車100内で用いられる複数のランプの一の実施形態を示している。当業者に明らかであるように、更なるライトの位置、例えば、自動車の内側の天井に対する内側のライトモジュールが可能である(例えば、後部座席において備えられている又は前側における運転手のシートと同乗者のシートとの間に備えられる)。最先端技術のライトは、多目的のために用いられてはいない。例えば、最先端の読書ライト102は、ステップライト機能をまた、実行するように容易に適合されることができない。
【0032】
オブジェクトを照明する光源(図示せず)と、調節可能光学要素300とを有する、本発明にしたがったライトモジュール1を図2に示している。ライトモジュール1は、調節制御信号371に応じて、少なくとも1つの駆動信号375、376により光源2及び電気的に調節可能な光学要素300を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御するように備えられている制御器304を更に有することが可能である。本発明にしたがったライトモジュール1の実施形態においては、オブジェクト(図示せず)を照明するための光源2を有し、その光源2からもたらされる光5を調節するため及びオブジェクトに対して調節された光25を供給するための電気的に調節可能な光学要素300を有する。制御器304は、駆動信号376により電気的に調節可能な光学要素300を及び/又は調節制御信号371に応じて駆動信号375により光源2を制御する。駆動信号376は、2つ以上の駆動信号であって、例えば、2つ以上の光学要素300(下記を参照されたい)を制御するように駆動信号を有することが可能である。光源2は、例えば、フラッシュ光源又は連続光源であり、発光ダイオード、ダイオードアレイ、キセノンランプ又はハロゲンランプを有することが可能である。
【0033】
好適な実施形態においては、光源2を制御するための駆動信号375は、着色光25、又はダイオードアレイが異なる色の光を発光するダイオードを有する場合に調節可能色温度を有する光25を供給するように個別に発光ダイオードアレイの発光ダイオードを制御することができる。特定の実施形態においては、制御器304は、調節制御信号371を受け入れるためのインタフェース340に、任意に、ユーザから、例えば、短期メモリ344及び/又は長期メモリ345に調節制御信号371を受け入れるための入力インタフェース342に結合されているプロセッサ343を有する。本発明のライトモジュール1は、例えば、光源2からもたらされた光ビームを調節するためのレンズの手動による移動、又は必要な光の強度の手動による調節を必要としない(後者は、尚も、任意に行われることが可能であるが(下記を参照されたい))。それに代えて、制御器304は、発光強度、散乱特性及び/又はより自動化された方式において光源2からもたらされる光ビーム35のビーム形状を調節する可能性を与える。その結果、本発明の実施形態にしたがったライトモジュール1はよりユーザフレンドリになる。代替として及び/又は付加的に、更なる調節制御信号371が、例えば、ユーザの好みについて制御器304(実施形態においては、プロセッサ343)に情報を与えるユーザにより生成される。発光強度は、電気的に調節可能な光学要素300において印加される電圧及び/又は光源2に供給される電力を調節することにより制御されることが可能である。
【0034】
制御器は、光源及び調節可能光学要素と同じモジュール内に収容されることが可能であるが、自動車内の異なる位置にその制御器を有することがまた、可能である。
【0035】
調節可能光25はまた、オブジェクトをハイライトするように、異なるオブジェクトの最適化照明を達成するように、視野角の関数として照明領域のビーム形状を変化させるように、又は、例えば、ビデオカメラ又は写真カメラのアスペクト比に対してビーム形状を調節するように、用いられることが可能である。
【0036】
代替として及び/又は付加的に、更なる調節制御信号371が、ユーザの好みについて制御器304(プロセッサ343)に情報を与えるユーザにより生成される。
【0037】
調節可能光学要素300は、例えば、図3に示すような流体焦点レンズ(アレイ)80を有することが可能である。例えば、導体81及び82を介して流体焦点レンズ(アレイ)80の極性液体86に対して調節可能振幅を有する交流電圧を供給することにより、メニスカスが極性液体86及び無極性液体87の界面において形成されるようになる。このメニスカスは、調節可能振幅を有することが可能である凸状モード及び/又は凹状モードを有する3つの異なるモード83、84、85を有する。出射光25のコーン角は、それ故、入射光5のコーン角に応じて調節されることが可能である。
【0038】
調節可能光学要素300は、例えば、図4a及びb、並びに図5a及びbに示す種々の液晶材料を有することが可能である。図4は、何れの電圧なしで光を散乱する材料91を示している。換言すれば、ゼロ電圧信号が基板190及び191にある透明電極90及び92に印加されるとき、入射光5は散乱され(図4a)、十分に高い電圧が印加されるとき、その材料91は、(実質的に)非散乱光を生成するように透明になる(図4b)。図5a及びbは、印加される電圧なしで透明である他の材料を示している(図5a)。基板193及び195にある透明電極93及び95における電圧がゼロであるとき(図5a)、並びに十分に高い電圧がそれらの電極において印加されるとき、入射光5は散乱されるようになる(図5b)。
【0039】
調節可能光学要素300は、例えば、図6に示す液晶材料を有することが可能である。全部に亘って、ガラス基板100、透明電極101、配向層102、液晶材料103、等方性層104、透明電極105及びガラス基板106を有する。ゼロ電圧信号又は非ゼロ電圧信号を印加することにより、入射光5は、電場の印加が液晶分子の配向を変化させることのために、屈折され又は屈折されず、その光ビームは、回折されることなく透過することが可能である。
【0040】
両方の極性方向が影響される必要がある場合、2つのそのような要素は、それらの要素における液晶分子の配向が互いに垂直である構成において用いられる必要がある。それらの分子の配向方向は同じに保たれることが可能であるが、その場合、1/2波長板がそれらの要素間に挿入される必要がある。
【0041】
調節可能光学要素300は、例えば、図7a及びbに示す、所謂、カイラル液晶材料を有することが可能である。ゼロ電圧状態において、液晶112は円偏光光25aの帯域を反射する一方、逆電場の円偏光光25bの帯域は透過される(図7a)。ガラス基板110及び114の最上部に位置付けられている透明電極111及び113における電圧は、液晶112の螺旋構造を取り除き、セルを透明にする(図7b)。二重セル構成が、両方の極性方向を反射するように用いられることが可能である。この構成においては、それらの可能性の一は、円偏光光の左及び右偏光方向を反射するカイラル材料を有するセルを用いることである。他の可能性は、1/2波長板を有するセルを有するカイラル材料を用いることである。
【0042】
調節可能光学要素300は、セル構造125において存在する曲率を有する、図8に示す液晶レンズであることが可能である。この構造125は、ゼロ電圧状態において液晶の屈折率の一と殆ど同じである屈折率を有する等方性材料から成る場合に、レンズとしての役割を果たす。ガラス基板120及び127の最上部に位置付けられている透明電極121及び126における電圧の印加は液晶分子123を再配列させて、レンズの効果は消える。透明電極121は配向層122により覆われ、構造125は配向層124により覆われている。構造125が、ゼロ電圧状態において液晶の屈折率と殆ど同じ屈折率を有する異方性材料から成る場合、レンズ作用は存在しない。ガラス基板120及び127の最上部に位置付けられている透明電極121及び126における電圧の印加は液晶分子123を再配列させて、レンズ効果が現れる。単独の要素は、1つのみの直線偏向方向により機能し、それ故、2つの要素は、両方の偏光方向に影響を与えるように必要とされる。これは、単独のレンズの実施例であるが、そのような構造を用いるレンズアレイを製造することがまた、可能である。
【0043】
調節可能光学要素300は、図9a及びbに示す液晶屈折率勾配(GRIN)レンズ又はアレイであることが可能である。そのような要素はパターニングされた電極を有する。セルの両方の表面がパターニングされた電極を有する場合、それらの表面は、それらのパターンが殆ど完全に重なり合うように、互いに対してアライメントされている。この状態において、それらの電極間の電位は最も高い。それらの電極の外側においては、電場線がセルの外側に漏れ、不均一な電場線がもたらされる。その結果、屈折率勾配が、電極を含まない領域において生成される。透明電極が円形の孔を有する(図10aを参照されたい)場合、球面レンズが形成される一方、周期的間隔を有する線状電極を用いることにより円筒形レンズがもたらされる。電極の幾何学的構成はまた、他の構成を取ることが可能であり、それらの例を図10b乃至dに示している。図9は、液晶(133)を有する、ガラス基板(130、137)においてパターニングされた電極(131、136)を有するセルを示している。液晶分子の巨視的な配向は、ラビングされたポリマー層から成る配向層によりもたらされる。パターニングされた電極は何れかの構造を有することが可能であり、図10a乃至dに種々の例を示している。それらの電極(131、136)における印加電圧が0であるとき、図9の上の図に示すように、液晶分子は一軸配向され、セル内にレンズ作用は存在していず、ビーム5は、変化されることなく、セルを透過する。図9に示す下の図に示すセルにおける電場の印加により、屈折率勾配が電極間にもたらされ、光ビーム5の経路が変わる。
【0044】
他の実施形態においては、GRINレンズは、電極パターンが一の表面にのみ備えられ、他の表面は何れのパターンも有しないセルにより生成されることが可能である。他の実施形態においては、パターニングされた電極は、MΩ/□領域にある非常に大きい表面抵抗を有する層により覆われている。
【0045】
上記のGRINレンズはまた、極性依存性を示す。両方の極性方向が影響される必要がある場合、それらの2つの要素は、それらの要素における液晶分子の配向が互いに垂直である構成において用いられる必要がある。それらの分子の配向方向は両方の要素において同じに保たれることが可能であるが、その場合、1/2波長板がそれらの要素間に挿入される必要がある。
【0046】
この適用においては、反射及び吸収によりもたらされる小さい損失を有することは重大である。上記のGRINの概念は、大きい透過が得られるように、それらの損失を最小にすることができる。
【0047】
等方性散乱特性は、複数の方法において得られる。誘電体異方性が負である、カイラルゲル及びPDLC(ポリマー分散液晶)材料(下記を参照されたい)であるLCゲル(液晶ゲル)を有する群から選択された液晶材料を有する液晶セルを有する光学要素300が選択される。
【0048】
当業者に明らかであるように、調節可能光学要素300は、ここで述べている2つ以上の調節可能要素を有することが可能である。更に、光学要素300は、更に、例えば、ミラー、レンズばかりでなく、ビーム25のビーム特性を制御するための検出器又はセンサ等の他の光学要素を有することが可能であり、それらの検出器又はセンサは、ビームが調節される又は制御されることが可能であるように、制御器304に信号を送ることが可能である。
【0049】
それ故、光分散特性、光散乱特性及び/又はそれらの形状を変化させることが可能である調節可能光学要素300はコリメート光光源2の前に置かれることが可能である。
【0050】
光をコリメートする及び整形するために用いられる調節可能光学要素はまた、光源2と1つの受動ビーム整形要素との間に置かれることが可能であり、又は、2つ以上の受動ビーム整形要素の場合には、例えば、受動ビーム整形要素間に置かれることが可能である。例えば、発光ダイオードが光源2として用いられる場合、特定の形状を有する反射器400及び/又は441が、特定の分布を有する光形状を得るために用いられることが可能である。調節可能光学要素300は、それ故、図11に示すように、受動ビーム整形要素440及び441間に置かれることが可能である。受動ビーム整形要素はまた、幾つかのセグメントを有することが可能であり、調節可能光学要素300は、受動ビーム整形要素440及び441に沿った何れかの位置に置かれることが可能である。図11は、光源、調節可能光学要素300並びに受動ビーム整形要素440及び441のみを示している。他の構成要素、例えば、制御器304等は、この図には示されていない。
【0051】
更なる実施形態においては、1つ又はそれ以上の受動ビーム整形要素は、例えば、図12a及び12b(下記で説明する)に示すように、光源2と調節可能要素300との間に存在している。
【0052】
ビーム形状において良好な制御を得るように、調節可能光学要素の電極をセグメント化することがまた、可能である。
【0053】
他の実施形態においては、直接照明から間接照明への切り換え及びその逆を用いることが可能である。その場合、光源から方向付けられた光は、例えば、シーリング(ceiling)により反射された後にオブジェクトに達するように、一部が又は全部が反射される。このようにして、オブジェクトは、間接的に照明される。
【0054】
曲面に基づく液晶レンズ、フレネルレンズ及びパターニングされた電極から成るゾーンプレートの種々の例については、特許文献(米国特許第4190330号明細書、国際公開第200459565号パンフレット)に記載されている。例えば、液晶要素に調節可能振幅を有する交流電流を印加することによりビームのコリメーションを調節することが可能である。レンズは、エレクトロウェッティングの原理に基づくことが可能である(国際公開第0369380号パンフレット)。エレクトロウェッティングレンズへの調節可能振幅の交流電圧の印加は、流体を凸状又は凹状にすることが可能である。出射光のコーン角は、それにより調節可能である。本発明にしたがったライトモジュールの他の実施形態は、電気的に制御可能な方式で散乱される及び/又は回折される。ポリマー分散液晶に基づく効果は、当該技術分野においては一般的である。ゲルがこのために用いられることが可能である(米国特許第5199760号明細書)。ブレーズ型回折格子構造が液晶で満たされている要素において光の方向を変えることがまた、可能であり、電気信号は、液晶分子の配向を制御するために用いられる(米国特許第6014197号明細書)。切り換え可能リフレクタが、光の方向を変えるために用いられることがまた、可能である(米国特許第5798057号明細書、米国特許第5762823号明細書)。調節可能光学要素は、代替として、切り替え可能な屈折率勾配液晶要素を有することが可能である。
【0055】
そのモジュールは、1つ又はそれ以上のスイッチ、1つ又はそれ以上のセンサ、1つ又はそれ以上のスイッチ及び1つ又はそれ以上のセンサを有することが可能であり、それらのスイッチは:
− 光源2をオン及びオフに切り換える機能;
− 電気的に調節可能な光学要素300を電気的に調節する機能であって、(例えば)同乗者がコンフォートライト(散乱された)から読書ライト(フォーカシングされた)に光源を調節する、機能;
− 光ビーム25の散乱特性を調節する機能;並びに
− 光ビーム25の発光強度を調節する機能であって、センサは、
1つ又はそれ以上のドアの開状態、閉状態、鎖錠状態、解錠状態の1つ又はそれ以上を示すリモート信号を検出する機能と、
運転者及び/又は一人又はそれ以上の同乗者の存在を検出する機能と、
運転していること(例えば、運転者の方に方向付けられている光のビーム25について非散乱機能をブロックするための信号376を与えるために)を検出する機能と、
スイッチについて上記した同じ機能の1つ又はそれ以上を制御するように意図されているリモート制御信号を検出する機能(即ち、光源2をオン及びオフに切り換える機能、電気的に調節可能な光学要素300を電気的に調節する機能、光ビーム25の散乱特性を調節する機能、電気的に調節可能な光学要素300を電気的に調節する機能であって、(例えば)同乗者がコンフォートライト(散乱された)から読書ライト(フォーカシングされた)に光源を調節する、機能)と、
を有する群から選択された1つ又はそれ以上の機能を備えている、機能;
を有する群から選択された1つ又はそれ以上の機能を備えている。
【0056】
図12a及び12bに模式的に示すような他の実施形態にしたがって、本発明にしたがったライトモジュール1は、ここで、参照番号25a及び25bのそれぞれで示されている2つ以上の光ビーム25を備え、ライトモジュール1は、好適には、2つ以上の光源2から2つ以上の調節された光ビーム25a及び25bに2つ以上の光ビーム5を調節するように備えられている参照番号300a及び300bで示されている2つ以上の電気的に調節可能な光学要素300と、2つ以上の光ビーム5(参照番号5a及び5bで示されている)を与えるように備えられている、参照番号2a及び2bで示されている2つ以上の光源2と、を有する。調節された光ビーム25の散乱パターンは電気的に可変である。好適には、光ビームの各々の散乱パターンは個別に調節可能(制御可能)である。それ故、好ましい散乱特性(非散乱から散乱への)を有する調節された光ビームが与えられることが可能である。
【0057】
当業者には明らかであるように、1つ又はそれ以上の光ビーム5を与えるように、当業者に知られている1つの光源及び1つ又はそれ以上のビームスプリッタ又は他の手段を用いることが可能である。好適には、各々の光ビーム(5a、5b等)は、調節可能光学要素300(300a、300b等)により個別にアドレス指定可能であり、それ故、制御可能な光ビーム25(即ち、25a、25b等)がそのモジュールにより与えられる。
【0058】
それ故、ここで用いている用語“光ビーム25”、“駆動信号375”、“駆動信号376”、“光源2”、“コリメータ3”、“光ビーム5”等はまた、“光ビーム25”、“駆動信号375”、“駆動信号376”、“光源2”、“コリメータ3”、“光ビーム5”等のそれぞれ、並びに、“少なくとも1つの光ビーム25”、“少なくとも1つの駆動信号375”、“少なくとも1つの駆動信号376”、“少なくとも1つの光源2”、“少なくとも1つのコリメータ3”、“少なくとも1つの光ビーム5”等のそれぞれを意味すると考えられるものである。
【0059】
図12aは、2つの光源2a及び2bを有するモジュールを模式的に表しているが、更なる光源を用いることが可能である(例えば、光ビーム5及び結果として得られる光ビーム25を有するモジュールを備えるように)。光源2a、2bからの光ビーム5は、参照番号3a及び3bで示されているコリメータ3により任意にコリメートされることが可能である。光ビーム5a及び5bは電気的に調節可能である光学要素300(即ち、300a及び300bのそれぞれ)により遮られ、それ故、光ビーム25a及び25bの特性は制御されることが可能である。参照番号400(ここでは、参照番号400a及び400b)は、光ビーム25がモジュール1の外側の方に渡され、出口400とも呼ばれるモジュールにおける位置を表す。これは、例えば、レンズ、透明なガラスプレート、透明なプラスチック又はポリマーカバーであることが可能であり、LC分子を有するセル(例えば、セル20からの)等の透明なガラスプレートであることが可能である。当業者に明らかであるように、出口400は、例えば、円形、四角形、楕円形等のあらゆる種類の適切な形状を有することが可能である。
【0060】
それ故、2つ以上の光25を供給するライトモジュール1が備えられ、ライトモジュール1は、好適には、2つ以上の光ビーム5を与えるように備えられている2つ以上の光源と、2つ以上の光源2から2つ以上の光5を調節するように備えられている2つ以上の電気的に調節可能な光学要素300と、を有する。用語“1つ又はそれ以上の”は、“2つ又はそれ以上の”と同等である。そのモジュールは、特に、強度及び散乱が制御されることが可能であるという意味で、特性が電気的に可変である光ビームの、好適には、2つ乃至6つ、更に好適には、2つ乃至4つの、それ以上に好適には、2つ又は3つを備えている。
【0061】
更に、モジュール1は、2つ以上のセンサ及び/又は2つ以上のスイッチ350を有することが可能である。それらのセンサ又はスイッチ350はモジュールにおいて又はモジュール内にあることが可能であるがまた、例えば、自動車のダッシュボード又はどこか他の場所にあることもまた、可能である。例えば、自動車で用いられるモジュール1は、例えば、ドアの開状態、閉状態、鎖錠状態又は解錠状態を検知するように備えられている、及び自動車のドア又は入口に位置しているセンサ350を有することが可能である。センサは、例えば、駆動信号376(及び375)により散乱される(アプローチライト機能)ことが可能である光ビーム25a及び25bを与え、2つ以上のランプ2a、2bにおいてオンに切り換えるために制御器304により用いられることが可能である信号371を与える。モジュール1は、代替として又は付加的に、ドアのリモート解錠を検知するセンサを有することが可能である。運転中、運転者の方に方向付けられた光ビーム25は本発明にしたがって散乱されることが可能であり、それ故、運転者は眩惑されることはない。運転者の隣のひとは、例えば、読書するために、他の光ビームを用いることが可能である。
【0062】
例えば、そのモジュールが3つのスイッチ(図12bに模式的に示すような)を有する場合、それらのスイッチは、種々の要素をオンに切り換えるように用いられることが可能である。第1スイッチにより、両方の光源2a、2b(例えば、LED)はオンに切り換えられることが可能である一方、同時に、LCセルの散乱状態がアクティブにされる(コンフォートライト機能及びアプローチングライト機能を備えて)。中央のドアのキーがアクティブにされている一方、同時に、LCセルの散乱状態(アプローチングライト機能)がオンに切り換えられているときに、光源2a、2bがオンに切り換えられることを可能にする制御を任意に備えることが可能である。他のスイッチは、散乱機能がアクティブでないようにされる(読書ライト機能)ときに、ランプ2a(第2スイッチ)及びランプ2b(第3スイッチ)を別個にオン及びオフのそれぞれに切り換えるように用いられることが可能である。当業者に明らかであるように、制御器304により支援される複数の機能を備えている1つのスイッチ、例えば、タッチ制御等を用いることがまた、可能である。例えば、一回タッチにおいては、両方の光源2a、2b(例えば、LED)はオンに切り換えられ、同時に、LCセルの散乱状態がアクティブにされ、二回/三回タッチにおいては、ランプ2a及び2bのそれぞれが、散乱機能がアクティブにされないときに、別個にオン及びオフに切り換えられ、四回タッチにおいては、全てのランプがオフになる。
【0063】
当業者に明らかであるように、それらのスイッチは、例えば、タッチスイッチ又はスライドスイッチであることが可能であり、それらのスイッチは、多目的ライトのための多機能(上記を参照されたい)を備える(例えば、同時に両方の光源を、及び個別に両方の光源をアドレス指定するために)ことが可能であり、可変スイッチであることが可能である。このように、ユーザ341は制御器341に信号を与えることが可能であり、その制御器は、その場合、駆動信号375により光源2をアドレス指定することが可能であり、駆動信号376により調節可能要素300をアドレス指定することが可能である(図2をまた、参照されたい)。
【0064】
一般に、この実施形態におけるモジュール1及びその変形は、2つ又はそれ以上の光ビーム5を生成するために備えられている光源2と、任意に、それらの2つ又はそれ以上の光ビーム5をコリメートするために備えられている2つ又はそれ以上のコリメータと、2つ又はそれ以上の光源2からの2つ又はそれ以上の光ビーム5を調節するために備えられている2つ又はそれ以上の電気的に調節可能な光学要素300とを有し、それにより、電気的に可変な散乱パターンを有する2つ又はそれ以上の光ビーム5を与えることができる。そのモジュールは更に、1つ又はそれ以上のスイッチ又は1つ又はそれ以上のセンサ350、若しくは1つ又はそれ以上のスイッチ及び1つ又はそれ以上のセンサ350を有し、それらのスイッチは:
− 光源2を、好適には、2つ又はそれ以上の光源の各々の光源を個別にオン及びオフに切り換える(例えば、同乗者が、例えば、地図を読むためだけに光源を切り換える)機能;
− 同時に、2つ又はそれ以上の光源をオン及びオフに切り換える(例えば、同時に、全ての光源をオンに切り換える)機能;
− 2つ又はそれ以上の電気的に調節可能な光学要素300を、好適には、2つ又はそれ以上の電気的に調節可能な光学要素300の一を調節する2つ又はそれ以上のスイッチの各々のスイッチ(即ち、可変スイッチ)を個別に電気的に調節する(例えば、同乗者が、コンフォートライト(散乱された)から読書ライト(フォーカシングされた)に光源を調節する)機能;
− 2つ又はそれ以上の光ビーム25の散乱特性を調節する機能;並びに
− 2つ又はそれ以上の光ビーム25の光強度を調節する機能;
を有する群から選択された1つ又はそれ以上の機能を備え、センサは:
− 1つ又はそれ以上のドアの開状態、閉状態、鎖錠状態及び開錠状態の1つ又はそれ以上の状態を検出する機能;
− 1つ又はそれ以上のドアの開状態、閉状態、鎖錠状態及び開錠状態の1つ又はそれ以上の状態を示すリモート信号を検出する機能;
− ドライバ及び/又は同乗者の存在を検出する機能;
− 動き、例えば、運転していることを検出する(例えば、運転者の方に方向付けられた光ビームについての非散乱機能をブロックするように用いられ)機能;並びに
− スイッチについて上記した同じ機能の1つ又はそれ以上を制御するように意図されたリモート制御信号を検出する(例えば、センサは、同じビーム25の読書ライト(非散乱された又は実質的に非散乱された)からコンフォートライト(散乱された)への変化を示す信号を与えるリモート制御を検知する)機能;
を有する群から選択された1つ又はそれ以上の機能を備えている。
【0065】
それ故、本発明にしたがったライトモジュール1は、1つ又はそれ以上のスイッチ又は1つ又はそれ以上のセンサ350、若しくは1つ又はそれ以上のスイッチ及び1つ又はそれ以上のセンサ350を更に有し、1つ又はそれ以上のスイッチは:1つ又はそれ以上のスイッチ2をオン及びオフに切り換える機能;同時に1つ又はそれ以上の光源2を任意に切り換える(2つ以上の光源が存在する場合に)機能;1つ又はそれ以上の電気的に調節可能である光学要素300を電気的に調節する機能;1つ又はそれ以上の光ビーム25の散乱特性を調節する機能;並びに、1つ又はそれ以上の光ビーム25の発光強度を調節する機能;を有する群から選択される1つ又はそれ以上の機能を備え、1つ又はそれ以上のセンサ350は:1つ又はそれ以上のドアの開状態及び/又は閉状態を検出する機能;1つ又はそれ以上のドアの開状態、閉状態、鎖錠状態及び開錠状態を示すリモート信号を検出する機能;運転者及び/又は一人又はそれ以上の同乗者の存在を検出する機能;並びに、動き(例えば、運転している)を検出する機能;スイッチ350について上記した1つ又はそれ以上の機能を制御するように意図されたリモート制御信号を検出する機能;を有する群から選択された1つ又はそれ以上の機能を備えている。
【0066】
一般に、そのようなモジュールは、運転者のシート又は一人又はそれ以上の同乗者のシートの方に方向付けられた光ビームにより自動車の内側屋根部分に備えられているように、若しくは、後部座席の方に方向付けられた光ビームにより自動車の内側屋根部分に備えられるように、意図されることが可能である。当業者に明らかであるように、モジュール1は、3つ以上の光源2を有することが可能であり、例えば、モジュールは、一部の自動車の場合のように、三人の人間が列の状態に腰掛けている自動車における配列を意図されている、又は、モジュールは、シートの列において飛行機における配列を意図されている。モジュールは、運転者の方に方向付けられた光ビームにより自動車内の配列を意図されている場合、運転者の方に方向付けられた光ビーム25を制御するための少なくともライトモジュール300は、自動車が運転されているときに異方性光分散を与えることが可能であることは好ましい。
【0067】
ここで用いている用語“制御器”とは、オン/オフスイッチ、可変スイッチ、又はコンピュータのような制御器のことをいい、前記制御器は、処理器、例えば、上記の機能から選択された機能を有する1つ又はそれ以上のセンサを有する。
【0068】
特定の変形について、図13に示していて、2つの光源2a及び2bが用いられ、それらの光源2a及び2bにより生成された光ビームは、好適には、それぞれのコリメータ3a及び3bによりコリメートされる。
【0069】
好適には、コリメータ3a及び3bは、自動車又は飛行機内で配列されているときに、シートにおいて存在するA4領域を照明する。コリメータ3aのコリメーション角α11/α12は各々、好適には、約10°と20°との間、例えば、15°にある。同様なことが、コリメータ3b(α21/α22)に適用できる。光源2a及び2b並びにコリメータ3a及び3bは、光源2a及び2b並びにコリメータ3a及び3bは、光ビームにおける中央のビームが電気的に調節可能な光学要素300a及び300bのそれぞれによりθ及びθを囲むように、配置されている。実施形態においては、θ及びθは、それらが、自動車における運転者のシート及び同乗者のシートの方に光ビームを与えるように選択されている。当業者に明確であるように、モジュール1は、例えば、自動車における後部シートの上記の配列について又は飛行機におけるシートの列において、更なる人間のために参照番号3の方に光ビームを与えるために、更に、光源2、コリメータ3及び光学要素300を有することが可能である。
【0070】
好適には、電気的に調節可能な光学要素300a及び300bの少なくとも一は、等方性散乱を与えることができるように選択されて、配置されたLCセルを有する。更に好適には、両方の電気的に調節可能な光学要素300a及び300bは、等方性散乱を与えることができるように選択され、配置されたLCセルを有する。このことは、光源2からのビーム5が、当方性散乱を与えることができるように変換されることを意味している。その散乱特性は、好ましい光の種類に応じて選択されることが可能である(更に、下記を参照されたい)。
【0071】
その等方性散乱特性は複数の方法において得られることが可能である。好適には、(2つ以上の)調節可能な光学要素(300)の少なくとも一が、負の誘電体異方性を有するLCゲル、カイラルLCゲル、及びPDLC(ポリマー分散液晶)を有する群から選択された液晶材料を有する液晶セルを有する。
【0072】
好適な実施形態においては、光学要素300に含まれるLCセルは、負の誘電体異方性を有するLCゲルに基づいている。そのセルにおいては、ダイレクタはセルの表面(即ち、光ビーム5を直接、受け入れる表面)に対して垂直に配向している。電場オフ状態において、セルは透明であり、電場の印加は散乱をもたらす。このように、電気的に調節可能な光学要素が備えられ、その光学要素は、印加される電場に応じて、モジュールに対して、異方性散乱パターンを有するビームを与える、又は与えない、又は実質的に散乱を与えない。
【0073】
このタイプに対する代替はカイラルゲルである。そのようなゲルにおいては、ダイレクタはセル表面に対して平行であるが、一の表面から他の表面への数回の回転を行う。その材料は正の誘電体異方性を有する。電場オフ状態においては、散乱は存在せず、セルは、電圧の印加時に光を散乱し始める。このことはまた、印加される電場に応じて、モジュールに、等方性散乱パターンを有するビームのオプションを与える、又は与えない、又は実質的に散乱を与えない電気的に調節可能な光学要素を与える。
【0074】
他の実施形態においては、電気的に調節可能な光学要素300(の1つ又はそれ以上)のLCセルにおける材料は、図4a及び4bにおいて模式的に示している、所謂、PDLC(ポリマー分散液晶)に基づいている。当業者にとって既知であるように、PDLCを得る方法は、LCの混合物及び光重合性モノマーを作製することである。セルは、電場オフ状態で散乱する。電圧の印加は、セルを透明にする。PDLC材料については、例えば、米国特許第4688900号明細書に記載されている。
【0075】
透明状態が全ての角度において透明であるシステムは、“透明な”状態において、例えば、広い角度において幾らかヘイズを尚も示すシステムに対して好ましい。最もよく知られているPDLCシステムにおいては、例えば、液晶分子は、ポリマーマトリクスの液滴に閉じ込められている。電場オフ状態において、LC分子は、種々の液滴において互いに対してランダムに配向していて、LCとポリマーマトリクスの屈折率の間において殆ど全ての方向において屈折率の不整合が存在する。電場の印加は、電場の方向にLC分子を配向させる。LCの通常の屈折率は、ポリマーの屈折率を整合させるように選択される。その結果、電場の方向に伝搬する光について、光の散乱は生じず、そのシステムは透明であるように現れる。より広い角度において、光は、液晶の非常に大きい屈折率により益々影響を受け始める。
【0076】
PDLCの相互貫入ネットワークはまた、ポリマー−LC界面がそのようなシステムにおいて液滴型のPDLCに対して小さくなるにつれて、より広い角度において少ないヘイズを示す。
【0077】
他方で、ゲルは、屈折率が全ての方向において整合されるにつれて、電場オフ状態において透明である。それらのゲルは、電場の印加時に光を散乱する。
【0078】
国際公開第2005101445号パンフレットに記載されているように、任意にまた、発光性であることが可能である色素分子を、ゲル又はPDLCのサンプルに添加することがまた、可能である。そのように、散乱は、増加した吸収(及び/又は発光)と組み合わされることが可能であり、散乱光の色変化に繋がる。
【0079】
少なくとも1つの調節可能な光学要素300は、等方性散乱を有するビームを与えるために上記のLCシステムの一を有する。更に好適には、全てのビーム5(分子が2つ又はそれ以上のビーム25を与える場合に)は、ビームの等方性散乱又は非散乱を選択する機能を備えている光学要素により遮られる。
【0080】
一の光ビーム25を与えるモジュール1について上記している及び請求項2乃至11に記載されている実施形態はまた、2つ以上の光ビーム25を与えるモジュールに適用可能であり、モジュール1の1つ又はそれ以上の光ビーム25に適用されることが可能である。例えば、2つの光源2を有するモジュールは、1つ又は両方の光源についてビーム整形要素440、441(図11を参照されたい)を有することが可能である。
【0081】
更に、本発明においてはまた、ライトモジュール1で用いる上記の制御器304であり、その制御器304は、調節制御信号371に応じて、少なくとも1つの駆動信号375、376により1つ又はそれ以上の光源2(2つ以上の光源2のうちの)及び1つ又はそれ以上の調節可能光学要素300(2つ以上の電気的に調節可能な光学要素300のうちの)を有する要素の群の少なくとも一の要素を制御するように備えられている。本発明は更に、制御器304において実行されるようになっているコンピュータプログラムプロダクトを備え、そのコンピュータプログラムプロダクトは、調節制御信号371に応じて、少なくとも1つの駆動信号375、376により1つ又はそれ以上の光源(2つ以上の光源のうちの)及び1つ又はそれ以上の調節可能な光学要素300(2つ以上の電気的に調節可能な光学要素300のうちの)を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御する機能を有する。
【0082】
それ故、ライトモジュールは、特に、例えば、他の文献、欧州特許第0451905号明細書及び米国特許第5188760号明細書に記載されている異方性液晶ゲルに基づいていることが可能である。用語“異方性液晶ゲル”は、当業者に既知である系を意味し、次のように得ることが可能である、即ち、重合性成分(重合時に架橋ポリマーを生成することが可能であるモノマー)及び非重合性成分(ディスプレイにおいて用いられる従来のLC)を有する液晶混合物が生成されることが可能である。光重合のためには、その系は光開始剤を備えている一方、熱重合のためには、系は熱開始剤を備えている。LC混合物は、その場合、LCにおける巨視的な配向が配向層によりもたらされる適切なセル内に位置付けられ、その配向層はセル表面にもたらされる。異方性ゲルは、巨視的配向状態にあるモノマーの重合により得られる。異方性ゲルは、それ故、LC分子が巨視的に配向され、ポリマー(重合化ネットワーク)が系内に分散されている系である。そのようなゲルは、全ての角度で入射する光に対して(実質的に)透明である。
【0083】
用語“液晶ゲル”(LCゲル)は、当業者に知られているように、ポリマーが巨視的に配向された液晶内で分散されているゲルを意味している。例えば、(光)硬化モノマーはLCホストと混合される。その混合物は、その場合、そのモノマーにおける(光)硬化モノマー及びLCホストの混合物の(光)重合により後続される適切な表面処理によりLCセルに注入される。
【0084】
例えば、異方性ゲルは、LCジアクリレート及び従来のLC分子を有する配向された液晶(LC)混合物の光重合により生成されることが可能である。電圧オフ状態においては、ゲルは、配向分子のアライメントのために透明である又は実質的に透明である。電圧が閾値を越えるとき、LC分子において電場により与えられるトルクはそれらの再配列をもたらし、LC分子の異なる配向を有するドメインの形成に繋がる。異なるドメインにおける分子の配向における変化は、光の散乱につながる屈折率変動をもたらす。そのような異方性ゲルに入射する光は、当業者に知られているLC分子の配向及び/又は構成に応じて、全ての方向において等方性であるか又は、特定の方向(角度領域)において優先的(異方的)であるかのどちらかであるように散乱されることが可能である。ここで用いている用語、異方性光分布又は異方性散乱パターンは、等しい強度線(等しい強度の点を結ぶ線)が円を描かない散乱パターンを意味し、等方性光分布又は等方性散乱パターンは、当業者に知られているように、等しい強度線(等しい強度の点を結ぶ線)が円を描く散乱パターンを意味する。
【0085】
ここで用いている用語“ダイレクタ”は、液晶メゾフェーズにおける好ましい配向の分子方向のことをいう。用語“メゾフェーズ”は、三次元配列(結晶のような)より低い配列及び等方性液晶の移動度より小さい移動度を有して生成される平衡状態の液晶層のことをいう。長手方向の分子軸の平行配向は全てのメゾフェーズ(長い範囲の配向秩序)に共通している。用語“ねじれネマティック”(TN)は、LC分子が一の表面から他の表面に90°だけ回転する液晶配向構成の種類のことをいう。用語“超ねじれネマティック”(STN)は、液晶分子がセルにおいて90°以上、回転する液晶の種類のことをいう。更に、用語“コレステリック液晶”は、LC分子において回転をもたらす、所謂、カイラル分子がドープされているLC結晶相のことをいう。この相はまた、カイラルネマティックとして知られている。コレステリック相において、ダイレクタが360°回転する距離は螺旋ピッチである。通常、その螺旋のピッチは、系内のカイラル分子の濃度が高くなるにつれて、小さくなる。
【0086】
特定の実施形態においては、ライトモジュール1は、異方性光分布を有するビーム25の(又は、分子1が2つ以上のビーム25を与えるように用いられる場合に、少なくとも1つのビーム25の)散乱パターンを与えることが可能である。
【0087】
ライトモジュールはまた、ここでは、照明装置(オブジェクトを照明するための)と呼ばれる。
【0088】
当業者に明らかであるように、用語“制御器を有するライトモジュール”又は“スイッチ又はセンサを有するライトモジュール”はまた、制御器304、スイッチ又はセンサ350が光源(及び調節可能要素300)から遠く離れている実施形態を有する。例えば、光源2及び調節可能要素を有するモジュール1は自動車の屋根の内側に備えられ、スイッチ又はセンサ350はダッシュボード等において位置付けられている。1つの制御器304は、2つ以上のモジュール1を制御することが可能であり、例えば、自動車又は飛行機等における複数の位置に備えられている調節可能要素300及び信号375により複数の光2を制御する。
【0089】
上記の実施形態は本発明を限定するものではなく、同時提出の特許請求の範囲における範囲から逸脱することなく多くの代替の実施形態を当業者がデザインすることができることに留意する必要がある。用語“を有する”及びその用語の派生語を使用することは、請求項に記載されているもの以外の要素又は段階の存在を排除するものではない。要素の単数表現は、そのような要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は、複数の別個の要素を有するハードウェアにより及び適切にプログラムされたコンピュータにより実行されることが可能である。複数の要素を列挙している装置請求項においては、それらの手段の幾つかは、ハードウェアの同一のアイテムにより実施されることが可能である。特定の手段が互いに異なる独立請求項に記載されていることのみにより、それらの手段の組み合わせが有利であるように用いられることができないことを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】自動車用室内ライトの複数の位置を示す図である。
【図2】本発明にしたがった制御器を有する本発明にしたがったライトモジュールを示す図である。
【図3】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第1実施形態を示す図である。
【図4a】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第2実施形態を示す図である。
【図4b】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第2実施形態を示す図である。
【図5a】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第3実施形態を示す図である。
【図5b】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第3実施形態を示す図である。
【図6】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第4実施形態を示す図である。
【図7a】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第5実施形態を示す図である。
【図7b】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第5実施形態を示す図である。
【図8】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第6実施形態を示す図である。
【図9a】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第7実施形態を示す図である。
【図9b】光源からもたらされる光を調節するための調節可能光学要素の第7実施形態を示す図である。
【図10a】図9に示す実施形態で用いられる種々の電極パターンを示す図である。
【図10b】図9に示す実施形態で用いられる種々の電極パターンを示す図である。
【図10c】図9に示す実施形態で用いられる種々の電極パターンを示す図である。
【図10d】図9に示す実施形態で用いられる種々の電極パターンを示す図である。
【図11】光源、受動ビーム整形要素及び能動要素がビーム整形及び光分布のために組み合わされることができる模式的構成を示す図である。
【図12a】ライトモジュールが2つ以上の光ビームを与える、本発明にしたがったライトモジュールの他の実施形態を示す図である。
【図12b】ライトモジュールが2つ以上の光ビームを与える、本発明にしたがったライトモジュールの他の実施形態を示す図である。
【図13】図12a及び12bに示す実施形態の変形を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを出射するための光源;
電気的に変えることができる散乱パターンを有する調節可能な光ビームに前記光源からもたらされる前記光ビームを調節するための調節可能光学要素;及び
調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により前記調節可能光学要素及び前記光源を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御するための制御器;
を有するライトモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のライトモジュールであって、前記光源は、連続光又はフラッシュ光を有するように、駆動信号に応じて、前記光ビームを与えるように備えられている、ライトモジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のライトモジュールであって、前記光源は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LED及び蛍光ランプを有する群の1つ又はそれ以上から選択される、ライトモジュール。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記調節可能光学要素は、調節可能散乱特性を有するビームを有するように、駆動信号に応じて、前記調節光ビームを与えるように備えられている、ライトモジュール。
【請求項5】
請求項4に記載のライトモジュールであって、前記調節可能光学要素は、等方性散乱特性を有するビームを有するように、駆動信号に応じて、前記調節光ビームを与えるように備えられている、ライトモジュール。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記調節可能光学要素は、駆動信号に応じて、前記光ビームの調節可能アスペクト比を有する前記調節光ビームを与えるように備えられている、ライトモジュール。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記調節可能光学要素は、エレクトロウェッティングレンズ、液晶レンズ、制御可能散乱要素、制御可能回折/反射要素及び反射要素を有する光学要素の群から少なくとも1つの要素を有する、ライトモジュール。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記調節可能光学要素は液晶屈折率勾配要素を有する、ライトモジュール。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記調節可能光学要素は、前記光源と受動ビーム整形要素との間に位置付けられている前記制御可能散乱要素を有する少なくとも1つの受動ビーム整形要素を有する、ライトモジュール。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記調節可能光学要素は、負の誘電体異方性、カイラルゲル、PDLC(ポリマー分散液晶)材料を有する群から選択された液晶材料を有する液晶セルを有する、ライトモジュール。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記調節制御信号はユーザにより生成される、ライトモジュール。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載のライトモジュールであって、好適には、前記モジュールは:
2つ以上の光ビームを与えるように備えられている2つ以上の光源;及び
電気的に変えることが可能である散乱パターンを有する2つ以上の調節光ビームに前記2つ以上の光源からの前記2つ以上の光ビームを調節するように備えられている2つ以上の電気的に調節可能な光学要素;
を有する、ライトモジュール。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記モジュールは、1つ又はそれ以上のスイッチ又は1つ又はそれ以上のセンサ、若しくは1つ又はそれ以上のスイッチ及び1つ又はそれ以上のセンサを更に有する、ライトモジュールであり:
前記1つ又はそれ以上のスイッチは:
i)1つ又はそれ以上の光源をオン及びオフに切り換える機能;
ii)同時に、全部の光源をオン及びオフに切り換える機能;
iii)1つ又はそれ以上の電気的に調節可能な光学要素を電気的に調節する機能;
iv)1つ又はそれ以上の光ビームの散乱特性を調節する機能;及び
v)1つ又はそれ以上の光ビームの発光強度を調節する機能;
を有する群から選択された1つ又はそれ以上の機能を与え、
前記1つ又はそれ以上のセンサは:
i)1つ又はそれ以上のドアの開状態、閉状態、鎖錠状態及び解錠状態のうちの状態の1つ又はそれ以上を検出する機能;
ii)1つ又はそれ以上のドアの開状態、閉状態、鎖錠状態及び解錠状態のうちの状態の1つ又はそれ以上についてのリモート信号を検出する機能;
iii)運転者及び/又は一人又はそれ以上の同乗者の存在を検出する機能;
iv)動きを検出する機能;並びに
v)前記スイッチについて記載されている機能の1つ又はそれ以上を制御するように意図されているリモート制御信号を検出する機能;
を有する群から選択された1つ又はそれ以上の機能を与える、
ライトモジュール。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のライトモジュールであって、前記調節可能光学要素の少なくとも1つは、負の誘電体異方性を有するLCゲル、カイラルLCゲル及びPDLC(ポリマー分散液晶)材料を有する群から選択された液晶材料を有する液晶セルを有する、ライトモジュール。
【請求項15】
請求項12乃至14の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記調節可能光学要素の少なくとも1つは、駆動信号に応じて、等方性散乱特性を有するビームを有する少なくとも1つの調節された光ビームを与えるように備えられている、ライトモジュール。
【請求項16】
請求項1乃至11の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記制御器は、調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により前記光源及び前記調節可能光学要素を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御するように備えられている、ライトモジュール。
【請求項17】
請求項12乃至15の何れか一項に記載のライトモジュールであって、前記制御器は、調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により1つ又はそれ以上の光源及び1つ又はそれ以上の調節可能光学要素を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御するように備えられている、ライトモジュール。
【請求項18】
請求項16に記載の制御器において実行されるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により光源及び調節可能光学要素を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御する機能を有する、コンピュータプログラム。
【請求項19】
請求項17に記載の制御器において実行されるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、調節制御信号に応じて、少なくとも1つの駆動信号により1つ又はそれ以上の光源及び1つ又はそれ以上の調節可能光学要素を有する要素の群の少なくとも1つの要素を制御する機能を有する、コンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項1乃至15の何れか一項に記載のライトモジュールを用いる方法であって、多目的の自動車用室内ライトとして用いる、方法。
【請求項21】
請求項20に記載のライトモジュールを用いる方法であって、前記ライトモジュールを用いる方法は、読書ライト、バニティライト、アプローチライト及びステップライトを有する群から選択される、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−500232(P2009−500232A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520043(P2008−520043)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052249
【国際公開番号】WO2007/007235
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】