説明

電気装置の配線に使用するための材料および関連する方法

ここに開示される一部の例は、印刷回路基板および太陽電池などの電気装置の配線に使用されるように設計された材料に向けられる。一部の例では、二段半田を用いて、電気装置の作製において使用される材料に対する応力を低下させ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
ここに開示される一部の実施形態は、電気装置に見られるような配線に使用するための材料に向けられている。特に、ここに開示される一部の実施形態は、半田と、印刷回路基板、光起電力セルおよび太陽電池パネルなどの電気装置のアセンブリにおける半田の使用方法とに向けられている。
【背景技術】
【0002】
背景
配線は典型的に、2つ以上の導体の間に電気的結合を設けるのに使用される。しかし、電気装置において電気的接続を設けるのに使用される材料および方法には著しい欠点がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の局面によれば、電気装置において2つ以上の電気部品の間に電気的接続を設ける方法が提供される。一部の例では、当該方法は、2つ以上の電気部品のある部分の上または間に二段半田を配置するステップを含み、二段半田は、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を有し、さらに、低融点成分およびベース半田構成要素から半田合金または金属間化合物を形成するのに有効な温度で二段半田の低融点半田構成要素を溶融させるステップと、半田合金を半田付けして、2つ以上の電気部品の間に電気的接続を設けるステップとを含む。
【0004】
一部の実施形態では、半田付けするステップは、半田合金または金属間化合物のレーザ半田付けを含む。いくつかの例では、二段半田の低融点半田構成要素を溶融させるための有効な温度は、約150℃以下であり得る。一部の例では、半田付けするステップは、半田付けステップ中に電気装置を積層するために上昇させた温度で行なわれ得る。いくつかの例では、二段半田の低融点半田構成要素は、Sn(42)/Bi(58)、Sn(30−50)/Bi(70−30)、Sn(42)/Bi(57)/Ag(1)、Sn(30−50)/Bi(70−30)/Ag(0−5)、Sn(50)/In(50)、Sn(30−50)/In(70−30)、In(97)/Ag(3)、In(90−100)/Ag(0−10)、Sn(50)/Pb(32)/Cd(18)、Sn(30−60)/Pb(20−40)/Cd(10−30)、Sn(43)/Pb(43)/Bi(14)およびSn(30−50)/Pb(30−50)/Bi(5−20)からなるグループから選択される低融点半田として構成され得る。他の例では、二段半田のベース半田構成要素は、SAC305合金、Sn(90−100)/Ag(0−5)/Cu(0−5)、SACX0307合金、Sn(96.5)/Ag(3.5)、Sn(90−95)/Ag(0−5)、Sn(99)/Cu(1)、Sn(95−100)/Cu(0−5)、Sn(100)、Sn(63)/Pb(37)、Sn(20−80)/Pb(0−20)、Sn(62)/Pb(36)/Ag(2)、Sn(50−70)/Pb(30−50)/Ag(0−5)、Sn(60)/Pb(38)/Cu(2)およびSn(50−70)/Pb(30−50)/Cu(0−5)からなるグループから選択され得る。一部の例では、2つ以上の電気部品は、印刷回路基板、ボールグリッドアレイおよびピングリッドアレイからなるグループから選択される電気装置であり得る。いくつかの例では、当該方法は、二段半田の低融点半田構成要素を溶融させる前に、2つ以上の電気部品の間に封止材を配置するステップをさらに含み得る。
【0005】
別の局面によれば、回路基板およびシリコン含有層を含む太陽電池アセンブリにおいて電気的接続を設ける方法が開示される。一部の例では、当該方法は、回路基板およびシリコン含有層の上または間に二段半田を配置するステップを含み、二段半田は、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を有し、さらに、二段半田の低融点半田構成要素を溶融させ、低融点半田構成要素およびベース半田構成要素から半田合金または金属間化合物を形成するステップと、半田合金または金属間化合物を半田付けして、回路基板およびシリコン含有層の間に電気的接続を設けるステップとを含む。
【0006】
一部の実施形態では、半田付けするステップは、半田合金または金属間化合物のレーザ半田付けを含む。追加的な例では、二段半田の低融点半田構成要素を溶融させるための有効な温度は、約150℃以下であり得る。一部の例では、太陽電池アセンブリは、回路基板に結合された支持層と、シリコン含有層に結合された保護被覆とをさらに含み得る。いくつかの例では、二段半田の低融点半田構成要素は、Sn(42)/Bi(58)、Sn(30−50)/Bi(70−30)、Sn(42)/Bi(57)/Ag(1)、Sn(30−50)/Bi(70−30)/Ag(0−5)、Sn(50)/In(50)、Sn(30−50)/In(70−30)、In(97)/Ag(3)、In(90−100)/Ag(0−10)、Sn(50)/Pb(32)/Cd(18)、Sn(30−60)/Pb(20−40)/Cd(10−30)、Sn(43)/Pb(43)/Bi(14)およびSn(30−50)/Pb(30−50)/Bi(5−20)からなるグループから選択される低融点半田として構成され得る。他の例では、二段半田のベース半田構成要素は、SAC305合金、Sn(90−100)/Ag(0−5)/Cu(0−5)、SACX0307合金、Sn(96.5)/Ag(3.5)、Sn(90−95)/Ag(0−5)、Sn(99)/Cu(1)、Sn(95−100)/Cu(0−5)、Sn(100)、Sn(63)/Pb(37)、Sn(20−80)/Pb(0−20)、Sn(62)/Pb(36)/Ag(2)、Sn(50−70)/Pb(30−50)/Ag(0−5)、Sn(60)/Pb(38)/Cu(2)およびSn(50−70)/Pb(30−50)/Cu(0−5)からなるグループから選択される。一部の例では、回路基板とシリコン含有層との間に配置された二段半田は、半田プリフォームとして構成され得る。いくつかの例では、当該方法は、二段半田の低融点半田構成要素を溶融させる前に、回路基板とシリコン含有層との間に封止材を配置するステップをさらに含み得る。
【0007】
追加的な局面によれば、太陽電池アセンブリを作製する方法が提供される。一部の例では、当該方法は、支持層上に回路基板を配置するステップと、少なくとも1つの二段半田プリフォームを回路基板上の電気的接点上に配置するステップとを含み、二段半田プリフォームは、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を有し、さらに、回路基板および少なくとも1つの半田プリフォーム上に太陽電池を配置するステップと、太陽電池上に保護層を配置して太陽電池アセンブリを設けるステップと、熱および圧力の少なくとも一方を太陽電池アセンブリに加えて低融点半田構成要素を溶融させ、低融点半田構成要素およびベース半田構成要素から半田合金または金属間化合物を形成するステップと、保護層を介して半田合金を半田付けして、回路基板および太陽電池の間に電気的接続を設けるステップとを含む。
【0008】
一部の実施形態では、熱および圧力の少なくとも一方を加えるステップは、約150℃以下の温度で行なわれ得る。いくつかの例では、熱および圧力の少なくとも一方を加えるステップと半田付けするステップとによって太陽電池アセンブリが積層される。一部の例では、当該方法は、太陽電池と回路基板との間、および太陽電池と保護層との間に封止材の層を配置するステップをさらに含み得る。いくつかの例では、半田付けステップは、レーザ半田付けによって行なわれ得る。
【0009】
別の局面によれば、電気装置において電気的接続を作製する方法が提供される。一部の例では、当該方法は、支持層上に回路基板を配置するステップと、回路基板上に第1の封止材層を配置するステップと、回路基板上の電気的接点上に少なくとも1つの二段半田プリフォームを配置するステップとを含み、二段半田プリフォームは、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を有し、さらに、封止材および少なくとも1つの半田プリフォーム上に太陽電池を配置するステップと、太陽電池上に第2の封止材層を配置するステップと、第2の封止材層上に保護層を配置して太陽電池アセンブリを設けるステップと、太陽電池アセンブリに熱および圧力を加えて低融点半田構成要素を溶融させ、低融点半田構成要素およびベース半田構成要素から半田合金または金属間化合物を形成するステップと、保護層および封止材層を介して半田合金をレーザ半田付けして、回路基板および太陽電池の間に電気的接続を設けるステップとを含む。
【0010】
一部の実施形態では、熱および圧力を加えるステップは、約150℃以下の温度で行なわれ得る。いくつかの例では、熱および圧力を加えるステップとレーザ半田付けするステップとによって太陽電池アセンブリが積層される。
【0011】
追加的な局面によれば、電気装置において電気的接続を作製する方法が開示される。一部の例では、当該方法は、半田付けされる接合部上に、ゼロCTE材料と混合された半田を配置するステップを含み、半田は、半田と半田付けされる接合部における材料との熱膨張係数の不整合を減少させるのに有効な量のゼロCTE材料と混合され、さらに、接合部を半田付けして電気的接続を設けるステップを含む。
【0012】
一部の実施形態では、ゼロCTE材料は、ベータユークリプタイトまたは同様の構造的特徴もしくは特性を有する材料からなるグループから選択され得る。いくつかの例では、当該方法は、半田付けステップ中に、電気装置の少なくとも2つの層を同時に積層するステップをさらに含み得る。
【0013】
別の局面によれば、太陽電池アセンブリにおいて電気的接続を作製する方法が提供される。一部の例では、当該方法は、ゼロCTE材料と混合された半田を回路基板と太陽電池との間に配置するステップを含み、半田は、配置された半田に接触する太陽電池および回路基板の少なくとも一方上の材料の熱膨張係数の不整合を減少させるのに有効な量のゼロCTE材料と混合され、さらに、配置された半田に熱を加えて、回路基板と太陽電池との間に電気的接続を設けるステップを含む。
【0014】
一部の実施形態では、ゼロCTE材料は、ベータユークリプタイトまたは同様の構造的特徴もしくは特性を有する材料からなるグループから選択され得る。いくつかの例では、当該方法は、加えられた熱を用いて太陽電池アセンブリを同時に積層するステップをさらに含み得る。
【0015】
追加的な局面によれば、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を含み、低融点半田構成要素は、約150℃以下の温度でベース半田構成要素との合金または金属間化合物を形成するのに有効な量存在する、二段半田が開示される。一部の例では、低融点半田構成要素は、Sn(42)/Bi(58)、Sn(30−50)/Bi(70−30)、Sn(42)/Bi(57)/Ag(1)、Sn(30−50)/Bi(70−30)/Ag(0−5)、Sn(50)/In(50)、Sn(30−50)/In(70−30)、In(97)/Ag(3)、In(90−100)/Ag(0−10)、Sn(50)/Pb(32)/Cd(18)、Sn(30−60)/Pb(20−40)/Cd(10−30)、Sn(43)/Pb(43)/Bi(14)およびSn(30−50)/Pb(30−50)/Bi(5−20)からなるグループから選択され得る。いくつかの例では、ベース半田構成要素は、SAC305合金、Sn(90−100)/Ag
(0−5)/Cu(0−5)、SACX0307合金、Sn(96.5)/Ag(3.5)、Sn(90−95)/Ag(0−5)、Sn(99)/Cu(1)、Sn(95−100)/Cu(0−5)、Sn(100)、Sn(63)/Pb(37)、Sn(20−80)/Pb(0−20)、Sn(62)/Pb(36)/Ag(2)、Sn(50−70)/Pb(30−50)/Ag(0−5)、Sn(60)/Pb(38)/Cu(2)およびSn(50−70)/Pb(30−50)/Cu(0−5)からなるグループから選択され得る。一部の実施形態では、二段半田は、二段半田の熱膨張係数を減少させるのに有効な量のゼロCTE材料をさらに含み得る。いくつかの例では、低融点半田構成要素は、ベース半田構成要素上にコーティングされ得る。他の例では、二段半田は、ワイヤ、リボン、金属被覆されたリボン、不連続な形状またはプリフォームの形態であり得る。
【0016】
別の局面によれば、第1の層および第2の層を含む電気装置が提供される。一部の例では、第1の層は、1つ以上の箇所において第2の層に対する電気的結合を含み得、電気的結合は、二段半田から形成された半田接合部を含む。いくつかの例では、第1の層は、1つ以上の箇所において第2の層に対する電気的結合を含み得、電気的結合は、半田から形成され熱膨張係数が整合した半田接合部を含む。
【0017】
別の局面によれば、回路基板および太陽電池を含む太陽電池アセンブリが開示される。一部の例では、回路基板は、二段半田から形成される半田接合部を介して太陽電池に電気的に結合され得る。いくつかの例では、回路基板は、二段半田から形成され熱膨張係数が整合した半田接合部を介して太陽電池に電気的に結合され得る。
【0018】
半田およびそれらを用いる方法が既存の半田に対して際立った利点をもたらすことは、本開示を利用すれば、当業者によって認識されるであろう。当該半田を用いて作製された装置の寿命を延ばすことができ、電気装置の作製に用いられるステップは、ここに記載される半田を用いて減少させ得る。追加的な特徴、局面および実施形態をより詳細に以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面の簡単な説明
添付の図面を参照して、一部の例示的な例をより詳細に以下に記載する。
【図1】一部の例に係る二段半田の断面図である。
【図2】一部の例に係る第1の層および第2の層を含む電気装置の断面図である。
【図3A】一部の例に係る半田付け前の多層電気装置の断面図である。
【図3B】一部の例に係る半田付け後の多層電気装置の断面図である。
【図4】一部の例に係る太陽電池アセンブリの断面図である。
【図5A】一部の例に係る半田付け前の太陽電池アセンブリの分解断面図である。
【図5B】一部の例に係る半田付け後の太陽電池アセンブリの断面図である。
【0020】
図中の一部の寸法、厚さ等は、ここに記載される技術のより良い理解を容易にするために、拡大されたり、変形されたり、不釣合いに示されたり、他の方法で非従来的に示されている場合があることは、本開示を利用すれば、当業者によって認識されるであろう。特に、図中のいずれかの1つの層の厚さは、図示されているいずれかの他の層の厚さに関係または関連があると解釈すべきではない。また電気装置は、重力を基準とするいずれの配向においても使用することができ、図示されている特定の上下の配置は、例示のみを目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
ここに記載される一部の例示的な実施形態は、電気装置のアセンブリの特性を向上させ
る半田およびそれらを用いたプリフォームに向けられている。半田のいくつかの実施形態は電気装置を組立てるのに用いられ、電気装置における応力、歪みまたは亀裂の可能性を低減し得る。半田の他の実施形態は、電気装置のアセンブリに使用される工程数を減少させ得る。これらおよび他の利点をより詳細に以下に述べる。
【0022】
第1の局面によれば、低融点半田または低融点半田合金が提供される。ここで用いられる限りにおいて、「低融点」とは、約150℃以下の組立温度で流れる、特に約110℃から約150℃、たとえば約115℃から約130℃で流れる材料を指す。たとえば、合金Sn48/In52は、約118℃の温度で溶融し、約150℃の温度で半田付けされ得る。低融点半田は、所望の面または他の材料上への配置を容易にするために、周囲温度において固体であることが望ましい。いくつかの例では、半田は、低融点成分である第1の成分と、ベース半田構成要素として機能しかつ約150℃の温度で流れる第2の成分とを含み得る。このような二成分半田合金は、一部の例では「二段」半田または二段半田プリフォームと称される。「二段」という用語は、低融点半田が第1のステップで溶融して、ベース半田構成要素との合金または金属間化合物を形成することができる能力を指す。第2のステップにおいて、合金半田(または場合によっては金属間化合物半田)は、電気的接続を設けるのに使用され得る。電気装置のアセンブリにおける二段半田の使用について、ここにより詳細に述べる。
【0023】
一部の例によれば、ウェハの厚さは、性能および経済的理由から200ミクロン未満となるため、処理に関連するウェハの損傷がますます問題となっている。たとえば、電気的配線において使用される半田は、半田と配線との材料特性の差によって、高温でシステム応力を発生させ得る。ここに開示される半田の一部の実施形態は、組立温度を低下させることによって、および/または低融点半田もしくは既存の半田よりも熱膨張係数(CTE)が低い半田を使用することによってこのような問題に対処し、半田と配線との間のCTE不整合を減少させる。
【0024】
一部の例によれば、ここに開示される二段半田は、ベース半田材料の第1の層と、ベース半田材料上にある、またはベース半田材料のある部分を被覆する低融点半田の第2の層とを含み得る。この構造の一例を図1に示す。二段半田100は、ベース半田層120上に設けられた低融点層110を含む。一部の例では、低融点層およびベース半田層の各々は半田合金であり得る。二段半田を用いた電気装置の組立中、低融点半田は、約150℃以下の第1の組立温度で溶融する。このような低い組立温度によって、亀裂と、一部の高分子材料などの材料および成分にかけられる応力とが低減する。低融点半田が溶融すると、ベース半田材料との合金または金属間化合物を形成し、低融点半田よりも溶融温度が高い層となる。二段半田を用いると、得られる材料はより高い半田温度をより良く許容することができ、したがって半田付けされる電気装置は、より高い半田付け温度および処理温度に耐えることができる。また、使用環境において電気装置が受ける熱衝撃がより良く許容される。
【0025】
一部の例によれば、二段半田の各層の厳密な厚さは異なり得る。一部の実施形態では、低融点半田の厚さは、ベース半田材料との金属間化合物を形成するのに十分な厚さであるが、ベース材料または金属間化合物の半田付けが悪影響を受けないような厚さであるように選択される。いくつかの例において、低融点半田層は、二段半田の加熱後にベース半田材料との合金または金属間化合物が形成されるような有効な厚さを有する。いくつかの例では、低融点半田層は、約0.01ミリ厚さから約0.25ミリ厚さ、特に約0.03ミリ厚さから約0.10ミリ厚さ、たとえば約0.01ミリ厚さから約0.015ミリ厚さである。一部の実施形態では、ベース半田層は、約0.05ミリ厚さから約0.40ミリ厚さ、特に約0.20ミリ厚さから約0.30ミリ厚さ、たとえば約0.20ミリ厚さから約0.25ミリ厚さである。同様に、二段半田が取り得る厳密な形態は異なり得る。一
部の例では、二段半田は、ワイヤ、リボン、金属被覆されたリボン、またはたとえば円盤、長方形、座金、球体もしくは他の適切な形状などの不連続な形態であり得る。追加的な厚さおよび形状は、本開示を利用すれば、当業者によって容易に選択されるであろう。
【0026】
一部の例によれば、二段半田の低融点半田は、約150℃以下の組立温度で溶融するまたは流れることができるいずれかの適切な材料を含み得る。低融点半田は、たとえば無鉛、無カドミウム、無鉛かつ無カドミウム、鉛含有、カドミウム含有、または鉛およびカドミウム含有であり得る。例示的な無鉛かつ無カドミウム低融点半田は、限定はしないが、スズ/ビスマス半田、スズ/ビスマス/銀半田、スズ/インジウム半田、インジウム/銀半田、インジウム/銀半田などを含む。無鉛かつ無カドミウム半田の具体的な例は、限定はしないが以下を含む(括弧内の数字は各成分の重量パーセントを指す):Sn(42)/Bi(58),Sn(30−50)/Bi(70−30),Sn(42)/Bi(57)/Ag(1),Sn(30−50)/Bi(70−30)/Ag(0−5),Sn(50)/In(50),Sn(30−50)/In(70−30),In(97)/Ag(3)およびIn(90−100)/Ag(0−10)。特に有用な無鉛かつ無カドミウム低融点半田はSn(50)/In(50)であり、117から125℃で溶融する。鉛またはカドミウム含有半田の例示的な例は、限定はしないが、スズ/鉛/カドミウム半田およびスズ/鉛/ビスマス半田を含む。鉛およびカドミウム含有半田の具体的な例は、限定はしないが以下を含む(括弧内の数字は各成分の重量パーセントを指す):Sn(50)/Pb(32)/Cd(18),Sn(30−60)/Pb(20−40)/Cd(10−30),Sn(43)/Pb(43)/Bi(14)およびSn(30−50)/Pb(30−50)/Bi(5−20)。ここに開示される装置および方法で使用するのに適切な低融点半田の追加的な例は、本開示を利用すれば、当業者によって容易に選択されるであろう。
【0027】
一部の例によれば、ベース半田材料は少なくともある程度伝導性を有し、かつ低融点半田層よりも高い温度で溶融するいずれかの材料であり得る。いくつかの例では、ベース半田材料は、低融点半田と金属間化合物を形成することができるように選択され得る。他の例では、ベース半田材料は、低融点半田よりも高い融点または範囲を有し得る。ベース半田材料は、たとえば無鉛、無カドミウム、無鉛かつ無カドミウム、鉛含有、カドミウム含有、鉛およびカドミウム含有であり得る、または銅リボン、アルミニウムリボンもしくはベース半田材料でコーティングされた他のリボンであり得る。無鉛かつ無カドミウムベース半田材料の例示的な例は、限定はしないが以下を含む(括弧内の数字は各成分の重量パーセントを指す):SAC305合金、Sn(90−100)/Ag(0−5)/Cu(0−5),SACX0307合金、Sn(96.5)/Ag(3.5),Sn(90−95)/Ag(0−5),Sn(99)/Cu(1),Sn(95−100)/Cu(0−5),Sn(100),Sn(63)/Pb(37),Sn(20−80)/Pb(0−20),Sn(62)/Pb(36)/Ag(2),Sn(50−70)/Pb(30−50)/Ag(0−5),Sn(60)/Pb(38)/Cu(2)およびSn(50−70)/Pb(30−50)/Cu(0−5)、またはこれらの材料のうちの1つでめっきされた銅もしくはアルミニウムリボン。SAC305およびSACX307は、たとえば米国特許第4,929,423号に記載されている。合金SAC305は、Sn96.5Ag3.0Cu0.5からなる。ここに開示される装置および方法で使用するのに適切なベース半田材料の追加的な例は、本開示を利用すれば、当業者によって容易に選択されるであろう。
【0028】
一部の例によれば、ここに開示される半田は、半田プリフォームの形態を取り得る。半田プリフォームは、典型的に、所望の形状、パターン、厚さ等に形成された半田を含み、電気装置の部品上またはその付近に配置され得る。プリフォームは、たとえば座金、円盤、正方形、長方形などのさまざまな形状を取り得る。プリフォームの厳密な寸法は異なり
得る。一部の例では、プリフォームは、約0.01平方インチ、直径0.01インチ、外径0.03インチであるかまたは他の適切な寸法を有し、半田体積精度および半田の配置を確保する。半田プリフォームが球体形状を取る実施形態では、当該球体は、直径がたとえば約0.003インチ以上であり得る。半田プリフォームの実施形態は、限定はしないが、制御された半田体積、組立時間の短縮、自動化された配置などを含む顕著な利点をもたらす。
【0029】
一部の例によれば、熱膨張係数(CTE)が低い半田が開示される。いくつかの例では、低CTE半田を使用して、電気装置の寿命を短縮し信頼性を低下させ得る電気部品における材料の不整合を回避し得る。一部の例では、低CTE合金は、アセンブリの構成要素部品間のCTE不整合を減少させるのに特に有効である。処理において、半田の固化中に、冷却によって生じる応力も減少させ得るように、部品間の膨張不整合が減少(または一部の場合は最小化)され得る。さらに、使用の際、装置が経る熱サイクルも応力に繋がり得る。これらの応力は、CTEが均衡している半田の選択によっても低下させ得、それによって装置の寿命が延びる。
【0030】
一部の例によれば、半田の溶融温度を考慮すると、装置の組立温度および/または処理温度に対して適正な温度を選択することが望ましい。多くの場合、半田温度が低下すると、装置の使用中の昇温処理と温度サイクルとの両方において膨張および膨張の不整合が減少する。したがって、ここに開示される低融点半田は、半田と半田付けされる電気装置の部品との間のCTE不整合を減少させるための使用に適切な低いCTEを典型的にもたらす。
【0031】
一部の例では、半田におけるCTEの管理は、金属マトリックス複合体(MMC)の原理によって実現され得る。半田マトリックスは、必要なレベルまで低CTE成分で充填され、所望の設計レベルを実現する。このMMC手法のさらなる利点は、他の特性を半田に設計することができる点である。より高い熱伝導率を得ることができ、半田マトリックスによっては、より高い導電率も得られ得る。ここに開示される組成および方法を用いることによって、電気装置アセンブリには適さないと従来考えられてきた低融点半田、たとえばSnBi共晶が電気装置のアセンブリにおいて実現可能な選択肢であり得る。
【0032】
一部の例によれば、ここに記載される半田は、1つ以上のゼロCTE材料と組合され得る。ゼロCTE材料とは、組立温度において熱膨張係数が約ゼロである材料を指す。いくつかの例では、所望よりもCTEが高い半田が、複合物のCTE全体を減少させるために有効な量のゼロCTE材料と組合され得る。使用されるゼロCTE充填剤量は、所望の全体CTEをもたらすことができる最小量に限定されることが望ましい。厳密な量は、材料のCTE、所望のCTE、作製される電気装置、組立温度等に少なくとも部分的に依存する。いくつかの例では、ゼロCTE充填剤量は、約1重量%から約20重量%、特に約1重量%から約15重量%、たとえば約1重量%から約10重量%であり得る。例示的なゼロCTE材料は、限定はしないが、ベータユークリプタイトまたは同様の構造的特徴もしくは特性を有する材料を含む。追加的なゼロCTE材料は、本開示を利用すれば、当業者によって容易に選択されるであろう。
【0033】
一部の例によれば、CTEが約2から23ppm/℃である半田が提供される。いくつかの例では、半田は約100℃から350℃の融点も有し得る。追加的な例では、半田は、ベース半田材料とベース半田材料上の低融点半田のコーティングとを含み得る。一部の例では、半田は組立を容易にするためのプリフォームであり得る。他の例では、半田は、ここに記載されるもののうちのいずれかなどの半田合金であり得る。いくつかの例では、半田は電気装置を作製するのに使用され得る。
【0034】
一部の例によれば、ここに開示される半田は、低温半田組立処理に使用され得る。このような低温半田付け処理の概略図を図2に示す。電気装置200は、第1のシート210および第2のシート220を含み、各々はたとえば印刷回路基板の1つ以上の層であり得る。第1のシート210および第2のシート220上のさまざまな構成要素間において電気的接続を作成することが望ましい。複数の半田プリフォーム230、235および240が、第1のシート210と第2のシート220との間の所望の位置に配置されている。半田プリフォーム230、235および240の各々は低融点半田を含み得る、または低融点半田であり得る。約150℃未満の組立温度において低融点半田が溶解し、第1のシート210と第2のシート220との間に電気的接続をもたらす。低融点半田がベース半田材料上に配置されている例では、低融点半田の溶解によって半田合金または金属間化合物がもたらされ得る。この半田合金または金属間化合物は、たとえばレーザ半田付けなどのさらなる処理を受け得る、またはさらなる処理なしに永続的な電気的接続をもたらし得る。
【0035】
一部の例によれば、ここに開示される半田および半田合金は、積層されるかまたは他の方法で互いに接合される複数の層または材料を電気装置が含む場合には特に有用であり得る。このような方法は、一部の場合において「二段」法と称され、第1のステップは低融点半田の溶融(および温度に依存して任意に積層)であり、第2のステップは半田付け(および第1のステップで実行されない場合は積層)である。一部の実施形態では、積層および半田付けは同じステップで実行され、組立処理に必要な工程数を減少させ得る。多層電気装置を組立てるためのこのような方法の概略図を図3Aおよび図3Bに示す。電気装置300は、第1の層310、第2の層320および第3の層330を含む。追加的な層も可能であるが、電気装置300においては例示のみを目的として3つの層のみを示す。半田プリフォーム340、345、350および355が、電気装置300の加熱または組立前にさまざまな層同士の間に配置されている。半田プリフォーム340、345、350および355は各々、たとえば二段半田プリフォームにおけるコーティングなどの低融点半田であり得る、または低融点半田を含み得る。電気装置300は、封止材またはガスケット層360も含み得る。電気装置300の組立中、半田プリフォームの低融点半田は、約150℃以下、たとえば約125から150℃の組立温度で溶融し得る。低融点半田の溶融によって、低融点半田が単独で存在する場合は電気的接続がもたらされる、または低融点半田が二段半田の一成分である場合はベース半田材料との半田合金もしくは金属間化合物が形成される。電気装置は、半田プリフォームが半田付け、たとえばレーザ半田付けされる別の処理ステップを受け、永続的な電気的接続をもたらし得る。このような追加的なステップは、半田プリフォームが二段半田の形態を取る場合に典型的に用いられる。半田付け中に半田合金またはベース半田材料が流れ、最終的な電気的接続をもたらし得る。封止材360も流れるかまたは蒸発して、電気装置の層を積層し得る。積層中、封止材は、半田プリフォームを妨害して電気的接続を分断するのではなく、図3Bに示すように半田プリフォームの周囲および外側に留まることが望ましい。積層および半田付けは、電気的接続の品質を低下させる実質的な亀裂または空隙を形成することなく、約250℃以上のより高い温度にて1つのステップで実行され得る。二段法を用いて組立てられ得る多層電気装置の例は、限定はしないが、印刷回路基板、ボールグリッドアレイ、ピングリッドアレイ、表面実装型装置部品、パワーモジュール、高電流インバータ、IGBTモジュール、他の電気装置へのヒートシンク取付構造などを含む。多層装置の層同士の間で使用され得る例示的な封止材材料は、限定はしないが、エチルビニルアセテート(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)および架橋性高分子材料を含む。一部の例では、封止材を使用して、組立中および/または最終的に組立てられた装置の使用中の少なくともある期間、機械的接合をもたらし得る。追加的な封止材材料は、本開示を利用すれば、当業者によって容易に選択されるであろう。
【0036】
一部の例によれば、ここに記載される半田は、光起電力(PV)セルを作製する、およ
び/または太陽電池を作製するのに使用され得る。特に、ここに開示される半田は、望ましくは太陽電池を接続するのに使用され得る。たとえば、第1のPVセルを第2のPVセルにまたはPVセルのアレイにおける端子に電気的に接続するために太陽電池配線が使用される。このような配線を用いて、太陽電池アレイのPVセルを平行もしくは直列構成に、またはその両方で接続し得る。また、PVセル配線および電子収量収集バスが、昇温処理でシリコンに接合され得る。一部の例では、太陽電池構造は、限定はしないがシリコン、CIGS(銅、インジウム、ガリウムおよびセレニウムの複合物(Cu(In,Ga)Se2))、銀フリット、アルミニウムフリット、銅バスバーおよび/またはスズ系半田を含む多数の材料で構成され得る。シリコンについての約2ppm/℃という低い値から典型的な半田についての約28ppm/℃という高い値まで、アセンブリには大幅な熱膨張係数(CTE)不整合が存在する。CTE不整合は、昇温処理によるシステム応力を招き、太陽電池の動作温度が−40℃から130℃を上回る温度の間で循環し得る場合の使用においても引起される。これらの熱応力は、突発的な微小亀裂によって太陽電池の製造歩留まりおよび動作寿命に悪影響を及ぼす。微小亀裂を除去するために太陽電池業界によって取られている手法は、応力への対処により即した材料、たとえばアニーリングされた銅の使用と、低CTEバス材料たとえばインバール(Invar)(商標)材料の使用とを含む。これらの特定の設計解決策は、ウェハの亀裂または異種CTE構成要素間の界面における亀裂を回避するのに有効ではなかった。
【0037】
一部の例に従って、典型的なPVセルを図4に示す。PVセル400は多層多材料構造を含む。PVセルは、p型半導体層420に結合されたバッキング410を含む。p型半導体層は、n型半導体層430に結合される。n型半導体層430は、コンタクトグリッド440に結合される。コンタクタグリッド440は、反射防止層450に結合され得る。反射防止層450は、たとえばガラスなどの保護膜または層460に結合され得る。PVセルの動作中、PVセル400が露光され、PVセル400のn側からp側に電子が流され、電流および/または電圧が生じる。典型的な太陽電池は、1つのアレイに複数のPVセル(たとえば36個以上)を含み、有用なレベルの電流を実現する。入射光は、環境温度の変化とともに、異なる材料の熱膨張係数の差によって異なる速度でさまざまな材料の膨張および収縮を引起こす。このようなCTE差により、PVセル間の配線に間隙または亀裂が生じ、PVセルの全体的な効率性が低下しかつ寿命が短くなることがある。また、集電装置とPVセルとの間の接続が分断され、太陽電池パネルの早期故障を引起し得る。
【0038】
一部の実施形態によれば、太陽電池のさまざまな構成要素間のCTE不整合を減少させることによって太陽電池またはその構成要素を作製する際の歩留まりを向上させるために、ここに開示される半田を使用し得る。いくつかの例では、比較的高い処理温度と結び付いたCTE不整合がアセンブリ内の重要な構成要素の破壊強度を超えるシステム応力を招く太陽電池のアセンブリにおいて、半田が使用され得る。太陽電池に関連する具体的な例は、銀トレース電子集電装置による、銅バスのウェハへの接続である。太陽電池においてCTE不整合を減少させるためのここに記載される半田、たとえば低融点半田および二段半田は、脆くて薄いウェハアセンブリに特に有用であるが、より厚いPV半導体アセンブリにも適用可能である。いくつかの例では、半田は、たとえばここに記載された半田または半田合金のいずれか1つ以上であり得る。
【0039】
一部の例では、太陽電池の構成要素間のCTE不整合を減少させるのに、低CTE合金が特に有効である。処理において、半田の固化中に冷却によって生じる応力も低下するように、さまざまな太陽電池構成要素間の膨張不整合が減少(または一部の場合は最小化)される。さらに、使用の際、装置が経る熱サイクルも応力に繋がる。これらの応力は、CTEが均衡した半田の選択によって低下させることもでき、それによって装置の寿命が延びる。
【0040】
一部の例によれば、ここに記載される半田を用いて、従来の半田を用いて作製されるよりも迅速に太陽電池を作製し得る。特に、半田付けおよび積層を1つのステップで行なって太陽電池を製造し得る。たとえば、多結晶シリコンを太陽電池のp側に付着させて電流を収集し得る。図5Aおよび図5Bに示す一実施形態では、太陽電池アセンブリ500(図5Aの分解図に示す)は、支持パネル510、可撓性回路基板520、エチルビニルアセテートの第1の層530、シリコン太陽電池540、エチルビニルアセテート(EVA)の第2の層550およびガラスのカバーパネル560を含み得る。アセンブリは、層510から560を積層することによって作製され得る。積層中、EVA層530および550が軟化して広がり、回路基板520に対する封止を形成し得る。太陽電池540から回路基板520に電気的接続を設けるために、半田プリフォーム、たとえば半田プリフォーム570および575が使用され得る。半田プリフォームは、回路基板520上に位置する電気的接点上に配置され得、溶融または軟化して、太陽電池540と回路基板520との間に電気的接続を設けることができる。約150℃以下での構成要素の積層中に回路基板と太陽電池との間に電気的接続が生成され得るように、低融点半田プリフォームが使用され得る。この電気的接続は、低融点半田が溶融して電気的接点を電気的に接合すると生じ得る、または低融点半田が溶融して、たとえば二段半田の場合はベース半田材料との合金もしくは金属間化合物を形成すると生じ得る。
【0041】
一部の例では、電気的接続の信頼性を向上させ、太陽電池アセンブリ500のさまざまな層を互いに積層するために、1つ以上の追加的な処理ステップを行なってもよい。たとえば、半田プリフォームが溶融して流れるように、アセンブリ全体を加熱してもよい。代替的に、異なる領域の温度が異なり得るように、太陽電池アセンブリ500の選択された領域を加熱してもよい。特に望ましい方法の1つは、レーザ半田付けを用いて半田プリフォームを選択的に加熱し、回路基板520と太陽電池540との間に電気的接続を設けるものである。レーザ半田付けは、選択された領域に加熱を限定して、感熱性構成要素を損傷し得る熱に他の領域が晒されることを最小限に抑えるように、レーザを用いて太陽電池アセンブリの選択領域にエネルギを集中させる。選択領域の加熱によって半田の溶融およびリフローが生じ、電気的接続がもたらされる。典型的なレーザ半田付け処理は、YAG、Nd:YAG、ダイオードまたは他のレーザ(いずれも連続波もしくはパルスであり得る)を用いて、半田を溶融およびリフローさせる。いくつかの例では、2つ以上のレーザを用いてすべての半田プリフォームを同時に溶融させ、電気装置を作製するのに必要な時間をさらに短縮し得る。レーザ半田付けの使用が望ましいが、太陽電池アセンブリを含む電気装置は、たとえばウェーブソルダリングおよび従来のリフローなどの従来の半田付け法を用いて作製してもよい。電気装置の構成要素が感熱性でない実施形態では、従来の半田付け法を使用する方がより経済的または簡単であり得る。
【0042】
一部の例によれば、太陽電池において用いられる厳密な材料は異なり得る。一部の実施形態では、単結晶シリコン、多結晶シリコンまたは非晶質シリコンが使用され得る。使用に適切な他の材料は、限定はしないが、ガリウムヒ素、二セレン化銅インジウムおよびテルル化カドミウムなどの半導体を含む。選択される厳密な材料は、取込まれる太陽エネルギの特定の波長に少なくとも部分的に依存し得る。異なる材料は異なるバンドギャップを有するため、異なる波長を、または異なるエネルギの光子を吸収するように設計される。効率性をさらに向上させる方法の1つは、バンドギャップが異なるさまざまな材料からなる2つ以上の層を使用することである。高エネルギ光子を吸収するバンドギャップがより高い材料が表面上に存在し得る一方、その下ではバンドギャップがより低い材料によってより低エネルギの光子が吸収される。この技術は、さらに一層高い効率をもたらし得る。一部の場合、このようなセルは多接合セルと称される。このような多接合セルは、ここに記載される材料および方法を用いて作製され得る。
【0043】
一部の例によれば、太陽電池のさまざまな層の間で用いられる厳密な封止材は異なり得る。一部の実施形態では、セル列をガラスに機械的に接合し、したがってモジュールの寿命を超えてそれらの位置を維持するのを補助するために有効であり得る。他の例では、封止材は、ガラスとセルとの間に光学的な橋ももたらし得る(そうでなければ、別の空気−ガラス界面および空気シリコン界面が存在し、各々が何らかの効率性の損失を引起こし得る)。封止材は良好な光透過特性を有し、かつ実質的に劣化するかまたはガラスもしくはシリコンから剥離することなく太陽電池の寿命中持続するのに十分な耐久性を有し得る。例示的な封止材は、太陽電池アセンブリの内部構造を外部環境から封止するのに有効でもあり得る。たとえば、太陽電池の使用環境は、湿気、天候および温度の変動を含む。好ましくは、太陽電池アセンブリの内部電気部品は、このような部品に対する損傷を回避するために外部環境から封止され得る。適切な封止材は、限定はしないが、硬化性樹脂およびロジン、サーモプラスチック、熱可塑性樹脂、エチルビニルアセテート(EVA)、ポリエチレン系材料、ポリプロピレン系材料、ポリアミド系材料、ポリエステル系材料、ならびにポリビニルブチラールを含む。太陽電池のアセンブリにおける使用に適切な追加的な封止材は、本開示を利用すれば、当業者によって容易に選択されるであろう。
【0044】
一部の例によれば、ここに開示される半田および半田合金は、1つ以上の溶剤とともに使用され得る。特に望ましい溶剤は、「FLUX FORMULATIONS」と題された2007年6月8日出願の米国仮出願番号第60/942,950号に開示されており、あらゆる目的でその開示全体をここに引用によって援用する。特に、溶剤は組立前に電気部品の所望の部分にコーティングまたは予めコーティングされ得る。ここに記載される半田または半田合金は溶剤上に配置され得、半田付けを行なって2つ以上の電気部品間に電気的接続を設け得る。
【0045】
一部の例によれば、ベース半田構成要素上に設けられた低融点半田構成要素を含む二段半田が提供される。一部の例では、低融点半田構成要素は、ベース半田構成要素上にコーティングされ得る。いくつかの例では、低融点半田構成要素は、150℃以下の温度でベース半田構成要素との合金または金属間化合物を構成するのに有効な量存在し得る。低融点半田構成要素は、ここに開示される低融点半田のいずれか1つ以上、たとえばSn(42)/Bi(58),Sn(30−50)/Bi(70−30),Sn(42)/Bi(57)/Ag(1),Sn(30−50)/Bi(70−30)/Ag(0−5),Sn(50)/In(50),Sn(30−50)/In(70−30),In(97)/Ag(3),In(90−100)/Ag(0−10),Sn(50)/Pb(32)/Cd(18),Sn(30−60)/Pb(20−40)/Cd(10−30),Sn(43)/Pb(43)/Bi(14)およびSn(30−50)/Pb(30−50)/Bi(5−20)であり得る。同様に、ベース半田構成要素は、ここに開示されるベース半田材料のいずれか1つ以上、たとえばSAC305合金、Sn(90−100)/Ag(0−5)/Cu(0−5)、SACX0307合金、Sn(96.5)/Ag(3.5),Sn(90−95)/Ag(0−5)、Sn(99)/Cu(1)、Sn(95−100)/Cu(0−5)、Sn(100)、Sn(63)/Pb(37)、Sn(20−80)/Pb(0−20)、Sn(62)/Pb(36)/Ag(2)、Sn(50−70)/Pb(30−50)/Ag(0−5)、Sn(60)/Pb(38)/Cu(2)およびSn(50−70)/Pb(30−50)/Cu(0−5)であり得る。一部の例では、半田の熱膨張係数は、半田を有効な量の1つ以上のゼロCTE材料と混合させることによって減少させ得る。例示的なゼロCTE材料は、ここに記載されるものを含む。二段半田の厳密な形態は異なり得る。一部の例では、半田は、ワイヤ、リボン、金属被覆されたリボン、不連続な形状またはプリフォームの形態を取り得る。
【0046】
一部の例によれば、二段半田を用いて作製された多層電気装置が提供される。一部の例では、電気装置は第1の層および第2の層を含み、第1の層は、1つ以上の箇所において
第2の層に対する電気的結合を有し、電気的結合は、二段半田から形成された半田接合部を有する。ここに記載される二段半田のいずれかを用いて、半田付け接合部を設け得る。また、選択された量のゼロCTE材料と混合された二段半田も使用し得る。
【0047】
一部の例によれば、熱膨張係数が整合した半田を用いて作製された多層電気装置が開示される。一部の例では、電気装置は第1の層および第2の層を含み、第1の層は、1つ以上の箇所において第2の層に対する電気的結合を有する。いくつかの例では、電気的結合は、熱膨張係数が整合した半田から形成された半田接合部を有し得る。ここで用いる限りにおいて、「整合した熱膨張係数」とは、半田が半田付けされる材料の熱膨張係数と約5%未満、特に約1から2%未満だけ熱膨張係数が異なる半田を指す。CTEが整合しているならば、ここに記載される二段半田のいずれかを用いて半田接合部を設け得る。また、CTEが整合した半田をもたらすために、選択された量のゼロCTE材料と混合された二段半田も使用し得る。
【0048】
一部の例によれば、二段半田から形成される半田接合部を介して互いに電気的に結合された回路基板と太陽電池とを含む太陽電池アセンブリが提供される。ここに記載される二段半田のいずれかを用いて半田接合部を設け得る。また、選択された量のゼロCTE材料と混合された二段半田も使用し得る。
【0049】
一部の例によれば、熱膨張係数が整合した半田から形成される半田接合部を介して太陽電池に電気的に結合された回路基板を含む太陽電池アセンブリが開示される。CTEが整合しているならば、ここに記載される二段半田のいずれかを用いて半田接合部を設け得る。また、CTEが整合した半田をもたらすために、選択された量のゼロCTE材料と混合された二段半田も使用し得る。
【0050】
一部の例によれば、低いCTEと残留応力の界面への伝達を減少させるのに有効な係数とを有する半田、たとえば積層された無鉛合金半田が提供される。一部の例では、半田は、ここに記載される低CTEおよび有効な係数を有する半田または半田合金のいずれか1つ以上、たとえばここに記載されるSn/AgもしくはIn半田であり得る。いくつかの例では、ここに記載される電気装置の作製にこのような半田が使用され得る。
【0051】
一部の例によれば、低いCTEとクリープ変形による残留応力に対処するのに有効な係数とを有する半田、たとえば典型的なインジウム系複合半田が開示される。一部の例では、半田は、ここに記載される低CTEおよび有効な係数を有する半田または半田合金、たとえばSn/AgもしくはIn合金であり得る。いくつかの例では、ここに記載される電気装置の作製に半田が使用され得る。一部の例では、電気装置は印刷回路基板、PVセルであり得る、または太陽電池の作製に使用され得る。
【0052】
一部の例によれば、半田中の複合充填剤材料に起因して熱伝導特性および電気伝導特性が向上した複合物を含む半田が提供される。いくつかの例では、所望の物理的または電気的特性をもたらすのに有効な量の充填剤が存在する。たとえば有効な量の金属またはゼロCTE材料が使用され得る。たとえば、半田は、モリブデンを30%含み、かつSn/Agだけの場合の約60W/mKに対して約70W/mKを上回る熱伝導率を有するSn/Agなどの半田合金であり得る。いくつかの例では、ここに記載される電気装置を作製する際に半田が使用され得る。一部の例では、電気装置は印刷回路基板、PVセルであり得る、または太陽電池の作製に使用され得る。
【0053】
一部の例によれば、CTEが低く、選択された係数を有し、複合充填剤材料に起因して熱伝導特性および電気伝導特性が向上した複合物を含む半田が開示される。半田は、ここに記載される半田または半田合金、たとえばSn/AgもしくはIn半田であり得る。い
くつかの例では、半田は、所望の物理的または電気的特性をもたらすために1つ以上の充填剤もしくは材料を含み得る。一部の例では、ここに記載される電気装置の作製に半田が使用され得る。いくつかの例では、電気装置は印刷回路基板、PVセルであり得る、または太陽電池の作製に使用され得る。
【0054】
一部の例によれば、複合材料技術、たとえば低CTE充填剤を半田に混ぜることによって作製される選択された機械的特性を有する半田が提供される。一部の例では、半田はここに記載されたものなどの半田合金であり得る。いくつかの例では、半田は、PVセルの作製または太陽電池パネルの作製に使用され得る。
【0055】
一部の例によれば、従来の半田付け処理で使用することができる半田と、標準的な無融剤アセンブリによって処理することができる低空隙用途の半田とが開示される。一部の例では、半田はここに記載されたものなどの半田合金であり得る。いくつかの例では、半田は、PVセルの作製または太陽電池パネルの作製に使用され得る。
【0056】
ここに開示された技術のさらなる例示的な一部の局面および特徴について、一部の具体的な例をより詳細に以下に記載する。
【0057】
例1
半田合金は、スズ、銀およびモリブデンを適切な量で組合せることによって生成され得る。一実施形態では、スズ/銀半田(96.5Sn/3.5Ag)が30重量%のモリブデンと組合され、熱膨張係数が約13ppm/℃である半田合金が得られる。
【0058】
例2
半田合金は、適切な量のインジウムおよびモリブデンを組合せることによって生成され得る。一実施形態では、インジウム半田が28重量%のモリブデンと組合され、熱膨張係数が約9ppm/℃である半田合金が得られる。
【0059】
例3
半田合金は、適切な量のスズ、銀およびインバール材料を組合せることによって生成され得る。一実施形態では、スズ/銀半田(96.5Sn/3.5Ag)が31重量%のインバール材料と組合され、熱膨張係数が約6.9ppm/℃である半田合金が得られる。
【0060】
例4
半田合金は、適切な半田を1つ以上の他の金属または1つ以上の他の金属を含む材料と組合せることによって生成され得る。このような半田合金の熱膨張係数は、半田合金を1つ以上のゼロCTE充填剤、たとえばベータユークリプタイトと組合せることによって減少させ得る。
【0061】
例5
二層の半田材料からなる半田プリフォームをヒートシンク上に配置し、低融点半田合金がヒートシンクとの半田接合部を形成する温度まで加熱することによって、ヒートシンクに付着させることができる。次の処理ステップにおいて、当該構成要素がプリフォームの上に配置され、完成したアセンブリ装置がたとえばレーザで加熱され、半田接続を形成する。
【0062】
例6
太陽電池の全アレイ(たとえば6×10セル)を含む太陽電池アセンブリは、有機支持パネルと、銅およびエポキシ(回路基板業界に共通する材料)からなる可撓性回路基板と、EVA(エチルビニルアセテート)と、シリコン太陽電池と、EVAと、ガラスのカバ
ーパネルとを含む多層構造からなる。この構造は、上記のすべての層を150℃および低圧下において、セルと窓とにEVAを押圧し、積層体における空気を排気しながら材料を加熱することで積層することによって作成される。これにより、2つのEVA層が軟化して広がり、可撓性回路基板および太陽電池に対して半気密封止を形成する。また、太陽電池の裏側から回路基板に電気的接続が作成される。当初の接続は、約150℃で軟化し溶融する二段半田プリフォームを用いて作成される。プリフォームは、回路基板上に位置する電気的接点パッド上に配置され、以下の機能のうち1つ以上を実行する。すなわち、積層温度で軟化して脆い太陽電池が破損するのを回避し、太陽電池と回路基板との間に電気的接点をもたらし、電気的接点上にEVAが広がることを軽減または阻止する。
【0063】
太陽電池アセンブリを作製するには、回路基板がバッキングに取り付けられ得る。エチルビニルアセテート(EVA)の膜が回路基板上に配置される。二段半田プリフォームが、回路基板上に位置する電気的接点上に配置され得る。シリコン太陽電池が、EVA膜と二段半田プリフォームとの上に配置される。第2のEVA膜がシリコン太陽電池上に配置される。ガラスシートが第2のEVA膜上に配置される。
【0064】
上記のように、熱(約150℃)および低圧が全アセンブリに加えられて低融点半田を溶融させ、当初の電気的接続をもたらす。低融点半田の軟化によっても、脆い太陽電池の破損が回避され、電気的接点上にEVAが広がることが阻止される。二段半田のベース半田構成要素は、ガラスおよびEVA膜を介してレーザ半田付けされ得、最終的な電気的接続をもたらす。
【0065】
ここに開示された例の要素を紹介する際、「ある」、「1つの」、「その」および「前記」という用語は、1つ以上の要素があることを意味するものである。「備える」、「含む」および「有する」という用語は開放的なものであり、列挙した要素以外に追加的な要素が存在し得ることを意味する。例のさまざまな構成要素は、他の例におけるさまざまな構成要素と交換または置換できることは、本開示を利用すれば、当業者によって認識されるであろう。引用によってここに援用された特許、特許出願または公報のうちいずれかの用語の意味が本開示で使用された用語の意味と矛盾するならば、本開示で使用された用語の意味の方が支配的であるものとする。
【0066】
一部の局面、例および実施形態を上に記載したが、開示された例示的な局面、例および実施形態の追加、置換、修正および変更が可能であることは、本開示を利用すれば当業者によって認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気装置において2つ以上の電気部品の間に電気的接続を設ける方法であって、前記方法は、
2つ以上の電気部品のある部分の上または間に二段半田を配置するステップを含み、二段半田は、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を有し、さらに、
低融点成分およびベース半田構成要素から半田合金または金属間化合物を形成するのに有効な温度で二段半田の低融点半田構成要素を溶融させるステップと、
半田合金を半田付けして、2つ以上の電気部品の間に電気的接続を設けるステップとを含む、方法。
【請求項2】
半田付けするステップは、半田合金または金属間化合物のレーザ半田付けを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
二段半田の低融点半田構成要素を溶融させるための有効な温度は、約150℃以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
半田付けするステップは、半田付けステップ中に電気装置を積層するために昇温して行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
二段半田の低融点半田構成要素は、Sn(42)/Bi(58)、Sn(30−50)/Bi(70−30)、Sn(42)/Bi(57)/Ag(1)、Sn(30−50)/Bi(70−30)/Ag(0−5)、Sn(50)/In(50)、Sn(30−50)/In(70−30)、In(97)/Ag(3)、In(90−100)/Ag(0−10)、Sn(50)/Pb(32)/Cd(18)、Sn(30−60)/Pb(20−40)/Cd(10−30)、Sn(43)/Pb(43)/Bi(14)およびSn(30−50)/Pb(30−50)/Bi(5−20)からなるグループから選択される低融点半田として構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
二段半田のベース半田構成要素は、SAC305合金、Sn(90−100)/Ag(0−5)/Cu(0−5)、SACX0307合金、Sn(96.5)/Ag(3.5)、Sn(90−95)/Ag(0−5)、Sn(99)/Cu(1)、Sn(95−100)/Cu(0−5)、Sn(100)、Sn(63)/Pb(37)、Sn(20−80)/Pb(0−20)、Sn(62)/Pb(36)/Ag(2)、Sn(50−70)/Pb(30−50)/Ag(0−5)、Sn(60)/Pb(38)/Cu(2)およびSn(50−70)/Pb(30−50)/Cu(0−5)からなるグループから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
2つ以上の電気部品は、印刷回路基板、ボールグリッドアレイおよびピングリッドアレイからなるグループから選択される電気装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
二段半田の低融点半田構成要素を溶融させる前に、2つ以上の電気部品の間に封止材を配置するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
回路基板およびシリコン含有層を含む太陽電池アセンブリにおいて電気的接続を設ける方法であって、前記方法は、
回路基板およびシリコン含有層の上または間に二段半田を配置するステップを含み、二段半田は、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を有し、さらに、
二段半田の低融点半田構成要素を溶融させ、低融点半田構成要素およびベース半田構成要素から半田合金または金属間化合物を形成するステップと、
半田合金または金属間化合物を半田付けして、回路基板およびシリコン含有層の間に電気的接続を設けるステップとを含む、方法。
【請求項10】
半田付けするステップは、半田合金または金属間化合物のレーザ半田付けを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
二段半田の低融点半田構成要素を溶融させるための有効な温度は、約150℃以下である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
太陽電池アセンブリは、回路基板に結合された支持層と、シリコン含有層に結合された保護被覆とをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
二段半田の低融点半田構成要素は、Sn(42)/Bi(58)、Sn(30−50)/Bi(70−30)、Sn(42)/Bi(57)/Ag(1)、Sn(30−50)/Bi(70−30)/Ag(0−5)、Sn(50)/In(50)、Sn(30−50)/In(70−30)、In(97)/Ag(3)、In(90−100)/Ag(0−10)、Sn(50)/Pb(32)/Cd(18)、Sn(30−60)/Pb(20−40)/Cd(10−30)、Sn(43)/Pb(43)/Bi(14)およびSn(30−50)/Pb(30−50)/Bi(5−20)からなるグループから選択される低融点半田として構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
二段半田のベース半田構成要素は、SAC305合金、Sn(90−100)/Ag(0−5)/Cu(0−5)、SACX0307合金、Sn(96.5)/Ag(3.5)、Sn(90−95)/Ag(0−5)、Sn(99)/Cu(1)、Sn(95−100)/Cu(0−5)、Sn(100)、Sn(63)/Pb(37)、Sn(20−80)/Pb(0−20)、Sn(62)/Pb(36)/Ag(2)、Sn(50−70)/Pb(30−50)/Ag(0−5)、Sn(60)/Pb(38)/Cu(2)およびSn(50−70)/Pb(30−50)/Cu(0−5)からなるグループから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
回路基板とシリコン含有層との間に配置された二段半田は、半田プリフォームとして構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
二段半田の低融点半田構成要素を溶融させる前に、回路基板とシリコン含有層との間に封止材を配置するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
太陽電池アセンブリを作製する方法であって、
支持層上に回路基板を配置するステップと、
少なくとも1つの二段半田プリフォームを回路基板上の電気的接点上に配置するステップとを含み、二段半田プリフォームは、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を有し、さらに、
回路基板および少なくとも1つの半田プリフォーム上に太陽電池を配置するステップと、
太陽電池上に保護層を配置して太陽電池アセンブリを設けるステップと、
熱および圧力の少なくとも一方を太陽電池アセンブリに加えて低融点半田構成要素を溶融させ、低融点半田構成要素およびベース半田構成要素から半田合金または金属間化合物を形成するステップと、
保護層を介して半田合金を半田付けして、回路基板および太陽電池の間に電気的接続を設けるステップとを含む、方法。
【請求項18】
熱および圧力の少なくとも一方を加えるステップは、約150℃以下の温度で行なわれる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
熱および圧力の少なくとも一方を加えるステップと半田付けするステップとによって太陽電池アセンブリが積層される、請求項21に記載の方法。
【請求項20】
太陽電池と回路基板との間、および太陽電池と保護層との間に封止材の層を配置するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
半田付けステップは、レーザ半田付けによって行なわれる、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
電気装置において電気的接続を作製する方法であって、前記方法は、
半田付けされる接合部上に、ゼロCTE材料と混合された半田を配置するステップを含み、半田は、半田と半田付けされる接合部における材料との熱膨張係数の不整合を減少させるのに有効な量のゼロCTE材料と混合され、半田はベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を有し、さらに、
接合部を半田付けして電気的接続を設けるステップを含む、方法。
【請求項23】
ゼロCTE材料はベータユークリプタイトである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
半田付けステップ中に、電気装置の少なくとも2つの層を同時に積層するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
太陽電池アセンブリにおいて電気的接続を作製する方法であって、前記方法は、
ゼロCTE材料と混合された半田を回路基板と太陽電池との間に配置するステップを含み、半田は、配置された半田に接触する太陽電池および回路基板の少なくとも一方上の材料の熱膨張係数の不整合を減少させるのに有効な量のゼロCTE材料と混合され、半田はベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を含み、さらに、
配置された半田に熱を加えて、回路基板と太陽電池との間に電気的接続を設けるステップを含む、方法。
【請求項26】
ゼロCTE材料はベータユークリプタイトである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
加えられた熱を用いて太陽電池アセンブリを同時に積層するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を備え、低融点半田構成要素は、約150℃以下の温度でベース半田構成要素との合金または金属間化合物を形成するのに有効な量存在する、二段半田。
【請求項29】
二段半田の低融点半田構成要素は、Sn(42)/Bi(58)、Sn(30−50)/Bi(70−30)、Sn(42)/Bi(57)/Ag(1)、Sn(30−50)/Bi(70−30)/Ag(0−5)、Sn(50)/In(50)、Sn(30−50)/In(70−30)、In(97)/Ag(3)、In(90−100)/Ag(0−10)、Sn(50)/Pb(32)/Cd(18)、Sn(30−60)/Pb(20−40)/Cd(10−30)、Sn(43)/Pb(43)/Bi(14)およびSn(30−50)/Pb(30−50)/Bi(5−20)からなるグループから選択される低融点半田として構成される、請求項28に記載の二段半田。
【請求項30】
二段半田のベース半田構成要素は、SAC305合金、Sn(90−100)/Ag(
0−5)/Cu(0−5)、SACX0307合金、Sn(96.5)/Ag(3.5)、Sn(90−95)/Ag(0−5)、Sn(99)/Cu(1)、Sn(95−100)/Cu(0−5)、Sn(100)、Sn(63)/Pb(37)、Sn(20−80)/Pb(0−20)、Sn(62)/Pb(36)/Ag(2)、Sn(50−70)/Pb(30−50)/Ag(0−5)、Sn(60)/Pb(38)/Cu(2)およびSn(50−70)/Pb(30−50)/Cu(0−5)からなるグループから選択される、請求項28に記載の二段半田。
【請求項31】
二段半田の熱膨張係数を減少させるのに有効な量のゼロCTE材料をさらに備える、請求項28に記載の二段半田。
【請求項32】
低融点半田構成要素は、ベース半田構成要素上にコーティングされる、請求項28に記載の二段半田。
【請求項33】
二段半田は、ワイヤ、リボン、金属被覆されたリボン、不連続な形状またはプリフォームの形態である、請求項28に記載の二段半田。
【請求項34】
第1の層および第2の層を備え、第1の層は、1つ以上の箇所において第2の層に対する電気的結合を含み、電気的結合は、二段半田から形成された半田接合部を含む、電気装置。
【請求項35】
第1の層および第2の層を備え、第1の層は、1つ以上の箇所において第2の層に対する電気的結合を含み、電気的結合は、半田から形成され熱膨張係数が整合した半田接合部を含み、半田はさらに、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を含む、電気装置。
【請求項36】
回路基板および太陽電池を備え、回路基板は、二段半田から形成される半田接合部を介して太陽電池に電気的に結合される、太陽電池アセンブリ。
【請求項37】
回路基板および太陽電池を備え、回路基板は、二段半田から形成され熱膨張係数が整合した半田接合部を介して太陽電池に電気的に結合され、半田はさらに、ベース半田構成要素上に配置された低融点半田構成要素を含む、太陽電池アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3A−3B】
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【図4】
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【図5A−5B】
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【公表番号】特表2010−506733(P2010−506733A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533505(P2009−533505)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/081650
【国際公開番号】WO2008/049006
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(598085065)フライズ・メタルズ・インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】FRY’S METALS, INC
【Fターム(参考)】