電気防食軸受の製造方法
【課題】 円筒状のシェルメタルの内周面にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着して構成された水中ゴム軸受において、前記ゴム軸受材を前記シェルメタルの内周面に均一かつ強固に接着せしめ得る製造方法を提供する。
【解決手段】 外型内に支持された円筒状のシェルメタル1の内周にゴム系材料からなるゴム軸受材2を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金310,41と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材34、43との間にゴム材32,42を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に軸方向に延びる複数の溝1aを円周方向に沿って刻設し、該溝内に前記ゴム軸受材30、40を嵌着する。
【解決手段】 外型内に支持された円筒状のシェルメタル1の内周にゴム系材料からなるゴム軸受材2を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金310,41と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材34、43との間にゴム材32,42を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に軸方向に延びる複数の溝1aを円周方向に沿って刻設し、該溝内に前記ゴム軸受材30、40を嵌着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶のプロペラ軸受等に用いられ、円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなる円筒状のゴム軸受を接着し、該ゴム軸受の内周とロータ軸の外周との間に海水等の導電水が通流可能にされた隙間が形成されてなる電気防食軸受の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶のプロペラやプロペラ軸系の構成部材は海水中に浸されることから、海水に対する防食のため電気的防食手段が施されている。かかる電気的防食手段のうち、外部電源方式が最も多く用いられている。
かかる外部電源方式による船舶の電気的防食装置として、特開平6−99886号、特開平8−133184号等の発明が提供されている。
【0003】
かかる発明においては、直流電源装置から船体に設置した対極に陽電位を、前記プロペラ、舵等の被防食部材に相対的に陰電位を付与して、前記対極から海水を通して前記被防食部材に防食電流を供給することにより、前記被防食部材の海水からの腐蝕を防止している。また、前記対極に加えて基準電極(照合電極)を設け該基準電極を用いて海水中での前記被防食部材の電位を検出して、前記直流電源装置から出力される防食電流を自動的に制御している。
【0004】
また、図16はかかる電気防食水中ゴム軸受の1例を示し、図において、52はプロペラ軸、70は該プロペラ軸を支持するプロペラ軸受である。該プロペラ軸受70において、1は金属材からなる円筒状のシェルメタルで前記ブラケット051に固定されている。020は前記シェルメタルの内周に固定された円筒状のゴム軸受材で、該ゴム軸受材020の内周のパッド面2aには円周方向に沿って等間隔に(不等間隔でもよい)、海水が通流可能な水路溝6が軸方向に凹設されて、前記プロペラ軸52の外周面とゴム軸受材020のパッド面2aとの間に形成される軸受すきま02に連通せしめられている。
31は陽電位を付与するための板状の対極で、前記水路溝6の全部あるいは、複数箇所に好ましくは円周方向等間隔に設けられる。
【0005】
かかる水中ゴム軸受を製造するにあたっては、従来においては、前記シェルメタル1の内面をサンドブラストあるいは化学処理によって粗化し、該内面にゴム加硫用接着剤を塗布してゴム軸受材020を接着させている。
また、前記水中ゴム軸受の製造過程における、加硫前のゴム軸受材020用ゴム生地(生ゴム)の貼り付け方法としては、予めシート化された生ゴムシートを手貼りライニングによって貼り付ける方法、あるいは、予め押出し機を利用して、ブロックまたは円筒状のゴム生地(生ゴム)を作製してこれをシェルメタル1の内面に貼り付ける方法等がある。このようにして成形したゴム軸受を加硫プレスあるいは加硫缶にて加硫する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特開平6−99886号、特開平8−133184号等の従来技術においては、船舶の被防食部材のうち、プロペラ及びこれに連結されているプロペラ軸の電気的防食、特に従来防食が困難であったプロペラの翼根部近傍の電気的防食を可能とし、しかも、電気的防食のための防食電流を低減して直流電源装置の容量低減をなしている。
然るに、海水中に浸されているゴム軸受方式のプロペラ軸受においては、プロペラ軸の外周とゴム軸受の内周との間の隙間が海水の水路となっているため、該水路を流れる高速水流によりプロペラ軸の腐蝕が大きくなる傾向にある。特に銅合金からなるプロペラ軸の場合はかかる腐蝕が発生し易い。
しかしながら、前記従来技術にあっては、前記のような、海中に浸されたゴム軸受方式のプロペラ軸受支持部近傍におけるプロペラ軸の防食はなされておらず、このため該プロペラ軸がプロペラ軸受支持部近傍において腐蝕摩耗を発生し易いという問題点を有している。
【0007】
また、前記のような、従来の水中ゴム軸受の製造方法にあっては、粗化されているシェルメタルの内面に、予めシート化された生ゴムシート、押出し機により作製されたブロックまたは円筒状のゴム生地等の、十分に可塑化されていないゴム生地(生ゴム)を貼り付けるため、生ゴムが表面粗度の粗い前記シェルメタルの内面に均一に入り込み難い。
このため、かかる従来技術にあっては、前記シェルメタルの内面と生ゴムとの接着面に空気溜りが形成されて接着不良による不良品の発生をみたり、該軸受の使用中に前記接着面に剥離現象が発生して軸受寿命が低下するという問題点を有している。
【0008】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、銅合金からなる船舶用プロペラ軸等の、海水中に浸されたゴム軸受方式の水中軸受に支持されるロータ軸の電気的防食を確実になし、特に前記シェルメタルの内面と生ゴムとの接着面に空気溜りが形成されて接着不良による不良品の発生をみたり、該軸受の使用中に前記接着面に剥離現象が発生して軸受寿命が低下するという問題点を解決することを目的とする。
【0009】
本発明は特に、円筒状のシェルメタルの内周面にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着して構成された水中ゴム軸受において、前記ゴム軸受材を前記シェルメタルの内周面に均一かつ強固に接着せしめ得る製造方法を提供することにより、製品の品質が向上するとともに、耐久性、信頼性の高い水中ゴム軸受を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明は、外型内に支持された円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に軸方向に延びる複数の溝を円周方向に沿って刻設し、該溝内に前記ゴム軸受材を嵌着することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、外型内に支持された円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に、前記ゴム軸受材を円周方向に沿って樽状に並べ、前記台金の底面を該内周面に接着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1若しくは2記載の発明によれば、電気防食軸受の製造装置における加圧手段により注入ノズル内においてゴム生地を十分に練り上げ可塑化して、型内に支持された前記台金とパッド材との間に高圧で圧入した後、型とともに加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行い接着させるので、ゴム生地は粗化されているシェルメタルの内面に隙間やむらを生じることなく接着され、ゴム生地をシェルメタルの内面に均一かつ強固に接着することができる。
【0013】
又本発明によれば、加圧手段によりゴム生地を注入ノズル内において十分に練り上げて可塑化し、この可塑化したゴム生地を該加圧手段によって高圧で型内に圧入するので、ゴム生地はシェルメタルの内面に隙間やむらを生じることなく接着される。
これにより、ゴム生地をシェルメタルの内面に均一かつ強固に接着することができ、十分な接着アンカー効果が得られ、水中ゴム軸受の製品品質が向上するとともに、耐久性、信頼性の高い電気防食軸受を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0015】
図1、図2は本発明が適用される船舶のプロペラ軸支持用電気防食軸受の参考例1であって、図1はロータ軸線に直角な断面図である。図2は前記図1のW部拡大図、図3は電気防食軸受の参考例2を示す図2対応図、図4は電気防食軸受の参考例3を示す図2対応図、図5は電気防食軸受の参考例4を示す図2対応図、図6は電気防食軸受の参考例5における対極の設置手段を示す軸受のロータ軸線に直角な断面図、図7は電気防食軸受の参考例5における中子の断面図である。図8は電気防食軸受の参考例6の対極を示す斜視図、図9は参考例6の軸受の一部断面斜視図である。 図10は本発明に適用される水中ゴム軸受の製造装置の縦断面図、図11は本発明によって製造された水中ゴム軸受の第1実施例の正面図(回転軸心に直角方向の図)である。図12は本発明によって製造された水中ゴム軸受の第2実施例を示し、(A)は図11対応図、(B)はゴム軸受材の拡大図である。図13は本発明によって製造された水中ゴム軸受の第3実施例を示し、(A)は図11対応図、(B)はゴム軸受材の拡大図である。図14は電気防食軸受としての水中ゴム軸受を示し、(A)は軸受のロータ軸線に直角な正面図、(B)はその第1例、(C)はその第2例を夫々示す(A)のY部拡大図である。図15は本発明が適用される船舶のプロペラ軸及びプロペラ軸受近傍の側面図である。
【0016】
本発明が適用される船舶のプロペラ軸及びプロペラ軸受近傍を示す図15において、51は船体、53はプロペラ、52は該プロペラ53の駆動軸であるプロペラ軸(ロータ軸)、70は該プロペラ軸52を支持するプロペラ軸受、051は該プロペラ軸受70を船体51に支持するためブラケットである。前記プロペラ軸52の前記プロペラ軸受70に支持される部分の外周には銅合金からなるブッシュ3が圧入されている。
また、前記プロペラ軸受70は後述するような電気防食軸受からなり、1はシェルメタル、2は該シェルメタルの内周に固着された円筒状のゴム軸受で、前記プロペラ軸52のブッシュ3外周を支持している。
【0017】
58は前記プロペラ軸52の防食電気回路で、外部電源57から回線を介して一方は前記プロペラ軸受70のゴム軸受2に設けられた対極(詳細は後述)に、他方はブッシュ3、プロペラ軸52、及び軸アース61に接続されている。
【0018】
本発明の参考例に係る電気防食軸受は、前記プロペラ軸52の防食電気回路58におけるゴム軸受式電気防食軸受からなるプロペラ軸受70の、対極の取り付け構造に関するものである。
本発明の参考例に係る電気防食軸受の第1例を示す図1ないし図2において、52はプロペラ軸、70は該プロペラ軸を支持するプロペラ軸受である。該プロペラ軸受70において、1は金属材からなる円筒状のシェルメタルで前記ブラケット051に固定されている。2は前記シェルメタルの内周に固定された円筒状のゴム軸受で、該ゴム軸受2の内周のパッド面2aには円周方向に沿って等間隔に(不等間隔でもよい)、海水が通流可能な水路溝6が軸方向に凹設されて、前記プロペラ軸52の外周面とゴム軸受2のパッド面2aとの間に形成される軸受すきま02に連通せしめられている。
【0019】
31は板状の対極で、白金、チタン+白金コーティング材により形成されており、この第1実施例においては、次のようにして取り付けられている。2bは前記ゴム軸受2における水路溝6の溝面06の底部側に刻設されたスリットで、該スリット2b内に前記対極31がその先端部を前記水路溝6内の海水流路に露出して圧入されている。該対極31の前記溝面06からの突出量aは1mm程度が好適である。該対極31は、前記水路溝6の全部あるいは、複数箇所に好ましくは円周方向等間隔に設けられる。
また、図1において、4は基準電極で、塩化銀電極等からなり、被防食部材である前記プロペラ軸52及びブッシュ3の海水中での電位を検出して、前記外部電源57(直流電源)から出力される防食電流を自動的に制御するものであり、前記水路溝6の中の1箇所以上に取り付けられている。
【0020】
かかる構成からなる船舶用電気防食軸受装置において、直流電源からなる前記外部電源57から前記ゴム軸受2における水路溝6内に設置された前記対極31に陽電位を付与するとともに、被防食部材である前記プロペラ軸52及びブッシュ3側に相対的に陰電位を付与する。
これにより、前記ゴム軸受2の内周側に取り付けられた対極31から前記水路溝6内を通流している海水を通して前記ブッシュ3及びプロペラ軸52側に防食電流が供給されて、図10に示すような防食電気回路が形成され、被防食部材である前記ブッシュ3及びプロペラ軸52の海水による電気化学腐蝕が抑制される。
また、前記基準電極により前記プロペラ軸52及びブッシュ3の海水中での電位を検出して前記外部電源57の制御手段に送り、該外部電源57から出力される防食電流を自動的に制御する。
【0021】
かかる参考例によれば、ゴム軸受2の内周側に陽電位が付与される対極31を取り付け、該対極31から水路溝6内を通流している海水を通して前記ブッシュ3及びプロペラ軸52側に防食電流を供給するという、きわめて簡単な手段で以って従来電気的防食が困難であったプロペラ軸52近傍のプロペラ軸52系の電気化学腐蝕を確実に抑制することが可能となる。
【0022】
図3に示される第2参考例においては、板状の対極32をその一面が前記水路溝6内の海水流路に露出されるようにし、反対側の面を前記水路溝6の溝面06に接着材あるいはボルト(図示省略)によって固着している。02bは接着部を示す。
かかる参考例においては、対極32を水路溝6の溝面06に接着するのみで該対極32の取り付けができるので、前記第1参考例のようにゴム軸受2にスリット2bを加工することが不要となり、対極32の取り付け作業が簡単化される。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0023】
図4に示される第3参考例においては、板状の対極33は導電性ゴムで形成されており、前記ゴム軸受2の加硫成形時に、その一面が前記水路溝6内の海水流路に露出されるようにして前記ゴム軸受2に加硫接着している。
かかる参考例においては、導電性ゴム製の対極33をゴム軸受2の加硫成形と同時に該ゴム軸受2の水路溝6に固定できるので、前記第1、2参考例よりも対極33の取り付け作業がさらに簡単化される。
また、ゴム軸受2と対極33との密着性が良好で、耐食性にも優れている。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0024】
図5に示される第4参考例においては、板状、リング状、あるいは線状の対極34を、前記ゴム軸受2の加硫成形時にゴム材内に包んでゴム軸受2を成形した後、前記ゴム材を削り取って前記対極34の一部を該水路溝6内の海水流路に露出させている。
かかる参考例においては、対極34をゴム軸受2の加硫成形と同時に該ゴム軸受2のゴム材内に包み込むので、前記第3参考例よりも対極34のゴム軸受2への固着が簡単化にできる。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0025】
図6ないし図7に示される第5参考例においては、図7に示されるように、前記ゴム軸受2の加硫成形時に、前記対極35を、該ゴム軸受2の加硫成形用中子7の、前記水路溝6形成部の表面に接着しておく。該ゴム軸受2を加硫後、前記中子7を除去すると図6に示されるように対極35は中子7から離れてゴム軸受2側に固着され、その片面あるいは一部の面が、該水路溝6内の海水流路に露出される。尚、その際に対極35の一つを中子7の水路溝6形成部の表面に接着し、ゴム軸受2の加硫後中子7を除去するようにすることもできる。
かかる参考例においては、対極35を中子7の、前記水路溝6形成部の表面に接着して該ゴム軸受2を加硫することにより、中子7を除去すれば前記対極35の片面あるいは一部の面は確実に該水路溝6内の海水流路に露出されることとなるので、対極35のゴム軸受2への固着が格別な工数を加えることなく確実にできる。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0026】
図8ないし図9に示される第6参考例においては、まず、図8に示されるように、前記ゴム軸受2の加硫成形と同時に同ゴム軸受の内面から一定の間隔を存して対極36を螺旋状にゴム材内に包み込む。次いで、図9に示される前記ゴム軸受2に複数の水路溝6を、前記ゴム軸受2の長手方向に、かつ前記対極36の表面が該水路溝6内の海水流路に露出するように削り出して形成する。
【0027】
かかる参考例においては、前記対極36を螺旋状に連続して1本形成し、水路溝6内において対極36の表面を露出させたので、該対極36から外部に回線を取り出すためのポイントの数が少なくなり、配線が簡単化される。
【0028】
図11に示される電気防食軸受と一つの軸受としての第1実施形態は、図16に示されるような電気防食軸受として用いられる水中ゴム軸受であり、円筒状のシェルメタル1の内周面に円筒状のゴム軸受材2を加硫接着して構成されている。21は円筒状に形成されたゴム材で、その外周面が前記シェルメタル1の内周面に接着されている。22はパッド材で、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなり、前記ゴム材21の内周面に円周方向等間隔に接着されている。
【0029】
図10は、図11に示される本発明によって製造される水中ゴム軸受の製造装置であり、同図において、16は枠体、14は注入フランジ、15はエア抜きフランジ、12は前記注入フランジ14とエア抜きフランジ15との間に配置され両フランジ14及び15にボルトにて固定された外型である。
1は金属材あるいは合成樹脂からなるシェルメタル、020は後述する方法により成形されたゴム軸受材であり、前記外型12の内周に前記シェルメタル1が支持されるようになっている。13は前記ゴム軸受材020の内側に配置された中子で、根部を前記エア抜きフランジ15に支持されている。
17は前記ゴム軸受材020用のゴム生地03を前記外型12の内部に押し出すためのスクリューで、注入ノズル18内に往復動可能に嵌合されている。18aは前記スクリュー17へのゴム生地03の導入口、18bはゴム生地03注入用の注入孔である。
【実施例1】
【0030】
かかる構成からなる水中ゴム軸受の製造装置を用いて、図11に示されるような水中ゴム軸受を製造する際には,内面を予め粗化しゴム用加硫接着剤を塗布した前記シェルメタル1を外型12の内側にセットするとともに、前記中子13を前記エア抜きフランジ15にて支持して中心部に配置し、次いで、前記外型12を前記注入フランジ14及びエア抜きフランジ15の間にボルトにより固定する。
また、予め前記導入口18aから注入ノズル18内にゴム生地(生ゴム)03を導入して前記スクリュー17によって練って可塑化し、スクリュー17先端部に溜める。そして、50ないし150kgf/cm2の高圧でかつ空気に触れることなく、速やかにスクリュー17を回転させてゴム生地03を押しながら注入孔18bから型内(シェルメタル1と中子13の間)に圧入し、エア抜き孔15aからゴム生地03が溢れ出ることを確認したら充填を終了する。
次いで、前記ゴム生地03が圧入された型を加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行い前記ゴム生地03をシェルメタル1の内面に接着させる。前記加硫缶による加硫は、熱を型全体に伝達させる効果がある。
【0031】
かかる実施例によれば、加圧手段である前記スクリュー17により前記注入ノズル18内においてゴム生地03を十分に練り上げて可塑化し、この可塑化したゴム生地03を該スクリュー17によって高圧で型内に圧入するので、ゴム生地03はサンドブラスト、化学処理等によって粗化されているシェルメタル1の内面に隙間やむらを生じることなく接着される。
これにより、ゴム生地03をシェルメタル1の内面に均一かつ強固に接着することができ、十分な接着アンカー効果が得られ、水中ゴム軸受の製品品質が向上する。
【実施例2】
【0032】
図12に示される水中ゴム軸受を製造する第2実施例において、30はゴム軸受材であり、同図(B)に示されるように、金属あるいは合成樹脂からなる台金31の上面と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材33の下面との間にゴム材320を加硫接着してなる。
該ゴム軸受材30は、前記第1実施例の図10に示されるような水中ゴム軸受の製造装置におけるスクリュー17により注入ノズル18内においてゴム生地03を十分に練り上げて可塑化して、型内に支持された前記台金31とパッド材33との間に高圧で圧入した後、型とともに加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行い接着させる。
【0033】
前記のようにして成形されたセグメント状のゴム軸受材30は、前記シェルメタル1の内周面に円周方向に沿って複数個等間隔に(必ずしも等間隔でなくてもよい)刻設された軸方向に延びる嵌合溝1a内に、台金310の嵌合面35を当接させて嵌め込み接着剤等を用いて固定する。前記台金310の嵌合面35及びこれと当接する前記シェルメタル1の嵌合溝1aとは台形に形成されているので、ゴム軸受材30は嵌合溝1aから抜け出すことなく確実にシェルメタル1に固定される。
以上のようにして、セグメント状のゴム軸受材30をシェルメタル1の内周面に円周方向に並べて固定することにより、各ゴム軸受材30の間に水路溝6が形成される。
【実施例3】
【0034】
図13に示される水中ゴム軸受を製造する第3実施例においては、前記第2実施例と同様に、金属あるいは合成樹脂からなる台金41の上面と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材43の下面との間にゴム材42を加硫接着してゴム軸受材40を構成する(同図(B))。
【0035】
そして、複数個の前記セグメント状のゴム軸受材40は、前記シェルメタル1の内面1cに円周方向に沿って樽状に並べられ、前記台金41の底面即ち接着面46を前記シェルメタル1の内面1cに接着することにより固定される。各ゴム軸受材40の間には水路溝6が形成される。
(参考例)
【0036】
図14に示される参考例は、電気防食軸受としての水中ゴム軸受の製造方法を示す。この実施例においては、前記ゴム軸受材020の加硫成形時に、図16に示される対極31を治具8の表面に仮接着して中子13に固定し、該ゴム軸受材020を加硫後、前記中子13及び治具8を除去する。かかる中子13及び治具8の除去時に対極31は中子13から離れてゴム軸受材2側に固着される。
そして、機械加工によりゴム軸受材020を削り水路溝6を形成し、前記対極31の片面あるいは一部の面を、該水路溝6内の海水流路に露出させる。
かかる実施例においては、対極31を中子13の、前記水路溝6形成部の表面に治具8を介して接着して該ゴム軸受材020を加硫することにより、中子13及び治具8を除去し水路溝6を削り出せば、前記対極31の片面あるいは一部の面は確実に該水路溝6内の海水流路に露出されることとなるので、対極3のゴム軸受材020への固着が、格別な工数を加えることなくゴム軸受材020の加硫と同時に確実にできる。
また、図14(C)に示すように、中子13を除去したあと水路溝6を削り出すかわりに、中子13製作時に予め中子13外周の一部に水路溝形成部6aを凸設しておき、この水路溝形成部6aの頂部に対極31を取付けた状態でゴム軸受材020を加硫する。
その後中子13を水路溝形成部6aとともに除去すれば、対極3は水路溝6の凹み部にしっかりと固着される。
この方法によれば、対極31のゴム軸受材020への固着と水路溝6の形成とが軸受材020の加硫と同時にでき、しかも対極31は確実に水路溝6内の海水流路に露出させることができる。さらに、対極31の代わりにその1つを基準電極4に置き換えて中子13の水路溝形成部に接着してゴム軸受材020を加硫することにより、対極31および基準電極4の双方を同時にゴム軸受材020へ固着することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、円筒状のシェルメタルの内周面にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着して構成された水中ゴム軸受において、前記ゴム軸受材を前記シェルメタルの内周面に均一かつ強固に接着せしめ得る製造方法を提供でき、これにより製品の品質が向上するとともに、耐久性、信頼性の高い水中ゴム軸受を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1、図2は本発明が適用される船舶のプロペラ軸支持用電気防食軸受の参考例1であって、図1はそのロータ軸線に直角な断面図である。
【図2】前記図1のW部拡大図である。
【図3】電気防食軸受の参考例2を示す図2対応図である。
【図4】電気防食軸受の参考例3を示す図2対応図である。
【図5】電気防食軸受の参考例4を示す図2対応図である。
【図6】電気防食軸受の参考例5における対極の設置手段を示す軸受のロータ軸線に直角な断面図である。
【図7】電気防食軸受の参考例5における中子の断面図である。
【図8】電気防食軸受の参考例6の対極を示す斜視図である。
【図9】参考例6の軸受の一部断面斜視図である。
【図10】本発明に適用される水中ゴム軸受の製造装置の縦断面図本発明の第1実施例に係る水中ゴム軸受の製造装置の縦断面図である。
【図11】本発明の実施例(製造方法)によって製造された水中ゴム軸受の第1実施形態の正面図(回転軸心に直角方向の図)である。
【図12】本発明の実施例(製造方法)によって製造された水中ゴム軸受の第2実施形態を示し、(A)は図11対応図、(B)はゴム軸受材の拡大図である。
【図13】本発明の実施例(製造方法)によって製造された水中ゴム軸受の第3実施形態を示し、(A)は図11対応図、(B)はゴム軸受材の拡大図である。
【図14】電気防食軸受としての水中ゴム軸受の参考例を示し、(A)は軸受のロータ軸線に直角な正面図、(B)は(A)のY部拡大図である。(C)は(B)とは別の実施例を示す(A)のY部拡大図である。
【図15】本発明が適用される船舶のプロペラ軸及びプロペラ軸受近傍の側面図である。
【図16】電気防食軸受のロータ軸線に直角な断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 シェルメタル
1a 嵌合溝
2 ゴム軸受
2a パッド面
2b スリット
02b 接着部
02 軸受すきま
020、30、40 ゴム軸受材
3 ブッシュ
03 ゴム生地
21、320、42 ゴム材
22、33、43 パッド材
31、32、34、35、 対極
031 嵌合面
310、41 台金
33 導電性ゴム製対極
36 螺旋状対極
46 接着面
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶のプロペラ軸受等に用いられ、円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなる円筒状のゴム軸受を接着し、該ゴム軸受の内周とロータ軸の外周との間に海水等の導電水が通流可能にされた隙間が形成されてなる電気防食軸受の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶のプロペラやプロペラ軸系の構成部材は海水中に浸されることから、海水に対する防食のため電気的防食手段が施されている。かかる電気的防食手段のうち、外部電源方式が最も多く用いられている。
かかる外部電源方式による船舶の電気的防食装置として、特開平6−99886号、特開平8−133184号等の発明が提供されている。
【0003】
かかる発明においては、直流電源装置から船体に設置した対極に陽電位を、前記プロペラ、舵等の被防食部材に相対的に陰電位を付与して、前記対極から海水を通して前記被防食部材に防食電流を供給することにより、前記被防食部材の海水からの腐蝕を防止している。また、前記対極に加えて基準電極(照合電極)を設け該基準電極を用いて海水中での前記被防食部材の電位を検出して、前記直流電源装置から出力される防食電流を自動的に制御している。
【0004】
また、図16はかかる電気防食水中ゴム軸受の1例を示し、図において、52はプロペラ軸、70は該プロペラ軸を支持するプロペラ軸受である。該プロペラ軸受70において、1は金属材からなる円筒状のシェルメタルで前記ブラケット051に固定されている。020は前記シェルメタルの内周に固定された円筒状のゴム軸受材で、該ゴム軸受材020の内周のパッド面2aには円周方向に沿って等間隔に(不等間隔でもよい)、海水が通流可能な水路溝6が軸方向に凹設されて、前記プロペラ軸52の外周面とゴム軸受材020のパッド面2aとの間に形成される軸受すきま02に連通せしめられている。
31は陽電位を付与するための板状の対極で、前記水路溝6の全部あるいは、複数箇所に好ましくは円周方向等間隔に設けられる。
【0005】
かかる水中ゴム軸受を製造するにあたっては、従来においては、前記シェルメタル1の内面をサンドブラストあるいは化学処理によって粗化し、該内面にゴム加硫用接着剤を塗布してゴム軸受材020を接着させている。
また、前記水中ゴム軸受の製造過程における、加硫前のゴム軸受材020用ゴム生地(生ゴム)の貼り付け方法としては、予めシート化された生ゴムシートを手貼りライニングによって貼り付ける方法、あるいは、予め押出し機を利用して、ブロックまたは円筒状のゴム生地(生ゴム)を作製してこれをシェルメタル1の内面に貼り付ける方法等がある。このようにして成形したゴム軸受を加硫プレスあるいは加硫缶にて加硫する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特開平6−99886号、特開平8−133184号等の従来技術においては、船舶の被防食部材のうち、プロペラ及びこれに連結されているプロペラ軸の電気的防食、特に従来防食が困難であったプロペラの翼根部近傍の電気的防食を可能とし、しかも、電気的防食のための防食電流を低減して直流電源装置の容量低減をなしている。
然るに、海水中に浸されているゴム軸受方式のプロペラ軸受においては、プロペラ軸の外周とゴム軸受の内周との間の隙間が海水の水路となっているため、該水路を流れる高速水流によりプロペラ軸の腐蝕が大きくなる傾向にある。特に銅合金からなるプロペラ軸の場合はかかる腐蝕が発生し易い。
しかしながら、前記従来技術にあっては、前記のような、海中に浸されたゴム軸受方式のプロペラ軸受支持部近傍におけるプロペラ軸の防食はなされておらず、このため該プロペラ軸がプロペラ軸受支持部近傍において腐蝕摩耗を発生し易いという問題点を有している。
【0007】
また、前記のような、従来の水中ゴム軸受の製造方法にあっては、粗化されているシェルメタルの内面に、予めシート化された生ゴムシート、押出し機により作製されたブロックまたは円筒状のゴム生地等の、十分に可塑化されていないゴム生地(生ゴム)を貼り付けるため、生ゴムが表面粗度の粗い前記シェルメタルの内面に均一に入り込み難い。
このため、かかる従来技術にあっては、前記シェルメタルの内面と生ゴムとの接着面に空気溜りが形成されて接着不良による不良品の発生をみたり、該軸受の使用中に前記接着面に剥離現象が発生して軸受寿命が低下するという問題点を有している。
【0008】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、銅合金からなる船舶用プロペラ軸等の、海水中に浸されたゴム軸受方式の水中軸受に支持されるロータ軸の電気的防食を確実になし、特に前記シェルメタルの内面と生ゴムとの接着面に空気溜りが形成されて接着不良による不良品の発生をみたり、該軸受の使用中に前記接着面に剥離現象が発生して軸受寿命が低下するという問題点を解決することを目的とする。
【0009】
本発明は特に、円筒状のシェルメタルの内周面にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着して構成された水中ゴム軸受において、前記ゴム軸受材を前記シェルメタルの内周面に均一かつ強固に接着せしめ得る製造方法を提供することにより、製品の品質が向上するとともに、耐久性、信頼性の高い水中ゴム軸受を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明は、外型内に支持された円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に軸方向に延びる複数の溝を円周方向に沿って刻設し、該溝内に前記ゴム軸受材を嵌着することを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、外型内に支持された円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に、前記ゴム軸受材を円周方向に沿って樽状に並べ、前記台金の底面を該内周面に接着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1若しくは2記載の発明によれば、電気防食軸受の製造装置における加圧手段により注入ノズル内においてゴム生地を十分に練り上げ可塑化して、型内に支持された前記台金とパッド材との間に高圧で圧入した後、型とともに加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行い接着させるので、ゴム生地は粗化されているシェルメタルの内面に隙間やむらを生じることなく接着され、ゴム生地をシェルメタルの内面に均一かつ強固に接着することができる。
【0013】
又本発明によれば、加圧手段によりゴム生地を注入ノズル内において十分に練り上げて可塑化し、この可塑化したゴム生地を該加圧手段によって高圧で型内に圧入するので、ゴム生地はシェルメタルの内面に隙間やむらを生じることなく接着される。
これにより、ゴム生地をシェルメタルの内面に均一かつ強固に接着することができ、十分な接着アンカー効果が得られ、水中ゴム軸受の製品品質が向上するとともに、耐久性、信頼性の高い電気防食軸受を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0015】
図1、図2は本発明が適用される船舶のプロペラ軸支持用電気防食軸受の参考例1であって、図1はロータ軸線に直角な断面図である。図2は前記図1のW部拡大図、図3は電気防食軸受の参考例2を示す図2対応図、図4は電気防食軸受の参考例3を示す図2対応図、図5は電気防食軸受の参考例4を示す図2対応図、図6は電気防食軸受の参考例5における対極の設置手段を示す軸受のロータ軸線に直角な断面図、図7は電気防食軸受の参考例5における中子の断面図である。図8は電気防食軸受の参考例6の対極を示す斜視図、図9は参考例6の軸受の一部断面斜視図である。 図10は本発明に適用される水中ゴム軸受の製造装置の縦断面図、図11は本発明によって製造された水中ゴム軸受の第1実施例の正面図(回転軸心に直角方向の図)である。図12は本発明によって製造された水中ゴム軸受の第2実施例を示し、(A)は図11対応図、(B)はゴム軸受材の拡大図である。図13は本発明によって製造された水中ゴム軸受の第3実施例を示し、(A)は図11対応図、(B)はゴム軸受材の拡大図である。図14は電気防食軸受としての水中ゴム軸受を示し、(A)は軸受のロータ軸線に直角な正面図、(B)はその第1例、(C)はその第2例を夫々示す(A)のY部拡大図である。図15は本発明が適用される船舶のプロペラ軸及びプロペラ軸受近傍の側面図である。
【0016】
本発明が適用される船舶のプロペラ軸及びプロペラ軸受近傍を示す図15において、51は船体、53はプロペラ、52は該プロペラ53の駆動軸であるプロペラ軸(ロータ軸)、70は該プロペラ軸52を支持するプロペラ軸受、051は該プロペラ軸受70を船体51に支持するためブラケットである。前記プロペラ軸52の前記プロペラ軸受70に支持される部分の外周には銅合金からなるブッシュ3が圧入されている。
また、前記プロペラ軸受70は後述するような電気防食軸受からなり、1はシェルメタル、2は該シェルメタルの内周に固着された円筒状のゴム軸受で、前記プロペラ軸52のブッシュ3外周を支持している。
【0017】
58は前記プロペラ軸52の防食電気回路で、外部電源57から回線を介して一方は前記プロペラ軸受70のゴム軸受2に設けられた対極(詳細は後述)に、他方はブッシュ3、プロペラ軸52、及び軸アース61に接続されている。
【0018】
本発明の参考例に係る電気防食軸受は、前記プロペラ軸52の防食電気回路58におけるゴム軸受式電気防食軸受からなるプロペラ軸受70の、対極の取り付け構造に関するものである。
本発明の参考例に係る電気防食軸受の第1例を示す図1ないし図2において、52はプロペラ軸、70は該プロペラ軸を支持するプロペラ軸受である。該プロペラ軸受70において、1は金属材からなる円筒状のシェルメタルで前記ブラケット051に固定されている。2は前記シェルメタルの内周に固定された円筒状のゴム軸受で、該ゴム軸受2の内周のパッド面2aには円周方向に沿って等間隔に(不等間隔でもよい)、海水が通流可能な水路溝6が軸方向に凹設されて、前記プロペラ軸52の外周面とゴム軸受2のパッド面2aとの間に形成される軸受すきま02に連通せしめられている。
【0019】
31は板状の対極で、白金、チタン+白金コーティング材により形成されており、この第1実施例においては、次のようにして取り付けられている。2bは前記ゴム軸受2における水路溝6の溝面06の底部側に刻設されたスリットで、該スリット2b内に前記対極31がその先端部を前記水路溝6内の海水流路に露出して圧入されている。該対極31の前記溝面06からの突出量aは1mm程度が好適である。該対極31は、前記水路溝6の全部あるいは、複数箇所に好ましくは円周方向等間隔に設けられる。
また、図1において、4は基準電極で、塩化銀電極等からなり、被防食部材である前記プロペラ軸52及びブッシュ3の海水中での電位を検出して、前記外部電源57(直流電源)から出力される防食電流を自動的に制御するものであり、前記水路溝6の中の1箇所以上に取り付けられている。
【0020】
かかる構成からなる船舶用電気防食軸受装置において、直流電源からなる前記外部電源57から前記ゴム軸受2における水路溝6内に設置された前記対極31に陽電位を付与するとともに、被防食部材である前記プロペラ軸52及びブッシュ3側に相対的に陰電位を付与する。
これにより、前記ゴム軸受2の内周側に取り付けられた対極31から前記水路溝6内を通流している海水を通して前記ブッシュ3及びプロペラ軸52側に防食電流が供給されて、図10に示すような防食電気回路が形成され、被防食部材である前記ブッシュ3及びプロペラ軸52の海水による電気化学腐蝕が抑制される。
また、前記基準電極により前記プロペラ軸52及びブッシュ3の海水中での電位を検出して前記外部電源57の制御手段に送り、該外部電源57から出力される防食電流を自動的に制御する。
【0021】
かかる参考例によれば、ゴム軸受2の内周側に陽電位が付与される対極31を取り付け、該対極31から水路溝6内を通流している海水を通して前記ブッシュ3及びプロペラ軸52側に防食電流を供給するという、きわめて簡単な手段で以って従来電気的防食が困難であったプロペラ軸52近傍のプロペラ軸52系の電気化学腐蝕を確実に抑制することが可能となる。
【0022】
図3に示される第2参考例においては、板状の対極32をその一面が前記水路溝6内の海水流路に露出されるようにし、反対側の面を前記水路溝6の溝面06に接着材あるいはボルト(図示省略)によって固着している。02bは接着部を示す。
かかる参考例においては、対極32を水路溝6の溝面06に接着するのみで該対極32の取り付けができるので、前記第1参考例のようにゴム軸受2にスリット2bを加工することが不要となり、対極32の取り付け作業が簡単化される。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0023】
図4に示される第3参考例においては、板状の対極33は導電性ゴムで形成されており、前記ゴム軸受2の加硫成形時に、その一面が前記水路溝6内の海水流路に露出されるようにして前記ゴム軸受2に加硫接着している。
かかる参考例においては、導電性ゴム製の対極33をゴム軸受2の加硫成形と同時に該ゴム軸受2の水路溝6に固定できるので、前記第1、2参考例よりも対極33の取り付け作業がさらに簡単化される。
また、ゴム軸受2と対極33との密着性が良好で、耐食性にも優れている。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0024】
図5に示される第4参考例においては、板状、リング状、あるいは線状の対極34を、前記ゴム軸受2の加硫成形時にゴム材内に包んでゴム軸受2を成形した後、前記ゴム材を削り取って前記対極34の一部を該水路溝6内の海水流路に露出させている。
かかる参考例においては、対極34をゴム軸受2の加硫成形と同時に該ゴム軸受2のゴム材内に包み込むので、前記第3参考例よりも対極34のゴム軸受2への固着が簡単化にできる。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0025】
図6ないし図7に示される第5参考例においては、図7に示されるように、前記ゴム軸受2の加硫成形時に、前記対極35を、該ゴム軸受2の加硫成形用中子7の、前記水路溝6形成部の表面に接着しておく。該ゴム軸受2を加硫後、前記中子7を除去すると図6に示されるように対極35は中子7から離れてゴム軸受2側に固着され、その片面あるいは一部の面が、該水路溝6内の海水流路に露出される。尚、その際に対極35の一つを中子7の水路溝6形成部の表面に接着し、ゴム軸受2の加硫後中子7を除去するようにすることもできる。
かかる参考例においては、対極35を中子7の、前記水路溝6形成部の表面に接着して該ゴム軸受2を加硫することにより、中子7を除去すれば前記対極35の片面あるいは一部の面は確実に該水路溝6内の海水流路に露出されることとなるので、対極35のゴム軸受2への固着が格別な工数を加えることなく確実にできる。
その他の構成は前記第1参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0026】
図8ないし図9に示される第6参考例においては、まず、図8に示されるように、前記ゴム軸受2の加硫成形と同時に同ゴム軸受の内面から一定の間隔を存して対極36を螺旋状にゴム材内に包み込む。次いで、図9に示される前記ゴム軸受2に複数の水路溝6を、前記ゴム軸受2の長手方向に、かつ前記対極36の表面が該水路溝6内の海水流路に露出するように削り出して形成する。
【0027】
かかる参考例においては、前記対極36を螺旋状に連続して1本形成し、水路溝6内において対極36の表面を露出させたので、該対極36から外部に回線を取り出すためのポイントの数が少なくなり、配線が簡単化される。
【0028】
図11に示される電気防食軸受と一つの軸受としての第1実施形態は、図16に示されるような電気防食軸受として用いられる水中ゴム軸受であり、円筒状のシェルメタル1の内周面に円筒状のゴム軸受材2を加硫接着して構成されている。21は円筒状に形成されたゴム材で、その外周面が前記シェルメタル1の内周面に接着されている。22はパッド材で、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなり、前記ゴム材21の内周面に円周方向等間隔に接着されている。
【0029】
図10は、図11に示される本発明によって製造される水中ゴム軸受の製造装置であり、同図において、16は枠体、14は注入フランジ、15はエア抜きフランジ、12は前記注入フランジ14とエア抜きフランジ15との間に配置され両フランジ14及び15にボルトにて固定された外型である。
1は金属材あるいは合成樹脂からなるシェルメタル、020は後述する方法により成形されたゴム軸受材であり、前記外型12の内周に前記シェルメタル1が支持されるようになっている。13は前記ゴム軸受材020の内側に配置された中子で、根部を前記エア抜きフランジ15に支持されている。
17は前記ゴム軸受材020用のゴム生地03を前記外型12の内部に押し出すためのスクリューで、注入ノズル18内に往復動可能に嵌合されている。18aは前記スクリュー17へのゴム生地03の導入口、18bはゴム生地03注入用の注入孔である。
【実施例1】
【0030】
かかる構成からなる水中ゴム軸受の製造装置を用いて、図11に示されるような水中ゴム軸受を製造する際には,内面を予め粗化しゴム用加硫接着剤を塗布した前記シェルメタル1を外型12の内側にセットするとともに、前記中子13を前記エア抜きフランジ15にて支持して中心部に配置し、次いで、前記外型12を前記注入フランジ14及びエア抜きフランジ15の間にボルトにより固定する。
また、予め前記導入口18aから注入ノズル18内にゴム生地(生ゴム)03を導入して前記スクリュー17によって練って可塑化し、スクリュー17先端部に溜める。そして、50ないし150kgf/cm2の高圧でかつ空気に触れることなく、速やかにスクリュー17を回転させてゴム生地03を押しながら注入孔18bから型内(シェルメタル1と中子13の間)に圧入し、エア抜き孔15aからゴム生地03が溢れ出ることを確認したら充填を終了する。
次いで、前記ゴム生地03が圧入された型を加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行い前記ゴム生地03をシェルメタル1の内面に接着させる。前記加硫缶による加硫は、熱を型全体に伝達させる効果がある。
【0031】
かかる実施例によれば、加圧手段である前記スクリュー17により前記注入ノズル18内においてゴム生地03を十分に練り上げて可塑化し、この可塑化したゴム生地03を該スクリュー17によって高圧で型内に圧入するので、ゴム生地03はサンドブラスト、化学処理等によって粗化されているシェルメタル1の内面に隙間やむらを生じることなく接着される。
これにより、ゴム生地03をシェルメタル1の内面に均一かつ強固に接着することができ、十分な接着アンカー効果が得られ、水中ゴム軸受の製品品質が向上する。
【実施例2】
【0032】
図12に示される水中ゴム軸受を製造する第2実施例において、30はゴム軸受材であり、同図(B)に示されるように、金属あるいは合成樹脂からなる台金31の上面と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材33の下面との間にゴム材320を加硫接着してなる。
該ゴム軸受材30は、前記第1実施例の図10に示されるような水中ゴム軸受の製造装置におけるスクリュー17により注入ノズル18内においてゴム生地03を十分に練り上げて可塑化して、型内に支持された前記台金31とパッド材33との間に高圧で圧入した後、型とともに加硫缶に入れて、蒸気によって加硫を行い接着させる。
【0033】
前記のようにして成形されたセグメント状のゴム軸受材30は、前記シェルメタル1の内周面に円周方向に沿って複数個等間隔に(必ずしも等間隔でなくてもよい)刻設された軸方向に延びる嵌合溝1a内に、台金310の嵌合面35を当接させて嵌め込み接着剤等を用いて固定する。前記台金310の嵌合面35及びこれと当接する前記シェルメタル1の嵌合溝1aとは台形に形成されているので、ゴム軸受材30は嵌合溝1aから抜け出すことなく確実にシェルメタル1に固定される。
以上のようにして、セグメント状のゴム軸受材30をシェルメタル1の内周面に円周方向に並べて固定することにより、各ゴム軸受材30の間に水路溝6が形成される。
【実施例3】
【0034】
図13に示される水中ゴム軸受を製造する第3実施例においては、前記第2実施例と同様に、金属あるいは合成樹脂からなる台金41の上面と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材43の下面との間にゴム材42を加硫接着してゴム軸受材40を構成する(同図(B))。
【0035】
そして、複数個の前記セグメント状のゴム軸受材40は、前記シェルメタル1の内面1cに円周方向に沿って樽状に並べられ、前記台金41の底面即ち接着面46を前記シェルメタル1の内面1cに接着することにより固定される。各ゴム軸受材40の間には水路溝6が形成される。
(参考例)
【0036】
図14に示される参考例は、電気防食軸受としての水中ゴム軸受の製造方法を示す。この実施例においては、前記ゴム軸受材020の加硫成形時に、図16に示される対極31を治具8の表面に仮接着して中子13に固定し、該ゴム軸受材020を加硫後、前記中子13及び治具8を除去する。かかる中子13及び治具8の除去時に対極31は中子13から離れてゴム軸受材2側に固着される。
そして、機械加工によりゴム軸受材020を削り水路溝6を形成し、前記対極31の片面あるいは一部の面を、該水路溝6内の海水流路に露出させる。
かかる実施例においては、対極31を中子13の、前記水路溝6形成部の表面に治具8を介して接着して該ゴム軸受材020を加硫することにより、中子13及び治具8を除去し水路溝6を削り出せば、前記対極31の片面あるいは一部の面は確実に該水路溝6内の海水流路に露出されることとなるので、対極3のゴム軸受材020への固着が、格別な工数を加えることなくゴム軸受材020の加硫と同時に確実にできる。
また、図14(C)に示すように、中子13を除去したあと水路溝6を削り出すかわりに、中子13製作時に予め中子13外周の一部に水路溝形成部6aを凸設しておき、この水路溝形成部6aの頂部に対極31を取付けた状態でゴム軸受材020を加硫する。
その後中子13を水路溝形成部6aとともに除去すれば、対極3は水路溝6の凹み部にしっかりと固着される。
この方法によれば、対極31のゴム軸受材020への固着と水路溝6の形成とが軸受材020の加硫と同時にでき、しかも対極31は確実に水路溝6内の海水流路に露出させることができる。さらに、対極31の代わりにその1つを基準電極4に置き換えて中子13の水路溝形成部に接着してゴム軸受材020を加硫することにより、対極31および基準電極4の双方を同時にゴム軸受材020へ固着することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、円筒状のシェルメタルの内周面にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着して構成された水中ゴム軸受において、前記ゴム軸受材を前記シェルメタルの内周面に均一かつ強固に接着せしめ得る製造方法を提供でき、これにより製品の品質が向上するとともに、耐久性、信頼性の高い水中ゴム軸受を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1、図2は本発明が適用される船舶のプロペラ軸支持用電気防食軸受の参考例1であって、図1はそのロータ軸線に直角な断面図である。
【図2】前記図1のW部拡大図である。
【図3】電気防食軸受の参考例2を示す図2対応図である。
【図4】電気防食軸受の参考例3を示す図2対応図である。
【図5】電気防食軸受の参考例4を示す図2対応図である。
【図6】電気防食軸受の参考例5における対極の設置手段を示す軸受のロータ軸線に直角な断面図である。
【図7】電気防食軸受の参考例5における中子の断面図である。
【図8】電気防食軸受の参考例6の対極を示す斜視図である。
【図9】参考例6の軸受の一部断面斜視図である。
【図10】本発明に適用される水中ゴム軸受の製造装置の縦断面図本発明の第1実施例に係る水中ゴム軸受の製造装置の縦断面図である。
【図11】本発明の実施例(製造方法)によって製造された水中ゴム軸受の第1実施形態の正面図(回転軸心に直角方向の図)である。
【図12】本発明の実施例(製造方法)によって製造された水中ゴム軸受の第2実施形態を示し、(A)は図11対応図、(B)はゴム軸受材の拡大図である。
【図13】本発明の実施例(製造方法)によって製造された水中ゴム軸受の第3実施形態を示し、(A)は図11対応図、(B)はゴム軸受材の拡大図である。
【図14】電気防食軸受としての水中ゴム軸受の参考例を示し、(A)は軸受のロータ軸線に直角な正面図、(B)は(A)のY部拡大図である。(C)は(B)とは別の実施例を示す(A)のY部拡大図である。
【図15】本発明が適用される船舶のプロペラ軸及びプロペラ軸受近傍の側面図である。
【図16】電気防食軸受のロータ軸線に直角な断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 シェルメタル
1a 嵌合溝
2 ゴム軸受
2a パッド面
2b スリット
02b 接着部
02 軸受すきま
020、30、40 ゴム軸受材
3 ブッシュ
03 ゴム生地
21、320、42 ゴム材
22、33、43 パッド材
31、32、34、35、 対極
031 嵌合面
310、41 台金
33 導電性ゴム製対極
36 螺旋状対極
46 接着面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外型内に支持された円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に軸方向に延びる複数の溝を円周方向に沿って刻設し、該溝内に前記ゴム軸受材を嵌着することを特徴とする電気防食軸受の製造方法。
【請求項2】
外型内に支持された円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に、前記ゴム軸受材を円周方向に沿って樽状に並べ、前記台金の底面を該内周面に接着することを特徴とする電気防食軸受の製造方法。
【請求項1】
外型内に支持された円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に軸方向に延びる複数の溝を円周方向に沿って刻設し、該溝内に前記ゴム軸受材を嵌着することを特徴とする電気防食軸受の製造方法。
【請求項2】
外型内に支持された円筒状のシェルメタルの内周にゴム系材料からなるゴム軸受材を加硫接着する電気防食軸受の製造方法において、台金と、4フッ化エチレン、ポリアミド、高密度ポリエチレン等の摺動性の良好な合成樹脂からなるパッド材との間にゴム材を挿み込んで加硫接着してセグメント状のゴム軸受材を成形し、前記シェルメタルの内周面に、前記ゴム軸受材を円周方向に沿って樽状に並べ、前記台金の底面を該内周面に接着することを特徴とする電気防食軸受の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−103307(P2009−103307A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312823(P2008−312823)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【分割の表示】特願2000−308267(P2000−308267)の分割
【原出願日】平成12年10月6日(2000.10.6)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(594001801)株式会社ミカサ (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【分割の表示】特願2000−308267(P2000−308267)の分割
【原出願日】平成12年10月6日(2000.10.6)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(594001801)株式会社ミカサ (5)
【Fターム(参考)】
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