電池配線モジュール
【課題】単電池の状態を検知するための検知電線を電線収容部に簡単に収容でき、かつ、収容された検知電線が収容部内からはみ出し難い構成の電池配線モジュールを提供する。
【解決手段】樹脂プロテクタに設けた電線収容溝に単電池の状態を検出する検知電線を納めてなり、電線収容溝を構成する一対の溝壁部の一方から他方の溝壁部側に向けて互いに先端に空隙を隔てて突設することで検知電線の電線挿入路を形成しつつ検知電線の電線収容溝からのはみ出しを規制する一対の規制片を備えた電池配線モジュールにおいて、一対の規制片間に形成される検知電線の電線収容溝への電線挿入路が電線収容溝の深さ方向と交差する方向に設定されている。
【解決手段】樹脂プロテクタに設けた電線収容溝に単電池の状態を検出する検知電線を納めてなり、電線収容溝を構成する一対の溝壁部の一方から他方の溝壁部側に向けて互いに先端に空隙を隔てて突設することで検知電線の電線挿入路を形成しつつ検知電線の電線収容溝からのはみ出しを規制する一対の規制片を備えた電池配線モジュールにおいて、一対の規制片間に形成される検知電線の電線収容溝への電線挿入路が電線収容溝の深さ方向と交差する方向に設定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールにおいては、正極および負極の電極端子を有する複数の単電池が並んで配置されている。このような電池モジュールにおいては、正極の電極端子(正極端子)および負極の電極端子(負極端子)が接続部材によって接続されることにより、複数の単電池が電気的に接続されるようになっている。
【0003】
複数の単電池を電気的に接続するために、例えば特許文献1に記載されているような電池配線モジュールが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−65863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の電池モジュールにおいては、各単電池の状態が検知されるようになっている。その一例として、バスバー(接続部材)に各単電池の端子電圧を測定するための電圧検知電線を個々に接続し、電池配線モジュールの外に導出して、例えばECU等により電圧検知を行う構成が知られている。このような構成では、複数の検知電線を合成樹脂製の基板部に設けられた電線収容部内に簡単に収容すること、かつ、収容された検知電線が例えば単電池群への電池配線モジュールの組み付け作業時等に抜け出ることがないように保持させることが求められている。検知電線の抜け防止のためには、従来、電線収容部にインシュロックやヒンジ付きの蓋等を取り付ける構成が提案されているが、このような仕様はコストの増加や作業工数の増加につながり、その構成には未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、単電池の状態を検知するための検知電線を電線収容部に簡単に収容でき、かつ、収容された検知電線が収容部内からはみ出し難い構成の電池配線モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明は、単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる電池配線モジュールであって、樹脂プロテクタに設けた電線収容溝に前記単電池の状態を検出する検知電線を納めてなり、前記電線収容溝を構成する一対の溝壁部の一方から他方の溝壁部側に向けて互いに先端に空隙を隔てて突設することで前記検知電線の電線挿入路を形成しつつ前記検知電線の前記電線収容溝からのはみ出しを規制する一対の規制片を備えたものにおいて、前記一対の規制片間に形成される前記検知電線の前記電線収容溝への前記電線挿入路が前記電線収容溝の深さ方向と交差する方向に設定されているところに特徴を有する。
【0008】
本発明によれば、検知電線を電線収容溝内に収容する際には、一対の規制片間に形成された電線挿入路内に検知電線を単に押し込むだけであるから、検知電線の電線収容溝への収容作業を簡単に行うことができる。一方、電線収容溝内に収容された検知電線に対して電線収容溝から抜け出る方向の力が作用する場合があり、そのような力はほとんどの場合電線収容溝の深さ方向に沿って作用するのであるが、本発明の電池配線モジュールによれば、検知電線の通過が許容されている電線挿入路は電線収容溝の深さ方向と交差する方向に設定されているため、検知電線が電線収容溝から簡単に抜け出すことがない。
【0009】
上記一対の規制片は、電線収容溝の深さ方向においてほぼ同等の高さ位置に設けてもよいし、あるいは、異なる高さ位置に設けてもよい。
【0010】
また、上記一対の規制片は、電線収容溝の長さ方向において同位置に設けてもよいし、あるいは、異なる位置に設けてもよい。
【0011】
また、一対の規制片のうち一方に、その基部側から先端側に向けて先細となるように電線収容溝の底部に向けて斜めに切り欠かれた第1傾斜面を設けるとともに、他方に、電線収容溝の底部とは反対側に向けて第1傾斜面と平行をなすように斜めに切り欠かれた第2傾斜面を設け、第1傾斜面と第2傾斜面との距離を検知電線の径とほぼ等しく設定することもできる。
【0012】
さらに、樹脂プロテクタを連結ユニットを複数個連結することにより構成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検知電線を電線収容溝に簡単に収容することができ、かつ、収容された検知電線が収容溝内からはみ出し難い構成の電池配線モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の電池モジュールの斜視図
【図2】同じく電池配線モジュールの平面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】同じく検知電線を電線収容溝内に収容する際の経過を示す一部拡大断面図
【図5】同じく検知電線が規制片により抜け止めされている状態を示す一部拡大断面図
【図6】本発明の第2実施形態の電池配線モジュールの断面図
【図7】同じく検知電線を電線収容溝内に収容する際の経過を示す一部拡大断面図
【図8】同じく検知電線が規制片により抜け止めされている状態を示す一部拡大断面図
【図9】本発明の他の実施形態の電池配線モジュールの平面図
【図10】同じく他の実施形態の電池配線モジュールの一部拡大平面図
【図11】同じく他の実施形態の電池配線モジュールの一部拡大平面図
【図12】同じく他の実施形態の電池配線モジュールの一部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明を電池モジュール10に適用した実施形態1を、図1ないし図5を参照しつつ説明する。
【0016】
本実施形態に係る電池モジュール10は、電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、車両を駆動するための電源として使用される。電池モジュール10は、正極および負極の電極端子11と、電圧検知用の接続端子12とを備えた複数の単電池13が並べて配された単電池群14を有する。複数の電極端子11間は、電池配線モジュール20によって電気的に接続されている。
【0017】
なお、以下の説明において、複数の同一部材については、一の部材に符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。
(単電池13)
単電池13は扁平な略直方体形状をなし、その内部には図示しない発電要素が収容されている。単電池13の上面には、一対の電極端子11,11と、それらの間に設けられる電圧検知用の接続端子12とが、長手方向に一列に並んで設けられている。単電池13の上面は電極面とされる。電極端子11の一方は正極端子であり、他方は負極端子である。正極端子を構成する電極端子11と、負極端子を構成する電極端子11とは同形、同大である。電極端子11は、金属製の端子台(図示せず)の長手方向の両端部付近に、後述するバスバー40と接続するためのボルトのねじ山と螺合可能なねじ部(図示せず)を備えた孔状に設けられている。また、電圧検知用の接続端子12も、後述する第2の電圧検知端子55と接続するためのボルトのねじ山と螺合可能なねじ部(図示せず)を備えた孔状に設けられている。この接続端子12は、正極および負極の電極端子11より小径とされている。単電池13は、隣り合う電極端子11が異なる極性となるように配置されている。複数の単電池13は図1中左右方向に並べられて単電池群14を構成している。
【0018】
(電池配線モジュール20)
電池配線モジュール20は、隣り合う単電池13の正極および負極の電極端子11に接続される金属製の複数のバスバー40と、バスバー40に重ねられて電気的に接続される第1の電圧検知端子50と、単電池13に設けられた電圧検知用の接続端子12に接続される第2の電圧検知端子55と、バスバー40を保持するバスバー保持部22および第2の電圧検知端子55を保持する検知端子保持部25を有する合成樹脂製の樹脂プロテクタ21と、第1および第2の電圧検知端子50,55に接続される検知電線45と、を備える。
【0019】
(バスバー40)
バスバー40は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等からなる金属製の板材を所定の形状にプレス加工することにより形成され、図1および図2に示すように、全体として略長方形状をなしている。バスバー40の表面には、スズ、ニッケル等の金属がメッキされていてもよい。バスバー40には、電極端子11と接続するためのボルトが挿通される略円形状をなす一対の端子貫通孔41,41が、バスバー40を貫通して形成されている。この端子貫通孔41は、電極端子11の孔径よりも若干大きく設定されている。ボルトが端子貫通孔41内に挿通されるとともにそのねじ山が電極端子11の孔内に螺合されて、ボルトの頭部と端子台との間にバスバー40が挟まれることにより、電極端子11とバスバー40とが電気的に接続される。
【0020】
(樹脂プロテクタ21)
樹脂プロテクタ21は、複数の連結ユニットを連結してなり、図1に示すように、単電池13の並び方向(図1中左右方向)に細長い形状をなしている。樹脂プロテクタ21には、上方に開口すると共に外部と仕切ってバスバー40を保持可能な仕切壁を有する複数のバスバー保持部22が、その長手方向に沿って両端部に並んで設けられている。各バスバー保持部22には、後述する第1の電圧検知端子50のひとつの角部を貫通させる貫通孔22Aと、他の角部を嵌め入れる二つの凹部22Bとが形成されているとともに、第1の電圧検知端子50のバレル部52を保持する溝状のバレル保持部23がバスバー保持部22の長手方向に対して斜め方向に延出形成されている。これにより、第1の電圧検知端子50がバスバー40の並び方向に対して斜めに設置可能とされている。
【0021】
また、両端部に並んだ2列のバスバー保持部22の間には、同じく上方に開口するとともに外部と仕切って第2の電圧検知端子55を保持可能な仕切壁を有する複数の検知端子保持部25が、樹脂プロテクタ21の長手方向に沿って、両側に位置するバスバー保持部22と所定の間隔を隔てて並んで設けられている。さらに、検知端子保持部25とその両側のバスバー保持部22,22との間には、第1の電圧検知端子50および第2の電圧検知端子55に接続される検知電線45を収容するための電線収容溝30,30が、樹脂プロテクタ21の長手方向に沿って検知端子保持部25を挟んで一対設けられている。
【0022】
電線収容溝30は、図3に示すように、一対の溝壁部31A,31Bおよびこれらをつなぐ底部32を有しており、その内部に複数の検知電線45を収容可能としている。一対の溝壁部31A,31Bのうちバスバー保持部22側の溝壁部31Aは、検知端子保持部25側の溝壁部31Bよりも底部32からの立ち上がり高さが高くなるように構成されている。また、このバスバー保持部22側の溝壁部31Aには、バスバー保持部22側から検知電線45を電線収容溝30内に導入するための第1の電線挿通部34が設けられており、上述したバレル保持部23がこの第1の電線挿通部34と連なることにより、バスバー保持部22と電線収容溝30とが連結状態とされている。
【0023】
一方、一対の溝壁部31A,31Bのうち検知端子保持部25側の溝壁部31Bには、検知端子保持部25側から検知電線45を電線収容溝30内に導入するための第2の電線挿通部35が設けられている。この第2の電線挿通部35は、検知端子保持部25から樹脂プロテクタ21の長手方向に沿って形成された溝状のバレル保持部26がL字状に屈曲されて電線収容溝30の溝壁部31Bと垂直に交差する位置に設けられており、これにより、検知端子保持部25と電線収容部30とが連結状態とされている。なお、検知端子保持部25から一対の電線収容溝30,30へのバレル保持部26の屈曲方向(検知電線45の引き出し方向)は、電線収容溝30の長さ方向において互い違いとなるように、ひとつずつ反対側に向けて形成されている。
【0024】
また、電線収容溝30の一対の溝壁部31A,31Bの各上端縁には、電線収容溝30から検知電線45のはみ出しを規制する一対の規制片36,37が、電線収容溝30の長さ方向において同位置に、かつ、電線収容溝30の深さ方向において異なる高さ位置に、互いに対向する溝壁部31B,31Aに向けて突設されている。一対の規制片36,37のうち、バスバー保持部22側の溝壁部31Aに設けられた一方の規制片36は、その先端側が先細となるように電線収容溝30の底部32に向けて斜めに切り欠かれて、第1の傾斜面36Aを形成している。また、検知端子保持部25側の溝壁部31Bに設けられた他方の規制片37は、その先端側が先細となるように電線収容溝30の底部32とは反対側に向けて斜めに切り欠かれて、第2の傾斜面37Aを形成している。これら第1の傾斜面36Aおよび第2の傾斜面37Aは、互いに平行となる角度に設定されている。また、第1および第2の傾斜面36A,37Aの最先端部は、電線収容溝30の深さ方向に沿って切り欠かれた切欠面36B,37Bとされている。また、第1の傾斜面36Aと第2の傾斜面37Aとの距離(図4のL1)は、検知電線45の径とほぼ同等とされており、これにより、第1の傾斜面36Aおよび第2の傾斜面37Aの間が、検知電線45の電線挿入路38とされている。さらに、第1の傾斜面36Aの切欠面36Bを含む面と、第2の傾斜面37Aの切欠面37Bを含む面との間の距離(図5のL2)は、検知電線45の径よりも小さくなるように設定されている。
【0025】
また、電線収容溝30の底部32のうち一対の規制片36,37の真下には、電線逃がし孔39が設けられている。この電線逃がし孔39は、多数の検知電線45が電線収容溝30内に配設されて規制片36,37により押さえ込まれた場合に、検知電線45の一部をその孔内に逃がすことにより、検知電線45が電線収容溝30の開口から外部にはみ出し難くするものである。
【0026】
(電圧検知端子50,55)
樹脂プロテクタ21のバスバー保持部22のうち、バレル保持部23が延出形成されている側には、バスバー40に重ねられて、単電池13の電極電圧を検知するための第1の電圧検知端子50が配される。本実施形態においては、第1電圧検知端子50は略方形状をなしており、その角部のひとつがバスバー保持部22に設けられた貫通孔22Aに差し込まれるとともに、ふたつの角部が凹部22Bに嵌め込まれることにより、バスバー40に対して位置決めされる。また、その中央付近には正極端子または負極端子と接続する際に接続用のボルトが挿通される挿通孔51が形成されており、第1の電圧検知端子50がバスバー40に対して位置決めされた際にはバスバー40の貫通孔41と重なるように設定されている。
【0027】
第1の電圧検知端子50には、検知電線45の端部に接続されるバレル部52が延出形成されており、バレル部52が検知電線45の芯線に巻き付くようにかしめられることにより、第1の電圧検知端子50と検知電線45とが電気的に接続される。検知電線45は、図示しないECU等に接続される。このECU等により、単電池10の電極電圧が検知される。
【0028】
また、樹脂プロテクタ21の検知端子保持部25には、単電池13の内部電圧を検知するための第2の電圧検知端子55が配される。本実施形態の第2の電圧検知端子55は、上述した第1の電圧検知端子50より小型の略方形状をなしており、上記と同様に、その中央付近に単電池13の接続端子12と接続する際に接続用のボルトが挿通される挿通孔56を有し、端部に検知電線45の端部に接続されるバレル部57が延出形成されている。
【0029】
これらの電圧検知端子50,55は、銅、銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。電圧検知端子50,55の表面は、スズ、ニッケル等の金属によってメッキされていてもよい。
【0030】
(電池配線モジュール20の組立方法)
上述した本実施形態の電池配線モジュール20を組み立てる際には、まず、バスバー40を樹脂プロテクタ21のバスバー保持部22内に収容する。
【0031】
次に、第1の電圧検知端子50を樹脂プロテクタ21に取り付ける。具体的には、電圧検知端子50のバレル部52を検知電線45にかしめ付けた状態とし、樹脂プロテクタ21のバスバー保持部22内の所定位置に第1の電圧検知端子50を上方から収容して、バスバー40に重ね合わせる。そして、電圧検知端子50のバレル部52を樹脂プロテクタ21のバレル保持部23内に保持させ、検知電線45を電線挿通部34から電線収容溝30内に導入する。
【0032】
このように電線収容溝30内に導入された検知電線45は、電線収容溝30に沿って電池配線モジュール20の端部まで配設されるのであるが、一対の規制片36,37が形成された位置においては、検知電線45は一対の規制片36,37の間から電線収容溝30内に押し込まれる。この際、図4に示すように、一対の規制片36,37の第1および第2の傾斜面36A,37A間の距離L1は、検知電線45の径とほぼ同等とされているので、検知電線45は規制片36,37の各傾斜面36A,37Aに沿った斜め上の方から一対の規制片36,37の間に押し込まれることにより、傾斜面36A,37Aに案内されつつ電線収容溝30内にスムーズに進入する。
【0033】
一方、一旦電線収容溝30内に収容された検知電線45に対して電線収容溝30内から抜け出る方向の力が作用した場合、本実施形態の電池配線モジュール20によれば、検知電線45は電線収容溝30から簡単に抜け出ないように設定されている。すなわち、図5に示すように、検知電線45が電線収容溝30内から抜け出る方向、一般的には電線収容溝30の深さ方向(図5中上方)に引っ張られた場合、検知電線45は、一対の規制片36,37のうち下方に位置する検知端子保持部25側の規制片37の先端部の切欠面37Bに沿って上方へ進もうとするが、検知電線45の上面付近が上方に位置するバスバー保持部22側の規制片36の第1の傾斜面36Aに突き当たり、そのまま真っ直ぐ上には抜け出ない構成となっている。検知電線45が電線収容溝30から抜け出るためには、まず、検知電線45は電線収容溝30の深さ方向上側に進んで規制片36の第1傾斜面36Aに当接し、その後進む方向を第1および第2の傾斜面36A,37Aに沿う方向に変化させて一対の規制片36,37の間を通過しなければならず、このような2段階の作用が電池モジュール20の輸送中や組立中に偶然に起こる可能性は低いので、検知電線45の電線収容溝30からのはみ出しは抑制される。
【0034】
このように、第1の電圧検知端子50およびこれに接続された検知電線45を所定の位置に配設したら、次に、第2の電圧検知端子55を検知端子保持部25に設置し、これに接続された検知電線45を上記と同様に電線収容溝30内に配設する。この場合も、検知電線45を一対の規制片36,37の間に斜め上の方向から近づけ、第1および第2の傾斜面36A,37Aに沿って押し込むことにより、電線収容溝30内に簡単に配設することができる。
【0035】
このようにして組み立てられた本実施形態の電池配線モジュール20は、孔状の電極端子11および接続端子12を上に向けた状態で並べられた単電池群14の上面側に取り付けられる。すなわち、電池配線モジュール20を単電池群14の上側に載置し、接続用のボルト(図示せず)を第1の電圧検知端子50の挿通孔51およびバスバー40の貫通孔41に挿通させるとともに、同じく接続用のボルト(図示せず)を第2の電圧検知端子55の挿通孔56に挿通させて、隣り合う正極および負極の電極端子11、電極端子11と第1の電圧検知端子50、および、接続端子12と第2の電圧検知端子55とを電気的に接続する。これにより、電池モジュール10が完成する。
【0036】
<第2実施形態>
以下、本発明を電池モジュール10に適用した第2実施形態を、図6ないし図8を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様の部分においては同符号を付し、説明を省略する。
本実施形態においては、図6に示すように、樹脂プロテクタ21に設けられる電線収容溝60の一対の溝壁部61A,61Bの高さが等しく形成されているとともに、一対の規制片66,67が上記第1実施形態と異なる形態とされている。本実施形態の一対の規制片66,67は、電線収容溝60の長さ方向において同位置に、かつ、電線収容溝60の深さ方向においても同じ高さ位置に、互いに対向する溝壁部61B,61Aに向けて突設されている。
【0037】
一対の規制片66,67のうち、バスバー保持部22側の溝壁部61Aに設けられた一方の規制片66は、その先端側が先細となるように電線収容溝60の底部32に向けて斜めに切り欠かれて、第1の傾斜面66Aを形成している。また、電圧検知端子保持部25側の溝壁部61Bに設けられた他方の規制片67は、その先端側が先細となるように電線収容溝60の底部62とは反対側に向けて斜めに切り欠かれて、第2の傾斜面67Aを形成している。これら第1の傾斜面66Aおよび第2の傾斜面67Aは、互いにその面が平行となる角度に設定されている。また、第1の傾斜面66Aと第2の傾斜面67Aとの距離(図7のL3)は、検知電線45の径とほぼ同等とされている。さらに、電線収容溝60の幅方向における一対の規制片66,67の先端部間の平面距離(図8のL4)は、検知電線45の径よりも小さくなるように設定されている。
【0038】
上述した本実施形態の電池配線モジュール20を組み立てる際には、一対の溝壁部61A,61Bの電線挿通部(図示せず)から電線収容溝60内に導入された検知電線45は、電線収容溝60に沿って電池配線モジュール20の端部まで配設されるのであるが、一対の規制片66,67が形成された位置においては、検知電線45は一対の規制片66,67の間から電線収容溝60内に押し込まれる。この際、一対の規制片66,67の第1の傾斜面66Aおよび第2の傾斜面67A間の距離は、検知電線45の径とほぼ同等とされているので、図7に示すように、検知電線45は規制片66,67の各傾斜面66A,67Aに沿った斜め上の方から一対の規制片66,67の間に押し込まれることにより、傾斜面66A,67Aに案内されつつ電線挿入路68を通って電線収容溝60内にスムーズに進入する。
【0039】
一方、一旦電線収容溝60内に配設された検知電線45に対して電線収容溝60内から抜け出る方向の力が作用した場合、本実施形態の電池配線モジュール20においても、検知電線45は電線収容溝60から簡単に抜け出ないように設定されている。すなわち、図8に示すように、検知電線45が電線収容溝60内から抜け出る方向、換言すれば、電線収容溝60の深さ方向(図8中上方)に引っ張られた場合でも、検知電線45は、その上面付近が規制片66の第1の傾斜面66Aに突き当たり、そのまま真っ直ぐ上には引き出せない構成となっている。よって、検知電線45が電線収容溝60から簡単にはみ出すことはない。
【0040】
このように、本実施形態の電池配線モジュール20においても、検知電線45を電線収容溝60内に収容する作業を簡単に行うことができるとともに、一旦収容した検知電線45は電線収容溝60内からはみ出し難い構成とされている。
【0041】
(実施形態の作用、効果)
上述した第1実施形態および第2実施形態の電池配線モジュールによれば、検知電線45を電線収容溝30内に収容する際には、電線収容溝30の深さ方向に対して斜め(深さ方向と交差する方向)に設定されている電線挿入路38、68に沿って一対の規制片36,37間あるいは66,67間に検知電線45を押し込むだけであるから、検知電線45の電線収容溝30、60に対する収容作業を簡単に行うことができる。
【0042】
また、一旦電線収容溝30,60内に収容された検知電線45は、電線収容溝30,60の深さ方向に引き抜かれる力が作用した場合でも、電線挿入路38,68がその深さ方向に対して斜め(深さ方向と交差する方向)に設定されているから、簡単に抜け出ることはない。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0043】
(1)上記第1実施形態では、一対の規制片を電線収容溝の深さ方向において異なる高さ位置に、かつ、電線収容溝の長さ方向において同位置に設ける構成とし、上記第2実施形態では、一対の規制片を電線収容溝の深さ方向において同じ高さ位置に、かつ、電線収容溝の長さ方向において同位置に設ける構成としたが、これに限らず、例えば図9に示すように、一対の規制片76,77を電線収容溝60の長さ方向において異なる位置に設ける構成としてもよい。また、このような場合でも、深さ方向において同じ高さ位置に設けても、異なる高さ位置に設けてもよい。
【0044】
(2)また、上記他の実施形態(1)において、上記第1実施形態および第2実施形態と同様に、一対の規制片76,77にその基部側から先端側に向けて先細となるような傾斜面を設ける場合、それらの傾斜面を含む一対の面の間の距離は検知電線45と同等とする必要はなく、検知電線45の径より短い距離であっても、一対の規制片76,77の間に検知電線45の通過が許容される距離であればよい。
【0045】
(3)上記実施形態では、一対の規制片の両方にその基部側から先端側に向けて先細となるように傾斜面を設ける構成としたが、傾斜面は一方だけに設けてもよく、また必ずしも必要ではない。また、傾斜面の代わりに例えば階段状の段差を形成してもよく、要は、電線収容溝への電線挿入路が電線収容溝の深さ方向と交差する方向になる構成であれば、どのような形態でもよい。
【0046】
(4)上記実施形態では、電線収容溝の幅方向において、一対の規制片の先端部間を隔ててその間に距離を設ける(図5のL2および図8のL4)構成としたが、必ずしも隔てる必要はなく、例えば図10や図11に示すように、幅方向において一対の規制片の先端部が重なったり、突き当たる構成としてもよく、要は、一対の規制片の電線収容溝の深さ方向における高さ位置や長さ方向における位置をずらすことにより、深さ方向に対して交差する方向の電線挿入路が確保できる構成であれば、どのような構成でもよい。例えば図12に示すように、電線挿入路98を電線収容溝90の深さ方向と直行する方向に設けて、図12における横方向に検知電線を押し込む構成とすることもできる。
【0047】
(5)上記実施形態では、一対の規制片を電線収容溝の深さ方向と直行する方向に溝壁部に突設する構成としたが、これに限らず、例えば電線収容溝の深さ方向に対して角度をつけて設ける構成としてもよく、要は、電線挿入路が電線収容溝の深さ方向に対して傾いて設けられる構成であればどのような構成でもよい。
【0048】
(6)検知電線は必ずしも電圧を検知するための電線でなくてもよく、例えば温度センサに接続される温度検知用の電線であってもよい。
【0049】
(7)電線収容溝の底部に設けた逃がし孔は必ずしも設けなくてもよい。
【0050】
(8)本実施形態においては、複数の単電池13は直列に接続される構成としたが、これに限られず、複数の単電池群13は並列に接続される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…電池モジュール
11…電極端子
12…接続端子
13…単電池
14…単電池群
20…電池配線モジュール
21…樹脂プロテクタ
30,60,70,90…電線収容溝
31,61、91…溝壁部
32,62…底部
36,37,66,67、76,77,86,87,96,97…規制片
36A,66A…第1の傾斜面
37A,67A…第2の傾斜面
38,68,98…電線挿入路
40…バスバー
45…検知電線
50…第1の電圧検知端子
55…第2の電圧検知端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールにおいては、正極および負極の電極端子を有する複数の単電池が並んで配置されている。このような電池モジュールにおいては、正極の電極端子(正極端子)および負極の電極端子(負極端子)が接続部材によって接続されることにより、複数の単電池が電気的に接続されるようになっている。
【0003】
複数の単電池を電気的に接続するために、例えば特許文献1に記載されているような電池配線モジュールが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−65863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の電池モジュールにおいては、各単電池の状態が検知されるようになっている。その一例として、バスバー(接続部材)に各単電池の端子電圧を測定するための電圧検知電線を個々に接続し、電池配線モジュールの外に導出して、例えばECU等により電圧検知を行う構成が知られている。このような構成では、複数の検知電線を合成樹脂製の基板部に設けられた電線収容部内に簡単に収容すること、かつ、収容された検知電線が例えば単電池群への電池配線モジュールの組み付け作業時等に抜け出ることがないように保持させることが求められている。検知電線の抜け防止のためには、従来、電線収容部にインシュロックやヒンジ付きの蓋等を取り付ける構成が提案されているが、このような仕様はコストの増加や作業工数の増加につながり、その構成には未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、単電池の状態を検知するための検知電線を電線収容部に簡単に収容でき、かつ、収容された検知電線が収容部内からはみ出し難い構成の電池配線モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明は、単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる電池配線モジュールであって、樹脂プロテクタに設けた電線収容溝に前記単電池の状態を検出する検知電線を納めてなり、前記電線収容溝を構成する一対の溝壁部の一方から他方の溝壁部側に向けて互いに先端に空隙を隔てて突設することで前記検知電線の電線挿入路を形成しつつ前記検知電線の前記電線収容溝からのはみ出しを規制する一対の規制片を備えたものにおいて、前記一対の規制片間に形成される前記検知電線の前記電線収容溝への前記電線挿入路が前記電線収容溝の深さ方向と交差する方向に設定されているところに特徴を有する。
【0008】
本発明によれば、検知電線を電線収容溝内に収容する際には、一対の規制片間に形成された電線挿入路内に検知電線を単に押し込むだけであるから、検知電線の電線収容溝への収容作業を簡単に行うことができる。一方、電線収容溝内に収容された検知電線に対して電線収容溝から抜け出る方向の力が作用する場合があり、そのような力はほとんどの場合電線収容溝の深さ方向に沿って作用するのであるが、本発明の電池配線モジュールによれば、検知電線の通過が許容されている電線挿入路は電線収容溝の深さ方向と交差する方向に設定されているため、検知電線が電線収容溝から簡単に抜け出すことがない。
【0009】
上記一対の規制片は、電線収容溝の深さ方向においてほぼ同等の高さ位置に設けてもよいし、あるいは、異なる高さ位置に設けてもよい。
【0010】
また、上記一対の規制片は、電線収容溝の長さ方向において同位置に設けてもよいし、あるいは、異なる位置に設けてもよい。
【0011】
また、一対の規制片のうち一方に、その基部側から先端側に向けて先細となるように電線収容溝の底部に向けて斜めに切り欠かれた第1傾斜面を設けるとともに、他方に、電線収容溝の底部とは反対側に向けて第1傾斜面と平行をなすように斜めに切り欠かれた第2傾斜面を設け、第1傾斜面と第2傾斜面との距離を検知電線の径とほぼ等しく設定することもできる。
【0012】
さらに、樹脂プロテクタを連結ユニットを複数個連結することにより構成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検知電線を電線収容溝に簡単に収容することができ、かつ、収容された検知電線が収容溝内からはみ出し難い構成の電池配線モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の電池モジュールの斜視図
【図2】同じく電池配線モジュールの平面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】同じく検知電線を電線収容溝内に収容する際の経過を示す一部拡大断面図
【図5】同じく検知電線が規制片により抜け止めされている状態を示す一部拡大断面図
【図6】本発明の第2実施形態の電池配線モジュールの断面図
【図7】同じく検知電線を電線収容溝内に収容する際の経過を示す一部拡大断面図
【図8】同じく検知電線が規制片により抜け止めされている状態を示す一部拡大断面図
【図9】本発明の他の実施形態の電池配線モジュールの平面図
【図10】同じく他の実施形態の電池配線モジュールの一部拡大平面図
【図11】同じく他の実施形態の電池配線モジュールの一部拡大平面図
【図12】同じく他の実施形態の電池配線モジュールの一部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明を電池モジュール10に適用した実施形態1を、図1ないし図5を参照しつつ説明する。
【0016】
本実施形態に係る電池モジュール10は、電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、車両を駆動するための電源として使用される。電池モジュール10は、正極および負極の電極端子11と、電圧検知用の接続端子12とを備えた複数の単電池13が並べて配された単電池群14を有する。複数の電極端子11間は、電池配線モジュール20によって電気的に接続されている。
【0017】
なお、以下の説明において、複数の同一部材については、一の部材に符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。
(単電池13)
単電池13は扁平な略直方体形状をなし、その内部には図示しない発電要素が収容されている。単電池13の上面には、一対の電極端子11,11と、それらの間に設けられる電圧検知用の接続端子12とが、長手方向に一列に並んで設けられている。単電池13の上面は電極面とされる。電極端子11の一方は正極端子であり、他方は負極端子である。正極端子を構成する電極端子11と、負極端子を構成する電極端子11とは同形、同大である。電極端子11は、金属製の端子台(図示せず)の長手方向の両端部付近に、後述するバスバー40と接続するためのボルトのねじ山と螺合可能なねじ部(図示せず)を備えた孔状に設けられている。また、電圧検知用の接続端子12も、後述する第2の電圧検知端子55と接続するためのボルトのねじ山と螺合可能なねじ部(図示せず)を備えた孔状に設けられている。この接続端子12は、正極および負極の電極端子11より小径とされている。単電池13は、隣り合う電極端子11が異なる極性となるように配置されている。複数の単電池13は図1中左右方向に並べられて単電池群14を構成している。
【0018】
(電池配線モジュール20)
電池配線モジュール20は、隣り合う単電池13の正極および負極の電極端子11に接続される金属製の複数のバスバー40と、バスバー40に重ねられて電気的に接続される第1の電圧検知端子50と、単電池13に設けられた電圧検知用の接続端子12に接続される第2の電圧検知端子55と、バスバー40を保持するバスバー保持部22および第2の電圧検知端子55を保持する検知端子保持部25を有する合成樹脂製の樹脂プロテクタ21と、第1および第2の電圧検知端子50,55に接続される検知電線45と、を備える。
【0019】
(バスバー40)
バスバー40は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等からなる金属製の板材を所定の形状にプレス加工することにより形成され、図1および図2に示すように、全体として略長方形状をなしている。バスバー40の表面には、スズ、ニッケル等の金属がメッキされていてもよい。バスバー40には、電極端子11と接続するためのボルトが挿通される略円形状をなす一対の端子貫通孔41,41が、バスバー40を貫通して形成されている。この端子貫通孔41は、電極端子11の孔径よりも若干大きく設定されている。ボルトが端子貫通孔41内に挿通されるとともにそのねじ山が電極端子11の孔内に螺合されて、ボルトの頭部と端子台との間にバスバー40が挟まれることにより、電極端子11とバスバー40とが電気的に接続される。
【0020】
(樹脂プロテクタ21)
樹脂プロテクタ21は、複数の連結ユニットを連結してなり、図1に示すように、単電池13の並び方向(図1中左右方向)に細長い形状をなしている。樹脂プロテクタ21には、上方に開口すると共に外部と仕切ってバスバー40を保持可能な仕切壁を有する複数のバスバー保持部22が、その長手方向に沿って両端部に並んで設けられている。各バスバー保持部22には、後述する第1の電圧検知端子50のひとつの角部を貫通させる貫通孔22Aと、他の角部を嵌め入れる二つの凹部22Bとが形成されているとともに、第1の電圧検知端子50のバレル部52を保持する溝状のバレル保持部23がバスバー保持部22の長手方向に対して斜め方向に延出形成されている。これにより、第1の電圧検知端子50がバスバー40の並び方向に対して斜めに設置可能とされている。
【0021】
また、両端部に並んだ2列のバスバー保持部22の間には、同じく上方に開口するとともに外部と仕切って第2の電圧検知端子55を保持可能な仕切壁を有する複数の検知端子保持部25が、樹脂プロテクタ21の長手方向に沿って、両側に位置するバスバー保持部22と所定の間隔を隔てて並んで設けられている。さらに、検知端子保持部25とその両側のバスバー保持部22,22との間には、第1の電圧検知端子50および第2の電圧検知端子55に接続される検知電線45を収容するための電線収容溝30,30が、樹脂プロテクタ21の長手方向に沿って検知端子保持部25を挟んで一対設けられている。
【0022】
電線収容溝30は、図3に示すように、一対の溝壁部31A,31Bおよびこれらをつなぐ底部32を有しており、その内部に複数の検知電線45を収容可能としている。一対の溝壁部31A,31Bのうちバスバー保持部22側の溝壁部31Aは、検知端子保持部25側の溝壁部31Bよりも底部32からの立ち上がり高さが高くなるように構成されている。また、このバスバー保持部22側の溝壁部31Aには、バスバー保持部22側から検知電線45を電線収容溝30内に導入するための第1の電線挿通部34が設けられており、上述したバレル保持部23がこの第1の電線挿通部34と連なることにより、バスバー保持部22と電線収容溝30とが連結状態とされている。
【0023】
一方、一対の溝壁部31A,31Bのうち検知端子保持部25側の溝壁部31Bには、検知端子保持部25側から検知電線45を電線収容溝30内に導入するための第2の電線挿通部35が設けられている。この第2の電線挿通部35は、検知端子保持部25から樹脂プロテクタ21の長手方向に沿って形成された溝状のバレル保持部26がL字状に屈曲されて電線収容溝30の溝壁部31Bと垂直に交差する位置に設けられており、これにより、検知端子保持部25と電線収容部30とが連結状態とされている。なお、検知端子保持部25から一対の電線収容溝30,30へのバレル保持部26の屈曲方向(検知電線45の引き出し方向)は、電線収容溝30の長さ方向において互い違いとなるように、ひとつずつ反対側に向けて形成されている。
【0024】
また、電線収容溝30の一対の溝壁部31A,31Bの各上端縁には、電線収容溝30から検知電線45のはみ出しを規制する一対の規制片36,37が、電線収容溝30の長さ方向において同位置に、かつ、電線収容溝30の深さ方向において異なる高さ位置に、互いに対向する溝壁部31B,31Aに向けて突設されている。一対の規制片36,37のうち、バスバー保持部22側の溝壁部31Aに設けられた一方の規制片36は、その先端側が先細となるように電線収容溝30の底部32に向けて斜めに切り欠かれて、第1の傾斜面36Aを形成している。また、検知端子保持部25側の溝壁部31Bに設けられた他方の規制片37は、その先端側が先細となるように電線収容溝30の底部32とは反対側に向けて斜めに切り欠かれて、第2の傾斜面37Aを形成している。これら第1の傾斜面36Aおよび第2の傾斜面37Aは、互いに平行となる角度に設定されている。また、第1および第2の傾斜面36A,37Aの最先端部は、電線収容溝30の深さ方向に沿って切り欠かれた切欠面36B,37Bとされている。また、第1の傾斜面36Aと第2の傾斜面37Aとの距離(図4のL1)は、検知電線45の径とほぼ同等とされており、これにより、第1の傾斜面36Aおよび第2の傾斜面37Aの間が、検知電線45の電線挿入路38とされている。さらに、第1の傾斜面36Aの切欠面36Bを含む面と、第2の傾斜面37Aの切欠面37Bを含む面との間の距離(図5のL2)は、検知電線45の径よりも小さくなるように設定されている。
【0025】
また、電線収容溝30の底部32のうち一対の規制片36,37の真下には、電線逃がし孔39が設けられている。この電線逃がし孔39は、多数の検知電線45が電線収容溝30内に配設されて規制片36,37により押さえ込まれた場合に、検知電線45の一部をその孔内に逃がすことにより、検知電線45が電線収容溝30の開口から外部にはみ出し難くするものである。
【0026】
(電圧検知端子50,55)
樹脂プロテクタ21のバスバー保持部22のうち、バレル保持部23が延出形成されている側には、バスバー40に重ねられて、単電池13の電極電圧を検知するための第1の電圧検知端子50が配される。本実施形態においては、第1電圧検知端子50は略方形状をなしており、その角部のひとつがバスバー保持部22に設けられた貫通孔22Aに差し込まれるとともに、ふたつの角部が凹部22Bに嵌め込まれることにより、バスバー40に対して位置決めされる。また、その中央付近には正極端子または負極端子と接続する際に接続用のボルトが挿通される挿通孔51が形成されており、第1の電圧検知端子50がバスバー40に対して位置決めされた際にはバスバー40の貫通孔41と重なるように設定されている。
【0027】
第1の電圧検知端子50には、検知電線45の端部に接続されるバレル部52が延出形成されており、バレル部52が検知電線45の芯線に巻き付くようにかしめられることにより、第1の電圧検知端子50と検知電線45とが電気的に接続される。検知電線45は、図示しないECU等に接続される。このECU等により、単電池10の電極電圧が検知される。
【0028】
また、樹脂プロテクタ21の検知端子保持部25には、単電池13の内部電圧を検知するための第2の電圧検知端子55が配される。本実施形態の第2の電圧検知端子55は、上述した第1の電圧検知端子50より小型の略方形状をなしており、上記と同様に、その中央付近に単電池13の接続端子12と接続する際に接続用のボルトが挿通される挿通孔56を有し、端部に検知電線45の端部に接続されるバレル部57が延出形成されている。
【0029】
これらの電圧検知端子50,55は、銅、銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。電圧検知端子50,55の表面は、スズ、ニッケル等の金属によってメッキされていてもよい。
【0030】
(電池配線モジュール20の組立方法)
上述した本実施形態の電池配線モジュール20を組み立てる際には、まず、バスバー40を樹脂プロテクタ21のバスバー保持部22内に収容する。
【0031】
次に、第1の電圧検知端子50を樹脂プロテクタ21に取り付ける。具体的には、電圧検知端子50のバレル部52を検知電線45にかしめ付けた状態とし、樹脂プロテクタ21のバスバー保持部22内の所定位置に第1の電圧検知端子50を上方から収容して、バスバー40に重ね合わせる。そして、電圧検知端子50のバレル部52を樹脂プロテクタ21のバレル保持部23内に保持させ、検知電線45を電線挿通部34から電線収容溝30内に導入する。
【0032】
このように電線収容溝30内に導入された検知電線45は、電線収容溝30に沿って電池配線モジュール20の端部まで配設されるのであるが、一対の規制片36,37が形成された位置においては、検知電線45は一対の規制片36,37の間から電線収容溝30内に押し込まれる。この際、図4に示すように、一対の規制片36,37の第1および第2の傾斜面36A,37A間の距離L1は、検知電線45の径とほぼ同等とされているので、検知電線45は規制片36,37の各傾斜面36A,37Aに沿った斜め上の方から一対の規制片36,37の間に押し込まれることにより、傾斜面36A,37Aに案内されつつ電線収容溝30内にスムーズに進入する。
【0033】
一方、一旦電線収容溝30内に収容された検知電線45に対して電線収容溝30内から抜け出る方向の力が作用した場合、本実施形態の電池配線モジュール20によれば、検知電線45は電線収容溝30から簡単に抜け出ないように設定されている。すなわち、図5に示すように、検知電線45が電線収容溝30内から抜け出る方向、一般的には電線収容溝30の深さ方向(図5中上方)に引っ張られた場合、検知電線45は、一対の規制片36,37のうち下方に位置する検知端子保持部25側の規制片37の先端部の切欠面37Bに沿って上方へ進もうとするが、検知電線45の上面付近が上方に位置するバスバー保持部22側の規制片36の第1の傾斜面36Aに突き当たり、そのまま真っ直ぐ上には抜け出ない構成となっている。検知電線45が電線収容溝30から抜け出るためには、まず、検知電線45は電線収容溝30の深さ方向上側に進んで規制片36の第1傾斜面36Aに当接し、その後進む方向を第1および第2の傾斜面36A,37Aに沿う方向に変化させて一対の規制片36,37の間を通過しなければならず、このような2段階の作用が電池モジュール20の輸送中や組立中に偶然に起こる可能性は低いので、検知電線45の電線収容溝30からのはみ出しは抑制される。
【0034】
このように、第1の電圧検知端子50およびこれに接続された検知電線45を所定の位置に配設したら、次に、第2の電圧検知端子55を検知端子保持部25に設置し、これに接続された検知電線45を上記と同様に電線収容溝30内に配設する。この場合も、検知電線45を一対の規制片36,37の間に斜め上の方向から近づけ、第1および第2の傾斜面36A,37Aに沿って押し込むことにより、電線収容溝30内に簡単に配設することができる。
【0035】
このようにして組み立てられた本実施形態の電池配線モジュール20は、孔状の電極端子11および接続端子12を上に向けた状態で並べられた単電池群14の上面側に取り付けられる。すなわち、電池配線モジュール20を単電池群14の上側に載置し、接続用のボルト(図示せず)を第1の電圧検知端子50の挿通孔51およびバスバー40の貫通孔41に挿通させるとともに、同じく接続用のボルト(図示せず)を第2の電圧検知端子55の挿通孔56に挿通させて、隣り合う正極および負極の電極端子11、電極端子11と第1の電圧検知端子50、および、接続端子12と第2の電圧検知端子55とを電気的に接続する。これにより、電池モジュール10が完成する。
【0036】
<第2実施形態>
以下、本発明を電池モジュール10に適用した第2実施形態を、図6ないし図8を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様の部分においては同符号を付し、説明を省略する。
本実施形態においては、図6に示すように、樹脂プロテクタ21に設けられる電線収容溝60の一対の溝壁部61A,61Bの高さが等しく形成されているとともに、一対の規制片66,67が上記第1実施形態と異なる形態とされている。本実施形態の一対の規制片66,67は、電線収容溝60の長さ方向において同位置に、かつ、電線収容溝60の深さ方向においても同じ高さ位置に、互いに対向する溝壁部61B,61Aに向けて突設されている。
【0037】
一対の規制片66,67のうち、バスバー保持部22側の溝壁部61Aに設けられた一方の規制片66は、その先端側が先細となるように電線収容溝60の底部32に向けて斜めに切り欠かれて、第1の傾斜面66Aを形成している。また、電圧検知端子保持部25側の溝壁部61Bに設けられた他方の規制片67は、その先端側が先細となるように電線収容溝60の底部62とは反対側に向けて斜めに切り欠かれて、第2の傾斜面67Aを形成している。これら第1の傾斜面66Aおよび第2の傾斜面67Aは、互いにその面が平行となる角度に設定されている。また、第1の傾斜面66Aと第2の傾斜面67Aとの距離(図7のL3)は、検知電線45の径とほぼ同等とされている。さらに、電線収容溝60の幅方向における一対の規制片66,67の先端部間の平面距離(図8のL4)は、検知電線45の径よりも小さくなるように設定されている。
【0038】
上述した本実施形態の電池配線モジュール20を組み立てる際には、一対の溝壁部61A,61Bの電線挿通部(図示せず)から電線収容溝60内に導入された検知電線45は、電線収容溝60に沿って電池配線モジュール20の端部まで配設されるのであるが、一対の規制片66,67が形成された位置においては、検知電線45は一対の規制片66,67の間から電線収容溝60内に押し込まれる。この際、一対の規制片66,67の第1の傾斜面66Aおよび第2の傾斜面67A間の距離は、検知電線45の径とほぼ同等とされているので、図7に示すように、検知電線45は規制片66,67の各傾斜面66A,67Aに沿った斜め上の方から一対の規制片66,67の間に押し込まれることにより、傾斜面66A,67Aに案内されつつ電線挿入路68を通って電線収容溝60内にスムーズに進入する。
【0039】
一方、一旦電線収容溝60内に配設された検知電線45に対して電線収容溝60内から抜け出る方向の力が作用した場合、本実施形態の電池配線モジュール20においても、検知電線45は電線収容溝60から簡単に抜け出ないように設定されている。すなわち、図8に示すように、検知電線45が電線収容溝60内から抜け出る方向、換言すれば、電線収容溝60の深さ方向(図8中上方)に引っ張られた場合でも、検知電線45は、その上面付近が規制片66の第1の傾斜面66Aに突き当たり、そのまま真っ直ぐ上には引き出せない構成となっている。よって、検知電線45が電線収容溝60から簡単にはみ出すことはない。
【0040】
このように、本実施形態の電池配線モジュール20においても、検知電線45を電線収容溝60内に収容する作業を簡単に行うことができるとともに、一旦収容した検知電線45は電線収容溝60内からはみ出し難い構成とされている。
【0041】
(実施形態の作用、効果)
上述した第1実施形態および第2実施形態の電池配線モジュールによれば、検知電線45を電線収容溝30内に収容する際には、電線収容溝30の深さ方向に対して斜め(深さ方向と交差する方向)に設定されている電線挿入路38、68に沿って一対の規制片36,37間あるいは66,67間に検知電線45を押し込むだけであるから、検知電線45の電線収容溝30、60に対する収容作業を簡単に行うことができる。
【0042】
また、一旦電線収容溝30,60内に収容された検知電線45は、電線収容溝30,60の深さ方向に引き抜かれる力が作用した場合でも、電線挿入路38,68がその深さ方向に対して斜め(深さ方向と交差する方向)に設定されているから、簡単に抜け出ることはない。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0043】
(1)上記第1実施形態では、一対の規制片を電線収容溝の深さ方向において異なる高さ位置に、かつ、電線収容溝の長さ方向において同位置に設ける構成とし、上記第2実施形態では、一対の規制片を電線収容溝の深さ方向において同じ高さ位置に、かつ、電線収容溝の長さ方向において同位置に設ける構成としたが、これに限らず、例えば図9に示すように、一対の規制片76,77を電線収容溝60の長さ方向において異なる位置に設ける構成としてもよい。また、このような場合でも、深さ方向において同じ高さ位置に設けても、異なる高さ位置に設けてもよい。
【0044】
(2)また、上記他の実施形態(1)において、上記第1実施形態および第2実施形態と同様に、一対の規制片76,77にその基部側から先端側に向けて先細となるような傾斜面を設ける場合、それらの傾斜面を含む一対の面の間の距離は検知電線45と同等とする必要はなく、検知電線45の径より短い距離であっても、一対の規制片76,77の間に検知電線45の通過が許容される距離であればよい。
【0045】
(3)上記実施形態では、一対の規制片の両方にその基部側から先端側に向けて先細となるように傾斜面を設ける構成としたが、傾斜面は一方だけに設けてもよく、また必ずしも必要ではない。また、傾斜面の代わりに例えば階段状の段差を形成してもよく、要は、電線収容溝への電線挿入路が電線収容溝の深さ方向と交差する方向になる構成であれば、どのような形態でもよい。
【0046】
(4)上記実施形態では、電線収容溝の幅方向において、一対の規制片の先端部間を隔ててその間に距離を設ける(図5のL2および図8のL4)構成としたが、必ずしも隔てる必要はなく、例えば図10や図11に示すように、幅方向において一対の規制片の先端部が重なったり、突き当たる構成としてもよく、要は、一対の規制片の電線収容溝の深さ方向における高さ位置や長さ方向における位置をずらすことにより、深さ方向に対して交差する方向の電線挿入路が確保できる構成であれば、どのような構成でもよい。例えば図12に示すように、電線挿入路98を電線収容溝90の深さ方向と直行する方向に設けて、図12における横方向に検知電線を押し込む構成とすることもできる。
【0047】
(5)上記実施形態では、一対の規制片を電線収容溝の深さ方向と直行する方向に溝壁部に突設する構成としたが、これに限らず、例えば電線収容溝の深さ方向に対して角度をつけて設ける構成としてもよく、要は、電線挿入路が電線収容溝の深さ方向に対して傾いて設けられる構成であればどのような構成でもよい。
【0048】
(6)検知電線は必ずしも電圧を検知するための電線でなくてもよく、例えば温度センサに接続される温度検知用の電線であってもよい。
【0049】
(7)電線収容溝の底部に設けた逃がし孔は必ずしも設けなくてもよい。
【0050】
(8)本実施形態においては、複数の単電池13は直列に接続される構成としたが、これに限られず、複数の単電池群13は並列に接続される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…電池モジュール
11…電極端子
12…接続端子
13…単電池
14…単電池群
20…電池配線モジュール
21…樹脂プロテクタ
30,60,70,90…電線収容溝
31,61、91…溝壁部
32,62…底部
36,37,66,67、76,77,86,87,96,97…規制片
36A,66A…第1の傾斜面
37A,67A…第2の傾斜面
38,68,98…電線挿入路
40…バスバー
45…検知電線
50…第1の電圧検知端子
55…第2の電圧検知端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる電池配線モジュールであって、樹脂プロテクタに設けた電線収容溝に前記単電池の状態を検出する検知電線を納めてなり、前記電線収容溝を構成する一対の溝壁部の一方から他方の溝壁部側に向けて互いに先端に空隙を隔てて突設することで前記検知電線の電線挿入路を形成しつつ前記検知電線の前記電線収容溝からのはみ出しを規制する一対の規制片を備えたものにおいて、
前記一対の規制片間に形成される前記検知電線の前記電線収容溝への前記電線挿入路が前記電線収容溝の深さ方向と交差する方向に設定されていることを特徴とする電池配線モジュール。
【請求項2】
前記一対の規制片は、前記電線収容溝の深さ方向においてほぼ同等の高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池配線モジュール。
【請求項3】
前記一対の規制片は、前記電線収容溝の深さ方向において異なる高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池配線モジュール。
【請求項4】
前記一対の規制片は、前記電線収容溝の長さ方向において同位置に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電池配線モジュール。
【請求項5】
前記一対の規制片は、前記電線収容溝の長さ方向において異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電池配線モジュール。
【請求項6】
前記一対の規制片のうち一方には、その基部側から先端側に向けて先細となるように前記電線収容溝の底部に向けて斜めに切り欠かれた第1傾斜面が設けられているとともに、他方には、前記電線収容溝の底部とは反対側に向けて前記第1傾斜面と平行をなすように斜めに切り欠かれた第2傾斜面が設けられており、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との距離が前記検知電線の径とほぼ等しく設定されていることを特徴とする請求項4に記載の電池接続モジュール。
【請求項7】
前記樹脂プロテクタは連結ユニットを複数個連結して構成されていることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項1】
単電池を複数個並べてなる単電池群に取り付けられる電池配線モジュールであって、樹脂プロテクタに設けた電線収容溝に前記単電池の状態を検出する検知電線を納めてなり、前記電線収容溝を構成する一対の溝壁部の一方から他方の溝壁部側に向けて互いに先端に空隙を隔てて突設することで前記検知電線の電線挿入路を形成しつつ前記検知電線の前記電線収容溝からのはみ出しを規制する一対の規制片を備えたものにおいて、
前記一対の規制片間に形成される前記検知電線の前記電線収容溝への前記電線挿入路が前記電線収容溝の深さ方向と交差する方向に設定されていることを特徴とする電池配線モジュール。
【請求項2】
前記一対の規制片は、前記電線収容溝の深さ方向においてほぼ同等の高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池配線モジュール。
【請求項3】
前記一対の規制片は、前記電線収容溝の深さ方向において異なる高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電池配線モジュール。
【請求項4】
前記一対の規制片は、前記電線収容溝の長さ方向において同位置に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電池配線モジュール。
【請求項5】
前記一対の規制片は、前記電線収容溝の長さ方向において異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電池配線モジュール。
【請求項6】
前記一対の規制片のうち一方には、その基部側から先端側に向けて先細となるように前記電線収容溝の底部に向けて斜めに切り欠かれた第1傾斜面が設けられているとともに、他方には、前記電線収容溝の底部とは反対側に向けて前記第1傾斜面と平行をなすように斜めに切り欠かれた第2傾斜面が設けられており、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との距離が前記検知電線の径とほぼ等しく設定されていることを特徴とする請求項4に記載の電池接続モジュール。
【請求項7】
前記樹脂プロテクタは連結ユニットを複数個連結して構成されていることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−20815(P2013−20815A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153210(P2011−153210)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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