説明

電池

【課題】集電部を曲げずに溶接する電池の提供
【解決手段】正極板23の一辺に設けられる正極側集電箔25は、正極板23が負極板およびセパレータとともに巻回されることで、隙間を有して重なり合う。正極側集電箔25の重なり合う隙間には、上下方向に一列に並ぶように設けられた正極側導電金属27A、27B、27Cが挿入されている。正極側導電金属27は、導電性の接着剤にて仮固定されている。そして、一対の溶接電極Sにより上下方向からシーム溶接を行う。これにより、正極側集電箔25は、大きく曲がることなく正極側導電金属27を介して溶着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から一次電池や二次電池など多くの電池が用いられている中で、より小型でより出力の大きい電池が求められている。そのため、電池にさまざまな工夫が施されている。例えば、特許文献1に開示される角型二次電池では、電池の内部抵抗を増大させないために、金属板からなる集電部材をプレス加工して巻き取り、この集電部材は電極体の中央孔に挿入されている。巻き取り電極体の中央孔に挿入された集電部材は、巻き取り電極体の芯体束部を外周面から加圧して圧接し、さらに超音波溶接により接合している。これにより、集電部材から電極端子への内部抵抗を低減するとともに、スペース効率の向上を図っている。
【0003】
また、特許文献2に開示される電池では、正極のアルミニウム箔や負極の銅箔をそれぞれ複数枚重ねて集電接続体に超音波溶接もしくはスポット溶接にて溶着させている。超音波溶接もしくはスポット溶接の際に発生する熱でセパレータが熱収縮するのを防ぐため、集電接続体とアルミニウム箔もしくは銅箔の間に、集電接続体よりも導電性の低い溶接用金属板を挿入して溶着させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−236790号公報
【特許文献2】特開2003−187778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の角型二次電池では、巻き取り電極体の芯体束部が集電部材に接合されるために局所的に曲げられている。そのため、巻き取り電極体の芯体束部には、集電部材に接合するため曲げる部分が必要である。芯体束部は、曲げる部分を確保するため電極体に対し芯体束部のスペースが大きくなり、スペース効率が悪いという問題がある。また、芯体束部は曲げられた箇所で破れが発生する虞がある。特許文献2の電池でも同様にアルミニウム箔および銅箔が曲げてスポット溶接されている。そのため、溶接のためのアルミニウム箔部分および銅箔部分が長くなる。よって集電接続体部分で電池のスペース効率が悪く、またアルミニウム箔および銅箔が曲げられた箇所で破れる虞がある。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明は、集電部を曲げずに溶接する電池を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、活物質が塗布された正極板と活物質が塗布された負極板と正極板と負極板との間を絶縁するセパレータが多重構造となった電池素子を有する電池において、正極板及び負極板には、活物質が塗布されない集電部が形成されており、正極板の集電部同士及び負極板の集電部同士の少なくとも一方は、重なり合っており、重なり合った集電部間の各隙間には、それぞれ導電性金属が挿入され、導電性金属が配置された位置において、集電部が重なり合う方向における一端側の集電部から他端側の集電部に渡って溶接されていることを特徴とする。正極板の集電部間の各隙間もしくは負極板の集電部間の各隙間において、それぞれ導電性金属を挿入し、導電性金属が配置された位置で集電部を溶接することにより、正極板の集電部もしくは負極板の集電部を曲げずに溶接でき、集電部が破れる虞がない。
【0008】
また、本発明の電池素子は、複数の正極板及び負極板を積層した積層型の二次電池素子であることが好ましい。また、本発明の電池素子は、正極板及び負極板を折り曲げて巻回した巻回型の二次電池素子であることが好ましい。
【0009】
また、本発明の正極板もしくは負極板は、矩形に形成され、集電部は、正極板もしくは負極板の一辺に沿って形成されており、導電性金属は、集電部が形成された正極板もしくは負極板の一辺と平行に延びた形状であることを特徴とする。導電性金属は、正極板もしくは負極板の一辺と平行に延びた形状であり、正極板もしくは負極板に対し横方向に大きなスペースを必要としない。そのため電池のスペース効率を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の導電性金属は、正極板もしくは負極板の一辺と直交する方向の断面が、半円形状であることが好ましい。これにより、導電性金属の形成が容易である。
また、本発明の導電性金属は、正極板もしくは負極板の一辺と直交する方向の断面において、正極板もしくは負極板に近い側に断面積が大きい熱マス部を設けることが好ましい。これにより、集電部の溶接において、スパッタを正極板もしくは負極板に飛ばすことがなく、電池の信頼性を低下させることが無い。
【0011】
また、本発明の導電性金属は、集電部が形成された正極板もしくは負極板の一辺に沿う方向のどちらか一端寄りに設けられていることが好ましい。導電性金属は、集電部の一部に設けられることにより、導電性金属が設けられていない部分から電解液を正極板または負極板へと供給することが容易である。
また、本発明の導電性金属は、集電部と同じ組成もしくは集電部と同じ組成を含むことを特徴とする。これにより、溶接すると集電部と導電性金属を簡単に溶着することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、集電部を曲げずに溶接する電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る電池の概要を示す斜視図である。
【図2】図1の電池の内部を示す縦断面図である。
【図3】電池素子を構成する正極部材を示す正面図である。
【図4】電池素子を構成する負極部材を示す正面図である。
【図5】図4のB−B断面を示す断面図である。
【図6】正極部材の集電箔部分の接合加工を示す断面図である。
【図7】図2のA−A断面を示す断面図である。
【図8】導電金属の形状の変更例を示す断面図である。
【図9】導電金属の形状を示すグラフである。
【図10】電池素子を構成する正極部材の変更例を示す正面図である。
【図11】電池素子を構成する正極部材の変更例を示す正面図である。
【図12】変更例の電池内部を示す縦断面図である。
【図13】電池素子を構成する正極部材の変更例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態に係る電池について図に基づき説明する。なお、本実施形態では、電池として二次電池を挙げて説明する。
図1に示すように、二次電池10は矩形のケース11を有した角型二次電池ある。ケース11は金属製の筐体である。本実施形態のケース11は、アルミニウムで形成されている。ケース11の上面には、電解液注液口14と排気弁15が設けられている。電解液注液口14はケース11内に電解液を注入できるよう開閉自在である。また、排気弁15は、ケース11内におけるガスが所定圧力以上に圧力が上昇したときに破断してガスをケース11の外部へ排気するものである。
【0015】
ケース11の上面には、電解液注液口14と排気弁15を挟む位置に正極端子16と負極端子17が設けられている。正極端子16および負極端子17は、充放電を行う際に外部機器に接続するための端子である。正極端子16と負極端子17は、それぞれ矩形の薄板状に形成されている。正極端子16は、本実施形態ではアルミニウムで形成されている。負極端子17は、銅を用いて形成されている。正極端子16および負極端子17は、図2に示すようにケース11を貫通するようにケース11の内部から上方に突出している。正極端子16および負極端子17は、図示しない絶縁部材を介してケース11に絶縁された状態で固定支持されている。
【0016】
正極端子16および負極端子17の下端は、ケース11内に収容された電池素子20に接続されている。電池素子20は、図3に示す正極板23と図4に示す負極板24がセパレータ34を介して多重構造に積層されたものである。なお、本実施形態における電池素子20は、積層型の二次電池素子である。また電池素子20の積層方法は巻回式である。また、電池素子20は、最外周にセパレータ34が配置されている。さらに電池素子20は、図示しない樹脂フィルムにより絶縁されつつケース11内に収容されている。電池素子20は、左右の両辺に、正極側集電箔25および負極側集電箔26が突出するよう巻回されている。正極端子16は、正極側集電箔25にシーム溶接により接合されている。負極端子17は、負極側集電箔26にシーム溶接により接合されている。
【0017】
図3に示す正極板23は、縦長の矩形に形状された薄板状である。正極板23は、アルミニウムから形成されている。正極板23には、活物質35が表と裏の両面に塗布されている。図3における左側の一辺には、正極板23と同じ厚さで正極側集電箔25が形成されている。なお、正極側集電箔25は、正極板23と同じくアルミニウムで形成されている。また、正極側集電箔25には、活物質35は塗布されていない。正極板23は、図3の上端から一点鎖線で示す位置で所定間隔毎に折り曲げて巻回されるものである。正極側集電箔25には、正極側導電金属27が設けられている。正極側導電金属27は、正極板23の左側の一辺に沿って平行に延びる直線状に設けられている。正極側導電金属27は、導電性の接着剤により正極側集電箔25に仮固定されている。また、正極側導電金属27は、正極板23が巻回される面毎に正極側導電金属27A、27B、27Cと設けられている。なお、正極側導電金属27Bは、正極側導電金属27A、27Cとは反対側の裏面に設けられている。また、正極側導電金属27A、27B、27Cは、それぞれ巻回される正極板23の右側の一辺において、上端寄りもしくは下端寄りの位置に形成されている。正極側導電金属27は、本実施形態ではアルミニウム合金を用いている。
【0018】
図4に示す負極板24は、縦長の矩形に形状された薄板状である。負極板24は、銅から形成されている。負極板24には、活物質35が表と裏の両面に塗布されている。図4における左側の一辺には、負極板24と同じ厚さで負極側集電箔26が形成されている。なお、負極側集電箔26は、負極板24と同じく銅で形成されている。また、負極側集電箔26には、活物質35は塗布されていない。負極板24は、図4の上端から一点鎖線で示す位置で所定間隔毎に折り曲げて巻回されるものである。負極側集電箔26には、負極側導電金属28が設けられている。負極側導電金属28は、負極板24の左側の一辺に沿って平行に延びる直線状に設けられている。負極側導電金属28は、導電性の接着剤により負極側集電箔26に仮固定されている。また、負極側導電金属28は、負極板24が巻回される面毎に負極側導電金属28A、28B、28Cと設けられている。なお、負極側導電金属28Bは、負極側導電金属28A、28Cとは反対側の裏面に設けられている。また、負極側導電金属28A、28B、28Cは、それぞれ巻回される負極板24の左側の一辺において、上端寄りもしくは下端寄りの位置に形成されている。負極側導電金属28は、本実施形態では銅合金を用いている。
【0019】
図3に示す正極側導電金属27は、正極側集電箔25に設けられている。正極側集電箔25は、正極板23の一辺と直交する方向の断面が、図5に示すように略半円形状である。なお、本実施形態における負極側の構造は正極側の構造に対し対称な同一構造であるため詳細な説明を省略する。正極側導電金属27は、それぞれの長手方向全体に渡って一定の大きさの略半円形状の断面で形成されている。また、本実施形態における正極側導電金属27の高さは、正極板23に塗布される活物質の厚さに、電池素子20が積層されるときの負極板24およびセパレータ34の厚さを加えた厚さと等しくなっている。
【0020】
正極板23および負極板24は同じ大きさに形成されている。そして電池素子20は、正極板23と負極板24がセパレータ34を介して多重に積層して巻回するものである。そのとき、正極板23および負極板24は、活物質35が塗布された面を重ね合わせる。そのため、電池素子20の左右両端には、正極側集電箔25と負極側集電箔26が突出する。なお、本実施形態では、正極側集電箔25および負極側集電箔26が集電部に相当する。また、正極側導電金属27および負極側導電金属28が導電性金属に相当する。
【0021】
正極板23、負極板24、セパレータ34を積層し、巻回して電池素子20を形成することで、正極側集電箔25および負極側集電箔26は、それぞれが隙間を有して重なり合う。そして、正極板23を4回折り曲げ巻回すると、図6に示すように、正極側集電箔25が4重に重なり合う。このとき、正極側集電箔25に仮固定された正極側導電金属27は、4重の正極側集電箔25の隙間に位置する。なお、正極側導電金属27(27A、27B、27C)は、正極側導電金属27Aを中心にし、上側に正極側導電金属27Bが位置する。そして正極側導電金属27Aの下側には、正極側導電金属27Cが位置する。なお、正極側導電金属27A、27B、27Cは、正極側集電箔25が巻回し重なり合うときに同じ位置で上下に並ぶように設けられている。また、正極側導電金属27は、正極側集電箔25における正極板23から離れた位置に設けられている。
【0022】
このとき、正極側集電箔25は、正極板23と平行に電池素子20の側面に突出している。つまり、正極側集電箔25が重なり合ってできる隙間は、負極板24、セパレータ34の厚さに加え、活物質35が塗布される厚さである。そして、正極側導電金属27の断面において略半円形状の高さは、正極側集電箔25が重なり合ってできる隙間の高さに設定されている。なお、負極側導電金属28も正極側導電金属27と同様に重なり合った負極側集電箔26の隙間に同じ位置で上下に並ぶように設けられている。そして負極側集電箔26が重なり合ってできる隙間は、正極板23、セパレータ34の厚さに加え、活物質35が塗布される厚さである。そして、負極側導電金属28の断面において略半円形状の高さは、負極側集電箔26が重なり合ってできる隙間の高さに設定されている。
【0023】
次に、正極側集電箔25のシーム溶接による接合について説明する。電池素子20は、正極板23、負極板24、セパレータ34を所定回数だけ巻回した後で、正極側集電箔25の重なり合った上下方向からシーム溶接を行う。ここで、図6に示すように、上下一対の溶接電極Sを正極側導電金属27の上下方向から正極側集電箔25の上端部と下端部に接触させる。そして、上下の溶接電極Sから電圧を加え、正極側集電箔25および正極側導電金属27に電気を流す。正極側導電金属27は、電気抵抗により加熱され、図7に示すように正極側集電箔25と溶着する。正極側導電金属27の断面は、加熱により略半円形状から略矩形へと変化する。そして、複数の重なり合う正極側集電箔25は、正極側導電金属27を介して上端部から下端部に渡って電気的に接続される。なお、図7に示すように溶接された正極側集電箔25は、電池素子20が巻回された溶接されていないときの隙間に対し隙間は若干狭くなる程度であり、隙間距離は殆ど変わらない。また、負極側集電箔26においても正極側集電箔25と同様にシーム溶接により接合される。
【0024】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)正極側集電箔25の隙間に正極側導電金属27が挿入され、挿入された位置で正極側集電箔25シーム溶接することにより、正極側集電箔25を略曲げることなく溶着することができる。また、負極側集電箔26の隙間に負極側導電金属28が挿入され、挿入された位置で負極側集電箔26をシーム溶接することにより、負極側集電箔26を略曲げることなく溶着することができる。
(2)正極側導電金属27、負極側導電金属28は、正極板23もしくは負極板24の一辺と平行に延びた形状であり、正極板23および負極板24に対し正極側集電箔25、負極側集電箔26に大きなスペースを必要としない。そのため従来では正極側集電箔25、負極側集電箔26を曲げるため大きく作る必要があったが、曲げるための部分を省略することができ小型化できる。また、正極側集電箔25、負極側集電箔26を小型化することで、電池のスペース効率を向上させることができる。
【0025】
(3)正極側導電金属27および負極側導電金属28は、正極側集電箔25および負極側集電箔26において正極板23および負極板24の一辺に沿う方向の一端寄りに設けられているため、正極側導電金属27および負極側導電金属28が正極側集電箔25および負極側集電箔26の重なる部分を塞ぐことが無く、正極側導電金属27および負極側導電金属28が設けられていない部分から電解液を正極板23および負極板24へと供給することができる。
(4)正極板23および正極側集電箔25はアルミニウムから形成され、正極側導電金属27はアルミニウム合金から形成されているため、シーム溶接により溶着が容易である。また、負極板24および負極側集電箔26は、銅から形成され、負極側導電金属28は、銅合金から形成されているため、シーム溶接により溶着が容易である。
【0026】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。以下に本発明の変更例を説明する。
○図5に示した正極側導電金属27の断面形状は、略半円形状に限らない。図8に示すように様々な形状が適用可能である。例えば、図8(a)に示すように、正極側導電金属27の断面形状は、滑らかな三角形状であっても良い。三角形状では、図8(a)における上方の頂点が正極側集電箔25に接触する面積が小さく、抵抗のためシーム溶接により素早く溶着させることができる。また、図8(b)に示すように、正極側導電金属27の断面形状は、略台形状であっても良い。台形状にすると、図9に示すように、断面形状が略半円形状と比較して、シーム溶接が開始してからの面積(幅)の変動が小さく抵抗の管理が容易である。
【0027】
さらに、図8(c)に示すように、正極側導電金属27の断面形状は、矩形状であっても良い。矩形状では、シーム溶接前とシーム溶接後で正極側導電金属27の厚みの変化が小さくなる。また、矩形状の幅分だけ、位置のずれを許容することができる。また、図8(d)に示すように正極側導電金属27の断面形状は、図面左の正極板23側に断面積が大きい熱マス部を有した左右非対称の台形状であっても良い。断面積が大きい熱マス部を設けることにより、シーム溶接をするときに、正極板23側で熱を吸収し、スパッタの発生を抑制することができ、スパッタが正極板23および負極板24、セパレータ34に侵入することがない。さらに、図8(e)に示すように、正極側導電金属27の断面形状は、六角形状としても良い。正極側集電箔25に接触する上下の部分を小さくして面積を絞ることで、溶接抵抗を大きくすることができる。また、上下の中央部が膨らんでおり、中央部の膨らみを熱マス部としても作用させることができる。
【0028】
○正極側導電金属27および負極側導電金属28における正極板23および負極板24の一辺に沿う長さは、限定されない。例えば図10に示すように、正極板23の一辺に沿う正極側導電金属27の長さが上記の実施形態よりも短い複数の正極側導電金属29を直線状に並べても良い。また、負極側導電金属28も図10に示すように複数に形成しても良い。さらに、図11に示すように、複数の互いに異なる長さの正極側導電金属30を直線状に配置しても良い。
○正極端子16および負極端子17は、電池素子20の同じ側に設ける場合に限らない。図12に示すように、電池素子20の表側と裏側に正極端子16と負極端子17を夫々設けても良い。
○正極側集電箔25および負極側集電箔26は、電池素子20における左右両側への突出量を減らしても良い。例えば正極側集電箔25は、図13に示すように正極側導電金属27を設けるスペースさえあれば良い。そのため、電池素子20の大きさを変えずに正極板23、負極板24、セパレータ34の部分を増やすことができ、電池の出力を向上することができる。
【0029】
○電池素子20は、巻回型に限定されない。複数の板状の正極板23および負極板24がセパレータ34を介して積層される積層型でも良い。また、電池素子20は、九十九折に積層されても良い。
○本実施形態では、正極側導電金属27および負極側導電金属28の両方を設け、負極側と正極側を対称構造として両側を同じとしたが、これに限らない。電池は、負極側もしくは正極側のどちらか一方のみ導電金属を設けて集電部を溶接しても良い。
○溶接はシーム溶接に限らない。他の抵抗溶接や超音波溶接などを用いても良い。
【0030】
○正極端子16は、正極側集電箔25と正極側導電金属27のシーム溶接と同時に溶接しても良い。負極端子17は、負極側集電箔26と負極側導電金属28のシーム溶接と同時に溶接しても良い。それぞれ正極側集電箔25もしくは負極側集電箔26と溶接電極Sの間に挿入して溶接すれば良い。
○正極側導電金属27は、正極端子16および正極側集電箔25と同じ組成のアルミニウムから形成しても良い。また、負極側導電金属28は、負極端子17および負極側集電箔26と同じ組成の銅から形成しても良い。
○本発明は、二次電池に限定されない。一次電池にも適用可能である。
【符号の説明】
【0031】
10 二次電池
11 ケース
14 電解液注入口
15 排気弁
16 正極端子
17 負極端子
20 電池素子
23 正極板
24 負極板
25 正極側集電箔
26 負極側集電箔
27 正極側導電金属
28 負極側導電金属
34 セパレータ
35 活物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活物質が塗布された正極板と活物質が塗布された負極板と前記正極板と前記負極板との間を絶縁するセパレータが多重構造となった電池素子を有する電池において、
前記正極板及び前記負極板には、活物質が塗布されない集電部が形成されており、
前記正極板の前記集電部同士及び前記負極板の前記集電部同士の少なくとも一方は、重なり合っており、
前記重なり合った集電部間の各隙間には、それぞれ導電性金属が挿入され、
前記導電性金属が配置された位置において、前記集電部が重なり合う方向における一端側の前記集電部から他端側の前記集電部に渡って溶接されていることを特徴とする電池。
【請求項2】
前記電池素子は、複数の前記正極板及び前記負極板を積層した積層型の二次電池素子であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記電池素子は、前記正極板及び前記負極板を折り曲げて巻回した巻回型の二次電池素子であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記正極板もしくは前記負極板は、矩形に形成され、
前記集電部は、前記正極板もしくは前記負極板の一辺に沿って形成されており、
前記導電性金属は、前記集電部が形成された前記正極板もしくは前記負極板の前記一辺と平行に延びた形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項5】
前記導電性金属は、前記正極板もしくは前記負極板の一辺と直交する方向の断面が、半円形状であることを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記導電性金属は、前記正極板もしくは前記負極板の一辺と直交する方向の断面において、前記正極板もしくは前記負極板に近い側に断面積が大きい熱マス部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項7】
前記導電性金属は、前記集電部が形成された前記正極板もしくは前記負極板の一辺に沿う方向のどちらか一端寄りに設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電池。
【請求項8】
前記導電性金属は、前記集電部と同じ組成もしくは前記集電部と同じ組成を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−105691(P2013−105691A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250372(P2011−250372)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】