説明

電波センサ

【課題】被検知体の位置や移動状態を精度良く識別するコンパクトな電波センサを提供する。
【解決手段】複数の受信アンテナ(受信電極22a、22bとが一対、受信電極22c、22dとが一対)を、電波ビームを放射する送信アンテナ(送信電極12)の中心を基準として略対称、且つ送信アンテナの中心と複数の受信アンテナとの中心が略同一直線上となる位置に配置し、送信アンテナから放射され、被検知体に衝突し反射して戻ってきた電波ビームを受信し、複数の受信アンテナに流れる電流をダイオード24a、24bで検波し、その検波結果に基づいて制御部53に備えた動作判断回路にて被検知体の動きを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波ビームを利用したセンシング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、埋込型の配線器具として使用されるスイッチにおいて、電波ビームを利用したドップラー方式のセンサを複数内蔵し、スイッチに接近する使用者の手や指の動きを検出して負荷を駆動するスイッチが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−164774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術記載のスイッチには、複数の負荷を駆動制御するために複数のドップラーセンサを内蔵している。
複数のドップラーセンサを近接して配置する場合、個々のドップラーセンサの使用周波数を変える方法や偏波方向が重ならないようにドップラーセンサを設置すれば、各ドップラーセンサから出力されるドップラー信号の周波数や電圧振幅値に基づいて、どのドップラーセンサに手や指が接近したのかを容易に検出することができる。
しかしながら、各ドップラーセンサから出力される検知信号の周波数や電圧振幅値にバラツキが生じるため、ドップラーセンサに接近する被検知体の動きだけでなくドップラーセンサ前方を被検知体が横断する動きまで識別しようとすると、各ドップラーセンサのゲイン調整や同期を取る必要があり制御方式が複雑になる。また、複数のドップラーセンサのうち1つのドップラーセンサ前方のみを被検知体が横断する動きに対しては接近なのか、横断なのかを正確に識別することは困難である。一方で、複数のドップラーセンサを配置する場合、壁や天井などの設置スペースが比較的広く取れる場所は特に問題なく設置できるが、近年のコンパクト化や高機能化が進んだ民生機器では設置スペースを広く取ることができない。また、ドップラーセンサは動いている被検知体の速度を検出するセンサであるため、被検知体が静止した状態まで検出する機能を付加した場合はさらに大型化する。
【0005】
従って、本発明の目的は、被検知体の位置や移動状態を精度良く識別するコンパクトな電波センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、高周波信号を生成する発振回路と、前記発振回路により生成された高周波信号を電波ビームとして放射する送信アンテナと、前記送信アンテナから放射され、被検知体に衝突し反射して戻ってきた電波ビームを受信する複数の受信アンテナと、前記複数の受信アンテナに各々接続され、前記受信アンテナに流れる電流を検波する複数のダイオードと、前記複数のダイオードの検波結果に基づいて、被検知体の動きを判断する動作判断回路とを備え、前記複数の受信アンテナは、前記送信アンテナの中心を基準として略対称、且つ前記送信アンテナの中心と前記受信アンテナとの中心が略同一直線上となる位置に、配置されたことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために請求項2記載の発明は、前記送信アンテナは、誘電体からなる第1基板の一方の表面または内部にアンテナとして作用する第1素子と、該第1素子と対向する前記第1基板の他方の表面または内部に高周波のグランドとして作用する第1接地電極とが配置され、前記第1素子、前記第1接地電極、前記複数の受信アンテナの順に配置されたことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために請求項3記載の発明は、前記複数の受信アンテナは、誘電体からなる第2基板の一方の表面または内部にアンテナとして作用する複数の第2素子と、前記複数の第2素子と対向する前記第2基板の他方の表面または内部に高周波のグランドとして作用する第2接地電極とが配置されたことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために請求項4記載の発明は、前記複数の第2素子と隣接する前記送信アンテナの端面またはその近傍に、電波ビームを遮断する遮断部材を、前記複数の第2素子と隣接する前記送信アンテナの端面と平行するように各々配置したことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために請求項5記載の発明は、前記第2素子は、高周波信号の略4分の1波長の長さを有する2つの薄膜状の電極パターンから構成され、一方の前記電極パターンの片端は前記ダイオードのアノード端子に、他方の前記電極パターンの片端は前記ダイオードのカソード端子に各々接続したことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために請求項6記載の発明は、前記第1素子と前記第2素子は矩形状の電極パターンから構成され、前記第1素子の励振方向と平行する前記電極パターンの端面と前記第2素子の励振方向と平行する前記電極パターンの端面とが平行に配置されたことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために請求項7記載の発明は、前記発振回路は電磁波をシールドする金属ケースを有し、前記第1基板の他方の表面に配置された金属ケースは、少なくとも前記複数の受信アンテナが配置された方向側の1辺の長さが前記第1基板と略同一であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被検知体のの位置や移動状態を精度良く識別するコンパクトな電波センサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明における電波センサについて説明する。
尚、以下実施例における図面の基板の厚みやパターン寸法は説明の都合上、実際の形状とは異なる。
図1は、本発明における電波センサの第1実施形態を示す、ブロック図である。
【0015】
本発明の電波センサは、送信部51と受信部52と制御部53とから構成されている。送信部51には高周波信号を生成する発振回路と、発振回路により生成された高周波信号を電波ビームとして放射する送信アンテナを備えている。受信部52には送信アンテナから放射され、被検知体に衝突し反射して戻ってきた電波ビームを受信する少なくとも1つの受信アンテナと、受信アンテナに接続され、受信アンテナに流れる電流を検波する検波素子としてダイオードを備えている。制御部53にはダイオードにて検波された検波信号を電圧値に変換した後、増幅して比較し易くするための増幅回路(オペアンプを使用し構成)と、増幅された検波信号に基づいて被検知体の動きを判断する動作判断回路(CPU:中央演算処理装置を使用し構成)と、動作判断回路の判定結果に応じた負荷を駆動するための駆動信号を有線または無線にて外部に出力する出力回路を備えている。
【0016】
図2は、本発明における電波センサの第1実施形態を示す、(a)正面図および(b)B−B’断面図である。
図2に示す電波センサは、内部に層状の第1接地電極13が略全面に形成された第1基板11の一方の表面に送信アンテナとして作用する薄膜矩形状の送信電極12が形成されている。第1基板11の他方の表面には、不要な電磁波をシールドするとともに第1基板11と対向する天面に所定の周波数で発振させるための図示しない周波数調整手段(螺子)を備えた金属ケース16が設置され、その内部に図示しない発振回路(電界効果トランジスタと誘電体共振器を利用し高周波信号を生成、またはガンダイオードを利用し高周波信号を生成)が形成されている。図示しない発振回路により生成された高周波信号は、第1基板11の表面を貫通する導通孔15により送信電極12に送信され、送信電極12から電波ビームとして放射される。導通孔15はインピーダンスが50Ωとなる送信電極12の内部に設けられている。送信電極12は、高周波信号(使用周波数)の約半波長(λg/2:λg…第1基板11を伝搬する高周波信号の波長である。また、真空中における高周波信号の電波の波長をλ、第1基板11の比誘電率をεrとすると、λ=εr1/2・λgである。)の長さL1を少なくとも一辺にもつ矩形状の薄膜電極であり、第1接地電極13が反射板として作用するマイクロストリップ構造の送信アンテナである。従って、第1接地電極13を境界として送信電極12から前方(第1接地電極13に対し送信電極12が形成された方向)に効率良く電波ビームを放射することができる。
【0017】
また、第1基板11の一方の表面には、受信アンテナとして作用する薄膜矩形状の受信電極22a、22b、22c、22dが形成されている。そして、受信電極22aの片端にはダイオード24aのカソード端子が接続され、受信電極22aの片端と対向する受信電極22bの片端にはダイオード24aのアノード端子が接続されている。同様に、受信電極22cの片端にはダイオード24bのカソード端子が接続され、受信電極22cの片端と対向する受信電極22dの片端にはダイオード24bのアノード端子が接続されている。受信電極22a、22b、22c、22dの励振方向における1辺の長さL2は第1基板11の比誘電率を加味した上での高周波信号の約4分の1波長であり、対向する端面近傍がダイオード24aにて接続された受信電極22aと受信電極22bがダイポールアンテナ構造を有する1つの受信アンテナである。同様に、対向する端面近傍がダイオード24bにて接続された受信電極22cと受信電極22dが1つの受信アンテナとして作用する。この複数の受信アンテナを、送信電極12の中心を基準として略対称に、且つ複数の受信アンテナの中心はダイオード24aおよびダイオード24bの中心となるが、送信電極12の中心とダイオード24aおよびダイオード24bとの中心が略同一直線上となる位置に、配置している。
ダイオード24a、24bのアノード端子は導通孔25a、25cを介し第1接地電極13に、ダイオード24a、24bのカソード端子は導通孔25b、25dを介し第1基板11の他方の表面に形成された制御部53に各々接続されている。
【0018】
送信電極12に対して図中左側に受信電極22a、22bを一対とするダイポールアンテナと、送信電極12に対して図中右側に受信電極22c、22dを一対とするダイポールアンテナを受信アンテナとして、送信電極12の中心を基準として略対称、且つ送信電極12の中心と2つのダイポールアンテナとの中心が略同一直線上となる位置に、配置しているため、2つの受信アンテナが反射器として作用し送信電極12から放射される電波ビームを、第1基板11面に対し最大強度放射方向が略鉛直方向となる前方に効率良く電波ビームを放射することができる。従って、電波センサ前方に被検知体が存在したとき複数の受信アンテナに流れる電流を検波してその電圧値レベルを比較すれば、位置や移動状態(センサに対し接近・離遠する動き、センサ前方を横断する動き)を容易に認識することができる。ここでいう、略鉛直方向とは±5°の範囲であり、電波ビームの放射特性を考慮すると±5°ならば鉛直方向と見なすことができる。
さらに、送信電極12から放射される電波ビームの半値角を狭くするとともにアンテナゲインが向上するため、効率に優れたコンパクトな電波センサを提供できる。また、送信部51と受信部52と制御部53を第1基板11上に一体に備えているため、ノイズ耐性に優れているとともに取り扱いが容易で施工性に優れる。
【0019】
本実施例における送信アンテナと受信アンテナは、励振方向が同じ垂直偏波方式であるが、電極形状が異なるため指向性が異なる。電波ビームの送信領域と受信領域を変えることにより検知範囲を狭くすることができるため、狭スペースにおける被検知体のセンシングに適している。
【0020】
送信アンテナと受信アンテナの電極形状は同じでも良く、例えば、送信アンテナの形状を受信アンテナと同じダイポールアンテナにすれば、図2に示した電波センサと比較し図中左右方向に向かい広角(広範囲)に被検知体の動きを判断することができる。逆に、受信アンテナの形状を送信アンテナと同じマイクロストリップアンテナにした場合、図2に示した電波センサと比較し図中左右方向に向かい狭角(狭範囲)に被検知体の動きを判断することができる。また、偏波方式は送信アンテナと受信アンテナの形状を略正方形状(垂直偏波)から略正方形の角部を旋回方向に応じてカットすれば円偏波方式に容易に変えることができる。
【0021】
本実施例における送信アンテナと受信アンテナは、励振周波数を同じとしたが、使用する高周波信号の周波数に対し受信アンテナの励振周波数が、VSWR(定在波比)<1となる周波数帯域であれば励振周波数が相違していてもセンシング性能に殆ど影響は無いため、高周波信号の周波数に対し受信アンテナの励振周波数を高く設定すれば、受信アンテナの小型化が図れ、さらにコンパクトな電波センサを提供できる。
【0022】
本実施例における受信アンテナは、送信アンテナと同様に、第1接地電極13が反射板として作用するマイクロストリップ構造であるため、ダイポールアンテナではあるが無指向性ではなく前方(第1接地電極13に対し送信電極12が形成された方向)から入射する電波ビームを効率良く受信できる。
【0023】
本実施例における電波センサは、送信部51と受信部52と制御部53を第1基板上に一体に配置しているが、必ずしもこの構造である必要はなく電波センサの設置スペースに応じて変更することができる。例えば、送信部51の発振回路を送信アンテナとは別の基板に形成しても良く、そうすれば、送信アンテナと受信アンテナが形成された第1基板11を取り替えるだけで容易に検知エリアを変更することができる。また、増幅回路を第1基板11上に配置して動作判断回路や出力回路は別の基板に形成しても良い。
【0024】
制御部53に備えた動作判断回路は、直接、またはコンパレータを介しマイコン(CPU)の入力ポートに入力された検波信号の入力タイミングや入力期間に応じて、被検知体の動きを判断すれば良い。さらに、精度良く被検知体の動きを判断したいときはCPUのアナログ電圧をデジタル電圧に変換する機能を有したAD変換機能ポートに検波信号を入力すれば良い。本実施例に記載していないが、制御部53には必要に応じて動作判断回路の前段に必要な周波数成分のみを抽出する高周波・低周波フィルター回路を組み込むこともできる。
【0025】
図3は、本発明における電波センサの第2実施形態を示す、(a)正面図および(b)B−B’断面図である。
以下、前述した実施例と重複する部分の記載については説明を省略する。
図3に示す電波センサは、送信部51と受信部52が別の基板で構成され、それを図示しない接続手段(例えば、被覆線やリードフレーム)にて一体に接続している。
送信部51は第1実施形態と同様に、内部に層状の第1接地電極13が略全面に形成された第1基板11の一方の表面には送信電極12が形成され、他方の表面には、不要な電磁波をシールドするとともに第1基板11と対向する天面に所定の周波数で発振させるための図示しない周波数調整手段を備えた金属ケース16が設置され、その内部に図示しない発振回路が形成されている。
受信部52は、内部に層状の第2接地電極23が略全面に形成された第2基板21の一方の表面に、第1基板11の外周端よりも外側に位置する場所に受信電極22a、22b、22c、22dが形成され、第1実施形態と同様にダイオード24a、24bが接続され、ダイオード24a、24bのアノード端子は導通孔25a、25cを介し第2接地電極23に、ダイオード24a、24bのカソード端子は導通孔25b、25dを介し第2基板21の他方の表面に形成された制御部53に各々接続されている。
送信電極12に対して図中左側に受信電極22a、22bを一対とするダイポールアンテナと、送信電極12に対して図中右側に受信電極22c、22dを一対とするダイポールアンテナを受信アンテナとして、送信電極12の中心を基準として略対称、且つ送信電極12の中心と2つのダイポールアンテナとの中心が略同一直線上となるよう、第1基板11と第2基板21は図示しない接続手段にて一体に接続され、送信電極12、第1接地電極13、複数の受信アンテナの順に配置さている。
【0026】
本構成にすることにより、送信電極12の周囲に配置された受信アンテナが反射器として作用すること抑制できるため、送信電極12から放射される電波ビームを所定の方向へ放射させることができる。ここでは送信電極12から放射される電波ビームを、第1接地電極13を境界として第1基板11面に対し最大強度放射方向が略鉛直方向となる前方(第1接地電極13に対し送信電極12が形成された方向)に効率良く電波ビームを放射することができる。この時の電波ビームの放射形状は、図4に示すように励振方向と平行するA−A’面の半値角をθ1、励振方向と直交するB−B’面の半値角をθ2とすると、θ1>θ2と励振方向と平行する方向に直径が長い楕円形状となる。
【0027】
反射板として作用する第1接地電極13よりも後方(第1接地電極13に対し金属ケース16が設置された方向)に受信アンテナを配置することにより、送信電極12から放射された電波ビームの回り込みを抑制することができる。従って、電波センサの前方に被検知体が存在しないとき、受信アンテナに入射する受信電力を少なくすることができ、被検知体の動きを精度良く検出できる。
【0028】
送信電極12が励振し前方に向かい電波ビームを放射するとき、第1接地電極13も励起され少量だが後方に電波ビームが放射される。第2基板21の一方の表面、且つ受信電極22a、22b、22c、22dと隣接する第1基板11の端面またはその近傍に、電波ビームを遮断する金属材料や電波吸収材料からなる遮断部材31a、31bを配置することにより、後方に放射された電波ビームの回り込みを防止し、被検知体の動きをさらに精度良く検出できる。
【0029】
第1基板11の他方の表面に設置された金属ケース16を、少なくとも受信アンテナが配置された方向側の1辺の長さが第1基板11と略同一にしても送信電極12よりも後方に放射された電波ビームの回り込みを防止し、同様の効果を得ることができる。
【0030】
本実施例における複数の受信アンテナは、第2基板21の同一面状に形成されているが、必ずしも同じである必要は無く使用環境に応じて変更できる。また、第2基板21を分割して複数の受信アンテナを別々の基板で形成しても良い。
【0031】
第1基板11と第2基板21の比誘電率や厚みは、必ずしも同じである必要は無く使用環境に応じて変更できる。例えば、発振回路と送信アンテナを表裏面に形成する第1基板11には、比誘電率のバラツキやtanδ(誘電正接)を考慮した高周波に適した基板材を、受信アンテナと制御部53を表裏面に形成する第2基板21には、比誘電率のバラツキやtanδ(誘電正接)を殆ど考慮する必要がないため、汎用性(低周波向け)のある基板材を使用すれば、生産性に優れ、製造コストが安価な電波センサを提供できる。また、比較的、比誘電率の高い基板材を第2基板21として使用すれば、受信アンテナをより多く形成できセンシング分解能が向上する。
【0032】
図5は、本発明における電波センサを水栓装置の自動化に応用した一例を示す、(a)正面図および(b)側面図である。図6は、同、動作判断回路に入力される電圧波形を示すグラフである。
図5に示す自動水栓装置は、水道配管に直結され通水または断水を電気的に切り替え可能な構造を有した図示しない電磁弁と、片端から水道水が流入し他端から吐水する水栓装置41と、上述した第2実施形態の電波センサとから構成されている。図示しない電磁弁と水栓装置41は図示しない給水ホースにより配管接続され、電波センサの制御部53(出力回路)から外部に出力された図示しない駆動信号の配線が図示しない電磁弁に電気接続されている。水栓装置41は吐水口が洗面ボール42の中央に位置するように壁43に固定され、吐水口よりも壁43側となる洗面ボール42の裏側に吐水口を中心に複数の受信アンテナが対称となるよう電波センサが設置されている。
以下、実施例において説明の都合上、端面が対向する2つの受信電極と、2つの受信電極が対向する端面近傍に接続されたダイオードを、まとめて受信器と表現する。上述した第2実施形態の電波センサの場合、受信電極22aと受信電極22bとダイオード24aが受信器2aに相当し、受信電極22cと受信電極22dとダイオード24bが受信器2bに相当する。
【0033】
図6(a)は、使用者の手が吐水口に向かい図中左側方向から接近した時の受信器2aと受信器2bで各々受信した受信信号(電圧値)の時間的変化を示す電圧波形である。 図6(b)は、使用者の手が吐水口の前方を図中左側方向から図中右側方向へ移動した時の受信器2aと受信器2bで各々受信した受信信号の時間的変化を示す電圧波形である。
図6(a)と図6(b)とで電圧波形が著しく異なる原因は、電波センサの波長に寄因する。赤外線センサの1波長は数ナノメートルに対し電波センサの1波長は極端に長い。例えば、電波センサの高周波信号の周波数を10・50〜10.55GHzとすると、1波長は約28ミリメートルとなるがその場合、14mm間隔にて電波の放射強度がゼロから最大まで変化する。そのため、電波センサ前方における放射強度のムラがそのまま手に反射して受信器2a、2bに受信される受信電力となり、前方からセンサに向かって接近する動きに対してパルス状の受信信号が得られることになる。従って、センサに手が接近・離縁する移動方向は電圧値レベルを比較することで容易に検出できる。さらに、前のパルスの立上り(またはピーク値)から次のパルスの立上り(またはピーク値)までの距離は高周波信号の周波数により決定するため相対的な移動距離を認識でき、経過時間tも認識できるため容易に移動速度まで検出できる。
一方、センサの前方を横断する動きに対しては反射角の影響により手の進入方向に対して死角となる受信器側の電圧値レベルは上昇しない。従って、電圧値レベルが一時的に最大となり、その順序t1、t2を認識できるためセンサ前方を手が横断する移動方向を容易に検出できる。
また、送信部51(送信電極12から)放射される電波ビームは、赤外線を利用したセンサと比較すると指向角が広いため、受信器2a、2bにて受信電力が得られる検知範囲は重複するため、被検知体の動きが連続した動きであるか否かを認識できる。
【0034】
従って、使用者の手の動きを限定して水栓装置41から自動吐水させることが可能となる。例えば、使用者の手が洗面ボール42内に進入し吐水口に接近した動きのみに対して水栓装置41から水を自動的に吐水させることができる。そして、手洗いが終了し使用者が洗面ボール42内から手を引いた直後は、センサ前方に水が吐水された状態になるが、吐水される水に対し受信器2a、2bが両側に配置されているため、図6(c)に示すように受信器2a、2bにて受信される受信信号の電圧波形は、ほぼ平坦で使用者の手が吐水口付近にある時よりも低い電圧値レベルとなる。従って、この状態を検知すれば、素早く自動的に止水できる。
【0035】
図7は、本発明における電波センサをヘッドスピードの測定に応用した一例を示す、(a)側面図および(b)上面から見た透視図である。 図8は、同、動作判断回路に入力される電圧波形を示すグラフである。
図7に示すヘッドスピード計測装置は、水平面(地面)よりも下方、且つゴルフクラブのヘッドの進入方向に対して送信アンテナおよび受信アンテナの励振方向が直交するように、上述した第2実施形態の電波センサが配置されている。そして、ゴルフボール設置手段48に固定されたゴルフボール47に向かい使用者がゴルフクラブをスイングしたとき、ヘッドが受信器2aと受信器2bの間を通過する時間tを検出し制御部53にてヘッドスピードを算出する。その算出結果が使用者から視認できる位置に設置された速度表示手段46に表示される。
【0036】
ヘッドが通過するの進入方向に対して電波センサが、受信器2a、送信アンテナ(送信電極12)、受信器2bの順に配置されているため、ヘッドの進入方向に対して死角となる受信器側の電圧値レベルは上昇しない。また、送信アンテナに対する受信器2aと受信器2bの位置関係で距離が決定するが、ヘッドが通過する高さ方向の影響を受けにくくバラツキは小さい。従って、ゴルフの未経験者でもスイング速度が安定していれば、算出されるヘッドスピードの値のバラツキは小さく安定する。
さらに、受信器2a、2bは、電極の形状が励振方向と直交する端辺の長さが短いダイポールアンテナ構造の受信アンテナであるため、比較的死角領域を広くでき、検知精度の向上が図れる。
【0037】
従来からある隠蔽した状態で被検知体の動きをドップラー方式により検出する電波センサの場合、被検知体の動きが極端に遅くなったり静止すると、ドップラー信号を得ることができない(電圧波形が変動しない)が、本発明の電波センサは、隠蔽した状態で被検知体の位置や移動状態(センサに対し接近・離遠する移動方向や速度、センサ前方を横断する移動方向や速度)を被検知体の移動速度に関係なく容易に精度良く識別できる。
【0038】
図9は、本発明における電波センサの第2実施形態の変形例1を示す、正面図である。図10は、同、(a)A−A’断面および(b)B−B’断面における送信部から放射される電波ビームの放射パターンを示すグラフである。
図9に示す電波センサは図3に示した電波センサに対し送信アンテナが異なる。第1基板11の一方の表面に励振方向と直交する端面が対向するように送信電極12aと送信電極12bが形成され、電力均等分配回路となる伝送線路17にて互いに接続され、伝送線路の中間点に第1基板11の他方の表面に形成された図示しない発振回路と接続される導通孔15が形成されている。このとき送信アンテナの中心は、送信電極12bと対向する送信電極12aの端面中央部から、送信電極12aと対向する送信電極12bの端面中央部までの中間地点である。
【0039】
送信電極12aと送信電極12bから放射され統合された電波ビームの放射形状は、図10に示すように励振方向と平行するA−A’面の半値角をθ1、励振方向と直交するB−B’面の半値角をθ2とすると、θ1<θ2と励振方向と直交する方向に直径が長い楕円形状となり、アンテナゲインも図3に示した電波センサと比較し高くなる。従って、センサ前方を被検知体が横断する場合、被検知体の進入方向に対し死角となる受信器と死角にならない受信器との受信電力差を大きくすることができるため、被検知体の大きさが小さくても例えば、手ではなく指でも精度良く移動状態を識別できる。
【0040】
また、伝送線路17の長さを調整し送信電極12a、12bのどちらか一方に高周波信号が伝播されるタイミング(位相)を180degree前後、遅らせれば、送信電極12a、12bから放射され統合された電波ビームは図中左右方向にスプリットするため、センサに向かい前方から接近する被検知体の移動状態は検出しずらくなるが、センサ前方を横断する被検知体の移動状態はさらに精度良く識別できる。
【0041】
図11は、本発明における電波センサの第2実施形態の変形例2を示す、正面図である。図12は、同、(a)A−A’断面および(b)B−B’断面における送信部から放射される電波ビームの放射パターンを示すグラフである。
図11に示す電波センサは、図3に示した電波センサに対し送信アンテナおよび受信アンテナの配置と数が異なる。第1基板11の一方の表面に励振方向と平行する端面が対向するように送信電極12aと送信電極12bが形成され、電力均等分配回路となる伝送線路17にて互いに接続され、伝送線路の中間点に第1基板11の他方の表面に形成された図示しない発振回路と接続される導通孔15が形成されている。このとき送信アンテナの中心は、送信電極12bと対向する送信電極12aの端面中央部から、送信電極12aと対向する送信電極12bの端面中央部までの中間地点である。受信器2a、2b、2c、2d、2e、2fが送信アンテナの中心を基準として略対称に配置され、受信器2a、2bを一対、受信器2c、2dを一対、受信器2e、2fを一対として送信アンテナの中心と一対の複数の受信器との中心が略同一直線上に配置されている。
【0042】
送信電極12aと送信電極12bから放射され統合された電波ビームの放射形状は、図12に示すように励振方向と平行するA−A’面の半値角をθ1、励振方向と直交するB−B’面の半値角をθ2とすると、θ1>θ2と励振方向と平行する方向に直径が長い楕円形状となり、アンテナゲインも図3に示した電波センサと比較し高くなる。従って、センサ前方を被検知体が横断する場合、横断する移動方向や移動速度だけでなく被検知体が通過した経路を認識することができる。上述したヘッドスピード計測装置に用いれば、ヘッドの進入角度が認識できヘッドスピードの算出精度が向上する。
【0043】
図13は、本発明における電波センサの第2実施形態の変形例3を示す、ブロック図である。図14は、同、正面図である。図15は、同、(a)A−A’断面および(b)B−B’断面における送信部から放射される電波ビームの放射パターンを示すグラフである。
図14に示す電波センサは、図11に示した電波センサに対し送信アンテナと制御部53が異なる。送信アンテナとして第1基板11の一方の表面に、発振回路にて生成された高周波信号が直接、供給される給電素子12と、給電素子12が励振することにより励起される複数の無給電素子18a、18bとが形成され、複数の無給電素子18a、18bに伝送線路17a、17bを介し各々、接続され高周波信号の通過または遮断を選択できる複数のスイッチ14a、14bとが配置されている。そして、第2基板21の他方の表面に形成された制御部53に、複数のスイッチ8a、8bの状態を切り替えるための電波方向切替回路を備え、動作判断回路からの信号に応じて制御線19a、19bを介しスイッチ8a、8bの状態(ON/OFF)を適宜、切替えることにより給電素子12と複数の無給電素子18a、18bから放射され統合された電波ビームを、図中左右方向に切替えて放射することができる。このとき送信アンテナの中心は給電素子12の中心である。
【0044】
図15(a)と図15(b)は、無給電素子18aを導波器、無給電素子18bを反射器として作用させて図中左側方向に電波ビームを放射した時の放射パターンである。 図15(c)と図15(d)は、無給電素子18aを反射器、無給電素子18bを導波器として作用させて図中右側方向に電波ビームを放射した時の放射パターンである。ともに励振方向と平行する方向(図中上下方向)の半値角θ1が広い状態で電波ビーム傾けることができるため、図11に示した電波センサと比較すると、センサ前方を被検知体が横断する場合、被検知体の進入方向に対し死角となる受信器と死角にならない受信器との受信電力差を大きくすることができるため、被検知体の大きさが小さくても例えば、手ではなく指でも横断する移動方向や移動速度だけでなく被検知体が通過した経路を認識することができる。
【0045】
本実施例における電波センサは、給電素子12と複数の無給電素子18a、18bから放射される電波ビームを空間にて結合させ電波ビームを傾ける、いわゆる空間ビーム形成方式を採用しているが、第1基板11の一方の表面に電力均等分配回路となる伝送線路17にて互いに接続された複数の送信電極12a、12bを形成し、各送信電極12a、12bに接続される伝送線路の長さをスイッチ(SPDTスイッチ等)により切替えて電波ビームを傾ける、いわゆるフェーズドアレイ方式を採用することもできる。但し、電波ビームの制御性や量産性(製造コスト)等を考慮すると、空間ビーム形成方式を採用する法が好ましい。また、空間ビーム形成方式は、比較的半値角が広い状態で所定の方向へ電波ビームを傾けることができるため、手や指の横断する動きをセンシングする場合、電波ビームの放射方向をレーダのように細かく切り替えなくても簡単な切替えにて手や指の連続した動きを検出することができる。
【0046】
本実施例における電波センサは、送信アンテナから放射される電波ビームの放射方向を2方向に切替えているが、無給電素子18を給電素子12の周囲に+字型や×字型に4つ配置し、各々にスイッチ14を接続して適宜切り替えれば、電波ビームの放射方向は正面方向を除いて8方向に切替えて放射することができる。従って、送信アンテナの周囲を囲むように受信アンテナを複数配置すれば、センサ前方の広範囲にわたり被検知体の移動状態や通過経路を認識することができる。
【0047】
本実施例における電波センサは、送信部51と受信部52と電波方向切替回路を備えた制御部53とを一体化して備えているため、電波センサに印加する電源電圧および制御部53の出力回路から出力される駆動信号用の配線が電波センサから外部に引き出されるだけなので、余計な配線(例えば、スイッチ18a、18bを切り替えるための配線)を外部に引き出す必要が無く取り扱いが容易である。
【0048】
本実施例における電波センサは、第1基板11の一方の表面に複数のスイッチ18a、18bを配置したが、第1基板11の他方の表面に配置しても良い。図示しない発振回路の省スペース化もしくは小型モジュール化を図り、スイッチ18a、18bを図示しない発振回路と同一面に配置すれば、電波ビームの放射面となる第1基板11の一方の表面に立体的に突出する部品が無くなりフラットにすることができるため、製造・施工時の取扱いが容易となる。
【0049】
図16は、本発明における電波センサの第3実施形態を示す、(a)正面図および(b)B−B’断面図である。
図16に示す電波センサは、図3に示した電波センサに対し受信アンテナの配置数が異なる。送信アンテナ(送信電極12)を中心としたとき図中左側だけに受信電極22a、22bを一対とするダイポールアンテナ構造の受信アンテナが配置されている。図3に示した電波センサと同様に受信アンテナは第1接地電極13よりも後方に配置され反射器として作用すること抑制できるため、送信電極12から放射される電波ビームを所定の方向へ放射させることができる。従って、センサに向かって接近する被検知体の移動方向やセンサ前方を横断する被検知体の移動方向までは認識できないが、被検知体がセンサに向かって接近することや接近する移動距離・移動速度、センサ前方を横断することを認識することができる。
【0050】
図17は、本発明における電波センサの第3実施形態の変形例1を示す、断面図である。
図17に示す電波センサは、図3に示した電波センサに対し受信アンテナの配置が異なる。送信アンテナ(送信電極12)を中心としたとき図中左側に受信電極22a、22bを一対とするダイポールアンテナ構造の受信アンテナが配置され、図中上側に受信電極22c、22dを一対とするダイポールアンテナ構造の受信アンテナが配置されている。複数の受信アンテナは、送信アンテナ(送信電極12)の中心を基準として略対称に配置されていない。また、送信アンテナの中心と、受信電極22a、22bに接続されたダイオード24aの中心と、受信電極22c、22dに接続されたダイオード24bの中心とは略同一直線上に配置されていない。送信アンテナを中心として励振方向に平行する側と、励振方向に直交する側とに受信アンテナを配置しているため、被検知体がセンサ前方を図中左右方向側に横断したのか、図中上下方向側に横断したのかを容易に識別することができる。
【0051】
図18は、本発明における電波センサの第4実施形態を示す、(a)正面図および(b)B−B’断面図である。
図18に示す電波センサは、図3に示した電波センサに対し受信アンテナが形成された第2基板21の設置位置が異なる。第2基板21は第1基板11の一方の表面に形成された送信電極12の前方に配置され、送信電極12と対向する第2基板21の略中央部は矩形状に切り欠かれ中空状態である。送信電極12から前方に放射された電波ビームは、一部が第2基板21に衝突し第2基板21内部の略前面に形成された第2接地電極23により反射して送信電極12側に戻ってくるが、大半は第2基板21の中空状態となった部分から第2基板21よりも前方に放射される。従って、図3に示した電波センサに比べ検知領域を狭くでき、送信電極12前方の被検知体の小さな動きを精度良く検出できる。
【0052】
図19は、本発明における電波センサの第5実施形態を示す、(a)正面図および(b)A側の側面図、(c)B側の側面図である。
図19に示す電波センサは、図3に示した電波センサに対し受信アンテナが形成された第2基板の設置角度が異なる。前述した実施形態においては第2基板21の同一面上に複数の受信アンテナが形成されていたが、本実施例では他方の表面に第2接地電極23aが略前面に形成され、一方の表面に受信電極22a、22bを一対とするダイポールアンテナが形成された第2基板21aと、他方の表面に第2接地電極23bが略前面に形成され、一方の表面に受信電極22c、22dを一対とするダイポールアンテナが形成された第2基板21bと、複数の受信アンテナは別々の基板からなる。そして、励振方向と平行する送信アンテナ(送信電極12a)の端面(図中左側)と第2接地電極23a面、励振方向と平行する送信アンテナの端面(図中右側)と第2接地電極23b面が各々対向し、且つ送信アンテナの中心を基準として略対称となる位置に第2基板21aと第2基板21bを配置している。そして、受信電極22a、22bに接続されたダイオード24aおよび受信電極22c、22dに接続されたダイオード24bにて各々検波した受信信号を導通孔25a、25cを介し第3基板61に備えた制御部53に送信する。
【0053】
本発明の電波センサは、電波ビームを放射する送信電極12が形成された放射面と、電波ビームを受信する受信電極22a、22b、22c、22dが形成された受信面が略直交するように配置され、送信電極12と受信電極22a、22bの間には第2接地電極23aが、送信電極12と受信電極22c、22dの間には第2接地電極23bが介在する。そのため、センサ前方を横断する被検知体の動きに対して受信電極22a、22b、22c、22dにて受信できる受信電力が極端に小さくなり、位置や移動状態を識別するのは困難となる。一方、センサに向かって接近する被検知体の動きに対しては、被検知体の大きさが送信アンテナよりも大きければ、受信電極22a、22b、22c、22dにて位置や移動状態を識別するのに十分な受信電力を得ることができる。このように、本発明の電波センサの構成によれば、センサに向かって接近する被検知体の動きのみを抽出することができ、前述した自動水栓装置に組み込めば吐水口から吐水される水の動きは抽出せず、吐水口に接近・離遠する手の動きのみを抽出することができ、簡単な制御にて自動吐水、止水できる。
【0054】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は本発明の説明のための例示にすぎず、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明における電波センサの第1実施形態を示す、ブロック図である。
【図2】同、(a)正面図および(b)B−B’断面図である。
【図3】本発明における電波センサの第2実施形態を示す、(a)正面図および(b)B−B’断面図である。
【図4】同、(a)A−A’断面および(b)B−B’断面における送信部から放射される電波ビームの放射パターンを示すグラフである。
【図5】本発明における電波センサを水栓装置の自動化に応用した一例を示す、(a)正面図および(b)側面図である。
【図6】同、動作判断回路に入力される電圧波形を示すグラフである。
【図7】本発明における電波センサをヘッドスピードの測定に応用した一例を示す、(a)側面図および(b)上面から見た透視図である。
【図8】同、動作判断回路に入力される電圧波形を示すグラフである。
【図9】本発明における電波センサの第2実施形態の変形例1を示す、正面図である。
【図10】同、(a)A−A’断面および(b)B−B’断面における送信部から放射される電波ビームの放射パターンを示すグラフである。
【図11】本発明における電波センサの第2実施形態の変形例2を示す、正面図である。
【図12】同、(a)A−A’断面および(b)B−B’断面における送信部から放射される電波ビームの放射パターンを示すグラフである。
【図13】本発明における電波センサの第2実施形態の変形例3を示す、ブロック図である。
【図14】同、正面図である。
【図15】同、(a)A−A’断面および(b)B−B’断面における送信部から放射される電波ビームの放射パターンを示すグラフである。
【図16】本発明における電波センサの第3実施形態を示す、(a)正面図および(b)B−B’断面図である。
【図17】同、変形例1を示す、断面図である。
【図18】本発明における電波センサの第4実施形態を示す、(a)正面図および(b)B−B’断面図である。
【図19】本発明における電波センサの第5実施形態を示す、(a)正面図および(b)A側の側面図、(c)B側の側面図である。
【符号の説明】
【0056】
2a〜2f 受信器
11 第1基板
12、12a、12b 送信電極(給電素子)
13 第1接地電極
14a、14b スイッチ
15 導通孔
16 金属ケース
17、17a、17b 伝送線路
18a、18b 無給電素子
19a、19b 制御線
21、21a、21b 第2基板
22a〜22d 受信電極
23 第2接地電極
24、24a、24b ダイオード
25a〜25d 導通孔
31、31a、31b 遮断部材
41 水栓装置
42 洗面ボール
43 壁
46 速度表示手段
47 ゴルフボール
48 ゴルフボール設置手段
51 送信部
52 受信部
53 制御部
61 第3基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号を生成する発振回路と、
前記発振回路により生成された高周波信号を電波ビームとして放射する送信アンテナと、
前記送信アンテナから放射され、被検知体に衝突し反射して戻ってきた電波ビームを受信する複数の受信アンテナと、
前記複数の受信アンテナに各々接続され、前記受信アンテナに流れる電流を検波する複数のダイオードと、
前記複数のダイオードの検波結果に基づいて、被検知体の動きを判断する動作判断回路とを備え、
前記複数の受信アンテナは、前記送信アンテナの中心を基準として略対称、且つ前記送信アンテナの中心と前記受信アンテナとの中心が略同一直線上となる位置に、配置されたことを特徴とする電波センサ。
【請求項2】
前記送信アンテナは、誘電体からなる第1基板の一方の表面または内部にアンテナとして作用する第1素子と、該第1素子と対向する前記第1基板の他方の表面または内部に高周波のグランドとして作用する第1接地電極とが配置され、
前記第1素子、前記第1接地電極、前記複数の受信アンテナの順に配置されたことを特徴とする請求項1記載の電波センサ。
【請求項3】
前記複数の受信アンテナは、誘電体からなる第2基板の一方の表面または内部にアンテナとして作用する複数の第2素子と、前記複数の第2素子と対向する前記第2基板の他方の表面または内部に高周波のグランドとして作用する第2接地電極とが配置されたことを特徴とする請求項1乃至2何れか1項記載の電波センサ。
【請求項4】
前記複数の第2素子と隣接する前記送信アンテナの端面またはその近傍に、電波ビームを遮断する遮断部材を、前記複数の第2素子と隣接する前記送信アンテナの端面と平行するように各々配置したことを特徴とする請求項3記載の電波センサ。
【請求項5】
前記第2素子は、高周波信号の略4分の1波長の長さを有する2つの薄膜状の電極パターンから構成され、一方の前記電極パターンの片端は前記ダイオードのアノード端子に、他方の前記電極パターンの片端は前記ダイオードのカソード端子に各々接続したことを特徴とする請求項3乃至4何れか1項記載の電波センサ。
【請求項6】
前記第1素子と前記第2素子は矩形状の電極パターンから構成され、前記第1素子の励振方向と平行する前記電極パターンの端面と前記第2素子の励振方向と平行する前記電極パターンの端面とが平行に配置されたことを特徴とする請求項3乃至5何れか1項記載の電波センサ。
【請求項7】
前記発振回路は電磁波をシールドする金属ケースを有し、前記第1基板の他方の表面に配置された金属ケースは、少なくとも前記複数の受信アンテナが配置された方向側の1辺の長さが前記第1基板と略同一であることを特徴とする請求項2乃至6何れか1項記載の電波センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−236634(P2009−236634A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81943(P2008−81943)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】