説明

電流極性判別器付きスイッチ

【課題】ノイズによってインバータなどの出力電流の極性を誤って検出することなく、正確に検出する。
【解決手段】単方向の電流をスイッチングできるスイッチング素子と該スイッチング素子に逆並列に接続された還流ダイオードからなる逆導通スイッチと、直列に接続されたダイオードと抵抗とフォトカプラと直流電源で構成された電流極性判別器で、前記直流電源の電圧値を前記還流ダイオードに電流が流れた時のみ前記フォトカプラがオンするように設定し、該フォトカプラの出力を電流の極性判別とすることで電圧比較を行うことがなくノイズによる誤検知を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータなどの出力電流の極性判別を高精度に検出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2を用いて従来技術を説明する。
単方向の電流をスイッチングできるスイッチング素子11と該スイッチング素子11に逆並列に接続された還流ダイオード12で構成される逆導通スイッチ1において、還流ダイオード12のカソードにダイオード4のカソードを接続し、該ダイオード4のアノードには抵抗5を介して直流電源6の正極が接続されている。直流電源6の負極は還流ダイオードのアノードに接続されている。
【0003】
ここで還流ダイオード12の順方向電圧降下をVk、ダイオード4の順方向電圧降下をVd、スイッチング素子11がオン状態の電圧降下をVswon、直流電源6の電圧をVsとし、還流ダイオード12のアノードからみたダイオード4のアノードの電位Edは、条件によって以下のようになる。
【0004】
(1)還流ダイオード12に電流が流れていてダイオード4が導通している状態
Ed1=−Vk+Vd
(2)還流ダイオード12に電流が流れてなくスイッチング素子11がオンしていてダ
イオード4が導通している状態
Ed2=Vswon+Vd
(3)還流ダイオード12に電流が流れてなくスイッチング素子11がオフしていてダ
イオード4が導通していない状態
Ed3=Vs
【0005】
以上より、Ed1<Ed2<Ed3の関係が成り立ち、比較電圧源7の電圧をEd1とEd2の間にすることで、比較器8によって還流ダイオード12に電流が流れているかどうかを判別することが可能になる。比較器8が負極入力よりも正極入力の方が大きい場合に0電位を、逆の場合に正の電位を出力するならば、比較器8の出力は還流ダイオード12に電流が流れている場合(Is<0)には正の電位、流れていない場合には0電位となる。
【0006】
前記比較器8の出力を、電流極性判別信号SIとしてCPU等に入力するために逆導通スイッチ1が接続された回路と絶縁する目的でフォトカプラ9内のフォトダイオード91のアノードに入力する。該フォトカプラ9はフォトダイオード91のカソードが接地されていて、該フォトダイオード91が導通した場合(フォトカプラ9がオン状態)にはSI=0、そうでない場合(フォトカプラ9がオフ状態)にはSI=1を出力するものである。以上より、還流ダイオード12に電流が流れている場合(Is<0)にはSI=0、流れていない場合にはSI=1となり、逆導通スイッチ1に流れる電流の極性を得ることができる。この手法は特開2010−074879号公報に適用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−074879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、比較器の正極に入力される電圧幅が小さいためノイズの影響を受けやすく誤って検出する恐れがある。また、比較器とフォトカプラを用いるためコスト高となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような問題点を解決するために本発明の請求項1は、単方向の電流をスイッチングできるスイッチング素子Sw1と該スイッチング素子Sw1に逆並列に接続された還流ダイオードDk1からなる逆導通スイッチにおいて、
直列に接続されたダイオードD1と抵抗R1とフォトカプラP1内のフォトダイオードPd1と直流電源E1で構成され、
前記逆導通スイッチ内の還流ダイオードDk1の順方向電圧降下をVk1、前記逆導通スイッチ内のスイッチング素子Sw1のオン状態の電圧降下をVswon1、前記ダイオードD1の順方向電圧降下をVd1、前記フォトカプラP1がオン状態となる最小電流を流した時の前記抵抗R1の電圧降下をVr1、前記フォトカプラP1内のフォトダイオードPd1の順方向電圧降下をVpd1とした場合に、前記直流電源E1の電圧Vs1を(Vd1+Vr1+Vpd1−Vk1)と(Vswon1+Vd1+Vr1+Vpd1)の間にした電流極性判別器を前記還流ダイオードDk1と並列に接続し、前記フォトカプラP1の出力によって前記逆導通スイッチに流れる電流の極性を判別することを特徴とする電流極性判別器付きスイッチである。
【0010】
本発明の請求項2は、単方向の電流をスイッチングできるスイッチング素子Sw2と該スイッチング素子Sw2に逆並列に接続された還流ダイオードDk2からなる逆導通スイッチを正極電位Vsp、負極電位Vsnの間に2個直列に接続し、該接続点に出力線が接続されたPWMインバータにおいて、
直列に接続されたダイオードD2と抵抗R2とフォトカプラP2内のフォトダイオードPd2と直流電源E2で構成され、
前記逆導通スイッチ内の還流ダイオードDk2の順方向電圧降下をVk2、前記ダイオードD2の順方向電圧降下をVd2、前記フォトカプラP1がオン状態となる最小電流を流した時の前記抵抗R2の電圧降下をVr2、前記フォトカプラP2内のフォトダイオードPd2の順方向電圧降下をVpd2とした場合に、前記直流電源E2の電圧Vs1nを(Vd2+Vr2+Vpd2−Vk2)と(Vsp−Vsn)の間にした電流極性判別器を負極電位Vsn側の逆導通スイッチ内の還流ダイオードDk2と並列に接続し、
前記PWMインバータの両方の逆導通スイッチ内のスイッチング素子Sw2がオフ状態において、前記フォトカプラP2の出力によって前記PWMインバータの出力線に流れる電流の極性を判別することを特徴とする電流極性判別器付きスイッチである。
【0011】
本発明の請求項3は、請求項2に記載の電流極性判別器を前記PWMインバータの両方の逆導通スイッチ内の還流ダイオードDk2と並列に接続し、
前記PWMインバータの両方の逆導通スイッチ内のスイッチング素子Sw2がオフ状態において、正極電位Vsp側の電流極性判別器内のフォトカプラP2と負極電位Vsn側の電流極性判別器内のフォトカプラP2の出力の組み合わせによって前記PWMインバータの出力線に流れる電流の極性および出力線に電流が流れていない状態を判別することを特徴とする電流極性判別器付きスイッチである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、比較器によって電圧比較をすることなく、フォトカプラの出力のみで電流極性を判別できるのでノイズによって誤って検出することを防げると共にコストを抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による実施方法を示した図である。(実施例1)
【図2】従来技術を説明した図である。
【図3】本発明をPWMインバータの負極電位側の逆導通スイッチに適用した図であ る。(実施例2)
【図4】本発明をPWMインバータの正極電位側と負極電位側の両方の逆導通スイッ チに適用した図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の1実施例を示す図であり、図1を用いて説明する。図2と同様の部分については説明を省略する。
【0016】
逆導通スイッチ1において、還流ダイオード12のカソードにダイオード41のカソードを接続し、該ダイオード41のアノードには抵抗51を介してフォトカプラ10内のフォトダイオード101のカソードが接続されている。該フォトダイオード101のアノードには直流電源71の正極が接続されている。フォトカプラ10はフォトダイオード101が導通した場合(フォトカプラ10がオン状態)にはSlx=0、そうでない場合(フォトカプラ10がオフ状態)にはSlx=1を出力するものである。直流電源71の負極は還流ダイオード12のアノードに接続されている。
【0017】
ここで還流ダイオード12の順方向電圧降下をVk1、ダイオード41の順方向電圧降下をVd1、スイッチング素子11がオン状態の電圧降下をVswon1、フォトカプラ10がオン状態となる最小電流を流した時の抵抗51の電圧降下をVr1、フォトダイオード101の順方向電圧降下をVpd1、直流電源71の電圧をVs1とし、還流ダイオード12のアノードからみたフォトダイオード101のアノードの電位Ed1は、条件によって以下のようになる。
【0018】
(1)還流ダイオード12に電流が流れていてダイオード41とフォトダイオード10
1が導通している状態
Ed11=−Vk1+Vd1+Vr1+Vpd1
(2)還流ダイオード12に電流が流れてなくスイッチング素子11がオンしていてダ
イオード41とフォトダイオード101が導通している状態
Ed12=Vswon1+Vd1+Vr1+Vpd1
(3)還流ダイオード12に電流が流れてなくスイッチング素子11がオフしていてダ
イオード41とフォトダイオード101が導通していない状態
Ed13=Vs1
【0019】
ここで、Ed11<Ed12の関係が成り立ち、直流電圧源71の電圧Vs1をEd11とEd12の間にすると、上記(2)の状態でフォトダイオード101およびダイオード41は導通しなくなり、フォトダイオード101およびダイオード41が導通するのは上記(1)の状態のみになる。以上より、フォトカプラ10は還流ダイオード12に電流が流れている場合(Is<0)にはオン状態となりSlx=0、そうでない場合にはオフ状態となりSlx=1を出力するので逆導通スイッチ1に流れる電流の極性を得ることができる。
【実施例2】
【0020】
図3は、本発明の1実施例を示す図であり、正極電位Vspと負極電位Vsnの間に逆導通スイッチを2個直列に接続し、該接続点に出力線が接続されたPWMインバータの負極電位Vsn側の逆導通スイッチ132において、逆導通スイッチ132内の還流ダイオードのカソードにダイオード41aのカソードを接続し、該ダイオード41aのアノードには抵抗51aを介してフォトカプラ10a内のフォトダイオード101aのカソードが接続されている。該フォトダイオード101aのアノードには直流電源71aの正極が接続されている。フォトカプラ10aはフォトダイオード101aが導通した場合(フォトカプラ10aがオン状態)にはSlxn=0、そうでない場合(フォトカプラ10aがオフ状態)にはSlxn=1を出力するものである。直流電源71aの負極は逆導通スイッチ132内の還流ダイオードのアノードに接続されている。
【0021】
Sp=1の時に逆導通スイッチ131のスイッチング素子がオンし、Sp=0で逆導通スイッチ131のスイッチング素子がオフするとし、Snと逆導通スイッチ132のスイッチング素子の動作も同様とした場合に、SpとSnを入力している論理和回路14の出力は逆導通スイッチ131と132のどちらもオフしているデッドタイム期間中だけ0を出力するようになる。Dフリップフロップ回路15のクロックCK入力には論理和回路14の出力が接続されており、Dフリップフロップ回路15のデータD入力には電流極性判別器31aの出力SIxnが接続されているため、Dフリップフロップ回路15の出力SIdはデッドタイム期間中の電流極性判別器31aの出力SIxnが保持されて出力されることになる。
【0022】
デッドタイム期間中は、出力電流Io>0の場合、出力電圧Eoは電流が逆導通スイッチ132内の還流ダイオードを流れるので、負極電位Vsnから逆導通スイッチ132内の還流ダイオードの順方向電圧降下Vknを差し引いた値になり、出力電流Io<0の場合、出力電圧Eoは電流が逆導通スイッチ131内の還流ダイオードを流れるので、正極電位Vspに逆導通スイッチ131内の還流ダイオードの順方向電圧降下Vkpを加えた値になる。よって、出力電流Io>0の場合、逆導通スイッチ132の端子間電圧Vswnは
Vswn=Eo−Vsn=(Vsn−Vkn)−Vsn=−Vkn
となり、出力電流Io<0の場合の逆導通スイッチ132の端子間電圧Vswnは
Vswn=Eo−Vsn=(Vsp+Vkp)−Vsn
となる。ただし、一般に還流ダイオードの順方向電圧降下Vkpは(Vsp−Vsn)と比較すると非常に小さいため出力電流Io<0の場合の逆導通スイッチ132の端子間電圧Vswnは
Vswn=Vsp−Vsn
と書き直すことができる。
【0023】
一方、ダイオード41aの順方向電圧降下をVd2、フォトカプラ10aがオン状態になる最小電流を流した時の抵抗51aの電圧降下をVr2、フォトダイオード101aの順方向電圧降下をVpd2として、逆導通スイッチ132内の還流ダイオードに電流が流れている状態(出力電流Io>0)でダイオード41aとフォトダイオード101aが導通している時、逆導通スイッチ132内の還流ダイオードのアノードからみたフォトダイオード101aのアノードの電位Ed2を求めると、
Ed2=−Vkn+Vd2+Vr2+Vpd2
となる。
【0024】
ここで電流極性判別器31a内の直流電源71aの電圧Vs1nをEd2と(Vsp−Vsn)の間に設定すると、出力電流Io>0の場合、出力電流Ioは逆導通スイッチ132を流れ、フォトカプラ10aがオン状態となるのでSIxn=0となり、出力電流Io<0の場合、出力電流Ioは逆導通スイッチ131を流れて逆導通スイッチ132には流れず、フォトカプラ10aがオフ状態となるのでSIxn=1が出力されることから、デッドタイム期間終了後において、出力電流Io>0の場合はSId=0、出力電流Io<0の場合はSId=1となる。以上より、SIdによってデッドタイム期間中の出力電流の極性を正確に知ることができるので、SIdを用いてデッドタイム期間中の電圧誤差を正確に補正できるようになる。
【実施例3】
【0025】
図4は、本発明の1実施例を示す図であり、図3の電流極性判別器31aを前記PWMインバータの正極電位Vsp側の逆導通スイッチ131と負極電位Vsn側の逆導通スイッチ131の両方に適用したもので、正極側の電流極性判別器を31b、負極側を31aとする。図3と同様の部分については説明を省略する。
【0026】
デッドタイム期間中で出力電流Io<0の場合、出力電圧Eoは電流が正極電位Vsp側の逆導通スイッチ131の還流ダイオードを流れるので、正極電位Vspに逆導通スイッチ131内の還流ダイオードの順方向電圧降下Vkpを加えた値になり、出力電流Io>0の場合、出力電圧Eoは電流が逆導通スイッチ132内の還流ダイオードを流れるので、負極電位Vsnから逆導通スイッチ132内の還流ダイオードの順方向電圧降下Vknを差し引いた値になる。よって、出力電流Io<0の場合、逆導通スイッチ131の端子間電圧Vswpは
Vswp=Vsp−Eo=Vsp−(Vsp+Vkp)=−Vkp
となり、出力電流Io>0の場合、出力電流Ioは負極電位Vsn側の逆導通スイッチ132の還流ダイオードを流れるので、逆導通スイッチ131の端子間電圧Vswpは、
Vswp=Vsp−Eo=Vsp−(Vsn−Vkn)
となる。ただし、一般に還流ダイオードの順方向電圧降下Vknは(Vsp−Vsn)と比較すると非常に小さいため出力電流Io>0の場合の逆導通スイッチ131の端子間電圧Vswpは、
Vswp=Vsp−Vsn
と書き直すことができる。
【0027】
一方、ダイオード41bの順方向電圧降下をVd3、フォトカプラ10bがオン状態となる最小電流を流した時の抵抗51bの電圧降下をVr3、フォトダイオード101bの順方向電圧降下をVpd3として、逆導通スイッチ131内の還流ダイオードに電流が流れている状態(出力電流Io<0)でダイオード41bとフォトダイオード101bが導通している時、逆導通スイッチ131内の還流ダイオードのアノードからみたフォトダイオード101bのアノードの電位Ed3を求めると、
Ed3=−Vkp+Vd3+Vr3+Vpd3
となる。
【0028】
ここで正極電位側の電流極性判別器31b内の直流電源71bの電圧Vs1pをEd3と(Vsp−Vsn)の間に設定すると、出力電流Io<0の場合、出力電流Ioは逆導通スイッチ131を流れ、フォトカプラ10bがオン状態となるのでSIxp=0となり、出力電流Io>0の場合、出力電流Ioは逆導通スイッチ132を流れて逆導通スイッチ131を流れず、フォトカプラ10bがオフ状態となるのでSIxp=1が出力されることから、デッドタイム期間終了後において、出力電流Io<0の場合はSIdp=0、出力電流Io>0の場合はSIdp=1となる。負極電位側の電流極性判別器31aは図3の動作と同様なので詳細な説明を省略する。
【0029】
Dフリップフロップ回路151および152のクロックCK入力には論理和回路14の出力が接続されており、Dフリップフロップ回路151および152のデータD入力には電流極性判別器31bおよび31aの出力SIxp、SIxnが接続されているため、Dフリップフロップ回路151および152の出力SIdp、SIdnはデッドタイム期間中の電流極性判別器31bおよび31aの出力SIxp、SIxnが保持されて出力されることになる。
【0030】
正極電位側の電流極性判別器31bは出力電流Io>0の場合、SIxp=1となり、出力電流Io<0の場合、SIxp=0となる。負極電位側の電流極性判別器31aは出力電流Io>0の場合、SIxn=0となり、出力電流Io<0の場合、SIxn=1となる。出力電流Io=0の場合は逆導通スイッチ131、132共に電流が流れないのでSIxp=1とSIxn=1となる。以上より、デッドタイム期間終了後において、出力電流Io>0の場合はSIdp=1とSIdn=0、出力電流Io<0の場合はSIdp=0とSIdn=1、出力電流Io=0の場合はSIdp=1とSIdn=1となる。よって、SIdpとSIdnの組み合わせによって出力電流Ioの極性および電流が流れていない状態を正確に知ることができるので、SIdpおよびSIdnを用いてデッドタイム期間中の電圧誤差を正確に補正できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
簡単な回路を付加するだけで、逆導通スイッチング素子に流れる電流の極性を高精度に判別できるので、PWMインバータなどに応用することで、デッドタイム等による電圧誤差を正確に補正可能となり、正確な電圧出力や正確な出力電圧推定などが可能となり、インバータの制御性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 逆導通スイッチ
11 スイッチング素子
12 還流ダイオード
31、31a、31b 電流極性判別器
4、41、41a、41b ダイオード
5、51、51a、51b 抵抗
6 直流電源
7 比較電圧源
71、71a、71b 直流電源
8 比較器
9 フォトカプラ
91 フォトダイオード
10、10a、10b フォトカプラ
101、101a、101b フォトダイオード
131、132 逆導通スイッチ
14 論理和回路
15、151、152 Dフリップフロップ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単方向の電流をスイッチングできるスイッチング素子Sw1と該スイッチング素子Sw1に逆並列に接続された還流ダイオードDk1からなる逆導通スイッチにおいて、
直列に接続されたダイオードD1と抵抗R1とフォトカプラP1内のフォトダイオードPd1と直流電源E1で構成され、
前記逆導通スイッチ内の還流ダイオードDk1の順方向電圧降下をVk1、前記逆導通スイッチ内のスイッチング素子Sw1のオン状態の電圧降下をVswon1、前記ダイオードD1の順方向電圧降下をVd1、前記フォトカプラP1がオン状態となる最小電流を流した時の前記抵抗R1の電圧降下をVr1、前記フォトカプラP1内のフォトダイオードPd1の順方向電圧降下をVpd1とした場合に、前記直流電源E1の電圧Vs1を(Vd1+Vr1+Vpd1−Vk1)と(Vswon1+Vd1+Vr1+Vpd1)の間にした電流極性判別器を前記還流ダイオードDk1と並列に接続し、前記フォトカプラP1の出力によって前記逆導通スイッチに流れる電流の極性を判別することを特徴とする電流極性判別器付きスイッチ。
【請求項2】
単方向の電流をスイッチングできるスイッチング素子Sw2と該スイッチング素子Sw2に逆並列に接続された還流ダイオードDk2からなる逆導通スイッチを正極電位Vsp、負極電位Vsnの間に2個直列に接続し、該接続点に出力線が接続されたPWMインバータにおいて、
直列に接続されたダイオードD2と抵抗R2とフォトカプラP2内のフォトダイオードPd2と直流電源E2で構成され、
前記逆導通スイッチ内の還流ダイオードDk2の順方向電圧降下をVk2、前記ダイオードD2の順方向電圧降下をVd2、前記フォトカプラP1がオン状態となる最小電流を流した時の前記抵抗R2の電圧降下をVr2、前記フォトカプラP2内のフォトダイオードPd2の順方向電圧降下をVpd2とした場合に、前記直流電源E2の電圧Vs1nを(Vd2+Vr2+Vpd2−Vk2)と(Vsp−Vsn)の間にした電流極性判別器を負極電位Vsn側の逆導通スイッチ内の還流ダイオードDk2と並列に接続し、
前記PWMインバータの両方の逆導通スイッチ内のスイッチング素子Sw2がオフ状態において、前記フォトカプラP2の出力によって前記PWMインバータの出力線に流れる電流の極性を判別することを特徴とする電流極性判別器付きスイッチ。
【請求項3】
請求項2に記載の電流極性判別器を前記PWMインバータの両方の逆導通スイッチ内の還流ダイオードDk2と並列に接続し、
前記PWMインバータの両方の逆導通スイッチ内のスイッチング素子Sw2がオフ状態において、正極電位Vsp側の電流極性判別器内のフォトカプラP2と負極電位Vsn側の電流極性判別器内のフォトカプラP2の出力の組み合わせによって前記PWMインバータの出力線に流れる電流の極性および出力線に電流が流れていない状態を判別することを特徴とする電流極性判別器付きスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−239073(P2012−239073A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107437(P2011−107437)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)
【Fターム(参考)】