説明

電源回路

【課題】
簡易な構成でありながら確実に消費電力を低減し得る電源回路を実現する。
【解決手段】
第2の定電圧回路4A〜4Cから第1の定電圧回路3にフィードバックする電源電圧VOUTa〜VOUTcの変動と大きさを示す同期信号S2a〜S2cに応じて、第1の定電圧回路3が出力する電源電圧VDDを変化させることにより、従来のような外部回路や電圧切替制御回路等を別途設けることなく、第1の定電圧回路3が出力する電源電圧VDDを、常に第2の定電圧回路4A〜4Cが電源電圧VOUTa〜VOUTcを出力するために最低限必要な最小電圧となるよう変化させることができるので、回路構成を複雑にすることなく第2の定電圧回路4A〜4Cで消費される無駄な電力を低減し得、かくして簡易な構成でありながら確実に消費電力を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源回路に関し、供給される電源電圧を任意の電圧に変換して出力する際に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型電話機や携帯型オーディオプレイヤ等の携帯機器が広く普及している。これら携帯機器に対しては、バッテリによる動作時間を長くすることが要求されるため、種々の低消費電力化が施されている。
【0003】
例えば、携帯機器の電源回路には、各回路部になるべく効率的にエネルギ(電力)を供給して低消費電力化を図るように設計されたものが提案されており、以下、このように設計された従来の電源回路について説明する。
【0004】
図5に示すように電源回路100は、直流電源101から供給される電源電圧VINを第1の定電圧回路102で所望の電源電圧VDDまで低下させ、この電源電圧VDDを複数の第2の定電圧回路103A〜103Cで後段の各回路部(図示せず)が必要とする各々の電源電圧VOUTa〜VOUTcに変換して出力するようになされている。
【0005】
このような電源回路100では、例えば第1の定電圧回路102にスイッチングレギュレータを用い、第2の定電圧回路103A〜103Cにシリーズレギュレータを用いるようになされている。
【0006】
実際上、スイッチングレギュレータは、効率が高いもののノイズや出力電圧のリプルが大きく出力電圧の精度が低いという特徴を有し、シリーズレギュレータは、効率が低いものの出力電圧の精度が高いという特徴を有する。
【0007】
つまりこの電源回路100では、効率の高いスイッチングレギュレータで電源電圧VINを後段の各回路部が必要とする各々の電源電圧VOUTa〜VOUTcに近い電源電圧VDDまで低下させてから、この電源電圧VDDを出力電圧の精度が高いシリーズレギュレータで後段の各回路部が必要とする各々の電源電圧VOUTa〜VOUTcに変換して出力することにより、スイッチングレギュレータあるいはシリーズレギュレータだけで構成された電源回路と比べて、精度の高い出力電圧を低消費電力で出力し得るようになされている。
【0008】
またこの電源回路100は、後段の各回路部の動作状況に応じて、第2の定電圧回路103A〜103Cのうちの必要な回路(例えば第2の定電圧回路103A及び103B)だけを動作させて必要な電源電圧(例えば電源電圧VOUTa及びVOUTb)のみを出力することで、一段と低消費電力化を図るようにもなされている。
【0009】
ここで第1の定電圧回路102の回路構成の一例を図6に示す。この第1の定電圧回路102は、入力端子110を介して入力される電源電圧VINを所望の電源電圧VDDまで低下させ、これを出力端子111を介して図示しない負荷(第2の定電圧回路103A〜103C)に出力するスイッチングレギュレータであり、スイッチングトランジスタ112と、整流用トランジスタ113と、平滑回路114と、分圧回路115と、制御回路116とを有している。
【0010】
スイッチングトランジスタ112は、pMOS型FETであり、そのソースが入力端子110に接続されていると共に、ゲートが制御回路116に接続されている。
【0011】
整流用トランジスタ113は、nMOS型FETであり、そのドレインがスイッチングトランジスタ112のドレインに接続されていると共に、ゲートが制御回路116に接続されており、さらにソースが接地されている。
【0012】
これらスイッチングトランジスタ112及び整流用トランジスタ113は、制御回路116から供給される制御信号により、交互にオン/オフするようになされている。
【0013】
平滑回路114は、コイル114Aとコンデンサ114Bとを有しており、コイル114Aの一端がスイッチングトランジスタ112のドレイン(整流用トランジスタ113のドレイン)に接続されていると共に、当該コイル114Aの他端がコンデンサ114Bの一端と出力端子111とに接続され、さらに当該コンデンサ114Bの他端が接地されている。
【0014】
ここで第1の定電圧回路102において、整流用トランジスタ113がオフしてスイッチングトランジスタ112がオンすると、当該スイッチングトランジスタ112を介して入力端子110とコイル114Aの一端とが電気的に接続される。この結果、電源電圧VINが、コイル114A及びコンデンサ114Bに対してエネルギ(電力)を供給し、さらに出力端子111を介して図示しない負荷(第2の定電圧回路103A〜103C)にもエネルギを供給する。またこのときコイル114Aにはエネルギが蓄えられ、コンデンサ114Bは充電される。
【0015】
この状態から、スイッチングトランジスタ112がオフして整流用トランジスタ113がオンすると、入力端子110とコイル114Aの一端とが電気的に切り離される。この結果、コイル114Aの両端に逆起電力が生じて整流用トランジスタ113の整流作用が働くことにより、当該コイル114Aに蓄えられていたエネルギが出力端子111を介して図示しない負荷(第2の定電圧回路103A〜103C)に供給される。またこのときコンデンサ114Bは放電される。
【0016】
このように第1の定電圧回路102は、スイッチングトランジスタ112及び整流用トランジスタ113のオン/オフを繰り返してコイル114A及びコンデンサ114Bに充放電を繰り返させることにより、結果として出力端子111の電位を平滑化し、この出力端子111から安定した電源電圧VDDを出力し得るようになされている。
【0017】
さらにこの第1の定電圧回路102においては、電源電圧VDDの変動を、分圧回路115を介して制御回路116にフィードバックするようにもなされている。
【0018】
分圧回路115は、出力端子111とGNDとの間に直列接続された2個の抵抗115A及び115Bからなり、電源電圧VDDを抵抗115A及び115Bの抵抗比で分圧し、この結果得られる電圧(以下、これを分圧電圧とも呼ぶ)Vxを制御回路116に供給する。
【0019】
制御回路116は、基準電圧発生回路116Aと、三角波発生回路116Bと、コンパレータ116Cと、ドライブ回路116Dとを有しており、分圧回路115から供給される分圧電圧Vxをコンパレータ116Cの第2非反転入力端子に入力する。
【0020】
さらにこのコンパレータ116Cには、その第1非反転入力端子に基準電圧発生回路116Aからの基準電圧Vxrが入力されると共に、反転入力端子に三角波発生回路116Cからの三角波信号が入力される。
【0021】
この結果、コンパレータ116Cは、分圧電圧Vxと基準電圧Vxrとの差分電圧と、三角波信号とを比較することにより、この差分電圧のレベル(電圧)が三角波信号のレベルよりも高い場合にはハイ(High)レベルとなり低い場合にはロー(Low)レベルとなるPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、このPWM信号をドライブ回路116Dに出力する。
【0022】
ドライブ回路116Dは、その第1出力端子がスイッチングトランジスタ112のゲートに接続されていると共に、その第2出力端子が整流用トランジスタ113のゲートに接続されている。そしてこのドライブ回路116は、コンパレータ116Cから供給されるPWM信号がローレベルの期間ではスイッチングトランジスタ112をオンさせると共に整流用トランジスタ113をオフさせる制御信号を出力し、当該PWM信号がハイレベルの期間ではスイッチングトランジスタ112をオフさせると共に整流用トランジスタ113をオンさせる制御信号を出力する。
【0023】
かくして第1の定電圧回路102は、分圧電圧Vxが基準電圧Vxrよりも低くなると、このとき電源電圧VDDが所望の電圧よりも低くなるので、スイッチングトランジスタ112のオン時間を増加させて電源電圧VDDを上昇させ、また分圧電圧Vxが基準電圧Vxrよりも高くなると、このとき電源電圧VDDが所望の電圧よりも高くなるので、スイッチングトランジスタ112のオフ時間を増加させて電源電圧VDDを低下させることにより、分圧電圧Vxと基準電圧Vxrとを一致させて出力端子111から所望の電源電圧VDDを出力し得るようになされている。
【0024】
続いて、第1の定電圧回路102の負荷となる第2の定電圧回路103A〜103Cの回路構成の一例を図7に示す。なお、これら第2の定電圧回路103A〜103Cの回路構成については全て同一であるので、ここでは第2の定電圧回路103Aについてのみ説明するものとし、第2の定電圧回路103B及び103Cの説明については省略する。
【0025】
第2の定電圧回路103Aは、第1の定電圧回路102から入力端子120を介して入力される電源電圧VDDを、後段の回路部が必要とする所定の電源電圧VOUTaに変換し、これを出力端子121から後段の回路部に出力するシリーズレギュレータであり、出力制御用トランジスタ122と、分圧回路123と、制御回路124とを有している。因みに、出力制御用トランジスタ122と分圧回路123とを合わせて出力段とも呼ぶ。
【0026】
出力制御用トランジスタ122は、pMOS型FETであり、そのソースが入力端子120に接続されていると共に、ゲートが制御回路124に接続されており、さらにドレインが出力端子121と分圧回路123とに接続されている。
【0027】
分圧回路123は、出力端子121(出力制御用トランジスタ122のソース)とGNDとの間に直列接続された2個の抵抗123A及び123Bからなり、出力される電源電圧VOUTaを抵抗123A及び123Bの抵抗比で分圧し、この結果得られる分圧電圧Vyを制御回路124に供給する。
【0028】
制御回路124は、基準電圧発生回路124Aと、第1の定電圧回路102から供給される電源電圧VDDで動作する差動増幅器124Bとを有しており、分圧回路123からの分圧電圧Vyを差動増幅器124Bの非反転入力端子に入力すると共に、基準電圧発生回路124Aからの基準電圧Vyrを当該差動増幅器124Aの反転入力端子に入力する。
【0029】
差動増幅器124Bは、入力される分圧電圧Vyと基準電圧Vyrとの差分電圧を増幅し、この増幅した差分電圧を制御信号として出力制御用トランジスタ122のゲートに供給する。
【0030】
かくして制御回路124は、分圧電圧Vyが基準電圧Vyrよりも低くなると、このとき電源電圧VOUTaが所望の電圧よりも低くなるので、出力制御用トランジスタ122のゲートに供給する制御信号のレベルを減少させて電源電圧VOUTaが上昇するように当該出力制御用トランジスタ122を制御し、また分圧電圧Vyが基準電圧Vyrよりも高くなると、このとき電源電圧VOUTaが所望の電圧よりも高くなるので、出力制御用トランジスタ112のゲートに供給する制御信号のレベルを増加させて電源電圧VOUTaが低下するように当該出力制御用トランジスタ122を制御する。
【0031】
この結果、制御回路124は、出力端子121から安定した所望の電源電圧VOUTaを出力させることができる。
【0032】
さらに同様の構成でなる第2の定電圧回路103B及び103Cにおいても、例えば第2の定電圧回路103Aとは抵抗値の異なる分圧回路123を有することで、入力される電源電圧VDDを電源電圧VOUTaとは異なる電源電圧VOUTbや電源電圧VOUTcに変換して出力し得るようになされている。
【0033】
ところで、上述のような回路構成の第2の定電圧回路103Aは、降圧型のシリーズレギュレータであるため、その特性上、所望の電源電圧VOUTaを出力するためには、少なくとも当該所望の電源電圧VOUTa(例えば1.5[V])+0.3[V]程度の入力電圧(すなわち電源電圧VDD)を必要とする。
【0034】
同様に第2の定電圧回路103Bでは、少なくとも電源電圧VOUTb(例えば2.0[V])+0.3[V]程度の電源電圧VDDを必要とし、第2の定電圧回路103Cでは、少なくとも電源電圧VOUTc(例えば2.8[V])+0.3[V]程度の電源電圧VDDを必要とする。
【0035】
したがって、第1の定電圧回路102から出力する電源電圧VDDとしては、電源電圧VOUTa〜VOUTcのうちで最も高い電源電圧(この場合2.8[V])+0.3[V]程度の電圧が最低限必要となる。
【0036】
そこで、この電源回路100では、第1の定電圧回路102から出力する電源電圧VDDが、第2の定電圧回路103A〜103Cから所望の電源電圧VOUTa〜VOUTcを出力するために最低減必要な電圧のうちの最大値(2.8[V]+0.3[V]=3.1[V])に設定されており、これにより第2の定電圧回路103A〜103Cで消費される無駄な電力をなるべく少なくして消費電力を低減するようになされている。
【0037】
ところが、この電源回路100では、上述したように、この状態から例えば第2の定電圧回路103Cを停止させて、第2の定電圧回路103A及び103Bから所望の電源電圧VOUTa及びVOUTbのみを出力し得るようにもなされており、このとき電源電圧VDDとして最低限必要となる電圧(2.0[V]+0.3[V]=2.3[V])が、設定されている電圧(3.1[V])よりも小さくなり、この差分が無駄な電力となる。
【0038】
すなわちこの電源回路100は、第2の定電圧回路103A〜103Bの全てを動作させて電源電圧VOUTa〜VOUTCを出力しているとき以外では、設定された電源電圧VDDが必ずしも必要最低限の最小電圧とはならず、無駄な電力が生じる場合があった。
【0039】
そこで従来、第1の定電圧回路から出力する電源電圧VDDを第2の定電圧回路で任意の電源電圧VOUTに変換して出力する電源回路として、当該電源電圧VOUTの電圧値に応じて、電源電圧VDDの電圧値を切り替え得るようになされたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−235250公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
しかしながら、このような電源回路では、実際上、外部から供給される信号に応じて電源電圧VDDの電圧値を切り替えるため、このような信号を生成する外部回路や、この信号に応じて電源電圧VDDの電圧値を切り替えるための電圧切替制御回路等が別途必要となり、これら外部回路や電圧切替制御回路等を動作させる分だけ消費電力が増加するので、結果として低消費電力化されているとは言い難く、そのうえ電圧切替制御回路等が組み込まれることで回路構成が複雑になるという問題が生じていた。
【0041】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成でありながら確実に消費電力を低減し得る電源回路を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0042】
かかる課題を解決するため本発明の電源回路においては、直流電源からの電源電圧を任意の第1の電圧に変換して出力する第1の電圧変換回路と、当該第1の電圧変換回路からの第1の電圧を任意の第2の電圧に変換して出力する少なくとも1つの第2の電圧変換回路とを有する電源回路において、第2の電圧変換回路が出力する第2の電圧の値を示す信号を第2の電圧変換回路から第1の電圧変換回路に帰還させる帰還手段を設け、第1の電圧変換回路が、帰還手段により第2の電圧変換回路から帰還させられる第2の電圧の値を示す信号に応じて、第1の電圧を変化させるようにした。
【0043】
これにより従来のような外部回路や電圧切替制御回路等を別途設けることなく、第1の電圧変換回路が出力する第1の電圧を、第2の電圧変換回路が第2の電圧を出力するために最低限必要な最小電圧となるよう変化させることができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、直流電源からの電源電圧を任意の第1の電圧に変換して出力する第1の電圧変換回路と、当該第1の電圧変換回路からの第1の電圧を任意の第2の電圧に変換して出力する少なくとも1つの第2の電圧変換回路とを有する電源回路において、第2の電圧変換回路が出力する第2の電圧の値を示す信号を第2の電圧変換回路から第1の電圧変換回路に帰還させる帰還手段を設け、第1の電圧変換回路が、帰還手段により第2の電圧変換回路から帰還させられる第2の電圧の値を示す信号に応じて、第1の電圧を変化させるようにしたことにより、従来のような外部回路や電圧切替制御回路等を別途設けることなく、第1の電圧変換回路が出力する第1の電圧を、第2の電圧変換回路が第2の電圧を出力するために最低限必要な最小電圧となるよう変化させることができるので、回路構成を複雑にすることなく第2の電圧変換回路で消費される無駄な電力を低減し得、かくして簡易な構成でありながら確実に消費電力を低減し得る電源回路を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0046】
(1)電源回路の全体構成
図1において、1は全体として電源回路を示し、直流電源2から供給される電源電圧VINを第1の定電圧回路3と第2の定電圧回路4A〜4Cの制御回路4A1〜4C1とに入力する。第1の定電圧回路3は、入力される電源電圧VINを所望の電源電圧VDDまで低下させ、この電源電圧VDDを第2の定電圧回路4A〜4Cの出力段4A2〜4C2に供給する。
【0047】
第2の定電圧回路4A〜4Cは、入力される電源電圧VINで制御回路4A1〜4C1を動作させ、当該制御回路4A1〜4C1から出力する制御信号S1a〜S1c(図3で詳述)で出力段4A2〜4C2を制御することにより、当該出力段4A2〜4C2に供給される電源電圧VDDを後段の各回路部が必要とする各々の電源電圧VOUTa〜VOUTcに変換して出力する。
【0048】
このようにして電源回路1では、直流電源2から供給される電源電圧VINを後段の各回路部が必要とする各々の電源電圧VOUTa〜VOUTcに変換して出力し得るようになされている。
【0049】
またこの電源回路1は、後段の各回路部の動作状況等に応じて、第2の定電圧回路4A〜4Cのうちの必要な回路(例えば第2の定電圧回路4A及び4B)だけを動作させて必要な電源電圧(例えば電源電圧VOUTa及びVOUTb)のみを出力し得るようにもなされている。
【0050】
さらにこの電源回路1は、第2の定電圧回路4A〜4Cが有する制御回路4A1〜4C1のそれぞれが出力する制御信号S1a〜S1cと同期した信号(以下、これを同期信号とも呼ぶ)S2a〜S2cを、第2の定電圧回路4A〜4Cのそれぞれから第1の定電圧回路3にフィードバックするようにもなされている(詳しくは後述する)。
【0051】
(2)第1及び第2の定電圧回路の構成
まず第1の定電圧回路3の回路構成を図2に示す。この第1の定電圧回路3は、入力端子10を介して入力される電源電圧VINを任意の電源電圧VDDまで低下させ、これを出力端子11を介して第2の定電圧回路4A〜4Cの出力段4A2〜4C2に供給するスイッチングレギュレータであり、スイッチングトランジスタ12と、整流用トランジスタ13と、平滑回路14と、制御回路15とを有している。
【0052】
スイッチングトランジスタ12は、pMOS型FETであり、そのソースが入力端子10に接続されていると共に、ゲートが制御回路15に接続されている。
【0053】
整流用トランジスタ13は、nMOS型FETであり、そのドレインがスイッチングトランジスタ12のドレインに接続されていると共に、ゲートが制御回路15に接続されており、さらにソースが接地されている。
【0054】
これらスイッチングトランジスタ12及び整流用トランジスタ13は、制御回路15から供給される制御信号により、交互にオン/オフするようになされている。
【0055】
平滑回路14は、コイル14Aとコンデンサ14Bとを有しており、コイル14Aの一端がスイッチングトランジスタ12のドレイン(整流用トランジスタ13のドレイン)に接続されていると共に、当該コイル14Aの他端がコンデンサ14Bの一端と出力端子11とに接続され、さらに当該コンデンサ14Bの他端が接地されている。
【0056】
ここでこの第1の定電圧回路102では、整流用トランジスタ13がオフしてスイッチングトランジスタ12がオンすると、当該スイッチングトランジスタ12を介して入力端子10とコイル14Aの一端とが電気的に接続される。この結果、電源電圧VINが、コイル14A及びコンデンサ14Bに対してエネルギを供給し、さらに出力端子11を介して第2の定電圧回路4A〜4Cの出力段4A2〜4C2に対してもエネルギを供給する。またこのときコイル14Aにはエネルギが蓄えられ、コンデンサ14Bは充電される。
【0057】
この状態から、スイッチングトランジスタ12がオフして整流用トランジスタ13がオンすると、入力端子10とコイル14Aの一端とが電気的に切り離される。この結果、コイル14Aの両端に逆起電力が生じて整流用トランジスタ13の整流作用が働くことにより、当該コイル14Aに蓄えられていたエネルギが出力端子11を介して第2の定電圧回路4A〜4Cの出力段4A2〜4C2に供給される。またこのときコンデンサ14Bは放電する。
【0058】
このように第1の定電圧回路3は、スイッチングトランジスタ12及び整流用トランジスタ13のオン/オフを交互に繰り返してコイル14A及びコンデンサ14Bに充放電を繰り返させることにより、結果として出力端子11の電位を平滑化し、当該出力端子11から安定した電源電圧VDDを出力し得るようになされている。
【0059】
さらにこの第1の定電圧回路3は、第2の定電圧回路4A〜4Cのそれぞれからフィードバックされる同期信号S2a〜S2cをフィードバック用入力端子TIa〜TIcを介して制御回路15に入力する。
【0060】
ここで説明の便宜上、第1の定電圧回路3の制御回路15の詳細を説明する前に、第2の定電圧回路4A〜4Cの回路構成を説明する。
【0061】
第2の定電圧回路4A〜4Cの回路構成を図3に示す。なお、これら第2の定電圧回路4A〜4Cの回路構成については全て同一であるので、ここでは第2の定電圧回路4Aについてのみ説明するものとし、第2の定電圧回路4B及び4Cの説明については省略する。
【0062】
第2の定電圧回路4Aは、第1の定電圧回路3から第1入力端子20を介して入力される電源電圧VDDを、後段の回路部(図示せず)が必要とする所望の電源電圧VOUTaに変換し、これを出力端子21から後段の回路部に出力するシリーズレギュレータであり、出力制御用トランジスタ22と、分圧回路23と、制御回路4A1とを有している。因みにこの場合、出力制御用トランジスタ22と分圧回路23とが出力段4A2となる。
【0063】
出力制御用トランジスタ22は、pMOS型FETであり、そのソースが第1入力端子20に接続されていると共に、ゲートが制御回路4A1に接続されており、さらにソースが出力端子21と分圧回路23とに接続されている。
【0064】
分圧回路23は、出力端子21(出力制御用トランジスタ22のソース)とGNDとの間に直列接続された2個の抵抗23A及び23Bからなり、出力される電源電圧VOUTaを抵抗23A及び23Bの抵抗比で分圧し、この結果得られる分圧電圧V2を制御回路4A1に供給する。
【0065】
制御回路4A1は、基準電圧発生回路24と、第2入力端子25を介して直流電源2から供給される電源電圧VINで動作する差動増幅器26とを有し、分圧回路23から供給される分圧電圧V2を差動増幅器25の非反転入力端子に入力すると共に、基準電圧発生回路24からの基準電圧V2rを当該差動増幅器25の反転入力端子に入力する。
【0066】
差動増幅器26は、入力される分圧電圧V2と基準電圧V2rとの差分電圧を増幅し、この増幅した差分電圧を制御信号S1aとして出力制御用トランジスタ22のゲートに供給する。
【0067】
かくして制御回路4A1は、分圧電圧V2が基準電圧V2rよりも低くなると、このとき電源電圧VOUTaが所望の電圧よりも低くなるので、制御信号S1aのレベル(電圧)を減少させて電源電圧VOUTaが上昇するように出力制御用トランジスタ22を制御し、また分圧電圧V2が基準電圧V2rよりも高くなると、このとき電源電圧VOUTaが所望の電圧よりも高くなるので制御信号S1aのレベルを増加させて電源電圧VOUTaが低下するように出力制御用トランジスタ22を制御する。
【0068】
この結果、制御回路4A1は、出力端子21から所望の電源電圧VOUTaを出力させることができる。
【0069】
またこの制御回路4A1は、差動増幅器26から制御信号S1aと同期した信号(すなわち同期信号)S2aを出力するようにもなされており、この同期信号S2aをフィードバック用出力端子TOaを介して第1の定電圧回路3にフィードバックする。
【0070】
すなわち制御回路4A1は、電源電圧VOUTaの変動に応じて変化させる制御信号S1aと同期した同期信号S2aを第1の定電圧回路3にフィードバックすることで、第1の定電圧回路3に電源電圧VOUTaの変動を伝え得るようになされている。
【0071】
このように第2の定電圧回路4Aは、所望の電源電圧VOUTaを出力すると共に、電源電圧VOUTaの変動を示す同期信号S2aを第1の定電圧回路3にフィードバックするようになされている。
【0072】
同様にして第2の定電圧回路4B及び4Cも、所望の電源電圧VOUTb及びVOUTcを出力すると共に、電源電圧VOUTb及びVOUTcの変動を示す同期信号S2b及びS2cを第1の定電圧回路3にフィードバックするようになされている。
【0073】
因みに、これら同期信号S2a、S2b、及びS2cは、対応する電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcが大きいほど、そのレベルが小さくなるよう設定されている。つまり、これら同期信号S2a、S2b、及びS2cは、例えば制御信号S1a+所定電圧V(>VOUTa、VOUTb、VOUTc)−電源電圧VOUTa、制御信号S1b+所定電圧V−電源電圧VOUTb、及び制御信号S1c+所定電圧V−電源電圧VOUTcとなるよう設定されている。
【0074】
実際上、制御信号S1a、S1b、及びS1cのレベルは通常時ほぼ0となるので、例えば電源電圧VOUTc>VOUTb>VOUTaの関係が成り立つ場合、同期信号S2a>S2b>S2cとなる。すなわち、これら同期信号S2a、S2b、及びS2cは、対応する電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcの変動と大きさを示す信号となる。
【0075】
ここで、第1の定電圧回路3の制御回路15(図2)の説明に移る。制御回路15は、基準電圧発生回路15Aと、差動増幅器15Bと、三角波発生回路15Cと、コンパレータ15Dと、ドライブ回路15Eとを有しており、第2の定電圧回路4A〜4Cからフィードバック用入力端子TIa〜TIcを介して入力される同期信号S2a、S2b、及びS2cのそれぞれを差動増幅器15Bの第1、第2、及び第3反転入力端子に入力する。
【0076】
さらにこの差動増幅器15Bには、その非反転入力端子に基準電圧発生回路15Aからの基準電圧V1rが入力される。この結果、差動増幅器15Bは、同期信号S2a、S2b、及びS2cのうちで最もレベルが小さい信号と基準電圧V1rとの差分電圧を増幅し、この増幅した差分電圧を出力信号としてコンパレータ15Dに供給する。
【0077】
コンパレータ15Dは、差動増幅器15Bから供給された出力信号を反転入力端子に入力すると共に、三角波発生回路116Cから供給される三角波信号を非反転入力端子に入力する。
【0078】
この結果、コンパレータ15Dは、差動増幅器15Bから供給された出力信号と三角波信号とを比較することにより、この出力信号のレベルが三角波信号のレベルよりも低くなるとハイ(High)レベルとなり高くなるとロー(Low)レベルとなるPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、このPWM信号をドライブ回路15Eに出力する。
【0079】
ドライブ回路15Eは、その第1出力端子がスイッチングトランジスタ12のゲートに接続されていると共に、その第2出力端子が整流用トランジスタ13のゲートに接続されている。そしてこのドライブ回路15Eは、コンパレータ15Dから供給されるPWM信号がローレベルの期間ではスイッチングトランジスタ12をオンさせると共に整流用トランジスタ13をオフさせる制御信号を出力し、当該PWM信号がハイレベルの期間ではスイッチングトランジスタ12をオフさせると共に整流用トランジスタ13をオンさせる制御信号を出力する。
【0080】
かくして第1の定電圧回路3は、スイッチングトランジスタ12のオン時間を制御回路15で制御してフィードバックされる同期信号S2a、S2b、及びS2cのうちで最もレベルの小さい信号と基準電圧V1rとが一致するよう動作する。
【0081】
ここで、上述の差動増幅器15Bの内部構成についても説明しておく。この差動増幅器15Bは、図4に示すように、非反転入力用の差動トランジスタ30と、並列接続された3つの反転入力用の差動トランジスタ31a、31b、及び31cと、これら差動トランジスタ30、及び31a〜31cの負荷となるカレントミラー回路32と、増幅用トランジスタ33とを有している。
【0082】
非反転入力用の差動トランジスタ30は、pMOS型FETでありそのゲートに基準電圧V1rが供給される。また並列接続された3つの反転入力用の差動トランジスタ31a、31b、及び31cもpMOS型FETであり、それぞれのゲートに同期信号S2a、S2b、及びS2cが供給される。
【0083】
pMOS型FETはゲートに供給される電圧が小さいほどソースドレイン間が開く(すなわちソースドレイン間に多くの電流が流れる)ので、例えば同期信号S2a、S2b、及びS2cのうち、同期信号S2cが最もレベルの小さい信号だとすると、反転入力用の差動トランジスタ31a、31b、及び31cのうち、同期信号S2cがゲートに供給される差動トランジスタ31cのソースドレイン間が最も開くことになる。
【0084】
この結果、差動トランジスタ31cのゲートに供給される同期信号S2cが基準電圧V1rとの差動対象となり、非反転入力用の差動トランジスタ30と反転入力用の差動トランジスタ31cとで、基準電圧V1rと同期信号S2cとの差分電圧が検出される。そしてこの差分電圧がカレントミラー回路32及び増幅用トランジスタ33を介して増幅され、出力信号として出力される。
【0085】
このように差動増幅器15は、pMOS型FETでなる反転入力用の差動トランジスタを複数個並列接続した構成でなり、これにより反転入力端子に入力される同期信号S2a、S2b、及びS2cのうちで最もレベルが小さい信号と基準電圧V1rとの差分電圧を増幅して出力し得るようになされている。
【0086】
(3)動作及び効果
以上の構成において電源回路1は、例えば第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cの全てを動作させている状態で、これら第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cから電源電圧VOUTc>VOUTb>VOUTaとなる電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcを出力している場合、電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcの変動を示しかつこのとき同期信号S2a>S2b>S2cとなる同期信号S2a、S2b、及びS2cを第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cから第1の定電圧回路3にフィードバックする。
【0087】
第1の定電圧回路3は、第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cからフィードバックされる同期信号S2a、S2b、及びS2cのうち、最もレベルが小さい同期信号S2cと基準電圧V1rとを一致させるよう動作する。
【0088】
この結果、このときの第1の定電圧回路3は、供給される電源電圧VINを、第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cのそれぞれが電源電圧VOUTa、VOUTb、VOUTcを出力するために最低限必要とする最小電圧のうちの最大値(電源電圧VOUTc+0.3[V]程度)となる電源電圧VDDに変換して出力する。
【0089】
また電源回路1は、例えばこの状態から第2の定電圧回路4Cの動作を停止させ、第2の定電圧回路4A及び4Bから電源電圧VOUTa及びVOUTbのみを出力する状態に移行すると、第2の定電圧回路4A及び4Bから同期信号S2a及びS2bを第1の定電圧回路3にフィードバックする。
【0090】
このとき、同期信号S2a>S2bであるから、第1の定電圧回路3は、レベルが小さい同期信号S2bと基準電圧V1rとを一致させるよう動作する。
【0091】
この結果、このときの第1の定電圧回路3は、電源電圧VDDの電圧を、第2の定電圧回路4A及び4Bのそれぞれが電源電圧VOUTa及びVOUTbを出力するために最低限必要とする最小電圧のうちの最大値(電源電圧VOUTb+0.3[V]程度)に変化させる。
【0092】
さらに電源回路1は、例えばこの状態から第2の定電圧回路4Bの動作を停止させ、第2の定電圧回路4Aから電源電圧VOUTaのみを出力する状態に移行すると、第1の定電圧回路3から出力する電源電圧VDDの電圧を、第2の定電圧回路4Aが電源電圧VOUTaを出力するために最低限必要とする最小電圧(電源電圧VOUTa+0.3[V]程度)に変化させる。
【0093】
このように電源回路1は、電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcの変動と大きさを示す同期信号S2a、S2b、及びS2cを、第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cから第1の定電圧回路3にフィードバックさせ、この第1の定電圧回路3から、これら同期信号S2a、S2b、及びS2cに応じて、電源電圧VDDを変化させる。
【0094】
これにより電源回路1は、常に第1の定電圧回路3から、第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cのそれぞれが最低限必要とする最小電圧のうちの最大値となる電源電圧VDDを出力することができる。
【0095】
またこの電源回路1は、第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cが生成する制御信号S1a、S1b、及びS1cと同期した同期信号S2a、S2b、及びS2cを第1の定電圧回路3にフィードバックする経路を追加しただけの構成であり、従来のような外部回路や電圧切替制御回路等の回路を別途必要としないので、簡易な回路構成で実現できる。
【0096】
さらに電源回路1では、第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cの制御回路4A1、4B1、及び4C1を、第1の定電圧回路3から供給される電源電圧VDDではなく、直流電源2から供給される電源電圧VINで動作させるようにした。
【0097】
実際上、例えばこれら制御回路4A1、4B1、及び4C1を電源電圧VDDで動作させると、電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcの電圧を極端に低くしなければならない場合、これに伴って制御回路4A1、4B1、及び4C1に供給される電源電圧VDDも極端に低くなり、この結果、制御回路4A1、4B1、及び4C1の動作が不安定になる恐れがある。
【0098】
そこで電源回路1のように、常に安定した一定値以上の電源電圧VINで制御回路4A1、4B1、及び4C1を動作させるようにすれば、これらの動作を安定させることができ、例えば電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcの電圧を極端に低くしなければならない場合にも十分対応でき、確実に消費電力を低減させることができる。
【0099】
以上の構成によれば電源回路1は、第2の定電圧回路4A〜4Cから第1の定電圧回路3にフィードバックする電源電圧VOUTa〜VOUTcの変動と大きさを示す同期信号S2a〜S2cに応じて、第1の定電圧回路3が出力する電源電圧VDDを変化させることにより、従来のような外部回路や電圧切替制御回路等を別途設けることなく、第1の定電圧回路3が出力する電源電圧VDDを、常に第2の定電圧回路4A〜4Cが電源電圧VOUTa〜VOUTcを出力するために最低限必要な最小電圧となるよう変化させることができるので、回路構成を複雑にすることなく第2の定電圧回路4A〜4Cで消費される無駄な電力を低減し得、かくして簡易な構成でありながら確実に消費電力を低減することができる。
【0100】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、電源回路1に、所定の電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcを出力する第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cを設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば出力電圧が可変の第2の定電圧回路を少なくとも1つ設けるようにしてもよい。
【0101】
このような、出力電圧が可変な第2の定電圧回路は、例えば、その出力段の分圧回路に可変抵抗が用いられていることにより、出力電圧を電源電圧VOUTaや、VOUTb、VOUTcに変化させることができるようになされており、例えば後段の回路部の動作状況等に応じて、出力電圧を電源電圧VOUTaや、VOUTb、VOUTcに変化させる。
【0102】
このように、第2の定電圧回路の1つが出力電圧を電源電圧VOUTaや、VOUTb、VOUTcに変化させるような場合でも、この変化を上述の同期信号として第1の定電圧回路3にフィードバックすることで、第1の定電圧回路3が出力する電源電圧VDDを、常にこの第2の定電圧回路が出力電圧を出力するために最低限必要な最小電圧となるよう変化させることができる
【0103】
また上述の実施の形態においては、第2の定電圧回路4A、4B、及び4Cの制御回路4A1、4B1、及び4C1を、直流電源2から供給される電源電圧VINで動作させるようにした場合について述べたが、例えば、電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcの電圧を極端に低くする状況がないのであれば、これら制御回路4A1、4B1、及び4C1を、第1の定電圧回路3から供給される電源電圧VDDで動作させるようにしてもよい。
【0104】
さらに上述の実施の形態においては、第1の定電圧回路3が出力する電源電圧VDDを、常に第2の定電圧回路4A〜4Cが電源電圧VOUTa〜VOUTcを出力するために最低限必要な最小電圧となるよう変化させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この電源電圧VDDを電源回路1の第2の定電圧回路4A〜4Cが必要とする最適な電圧となるよう変化させればよい。
【0105】
さらに上述の実施の形態においては、電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcの値を示す信号として、制御信号S1a、S1b、S1cと同期し、かつ対応する電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcが大きいほど、そのレベルが小さくなるよう設定された同期信号S2a、S2b、及びS2cを用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、電源電圧VOUTa、VOUTb、及びVOUTcの値を示し、第2の定電圧回路4A〜4Cで生成される信号であれば、この他種々の信号を用いるようにしてもよい。
【0106】
さらに上述の実施の形態においては、直流電源2からの電源電圧VINを第1の電圧としての電源電圧VDDに変換して出力する第1の電圧変換回路である第1の定電圧回路3に降圧型のスイッチングレギュレータを用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、この第1の定電圧回路3に昇圧型のスイッチングレギュレータや、昇降圧型のスイッチングレギュレータを用いてもよく、このように、昇圧型のスイッチングレギュレータや、昇降圧型のスイッチングレギュレータを用いた場合でも、上述の実施の形態で説明した技術的思想で、消費電力を低減し得る電源回路を実現できる。
【0107】
さらに上述の実施の形態においては、第1の定電圧回路3からの電源電圧VDDを第2の電圧としての電源電圧VOUTa〜VOUTcに変換して出力する第2の電圧変換回路である第2の定電圧回路4A〜4Cに降圧型のシリーズレギュレータを用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、この第2の定電圧回路4A〜4Cに降圧型のスイッチングレギュレータや、昇降圧型のスイッチングレギュレータを用いてもよく、このように、第2の定電圧回路4A〜4Cとして降圧型のスイッチングレギュレータや、昇降圧型のスイッチングレギュレータを用いた場合でも、上述の実施の形態で説明した技術的思想で、消費電力を低減し得る電源回路を実現できる。
【0108】
さらに上述の実施の形態においては、第2の定電圧回路4A〜4Cが出力する電源電圧VOUTa〜VOUTcの値を示す信号としての同期信号S2a〜S2cをこの第2の定電圧回路4A〜4Cから第1の定電圧回路3にフィードバック(帰還)させる帰還手段として、差動増幅器26、フィードバック用出力端子TOa〜IOc、及びフィードバック用入力端子TIa〜TIcを用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成でなる帰還手段を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、供給される電源電圧を所望の電源電圧に変換する電源回路に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施の形態における電源回路の全体構成を示す略線図である。
【図2】本実施の形態における第1の定電圧回路の構成を示す略線図である。
【図3】本実施の形態における第2の定電圧回路の構成を示す略線図である。
【図4】差動増幅器の内部構成を示す略線図である。
【図5】従来の電源回路の構成を示す略線図である。
【図6】従来の第1の定電圧回路の構成を示す略線図である。
【図7】従来の第2の定電圧回路の構成を示す略線図である。
【符号の説明】
【0111】
1、100……電源回路、2、101……直流電源、3、102……第1の定電圧回路、4A、4B、4C、103A、103B、103C……第2の定電圧回路、15B、26、124B……差動増幅器、S1a、S1b、S1c……制御信号、S2a、S2b、S2c……同期信号、TIa、TIb、TIc……フィードバック用入力端子、TOa、TOb、TOc……フィードバック用出力端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源からの電源電圧を任意の第1の電圧に変換して出力する第1の電圧変換回路と、当該第1の電圧変換回路からの上記第1の電圧を任意の第2の電圧に変換して出力する少なくとも1つの第2の電圧変換回路とを有する電源回路において、
上記第2の電圧変換回路が出力する上記第2の電圧の値を示す信号を上記第2の電圧変換回路から上記第1の電圧変換回路に帰還させる帰還手段を具え、
上記第1の電圧変換回路は、
上記帰還手段により上記第2の電圧変換回路から帰還させられる上記第2の電圧の値を示す信号に応じて、上記第1の電圧を変化させる
ことを特徴とする電源回路。
【請求項2】
上記第1の電圧変換回路は、
上記帰還手段により上記第2の電圧変換回路から帰還させられる上記第2の電圧の値を示す信号に応じて、上記第1の電圧を、上記第2の電圧変換回路が上記第2の電圧を出力するために最低限必要な最小電圧となるよう変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
上記第1の電圧変換回路は、
上記帰還手段により上記第2の電圧変換回路から帰還させられる上記第2の電圧の値を示す信号に応じて、上記第1の電圧を、上記複数の第2の電圧変換回路のそれぞれが上記第2の電圧を出力するために最低限必要とする最小電圧のうちの最大値となるよう変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項4】
上記第2の電圧変換回路を上記直流電源からの上記電源電圧で動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項5】
上記第2の電圧変換回路を上記第1の電圧変換回路からの上記第1の電圧で動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項6】
上記第1の電圧変換回路は、
降圧形のスイッチングレギュレータである
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項7】
上記第1の電圧変換回路は、
昇圧形のスイッチングレギュレータである
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項8】
上記第1の電圧変換回路は、
昇降圧形のスイッチングレギュレータである
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項9】
上記第2の電圧変換回路は、
降圧形のシリーズレギュレータ、または降圧形のスイッチングレギュレータ、または昇圧形のスイッチングレギュレータ、または昇降圧形のスイッチングレギュレータである
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−115615(P2006−115615A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300592(P2004−300592)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】