電源管理プログラムおよび電源管理システム
【課題】 電力通信を利用し、共通のプロトコルで通信することにより電源の構成トポロジを作成し、電源を自動的に制御する電源管理技術を提供する。
【解決手段】
電力線通信網で接続する複数の機器とLANで該機器の少なくとも1つ以上と接続する電源管理装置からなるシステムにおいて電源を管理する方法であって、各機器において、接続する他機器との接続情報を含むパケットを一定周期で送受信し、パケットの受信によって取得した機器の接続情報から電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを作成し、自身のメモリに格納し、電源管理装置からの要求に応じ、接続関係テーブルを送信することを特徴とする。
【解決手段】
電力線通信網で接続する複数の機器とLANで該機器の少なくとも1つ以上と接続する電源管理装置からなるシステムにおいて電源を管理する方法であって、各機器において、接続する他機器との接続情報を含むパケットを一定周期で送受信し、パケットの受信によって取得した機器の接続情報から電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを作成し、自身のメモリに格納し、電源管理装置からの要求に応じ、接続関係テーブルを送信することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置とサーバ、PCなどが複数接続されているフロアやサーバルームにおいて、電源装置トポロジの自動制御、管理、監視を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、サーバやPCなどの装置の電源を頻繁にON/OFFするような運用はあまり行われてこなかったが、昨今、エコロジー的な考え方が普及することにより、不要な電力消費を減少させるために、電源操作を頻繁に行うことが一般的となりつつある。
【0003】
その際に、PDU(Power Distribution Unit :電源分配器)などの電源装置からON/OFFすることにより、一定領域への電源供給を一度に操作することを可能とし、さらに、接続されている各装置のコンセントへの電源供給のON/OFFを一元管理することを可能としている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述した技術によれば、ある特定領域のサーバやスイッチングハブなどをいくつか電源OFFすると、その領域への電源供給は不要となるため、自動的にPDUなどから該領域への電源供給をOFFできれば電源節約となる。
【0005】
しかしながら、従来の技術では、サーバやスイッチングハブなどの直近の接続箇所は特定できるが、複数のPDUなどで木構造に構成されている電源機器の配線関係は自動的に検出できないため、接続する領域全体や特定のフロアへの電源操作は、手動でOFFせざるを得ない状況にある。
【0006】
また、同様に、機器全体の接続構成が把握できないことから、ある機器をOFFにした場合、どの領域への電源供給がOFFになるかは、配線図や担当者の記憶に頼った作業となり、誤った領域の電源供給をOFFしてしまうリスクを抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−304653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述してきた問題を解決するため、本発明では、電力ケーブルを介して、PDU(以降、単に分配器という)、スイッチングハブ、サーバ等の機器がツリー状(木構造)に接続する電源接続構成において、それぞれ機器が接続する電力線を介した電力線通信を利用し、共通のプロトコルで通信することにより電源の構成トポロジを作成し、電源を自動的に管理する電源管理プログラム、電源管理システム、および電源管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、電力線通信網で接続する複数の機器とLANで該機器の少なくとも1つ以上と接続する電源管理装置からなるシステムにおいて電源を管理する電源管理プログラムであって、コンピュータに、各機器において、接続する他機器との接続情報を含むパケットを一定周期で送受信するステップと、前記パケットの受信によって取得した機器の接続情報から前記電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを作成し、自身のメモリに格納するステップと、前記電源管理装置からの要求に応じ、前記接続関係テーブルを送信するステップとを実行させる電源管理プログラムの構成とし、また、前記接続関係テーブルにおける機器同士の接続関係は、各機器の電源部に割り付けられた、一意に識別可能な電源アドレスによって対応付けられたものとしている。
【0010】
本発明の構成によって、各機器が電力線通信を使用して特定のプロトコルで通信することにより、全機器の接続関係が自動取得でき、また、一台の電源管理装置によって複数の機器における電源接続関係および機器の増設/減設の自動検出が可能となる。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によれば、木構造に接続する複数の機器全体の接続状態が把握できるため、どの領域への電源供給が不要になったかを一台の管理装置から確認でき、誤りのない電源供給の制御が可能となる。また、それぞれの機器の電源状態が自動確認できるため、各機器の電源とそれに関連する領域への電源供給を自動制御することが可能となる。さらに、接続機器全体の動的構成の変化が検知され、常に、最新の電源トポロジ(接続形態)が確認できるため、不要な機器への接続をなくしたり、不要機器自体を削除するなどの制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電力線によって接続された複数の機器の接続構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態になる電源アドレスが付与された電源部を備えた機器同士の接続例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態になるパケットの構造例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態になる各機器の接続関係テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態になる電源管理システムの一基本構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態になる各機器の電源部を管理する電源管理システムの具体的な構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態になる電源機器の接続を管理する全体フローを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態になる電力線で接続する機器の一部が除去された場合の構成を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態になる各機器への電源供給管理の処理フローを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態になる電源管理装置によって接続データを取得する場合の処理フローを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態になる電源制御システムにおける接続監視のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、電力線によって接続された複数の機器の接続構成例を示す。図中、2a、2b、・・・、2gは、電源部を備えた機器で構成され、本例では、それぞれ、分配器(PDUともいう)A、分配器B、ハブA、サーバA、サーバB、ハブBが適用されている。
【0015】
図に示すように、Outlet(入力コンセント1)から分配器Aに接続され、分配器Aから分配器Bと分配器Cに分岐され、さらに、分配器BはハブAとサーバAとに分岐して接続され、また、分配器2CはサーバBとハブBとに分岐して接続されている。
【0016】
また、各機器間の接続は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )ネットワークのようなループ構造ではなく、電力線4による接続で木構造となっている。
【0017】
これら機器は、電力線4による電源線通信(Power Line Communication)を可能とし、それぞれの機器には、接続する電源部において、MAC(Media Access Control)アドレスのように、英数字で構成された全世界で一意に識別される値として定義されたPS(Power Source:電源)アドレスを保持しているものとする。
【0018】
また、PSアドレスの値には、各電子機器を識別する値と該機器の電源部を識別する値を組み合わせたものとし、このPSアドレス値からどの機器のどの電源かを識別することを可能としている。ここでは、簡単化した記号(図2参照)を用いている。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態になる電源アドレスが付与された電源部を備えた機器同士の接続例を示す。図に示すように、各機器において、本例の分配器には、A0、A1、およびA2の3つのPSアドレスがあり、ハブ及びサーバには、それぞれ、B0及びC0のPSアドレスが存在する。そして、分配器におけるPSアドレスA0の電源部はOutletと電力線4が接続し、また、分配器のPSアドレスA1及びB0の電源部はハブのPSアドレスB0及びC0の電源部とそれぞれ電力線4によって接続されている。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態になるパケットの構造例を示す。図では、データグラム通信でやり取りするパケットの構造例を示している。データグラム通信では、電源部が直接接続された機器全てに対して情報のやり取りが行われる。
【0021】
(a)は、各機器の接続関係を表すパケットを示している。パケットは、タイプ(型)、送信元アドレス、およびデータのフィールド項目から構成されている。接続関係パケットにおいて、タイプには、パケットのタイプ(例えば、接続関係、コマンド指示、およびコマンド結果のいずれか)のフラグが示され、送信元アドレスには、パケットを送信した機器の電源部に設定されているPS(電源)アドレスが示され、およびデータには、送信機器が保持しているPSアドレスの接続関係テーブル(図4参照)が示されれている。
【0022】
なお、子機器には自分から上位にパケットを送信するか否かのスイッチがあり、これをOFFにするとその機器がルートとなり、木構造が形成される。また、本プロトコルを解釈できない機器がある場合には、その接続を検知することはできず、それ以降の構成は認識しない。さらに、接続関係をやり取りするパケットとは別に、各機器へ指示を出す場合にもパケットでの通信を行うものとなっている。
【0023】
そして、それぞれの機器からの指示結果は、各機器から後述する(c)のパケットを送信することによって、指示した送信元に返ってくる。
【0024】
(b)は、コマンドを指示するパケットであり、タイプ、送信元アドレス、およびコマンドのフィールド項目より構成されている。コマンドパケットにおいて、タイプは、パケットのタイプのフラグ、送信元アドレスは、コマンドの送信元のPSアドレス、およびコマンドは、各機器で実行するコマンドをそれぞれ示している。
【0025】
(c)は、コマンドの応答結果を表すパケットであり、タイプ、送信元アドレス、送信先アドレス、およびコマンド結果のフィールド項目から構成されている。コマンドの応答結果パケットにおいて、タイプは、パケットのタイプのフラグ、送信元アドレスは、コマンド結果の送信元のPSアドレス、送信先アドレスは、コマンド結果の送信先のPSアドレス、およびコマンド結果は、各機器においてコマンドが実行されたときに応答する結果を、それぞれ示している。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態になる各機器の接続関係テーブルのデータ構造例を示す。図4では、図2のようなPDU構成を例とした場合の接続関係テーブルを示している。
【0027】
接続関係テーブルは、どのPSアドレスの電源部が接続しているかを記載したもので、初期状態では空のテーブルとなっている。
【0028】
また、接続関係テーブルは、その機器へ電力供給が開始された段階で初期化される。この接続関係テーブルは、物理的な接続を判断するもので、各機器の電源状態までは判断していない。各機器の電源がOFFの状態でもパケットをやり取りするための最低限の待機電力は流れているものとし、電源状態については使用電力量によって判断される。
【0029】
ここで、好適には、各機器の接続関係テーブルの初期状態を、更新する接続関係テーブルとは別に保持することによって、PSアドレスから機器を判別する必要がなくなり、PSアドレスを電源部の識別値のみで構成することも可能となる。
【0030】
なお、初回のパケットのやり取りでは、空のテーブルを送信することとなるが、受け取ったパケットの送信元アドレスと該パケットを受け取った電源部の関係から、自分の電源との接続関係が特定されるように、それらの情報で接続関係テーブルは更新される。
【0031】
次回にパケットを送信する場合には、更新された接続関係テーブルが機器のメモリに格納され、隣接機器からは新たな接続関係テーブルが渡されるため、自分が保持している接続関係テーブルにない情報だけが書き込みされることとなる。つまり、その差分情報のみを自分自身の接続関係テーブルに反映させ、ある一定間隔で定期的にパケットを送受信することによって、接続関係テーブルには徐々に全体の接続関係が反映されてくる。
【0032】
パケットの送信では、定期的に送信し接続関係テーブルを更新する場合と、機器の接続時に最初に電源が流れたタイミングで周りの電子機器に接続したことを伝える場合とがある。この2つの場合を契機としてパケットが送信され、各機器の接続関係テーブルが更新される。また、機器の接続を切った場合には、パケットが定期的に送信されるタイミングで機器との接続がなくなったことが検知される。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態になる電源管理システムの一基本構成を示す。電源管理システムは、電力線4によって接続する複数の機器(機器A、B・・・)2が電力線通信網を形成し、その電力線通信網内の少なくとも一つの機器2(本例では、機器A)とLAN(Local Area Network:ローカルエリアネットワーク)3を介して一台の電源管理装置5が接続する構成となっている。
【0034】
各機器2は、電力線4の電力線通信により、ある周期でパケットを他の機器と送受信し、該パケットのデータをメモリ23に格納するなどの制御を行う制御部21と、他機器とのパケットの送受信を行う送受信部22とから構成されている。
【0035】
また、電源管理装置5は、LAN3を介して接続する機器2に対し、電力線通信網内の情報を取得するためのコマンドを発行し、機器2へのコマンドの送受信を制御する制御部51、発行コマンドを送受信する送受信部52、取得した機器2の接続情報を格納しておくメモリ53を備えている。
【0036】
なお、機器2および電源管理装置5は、CPU(制御部)、メモリを有するコンピュータであり、機器2のメモリ23には、各機器2間でパケットを送受信し、接続関係テーブルを作成する共通のプログラムが内蔵され、また、電源管理装置5のメモリ53には、LAN3を介して発行コマンドを送信したり、応答結果を受信するプログラムが内蔵されている。
【0037】
また、これらプログラムは、ハードディスク、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、光磁気ディスクなどの媒体に記録され、機器2や電源管理装置5に備わる媒体のドライブ機構(図に示していない)によって電源投入時に読み込まれ、それぞれのメモリに展開されて、CPU(制御部)によって処理される構成としてもよい。
【0038】
図6は、本発明の実施の形態になる各機器の電源部を管理する電源管理システムの具体的な構成例を示す。
【0039】
電源制御システムは、Outlet(コンセント1)、第一の分配器A(機器2a)、第二の分配器B(機器2b)及び分配器C(機器2c)、ハブ(機器2d)、サーバB(機器2e)、これら機器の電源部10を接続する電力線4、および各分配器A、B、Cに挿入されたNIC(Network Interface Card:ネットワーク・インタフェース・カード)20とLAN(Local Area Network)3を介して接続する電源制御装置5とから構成されている。
【0040】
電源制御装置5からLAN3を介して指示を受け取った機器(ここでは、分配器Aを想定)は、接続する全機器へ指示(コマンド)パケットを送信する。電力線4を利用した電力線通信により指示パケットを受け取った他の機器は、それ以外の電力線4に接続されている機器に対してもパケットを送信する。これにより、ツリー状(木構造)に接続する全ての機器への指示が送信されることになる。
【0041】
指示を受け取った機器は、その指示を実行して得た結果を指示結果パケットとして格納し、指示を受け取った電力線4に接続されている機器へ送信する。それ以外の電力線4から指示結果パケットを受け取った場合には、パケットの送信先アドレスと接続関係テーブルから該当する機器へパケットを送信する。。これにより、指示を出した機器に全ての機器からの接続情報の結果が集まる。
【0042】
なお、図中の下部には、分配器Aで収集した機器の接続情報から作成された接続関係テーブルを示している。
【0043】
図7は、本発明の実施の形態になる電源機器の接続を管理する全体フローを示す。本例では、図6の接続構成における電源管理システムの動作フローを示す。
【0044】
まず、ステップS11において、利用者によって複数の機器の電源部が電力線で接続されると、ステップS12において、各機器は、接続する他の機器に対し、電源線通信を使用して自身の接続情報を送信する。
【0045】
さらに、ステップS13において、接続する他の全機器から接続情報を受信し、各機器から収集した接続情報をもとに、図6に示すような、全ての機器の接続構成を表す接続関係テーブルが作成される。なお、この接続関係テーブルは、各機器のメモリに共通のものが作成され格納されることとなる。
【0046】
なお、ステップS12および13の処理は、一定の周期で繰り返し行われ、接続関係テーブルは次回以降の変更部分が更新される。
【0047】
そして、ステップS14において、電源制御装置5は、LAN3で接続する機器のNICを介して全ての機器の接続情報(接続関係テーブル)を取得する。
【0048】
図8は、本発明の実施の形態になる電力線で接続する機器の一部が除去された場合の構成を説明する図である。本例は、サーバB(機器2f)が取り外され、その電源部F0と分配器C(機器2c)の電源部C1との接続が断たれた状態を表している。この場合の機器Aにおける接続関係テーブルは、下図に示すように、電源供給元アドレスC1に対する電源供給先アドレスはブランクとなっている。
【0049】
図9は、本発明の実施の形態になる各機器への電源供給管理の処理フローを示す。
【0050】
まず、ステップS21において、図8に示すように、サーバBが引き抜かれると、ステップS22において、接続関係テーブルからC1−FOの接続が消滅となる。
【0051】
つぎに、ステップS23において、電源制御装置5が、LAN3を介して取得した接続関係テーブルを参照して接続関係の変化を検出する。
【0052】
ステップS24において、接続関係テーブルからサーバBへの電源供給がなくなったことを検出する。
【0053】
そして、ステップS25において、自動的に分配器Cに対する電源供給が不要と判断し、分配器Cの電源を遮断し、分配器Aの電源部A2からの電源供給をストップさせる。
【0054】
ここで分配器Aと分配器Cとの間の接続関係は残るが、電源はOFF状態となる。
【0055】
図10は、本発明の実施の形態になる電源管理装置によって接続データを取得する場合の処理フローを示す。
【0056】
まず、ステップS31において、電源制御装置5からLAN3を介して接続する機器(ここでは、分配器A)へ所定時間(例えば、10分など)後の電力情報を取得するためのコマンドを発行する。
【0057】
つぎに、ステップS32において、分配器Aから各機器に向けて、電力線4の電力線搬送通信網を使ってコマンドパケットを送信する。
【0058】
ステップS33において、コマンドを受信した機器は、コマンドの実行を所定時間(例えば、10分間)待機する。
【0059】
そして、ステップS34において、所定時間経過後に電力情報を採取し、分配器Aに対し、応答結果のパケットを送信する。
【0060】
さらに、ステップS35において、分配器Aから電源制御装置5にコマンドの返信結果が送信される。
【0061】
以上のように、木構造となっている機器全体へ一台の管理マシンから指示(コマンド)を実行できるため、あるタイミングで同時に採取することが求められるデータ(ある瞬間の消費電力など)を全機器で同期して採取することが可能となる。
【0062】
図11は、本発明の実施の形態になる電源制御システムにおける接続監視のフローを示す。本例では、不審マシンが接続されて使用されることを監視するものである。
【0063】
まず、ステップS41において、LAN3を介し、電源制御装置5から各機器の接続構成について所定の周期で監視するコマンドを発行する。ステップS42において、接続関係テーブルを参照し、各機器の接続構成に変化あるか否かを判断する。
【0064】
その結果、機器の接続構成に変化があった場合には、ステップS43において、構成が変化した箇所を検出する。
【0065】
つぎに、ステップS44において、接続する機器として予定された増設が存在するか否かを判断する。そして、機器増設の予定がなければ、ステップS45において、不審マシンによる接続として処理する。
【0066】
また、ステップS42で接続関係に変化がなかった場合、また、ステップS44で機器増設の予定が検出された場合には、ステップS41に戻って以降の処理を繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、電源装置、サーバ、PC等の機器が複数接続されているフロアやサーバルームにおいて、電源装置トポロジの自動制御、管理、監視を行うソフトウェアの分野で利用される。
【符号の説明】
【0068】
1 コンセント
2a〜2g 機器
3 LAN
4 電力線
5 電源管理装置
10 電源部
11 制御部
12 送受信部
13 メモリ
20 NIC
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置とサーバ、PCなどが複数接続されているフロアやサーバルームにおいて、電源装置トポロジの自動制御、管理、監視を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、サーバやPCなどの装置の電源を頻繁にON/OFFするような運用はあまり行われてこなかったが、昨今、エコロジー的な考え方が普及することにより、不要な電力消費を減少させるために、電源操作を頻繁に行うことが一般的となりつつある。
【0003】
その際に、PDU(Power Distribution Unit :電源分配器)などの電源装置からON/OFFすることにより、一定領域への電源供給を一度に操作することを可能とし、さらに、接続されている各装置のコンセントへの電源供給のON/OFFを一元管理することを可能としている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述した技術によれば、ある特定領域のサーバやスイッチングハブなどをいくつか電源OFFすると、その領域への電源供給は不要となるため、自動的にPDUなどから該領域への電源供給をOFFできれば電源節約となる。
【0005】
しかしながら、従来の技術では、サーバやスイッチングハブなどの直近の接続箇所は特定できるが、複数のPDUなどで木構造に構成されている電源機器の配線関係は自動的に検出できないため、接続する領域全体や特定のフロアへの電源操作は、手動でOFFせざるを得ない状況にある。
【0006】
また、同様に、機器全体の接続構成が把握できないことから、ある機器をOFFにした場合、どの領域への電源供給がOFFになるかは、配線図や担当者の記憶に頼った作業となり、誤った領域の電源供給をOFFしてしまうリスクを抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−304653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述してきた問題を解決するため、本発明では、電力ケーブルを介して、PDU(以降、単に分配器という)、スイッチングハブ、サーバ等の機器がツリー状(木構造)に接続する電源接続構成において、それぞれ機器が接続する電力線を介した電力線通信を利用し、共通のプロトコルで通信することにより電源の構成トポロジを作成し、電源を自動的に管理する電源管理プログラム、電源管理システム、および電源管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、電力線通信網で接続する複数の機器とLANで該機器の少なくとも1つ以上と接続する電源管理装置からなるシステムにおいて電源を管理する電源管理プログラムであって、コンピュータに、各機器において、接続する他機器との接続情報を含むパケットを一定周期で送受信するステップと、前記パケットの受信によって取得した機器の接続情報から前記電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを作成し、自身のメモリに格納するステップと、前記電源管理装置からの要求に応じ、前記接続関係テーブルを送信するステップとを実行させる電源管理プログラムの構成とし、また、前記接続関係テーブルにおける機器同士の接続関係は、各機器の電源部に割り付けられた、一意に識別可能な電源アドレスによって対応付けられたものとしている。
【0010】
本発明の構成によって、各機器が電力線通信を使用して特定のプロトコルで通信することにより、全機器の接続関係が自動取得でき、また、一台の電源管理装置によって複数の機器における電源接続関係および機器の増設/減設の自動検出が可能となる。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によれば、木構造に接続する複数の機器全体の接続状態が把握できるため、どの領域への電源供給が不要になったかを一台の管理装置から確認でき、誤りのない電源供給の制御が可能となる。また、それぞれの機器の電源状態が自動確認できるため、各機器の電源とそれに関連する領域への電源供給を自動制御することが可能となる。さらに、接続機器全体の動的構成の変化が検知され、常に、最新の電源トポロジ(接続形態)が確認できるため、不要な機器への接続をなくしたり、不要機器自体を削除するなどの制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電力線によって接続された複数の機器の接続構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態になる電源アドレスが付与された電源部を備えた機器同士の接続例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態になるパケットの構造例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態になる各機器の接続関係テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態になる電源管理システムの一基本構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態になる各機器の電源部を管理する電源管理システムの具体的な構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態になる電源機器の接続を管理する全体フローを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態になる電力線で接続する機器の一部が除去された場合の構成を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態になる各機器への電源供給管理の処理フローを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態になる電源管理装置によって接続データを取得する場合の処理フローを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態になる電源制御システムにおける接続監視のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1は、電力線によって接続された複数の機器の接続構成例を示す。図中、2a、2b、・・・、2gは、電源部を備えた機器で構成され、本例では、それぞれ、分配器(PDUともいう)A、分配器B、ハブA、サーバA、サーバB、ハブBが適用されている。
【0015】
図に示すように、Outlet(入力コンセント1)から分配器Aに接続され、分配器Aから分配器Bと分配器Cに分岐され、さらに、分配器BはハブAとサーバAとに分岐して接続され、また、分配器2CはサーバBとハブBとに分岐して接続されている。
【0016】
また、各機器間の接続は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )ネットワークのようなループ構造ではなく、電力線4による接続で木構造となっている。
【0017】
これら機器は、電力線4による電源線通信(Power Line Communication)を可能とし、それぞれの機器には、接続する電源部において、MAC(Media Access Control)アドレスのように、英数字で構成された全世界で一意に識別される値として定義されたPS(Power Source:電源)アドレスを保持しているものとする。
【0018】
また、PSアドレスの値には、各電子機器を識別する値と該機器の電源部を識別する値を組み合わせたものとし、このPSアドレス値からどの機器のどの電源かを識別することを可能としている。ここでは、簡単化した記号(図2参照)を用いている。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態になる電源アドレスが付与された電源部を備えた機器同士の接続例を示す。図に示すように、各機器において、本例の分配器には、A0、A1、およびA2の3つのPSアドレスがあり、ハブ及びサーバには、それぞれ、B0及びC0のPSアドレスが存在する。そして、分配器におけるPSアドレスA0の電源部はOutletと電力線4が接続し、また、分配器のPSアドレスA1及びB0の電源部はハブのPSアドレスB0及びC0の電源部とそれぞれ電力線4によって接続されている。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態になるパケットの構造例を示す。図では、データグラム通信でやり取りするパケットの構造例を示している。データグラム通信では、電源部が直接接続された機器全てに対して情報のやり取りが行われる。
【0021】
(a)は、各機器の接続関係を表すパケットを示している。パケットは、タイプ(型)、送信元アドレス、およびデータのフィールド項目から構成されている。接続関係パケットにおいて、タイプには、パケットのタイプ(例えば、接続関係、コマンド指示、およびコマンド結果のいずれか)のフラグが示され、送信元アドレスには、パケットを送信した機器の電源部に設定されているPS(電源)アドレスが示され、およびデータには、送信機器が保持しているPSアドレスの接続関係テーブル(図4参照)が示されれている。
【0022】
なお、子機器には自分から上位にパケットを送信するか否かのスイッチがあり、これをOFFにするとその機器がルートとなり、木構造が形成される。また、本プロトコルを解釈できない機器がある場合には、その接続を検知することはできず、それ以降の構成は認識しない。さらに、接続関係をやり取りするパケットとは別に、各機器へ指示を出す場合にもパケットでの通信を行うものとなっている。
【0023】
そして、それぞれの機器からの指示結果は、各機器から後述する(c)のパケットを送信することによって、指示した送信元に返ってくる。
【0024】
(b)は、コマンドを指示するパケットであり、タイプ、送信元アドレス、およびコマンドのフィールド項目より構成されている。コマンドパケットにおいて、タイプは、パケットのタイプのフラグ、送信元アドレスは、コマンドの送信元のPSアドレス、およびコマンドは、各機器で実行するコマンドをそれぞれ示している。
【0025】
(c)は、コマンドの応答結果を表すパケットであり、タイプ、送信元アドレス、送信先アドレス、およびコマンド結果のフィールド項目から構成されている。コマンドの応答結果パケットにおいて、タイプは、パケットのタイプのフラグ、送信元アドレスは、コマンド結果の送信元のPSアドレス、送信先アドレスは、コマンド結果の送信先のPSアドレス、およびコマンド結果は、各機器においてコマンドが実行されたときに応答する結果を、それぞれ示している。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態になる各機器の接続関係テーブルのデータ構造例を示す。図4では、図2のようなPDU構成を例とした場合の接続関係テーブルを示している。
【0027】
接続関係テーブルは、どのPSアドレスの電源部が接続しているかを記載したもので、初期状態では空のテーブルとなっている。
【0028】
また、接続関係テーブルは、その機器へ電力供給が開始された段階で初期化される。この接続関係テーブルは、物理的な接続を判断するもので、各機器の電源状態までは判断していない。各機器の電源がOFFの状態でもパケットをやり取りするための最低限の待機電力は流れているものとし、電源状態については使用電力量によって判断される。
【0029】
ここで、好適には、各機器の接続関係テーブルの初期状態を、更新する接続関係テーブルとは別に保持することによって、PSアドレスから機器を判別する必要がなくなり、PSアドレスを電源部の識別値のみで構成することも可能となる。
【0030】
なお、初回のパケットのやり取りでは、空のテーブルを送信することとなるが、受け取ったパケットの送信元アドレスと該パケットを受け取った電源部の関係から、自分の電源との接続関係が特定されるように、それらの情報で接続関係テーブルは更新される。
【0031】
次回にパケットを送信する場合には、更新された接続関係テーブルが機器のメモリに格納され、隣接機器からは新たな接続関係テーブルが渡されるため、自分が保持している接続関係テーブルにない情報だけが書き込みされることとなる。つまり、その差分情報のみを自分自身の接続関係テーブルに反映させ、ある一定間隔で定期的にパケットを送受信することによって、接続関係テーブルには徐々に全体の接続関係が反映されてくる。
【0032】
パケットの送信では、定期的に送信し接続関係テーブルを更新する場合と、機器の接続時に最初に電源が流れたタイミングで周りの電子機器に接続したことを伝える場合とがある。この2つの場合を契機としてパケットが送信され、各機器の接続関係テーブルが更新される。また、機器の接続を切った場合には、パケットが定期的に送信されるタイミングで機器との接続がなくなったことが検知される。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態になる電源管理システムの一基本構成を示す。電源管理システムは、電力線4によって接続する複数の機器(機器A、B・・・)2が電力線通信網を形成し、その電力線通信網内の少なくとも一つの機器2(本例では、機器A)とLAN(Local Area Network:ローカルエリアネットワーク)3を介して一台の電源管理装置5が接続する構成となっている。
【0034】
各機器2は、電力線4の電力線通信により、ある周期でパケットを他の機器と送受信し、該パケットのデータをメモリ23に格納するなどの制御を行う制御部21と、他機器とのパケットの送受信を行う送受信部22とから構成されている。
【0035】
また、電源管理装置5は、LAN3を介して接続する機器2に対し、電力線通信網内の情報を取得するためのコマンドを発行し、機器2へのコマンドの送受信を制御する制御部51、発行コマンドを送受信する送受信部52、取得した機器2の接続情報を格納しておくメモリ53を備えている。
【0036】
なお、機器2および電源管理装置5は、CPU(制御部)、メモリを有するコンピュータであり、機器2のメモリ23には、各機器2間でパケットを送受信し、接続関係テーブルを作成する共通のプログラムが内蔵され、また、電源管理装置5のメモリ53には、LAN3を介して発行コマンドを送信したり、応答結果を受信するプログラムが内蔵されている。
【0037】
また、これらプログラムは、ハードディスク、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、光磁気ディスクなどの媒体に記録され、機器2や電源管理装置5に備わる媒体のドライブ機構(図に示していない)によって電源投入時に読み込まれ、それぞれのメモリに展開されて、CPU(制御部)によって処理される構成としてもよい。
【0038】
図6は、本発明の実施の形態になる各機器の電源部を管理する電源管理システムの具体的な構成例を示す。
【0039】
電源制御システムは、Outlet(コンセント1)、第一の分配器A(機器2a)、第二の分配器B(機器2b)及び分配器C(機器2c)、ハブ(機器2d)、サーバB(機器2e)、これら機器の電源部10を接続する電力線4、および各分配器A、B、Cに挿入されたNIC(Network Interface Card:ネットワーク・インタフェース・カード)20とLAN(Local Area Network)3を介して接続する電源制御装置5とから構成されている。
【0040】
電源制御装置5からLAN3を介して指示を受け取った機器(ここでは、分配器Aを想定)は、接続する全機器へ指示(コマンド)パケットを送信する。電力線4を利用した電力線通信により指示パケットを受け取った他の機器は、それ以外の電力線4に接続されている機器に対してもパケットを送信する。これにより、ツリー状(木構造)に接続する全ての機器への指示が送信されることになる。
【0041】
指示を受け取った機器は、その指示を実行して得た結果を指示結果パケットとして格納し、指示を受け取った電力線4に接続されている機器へ送信する。それ以外の電力線4から指示結果パケットを受け取った場合には、パケットの送信先アドレスと接続関係テーブルから該当する機器へパケットを送信する。。これにより、指示を出した機器に全ての機器からの接続情報の結果が集まる。
【0042】
なお、図中の下部には、分配器Aで収集した機器の接続情報から作成された接続関係テーブルを示している。
【0043】
図7は、本発明の実施の形態になる電源機器の接続を管理する全体フローを示す。本例では、図6の接続構成における電源管理システムの動作フローを示す。
【0044】
まず、ステップS11において、利用者によって複数の機器の電源部が電力線で接続されると、ステップS12において、各機器は、接続する他の機器に対し、電源線通信を使用して自身の接続情報を送信する。
【0045】
さらに、ステップS13において、接続する他の全機器から接続情報を受信し、各機器から収集した接続情報をもとに、図6に示すような、全ての機器の接続構成を表す接続関係テーブルが作成される。なお、この接続関係テーブルは、各機器のメモリに共通のものが作成され格納されることとなる。
【0046】
なお、ステップS12および13の処理は、一定の周期で繰り返し行われ、接続関係テーブルは次回以降の変更部分が更新される。
【0047】
そして、ステップS14において、電源制御装置5は、LAN3で接続する機器のNICを介して全ての機器の接続情報(接続関係テーブル)を取得する。
【0048】
図8は、本発明の実施の形態になる電力線で接続する機器の一部が除去された場合の構成を説明する図である。本例は、サーバB(機器2f)が取り外され、その電源部F0と分配器C(機器2c)の電源部C1との接続が断たれた状態を表している。この場合の機器Aにおける接続関係テーブルは、下図に示すように、電源供給元アドレスC1に対する電源供給先アドレスはブランクとなっている。
【0049】
図9は、本発明の実施の形態になる各機器への電源供給管理の処理フローを示す。
【0050】
まず、ステップS21において、図8に示すように、サーバBが引き抜かれると、ステップS22において、接続関係テーブルからC1−FOの接続が消滅となる。
【0051】
つぎに、ステップS23において、電源制御装置5が、LAN3を介して取得した接続関係テーブルを参照して接続関係の変化を検出する。
【0052】
ステップS24において、接続関係テーブルからサーバBへの電源供給がなくなったことを検出する。
【0053】
そして、ステップS25において、自動的に分配器Cに対する電源供給が不要と判断し、分配器Cの電源を遮断し、分配器Aの電源部A2からの電源供給をストップさせる。
【0054】
ここで分配器Aと分配器Cとの間の接続関係は残るが、電源はOFF状態となる。
【0055】
図10は、本発明の実施の形態になる電源管理装置によって接続データを取得する場合の処理フローを示す。
【0056】
まず、ステップS31において、電源制御装置5からLAN3を介して接続する機器(ここでは、分配器A)へ所定時間(例えば、10分など)後の電力情報を取得するためのコマンドを発行する。
【0057】
つぎに、ステップS32において、分配器Aから各機器に向けて、電力線4の電力線搬送通信網を使ってコマンドパケットを送信する。
【0058】
ステップS33において、コマンドを受信した機器は、コマンドの実行を所定時間(例えば、10分間)待機する。
【0059】
そして、ステップS34において、所定時間経過後に電力情報を採取し、分配器Aに対し、応答結果のパケットを送信する。
【0060】
さらに、ステップS35において、分配器Aから電源制御装置5にコマンドの返信結果が送信される。
【0061】
以上のように、木構造となっている機器全体へ一台の管理マシンから指示(コマンド)を実行できるため、あるタイミングで同時に採取することが求められるデータ(ある瞬間の消費電力など)を全機器で同期して採取することが可能となる。
【0062】
図11は、本発明の実施の形態になる電源制御システムにおける接続監視のフローを示す。本例では、不審マシンが接続されて使用されることを監視するものである。
【0063】
まず、ステップS41において、LAN3を介し、電源制御装置5から各機器の接続構成について所定の周期で監視するコマンドを発行する。ステップS42において、接続関係テーブルを参照し、各機器の接続構成に変化あるか否かを判断する。
【0064】
その結果、機器の接続構成に変化があった場合には、ステップS43において、構成が変化した箇所を検出する。
【0065】
つぎに、ステップS44において、接続する機器として予定された増設が存在するか否かを判断する。そして、機器増設の予定がなければ、ステップS45において、不審マシンによる接続として処理する。
【0066】
また、ステップS42で接続関係に変化がなかった場合、また、ステップS44で機器増設の予定が検出された場合には、ステップS41に戻って以降の処理を繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、電源装置、サーバ、PC等の機器が複数接続されているフロアやサーバルームにおいて、電源装置トポロジの自動制御、管理、監視を行うソフトウェアの分野で利用される。
【符号の説明】
【0068】
1 コンセント
2a〜2g 機器
3 LAN
4 電力線
5 電源管理装置
10 電源部
11 制御部
12 送受信部
13 メモリ
20 NIC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線通信網で接続する複数の機器と該機器の少なくとも1つ以上とネットワークで接続する電源管理装置とからなるシステムにおいて各機器で電源を管理させる電源管理プログラムであって、
コンピュータに、
接続する他機器との接続情報を含むパケットを一定周期で送受信するステップと、
前記パケットの受信によって取得した機器の接続情報から前記電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを作成し、自身のメモリに格納するステップと、
前記電源管理装置からの要求に応じ、前記接続関係テーブルを送信するステップと、
を実行させる電源管理プログラム。
【請求項2】
前記接続関係テーブルにおける機器同士の接続関係は、各機器の電源部に割り付けられた、一意に識別可能な電源アドレスによって対応付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電源管理プログラム。
【請求項3】
電力線通信網で接続する複数の機器の少なくとも1つ以上とネットワークで接続する電源管理装置における電源管理プログラムであって、
コンピュータに、
前記機器から電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを取得してメモリに格納するステップと、
前記接続関係テーブルを参照し、前記電力線通信網内で接続されていない機器を判断するステップと、
接続されていない機器を検出した場合に、当該機器に対する電源供給を切断するステップと
を実行させることを特徴とする電源管理プログラム。
【請求項4】
電力線通信網で接続する複数の機器の少なくとも1つ以上とネットワークで接続する電源管理装置における電源管理プログラムであって、
コンピュータに、
前記機器に対しネットワークを介して電力情報取得のためのコマンドを発行するステップと、
前記コマンドを受信した機器が電力線通信網内の全機器とパケットを送受信することによって採取された電力情報を前記接続する機器から受信するステップと
を実行させる電源管理プログラム。
【請求項5】
電力線通信網で接続する複数の機器と該機器の少なくとも1つ以上とネットワークで接続する電源管理装置とからなる電源管理システムであって、
前記各機器は、
接続する他機器との接続情報を含むパケットを一定周期で送受信する手段と、
前記パケットの受信によって取得した機器の接続情報から前記電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを作成し、自身のメモリに格納する手段と、
前記電源管理装置からの要求に応じ、前記接続関係テーブルを送信する手段とを備え、 前記電源管理装置は、
前記ネットワークで接続する機器に接続情報を取得するためのコマンドを発行する手段と、
該コマンドによって前記電力線通信網内の機器の接続関係テーブルを取得する手段と
を備えたことを特徴とする電源管理システム。
【請求項1】
電力線通信網で接続する複数の機器と該機器の少なくとも1つ以上とネットワークで接続する電源管理装置とからなるシステムにおいて各機器で電源を管理させる電源管理プログラムであって、
コンピュータに、
接続する他機器との接続情報を含むパケットを一定周期で送受信するステップと、
前記パケットの受信によって取得した機器の接続情報から前記電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを作成し、自身のメモリに格納するステップと、
前記電源管理装置からの要求に応じ、前記接続関係テーブルを送信するステップと、
を実行させる電源管理プログラム。
【請求項2】
前記接続関係テーブルにおける機器同士の接続関係は、各機器の電源部に割り付けられた、一意に識別可能な電源アドレスによって対応付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電源管理プログラム。
【請求項3】
電力線通信網で接続する複数の機器の少なくとも1つ以上とネットワークで接続する電源管理装置における電源管理プログラムであって、
コンピュータに、
前記機器から電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを取得してメモリに格納するステップと、
前記接続関係テーブルを参照し、前記電力線通信網内で接続されていない機器を判断するステップと、
接続されていない機器を検出した場合に、当該機器に対する電源供給を切断するステップと
を実行させることを特徴とする電源管理プログラム。
【請求項4】
電力線通信網で接続する複数の機器の少なくとも1つ以上とネットワークで接続する電源管理装置における電源管理プログラムであって、
コンピュータに、
前記機器に対しネットワークを介して電力情報取得のためのコマンドを発行するステップと、
前記コマンドを受信した機器が電力線通信網内の全機器とパケットを送受信することによって採取された電力情報を前記接続する機器から受信するステップと
を実行させる電源管理プログラム。
【請求項5】
電力線通信網で接続する複数の機器と該機器の少なくとも1つ以上とネットワークで接続する電源管理装置とからなる電源管理システムであって、
前記各機器は、
接続する他機器との接続情報を含むパケットを一定周期で送受信する手段と、
前記パケットの受信によって取得した機器の接続情報から前記電力線通信網内の全機器の接続に関する接続関係テーブルを作成し、自身のメモリに格納する手段と、
前記電源管理装置からの要求に応じ、前記接続関係テーブルを送信する手段とを備え、 前記電源管理装置は、
前記ネットワークで接続する機器に接続情報を取得するためのコマンドを発行する手段と、
該コマンドによって前記電力線通信網内の機器の接続関係テーブルを取得する手段と
を備えたことを特徴とする電源管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−258549(P2010−258549A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103655(P2009−103655)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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