説明

電源装置

【課題】高い電源効率にて電力を供給することができる電源装置の出力電力の範囲を拡大することが可能な電源装置を提供すること。
【解決手段】この電源装置10は、交流電源からの電力を直流電力に変換して出力し且つオン状態とオフ状態とに状態を切り替え可能な電源ユニット11〜13を複数備える。各電源ユニットは、その電源ユニットの出力電力を生成するために消費される電力に対するその出力電力の比である電源効率の、その電源ユニットの出力電力に対する特性が異なる複数の駆動モードのいずれか1つの駆動モードにより駆動されるように構成される。装置は、電源ユニットの出力電力に基づいて、その電源ユニットの駆動モードを複数の駆動モードのいずれか1つに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電源ユニットを備える電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電源からの電力を直流電力に変換して出力する電源装置が知られている。この種の電源装置の電源効率(入力電力に対する出力電力(電源装置に接続された外部装置に供給する電力)の比)は、出力電力に対して変化し、出力電力がある値(ピーク位置出力電力)となったときに最大となる。従って、電源装置の出力電力(作動負荷)がこのピーク位置出力電力と比較的大きく相違すると、電源効率が過度に低くなる。即ち、電源装置に入力された電力に対して、熱として放出されることにより無駄に消費される電力の割合が高くなる。
【0003】
そこで、この種の電源装置の一つとして、特許文献1に記載の電源装置は、オン状態とオフ状態とに状態を切り替え可能な電源ユニットを複数備える。更に、この電源装置は、オン状態に設定される電源ユニットの数を電源装置の出力電力に応じて変更するように構成されている。例えば、電源装置の出力電力がピーク位置出力電力を整数倍した値と一致している場合には、オン状態に設定される電源ユニットの数は、電源装置の出力電力をピーク位置出力電力により除した値に一致させられる。これにより、各電源ユニットの出力電力(出力電力)は、ピーク位置出力電力と一致する。従って、各電源ユニットの電源効率を極めて高くすることができる。この結果、電源ユニットによって無駄に消費される電力を小さくすることができる。
【0004】
ところで、この種の電源装置に関連する技術として、出力電力が比較的小さい場合には太陽電池から放電された電力を出力し、一方、出力電力が比較的大きい場合には交流電源からの電力を直流電力に変換して出力するように構成された電源装置も知られている(特許文献2を参照)。
【特許文献1】特開平9−204240号公報
【特許文献2】特開2004−220521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電源装置によれば、電源装置の出力電力がピーク位置出力電力を整数倍した値と比較的大きく相違する場合、各電源ユニットの出力電力がピーク位置出力電力と比較的大きく相違するので、電源効率が過度に低くなってしまうという問題があった。即ち、電源効率が過度に低くなる電源装置の出力電力の範囲が過度に広いという問題があった。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「電源効率が過度に低くなる電源装置の出力電力の範囲が過度に広いこと」を解決することが可能な電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本発明による電源装置は、電力を出力し且つオン状態とオフ状態とに状態を切り替え可能な電源ユニットを複数備え、外部装置へ前記オン状態にある電源ユニットから出力される電力を供給する装置である。
【0008】
前記電源ユニットの少なくとも1つは、「当該電源ユニットの出力電力を生成するために消費される電力に対するその出力電力の比である電源効率」の「当該電源ユニットの出力電力」に対する特性が異なる複数の駆動モードのいずれか1つの駆動モードにより駆動されるように構成される。
更に、本発明による電源装置は、前記電源ユニットの出力電力に基づいて、当該電源ユニットの駆動モードを前記複数の駆動モードのいずれか1つに設定する駆動モード設定手段を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電源装置によれば、高い電源効率にて電力を供給することができる電源装置の出力電力の範囲を拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る、電源装置、電源制御プログラムを実行する情報処理装置、及び、電源制御方法を用いる情報処理システムの各実施形態について図1〜図13を参照しながら説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1に示したように、第1実施形態に係る情報処理システム1は、電源装置10と、電源装置10に接続され且つ電源装置10から出力される電力によって駆動される情報処理装置(外部装置)20と、を含む。情報処理システム1は、集合型サーバ装置(例えば、ブレードサーバ等)である。
【0012】
(電源装置)
電源装置10は、交流電源PWからの交流電力を直流電力に変換して出力する。電源装置10は、複数(本例では、3つ)の電源ユニット11〜13と、電源制御モジュール14と、を有する。電源装置10は、各電源ユニット11〜13から出力される電力を合わせた電力を情報処理装置20へ供給する。
【0013】
電源ユニット11は、図2に示したように、交流直流変換器(AC/DCコンバータ)11aと、直流直流変換器(DC/DCコンバータ)11bと、を含んでいる。
交流直流変換器11aは、入力される交流電力(入力電力)を直流電力に変換して出力する変換器である。交流直流変換器11aは、交流電源PWから供給される電力の入力を受けるとともに、電力を直流直流変換器11bへ出力する。
【0014】
直流直流変換器11bは、入力される直流電力(入力電力)を、その電圧を所定の出力電圧(本例では、48V)に降下させて出力する変換器である。直流直流変換器11bは、交流直流変換器11aから出力される電力の入力を受けるとともに、電力を電源ユニット11から出力される電力として出力し得る。
【0015】
交流直流変換器11a及び直流直流変換器11bの変換効率は、図3に示したように、出力電力(直流直流変換器11bから出力される電力)に対して変化し、出力電力が約250W(ピーク位置出力電力)となったときに最大となる。ここで、変換効率は、交流直流変換器11aに入力された電力(入力電力)に対する直流直流変換器11bから出力される電力(出力電力)の比である。より詳細に述べると、本例では、交流直流変換器11a及び直流直流変換器11bの変換効率は、出力電力が200W〜300Wの範囲内にある場合に85%以上となる。
【0016】
更に、電源ユニット11は、図2に示したように、蓄電池(バッテリ)11cと、蓄電量計(バッテリ容量計)11dと、第1の切替器11eと、第2の切替器11fと、電流計(負荷電流検出手段)11gと、電源ユニットコントローラ11hと、を含んでいる。
【0017】
蓄電池11cは、電力が供給されることにより充電(蓄電)されるとともに、放電することにより充電された電力を所定の出力電圧(本例では、48V)にて出力する。蓄電池11cは、直流直流変換器11bから出力される電力(即ち、交流直流変換器11aから出力される電力)が供給され得る。更に、蓄電池11cは、電力を電源ユニット11から出力される電力として出力し得る。
【0018】
蓄電量計11dは、蓄電池11cの蓄電量(放電可能な電力の量)を検出する。蓄電量計11dは、検出した蓄電量を表す情報(蓄電量情報)を電源ユニットコントローラ11hへ送る。
【0019】
第1の切替器11eは、その状態が、接続状態及び非接続状態のいずれかに設定される。第1の切替器11eの状態が接続状態に設定されることにより、交流電源PWからの電力が交流直流変換器11aへ供給される。また、第1の切替器11eの状態が非接続状態に設定されることにより、交流電源PWから交流直流変換器11aへの電力の供給が遮断される。
【0020】
第2の切替器11fは、その状態が、第1接続状態、第2接続状態及び非接続状態のいずれかに設定される。第2の切替器11fの状態が第1接続状態に設定されることにより、直流直流変換器11bから出力される電力(即ち、交流直流変換器11aから出力される電力)が電源ユニット11から出力される。また、第2の切替器11fの状態が第2接続状態に設定されることにより、蓄電池11cから出力される電力が電源ユニット11から出力される。一方、第2の切替器11fの状態が非接続状態に設定されることにより、直流直流変換器11bから情報処理装置20への電力の供給及び蓄電池11cから情報処理装置20への電力の供給のいずれもが遮断される。
【0021】
電流計11gは、電源ユニット11から情報処理装置20へ供給される電流(負荷電流)を検出する。電流計11gは、検出した負荷電流を表す情報(負荷電流情報)を電源ユニットコントローラ11hへ送る。
【0022】
電源ユニットコントローラ11hは、電源制御モジュール14からの駆動指示情報に基づいて、第1の切替器11eの状態及び第2の切替器11fの状態をそれぞれ設定する。
【0023】
具体的には、駆動指示情報が駆動フラグとしてオン情報を含み且つ駆動モード情報として変換器モード情報を含む場合には、電源ユニットコントローラ11hは、図2に示したように、第1の切替器11eの状態を接続状態に設定するとともに第2の切替器11fの状態を第1接続状態に設定する。
【0024】
ここで、駆動フラグは、電源ユニット毎に設けられる情報であって、その電源ユニットの状態をオン状態とオフ状態とのいずれに設定する予定であるかを表す情報である。駆動フラグは、電源ユニットの状態をオン状態に設定する予定である場合にオン情報に設定され、電源ユニットの状態をオフ状態に設定する予定である場合にオフ情報に設定される。
【0025】
また、駆動モード情報は、電源ユニット毎に設けられる情報であって、その電源ユニットの駆動モードを変換器モード(第1の駆動モード)と電池モード(第2の駆動モード)とのいずれに設定する予定であるかを表す情報である。駆動モード情報は、電源ユニットの駆動モードを変換器モードに設定する予定である場合に変換器モード情報に設定され、電源ユニットの駆動モードを電池モードに設定する予定である場合に電池モード情報に設定される。
【0026】
この状態においては、電源ユニット11は、交流電源PWから入力される交流電力を交流直流変換器11a及び直流直流変換器11bによって直流電力に変換して出力する。更に、この状態においては、電源ユニット11は、蓄電池11cの蓄電量が最大蓄電量(蓄電池11cが蓄電できる量の最大値)よりも小さい場合、直流直流変換器11bから出力される電力の一部を蓄電池11cに供給することにより蓄電池11cを充電する。即ち、電源ユニット11は、状態がオン状態に設定され且つ変換器モードにより駆動される。
【0027】
また、駆動指示情報が駆動フラグとしてオン情報を含み且つ駆動モード情報として電池モード情報を含む場合には、電源ユニットコントローラ11hは、図4に示したように、第1の切替器11eの状態を非接続状態に設定するとともに第2の切替器11fの状態を第2接続状態に設定する。この状態においては、電源ユニット11は、蓄電池11cから放電される電力を出力する。また、この状態においては、電源ユニット11(即ち、交流直流変換器11a及び直流直流変換器11b)に電力は入力されない。即ち、電源ユニット11は、状態がオン状態に設定され且つ電池モードにより駆動される。
【0028】
ところで、電源ユニット11が変換器モードにより駆動される場合であって蓄電池11cが充電されない場合における電源ユニット11の電源効率は、交流直流変換器11a及び直流直流変換器11bの変換効率と一致する。ここで、電源ユニット11の電源効率は、電源ユニット11から出力される電力(出力電力)を生成するために消費される電力に対するその出力電力の比である。
【0029】
また、電源ユニット11が電池モードにより駆動される場合における電源ユニット11の電源効率は、電源ユニット11から出力される電力(出力電力)を生成するために消費される電力(即ち、出力電力に応じた蓄電量だけ蓄電池11cを充電するために消費される電力)に対するその出力電力の比である。
【0030】
上述したように、電源ユニット11が変換器モードにより駆動されることにより、直流直流変換器11bから出力される電力が供給されて蓄電池11cは充電される。従って、蓄電池11cを充電するために消費される電力は、電源ユニット11が変換器モードにより駆動される期間において交流直流変換器11a及び直流直流変換器11bにより消費される電力の一部である。即ち、電源ユニット11が電池モードにより駆動される場合における電源ユニット11の電源効率は、蓄電池11cが充電されている期間における交流直流変換器11a及び直流直流変換器11bの変換効率であると言うことができる。
【0031】
ところで、電源ユニット11は、後述するように、電源ユニット11の出力電力が閾値電力(本例では、200W)よりも大きい領域において、変換器モードにより駆動される。この領域においては、図3に示したように、変換効率は比較的高い。従って、電源ユニット11が電池モードにより駆動される場合における電源ユニット11の電源効率は比較的高くなる。
【0032】
一方、変換効率は、出力電力が閾値電力よりも小さくなると、急激に低下する。従って、出力電力が閾値電力よりも小さい領域においては、電源ユニット11の電源効率は、電源ユニット11が変換器モードにより駆動される場合よりも電源ユニット11が電池モードにより駆動される場合の方が高くなる。
即ち、変換器モード及び電池モードは、電源ユニット11の電源効率の電源ユニット11の出力電力に対する特性が異なる2つの駆動モードである、と言うことができる。
【0033】
また、駆動指示情報が駆動フラグとしてオフ情報を含む場合には、電源ユニットコントローラ11hは、図5に示したように、第1の切替器11eの状態を非接続状態に設定するとともに第2の切替器11fの状態を非接続状態に設定する。この状態においては、電源ユニット11は、電力を出力しない。また、この状態においては、電源ユニット11に電力は入力されない。即ち、電源ユニット11の状態は、オフ状態に設定される。
このように、電源ユニット11は、オン状態とオフ状態とに状態を切り替え可能に構成されている。
【0034】
更に、電源ユニットコントローラ11hは、後述する図9のフローチャートに示したプログラムを実行することにより、受け取った負荷電流情報及び蓄電量情報に基づいて駆動モードを変更し得る。加えて、電源ユニットコントローラ11hは、受け取った蓄電量情報を電源制御モジュール14へ送る。
【0035】
また、電源ユニット12及び電源ユニット13も、電源ユニット11と同じ構成を有している。即ち、電源ユニット12は、「交流直流変換器11a、直流直流変換器11b、蓄電池11c、蓄電量計11d、第1の切替器11e、第2の切替器11f、電流計11g、及び、電源ユニットコントローラ11h」とそれぞれ対応する「交流直流変換器12a、直流直流変換器12b、蓄電池12c、蓄電量計12d、第1の切替器12e、第2の切替器12f、電流計12g、及び、電源ユニットコントローラ12h」を有している。同様に、電源ユニット13も、交流直流変換器13a、直流直流変換器13b、蓄電池13c、蓄電量計13d、第1の切替器13e、第2の切替器13f、電流計13g、及び、電源ユニットコントローラ13hを有している。
【0036】
一方、電源制御モジュール14は、後述する図6及び図7のフローチャートに示したプログラムを実行することにより、総要求電力情報に基づいて各電源ユニットの出力電力を決定するとともに、決定した出力電力に基づいて各電源ユニットの駆動モードを決定する。ここで、総要求電力情報は、後述するように、情報処理装置20が必要とする電力の総和(即ち、電源装置10の出力電力)を表す情報である。
【0037】
更に、電源制御モジュール14は、各電源ユニット11〜13からの蓄電量情報に基づいて各電源ユニット11〜13の蓄電池11c〜13cを充電する必要があるか否かを表す充電フラグを設定する。ここで、充電フラグは、電源ユニット11〜13毎に設けられる情報であって、その電源ユニット11〜13の蓄電池の状態を表す情報である。充電フラグは、蓄電池11c〜13cの蓄電量が第1の閾値量よりも小さくなった場合にその蓄電池11c〜13cを充電する予定であることを表すオン情報に設定され、その後、第2の閾値量よりも大きくなった場合にその蓄電池11c〜13cを充電する予定でないことを表すオフ情報に設定される。
また、電源制御モジュール14は、充電フラグが変更された場合、送信要求情報を情報処理装置20へ送る。
【0038】
電源制御モジュール14は、充電フラグがオン情報に設定されている場合、出力電力に基づいて一旦電池モードが選択されたときであっても変換器モードを選択し直す。
そして、電源制御モジュール14は、駆動フラグ及び駆動モード情報を含む駆動指示情報を各電源ユニット11〜13へ送る。
【0039】
(情報処理装置)
一方、情報処理装置20は、複数(本例では、8つ)のサーバユニット(情報処理ユニット)21〜28と、サーバ管理モジュール29と、を含む。
【0040】
サーバユニット21は、図示しないCPU、メモリ、ハードディスク装置(HDD)を含む。更に、サーバユニット21は、ベースボード管理コントローラ(BMC)21aを含む。
【0041】
BMC21aは、ユーザからの指示に応じて、サーバユニット21の状態を、通常時電力供給状態、待機時電力供給状態及び電力遮断状態のいずれかに設定する。通常時電力供給状態は、電源装置10からCPU、メモリ及びHDDのすべてへ電力が供給される状態である。待機時電力供給状態は、電源装置10からメモリのみへ電力が供給される状態である。電力遮断状態は、電源装置10からサーバユニット21への電力の供給が遮断される状態である。
【0042】
更に、BMC21aは、サーバユニット21の状態を表すユニット状態情報(CPUを冷却するファンの回転数、CPUの温度等)を取得し、取得したユニット状態情報をサーバ管理モジュール29へ送る。更に、BMC21aは、サーバユニット21に異常が発生した場合にその旨を表す異常発生情報をサーバ管理モジュール29へ送る。
【0043】
加えて、BMC21aは、要求電力を表す情報であってサーバユニット21の状態に応じた情報である要求電力情報を、サーバユニット21の状態が変化する毎にサーバ管理モジュール29へ送る(出力する)。本例では、要求電力情報は、サーバユニット21の状態が通常時電力供給状態である場合に「100W」を表す情報に設定され、サーバユニット21の状態が待機時電力供給状態である場合に「40W」を表す情報に設定され、サーバユニット21の状態が電力遮断状態である場合に「0W」を表す情報に設定される。
【0044】
また、サーバユニット22〜28のそれぞれも、サーバユニット21と同じ構成を有している。
一方、サーバ管理モジュール29は、各サーバユニット21〜28から受け取ったユニット状態情報及び要求電力情報を保持する。更に、サーバ管理モジュール29は、サーバユニット21〜28のいずれかから要求電力情報を受け取った場合、及び、電源制御モジュール14から送信要求情報を受け取った場合、各サーバユニット21〜28からの要求電力情報が表す要求電力の合計にサーバ管理モジュール29が必要とする電力(本例では、「10W」)を加えた値(総要求電力)を取得し、取得した総要求電力を表す総要求電力情報を電源制御モジュール14へ送る。
【0045】
次に、上述した情報処理システム1の実際の作動について述べる。
電源装置10の電源制御モジュール14は、図6にフローチャートにより示した充電フラグ設定プログラムを各電源ユニット11〜13に対して独立に実行する。更に、電源制御モジュール14は、各電源ユニット11〜13に対する充電フラグ設定プログラムが実行中でない場合にそのプログラムの実行を開始するとともに、各電源ユニット11〜13に対する充電フラグ設定プログラムが実行中である場合にそのプログラムの実行を開始しないようになっている。本例では、電源ユニット11に対する充電フラグ設定プログラムの作動のみについて説明するが、他の電源ユニット12,13に対する充電フラグ設定プログラムも同様に作動する。
なお、図6のプログラムの処理が実行されることは、駆動モード設定手段(駆動モード設定工程)の機能の一部が達成されることに対応している。
【0046】
具体的に述べると、電源制御モジュール14は、充電フラグ設定プログラムの処理を開始すると、ステップ605にて、電源ユニット11(の電源ユニットコントローラ11h)から蓄電量情報を受信する(受け取る)まで待機する。
【0047】
その後、電源制御モジュール14は、電源ユニット11から蓄電量情報を受信すると、「Yes」と判定してステップ610に進み、電源ユニット11に対する充電フラグがオフ情報に設定されているか否かを判定する。
【0048】
いま、すべての電源ユニット11〜13の蓄電池11c〜13cの蓄電量が最大蓄電量である場合を仮定して説明を続ける。
この場合、充電フラグはオフ情報に設定されているので、電源制御モジュール14は、「Yes」と判定してステップ615に進み、蓄電池11cの蓄電量が第1の閾値量よりも小さいか否かを判定する。本例では、第1の閾値量は、最大蓄電量の1/10の量である。
【0049】
この状態においては、電源制御モジュール14は、「No」と判定してステップ620に進み、充電フラグがオン情報に設定されているか否かを判定する。そして、電源制御モジュール14は、「No」と判定してステップ699に進み、このプログラムを一旦終了する。
このように、この状態においては、充電フラグはオフ情報に維持される。
【0050】
一方、電源制御モジュール14は、図7にフローチャートにより示した駆動指示送信プログラムの実行を、その駆動指示送信プログラムが実行中でない場合に開始するとともに、その駆動指示送信プログラムが実行中である場合に開始しないようになっている。なお、図7のプログラムの処理が実行されることは、駆動モード設定手段(駆動モード設定工程)の機能の一部及び状態切替手段の機能が達成されることに対応している。
【0051】
具体的に述べると、電源制御モジュール14は、駆動指示送信プログラムの処理を開始すると、ステップ705にて、サーバ管理モジュール29から総要求電力情報を受信する(受け取る)まで待機する。
【0052】
その後、電源制御モジュール14は、サーバ管理モジュール29から総要求電力情報を受信すると、「Yes」と判定してステップ710に進み、総要求電力と各電源ユニットの出力電力との組を表す出力電力情報を複数含む出力電力テーブル(図8を参照)と、受信した総要求電力情報が表す総要求電力と、に基づいて各電源ユニット11〜13の出力電力を決定(取得)する。
【0053】
この出力電力テーブルは、図8に示したように、総要求電力が「50W」、「350W」又は「850W」である出力電力情報801〜803を含む。出力電力テーブルは、総要求電力に対して、電源装置10の電源効率(電源装置10から出力される電力の、その電力を生成するために電源装置10により消費される電力に対する比)を最高とするように予め設定されている。出力電力テーブルは、電源制御モジュール14が記憶している。なお、出力電力テーブルは、図8に示していない総要求電力に係る出力電力情報も含んでいることが好適である。
【0054】
いま、1つのサーバユニット(サーバユニット21)の状態が待機時電力供給状態であり、且つ、7つのサーバユニット(サーバユニット22〜28)の状態が電力遮断状態である場合を仮定して説明を続ける。
【0055】
この場合、サーバユニット21からの要求電力情報が表す要求電力は「40W」であり、各サーバユニット22〜28からの要求電力情報が表す要求電力は「0W」である。従って、各サーバユニット21〜28からの要求電力情報が表す要求電力の合計にサーバ管理モジュール29が必要とする電力(本例では、「10W」)を加えた総要求電力は、「50W」である。
【0056】
従って、この場合、電源制御モジュール14は、出力電力情報801に基づいて、電源ユニット11の出力電力を「50W」に決定し、電源ユニット12の出力電力を「0W」に決定し、電源ユニット13の出力電力を「0W」に決定する。
【0057】
次いで、電源制御モジュール14は、ステップ715にて、電源ユニットを表す情報と、上記ステップ710にて決定されたその電源ユニットの出力電力を表す情報と、の組からなる電源ユニット情報のリストを作成する。この状態にて作成されるリストは、電源ユニット11に係る電源ユニット情報、電源ユニット12に係る電源ユニット情報及び電源ユニット13に係る電源ユニット情報からなる。
【0058】
そして、電源制御モジュール14は、ステップ720にて、リスト内に電源ユニット情報が残っているか否かを判定する。この時点では、電源制御モジュール14は、「Yes」と判定してステップ725に進み、リストの先頭の電源ユニット情報(電源ユニット11に係る電源ユニット情報)を取得する(読み込む)とともに、リストからこの電源ユニット情報を除去する。
【0059】
次いで、電源制御モジュール14は、ステップ730にて、上記ステップ725にて取得された電源ユニット情報が表す出力電力(ここでは、50W)が「0W」であるか否かを判定する。この状態においては、電源制御モジュール14は、「No」と判定してステップ735に進み、駆動フラグをオン情報に設定する。
【0060】
そして、電源制御モジュール14は、ステップ740にて、上記ステップ725にて取得された電源ユニット情報が表す出力電力(ここでは、50W)が、閾値電力(本例では、200W)よりも大きいか否かを判定する。
【0061】
この状態においては、電源制御モジュール14は、「No」と判定してステップ745に進み、上記ステップ725にて取得された電源ユニット情報が表す電源ユニット(ここでは、電源ユニット11)の駆動モードとして電池モードを選択する。
【0062】
次いで、電源制御モジュール14は、ステップ750にて、電源ユニット11に対する充電フラグがオン情報に設定されているか否かを判定する。この状態においては、充電フラグはオフ情報に設定されているので、電源制御モジュール14は、「No」と判定してステップ755に進む。
【0063】
電源制御モジュール14は、ステップ755にて、駆動フラグとしてオン情報を含み且つ電池モード情報(この時点にて選択されている駆動モードを表す情報)を駆動モード情報として含む駆動指示情報を電源ユニット11へ送る。
【0064】
これにより、電源ユニット11の電源ユニットコントローラ11hは、図4に示したように、第1の切替器11eの状態を非接続状態に設定するとともに第2の切替器11fの状態を第2接続状態に設定する。従って、電源ユニット11は、蓄電池11cから放電される電力を出力する。また、電源ユニット11(即ち、交流直流変換器11a及び直流直流変換器11b)に電力は入力されない。即ち、電源ユニット11は、状態がオン状態に設定され且つ電池モードにより駆動される。
【0065】
そして、電源制御モジュール14は、ステップ720へ戻り、ステップ720〜ステップ755の処理をリスト内に電源ユニット情報が存在しなくなるまで繰り返し実行する。
従って、電源制御モジュール14は、電源ユニット12に係る電源ユニット情報を取得し(ステップ725)、その電源ユニット情報が表す出力電力(ここでは、0W)が「0W」であるか否かを判定したとき、「Yes」と判定してステップ760に進む。
【0066】
電源制御モジュール14は、ステップ760にて、駆動フラグをオフ情報に設定する。そして、電源制御モジュール14は、ステップ755にて、駆動フラグとしてオフ情報を含む駆動指示情報を電源ユニット12へ送る。
【0067】
これにより、電源ユニット12の電源ユニットコントローラ12hは、図5に示した電源ユニット11の状態と同様に、第1の切替器12eの状態を非接続状態に設定するとともに第2の切替器12fの状態を非接続状態に設定する。従って、電源ユニット12は、電力を出力しない。また、電源ユニット12に電力は入力されない。即ち、電源ユニット12の状態は、オフ状態に設定される。
【0068】
次いで、電源制御モジュール14は、同様の処理を実行することにより、駆動フラグとしてオフ情報を含む駆動指示情報を電源ユニット13へ送る。これにより、電源ユニット12と同様に、電源ユニット13の状態は、オフ状態に設定される。
【0069】
次に、電源制御モジュール14がステップ720へ戻ると、既にリスト内に電源ユニット情報が存在していない。従って、電源制御モジュール14は、ステップ720にて「No」と判定してステップ799に直接進み、このプログラムを一旦終了する。
【0070】
次に、3つのサーバユニット(サーバユニット21〜23)の状態が通常時電力供給状態となり、且つ、1つのサーバユニット(サーバユニット24)の状態が待機時電力供給状態となり、且つ、4つのサーバユニット(サーバユニット25〜28)の状態が電力遮断状態となった場合を仮定して説明を続ける。
【0071】
この場合、各サーバユニット21〜23からの要求電力情報が表す要求電力は「100W」であり、サーバユニット24からの要求電力情報が表す要求電力は「40W」であり、各サーバユニット25〜28からの要求電力情報が表す要求電力は「0W」である。従って、各サーバユニット21〜28からの要求電力情報が表す要求電力の合計にサーバ管理モジュール29が必要とする電力(本例では、「10W」)を加えた総要求電力は、「350W」である。
【0072】
従って、この場合、電源制御モジュール14は、図7のステップ710に進んだとき、出力電力情報802に基づいて、電源ユニット11の出力電力を「300W」に決定し、電源ユニット12の出力電力を「50W」に決定し、電源ユニット13の出力電力を「0W」に決定する。
【0073】
そして、電源制御モジュール14は、電源ユニット11に係る電源ユニット情報が表す出力電力(ここでは、300W)が、閾値電力(本例では、200W)よりも大きいか否かを判定するステップ740に進んだとき、「Yes」と判定してステップ765に進み、電源ユニット11の駆動モードとして変換器モードを選択する。その後、電源制御モジュール14は、駆動フラグとしてオン情報を含み且つ変換器モード情報(この時点にて選択されている駆動モードを表す情報)を駆動モード情報として含む駆動指示情報を電源ユニット11へ送る。
【0074】
これにより、電源ユニット11の電源ユニットコントローラ11hは、図2に示したように、第1の切替器11eの状態を接続状態に設定するとともに第2の切替器11fの状態を第1接続状態に設定する。従って、電源ユニット11は、交流電源PWから入力される交流電力を交流直流変換器11a及び直流直流変換器11bによって直流電力に変換して出力する。更に、電源ユニット11は、蓄電池11cの蓄電量が最大蓄電量よりも小さい場合、直流直流変換器11bから出力される電力の一部を蓄電池11cに供給することにより蓄電池11cを充電する。即ち、電源ユニット11は、状態がオン状態に設定され且つ変換器モードにより駆動される。
【0075】
また、上述した場合と同様に、電源制御モジュール14は、駆動フラグとしてオン情報を含み且つ駆動モード情報として電池モード情報を含む駆動指示情報を電源ユニット12へ送り、駆動フラグとしてオフ情報を含む駆動指示情報を電源ユニット13へ送る。これにより、電源ユニット12は、状態がオン状態に設定され且つ電池モードにより駆動される。また、電源ユニット13の状態は、オフ状態に設定される。
【0076】
次に、7つのサーバユニット(サーバユニット21〜27)の状態が通常時電力供給状態となり、且つ、1つのサーバユニット(サーバユニット28)の状態が待機時電力供給状態となった場合を仮定して説明を続ける。
【0077】
この場合、各サーバユニット21〜27からの要求電力情報が表す要求電力は「100W」であり、サーバユニット28からの要求電力情報が表す要求電力は「40W」である。従って、各サーバユニット21〜28からの要求電力情報が表す要求電力の合計にサーバ管理モジュール29が必要とする電力(本例では、「10W」)を加えた総要求電力は、「750W」である。
【0078】
従って、この場合、電源制御モジュール14は、図7のステップ710に進んだとき、出力電力情報803に基づいて、電源ユニット11の出力電力を「250W」に決定し、電源ユニット12の出力電力を「250W」に決定し、電源ユニット13の出力電力を「250W」に決定する。
【0079】
そして、電源制御モジュール14は、上述した場合と同様に、駆動フラグとしてオン情報を含み且つ駆動モード情報として変換器モード情報を含む駆動指示情報を電源ユニット11〜13のそれぞれへ送る。これにより、各電源ユニット11〜13は、状態がオン状態に設定され且つ変換器モードにより駆動される。
【0080】
次に、電源ユニット11が電池モードにより駆動される状態が比較的長い期間継続した場合であって、電源ユニット11の蓄電池11cの蓄電量が第1の閾値量よりも小さくなった場合について説明する。
【0081】
この場合、電源制御モジュール14が図6の充電フラグ設定プログラムを電源ユニット11に対して実行して、ステップ615に進んだとき、電源制御モジュール14は、「Yes」と判定してステップ625に進む。電源制御モジュール14は、ステップ625にて、電源ユニット11に対する充電フラグをオン情報に設定する。更に、電源制御モジュール14は、送信要求情報を情報処理装置20のサーバ管理モジュール29へ送る。サーバ管理モジュール29は、送信要求情報を受け取ると、総要求電力情報を電源制御モジュール14へ送る。
【0082】
そして、電源制御モジュール14は、ステップ620に進むと、「Yes」と判定してステップ630に進む。電源制御モジュール14は、ステップ630にて蓄電池11cの蓄電量が第2の閾値量(本例では、最大蓄電量の9/10の量)よりも大きいか否かを判定する。
【0083】
この時点では、蓄電池11cの蓄電量は、第1の閾値量(最大蓄電量の1/10の量)よりも小さいので、電源制御モジュール14は、「No」と判定してステップ699に直接進み、このプログラムを一旦終了する。
【0084】
一方、この状態においては、電源制御モジュール14は、図7の駆動指示送信プログラムのステップ745までの処理を実行することにより、電源ユニット11の駆動モードとして電池モードを選択する。次いで、電源制御モジュール14は、ステップ750にて、電源ユニット11に対する充電フラグがオン情報に設定されているか否かを判定する。
【0085】
この状態においては、電源制御モジュール14は、「Yes」と判定してステップ770に進み、電源ユニット11の駆動モードとして変換器モードを選択(再選択)する。そして、電源制御モジュール14は、ステップ755に進み、駆動フラグとしてオン情報を含み且つ駆動モード情報として変換器モード情報を含む駆動指示情報を電源ユニット11へ送る。
【0086】
これにより、電源ユニット11は、状態がオン状態に設定され且つ変換器モードにより駆動される。従って、蓄電池11cが充電される。即ち、蓄電池11cの蓄電量は、時間の経過に伴って増加する。その後、蓄電池11cの蓄電量は、第2の閾値量よりも大きくなる。
【0087】
この時点にて、電源制御モジュール14が図6の充電フラグ設定プログラムを電源ユニット11に対して実行して、ステップ630に進んだとき、電源制御モジュール14は、「Yes」と判定してステップ635に進む。電源制御モジュール14は、ステップ635にて、電源ユニット11に対する充電フラグをオフ情報に設定する。更に、電源制御モジュール14は、送信要求情報を情報処理装置20のサーバ管理モジュール29へ送る。サーバ管理モジュール29は、送信要求情報を受け取ると、総要求電力情報を電源制御モジュール14へ送る。
そして、電源制御モジュール14は、ステップ699に直接進み、このプログラムを一旦終了する。
【0088】
このように、電源装置10は、蓄電池11c〜13cの蓄電量が第1の閾値量よりも小さくなってから第2の閾値量よりも大きくなるまでの間、各電源ユニット11〜13の出力電力が閾値電力よりも小さい場合であっても、その電源ユニット11〜13の駆動モードを変換器モードに設定する。これによれば、各蓄電池11c〜13cの蓄電量が不足している期間においては、その蓄電池11c〜13cに係る電源ユニット11〜13は、交流直流変換器11a〜13a及び直流直流変換器11b〜13bから出力された電力を出力するとともに、蓄電池11c〜13cを充電する。この結果、蓄電量が不足したときは迅速に蓄電池11c〜13cを充電することができる。従って、次に蓄電池11c〜13cを使用する場合に蓄電量が不足することを回避することができる。
【0089】
一方、この状態においては、電源制御モジュール14は、図7の駆動指示送信プログラムのステップ745までの処理を実行することにより、電源ユニット11の駆動モードとして電池モードを選択する。次いで、電源制御モジュール14は、ステップ750にて、「No」と判定してステップ755に進み、駆動フラグとしてオン情報を含み且つ駆動モード情報として電池モード情報を含む駆動指示情報を電源ユニット11へ送る。これにより、電源ユニット11は、状態がオン状態に設定され且つ電池モードにより駆動される。
【0090】
また、各電源ユニットコントローラ11h〜13hは、図9にフローチャートにより示した駆動モード変更プログラムを、所定の監視周期毎に実行する。ここでは、電源ユニットコントローラ11hが実行する駆動モード変更プログラムの作動のみについて説明するが、他の電源ユニットコントローラ12h,13hが実行する駆動モード変更プログラムも同様に作動する。
なお、図9のプログラムの処理が実行されることは、駆動モード設定手段(駆動モード設定工程)の機能の一部が達成されることに対応している。
【0091】
具体的に述べると、電源ユニットコントローラ11hは、駆動モード変更プログラムの処理を開始すると、ステップ905にて、電流計11gにより検出される負荷電流を取得する(読み込む)。次いで、電源ユニットコントローラ11hは、ステップ910にて、蓄電量計11dにより検出される蓄電池11cの蓄電量を取得する。
【0092】
そして、電源ユニットコントローラ11hは、ステップ915にて、第1の条件、第2の条件、及び、第3の条件のすべてが成立しているか否かを判定する。ここで、第1の条件は、電源ユニット11の駆動モードが変換器モードに設定されているという条件である。第2の条件は、取得(検出)された負荷電流が所定の閾値電流(本例では、20Wに対応する電流)よりも小さい状態が所定の継続期間だけ継続しているという条件である。第3の条件は、取得された蓄電量が第3の閾値量(本例では、最大蓄電量の7/10の量)よりも大きいという条件である。
【0093】
いま、情報処理装置20の一部に障害が発生していることにより、電源ユニット11の負荷電流が閾値電流よりも小さい状態が上記継続期間だけ継続し、その結果、第1の条件、第2の条件、及び、第3の条件のすべてが成立している場合を仮定して説明を続ける。
【0094】
この場合、電源ユニットコントローラ11hは、ステップ915にて、「Yes」と判定してステップ920に進み、電源ユニット11の駆動モードを電池モードに変更(再設定)する。即ち、電源ユニットコントローラ11hは、図4に示したように、第1の切替器11eの状態を非接続状態に設定するとともに第2の切替器11fの状態を第2接続状態に設定する。これにより、電源ユニット11は、電池モードにより駆動される。
そして、電源ユニットコントローラ11hは、ステップ999に進み、このプログラムを一旦終了する。
【0095】
ところで、負荷電流は、電源ユニット11〜13の出力電力をよく表わす。従って、このように、検出された負荷電流に基づいて駆動モードを再設定することにより、外部装置(情報処理装置20)からの総要求電力情報が表す総要求電力と実際に外部装置へ供給される電力とが相違している場合であっても、各電源ユニット11〜13の駆動モードを適切に再設定することができる。
【0096】
なお、第1の条件、第2の条件、及び、第3の条件のすべてが成立していない場合には、電源ユニットコントローラ11hは、ステップ915にて「No」と判定して、駆動モードを変更することなくステップ999に直接進む。
【0097】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る電源装置によれば、各電源ユニット11〜13の出力電力が閾値電力よりも大きい場合、各電源ユニット11〜13の駆動モードは、第1の駆動モード(変換器モード)に設定され、一方、各電源ユニット11〜13の出力電力が閾値電力よりも小さい場合、各電源ユニット11〜13の駆動モードは、第2の駆動モード(電池モード)に設定される。
【0098】
これにより、各電源ユニット11〜13の出力電力が閾値電力よりも小さい場合において、その電源ユニットの駆動モードが変換器モードに設定されるときよりもその電源ユニットの電源効率を高くすることができる。即ち、各電源ユニット11〜13の駆動モードがその電源ユニット11〜13の出力電力に応じた適切な駆動モードに設定される。このように、各電源ユニット11〜13の状態をオン状態又はオフ状態に切り替えることに加えて、各電源ユニット11〜13の駆動モードを適切に設定することにより、高い電源効率にて電力を供給することができる電源装置の出力電力の範囲を拡大することができる。
【0099】
また、上記第1実施形態によれば、蓄電池11c〜13cと、交流直流変換器11a〜13a及び直流直流変換器11b〜13bと、を切り替えて用いることにより、電源効率の出力電力に対する特性が異なる第1の駆動モード及び第2の駆動モードを容易に実現することができる。
【0100】
更に、上記第1実施形態によれば、各電源ユニット11〜13が変換器モードにより駆動されている間に、蓄電池11c〜13cが充電される。これにより、蓄電池11c〜13cの蓄電量が不足することを防止することができる。更に、電源ユニット11〜13の出力電力が比較的小さい場合であっても、直流直流変換器11b〜13bから出力された電力が蓄電池11c〜13cを充電するために消費されるので、交流直流変換器11a〜13a及び直流直流変換器11b〜13bの出力電力を大きくすることができる。この結果、交流直流変換器11a〜13a及び直流直流変換器11b〜13bの変換効率を高めることができる。従って、交流直流変換器11a〜13a及び直流直流変換器11b〜13bにより無駄に消費される電力を低減することができる。
【0101】
更に、上記第1実施形態は、電源装置10の出力電力(情報処理装置20の総要求電力)に基づいて、電源ユニット11〜13の状態を切り替える。これによれば、電源装置10の出力電力が比較的大きく変化した場合であっても、1つの電源ユニット11〜13の出力電力を適切に調整することができる。この結果、各電源ユニット11〜13を比較的高い電源効率にて駆動することができるので、各電源ユニット11〜13により無駄に消費される電力を低減することができる。
【0102】
また、上記第1実施形態は、外部装置(情報処理装置20)が出力する総要求電力情報に基づいて各電源ユニット11〜13の出力電力を決定(取得)し、取得した出力電力に基づいて各電源ユニット11〜13の駆動モードを設定する。これによれば、電源ユニット11〜13の出力電力を、実際に外部装置が電力を消費する前に総要求電力情報に基づいて取得(推定)することができるので、電源装置10により供給される電力が、外部装置の電力の消費に伴って不足することを回避することができる。
【0103】
また、上述したように、各サーバユニット21〜28が必要とする電力が比較的大きく変動するので、サーバユニット21〜28を備える情報処理装置20が必要とする電力は、かなり大きく変動する。従って、このような電源装置10により情報処理装置20へ電力を供給することが好適である。
【0104】
なお、上記第1実施形態においては、各電源ユニット11〜13の出力電力に基づいてその電源ユニットの駆動モードを決定するように構成されていたが、充電フラグがオン情報に設定されている場合にその充電フラグに係る電源ユニットの駆動モードを変換器モードに設定し、一方、充電フラグがオフ情報に設定されている場合にその充電フラグに係る電源ユニットの駆動モードを電池モードに設定するように構成されていてもよい。これによれば、電源ユニットが電池モードにより駆動される期間を可能な限り長くすることができるので、電源ユニットの電源効率をより一層高めることができる。
【0105】
更に、上記第1実施形態は、各電源ユニット11〜13が負荷電流に基づいて駆動モードを変更した(ステップ920を参照)場合には、総要求電力情報が表す総要求電力と実際に電源装置10から情報処理装置20へ供給される電力との間の差(誤差)が大きいことを電源制御モジュール14に通知するように構成されていてもよい。
【0106】
加えて、上記第1実施形態において、各電源ユニット11〜13は、電池として蓄電池11c〜13cを有していたが、電池として太陽電池を有していてもよい。
【0107】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電源装置について説明する。第2実施形態に係る電源装置は、上記第1実施形態に係る電源装置に対して、各電源ユニット11〜13から出力される電力を第1の変換器からの出力電力と第2の変換器からの出力電力とに切り替えるように構成されている点のみにおいて相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0108】
第2実施形態に係る電源ユニット11は、図10に示したように、第1実施形態に係る電源ユニット11の交流直流変換器11a、直流直流変換器11b、蓄電池11c、蓄電量計11d、第1の切替器11e及び第2の切替器11fを、第1の交流直流変換器11a1、第1の直流直流変換器11b1、第2の交流直流変換器11a2、第2の直流直流変換器11b2、第1の切替器11e1及び第2の切替器11f1に置換した電源ユニットである。
【0109】
第1の交流直流変換器11a1及び第1の直流直流変換器11b1は、第1実施形態に係る交流直流変換器11a及び直流直流変換器11bとそれぞれ同じ構成を有している。従って、第1の交流直流変換器11a1及び第1の直流直流変換器11b1の変換効率(第1の交流直流変換器11a1に入力された電力に対する第1の直流直流変換器11b1から出力される電力の比)は、図3に示したように、出力電力が200W〜300Wの範囲内にある場合に85%以上となる。
【0110】
第2の交流直流変換器11a2及び第2の直流直流変換器11b2は、変換効率の出力電力に対する特性が異なる点を除いて、第1の交流直流変換器11a1及び第1の直流直流変換器11b1とそれぞれ同様の構成を有している。即ち、第2の交流直流変換器11a2及び第2の直流直流変換器11b2は、第1の交流直流変換器11a1及び第1の直流直流変換器11b1が有する回路素子と異なる回路素子を有している。第2の交流直流変換器11a2及び第2の直流直流変換器11b2の変換効率(第2の交流直流変換器11a2に入力された電力に対する第2の直流直流変換器11b2から出力される電力の比)は、図11に示したように、出力電力が40W〜60Wの範囲内にある場合に85%以上となる。
【0111】
第1の切替器11e1は、その状態が、第1接続状態、第2接続状態及び非接続状態のいずれかに設定されるようになっている。第1の切替器11e1の状態が第1接続状態に設定されることにより、交流電源PWからの電力が第1の交流直流変換器11a1へ供給され且つ交流電源PWから第2の交流直流変換器11a2への電力の供給が遮断される。また、第1の切替器11e1の状態が第2接続状態に設定されることにより、交流電源PWからの電力が第2の交流直流変換器11a2へ供給され且つ交流電源PWから第1の交流直流変換器11a1への電力の供給が遮断される。一方、第1の切替器11e1の状態が非接続状態に設定されることにより、交流電源PWから第1の交流直流変換器11a1への電力の供給及び交流電源PWから第2の交流直流変換器11a2への電力の供給のいずれもが遮断される。
【0112】
第2の切替器11f1は、その状態が、第1接続状態、第2接続状態及び非接続状態のいずれかに設定されるようになっている。第2の切替器11f1の状態が第1接続状態に設定されることにより、第1の直流直流変換器11b1から出力される電力(第1の交流直流変換器11a1から出力される電力)が電源ユニット11から出力される。また、第2の切替器11f1の状態が第2接続状態に設定されることにより、第2の直流直流変換器11b2から出力される電力(第2の交流直流変換器11a2から出力される電力)が電源ユニット11から出力される。一方、第2の切替器11f1の状態が非接続状態に設定されることにより、第1の直流直流変換器11b1から情報処理装置20への電力の供給及び第2の直流直流変換器11b2から情報処理装置20への電力の供給のいずれもが遮断される。
【0113】
電源ユニットコントローラ11hは、電源制御モジュール14からの駆動指示情報に基づいて、第1の切替器11e1の状態及び第2の切替器11f1の状態をそれぞれ設定する。
【0114】
具体的には、駆動指示情報が駆動フラグとしてオン情報を含み且つ駆動モード情報として第1変換器モード情報を含む場合には、電源ユニットコントローラ11hは、図10に示したように、第1の切替器11e1の状態を第1接続状態に設定するとともに第2の切替器11f1の状態を第1接続状態に設定する。
【0115】
ここで、駆動モード情報は、電源ユニット毎に設けられる情報であって、その電源ユニットの駆動モードを第1変換器モード(第1の駆動モード)と第2変換器モード(第2の駆動モード)とのいずれに設定する予定であるかを表す情報である。駆動モード情報は、電源ユニットの駆動モードを第1変換器モードに設定する予定である場合に第1変換器モード情報に設定され、電源ユニットの駆動モードを第2変換器モードに設定する予定である場合に第2変換器モード情報に設定される。
【0116】
この状態においては、電源ユニット11は、交流電源PWから入力される交流電力を第1の交流直流変換器11a1及び第1の直流直流変換器11b1によって直流電力に変換して出力する。即ち、電源ユニット11は、状態がオン状態に設定され且つ第1変換器モードにより駆動される。
【0117】
また、駆動指示情報が駆動フラグとしてオン情報を含み且つ駆動モード情報として第2変換器モード情報を含む場合には、電源ユニットコントローラ11hは、図12に示したように、第1の切替器11e1の状態を第2接続状態に設定するとともに第2の切替器11f1の状態を第2接続状態に設定する。この状態においては、電源ユニット11は、交流電源PWから入力される交流電力を第2の交流直流変換器11a2及び第2の直流直流変換器11b2によって直流電力に変換して出力する。即ち、電源ユニット11は、状態がオン状態に設定され且つ第2変換器モードにより駆動される。
【0118】
ところで、電源ユニット11の電源効率は、変換効率と一致する。従って、出力電力が閾値電力(本例では、100W)よりも小さい領域においては、電源ユニット11の電源効率は、電源ユニット11が第1変換器モードにより駆動される場合よりも電源ユニット11が第2変換器モードにより駆動される場合の方が高くなる。
即ち、第1変換器モード及び第2変換器モードは、電源ユニットの電源効率の、電源ユニットの出力電力に対する特性が異なる2つの駆動モードである、と言うことができる。
【0119】
一方、駆動指示情報が駆動フラグとしてオフ情報を含む場合には、電源ユニットコントローラ11hは、図13に示したように、第1の切替器11e1の状態を非接続状態に設定するとともに第2の切替器11f1の状態を非接続状態に設定する。この状態においては、電源ユニット11は、電力を出力しない。また、この状態においては、電源ユニット11に電力は入力されない。即ち、電源ユニット11の状態は、オフ状態に設定される。
【0120】
また、電源制御モジュール14は、第1実施形態に係る電源制御モジュール14が実行する図7の駆動指示送信プログラムと同様のプログラムを実行する。このプログラムは、図7のプログラムからステップ750及びステップ770の処理を除去するとともに、「変換器モード」を「第1変換器モード」に置換し且つ「電池モード」を「第2変換器モード」に置換したプログラムである。
【0121】
この第2実施形態に係る電源装置10によれば、上記第1実施形態と同様に、各電源ユニット11〜13の出力電力が閾値電力よりも大きい場合、各電源ユニット11〜13の駆動モードは、第1の駆動モード(第1変換器モード)に設定され、一方、各電源ユニット11〜13の出力電力が閾値電力よりも小さい場合、各電源ユニット11〜13の駆動モードは、第2の駆動モード(第2変換器モード)に設定される。
【0122】
これにより、各電源ユニット11〜13の出力電力が閾値電力よりも小さい場合において、その電源ユニットの駆動モードが第1変換器モードに設定されるときよりもその電源ユニット11〜13の電源効率を高くすることができる。即ち、各電源ユニット11〜13の駆動モードがその電源ユニット11〜13の出力電力に応じた適切な駆動モードに設定される。このように、各電源ユニット11〜13の状態をオン状態又はオフ状態に切り替えることに加えて、各電源ユニット11〜13の駆動モードを適切に設定することにより、高い電源効率にて電力を供給することができる電源装置の出力電力の範囲を拡大することができる。
【0123】
また、上記第2実施形態によれば、第1の交流直流変換器11a1及び第1の直流直流変換器11b1と、第2の交流直流変換器11a2及び第2の直流直流変換器11b2と、を切り替えて用いることにより、電源効率の出力電力に対する特性が異なる第1の駆動モード及び第2の駆動モードを容易に実現することができる。
【0124】
以上、説明したように、本発明に係る電源装置によれば、高い電源効率にて電力を供給することができる電源装置の出力電力の範囲を拡大することができる。
【0125】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記各実施形態において、情報処理装置20が電源制御モジュール14を有するように構成されていてもよい。この場合、電源制御モジュール14の機能をサーバ管理モジュール29が実現するように構成されていてもよい。
【0126】
また、上記各実施形態においては、各電源ユニット11〜13の駆動モードの数は、2つであったが、3つ以上であってもよい。例えば、上記各実施形態における電源ユニットは、第1の交流直流変換器と、第2の交流直流変換器と、電池と、を備えるとともに、第1の駆動モードにおいて第1の交流直流変換器から出力された電力を出力するように構成され、第2の駆動モードにおいて第2の交流直流変換器から出力された電力を出力するように構成され、第3の駆動モードにおいて電池から放電された電力を出力するように構成されていてもよい。また、電源ユニットは、3つ以上の交流直流変換器を備え、駆動モード毎に電力を入力する交流直流変換器を変更するように構成されていてもよい。
【0127】
更に、上記各実施形態において、要求電力情報を出力しない外部装置が電源装置10に接続されている場合、電源制御モジュール14は、電流計11g〜13gにより検出された負荷電流に基づいて各電源ユニット11〜13の出力電力及び駆動モードを設定するように構成されていてもよい。
【0128】
また、上記各実施形態において、情報処理装置20は、情報処理ユニットを複数備えていたが、1つだけ備えていてもよい。更に、上記各実施形態は、すべての電源ユニット11〜13が複数の駆動モードのいずれか1つの駆動モードにより駆動されるように構成されていたが、電源ユニット11〜13の一部が複数の駆動モードのいずれか1つの駆動モードにより駆動されるように構成され且つ電源ユニット11〜13の他部が1つの駆動モードのみにより駆動されるように構成されていてもよい。また、すべての電源ユニット11〜13が1つの駆動モードのみにより駆動されるように構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、複数の電源ユニットを有する電源装置、及び、その電源装置により電力を供給される装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】情報処理システムの概略構成を表すブロック図である。
【図2】図1に示した電源ユニットであって駆動モードが変換器モードに設定された電源ユニットの概略構成を表すブロック図である。
【図3】図2に示した交流直流変換器及び直流直流変換器の変換効率の、出力電力に対する変化を示したグラフである。
【図4】図1に示した電源ユニットであって駆動モードが電池モードに設定された電源ユニットの概略構成を表すブロック図である。
【図5】図1に示した電源ユニットであって状態がオフ状態に設定された電源ユニットの概略構成を表すブロック図である。
【図6】図1に示した電源制御モジュールが実行する充電フラグ設定プログラムを示したフローチャートである。
【図7】図1に示した電源制御モジュールが実行する駆動指示送信プログラムを示したフローチャートである。
【図8】出力電力情報を複数含む出力電力テーブルである。
【図9】図2に示した電源ユニットコントローラが実行する駆動モード補正プログラムを示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係る電源ユニットであって駆動モードが第1変換器モードに設定された電源ユニットの概略構成を表すブロック図である。
【図11】図10に示した第2の交流直流変換器及び第2の直流直流変換器の変換効率の、出力電力に対する変化を示したグラフである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る電源ユニットであって駆動モードが第2変換器モードに設定された電源ユニットの概略構成を表すブロック図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る電源ユニットであって状態がオフ状態に設定された電源ユニットの概略構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
【0131】
1 情報処理システム
10 電源装置
11〜13 電源ユニット
11a〜13a 交流直流変換器
11a1〜13a1 第1の交流直流変換器
11a2〜13a2 第2の交流直流変換器
11b〜13b 直流直流変換器
11b1〜13b1 第1の直流直流変換器
11b2〜13b2 第2の直流直流変換器
11c〜13c 蓄電池
11d〜13d 蓄電量計
11e〜13e 第1の切替器
11e1〜13e1 第1の切替器
11f〜13f 第2の切替器
11f1〜13f1 第2の切替器
11g〜13g 電流計
11h〜13h 電源ユニットコントローラ
14 電源制御モジュール
20 情報処理装置
21〜28 情報処理ユニット
21a〜28a BMC
29 サーバ管理モジュール
PW 交流電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を出力し且つオン状態とオフ状態とに状態を切り替え可能な電源ユニットを複数備え、外部装置へ前記オン状態にある電源ユニットから出力される電力を供給する電源装置であって、
前記電源ユニットの少なくとも1つは、当該電源ユニットの出力電力を生成するために消費される電力に対するその出力電力の比である電源効率の、当該電源ユニットの出力電力に対する特性が異なる複数の駆動モードのいずれか1つの駆動モードにより駆動されるように構成され、
前記電源ユニットの出力電力に基づいて、当該電源ユニットの駆動モードを前記複数の駆動モードのいずれか1つに設定する駆動モード設定手段を備える電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置において、
前記複数の駆動モードは、第1の駆動モードと、前記電源ユニットの出力電力が所定の閾値電力よりも小さい領域において当該第1の駆動モードよりも前記電源効率が高くなる第2の駆動モードと、を含み、
前記駆動モード設定手段は、前記電源ユニットの出力電力が前記閾値電力よりも大きい場合に当該電源ユニットの駆動モードを前記第1の駆動モードに設定し、一方、当該電源ユニットの出力電力が当該閾値電力よりも小さい場合に当該電源ユニットの駆動モードを前記第2の駆動モードに設定するように構成された電源装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電源装置において、
前記電源ユニットは、入力される交流電力を直流電力に変換して出力する交流直流変換器と電池とを備えるとともに、前記第1の駆動モードにおいて当該交流直流変換器から出力された電力を出力するように構成され、且つ、前記第2の駆動モードにおいて当該電池から放電された電力を出力するように構成された電源装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電源装置において、
前記電池は、蓄電池であり、
前記電源ユニットは、前記交流直流変換器から出力された電力により前記蓄電池を充電するように構成された電源装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電源装置において、
前記駆動モード設定手段は、前記蓄電池の蓄電量が第1の閾値量よりも小さくなってから第2の閾値量よりも大きくなるまでの間、前記電源ユニットの出力電力が前記閾値電力よりも小さい場合であっても、前記駆動モードを前記第1の駆動モードに設定するように構成された電源装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の電源装置であって、
前記電源ユニットは、交流電力を直流電力に変換して出力する第1の交流直流変換器と、交流電力を直流電力に変換して出力する第2の交流直流変換器と、を備えるとともに、前記第1の駆動モードにおいて当該第1の交流直流変換器から出力された電力を出力するように構成され、且つ、前記第2の駆動モードにおいて当該第2の交流直流変換器から出力された電力を出力するように構成された電源装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の電源装置であって、
前記電源装置の出力電力に基づいて、前記電源ユニットの状態を切り替える状態切替手段を備える電源装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電源装置において、
前記駆動モード設定手段は、前記外部装置の要求電力を表す情報であって当該外部装置が出力する情報である要求電力情報に基づいて前記電源ユニットの出力電力を取得し、取得した出力電力に基づいて当該電源ユニットの駆動モードを設定するように構成された電源装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電源装置であって、
前記電源ユニットから前記外部装置へ供給される負荷電流を検出する負荷電流検出手段を備え、
前記駆動モード設定手段は、前記検出された負荷電流に基づいて、前記電源ユニットの駆動モードを再設定するように構成された電源装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電源装置であって、
前記電源ユニットから前記外部装置へ供給される負荷電流を検出する負荷電流検出手段を備え、
前記駆動モード設定手段は、前記電源ユニットの出力電力としての前記検出された負荷電流に基づいて当該電源ユニットの駆動モードを設定するように構成された電源装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の電源装置により電力が供給される前記外部装置としての情報処理装置であって、1つ又は複数の情報処理ユニットを備える情報処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置において、
前記情報処理ユニットは、前記要求電力情報を出力するように構成された情報処理装置。
【請求項13】
電力を出力し且つオン状態とオフ状態とに状態を切り替え可能な電源ユニットを複数備える電源装置に接続され、当該電源装置のうちの前記オン状態にある電源ユニットから出力される電力によって駆動される情報処理装置であって、
要求電力を表す要求電力情報を出力する1つ又は複数の情報処理ユニットと、
前記情報処理ユニットから出力された要求電力情報に基づいて、前記電源ユニットの状態を切り替える状態切替手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項14】
電力を出力し且つオン状態とオフ状態とに状態を切り替え可能な電源ユニットを複数備えるとともに外部装置へ前記オン状態にある電源ユニットから出力される電力を供給する電源装置であって前記電源ユニットの少なくとも1つが当該電源ユニットの出力電力を生成するために消費される電力に対するその出力電力の比である電源効率の、当該電源ユニットの出力電力に対する特性が異なる複数の駆動モードのいずれか1つの駆動モードにより駆動されるように構成された電源装置を制御する電源制御方法であって、
前記電源ユニットの出力電力に基づいて、当該電源ユニットの駆動モードを前記複数の駆動モードのいずれか1つに設定する駆動モード設定工程を含む電源制御方法。
【請求項15】
請求項14に記載の電源制御方法において、
前記複数の駆動モードは、第1の駆動モードと、前記電源ユニットの出力電力が所定の閾値電力よりも小さい領域において当該第1の駆動モードよりも前記電源効率が高くなる第2の駆動モードと、を含み、
前記駆動モード設定工程は、前記電源ユニットの出力電力が前記閾値電力よりも大きい場合に当該電源ユニットの駆動モードを前記第1の駆動モードに設定し、一方、当該電源ユニットの出力電力が当該閾値電力よりも小さい場合に当該電源ユニットの駆動モードを前記第2の駆動モードに設定する工程を含む電源制御方法。
【請求項16】
電力を出力し且つオン状態とオフ状態とに状態を切り替え可能な電源ユニットを複数備える電源装置であって前記電源ユニットの少なくとも1つが当該電源ユニットの出力電力を生成するために消費される電力に対するその出力電力の比である電源効率の、当該電源ユニットの出力電力に対する特性が異なる複数の駆動モードのいずれか1つの駆動モードにより駆動されるように構成された電源装置に接続され、当該電源装置のうちの前記オン状態にある電源ユニットから出力される電力によって駆動される情報処理装置に、
前記電源ユニットの出力電力に基づいて、当該電源ユニットの駆動モードを前記複数の駆動モードのいずれか1つに設定する駆動モード設定手段を実現させるための電源制御プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の電源制御プログラムにおいて、
前記複数の駆動モードは、第1の駆動モードと、前記電源ユニットの出力電力が所定の閾値電力よりも小さい領域において当該第1の駆動モードよりも前記電源効率が高くなる第2の駆動モードと、を含み、
前記駆動モード設定手段は、前記電源ユニットの出力電力が前記閾値電力よりも大きい場合に当該電源ユニットの駆動モードを前記第1の駆動モードに設定し、一方、当該電源ユニットの出力電力が当該閾値電力よりも小さい場合に当該電源ユニットの駆動モードを前記第2の駆動モードに設定するように構成された電源制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−140138(P2009−140138A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314502(P2007−314502)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】