説明

電界放出ディスプレイの三極管構造の製法

【課題】電界放出ディスプレイの三極管構造の製法を提供する。
【解決手段】マトリクスに配列された複数の陰極層は、陰極層を被覆して形成される。複数の縦延伸したゲートラインは誘電層上に形成され、各ゲート層は陰極層の2つの隣接した列間に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display。以下、FEDという)技術に関する。さらに詳しくは、ゲート層と、同一工程で、同一平面にパターニングされた陰極層(cathode layer)を備える三極管構造(triode structure)の製法に関する。三極管構造は、ゲート層を用いて側面の陰極層から電子を引き抜き、高放出効果を達成する。
【背景技術】
【0002】
FEDは、陽極、陰極、ゲート電極からなる三極管構造を有する高電圧ディスプレイで、高電圧で、かつ低電流の特性を生かして高い照度を達成する。FEDは液晶ディスプレイ(LCD)の軽量、薄型の特性以外に、陰極線管CRTの高輝度、自発光の長所も備え、パネルディスプレイ市場において、競争力のある技術となっている。従来のFEDの三極管において、陽極は電子のエネルギーを増加し、陰極は電子を放出させ、ゲート電極は陰極から電子を引き出すのに用いられ、よって、三極管構造は放出効果を向上し、制御電圧を減少する。電子放出源(electron emitting source)の製造に関し、複雑な工程、高い設備費用および低スループットに付属する問題にもかかわらず、モリブテン(molybdenum、Mo)金属が用いられて、マイクロチップ(micro-tip)形状を形成している。近年、高い機械的強度、好ましい電気的性能をもつカーボンナノチューブ(carbon nanotube、CNT)が、電子放出領域中で、塗布または直接成長している(非特許文献1および2)。
【0003】
図15は、従来のCNT−FED10の断面図である。従来のCNT−FED10は、陰極基板12、陰極基板12に平行な陽極基板14、陰極基板12および陽極基板14間の真空空間に設置され、所定の垂直方向の間隔を維持し、大気圧に抵抗するスペーサからなる。一般に、陰極基板12および陽極基板14は、ガラス基板からなる。陽極基板14は複数の横延伸したITOの陽極層16、ブラックマトリクス層18、複数の蛍光層20、平坦化Al膜22、を備える。蛍光層20は赤層20R、緑層20G、青層20Bから構成される。Al膜22は、陽極基板14の導電層、蛍光層20の反射層、イオン衝撃(ion bombardment)および電界引力(electric-field attraction)から、蛍光層20を保護する保護層として用いられる。陰極基板12は、複数の縦方向に延伸した陰極層24、縦方向に延伸した陰極層24の各電子放出領域上に形成された複数のCNT放出層26、隣接するCNT放出層26を隔離するために、各電子放出領域の周辺領域に形成された絶縁層28と、絶縁層28上にパターニングされたゲート電極層29と、を備える。
【0004】
CNT放出層26の製法において、絶縁層28およびゲート電極層29の蒸着(deposition)、焼結(sintering)、エッチング(etching)に先だって、電子放出領域内で、CNT材料が形成される。しかし、これらの工程は、CNTの特性に悪影響を与え、不安定になる。CNT放出層26のもう一つの製法として、絶縁層28およびゲート電極層29が形成されて、電子放出領域に対応する開口を提供し、開口にCNTを充填する。しかし、これはゲート電極層29と陰極層24とのあいだで短絡を生じ、CNTに充填する開口の深さと、電子放出領域におけるCNT材料の均一性を正確に制御するのが困難である。
【0005】
したがって、反射型電極とアンダーゲート(under-gate)構造が発展しており、FED工程を簡易化し、三極管により提供される同じ特性を達成する。
【0006】
図16は、従来のCNT−FED装置の反射型電極構造を示す図で、図17は、反射型電極構造の画素ユニットの断面図である。反射型三極管構造30は、下ガラス基板32と上ガラス基板を備える。下ガラス基板32は複数の横延伸した陽極層34、複数の横延伸した放出層36R、36G、36B、複数の縦延伸した誘電層38、複数の縦延伸した陰極層40、およびマトリクスで配列された複数のCNT放出層42、からなる。上ガラス基板は透明導電層44を備える。画素ユニットにおいて、陽極層34が陽極電界を提供して、横方向の力により、陰極層40から電子を引き抜く。一方、透明電極層44は陰極電界を提供して、電子を下方に押す。これにより、透明電極層44と下ガラス基板32とのあいだの陽極電圧と陰極電圧は、電子ビームを集中させて、電子を正確に蛍光層36に衝突させることができる。
【0007】
前記反射型FED構造30の工程は簡単で、CNT放出層42は最後の工程中に形成されるため、電子発射の安定性は、後続の工程によりダメージを受けることがない。この他、表面処理はCNT放出層42上で実行されて、電子放出特性をさらに改善する。しかし、反射型FED構造30の駆動回路に制限があるため、陽極電圧は、2〜300Vで、反射型FED構造30の放出効果が不充分である。さらに、陽極電圧および陰極電圧の制御が複雑であるため、電子ビームの集中が困難である。
【0008】
図18は、従来のCNT−FED装置のアンダーゲート構造を示す図である。図19は従来のCNT−FED装置のアンダーゲート構造の断面図である。アンダーゲート構造50は、下ガラス基板52と上ガラス基板64とを備える。下ガラス基板52は、複数の横延伸した対極層54と、絶縁層55と、マトリクスに配列された複数のアンダーゲート層56と、複数の縦延伸した陰極層58と、複数の縦延伸したCNT放出層60とからなる。上ガラス基板62は、複数の横延伸陽極層64と、複数の横延伸放出層66とからなる。アンダーゲート構造50において、電子はアンダーゲート層56により、電子を引き抜き、陽極層64の電圧により加速されて、蛍光層66に衝突させる(非特許文献1および2)。
【0009】
アンダーゲート構造50も、反射型FED構造30と同じ利点を備えるが、以下のような欠点がある。まず、陽極層64の電圧は正確に制御されて、電子ビームを適切な位置に衝突させなければならない。第2には、放出を停止するため、負電圧がアンダーゲート層56により提供されて、放出を抑制しなければならず、よって、余分の制御電圧値が必要である。第3に、アンダーゲート層56と陰極層58とのあいだのクロストーク(cross-talk)効果を防止するため、2つの隣接する陰極層58間の間隔は大きくして、アンダーゲート層56と陰極層58とのあいだのスペーサを増加させなければならない。
【0010】
【非特許文献1】J.M.キム他著、「高性能CNT FED」、第2回ディスプレイ会議およびエキジビション、2002年6月29〜31日、シェラトン・ウォーカーヒル・ホテル、ソウル、大韓民国、16章、1〜3頁
【非特許文献2】C.G.リー他著、「アンダーゲート型カーボンナノチューブ構造の製造および特性」、第2回ディスプレイ会議およびエキジビション、2002年6月29〜31日、シェラトン・ウォーカーヒル・ホテル、ソウル、大韓民国、18章、5〜6頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
さらに、本発明は、FEDの三極管構造の製法を提供し、同一工程で同一平面にゲート層と陰極層とをパターニングして、前記従来のCNT−FED装置により生じる問題を解決することをもう一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の目的を達成するため、本発明は、FEDの三極管構造の製法を提供する。すなわち、本発明のFEDの三極管構造の製法は、電界放出ディスプレイの三極管構造の製法であって、
電界放出ディスプレイの三極管構造の製法であって、
透明絶縁材からなる下基板を提供する工程と、
前記下基板の内表面を被覆する複数の横延伸した導電層を形成する工程と、
前記導電層と前記下基板を被覆する第1の誘電層を形成する工程と、
前記第1の誘電層に複数の開口を形成し、前記導電層の一部を露出する工程と、
前記第1の誘電層を被覆する金属層を被覆し、当該金属層を前記開口に充填して、前記導電層と電気的に接続する複数の接触層とする工程と、
前記第1の誘電層を被覆する前記金属層を、複数の第1の縦延伸陰極層と複数の第2の横延伸陰極を含み、交差してマトリクスに配列された複数の長方形間隔を定義する陰極パターンとしてパターニングする工程と、
前記第1の誘電層を被覆する前記金属層を、前記各長方形間隔に設置され、前記各接触層と電気的に接続される複数の縦延伸したゲート層としてパターニングする工程と、
前記陰極パターンと前記ゲート層とのあいだの空間を部分的に充填し、前記陰極パターンの頂部および前記ゲート層の頂部が前記第2の誘電層から突き出るように、前記第1の誘電層を被覆する第2の誘電層を形成する工程と、
前記陰極パターンの前記電子放出領域を被覆する放出パターンを形成する工程とを含むことを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ゲート層および陰極パターンが、同一工程、同一平面で完成し、平面放出源となる電界放出ディスプレイが得られる。また、放出層は最後の工程で形成され、電子発射の安定性は、後続の工程によるダメージを受けない。さらに、表面処理が放出層上で実施され、電子放出特性を改善し、よって、安定した放出特性を有する電界放出ディスプレイが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
前述した本発明の目的、特徴、および長所をいっそう明瞭にするため、以下に本発明の好ましい実施の形態をあげ、図を参照にしながらさらに詳しく説明する。
【0015】
第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかわるFED装置の三極管構造を示す斜視図である。図2は、図1で示される三極管構造の断面図である。
【0016】
FED装置70は、下基板72と、互いに平行に配列された上基板74と、からなる。好ましくは、ガラス板材が2つの基板72、74を形成するために用いられるが、代わりに透明の絶縁材も用いられる。さらに、スペーサが下基板72と上基板74とのあいだに真空状態で配設され、所定の間隔を維持し、大気圧に抵抗するのに用いられる。
【0017】
陽極基板となる上基板74は、複数の横延伸の陽極層76と、その内表面に形成されたマトリクス状の複数の蛍光層78とからなる。好ましくは、陽極層76はITOで、蛍光層78は、赤の蛍光層78R、緑の蛍光層78Gおよび青の蛍光層78Bからなる。さらに、FED工程と放出特性の要求に基づいて、ブラックマトリクスパターンおよびアルミ薄膜は、選択的に、上基板74に配設される。
【0018】
下基板72は、陰極基板となる。複数の横延伸の導電層80が下基板72の内表面にパターニングされる。誘電層82は導電層80上に設置され、隣接する導電層80間の空間を充填し、マトリクスで配列された複数の開口83が形成されて、導電層80の一部分を露出する。複数の接触層85は、それぞれ開口83に形成され、導電層80と電気的に接続される。マトリクスで配列された複数の陰極パターン84は、誘電層82上に形成され、それぞれ接触層85と電気的に接続される。マトリクスで配列された複数の放出層86は、陰極パターン84の電子放出領域に形成される。複数の縦延伸したゲート層88は誘電層82上にパターニングされ、各ゲート層88は陰極パターン84の二列間に設置される。
【0019】
放出層86は、CNT薄膜、ナノ粒子(カーボン球形、ナノクラスタ、もしくはCNFなど)、ダイヤモンド薄膜、または多孔性シリコン(porous silicon)からなり、ナノスケールの平面放出源となる。設計上の選択は、放出層86の面積、数、間隔からなるが、これらに限定されない。
【0020】
FED装置70の三極管構造において、ゲート層88により与えられる横方向の力は、2つの陰極パターン84上に形成された放出層86から、電子を引き抜く。このとき、陽極層76により与えられる電圧は電子を加速させ、対応する蛍光層78へ衝突させる。
【0021】
従来のアンダーゲート構造と比較して、FED装置70の三極管構造は、ゲート層88を用いて、2つの両側の陰極パターン84から電子を引き抜き、これにより、ゲート層88と陰極パターン84とのあいだでクロストークの効果なしに、電子ビームを正確な衝突位置上に集中させる。したがって、2つの隣接する陰極パターン84間の距離を増加させる必要なく、ゲート層88と陰極パターン84とのあいだの空間を増加させる。
【0022】
FED装置70の三極管構造の製法に関して、図3〜6は、本発明の第1の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す。
【0023】
まず、図3において、リソグラフィとともに、ネット印刷と金属蒸着により、長方形の横延伸した導電層80が下基板72上にパターニングされる。そののち、図4において、リソグラフィとともに、ネット印刷と蒸着により、マトリクスで配列された開口83を有する誘電層が、下基板72の全表面にパターニングされ、各開口83は導電層80の領域を露出し、陰極パターン84と電気的に接続される。つぎに、図5において、リソグラフィとともに、ネット印刷と金属蒸着により、開口83が金属材料により充填され、接触層85となる。また、誘電層82上に蒸着した金属材料は、陰極パターン84およびゲート層88としてパターニングされる。マトリクスで配列された陰極パターン84は接触層85にそれぞれ接続される。縦方向に延伸したゲート層88は、陰極パターン84の2つの列間に設置される。最後に、図6において、リソグラフィとともに、ネット印刷と金属蒸着により、放出層86が陰極パターン84上にパターニングされる。
【0024】
前述の製法によると、ゲート層88および陰極パターン84は、同一工程、同一平面で完成し、FED装置70は平面放出源となる。また、放出層86は最後の工程で形成され、電子発射の安定性は、後続の工程によるダメージを受けない。さらに、表面処理は放出層86上で実施され、電子放出特性を改善し、よって、FED装置70は安定した放出特性を有する。
【0025】
第2の実施の形態
図7は、本発明の第2の実施の形態にかかわるFED装置の三極管構造を示す斜視図である。
【0026】
第1の実施の形態中の下基板72上の電極構造によると、第2の実施の形態は、陰極パターン84および放出層86を改良し、1つの画素領域中のゲート層88が、放出層86により囲まれるようにする。
【0027】
下基板72は陰極基板となる。複数の縦延伸した導電層80は、下基板72の内表面にパターニングされる。第1の誘電層82Iは、縦延伸した導電層80および下基板72上に蒸着し、複数の開口83を備え、縦延伸した導電層80の一部を露出し、陰極層と電気的に接続されている。複数の接触層85は、開口83にそれぞれ形成され、縦延伸した導電層80と電気的に接続される。マトリクスに配列された長方形間隔を備える陰極パターン84は、第1の誘電層82I上に形成され、縦方向に延伸する複数の第1の陰極層84Iと、横方向に延伸する複数の第2の陰極層84IIが交差して陰極層84を形成する。マトリクスに配列された長方形間隔を備える放出パターン86は、陰極層84に形成される。縦方向に延伸した第1の放出層86Iと横方向に延伸した第2の放出層86IIは、交差して、放出パターン86を形成する。複数のゲート層88は、第1の誘電層82I上にパターニングされ、各ゲート層88は、第1の陰極層84Iと第2の陰極層84IIにより定義される長方形の間隔内に設置される。第2の誘電層82II上は、第1の誘電層82I上に形成され、陰極パターン84とゲート層88とのあいだの間隔を充填し、陰極パターン84とゲート層88の頂部は、第2の誘電層82IIから突き出る。図8において、接触層85はゲート層88下の開口83に形成され、ゲート層88および導電層80に電気的に接続される。
【0028】
放出層86は、CNT薄膜、ナノ粒子(カーボン球形、ナノクラスタ、もしくはCNFなど)、ダイヤモンド薄膜、または多孔性シリコンからなり、ナノスケールの平面放出源となる。設計上の選択は、放出層86の面積、数、間隔からなるが、これらに限定されない。
【0029】
本発明の実施の形態において、FED装置の三極管構造は、放出層86を用いて、ゲート層88の周囲を囲まれ、よって、ゲート層88は、第1の陰極層84Iおよび第2の陰極層84IIから電子を引き抜き、電子ビーム、制御電圧をさらに集中させ、解像度を改善し、放出品質を向上する。また、陰極パターン84とゲート層88とのあいだの間隔を充填する第2の誘電層82IIは、ゲート層88と第1の陰極層84Iと第2の陰極層84IIとのあいだのクロストークと短絡を効果的に解決する。
【0030】
前述の三極管構造の製法に関して、図9〜13は、本発明の第2の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す立体図である。
【0031】
まず、図9において、リソグラフィとともに、ネット印刷と金属蒸着により、長方形の縦延伸した導電層80が下基板72上にパターニングされる。その後、図10において、リソグラフィとともに、ネット印刷と蒸着により、マトリクスで配列された開口83を有する第1の誘電層82Iが、下基板72の全表面にパターニングされ、各開口83は、縦延伸した導電層80の領域を露出し、ゲート層88と電気的に接続される。つぎに、図11において、リソグラフィとともに、ネット印刷と金属蒸着により、金属層が開口83を充填し、接触層85となる。また、第1の誘電層82I上に蒸着した金属層は、陰極パターン84とゲート層88としてパターニングされる。陰極パターン84は、縦方向に延伸する複数の第1の陰極層84Iと、横方向に延伸する複数の第2の陰極層84IIが交差して、マトリクスの長方形間隔を形成する。マトリクスで配列したゲート層88は、長方形の間隔に設置される。好ましくは、縦方向に延伸する複数の第1の陰極層84Iはそれぞれ、隣接した2つの縦延伸した導電層80間に設置され、各ゲート層88は、長方形の間隔に設置されて、接触層85により、対応する縦延伸した導電層80に電気的に接続される。
【0032】
つぎに、図12において、リソグラフィとともに、ネット印刷と蒸着により、第1の誘電層82Iに第2の誘電層82IIが蒸着されて、陰極パターン84とゲート層88とのあいだの間隔を充填し、陰極層84およびゲート層88の頂部は、第2の誘電層82IIから突き出る。最後に、図13において、リソグラフィとともに、ネット印刷と蒸着により、放出層86が陰極パターン84の電子放出領域にパターニングされる。放出層86は、第1の縦方向放出層86Iと、第2の横方向放出層86IIとからなり、互いに交差して、マトリクスの長方形を形成する。
【0033】
前述の製法によれば、ゲート層88、第1の陰極層84Iおよび第2の陰極層84IIは、同一工程、同一平面で完成され、平面放出源となる。また、第1の縦方向放出層86Iおよび第2の縦方向放出層86IIは、最後の工程で形成され、電子発射の安定性は後続の工程によるダメージを受けない。さらに、表面処理は放出層86上で実施され、電子放出特性を改善し、よって、安定した放出特性を有する。
【0034】
第3の実施の形態
図14は、本発明の第3の実施の形態にかかわるFED装置の三極管構造を示す図である。
【0035】
第2の実施の形態で示される下基板72上の電子基板に関して、第3の実施の形態は放出層86をさらに改良し、マトリクスに配列され、互いに接続しない複数の放出素子86A、86B、86Cおよび86Dとする。好ましくは、放出素子86Bおよび86Dは、第1の陰極層84Iの電子放出領域上に形成され、放出素子86Aまたは86Cは第2の陰極層84IIの電子放出領域に形成される。よって、一つの画素領域内で、ゲート層88の4つの周辺領域(前、右、左、後、左)は、放出素子86A、86B、86Cおよび86Dにより囲まれる。放出素子86A、86B、86Cおよび86Dの面積、形状、間隔は本発明に限定されるものではない。
【0036】
本発明では好ましい実施の形態を前述のとおり開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当業者なら誰でも、本発明の精神と範囲を逸脱しない範囲内で各種の変更や改良を加えることができ、したがって本発明の範囲は、特許請求の範囲で規定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかわるFED装置の三極管構造を示す図である。
【図2】図1で示される三極管構造の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかわるFED装置の三極管構造を示す斜視図である。
【図8】図7で示される三極管構造の断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態にかかわる三極管構造の製法を示す工程説明図である。
【図15】従来のCNT−FED10の断面図である。
【図16】従来のCNT−FED装置の反射型電極構造を示す斜視図である。
【図17】反射型電極構造の画素ユニットの断面図である。
【図18】従来のCNT−FED装置のアンダーゲート構造を示す斜視図である。
【図19】従来のCNT−FED装置のアンダーゲート構造の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 CNT−FED
12 陰極基板
14 陽極基板
16 陽極層
18 ブラックマトリクス層
20 蛍光層
20R 赤色蛍光層
20G 緑色蛍光層
20B 青色蛍光層
22 Al膜
24 陰極層
26 CNT放出層
28 絶縁層
29 ゲート電極層
30 反射型FED構造
32 下ガラス基板
34 陽極層
36R、36G、36B 蛍光層
38 誘電層
40 陰極層
42 CNT放出層
44 透明電極層
50 アンダーゲート構造
52 下ガラス基板
54 対極層
55 絶縁層
56 アンダーゲート層
58 陰極層
60 CNT放出層
64 陽極層
66 蛍光層
70 FED装置
72 下基板
74 上基板
76 陽極層
78 蛍光層
78R 赤色蛍光層
78G 緑色蛍光層
78B 青色蛍光層
80 導電層
82、82I、82II 誘電層
83 開口
84 陰極パターン
85 接触層
86 放出パターン
86A、86B、86C、86D 放出素子
88 ゲート層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界放出ディスプレイの三極管構造の製法であって、
透明絶縁材からなる下基板を提供する工程と、
前記下基板の内表面を被覆する複数の横延伸した導電層を形成する工程と、
前記導電層と前記下基板を被覆する第1の誘電層を形成する工程と、
前記第1の誘電層に複数の開口を形成し、前記導電層の一部を露出する工程と、
前記第1の誘電層を被覆する金属層を被覆し、当該金属層を前記開口に充填して、前記導電層と電気的に接続する複数の接触層とする工程と、
前記第1の誘電層を被覆する前記金属層を、複数の第1の縦延伸陰極層と複数の第2の横延伸陰極を含み、交差してマトリクスに配列された複数の長方形間隔を定義する陰極パターンとしてパターニングする工程と、
前記第1の誘電層を被覆する前記金属層を、前記各長方形間隔に設置され、前記各接触層と電気的に接続される複数の縦延伸したゲート層としてパターニングする工程と、
前記陰極パターンと前記ゲート層とのあいだの空間を部分的に充填し、前記陰極パターンの頂部および前記ゲート層の頂部が前記第2の誘電層から突き出るように、前記第1の誘電層を被覆する第2の誘電層を形成する工程と、
前記陰極パターンの前記電子放出領域を被覆する放出パターンを形成する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記放出パターンが、
前記第1の陰極層を被覆して形成された複数の第1の縦延伸放出層と、
前記第2の陰極層をそれぞれ被覆して形成された複数の第2の横延伸放出層と
からなり、
前記第1の放出層と前記第2の放出層とが、マトリクスに配列された複数の長方形間隔を定義して、
前記各ゲート層が、各前記長方形間隔内に設置され、周囲は2つの前記隣接した第1の放出層と2つの隣接した前記第2の放出層により囲まれてなる請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記放出パターンが、
マトリクスに配列され、前記第1の陰極層に設置された複数の第1の放出素子と、
マトリクスに配列され、前記第2の陰極層に設置された複数の第2の放出素子とからなり、
前記各ゲート層が、少なくとも2つの前記第1の放出素子および2つの前記第2の放出素子により囲まれてなる請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記放出層が、CNT薄膜、カーボン球形、ナノクラスタもしくはCNFなどのナノ粒子、ダイヤモンド薄膜、または多孔性シリコンからなり、ナノスケールの平面放出源となる請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記導電層が、リソグラフィとともに、ネット印刷または金属蒸着により形成される請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1の誘電層および前記第2の誘電層が、リソグラフィとともに、ネット印刷または金属蒸着により形成される請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記陰極層および前記ゲート層が、リソグラフィとともに、ネット印刷または金属蒸着により形成される請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記放出層が、リソグラフィとともに、ネット印刷または金属蒸着により形成される請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−166293(P2008−166293A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32344(P2008−32344)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【分割の表示】特願2003−134715(P2003−134715)の分割
【原出願日】平成15年5月13日(2003.5.13)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】