電磁ノイズ診断装置、電磁ノイズ診断システム及び電磁ノイズ診断方法
【課題】ネットワークに影響を及ぼす電磁ノイズの特徴量を簡易に特定する。
【解決手段】送信フレーム制御部10により、所定のフレーム条件に沿った試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信し、フレームロス検出部20により、被試験対象ネットワーク100を経由して帰還する試験フレーム列を検出してフレームロス率を算出し、電磁ノイズ解析部30により、そのフレーム条件におけるフレームロス率と特性データとを比較する。これにより、電磁ノイズの特徴量を簡単で短時間に特定することができる。
【解決手段】送信フレーム制御部10により、所定のフレーム条件に沿った試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信し、フレームロス検出部20により、被試験対象ネットワーク100を経由して帰還する試験フレーム列を検出してフレームロス率を算出し、電磁ノイズ解析部30により、そのフレーム条件におけるフレームロス率と特性データとを比較する。これにより、電磁ノイズの特徴量を簡単で短時間に特定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに影響する電磁ノイズの特徴量を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
IPネットワークを用いたサービスの提供が拡大するのに伴い、サービス品質を重要視するコンテンツが増加している。しかし、現在のIPネットワークはベストエフォート型が主流であるため、サービスの品質が必ずしも担保されていない。そのため、トラフィックの輻輳などによって生じるサービス品質の劣化も電磁ノイズの影響で生じるサービス品質の劣化も同じイーサフレームロスとして現れるため、サービス品質の劣化原因を特定することが困難である。
【0003】
現在、これらのサービス品質の劣化原因を特定するためには様々な分野の専門家による大掛かりな調査が必要となっている。
【0004】
今後、サービス品質を重要視するコンテンツがさらに増加すると、品質の劣化原因を頻繁に特定することが必要となってくる。通信事業会社ではサービス品質の確保を課金制にするという検討もなされており、サービス品質の劣化原因の切り分けが重要な技術となると考えられる。例えば、特許文献1には、サービス品質を評価する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−153812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サービス品質の劣化原因が電磁ノイズに関わるものであると容易に判断できる場合でも、その電磁ノイズの特徴量を特定するためには、専門知識を有した技術者や高精度で高価な測定器(オシロスコープやスペクトラムアナライザなど)が必要である。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、サービス品質の劣化原因となる電磁ノイズの特徴量の特定を専門家や高価な測定器に頼ることなく簡単で短時間に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係る電磁ノイズ診断装置は、フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段と、対象ネットワークにフレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信する送信手段と、対象ネットワークから試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出する検出手段と、蓄積手段から特性データを読み出し、送信に用いたフレーム条件と算出したフレームロス情報とを特性データと照合することにより対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定する解析手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、対象ネットワークに試験フレーム列を送信し、その対象ネットワークから試験フレームを受信し、対象ネットワークにおいて破棄されたフレームを検出してフレームロス数やフレームロス率などのフレームロス情報を算出し、送信した試験フレーム列のフレーム条件と算出したフレームロス情報とを特性データと照合することにより、対象ネットワークに影響を及ぼしている電磁ノイズの特徴量を特定することができる。
【0009】
上記電磁ノイズ診断装置において、送信手段が複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することが、電磁ノイズの特徴量の特定精度を向上させるうえで望ましい。
【0010】
上記電磁ノイズ診断装置において、電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする。
【0011】
第2の本発明に係る電磁ノイズ診断システムは、試験フレーム列を送信する送信装置と試験フレーム列を受信してフレームロスを検出する検出装置とを備えた電磁ノイズ診断システムであって、送信装置は、フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段と、対象ネットワークにフレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信する送信手段と、蓄積手段から特性データを読み出し、送信に用いたフレーム条件と検出装置から取得したフレームロス情報とを特性データと照合することにより対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定する解析手段と、を有し、検出装置は、対象ネットワークから試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出する検出手段と、フレームロス情報を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
上記電磁ノイズ診断システムにおいて、送信手段が複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする。
【0013】
上記電磁ノイズ診断システムにおいて、電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする。
【0014】
第3の本発明に係る電磁ノイズ診断方法は、対象ネットワークにフレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信するステップと、対象ネットワークから試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出するステップと、フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段から特性データを読み出し、送信に用いたフレーム条件と算出したフレームロス情報とを特性データと照合することにより対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定するステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
上記電磁ノイズ診断方法において、試験フレーム列を送信するステップでは、複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする。
【0016】
上記電磁ノイズ診断方法において、電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、サービス品質の劣化原因となる電磁ノイズの特徴量の特定を専門家や高価な測定器に頼ることなく簡単で短時間に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態における電磁ノイズ診断装置の構成を示すブロック図である。同図に示す電磁ノイズ診断装置1は、送信フレーム制御部10、フレームロス検出部20、電磁ノイズ解析部30、表示部40および特性データ蓄積部50を備える。電磁ノイズ診断装置1は、被試験対象ネットワーク100に接続されており、複数のイーサネット(登録商標)フレームからなる試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100を経由して帰還させ、帰還する試験フレーム列に発生したフレームロスを検出して解析することで電磁ノイズの特徴量(電圧レベルや周波数など)を特定するものである。以下、各部の詳細について説明する。
【0020】
送信フレーム制御部10は、EMC故障が発生した被試験対象ネットワーク100に試験フレーム列を送信する。送信フレーム制御部10は、ネットワーク識別部11、データ量監視部12、フレーム決定部13およびフレーム送信部14を備える。ネットワーク識別部11は、被試験対象ネットワーク100までのOSI参照モデルにおけるレイヤ1とレイヤ2の通信方式を識別する。データ量監視部12は、被試験対象ネットワーク100へ流れ込むデータ量を監視する。フレーム決定部13は、ネットワーク識別部11で識別された通信方式に基づいて送信可能なイーサネット(登録商標)規格を決定するとともに、特性データ蓄積部50に記憶された特性データを基に、EMC故障の原因となる電磁ノイズの特徴量が効率的に特定できるフレーム条件(フレーム長、フレーム間ギャップ、送信数、伝送速度、ヘッダ部情報、データ部情報など)を決定する。フレーム送信部14は、フレーム決定部13が決定したフレーム条件に沿った試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信する。このとき、フレーム送信部14は、データ量監視部12の情報を基に、被試験対象ネットワーク100を流れる実サービスのデータに影響を与えず、かつ送信する試験フレーム列が分断されずにひとつの塊として被試験対象ネットワーク100まで届くようなタイミングで送信する。また、送信フレーム制御部10は、同様の手順で1種類以上のフレーム条件からなる試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に対して送信する。
【0021】
フレームロス検出部20は、被試験対象ネットワーク100を経由して帰還する試験フレーム列(帰還フレーム列)を検出する。帰還フレーム列は、被試験対象ネットワーク100において電磁ノイズの影響を受け、フレームロス(破棄されたフレーム)を含むものとなる。フレームロス検出部20は、フレーム識別部21およびフレーム分析部22を備える。フレーム識別部21は、帰還フレーム列と実サービスのデータとを識別する。フレーム分析部22は、帰還フレーム列に含まれるフレームロスを分析し、破棄されたフレームの数を示すフレームロス数や送信したフレームに対する破棄されたフレームの比率を示すフレームロス率などのフレームロス情報を分析する。
【0022】
電磁ノイズ解析部30は、特性データ蓄積部50に記憶された特性データを読み出し、フレームロス検出部20が分析したフレームロス情報とその特性データとを比較することで、EMC故障の原因となる電磁ノイズの特徴量を導出する。
【0023】
表示部40は、導出した電磁ノイズの特徴量を表示する。
【0024】
特性データ蓄積部50には、事前に準備された被試験対象ネットワークの特性データが記憶される。特性データは、フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を示すデータである。
【0025】
次に、電磁ノイズ診断装置1が特定する電磁ノイズの特徴量について説明する。電磁ノイズは、被試験対象ネットワーク100に配置されたネットワーク機器やケーブルなどに影響を及ぼし、被試験対象ネットワーク100においてフレームロスを発生させる。電磁ノイズ診断装置1が特定する電磁ノイズの特徴量とは、電磁ノイズの電圧レベルや周波数などノイズ波形を特徴づける様々なパラメータである。図2は、電磁ノイズの例を示す図である。横軸は時間を、縦軸は電圧を示している。同図に示す電磁ノイズは、時間Tの間隔で発生している。例えば、電磁ノイズの周波数情報とは、電磁ノイズの繰り返し1/Tなどである。
【0026】
ネットワークに影響を及ぼす電磁ノイズの特徴量によって、ネットワーク上で発生するフレームロス数やフレームロス率などの傾向は異なる。さらに、ネットワークを流れるフレームのフレーム条件を変化させると、電磁ノイズの特徴量に対するフレームロス数やフレームロス率などの傾向も顕著に変化する。そこで、本実施の形態における電磁ノイズ診断装置1は、フレーム条件を変化させた試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信する。
【0027】
図3は、電磁ノイズ診断装置1が送信する試験フレーム列を決めるためのフレーム条件の例である。同図には、送信する4種類のフレーム条件が示されている。図4は、被試験対象ネットワーク100に対して電圧レベルの異なる電磁ノイズにより影響を及ぼし、それぞれの電圧レベルについて、フレーム長を変化させてフレームロス率を測定する検証実験を事前に行った結果である。電磁ノイズの電圧レベルを200Vから1000Vまで5段階に変化させ、それぞれの場合について、フレーム長を変えてフレームロス率を検出した。横軸はフレーム長(Byte)を、縦軸はフレームロス率(%)を示す。図4におけるそれぞれ曲線は、ある電磁ノイズの電圧レベルにおけるフレーム長とフレームロス率との関係を表している。この結果は、特性データとして特性データ蓄積部50に記憶されている。
【0028】
ここで、フレームロス率から電磁ノイズの電圧レベルを特定する処理について説明する。
【0029】
被試験対象ネットワーク100に影響を及ぼしている電磁ノイズの電圧レベルを推定する場合、まず、送信フレーム制御部10が被試験対象ネットワークに試験フレーム列を送信する。ここでは、図3に示す4種類のフレーム条件それぞれに基づいて試験フレーム列を送信した。
【0030】
続いて、フレームロス検出部20が帰還フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出する。図5は、フレームロス検出部20においてフレーム条件毎に算出されたフレームロス率を示す図である。
【0031】
続いて、電磁ノイズ解析部30が特性データ蓄積部50から特性データを読み出し、送信に用いたフレーム条件と算出されたフレームロス率とを特性データと照合することにより、電磁ノイズの電圧レベルを特定する。
【0032】
図6は、図4に示した特性データに図5に示した算出結果をプロットした図である。図6によると電圧レベルが400Vと600Vの間に送信に用いたフレーム長に対するフレームロス率を示す点がプロットされていることから、電圧レベル500V前後の電磁ノイズが発生していると推定できる。1つのフレーム条件に基づいて試験フレーム列を送信し、検出することでも電磁ノイズの特徴量を特定することができるが、フレーム条件を変えた複数の試験フレーム列を送信し、検出することで、電磁ノイズの特徴量の特定精度を向上させることができる。
【0033】
次に、フレームロス率から電磁ノイズの周波数を特定する処理について説明する。
【0034】
図7は、試験フレーム列として送信する4種類のフレーム条件の例である。図8は、被試験対象ネットワーク100に対して周波数の異なる電磁ノイズにより影響を及ぼし、それぞれの周波数について、フレーム長を変化させてフレームロス率を測定する検証実験を事前に行った結果である。電磁ノイズの周波数を1kHz,10kHz,20kHz,30kHz,40kHzと5段階に変化させ、それぞれの場合について、フレーム長を変えてフレームロス率を検出したものである。横軸はフレーム長(Byte)を、縦軸はフレームロス率(%)を示す。図8におけるそれぞれ曲線は、ある電磁ノイズの周波数におけるフレーム長とフレームロス率との相関関係を表している。この結果は、特性データとして特性データ蓄積部50に記憶されている。
【0035】
図9は、図7に示すフレーム条件の試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信したとき、フレームロス検出部20においてフレーム条件毎に算出されたフレームロス率を示す図である。
【0036】
図10は、図8に示した特性データに図9に示した算出結果をプロットした図である。図10によると周波数20kHzと周波数30kHzの曲線の間に、送信に用いたフレーム条件に対するフレームロス率を示す点がプロットされていることから、周波数25kHz前後の電磁ノイズが発生していると推定できる。
【0037】
このように、あるフレーム条件におけるフレームロス率を特性データと比較することにより、電磁ノイズの特徴量を特定することができる。
【0038】
次に、本実施の形態における別の電磁ノイズ診断装置の構成を示す。図11は、別の電磁ノイズ診断装置の構成を示すブロック図である。同図に示す電磁ノイズ診断装置1は、図1に示したものと比べて、フレームロス検出部20を演算処理装置、記憶装置、メモリ等を備えたPC(パーソナルコンピュータ)200などの計算機により構成して、各部の処理をプログラムによって実行させた点で異なっている。このように、フレームロス検出部20の機能をソフトウェアによりPC200で実行させることにより、比較的低コストでフレームロス検出部20の実現が可能である。
【0039】
図11に示すフレームロス検出部20は、被試験対象ネットワーク100に配置されたネットワーク機器に接続され、電磁ノイズ診断装置1が送信した試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出する。そして、算出したフレームロス情報を電磁ノイズ診断装置1に出力する。
【0040】
したがって、本実施の形態によれば、送信フレーム制御部10により、所定のフレーム条件に沿った試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信し、フレームロス検出部20により、被試験対象ネットワーク100を経由して帰還する試験フレーム列を検出してフレームロス率を算出し、電磁ノイズ解析部30により、そのフレーム条件におけるフレームロス率と特性データとを比較することで、電磁ノイズの特徴量を簡単で短時間に特定することができる。
【0041】
本実施の形態によれば、様々なフレーム条件に基づいて試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信することにより、電磁ノイズの特徴量の特定精度を向上させることができる。
【0042】
本実施の形態によれば、データ監視部12が被試験対象ネットワーク100のデータ量を監視することにより、この試験が実サービスの提供に与える影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一実施の形態における電磁ノイズ診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】電磁ノイズを説明するための説明図である。
【図3】上記電磁ノイズ診断装置が送信する試験フレーム列に設定されたフレーム条件の例を示す図である。
【図4】異なる電磁ノイズの電圧レベルにおけるフレーム長とフレームロス率の関係を示すグラフである。
【図5】図3に示すフレーム条件の下で、上記電磁ノイズ診断装置において検出されたフレームロス率の例を示す図である。
【図6】図5の結果を図4上にプロットしたグラフである。
【図7】上記電磁ノイズ診断装置が送信する試験フレーム列に設定されたフレーム条件の例を示す図である。
【図8】異なる電磁ノイズの周波数におけるフレーム長とフレームロス率の関係を示すグラフである。
【図9】図7に示すフレーム条件の下で、上記電磁ノイズ診断装置において検出されたフレームロス率の例を示す図である。
【図10】図9の結果を図8上にプロットしたグラフである。
【図11】一実施の形態における別の電磁ノイズ診断装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
1…電磁ノイズ診断装置
10…送信フレーム制御部
11…ネットワーク識別部
12…データ量監視部
13…フレーム決定部
14…フレーム送信部
20…フレームロス検出部
21…フレーム識別部
22…フレーム分析部
30…電磁ノイズ解析部
40…表示部
50…特性データ蓄積部
100…被試験対象ネットワーク
200…PC
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに影響する電磁ノイズの特徴量を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
IPネットワークを用いたサービスの提供が拡大するのに伴い、サービス品質を重要視するコンテンツが増加している。しかし、現在のIPネットワークはベストエフォート型が主流であるため、サービスの品質が必ずしも担保されていない。そのため、トラフィックの輻輳などによって生じるサービス品質の劣化も電磁ノイズの影響で生じるサービス品質の劣化も同じイーサフレームロスとして現れるため、サービス品質の劣化原因を特定することが困難である。
【0003】
現在、これらのサービス品質の劣化原因を特定するためには様々な分野の専門家による大掛かりな調査が必要となっている。
【0004】
今後、サービス品質を重要視するコンテンツがさらに増加すると、品質の劣化原因を頻繁に特定することが必要となってくる。通信事業会社ではサービス品質の確保を課金制にするという検討もなされており、サービス品質の劣化原因の切り分けが重要な技術となると考えられる。例えば、特許文献1には、サービス品質を評価する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−153812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サービス品質の劣化原因が電磁ノイズに関わるものであると容易に判断できる場合でも、その電磁ノイズの特徴量を特定するためには、専門知識を有した技術者や高精度で高価な測定器(オシロスコープやスペクトラムアナライザなど)が必要である。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、サービス品質の劣化原因となる電磁ノイズの特徴量の特定を専門家や高価な測定器に頼ることなく簡単で短時間に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係る電磁ノイズ診断装置は、フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段と、対象ネットワークにフレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信する送信手段と、対象ネットワークから試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出する検出手段と、蓄積手段から特性データを読み出し、送信に用いたフレーム条件と算出したフレームロス情報とを特性データと照合することにより対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定する解析手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、対象ネットワークに試験フレーム列を送信し、その対象ネットワークから試験フレームを受信し、対象ネットワークにおいて破棄されたフレームを検出してフレームロス数やフレームロス率などのフレームロス情報を算出し、送信した試験フレーム列のフレーム条件と算出したフレームロス情報とを特性データと照合することにより、対象ネットワークに影響を及ぼしている電磁ノイズの特徴量を特定することができる。
【0009】
上記電磁ノイズ診断装置において、送信手段が複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することが、電磁ノイズの特徴量の特定精度を向上させるうえで望ましい。
【0010】
上記電磁ノイズ診断装置において、電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする。
【0011】
第2の本発明に係る電磁ノイズ診断システムは、試験フレーム列を送信する送信装置と試験フレーム列を受信してフレームロスを検出する検出装置とを備えた電磁ノイズ診断システムであって、送信装置は、フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段と、対象ネットワークにフレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信する送信手段と、蓄積手段から特性データを読み出し、送信に用いたフレーム条件と検出装置から取得したフレームロス情報とを特性データと照合することにより対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定する解析手段と、を有し、検出装置は、対象ネットワークから試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出する検出手段と、フレームロス情報を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
上記電磁ノイズ診断システムにおいて、送信手段が複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする。
【0013】
上記電磁ノイズ診断システムにおいて、電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする。
【0014】
第3の本発明に係る電磁ノイズ診断方法は、対象ネットワークにフレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信するステップと、対象ネットワークから試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出するステップと、フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段から特性データを読み出し、送信に用いたフレーム条件と算出したフレームロス情報とを特性データと照合することにより対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定するステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
上記電磁ノイズ診断方法において、試験フレーム列を送信するステップでは、複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする。
【0016】
上記電磁ノイズ診断方法において、電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、サービス品質の劣化原因となる電磁ノイズの特徴量の特定を専門家や高価な測定器に頼ることなく簡単で短時間に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態における電磁ノイズ診断装置の構成を示すブロック図である。同図に示す電磁ノイズ診断装置1は、送信フレーム制御部10、フレームロス検出部20、電磁ノイズ解析部30、表示部40および特性データ蓄積部50を備える。電磁ノイズ診断装置1は、被試験対象ネットワーク100に接続されており、複数のイーサネット(登録商標)フレームからなる試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100を経由して帰還させ、帰還する試験フレーム列に発生したフレームロスを検出して解析することで電磁ノイズの特徴量(電圧レベルや周波数など)を特定するものである。以下、各部の詳細について説明する。
【0020】
送信フレーム制御部10は、EMC故障が発生した被試験対象ネットワーク100に試験フレーム列を送信する。送信フレーム制御部10は、ネットワーク識別部11、データ量監視部12、フレーム決定部13およびフレーム送信部14を備える。ネットワーク識別部11は、被試験対象ネットワーク100までのOSI参照モデルにおけるレイヤ1とレイヤ2の通信方式を識別する。データ量監視部12は、被試験対象ネットワーク100へ流れ込むデータ量を監視する。フレーム決定部13は、ネットワーク識別部11で識別された通信方式に基づいて送信可能なイーサネット(登録商標)規格を決定するとともに、特性データ蓄積部50に記憶された特性データを基に、EMC故障の原因となる電磁ノイズの特徴量が効率的に特定できるフレーム条件(フレーム長、フレーム間ギャップ、送信数、伝送速度、ヘッダ部情報、データ部情報など)を決定する。フレーム送信部14は、フレーム決定部13が決定したフレーム条件に沿った試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信する。このとき、フレーム送信部14は、データ量監視部12の情報を基に、被試験対象ネットワーク100を流れる実サービスのデータに影響を与えず、かつ送信する試験フレーム列が分断されずにひとつの塊として被試験対象ネットワーク100まで届くようなタイミングで送信する。また、送信フレーム制御部10は、同様の手順で1種類以上のフレーム条件からなる試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に対して送信する。
【0021】
フレームロス検出部20は、被試験対象ネットワーク100を経由して帰還する試験フレーム列(帰還フレーム列)を検出する。帰還フレーム列は、被試験対象ネットワーク100において電磁ノイズの影響を受け、フレームロス(破棄されたフレーム)を含むものとなる。フレームロス検出部20は、フレーム識別部21およびフレーム分析部22を備える。フレーム識別部21は、帰還フレーム列と実サービスのデータとを識別する。フレーム分析部22は、帰還フレーム列に含まれるフレームロスを分析し、破棄されたフレームの数を示すフレームロス数や送信したフレームに対する破棄されたフレームの比率を示すフレームロス率などのフレームロス情報を分析する。
【0022】
電磁ノイズ解析部30は、特性データ蓄積部50に記憶された特性データを読み出し、フレームロス検出部20が分析したフレームロス情報とその特性データとを比較することで、EMC故障の原因となる電磁ノイズの特徴量を導出する。
【0023】
表示部40は、導出した電磁ノイズの特徴量を表示する。
【0024】
特性データ蓄積部50には、事前に準備された被試験対象ネットワークの特性データが記憶される。特性データは、フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を示すデータである。
【0025】
次に、電磁ノイズ診断装置1が特定する電磁ノイズの特徴量について説明する。電磁ノイズは、被試験対象ネットワーク100に配置されたネットワーク機器やケーブルなどに影響を及ぼし、被試験対象ネットワーク100においてフレームロスを発生させる。電磁ノイズ診断装置1が特定する電磁ノイズの特徴量とは、電磁ノイズの電圧レベルや周波数などノイズ波形を特徴づける様々なパラメータである。図2は、電磁ノイズの例を示す図である。横軸は時間を、縦軸は電圧を示している。同図に示す電磁ノイズは、時間Tの間隔で発生している。例えば、電磁ノイズの周波数情報とは、電磁ノイズの繰り返し1/Tなどである。
【0026】
ネットワークに影響を及ぼす電磁ノイズの特徴量によって、ネットワーク上で発生するフレームロス数やフレームロス率などの傾向は異なる。さらに、ネットワークを流れるフレームのフレーム条件を変化させると、電磁ノイズの特徴量に対するフレームロス数やフレームロス率などの傾向も顕著に変化する。そこで、本実施の形態における電磁ノイズ診断装置1は、フレーム条件を変化させた試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信する。
【0027】
図3は、電磁ノイズ診断装置1が送信する試験フレーム列を決めるためのフレーム条件の例である。同図には、送信する4種類のフレーム条件が示されている。図4は、被試験対象ネットワーク100に対して電圧レベルの異なる電磁ノイズにより影響を及ぼし、それぞれの電圧レベルについて、フレーム長を変化させてフレームロス率を測定する検証実験を事前に行った結果である。電磁ノイズの電圧レベルを200Vから1000Vまで5段階に変化させ、それぞれの場合について、フレーム長を変えてフレームロス率を検出した。横軸はフレーム長(Byte)を、縦軸はフレームロス率(%)を示す。図4におけるそれぞれ曲線は、ある電磁ノイズの電圧レベルにおけるフレーム長とフレームロス率との関係を表している。この結果は、特性データとして特性データ蓄積部50に記憶されている。
【0028】
ここで、フレームロス率から電磁ノイズの電圧レベルを特定する処理について説明する。
【0029】
被試験対象ネットワーク100に影響を及ぼしている電磁ノイズの電圧レベルを推定する場合、まず、送信フレーム制御部10が被試験対象ネットワークに試験フレーム列を送信する。ここでは、図3に示す4種類のフレーム条件それぞれに基づいて試験フレーム列を送信した。
【0030】
続いて、フレームロス検出部20が帰還フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出する。図5は、フレームロス検出部20においてフレーム条件毎に算出されたフレームロス率を示す図である。
【0031】
続いて、電磁ノイズ解析部30が特性データ蓄積部50から特性データを読み出し、送信に用いたフレーム条件と算出されたフレームロス率とを特性データと照合することにより、電磁ノイズの電圧レベルを特定する。
【0032】
図6は、図4に示した特性データに図5に示した算出結果をプロットした図である。図6によると電圧レベルが400Vと600Vの間に送信に用いたフレーム長に対するフレームロス率を示す点がプロットされていることから、電圧レベル500V前後の電磁ノイズが発生していると推定できる。1つのフレーム条件に基づいて試験フレーム列を送信し、検出することでも電磁ノイズの特徴量を特定することができるが、フレーム条件を変えた複数の試験フレーム列を送信し、検出することで、電磁ノイズの特徴量の特定精度を向上させることができる。
【0033】
次に、フレームロス率から電磁ノイズの周波数を特定する処理について説明する。
【0034】
図7は、試験フレーム列として送信する4種類のフレーム条件の例である。図8は、被試験対象ネットワーク100に対して周波数の異なる電磁ノイズにより影響を及ぼし、それぞれの周波数について、フレーム長を変化させてフレームロス率を測定する検証実験を事前に行った結果である。電磁ノイズの周波数を1kHz,10kHz,20kHz,30kHz,40kHzと5段階に変化させ、それぞれの場合について、フレーム長を変えてフレームロス率を検出したものである。横軸はフレーム長(Byte)を、縦軸はフレームロス率(%)を示す。図8におけるそれぞれ曲線は、ある電磁ノイズの周波数におけるフレーム長とフレームロス率との相関関係を表している。この結果は、特性データとして特性データ蓄積部50に記憶されている。
【0035】
図9は、図7に示すフレーム条件の試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信したとき、フレームロス検出部20においてフレーム条件毎に算出されたフレームロス率を示す図である。
【0036】
図10は、図8に示した特性データに図9に示した算出結果をプロットした図である。図10によると周波数20kHzと周波数30kHzの曲線の間に、送信に用いたフレーム条件に対するフレームロス率を示す点がプロットされていることから、周波数25kHz前後の電磁ノイズが発生していると推定できる。
【0037】
このように、あるフレーム条件におけるフレームロス率を特性データと比較することにより、電磁ノイズの特徴量を特定することができる。
【0038】
次に、本実施の形態における別の電磁ノイズ診断装置の構成を示す。図11は、別の電磁ノイズ診断装置の構成を示すブロック図である。同図に示す電磁ノイズ診断装置1は、図1に示したものと比べて、フレームロス検出部20を演算処理装置、記憶装置、メモリ等を備えたPC(パーソナルコンピュータ)200などの計算機により構成して、各部の処理をプログラムによって実行させた点で異なっている。このように、フレームロス検出部20の機能をソフトウェアによりPC200で実行させることにより、比較的低コストでフレームロス検出部20の実現が可能である。
【0039】
図11に示すフレームロス検出部20は、被試験対象ネットワーク100に配置されたネットワーク機器に接続され、電磁ノイズ診断装置1が送信した試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出する。そして、算出したフレームロス情報を電磁ノイズ診断装置1に出力する。
【0040】
したがって、本実施の形態によれば、送信フレーム制御部10により、所定のフレーム条件に沿った試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信し、フレームロス検出部20により、被試験対象ネットワーク100を経由して帰還する試験フレーム列を検出してフレームロス率を算出し、電磁ノイズ解析部30により、そのフレーム条件におけるフレームロス率と特性データとを比較することで、電磁ノイズの特徴量を簡単で短時間に特定することができる。
【0041】
本実施の形態によれば、様々なフレーム条件に基づいて試験フレーム列を被試験対象ネットワーク100に送信することにより、電磁ノイズの特徴量の特定精度を向上させることができる。
【0042】
本実施の形態によれば、データ監視部12が被試験対象ネットワーク100のデータ量を監視することにより、この試験が実サービスの提供に与える影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一実施の形態における電磁ノイズ診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】電磁ノイズを説明するための説明図である。
【図3】上記電磁ノイズ診断装置が送信する試験フレーム列に設定されたフレーム条件の例を示す図である。
【図4】異なる電磁ノイズの電圧レベルにおけるフレーム長とフレームロス率の関係を示すグラフである。
【図5】図3に示すフレーム条件の下で、上記電磁ノイズ診断装置において検出されたフレームロス率の例を示す図である。
【図6】図5の結果を図4上にプロットしたグラフである。
【図7】上記電磁ノイズ診断装置が送信する試験フレーム列に設定されたフレーム条件の例を示す図である。
【図8】異なる電磁ノイズの周波数におけるフレーム長とフレームロス率の関係を示すグラフである。
【図9】図7に示すフレーム条件の下で、上記電磁ノイズ診断装置において検出されたフレームロス率の例を示す図である。
【図10】図9の結果を図8上にプロットしたグラフである。
【図11】一実施の形態における別の電磁ノイズ診断装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0044】
1…電磁ノイズ診断装置
10…送信フレーム制御部
11…ネットワーク識別部
12…データ量監視部
13…フレーム決定部
14…フレーム送信部
20…フレームロス検出部
21…フレーム識別部
22…フレーム分析部
30…電磁ノイズ解析部
40…表示部
50…特性データ蓄積部
100…被試験対象ネットワーク
200…PC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段と、
対象ネットワークに前記フレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信する送信手段と、
前記対象ネットワークから前記試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、前記フレームロス情報を算出する検出手段と、
前記蓄積手段から前記特性データを読み出し、送信に用いた前記フレーム条件と算出した前記フレームロス情報とを前記特性データと照合することにより前記対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定する解析手段と、
を有することを特徴とする電磁ノイズ診断装置。
【請求項2】
前記送信手段が複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする請求項1記載の電磁ノイズ診断装置。
【請求項3】
前記電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁ノイズ診断装置。
【請求項4】
試験フレーム列を送信する送信装置と前記試験フレーム列を受信してフレームロスを検出する検出装置とを備えた電磁ノイズ診断システムであって、
前記送信装置は、
フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段と、
対象ネットワークに前記フレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信する送信手段と、
前記蓄積手段から前記特性データを読み出し、送信に用いた前記フレーム条件と前記検出装置から取得した前記フレームロス情報とを前記特性データと照合することにより前記対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定する解析手段と、を有し、
前記検出装置は、
前記対象ネットワークから前記試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、前記フレームロス情報を算出する検出手段と、
前記フレームロス情報を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする電磁ノイズ診断システム。
【請求項5】
前記送信手段が複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする請求項4記載の電磁ノイズ診断システム。
【請求項6】
前記電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする請求項4又は5記載の電磁ノイズ診断システム。
【請求項7】
対象ネットワークにフレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信するステップと、
前記対象ネットワークから前記試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出するステップと、
前記フレーム条件と前記フレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段から前記特性データを読み出し、送信に用いた前記フレーム条件と算出した前記フレームロス情報とを前記特性データと照合することにより前記対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定するステップと、
を有することを特徴とする電磁ノイズ診断方法。
【請求項8】
前記試験フレーム列を送信するステップでは、複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする請求項7記載の電磁ノイズ診断方法。
【請求項9】
前記電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする請求項7又は8記載の電磁ノイズ診断方法。
【請求項1】
フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段と、
対象ネットワークに前記フレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信する送信手段と、
前記対象ネットワークから前記試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、前記フレームロス情報を算出する検出手段と、
前記蓄積手段から前記特性データを読み出し、送信に用いた前記フレーム条件と算出した前記フレームロス情報とを前記特性データと照合することにより前記対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定する解析手段と、
を有することを特徴とする電磁ノイズ診断装置。
【請求項2】
前記送信手段が複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする請求項1記載の電磁ノイズ診断装置。
【請求項3】
前記電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁ノイズ診断装置。
【請求項4】
試験フレーム列を送信する送信装置と前記試験フレーム列を受信してフレームロスを検出する検出装置とを備えた電磁ノイズ診断システムであって、
前記送信装置は、
フレーム条件とフレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段と、
対象ネットワークに前記フレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信する送信手段と、
前記蓄積手段から前記特性データを読み出し、送信に用いた前記フレーム条件と前記検出装置から取得した前記フレームロス情報とを前記特性データと照合することにより前記対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定する解析手段と、を有し、
前記検出装置は、
前記対象ネットワークから前記試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、前記フレームロス情報を算出する検出手段と、
前記フレームロス情報を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする電磁ノイズ診断システム。
【請求項5】
前記送信手段が複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする請求項4記載の電磁ノイズ診断システム。
【請求項6】
前記電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする請求項4又は5記載の電磁ノイズ診断システム。
【請求項7】
対象ネットワークにフレーム条件に基づいた試験フレーム列を送信するステップと、
前記対象ネットワークから前記試験フレーム列を受信してフレームロスを検出し、フレームロス情報を算出するステップと、
前記フレーム条件と前記フレームロス情報と電磁ノイズの特徴量との相関関係を特性データとして予め記憶させた蓄積手段から前記特性データを読み出し、送信に用いた前記フレーム条件と算出した前記フレームロス情報とを前記特性データと照合することにより前記対象ネットワークに影響を与えている電磁ノイズの特徴量を特定するステップと、
を有することを特徴とする電磁ノイズ診断方法。
【請求項8】
前記試験フレーム列を送信するステップでは、複数のフレーム条件それぞれに基づいた試験フレーム列を送信することを特徴とする請求項7記載の電磁ノイズ診断方法。
【請求項9】
前記電磁ノイズの特徴量が電磁ノイズの電圧情報あるいは周波数情報であることを特徴とする請求項7又は8記載の電磁ノイズ診断方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−8205(P2010−8205A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167441(P2008−167441)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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