説明

電線付き端子金具

【課題】電線付き端子金具の連結部を確実に補強する。
【解決手段】連結部23は、底板部24から一対の側板部25を立ち上げた略U字形をなし、底板部24の前端と後端は、夫々、箱部11の底壁部12と圧着部17の載板部18とに連なり、側板部25の前端と後端は、夫々、箱部11の側壁部13と圧着部17のカシメ片19とに連なる。圧着部17では、載板部18に載せた電線30の端末部に対し第1カシメ片19を湾曲変形させながら巻き付けることで、電線30が圧着されている。側板部25の立ち上がり端縁部には、側壁部13に連なる前端からカシメ片19に連なる後端まで連続した形態であって、内側に巻き込まれるように湾曲した領域を有する補強部26が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線付き端子金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、角筒状の箱部と、箱部の後端に連なる略U字形断面の連結部と、連結部の後端に連なるオープンバレル状の圧着部とを備え、圧着部に電線の端末部を導通可能に固着した形態の電線付き端子金具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2004/114469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この電線付き端子金具では、連結部を構成する左右両側板部に板状部を形成し、この板状部と、圧着部を構成するカシメ片とを連結部で連結することにより、連結部の補強を図っているが、連結部は平板状であるため、高い強度アップを期待することはできない。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、連結部を確実に補強することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、全体として前後方向に細長く、角筒状の箱部と、前記箱部の後方に配されたオープンバレル状の圧着部と、前記箱部の後端と前記圧着部の前端とを連結する連結部とを有する端子金具と、前記端子金具に対して導通可能に固着された電線とを備え、前記連結部は、底板部の両側縁から一対の側板部を立ち上げた略U字形をなし、前記底板部の前端と後端は、夫々、前記箱部を構成する底壁部と前記圧着部を構成する載板部とに連なり、前記側板部の前端と後端は、夫々、前記底壁部の側縁から立ち上がる側壁部と前記載板部の側縁から立ち上がるカシメ片とに連なり、前記圧着部においては、前記載板部に載せた前記電線の端末部に対し前記カシメ片を湾曲変形させながら巻き付けることで、前記電線が圧着されている電線付き端子金具であって、前記側板部の立ち上がり端縁部には、前記側壁部に連なる前端から前記カシメ片に連なる後端まで連続した形態であって、内側に巻き込まれるように湾曲した領域を有する補強部が形成されているところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記底板部を基準とする前記補強部の高さは、前端において前記箱部の前記側壁部よりも低く、後端側に向かって高くなっているところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記補強部の前端部においては、前記底板部からの立ち上がり端縁が、前記側壁部の後端縁に対して滑らかに連なるように曲線状をなしているところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記底板部を基準とする前記補強部の前端部の高さを、前記箱部の前記側壁部よりも低くすることで、前記箱部の後端縁が係止部となっており、前記端子金具がハウジング内に挿入された状態では、前記ハウジングに取り付けたリテーナが後方から前記係止部に係止することで前記端子金具が抜止めされるとともに、前記リテーナが前記補強部に対して当接又は接近して対向するようになっているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0010】
<請求項1の発明>
連結部は補強部によって補強されるのであるが、この補強部は、箱部の側壁部に連なる前端から圧着部のカシメ片に連なる後端まで連続し、内側に巻き込まれるように湾曲した領域を有しているので、剛性が高く、連結部を確実に補強することができる。
【0011】
<請求項2の発明>
補強部の高さは、前端において箱部の側壁部よりも低いので、箱部の後端縁を他部材との係止部として機能させることができる。ここで、補強部の高さは、後端側に向かって次第に高くなっているので、前端から後端まで同じ高さの場合に比べると、補強部全体としての剛性が高くなっている。したがって、本発明によれば、補強部の信頼性を低下させることなく、箱部の後端における他部材との係止代を大きく確保することができる。
【0012】
<請求項3の発明>
補強部の前端部においては、底板部からの立ち上がり端縁が、側壁部の後端縁に対して滑らかに連なるように曲線状をなしているので、補強部の前端部への応力集中が緩和され、応力集中に起因する変形等を防止することができる。
【0013】
<請求項4の発明>
ハウジング内に挿入された端子金具がリテーナで抜止めされている状態では、端子金具がその長さ方向と交差する方向に変位しようとしても、リテーナと補強部との当接によって、端子金具の変位を規制又は抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態1の電線付き端子金具の側面図
【図2】電線付き端子金具の平面図
【図3】電線を接続する前の状態をあらわす端子金具の側面図
【図4】電線を接続する前の状態をあらわす端子金具の平面図
【図5】端子金具の展開図
【図6】連結部の補強構造をあらわす図1の部分拡大図
【図7】連結部の補強構造をあらわす図2の部分拡大図
【図8】電線付き端子金具の正面図
【図9】図7のX−X線断面図
【図10】図7のY−Y線断面図
【図11】図7のZ−Z線断面図
【図12】電線付き端子金具にリテーナが係止している状態をあらわすものであって、端子金具の長さ方向に沿って切断した断面図
【図13】リテーナがハウジングに本係止している状態をあらわすものであって、端子金具の長さ方向と直交する方向に沿って切断した断面図
【図14】リテーナがハウジングに仮係止している状態をあらわすものであって、端子金具の長さ方向と直交する方向に沿って切断した断面図
【図15】ハウジングの正面図
【図16】ハウジングの側面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図16を参照して説明する。図1,2に示すように、本実施形態の電線付き端子金具Aは、形状に打ち抜いた金属板材(図5を参照)に曲げ加工等を施すことによって前後方向に細長い形状に成形された端子金具10と、端子金具10の後端部に固着されて端子金具10の長さ方向に沿って後方へ延びた形態の電線30とを備えて構成されている。
【0016】
端子金具10は、その前端部(図1,2における左側の端部)に配された角筒状の箱部11と、箱部11の後方に配されたオープンバレル状の圧着部17と、箱部11の後端と圧着部17の前端とを連結する連結部23とを有している。箱部11は、前後方向に細長い底壁部12と、底壁部12の左右両側縁から略直角に上方へ立ち上がる左右一対の側壁部13と、両側壁部13の上端縁(立ち上がり端縁)から略直角に(底壁部12と略平行に)延出した上壁部14とを備えて構成されている。箱部11内には、上壁部14の前端縁から後方へ折り返すように延出した弾性接触片15が収容されている。前方から箱部11内に挿入された相手側端子(図示省略)のタブは、弾性接触片15と底壁部12との間で弾性的に且つ導通可能に挟まれるようになっている。箱部11には、上壁部14と側壁部13の一部を切欠することにより、後述するランス42を係止させるための一次係止部16が形成されている。
【0017】
圧着部17は、前後方向に細長い載板部18と、載板部18の左右両側縁における前端側領域から立ち上がる左右対称な一対の第1カシメ片19と、載板部18の左右両側縁における後端側領域から立ち上がる左右非対称な一対の第2カシメ片20とから構成されている。載板部18の前端側領域と第1カシメ片19とによってワイヤバレル部21が構成され、載板部18の後端側領域と第2カシメ片20とによってインシュレーションバレル部22が構成されている。この圧着部17には、電線30の前端部(端末部)が、アプリケータと称される自動圧着機(図示省略)により導通可能に圧着されている。
【0018】
電線30は、導体31を絶縁被覆32で包囲した周知の形態のものである。図2に示すように、電線30の前端部においては、ワイヤバレル部21の前後長よりも少し長い領域に亘って絶縁被覆32を除去することにより導体31が露出した状態(皮剥きされた状態)となっている。この電線30が圧着される際には、導体31の露出部分が載板部18のうちのワイヤバレル部21と対応する領域に載置され、次いで、左右両第1カシメ片19が導体31に対して巻き付けられる(包囲する)ように湾曲変形させられながら固着されるとともに、左右両第2カシメ片20が、電線30のうち絶縁被覆32で包囲されている部分に対して巻き付けられる(包囲する)ように湾曲変形させられながら固着されている。
【0019】
この圧着工程により、ワイヤバレル部21においては、一対の第1カシメ片19が対称に湾曲変形し、両第1カシメ片19の延出端部が、互いに曲げの外側の面同士を当接させながら、導体31の上面に食い込んだ状態となる。一方、インシュレーションバレル部22においては、両第2カシメ片20が前後に位置ずれした状態で絶縁被覆32の外周に巻き付けられる。
【0020】
連結部23は、前後方向に細長い底板部24と、底板部24の左右両側縁から上方へ略直角に立ち上がるように且つ前後方向に細長く形成された左右一対の側板部25と、連結部23の全体を補強するための補強部26とを備えて構成されている。底板部24の前端は、箱部11の底壁部12の後端に対して面一状に連なり、底板部24の後端は、圧着部17の載板部18の前端に連なっている。側板部25の前端は、箱部11の側壁部13の後端に対して面一状に連なっており、側板部25の後端は、前側カシメ片の前端に対して概ね面一状に連なっている。図9〜11に示すように、連結部23のうち、底板部24と左右両側板部25とで構成される部分は、概ねU字形断面をなしている。
【0021】
図1,3,6に示すように、底壁部12及び底板部24からの側板部25の高さ寸法(立ち上がり寸法)は、側板部25の高さ寸法よりも小さく設定され、これにより、側板部25の上端縁(立ち上がり端縁)と箱部11の上面との間では段差状の高低差を生じている。この高低差により、連結部23の上方には後述するリテーナ50の抜止部52を配置するための空間が確保されるとともに、箱部11の後端部には、この抜止め用の空間に臨む形態であって、抜止部52の係止を可能とした二次係止部27(本発明の構成要件である係止部)が形成されている。
【0022】
補強部26は、左右両側板部25の上端縁部に連なるように形成され、左右対称な形態である。補強部26は、側板部25(連結部23)の前端から後端に至る全長に亘って連続した形態である。したがって、補強部26の前端は、箱部11の側壁部13の後端縁に連なり、補強部26の後端は、圧着部17の第1カシメ片19の前端縁に連なっている。圧着部17に電線30が圧着される前の状態においては、図3,4に示すように、補強部26は、平板状をなすとともに、側板部25に対して面一状に連なっている。そして、端子金具10を側方から見ると、補強部26の前端部においては、底板部24からの立ち上がり端縁が、側壁部13の後端縁に対して滑らかに連なるように曲線状をなしており、この形態により、補強部26の前端部は応力緩和部28となっている。
【0023】
同じく、電線30を圧着する前の状態では、補強部26の上端縁のうち応力緩和部28よりも後方の領域においては、後端に向かって次第に高くなるように一定の勾配(傾斜角度)で傾斜している。この応力緩和部28よりも後方の傾斜領域においては、その前端における上端縁の高さが、側壁部13よりも低くなっている。また、補強部26の後端における上端縁の高さは、第1カシメ片19の上端よりも低くなっている。
【0024】
補強部26は、圧着部17に電線30を圧着する工程において、湾曲した形状に成形される。上述のように、圧着工程では、第1カシメ片19が、導体31に巻き付くように内側へ湾曲変形させられて導体31の上面に食い込むのであるが、第1カシメ片19の前端縁には補強部26の後端が直接連なっているので、補強部26も、この第1カシメ片19の変形に追従するようにして内側に巻き込まれるように湾曲変形する。この補強部26の追従変形は、その後端から前端部に亘って生じるのであるが、応力緩和部28については、湾曲変形するようにしてもよく、湾曲変形しないようにしてもよい。また、圧着の際には、第1カシメ片19の前端部に、前方に向かって拡径するベルマウス部19Fが形成されるため、補強部26の後端は、このベルマウス部19Fの前端に連なることになる。
【0025】
図7,9〜11に示すように、湾曲変形した補強部26は、左右方向(幅方向)における寸法が、前端から後端に向かって次第に大きくなっている。また、図6に示すように、側方から見たときに、補強部26の上端縁のうち応力緩和部28よりも後方の領域においては、底板部24を基準とする補強部26の上端縁の高さが、前端から後端に向かって次第に高くなっている。つまり、補強部26の上端縁は、ほぼ一定の角度で傾斜している。また、補強部26の上端縁の後端の高さは、第1カシメ片19の前端(ベルマウス部19F)の高さと同じ高さである。そして、図9〜11に示すように、端子金具10の長さ方向と直角に切断した断面において、補強部26の形成領域(円弧に沿った方向の長さ寸法)は、前端側から後端に向かって大きくなっている。
【0026】
電線付き端子金具Aは、ハウジング40内に挿入されるようになっている。図12〜15に示すように、ハウジング40内には、前後方向に貫通した形態の複数のキャビティ41が、上下3段に分かれて形成されており、電線付き端子金具Aは、後方からキャビティ41内に挿入されるようになっている。キャビティ41に挿入された電線付き端子金具Aは、キャビティ41の内壁に沿って形成したランス42に対して一次係止部16を係止させることによって抜止め状態に保持される。
【0027】
また、ハウジング40には、その外側面に開口するとともにキャビティ41に連通した形態の収容空間43が形成されている。この収容空間43には、端子金具10を抜止め可能なリテーナ50の一部が収容されるようになっている。また、図13,14示すように、収容空間43内には、収容空間43の開口面に近い部分を切欠した形態の仮係止部44と、仮係止部44よりも奥側の位置を切欠した形態の本係止部45とが形成されている。
【0028】
図13,14に示すように、リテーナ50は、板厚方向を左右方向に向けた支持板部51と、支持板部51から側方へ片持ち状に延出した形態の3つの抜止部52が形成されている。抜止部52は、板厚方向を上下方向に向けた板状をなし、3つの抜止部52は、キャビティ41の対応するように上下に間隔を空けている。また、最も上の抜止部52の一部は、上面側の突起を有する弾性係止片53となっている。
【0029】
リテーナ50は、ハウジング40に対し側方から組み付けられる。組付けに際しては、抜止部52の先端部(延出端部)を収容空間43内に進入させ、組付けの当初は、図14に示すように、弾性係止片53の突起を仮係止部44に係止させることで、仮係止位置に保持される。リテーナ50が仮係止位置にある状態では、抜止部52は、いずれのキャビティ41に対しても、組付け方向後方(図14における左方)へ退避した位置にあるので、キャビティ41に対する電線付き端子金具Aの挿入動作が許容される。
【0030】
リテーナ50を仮係止位置に保持した状態で全てのキャビティ41に電線付き端子金具Aを挿入した後は、リテーナ50を、図13に示す本係止位置へ押し込むようにして移動させる。リテーナ50を仮係止位置から本係止位置へ移動させる際に、一部の電線付き端子金具Aが正規の挿入位置に到達していなかった場合には、その半挿入状態の電線付き端子金具Aの二次係止部27に対し、抜止部52の先端部のテーパ面が前方へ押圧力を付与するので、半挿入状態の電線付き端子金具Aは、正規の挿入位置まで押し込まれる。
【0031】
本係止位置に移動したリテーナ50は、弾性係止片53の突起を本係止部45に係止させることにより、本係止位置に保持される。この状態では、図12に示すように、抜止部52が、二次係止部27に対して後方から係止、又は接近して対向した状態となるので、抜止部52と二次係止部27との係止作用によって電線付き端子金具Aは、確実に抜止めされる。また、二次係止部27に係止している抜止部52は、補強部26の上端縁に対し接近して対向又は当接するように位置するので、電線付き端子金具Aがキャビティ41内で上方へ不正に変位しようとしても、補強部26が抜止部52に当接することによって、電線付き端子金具Aの不正な上方変位が抑制又は規制される。
【0032】
本実施形態の電線付き端子金具Aにおいては、補強部26を形成したことによって連結部23が補強されている。この補強部26は、箱部11の側壁部13に連なる前端から圧着部17の第1カシメ片19に連なる後端まで連続し、内側に巻き込まれるように湾曲した領域を有しているので、剛性が高く、連結部23を確実に補強することができる。
また、補強部26の前端部が応力緩和部28となっているので、補強部26の前端部への応力集中が緩和され、応力集中に起因する変形等を防止することができる。
【0033】
また、補強部26の高さは、前端において箱部11の側壁部13よりも低いので、箱部11の後端縁をリテーナ50との係止手段である二次係止部27として機能させることができる。ここで、補強部26の高さは、後端側に向かって次第に高くなっているので、前端から後端まで同じ高さの場合に比べると、補強部26全体としての剛性が高くなっている。したがって、本実施形態によれば、補強部26の信頼性を低下させることなく、箱部11の後端におけるリテーナ50との係止代を大きく確保することができる。
【0034】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、補強部の高さを前端から後端に向かって高くなるようにしたが、補強部の高さは、前端から後端に向かって低くなるようにしてもよく、前端から後端に亘って一定の高さであってもよく、前端から後端の間で変化するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、箱部の後端がリテーナとの係止部として機能する場合について説明したが、本発明は、箱部の後端が他部材との係止部として機能しない場合にも適用できる。
(3)上記実施形態では、補強部の前端部において、底板部からの立ち上がり端縁を、側壁部の後端縁に対して滑らかに連なるように曲線状としたが、補強部の前端部の立ち上がり端縁は、側壁部の後端縁に対し交差するように連なる直線状であってもよい。
(4)上記実施形態では、補強部の後端部の立ち上がり端縁が、カシメ片の立ち上がり端縁に対して同じ高さで連なるようにしたが、補強部の後端部の立ち上がり端縁は、カシメ片の立ち上がり端縁より低くてもよい。
(5)上記実施形態では、リテーナと補強部の当接可能な構造を利用して、ハウジング内における端子金具の変位を規制又は抑制するようにしたが、補強部は、端子金具の変位を規制又は抑制する機能を有しないものであってもよい。
(6)上記実施形態では、補強部が、圧着工程においてカシメ片が湾曲変形させられるのに追従して湾曲変形するようにしたが、補強部を、アプリケータのプレス加工により直接加圧して湾曲変形させてもよい。
(7)上記実施形態では、端子金具が雌形の端子である場合について説明したが、本発明は、先端にタブを有し、このタブの後端に箱部を連ねた形態の雄形端子にも適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
A…電線付き端子金具
10…端子金具
11…箱部
12…底壁部
13…側壁部
17…圧着部
18…載板部
19…第1カシメ片(カシメ片)
23…連結部
24…底板部
25…側板部
26…補強部
27…二次係止部(係止部)
30…電線
40…ハウジング
50…リテーナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体として前後方向に細長く、角筒状の箱部と、前記箱部の後方に配されたオープンバレル状の圧着部と、前記箱部の後端と前記圧着部の前端とを連結する連結部とを有する端子金具と、
前記端子金具に対して導通可能に固着された電線とを備え、
前記連結部は、底板部の両側縁から一対の側板部を立ち上げた略U字形をなし、
前記底板部の前端と後端は、夫々、前記箱部を構成する底壁部と前記圧着部を構成する載板部とに連なり、
前記側板部の前端と後端は、夫々、前記底壁部の側縁から立ち上がる側壁部と前記載板部の側縁から立ち上がるカシメ片とに連なり、
前記圧着部においては、前記載板部に載せた前記電線の端末部に対し前記カシメ片を湾曲変形させながら巻き付けることで、前記電線が圧着されている電線付き端子金具であって、
前記側板部の立ち上がり端縁部には、前記側壁部に連なる前端から前記カシメ片に連なる後端まで連続した形態であって、内側に巻き込まれるように湾曲した領域を有する補強部が形成されていることを特徴とする電線付き端子金具。
【請求項2】
前記底板部を基準とする前記補強部の高さは、前端において前記箱部の前記側壁部よりも低く、後端側に向かって高くなっていることを特徴とする請求項1記載の電線付き端子金具。
【請求項3】
前記補強部の前端部においては、前記底板部からの立ち上がり端縁が、前記側壁部の後端縁に対して滑らかに連なるように曲線状をなしていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電線付き端子金具。
【請求項4】
前記底板部を基準とする前記補強部の前端部の高さを、前記箱部の前記側壁部よりも低くすることで、前記箱部の後端縁が係止部となっており、
前記端子金具がハウジング内に挿入された状態では、前記ハウジングに取り付けたリテーナが後方から前記係止部に係止することで前記端子金具が抜止めされるとともに、前記リテーナが前記補強部に対して当接又は接近して対向するようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電線付き端子金具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−54107(P2012−54107A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195935(P2010−195935)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】