説明

電話によるインタラクティブなテレビジョンのリモートコントロール方法及び装置

テレビジョンのプログラムを管理するための方法及びシステムを提供する。したがって、視聴者は、電話ユニットを用いてリモートサーバへの通話接続を開始し、サーバは、視聴者により所望されるプログラムを表すコマンド信号を発する。コマンド信号は、表示するように受信器又はテレビジョンユニットに送信され、視聴者にとって興味のあるテレビジョンプログラムによりナビゲートされる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択された映像/音響コンテンツが、従来の電話ユニットを用いて、ユーザの選好にしたがって提供されるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
莫大な量のマルチメディアを有する現代社会は、テレビジョンの視聴者に非常に多様で広範囲に及ぶオプションを与えている。インタラクティブなテレビジョンは、一般に、テレビジョンのリモートコントロール又はキーボードにより制御される。一般に、年配者により特徴付けられるテクノロジー恐怖症のひとは、テレビジョンのリモートコントロール、キーボード及び他のポインティング装置は使用することが難しいと考えている。このような課題は種々の理由、即ち、現代のリモートコントロールにおける複雑性、非人間工学的な小さいボタン、弱い視力等の肉体的制約等により妨げられる学習によるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故、本発明は、複雑なテレビジョンのリモートコントロールの使用に対して、代替の手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、簡便さを有するインタラクティブなテレビジョン(iTV)アプリケーション及びテレビジョンプログラムを管理するための方法及びシステムに適用される。特に、本発明は、iTVアプリケーションにより所望のプログラムを選択する又はナビゲートするように、インタラクティブな音声応答システム及び/又は従来の電話のキーパッドにおいて見られるような従来のプッシュボタンをユーザが使用する手段を提供することにより簡単化された制御システムを提供する。
【0005】
そのシステムは、ユーザのプログラム要求を伝送するための入力装置と、インタラクティブにユーザにより選択されるプログラムを表すコマンド信号を生成することができるリモートサーバとを有する。その入力装置は、従来の電話機、無線電話又はインタラクティブな音声応答システムであることが可能である。視聴者は、リモートサーバに対して通話接続を開始し、認証処理を受け、次いで、インタラクティブにプログラムを選択する。テレビジョンユニットと通信するリモートシステム又はテレビジョンユニットの受信器は、iTVアプリケーションによりナビゲートするため又はユーザが選択したプログラムを表示するためのコマンド信号を送信する。
【0006】
以下の説明においては、限定のためではなく、簡単化及び明確化のために、不必要に詳細に説明することにより本発明について不明確にならないように、既知の装置、回路及び方法についての詳細説明は省略する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1を参照するに、本発明の好ましい実施形態は、テレビジョンセット10を介してテレビジョンセット2にコマンド信号を発することにより複数のテレビジョンプログラムを管理することができるリモートコントロールシステムである。図1に示すように、テレビジョンセット2は、従来のテレビジョン(TV)放送会社及び/又はインターネットコンテンツのプロバイダ(又は、サーバ)からの音声/映像プログラミング信号及びデータ信号を受信するようになっている。TVプログラムは、人工衛星、無線、ケーブル、有線及びウェブ等を含む何れの送信手段を介して、アナログ、デジタル又はデジタル的に圧縮されたフォーマットで供給されることができる。代替として、テレビジョンセット2は、高速ライン、RF、従来のモデム、又は映像プログラミング又はiTVアプリケーションを担持する双方向ケーブルを介して、特定のウェブサーバからインターネットコンテンツを受信するように、受信器9又はセットトップボックスに結合されることが可能である。全ての入力信号は、表示のためにテレビジョンセット2又は受信器8により受信される。本明細書の表現中の受信器は、インタラクティブなTV/セットトップボックス、又は何れの双方向に送信可能なインタラクティブな装置を含むことに留意する必要がある。代替の実施形態においては、テレビジョンセット2は通信サーバに、直接、結合されることが可能である。通信サーバ20は、一般に、従来のPSTN又は無線接続を介してアクセス可能であるリモートコンピュータシステムである。
【0008】
図2は、図1に示す通信サーバ20の通話処理器22を示している。動作中、話者は、通信サーバ20に対して電話回線網6を通される、電話10を用いる電話通話を設定する。無線電話は、従来の電話機の代わりにまた、用いられることが可能であることに留意されたい。電話回線網6からのデータは、従来の電話回線において通話処理器22に供給される。ダイヤルされた番号及び他の回線網データ並びに/若しくは切り替えデータ等は、通話処理器22により受信され、分析される。通話処理器22は、インタラクティブな音声応答(IVR)を用いる又はコミュニケーション又は最初の挨拶のためにIVR24に対して通話するように関連電話回線を用いて、接続を開始する。IVRシステムは、当業者には既知であり、それ故、IVRシステムについての説明は省略する。したがって、通話処理器22は、データ記憶装置28に記憶されているデータと話者情報を適合させることにより話者を確認するように、タッチトーン、音声認識26又は他の機構により、IVR24が質問するように命令する。話者が認証されない場合、通話処理器22は通話接続を中止することができる。話者が認証された場合、通話処理器22は、IVR24又はライブエージェントのような他の機構を使用することにより、ユーザが所望するチャネル選択又は他のオプションを求める話者と対話する。通話処理器22は、次いで、話者が要求したチャネルを変えるように、受信器8又はTV2に制御信号を送信する。
【0009】
図3は、ユーザが所望する選択に対応する信号を送信するように用いられることができる代表的な電話器のキーパッドシステムを示している。話者は、所望のコマンドを発するように音声信号をまた、送信することが可能であることに留意されたい。
【0010】
通常モードにおいては、受信器8又はテレビジョンユニット2は、サービスプロバイダ、衛星放送アンテナ及び従来のRF放送を含む複数の手段を介して、TVプログラムのストリームを受信する。視聴者が、複雑なリモートコントロールシステムを用いることなく、チャネルを変え、インタラクティブなテレビジョンアプリケーションをナビゲートすることを望む場合、彼又は彼女は通信サーバ20に電話通話を設定することができる。通信サーバ20は、ユーザからの入ってくる通話を処理し、ユーザとの対話により、受信器8又はテレビジョンユニット2が表示のために入ってくるプログラムを変えるようにする。例えば、接続後、話者は、チャネル選択を行うように選択リストを与えられる。ユーザが、ショーである“Jeopardy”を視聴したいと思う場合、ユーザはボタン1を選択する。ユーザはまた、電話のキーパッドにおいて予め特定化されたボタンを押すことにより、チャネルオプションリストをブラウズすることができる。このように、TVプログラムを視聴しているユーザは、放送会社のサーバにより提供される所望のプログラムを選択することができる。更に、矢印ボタン2、4、6及び8は、視聴のために利用可能である異なるプログラムのリストをブラウズするために用いられることができ、ボタン5は、現在、視聴しているテレビジョンプログラムの何れ又は続く表示のための何れの将来のプログラムの記録のような所望の選択のために用いられることができる。
【0011】
次に、通話処理器22とユーザとの間の可能な対話の例を示す。

チャネル7を視聴するために、あなたの電話のキーパッドの7を押す。
チャネル7を視聴するために、“チャネル7”と言う。
オプション3を選択するために、3を押す又は3と言う。
テレビジョンをオンにするために、1を押す。
早送りするために、6を押す。巻き戻すために、4を押す。
電子プログラミングガイドに戻るために、0を押す。
カーソルを上方に外すために、2を押す。カーソルを下方に外すために、8を、左に外すために、4を、そして、右に外すために、6を押す。
選好を選択するために、#を押す。
今夜、午後7時に放送されるチャネル4のプログラムを録画するために、#及び7を押す。
【0012】
図4は、図1に示す例示としての実施形態にしたがった受信システムを示している。受信器8は、制御器112と、MPEG復号化器113と、検出器114と、ハードドライブ115と、映像処理器116と、チャネルスイッチ117と、メモリ118と、再生部119とを有する。MPEG復号化器113は、他のMPEG基準、例えば、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4及びMPEG−7に準拠することが可能である。制御器112は、視聴モード、記録モード、再生モード及び従来のセットトップボックスにおいて一般的な他のモードを含む受信器8の全体的な操作を監視する。
【0013】
操作モードにおいては、受信器8は、ケーブルサービスプロバイダ、衛星放送アンテナ及び従来のRF放送を含む複数の手段を介して、TVプログラムのストリームを受信する。入ってくるTVプログラムは、通常モードの間に、制御器112の制御下で、表示される。一方、制御器112は、MPEG復号化器113が入ってくるTV信号を復号化するようにし、次いで、復号化されたTV信号は、種々の制御信号を検出するために、検出器114によりモニタされる。復号化されたTV信号は、テレビジョンセット2における表示のために再生部119に転送される、又は、通信サーバ20からのそのようなコマンド信号が受信される場合、続く検索のためにハードドライブ115に記憶される。チャネル変換コマンドが通信サーバ20から受信される場合、チャネル切り替えモジュール117は、対応するTVプログラムを視聴するために現チャネルを変換する。
【0014】
それ故、複数のTVプログラム管理するための方法及びシステムの好適な実施形態について詳述したが、そのシステムの特定の有利点が達成されたことが、当業者に理解される必要がある。上記実施形態は、単に、本発明の例示としての実施形態として構成されたものである。当業者は、本発明の基本的範囲又は主旨から逸脱することなく、本発明の実施形態と同様の機能を提供する代替の構成を容易に考案することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の例示としての実施形態にしたがって、テレビジョンプログラムを管理することができるシステムの簡略化された図である。
【図2】図1に示すシステムの他の簡略化された図である。
【図3】ユーザがテレビジョンプログラムを管理することを可能にするように用いられる従来のキーパッドを示す図である。
【図4】図1に示す受信器の簡略化された図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプログラムを管理するための方法であって:
ユーザにより開始されたプログラム要求をキーパッド装置を介して受信する通話処理器を備える段階;
前記ユーザにより所望されているプログラムを表すコマンド信号を生成するように前記キーパッド装置との通信チャネルを構築する段階;及び
前記ユーザにより所望されている前記プログラムの表示のためのテレビジョンユニットに前記コマンド信号を伝送する段階;
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記通信チャネルの前記構築のとき、前記ユーザを認証する段階を更に有する、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記通信信号は、記憶媒体に特定のプログラムを記憶するような信号を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記複数のプログラムは、テレビジョン網、インターネット網、無線網、有線網又はそれらの組み合わせの少なくとも一を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記通信チャネルは電話回線接続により構築されている、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記通信チャネルは無線接続により構築されている、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記プログラムの前記表示は前記ユーザの入力に応じてインタラクティブに与えられる、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記プログラムの前記表示は前記ユーザの音声入力に応じてインタラクティブに与えられる、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
複数のプログラムを管理するためのシステムであって:
ユーザによりプログラム要求を送信するためにキーパッドを有する入力装置;及び
前記ユーザによりインタラクティブに選択されたプログラムを表すコマンド信号を生成し、表示のために受信器に前記コマンド信号を送信するための制御器;
を有することを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記制御器は、前記ユーザにより選択可能なプログラムリストを更に与える、ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって:
前記ユーザにより選択された前記プログラムを表示するために表示装置;
を更に有する、ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項9に記載のシステムであって、前記表示装置は入ってくるテレビジョンプログラムを受信するようになっている、ことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項9に記載のシステムであって、前記制御器は前記ユーザを認証するようになっている、ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項9に記載のシステムであって、前記入力装置は、前記コマンド信号を選択的に送信するように複数のキーボタンを有する、ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項9に記載のシステムであって、前記受信器はテレビジョンユニットである、ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項9に記載のシステムであって:
入ってくるテレビジョンプログラムに対応する複数のプログラムを表すデータを記憶するための記憶装置;
を更に有する、ことを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項9に記載のシステムであって、前記複数のプログラムは、テレビジョン網、インターネット網、無線網、有線網又はそれらの組み合わせの少なくとも一を有する、ことを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項9に記載のシステムであって、前記入力装置は、ユーザによるプログラム要求をインタラクティブに送信するための音声応答装置を更に有する、ことを特徴とするシステム。
【請求項19】
複数のプログラムを管理するためのシステムであって:
コンピュータ読み出し可能コードを記憶するためのメモリ;及び
前記メモリに動作可能であるように結合された処理器であって、
キーパッド装置を介してユーザにより開始されるプログラム要求を受信し、そして
前記ユーザにより所望されるプログラムを表すコマンド信号をインタラクティブに生成するように、前記キーパッド装置との通信チャネルを構築する、
ようになっている、処理器;
を有することを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであって、前記制御器は、前記通信チャネルの前記確立のとき、更に前記ユーザを認証するようになっている、ことを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項19に記載のシステムであって、前記複数のプログラムは、テレビジョン網、インターネット網、無線網、有線網又はそれらの組み合わせの少なくとも一を有する、ことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−522721(P2007−522721A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550433(P2006−550433)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050253
【国際公開番号】WO2005/074260
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】