電話機、電話機からの発信者証明情報送信方法、およびそのプログラム
【課題】発信者が本人であることを確実に確認できる発信者証明情報送信方法を提供する。
【解決手段】使用者証明情報入力手段16は、使用者からの使用者証明情報の入力を受け付ける。使用者認証手段18は、使用者検証情報記憶部34から使用者検証情報を読み出す。使用者認証手段18は、使用者検証情報に基づいて使用者証明情報を認証する。使用者証明情報の認証が成功した場合、発信者証明情報重畳手段20が発信者証明情報記憶部32から発信者証明情報を読み出す。発信者証明情報重畳手段20は、発信者証明情報を音声信号に重畳させる。発信者証明情報抽出手段50は、受信した音声信号から発信者証明情報を抽出する。発信者認証手段48は、発信者検証情報記憶部62から発信者検証情報を読み出す。発信者認証手段48は、発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証する。認証結果出力手段46は、認証結果を出力する。
【解決手段】使用者証明情報入力手段16は、使用者からの使用者証明情報の入力を受け付ける。使用者認証手段18は、使用者検証情報記憶部34から使用者検証情報を読み出す。使用者認証手段18は、使用者検証情報に基づいて使用者証明情報を認証する。使用者証明情報の認証が成功した場合、発信者証明情報重畳手段20が発信者証明情報記憶部32から発信者証明情報を読み出す。発信者証明情報重畳手段20は、発信者証明情報を音声信号に重畳させる。発信者証明情報抽出手段50は、受信した音声信号から発信者証明情報を抽出する。発信者認証手段48は、発信者検証情報記憶部62から発信者検証情報を読み出す。発信者認証手段48は、発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証する。認証結果出力手段46は、認証結果を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電話機に係り、特に、発信者が本人であることを証明するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
受信者の家族と偽って電話をかけ、指定口座に現金を振り込ませる詐欺行為が頻出している。この被害を防止するために、発信者の確認を行う必要がある。発信者を確認する一つの方法は、電話サービス会社が提供している発信者番号通知サービスを利用する方法である。すなわち、特定の発信者番号を持つ電話機から発信されていることをもって、本人であると判断する方法である。また、発信者が発する音声に含まれる音声情報に基づいて話者の認証を行うことにより発信者を確認する技術も開発されている(たとえば特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−233595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発信者番号による確認は、厳密には発信者本人ではなく、電話機を確認しているに過ぎない、したがって、携帯電話機の盗用等によって、その電話機の所有者の家族に対して、本人でない第3者が発信した場合には、発信者が本人であるか第3者であるかを家族が区別することはできない。また、音声情報に基づく話者認証の精度には限界があり、特に電話を介した場合の音声認証の精度は低い。このため、認証基準を緩く設定すれば第3者を本人であると判断する恐れがあり、認証基準を厳しく設定すれば本人を本人でないと判断する恐れがある。
【0004】
本発明の目的は、発信者が本人であることを確実に証明できる発信者証明情報送信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる第1の電話機は、使用者証明情報を入力するための使用者証明情報入力手段と、使用者証明情報を認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、使用者検証情報に基づいて使用者証明情報を認証するための使用者認証手段と、発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部と、発信者証明情報を音声信号に重畳させるための発信者証明情報重畳手段とを備え、発信者証明情報重畳手段は、使用者証明情報の認証が成功したときに、発信者証明情報を音声信号に重畳させることを特徴とする。
【0006】
本発明にかかる第1の電話機の使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、発信者証明情報記憶部には複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、発信者証明情報重畳手段は、使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を音声信号に重畳させるようにしてもよい。
【0007】
本発明にかかる第2の電話機は、発信者証明情報が重畳された音声信号から発信者証明情報を抽出するための発信者証明情報抽出手段と、発信者証明情報を認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部と、発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証するための発信者認証手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明にかかる第2の電話機において、発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、発信者認証手段は、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発信側電話機において本人認証を行い、認証が成功したときにのみ、本人であることを示す発信者証明情報を受信側電話機に送信し、受信側電話機においては、受信した発信者証明情報を用いて発信者の認証を行うため、発信者が本人であることを受信側で確実に確認できる発信者証明情報送信方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて実施例を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施例にかかる電話機のシステム構成を示す図である。本実施例にかかる発信側電話機1は、発信先の電話番号を指定するための電話番号入力手段12と、音声を入力するための音声入力手段14と、発信側電話機1の使用者が発信側電話機1の正当な使用者であることを示す使用者証明情報を入力するための使用者証明情報入力手段16と、入力された使用者証明情報に基づいて正当な使用者か否かを認証するための使用者認証手段18と、正当な発信者であることを示す発信者証明情報を音声信号に重畳させるための発信者証明情報重畳手段20と、音声信号を符号化するための符号化手段22と、電話番号および符号化された音声信号を送信するための送信手段24と、符号化された音声信号を受信するための受信手段26と、受信した音声信号を復号化するための復号化手段28と、復号化された音声信号を出力するための音声出力手段30と、発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部32と、使用者証明情報を認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部34とを含む。
【0012】
本実施例にかかる受信側電話機2は、発信先の電話番号を指定するための電話番号入力手段42と、音声を入力するための音声入力手段44と、音声信号を符号化するための符号化手段52と、電話番号および符号化された音声信号を送信するための送信手段54と、符号化された音声信号を受信するための受信手段56と、受信した音声信号を復号化するための復号化手段58と、復号化された音声信号を出力するための音声出力手段60と、復号化された音声信号に重畳された発信者証明情報を抽出するための発信者証明情報抽出手段50と、抽出された発信者証明情報に基づいて正当な発信者か否かを認証するための発信者認証手段48と、認証結果を出力するための認証結果出力手段46と、発信者証明情報を認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部62とを含む。
【0013】
発信側電話機1の処理について説明する。ただし、通常の電話発信にかかる処理については周知であるため説明を割愛し、発信者証明情報の送信に関わる処理についてのみ説明する。
【0014】
図2は、本発明の実施例にかかる発信側電話機1における発信者証明情報重畳処理のフローチャートである。本実施例にかかる発信側電話機1における発信者証明情報重畳処理の流れを図2のステップS102からステップS112の順を追って説明する。
【0015】
(ステップS102)使用者証明情報入力手段16は、使用者からの使用者証明情報の入力を受け付ける。本実施例では、使用者証明情報として、たとえば4桁の数字で構成される暗証番号を用いるものとするが、これに限定するものではなく、使用者を特定できる情報であれば何でもよい。たとえば、指紋や人体の特定部位の静脈パタンなどの生体情報を使用者証明情報として用いてもよい。
【0016】
(ステップS104)使用者認証手段18は、使用者検証情報記憶部34から使用者検証情報を読み出す。使用者検証情報は、受信者ごとに異なる情報としてもよい。その場合、使用者証明情報は受信者の電話番号に対応付けられて使用者検証情報記憶部34に記憶され、使用者認証手段18は受信者の電話番号に対応する使用者検証情報を使用者検証情報記憶部34から読み出す。使用者検証情報が受信者ごとに異なる場合、使用者は、それらに対応して異なる使用者証明情報を入力する。暗証番号を使用者証明情報として用いるのであれば、受信者ごとに異なる暗証番号とする。生体情報を使用者証明情報として用いるのであれば、受信者ごとに異なる部位(たとえば異なる指など)の生体情報とする。
【0017】
(ステップS106)使用者認証手段18は、使用者検証情報に基づいて使用者証明情報を認証する。本実施例の説明では、使用者証明情報が使用者検証情報に一致すれば認証が成功したものとする。認証の方法はこれに限定するものではなく、使用者証明情報が使用者検証情報に基づく何らかの判定条件を満たせば認証が成功したものとしてよい。
【0018】
(ステップS108)使用者証明情報の認証が成功した場合(ステップS106:Yes)、発信者証明情報重畳手段20が発信者証明情報記憶部32から発信者証明情報を読み出す。本実施例では、発信者証明情報としてたとえば10桁の10進数を用いるものとするが、これに限定するものではなく、使用者を特定できる情報であれば何でもよい。発信者証明情報は、受信者ごとに異なる情報としてもよい。その場合、発信者証明情報は受信者の電話番号に対応付けられて発信者証明情報記憶部32に記憶され、発信者証明情報重畳手段20は受信者の電話番号に対応する発信者証明情報を発信者証明情報記憶部32から読み出す。本実施例では、使用者証明情報と発信者証明情報を異なるものと想定しているが、使用者証明情報を発信者証明情報として利用してもよい。
【0019】
ここまでのステップの処理は、通話が終了するまでの任意のタイミングで行ってよい。
【0020】
(ステップS110)発信者証明情報重畳手段20は、発信者証明情報を音声信号に重畳させる。本ステップの処理は通話開始以降に実行し、通話終了(ステップS112:Yes)まで繰り返す。音声信号はアナログでもデジタルでもよい。本実施例では音声信号が符号化されて送信されると想定しているが、これに限定するものではなく、符号化されなくてもよい。符号化される場合には、本ステップの処理は符号化される前の音声信号に対して行われる。
【0021】
図3は、本発明の実施例にかかる受信側電話機2における発信者証明情報認証処理のフローチャートである。本実施例にかかる受信側電話機2における発信者証明情報認証処理の流れを図3のステップS202からステップS208の順を追って説明する。
【0022】
(ステップS202)発信者証明情報抽出手段50は、受信した音声信号から発信者証明情報を抽出する。本ステップの処理は通話中に行われる。音声信号が符号化されて送信される場合には、本ステップの処理は復号化された後の音声信号に対して行われる。
【0023】
(ステップS204)発信者認証手段48は、発信者検証情報記憶部62から発信者検証情報を読み出す。発信者検証情報記憶部62には、複数の発信者の発信者検証情報が記録され得る。本実施例では、発信者検証情報は発信者番号に対応付けられて発信者検証情報記憶部62に記録されているものとする。また、発信者を特定するための氏名などの情報を発信者検証情報に対応付けて記憶してもよい。発信者認証手段48は、受信した通話の発信者番号に対応する発信者検証情報を発信者検証情報記憶部62から読み出す。受信者が指定した発信者の発信者検証情報を発信者検証情報記憶部62から読み出すようにしてもよい。発信者を特定せず、複数の発信者検証情報を読み出すようにしてもよい。
【0024】
(ステップS206)発信者認証手段48は、発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証する。本実施例の説明では、発信者証明情報が発信者検証情報に一致すれば認証が成功したものとする。認証の方法はこれに限定するものではなく、発信者証明情報が発信者検証情報に基づく何らかの判定条件を満たせば認証が成功したものとしてよい。複数の発信者検証情報が読み出されている場合には、それぞれの発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証する。
【0025】
(ステップS208)認証結果出力手段46は、認証結果を出力する。出力の内容は如何様でもよいが、認証が成功した場合に、認証が成功した発信者検証情報に対応する発信者番号あるいは氏名などの、発信者を特定する情報を出力することが望ましい。
【0026】
以上のような構成をとることにより、発信側電話機1において本人認証を行い、認証が成功したときにのみ、本人であることを示す発信者証明情報を受信側電話機2に送信し、受信側電話機2においては、受信した発信者証明情報を用いて発信者の認証を行うことができるようになる。
【0027】
発信側電話機1における発信者証明情報の音声信号への重畳方法と受信側電話機2における発信者証明情報の音声信号からの抽出方法の例を説明する。
【0028】
図4は、発信者証明情報重畳処理の例を示す図である。発信側電話機1から受信側電話機2に送信すべき音声信号116はノッチフィルタ104に通され、特定の周波数成分が除去された音声信号118となる。
【0029】
図5は、ノッチフィルタ104の周波数特性の例を示す図である。図5の例に示されるノッチフィルタ104の中心周波数は3kHzである。すなわち、このノッチフィルタ104を適用した場合、音声信号116から3kHz近辺の周波数成分が除去される。ノッチフィルタ104の中心周波数は任意であるが、電話音声帯域である300Hzから3400Hzに設定することが望ましい。図5の例に示されるノッチフィルタ104の中心周波数における減衰量は60dBとしているが、これに限定するものではなく、ノッチフィルタ104の中心周波数における減衰量は任意である。また、ノッチフィルタ104の阻止帯域幅も任意である。
【0030】
図6は音声スペクトルの例を示す図である。図7はノッチフィルタ104通過後の音声スペクトルの例を示す図である。図7に示された例では、図5に示された周波数特性のノッチフィルタ104を適用することにより、図6に示された音声スペクトルを持つ音声信号から3kHz近辺の周波数成分が除去されている。
【0031】
本実施例では、発信者証明情報が正弦波として音声信号に重畳される。図4において、発信者証明情報112に基づいて正弦波生成器102が正弦波114を生成し、正弦波114が音声信号118に重畳される。
【0032】
図8は、発信者証明情報の例を示す図である。本実施例では、発信者証明情報を10桁の10進数と想定している。図8に示された例では“9684523701”が発信者証明情報である。この各桁を2進表現に展開する。これよって得られた40ビットの2進数が正弦波に変換され、音声信号に重畳される。
【0033】
図9は、発信者証明情報を正弦波に変換する例を示す図である。図9には、図8に示された発信者証明情報の2進展開データの最初の8ビットが示されている。図8に示された40ビットの2進数は、矩形波202として正弦波生成器102に入力される。正弦波生成器102は、矩形波202が1のときだけ、あらかじめ定められた周波数の正弦波204を出力する。正弦波204の周波数はノッチフィルタ104の中心周波数に合わせておく。矩形波のパルス幅206は任意であるが、たとえば20msとすると、40ビットの2進数を送信するために800msを要することになる。実際にはさらに発信者証明情報の始まりを示す信号を付加する。たとえば、図8に示す2進展開の場合、10進数がどのような数であっても、2進展開符号において、“1”が5個以上連続することはない。そこで、たとえば40ビットの2進数の前に“11111111”が付加されて48ビットとされ、これが正弦波に変換される。
【0034】
図10は、発信者証明情報が重畳された音声スペクトルの例を示す図である。ノッチフィルタの中心周波数に等しい3kHzの周波数の正弦波が重畳されるため、図10に示された例では、3kHzの線スペクトルが現れている。
【0035】
図11は、発信者証明情報の抽出処理の例を示す図である。受信側電話機2によって受信された音声信号142は、バンドパスフィルタ132に通される。
【0036】
図12は、バンドパスフィルタ132の周波数特性の例を示す図である。図5に示されたノッチフィルタの中心周波数である3kHz付近の周波数成分のみを通す周波数特性になっている。このバンドパスフィルタ132に通されることによって、音声信号142が図9の正弦波204に近い音声信号144となる。
【0037】
音声信号144は、平滑化されたあと、あらかじめ定められた閾値と比較されることによって矩形波146となる。発信者証明情報抽出手段50は、矩形波146のパルス長が100ms(20ms×5ビット)を超えるパルスを検出すると、そのパルスの終了時点から発信者証明情報が始まると解釈し、引き続く矩形波146を2進数に変換し、変換された2進数をさらに4ビットごとに10進数に変換する。この結果、10進10桁の発信者証明情報が再現される。
【0038】
上述のように、本発明によれば、発信側電話機において本人認証を行い、認証が成功したときにのみ、本人であることを示す発信者証明情報を受信側電話機に送信し、受信側電話機においては、受信した発信者証明情報を用いて発信者の認証を行うため、発信者が本人であることを受信側で確実に確認できる発信者証明情報送信方法を提供することが可能となる。
【0039】
なお、上述した実施例にかかる電話機の機能は、ハードウェアとして実現可能であるだけでなく、電話機に内蔵するコンピュータのソフトウェアとしても実現可能である。例えば、図1に示した電話番号入力手段12、音声入力手段14、使用者証明情報入力手段16、使用者認証手段18、発信者証明情報重畳手段20、符号化手段22、送信手段24、受信手段26、復号化手段28、音声出力手段30の機能をコンピュータに実行させるプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータのメモリに読み込ませて実行させれば、送信側電話機の機能を実現することができる。
【0040】
本発明の実施例にかかる電話機の機能を実現するプログラムは、電話機に内蔵するROMやRAM、あるいはハードディスク等の記録媒体のいずれに記憶されるものであってもよく、プログラム実行時には、プログラムはローディングされ、主メモリ上で実行される。
【0041】
(付記1)電話機において、
正当な使用者であることを示す使用者証明情報を入力するための使用者証明情報入力手段と、
前記使用者証明情報を認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するための使用者認証手段と、
正当な発信者であることを示す発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部と、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるための発信者証明情報重畳手段と、
を備え、
前記発信者証明情報重畳手段は、前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする電話機。
(付記2)付記1に記載した電話機であって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報重畳手段は、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする電話機。
(付記3)電話機において、
正当な発信者であることを示す発信者証明情報が重畳された音声信号から該発信者証明情報を抽出するための発信者証明情報抽出手段と、
前記発信者証明情報を認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部と、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するための発信者認証手段と、
を備えたことを特徴とする電話機。
(付記4)付記3に記載した電話機であって、
前記発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、
前記発信者認証手段は、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証することを特徴とする電話機。
(付記5)正当な使用者であることを認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、正当な発信者であることを示す発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部とを備えた電話機が実行する発信者証明情報送信方法であって、
使用者から正当な使用者であることを示す使用者証明情報の入力を受け付けるステップと、
前記使用者検証情報記憶部から前記使用者検証情報を読み出すステップと、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するステップと、
前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報記憶部から前記発信者証明情報を読み出すステップと、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報送信方法。
(付記6)付記5に記載した発信者証明情報送信方法であって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップにおいては、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする発信者証明情報送信方法。
(付記7)正当な発信者であることを認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部を備えた電話機が実行する発信者証明情報認証方法であって、
正当な発信者であることを示す発信者証明情報が重畳された音声信号から該発信者証明情報を抽出するステップと、
前記発信者検証情報記憶部から前記発信者検証情報を読み出すステップと、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報認証方法。
(付記8)付記7に記載した発信者証明情報認証方法であって、
前記発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するステップにおいては、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証することを特徴とする発信者証明情報認証方法。
(付記9)正当な使用者であることを認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、正当な発信者であることを示す発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部とを備え、電話機に内蔵されたコンピュータに発信者証明情報送信方法を実行させる発信者証明情報送信プログラムであって、前記発信者証明情報送信方法は、
使用者から正当な使用者であることを示す使用者証明情報の入力を受け付けるステップと、
前記使用者検証情報記憶部から前記使用者検証情報を読み出すステップと、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するステップと、
前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報記憶部から前記発信者証明情報を読み出すステップと、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報送信プログラム。
(付記10)付記9に記載した発信者証明情報送信プログラムであって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップにおいては、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする発信者証明情報送信プログラム。
(付記11)正当な発信者であることを認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部を備え、電話機に内蔵されたコンピュータに発信者証明情報認証方法を実行させる発信者証明情報認証プログラムであって、前記発信者証明情報認証方法は、
正当な発信者であることを示す発信者証明情報が重畳された音声信号から該発信者証明情報を抽出するステップと、
前記発信者検証情報記憶部から前記発信者検証情報を読み出すステップと、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報認証プログラム。
(付記12)付記11に記載した発信者証明情報認証プログラムであって、
前記発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するステップにおいては、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証することを特徴とする発信者証明情報認証プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例にかかる電話機のシステム構成を示す図
【図2】本発明の実施例にかかる発信側電話機における発信者情報重畳処理のフローチャート
【図3】本発明の実施例にかかる受信側電話機における発信者証明情報認証処理のフローチャート
【図4】発信者証明情報重畳処理の例を示す図
【図5】ノッチフィルタの周波数特性の例を示す図
【図6】音声スペクトルの例を示す図
【図7】ノッチフィルタ通過後の音声スペクトルの例を示す図
【図8】発信者証明情報の例を示す図
【図9】発信者証明情報を正弦波に変換する例を示す図
【図10】発信者証明情報が重畳された音声スペクトルの例を示す図
【図11】発信者証明情報の抽出処理の例を示す図
【図12】バンドパスフィルタの周波数特性の例を示す図
【符号の説明】
【0043】
1: 発信側電話機
2: 受信側電話機
12: 電話番号入力手段
14: 音声入力手段
16: 使用者証明情報入力手段
18: 使用者認証手段
20: 発信者証明情報重畳手段
22: 符号化手段
24: 送信手段
26: 受信手段
28: 復号化手段
30: 音声出力手段
32: 発信者証明情報記憶部
34: 使用者検証情報記憶部
42: 電話番号入力手段
44: 音声入力手段
46: 認証結果出力手段
48: 発信者認証手段
50: 発信者証明情報抽出手段
52: 符号化手段
54: 送信手段
56: 受信手段
58: 復号化手段
60: 音声出力手段
62: 発信者検証情報記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は電話機に係り、特に、発信者が本人であることを証明するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
受信者の家族と偽って電話をかけ、指定口座に現金を振り込ませる詐欺行為が頻出している。この被害を防止するために、発信者の確認を行う必要がある。発信者を確認する一つの方法は、電話サービス会社が提供している発信者番号通知サービスを利用する方法である。すなわち、特定の発信者番号を持つ電話機から発信されていることをもって、本人であると判断する方法である。また、発信者が発する音声に含まれる音声情報に基づいて話者の認証を行うことにより発信者を確認する技術も開発されている(たとえば特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−233595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発信者番号による確認は、厳密には発信者本人ではなく、電話機を確認しているに過ぎない、したがって、携帯電話機の盗用等によって、その電話機の所有者の家族に対して、本人でない第3者が発信した場合には、発信者が本人であるか第3者であるかを家族が区別することはできない。また、音声情報に基づく話者認証の精度には限界があり、特に電話を介した場合の音声認証の精度は低い。このため、認証基準を緩く設定すれば第3者を本人であると判断する恐れがあり、認証基準を厳しく設定すれば本人を本人でないと判断する恐れがある。
【0004】
本発明の目的は、発信者が本人であることを確実に証明できる発信者証明情報送信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる第1の電話機は、使用者証明情報を入力するための使用者証明情報入力手段と、使用者証明情報を認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、使用者検証情報に基づいて使用者証明情報を認証するための使用者認証手段と、発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部と、発信者証明情報を音声信号に重畳させるための発信者証明情報重畳手段とを備え、発信者証明情報重畳手段は、使用者証明情報の認証が成功したときに、発信者証明情報を音声信号に重畳させることを特徴とする。
【0006】
本発明にかかる第1の電話機の使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、発信者証明情報記憶部には複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、発信者証明情報重畳手段は、使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を音声信号に重畳させるようにしてもよい。
【0007】
本発明にかかる第2の電話機は、発信者証明情報が重畳された音声信号から発信者証明情報を抽出するための発信者証明情報抽出手段と、発信者証明情報を認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部と、発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証するための発信者認証手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明にかかる第2の電話機において、発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、発信者認証手段は、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発信側電話機において本人認証を行い、認証が成功したときにのみ、本人であることを示す発信者証明情報を受信側電話機に送信し、受信側電話機においては、受信した発信者証明情報を用いて発信者の認証を行うため、発信者が本人であることを受信側で確実に確認できる発信者証明情報送信方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて実施例を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施例にかかる電話機のシステム構成を示す図である。本実施例にかかる発信側電話機1は、発信先の電話番号を指定するための電話番号入力手段12と、音声を入力するための音声入力手段14と、発信側電話機1の使用者が発信側電話機1の正当な使用者であることを示す使用者証明情報を入力するための使用者証明情報入力手段16と、入力された使用者証明情報に基づいて正当な使用者か否かを認証するための使用者認証手段18と、正当な発信者であることを示す発信者証明情報を音声信号に重畳させるための発信者証明情報重畳手段20と、音声信号を符号化するための符号化手段22と、電話番号および符号化された音声信号を送信するための送信手段24と、符号化された音声信号を受信するための受信手段26と、受信した音声信号を復号化するための復号化手段28と、復号化された音声信号を出力するための音声出力手段30と、発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部32と、使用者証明情報を認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部34とを含む。
【0012】
本実施例にかかる受信側電話機2は、発信先の電話番号を指定するための電話番号入力手段42と、音声を入力するための音声入力手段44と、音声信号を符号化するための符号化手段52と、電話番号および符号化された音声信号を送信するための送信手段54と、符号化された音声信号を受信するための受信手段56と、受信した音声信号を復号化するための復号化手段58と、復号化された音声信号を出力するための音声出力手段60と、復号化された音声信号に重畳された発信者証明情報を抽出するための発信者証明情報抽出手段50と、抽出された発信者証明情報に基づいて正当な発信者か否かを認証するための発信者認証手段48と、認証結果を出力するための認証結果出力手段46と、発信者証明情報を認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部62とを含む。
【0013】
発信側電話機1の処理について説明する。ただし、通常の電話発信にかかる処理については周知であるため説明を割愛し、発信者証明情報の送信に関わる処理についてのみ説明する。
【0014】
図2は、本発明の実施例にかかる発信側電話機1における発信者証明情報重畳処理のフローチャートである。本実施例にかかる発信側電話機1における発信者証明情報重畳処理の流れを図2のステップS102からステップS112の順を追って説明する。
【0015】
(ステップS102)使用者証明情報入力手段16は、使用者からの使用者証明情報の入力を受け付ける。本実施例では、使用者証明情報として、たとえば4桁の数字で構成される暗証番号を用いるものとするが、これに限定するものではなく、使用者を特定できる情報であれば何でもよい。たとえば、指紋や人体の特定部位の静脈パタンなどの生体情報を使用者証明情報として用いてもよい。
【0016】
(ステップS104)使用者認証手段18は、使用者検証情報記憶部34から使用者検証情報を読み出す。使用者検証情報は、受信者ごとに異なる情報としてもよい。その場合、使用者証明情報は受信者の電話番号に対応付けられて使用者検証情報記憶部34に記憶され、使用者認証手段18は受信者の電話番号に対応する使用者検証情報を使用者検証情報記憶部34から読み出す。使用者検証情報が受信者ごとに異なる場合、使用者は、それらに対応して異なる使用者証明情報を入力する。暗証番号を使用者証明情報として用いるのであれば、受信者ごとに異なる暗証番号とする。生体情報を使用者証明情報として用いるのであれば、受信者ごとに異なる部位(たとえば異なる指など)の生体情報とする。
【0017】
(ステップS106)使用者認証手段18は、使用者検証情報に基づいて使用者証明情報を認証する。本実施例の説明では、使用者証明情報が使用者検証情報に一致すれば認証が成功したものとする。認証の方法はこれに限定するものではなく、使用者証明情報が使用者検証情報に基づく何らかの判定条件を満たせば認証が成功したものとしてよい。
【0018】
(ステップS108)使用者証明情報の認証が成功した場合(ステップS106:Yes)、発信者証明情報重畳手段20が発信者証明情報記憶部32から発信者証明情報を読み出す。本実施例では、発信者証明情報としてたとえば10桁の10進数を用いるものとするが、これに限定するものではなく、使用者を特定できる情報であれば何でもよい。発信者証明情報は、受信者ごとに異なる情報としてもよい。その場合、発信者証明情報は受信者の電話番号に対応付けられて発信者証明情報記憶部32に記憶され、発信者証明情報重畳手段20は受信者の電話番号に対応する発信者証明情報を発信者証明情報記憶部32から読み出す。本実施例では、使用者証明情報と発信者証明情報を異なるものと想定しているが、使用者証明情報を発信者証明情報として利用してもよい。
【0019】
ここまでのステップの処理は、通話が終了するまでの任意のタイミングで行ってよい。
【0020】
(ステップS110)発信者証明情報重畳手段20は、発信者証明情報を音声信号に重畳させる。本ステップの処理は通話開始以降に実行し、通話終了(ステップS112:Yes)まで繰り返す。音声信号はアナログでもデジタルでもよい。本実施例では音声信号が符号化されて送信されると想定しているが、これに限定するものではなく、符号化されなくてもよい。符号化される場合には、本ステップの処理は符号化される前の音声信号に対して行われる。
【0021】
図3は、本発明の実施例にかかる受信側電話機2における発信者証明情報認証処理のフローチャートである。本実施例にかかる受信側電話機2における発信者証明情報認証処理の流れを図3のステップS202からステップS208の順を追って説明する。
【0022】
(ステップS202)発信者証明情報抽出手段50は、受信した音声信号から発信者証明情報を抽出する。本ステップの処理は通話中に行われる。音声信号が符号化されて送信される場合には、本ステップの処理は復号化された後の音声信号に対して行われる。
【0023】
(ステップS204)発信者認証手段48は、発信者検証情報記憶部62から発信者検証情報を読み出す。発信者検証情報記憶部62には、複数の発信者の発信者検証情報が記録され得る。本実施例では、発信者検証情報は発信者番号に対応付けられて発信者検証情報記憶部62に記録されているものとする。また、発信者を特定するための氏名などの情報を発信者検証情報に対応付けて記憶してもよい。発信者認証手段48は、受信した通話の発信者番号に対応する発信者検証情報を発信者検証情報記憶部62から読み出す。受信者が指定した発信者の発信者検証情報を発信者検証情報記憶部62から読み出すようにしてもよい。発信者を特定せず、複数の発信者検証情報を読み出すようにしてもよい。
【0024】
(ステップS206)発信者認証手段48は、発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証する。本実施例の説明では、発信者証明情報が発信者検証情報に一致すれば認証が成功したものとする。認証の方法はこれに限定するものではなく、発信者証明情報が発信者検証情報に基づく何らかの判定条件を満たせば認証が成功したものとしてよい。複数の発信者検証情報が読み出されている場合には、それぞれの発信者検証情報に基づいて発信者証明情報を認証する。
【0025】
(ステップS208)認証結果出力手段46は、認証結果を出力する。出力の内容は如何様でもよいが、認証が成功した場合に、認証が成功した発信者検証情報に対応する発信者番号あるいは氏名などの、発信者を特定する情報を出力することが望ましい。
【0026】
以上のような構成をとることにより、発信側電話機1において本人認証を行い、認証が成功したときにのみ、本人であることを示す発信者証明情報を受信側電話機2に送信し、受信側電話機2においては、受信した発信者証明情報を用いて発信者の認証を行うことができるようになる。
【0027】
発信側電話機1における発信者証明情報の音声信号への重畳方法と受信側電話機2における発信者証明情報の音声信号からの抽出方法の例を説明する。
【0028】
図4は、発信者証明情報重畳処理の例を示す図である。発信側電話機1から受信側電話機2に送信すべき音声信号116はノッチフィルタ104に通され、特定の周波数成分が除去された音声信号118となる。
【0029】
図5は、ノッチフィルタ104の周波数特性の例を示す図である。図5の例に示されるノッチフィルタ104の中心周波数は3kHzである。すなわち、このノッチフィルタ104を適用した場合、音声信号116から3kHz近辺の周波数成分が除去される。ノッチフィルタ104の中心周波数は任意であるが、電話音声帯域である300Hzから3400Hzに設定することが望ましい。図5の例に示されるノッチフィルタ104の中心周波数における減衰量は60dBとしているが、これに限定するものではなく、ノッチフィルタ104の中心周波数における減衰量は任意である。また、ノッチフィルタ104の阻止帯域幅も任意である。
【0030】
図6は音声スペクトルの例を示す図である。図7はノッチフィルタ104通過後の音声スペクトルの例を示す図である。図7に示された例では、図5に示された周波数特性のノッチフィルタ104を適用することにより、図6に示された音声スペクトルを持つ音声信号から3kHz近辺の周波数成分が除去されている。
【0031】
本実施例では、発信者証明情報が正弦波として音声信号に重畳される。図4において、発信者証明情報112に基づいて正弦波生成器102が正弦波114を生成し、正弦波114が音声信号118に重畳される。
【0032】
図8は、発信者証明情報の例を示す図である。本実施例では、発信者証明情報を10桁の10進数と想定している。図8に示された例では“9684523701”が発信者証明情報である。この各桁を2進表現に展開する。これよって得られた40ビットの2進数が正弦波に変換され、音声信号に重畳される。
【0033】
図9は、発信者証明情報を正弦波に変換する例を示す図である。図9には、図8に示された発信者証明情報の2進展開データの最初の8ビットが示されている。図8に示された40ビットの2進数は、矩形波202として正弦波生成器102に入力される。正弦波生成器102は、矩形波202が1のときだけ、あらかじめ定められた周波数の正弦波204を出力する。正弦波204の周波数はノッチフィルタ104の中心周波数に合わせておく。矩形波のパルス幅206は任意であるが、たとえば20msとすると、40ビットの2進数を送信するために800msを要することになる。実際にはさらに発信者証明情報の始まりを示す信号を付加する。たとえば、図8に示す2進展開の場合、10進数がどのような数であっても、2進展開符号において、“1”が5個以上連続することはない。そこで、たとえば40ビットの2進数の前に“11111111”が付加されて48ビットとされ、これが正弦波に変換される。
【0034】
図10は、発信者証明情報が重畳された音声スペクトルの例を示す図である。ノッチフィルタの中心周波数に等しい3kHzの周波数の正弦波が重畳されるため、図10に示された例では、3kHzの線スペクトルが現れている。
【0035】
図11は、発信者証明情報の抽出処理の例を示す図である。受信側電話機2によって受信された音声信号142は、バンドパスフィルタ132に通される。
【0036】
図12は、バンドパスフィルタ132の周波数特性の例を示す図である。図5に示されたノッチフィルタの中心周波数である3kHz付近の周波数成分のみを通す周波数特性になっている。このバンドパスフィルタ132に通されることによって、音声信号142が図9の正弦波204に近い音声信号144となる。
【0037】
音声信号144は、平滑化されたあと、あらかじめ定められた閾値と比較されることによって矩形波146となる。発信者証明情報抽出手段50は、矩形波146のパルス長が100ms(20ms×5ビット)を超えるパルスを検出すると、そのパルスの終了時点から発信者証明情報が始まると解釈し、引き続く矩形波146を2進数に変換し、変換された2進数をさらに4ビットごとに10進数に変換する。この結果、10進10桁の発信者証明情報が再現される。
【0038】
上述のように、本発明によれば、発信側電話機において本人認証を行い、認証が成功したときにのみ、本人であることを示す発信者証明情報を受信側電話機に送信し、受信側電話機においては、受信した発信者証明情報を用いて発信者の認証を行うため、発信者が本人であることを受信側で確実に確認できる発信者証明情報送信方法を提供することが可能となる。
【0039】
なお、上述した実施例にかかる電話機の機能は、ハードウェアとして実現可能であるだけでなく、電話機に内蔵するコンピュータのソフトウェアとしても実現可能である。例えば、図1に示した電話番号入力手段12、音声入力手段14、使用者証明情報入力手段16、使用者認証手段18、発信者証明情報重畳手段20、符号化手段22、送信手段24、受信手段26、復号化手段28、音声出力手段30の機能をコンピュータに実行させるプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータのメモリに読み込ませて実行させれば、送信側電話機の機能を実現することができる。
【0040】
本発明の実施例にかかる電話機の機能を実現するプログラムは、電話機に内蔵するROMやRAM、あるいはハードディスク等の記録媒体のいずれに記憶されるものであってもよく、プログラム実行時には、プログラムはローディングされ、主メモリ上で実行される。
【0041】
(付記1)電話機において、
正当な使用者であることを示す使用者証明情報を入力するための使用者証明情報入力手段と、
前記使用者証明情報を認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するための使用者認証手段と、
正当な発信者であることを示す発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部と、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるための発信者証明情報重畳手段と、
を備え、
前記発信者証明情報重畳手段は、前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする電話機。
(付記2)付記1に記載した電話機であって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報重畳手段は、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする電話機。
(付記3)電話機において、
正当な発信者であることを示す発信者証明情報が重畳された音声信号から該発信者証明情報を抽出するための発信者証明情報抽出手段と、
前記発信者証明情報を認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部と、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するための発信者認証手段と、
を備えたことを特徴とする電話機。
(付記4)付記3に記載した電話機であって、
前記発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、
前記発信者認証手段は、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証することを特徴とする電話機。
(付記5)正当な使用者であることを認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、正当な発信者であることを示す発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部とを備えた電話機が実行する発信者証明情報送信方法であって、
使用者から正当な使用者であることを示す使用者証明情報の入力を受け付けるステップと、
前記使用者検証情報記憶部から前記使用者検証情報を読み出すステップと、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するステップと、
前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報記憶部から前記発信者証明情報を読み出すステップと、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報送信方法。
(付記6)付記5に記載した発信者証明情報送信方法であって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップにおいては、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする発信者証明情報送信方法。
(付記7)正当な発信者であることを認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部を備えた電話機が実行する発信者証明情報認証方法であって、
正当な発信者であることを示す発信者証明情報が重畳された音声信号から該発信者証明情報を抽出するステップと、
前記発信者検証情報記憶部から前記発信者検証情報を読み出すステップと、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報認証方法。
(付記8)付記7に記載した発信者証明情報認証方法であって、
前記発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するステップにおいては、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証することを特徴とする発信者証明情報認証方法。
(付記9)正当な使用者であることを認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、正当な発信者であることを示す発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部とを備え、電話機に内蔵されたコンピュータに発信者証明情報送信方法を実行させる発信者証明情報送信プログラムであって、前記発信者証明情報送信方法は、
使用者から正当な使用者であることを示す使用者証明情報の入力を受け付けるステップと、
前記使用者検証情報記憶部から前記使用者検証情報を読み出すステップと、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するステップと、
前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報記憶部から前記発信者証明情報を読み出すステップと、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報送信プログラム。
(付記10)付記9に記載した発信者証明情報送信プログラムであって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップにおいては、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする発信者証明情報送信プログラム。
(付記11)正当な発信者であることを認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部を備え、電話機に内蔵されたコンピュータに発信者証明情報認証方法を実行させる発信者証明情報認証プログラムであって、前記発信者証明情報認証方法は、
正当な発信者であることを示す発信者証明情報が重畳された音声信号から該発信者証明情報を抽出するステップと、
前記発信者検証情報記憶部から前記発信者検証情報を読み出すステップと、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報認証プログラム。
(付記12)付記11に記載した発信者証明情報認証プログラムであって、
前記発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するステップにおいては、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証することを特徴とする発信者証明情報認証プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例にかかる電話機のシステム構成を示す図
【図2】本発明の実施例にかかる発信側電話機における発信者情報重畳処理のフローチャート
【図3】本発明の実施例にかかる受信側電話機における発信者証明情報認証処理のフローチャート
【図4】発信者証明情報重畳処理の例を示す図
【図5】ノッチフィルタの周波数特性の例を示す図
【図6】音声スペクトルの例を示す図
【図7】ノッチフィルタ通過後の音声スペクトルの例を示す図
【図8】発信者証明情報の例を示す図
【図9】発信者証明情報を正弦波に変換する例を示す図
【図10】発信者証明情報が重畳された音声スペクトルの例を示す図
【図11】発信者証明情報の抽出処理の例を示す図
【図12】バンドパスフィルタの周波数特性の例を示す図
【符号の説明】
【0043】
1: 発信側電話機
2: 受信側電話機
12: 電話番号入力手段
14: 音声入力手段
16: 使用者証明情報入力手段
18: 使用者認証手段
20: 発信者証明情報重畳手段
22: 符号化手段
24: 送信手段
26: 受信手段
28: 復号化手段
30: 音声出力手段
32: 発信者証明情報記憶部
34: 使用者検証情報記憶部
42: 電話番号入力手段
44: 音声入力手段
46: 認証結果出力手段
48: 発信者認証手段
50: 発信者証明情報抽出手段
52: 符号化手段
54: 送信手段
56: 受信手段
58: 復号化手段
60: 音声出力手段
62: 発信者検証情報記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話機において、
使用者証明情報を入力するための使用者証明情報入力手段と、
前記使用者証明情報を認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するための使用者認証手段と、
発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部と、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるための発信者証明情報重畳手段と、
を備え、
前記発信者証明情報重畳手段は、前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする電話機。
【請求項2】
請求項1に記載した電話機であって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報重畳手段は、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする電話機。
【請求項3】
電話機において、
発信者証明情報が重畳された音声信号から該発信者証明情報を抽出するための発信者証明情報抽出手段と、
前記発信者証明情報を認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部と、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するための発信者認証手段と、
を備えたことを特徴とする電話機。
【請求項4】
請求項3に記載した電話機であって、
前記発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、
前記発信者認証手段は、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証することを特徴とする電話機。
【請求項5】
使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部とを備えた電話機が実行する発信者証明情報送信方法であって、
使用者から使用者証明情報の入力を受け付けるステップと、
前記使用者検証情報記憶部から前記使用者検証情報を読み出すステップと、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するステップと、
前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報記憶部から前記発信者証明情報を読み出すステップと、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報送信方法。
【請求項6】
請求項5に記載した発信者証明情報送信方法であって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップにおいては、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする発信者証明情報送信方法。
【請求項7】
使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部とを備え、電話機に内蔵されたコンピュータに発信者証明情報送信方法を実行させる発信者証明情報送信プログラムであって、前記発信者証明情報送信方法は、
使用者から使用者証明情報の入力を受け付けるステップと、
前記使用者検証情報記憶部から前記使用者検証情報を読み出すステップと、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するステップと、
前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報記憶部から前記発信者証明情報を読み出すステップと、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報送信プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載した発信者証明情報送信プログラムであって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップにおいては、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする発信者証明情報送信プログラム。
【請求項1】
電話機において、
使用者証明情報を入力するための使用者証明情報入力手段と、
前記使用者証明情報を認証する際に用いる使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するための使用者認証手段と、
発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部と、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるための発信者証明情報重畳手段と、
を備え、
前記発信者証明情報重畳手段は、前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする電話機。
【請求項2】
請求項1に記載した電話機であって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報重畳手段は、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする電話機。
【請求項3】
電話機において、
発信者証明情報が重畳された音声信号から該発信者証明情報を抽出するための発信者証明情報抽出手段と、
前記発信者証明情報を認証する際に用いる発信者検証情報を記憶しておくための発信者検証情報記憶部と、
前記発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証するための発信者認証手段と、
を備えたことを特徴とする電話機。
【請求項4】
請求項3に記載した電話機であって、
前記発信者検証情報は電話番号に対応付けられており、
前記発信者認証手段は、発信された電話機を特定する発信者番号に等しい電話番号に対応付けられた発信者検証情報に基づいて前記発信者証明情報を認証することを特徴とする電話機。
【請求項5】
使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部とを備えた電話機が実行する発信者証明情報送信方法であって、
使用者から使用者証明情報の入力を受け付けるステップと、
前記使用者検証情報記憶部から前記使用者検証情報を読み出すステップと、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するステップと、
前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報記憶部から前記発信者証明情報を読み出すステップと、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報送信方法。
【請求項6】
請求項5に記載した発信者証明情報送信方法であって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップにおいては、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする発信者証明情報送信方法。
【請求項7】
使用者検証情報を記憶しておくための使用者検証情報記憶部と、発信者証明情報を記憶しておくための発信者証明情報記憶部とを備え、電話機に内蔵されたコンピュータに発信者証明情報送信方法を実行させる発信者証明情報送信プログラムであって、前記発信者証明情報送信方法は、
使用者から使用者証明情報の入力を受け付けるステップと、
前記使用者検証情報記憶部から前記使用者検証情報を読み出すステップと、
前記使用者検証情報に基づいて前記使用者証明情報を認証するステップと、
前記使用者証明情報の認証が成功したときに、前記発信者証明情報記憶部から前記発信者証明情報を読み出すステップと、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップと、
を備えたことを特徴とする発信者証明情報送信プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載した発信者証明情報送信プログラムであって、
前記使用者検証情報記憶部には複数の使用者検証情報が記憶され、
前記発信者証明情報記憶部には前記複数の使用者検証情報のそれぞれに対応する発信者証明情報が記憶され、
前記発信者証明情報を音声信号に重畳させるステップにおいては、前記使用者証明情報の認証が成功した際に用いられた使用者検証情報に対応する発信者証明情報を前記音声信号に重畳させることを特徴とする発信者証明情報送信プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−205879(P2008−205879A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40307(P2007−40307)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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