電話機及び電話システム
【課題】 電話機に着呼があったときに、当該電話機自体が近くに通話対象者(電話をとるべき人)がいるか否かの確認を簡単な構成により行うことができるようにする。
【解決手段】 電話システム3は、電話機1と、通話対象者が携帯するタグ2とを備えており、前記電話機1には、前記タグ2と通信可能なリーダ6が設けられている。この電話機1の電話制御部5aは、当該電話機1に着呼があったときに前記リーダ6に前記タグ2との通信を実行させて前記タグ2が当該電話機1近傍に存在するか否かを検知する制御を行ない、さらに、タグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う。
【解決手段】 電話システム3は、電話機1と、通話対象者が携帯するタグ2とを備えており、前記電話機1には、前記タグ2と通信可能なリーダ6が設けられている。この電話機1の電話制御部5aは、当該電話機1に着呼があったときに前記リーダ6に前記タグ2との通信を実行させて前記タグ2が当該電話機1近傍に存在するか否かを検知する制御を行ない、さらに、タグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話対象者の存在を確認する電話機及び電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話機に着呼があったとき、電話をとるべき人がその電話機の近くにいない場合には、着呼ベルが鳴り続ける不都合があった。また電話をかけた側(発呼元)においては、電話をとる人が居るのか居ないのか判らず、いつまでも待たされることがあった。なお、靴底にタグを設け、リーダを、複数の部屋のフロアーマットに設け、前記靴を履いたユーザーがそのフロアーマット上を歩くことによって、ユーザーの所在を監視し、その所在近くの電話機に電話を転送する技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平6−139490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この特許文献1に記載された技術では、ユーザーの所在監視システムの構成が極めて大掛かりであった。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電話機に着呼があったときに、当該電話機自体が近くに通話対象者(電話をとるべき人)がいるか否かの確認を簡単な構成により行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明の電話機は、通話対象者が携帯するタグと通信可能なリーダと、着呼があったときに前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが近傍に存在するか否かを検知するタグ存在検知手段と、このタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う存在無し対応処理手段とを備えている。
【0005】
この請求項1の電話機によれば、着呼があったときには、タグ存在検知手段が、リーダに通話対象者が携帯するタグと通信を実行させて、近傍に該タグが存在するか否かを検知する。これにより、大掛かりな構成とすることなく、通話対象者が当該電話機自身の近傍に居るか否かを電話機自身にて検知することができる。そして、存在無し対応処理手段が、タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行うから、通話対象者が当該電話機自身の近傍に居ないことに応じた処理が可能となる。
【0006】
この場合、前記存在無し対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者存在無しの通知を行う処理としても良く(請求項2の発明)、このようにすれば、通話対象者が当該電話機自身近傍に居ないことを発呼元(電話をかけた側)に知らせることができ、便利である。
【0007】
また、前記タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う存在有り対応処理手段を備えても良く(請求項3の発明)、このようにすると、通話対象者が居ることに応じた種々の処理が可能となる。この場合、前記存在有り対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者存在有りの通知を行う処理であっても良く(請求項4の発明)、このようにすると、発呼元に、通話対象者が居ることを知らせることができて、便利である。
【0008】
また、前記タグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが近傍に存在するか否かを検知するようにしても良い(請求項5の発明)。通常、着呼があると、通話対象者が当該電話機自身の近くに居るとすぐに電話をとって通話開始となることが多い。このようなことを考慮すると、タグ存在検知手段による検知動作は着呼後すぐに行わなくても支障がないことが多い。この点に着目した請求項5の発明によれば、着呼があってから通話開始が所定時間以上無いことを条件にタグ存在検知手段が検知動作をするから、必要時期にタグ存在検知手段の検知動作を開始できる。
【0009】
また、請求項6の発明の電話システムは、複数の電話機と、通話対象者が携帯するタグとを備えた電話システムであって、前記複数の電話機には、外部から着呼を受ける第1の電話機と、この第1の電話機と通信手段を介して通信可能な第2の電話機とが含まれ、前記第1の電話機には、前記タグと通信可能な第1のリーダと、当該第1の電話機に着呼があったときに前記第1のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知する第1のタグ存在検知手段と、前記第1のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに前記第2の電話機に前記通信手段を介してタグ存在問い合わせを送信するタグ存在問い合わせ手段と、前記第2の電話機が応答したタグ存在検知結果に応じた処理を行う応答結果対応処理手段とを設け、前記第2の電話機には、前記タグと通信可能な第2のリーダと、前記第1の電話機からタグ存在問い合わせを受信したときに前記第2のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該第2の電話機近傍に存在するか否かを検知する第2のタグ存在検知手段と、この第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果を前記第1の電話機に前記通信手段を介して応答する応答制御手段とを設けたところに特徴を有する。
【0010】
この請求項6の発明の電話システムにおいては、第1の電話機に着呼があったときには、当該第1の電話機の第1のタグ存在検知手段が、リーダに通話対象者が携帯するタグと通信を実行させて、近傍に該タグが存在するか否かを検知する。これにより、大掛かりな構成とすることなく、通話対象者が当該第1の電話機自身の近傍に居るか否かを電話機自身にて検知することができる。そして、当該第1の電話機自身において通話対象者を検知しないとき(存在無しのとき)には、タグ問い合わせ手段が、第2の電話機にタグ存在問い合わせをさせる。
【0011】
そして、当該第2の電話機は上記タグ存在取り合わせを受けると、当該電話機の第2のタグ存在検知手段が、近傍に該タグが存在するか、つまり通話対象者が存在するかを検知する。従って、第1の電話機において通話対象者がいないことが検知されると、第2の電話機が通話対象者の存在検知を行なう。これによって、通話対象者の存在検知範囲を広域化できる。そして、前記第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果(通話対象者存在検知結果)は応答制御手段により第1の電話機に与えられ、この結果を受けた第1の電話機では、応答結果対応処理手段がそのタグ存在検知結果に応じた処理を行なうから、通話対象者の存在有り・無しに応じた処理が可能となる。
【0012】
この場合、前記応答制御手段が行う処理は、前記第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しのときには発呼元に通話対象者存在無しの通知を行い、当該第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときには発呼元に通話対象者存在有りの通知を行うことでも良い(請求項7の発明)。このようにすると、第1の電話機に発呼した発呼元(発呼者)に対して通話対象者の有無を知らせることができて、便利である。
【0013】
また、前記第1のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う第1の存在有り対応処理手段を備える構成としても良く(請求項8の発明)、このようにすると、第1の電話機において通話対象者が居ることに応じた種々の処理が可能となる。この場合、前記第1の存在有り対応処理手段が行う処理は、前記第1の電話機への着呼を継続することを行う処理であっても良く(請求項9の発明)、この場合、当該第1の電話機の近くに居る通話対象者に対して、その着呼継続により電話に出ることを促すことができる。
【0014】
またこの場合も、第1のタグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記第1のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが第1の電話機近傍に存在するか否かを検知するようにしても良い(請求項10の発明)。
【0015】
また、第2の電話機を複数設け、第1の電話機におけるタグ存在問い合わせ手段が、前記複数の第2の電話機に対するタグ存在問い合わせを、予め設定された優先順位に従って行うようにしても良い(請求項11の発明)。このようにすると、例えば通話対象者が電話をとる頻度の高い優先順位としておけば、第1の電話機の近傍に通話対象者が居ないような場合に、複数の第2の電話機に対して、電話をとる確率の高い順にタグ問い合わせを行なうことができる。
【0016】
また、第2の電話機を複数設け、且つ、タグを複数の通話対象者が携帯するように設け、第1の電話機におけるタグ存在問い合わせ手段を、前記複数のタグに対して優先順位が設定し、且つ前記複数のタグごとに、前記複数の第2の電話機に対してタグ存在問い合わせの優先順位を設定し、タグ存在問い合わせを、優先順位の高いタグから順に、該当する第2の電話機の優先順位に従って行うようにしても良い(請求項12の発明)。このようにすると、優先順位の高い通話対象者と優先順位の高い第2の電話機とを加味してタグ問い合わせができる。例えば、第1の電話機がほぼ特定の通話対象者専用であって別の通話対象者もその第1の電話機を使うような場合で、そして、複数の第2の電話機について、その特定通話対象者が電話に出る確率が異なるような場合に、第1の電話機において通話対象者が居ないことが検知されたときに、第1の電話機からの第2の電話機へのタグ問い合わせを、特定通話対象者が携帯するタグ(仮に優先順位1位)について、優先順位の高いほうの第2の電話機から行い、次に別の通話対象者が携帯するタグ(優先順位が2位)について、別に設定された優先順位の高いほうの第2の電話機から行なうようにすることも可能であり、第1の電話機の近くに通話対象者が居ないような場合に、複数の通話対象者の存在を複数の第2の電話機に対して効率的に検知することが可能となる。
【0017】
また、電話システムは、一つの電話機と、通話対象者が携帯するタグとを備えたものでも良く、この場合、前記電話機には、前記タグと通信可能なリーダと、当該電話機に着呼があったときに前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知するタグ存在検知手段と、このタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う存在無し対応処理手段とを設ける構成としても良い(請求項13の発明)。
【0018】
この場合、前記存在無し対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者無しの通知を行う処理としても良い(請求項14の発明)。また、前記タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う存在有り対応処理手段を備える構成としても良い(請求項15の発明)。また、前記存在有り対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者有りの通知を行う処理であっても良い(請求項16の発明)。また、タグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知するようにしても良い(請求項17の発明)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1の実施例について図1ないし図3を参照して説明する。図1には、電話機1が1台でタグ2が一つの場合の電話システム3を示している。電話機1は図2にも示すように例えば携帯電話機からなる。またタグ2は通話対象者Mが携帯するものであり、名札4に組み込まれている。なお、本発明では、リーダと非接触通信可能なICカードもタグに含むものとする。
【0020】
前記電話機1は、電話部5と、リーダ6とを備えて構成されている。電話部5は、電話制御部5aと、記憶部5bと、電話無線部5cとを有して構成されている。電話制御部5aは、CPUや、ROM、RAMを備えて構成されており、発呼元から電話基地局を介して電話無線部5cに着呼があると、図示しない報知手段(音出力手段や、表示手段或いはバイブレータなどを含む)に報知動作(呼出処理)をさせると共に、リーダ6を制御する。そして、この電話制御部5aは、タグ存在検知手段及び存在無し対応処理手段並びに存在有り対応処理手段に相当する。前記記憶部5bには、個人電話番号や固有ID情報などの各種データが記憶されている。
【0021】
リーダ6は、リーダ制御部6aとリーダ通信部6bとを有して構成されている。このリーダ6は前記タグ2と非接触通信して該タグ2の固有IDを読み込むものである。また、前記タグ2はタグ制御部2aとタグ通信部2bとを有して構成されている。このタグ2はRFIDタグから構成され、固有IDを有しており、前記リーダ6から問い合わせの通信(通信用信号及び電力供給信号の通信)があると、電力を生成して動作し、その固有ID情報を返信するようになっている。
【0022】
さて、前記電話制御部5aの制御内容(タグ存在検知手段及び存在無し対応処理手段並びに存在有り対応処理手段としての機能も含む)について、図3のフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、電話機1に着呼が有ったときにスタートする。着呼があると、前述した呼出処理を実行し(ステップP1)、通話対象者Mが通話開始ボタンをオンするといった通話開始トリガがあると(ステップP2の「YES」)、発呼元(電話をかけた側)に電話をつないで、通話制御を行なう(ステップP3)。この通話制御は周知のように、自身電話機1や発呼元が通話停止動作(通話停止ボタンオン或いは受話器を置く)をすることにより、終了する。
【0023】
ステップP2で通話開始トリガがないままに所定時間が経過すると(ステップP4の「YES」)、リーダ6にタグ2との通信をさせて該タグ2が近傍に存在するか否かを検知する(タグ存在検知手段)。そして、ステップP6で、タグ2が電話機1の近傍にないときには(タグ2からの応答がないときには)、タグ存在無しに応じた存在無し対応処理(ステップP7)を実行する。この場合、発呼元に通話対象者無しの通知を電話基地局を介して行なう。
【0024】
また、前述のステップP5のタグ存在検知において、タグ2と通信が確認されそして固有IDが認証されると、前述のステップP6でタグ有りと判断される(ステップP6の「YES」)。すると、ステップP8でタグ有りに応じた存在有り対応処理を実行する。この場合、発呼元に、通話対象者存在有りの通知を行なう。この後通話開始トリガがあると(ステップP9)、通話制御を行なう(ステップP10)。
【0025】
このように本実施例によれば、電話機1に、着呼があったときには、当該電話機1における電話制御部5aが、リーダ6に通話対象者が携帯するタグ2と通信を実行させて、近傍に該タグ2が存在するか否かを検知する。これにより、大掛かりな構成とすることなく、通話対象者が当該電話機1自身の近傍に居るか否かを電話機1自身にて検知することができる。そして、タグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行うから、通話対象者が当該電話機1自身の近傍に居ないことに応じた処理が可能となる。
【0026】
この場合、本実施例によれば、前記存在無し応処理は、発呼元に通話対象者存在無しの通知を行う処理としたから、通話対象者が当該電話機1自身近傍に居ないことを発呼元に知らせることができ、便利である。
【0027】
また、本実施例では、前記タグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行うようにしたから、通話対象者が居ることに応じた種々の処理が可能となる。この場合、前記存在有り対応処理は、発呼元に通話対象者存在有りの通知を行う処理であるから、発呼元に、通話対象者が居ることを知らせることができて、便利である。
【0028】
また、本実施例によれば、着呼があった後、通話開始トリガ(通話開始)が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダ6に前記タグ2との通信を実行させて前記タグ2が近傍に存在するか否かを検知するようにしたから、必要時期にタグ存在検知手段の検知動作を開始できる。
【0029】
図4は本発明の第2の実施例を示しており、次の二つの点が第1の実施例と異なる。まず第1点目は、呼出処理(ステップQ1)の後、直ちにタグ存在検知を開始し(ステップQ2)、所定時間を経過してもタグ2の存在が検知されないとき(ステップQ3、ステップQ4)には、存在無し対応処理(ステップQ5)を行なうようにしたことである。これにより、通話対象者が電話機1の近くに居るときには、直ちに存在有り対応処理を実行できる。また、第2点目は、存在有りが判断され且つ存在有り対応処理がなされても(ステップQ3及びステップQ6)、所定時間を待って通話開始トリガが無いときには(ステップQ7、ステップQ8)、存在無し対応処理(ステップQ9)を行なうことである。これにより、通話対象者が近くに居ても出られないような場合に、ステップQ9の存在無し対応処理により発呼元に不在通知を出すことが可能となり、便利となる。
【0030】
次に図5ないし図8は本発明の第3の実施例を示しており、この第3の実施例の電話システム11は、第1の実施例における電話機1及びタグ2の他に、別の電話機12を備えた構成であり、この電話機12はリーダを備えていない。この第3の実施例において電話機1の制御内容(図7参照)は、第1の実施例における制御内容(図3参照)とはステップP7´が異なる。すなわち、第1の実施例では、タグ2の存在無しが検知されると、存在無し対応処理として発呼元に不在通知を行なうものであったが、この第3の実施例では、電話機1には、転送先として前記別の電話機12が予め登録されており、前記別の電話機12に着呼を転送するようにしている。そして、この別の電話機12では、図8に示すように、転送が有ると、呼出処理を行い(ステップR1)、所定時間が経過する間に通話開始トリガが有れば(ステップR2、ステップR3)、通話制御を実行し(ステップR5)、通話開始トリガが無ければ、不在処理(ステップR4)を実行する。この不在処理は、例えば発呼元に通話対象者存在無しを通知する。この第3の実施例によれば、電話機1において通話対象者存在無しが検知されると、別の電話機12に着呼を転送でき、便利である。
【0031】
図9は本発明の第4の実施例を示しており、この第4の実施例に示す電話システム21は、第1の電話機22と、第2の電話機23と、タグ2とを備えている。第1の電話機22は、外部から着呼を受けるものとして使用されており、第2の電話機23は、この第1の電話機22と通信手段たる電話無線部26c、24cを介して通信可能である。前記第1の電話機22は、電話部24と、前記タグ2と通信可能な第1のリーダ25とを備えている。電話部24は電話制御部24a、記憶部24b及び電話通信部24c(第1の実施例の電話制御部5a、記憶部5b及び電話通信部5cとほぼ同じ機能)を備え、但し、電話制御部24aの制御内容は前記電話制御部5aと若干異なる。第1のリーダ25は、リーダ制御部25a及びリーダ通信部25b(前記第1の実施例のリーダ制御部6a及びリーダ通信部6bと同じ機能)を備えている。
【0032】
第2の電話機23は、電話部26と、前記タグ2と通信可能な第2のリーダ27とを備えている。電話部26は電話制御部26a、記憶部26b及び電話通信部26c(前記第1の電話機22の電話制御部24a、記憶部24b及び電話通信部24cとほぼ同じ機能)を備え、但し、電話制御部26aの制御内容は前記電話制御部24aと若干異なる。第2のリーダ27は、リーダ制御部27a及びリーダ通信部27b(前記第1の実施例のリーダ制御部6a及びリーダ通信部6bと同じ機能)を備えている。
【0033】
第1の電話機22の電話制御部24aは、第1のタグ存在検知手段、タグ存在問い合わせ手段、応答結果対応処理手段及び第1の存在有り対応処理手段として機能するものであり、また、第2の電話機23の電話制御部26aは、第2のタグ存在検知手段及び応答制御手段として機能するものであり、これら電話制御部24a及び26aの制御内容について図11及び図12を参照して説明する。
【0034】
図11には第1の電話機22の電話制御部24aの制御内容を示し、図12には第2の電話機23の電話制御部26aの制御内容を示している。まず第1の電話機22に図示しない他の電話機から着呼があると、図11に示すように、呼出処理を実行し(ステップS1)、通話開始トリガがあると(ステップS2の「YES」)、発呼元(電話をかけた側)に電話をつないで、通話制御を行なう(ステップS3)。
【0035】
ステップS2で通話開始トリガがないままに所定時間が経過すると(ステップS4の「YES」)、ステップS5で、第1のリーダ25にタグ2との通信をさせて該タグ2が近傍に存在するか否かを検知する(第1のタグ存在検知手段)。そして、ステップS6で、タグ2が電話機1の近傍にないときには(タグ2からの応答がないときには)、ステップS7で前記第2の電話機23にタグ存在問い合わせを送信する(タグ存在問い合わせ手段)。そして、ステップS8で第2の電話機23からの応答を待つ。
【0036】
ここで、第2の電話機23は第1の電話機22側から、上述のタグ取り合わせがあると、第2の電話機23においては、図12のフローチャート(詳細については後述する)のステップT3(存在無し通知)あるいはステップT4(存在有り通知)を応答する。
【0037】
そして、この応答があると(ステップS8で判断)、この応答結果(ステップS9で判断)に基づいて、ステップS10、ステップS11でこの応答結果対応処理を実行する(応答結果対応処理手段)。この応答結果対応処理は、第2の電話機23からの応答結果がタグ有りのときにはステップS10で着呼を第2の電話機23に転送することを行ない、タグ無しのときには、ステップS11で、適宜の不在処理を行なう。
【0038】
前記ステップS6でタグ有りが判断されると、着呼を継続し、この場合呼出処理を継続し(第1の存在有り対応処理手段)(ステップS12)、通話開始トリガがあると(ステップS13)、前述の通話制御を行なう(ステップS3)。
【0039】
前記ステップS7で前記第2の電話機23にタグ存在問い合わせが送信されると、第2の電話機23がその問い合わせを受けて電話制御部26aが図12のフローチャートを実行する。ステップT1で第2のリーダ27にタグ2との通信をさせて該タグ2が近傍に存在するか否かを検知する(第2のタグ存在検知手段)。そして、ステップT2で、タグ2が電話機1の近傍にないときには(タグ2からの応答がないときには)、ステップT3でこのタグ存在検知結果を前記第1の電話機22に応答し(応答制御手段)、またタグ2が電話機1の近傍にあるときにはステップT4でこのタグ存在検知結果を第1の電話機22に応答する(応答制御手段)。
【0040】
このステップT4の後は、ステップT5第1の電話機22からの着呼の転送(図11のステップS10)を待ち、転送が有ると、呼出処理を行い(ステップT6)、通話開始トリガがあると(ステップT7)、通話制御を行なう(ステップT8)。
【0041】
この第4の実施例によれば、第1の電話機22に着呼があったときには、当該第1の電話機22において、近傍にタグ2が存在するか否かを検知する。これにより、大掛かりな構成とすることなく、通話対象者が当該第1の電話機22自身の近傍に居るか否かを電話機自身にて検知することができる。そして、当該第1の電話機22において通話対象者がいないことが検知されると、第2の電話機23が通話対象者の存在検知を行なう構成としたから、通話対象者の存在検知範囲を広域化できる。また、第2の電話機23でのタグ存在検知結果(通話対象者存在検知結果)は該第1の電話機22に与えられ、この結果を受けた第1の電話機22では、そのタグ存在検知結果に応じた処理を行なうから、通話対象者の存在有り・無しに応じた処理が可能となる。
【0042】
この場合、タグの存在有り対応処理として、第1の電話機22への着呼を継続(呼出処理継続)することを行うから、当該第1の電話機22の近くに居る通話対象者に対して、その着呼継続により電話に出ることを促すことができる。
【0043】
なお、この第4の実施例において、応答制御処理である前記ステップT3では、応答内容として発呼元に通話対象者存在無しの通知を行い、同じく応答制御処理であるステップT4では応答内容として発呼元に通話対象者存在有りの通知を行うようにしても良い。このようにすると、第1の電話機22に発呼した発呼元(発呼者)に対して第2の電話機23により通話対象者の有無を知らせることができて、便利である。
【0044】
図13ないし図18は本発明の第5の実施例を示しており、この第5の実施例では、第2の電話機を複数備え、又タグも複数備えた電話システム31である点が第4の実施例と異なる。この電話システム31では、第1の電話機22に対して複数この場合2台の第2の電話機23Aと、第2の電話機23Bとが設けられ、そしてタグとしてタグ2A、2Bが設けられている。タグ2Aは、第1の電話機22を主に使用する通話対象者M1が携帯し、別のタグ2Bは、別の通話対象者M2が携帯している。前記第4の実施例と異なる部分につき説明する。図15は第1の電話機22の電話制御部24aの制御内容のフローチャートを示している。図16は第2の電話機23A及び23Bの電話部26の制御内容のフローチャートを示している。図15のフローチャートにおいて、ステップU6では、タグ2Aの存在を検知し、タグA有りが検知されると、ステップU14、ステップU15、ステップU3(第4の実施例のステップS12、ステップS13、ステップS3と同じ内容である)を実行する。ステップU7にてタグAの存在有りが検知されない場合(ステップU7「NO」)、タグ2A、2Bの優先順位及び電話機23A、23Bの優先順位に従ってタグ問い合わせを行なう(ステップU8)。
【0045】
この優先順位は、第1の電話機22に図17に示す順位で設定されている。ずなわち、優先順位「1」はタグ2Aの存在を一方の第2の電話機23Aに問い合わせる、優先順位「2」はタグ2Aの存在を他方の第2の電話機23Bに問い合わせる、優先順位「3」はタグ2Bの存在を他方の第2の電話機23Bに問い合わせる、優先順位「4」はタグ2Bの存在を一方の第2の電話機23Aに問い合わせる、というものである。この優先順位はタグ2A(一方の通話対象者M1)における使用頻度の高い電話機を考慮し、また、タグ2B(他方の通話対象者M2)における使用頻度の高い電話機を考慮して設定すると良い。
【0046】
ステップU9では優先順位で問い合わせられた第2の電話機23Aあるいは23Bからの応答を待つ。応答があれば、タグ存在有りか否かを判断し(ステップU10)、タグ存在がなければ、ステップU11で次の優先順位が有るか否かを判断し、有れば、再度ステップU8に移行して次の優先順位に従って問い合わせをする。このようにして、一通り、優先順位に従って問い合わせをして、タグ存在無しであった場合(ステップU11の「NO」)に不在処理を行なう(ステップU12)。なお、優先順位に従って問い合わせをして、タグ存在無しであった場合のシーケンスを図18に示している。
【0047】
上記ステップU10において、タグ存在有りが判断されると当該電話機に対して着呼転送を行なう(ステップU13)。
なお、第2の電話機23A、23B側では、第1の電話機22からの問い合わせが有った時には、図16に示したように制御動作する(第4の実施例の制御動作と同様である)。但し、ステップV2では、優先順位で指定されたタグについてその存在を検知するものである。
【0048】
なお、この場合、第2の電話機23A、23Bについて、それぞれ、第1の電話機22と同様の機能を付加しても良く、この場合、着呼が有った電話機が第1の電話機として機能するものであり、タグ及び第2の電話機の問い合わせの優先順位も適宜変更すれば良い。
【0049】
上述した第5の実施例によれば、前記複数の第2の電話機23A、23Bに対するタグ存在問い合わせを、予め設定された優先順位に従って行うようにしたから、例えば通話対象者が電話をとる頻度の高い優先順位としておけば、第1の電話機22の近傍に通話対象者が居ないような場合に、複数の第2の電話機23A、23Bに対して、電話をとる確率の高い順にタグ問い合わせを行なうことができる。
【0050】
また、この第5の実施例によれば、複数の通話対象者が携帯する複数のタグ2A、2Bを備え、第1の電話機22におけるタグ存在問い合わせのために、当該複数のタグ2A、2Bに対して優先順位を設定し、且つ前記複数のタグ2A、2Bごとに、前記複数の第2の電話機23A、23Bに対してタグ存在問い合わせの優先順位を設定し、当該タグ存在問い合わせを、優先順位の高いタグから順に、該当する第2の電話機の優先順位に従って行うようにしたから、優先順位の高い通話対象者と優先順位の高い第2の電話機とを加味してタグ問い合わせができる。
【0051】
なお、本発明の実施例は上述した各実施例に限定されるものではなく、次のように変更しても良い。例えば、電話機は固定電話機でも良い。また、タグ存在無しに応じた存在無し対応処理は、発呼元に通話対象者無しの通知以外に、留守録メッセージを案内するようにしても良い。また、タグは名札に組み込まずに、従業員証などに組み込んでも良い。また、図7のステップP9、図12のステップT7、図15のステップU15、図16のステップV7では、単に通話開始トリガを待機するようにしたが、これは、図4のステップQ7、ステップQ8、ステップQ9のように所定時間経過しても通話開始トリガが無いときには存在無し対応処理を行なうようにしても良い。また、リーダはリーダライタでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施例を示す電話システムの電気的構成のブロック図
【図2】電話機及びタグを示すための概観図
【図3】制御内容を示すフローチャート
【図4】本発明の第2の実施例を示す図3相当図
【図5】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】図3相当図
【図8】図3相当図
【図9】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図10】図2相当図
【図11】図3相当図
【図12】図3相当図
【図13】本発明の第5の実施例を示す図1相当図
【図14】図2相当図
【図15】図3相当図
【図16】図3相当図
【図17】優先順位を示す図
【図18】作用説明のためのシーケンス図
【符号の説明】
【0053】
図面中、1は電話機、2はタグ、3は電話システム、5aは電話制御部(タグ存在検知手段、存在無し対応処理手段、存在有り対応処理手段)、21は電話システム、22は第1の電話機、23は第2の電話機、24aは電話制御部(第1のタグ存在検知手段、タグ存在問い合わせ手段、応答結果対応処理手段、第1の存在有り対応処理手段)、25は第1のリーダ、26aは電話制御部(第2のタグ存在検知手段、応答制御手段)27は第2のリーダ、2A、2Bはタグ、23Aは第2の電話機、23Bは第2の電話機を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話対象者の存在を確認する電話機及び電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話機に着呼があったとき、電話をとるべき人がその電話機の近くにいない場合には、着呼ベルが鳴り続ける不都合があった。また電話をかけた側(発呼元)においては、電話をとる人が居るのか居ないのか判らず、いつまでも待たされることがあった。なお、靴底にタグを設け、リーダを、複数の部屋のフロアーマットに設け、前記靴を履いたユーザーがそのフロアーマット上を歩くことによって、ユーザーの所在を監視し、その所在近くの電話機に電話を転送する技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平6−139490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この特許文献1に記載された技術では、ユーザーの所在監視システムの構成が極めて大掛かりであった。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電話機に着呼があったときに、当該電話機自体が近くに通話対象者(電話をとるべき人)がいるか否かの確認を簡単な構成により行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明の電話機は、通話対象者が携帯するタグと通信可能なリーダと、着呼があったときに前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが近傍に存在するか否かを検知するタグ存在検知手段と、このタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う存在無し対応処理手段とを備えている。
【0005】
この請求項1の電話機によれば、着呼があったときには、タグ存在検知手段が、リーダに通話対象者が携帯するタグと通信を実行させて、近傍に該タグが存在するか否かを検知する。これにより、大掛かりな構成とすることなく、通話対象者が当該電話機自身の近傍に居るか否かを電話機自身にて検知することができる。そして、存在無し対応処理手段が、タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行うから、通話対象者が当該電話機自身の近傍に居ないことに応じた処理が可能となる。
【0006】
この場合、前記存在無し対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者存在無しの通知を行う処理としても良く(請求項2の発明)、このようにすれば、通話対象者が当該電話機自身近傍に居ないことを発呼元(電話をかけた側)に知らせることができ、便利である。
【0007】
また、前記タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う存在有り対応処理手段を備えても良く(請求項3の発明)、このようにすると、通話対象者が居ることに応じた種々の処理が可能となる。この場合、前記存在有り対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者存在有りの通知を行う処理であっても良く(請求項4の発明)、このようにすると、発呼元に、通話対象者が居ることを知らせることができて、便利である。
【0008】
また、前記タグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが近傍に存在するか否かを検知するようにしても良い(請求項5の発明)。通常、着呼があると、通話対象者が当該電話機自身の近くに居るとすぐに電話をとって通話開始となることが多い。このようなことを考慮すると、タグ存在検知手段による検知動作は着呼後すぐに行わなくても支障がないことが多い。この点に着目した請求項5の発明によれば、着呼があってから通話開始が所定時間以上無いことを条件にタグ存在検知手段が検知動作をするから、必要時期にタグ存在検知手段の検知動作を開始できる。
【0009】
また、請求項6の発明の電話システムは、複数の電話機と、通話対象者が携帯するタグとを備えた電話システムであって、前記複数の電話機には、外部から着呼を受ける第1の電話機と、この第1の電話機と通信手段を介して通信可能な第2の電話機とが含まれ、前記第1の電話機には、前記タグと通信可能な第1のリーダと、当該第1の電話機に着呼があったときに前記第1のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知する第1のタグ存在検知手段と、前記第1のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに前記第2の電話機に前記通信手段を介してタグ存在問い合わせを送信するタグ存在問い合わせ手段と、前記第2の電話機が応答したタグ存在検知結果に応じた処理を行う応答結果対応処理手段とを設け、前記第2の電話機には、前記タグと通信可能な第2のリーダと、前記第1の電話機からタグ存在問い合わせを受信したときに前記第2のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該第2の電話機近傍に存在するか否かを検知する第2のタグ存在検知手段と、この第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果を前記第1の電話機に前記通信手段を介して応答する応答制御手段とを設けたところに特徴を有する。
【0010】
この請求項6の発明の電話システムにおいては、第1の電話機に着呼があったときには、当該第1の電話機の第1のタグ存在検知手段が、リーダに通話対象者が携帯するタグと通信を実行させて、近傍に該タグが存在するか否かを検知する。これにより、大掛かりな構成とすることなく、通話対象者が当該第1の電話機自身の近傍に居るか否かを電話機自身にて検知することができる。そして、当該第1の電話機自身において通話対象者を検知しないとき(存在無しのとき)には、タグ問い合わせ手段が、第2の電話機にタグ存在問い合わせをさせる。
【0011】
そして、当該第2の電話機は上記タグ存在取り合わせを受けると、当該電話機の第2のタグ存在検知手段が、近傍に該タグが存在するか、つまり通話対象者が存在するかを検知する。従って、第1の電話機において通話対象者がいないことが検知されると、第2の電話機が通話対象者の存在検知を行なう。これによって、通話対象者の存在検知範囲を広域化できる。そして、前記第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果(通話対象者存在検知結果)は応答制御手段により第1の電話機に与えられ、この結果を受けた第1の電話機では、応答結果対応処理手段がそのタグ存在検知結果に応じた処理を行なうから、通話対象者の存在有り・無しに応じた処理が可能となる。
【0012】
この場合、前記応答制御手段が行う処理は、前記第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しのときには発呼元に通話対象者存在無しの通知を行い、当該第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときには発呼元に通話対象者存在有りの通知を行うことでも良い(請求項7の発明)。このようにすると、第1の電話機に発呼した発呼元(発呼者)に対して通話対象者の有無を知らせることができて、便利である。
【0013】
また、前記第1のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う第1の存在有り対応処理手段を備える構成としても良く(請求項8の発明)、このようにすると、第1の電話機において通話対象者が居ることに応じた種々の処理が可能となる。この場合、前記第1の存在有り対応処理手段が行う処理は、前記第1の電話機への着呼を継続することを行う処理であっても良く(請求項9の発明)、この場合、当該第1の電話機の近くに居る通話対象者に対して、その着呼継続により電話に出ることを促すことができる。
【0014】
またこの場合も、第1のタグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記第1のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが第1の電話機近傍に存在するか否かを検知するようにしても良い(請求項10の発明)。
【0015】
また、第2の電話機を複数設け、第1の電話機におけるタグ存在問い合わせ手段が、前記複数の第2の電話機に対するタグ存在問い合わせを、予め設定された優先順位に従って行うようにしても良い(請求項11の発明)。このようにすると、例えば通話対象者が電話をとる頻度の高い優先順位としておけば、第1の電話機の近傍に通話対象者が居ないような場合に、複数の第2の電話機に対して、電話をとる確率の高い順にタグ問い合わせを行なうことができる。
【0016】
また、第2の電話機を複数設け、且つ、タグを複数の通話対象者が携帯するように設け、第1の電話機におけるタグ存在問い合わせ手段を、前記複数のタグに対して優先順位が設定し、且つ前記複数のタグごとに、前記複数の第2の電話機に対してタグ存在問い合わせの優先順位を設定し、タグ存在問い合わせを、優先順位の高いタグから順に、該当する第2の電話機の優先順位に従って行うようにしても良い(請求項12の発明)。このようにすると、優先順位の高い通話対象者と優先順位の高い第2の電話機とを加味してタグ問い合わせができる。例えば、第1の電話機がほぼ特定の通話対象者専用であって別の通話対象者もその第1の電話機を使うような場合で、そして、複数の第2の電話機について、その特定通話対象者が電話に出る確率が異なるような場合に、第1の電話機において通話対象者が居ないことが検知されたときに、第1の電話機からの第2の電話機へのタグ問い合わせを、特定通話対象者が携帯するタグ(仮に優先順位1位)について、優先順位の高いほうの第2の電話機から行い、次に別の通話対象者が携帯するタグ(優先順位が2位)について、別に設定された優先順位の高いほうの第2の電話機から行なうようにすることも可能であり、第1の電話機の近くに通話対象者が居ないような場合に、複数の通話対象者の存在を複数の第2の電話機に対して効率的に検知することが可能となる。
【0017】
また、電話システムは、一つの電話機と、通話対象者が携帯するタグとを備えたものでも良く、この場合、前記電話機には、前記タグと通信可能なリーダと、当該電話機に着呼があったときに前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知するタグ存在検知手段と、このタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う存在無し対応処理手段とを設ける構成としても良い(請求項13の発明)。
【0018】
この場合、前記存在無し対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者無しの通知を行う処理としても良い(請求項14の発明)。また、前記タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う存在有り対応処理手段を備える構成としても良い(請求項15の発明)。また、前記存在有り対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者有りの通知を行う処理であっても良い(請求項16の発明)。また、タグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知するようにしても良い(請求項17の発明)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1の実施例について図1ないし図3を参照して説明する。図1には、電話機1が1台でタグ2が一つの場合の電話システム3を示している。電話機1は図2にも示すように例えば携帯電話機からなる。またタグ2は通話対象者Mが携帯するものであり、名札4に組み込まれている。なお、本発明では、リーダと非接触通信可能なICカードもタグに含むものとする。
【0020】
前記電話機1は、電話部5と、リーダ6とを備えて構成されている。電話部5は、電話制御部5aと、記憶部5bと、電話無線部5cとを有して構成されている。電話制御部5aは、CPUや、ROM、RAMを備えて構成されており、発呼元から電話基地局を介して電話無線部5cに着呼があると、図示しない報知手段(音出力手段や、表示手段或いはバイブレータなどを含む)に報知動作(呼出処理)をさせると共に、リーダ6を制御する。そして、この電話制御部5aは、タグ存在検知手段及び存在無し対応処理手段並びに存在有り対応処理手段に相当する。前記記憶部5bには、個人電話番号や固有ID情報などの各種データが記憶されている。
【0021】
リーダ6は、リーダ制御部6aとリーダ通信部6bとを有して構成されている。このリーダ6は前記タグ2と非接触通信して該タグ2の固有IDを読み込むものである。また、前記タグ2はタグ制御部2aとタグ通信部2bとを有して構成されている。このタグ2はRFIDタグから構成され、固有IDを有しており、前記リーダ6から問い合わせの通信(通信用信号及び電力供給信号の通信)があると、電力を生成して動作し、その固有ID情報を返信するようになっている。
【0022】
さて、前記電話制御部5aの制御内容(タグ存在検知手段及び存在無し対応処理手段並びに存在有り対応処理手段としての機能も含む)について、図3のフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、電話機1に着呼が有ったときにスタートする。着呼があると、前述した呼出処理を実行し(ステップP1)、通話対象者Mが通話開始ボタンをオンするといった通話開始トリガがあると(ステップP2の「YES」)、発呼元(電話をかけた側)に電話をつないで、通話制御を行なう(ステップP3)。この通話制御は周知のように、自身電話機1や発呼元が通話停止動作(通話停止ボタンオン或いは受話器を置く)をすることにより、終了する。
【0023】
ステップP2で通話開始トリガがないままに所定時間が経過すると(ステップP4の「YES」)、リーダ6にタグ2との通信をさせて該タグ2が近傍に存在するか否かを検知する(タグ存在検知手段)。そして、ステップP6で、タグ2が電話機1の近傍にないときには(タグ2からの応答がないときには)、タグ存在無しに応じた存在無し対応処理(ステップP7)を実行する。この場合、発呼元に通話対象者無しの通知を電話基地局を介して行なう。
【0024】
また、前述のステップP5のタグ存在検知において、タグ2と通信が確認されそして固有IDが認証されると、前述のステップP6でタグ有りと判断される(ステップP6の「YES」)。すると、ステップP8でタグ有りに応じた存在有り対応処理を実行する。この場合、発呼元に、通話対象者存在有りの通知を行なう。この後通話開始トリガがあると(ステップP9)、通話制御を行なう(ステップP10)。
【0025】
このように本実施例によれば、電話機1に、着呼があったときには、当該電話機1における電話制御部5aが、リーダ6に通話対象者が携帯するタグ2と通信を実行させて、近傍に該タグ2が存在するか否かを検知する。これにより、大掛かりな構成とすることなく、通話対象者が当該電話機1自身の近傍に居るか否かを電話機1自身にて検知することができる。そして、タグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行うから、通話対象者が当該電話機1自身の近傍に居ないことに応じた処理が可能となる。
【0026】
この場合、本実施例によれば、前記存在無し応処理は、発呼元に通話対象者存在無しの通知を行う処理としたから、通話対象者が当該電話機1自身近傍に居ないことを発呼元に知らせることができ、便利である。
【0027】
また、本実施例では、前記タグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行うようにしたから、通話対象者が居ることに応じた種々の処理が可能となる。この場合、前記存在有り対応処理は、発呼元に通話対象者存在有りの通知を行う処理であるから、発呼元に、通話対象者が居ることを知らせることができて、便利である。
【0028】
また、本実施例によれば、着呼があった後、通話開始トリガ(通話開始)が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダ6に前記タグ2との通信を実行させて前記タグ2が近傍に存在するか否かを検知するようにしたから、必要時期にタグ存在検知手段の検知動作を開始できる。
【0029】
図4は本発明の第2の実施例を示しており、次の二つの点が第1の実施例と異なる。まず第1点目は、呼出処理(ステップQ1)の後、直ちにタグ存在検知を開始し(ステップQ2)、所定時間を経過してもタグ2の存在が検知されないとき(ステップQ3、ステップQ4)には、存在無し対応処理(ステップQ5)を行なうようにしたことである。これにより、通話対象者が電話機1の近くに居るときには、直ちに存在有り対応処理を実行できる。また、第2点目は、存在有りが判断され且つ存在有り対応処理がなされても(ステップQ3及びステップQ6)、所定時間を待って通話開始トリガが無いときには(ステップQ7、ステップQ8)、存在無し対応処理(ステップQ9)を行なうことである。これにより、通話対象者が近くに居ても出られないような場合に、ステップQ9の存在無し対応処理により発呼元に不在通知を出すことが可能となり、便利となる。
【0030】
次に図5ないし図8は本発明の第3の実施例を示しており、この第3の実施例の電話システム11は、第1の実施例における電話機1及びタグ2の他に、別の電話機12を備えた構成であり、この電話機12はリーダを備えていない。この第3の実施例において電話機1の制御内容(図7参照)は、第1の実施例における制御内容(図3参照)とはステップP7´が異なる。すなわち、第1の実施例では、タグ2の存在無しが検知されると、存在無し対応処理として発呼元に不在通知を行なうものであったが、この第3の実施例では、電話機1には、転送先として前記別の電話機12が予め登録されており、前記別の電話機12に着呼を転送するようにしている。そして、この別の電話機12では、図8に示すように、転送が有ると、呼出処理を行い(ステップR1)、所定時間が経過する間に通話開始トリガが有れば(ステップR2、ステップR3)、通話制御を実行し(ステップR5)、通話開始トリガが無ければ、不在処理(ステップR4)を実行する。この不在処理は、例えば発呼元に通話対象者存在無しを通知する。この第3の実施例によれば、電話機1において通話対象者存在無しが検知されると、別の電話機12に着呼を転送でき、便利である。
【0031】
図9は本発明の第4の実施例を示しており、この第4の実施例に示す電話システム21は、第1の電話機22と、第2の電話機23と、タグ2とを備えている。第1の電話機22は、外部から着呼を受けるものとして使用されており、第2の電話機23は、この第1の電話機22と通信手段たる電話無線部26c、24cを介して通信可能である。前記第1の電話機22は、電話部24と、前記タグ2と通信可能な第1のリーダ25とを備えている。電話部24は電話制御部24a、記憶部24b及び電話通信部24c(第1の実施例の電話制御部5a、記憶部5b及び電話通信部5cとほぼ同じ機能)を備え、但し、電話制御部24aの制御内容は前記電話制御部5aと若干異なる。第1のリーダ25は、リーダ制御部25a及びリーダ通信部25b(前記第1の実施例のリーダ制御部6a及びリーダ通信部6bと同じ機能)を備えている。
【0032】
第2の電話機23は、電話部26と、前記タグ2と通信可能な第2のリーダ27とを備えている。電話部26は電話制御部26a、記憶部26b及び電話通信部26c(前記第1の電話機22の電話制御部24a、記憶部24b及び電話通信部24cとほぼ同じ機能)を備え、但し、電話制御部26aの制御内容は前記電話制御部24aと若干異なる。第2のリーダ27は、リーダ制御部27a及びリーダ通信部27b(前記第1の実施例のリーダ制御部6a及びリーダ通信部6bと同じ機能)を備えている。
【0033】
第1の電話機22の電話制御部24aは、第1のタグ存在検知手段、タグ存在問い合わせ手段、応答結果対応処理手段及び第1の存在有り対応処理手段として機能するものであり、また、第2の電話機23の電話制御部26aは、第2のタグ存在検知手段及び応答制御手段として機能するものであり、これら電話制御部24a及び26aの制御内容について図11及び図12を参照して説明する。
【0034】
図11には第1の電話機22の電話制御部24aの制御内容を示し、図12には第2の電話機23の電話制御部26aの制御内容を示している。まず第1の電話機22に図示しない他の電話機から着呼があると、図11に示すように、呼出処理を実行し(ステップS1)、通話開始トリガがあると(ステップS2の「YES」)、発呼元(電話をかけた側)に電話をつないで、通話制御を行なう(ステップS3)。
【0035】
ステップS2で通話開始トリガがないままに所定時間が経過すると(ステップS4の「YES」)、ステップS5で、第1のリーダ25にタグ2との通信をさせて該タグ2が近傍に存在するか否かを検知する(第1のタグ存在検知手段)。そして、ステップS6で、タグ2が電話機1の近傍にないときには(タグ2からの応答がないときには)、ステップS7で前記第2の電話機23にタグ存在問い合わせを送信する(タグ存在問い合わせ手段)。そして、ステップS8で第2の電話機23からの応答を待つ。
【0036】
ここで、第2の電話機23は第1の電話機22側から、上述のタグ取り合わせがあると、第2の電話機23においては、図12のフローチャート(詳細については後述する)のステップT3(存在無し通知)あるいはステップT4(存在有り通知)を応答する。
【0037】
そして、この応答があると(ステップS8で判断)、この応答結果(ステップS9で判断)に基づいて、ステップS10、ステップS11でこの応答結果対応処理を実行する(応答結果対応処理手段)。この応答結果対応処理は、第2の電話機23からの応答結果がタグ有りのときにはステップS10で着呼を第2の電話機23に転送することを行ない、タグ無しのときには、ステップS11で、適宜の不在処理を行なう。
【0038】
前記ステップS6でタグ有りが判断されると、着呼を継続し、この場合呼出処理を継続し(第1の存在有り対応処理手段)(ステップS12)、通話開始トリガがあると(ステップS13)、前述の通話制御を行なう(ステップS3)。
【0039】
前記ステップS7で前記第2の電話機23にタグ存在問い合わせが送信されると、第2の電話機23がその問い合わせを受けて電話制御部26aが図12のフローチャートを実行する。ステップT1で第2のリーダ27にタグ2との通信をさせて該タグ2が近傍に存在するか否かを検知する(第2のタグ存在検知手段)。そして、ステップT2で、タグ2が電話機1の近傍にないときには(タグ2からの応答がないときには)、ステップT3でこのタグ存在検知結果を前記第1の電話機22に応答し(応答制御手段)、またタグ2が電話機1の近傍にあるときにはステップT4でこのタグ存在検知結果を第1の電話機22に応答する(応答制御手段)。
【0040】
このステップT4の後は、ステップT5第1の電話機22からの着呼の転送(図11のステップS10)を待ち、転送が有ると、呼出処理を行い(ステップT6)、通話開始トリガがあると(ステップT7)、通話制御を行なう(ステップT8)。
【0041】
この第4の実施例によれば、第1の電話機22に着呼があったときには、当該第1の電話機22において、近傍にタグ2が存在するか否かを検知する。これにより、大掛かりな構成とすることなく、通話対象者が当該第1の電話機22自身の近傍に居るか否かを電話機自身にて検知することができる。そして、当該第1の電話機22において通話対象者がいないことが検知されると、第2の電話機23が通話対象者の存在検知を行なう構成としたから、通話対象者の存在検知範囲を広域化できる。また、第2の電話機23でのタグ存在検知結果(通話対象者存在検知結果)は該第1の電話機22に与えられ、この結果を受けた第1の電話機22では、そのタグ存在検知結果に応じた処理を行なうから、通話対象者の存在有り・無しに応じた処理が可能となる。
【0042】
この場合、タグの存在有り対応処理として、第1の電話機22への着呼を継続(呼出処理継続)することを行うから、当該第1の電話機22の近くに居る通話対象者に対して、その着呼継続により電話に出ることを促すことができる。
【0043】
なお、この第4の実施例において、応答制御処理である前記ステップT3では、応答内容として発呼元に通話対象者存在無しの通知を行い、同じく応答制御処理であるステップT4では応答内容として発呼元に通話対象者存在有りの通知を行うようにしても良い。このようにすると、第1の電話機22に発呼した発呼元(発呼者)に対して第2の電話機23により通話対象者の有無を知らせることができて、便利である。
【0044】
図13ないし図18は本発明の第5の実施例を示しており、この第5の実施例では、第2の電話機を複数備え、又タグも複数備えた電話システム31である点が第4の実施例と異なる。この電話システム31では、第1の電話機22に対して複数この場合2台の第2の電話機23Aと、第2の電話機23Bとが設けられ、そしてタグとしてタグ2A、2Bが設けられている。タグ2Aは、第1の電話機22を主に使用する通話対象者M1が携帯し、別のタグ2Bは、別の通話対象者M2が携帯している。前記第4の実施例と異なる部分につき説明する。図15は第1の電話機22の電話制御部24aの制御内容のフローチャートを示している。図16は第2の電話機23A及び23Bの電話部26の制御内容のフローチャートを示している。図15のフローチャートにおいて、ステップU6では、タグ2Aの存在を検知し、タグA有りが検知されると、ステップU14、ステップU15、ステップU3(第4の実施例のステップS12、ステップS13、ステップS3と同じ内容である)を実行する。ステップU7にてタグAの存在有りが検知されない場合(ステップU7「NO」)、タグ2A、2Bの優先順位及び電話機23A、23Bの優先順位に従ってタグ問い合わせを行なう(ステップU8)。
【0045】
この優先順位は、第1の電話機22に図17に示す順位で設定されている。ずなわち、優先順位「1」はタグ2Aの存在を一方の第2の電話機23Aに問い合わせる、優先順位「2」はタグ2Aの存在を他方の第2の電話機23Bに問い合わせる、優先順位「3」はタグ2Bの存在を他方の第2の電話機23Bに問い合わせる、優先順位「4」はタグ2Bの存在を一方の第2の電話機23Aに問い合わせる、というものである。この優先順位はタグ2A(一方の通話対象者M1)における使用頻度の高い電話機を考慮し、また、タグ2B(他方の通話対象者M2)における使用頻度の高い電話機を考慮して設定すると良い。
【0046】
ステップU9では優先順位で問い合わせられた第2の電話機23Aあるいは23Bからの応答を待つ。応答があれば、タグ存在有りか否かを判断し(ステップU10)、タグ存在がなければ、ステップU11で次の優先順位が有るか否かを判断し、有れば、再度ステップU8に移行して次の優先順位に従って問い合わせをする。このようにして、一通り、優先順位に従って問い合わせをして、タグ存在無しであった場合(ステップU11の「NO」)に不在処理を行なう(ステップU12)。なお、優先順位に従って問い合わせをして、タグ存在無しであった場合のシーケンスを図18に示している。
【0047】
上記ステップU10において、タグ存在有りが判断されると当該電話機に対して着呼転送を行なう(ステップU13)。
なお、第2の電話機23A、23B側では、第1の電話機22からの問い合わせが有った時には、図16に示したように制御動作する(第4の実施例の制御動作と同様である)。但し、ステップV2では、優先順位で指定されたタグについてその存在を検知するものである。
【0048】
なお、この場合、第2の電話機23A、23Bについて、それぞれ、第1の電話機22と同様の機能を付加しても良く、この場合、着呼が有った電話機が第1の電話機として機能するものであり、タグ及び第2の電話機の問い合わせの優先順位も適宜変更すれば良い。
【0049】
上述した第5の実施例によれば、前記複数の第2の電話機23A、23Bに対するタグ存在問い合わせを、予め設定された優先順位に従って行うようにしたから、例えば通話対象者が電話をとる頻度の高い優先順位としておけば、第1の電話機22の近傍に通話対象者が居ないような場合に、複数の第2の電話機23A、23Bに対して、電話をとる確率の高い順にタグ問い合わせを行なうことができる。
【0050】
また、この第5の実施例によれば、複数の通話対象者が携帯する複数のタグ2A、2Bを備え、第1の電話機22におけるタグ存在問い合わせのために、当該複数のタグ2A、2Bに対して優先順位を設定し、且つ前記複数のタグ2A、2Bごとに、前記複数の第2の電話機23A、23Bに対してタグ存在問い合わせの優先順位を設定し、当該タグ存在問い合わせを、優先順位の高いタグから順に、該当する第2の電話機の優先順位に従って行うようにしたから、優先順位の高い通話対象者と優先順位の高い第2の電話機とを加味してタグ問い合わせができる。
【0051】
なお、本発明の実施例は上述した各実施例に限定されるものではなく、次のように変更しても良い。例えば、電話機は固定電話機でも良い。また、タグ存在無しに応じた存在無し対応処理は、発呼元に通話対象者無しの通知以外に、留守録メッセージを案内するようにしても良い。また、タグは名札に組み込まずに、従業員証などに組み込んでも良い。また、図7のステップP9、図12のステップT7、図15のステップU15、図16のステップV7では、単に通話開始トリガを待機するようにしたが、これは、図4のステップQ7、ステップQ8、ステップQ9のように所定時間経過しても通話開始トリガが無いときには存在無し対応処理を行なうようにしても良い。また、リーダはリーダライタでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施例を示す電話システムの電気的構成のブロック図
【図2】電話機及びタグを示すための概観図
【図3】制御内容を示すフローチャート
【図4】本発明の第2の実施例を示す図3相当図
【図5】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】図3相当図
【図8】図3相当図
【図9】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図10】図2相当図
【図11】図3相当図
【図12】図3相当図
【図13】本発明の第5の実施例を示す図1相当図
【図14】図2相当図
【図15】図3相当図
【図16】図3相当図
【図17】優先順位を示す図
【図18】作用説明のためのシーケンス図
【符号の説明】
【0053】
図面中、1は電話機、2はタグ、3は電話システム、5aは電話制御部(タグ存在検知手段、存在無し対応処理手段、存在有り対応処理手段)、21は電話システム、22は第1の電話機、23は第2の電話機、24aは電話制御部(第1のタグ存在検知手段、タグ存在問い合わせ手段、応答結果対応処理手段、第1の存在有り対応処理手段)、25は第1のリーダ、26aは電話制御部(第2のタグ存在検知手段、応答制御手段)27は第2のリーダ、2A、2Bはタグ、23Aは第2の電話機、23Bは第2の電話機を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話対象者が携帯するタグと通信可能なリーダと、
着呼があったときに前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが近傍に存在するか否かを検知するタグ存在検知手段と、
このタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う存在無し対応処理手段と
を備えたことを特徴とする電話機。
【請求項2】
請求項1に記載の電話機において、
前記存在無し対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者存在無しの通知を行う処理であることを特徴とする電話機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電話機において、
前記タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う存在有り対応処理手段を備えたことを特徴とする電話機。
【請求項4】
請求項3に記載の電話機において、
前記存在有り対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者存在有りの通知を行う処理であることを特徴とする電話機。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の電話機において、
前記タグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知することを特徴とする電話機。
【請求項6】
複数の電話機と、通話対象者が携帯するタグとを備えた電話システムであって、
前記複数の電話機には、外部から着呼を受ける第1の電話機と、この第1の電話機と通信手段を介して通信可能な第2の電話機とが含まれ、
前記第1の電話機には、
前記タグと通信可能な第1のリーダと、
当該第1の電話機に着呼があったときに前記第1のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知する第1のタグ存在検知手段と、
前記第1のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに前記第2の電話機に前記通信手段を介してタグ存在問い合わせを送信するタグ存在問い合わせ手段と、
前記第2の電話機が応答したタグ存在検知結果に応じた処理を行う応答結果対応処理手段と、
を設け、
前記第2の電話機には、
前記タグと通信可能な第2のリーダと、
前記第1の電話機からタグ存在問い合わせを受信したときに前記第2のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該第2の電話機近傍に存在するか否かを検知する第2のタグ存在検知手段と、
この第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果を前記第1の電話機に前記通信手段を介して応答する応答制御手段と
を設けたことを特徴とする電話システム。
【請求項7】
請求項6に記載の電話システムにおいて、
前記応答制御手段が行う処理は、前記第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しのときには発呼元に通話対象者存在無しの通知を行い、当該第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときには発呼元に通話対象者存在有りの通知を行う処理であることを特徴とする電話システム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の電話システムにおいて、
前記第1のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う第1の存在有り対応処理手段を備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項9】
請求項8に記載の電話システムにおいて、
前記第1の存在有り対応処理手段が行う処理は、前記第1の電話機への着呼を継続することを行う処理であることを特徴とする電話システム。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の電話システムにおいて、
第1のタグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記第1のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが第1の電話機近傍に存在するか否かを検知することを特徴とする電話システム。
【請求項11】
請求項6に記載の電話システムにおいて、
第2の電話機は複数有り、
第1の電話機におけるタグ存在問い合わせ手段は、前記複数の第2の電話機に対するタグ存在問い合わせを、予め設定された優先順位に従って行うことを特徴とする電話システム。
【請求項12】
請求項6に記載の電話システムにおいて、
第2の電話機は複数有り、且つ、複数の通話対象者が携帯する複数のタグが設けられ、
第1の電話機におけるタグ存在問い合わせ手段は、前記複数のタグに対して優先順位が設定され、且つ前記複数のタグごとに、前記複数の第2の電話機に対してタグ存在問い合わせの優先順位が設定され、
タグ存在問い合わせを、優先順位の高いタグから順に、該当する第2の電話機の優先順位に従って行うことを特徴とする電話システム。
【請求項13】
電話機と、通話対象者が携帯するタグとを備えた電話システムであって、
前記電話機には、
前記タグと通信可能なリーダと、
当該電話機に着呼があったときに前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知するタグ存在検知手段と、
このタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う存在無し対応処理手段と
を設けたことを特徴とする電話システム。
【請求項14】
請求項13に記載の電話システムにおいて、
前記存在無し対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者無しの通知を行う処理であることを特徴とする電話システム。
【請求項15】
請求項13又は14のいずれかに記載の電話システムにおいて、
前記タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う存在有り対応処理手段を備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項16】
請求項13に記載の電話システムにおいて、
前記存在有り対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者有りの通知を行う処理であることを特徴とする電話システム。
【請求項17】
請求13ないし16のいずれかに記載の電話システムにおいて、
タグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知することを特徴とする電話システム。
【請求項1】
通話対象者が携帯するタグと通信可能なリーダと、
着呼があったときに前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが近傍に存在するか否かを検知するタグ存在検知手段と、
このタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う存在無し対応処理手段と
を備えたことを特徴とする電話機。
【請求項2】
請求項1に記載の電話機において、
前記存在無し対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者存在無しの通知を行う処理であることを特徴とする電話機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電話機において、
前記タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う存在有り対応処理手段を備えたことを特徴とする電話機。
【請求項4】
請求項3に記載の電話機において、
前記存在有り対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者存在有りの通知を行う処理であることを特徴とする電話機。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の電話機において、
前記タグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知することを特徴とする電話機。
【請求項6】
複数の電話機と、通話対象者が携帯するタグとを備えた電話システムであって、
前記複数の電話機には、外部から着呼を受ける第1の電話機と、この第1の電話機と通信手段を介して通信可能な第2の電話機とが含まれ、
前記第1の電話機には、
前記タグと通信可能な第1のリーダと、
当該第1の電話機に着呼があったときに前記第1のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知する第1のタグ存在検知手段と、
前記第1のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに前記第2の電話機に前記通信手段を介してタグ存在問い合わせを送信するタグ存在問い合わせ手段と、
前記第2の電話機が応答したタグ存在検知結果に応じた処理を行う応答結果対応処理手段と、
を設け、
前記第2の電話機には、
前記タグと通信可能な第2のリーダと、
前記第1の電話機からタグ存在問い合わせを受信したときに前記第2のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該第2の電話機近傍に存在するか否かを検知する第2のタグ存在検知手段と、
この第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果を前記第1の電話機に前記通信手段を介して応答する応答制御手段と
を設けたことを特徴とする電話システム。
【請求項7】
請求項6に記載の電話システムにおいて、
前記応答制御手段が行う処理は、前記第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しのときには発呼元に通話対象者存在無しの通知を行い、当該第2のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときには発呼元に通話対象者存在有りの通知を行う処理であることを特徴とする電話システム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の電話システムにおいて、
前記第1のタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う第1の存在有り対応処理手段を備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項9】
請求項8に記載の電話システムにおいて、
前記第1の存在有り対応処理手段が行う処理は、前記第1の電話機への着呼を継続することを行う処理であることを特徴とする電話システム。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載の電話システムにおいて、
第1のタグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記第1のリーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが第1の電話機近傍に存在するか否かを検知することを特徴とする電話システム。
【請求項11】
請求項6に記載の電話システムにおいて、
第2の電話機は複数有り、
第1の電話機におけるタグ存在問い合わせ手段は、前記複数の第2の電話機に対するタグ存在問い合わせを、予め設定された優先順位に従って行うことを特徴とする電話システム。
【請求項12】
請求項6に記載の電話システムにおいて、
第2の電話機は複数有り、且つ、複数の通話対象者が携帯する複数のタグが設けられ、
第1の電話機におけるタグ存在問い合わせ手段は、前記複数のタグに対して優先順位が設定され、且つ前記複数のタグごとに、前記複数の第2の電話機に対してタグ存在問い合わせの優先順位が設定され、
タグ存在問い合わせを、優先順位の高いタグから順に、該当する第2の電話機の優先順位に従って行うことを特徴とする電話システム。
【請求項13】
電話機と、通話対象者が携帯するタグとを備えた電話システムであって、
前記電話機には、
前記タグと通信可能なリーダと、
当該電話機に着呼があったときに前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知するタグ存在検知手段と、
このタグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在無しであるときに当該存在無しに応じた対応処理を行う存在無し対応処理手段と
を設けたことを特徴とする電話システム。
【請求項14】
請求項13に記載の電話システムにおいて、
前記存在無し対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者無しの通知を行う処理であることを特徴とする電話システム。
【請求項15】
請求項13又は14のいずれかに記載の電話システムにおいて、
前記タグ存在検知手段によるタグ存在検知結果が存在有りであるときに当該存在有りに応じた処理を行う存在有り対応処理手段を備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項16】
請求項13に記載の電話システムにおいて、
前記存在有り対応処理手段が行う処理は、発呼元に通話対象者有りの通知を行う処理であることを特徴とする電話システム。
【請求項17】
請求13ないし16のいずれかに記載の電話システムにおいて、
タグ存在検知手段は、着呼があった後、通話開始が所定時間以上無いことを条件に、前記リーダに前記タグとの通信を実行させて前記タグが当該電話機近傍に存在するか否かを検知することを特徴とする電話システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−60008(P2007−60008A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−239978(P2005−239978)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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