露光装置及び画像形成装置
【課題】露光手段の歪みを抑制しつつ、像保持体に対する露光手段の位置決め及び固定を行う。
【解決手段】画像形成ユニット11は、感光体ドラム12と、複数の発光素子が並べて設けられ、感光体ドラム12を露光するLPH14と、これら感光体ドラム12とLPH14を収容、支持するハウジング19とを備えている。そして、ハウジング19には、LPH14のアウト側の端部を保持するアウト側保持部21が設けられている。そして、LPH14のアウト側の端部には、第1バネ部材71が掛けられている。そして、第1バネ部材71によって、LPH14のアウト側の端部が、アウト側保持部21に押し付けられる。このようにして、LPH14は、X方向における位置決め及び固定がなされる。
【解決手段】画像形成ユニット11は、感光体ドラム12と、複数の発光素子が並べて設けられ、感光体ドラム12を露光するLPH14と、これら感光体ドラム12とLPH14を収容、支持するハウジング19とを備えている。そして、ハウジング19には、LPH14のアウト側の端部を保持するアウト側保持部21が設けられている。そして、LPH14のアウト側の端部には、第1バネ部材71が掛けられている。そして、第1バネ部材71によって、LPH14のアウト側の端部が、アウト側保持部21に押し付けられる。このようにして、LPH14は、X方向における位置決め及び固定がなされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、LEDヘッドからなる露光手段と、画像形成装置本体に配設された一対の静止側壁と、静止側壁の各々間に支持される複数の感光体ドラムユニットとを備えた画像形成装置が記載されている。ここで、特許文献1では、感光体ドラムユニットの各々は、感光体ドラムを保持するドラム保持フレームと、LEDヘッドを保持するヘッド保持フレームと、ヘッド保持フレームを片側から他側に感光体ドラムの軸方向に加圧しうる加圧手段とを備え、LEDヘッドの、感光体ドラムの軸方向における取付位置精度などを向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−246347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、露光手段の歪みを抑制しつつ、像保持体に対する露光手段の位置決め及び固定を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、一端と他端とを有し、回転する像保持体の回転軸方向に沿った第1の方向に複数の発光素子が配列され、当該像保持体を露光する露光手段と、前記露光手段の前記一端側の端部を保持する一端側保持部と、前記一端側保持部に形成され、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の第1の方向における位置を決めるための基準となる第1基準部と、前記露光手段の前記一端側の端部を前記第1基準部に向けて押し付ける力を、当該露光手段の当該一端側の端部に付与する付与部とを備えることを特徴とする露光装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記露光手段の前記他端側の端部を保持する他端側保持部を備え、前記他端側保持部は、前記露光手段を前記第1の方向において移動可能に保持することを特徴とする請求項1に記載の露光装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第1基準部は面であり、前記露光手段の前記一端側の端部には当該第1基準部における面に接触させるための接触面が形成され、前記付与部は、前記露光手段の前記接触面を、前記第1基準部の前記面に押し付けて、当該第1基準部の面と当該接触面との接触を保つことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置である。
請求項4に記載の発明は、前記付与部は、前記露光手段のアース接続として機能することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の露光装置である。
【0007】
請求項5に記載の発明は、回転する像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電装置と、一端と他端とを有し、前記像保持体の回転軸方向に沿った第1の方向に複数の発光素子が配列され、当該像保持体を露光して当該像保持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段の前記一端側の端部を保持する一端側保持部と、前記一端側保持部に形成され、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の第1の方向における位置を決めるための基準となる第1基準部と、前記露光手段の前記一端側の端部を前記第1基準部に向けて押し付ける力を、当該露光手段の当該一端側の端部に付与する付与部と、前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像して画像を形成する現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
請求項6に記載の発明は、前記一端側保持部には、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の光照射方向に沿った第2の方向における当該露光手段の位置を決めるための基準となる第2基準部と、前記第1の方向と前記第2の方向とに直交する方向に沿った第3の方向における当該露光手段の位置を決める第3基準部とがさらに形成され、前記付与部は、前記露光手段の前記一端側の端部を、前記第1基準部、前記第2基準部及び前記第3基準部に向けてそれぞれ押し付けることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記付与部による、前記第1基準部に前記露光手段の前記一端側を押し付ける力は、当該露光手段の当該一端側の端部の前記第3の方向への移動を妨げないように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記付与部による、前記第1基準部及び前記第3基準部に前記露光手段の前記一端側を押し付ける力は、当該露光手段の当該一端側の端部の前記第2の方向への移動を妨げないように設定されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項9に記載の発明は、前記付与部は、前記露光手段の前記一端側の端部に、前記第1の方向に向けた力を付与する第1付与部材と、前記第2の方向及び前記第3の方向に向けた力を付与する第2付与部材とを備え、前記第2付与部材と前記露光手段の前記一端側の端部との間に前記第1付与部材が挟み込まれ、当該第2付与部材は、前記第1付与部材と当該露光手段の当該一端側の端部とを、前記第2基準部側に向けて押し付けることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記第2付与部材には凸部が形成され、前記第2付与部材は、前記第1付与部材に当該凸部を接触させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記第1付与部材には前記第1の方向に長い凹部が形成され、当該第1付与部材の凹部に、前記第2付与部材の前記凸部が嵌められることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、付与部材による押し付ける力を他端側の端部に付与した場合に比べて、露光手段の歪みを抑制しつつ、像保持体に対する露光手段の位置決め及び固定を行うことができる。
請求項2の発明によれば、露光手段に設けられる複数の発光素子の間隔が、露光手段の固定前と比較して広がることを抑制することができる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、露光手段をより安定して保持することが可能となる。
請求項4の発明によれば、アース部材を別途設ける場合と比較して、省スペース化を図ることが可能となる。
【0011】
請求項5の発明によれば、付与部材による押し付ける力を他端側の端部に付与した場合に比べて、露光手段の歪みを抑制しつつ、像保持体に対する露光手段の位置決め及び固定を行うことができる。
請求項6の発明によれば、露光手段の第1の方向、第2の方向及び第3の方向における位置決め及び固定を行うことが可能となる。
請求項7の発明によれば、露光手段の第1の方向における固定を行った後であっても、露光手段のY方向の位置決めを行うことができる。
請求項8の発明によれば、露光手段の第1の方向及び第3の方向の固定を行った後であっても、露光手段の第2の方向の位置決めを行うことが可能となる。
【0012】
請求項9の発明によれば、露光手段の固定後に、第1付与部材自体がずれることを防止できる。
請求項10の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、第2付与部材の取り付け角度がずれた場合であっても、第1付与部材の全体に亘って力を付与することができる。
請求項11の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、例えば第1付与部材等のサイズに誤差が生じた場合であっても、第1付与部材に第2付与部材を組み付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成装置の全体構成の一例を示した図である。
【図2】画像形成ユニットの斜視図である。
【図3】LPHのアウト側端部周辺の拡大図である。
【図4】LPHのイン側端部周辺の拡大図である。
【図5】ハウジングに設けられる保持部を説明するための図である。
【図6】LPHの全体構成の一例を示した図である。
【図7】LPHを構成する部材を説明するための図である。
【図8】LPHに形成される接触部を説明するための図である。
【図9】固定部材を説明するための図である。
【図10】X方向におけるLPHの固定を説明するための図である。
【図11】Y方向及びZ方向におけるLPHの固定を説明するための図である。
【図12】固定部材のバネ力について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置1の全体構成の一例を示した図である。画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部10と、パーソナルコンピュータ(PC)2、画像読取装置3、あるいはFAXモデム4等に接続され、これらから入力される画像データに画像処理を施し、さらには画像形成装置1全体の動作を制御する制御部5とを備えている。
【0015】
本実施形態の画像形成プロセス部10は、4つの画像形成ユニット11(具体的には11Y、11M、11C、11K)を備えている。また、画像形成プロセス部10は、画像形成ユニット11の各像保持体の一例としての感光体ドラム12にて画像形成された各色のトナー像を多重転写させるための用紙を搬送する搬送ベルト16、搬送ベルト16を駆動させる駆動ロール17、感光体ドラム12のトナー像を用紙に転写させる転写ロール18、転写後の用紙上の未定着トナー像を加熱・加圧して定着する定着器6を備えている。
【0016】
図2は、画像形成ユニット11の斜視図である。なお、図2では、現像器15の図示を省略している。
各画像形成ユニット11は、感光体ドラム12、感光体ドラム12を帯電する帯電装置の一例としての帯電器13、帯電された感光体ドラム12を制御部5から送られてくる画像データに基づいて露光する露光手段の一例としてのLEDプリントヘッド(LPH)14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像装置の一例としての現像器15(図1参照)を備えている。また、各画像形成ユニット11は、これら感光体ドラム12、帯電器13、LPH14及び現像器15を保持するハウジング19を備えている。
【0017】
なお、以下の説明では、図2に矢印で示すように、LPH14の長手方向(主走査方向)をX方向とし、LPH14から感光体ドラム12へ向けて照射される光の光軸方向(光照射方向)をZ方向とし、これらX方向とZ方向と直交する方向をY方向とする。また、図2に示すLPH14のX方向に沿って、紙面手前側をイン側、紙面奧側をアウト側と呼ぶ。さらに、以下で各部材等の説明をするに際して、図2に示す画像形成ユニット11に取り付けられた状態での紙面奧側に対応する側をアウト側とし、紙面手前側に対応する側をイン側とする。また、本実施形態では、アウト側が一端側に、イン側が他端側に対応する。さらに、X方向が第1の方向に、Y方向が第3の方向に、Z方向が第2の方向に対応する。
【0018】
図3は、図2に示すLPH14のアウト側端部周辺の拡大図である。図4は、図2に示すLPH14のイン側端部周辺の拡大図である。
図3及び図4に示すように、ハウジング19には、LPH14を保持する保持部20が設けられている。保持部20は、LPH14のアウト側端部を保持する一端側保持部の一例としてのアウト側保持部21と、LPH14のイン側端部を保持する他端側保持部の一例としてのイン側保持部22とを有している。そして、LPH14は、アウト側保持部21及びイン側保持部22によって両端が保持されることで、ハウジング19に支持される。
【0019】
また、アウト側保持部21及びイン側保持部22は、LPH14の位置決めの機能も担っている。まず、アウト側保持部21は、LPH14のX方向の位置を決めている。そして、アウト側保持部21及びイン側保持部22は、LPH14のY方向における位置、及びLPH14のZ方向における位置を決めている。
なお、LPH14は、付与部の一例としての固定部材70(第1バネ部材71、第2バネ部材72、第3バネ部材73、第4バネ部材74)によって固定がなされる。図3に示すように、LPH14のアウト側端部は、LPH14側から第1バネ部材71、第2バネ部材72の順に重ねられた固定部材70によって固定される。一方、図4に示すように、LPH14のイン側端部は、LPH14側から第3バネ部材73、第4バネ部材74の順に重ねられた固定部材70によって固定される。なお、この固定部材70については後に詳しく説明する。
【0020】
図5は、画像形成ユニット11のハウジング19に設けられる保持部20を説明するための図である。
アウト側保持部21は、図5(a)に示すように、X方向の位置決めの基準面となるX方向基準面21X、Y方向の位置決めの基準面となるY方向基準面21Y、及びZ方向の基準面となるZ方向基準面21Zを有している。この基準面とは、LPH14を保持部20に取り付けた際に、感光体ドラム12に対するLPH14の位置が意図するものとなるように特定された面である。なお、X方向基準面21Xは第1基準部として、Y方向基準面21Yは第3基準部として、Z方向基準面21Zは第2基準部として機能する。
【0021】
また、図5(a)に示すように、アウト側保持部21には、ハウジング19の外側から内側へと貫通する貫通口212が形成されている。貫通口212は、後述する第1バネ部材71が差し込まれる空間である。さらに、アウト側保持部21は、後述する第2バネ部材72を留める際に用いられるねじ穴213、及び第2バネ部材72を取り付ける際に利用する天井部214を備えている。
【0022】
一方、イン側保持部22は、図5(b)に示すように、Y方向の位置決めの基準面となるY方向基準面22Yと、Z方向の位置決めの基準面となるZ方向基準面22Zとを有している。イン側保持部22におけるこれらの基準面は、上述したアウト側保持部21と同様に、LPH14を保持部20に取り付けた際に、感光体ドラム12に対するLPH14の位置関係が意図するものとなるように特定された面である。なお、本実施形態では、アウト側保持部21におけるX方向基準面21Xによって、LPH14のX方向の位置決めを行っているため、イン側保持部22にはX方向に対応する基準面を設けていない。
【0023】
また、図5(b)に示すように、イン側保持部22には、ハウジング19の外側から内側へと貫通する貫通口222が形成されている。貫通口222は、後述する第3バネ部材73が差し込まれる部分である。さらに、イン側保持部22には、後述する第4バネ部材74を留める際に用いられるねじ穴223、及び第4バネ部材74を取り付ける際に利用する天井部224を備えている。
【0024】
図6は、LPH14の全体構成の一例を示した図である。図6(a)は、LPH14の光照射側(以下、表面側と呼ぶ)から見た斜視図である。図6(b)はLPH14の光照射側とは反対側(以下、裏面側と呼ぶ)から見た斜視図である。
LPH14は、図6(a)に示すように、発光チップアレイ41(後述する図7参照)と、発光チップアレイ41から出射された光を感光体ドラム12表面に結像させるロッドレンズアレイ43、発光チップアレイ41及びロッドレンズアレイ43を支持するとともに発光チップアレイ41を外部から遮蔽するホルダ45を備えている。また、LPH14は、保持部20にLPH14を取り付ける際に、保持部20に接触させるための接触面が形成された接触部50を有している。
また、図6(b)に示すように、回路基板42には、LPH14のアース接続に用いられるアース用パッド42a(アウト側端部)及びアース用パッド42b(イン側端部)が設けられている。さらに、回路基板42には、露光動作に関する各種信号等を受け付けるコネクタ42cが設けられている。なお、図6(b)に示すように、LPH14の裏面側において、ホルダ45のアウト側端部には、後述するように第1バネ部材71が引っ掛けられるように受け部46が形成されている。
【0025】
図7は、LPH14を構成する部材を説明するための図である。図7(a)はLPH14における発光チップアレイ41の上面図であり、図7(b)はLPH14におけるロッドレンズアレイ43およびホルダ45の上面図である。
発光チップアレイ41は、複数のLEDを備えた発光チップC及び各発光チップCを駆動する信号発生回路や各種配線などが設けられる回路基板42を備えている。そして、図7(a)に示すように、発光チップアレイ41は、回路基板42上に、60個の発光チップC(C1〜C60)を、Y方向に二列に千鳥状に配置して構成されている。
【0026】
また、図7(b)に示すように、ロッドレンズアレイ43は、複数のロッドレンズ44を、互い違いとなるようにY方向に二列に整列配置した状態で、ホルダ45に保持させることによって構成されている。各ロッドレンズ44は例えば円柱状の形状を有しており、その半径方向に屈折率分布を有し正立等倍実像を形成する屈折率分布型レンズにて構成される。このような屈折率分布型レンズとしては、例えばセルフォック(日本板硝子株式会社の登録商標)レンズが挙げられる。
【0027】
図8は、LPH14に形成される接触部50を説明するための図である。図8(a)は、LPH14のアウト側端部を、図6(b)に図示するLPH14の紙面奧側から見た図である。一方、図8(b)は、LPH14のイン側端部を、図6(b)に図示するLPH14の紙面奧側から見た図である。
接触部50は、LPH14のアウト側端部に設けられるアウト側接触部51、及びLPH14のイン側端部に設けられるイン側接触部52を備えている。
アウト側接触部51は、図8(a)に示すように、X方向接触面51X、Y方向接触面51Y、及びZ方向接触面51Zを有している。これらの面は、LPH14の位置決めの基準面が設けられたアウト側保持部21に接触させるための面である。具体的には、X方向接触面51Xは、アウト側保持部21のX方向基準面21Xに接触する。Y方向接触面51Yは、アウト側保持部21のY方向基準面21Yに接触する。Z方向接触面51Zは、アウト側保持部21のZ方向基準面21Zに接触する。このように、本実施形態では、面接触によって、LPH14のイン側端部において、LPH14のX方向、Y方向及びZ方向の位置決めを図っている。
【0028】
一方、イン側接触部52には、図8(b)に示すように、Y方向接触面52Y、及びZ方向接触面52Zが形成されている。これらの面は、アウト側接触部51における接触面と同様に、LPH14の位置決めの基準面が設けられたイン側保持部22に接触させるための面である。具体的には、Y方向接触面52Yは、イン側保持部22のY方向基準面22Yに接触する。Z方向接触面52Zは、イン側保持部22のZ方向基準面22Zに接触する。このように、本実施形態では、面接触によって、LPH14のアウト側端部において、LPH14のY方向及びZ方向の位置決めを図っている。
なお、本実施形態では、LPH14のX方向の位置決めは、アウト側保持部21と、LPH14のアウト側接触部51とによってなされる。従って、LPH14のイン側接触部52にはX方向の接触面を形成していない。
【0029】
図9は、本実施形態が適用される固定部材70を説明するための図である。
本実施形態の固定部材70は、図9(a)〜(d)に示すように、4つのバネ部材を備えて構成されている。
上述したように、本実施形態では、LPH14の接触部50に形成される接触面を、保持部20に形成される基準面に接触させることでLPH14の位置決めを行う。従って、LPH14の接触部50に形成される接触面が、保持部20に形成される基準面に接触した状態にする必要がある。また、画像形成装置1を動作させている際などにおいても、LPH14と保持部20との接触状態を保つ必要がある。そこで、本実施形態では、固定部材70によって、保持部20における基準面及び接触部50における接触面によって位置決めされた位置にLPH14を固定している。
【0030】
固定部材70は、LPH14の固定ができる程度の弾性力、機械的強度を有していれば良い。また、本実施形態では、固定部材70を回路基板42に設けられるアース用パッド42aに接続させ、固定部材70をLPH14のアース接続の一部として機能させている(図3参照)。従って、本実施形態の固定部材70には、導電性を有するものとして金属を用いている。なお、固定部材70の材料として、導電性を持たせる必要のない構成を採用した場合には、例えば樹脂などを用いても構わない。
【0031】
固定部材70は、LPH14のアウト側端部を固定する第1バネ部材71及び第2バネ部材72を備えて構成される。また、固定部材70は、LPH14のイン側端部を固定する第3バネ部材73及び第4バネ部材74を備えて構成される。
【0032】
第1付与部材の一例としての第1バネ部材71は、LPH14のX方向の固定を行うものである。図9(a)に示すように、第1バネ部材71は、基部71a、アンカー部71b、掛かり部71c、アース部71d及び凹部71eを備えて構成される。
アンカー部71bは、基部71aの端部側に設けられる。アンカー部71bは、アウト側保持部21における貫通口212よりも幅が大きく形成されている。
掛かり部71cは、アンカー部71bが設けられる側とは反対側となる基部71aの端部側に設けられる。本実施形態の掛かり部71cはS字形状を有している。そして、掛かり部71cは、LPH14のアウト側端部に(本実施形態では受け部46、図6(b)参照)に引っ掛けられるように構成されている。なお、アンカー部71bから掛かり部71cまでの長さは、アンカー部71bと掛かり部71cとの間に、ハウジング19、アウト側保持部21及びアウト側接触部51を挟み込んだ状態にて、アウト側接触部51をアウト側保持部21に向けて押し付けることができる長さとしている(図10参照)。
【0033】
アース部71dは、第1バネ部材71をアウト側保持部21に組み付けた状態にて、LPH14における回路基板42のアース用パッド42aに接触できるようになっている。
また、図9(a)に示すように、基部71aの幅方向における中央部には、図面下側へと窪む凹部71eが設けられている。この凹部71eは、後述の第2バネ部材72の凸部72eが嵌るように構成されている。また、本実施形態では、凹部71eは、アウト側保持部21に組み付けられた状態にて、X方向に長い縦長形状を有している。なお、凹部71eは、基部71aを貫通し、X方向に長い縦長形状の開口であっても良い。
【0034】
次に、第2バネ部材72について、図9(b)を参照しながら説明する。
第2付与部材の一例としての第2バネ部材72は、LPH14のアウト側端部におけるY方向及びZ方向の固定を行う部材である。第2バネ部材72は、図9(b)に示すように、全体として見たときにΣ形状を有する部材である。そして、第2バネ部材72は、基部72a、開口部72b、掛かり部72c、押付け部72d、凸部72e及びガイド部72fを備えて構成される。
開口部72bは、基部72aの端部側に設けられる。開口部72bは、アウト側保持部21に第2バネ部材72をアウト側保持部21にねじ留めする際に用いられる。
【0035】
押付け部72dは、基部72aの開口部72bが設けられる側とは逆側に設けられる。押付け部72dは、図9(b)に示すように、基部72aから折れ曲がるようにして形成される。また、開口部72bから押付け部72dのまでの長さは、LPH14を保持部20に取り付けた状態(図3参照)で、アウト側接触部51をアウト側保持部21に向けて押し付けることができる長さとしている(図11参照)。また、押付け部72dには、図9(b)に示すように、掛かり部72cが形成されている。本実施形態の掛かり部72cはS字形状を有している。
【0036】
さらに、押付け部72dには、図面下側へと突出する凸部72eが形成されている。また、本実施形態では、凸部72eは半球形状を有しており、いわゆる半抜き加工によって形成される。この凸部72eは、上述したように、第1バネ部材71の凹部71eに嵌ることができるように構成されている。また、第2バネ部材72の凸部72eの厚み(高さ)は、第1バネ部材71と第2バネ部材72とが重ねられた状態にて(図3参照)、第1バネ部材71の基材71aではなく、第1バネ部材71の凹部71eに接触するように構成されている(図11参照)。
【0037】
さらに、基部72aの開口部72bが形成される側には、押付け部72dと対向するように、ガイド部72fが形成されている。ガイド部72fは、第2バネ部材72によってLPH14を固定する際、第2バネ部材72を組み付けるときに利用される。
【0038】
次に、第3バネ部材73について、図9(c)を参照しながら説明する。
本実施形態においては、第3バネ部材73は、LPH14のアース接続としての機能を担っている。
第3バネ部材73は、図9(c)に示すように、基部73a、アンカー部73b、アース部73d及び凹部73eを備えて構成される。
アンカー部73bは、イン側保持部22における貫通口222よりも幅が大きく形成されている。アース部73dは、第3バネ部材73をイン側保持部22に組み付けた状態にて、LPH14における回路基板42のアース用パッド42bに接触できるように、図面下側に向けて折り曲げられている。
また、基部73aには、図9(c)に示すように、図面下側に窪んだ凹部73eが設けられている。この凹部73eは、後述の第4バネ部材74の凸部74eが嵌るように構成されている。
【0039】
続いて、第4バネ部材74について、図9(d)を参照しながら説明する。
第4バネ部材74は、LPH14のイン側端部におけるY方向及びZ方向の固定を行う部材である。本実施形態において、第4バネ部材74の基本構成は、第2バネ部材72と同様である。第4バネ部材74は、図9(d)に示すように、全体としてΣ形状を有している。そして、第4バネ部材74は、基部74a、開口部74b、掛かり部74c、押付け部74d、凸部74e及びガイド部74fを備えて構成される。
【0040】
開口部74bは、イン側保持部22に第4バネ部材74自体をねじ留めする際に用いられる。また、第4バネ部材74の押付け部74dは、イン側保持部22に組み付けられた状態にて、LPH14にZ方向の力を付与する。また、掛かり部74cは、イン側保持部22に組み付けられた状態にて、LPH14のイン側端部にY方向の力を付与する。
【0041】
第4バネ部材74の凸部74eは、第3バネ部材73の凹部73eに嵌ることができるように構成される。そして、第4バネ部材74の凸部74eの厚み(高さ)は、第3バネ部材73と第4バネ部材74とが重ねられた状態にて(図4参照)、第3バネ部材73の基材73aではなく、第3バネ部材73の凹部73eに接触する厚みとしている。
また、ガイド部74fは、第4バネ部材74をイン側保持部22に組み付ける際に利用される部位である。
【0042】
次に、保持部20に対するLPH14の取り付け手順を説明する。
図10は、第1バネ部材71による、X方向におけるLPH14の固定を説明するための図である。図11は、第2バネ部材72による、Y方向及びZ方向におけるLPH14の固定を説明するための図である。なお、Y方向及びZ方向におけるLPH14の固定については、第2バネ部材72を例に挙げて説明する。
【0043】
LPH14を保持部20に取り付けるのに際して、先ずLPH14の表面側が感光体ドラム12側を向くようにして、LPH14を保持部20に載せる。より具体的には、LPH14のアウト側接触部51をアウト側保持部21に載せ、LPH14のイン側接触部52をイン側保持部22に載せる。
【0044】
このとき、LPH14のアウト側接触部51と保持部20のアウト側保持部21とにおいて、X方向基準面21XとX方向接触面51Xとが、Y方向基準面21XとY方向接触面51Xとが、Z方向基準面21ZとZ方向接触面51Zとが、それぞれ対向するように設置される。一方、LPH14のイン側接触部52と保持部20のイン側保持部22とにおいて、Y方向基準面22YとY方向接触面52Yとが、Z方向基準面22ZとZ方向接触面52Zとが、それぞれ対向するように設置される。
【0045】
次に、図10(a)に示すように、LPH14のアウト側端部においては、第1バネ部材71を貫通口212に通して、ハウジング19の内側へと差し込む。また、LPH14のイン側端部においては、第3バネ部材73を貫通口222に通して、ハウジング19の内側へと差し込む。
そして、図10(b)に示すように、第1バネ部材71の掛かり部71cをLPH14におけるホルダ45のアウト側端部(この例では受け部46)に引っ掛ける。そうすると、アンカー部71bと掛かり部71cとの間に、ハウジング19、アウト側保持部21、アウト側接触部51が挟み込まれた状態となる。このとき、第1バネ部材71の弾性力によって、アウト側接触部51のX方向接触面51Xが、アウト側保持部21のX方向基準面21Xに押し付けられる。その結果、LPH14のアウト側接触部51のX方向接触面51Xは、アウト側保持部21のX方向基準面21Xに接触した状態で固定される。即ち、LPH14のX方向の固定が完了する。
【0046】
なお、第1バネ部材71の掛かり部71cを、LPH14のホルダ45のアウト側端部に引っ掛けた際に、第1バネ部材71のアース部71dも、回路基板42に設けられたアース用パッド42aに接触した状態となる。
一方、第3バネ部材73は、図10(b)に示すように、回路基板42のアース用パッド42bが設けられる位置にアース部73dが載るように置かれる。
【0047】
そして、第1バネ部材71及び第3バネ部材73が取り付けられたLPH14に対して、第2バネ部材72及び第4バネ部材74をさらに取り付けていく。
図11(a)に示すように、LPH14のアウト側接触部51の裏面と、アウト側保持部21の天井部214とによって形成される空間に、第2バネ部材72を差し入れる。このとき、第2バネ部材72のガイド部72fを、天井部214に滑らせるようにして、第2バネ部材72を差し入れる。こうすることで、第2バネ部材72が天井部214に引っ掛かり難くなり、組み付け作業性が向上する。
【0048】
そして、図11(b)に示すように、さらに第2バネ部材72をY方向基準面21Yに向かう方向へと押し込む。そうすると、第2バネ部材72の掛かり部72cがアウト側接触部51の側面に接触する。このとき、アウト側接触部51には、Y方向基準面21に向かう力がかかり始める。そして、図11(a)に示すように、Y方向接触面51YとY方向基準面21Yとの間に隙間がある場合には、Y方向接触面51YがY方向基準面21Yに向けて移動し始める。さらに、第2バネ部材72をY方向基準面21Y側に向けて押し込むことにより、アウト側接触部51のY方向接触面51Yは、Y方向基準面21Yに押し当てられる。
【0049】
最後に、図11(c)に示すように、ねじ721によって第2バネ部材72をアウト側保持部21にねじ留めする。このとき、第2バネ部材72の開口部72bをアウト側保持部21のねじ穴213に合わせるように、第2バネ部材72を押し下げる。そうすると、第2バネ部材72の押付け部72dが、第1バネ部材71に接触する。そして、図11(c)に示すように、押付け部72dの凸部72eが、第1バネ部材71の凹部71eに嵌る。第2バネ部材72において生じる弾性力は、第1バネ部材71を介して、アウト側接触部51に伝わる。このとき、図11(b)に示すように、Z方向接触面51ZとZ方向基準面21Zとの間に隙間がある場合には、Z方向接触面51ZがZ方向基準面21Zに向けて移動し始める。そして、アウト側接触部51のZ方向接触面51Zは、Z方向基準面21Zに押し当てられる。
【0050】
なお、上記のとおり、第2バネ部材72を組み付けると、第2バネ部材72の凸部72eが第1バネ部材71の凹部71eに嵌る。これにより、第1バネ部材71がY方向、Z方向に動かないように固定される。これは、ここでは説明を省略した第3バネ部材73と第4バネ部材74との関係においても同様である。また、第1バネ部材71、第3バネ部材73が押し付けられることにより、第1バネ部材71のアース部71dとアース用パッド42aとの固定、第3バネ部材73のアース部73dとアース用パッド42bとの固定がなされる。
【0051】
また、実施形態では、第1バネ部材71の凹部71eをX方向に長い長穴としている。こうすることで、本実施形態では、例えばLPH14のホルダ45や第1バネ部材71のサイズにX方向の誤差が生じているとしても、第3バネ部材73の凹部73eを、第1バネ部材71の凹部71eに嵌め込むことができるようにしている。
【0052】
さらに、本実施形態では、第1バネ部材71の凹部71eと、第2バネ部材72の凸部72eとが接触するように構成されている。即ち、第2バネ部材72と第1バネ部材71との関係では、両者は点接触となっている。このように構成することで、例えば第2バネ部材72のねじ留めの際などに第2バネ部材72が傾いて固定されたとしても、第1バネ部材71における基部71aの中央部に設けられる凹部71eにて、その力を受けることができる。そして、基部71aの中央部にて力を受けた第1バネ部材71は、図11(c)に示すように、基部71a全体でアウト側接触部51をZ方向に押すことができる。
【0053】
ここで、上述した、固定部材70における各バネ部材のバネ力について説明する。
図12は、固定部材70のバネ力について説明するための模式図である。なお、ここでは、LPH14のアウト側端部の固定を例に挙げて説明する。
また、以下の説明では、第1バネ部材71がアウト側接触部51に付与するX方向の力を「X方向バネ力NX」とする。第2バネ部材72がアウト側接触部51に付与するY方向の力を「Y方向バネ力NY」とする。そして、第2バネ部材72がアウト側接触部51に付与するZ方向の力を「Z方向バネ力NZ」とする。なお、これらX方向バネ力NX、Y方向バネ力NY、及びZ方向バネ力NZは、例えば画像形成装置1の動作時において、LPH14が受ける振動等によって、保持部20に対してLPH14がずれない程度の力となっている。
【0054】
本実施形態では、アウト側保持部21における各面の材質は同じにしている。さらに、アウト側保持部21における各面の材質も同じとしている。従って、X方向基準面21XとX方向接触面51Xとの間、Y方向基準面21YとY方向接触面51Yとの間、Z方向基準面21ZとZ方向接触面51Zとの間の静止摩擦係数μは全て同じである。
【0055】
本実施形態では、以下の力関係が満たされるように、第1バネ部材71及び第2バネ部材72が各方向に付与する力を設定している。
NY > μNX (式1)
NZ > (μNX+μNY) (式2)
まず、式1について説明する。
図12(a)に示すように、本実施形態では、まず始めに第1バネ部材71により、X方向バネ力NXでもって、X方向接触面51XをX方向基準面21Xに押し当てる。
そして、図12(b)に示すように、第2バネ部材72により、Y方向基準面21Yに向けてY方向接触面51Yを移動させようとする。ここで、上記のように、X方向接触面51XとX方向基準面21Xとは既に接触した状態にある。そうすると、Y方向接触面51YをY方向基準面21Yに向けて移動させるには、Y方向バネ力NYは、X方向接触面51XとX方向基準面21Xとの間に生じる最大静止摩擦力(μNX)より大きくする必要が生じる。
【0056】
続いて、式2について説明する。
図12(c)に示すように、式1の条件を満たす場合、第2バネ部材72により、Y方向バネ力NYでもって、Y方向接触面51YはY方向基準面21Yに接触する。この段階では、X方向接触面51XとX方向基準面21Xとが、Y方向接触面51YとY方向基準面21Yとがそれぞれ接触した状態にある。そうすると、Z方向接触面51ZをZ方向基準面21Zに向けて移動させるには、Z方向バネ力NZは、X方向接触面51XとX方向基準面21Xとの間に生じる最大静止摩擦力(μNX)と、Y方向接触面51YとY方向基準面21Yとの間に生じる最大静止摩擦力(μNY)との和よりも大きくする必要が生じる。
【0057】
本実施形態では、第1バネ部材71及び第2バネ部材72は、LPH14に付与する各方向の力の関係を満たすように設定されている。さらに、本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向の順に力がかかるように固定部材70を組み付けることによって、LPH14を保持部20に固定している。このように、本実施形態では、各バネ部材のバネ力を設定し、さらに、各バネ部材の取り付け順序を上記の順とすることで、LPH14の接触部50における各接触面を、保持部20における各基準面に確実に固定させている。
【0058】
上記のように、本実施形態では、LPH14のアウト側端部に設けられる第1バネ部材71によって、LPH14のアウト側端部をアウト側保持部21に押し当てることで、つまり保持部を設けた側と同じ側の端部へX方向の力を付与することによってLPH14のX方向の固定を行っている。このような方式に対して、仮にLPH14のイン側端部からアウト側保持部21に向けてX方向の力を加え、アウト側保持部21にLPH14を押し当てることによって、つまり保持部を設けた側と逆側の端部へX方向の力を付与することによってもLPH14を固定することができる。しかしこの場合、LPH14の両側の端部からLPH14の内側の方向へX方向の力が作用することとなるので、LPH14の発光チップアレイ41やロッドレンズアレイ43等の発光領域に圧縮力がかかる。そうすると、この圧縮力により発光チップアレイ41に実装されるLEDやロッドレンズ44に歪みが生じ、LEDやロッドレンズ44の間隔が設計とは異なる間隔となるおそれがある。
【0059】
これに対して、本実施形態では、LPH14のアウト側端部をアウト側保持部21に向けて引っ張るようにしてLPH14の固定を行っている。そのため、アウト側保持部21と第1バネ部材71とによってLPH14に作用するX方向の力は、アウト側端部にのみ作用することとなる。よって、LPH14のイン側端部からアウト側保持部21に向けてX方向の力を加え、アウト側保持部21にLPH14を押し当てる場合に比べて、LPH14の発光チップアレイ41やロッドレンズアレイ43等の発光領域に作用するX方向の力を減らすことができるので、LPH14のイン側端部からアウト側保持部21に向けて力を加えて固定する場合に比べてLPH14の発光チップアレイ41やロッドレンズアレイ43などの発光領域における歪みを抑制することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、LPH14のY方向及びZ方向における固定を単一のバネ部材(第2バネ部材72、第4バネ部材74)によって行っていたが、これに限定される訳ではない。保持部20に形成される各方向の基準面に、LPH14の接触部50に設けられる各方向の接触面を、それぞれ押し当てることができれば良く、例えばLPH14のX方向を固定する部材、Y方向を固定する部材、Z方向を固定する部材を、それぞれ別体として構成しても構わない。
【0061】
また、実施形態では、第1バネ部材71がLPH14のアース接続の機能を果たしているが、例えば第2バネ部材72をアース用パッド42aに接触するように構成して、LPH14のアース接続を実現しても構わない。
【符号の説明】
【0062】
1…画像形成装置、10…画像形成プロセス部、11…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、14…LEDプリントヘッド(LPH)、20…保持部、21…アウト側保持部、22…イン側保持部、50…接触部、51…アウト側接触部、52…イン側接触部、70…固定部材、71…第1バネ部材、72…第2バネ部材、73…第3バネ部材、74…第4バネ部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、LEDヘッドからなる露光手段と、画像形成装置本体に配設された一対の静止側壁と、静止側壁の各々間に支持される複数の感光体ドラムユニットとを備えた画像形成装置が記載されている。ここで、特許文献1では、感光体ドラムユニットの各々は、感光体ドラムを保持するドラム保持フレームと、LEDヘッドを保持するヘッド保持フレームと、ヘッド保持フレームを片側から他側に感光体ドラムの軸方向に加圧しうる加圧手段とを備え、LEDヘッドの、感光体ドラムの軸方向における取付位置精度などを向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−246347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、露光手段の歪みを抑制しつつ、像保持体に対する露光手段の位置決め及び固定を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、一端と他端とを有し、回転する像保持体の回転軸方向に沿った第1の方向に複数の発光素子が配列され、当該像保持体を露光する露光手段と、前記露光手段の前記一端側の端部を保持する一端側保持部と、前記一端側保持部に形成され、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の第1の方向における位置を決めるための基準となる第1基準部と、前記露光手段の前記一端側の端部を前記第1基準部に向けて押し付ける力を、当該露光手段の当該一端側の端部に付与する付与部とを備えることを特徴とする露光装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記露光手段の前記他端側の端部を保持する他端側保持部を備え、前記他端側保持部は、前記露光手段を前記第1の方向において移動可能に保持することを特徴とする請求項1に記載の露光装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第1基準部は面であり、前記露光手段の前記一端側の端部には当該第1基準部における面に接触させるための接触面が形成され、前記付与部は、前記露光手段の前記接触面を、前記第1基準部の前記面に押し付けて、当該第1基準部の面と当該接触面との接触を保つことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置である。
請求項4に記載の発明は、前記付与部は、前記露光手段のアース接続として機能することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の露光装置である。
【0007】
請求項5に記載の発明は、回転する像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電装置と、一端と他端とを有し、前記像保持体の回転軸方向に沿った第1の方向に複数の発光素子が配列され、当該像保持体を露光して当該像保持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段の前記一端側の端部を保持する一端側保持部と、前記一端側保持部に形成され、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の第1の方向における位置を決めるための基準となる第1基準部と、前記露光手段の前記一端側の端部を前記第1基準部に向けて押し付ける力を、当該露光手段の当該一端側の端部に付与する付与部と、前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像して画像を形成する現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
請求項6に記載の発明は、前記一端側保持部には、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の光照射方向に沿った第2の方向における当該露光手段の位置を決めるための基準となる第2基準部と、前記第1の方向と前記第2の方向とに直交する方向に沿った第3の方向における当該露光手段の位置を決める第3基準部とがさらに形成され、前記付与部は、前記露光手段の前記一端側の端部を、前記第1基準部、前記第2基準部及び前記第3基準部に向けてそれぞれ押し付けることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記付与部による、前記第1基準部に前記露光手段の前記一端側を押し付ける力は、当該露光手段の当該一端側の端部の前記第3の方向への移動を妨げないように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記付与部による、前記第1基準部及び前記第3基準部に前記露光手段の前記一端側を押し付ける力は、当該露光手段の当該一端側の端部の前記第2の方向への移動を妨げないように設定されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項9に記載の発明は、前記付与部は、前記露光手段の前記一端側の端部に、前記第1の方向に向けた力を付与する第1付与部材と、前記第2の方向及び前記第3の方向に向けた力を付与する第2付与部材とを備え、前記第2付与部材と前記露光手段の前記一端側の端部との間に前記第1付与部材が挟み込まれ、当該第2付与部材は、前記第1付与部材と当該露光手段の当該一端側の端部とを、前記第2基準部側に向けて押し付けることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記第2付与部材には凸部が形成され、前記第2付与部材は、前記第1付与部材に当該凸部を接触させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記第1付与部材には前記第1の方向に長い凹部が形成され、当該第1付与部材の凹部に、前記第2付与部材の前記凸部が嵌められることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、付与部材による押し付ける力を他端側の端部に付与した場合に比べて、露光手段の歪みを抑制しつつ、像保持体に対する露光手段の位置決め及び固定を行うことができる。
請求項2の発明によれば、露光手段に設けられる複数の発光素子の間隔が、露光手段の固定前と比較して広がることを抑制することができる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、露光手段をより安定して保持することが可能となる。
請求項4の発明によれば、アース部材を別途設ける場合と比較して、省スペース化を図ることが可能となる。
【0011】
請求項5の発明によれば、付与部材による押し付ける力を他端側の端部に付与した場合に比べて、露光手段の歪みを抑制しつつ、像保持体に対する露光手段の位置決め及び固定を行うことができる。
請求項6の発明によれば、露光手段の第1の方向、第2の方向及び第3の方向における位置決め及び固定を行うことが可能となる。
請求項7の発明によれば、露光手段の第1の方向における固定を行った後であっても、露光手段のY方向の位置決めを行うことができる。
請求項8の発明によれば、露光手段の第1の方向及び第3の方向の固定を行った後であっても、露光手段の第2の方向の位置決めを行うことが可能となる。
【0012】
請求項9の発明によれば、露光手段の固定後に、第1付与部材自体がずれることを防止できる。
請求項10の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、第2付与部材の取り付け角度がずれた場合であっても、第1付与部材の全体に亘って力を付与することができる。
請求項11の発明によれば、本構成を有していない場合に比べて、例えば第1付与部材等のサイズに誤差が生じた場合であっても、第1付与部材に第2付与部材を組み付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成装置の全体構成の一例を示した図である。
【図2】画像形成ユニットの斜視図である。
【図3】LPHのアウト側端部周辺の拡大図である。
【図4】LPHのイン側端部周辺の拡大図である。
【図5】ハウジングに設けられる保持部を説明するための図である。
【図6】LPHの全体構成の一例を示した図である。
【図7】LPHを構成する部材を説明するための図である。
【図8】LPHに形成される接触部を説明するための図である。
【図9】固定部材を説明するための図である。
【図10】X方向におけるLPHの固定を説明するための図である。
【図11】Y方向及びZ方向におけるLPHの固定を説明するための図である。
【図12】固定部材のバネ力について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置1の全体構成の一例を示した図である。画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部10と、パーソナルコンピュータ(PC)2、画像読取装置3、あるいはFAXモデム4等に接続され、これらから入力される画像データに画像処理を施し、さらには画像形成装置1全体の動作を制御する制御部5とを備えている。
【0015】
本実施形態の画像形成プロセス部10は、4つの画像形成ユニット11(具体的には11Y、11M、11C、11K)を備えている。また、画像形成プロセス部10は、画像形成ユニット11の各像保持体の一例としての感光体ドラム12にて画像形成された各色のトナー像を多重転写させるための用紙を搬送する搬送ベルト16、搬送ベルト16を駆動させる駆動ロール17、感光体ドラム12のトナー像を用紙に転写させる転写ロール18、転写後の用紙上の未定着トナー像を加熱・加圧して定着する定着器6を備えている。
【0016】
図2は、画像形成ユニット11の斜視図である。なお、図2では、現像器15の図示を省略している。
各画像形成ユニット11は、感光体ドラム12、感光体ドラム12を帯電する帯電装置の一例としての帯電器13、帯電された感光体ドラム12を制御部5から送られてくる画像データに基づいて露光する露光手段の一例としてのLEDプリントヘッド(LPH)14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像をトナーで現像する現像装置の一例としての現像器15(図1参照)を備えている。また、各画像形成ユニット11は、これら感光体ドラム12、帯電器13、LPH14及び現像器15を保持するハウジング19を備えている。
【0017】
なお、以下の説明では、図2に矢印で示すように、LPH14の長手方向(主走査方向)をX方向とし、LPH14から感光体ドラム12へ向けて照射される光の光軸方向(光照射方向)をZ方向とし、これらX方向とZ方向と直交する方向をY方向とする。また、図2に示すLPH14のX方向に沿って、紙面手前側をイン側、紙面奧側をアウト側と呼ぶ。さらに、以下で各部材等の説明をするに際して、図2に示す画像形成ユニット11に取り付けられた状態での紙面奧側に対応する側をアウト側とし、紙面手前側に対応する側をイン側とする。また、本実施形態では、アウト側が一端側に、イン側が他端側に対応する。さらに、X方向が第1の方向に、Y方向が第3の方向に、Z方向が第2の方向に対応する。
【0018】
図3は、図2に示すLPH14のアウト側端部周辺の拡大図である。図4は、図2に示すLPH14のイン側端部周辺の拡大図である。
図3及び図4に示すように、ハウジング19には、LPH14を保持する保持部20が設けられている。保持部20は、LPH14のアウト側端部を保持する一端側保持部の一例としてのアウト側保持部21と、LPH14のイン側端部を保持する他端側保持部の一例としてのイン側保持部22とを有している。そして、LPH14は、アウト側保持部21及びイン側保持部22によって両端が保持されることで、ハウジング19に支持される。
【0019】
また、アウト側保持部21及びイン側保持部22は、LPH14の位置決めの機能も担っている。まず、アウト側保持部21は、LPH14のX方向の位置を決めている。そして、アウト側保持部21及びイン側保持部22は、LPH14のY方向における位置、及びLPH14のZ方向における位置を決めている。
なお、LPH14は、付与部の一例としての固定部材70(第1バネ部材71、第2バネ部材72、第3バネ部材73、第4バネ部材74)によって固定がなされる。図3に示すように、LPH14のアウト側端部は、LPH14側から第1バネ部材71、第2バネ部材72の順に重ねられた固定部材70によって固定される。一方、図4に示すように、LPH14のイン側端部は、LPH14側から第3バネ部材73、第4バネ部材74の順に重ねられた固定部材70によって固定される。なお、この固定部材70については後に詳しく説明する。
【0020】
図5は、画像形成ユニット11のハウジング19に設けられる保持部20を説明するための図である。
アウト側保持部21は、図5(a)に示すように、X方向の位置決めの基準面となるX方向基準面21X、Y方向の位置決めの基準面となるY方向基準面21Y、及びZ方向の基準面となるZ方向基準面21Zを有している。この基準面とは、LPH14を保持部20に取り付けた際に、感光体ドラム12に対するLPH14の位置が意図するものとなるように特定された面である。なお、X方向基準面21Xは第1基準部として、Y方向基準面21Yは第3基準部として、Z方向基準面21Zは第2基準部として機能する。
【0021】
また、図5(a)に示すように、アウト側保持部21には、ハウジング19の外側から内側へと貫通する貫通口212が形成されている。貫通口212は、後述する第1バネ部材71が差し込まれる空間である。さらに、アウト側保持部21は、後述する第2バネ部材72を留める際に用いられるねじ穴213、及び第2バネ部材72を取り付ける際に利用する天井部214を備えている。
【0022】
一方、イン側保持部22は、図5(b)に示すように、Y方向の位置決めの基準面となるY方向基準面22Yと、Z方向の位置決めの基準面となるZ方向基準面22Zとを有している。イン側保持部22におけるこれらの基準面は、上述したアウト側保持部21と同様に、LPH14を保持部20に取り付けた際に、感光体ドラム12に対するLPH14の位置関係が意図するものとなるように特定された面である。なお、本実施形態では、アウト側保持部21におけるX方向基準面21Xによって、LPH14のX方向の位置決めを行っているため、イン側保持部22にはX方向に対応する基準面を設けていない。
【0023】
また、図5(b)に示すように、イン側保持部22には、ハウジング19の外側から内側へと貫通する貫通口222が形成されている。貫通口222は、後述する第3バネ部材73が差し込まれる部分である。さらに、イン側保持部22には、後述する第4バネ部材74を留める際に用いられるねじ穴223、及び第4バネ部材74を取り付ける際に利用する天井部224を備えている。
【0024】
図6は、LPH14の全体構成の一例を示した図である。図6(a)は、LPH14の光照射側(以下、表面側と呼ぶ)から見た斜視図である。図6(b)はLPH14の光照射側とは反対側(以下、裏面側と呼ぶ)から見た斜視図である。
LPH14は、図6(a)に示すように、発光チップアレイ41(後述する図7参照)と、発光チップアレイ41から出射された光を感光体ドラム12表面に結像させるロッドレンズアレイ43、発光チップアレイ41及びロッドレンズアレイ43を支持するとともに発光チップアレイ41を外部から遮蔽するホルダ45を備えている。また、LPH14は、保持部20にLPH14を取り付ける際に、保持部20に接触させるための接触面が形成された接触部50を有している。
また、図6(b)に示すように、回路基板42には、LPH14のアース接続に用いられるアース用パッド42a(アウト側端部)及びアース用パッド42b(イン側端部)が設けられている。さらに、回路基板42には、露光動作に関する各種信号等を受け付けるコネクタ42cが設けられている。なお、図6(b)に示すように、LPH14の裏面側において、ホルダ45のアウト側端部には、後述するように第1バネ部材71が引っ掛けられるように受け部46が形成されている。
【0025】
図7は、LPH14を構成する部材を説明するための図である。図7(a)はLPH14における発光チップアレイ41の上面図であり、図7(b)はLPH14におけるロッドレンズアレイ43およびホルダ45の上面図である。
発光チップアレイ41は、複数のLEDを備えた発光チップC及び各発光チップCを駆動する信号発生回路や各種配線などが設けられる回路基板42を備えている。そして、図7(a)に示すように、発光チップアレイ41は、回路基板42上に、60個の発光チップC(C1〜C60)を、Y方向に二列に千鳥状に配置して構成されている。
【0026】
また、図7(b)に示すように、ロッドレンズアレイ43は、複数のロッドレンズ44を、互い違いとなるようにY方向に二列に整列配置した状態で、ホルダ45に保持させることによって構成されている。各ロッドレンズ44は例えば円柱状の形状を有しており、その半径方向に屈折率分布を有し正立等倍実像を形成する屈折率分布型レンズにて構成される。このような屈折率分布型レンズとしては、例えばセルフォック(日本板硝子株式会社の登録商標)レンズが挙げられる。
【0027】
図8は、LPH14に形成される接触部50を説明するための図である。図8(a)は、LPH14のアウト側端部を、図6(b)に図示するLPH14の紙面奧側から見た図である。一方、図8(b)は、LPH14のイン側端部を、図6(b)に図示するLPH14の紙面奧側から見た図である。
接触部50は、LPH14のアウト側端部に設けられるアウト側接触部51、及びLPH14のイン側端部に設けられるイン側接触部52を備えている。
アウト側接触部51は、図8(a)に示すように、X方向接触面51X、Y方向接触面51Y、及びZ方向接触面51Zを有している。これらの面は、LPH14の位置決めの基準面が設けられたアウト側保持部21に接触させるための面である。具体的には、X方向接触面51Xは、アウト側保持部21のX方向基準面21Xに接触する。Y方向接触面51Yは、アウト側保持部21のY方向基準面21Yに接触する。Z方向接触面51Zは、アウト側保持部21のZ方向基準面21Zに接触する。このように、本実施形態では、面接触によって、LPH14のイン側端部において、LPH14のX方向、Y方向及びZ方向の位置決めを図っている。
【0028】
一方、イン側接触部52には、図8(b)に示すように、Y方向接触面52Y、及びZ方向接触面52Zが形成されている。これらの面は、アウト側接触部51における接触面と同様に、LPH14の位置決めの基準面が設けられたイン側保持部22に接触させるための面である。具体的には、Y方向接触面52Yは、イン側保持部22のY方向基準面22Yに接触する。Z方向接触面52Zは、イン側保持部22のZ方向基準面22Zに接触する。このように、本実施形態では、面接触によって、LPH14のアウト側端部において、LPH14のY方向及びZ方向の位置決めを図っている。
なお、本実施形態では、LPH14のX方向の位置決めは、アウト側保持部21と、LPH14のアウト側接触部51とによってなされる。従って、LPH14のイン側接触部52にはX方向の接触面を形成していない。
【0029】
図9は、本実施形態が適用される固定部材70を説明するための図である。
本実施形態の固定部材70は、図9(a)〜(d)に示すように、4つのバネ部材を備えて構成されている。
上述したように、本実施形態では、LPH14の接触部50に形成される接触面を、保持部20に形成される基準面に接触させることでLPH14の位置決めを行う。従って、LPH14の接触部50に形成される接触面が、保持部20に形成される基準面に接触した状態にする必要がある。また、画像形成装置1を動作させている際などにおいても、LPH14と保持部20との接触状態を保つ必要がある。そこで、本実施形態では、固定部材70によって、保持部20における基準面及び接触部50における接触面によって位置決めされた位置にLPH14を固定している。
【0030】
固定部材70は、LPH14の固定ができる程度の弾性力、機械的強度を有していれば良い。また、本実施形態では、固定部材70を回路基板42に設けられるアース用パッド42aに接続させ、固定部材70をLPH14のアース接続の一部として機能させている(図3参照)。従って、本実施形態の固定部材70には、導電性を有するものとして金属を用いている。なお、固定部材70の材料として、導電性を持たせる必要のない構成を採用した場合には、例えば樹脂などを用いても構わない。
【0031】
固定部材70は、LPH14のアウト側端部を固定する第1バネ部材71及び第2バネ部材72を備えて構成される。また、固定部材70は、LPH14のイン側端部を固定する第3バネ部材73及び第4バネ部材74を備えて構成される。
【0032】
第1付与部材の一例としての第1バネ部材71は、LPH14のX方向の固定を行うものである。図9(a)に示すように、第1バネ部材71は、基部71a、アンカー部71b、掛かり部71c、アース部71d及び凹部71eを備えて構成される。
アンカー部71bは、基部71aの端部側に設けられる。アンカー部71bは、アウト側保持部21における貫通口212よりも幅が大きく形成されている。
掛かり部71cは、アンカー部71bが設けられる側とは反対側となる基部71aの端部側に設けられる。本実施形態の掛かり部71cはS字形状を有している。そして、掛かり部71cは、LPH14のアウト側端部に(本実施形態では受け部46、図6(b)参照)に引っ掛けられるように構成されている。なお、アンカー部71bから掛かり部71cまでの長さは、アンカー部71bと掛かり部71cとの間に、ハウジング19、アウト側保持部21及びアウト側接触部51を挟み込んだ状態にて、アウト側接触部51をアウト側保持部21に向けて押し付けることができる長さとしている(図10参照)。
【0033】
アース部71dは、第1バネ部材71をアウト側保持部21に組み付けた状態にて、LPH14における回路基板42のアース用パッド42aに接触できるようになっている。
また、図9(a)に示すように、基部71aの幅方向における中央部には、図面下側へと窪む凹部71eが設けられている。この凹部71eは、後述の第2バネ部材72の凸部72eが嵌るように構成されている。また、本実施形態では、凹部71eは、アウト側保持部21に組み付けられた状態にて、X方向に長い縦長形状を有している。なお、凹部71eは、基部71aを貫通し、X方向に長い縦長形状の開口であっても良い。
【0034】
次に、第2バネ部材72について、図9(b)を参照しながら説明する。
第2付与部材の一例としての第2バネ部材72は、LPH14のアウト側端部におけるY方向及びZ方向の固定を行う部材である。第2バネ部材72は、図9(b)に示すように、全体として見たときにΣ形状を有する部材である。そして、第2バネ部材72は、基部72a、開口部72b、掛かり部72c、押付け部72d、凸部72e及びガイド部72fを備えて構成される。
開口部72bは、基部72aの端部側に設けられる。開口部72bは、アウト側保持部21に第2バネ部材72をアウト側保持部21にねじ留めする際に用いられる。
【0035】
押付け部72dは、基部72aの開口部72bが設けられる側とは逆側に設けられる。押付け部72dは、図9(b)に示すように、基部72aから折れ曲がるようにして形成される。また、開口部72bから押付け部72dのまでの長さは、LPH14を保持部20に取り付けた状態(図3参照)で、アウト側接触部51をアウト側保持部21に向けて押し付けることができる長さとしている(図11参照)。また、押付け部72dには、図9(b)に示すように、掛かり部72cが形成されている。本実施形態の掛かり部72cはS字形状を有している。
【0036】
さらに、押付け部72dには、図面下側へと突出する凸部72eが形成されている。また、本実施形態では、凸部72eは半球形状を有しており、いわゆる半抜き加工によって形成される。この凸部72eは、上述したように、第1バネ部材71の凹部71eに嵌ることができるように構成されている。また、第2バネ部材72の凸部72eの厚み(高さ)は、第1バネ部材71と第2バネ部材72とが重ねられた状態にて(図3参照)、第1バネ部材71の基材71aではなく、第1バネ部材71の凹部71eに接触するように構成されている(図11参照)。
【0037】
さらに、基部72aの開口部72bが形成される側には、押付け部72dと対向するように、ガイド部72fが形成されている。ガイド部72fは、第2バネ部材72によってLPH14を固定する際、第2バネ部材72を組み付けるときに利用される。
【0038】
次に、第3バネ部材73について、図9(c)を参照しながら説明する。
本実施形態においては、第3バネ部材73は、LPH14のアース接続としての機能を担っている。
第3バネ部材73は、図9(c)に示すように、基部73a、アンカー部73b、アース部73d及び凹部73eを備えて構成される。
アンカー部73bは、イン側保持部22における貫通口222よりも幅が大きく形成されている。アース部73dは、第3バネ部材73をイン側保持部22に組み付けた状態にて、LPH14における回路基板42のアース用パッド42bに接触できるように、図面下側に向けて折り曲げられている。
また、基部73aには、図9(c)に示すように、図面下側に窪んだ凹部73eが設けられている。この凹部73eは、後述の第4バネ部材74の凸部74eが嵌るように構成されている。
【0039】
続いて、第4バネ部材74について、図9(d)を参照しながら説明する。
第4バネ部材74は、LPH14のイン側端部におけるY方向及びZ方向の固定を行う部材である。本実施形態において、第4バネ部材74の基本構成は、第2バネ部材72と同様である。第4バネ部材74は、図9(d)に示すように、全体としてΣ形状を有している。そして、第4バネ部材74は、基部74a、開口部74b、掛かり部74c、押付け部74d、凸部74e及びガイド部74fを備えて構成される。
【0040】
開口部74bは、イン側保持部22に第4バネ部材74自体をねじ留めする際に用いられる。また、第4バネ部材74の押付け部74dは、イン側保持部22に組み付けられた状態にて、LPH14にZ方向の力を付与する。また、掛かり部74cは、イン側保持部22に組み付けられた状態にて、LPH14のイン側端部にY方向の力を付与する。
【0041】
第4バネ部材74の凸部74eは、第3バネ部材73の凹部73eに嵌ることができるように構成される。そして、第4バネ部材74の凸部74eの厚み(高さ)は、第3バネ部材73と第4バネ部材74とが重ねられた状態にて(図4参照)、第3バネ部材73の基材73aではなく、第3バネ部材73の凹部73eに接触する厚みとしている。
また、ガイド部74fは、第4バネ部材74をイン側保持部22に組み付ける際に利用される部位である。
【0042】
次に、保持部20に対するLPH14の取り付け手順を説明する。
図10は、第1バネ部材71による、X方向におけるLPH14の固定を説明するための図である。図11は、第2バネ部材72による、Y方向及びZ方向におけるLPH14の固定を説明するための図である。なお、Y方向及びZ方向におけるLPH14の固定については、第2バネ部材72を例に挙げて説明する。
【0043】
LPH14を保持部20に取り付けるのに際して、先ずLPH14の表面側が感光体ドラム12側を向くようにして、LPH14を保持部20に載せる。より具体的には、LPH14のアウト側接触部51をアウト側保持部21に載せ、LPH14のイン側接触部52をイン側保持部22に載せる。
【0044】
このとき、LPH14のアウト側接触部51と保持部20のアウト側保持部21とにおいて、X方向基準面21XとX方向接触面51Xとが、Y方向基準面21XとY方向接触面51Xとが、Z方向基準面21ZとZ方向接触面51Zとが、それぞれ対向するように設置される。一方、LPH14のイン側接触部52と保持部20のイン側保持部22とにおいて、Y方向基準面22YとY方向接触面52Yとが、Z方向基準面22ZとZ方向接触面52Zとが、それぞれ対向するように設置される。
【0045】
次に、図10(a)に示すように、LPH14のアウト側端部においては、第1バネ部材71を貫通口212に通して、ハウジング19の内側へと差し込む。また、LPH14のイン側端部においては、第3バネ部材73を貫通口222に通して、ハウジング19の内側へと差し込む。
そして、図10(b)に示すように、第1バネ部材71の掛かり部71cをLPH14におけるホルダ45のアウト側端部(この例では受け部46)に引っ掛ける。そうすると、アンカー部71bと掛かり部71cとの間に、ハウジング19、アウト側保持部21、アウト側接触部51が挟み込まれた状態となる。このとき、第1バネ部材71の弾性力によって、アウト側接触部51のX方向接触面51Xが、アウト側保持部21のX方向基準面21Xに押し付けられる。その結果、LPH14のアウト側接触部51のX方向接触面51Xは、アウト側保持部21のX方向基準面21Xに接触した状態で固定される。即ち、LPH14のX方向の固定が完了する。
【0046】
なお、第1バネ部材71の掛かり部71cを、LPH14のホルダ45のアウト側端部に引っ掛けた際に、第1バネ部材71のアース部71dも、回路基板42に設けられたアース用パッド42aに接触した状態となる。
一方、第3バネ部材73は、図10(b)に示すように、回路基板42のアース用パッド42bが設けられる位置にアース部73dが載るように置かれる。
【0047】
そして、第1バネ部材71及び第3バネ部材73が取り付けられたLPH14に対して、第2バネ部材72及び第4バネ部材74をさらに取り付けていく。
図11(a)に示すように、LPH14のアウト側接触部51の裏面と、アウト側保持部21の天井部214とによって形成される空間に、第2バネ部材72を差し入れる。このとき、第2バネ部材72のガイド部72fを、天井部214に滑らせるようにして、第2バネ部材72を差し入れる。こうすることで、第2バネ部材72が天井部214に引っ掛かり難くなり、組み付け作業性が向上する。
【0048】
そして、図11(b)に示すように、さらに第2バネ部材72をY方向基準面21Yに向かう方向へと押し込む。そうすると、第2バネ部材72の掛かり部72cがアウト側接触部51の側面に接触する。このとき、アウト側接触部51には、Y方向基準面21に向かう力がかかり始める。そして、図11(a)に示すように、Y方向接触面51YとY方向基準面21Yとの間に隙間がある場合には、Y方向接触面51YがY方向基準面21Yに向けて移動し始める。さらに、第2バネ部材72をY方向基準面21Y側に向けて押し込むことにより、アウト側接触部51のY方向接触面51Yは、Y方向基準面21Yに押し当てられる。
【0049】
最後に、図11(c)に示すように、ねじ721によって第2バネ部材72をアウト側保持部21にねじ留めする。このとき、第2バネ部材72の開口部72bをアウト側保持部21のねじ穴213に合わせるように、第2バネ部材72を押し下げる。そうすると、第2バネ部材72の押付け部72dが、第1バネ部材71に接触する。そして、図11(c)に示すように、押付け部72dの凸部72eが、第1バネ部材71の凹部71eに嵌る。第2バネ部材72において生じる弾性力は、第1バネ部材71を介して、アウト側接触部51に伝わる。このとき、図11(b)に示すように、Z方向接触面51ZとZ方向基準面21Zとの間に隙間がある場合には、Z方向接触面51ZがZ方向基準面21Zに向けて移動し始める。そして、アウト側接触部51のZ方向接触面51Zは、Z方向基準面21Zに押し当てられる。
【0050】
なお、上記のとおり、第2バネ部材72を組み付けると、第2バネ部材72の凸部72eが第1バネ部材71の凹部71eに嵌る。これにより、第1バネ部材71がY方向、Z方向に動かないように固定される。これは、ここでは説明を省略した第3バネ部材73と第4バネ部材74との関係においても同様である。また、第1バネ部材71、第3バネ部材73が押し付けられることにより、第1バネ部材71のアース部71dとアース用パッド42aとの固定、第3バネ部材73のアース部73dとアース用パッド42bとの固定がなされる。
【0051】
また、実施形態では、第1バネ部材71の凹部71eをX方向に長い長穴としている。こうすることで、本実施形態では、例えばLPH14のホルダ45や第1バネ部材71のサイズにX方向の誤差が生じているとしても、第3バネ部材73の凹部73eを、第1バネ部材71の凹部71eに嵌め込むことができるようにしている。
【0052】
さらに、本実施形態では、第1バネ部材71の凹部71eと、第2バネ部材72の凸部72eとが接触するように構成されている。即ち、第2バネ部材72と第1バネ部材71との関係では、両者は点接触となっている。このように構成することで、例えば第2バネ部材72のねじ留めの際などに第2バネ部材72が傾いて固定されたとしても、第1バネ部材71における基部71aの中央部に設けられる凹部71eにて、その力を受けることができる。そして、基部71aの中央部にて力を受けた第1バネ部材71は、図11(c)に示すように、基部71a全体でアウト側接触部51をZ方向に押すことができる。
【0053】
ここで、上述した、固定部材70における各バネ部材のバネ力について説明する。
図12は、固定部材70のバネ力について説明するための模式図である。なお、ここでは、LPH14のアウト側端部の固定を例に挙げて説明する。
また、以下の説明では、第1バネ部材71がアウト側接触部51に付与するX方向の力を「X方向バネ力NX」とする。第2バネ部材72がアウト側接触部51に付与するY方向の力を「Y方向バネ力NY」とする。そして、第2バネ部材72がアウト側接触部51に付与するZ方向の力を「Z方向バネ力NZ」とする。なお、これらX方向バネ力NX、Y方向バネ力NY、及びZ方向バネ力NZは、例えば画像形成装置1の動作時において、LPH14が受ける振動等によって、保持部20に対してLPH14がずれない程度の力となっている。
【0054】
本実施形態では、アウト側保持部21における各面の材質は同じにしている。さらに、アウト側保持部21における各面の材質も同じとしている。従って、X方向基準面21XとX方向接触面51Xとの間、Y方向基準面21YとY方向接触面51Yとの間、Z方向基準面21ZとZ方向接触面51Zとの間の静止摩擦係数μは全て同じである。
【0055】
本実施形態では、以下の力関係が満たされるように、第1バネ部材71及び第2バネ部材72が各方向に付与する力を設定している。
NY > μNX (式1)
NZ > (μNX+μNY) (式2)
まず、式1について説明する。
図12(a)に示すように、本実施形態では、まず始めに第1バネ部材71により、X方向バネ力NXでもって、X方向接触面51XをX方向基準面21Xに押し当てる。
そして、図12(b)に示すように、第2バネ部材72により、Y方向基準面21Yに向けてY方向接触面51Yを移動させようとする。ここで、上記のように、X方向接触面51XとX方向基準面21Xとは既に接触した状態にある。そうすると、Y方向接触面51YをY方向基準面21Yに向けて移動させるには、Y方向バネ力NYは、X方向接触面51XとX方向基準面21Xとの間に生じる最大静止摩擦力(μNX)より大きくする必要が生じる。
【0056】
続いて、式2について説明する。
図12(c)に示すように、式1の条件を満たす場合、第2バネ部材72により、Y方向バネ力NYでもって、Y方向接触面51YはY方向基準面21Yに接触する。この段階では、X方向接触面51XとX方向基準面21Xとが、Y方向接触面51YとY方向基準面21Yとがそれぞれ接触した状態にある。そうすると、Z方向接触面51ZをZ方向基準面21Zに向けて移動させるには、Z方向バネ力NZは、X方向接触面51XとX方向基準面21Xとの間に生じる最大静止摩擦力(μNX)と、Y方向接触面51YとY方向基準面21Yとの間に生じる最大静止摩擦力(μNY)との和よりも大きくする必要が生じる。
【0057】
本実施形態では、第1バネ部材71及び第2バネ部材72は、LPH14に付与する各方向の力の関係を満たすように設定されている。さらに、本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向の順に力がかかるように固定部材70を組み付けることによって、LPH14を保持部20に固定している。このように、本実施形態では、各バネ部材のバネ力を設定し、さらに、各バネ部材の取り付け順序を上記の順とすることで、LPH14の接触部50における各接触面を、保持部20における各基準面に確実に固定させている。
【0058】
上記のように、本実施形態では、LPH14のアウト側端部に設けられる第1バネ部材71によって、LPH14のアウト側端部をアウト側保持部21に押し当てることで、つまり保持部を設けた側と同じ側の端部へX方向の力を付与することによってLPH14のX方向の固定を行っている。このような方式に対して、仮にLPH14のイン側端部からアウト側保持部21に向けてX方向の力を加え、アウト側保持部21にLPH14を押し当てることによって、つまり保持部を設けた側と逆側の端部へX方向の力を付与することによってもLPH14を固定することができる。しかしこの場合、LPH14の両側の端部からLPH14の内側の方向へX方向の力が作用することとなるので、LPH14の発光チップアレイ41やロッドレンズアレイ43等の発光領域に圧縮力がかかる。そうすると、この圧縮力により発光チップアレイ41に実装されるLEDやロッドレンズ44に歪みが生じ、LEDやロッドレンズ44の間隔が設計とは異なる間隔となるおそれがある。
【0059】
これに対して、本実施形態では、LPH14のアウト側端部をアウト側保持部21に向けて引っ張るようにしてLPH14の固定を行っている。そのため、アウト側保持部21と第1バネ部材71とによってLPH14に作用するX方向の力は、アウト側端部にのみ作用することとなる。よって、LPH14のイン側端部からアウト側保持部21に向けてX方向の力を加え、アウト側保持部21にLPH14を押し当てる場合に比べて、LPH14の発光チップアレイ41やロッドレンズアレイ43等の発光領域に作用するX方向の力を減らすことができるので、LPH14のイン側端部からアウト側保持部21に向けて力を加えて固定する場合に比べてLPH14の発光チップアレイ41やロッドレンズアレイ43などの発光領域における歪みを抑制することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、LPH14のY方向及びZ方向における固定を単一のバネ部材(第2バネ部材72、第4バネ部材74)によって行っていたが、これに限定される訳ではない。保持部20に形成される各方向の基準面に、LPH14の接触部50に設けられる各方向の接触面を、それぞれ押し当てることができれば良く、例えばLPH14のX方向を固定する部材、Y方向を固定する部材、Z方向を固定する部材を、それぞれ別体として構成しても構わない。
【0061】
また、実施形態では、第1バネ部材71がLPH14のアース接続の機能を果たしているが、例えば第2バネ部材72をアース用パッド42aに接触するように構成して、LPH14のアース接続を実現しても構わない。
【符号の説明】
【0062】
1…画像形成装置、10…画像形成プロセス部、11…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、14…LEDプリントヘッド(LPH)、20…保持部、21…アウト側保持部、22…イン側保持部、50…接触部、51…アウト側接触部、52…イン側接触部、70…固定部材、71…第1バネ部材、72…第2バネ部材、73…第3バネ部材、74…第4バネ部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端と他端とを有し、回転する像保持体の回転軸方向に沿った第1の方向に複数の発光素子が配列され、当該像保持体を露光する露光手段と、
前記露光手段の前記一端側の端部を保持する一端側保持部と、
前記一端側保持部に形成され、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の第1の方向における位置を決めるための基準となる第1基準部と、
前記露光手段の前記一端側の端部を前記第1基準部に向けて押し付ける力を、当該露光手段の当該一端側の端部に付与する付与部と
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記露光手段の前記他端側の端部を保持する他端側保持部を備え、
前記他端側保持部は、前記露光手段を前記第1の方向において移動可能に保持することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記第1基準部は面であり、前記露光手段の前記一端側の端部には当該第1基準部における面に接触させるための接触面が形成され、
前記付与部は、前記露光手段の前記接触面を、前記第1基準部の前記面に押し付けて、当該第1基準部の面と当該接触面との接触を保つことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記付与部は、前記露光手段のアース接続として機能することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項5】
回転する像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
一端と他端とを有し、前記像保持体の回転軸方向に沿った第1の方向に複数の発光素子が配列され、当該像保持体を露光して当該像保持体に静電潜像を形成する露光手段と、
前記露光手段の前記一端側の端部を保持する一端側保持部と、
前記一端側保持部に形成され、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の第1の方向における位置を決めるための基準となる第1基準部と、
前記露光手段の前記一端側の端部を前記第1基準部に向けて押し付ける力を、当該露光手段の当該一端側の端部に付与する付与部と、
前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像して画像を形成する現像装置と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記一端側保持部には、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の光照射方向に沿った第2の方向における当該露光手段の位置を決めるための基準となる第2基準部と、前記第1の方向と前記第2の方向とに直交する方向に沿った第3の方向における当該露光手段の位置を決める第3基準部とがさらに形成され、
前記付与部は、前記露光手段の前記一端側の端部を、前記第1基準部、前記第2基準部及び前記第3基準部に向けてそれぞれ押し付けることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記付与部による、前記第1基準部に前記露光手段の前記一端側を押し付ける力は、当該露光手段の当該一端側の端部の前記第3の方向への移動を妨げないように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記付与部による、前記第1基準部及び前記第3基準部に前記露光手段の前記一端側を押し付ける力は、当該露光手段の当該一端側の端部の前記第2の方向への移動を妨げないように設定されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記付与部は、前記露光手段の前記一端側の端部に、前記第1の方向に向けた力を付与する第1付与部材と、前記第2の方向及び前記第3の方向に向けた力を付与する第2付与部材とを備え、
前記第2付与部材と前記露光手段の前記一端側の端部との間に前記第1付与部材が挟み込まれ、当該第2付与部材は、前記第1付与部材と当該露光手段の当該一端側の端部とを、前記第2基準部側に向けて押し付けることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2付与部材には凸部が形成され、前記第2付与部材は、前記第1付与部材に当該凸部を接触させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1付与部材には前記第1の方向に長い凹部が形成され、当該第1付与部材の凹部に、前記第2付与部材の前記凸部が嵌められることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項1】
一端と他端とを有し、回転する像保持体の回転軸方向に沿った第1の方向に複数の発光素子が配列され、当該像保持体を露光する露光手段と、
前記露光手段の前記一端側の端部を保持する一端側保持部と、
前記一端側保持部に形成され、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の第1の方向における位置を決めるための基準となる第1基準部と、
前記露光手段の前記一端側の端部を前記第1基準部に向けて押し付ける力を、当該露光手段の当該一端側の端部に付与する付与部と
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記露光手段の前記他端側の端部を保持する他端側保持部を備え、
前記他端側保持部は、前記露光手段を前記第1の方向において移動可能に保持することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記第1基準部は面であり、前記露光手段の前記一端側の端部には当該第1基準部における面に接触させるための接触面が形成され、
前記付与部は、前記露光手段の前記接触面を、前記第1基準部の前記面に押し付けて、当該第1基準部の面と当該接触面との接触を保つことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記付与部は、前記露光手段のアース接続として機能することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項5】
回転する像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電装置と、
一端と他端とを有し、前記像保持体の回転軸方向に沿った第1の方向に複数の発光素子が配列され、当該像保持体を露光して当該像保持体に静電潜像を形成する露光手段と、
前記露光手段の前記一端側の端部を保持する一端側保持部と、
前記一端側保持部に形成され、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の第1の方向における位置を決めるための基準となる第1基準部と、
前記露光手段の前記一端側の端部を前記第1基準部に向けて押し付ける力を、当該露光手段の当該一端側の端部に付与する付与部と、
前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像して画像を形成する現像装置と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記一端側保持部には、前記露光手段の前記一端側の端部を接触させることで、当該露光手段の光照射方向に沿った第2の方向における当該露光手段の位置を決めるための基準となる第2基準部と、前記第1の方向と前記第2の方向とに直交する方向に沿った第3の方向における当該露光手段の位置を決める第3基準部とがさらに形成され、
前記付与部は、前記露光手段の前記一端側の端部を、前記第1基準部、前記第2基準部及び前記第3基準部に向けてそれぞれ押し付けることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記付与部による、前記第1基準部に前記露光手段の前記一端側を押し付ける力は、当該露光手段の当該一端側の端部の前記第3の方向への移動を妨げないように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記付与部による、前記第1基準部及び前記第3基準部に前記露光手段の前記一端側を押し付ける力は、当該露光手段の当該一端側の端部の前記第2の方向への移動を妨げないように設定されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記付与部は、前記露光手段の前記一端側の端部に、前記第1の方向に向けた力を付与する第1付与部材と、前記第2の方向及び前記第3の方向に向けた力を付与する第2付与部材とを備え、
前記第2付与部材と前記露光手段の前記一端側の端部との間に前記第1付与部材が挟み込まれ、当該第2付与部材は、前記第1付与部材と当該露光手段の当該一端側の端部とを、前記第2基準部側に向けて押し付けることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2付与部材には凸部が形成され、前記第2付与部材は、前記第1付与部材に当該凸部を接触させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1付与部材には前記第1の方向に長い凹部が形成され、当該第1付与部材の凹部に、前記第2付与部材の前記凸部が嵌められることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−221510(P2010−221510A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70917(P2009−70917)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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