説明

静電容量型センサおよびセンサ取付構造

【課題】柔軟で、荷重の測定レンジが広い静電容量型センサを提供することを課題とする。
【解決手段】静電容量型センサ5は、エラストマー製であって、積層方向のばね定数が異なる複数の誘電層500、501が積層されてなる誘電体50と、誘電体50の表側に配置され、エラストマーと、エラストマーに充填される導電性フィラーと、を有する表側電極01X〜12Xと、誘電体50の裏側に配置され、エラストマーと、エラストマーに充填される導電性フィラーと、を有する裏側電極01Y〜12Yと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば介護用ロボットの腕部などに配置され、静電容量の変化から荷重を検出可能な静電容量型センサ、およびセンサ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、介護用ロボット、移動用ロボット、ペットロボットなど、人間に対して何等かのサービスを提供するサービスロボットには、人間が触れた場合の触感の軟らかさ、つまり外装の軟らかさが要求される。一方、サービスロボットに装着され、人間の接触を検出する触覚センサには、感度が高いことが要求される。
【0003】
特許文献1には、ロボット用の触覚センサとして、ピエゾフィルムセンサが開示されている。ロボットの皮膚は、二層のシリコーンゴム層を備えている。ピエゾフィルムセンサは、二層のシリコーンゴム層の間に埋設されている。硬質のピエゾフィルムセンサは、軟質のシリコーンゴム層により、表側から覆われている。このため、同文献記載のロボットの場合、人間がロボットに接触する際、硬質のピエゾフィルムセンサが、直接人間に接触することがない。したがって、ロボットに接触した人間は、軟らかい触感を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−161450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ピエゾフィルムセンサはシリコーンゴム層により覆われている。このため、ロボットの皮膚に入力された荷重は、シリコーンゴム層を介して、ピエゾフィルムセンサに伝達されることになる。したがって、ピエゾフィルムセンサの感度が低下してしまう。
【0006】
また、硬質のピエゾフィルムセンサの触感が、シリコーンゴム層を介して、外部に発現しないためには、シリコーンゴム層の層厚を、ある程度厚くする必要がある。この点においても、ピエゾフィルムセンサの感度が低下してしまう。
【0007】
ここで、ピエゾフィルムセンサの感度を向上させるには、ロボットの皮膚の表面にピエゾフィルムセンサを配置すればよい。しかしながら、この場合、ロボットつまりピエゾフィルムセンサに接触した人間は、硬い触感を受けることになる。このように、ロボットの外装の軟らかさと、センサの高感度と、を両立するのは困難である。
【0008】
また、触覚センサの荷重の測定レンジは、広い方が好ましい。すなわち、触覚センサは、サービスロボットの、人間と接触する腕部や胸部などに配置される。例えば、サービスロボットが腕部だけで人間を抱き上げる場合、腕部に体重が集中してしまう。このため、触覚センサには大きな荷重が加わることになる。これに対して、人間がサービスロボットの腕部を撫でる場合、触覚センサには小さな荷重が加わることになる。このように、触覚センサには、状況に応じて、あらゆる大きさの荷重が入力される。したがって、触覚センサの荷重の測定レンジは、広い方が好ましい。
【0009】
しかしながら、従来の触覚センサの場合、荷重の測定レンジが狭かった。このため、大きな荷重が加わる部位と小さな荷重が加わる部位とで、測定レンジの異なる二種類のセンサを使い分ける必要があった。
【0010】
本発明の静電容量型センサは、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、柔軟で、荷重の測定レンジが広い静電容量型センサを提供することを目的とする。また、本発明は、サービスロボットの外装の軟らかさと、センサの高感度と、を両立できるセンサ取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記課題を解決するため、本発明の静電容量型センサは、エラストマー製であって、積層方向のばね定数が異なる複数の誘電層が積層されてなる誘電体と、該誘電体の表側に配置され、エラストマーと、該エラストマーに充填される導電性フィラーと、を有する表側電極と、該誘電体の裏側に配置され、エラストマーと、該エラストマーに充填される導電性フィラーと、を有する裏側電極と、を備えることを特徴とする(請求項1に対応)。
【0012】
本発明の静電容量型センサは、エラストマー製の誘電体と、エラストマーを主成分とする表側電極および裏側電極と、を備えている。このため、ピエゾフィルムセンサと比較して柔軟である。また、誘電体、表側電極、裏側電極は、一体的に伸縮することができる。したがって、誘電体の伸縮を、表側電極あるいは裏側電極が規制するおそれが小さい。
【0013】
また、本発明の静電容量型センサの誘電体は、複数の誘電層が積層されることにより、形成されている。図1に、本発明の静電容量型センサの荷重と静電容量との関係を模式図で示す。なお、図1は、本発明の静電容量型センサの作用を説明するためのものである。図1の誘電層a、bの線の形状、傾き、線の数(誘電層の数)などは、本発明の静電容量型センサを何等限定するものではない。
【0014】
図1に示すように、誘電体は、誘電層aと誘電層bとが積層されることにより、形成されている。誘電層aの積層方向のばね定数は、誘電層bの積層方向のばね定数よりも小さい。このため、同じ荷重が入力される場合、誘電層aの方が、誘電層bよりも、大きく圧縮される。したがって、誘電層aの方が、誘電層bよりも、静電容量の変化量が大きくなる。図1に太線で示すように、荷重に対して静電容量が略線形に推移する区間が、荷重を検出するために誘電層a、bを有効に利用できる区間である。
【0015】
荷重の小さな低荷重領域Aにおいては、誘電層a、誘電層b共に、荷重に対して静電容量が略線形に推移する。このため、誘電層a、誘電層b共に、荷重の検出に利用することができる。ただし、誘電層aの方が誘電層bよりも傾き(静電容量変化量/荷重変化量)が大きい。つまり、誘電層aの方が誘電層bよりも感度が高い。このため、荷重の検出には、主に誘電層aが機能することになる。
【0016】
これに対して、荷重の大きな高荷重領域Bにおいては、誘電層aが潰れきってしまい、荷重が変化しても静電容量があまり変化しなくなる。これに対して、誘電層bは、高荷重領域Bにおいても、荷重に対して静電容量が略線形に推移する。このため、高荷重領域Bにおいては、荷重の検出には、主に誘電層bが機能することになる。なお、積層方向のばね定数の異なる誘電層が三層以上積層されている場合も同様である。
【0017】
このように、本発明の静電容量型センサによると、誘電層aだけを単体で配置する場合と比較して、低荷重領域Aのみならず高荷重領域Bまで、荷重を検出することができる。よって、本発明の静電容量型センサによると、荷重の測定レンジが広くなる。また、誘電層bだけを単体で配置する場合と比較して、低荷重領域Aにおける感度を高くすることができる。
【0018】
(1−1)好ましくは、上記(1)の構成において、積層方向に単層だけ配置されている構成とする方がよい。
【0019】
本構成によると、(a)(表側電極−単層の誘電層−裏側電極)という従来構造の静電容量型センサを複数積層させる場合や、(b)本発明の静電容量型センサを複数積層させる場合(この場合も、勿論、上記(1)の構成に含まれる。)と比較して、電極の配置数が少なくなる。また、電極の配置数が少ない分、電気的構成が簡単になる。
【0020】
また、上記(a)、(b)の場合、入力された荷重は、表側の静電容量型センサから裏側の静電容量型センサに伝達される。このため、表側の静電容量型センサと裏側の静電容量型センサとで、荷重を検出するタイミングがずれてしまう。したがって、各静電容量型センサの検出データの同期を取る必要がある。これに対して、本構成の場合、検出データの同期を取る必要がない。この点においても電気的構成が簡単になる。
【0021】
(1−2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記誘電層の材料である前記エラストマーは、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴムから選ばれる一種以上を含む構成とする方がよい。本構成によると、誘電層の比誘電率が高くなる。このため、静電容量を大きくすることができる。
【0022】
(1−3)好ましくは、上記(1)の構成において、前記表側電極の材料である前記エラストマーおよび前記裏側電極の材料である前記エラストマーのうち、少なくとも一方は、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴムから選ばれる一種以上を含む構成とする方がよい。本構成によると、表側電極および裏側電極のうち少なくとも一方の伸縮性が高くなる。このため、表側電極および裏側電極のうち少なくとも一方と、誘電体と、が一体的に伸縮しやすい。
【0023】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記誘電層のJIS K 6767における25%圧縮荷重は、0.001MPa以上0.01MPa以下である構成とする方がよい(請求項2に対応)。
【0024】
JIS K 6767における25%圧縮荷重(以下、「25%圧縮荷重」と略称する。)が大きいと、誘電層が硬くなる。このため、積層方向および面方向(積層方向に対して直交する方向)のばね定数が大きくなる。一方、25%圧縮荷重が小さいと、誘電層が軟らかくなる。このため、積層方向および面方向のばね定数が小さくなる。
【0025】
25%圧縮荷重を0.001MPa以上としたのは、0.001MPa未満の場合、接触などの低荷重により誘電層が潰れきってしまい、高荷重での計測が不可能なるおそれがあるからである。
【0026】
25%圧縮荷重を0.01MPa以下としたのは、0.01MPaを超えると誘電層が硬すぎるからである。例えば、静電容量型センサをサービスロボットに用いる場合、誘電層の25%圧縮荷重が0.01MPaを超えると、人の体重領域の荷重が加わっても誘電層が変形しにくいため、不適当である。
【0027】
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記表側電極および前記裏側電極は、いずれも帯状であって、さらに、該表側電極と該裏側電極とが、前記積層方向表側または裏側から見て、交差することにより形成される複数の検出部を備え、複数の該検出部の静電容量から面圧分布を検出する構成とする方がよい(請求項3に対応)。
【0028】
本構成によると、検出部の静電容量から、検出部の荷重を検出することができる。また、複数の検出部の静電容量の分布から、荷重分布つまり面圧分布を検出することができる。また、表側電極、裏側電極は、共に帯状である。並びに、検出部は、表側電極と裏側電極との交差部分を利用して配置されている。このため、電極の配置数が少なくなる。また、検出部から静電容量を検出するための配線数が少なくなる。
【0029】
(3−1)好ましくは、上記(3)の構成において、前記表側電極は複数列並んで配列され、前記裏側電極は複数列並んで配列され、複数の該表側電極と複数の該裏側電極とは、前記積層方向表側または裏側から見て、略直交して配置される構成とする方がよい。
【0030】
本構成によると、複数の検出部を、静電容量型センサの全面に分散させやすい。このため、静電容量型センサ全面に占める、面圧検出可能な部分の面積を、大きくすることができる。また、静電容量型センサ全面において、検出部の配置がばらつくのを抑制することができる。
【0031】
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、複数の前記誘電層は、前記積層方向に対して直交する面方向のばね定数の小さい順と、該積層方向表側から裏側に向かう方向と、が対応するように積層される構成とする方がよい(請求項4に対応)。
【0032】
誘電体(複数の誘電層の積層体)に着目しても、誘電層単層に着目しても、荷重が入力されると、表側から裏側に荷重が伝達されるのに従って、徐々に荷重は面方向に分散してしまう。
【0033】
このため、例えば、単一の検出部に荷重が入力された場合であっても、当該検出部の静電容量のみならず、当該検出部に隣接する他の検出部の静電容量も変化してしまう場合がある。この場合、荷重が入力された検出部に着目すると、他の検出部に荷重が分散する分、静電容量の変化量が小さくなる。このため、実際の荷重に対して、見かけの検出荷重が小さくなってしまう。また、荷重が入力された面積に着目すると、実際の荷重入力面積に対して、見かけの検出面積が広くなってしまう。このように、複数の誘電層が積層される場合、検出荷重の観点からも、検出面積の観点からも、共に感度が低下するおそれがある。
【0034】
そこで、本発明者は、誘電層の面方向のばね定数に着目した。すなわち、誘電層の面方向のばね定数が小さいほど、荷重は面方向に分散しにくくなる。反対に、誘電層の面方向のばね定数が大きいほど、荷重は面方向に分散しやすくなる。この特性に着目して、発明者は、面方向のばね定数が小さい順に、表側から裏側に向かう方向に、誘電層を積層させた。すなわち、最も面方向のばね定数が小さい誘電層を最表側に、最も面方向のばね定数が大きい誘電層を最裏側に、それぞれ配置した。
【0035】
本構成によると、面方向のばね定数が大きい順に、表側から裏側に向かう方向に、誘電層を積層させた場合と比較して、荷重が入力された検出部に着目すると、他の検出部に荷重が分散しにくい。このため、実際の荷重に対して、見かけの検出荷重が小さくなりにくい。また、荷重が入力された面積に着目すると、実際の荷重入力面積に対して、見かけの検出面積が広くなりにくい。このように、本構成によると、検出荷重の観点からも、検出面積の観点からも、共に感度が低下しにくい。
【0036】
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、前記表側電極は前記誘電体の表面に、前記裏側電極は該誘電体の裏面に、それぞれ印刷される構成とする方がよい(請求項5に対応)。
【0037】
本構成によると、柔軟で薄肉の静電容量型センサを簡単に作製することができる。また、複数の誘電層、表側電極、裏側電極という、荷重測定に必須の構成要素を、比較的簡単に集積化することができる。このため、静電容量型センサの生産性が高い。また、誘電体に対して、表側電極と裏側電極との位置決めが簡単である。したがって、所望の位置に、精確に、検出部を配置することができる。
【0038】
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、さらに、前記表側電極の表側に配置され、該表側電極を外部から絶縁する表側絶縁層を備える構成とする方がよい(請求項6に対応)。本構成によると、表側電極と、静電容量型センサ外部の人間や部材などと、が導通するのを抑制することができる。
【0039】
なお、特許文献1のロボットのピエゾフィルムセンサは、軟質のシリコーンゴム層により、表側から覆われている。シリコーンゴムは絶縁性を有する。このため、特許文献1のピエゾフィルムセンサも表側絶縁層を備えていることになる。
【0040】
しかしながら、ピエゾフィルムセンサは、本発明の静電容量型センサと比較して、硬質である。このため、同文献記載のピエゾフィルムセンサの場合、センサ自体の柔軟性を改良するためには、シリコーンゴム層の層厚を厚くする必要がある。したがって、必然的にピエゾフィルムセンサの感度が低下してしまう。
【0041】
これに対して、本発明の静電容量型センサによると、誘電体、表側電極、裏側電極が、いずれも柔軟である。このため、表側絶縁層の層厚が薄い場合であっても、簡単にセンサ自体の柔軟性を確保することができる。したがって、感度が低下しにくい。
【0042】
(7)また、上記課題を解決するため、本発明のサービスロボットのセンサ取付構造は、外装部材と、該外装部材の表面に積層される上記(1)ないし(6)のいずれかの構成の静電容量型センサと、を有し、人間に接触する接触部を備えることを特徴とする(請求項7に対応)。
【0043】
接触部は、外装部材と静電容量型センサとを備えている。静電容量型センサは、外装部材の表面に積層されている。このため、静電容量型センサが外装部材の内部に埋設されている場合と比較して、感度が低下しにくい。また、静電容量型センサは、エラストマー製の誘電体と、エラストマーを主成分とする表側電極および裏側電極と、を備えている。このため、静電容量型センサは、ピエゾフィルムセンサと比較して柔軟である。したがって、接触部は、軟らかい外装を得ることができる。また、サービスロボットつまり静電容量型センサに接触した人間は、軟らかい触感を得ることができる。
【0044】
(8)好ましくは、上記(7)の構成において、複数の前記誘電層の前記積層方向のばね定数の最大値は、前記外装部材の該積層方向のばね定数よりも、小さい構成とする方がよい(請求項8に対応)。
【0045】
本構成によると、荷重が入力された場合、外装部材に優先して、全ての誘電層を圧縮させることができる。このため、誘電層に優先して外装部材が変形してしまう場合と比較して、静電容量型センサの感度が高くなる。
【0046】
(9)好ましくは、上記(7)または(8)の構成において、前記接触部は、人間を抱き上げる腕部に配置される構成とする方がよい(請求項9に対応)。本構成によると、外装部材の表面に静電容量型センサが配置されているため、抱き上げられた人間から受ける荷重を、感度よく検出することができる。また、抱き上げられた人間は、接触部つまり静電容量型センサから、軟らかい触感を得ることができる。
【0047】
また、腕部で人間を抱き上げる場合、体重が集中するため、接触部に加わる荷重は比較的大きくなる。この場合であっても、静電容量型センサの荷重の測定レンジは広いため、荷重を感度よく検出することができる。
【0048】
(10)好ましくは、上記(7)ないし(9)のいずれかの構成において、前記接触部は、人間が該接触部に触れる際の触覚を介して操作される構成とする方がよい(請求項10に対応)。
【0049】
人間が触れる際に静電容量型センサに入力される荷重は比較的小さくなる。この場合であっても、静電容量型センサの荷重の測定レンジは広いため、荷重を感度よく検出することができる。
【0050】
特に、本構成と上記(9)の構成とを組み合わせた場合、静電容量型センサには、大きな「抱き上げ荷重」と、小さな「接触荷重」と、が入力されることになる。この場合であっても、静電容量型センサの荷重の測定レンジは、図1に示すように低荷重領域Aから高荷重領域Bに至るまで、広範囲である。このため、荷重を感度よく検出することができる。また、低荷重領域A専用のセンサと、高荷重領域B専用のセンサと、を別々に配置する場合と比較して、センサ配置数が少なくなる。また、サービスロボットの機械的構成、電気的構成が簡単になる。
【発明の効果】
【0051】
本発明によると、柔軟で、荷重の測定レンジが広い静電容量型センサを提供することができる。また、本発明によると、サービスロボットの外装の軟らかさと、センサの高感度と、を両立できるセンサ取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の静電容量型センサの荷重と静電容量との関係を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態のセンサ取付構造を有する介護用ロボットの斜視図である。
【図3】同センサ取付構造の部分断面斜視図である。
【図4】図3のIV−IV方向展開図である。
【図5】図4のV−V方向断面図である。
【図6】図5の誘電体の模式図である。
【図7】図6に対して、径方向に逆さまに配置された誘電体に荷重が加わる場合の模式図である。
【図8】図6の誘電体に荷重が加わる場合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明のセンサ取付構造の実施の形態について説明する。なお、以下の説明は、本発明の静電容量型センサの実施の形態についての説明を兼ねるものである。
【0054】
[センサ取付構造の配置]
まず、本実施形態のセンサ取付構造の配置について説明する。図2に、本実施形態のセンサ取付構造を有する介護用ロボットの斜視図を示す。図2に示すように、介護用ロボット9は、二本の腕部90を備えている。なお、介護用ロボット9は、本発明のサービスロボットに含まれる。介護用ロボット9は、二本の腕部90だけを用いて、被介護者91を抱き上げることができる。
【0055】
二本の腕部90は、各々、前腕部900と上腕部901とを備えている。前腕部900、上腕部901は、駆動機構(図略)により駆動される。センサ取付構造2は、前腕部900、上腕部901に配置されている。
【0056】
[センサ取付構造の構成]
次に、センサ取付構造2の構成について説明する。四つのセンサ取付構造2の構成は同様である。よって、これら四つのセンサ取付構造2を代表して、左側の腕部90の前腕部900のセンサ取付構造2の構成について説明する。
【0057】
図3に、本実施形態のセンサ取付構造の部分断面斜視図を示す。図4に、図3のIV−IV方向展開図を示す。図5に、図4のV−V方向断面図を示す。なお、説明の便宜上、図3においては表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yに、図4においては検出部A0101〜A1212に、それぞれハッチングを施す。また、図4においては、裏側電極01Y〜12Yを細線で示す。
【0058】
また、検出部の符号「A○○△△」中、上二桁の「○○」は、表側電極01X〜12Xに対応している。下二桁の「△△」は、裏側電極01Y〜12Yに対応している。また、図3〜図5に示す接触部3は、実際の接触部3の一部を抜き出したものである。このため、実際には、図3〜図5に示すよりも多くの表側電極01X〜12Xが、軸方向に並設されている。また、図3〜図5に示すよりも多くの検出部A0101〜A1212が配置されている。
【0059】
図3〜図5に示すように、センサ取付構造2は、接触部3を備えている。接触部3は、外装部材4と静電容量型センサ5とを備えている。外装部材4は、エラストマー製であって、絶縁性を有している。静電容量型センサ5は、外装部材4の外周面に配置されている。静電容量型センサ5は、誘電体50と、表側電極01X〜12Xと、裏側電極01Y〜12Yと、検出部A0101〜A1212と、表側絶縁層51とを備えている。
【0060】
誘電体50は、表側誘電層500と、裏側誘電層501とを備えている。表側誘電層500、裏側誘電層501は、本発明の誘電層に含まれる。表側誘電層500は、裏側誘電層501の表側(径方向外側)に積層されている。表側誘電層500は、ウレタンフォーム(商品名:EFF、株式会社イノアックコーポレーション製)であって、シート状を呈している。表側誘電層500の25%圧縮荷重は、0.0024MPaである。裏側誘電層501は、ウレタンフォーム(商品名:PORON(登録商標) SR−S−24P、株式会社ロジャースイノアック製)であって、シート状を呈している。裏側誘電層501の25%圧縮荷重は、0.008MPaである。このように、表側誘電層500の方が、裏側誘電層501よりも、25%圧縮荷重が小さい。このため、表側誘電層500の方が、裏側誘電層501よりも、積層方向(径方向)のばね定数が小さい。並びに、表側誘電層500の方が、裏側誘電層501よりも、面方向(周方向および軸方向)のばね定数が小さい。
【0061】
表側電極01X〜12Xは、表側誘電層500の外周面に、合計12本配置されている。表側電極01X〜12Xは、各々、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックと、を含んで形成されている。表側電極01X〜12Xは、各々、帯状を呈している。表側電極01X〜12Xは、各々、周方向に延在している。表側電極01X〜12Xは、軸方向に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。表側電極01X〜12Xは、各々、表側配線(図略)、表側配線用コネクタ(図略)を介して、演算部(図略)に接続されている。なお、表側配線も、表側電極01X〜12X同様に、表側誘電層500の外周面に配置されている。表側配線は、ウレタンゴムと銀粉とを含んで形成されている。
【0062】
表側絶縁層51は、表側誘電層500の外周面に配置されている。表側絶縁層51は、アクリルゴムを含んで形成されている。表側絶縁層51は、シート状を呈している。表側絶縁層51は、表側誘電層500、表側電極01X〜12X、表側配線を、上方から覆っている。
【0063】
裏側電極01Y〜12Yは、裏側誘電層501の内周面に、合計12本配置されている。裏側電極01Y〜12Yは、各々、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックと、を含んで形成されている。裏側電極01Y〜12Yは、各々、帯状を呈している。裏側電極01Y〜12Yは、各々、軸方向に延在している。裏側電極01Y〜12Yは、周方向に、所定間隔ごとに離間して、互いに略平行になるように、配置されている。裏側電極01Y〜12Yは、各々、裏側配線(図略)、裏側配線用コネクタ(図略)を介して、演算部に接続されている。なお、裏側配線も、裏側電極01Y〜12Y同様に、裏側誘電層501の内周面に配置されている。裏側配線は、ウレタンゴムと銀粉とを含んで形成されている。
【0064】
検出部A0101〜A1212は、図4にハッチングで示すように、表側電極01X〜12Xと、裏側電極01Y〜12Yとが、径方向外側または内側から見て、交差する部分(重複する部分)に配置されている。検出部A0101〜A1212は、静電容量型センサ5の略全面に亘って、略等間隔に配置されている。検出部A0101〜A1212は、各々、表側電極01X〜12Xの一部と、裏側電極01Y〜12Yの一部と、誘電体50の一部と、を備えている。
【0065】
演算部は、電源回路と、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、を備えている。演算部は、表側配線用コネクタ、裏側配線用コネクタに、電気的に接続されている。
【0066】
[センサ取付構造の製造方法]
次に、本実施形態のセンサ取付構造2の製造方法について説明する。本実施形態のセンサ取付構造2の製造方法は、センサ製造工程とセンサ巻装工程とを有している。センサ製造工程は、誘電層積層工程と、塗料調製工程と、層表側電極印刷工程と、表側配線印刷工程と、表側絶縁層印刷工程と、裏側電極印刷工程と、裏側配線印刷工程と、を有している。
【0067】
誘電層積層工程においては、表側誘電層500と裏側誘電層501とを、接着することにより積層させる。すなわち、誘電体50を作製する。
【0068】
塗料調製工程においては、電極塗料、配線塗料、絶縁層塗料を、それぞれ調製する。電極塗料は、以下の手順で調製する。まず、ポリマー(アクリルゴム、商品名:ニポール(登録商標)AR51、日本ゼオン社製)100質量部、加硫助剤(ステアリン酸、商品名:ルナック(登録商標)S30、花王社製)1.00質量部、加硫促進剤(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、商品名:ノクセラー(登録商標)PZ、大内新興化学社製)2.50質量部、加硫促進剤(ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、商品名:ノクセラーTTFE、大内新興化学社製)0.50質量部を秤量し、ロールを用いてゴム練りを行う。そして、ゴムコンパウンドを調製する。続いて、調製したゴムコンパウンドを有機溶剤(メチルエチルケトン、三協化学社製)1500質量部に浸漬し、有機溶剤を撹拌し、ゴムコンパウンドを有機溶剤に均一に溶解させた溶液を得る。それから、当該溶液に、導電性カーボンブラック(ケッチェンブラック、商品名:EC300J、ライオン社製)22.86質量部を添加する。そして、固形分率約7.8質量%のMEK(メチルエチルケトン)溶液を得る。それから、当該MEK溶液にミル処理を施し、MEK溶液中の導電性カーボンブラックの分散性を向上させる。具体的には、MEK溶液を3200rpmで回転するダイノミルに投入し、40回程度MEK溶液を循環させる。その後、ミル処理後のMEK溶液に印刷用溶剤(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、三協化学社製)686.7質量部を添加する。それから、印刷用溶剤を添加したMEK溶液を、大気と接する面積を広くするために、口の広い容器に移し替える。そして、当該MEK溶液を、時々撹拌しながら、約一日放置することにより、沸点の低いMEKを充分に蒸発させる。このようにして、電極塗料を調製する。なお、印刷用溶剤の沸点は200℃以上である。このため、印刷用溶剤の揮発は無視できる。
【0069】
配線塗料は、以下の手順で調製する。まず、ポリマー(ポリウレタンをMEK/トルエン/イソプロピルアルコールに溶解したもの、商品名:ニッポラン(登録商標)5230、日本ポリウレタン工業社製)333質量部(ポリマーの固形分は30質量%なので、ポリマー333質量部はポリウレタン100質量部に相当する)、10μmフレーク状の銀粒子(商品名:FA−D−4、DOWAエレクトロニクス社製)400質量部、1μm球状の銀粒子(商品名:AG2−1C、DOWAエレクトロニクス社製)400質量部、印刷用溶剤(ブチルカルビトール、三協化学社製)150質量部を秤量し、撹拌して均一化させる。そして、撹拌後の溶液を、大気と接する面積を広くするために、口の広い容器に移し替える。そして、当該溶液を、時々撹拌しながら、約一日放置することにより、沸点の低いMEK、トルエン、イソプロピルアルコールを充分に蒸発させる。このようにして、配線塗料を調製する。
【0070】
絶縁層塗料は、以下の手順で調製する。まず、ポリマー(アクリルゴム、商品名:ニポールAR51、日本ゼオン社製)100質量部、加硫助剤(ステアリン酸、商品名:ルナックS30、花王社製)1.00質量部、加硫促進剤(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、商品名:ノクセラーPZ、大内新興化学社製)2.50質量部、加硫促進剤(ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、商品名:ノクセラーTTFE、大内新興化学社製)0.50質量部を秤量し、ロールを用いてゴム練りを行う。そして、ゴムコンパウンドを調製する。続いて、調製したゴムコンパウンドを印刷用溶剤(エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ダイセル化学工業社製)300質量部に浸漬し、撹拌して均一化させる。このようにして、絶縁層塗料を調製する。
【0071】
表側電極印刷工程においては、スクリーン印刷機を用いて、塗料調製工程において調製した電極塗料を、表側誘電層500の表面に印刷する。すなわち、表側誘電層500の表面に、表側電極01X〜12Xを積層させる。その後、表側電極01X〜12Xを加熱し、ポリマーを加硫させる。
【0072】
表側配線印刷工程においては、表側電極印刷工程と同様に、スクリーン印刷機を用いて、表側誘電層500の表面に、塗料調製工程において調製した配線塗料を印刷する。すなわち、表側誘電層500の表面に、表側配線を積層させる。その後、表側配線を乾燥させる。
【0073】
表側絶縁層印刷工程においては、表側電極印刷工程と同様に、スクリーン印刷機を用いて、表側誘電層500、表側電極01X〜12X、表側配線の表面に、塗料調製工程において調製した絶縁層塗料を印刷する。すなわち、表側誘電層500、表側電極01X〜12X、表側配線の表面に、表側絶縁層51を積層させる。その後、表側絶縁層51を加熱し、ポリマーを加硫させる。
【0074】
裏側電極印刷工程においては、表側電極印刷工程と同様に、スクリーン印刷機を用いて、裏側誘電層501の裏面に、塗料調製工程において調製した電極塗料を印刷する。すなわち、裏側誘電層501の裏面に、裏側電極01Y〜12Yを積層させる。その後、裏側電極01Y〜12Yを加熱し、ポリマーを加硫させる。
【0075】
裏側配線印刷工程においては、表側配線印刷工程と同様に、スクリーン印刷機を用いて、裏側誘電層501の裏面に、塗料調製工程において調製した配線塗料を印刷する。すなわち、裏側誘電層501の裏面に、裏側配線を積層させる。その後、裏側配線を乾燥させる。このようにして、静電容量型センサ5は製造される。
【0076】
センサ巻装工程においては、製造された静電容量型センサ5を外装部材4に取り付ける。製造後の静電容量型センサ5は、薄肉かつ柔軟なシート状である。シート状の当該静電容量型センサ5を外装部材4の外周面に一巻きして貼り付けることにより、本実施形態のセンサ取付構造2が完成する。
【0077】
[センサ取付構造の動き]
次に、本実施形態のセンサ取付構造2の動きについて説明する。静電容量型センサ5の演算部の電源回路は、各検出部A0101〜A1212に、走査的に順番に電圧を印加している。ROMには、予め、検出部A0101〜A1212における静電容量と荷重との対応を示すマップが、格納されている。RAMには、表側配線用コネクタ、裏側配線用コネクタから入力される静電容量に関連する電気量が一時的に格納される。CPUは、RAMに格納された電気量から、各検出部A0101〜A1212の静電容量を算出する。そして、静電容量から、各検出部A0101〜A1212の荷重、つまり静電容量型センサ5における面圧分布を算出する。
【0078】
図2に示すように、介護用ロボット9が被介護者91を抱き上げる際、面圧分布は常時サンプリングされている。ここで、荷重が特定の検出部A0101〜A1212に集中している場合(例えば、荷重がROMに格納されたしきい値以上である場合)、当該検出部A0101〜A1212から被介護者91が被る反力が大きいことになる。
【0079】
このような場合は、被介護者91の不快感を軽減するために、荷重の集中を分散する必要がある。そこで、介護者は、駆動対象である腕部90を、あたかもコントローラーのように操作する。具体的には、介護者は、操作したい方向に前腕部900を押圧する。この際、介護者は、静電容量型センサ5に触れる。演算部は、介護者が静電容量型センサ5に触れている時間から、前腕部900の移動量を決定する。また、演算部は、介護者が触れる際に入力される荷重から、前腕部900の移動速度を決定する。また、演算部は、介護者が触れている検出部A0101〜A1212の位置(座標)から、前腕部900の移動方向を決定する。このように、介護者が前腕部900に触れることにより駆動機構が駆動され、前腕部900が動かされる。
【0080】
[作用効果]
次に、本実施形態のセンサ取付構造2の作用効果について説明する。本実施形態の静電容量型センサ5によると、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yは、共に帯状である。並びに、検出部A0101〜A1212は、表側電極01X〜12Xと裏側電極01Y〜12Yとの交差部分を利用して配置されている。このため、電極の配置数が少なくなる。また、配線数が少なくなる。すなわち、検出部A0101〜A1212は、合計144個配置されている。ここで、検出部A0101〜A1212ごとに電極を配置すると、表側電極が144個、裏側電極が144個、それぞれ必要になる。これに対して、本実施形態の静電容量型センサ5によると、144個の検出部A0101〜A1212を確保するのに、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yを合計24本(=12本+12本)配置するだけで済む。このため、電極の配置数が少なくなる。
【0081】
また、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yは、アクリルゴムと、導電性カーボンブラックと、を含んで形成されている。このため、荷重が加わる場合、当該荷重に応じて、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yは、誘電体50と共に、伸縮することができる。したがって、誘電体50の伸縮を、表側電極01X〜12Xあるいは裏側電極01Y〜12Yが、規制するおそれが小さい。
【0082】
また、表側配線、裏側配線は、ウレタンゴムと銀粉とを含んで形成されている。このため、荷重に応じて、表側配線、裏側配線は、伸縮することができる。したがって、誘電体50の伸縮を、表側配線あるいは裏側配線が、規制するおそれが小さい。
【0083】
また、本実施形態の静電容量型センサ5によると、検出部A0101〜A1212が静電容量型センサ5の全面に分散している。したがって、静電容量型センサ5全面に占める、荷重検出可能な部分の面積を、大きくすることができる。
【0084】
また、本実施形態の静電容量型センサ5によると、スクリーン印刷方法により、誘電体50に、表側電極01X〜12X、表側配線、裏側電極01Y〜12Y、裏側配線が配置されている。このため、面圧測定に必須の構成要素を、比較的簡単に集積化することができる。したがって、静電容量型センサ5、延いてはセンサ取付構造2の生産性が高い。
【0085】
また、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yが、誘電体50に直接印刷されている。このため、表側電極01X〜12Xと裏側電極01Y〜12Yとの位置決めが簡単である。したがって、所望の位置に、精確に、検出部A0101〜A1212を配置することができる。
【0086】
また、本実施形態の静電容量型センサ5には、表側絶縁層51が配置されている。このため、被介護者91や介護者が表側電極01X〜12Xに触れるのを抑制することができる。なお、図3に示すように、裏側電極01Y〜12Yの裏面は、絶縁性の外装部材4に接触している。このため、裏側電極01Y〜12Yの絶縁も確保されている。
【0087】
また、本実施形態の静電容量型センサ5は、エラストマー製の誘電体50と、エラストマーを主成分とする表側電極01X〜12Xおよび裏側電極01Y〜12Yと、を備えている。このため、ピエゾフィルムセンサと比較して柔軟である。
【0088】
また、本実施形態の静電容量型センサ5によると、(a)(表側電極−単層の誘電層−裏側電極)という従来構造の静電容量型センサを複数積層させる場合や、(b)本実施形態の静電容量型センサ5を複数積層させる場合と比較して、電極の配置数が少なくなる。また、電極の配置数が少ない分、電気的構成が簡単になる。
【0089】
また、上記(a)、(b)の場合、入力された荷重は、表側の静電容量型センサから裏側の静電容量型センサに伝達される。このため、表側の静電容量型センサと裏側の静電容量型センサとで、荷重を検出するタイミングがずれてしまう。したがって、各静電容量型センサの検出データの同期を取る必要がある。これに対して、本実施形態の静電容量型センサ5の場合、単層で配置されているため、検出データの同期を取る必要がない。この点においても電気的構成が簡単になる。
【0090】
また、本実施形態の静電容量型センサ5の誘電体50は、25%圧縮荷重が小さい表側誘電層500と、25%圧縮荷重が大きい裏側誘電層501と、が積層されることにより、形成されている。低荷重領域の荷重検出に対しては主に表側誘電層500が、高荷重領域の荷重検出に対しては主に裏側誘電層501が、それぞれ機能する。このため、25%圧縮荷重が小さい表側誘電層500だけを単体で配置する場合と比較して、低荷重領域のみならず高荷重領域まで、荷重を検出することができる。よって、本実施形態の静電容量型センサ5によると、荷重の測定レンジが広くなる。また、25%圧縮荷重が高い裏側誘電層501だけを単体で配置する場合と比較して、低荷重領域における感度を高くすることができる。
【0091】
また、表側誘電層500、裏側誘電層501の25%圧縮荷重は、共に0.001MPa以上0.01MPa以下の範囲に含まれている。このため、柔軟であり、触った感じに違和感がない。
【0092】
また、本実施形態の静電容量型センサ5によると、表側誘電層500、裏側誘電層501が、25%圧縮荷重の小さい順に、径方向外側から径方向内側に向かって、積層されている。すなわち、25%圧縮荷重が小さい表側誘電層500が径方向外側に、25%圧縮荷重が大きい裏側誘電層501が径方向内側に、それぞれ配置されている。
【0093】
以下、上記誘電層配置パターンの効果について、模式図を用いて説明する。なお、以下の説明においては、周方向に隣接する検出部A0605〜A0607を例示するが、軸方向に隣接する検出部についても同様である。
【0094】
図6に、図5の誘電体の模式図を示す。表側誘電層500は、周方向ばね500a、500bと、径方向ばね500A〜500Cと、を備えている。裏側誘電層501は、周方向ばね501a、501bと、径方向ばね501A〜501Cと、を備えている。
【0095】
ここで、表側誘電層500の周方向ばね500a、500bの周方向のばね定数は、裏側誘電層501の周方向ばね501a、501bの周方向のばね定数よりも、小さい。また、表側誘電層500の径方向ばね500A〜500Cの径方向のばね定数は、裏側誘電層501の径方向ばね501A〜501Cの径方向のばね定数よりも、小さい。
【0096】
図7に、図6に対して、径方向に逆さまに配置された誘電体に荷重が加わる場合の模式図を示す。なお、図7に示す模式図の形態は、本発明の静電容量型センサに含まれる。図7に白抜き矢印で示すように、検出部A0606に荷重が加わる場合、裏側誘電層501(ただし、図7においては表側に配置されている。)の径方向ばね501Bが圧縮される。ここで、裏側誘電層501の周方向ばね501a、501bの周方向のばね定数は、比較的大きい。このため、径方向ばね501Bに荷重が加わると、周方向ばね501a、501bを介して、径方向ばね501A、501Cに、荷重が分散しやすい。したがって、径方向ばね501Bに荷重が加わると、径方向ばね501A、501Cが圧縮されやすい。このように、径方向外側に裏側誘電層501を、径方向内側に表側誘電層500を、それぞれ配置すると、荷重が入力された検出部A0606と共に、荷重が入力されていない検出部A0605、A0607が変形しやすくなる。つまり、検出部A0606のみならず、検出部A0605、A0607の静電容量が変化しやすくなる。
【0097】
よって、荷重が入力された検出部数に着目すると、実際に荷重が入力された検出部数1に対して、見かけの検出部数3と誤認されやすい。すなわち、表側誘電層500から裏側誘電層501に荷重が伝達される際に、荷重伝達面積が変化しやすい。また、荷重が入力された検出部A0606に着目すると、他の検出部A0605、A0607に荷重が分散しやすいため、実際の荷重に対して、見かけの検出荷重が小さくなってしまう。このように、25%圧縮荷重が大きい裏側誘電層501を径方向外側に、25%圧縮荷重が小さい表側誘電層500を径方向内側に、それぞれ配置すると、検出面積の観点からも、検出荷重の観点からも、感度が低下しやすくなる。
【0098】
図8に、図6の誘電体に荷重が加わる場合の模式図を示す。図8に白抜き矢印で示すように、検出部A0606に荷重が加わる場合、表側誘電層500の径方向ばね500Bが圧縮される。ここで、表側誘電層500の周方向ばね500a、500bの周方向のばね定数は、比較的小さい。このため、径方向ばね500Bに荷重が加わっても、周方向ばね500a、500bを介して、径方向ばね500A、500Cに、荷重が分散しにくい。したがって、径方向ばね500Bに荷重が加わっても、径方向ばね500A、500Cが圧縮されにくい。このように、径方向外側に表側誘電層500を、径方向内側に裏側誘電層501を、それぞれ配置することにより、荷重が入力されていない検出部A0605、A0607が変形するのを抑制することができる。つまり、検出部A0605、A0607の静電容量が変化するのを抑制することができる。
【0099】
よって、荷重が入力された検出部数に着目すると、実際に荷重が入力された検出部数1に対して、見かけの検出部数が多くなりにくい。すなわち、表側誘電層500から裏側誘電層501に荷重が伝達される際に、荷重伝達面積が変化しにくい。したがって、感度が低下しにくい。
【0100】
また、荷重が入力された検出部A0606に着目すると、他の検出部A0605、A0607に荷重が分散しにくいため、実際の荷重に対して、見かけの検出荷重が小さくなりにくい。すなわち、感度が低下しにくい。
【0101】
このように、25%圧縮荷重が小さい表側誘電層500を径方向外側に、25%圧縮荷重が大きい裏側誘電層501を径方向内側に、それぞれ配置することにより、検出面積の観点からも、検出荷重の観点からも、感度が低下しにくい。
【0102】
また、本実施形態のセンサ取付構造2によると、静電容量型センサ5が外装部材4の外周面に積層されている。このため、静電容量型センサ5が外装部材4の内部に埋設されている場合と比較して、感度が低下しにくい。また、静電容量型センサ5は、ピエゾフィルムセンサと比較して柔軟である。したがって、接触部3は、軟らかい外装を得ることができる。
【0103】
また、本実施形態のセンサ取付構造2によると、裏側誘電層501の径方向のばね定数は、外装部材4の径方向のばね定数よりも小さい。このため、荷重が入力された場合、外装部材4に優先して、表側誘電層500、裏側誘電層501を圧縮させることができる。したがって、表側誘電層500、裏側誘電層501に優先して外装部材4が変形してしまう場合と比較して、静電容量型センサ5の感度が高くなる。
【0104】
また、本実施形態のセンサ取付構造2によると、外装部材4の外周面に静電容量型センサ5が配置されている。このため、抱き上げられた被介護者91から受ける荷重を、感度よく検出することができる。また、抱き上げられた被介護者91は、接触部3つまり静電容量型センサ5から、軟らかい触感を得ることができる。
【0105】
また、腕部90で被介護者91を抱き上げる場合、接触部3に加わる荷重は比較的大きくなる。この場合であっても、静電容量型センサ5の荷重の測定レンジは広いため、荷重を感度よく検出することができる。一方、操作のために介護者が触れる際、静電容量型センサ5に入力される荷重は比較的小さくなる。この場合であっても、静電容量型センサ5の荷重の測定レンジは広いため、荷重を感度よく検出することができる。また、低荷重領域専用のセンサと、高荷重領域専用のセンサと、を別々に配置する場合と比較して、センサ配置数が少なくなる。また、介護用ロボット9の機械的構成、電気的構成が簡単になる。
【0106】
[その他]
以上、本発明のセンサ取付構造2の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0107】
例えば、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yの配置数、交差角度、延在方向は特に限定しない。また、隣り合う表側電極01X〜12Xの間隔、裏側電極01Y〜12Yの間隔も特に限定しない。また、表側配線、裏側配線を覆うように、酸化防止剤を印刷してもよい。こうすると、配線中の銀が酸化するのを、抑制することができる。また、外装部材4と裏側電極01Y〜12Yとの間に、表側絶縁層51同様に裏側絶縁層を配置してもよい。
【0108】
また、誘電体50における誘電層の積層数は特に限定しない。三層以上の誘電層を積層させてもよい。また、表側誘電層500、裏側誘電層501の厚さは特に限定しない。例えば、静電容量型センサ5の薄肉化を図るという観点、静電容量を大きくして感度の向上を図るという観点から、1μm以上3000μm以下とすることが望ましい。50μm以上500μm以下がより好適である。
【0109】
また、静電容量型センサ5を、外装部材4の外周面に二層以上積層させてもよい。この場合であっても、(表側電極−単層の誘電層−裏側電極)という従来構造の静電容量型センサを二層以上積層させる場合と比較して、電極の配置数が少なくなる。また、電気的構成が簡単になる。
【0110】
また、介護用ロボット9におけるセンサ取付構造2の配置場所も特に限定しない。胸部、背部、腹部、頭部、肩部などに配置してもよい。また、上記実施形態においては、静電容量型センサ5を触覚センサとして用いたが、例えば介護用ロボット9の衝突を検出する衝突センサとして用いてもよい。また、静電容量型センサ5を、移動用ロボット、ペットロボットなど、他のサービスロボットに用いてもよい。また、静電容量型センサ5を、ベッド下に配置され被介護者91のベッドからの転落を検出する転落センサ、車両のシート下に配置され乗員の着座圧分布を検出する座席センサなどとして用いてもよい。
【0111】
また、センサ取付構造2の製造方法のセンサ製造工程において、表側配線印刷工程→表側電極印刷工程の順に、工程を実行してもよい。同様に、裏側配線印刷工程→裏側電極印刷工程の順に、工程を実行してもよい。
【0112】
また、センサ製造工程における印刷方法は特に限定しない。スクリーン印刷の他、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、パッド印刷、リソグラフィー、ディスペンサ印刷などを用いてもよい。
【0113】
また、表側誘電層500、裏側誘電層501を構成するエラストマーは、ゴムおよび熱可塑性エラストマーから適宜選択することができる。エラストマーは、特に限定されるものではない。例えば、静電容量を大きくするという観点では、比誘電率が高いものが望ましい。例えば、常温における比誘電率が3以上、さらには5以上のものが望ましい。例えば、エステル基、カルボキシル基、水酸基、ハロゲン基、アミド基、スルホン基、ウレタン基、ニトリル基等の極性官能基を有するエラストマー、あるいは、これらの極性官能基を有する極性低分子量化合物を添加したエラストマーを採用すると好適である。エラストマーは架橋されていても、されていなくてもよい。また、エラストマーのヤング率、25%圧縮荷重を調整することにより、用途に応じて感度や荷重の測定レンジを調整すればよい。すなわち、入力される荷重の大きさに応じて、様々なヤング率、25%圧縮荷重の表側誘電層500、裏側誘電層501を選択することができる。
【0114】
また、荷重の測定レンジの下限値を小さくしたい場合は、誘電層のエラストマーとして、発泡体を用いると好適である。その理由は、発泡体は25%圧縮荷重が小さいため、入力される荷重が小さい場合であっても、誘電層が充分に変形するからである。すなわち、確実に測定対象物(人間、物など)の面圧、荷重を検出することができるからである。
【0115】
好適なエラストマーとしては、例えばシリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム等が挙げられる。
【0116】
また、表側電極01X〜12Xおよび裏側電極01Y〜12Yに好適なエラストマーとしては、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム等が挙げられる。
【0117】
また、表側電極01X〜12Xおよび裏側電極01Y〜12Yにおいて、エラストマー中に配合されている導電性フィラーの形状は、球状、針状、角柱状等、特に限定されるものではない。例えば、導電性フィラーのアスペクト比(短辺に対する長辺の比)は、1以上が望ましい。例えば、アスペクト比の比較的大きな針状の導電性フィラーを用いると、三次元的な導電ネットワークを形成しやすく、少量で高い導電性が実現できる。加えて、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yが伸縮する際の、導電性変化を抑制することができる。
【0118】
また、導電性フィラーを選択する際には、平均粒子径やエラストマーとの相溶性等を考慮するとよい。例えば、球状の導電性フィラーを採用した場合、導電性フィラーの平均粒子径(一次粒子)は、0.01μm以上0.5μm以下であることが望ましい。0.01μm未満の場合には、凝集性が高く、電極塗料を調製した場合に均一に分散させることが難しい。好ましくは0.03μm以上である。反対に、0.5μmを超えると、凝集体(二次粒子)を形成しにくくなる。好ましくは0.1μm以下である。なお、導電性フィラーとエラストマーとの組み合わせや、導電性フィラーの平均粒子径等を適宜調整することで、パーコレーションカーブにおける臨界体積分率(φc)を、所望の範囲内に調整することができる。
【0119】
また、所望の導電性を発現させるため、導電性フィラーは、パーコレーションカーブにおける臨界体積分率(φc)以上の割合で配合されていることが望ましい。一方、導電性フィラーの充填率が30vol%を超えると、エラストマーへの混合が困難となり、成形加工性が低下する。加えて、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yの伸縮性が低下する。このため、30vol%以下であることが望ましい。また、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yの伸縮性を確保するという観点から、比較的少量の導電性フィラーを配合して、高い導電性を発現できることが望ましい。よって、導電性フィラーの充填率は、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yの体積を100vol%とした場合の25vol%以下であることが望ましい。15vol%以下であるとより好適である。
【0120】
また、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yの厚さは、特に限定されるものではない。誘電体50に対する追従性を考慮し、静電容量型センサ5の薄肉化を図るという観点から、1μm以上100μm以下であることが望ましい。
【0121】
また、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yの電気抵抗は、径方向、周方向、軸方向において、100kΩ以下であることが望ましく、10kΩ以下であるとより好適である。
【0122】
また、表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yには、上記エラストマー、導電性フィラーに加え、各種添加剤が配合されていてもよい。添加剤としては、例えば、架橋剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、可塑剤、軟化剤、着色剤等が挙げられる。
【0123】
また、表側配線、裏側配線を構成するエラストマーは、誘電体50や表側電極01X〜12X、裏側電極01Y〜12Yに使用するエラストマーと同じでもよく、異なっていてもよい。例えば、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム等が好適である。
【0124】
また、導電性粒子の種類は、導電性が高いものであれば、特に限定されるものではない。例えば、銀、銅、金、ニッケル等の金属粉を採用すればよい。また、所望の導電性を発現させるため、エラストマーにおける導電性粒子の充填率は、表側配線、あるいは裏側配線の体積を100vol%とした場合の20vol%以上であることが望ましい。また、表側配線、裏側配線の伸縮性の低下を抑制するため、エラストマーにおける導電性粒子の充填率は、50vol%以下であることが望ましい。
【0125】
また、表側絶縁層51を形成する材料としては、例えば、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレンーブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレンゴム等のシートを用いてもよい。また、表側絶縁層51の層厚は、薄い方が好ましい。薄い方が、静電容量型センサ5の感度を向上させることができる。好ましくは、10μm以下である方がよい。
【符号の説明】
【0126】
2:センサ取付構造、3:接触部、4:外装部材、5:静電容量型センサ、9:介護用ロボット(サービスロボット)。
50:誘電体、51:表側絶縁層、90:腕部、91:被介護者。
500:表側誘電層(誘電層)、500a:周方向ばね、500b:周方向ばね、500A〜500C:径方向ばね、501:裏側誘電層(誘電層)、501a:周方向ばね、501b:周方向ばね、501A〜501C:径方向ばね、900:前腕部、901:上腕部。
A:低荷重領域、B:高荷重領域、a:誘電層、b:誘電層、01X〜12X:表側電極、01Y〜12Y:裏側電極、A0101〜A1212:検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー製であって、積層方向のばね定数が互いに異なる複数の誘電層が積層されてなる誘電体と、
該誘電体の表側に配置され、エラストマーと、該エラストマーに充填される導電性フィラーと、を有する表側電極と、
該誘電体の裏側に配置され、エラストマーと、該エラストマーに充填される導電性フィラーと、を有する裏側電極と、
を備える静電容量型センサ。
【請求項2】
前記誘電層のJIS K 6767における25%圧縮荷重は、0.001MPa以上0.01MPa以下である請求項1に記載の静電容量型センサ。
【請求項3】
前記表側電極および前記裏側電極は、いずれも帯状であって、
さらに、該表側電極と該裏側電極とが、前記積層方向表側または裏側から見て、交差することにより形成される複数の検出部を備え、
複数の該検出部の静電容量から面圧分布を検出する請求項1または請求項2に記載の静電容量型センサ。
【請求項4】
複数の前記誘電層は、前記積層方向に対して直交する面方向のばね定数の小さい順と、該積層方向表側から裏側に向かう方向と、が対応するように積層される請求項3に記載の静電容量型センサ。
【請求項5】
前記表側電極は前記誘電体の表面に、前記裏側電極は該誘電体の裏面に、それぞれ印刷される請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の静電容量型センサ。
【請求項6】
さらに、前記表側電極の表側に配置され、該表側電極を外部から絶縁する表側絶縁層を備える請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の静電容量型センサ。
【請求項7】
外装部材と、
該外装部材の表面に積層される請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の静電容量型センサと、
を有し、人間に接触する接触部を備えるサービスロボットのセンサ取付構造。
【請求項8】
複数の前記誘電層の前記積層方向のばね定数の最大値は、前記外装部材の該積層方向のばね定数よりも、小さい請求項7に記載のセンサ取付構造。
【請求項9】
前記接触部は、人間を抱き上げる腕部に配置される請求項7または請求項8に記載のセンサ取付構造。
【請求項10】
前記接触部は、人間が該接触部に触れる際の触覚を介して操作される請求項7ないし請求項9のいずれかに記載のセンサ取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−237288(P2011−237288A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109127(P2010−109127)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】