説明

静電容量型入力装置および入力装置付き電気光学装置

【課題】入力操作側から侵入しようとする電磁波ノイズの影響を受けにくくした静電容量型入力装置、および入力装置付き電気光学装置を提供すること。
【解決手段】静電容量型入力装置1の入力パネル2において、配線27は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側とは反対側に位置する第1導電膜4aにより形成され、シールド電極28は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側に位置する第2導電膜4bにより形成されており、シールド電極28は、配線27に対して入力操作側で重なっている。シールド電極28には、第2実装端子24bを介して、入力位置検出用電極21に供給される位置検出信号と波形が同一の電位が印加される。入力操作側から配線27に侵入しようとする電磁波ノイズは、シールド電極28により遮断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力位置検出用電極に結合する静電容量の変化に基づいて入力位置を検出する静電容量型入力装置、および当該静電容量型入力装置を備えた入力装置付き電気光学装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機、銀行の端末等の電子機器では、液晶装置等の表面に、タッチパネルと称せられる入力装置が配置され、液晶装置の画像表示領域に表示された画像を参照しながら、情報の入力が行えるものがある。このような入力装置のうち、静電容量型入力装置は、複数の入力位置検出用電極の各々に対して、結合している静電容量を監視する。従って、複数の入力位置検出用電極のうちのいずれかに指が近接すると、指が近接した入力位置検出用電極では、指との間に生じた静電容量分だけ、静電容量が増大するので、指が近接した電極を特定することができる。
【0003】
このような静電容量型入力装置では、入力位置検出用電極に結合する容量変化を検出するため、電磁波ノイズの影響を受けやすい。そこで、静電容量型入力装置に対して入力操作側とは反対側の全面にシールド電極を設けることが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−511799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシールド構造では、静電容量型入力装置に対して入力操作側から侵入しようとする電磁波ノイズを遮断できないという問題点がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、入力操作側から侵入しようとする電磁波ノイズの影響を受けにくくした静電容量型入力装置、および当該静電容量型入力装置を備えた入力装置付き電気光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る静電容量型入力装置は、基板において複数の入力位置検出用電極が設けられた入力領域と、前記入力位置検出用電極に電気的に接続し、前記基板において前記入力領域の外側で延在する複数の配線と、前記配線に対して入力操作側で重なるシールド電極と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明では、静電容量型入力装置の入力操作側にはシールド電極を設けることができないという従来の発想を転換し、入力領域の外側に設けられた配線に対して入力操作側にシールド電極を設けてある。このため、入力操作側から配線に侵入しようとする電磁波ノイズを遮断できるので、入力操作側から侵入しようとする電磁波の影響を受けにくい。それ故、本発明に係る静電容量型入力装置では、電磁波ノイズの影響に起因する誤作動が発生しにくい。また、入力領域に対して入力操作側にはシールド電極を設けていないため、静電容量方式による入力位置の検出には支障がない。
【0009】
本発明において、前記シールド電極は、前記基板の外周縁全体に沿って設けられていることが好ましい。このように構成すると、入力操作側から侵入しようとする電磁波をより確実に遮断することができる。
【0010】
本発明において、前記基板には、該基板側から第1導電膜、層間絶縁膜、および第2導電膜がこの順に形成され、前記入力位置検出用電極は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうちの少なくも一方により形成され、前記配線は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうち、入力操作側とは反対側に位置する導電膜により形成され、前記シールド電極は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうち、入力操作側に位置する導電膜により形成されていることが好ましい。このように構成すると、基板上に形成した導電膜によってシールド電極を形成することができるので、シールド電極を外付けする必要がない。
【0011】
本発明において、前記基板において前記配線の外周側には、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうち、入力操作側とは反対側に位置する導電膜によりシールド用補助電極が形成されており、前記シールド用補助電極と前記シールド電極とは、前記層間絶縁膜の非形成領域で重なって電気的接続していることが好ましい。このように構成すると、シールド電極の抵抗を実質的に低減することができる。また、配線に対して周囲から電磁波ノイズが侵入することを抑制することができる。
【0012】
本発明において、前記シールド用補助電極は、前記基板の全ての辺に沿うように形成されており、前記シールド用補助電極と前記シールド電極とは、前記シールド用補助電極の長手方向の全域で重なって電気的接続していることが好ましい。このように構成すると、シールド電極の実質的な抵抗を、より効率よく低減することができる。また、配線に対して周囲から電磁波ノイズが侵入することをより確実に抑制することができる。
【0013】
本発明において、前記基板において前記入力領域の外側には、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうちの少なくとも一方の導電膜によって、前記配線に電気的接続する第1実装端子と、前記シールド電極に電気的接続する第2実装端子と、が設けられていることが好ましい。このように構成すると、第1実装端子と同様、基板に接続したフレキシブル配線基板等を介して外部からシールド電極に電位を印加することができ、シールド電極への電位の印加が容易である。また、第1実装端子および第2実装端子に共通のフレキシブル配線基板を接続することもできる。
【0014】
本発明において、前記基板には、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうちの一方の導電膜によって、前記入力位置検出用電極として、前記基板の面内方向において第1方向に延在する複数の第1入力位置検出用電極と、前記基板の面内方向において前記第1方向に対して交差する第2方向に延在する複数の第2入力位置検出用電極と、が設けられ、前記第1入力位置検出用電極と前記第2入力位置検出用電極との交差部分には、前記第1入力位置検出用電極および前記第2入力位置検出用電極のうちの一方の入力位置検出用電極を連続させる前記一方の導電膜からなる連結部分と、他方の入力位置検出用電極の途切れ部分と、前記層間絶縁膜を介して前記連結部分に重なって前記他方の入力位置検出用電極の途切れ部分を電気的に接続する他方の導電膜からなる中継電極と、が設けられていることが好ましい。
【0015】
本発明において、前記第1導電膜、前記層間絶縁膜、および前記第2導電膜は、前記基板において入力操作側に位置する基板面に形成されており、前記配線は、前記第1導電膜により形成され、前記シールド電極は、前記第2導電膜により形成されている構成を採用することができる。
【0016】
本発明において、前記第1導電膜、前記層間絶縁膜、および前記第2導電膜は、前記基板において入力操作側とは反対側の基板面に形成されており、前記配線は、前記第2導電膜により形成され、前記シールド電極は、前記第1導電膜により形成されている構成を採用してもよい。
【0017】
本発明において、前記シールド電極には、前記入力位置検出用電極に印加される位置検出信号と波形および位相が同一の電位が印加されることが好ましい。このように構成すると、シールド電極と入力位置検出用電極との間に容量が寄生しない状態を実現することができる。
【0018】
本発明を適用した静電容量型入力装置は、例えば、入力装置付き電気光学装置を構成するのに用いられ、かかる入力装置付き電気光学装置では、前記基板に対して入力操作側とは反対側に画像生成用の電気光学パネルが構成されている。
【0019】
本発明を適用した入力装置付き電気光学装置は、携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピューター、券売機、銀行の端末等の電子機器に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を適用した静電容量型入力装置の説明図である。
【図2】本発明を適用した入力装置付き電気光学装置の断面構成を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る静電容量型入力装置の平面的な構成を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る静電容量型入力装置の基板に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る静電容量型入力装置の基板の断面構成を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る静電容量型入力装置の基板に形成した配線の構成を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る静電容量型入力装置の平面的な構成を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る静電容量型入力装置の基板に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る静電容量型入力装置の基板の断面構成を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る静電容量型入力装置の平面的な構成を模式的に示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る静電容量型入力装置の基板に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る静電容量型入力装置の基板の断面構成を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係る静電容量型入力装置の平面的な構成を模式的に示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る静電容量型入力装置の基板に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態4に係る静電容量型入力装置の基板の断面構成を示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係る静電容量型入力装置の平面的な構成を模式的に示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態5に係る静電容量型入力装置の基板に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態5に係る静電容量型入力装置の基板の断面構成を示す説明図である。
【図19】本発明を適用した静電容量型入力装置を備えた電子機器の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。以下、各実施の形態で共通な基本構成を説明した後、各実施の形態の詳細な説明を行なう。
【0022】
[基本構成]
(入力装置付き電気光学装置の全体構成)
図1は、本発明を適用した静電容量型入力装置の説明図であり、図1(a)、(b)、(c)は各々、本形態の静電容量型入力装置を備えた入力装置付き電気光学装置の全体構成を模式的に示す説明図、静電容量型入力装置の電気的な構成を模式的に示す説明図、および静電容量型入力装置に供給される電位の説明図である。図2は、本発明を適用した入力装置付き電気光学装置の断面構成を模式的に示す説明図であり、図2(a)、(b)は各々、基板において入力操作側の位置する第1面側に入力位置検出用電極を設けた構成例の説明図、および基板において入力操作側とは反対側の第2面側に入力位置検出用電極を設けた構成例の説明図である。
【0023】
図1(a)において、本形態の入力装置付き電気光学装置100は、概ね、液晶装置等からなる画像生成装置5と、この画像生成装置5において表示光を出射する側の面に重ねて配置された静電容量型入力装置1とを有している。静電容量型入力装置1は入力パネル2を備え、画像生成装置5は電気光学パネル5a(表示パネル)としての液晶パネルを備えている。静電容量型入力装置1は入力パネル2(タッチパネル)を備え、画像生成装置5は電気光学パネル5aとしての液晶パネルを備えている。本形態において、入力パネル2および電気光学パネル5aはいずれも矩形の平面形状を備えており、静電容量型入力装置1および入力装置付き電気光学装置100を平面視したときの中央領域が入力領域2aである。また、画像生成装置5および入力装置付き電気光学装置100において入力領域2aと平面視で重なる領域が画像形成領域である。入力パネル2において端部20eが位置する側にはフレキシブル配線基板35が接続され、電気光学パネル5aにおいて端部20eが位置する側にはフレキシブル配線基板73が接続されている。
【0024】
図1(b)に示すように、静電容量型入力装置1は、入力パネル2での入力操作を検出するための制御用のIC10がフレキシブル配線基板35を介して電気的に接続されており、IC10からは、図1(c)を参照して後述する電位が入力パネル2に供給される。
【0025】
図1(a)および図2(a)、(b)において、画像生成装置5は、透過型や半透過反射型のアクティブマトリクス型の液晶表示装置であり、電気光学パネル5aに対して入力パネル2が配置されている側とは反対側(表示光の出射側とは反対側)にはバックライト装置(図示せず)が配置されている。バックライト装置は、例えば、電気光学パネル5aに対して静電容量型入力装置1が配置されている側とは反対側に重ねて配置された透光性の導光板と、導光板の側端部に向けて白色光等を出射する発光ダイオード等の光源とを備えており、光源から出射された光は、導光板の側端部から入射した後、導光板内を伝搬しながら電気光学パネル5aに向けて出射される。導光板と電気光学パネル5aとの間には、光散乱シートやプリズムシート等のシート状光学部材が配置されることもある。
【0026】
画像生成装置5において、電気光学パネル5aに対して表示光の出射側には第1偏光板81が重ねて配置され、その反対側に第2偏光板82が重ねて配置されている。このため、静電容量型入力装置1は、アクリル樹脂系等といった透光性の接着剤(図示せず)によって第1偏光板81に接着されている。電気光学パネル5aは、表示光の出射側に配置された透光性の素子基板50と、この素子基板50に対して対向配置された透光性の対向基板60とを備えている。対向基板60と素子基板50とは、矩形枠状のシール材71により貼り合わされており、対向基板60と素子基板50との間においてシール材71で囲まれた領域内に液晶層55が保持されている。素子基板50において、対向基板60と対向する面には複数の画素電極58がITO(Indium Tin Oxide)膜等の透光性導電膜により形成され、対向基板60において、素子基板50と対向する面には共通電極68がITO膜等の透光性導電膜により形成されている。なお、画像生成装置5がIPS(In Plane Switching)方式や、FFS(Fringe Field Switching)方式である場合、共通電極68は素子基板50の側に設けられる。また、素子基板50が表示光の出射側に配置されることもある。素子基板50において、対向基板60の縁から張り出した張出領域59には駆動用IC75がCOG実装されているとともに、張出領域59にはフレキシブル配線基板73が接続されている。なお、素子基板50には、素子基板50上のスイッチング素子と同時に駆動回路を形成することもある。
【0027】
このように構成した入力装置付き電気光学装置100において、電気光学パネル5aと入力パネル2との間には、ITO膜等からなる透光性の導電層99(図1には図示せず/図2(a)、(b)参照)が配置されており、かかる導電層99は、電気光学パネル5aから放射された電磁波ノイズが入力パネル2に侵入することを防止する。
【0028】
(入力装置1の詳細構成)
図2(a)、(b)に示す静電容量型入力装置1において、入力パネル2は、ガラス板やプラスチック板等からなる透光性の基板20を備えており、本形態では、基板20としてガラス基板が用いられている。なお、基板20をプラスチック材料から構成する場合、プラスチック材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PI(ポリイミド)、ポリノルボルネン等の環状オレフィン樹脂等の耐熱性の透光性シートを用いることができる。以下、基板20において入力操作側に位置する基板面を第1面20aとし、入力操作側とは反対側に位置する基板面を第2面20bとして説明する。
【0029】
図2(a)、(b)に示す静電容量型入力装置1のうち、図2(a)に示す構成例では、基板20の第1面20aには、基板20からみて下層側から上層側に向かって第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが形成されており、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうちの少なくとも一方によって入力位置検出用電極21が形成されている。基板20の端部20eでは、第1面20aにフレキシブル配線基板35が接続されている。基板20の第1面20aの側には、透光性および絶縁性のカバー90が粘着剤90e等により貼付されており、かかるカバー90には、基板20の第1面20aの外側領域2bと重なる領域に絶縁性の遮光層90aが印刷されている。かかる遮光層90aで囲まれた領域が入力領域2aである。遮光層90aは、電気光学パネル5aの外側領域と重なっており、画像生成装置5の光源や導光板の端部から漏れた光を遮断する。
【0030】
また、基板20の第2面20bの略全面には、電気光学パネル5aから放射された電磁波ノイズが入力パネル2に侵入することを防止する透光性の導電層99が形成されている。かかる導電層99にはフレキシブル配線基板35の分岐部分35aが接続されており、導電層99には、フレキシブル配線基板35を介して、後述するシールド電位が印加される。
【0031】
図2(b)に示す構成例では、詳しくは後述するように、基板20の第2面20bに、基板20からみて下層側から上層側に向かって第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが形成されており、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうちの少なくとも一方によって入力位置検出用電極21が形成されている。かかる構成の場合、基板20の端部20eでは、第2面20bにフレキシブル配線基板35が接続されている。本形態でも、基板20の第1面20aの側には透光性および絶縁性のカバー90が粘着剤90e等により貼付されており、かかるカバー90には、基板20の第1面20aの外側領域2bと重なる領域に絶縁性の遮光層90aが印刷されている。
【0032】
また、素子基板50において入力パネル2が位置する側の面の略全面には、電気光学パネル5aから放射された電磁波ノイズが入力パネル2に侵入することを防止する透光性の導電層99が形成されている。かかる導電層99にはフレキシブル配線基板35の分岐部分35aが接続されており、導電層99には、フレキシブル配線基板35を介して、後述するシールド電位が印加される。
【0033】
以下、基板20の第1面20aに第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが形成されている形態(図2(a)に示す形態)に本発明を適用した例を実施の形態1、2、3として説明し、基板20の第2面20bに第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが形成されている形態(図2(b)に示す形態)に本発明を適用した例を実施の形態4、5として説明する。
【0034】
[実施の形態1]
図3〜図6を参照して、図2(a)を参照して説明したタイプの静電容量型入力装置1を説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型入力装置1の平面的な構成を模式的に示す説明図である。なお、図3(a)、(b)、(c)、(d)は各々、静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な位置関係を示す説明図、基板20に形成された第1導電膜4aの平面的な構成を示す説明図、基板20に形成された層間絶縁膜214の平面的な構成を示す説明図、および基板20に形成された第2導電膜4bの平面的な構成を示す説明図であり、図3(a)は、図3(b)、(c)、(d)に示す要素を重ねて示してある。
【0035】
図4は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型入力装置1の基板20の断面構成を示す説明図であり、図5(a)、(b)、(c)は各々、基板20を図4に示すA1−A1′線、B1−B1′線、およびC1−C1′線に沿って切断したときの断面図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る静電容量型入力装置1の基板20に形成した配線の構成を示す説明図であり、図6(a)、(b)は各々、配線の平面図、配線のE−E′断面図および配線のF−F′断面図である。
【0036】
なお、図3(a)、(b)、(d)および図4において、第1導電膜4aについては右上がりの斜線を付した領域として示し、第2導電膜4bについては右下がりの斜線を付した領域として示してある。図3(c)において層間絶縁膜214については複数の点を付した領域として示してある。図3(b)、(c)、(d)および図4において、入力領域2aについては、その角部分の位置を英文字の「L」状のマークで示してある。なお、後述する実施の形態2〜5で参照する図面においても同様である。
【0037】
図3、図4および図5に示すように、本形態の静電容量型入力装置1において、基板20の第1面20aの側には、基板20からみて下層側から上層側に向けて第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが順に形成されている。本形態において、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bは、膜厚が10〜40nmのITO膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜からなり、層間絶縁膜214は、膜厚が40〜60nmのシリコン酸化膜等の透光性絶縁膜からなる。本形態において、基板20の第1面20aには、その全面にシリコン酸化膜等からなる透光性の下地保護膜217が形成されており、かかる下地保護膜217上に第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが順に形成されている。また、基板20の第2面20bの略全面には、図2(a)を参照して説明したように、電気光学パネル5aから放射された電磁波ノイズが入力パネル2に侵入することを防止する透光性の導電層99が形成されている(図5参照)。
【0038】
図3(b)に示すように、第1導電膜4aは、まず、入力領域2aに複数の矩形領域として形成され、かかる矩形領域は、入力位置検出用電極21(第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212のパッド部211a、212a(大面積部分))を構成する。これらのパッド部211a、212aは、X方向およびY方向において交互に配列されている。複数のパッド部211aにおいて斜め方向で隣り合うパッド部211a同士の一部は連結部分211cで接続しており、複数のパッド部212aにおいて斜め方向で隣り合うパッド部212a同士の一部も連結部分211cで繋がっている。また、第1導電膜4aは、入力領域2aの外側領域2bに、入力位置検出用電極21から延在した配線27として形成されているとともに、端部20e付近において第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域にも形成されている。
【0039】
図3(c)に示すように、層間絶縁膜214は、入力領域2a全体に形成されている。また、層間絶縁膜214は、基板20の外周縁を除く広い領域に形成されている。また、層間絶縁膜214には、4つで一組のコンタクトホール214aが形成されている。ここで、層間絶縁膜214の外周縁と基板20の端部20eとの間隔は、層間絶縁膜214の外周縁と基板20の他の端部20f、20g、21hとの間隔に比して広くなっており、第1実装端子24aおよび第2実装端子24bを形成するためのスペースが確保されている。
【0040】
図3(d)に示すように、第2導電膜4bは、入力領域2aにおいて、図3(c)に示すコンタクトホール214aと重なる領域に中継電極215として形成されている。また、第2導電膜4bは、入力領域2aより外側領域2bに、入力領域2aの周り全体を囲む矩形枠状のシールド電極28として形成されているとともに、端部20e付近において第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域にも形成されている。
【0041】
このように構成した第1導電膜4a、層間絶縁膜214および第2導電膜4bを重ねると、基板20は、図3(a)、図4および図5(a)、(b)、(c)に示すように構成される。かかる基板20を平面視すると、入力領域2aの内側には複数の入力位置検出用電極21が形成されている。本形態において、入力位置検出用電極21は、第1方向(矢印Yで示す方向)に延在する複数列の第1入力位置検出用電極211(図3(a)に太い実線で示す)と、第1方向に交差する第2方向(矢印Xで示す方向)に延在する複数列の第2入力位置検出用電極212(図3(a)に太い点線で示す)とからなる。
【0042】
入力位置検出用電極21(第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212)は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、第1導電膜4aにより形成されており、同一層からなる。このため、基板20の第1面20aには、第1入力位置検出用電極211と第2入力位置検出用電極212との交差部分218が複数、存在する。本形態においては、第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212のうち、第1入力位置検出用電極211は、交差部分218でも第1導電膜4aからなる連結部分211cによってY方向で繋がって延在しているのに対して、第2入力位置検出用電極212には交差部分218に途切れ部分218aが構成されている。また、第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212の上層側には、シリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜214が形成され、かかる層間絶縁膜214の上層には、交差部分218で途切れている第2入力位置検出用電極212同士を層間絶縁膜214の計4つのコンタクトホール214aを介して電気的に接続する透光性の中継電極215が第2導電膜4bにより形成されている。このため、第2入力位置検出用電極212はX方向で電気的に接続されている。なお、中継電極215は、層間絶縁膜214を介して連結部分211cに重なっているため、短絡するおそれはない。
【0043】
このように構成した第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212は各々、交差部分218で挟まれた領域に矩形の大面積のパッド部211a、212aを備えており、第1入力位置検出用電極211において交差部分218に位置する連結部分211cは、パッド部211a、212aより幅の狭い細幅形状になっている。また、中継電極215も、パッド部211a、212aより幅の狭い細幅形状に形成されている。
【0044】
(配線27およびシールド電極28の構成)
本形態の静電容量型入力装置1では、基板20の第1面20aにおいて入力領域2aの外側領域2bに、第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212の各々から基板20の端部20eまで延在する複数の配線27が形成されている。より具体的には、第1入力位置検出用電極211に接続する配線27は、入力領域2aと基板20の端部20eとの間で引き回され、第2入力位置検出用電極212に接続する配線27は、入力領域2aと基板20の端部20f、あるいは入力領域2aと基板20の端部20hで直線的に延在した後、入力領域2aと基板20の端部20eとの間で引き回されている。このように構成した配線27において、基板20の端部20e付近に位置する部分は、図1および図2を参照して説明したフレキシブル配線基板35が接続される第1実装端子24aを備えている。
【0045】
また、基板20の第1面20aにおいて入力領域2aの外側領域2bには、配線27と重なる領域にシールド電極28が形成されている。本形態において、シールド電極28は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側に位置する第2導電膜4bにより形成されており、配線27とシールド電極28との間には層間絶縁膜214が介在している。
【0046】
本形態において、配線27は、入力領域2aと基板20の端部20eとに挟まれた領域、入力領域2aと基板20の端部20fとに挟まれた領域、および入力領域2aと基板20の端部20hとに挟まれた領域の計3辺に相当する領域に形成されている。これに対して、シールド電極28は、入力領域2aと基板20の端部20eとに挟まれた領域、入力領域2aと基板20の端部20fとに挟まれた領域、入力領域2aと基板20の端部20gとに挟まれた領域、および入力領域2aと基板20の端部20hとに挟まれた領域の計4辺に相当する領域にわたって、周方向で繋がった矩形枠状に形成されている。また、シールド電極28の幅寸法は、配線27の幅寸法よりも大である。このため、シールド電極28は、配線27に対して入力操作側で配線27の延在領域を含む広い領域に形成されている。また、シールド電極28は、層間絶縁膜214の外周縁から張り出している。従って、シールド電極28は、層間絶縁膜214の側面部214eを覆っている。
【0047】
また、基板20の第1面20aにおいて外側領域2bには、第1実装端子24aの配列領域を両側で挟むように2つの第2実装端子24bが形成されている。第1実装端子24aは配線27に電気的接続し、第2実装端子24bは、第1実装端子24aの配列領域の両側でシールド電極28に電気的接続している。
【0048】
(基板20の製造方法)
かかる構成の基板20の製造方法を簡単に説明しながら、第1実装端子24aおよび第2実装端子24b等の構成を説明する。基板20を形成するには、まず、第1導電膜4aを構成する透光性導電膜を形成した後、図3(b)に示すように、透光性導電膜をエッチングによりパターニングし、入力位置検出用電極21(第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212)、および配線27を形成する。
【0049】
次に、層間絶縁膜214を形成した後、図3(c)に示すように、層間絶縁膜214をエッチングによりパターニングし、コンタクトホール214aを形成するとともに、基板20の端部分から層間絶縁膜214を除去する。
【0050】
次に、第2導電膜4bを構成する透光性導電膜を形成した後、図3(d)に示すように、透光性導電膜をエッチングによりパターニングし、中継電極215およびシールド電極28を形成する。その際、シールド電極28については、層間絶縁膜214の外周縁から張り出すように形成する。従って、シールド電極28は、層間絶縁膜214の側面部214eを覆うことになる。なお、本形態では、第2導電膜4bの上層側に透光性のトップコート層219が形成されており、かかるトップコート層219は、例えば、液状組成物を塗布した後、硬化させた樹脂組成物やシリコン酸化物からなる。
【0051】
本形態では、上記工程を行なう際、第1実装端子24aおよび第2実装端子24bを同時形成する。すなわち、第1導電膜4aによって、入力位置検出用電極21および配線27を形成する際、図5(b)、(c)に示すように、第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域に第1導電膜4aを残す。但し、このままでは、第2導電膜4bによって中継電極215およびシールド電極28を形成する際、第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域に形成した第1導電膜4aがエッチング除去される。そこで、本形態では、第2導電膜4bによって中継電極215およびシールド電極28を形成する際、第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域に第2導電膜4bを残す。従って、第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域に形成した第1導電膜4aがエッチング除去されることがない。
【0052】
なお、第2導電膜4bによって中継電極215およびシールド電極28を形成する際、第2実装端子24bに残す第2導電膜4bは、シールド電極28に繋がっている。これに対して、第1実装端子24aに残す第2導電膜4bは、シールド電極28との間に途切れ部分を備えている。但し、第1実装端子24aに残す第2導電膜4bの端部は、層間絶縁膜214に重なっている。このため、第1実装端子24aと重なる領域に形成した第2導電膜4bは、第1実装端子24aと重なる領域に形成した第1導電膜4aに完全に重なっているため、第1実装端子24aと重なる領域に第1導電膜4aを確実に残すことができる。
【0053】
また、本形態では、配線27を構成するにあたって、図6(a)、(b)、(c)に示すように、第1導電膜4aを配線27の形成領域に沿って延在させるとともに、第1導電膜4aの上層に、クロム、銀、アルミニウム、銀−アルミニウム合金等の金属層4cを配線27の形成領域に沿って延在させることが好ましい。かかる多層構造を採用すれば、配線27の配線抵抗を低減することができる。
【0054】
(入力位置検出動作)
図1(b)に示すように、本形態の静電容量型入力装置1では、入力パネル2の第1実装端子24aおよび第2実装端子24bに対してフレキシブル配線基板35を介してIC10が接続される。ここで、IC10は、フレキシブル配線基板35を介して第1実装端子24aに位置検出信号VDを順次出力する端子11aと、フレキシブル配線基板35を介して第2実装端子24bにシールド電位VSを出力する端子11bとを備えている。なお、IC10は、入力パネル2にグランド電位を出力するグランド端子も備えているが、本発明には直接、関係しないので、図示および説明を省略する。
【0055】
このように構成した静電容量型入力装置1において、IC10は、例えば、図1(c)に示す矩形パルス状の位置検出信号VDを出力する。その結果、入力位置検出用電極21に容量が寄生していない場合、端子11aからは、図1(c)に実線で示す波形の信号が検出される。これに対して、入力位置検出用電極21に容量が寄生していると、図1(c)に点線で示すように、容量に起因する波形の歪みが発生するので、入力位置検出用電極21に容量が寄生しているか否かを検出することができる。従って、本形態では、複数の入力位置検出用電極21に順次、位置検出信号VDを出力して入力位置検出用電極21の各々に対して、結合している静電容量を監視する。それ故、複数の入力位置検出用電極21のうちのいずれかに指が近接すると、指が近接した入力位置検出用電極21では、指との間に生じた静電容量分だけ、静電容量が増大するので、指が近接した電極を特定することができる。
【0056】
(本形態の作用および効果)
本形態の静電容量型入力装置1では、入力位置検出用電極21に結合する容量変化を検出するため、電磁波ノイズの影響を受けやすい。そこで、本形態では、フレキシブル配線基板35に形成されている配線35aにはシールド層35bが形成されており、かかるシールド層35bには、シールド用配線35cを介してシールド電位VSが印加されている。本形態では、シールド電位VSとして、入力位置検出用電極21に供給される位置検出信号VDと波形(位相も含めて)が同一の電位が印加される。従って、配線35aとシールド層35bとの間に容量が寄生しない状態を実現することができる。
【0057】
また、本形態では、IC10からはフレキシブル配線基板35のシールド用配線35dおよび第2実装端子24bを介してシールド電極28に、位置検出信号VDと波形(位相も含めて)が同一のシールド電位VSが印加される。ここで、シールド電極28は、基板20において入力領域2aの外側領域2bで延在する複数の配線27に対して入力操作側で重なっている。このため、シールド電極28によって入力操作側から配線27に侵入しようとする電磁波ノイズを遮断することができる。従って、入力パネル2は、入力操作側から侵入しようとする電磁波の影響を受けにくい。それ故、本形態の静電容量型入力装置1では、電磁波ノイズの影響に起因する誤作動が発生しにくい。また、入力領域2aに対して入力操作側にはシールド電極28を設けていないため、静電容量方式による入力位置の検出には支障がない。
【0058】
また、シールド電位VSは、入力位置検出用電極21に供給される位置検出信号VDと波形(位相も含めて)が同一の電位であるので、配線27とシールド電極28との間に容量が寄生しない状態を実現することができる。それ故、シールド電極28を設けても、静電容量方式による入力位置の検出には支障がない。
【0059】
また、配線27は、第1入力位置検出用電極211、第2入力位置検出用電極212および中継電極215の形成に用いた第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側とは反対側に位置する第1導電膜4aにより形成されている。これに対して、シールド電極28は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側に位置する第2導電膜4bにより形成されている。このため、シールド電極28を形成するにあたって、シールド電極を外付けする必要がない等の利点がある。
【0060】
また、シールド電極28は、基板20の外周縁全体に沿って設けられているため、入力操作側から侵入しようとする電磁波をより確実に遮断することができる。また、シールド電極28は、層間絶縁膜214において基板20の外周縁近傍に位置する側面部214eを覆っている。このため、配線27に対して周囲から侵入しようとする電磁波ノイズを遮断することができる。
【0061】
さらに、基板20の外側領域2bには、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bの双方を利用して第1実装端子24aおよび第2実装端子24bが設けられている。このため、基板20に接続したフレキシブル配線基板35を介して外部からシールド電極VSに電位を印加することができ、シールド電極28へのシールド電位VSの印加が容易である。また、第1実装端子24aおよび第2実装端子24bに共通のフレキシブル配線基板35を接続することもできる。しかも、第2実装端子24bは、第1実装端子24aの配列領域の両側でシールド電極28に電気的接続しているため、配線27に対して周囲から侵入しようとする電磁波ノイズを遮断することができる。
【0062】
[実施の形態2]
図7〜図9を参照して、実施の形態1をベースにして基板20にシールド用補助電極29を追加した例を説明する。図7は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型入力装置1の平面的な構成を模式的に示す説明図である。なお、図7(a)、(b)、(c)、(d)は各々、静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な位置関係を示す説明図、基板20に形成された第1導電膜4aの平面的な構成を示す説明図、基板20に形成された層間絶縁膜214の平面的な構成を示す説明図、および基板20に形成された第2導電膜4bの平面的な構成を示す説明図であり、図7(a)は、図7(b)、(c)、(d)に示す要素を重ねて示してある。
【0063】
図8は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。図9は、本発明の実施の形態2に係る静電容量型入力装置1の基板20の断面構成を示す説明図であり、図9(a)、(b)、(c)は各々、基板20を図8に示すA2−A2′線、B2−B2′線、およびC2−C2′線に沿って切断したときの断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0064】
図7、図8および図9に示すように、本形態の静電容量型入力装置1においても、実施の形態1と同様、基板20の第1面20aの側には、基板20からみて下層側から上層側に向けて第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが順に形成されている。
【0065】
図7(b)に示すように、第1導電膜4aは、実施の形態1と同様、第1入力位置検出用電極211のパッド部211a、第2入力位置検出用電極212のパッド部212a、配線27として形成されているとともに、端部20e付近に第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域にも形成されている。
【0066】
本形態では、実施の形態1と違って、第1導電膜4aは、基板20の外側領域2bにおいて、配線27の外側領域にシールド用補助電極29として形成されている。ここで、配線27は、入力領域2aと基板20の端部20e、入力領域2aと基板20の端部20f、および入力領域2aと基板20の端部20hとの間に形成され、基板20の3辺の相当する領域に形成されている。これに対して、シールド用補助電極29は、入力領域2aと基板20の端部20eとに挟まれた領域、入力領域2aと基板20の端部20fとに挟まれた領域、入力領域2aと基板20の端部20gとに挟まれた領域、および入力領域2aと基板20の端部20hとに挟まれた領域に形成されており、基板20の全ての辺に沿うように形成されている。なお、シールド用補助電極29は、入力領域2aと基板20の端部20eとに挟まれた領域では途中で第2実装端子24bに向けて屈曲し、配線27が延在している領域で途切れている。
【0067】
図7(c)に示すように、層間絶縁膜214は、実施の形態1と同様、基板20の外周縁を除く広い領域に形成されており、層間絶縁膜214には、4つで一組のコンタクトホール214aが形成されている。ここで、層間絶縁膜214は、基板20の外周縁よりやや内側に形成されており、基板20の外周縁付近は層間絶縁膜214の非形成領域になっている。
【0068】
図7(d)に示すように、第2導電膜4bは、実施の形態1と同様、入力領域2aにおいて、図7(c)に示すコンタクトホール214aと重なる中継電極215として形成されている。また、第2導電膜4bは、外側領域2bにおいてシールド電極28として形成されているとともに、端部20e付近に第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域にも形成されている。かかるシールド電極28には、入力位置検出用電極21に供給される位置検出信号と波形(位相も含めて)が同一の電位が印加される。
【0069】
また、基板20の第1面20aにおいて外側領域2bには、第1実装端子24aの配列領域を両側で挟むように2つの第2実装端子24bが形成されている。第1実装端子24aは配線27に電気的接続し、第2実装端子24bは、第1実装端子24aの配列領域の両側でシールド電極28に電気的接続している。その他の構成は、実施の形態1と同等であるため、説明を省略する。
【0070】
このように構成した入力パネル2においては、実施の形態1と同様、配線27は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側とは反対側に位置する第1導電膜4aより形成され、シールド電極28は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側に位置する第2導電膜4bにより形成されており、シールド電極28は、配線27に対して入力操作側で重なっている。このため、シールド電極28によって入力操作側から配線27に侵入しようとする電磁波ノイズを遮断できる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0071】
また、シールド用補助電極29は、基板20の4辺に相当する位置で層間絶縁膜214の外周縁よりも外側まで形成されており、層間絶縁膜214から一部が露出されている。また、シールド電極28は、基板20の4辺に相当する位置で層間絶縁膜214の外周縁よりも外側まで形成されている。このため、シールド電極28は、層間絶縁膜214の外周側の側面部214eを覆うとともに、層間絶縁膜214の外周側(層間絶縁膜214の非形成領域)において層間絶縁膜214から露出されているシールド用補助電極29に対してシールド用補助電極29の長手方向(延在方向)の全体で接続している。それ故、本形態では、シールド電極28の抵抗を実質的に低減することができる。また、シールド電極28とシールド用補助電極29とによって、配線27に対して周囲から電磁波ノイズが侵入することを抑制することができる。
【0072】
[実施の形態3]
図10〜図12を参照して、図2(a)を参照して説明したタイプの静電容量型入力装置1において第2導電膜4bによって入力位置検出用電極を構成した例を説明する。図10は、本発明の実施の形態3に係る静電容量型入力装置1の平面的な構成を模式的に示す説明図である。なお、図10(a)、(b)、(c)、(d)は各々、静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な位置関係を示す説明図、基板20に形成された第1導電膜4aの平面的な構成を示す説明図、基板20に形成された層間絶縁膜214の平面的な構成を示す説明図、および基板20に形成された第2導電膜4bの平面的な構成を示す説明図であり、図10(a)は、図10(b)、(c)、(d)に示す要素を重ねて示してある。
【0073】
図11は、本発明の実施の形態3に係る静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。図12は、本発明の実施の形態3に係る静電容量型入力装置1の基板20の断面構成を示す説明図であり、図12(a)、(b)、(c)は各々、基板20を図11に示すA3−A3′線、B3−B3′線、およびC3−C3′線に沿って切断したときの断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0074】
図10、図11および図12に示すように、本形態の静電容量型入力装置1において、基板20の第1面20aの側には、基板20からみて下層側から上層側に向けて第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが順に形成されている。
【0075】
図10(b)に示すように、第1導電膜4aは、まず、入力領域2aに複数の中継電極215として形成されている。また、第1導電膜4aは、外側領域2bに複数の配線27として形成されている。ここで、配線27は、端部が入力領域2aの内側に位置し、かかる端部は、配線27より広幅の接続部27aになっている。また、第1導電膜4aは、実施の形態2と同様、外側領域2bにおいて基板20の4辺に相当する部分にシールド用補助電極29として形成されている。
【0076】
図10(c)に示すように、層間絶縁膜214は、入力領域2aのうち、後述する交差部分218のみに形成されているとともに、外側領域2bには入力領域2aの周りを囲むように矩形枠状に形成されている。ここで、層間絶縁膜214は、基板20の外周縁よりやや内側に形成されており、基板20の外周縁付近は層間絶縁膜214の非形成領域になっている。
【0077】
図10(d)に示すように、第2導電膜4bは、入力領域2aにおいて、複数の矩形領域として形成され、かかる矩形領域は、第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212のパッド部211a、212a(大面積部分)を構成する。また、第2導電膜4bは、外側領域2bに矩形枠状のシールド電極28として形成されているとともに、端部20e付近に第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域にも形成されている。
【0078】
このように構成した第1導電膜4a、層間絶縁膜214および第2導電膜4bを重ねると、基板20は、図10(a)、図11、および図12(a)、(b)、(c)に示すように構成される。かかる基板20を平面視すると、入力領域2aの内側には複数の入力位置検出用電極21が形成される。本形態において、入力位置検出用電極21は、第1方向(矢印Yで示す方向)に延在する複数列の第1入力位置検出用電極211(図10(a)に太い実線で示す)と、第1方向に交差する第2方向(矢印Xで示す方向)に延在する複数列の第2入力位置検出用電極212(図10(a)に太い点線で示す)とからなる。ここで、入力位置検出用電極21(第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212)は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、第1導電膜4aにより形成されており、同一層からなる。このため、基板20の第1面20aには、第1入力位置検出用電極211と第2入力位置検出用電極212との交差部分218が複数、存在する。本形態では、第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212のうち、第1入力位置検出用電極211は、交差部分218でも第2導電膜4bからなる連結部分211cによってY方向で繋がって延在しているのに対して、第2入力位置検出用電極212には交差部分218に途切れ部分218aが構成されている。また、交差部分218には、第1導電膜4aから中継電極215および層間絶縁膜214が形成されており、このため、第2入力位置検出用電極212は中継電極215によってX方向で電気的に接続されている。
【0079】
また、配線27は、第1導電膜4aによって形成されているが、先端側の接続部27aが入力領域2a内に位置し、かつ、接続部27aの上層は層間絶縁膜214で覆われていない。このため、第2導電膜4bによって入力位置検出用電極21を形成すると、入力位置検出用電極21は、配線27の接続部27aと重なって電気的接続する。
【0080】
また、基板20の第1面20aにおいて外側領域2bには、第1実装端子24aの配列領域を両側で挟むように2つの第2実装端子24bが形成されている。第1実装端子24aは配線27に電気的接続し、第2実装端子24bは、第1実装端子24aの配列領域の両側でシールド電極28に電気的接続している。その他の構成は、実施の形態1と同等であるため、説明を省略する。
【0081】
このように構成した入力パネル2においては、実施の形態1、2と同様、配線27は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側とは反対側に位置する第1導電膜4aより形成され、シールド電極28は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側に位置する第2導電膜4bにより形成されており、シールド電極28は、配線27に対して入力操作側で重なっている。このため、シールド電極28によって入力操作側から配線27に侵入しようとする電磁波ノイズを遮断できる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0082】
また、実施の形態2と同様、シールド電極28は、層間絶縁膜214の外周側の側面部214eを覆うとともに、層間絶縁膜214の外周側(層間絶縁膜214の非形成領域)において層間絶縁膜214から露出されたシールド用補助電極29に対してシールド用補助電極29の長手方向の全体で接続している。それ故、本形態では、シールド電極28の抵抗を実質的に低減することができる。また、シールド電極28とシールド用補助電極29とによって、配線27に対して周囲から電磁波ノイズが侵入することを抑制することができる。
【0083】
さらに、本形態において、層間絶縁膜214は、入力領域2aでは交差部分218のみに形成されており、入力位置検出用電極21(第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212)のパッド部211a、212aと重なる位置にはほとんど形成されていない。それ故、入力パネル2は光透過性が高いので、本形態の入力装置付き電気光学装置100によれば明るい画像を表示することができる。
【0084】
[実施の形態4]
図13〜図15を参照して、図2(b)を参照して説明したタイプの静電容量型入力装置1の構成例を説明する。図13は、本発明の実施の形態4に係る静電容量型入力装置1の平面的な構成を模式的に示す説明図である。なお、図13(a)、(b)、(c)、(d)は各々、静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な位置関係を示す説明図、基板20に形成された第1導電膜4aの平面的な構成を示す説明図、基板20に形成された層間絶縁膜214の平面的な構成を示す説明図、および基板20に形成された第2導電膜4bの平面的な構成を示す説明図であり、図13(a)は、図13(b)、(c)、(d)に示す要素を重ねて示してある。
【0085】
図14は、本発明の実施の形態4に係る静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。図15は、本発明の実施の形態4に係る静電容量型入力装置1の基板20の断面構成を示す説明図であり、図15(a)、(b)、(c)は各々、基板20を図14に示すA4−A4′線、B4−B4′線、およびC4−C4′線に沿って切断したときの断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0086】
図13、図14および図15に示すように、本形態の静電容量型入力装置1において、基板20の第2面20bの側には、基板20からみて下層側から上層側に向けて第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが順に形成されている。
【0087】
図13(b)に示すように、第1導電膜4aは、まず、入力領域2aにおいて、複数の矩形領域として形成され、かかる矩形領域は、第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212のパッド部211a、212a(大面積部分)を構成する。また、第1導電膜4aは、外側領域2bにシールド電極28として形成されている。かかるシールド電極28には、入力位置検出用電極21に供給される位置検出信号VDと波形(位相も含めて)が同一の電位が印加される。
【0088】
図13(c)に示すように、層間絶縁膜214は、実施の形態1と同様、基板20の外周縁を除く広い領域に形成されており、層間絶縁膜214には、4つで一組のコンタクトホール214aが形成されている。また、層間絶縁膜214には、図13(d)に示す配線27の接続部27aと重なる位置にコンタクトホール214bが形成されている。
【0089】
図13(d)に示すように、第2導電膜4bは、実施の形態1と同様、入力領域2aにおいて、図13(c)に示すコンタクトホール214aと重なる中継電極215として形成されている。また、第2導電膜4bは、端部20e付近に第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域にも形成されている。また、第2導電膜4bは、外側領域2bに複数の配線27として形成されている。配線27は、端部が入力領域2aの内側に位置し、かかる端部は、配線27より広幅の接続部27aになっている。また、第2導電膜4bは、外側領域2bにおいて基板20の4辺に相当する部分にシールド用補助電極29として形成されている。ここで、第1実装端子24aと配線27とは繋がっており、第2実装端子24bとシールド用補助電極29とは繋がっている。
【0090】
このように構成した第1導電膜4a、層間絶縁膜214および第2導電膜4bを重ねると、基板20は、図13(a)、図14、および図15(a)、(b)、(c)に示すように構成される。その結果、入力領域2aの内側には複数の入力位置検出用電極21が形成される。また、入力位置検出用電極21(第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212)は第1導電膜4aに形成されている一方、配線27は第2導電膜4bにより形成されている。それでも、層間絶縁膜214にはコンクタクトホール214bが形成されているため、入力位置検出用電極21と配線27とはコンクタクトホール214bを介して電気的接続される。
【0091】
また、基板20の第1面20aにおいて外側領域2bには、第1実装端子24aの配列領域を両側で挟むように2つの第2実装端子24bが形成されている。第1実装端子24aは配線27に電気的接続し、第2実装端子24bは、第1実装端子24aの配列領域の両側でシールド電極28に電気的接続している。その他の構成は、実施の形態1と同等であるため、説明を省略する。
【0092】
このように構成した入力パネル2において、配線27は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側とは反対側に位置する第2導電膜4bより形成され、シールド電極28は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側に位置する第1導電膜4aにより形成されており、シールド電極28は、配線27に対して入力操作側で重なっている。このため、シールド電極28によって入力操作側から配線27に侵入しようとする電磁波ノイズを遮断できる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0093】
また、シールド用補助電極29は、実施の形態2と同様、基板20の4辺に相当する位置で層間絶縁膜214の外周縁よりも外側まで形成されており、層間絶縁膜214から一部が露出されている。また、シールド電極28は、基板20の4辺に相当する位置で層間絶縁膜214の外周縁よりも外側まで形成されている。このため、シールド用補助電極29は、層間絶縁膜214の外周側の側面部214eを覆うとともに、シールド電極28は、層間絶縁膜214の外周側(層間絶縁膜214の非形成領域)において層間絶縁膜214から露出されたシールド用補助電極29に対してシールド用補助電極29の長手方向の全体で接続する。それ故、本形態では、シールド電極28の抵抗を実質的に低減することができる。また、シールド電極28とシールド用補助電極29とによって、配線27に対して周囲から電磁波ノイズが侵入することを抑制することができる。
【0094】
[実施の形態5]
図16〜図18を参照して、実施の形態4をベースにして、入力位置検出用電極21を第2導電膜4bで形成した構成例を説明する。図16は、本発明の実施の形態5に係る静電容量型入力装置1の平面的な構成を模式的に示す説明図である。なお、図16(a)、(b)、(c)、(d)は各々、静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な位置関係を示す説明図、基板20に形成された第1導電膜4aの平面的な構成を示す説明図、基板20に形成された層間絶縁膜214の平面的な構成を示す説明図、および基板20に形成された第2導電膜4bの平面的な構成を示す説明図であり、図16(a)は、図16(b)、(c)、(d)に示す要素を重ねて示してある。
【0095】
図17は、本発明の実施の形態5に係る静電容量型入力装置1の基板20に形成された各電極等の平面的な構成を拡大して示す説明図である。図18は、本発明の実施の形態5に係る静電容量型入力装置1の基板20の断面構成を示す説明図であり、図18(a)、(b)、(c)は各々、基板20を図17に示すA5−A5′線、B5−B5′線、およびC5−C5′線に沿って切断したときの断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0096】
図16、図17および図18に示すように、本形態の静電容量型入力装置1において、基板20の第2面20bの側には、基板20からみて下層側から上層側に向けて第1導電膜4a、層間絶縁膜214、および第2導電膜4bが順に形成されている。
【0097】
図16(b)に示すように、入力領域2aにおいて、後述するコンタクトホール214aと重なる位置に中継電極215として形成されている。また、第1導電膜4aは、外側領域2bにシールド電極28として形成されている。
【0098】
図16(c)に示すように、層間絶縁膜214は、実施の形態1と同様、基板20の外周縁を除く広い領域に形成されており、層間絶縁膜214には、4つで一組のコンタクトホール214aが形成されている。
【0099】
図16(d)に示すように、第2導電膜4bは、まず、入力領域2aにおいて、複数の矩形領域として形成され、かかる矩形領域は、第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212のパッド部211a、212a(大面積部分)を構成する。また、第2導電膜4bは、端部20e付近に第1実装端子24aおよび第2実装端子24bと重なる領域にも形成されている。また、第2導電膜4bは、外側領域2bに複数の配線27として形成されているとともに、外側領域2bにおいて基板20の4辺に相当する部分にシールド用補助電極29として形成されている。ここで、第1実装端子24aと配線27とは繋がっており、第2実装端子24bとシールド用補助電極29とは繋がっている。
【0100】
このように構成した第1導電膜4a、層間絶縁膜214および第2導電膜4bを重ねると、基板20は、図16(a)、図17、および図18(a)、(b)、(c)に示すように構成される。その結果、入力領域2aの内側には複数の入力位置検出用電極21(第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212)が形成される。
【0101】
また、基板20の第1面20aにおいて外側領域2bには、第1実装端子24aの配列領域を両側で挟むように2つの第2実装端子24bが形成されている。第1実装端子24aは配線27に電気的接続し、第2実装端子24bは、第1実装端子24aの配列領域の両側でシールド電極28に電気的接続している。その他の構成は、実施の形態1と同等であるため、説明を省略する。
【0102】
このように構成した入力パネル2において、配線27は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側とは反対側に位置する第2導電膜4bより形成され、シールド電極28は、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bのうち、入力操作側に位置する第1導電膜4aにより形成されており、シールド電極28は、配線27に対して入力操作側で重なっている。このため、シールド電極28によって入力操作側から配線27に侵入しようとする電磁波ノイズを遮断できる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0103】
また、シールド用補助電極29は、実施の形態2と同様、基板20の4辺に相当する位置で層間絶縁膜214の外周縁よりも外側まで形成されており、層間絶縁膜214から一部が露出されている。また、シールド電極28は、基板20の4辺に相当する位置で層間絶縁膜214の外周縁よりも外側まで形成されている。このため、シールド用補助電極29は、層間絶縁膜214の外周側の側面部214eを覆うとともに、シールド電極28は、層間絶縁膜214の外周側(層間絶縁膜214の非形成領域)において層間絶縁膜214から露出されたシールド用補助電極29に対してシールド用補助電極29の長手方向の全体で接続する。それ故、本形態では、シールド電極28の抵抗を実質的に低減することができる。また、シールド電極28とシールド用補助電極29とによって、配線27に対して周囲から電磁波ノイズが侵入することを抑制することができる。
【0104】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212を形成するにあたって、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bの一方のみを用いたが、第1導電膜4aおよび第2導電膜4bの双方を用いて第1入力位置検出用電極211および第2入力位置検出用電極212を形成してもよい。例えば、第1導電膜4aを用いて第1入力位置検出用電極211を形成し、第2導電膜4bを用いて第2入力位置検出用電極212を形成してもよい。
【0105】
上記実施の形態では、配線27に対して入力操作側にシールド電極28を形成するにああたって、第1導電膜4aあるいは第2導電膜4bを用いたが、例えば、図2に示すカバー90に形成した遮光層90aをクロム等の導電膜により形成し、かかる遮光層90aをシールド電極として利用してもよい。
【0106】
上記実施の形態では、画像生成装置5として液晶装置を用いたが、画像生成装置5としては有機エレクトロルミネッセンス装置を用いてもよい。
【0107】
[電子機器への搭載例]
次に、上述した実施形態に係る入力装置付き電気光学装置100を適用した電子機器について説明する。図19(a)に、入力装置付き電気光学装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す。パーソナルコンピューター2000は、表示ユニットとしての入力装置付き電気光学装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。図19(b)に、入力装置付き電気光学装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての入力装置付き電気光学装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、入力装置付き電気光学装置100に表示される画面がスクロールされる。図19(c)に、入力装置付き電気光学装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての入力装置付き電気光学装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が入力装置付き電気光学装置100に表示される。
【0108】
なお、入力装置付き電気光学装置100が適用される電子機器としては、図19に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型、モニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、銀行端末等の電子機器等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した入力装置付き電気光学装置100が適用可能である。
【符号の説明】
【0109】
1・・静電容量型入力装置、2・・入力パネル、2a・・基板の入力領域、2b・・基板の外側領域、4a・・第1導電膜、4b・・第2導電膜、20・・基板、21・・入力位置検出用電極、27・・配線、28・・シールド電極、29・・シールド用補助電極、99・・導電層、100・・入力装置付き電気光学装置、211・・第1入力位置検出用電極、211c・・連結部分、212・・第2入力位置検出用電極、214・・層間絶縁膜、215・・中継電極、218・・交差部分、218a・・途切れ部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板において複数の入力位置検出用電極が設けられた入力領域と、
前記入力位置検出用電極に電気的に接続し、前記基板において前記入力領域の外側で延在する複数の配線と、
前記配線に対して入力操作側で重なるシールド電極と、
を有することを特徴とする静電容量型入力装置。
【請求項2】
前記シールド電極は、前記基板の外周縁全体に沿って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型入力装置。
【請求項3】
前記基板には、該基板側から第1導電膜、層間絶縁膜、および第2導電膜がこの順に形成され、
前記入力位置検出用電極は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうちの少なくも一方により形成され、
前記配線は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうち、入力操作側とは反対側に位置する導電膜により形成され、
前記シールド電極は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうち、入力操作側に位置する導電膜により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量型入力装置。
【請求項4】
前記基板において前記配線の外周側には、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうち、入力操作側とは反対側に位置する導電膜によりシールド用補助電極が形成されており、
前記シールド用補助電極と前記シールド電極とは、前記層間絶縁膜の非形成領域で重なって電気的接続していることを特徴とする請求項3に記載の静電容量型入力装置。
【請求項5】
前記シールド用補助電極は、前記基板の全ての辺に沿うように形成されており、
前記シールド用補助電極と前記シールド電極とは、前記シールド用補助電極の長手方向の全域で重なって電気的接続していることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型入力装置。
【請求項6】
前記基板において前記入力領域の外側には、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうちの少なくとも一方の導電膜によって、前記配線に電気的接続する第1実装端子と、前記シールド電極に電気的接続する第2実装端子と、が設けられていることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の静電容量型入力装置。
【請求項7】
前記基板には、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうちの一方の導電膜によって、前記入力位置検出用電極として、前記基板の面内方向において第1方向に延在する複数の第1入力位置検出用電極と、前記基板の面内方向において前記第1方向に対して交差する第2方向に延在する複数の第2入力位置検出用電極と、が設けられ、
前記第1入力位置検出用電極と前記第2入力位置検出用電極との交差部分には、前記第1入力位置検出用電極および前記第2入力位置検出用電極のうちの一方の入力位置検出用電極を連続させる前記一方の導電膜からなる連結部分と、他方の入力位置検出用電極の途切れ部分と、前記層間絶縁膜を介して前記連結部分に重なって前記他方の入力位置検出用電極の途切れ部分を電気的に接続する他方の導電膜からなる中継電極と、が設けられていることを特徴とする請求項3乃至6の何れか一項に記載の静電容量型入力装置。
【請求項8】
前記第1導電膜、前記層間絶縁膜、および前記第2導電膜は、前記基板において入力操作側に位置する基板面に形成されており、
前記配線は、前記第1導電膜により形成され、
前記シールド電極は、前記第2導電膜により形成されていることを特徴とする請求項3乃至7の何れか一項に記載の静電容量型入力装置。
【請求項9】
前記第1導電膜、前記層間絶縁膜、および前記第2導電膜は、前記基板において入力操作側とは反対側の基板面に形成されており、
前記配線は、前記第2導電膜により形成され、
前記シールド電極は、前記第1導電膜により形成されていることを特徴とする請求項3乃至7の何れか一項に記載の静電容量型入力装置。
【請求項10】
前記シールド電極には、前記入力位置検出用電極に印加される位置検出信号と波形および位相が同一の電位が印加されることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の静電容量型入力装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の静電容量型入力装置を備えた入力装置付き電気光学装置であって、
前記基板に対して入力操作側とは反対側に画像生成用の電気光学パネルが構成されていることを特徴とする入力装置付き電気光学装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−28535(P2011−28535A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173984(P2009−173984)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】