説明

非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物

【課題】非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)に対し、化学物質からなる薬剤に頼ることなく従来生薬として知られている植物の成分を利用することにより得られる、安全で、投与しやすいNASH予防・治療組成物、これを含む飲食品を提供すること。
【解決手段】有効成分として、クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類、又はこれらの含有物、例えば、クルクミン類含有物として醗酵ウコンや、テトラヒドロクルクミン類含有物として醗酵ウコンにシクロデキストリンを添加した後、デバリョマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)の培養物で処理をして得られるもの、又は醗酵ウコンにブタ小腸上皮から得られる酵素により処理して得られるものを用いること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類又はクルクミン類含有物若しくはテトラヒドロクルクミン類含有物を有効成分として含む非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物に関し、より詳しくは、クルクミン類を含むウコンの根茎乾燥体や醗酵ウコン、及びクルクミン類の還元物であるテトラヒドロクルクミン類、特に1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−ヘプタン−3,5−ディオン(以下、THU1と略称する場合がある)含有物を有効成分として含む非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物、さらには、微生物処理によるTHU1含有醗酵ウコン及び酵素処理によるTHU1含有醗酵ウコン、並びにこれらの抽出物を有効成分として含有する非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物、これを含む飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
肝臓は、500種類以上の多彩な機能を持つ最大の臓器であり、腸で吸収された様々な栄養素を再加工してほかの臓器に供給し、余剰分は貯蔵する他、胆汁の生成や分泌、及び解毒や排泄などの、生命の維持に必要な多くの働きを行っている。しかし、この臓器は、不規則な生活、ストレス、ウイルス、薬物、アルコール、栄養不良、肝循環系障害などの様々な因子により障害を受け易く、急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、黄疸、肝硬変などの疾患を起こす場合がある。特に我が国では成人の15%以上(推定で150〜200万人)が脂肪肝といわれ、若年層への拡大が大きな社会問題となっている。
【0003】
脂肪肝とは、肝臓の細胞の中に中性脂肪が溜まっている状態で、医学的には肝小葉内の10%以上の脂肪滴占拠をもって脂肪肝と診断されている。脂肪肝を大別すれば、1.(1)高カロリー栄養や肥満や糖尿病により、トリグリセリドの合成亢進に対するアポ蛋白合成の相対的低下でエネルギー処理不能に陥る過栄養性脂肪肝、(2)過剰なダイエット等の影響から、リポタンパク形成のために必要なタンパク質が不足し、取り残された中性脂肪は出て行くことができずに肝臓に溜まり脂肪肝に至る栄養欠乏性脂肪肝、2.アルコールの過剰摂取により、脂肪酸異化低下、脂肪酸合成亢進を引き起こすアルコール性脂肪肝、3.薬物の過剰摂取が原因による薬物性・中毒性脂肪肝、4.正常なものからなんらかの原因により脂肪肝となり、さらに、脂質過酸化、ATP減少などの酸化ストレス、エンドトキシンを介するサイトカイン、肝内に蓄積する鉄、インスリン抵抗性によるミトコンドリア酸化障害などの発症の危険因子によって進行するとされている非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、5.妊娠後期にみられ、ウイルス性劇症肝炎とは全く異なり、門脈域に炎症細胞の浸潤がほとんどなく、肝細胞の壊死像も認めず中心静脈周囲の肝細胞の脂肪変性が見られる急性妊娠脂肪肝に分けることができる。これらの中でも、高カロリー栄養や肥満や糖尿病による過栄養性脂肪肝がもっとも高頻度にみられ、また、その発症メカニズムが解明されておらず、血液検査や画像検査(CT、超音波)では普通の脂肪肝と鑑別できない非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の急増が問題となっている。
【0004】
一方、ウコンはショウガ科クルクマ属の多年草で、インド・東南アジア・中国南部などの熱帯地方で多く栽培され、日本では沖縄地方で主に栽培されており、古くから利胆薬として、肝臓炎,胆道炎,胆石症,カタル性黄疸などの治療に用いられているほか、芳香性健胃薬としても用いられている。また、漢方では、吐血,鼻血,血尿の際に内服して止血作用があるとされており、乾燥した根茎物を蒸留して得た油は、軽い殺菌性があり、制酸薬として少量で駆風,健胃,食欲増進及び強壮薬として用いられている。ウコンには、春に開花する春ウコン(Curcuma aromatica Salisbury)や、秋に開花する秋ウコン(Curcuma longa L.)等の種類があり、いずれもクルクミンを含有し、特に秋ウコンはその含有量が3.6%と高く、抗酸化活性を有し、注目されている。
【0005】
クルクミンの生理作用としては、抗酸化作用、胆汁分泌促進作用(利胆作用)、内臓(肝臓、膵臓)機能増強作用、発癌抑制作用、脂質代謝改善作用、美白作用などが明らかにされてきている。これらウコンやウコンに含まれるクルクミンを利用した発明として、例えば、クルクミンまたはその誘導体からなるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンド剤が知られており(例えば、特許文献1参照)、該リガンド剤は、インスリン抵抗性症候群、糖尿病、肥満または内臓脂肪型肥満の予防・改善用組成物として用いることができる。また、急性及び慢性のウイルス性肝炎、急性及び慢性の薬剤性肝炎、並びに劇症肝炎から選択される少なくともいずれかの肝臓疾患の予防、及び肝臓疾患の治療剤として、ショウガ科ウコン属植物由来のビサボラン型セスキテルペン類を含有することを特徴とする肝臓疾患予防治療剤が知られており(例えば、特許文献2参照)、該治療剤によれば、血漿GOT活性、血漿GPT活性、及び血漿LDH活性が低下することが明らかにされている。
【0006】
また、肝臓障害抑制効果を持つグルタチオン及びウコンを含有する組成物に関する発明によれば(例えば、特許文献3参照)、食経験としても充分なグルタチオンと、肝機能改善を含め、様々な好ましい生理作用が報告されており、カレー等で充分な食経験があるウコン抽出物の両者を組み合わせることにより、肝臓障害抑制、改善作用に関して、単独では効果を発揮しない量を併用することで明らかな相乗効果が発揮され、グルタチオン、及びウコンの単独投与ではGPT値が100IU以下の正常値を示すことはなかったのに対して、グルタチオン及びウコンの併用投与では、GPT値が100IU以下の正常値に低下したことが明らかにされている。
【0007】
さらに、本発明者らによる、クルクミン類に、シクロデキストリンを添加して発酵処理をして得られるTHU1高含有の、抗酸化作用を有する発酵処理物やその製造方法、これを含有する食品素材や食品(例えば、特許文献4参照)や、鳥居恭好氏等による、生体内でのクルクミン還元の有無とその反応の局在を解明する目的でなされた研究によれば、ブタ小腸上皮から得た粗酵素液とクルクミンをNADPH(還元性補酵素)存在下に反応させると、短時間のうちにクルクミンが減少し、並行してテトラヒドロクルクミンが生成していること、食品中の脂質に結合した状態で吸収・還元されるのではないかと推測したこと(例えば、非特許文献1参照)が報告されている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−128539号公報
【特許文献2】特開2004−331539号公報
【特許文献3】特開2005−179213号公報
【特許文献4】特開2005−304401号公報
【非特許文献1】「食品酵素化学の最新技術と応用」、2004年3月 シーエムシー出版、p199−208
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)に対し、従来生薬として知られている植物に含まれる成分やその処理物を利用することにより得られる、安全で、摂取しやすい予防・治療組成物、これを含む飲食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、沖縄に自生するウコン等の薬草について、健康食品として、或いは薬用として体や病気に対して最適に作用・効果を奏し得る技術、さらに服用や飲食のし易さ、長期保存等のための加工技術について研究してきたが、近年、飲酒歴がないにもかかわらず病理組織学的にアルコール肝障害に類似した非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に罹患する患者が増えていることに着目し、しかも、NASHは肥満症や糖尿病と高頻度に合併症を引き起こし、NASH症例の約50%が進行性で、10年間でその2割が肝硬変に移行するともいわれていることから、NASHの治療・予防のために、さらに、鋭意、研究を進めた結果、クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類、又はこれらの含有物であるウコンの根茎乾燥体、醗酵ウコン、微生物処理して得られるテトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコン及び酵素処理して得られるテトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコン並びにこれらの抽出物にNASHの予防・治療効果を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、(1)クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類又はクルクミン類含有物若しくはテトラヒドロクルクミン類含有物を有効成分として含むことを特徴とする非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物や、(2)テトラヒドロクルクミン類が1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−ヘプタン−3,5−ディオン(THU1)であることを特徴とする前記(1)記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物や、(3)クルクミン類含有物が、ウコンの根茎乾燥体又はその抽出物であることを特徴とする前記(1)記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物や、(4)クルクミン類含有物が、醗酵ウコン又はその抽出物であることを特徴とする前記(1)記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物や、(5)テトラヒドロクルクミン類含有物が、テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコン又はその抽出物であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物や、(6)テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコンが、醗酵ウコンにシクロデキストリンを添加した後、デバリョマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)の培養物で処理をして得られたものであることを特徴とする前記(5)記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物や、(7)テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコンが、醗酵ウコンにブタ小腸上皮から得られる酵素により処理して得られたものであることを特徴とする前記(5)記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物や、(8)醗酵ウコンが、ウコンの根茎乾燥体を、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、及びバシルス属(Bacillus)に属する微生物を用いて発酵させたウコンの発酵処理物であることを特徴とする前記(4)、(6)、(7)のいずれか記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物に関する。
【0012】
また本発明は、(9)クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類、又はクルクミン類含有物若しくはテトラヒドロクルクミン類含有物を有効成分として含有し、非アルコール性脂肪肝炎の予防・改善作用を有するものであることを特徴とし、非アルコール性脂肪肝炎の予防・改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品や、(10)テトラヒドロクルクミン類が、1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−ヘプタン−3,5−ディオン(THU1)であることを特徴とする前記(9)記載の飲食品や、(11)クルクミン類含有物が、ウコンの根茎乾燥体又はその抽出物であることを特徴とする前記(9)記載の飲食品や、(12)クルクミン類含有物が、醗酵ウコン又はその抽出物であることを特徴とする前記(9)記載の飲食品や、(13)テトラヒドロクルクミン類含有物が、テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコン又はその抽出物であることを特徴とする前記(10)記載の飲食品や、(14)テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコンが、醗酵ウコンにシクロデキストリンを添加した後、デバリョマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)の培養物で処理をして得られたものであることを特徴とする前記(13)記載の飲食品や、(15)テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコンが、醗酵ウコンにブタ小腸上皮から得られる酵素により処理して得られたものであることを特徴とする前記(13)記載の飲食品や、(16)醗酵ウコンが、ウコンの根茎乾燥体を、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、及びバシルス属(Bacillus)に属する微生物を用いて発酵させたウコンの発酵処理物であることを特徴とする前記(12)、(14)、(15)のいずれか記載の飲食品に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、植物由来成分として容易に入手でき、生体に対し副作用が少なく安全性が高い非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物や、非アルコール性脂肪肝炎疾患の予防用飲食品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物としては、クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類又はクルクミン類含有物若しくはテトラヒドロクルクミン類含有物を有効成分として含むものであれば特に制限されるものではない。ターメリックは、ウコン属に属する植物の根茎の乾燥粉末でありウコン茶や香辛料の原料として用いられている食品であり、ターメリックから精製されるクルクミン類は安全な食用天然色素として食品製造に広く使用されている物質である。したがって、ウコン属に属する植物の破砕物、抽出物、分画物あるいはターメリックから精製したクルクミン類を用いることができる。
【0015】
クルクミン類としては、U1[ディフェルロイルメタン(diferuloylmethane 、(E,E)-1,7-bis(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)-1,6-heptadiene-3,5-dione 、以後単にクルクミンというときもある]、U2[ディメトキシクルクミン (demethoxycurcumin )、bis(4-hydroxy-3-methoxycinnamoyl)methane]、U3[ビスディメトキシクルクミン (bisdemethoxycurcumin)、bis(4-hydroxycinnamoyl)methane]、DMU1[(E,E)-1,7-bis(3,4-dimethoxyphenyl)-1,6-heptadiene-3,5-dione ]、DHU1[(E,E)-1,7-Bis(3,4-dihydroxyphenyl)-1,6-heptadiene-3,5-dione ]等があげられ、U1、U2、U3及びDHU1が好ましく用いられ、U1及びDHU1が特に好ましく用いられる。また、クルクミン含有物としては、ウコンの根茎乾燥体又はその抽出物や醗酵ウコン又はその抽出物を用いることができる。ウコン植物としては、ショウガ科(Zingiberaceae)クルクマ属に属し、春ウコン(Curcuma aromatica Salisbury)や、秋に開花する秋ウコン(Curcuma longa L.)等を具体的に挙げることができる。本発明でいう「抽出物」には、抽出エキス乾燥物、抽出エキス水、抽出エキス粉末等の抽出エキスが含まれるが、特に効果を向上できる点で、抽出エキス粉末が好ましい。前記「抽出エキス」とは、所定の植物の全部又は一部から抽出溶媒によって有効成分を抽出したもの(溶媒抽出物)又はその濃縮物をいい、液状物であると固形物であるとを問わない。
【0016】
本発明の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物として、クルクミン類含有物が、醗酵ウコン又はその抽出物を用いることができる。
【0017】
上記醗酵ウコンの取得・調製方法は特に制限されないが、例えば、ウコンを発酵処理するために使用される微生物としては、乳酸菌、酵母、枯草菌等を挙げることができ、これらを単独又は2種以上を適宜組み合わせて使用することもでき、これらの微生物を用いる場合においては、乳酸菌を用いることが好ましく、乳酸菌単独、乳酸菌と酵母、乳酸菌と枯草菌、又は乳酸菌と酵母と枯草菌等の組み合わせなどを好適に例示することができる。
【0018】
上記乳酸菌としては、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)又はテトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)のいずれかに属する微生物が好ましく、特にラクトバシルス属やストレプトコッカス属に属する微生物が好ましい。上記ストレプトコッカス属に属する微生物としては、ストレプトコッカス・サーモフィルス(S. thermophilus)であることが好ましく、ストレプトコッカス・サーモフィルスIFO13957菌株を具体的に例示することができる。また、ラクトバシルス属に属する菌としては、ラクトバシルス・プランタリム(L. plantrum)、ラクトバシルス・デルブリッキ(L. delbruckii)、ラクトバシルス・ペントサス(L. pentosus)又はラクトバシルス・カセイ(L. casei)のいずれかに属する菌であることが好ましく、これらの菌のうち、特にラクトバシルス・プランタリムが好ましい。かかるラクトバシルス・プランタリムとしてIFO14712菌株やIFO14713菌株を、ラクトバシルス・デルブリッキとしてIFO13953菌株を、ラクトバシルス・ペントサスとしてIFO12011菌株を、ラクトバシルス・カセイとしてIFO15883菌株を、それぞれ具体的に例示することができる。また、テトラジェノコッカス属に属する菌としては、テトラジェノ・ハロフィルス(T. halophilus)であることが好ましく、テトラジェノ・ハロフィルスIFO12172菌株を具体的に例示することができる。これら乳酸菌は、ウコンの乾物1gあたり、通常10〜10個、特に10〜10個用いることが好ましい。
【0019】
さらに酵母としては、主として香りの改善のために添加され、かかる酵母としては、カンジダ属(Candida)又はサッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する菌が好ましい。かかるカンジダ属に属する菌として、カンジダ・ビルサチルス(Candida versatilis)であることが好ましく、カンジダ・ビルサチルスとしてIFO10038菌株を具体的に例示することができる。サッカロマイセス属に属する菌として、サッカロマイセス・セレビシアエ(S. cerevisiae)であることが好ましく、サッカロマイセス・セレビシアエとしてIFO0555菌株を具体的に例示することができる。これら酵母菌は、ウコンの乾物1gあたり、通常10〜10個、特に10〜10個用いることが好ましい。
【0020】
また枯草菌としては、バシルス・ズブチルス(B. subtilis)IFO3013菌株を具体的に例示することができる。これら枯草菌は、ウコンの乾物1gあたり、通常10〜10個、特に10〜10個用いることが好ましい。
【0021】
また、醗酵ウコンの発酵処理の対象となる部分は、葉、茎、根等いずれであってもよいが、根茎等の地下部が好適であり、生体であっても、乾燥体であってもよいが、特に、乾燥体が好ましい。0.1〜3mmの粒径としたものは菌と混合して発酵の進行が促進されるため、好ましく、具体的には、ウコンの根茎乾燥体を、3mm以下、好ましくは0.5〜1.0mmの粒径まで粉砕する。3mm以下の粒径とすることにより、それより得られるクルクミン類抽出物の取得がしやすく、また、発酵菌との接触面積を十分に確保することができ、発酵を効果的に進行させることができ、0.5〜1.0mmの範囲の粒径であれば、かかる効果がより顕著に得られる。
【0022】
ウコンの根茎乾燥体の粉砕物を抽出して、本発明の有効成分を得るには、例えば、熱水や温水などの水を用いる抽出方法、有機溶媒を用いる抽出方法、或いは前記水と有機溶媒との混合液を用いる抽出方法が適宜採用される。前記有機溶媒としては、医薬品や食品、食品添加物などの製造、加工に使用が許可されたものが望ましく、例えば,アセトン、エタノール、グリセリン、プロパノール、プロピレングリコール、ヘキサン、メタノールなどが挙げられ、食用油などの油脂類を用いてもよい。またこれらの溶媒のうち少なくとも2種以上を混合して用いてもよいし、これらの含水溶媒を用いてもよい。水や溶媒で抽出する場合には、例えば、ウコンの粉末や粉砕したものを、1〜20倍量の上記溶媒に浸漬し、−20℃〜100℃、好ましくは1〜80℃、より好ましくは20〜60℃で、0.1時間〜1ヶ月、好ましくは0.5時間〜7日間、攪拌または放置する。抽出により得た抽出液、またそれらから抽出溶媒を除去したものをウコンの抽出物とする。
【0023】
次に、醗酵ウコンを得るには、発酵の進行を促進するため、ウコン乾物1重量部に対し、1〜10重量部、特に1〜2重量部程度の水分を添加することが好ましい。かかる粉砕植物に、上述の菌又は菌群を添加する。菌群は各々菌を培養後、培地へ添加する前に予め混合し、乾燥体である場合の植物の重量に対して、1〜10重量%添加することが好ましい。発酵は、温度20〜50℃、好ましくは40℃で行なわれることが好ましく、発酵時間は、pHや、菌数等の条件による発酵の進行状況や、嗜好により適宜選択することができ、例えば、pH4〜5、菌数10以上であれば、約72時間とすることが好ましい。発酵処理時、脱酸素処理を行なうことが好ましく、発酵処理中、脱酸素ガスを循環させて行なうこともできるが、脱酸素処理後、密閉容器中で静置培養において発酵させることもできる。かかる脱酸素処理は二酸化炭素、窒素ガス等により行なうことが好ましい。発酵形式は、液体培養でなく固体培養が好ましい。
【0024】
かかる発酵処理において、発酵菌の資化剤として炭水化物や蛋白質を添加することができる。資化剤としての炭水化物は市販のブドウ糖、蔗糖、廃糖蜜等の糖が好ましく、これらの添加量としては培地当たり1〜10重量%が好ましく、特に3重量%前後が適当である。資化剤としての蛋白質は米糠、ふすま等が好ましく、これらの添加量としては培地当たり1〜5重量%が好ましい。これらの資化剤は1種を単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0025】
発酵終了後、乾燥機により水分値が10重量%以下となるように乾燥させることが好ましく、乾燥方法としては、加熱乾燥や凍結乾燥によることができ、加熱乾燥の場合は、品温が100℃以下で行われることが、生理活性成分の失活を防止することができるため好ましい。醗酵ウコンの抽出物を得るには、乾燥された醗酵ウコンを前述のウコンの根茎乾燥体の粉砕物と同様の方法で、熱水や温水などの水を用いる抽出方法、有機溶媒を用いる抽出方法、或いは前記水と有機溶媒との混合液を用いる抽出方法が適宜採用される。
【0026】
テトラヒドロクルクミン類は、テトラヒドロクルクミン類それ自体やクルクミン含有物を微生物(酵素)処理により生産されるテトラヒドロクルクミンを指し、下記式[式中、R、R、R及びRは、独立して、水素原子、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示す。]で表される。中でも、本発明は、下記式中 R=R=OH、R=R=CHOで表される、1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−ヘプタン−3,5−ディオンテトラヒドロクルクミン(THU1)が特に好ましい。
【0027】
【化1】

【0028】
そして、本発明では、特にTHU1含有物としては、THU1含有醗酵ウコン又はその抽出物を用いることができる。
【0029】
本発明のTHU1含有醗酵ウコンの取得・調製方法としては、醗酵ウコンにシクロデキストリンを添加した後、デバリョマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)の培養物で処理をして得られたもの、又は醗酵ウコンにブタ小腸上皮から得られる酵素により処理して得られたものを用いることができる。
【0030】
通常THU1不含の醗酵ウコンにTHU1を生成せしめるものであるが、例えば、クルクミン類含有の醗酵ウコンに、好ましくはシクロデキストリンを添加した後、デバリョマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)の培養物等のクルクミン還元酵素含有物を用いることにより取得することができる。上記シクロデキストリンとしては、複数のグルコピラノース基がα−1,4−グルコシド結合により結合して環を形成したオリゴ糖であれば、特に限定されるものではなく、α、β、γ、δ等いずれのものであってもよく、具体的には、商品名:デキシパールK−100(株式会社横浜国際バイオ研究所)等を挙げることができる。また、シクロデキストリンはそのまま添加することもできるが、溶液として添加することができ、溶媒としては特に制限されるものではないが、その後に行なわれる酵素処理を考慮すると、水を使用することが好ましい。シクロデキストリン水溶液の濃度としては、0.05〜1重量%、好ましくは0.1重量%前後であり、シクロデキストリンの使用量は、クルクミン類に対して、0.05〜50重量%、好ましくは50重量%である。
【0031】
また、THU1含有醗酵ウコンの酵素による取得・調製方法は、醗酵ウコンにブタ小腸上皮から得られる酵素により処理して得ることができ、より詳しくは、前記酵素は、ブタ小腸上皮を硫安分画、ゲルろ過等の方法を採用して活性を高めて用いる。
【0032】
微生物(酵素)処理終了後、微生物(酵素)処理液そのまま、あるいは、酵素処理液の濃縮、乾燥、冷凍、冷蔵、凍結乾燥、加熱、加圧、超音波破砕などの処理物も用いることができる。
THU1含有醗酵ウコンの抽出物を得るには、前述の方法、すなわち、例えば、THU1含有発酵物の乾燥物を熱水や温水などの水を用いる抽出方法、有機溶媒を用いる抽出方法、或いは前記水と有機溶媒との混合液を用いる抽出方法が適宜採用される。
【0033】
本発明の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物は、非アルコール性脂肪性疾患の予防・改善作用を有することから、このような患者又はその疑いのある人に経口投与することによる非アルコール性脂肪肝炎疾患の予防・治療に、あるいは、飲食品に添加配合することにより該飲食品を非アルコール性脂肪肝炎疾患の予防・改善作用を有する機能性飲食品や、飲食品素材として、有利に用いることができる。かかる本発明の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物は通常経口投与され、治療用組成物として用いる場合は、醗酵ウコン(乾物)として1日あたり1mg〜5g/kg体重、好ましくは10〜1000mg/kg体重の範囲で摂取することにより、非アルコール性脂肪肝炎疾患を改善することができるが、症状、性別、年齢等に応じて、摂取量は適宜調整することができる。また、本発明の非アルコール性脂肪肝炎疾患の予防薬として使用する場合は、予め摂取することにより非アルコール性脂肪肝炎疾患の罹患率を低下させることができる。予防剤としての摂取方法は治療剤として用いる場合と同様の方法によることができ、摂取量は治療剤より少量から同量とすることができる。
【0034】
クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類、又はクルクミン類含有物若しくはテトラヒドロクルクミン類含有物を有効成分として含有し、本発明の非アルコール性脂肪肝炎の予防・改善作用を有するものであることを特徴とし、非アルコール性脂肪肝炎の予防・改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品は、クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類、又はクルクミン類含有物若しくはテトラヒドロクルクミン類含有物を飲食品原料の一部として用いたり、あるいは製造工程又は製造後に添加・配合することにより得ることができる。かかる飲食品としては特に制限されるものではなく、クッキー、パン、ケーキ、煎餅などの焼き菓子、ラムネ菓子等などの錠菓、羊羹などの和菓子、プリン、ゼリー、アイスクリーム類などの冷菓、チューインガム、キャンディ等の菓子類や、クラッカー、チップス等のスナック類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、チーズ、バターなどの乳製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ、スープ、シチュー等の各種総菜や、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料などを具体的に例示することができる。例えば、醗酵ウコン及び/又はTHU1含有醗酵ウコンを微粉末化し、該微粉末を常法に従い打錠あるいはカプセル化して錠菓あるいはサプリメントとすることができ、この場合かかる微粉末を造粒した後に打錠あるいはカプセル化して錠菓あるいはサプリメントとすることもできる。また、クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類、又はクルクミン類含有物若しくはテトラヒドロクルクミン類含有物を微粉末化し、これに乳糖、デキストリン、乾燥酵母等を配合したものを打錠することもできる。
【0035】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0036】
[サンプルの調製1(醗酵ウコン)]
乾燥したウコンの根茎30gを0.1〜3mmの粒径に粉砕し容器に入れた。ウコンを入れた容器に水150g、糖蜜0.9gを添加した。かかる粉砕ウコンを収納した容器に二酸化炭素を供給しながら、ラクトバシルス・プランタリム、ストレプトコッカス・サーモフィルス、バシルス・ズブチルスの各々の菌を培養後、菌数1:1:1の割合で混合し、ウコンの重量に対し、10重量%を添加し、容器を密閉し、静置培養により発酵を行った。発酵温度は40℃、発酵時間は72時間とした。その後、乾燥機により水分値が10重量%以下になるまで60℃で乾燥した後、滅菌処理(130℃蒸気、5〜15秒)を行い、醗酵ウコン30gを得た。
【実施例2】
【0037】
[サンプルの調製2(THU1含有醗酵ウコン)]
デバリョマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)(PRISCA、LACTO LABO社)をYM培地(ニッスイ社製)で、25℃で2昼夜培養し50ml選択管で3,000rpmで10分間、遠心分離し、菌体を得た。得られた菌体をOD660=0.2〜0.3になるように水を加え菌懸濁液を調製した。
シクロデキストリン(商品名:デキシパールK−100(株式会社横浜国際バイオ研究所社製)1mgを1mlの水に溶解した水溶液を調製した。
実施例1で得られた醗酵ウコン3gに上記シクロデキストリン水溶液30mlを添加した後、上記菌懸濁液10mlを添加した。30℃で1時間、振盪培養機(TAITEC社製)によりインキュベーションした。オートクレーブにて121℃に加熱し酵素反応を停止させた後、培養液中のテトラヒドロクルクミンをHPLC(CLASS−VP:(株)島津製作所社製)を用いて測定した。HPLC測定条件は、カラム:Develosil ODS−HG−5 内径4.6×250mm、溶媒:アセトニトリル:水=50:50(v/v)(0.1%TFA含有)、流速:1ml/分、注入量:10μl、検出:280nmで行った。その結果、ウコン中のクルクミンは還元され、10mg/gのTHU1含有醗酵ウコンを得た。なお、実施例1で得られた醗酵ウコンにはTHU1は検出できなかった。
【実施例3】
【0038】
非アルコール性脂肪肝炎疾患の6名に、実施例1により得られた醗酵ウコン及び実施例2により得られたTHU1含有醗酵ウコン各3g/日を、6ヶ月間服用してもらい、投与前後での肝機能について、肝機能の目安とされるGPTの測定を行った。その結果を図1に示す。図1に示すように、醗酵ウコン又はTHU1含有醗酵ウコンを、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者に投与すると、GPT値は、醗酵ウコンでは投与前に比して、投与3ヶ月で約20%低減し、さらに投与6ヶ月で約40%低減することが確認でき、THU1含有醗酵ウコンでは、投与3ヶ月で約40%、投与3ヶ月で約60%低減することがわかった。
【0039】
以上の実験結果から、非アルコール性脂肪肝炎に罹患したヒトに治癒効果があることが明らかであり、なんら副作用がない醗酵ウコンやTHU1含有醗酵ウコンを長期間摂取することにより、非アルコール性脂肪肝炎の予防・治療が可能となった。
【0040】
醗酵ウコンにブタ小腸上皮から得られる酵素により処理して得られたTHU1含有醗酵ウコンも同様の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の醗酵ウコン及びTHU1含有醗酵ウコン投与におけるGPTの推移を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類又はクルクミン類含有物若しくはテトラヒドロクルクミン類含有物を有効成分として含むことを特徴とする非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物。
【請求項2】
テトラヒドロクルクミン類が1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−ヘプタン−3,5−ディオン(THU1)であることを特徴とする請求項1記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物。
【請求項3】
クルクミン類含有物が、ウコンの根茎乾燥体又はその抽出物であることを特徴とする請求項1記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物。
【請求項4】
クルクミン類含有物が、醗酵ウコン又はその抽出物であることを特徴とする請求項1記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物。
【請求項5】
テトラヒドロクルクミン類含有物が、テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコン又はその抽出物であることを特徴とする請求項1又は2記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物。
【請求項6】
テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコンが、醗酵ウコンにシクロデキストリンを添加した後、デバリョマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)の培養物で処理をして得られたものであることを特徴とする請求項5記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物。
【請求項7】
テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコンが、醗酵ウコンにブタ小腸上皮から得られる酵素により処理して得られたものであることを特徴とする請求項5記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物。
【請求項8】
醗酵ウコンが、ウコンの根茎乾燥体を、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、及びバシルス属(Bacillus)に属する微生物を用いて発酵させたウコンの発酵処理物であることを特徴とする請求項4、6、7のいずれか記載の非アルコール性脂肪肝炎予防・治療用組成物。
【請求項9】
クルクミン類若しくはテトラヒドロクルクミン類、又はクルクミン類含有物若しくはテトラヒドロクルクミン類含有物を有効成分として含有し、非アルコール性脂肪肝の予防・改善作用を有するものであることを特徴とし、非アルコール性脂肪肝の予防・改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲食品。
【請求項10】
テトラヒドロクルクミン類が、1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−ヘプタン−3,5−ディオン(THU1)であることを特徴とする請求項9記載の飲食品。
【請求項11】
クルクミン類含有物が、ウコンの根茎乾燥体又はその抽出物であることを特徴とする請求項9記載の飲食品。
【請求項12】
クルクミン類含有物が、醗酵ウコン又はその抽出物であることを特徴とする請求項9記載の飲食品。
【請求項13】
テトラヒドロクルクミン類含有物が、テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコン又はその抽出物であることを特徴とする請求項10記載の飲食品。
【請求項14】
テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコンが、醗酵ウコンにシクロデキストリンを添加した後、デバリョマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)の培養物で処理をして得られたものであることを特徴とする請求項13記載の飲食品。
【請求項15】
テトラヒドロクルクミン類含有醗酵ウコンが、醗酵ウコンにブタ小腸上皮から得られる酵素により処理して得られたものであることを特徴とする請求項13記載の飲食品。
【請求項16】
醗酵ウコンが、ウコンの根茎乾燥体を、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、及びバシルス属(Bacillus)に属する微生物を用いて発酵させたウコンの発酵処理物であることを特徴とする請求項12、14、15のいずれか記載の飲食品。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−320864(P2007−320864A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150283(P2006−150283)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(597136629)
【出願人】(397031784)株式会社琉球バイオリソース開発 (21)
【Fターム(参考)】