説明

非侵襲生体情報測定装置

【課題】 生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ生体内からの光音響波信号を生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、装置を大型化することなく、有効な光音響検出手段を選択する非侵襲生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】 生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、前記光音響波信号の検出信号から第1の測定位置と第2の測定位置とを検出し、第1,第2の測定位置間の距離を測定し、該第1,第2の測定位置間の距離の差に応じて有効な光音響検出手段を選択するよう指示する検出手段指示信号を出力する信号比較手段と、該信号比較手段から出力された移動指示信号を使用者に通知する移動指示手段とを備え、装置を大型化することなく、有効な光音響検出手段を選択する非侵襲生体情報測定装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体を侵襲することなく生体情報の測定が可能な非侵襲生体情報測定装置に関し、より詳細には、生体内からの光音響波信号に基づき、光音響検出手段よりも少ない数の増幅手段、A/D変換手段で測定回数を大きく増やすことなく特徴量を推定することが可能な非侵襲生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な生活習慣病である糖尿病の患者数は世界的に増加傾向にある。糖尿病患者は、糖尿病による合併症を抑制し、患者の生活の質を向上するために、日常的な血糖コントロールが必要である。そのため、患者は医師の指導のもと、毎日定期的に血糖値を測定しなければならない。
【0003】
血糖値を測定する代表的な方法としては、患者の指を刺して血液を採取し血糖値を測定する侵襲型の血糖測定装置がある。侵襲型の血糖測定装置では、指を刺して血液を採取する際に手間と痛みを伴うこと、さらに感染症などの危険が伴うことから、血液の採取を必要としない、非侵襲型の血糖測定装置が既に提案されている。
【0004】
この非侵襲型の血糖測定装置の一例として、光音響効果を用いた「生物学的測定システム」が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
光音響効果を用いた「生物学的測定システム」は、グルコースに吸収される波長の光を、生物学的測定システムから指先のような生体の一部分に照射し、照射された光は生体内の比較的小さい焦点領域に集光される。また、一般的に、集光された光はグルコースに吸収されて、焦点領域と隣接する領域の組織内で運動エネルギーに変換される。
【0006】
組織内で変換された運動エネルギーは、吸収組織領域の温度及び圧力を増大させ、音波を生成する。この音波を、以下「光音響波信号」と表記する。光音響波信号は吸収組織領域から放射され、生物学的測定システムが備える音響センサによって検出される。音響センサは生体表面と接するよう装着される。光音響波信号の強度は、吸収組織領域内のグルコースの量の関数であり、センサによって計測された強度は血糖値を調べるために使用される。
【0007】
また、別の非侵襲型の生体情報測定装置の一例として、「生理学的センサシステム」が提案されている。多くの測定電極で検出した信号を増幅し、信号変換モジュールでノイズ除去やA/D変換、さらに必要な信号を選択した後、信号伝送モジュールが後段の回路に信号を出力する。多くの測定電極で検出した信号を用いて、生体情報を取得するものである(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特表2001−526557号公報
【特許文献2】特開2002−136502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1、上記特許文献2に記載された技術では、生体から得られる光音響波は非常に微弱であり、その微弱な信号の変化から特徴量を推定できる信号に増幅するための増幅手段が必要である。多くの測定電極を有する場合には、それぞれに増幅手段やA/D変換が必要となる。そのため、回路の大型化や大きな消費電力を必要とし、ポータブル製品としては不向きであるという課題を有していた。
【0009】
本発明は、従来の課題を解決するもので、低消費電力で、光音響検出手段よりも少ない数の増幅手段、A/D変換手段で測定回数を大きく増やすことなく特徴量を推定することが可能な非侵襲生体情報測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来の課題を解決するために、本発明の非侵襲生体情報測定装置は、生体の表面に光を照射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、少なくとも1つの光源と、該光源の点灯タイミングを制御し、後述する増幅手段とA/D変換手段の起動信号を出力し、後述する検出手段指示信号に基づき有効な光音響検出手段に対する検出手段選択信号を後述する信号選択手段に出力する制御手段と、該光源の照射光による生体内からの光音響波信号を検出し、検出信号を生成する複数の光音響検出手段と、該光音響検出手段で生成された複数の検出信号から前記検出手段選択信号に応じて有効な検出信号を選択する信号選択手段と、該信号選択手段より出力された有効な検出信号をそれぞれ増幅する複数の増幅手段と、該増幅手段で増幅された複数の有効検出信号をそれぞれA/D変換する複数のA/D変換手段と、該A/D変換された複数のデジタルデータから生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段と、該特徴量推定手段により推定された生体情報の特徴量を表示する特徴量表示手段と、前記A/D変換された複数のデジタルデータに基づき生体の表面と生体内の血管との距離をそれぞれ測定し、該距離の差に応じて有効な光音響検出手段を選択するための検出手段指示信号を出力する信号比較手段と、該信号比較手段から出力された移動指示信号を外部に通知する移動指示手段と、を備え、光音響検出手段よりも少ない数の増幅手段、A/D変換手段で測定回数を大きく増やすことなく特徴量を推定できる、ことを特徴とするものである。
【0011】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータから第1の測定位置と第2の測定位置とを検出し、該第1,第2の測定位置間の距離をそれぞれ測定し、該第1,第2の測定位置間の距離の大きさを比較して場合分けを行い、さらに、それぞれの第1,第2の測定位置間の距離の差を求めて、該第1,第2の測定位置間の距離の差と有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値Cと、を比較し、その結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とするものである。
【0012】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータに基づき前記第1,第2の測定位置を検出するとともに該第1,第2の測定位置間の距離の測定開始及び測定終了を示す測定開始信号及び測定終了信号を出力する測定位置検出手段と、複数の前記デジタルデータに対し、前記測定開始信号に基づきカウントを開始し、前記測定終了信号に基づきカウントを終了する複数の距離測定カウンタと、該距離測定カウンタがカウントした値を比較した回数を記憶する比較回数記憶手段を有し、前記カウントした値の差と閾値とを比較することにより、前記カウントした値の差が当てはまった閾値に対応する領域の前記光音響検出手段を選択するよう指示する前記検出手段指示信号を生成し、さらに、前記比較回数記憶手段の記憶回数が2回以上のときに、前記カウントした値の差が閾値に当てはまらない場合には前記移動指示信号を生成する選択信号生成手段とを有する、ことを特徴とするものである。
【0013】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記選択信号生成手段が、前記距離測定カウンタがカウントした値の差と比較する閾値は、有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値C、であり、前記選択信号生成手段は、複数の前記距離測定カウンタがカウントした値の差と前記第一領域閾値Aさらには前記第二領域閾値Bさらには前記第三領域閾値Cとを比較した結果に応じて前記検出手段指示信号さらには前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とするものである。
【0014】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと、該デジタルデータが生体の表面においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体の表面用閾値Dとを比較することで前記第1の測定位置を検出するとともに、前記第1,第2の測定位置間の距離の測定開始を示す測定開始信号の出力を開始し、その後、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと該デジタルデータが生体内の血管においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体内の血管用閾値Eとを比較することで前記第2の測定位置を検出するとともに、前記第1,第2の測定位置間の距離の測定終了を示す測定終了信号の出力を開始する、ことを特徴とするものである。
【0015】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータが前記生体の表面用閾値Dより高い値から低い値に変化する位置を前記第1の測定位置として検出するとともに、前記測定開始信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体の表面用閾値Dより低い値から高い値に変化する位置において前記測定開始信号の出力を終了し、その後、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより高い値から低い値に変化する位置を前記第2の測定位置として検出するとともに、前記測定終了信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより低い値から高い値に変化する位置において前記測定終了信号の出力を終了する、ことを特徴とするものである。
【0016】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、ローパスフィルタを有し、該ローパスフィルタにより、前記測定開始信号及び前記測定終了信号の出力時間が短いときに、該測定開始信号及び測定終了信号を無効にすることが可能である、ことを特徴とするものである。
【0017】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記ローパスフィルタは、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記測定開始信号及び前記測定終了信号を無効にする時間を変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0018】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、ピーク位置抽出手段を有し、該ピーク位置抽出手段は、前記デジタルデータと前記生体の表面用閾値Dとを比較し、前記デジタルデータと前記生体の表面用閾値Dとの差が最も大きい位置を前記第1の測定位置として検出し、その後、前記デジタルデータと前記生体内の血管用閾値Eとを比較し、前記デジタルデータと前記生体内の血管用閾値Eとの差が最も大きい位置を前記第2の測定位置として検出する、ことを特徴とするものである。
【0019】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段が検出する前記第1の測定位置は、前記生体の表面からのデジタルデータに対応する位置である、ことを特徴とするものである。
【0020】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段が検出する前記第2の測定位置は、前記生体内の血管からのデジタルデータに対応する位置である、ことを特徴とするものである。
【0021】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eは、それぞれ該デジタルデータに対する所定の振幅値である、ことを特徴とするものである。
【0022】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eは、それぞれ該検出信号に対する所定の傾きの値である、ことを特徴とするものである。
【0023】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eを変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0024】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記選択信号生成手段が出力する移動指示信号は、前記非侵襲生体情報測定装置の設置位置に有効な前記光音響検出手段が存在しないことを検出した結果、出力される、ことを特徴とするものである。
【0025】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記選択信号生成手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記第一領域閾値A及び前記第二領域閾値B及び前記第三領域閾値Cを変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明の非侵襲生体情報測定装置は、生体の表面に光を照射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、少なくとも1つの光源と、該光源の点灯タイミングを制御し、後述する増幅手段とA/D変換手段の起動信号を出力し、後述する検出手段指示信号に基づき有効な光音響検出手段に対する検出手段選択信号を後述する信号選択手段に出力する制御手段と、該光源の照射光による生体内からの光音響波信号を検出し、検出信号を生成する複数の光音響検出手段と、該光音響検出手段で生成された複数の検出信号から前記検出手段選択信号に応じて有効な検出信号を選択する信号選択手段と、該信号選択手段より出力された有効検出信号をそれぞれ増幅する複数の増幅手段と、該増幅手段で増幅された複数の有効検出信号をそれぞれA/D変換する複数のA/D変換手段と、該A/D変換された複数のデジタルデータから生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段と、該特徴量推定手段により推定された生体情報の特徴量を表示する特徴量表示手段と、前記起動信号に基づきカウントを開始し、該カウントした値が、位置測定開始の判断基準である位置抽出用閾値X以上のときに位置抽出信号を出力する開始信号生成カウンタと、前記位置抽出信号を受信することにより、前記A/D変換された複数のデジタルデータに基づき生体の表面と生体内の血管との距離をそれぞれ測定し、該距離の差に応じて有効な光音響検出手段を選択するよう指示する検出手段指示信号を出力する信号比較手段と、該信号比較手段から出力された移動指示信号を使用者に通知する移動指示手段と、を備え、光音響検出手段よりも少ない数の増幅手段、A/D変換手段で測定回数を大きく増やすことなく特徴量を推定できる、ことを特徴とするものである。
【0027】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータから第1の測定位置と第2の測定位置とを検出し、該第1,第2の測定位置間の距離をそれぞれ測定し、該第1,第2の測定位置間の距離の大きさを比較して場合分けを行い、さらに、それぞれの第1,第2の測定位置間の距離の差を求めて、該第1,第2の測定位置間の距離の差と有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値Cと、を比較し、その結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とするものである。
【0028】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータに基づき前記第1,第2の測定位置を検出するとともに該第1,第2の測定位置間の距離の測定開始及び測定終了を示す測定開始信号及び測定終了信号を出力する測定位置検出手段と、複数の前記デジタルデータに対し、前記測定開始信号に基づきカウントを開始し、前記測定終了信号に基づきカウントを終了する複数の距離測定カウンタと、該距離測定カウンタがカウントした値を比較した回数を記憶する比較回数記憶手段を有し、前記カウントした値の差と閾値とを比較することにより、前記カウントした値の差が当てはまった閾値に対応する領域の前記光音響検出手段を選択するよう指示する前記検出手段指示信号を生成し、さらに、前記比較回数記憶手段の記憶回数が2回以上のときに、前記カウントした値の差が閾値に当てはまらない場合には前記移動指示信号を生成する選択信号生成手段とを有する、ことを特徴とするものである。
【0029】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記選択信号生成手段が、前記距離測定カウンタがカウントした値の差と比較する閾値は、有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値C、であり、前記選択信号生成手段は、複数の前記距離測定カウンタがカウントした値の差と前記第一領域閾値Aまたは前記第二領域閾値Bまたは前記第三領域閾値Cとを比較した結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とするものである。
【0030】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと、該デジタルデータが生体の表面においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体の表面用閾値Dとを比較することで前記第1の測定位置を検出するとともに、前記第1,第2の測定位置間の距離の測定開始を示す測定開始信号の出力を開始し、その後、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと該デジタルデータが生体内の血管においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体内の血管用閾値Eとを比較することで前記第2の測定位置を検出するとともに、前記第1,第2の測定位置間の距離の測定終了を示す測定終了信号の出力を開始する、ことを特徴とするものである。
【0031】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータが前記生体の表面用閾値Dより高い値から低い値に変化する位置を前記第1の測定位置として検出するとともに、前記測定開始信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体の表面用閾値Dより低い値から高い値に変化する位置において前記測定開始信号の出力を終了し、その後、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより高い値から低い値に変化する位置を前記第2の測定位置として検出するとともに、前記測定終了信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより低い値から高い値に変化する位置において前記測定終了信号の出力を終了する、ことを特徴とするものである。
【0032】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、ローパスフィルタを有し、該ローパスフィルタにより、前記測定開始信号及び前記測定終了信号の出力時間が短いときに、該測定開始信号及び測定終了信号を無効にすることが可能である、ことを特徴とするものである。
【0033】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記ローパスフィルタは、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記測定開始信号及び前記測定終了信号を無効にする時間を変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0034】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、ピーク位置抽出手段を有し、該ピーク位置抽出手段は、前記デジタルデータと前記生体の表面用閾値Dとを比較し、前記デジタルデータと前記生体の表面用閾値Dとの差が最も大きい位置を前記第1の測定位置として検出し、その後、前記デジタルデータと前記生体内の血管用閾値Eとを比較し、前記デジタルデータと前記生体内の血管用閾値Eとの差が最も大きい位置を前記第2の測定位置として検出する、ことを特徴とするものである。
【0035】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段が検出する前記第1の測定位置は、前記生体の表面からのデジタルデータに対応する位置である、ことを特徴とするものである。
【0036】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段が検出する前記第2の測定位置は、前記生体内の血管からのデジタルデータに対応する位置である、ことを特徴とするものである。
【0037】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eは、それぞれ該デジタルデータに対する所定の振幅値である、ことを特徴とするものである。
【0038】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eは、それぞれ該検出信号に対する所定の傾きの値である、ことを特徴とするものである。
【0039】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eを変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0040】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記選択信号生成手段が出力する移動指示信号は、前記非侵襲生体情報測定装置の設置位置に有効な前記光音響検出手段が存在しないことを検出した結果、出力される、ことを特徴とするものである。
【0041】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記選択信号生成手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記第一領域閾値A及び前記第二領域閾値B及び前記第三領域閾値Cを変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0042】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記開始信号生成カウンタは、外部から書き込み可能なレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記位置抽出用閾値Xを変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0043】
また、本発明の非侵襲生体情報測定装置は、生体の表面に光を照射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、少なくとも1つの光源と、該光源の点灯タイミングを制御し、後述する増幅手段とA/D変換手段の起動信号を出力し、後述する検出手段指示信号に基づき有効な光音響検出手段に対する検出手段選択信号を後述する信号選択手段に出力する制御手段と、該光源の照射光による生体内からの光音響波信号を検出し、検出信号を生成する複数の光音響検出手段と、該光音響検出手段で生成された複数の検出信号から前記検出手段選択信号に応じて有効な検出信号を選択する信号選択手段と、該信号選択手段より出力された有効検出信号をそれぞれ増幅する複数の増幅手段と、該増幅手段で増幅された複数の有効検出信号をそれぞれA/D変換する複数のA/D変換手段と、該A/D変換された複数のデジタルデータから生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段と、該特徴量推定手段により推定された生体情報の特徴量を表示する特徴量表示手段と、前記起動信号に基づきカウントを開始し、該カウントした値が、位置測定開始の判断基準である位置抽出用閾値X以上のときに位置抽出信号を出力する開始信号生成カウンタと、前記位置抽出信号を受信することにより、前記A/D変換された複数のデジタルデータの第2の測定位置を検出し、前記位置抽出信号の出力タイミングから該第2の測定位置までの距離をそれぞれ測定し、該距離の差に応じて有効な光音響検出手段を選択するよう指示する検出手段指示信号を出力する信号比較手段と、該信号比較手段から出力された移動指示信号を使用者に通知する移動指示手段と、を備え、光音響検出手段よりも少ない数の増幅手段、A/D変換手段で測定回数を大きく増やすことなく特徴量を推定できる、ことを特徴とするものである。
【0044】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータから第2の測定位置を検出し、前記位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離をそれぞれ測定し、該位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離の大きさを比較して場合分けを行い、さらに、それぞれの前記位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離の差を求めて、該前記位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離の差と有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値Cと、を比較し、その結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とするものである。
【0045】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータに基づき前記第2の測定位置を検出するとともに前記位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離の測定終了を示す測定終了信号を出力する測定位置検出手段と、複数の前記デジタルデータに対し、前記位置抽出信号の出力タイミングでカウントを開始し、前記測定終了信号に基づきカウントを終了する複数の距離測定カウンタと、該距離測定カウンタがカウントした値を比較した回数を記憶する比較回数記憶手段を有し、前記カウントした値の差と閾値とを比較することにより、前記カウントした値の差が当てはまった閾値に対応する領域の前記光音響検出手段を選択するよう指示前記検出手段指示信号を生成し、さらに、前記比較回数記憶手段の記憶回数が2回以上のときに、前記カウントした値の差が閾値に当てはまらない場合には前記移動指示信号を生成する選択信号生成手段とを有する、ことを特徴とするものである。
【0046】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記選択信号生成手段が、前記距離測定カウンタがカウントした値の差と比較する閾値は、有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値C、であり、前記選択信号生成手段は、複数の前記距離測定カウンタがカウントした値の差と前記第一領域閾値Aまたは前記第二領域閾値Bまたは前記第三領域閾値Cとを比較した結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とするものである。
【0047】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、前記位置抽出信号に基づき、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと該デジタルデータが生体内の血管においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体内の血管用閾値Eとを比較することで前記第2の測定位置を検出するとともに、前記位置抽出信号の出力タイミングと第2の測定位置間の距離の測定終了を示す測定終了信号の出力を開始する、ことを特徴とするものである。
【0048】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより高い値から低い値に変化する位置を前記第2の測定位置として検出するとともに、前記測定終了信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより低い値から高い値に変化する位置において前記測定終了信号の出力を終了する、ことを特徴とするものである。
【0049】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、ローパスフィルタを有し、該ローパスフィルタにより、前記測定終了信号の出力時間が短いときに、該測定終了信号を無効にすることが可能である、ことを特徴とするものである。
【0050】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記ローパスフィルタは、外部から書き込み可能なレジスタを有し、該レジスタの値を変更することにより、前記測定終了信号を無効にする時間を変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0051】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、ピーク位置抽出手段を有し、該ピーク位置抽出手段は、前記検出信号と前記生体内の血管用閾値Eとを比較し、前記検出信号と前記生体内の血管用閾値Eとの差が最も大きい位置を前記第2の測定位置として検出する、ことを特徴とするものである。
【0052】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段が測定する前記第2の測定位置は、前記生体内の血管からの光音響波信号から生成した検出信号に対応する位置である、ことを特徴とするものである。
【0053】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体内の血管用閾値Eは、前記検出信号に対する所定の振幅値である、ことを特徴とするものである。
【0054】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体内の血管用閾値Eは、前記検出信号に対する所定の傾きの値である、ことを特徴とするものである。
【0055】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記測定位置検出手段は、外部から書き込み可能なレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記生体内の血管用閾値Eを変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0056】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記選択信号生成手段が出力する移動指示信号は、前記非侵襲生体情報測定装置の設置位置に有効な前記光音響検出手段が存在しないことを検出した結果、出力される、ことを特徴とするものである。
【0057】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記選択信号生成手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記第一領域閾値A及び前記第二領域閾値B及び前記第三領域閾値Cを変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【0058】
さらに、非侵襲生体情報測定装置において、前記開始信号生成カウンタは、外部から書き込み可能なレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記位置抽出用閾値Xを変更することが可能である、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0059】
本発明の非侵襲生体情報測定装置によれば、非侵襲生体情報測定装置を生体に装着し光を生体に照射した後、生体から戻ってきた光音響波信号から検出した測定位置間の距離の差から、有効な光音響検出手段が存在する領域を測定装置自体で判定するようにしたので、装置を大型化することなく、低消費電力の非侵襲生体情報測定装置を実現することができる。このため、複数の光音響検出手段のうち、特徴量を推定するために必要な光音響検出手段の個数分の増幅手段、A/D変換手段を装置に備えるだけで良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下に、本発明の非侵襲生体情報測定装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0061】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1において、非侵襲生体情報測定装置は非侵襲血糖測定装置であることを想定している。
【0062】
図1は、本発明の実施の形態1におけるシステム構成を示す図である。図1において、101は非侵襲血糖測定装置、102は生体の表面、103は照射光、104は血管、105は光音響波信号である。非侵襲血糖測定装置101は、これを生体の表面102に接するように装着し、非侵襲血糖測定装置101が照射する照射光103を生体に入射させる。照射光103は生体内を伝播し、血管104内を流れる血液中のグルコースによって吸収され、光音響波信号105が生成される。非侵襲血糖測定装置101は血管104内のグルコースにより生成された光音響波信号105を検出し、生体情報の特徴量である、血糖値を推定する。
【0063】
図2は、本発明の実施の形態1による非侵襲血糖測定装置101のブロック構成を示す図である。図2において、201は生体の表面102から光を照射する光源、202は光源201の点灯タイミングを制御し、複数の増幅手段204とA/D変換手段205の起動信号12を出力し、信号比較手段209からの検出手段指示信号16に基づき有効な光音響検出手段(1,2,3,4,5,・・・,8,9)に対する検出手段選択信号13を出力する制御手段、1,2,3,4,5,・・・,8,9は制御手段202からの起動信号12に基づき、光源201の照射光103による生体内からの光音響波信号を検出し検出信号を生成する複数の光音響検出手段、203は光音響検出手段(1,2,3,4,5,・・・,8,9)で生成された複数の検出信号(21,22,23,24,25,・・・,28,29)から検出手段選択信号13に応じて有効な検出信号を選択する信号選択手段、204は信号選択手段203より出力された有効検出信号(31,32,33)をそれぞれ増幅する複数の増幅手段、205は増幅手段204で増幅された複数の有効検出信号をそれぞれA/D変換する複数のA/D変換手段、206はA/D変換された複数のデジタルデータ(41,42,43)から生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段、207は特徴量推定手段206により推定された生体情報の特徴量を表示する特徴量表示手段、208は起動信号12が入力される開始信号生成カウンタ、209はデジタルデータ(41,42,43)が入力される信号比較手段、210は移動指示信号17を表示する移動指示手段である。
【0064】
また、11は制御信号、12は起動信号、13は検出手段選択信号、14は位置抽出信号、15は血糖値、16は検出手段指示信号、17は移動指示信号、21,22,23,24,25,・・・,28,29は検出信号、31,32,33は有効検出信号、41,42,43はデジタルデータ、221は位置抽出用閾値Xである。
【0065】
光源201は、これを少なくとも1つ以上備え、グルコースが吸収する波長に等しい波長の照射光103を放出する。
【0066】
制御手段202は、光源201の点灯タイミングを制御する制御信号11を出力するとともに、複数の増幅手段204及びA/D変換手段205に対し起動信号12を出力する。さらに、信号比較手段209からの検出手段指示信号16に基づき有効な光音響検出手段(1,2,3,4,5,・・・,8,9)に対する検出手段選択信号13を出力する。
【0067】
信号選択手段203は、光音響検出手段(1,2,3,4,5,・・・,8,9)で生成された複数の検出信号(21,22,23,24,25,・・・,28,29)から検出手段選択信号13に応じて有効な検出信号を選択し、有効検出信号(31,32,33)を出力する。
【0068】
複数の増幅手段204は、信号選択手段203より出力された有効検出信号(31,32,33)をそれぞれ増幅する。
【0069】
複数のA/D変換手段205は、増幅手段204で増幅された複数の有効検出信号をそれぞれA/D変換する。
【0070】
特徴量推定手段206は、A/D変換された複数のデジタルデータ(41,42,43)から生体情報の血糖値15を推定する。
【0071】
特徴量表示手段207は、特徴量推定手段206が推定した血糖値15を表示する。開始信号生成カウンタ208は、制御手段202からの起動信号12に基づきカウントを開始し、カウントした値があらかじめ設定された位置抽出用閾値X(221)以上のとき位置抽出信号14を出力する。
【0072】
信号比較手段209は、開始信号生成カウンタ208からの位置抽出信号14に基づき、A/D変換された複数のデジタルデータ(41,42,43)より第1の測定位置及び第2の測定位置を検出し、第1の測定位置と第2の測定位置の時間を測定し、測定した時間の差があらかじめ設定された第一領域閾値A(321)、第二領域閾値B(322)、第三領域閾値C(323)に当てはあまらないときに移動指示信号17を出力する。この第一領域閾値A(321)、第二領域閾値B(322)及び第三領域閾値C(323)は、それぞれ有効な光音響検出手段が第一領域内、第二領域内、第三領域内であるか否かの判断基準である。
【0073】
移動指示手段210は、信号比較手段209から出力された移動指示信号17を通知する。
【0074】
光音響検出手段(1,2,3,4,5,・・・,8,9)は、制御手段202からの検出手段起動信号12に基づき、光音響波信号105を検出し、検出信号(21,22,23,24,25,・・・,28,29)を生成する。
【0075】
図3は、本発明の実施の形態1における信号比較手段209のブロック構成を示す図である。図3において、301は測定位置検出手段、302は距離測定カウンタA、303は距離測定カウンタB、304は距離測定カウンタC,305は選択信号生成手段、306はローパスフィルタ、307はピーク位置抽出手段、308は比較回数記憶手段である。
【0076】
また、51,61,71は測定開始信号、52,62,72は測定終了信号、81はカウンタ値A、82がカウンタ値B、83がカウンタ値C、321は第一領域閾値A、322は第二領域閾値B、323は第三領域閾値Cである。
【0077】
また、324は生体の表面用閾値Dであり、これはA/D変換されたデジタルデータが生体の表面においてエネルギー変換された光音響波信号に対応するか否かの判断基準である。325は生体内の血管用閾値Eであり、これはA/D変換されたデジタルデータが生体内の血管においてエネルギー変換された光音響波信号に対応するか否かの判断基準である。326ないし329は無効時間レジスタ群であり、326はLPF開始前無効時間閾値が、327はLPF開始後無効時間閾値が、328はLPF終了前無効時間閾値が、329はLPF終了後無効時間閾値がそれぞれ書き込まれるものである。
【0078】
測定位置検出手段301は、ローパスフィルタ306とピーク位置抽出手段307を備え、開始信号生成カウンタ208からの位置抽出信号14に基づき、A/D変換されたデジタルデータ(41,42,43)とあらかじめ設定された生体の表面用閾値D(324)とをそれぞれ比較し、デジタルデータ(41,42,43)が生体の表面用閾値D(324)より高い値から低い値に変化する位置を第1の測定位置として検出するとともに、測定開始信号(51,61,71)の出力を開始し、デジタルデータ(41,42,43)が生体の表面用閾値D(324)より低い値から高い値に変化する位置で測定開始信号(51,61,71)の出力を終了し、その後、デジタルデータ(41,42,43)とあらかじめ設定された生体内の血管用閾値E(325)とを比較し、デジタルデータ(41,42,43)が生体内の血管用閾値E(325)より高い値から低い値に変化する位置を第2の測定位置として検出するとともに測定終了信号(52,62,72)の出力を開始し、デジタルデータ(41,42,43)が生体内の血管用閾値E(325)より低い値から高い値に変化する位置で測定終了信号(52,62,72)の出力を終了する。
【0079】
距離測定カウンタA(302)は、測定位置検出手段301が出力した測定開始信号51に基づきカウントを開始し、さらに、測定終了信号52に基づきカウントを終了する。
【0080】
距離測定カウンタB(303)は、測定位置検出手段301が出力した測定開始信号61に基づきカウントを開始し、さらに、測定終了信号62に基づきカウントを終了する。
【0081】
距離測定カウンタC(304)は、測定位置検出手段301が出力した測定開始信号71に基づきカウントを開始し、さらに、測定終了信号72に基づきカウントを終了する。
【0082】
選択信号生成手段305は、距離測定カウンタA(302)のカウンタ値A(81)と、距離測定カウンタB(303)のカウンタ値B(82)と、距離測定カウンタC(304)のカウンタ値C(83)からそれぞれのカウンタ値の差を算出し、カウンタ値の差とあらかじめ設定された第一領域閾値A(321)または第二領域閾値B(322)または第三領域閾値C(323)とを比較し、カウンタ値の差が当てはまった閾値に対応する検出手段指示信号16を生成する。
【0083】
さらに、選択信号生成手段305は、比較回数記憶手段308を備え、比較回数記憶手段308の記憶回数が2回以上のときに、カウンタ値の差が閾値に当てはまらない場合には移動指示信号17を生成する。
【0084】
ローパスフィルタ306は、測定開始信号及び測定終了信号の出力時間が短いときに、測定開始信号及び測定終了信号を無効にする。
【0085】
ピーク位置抽出手段307は、有効な光音響検出手段からの検出信号に対応するデジタルデータと生体の表面用閾値D(324)とを比較し、デジタルデータと生体の表面用閾値D(324)との差が最も大きい位置を第1の測定位置として検出し、その後、デジタルデータと生体内の血管用閾値E(325)とを比較し、デジタルデータと生体内の血管用閾値E(325)との差が最も大きい位置を第2の測定位置として検出する。
【0086】
比較回数記憶手段308は、カウンタ値A(81)、カウンタ値B(82)、カウンタ値C(83)から算出したカウンタ値の差とあらかじめ設定された第一領域閾値A(321)または第二領域閾値B(322)または第三領域閾値C(323)とを比較した回数を記憶する。
【0087】
図4は、本発明の実施の形態1における測定位置検出手段301の詳細な動作を示す図である。
【0088】
図4において、(a)はデジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より高い値から低い値に変化するときに短い波形の変化が生じた場合を示し、(d)はデジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より低い値から高い値に変化するときに短い波形の変化が生じた場合を示し、(b)及び(e)はデジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より高いときにLoレベルを出力し、低いときにHiレベルを出力するリアルタイム信号を示し、(c)及び(f)はリアルタイム信号をローパスフィルタ306によりフィルタリングした測定開始信号を示す。
【0089】
ここで、無効時間レジスタ群(LPF開始前無効時間閾値326、LPF開始後無効時間閾値327、LPF終了前無効時間閾値328、LPF終了後無効時間閾値329を有する)には、それぞれ開始時間信号及び測定終了時間を有効とする連続出力時間をあらかじめ設定する。
【0090】
まず、図4(a)、(b)、(c)を用いて、デジタルデータ41(a)が生体の表面用閾値D(324)より高い値から低い値に変化するときに短い波形の変化が生じた場合の測定位置検出手段301の動作について説明する。
【0091】
ts0において、測定位置検出手段301により、デジタルデータ41と生体の表面用閾値D(324)とが比較される。このとき、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より低いので、リアルタイム信号がHiレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306により変化がカットされ、Loレベルである。
【0092】
ts1において、ts0と同様に、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より低いので、リアルタイム信号がHiレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306によりリアルタイム信号の連続時間(b:ts0〜ts1の時間)とLPF開始前無効時間閾値326とが比較され、リアルタイム信号の連続出力時間がLPF開始前無効時間閾値326より短いため、出力したリアルタイム信号が無効にされ、Loレベルとされる。
【0093】
ts2において、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より高いので、リアルタイム信号がLoレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306により変化がカットされ、Loレベルのままである。
【0094】
ts3において、再びデジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より低くなるので、リアルタイム信号がHiレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタにより変化がカットされ、Loレベルである。
【0095】
ts4において、ts3と同様に、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より低いので、リアルタイム信号がHiレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306によりリアルタイム信号の連続出力時間(b:ts3〜ts4の時間)とLPF開始前無効時間閾値326とが比較され、リアルタイム信号の連続出力時間がLPF開始前無効時間閾値326より長いため、出力したリアルタイム信号が有効にされ、Hiレベルになる。
【0096】
ts5において、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より高いので、リアルタイム信号がLoレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306により変化がカットされ、Hiレベルのままである。
【0097】
ts6において、ts5と同様に、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より高いので、リアルタイム信号がLoレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306によりリアルタイム信号の連続出力時間(b:ts5〜ts6の時間)とLPF開始後無効時間閾値327とが比較され、リアルタイム信号の連続出力時間がLPF開始後無効時間閾値327より長いため、出力したリアルタイム信号が有効にされ、Loレベルになる。
【0098】
次に、図4(d)、(e)、(f)を用いて、デジタルデータ41(d)が生体の表面用閾値D(324)より低い値から高い値に変化するときに短い波形の変化が生じた場合のローパスフィルタ306の動作について説明する。
【0099】
te0において、測定位置検出手段301により、デジタルデータ41と生体の表面用閾値D(324)とが比較される。このとき、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より低いので、リアルタイム信号がHiレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306により変化がカットされ、Loレベルである。
【0100】
te1において、te0と同様に、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より低いので、リアルタイム信号がHiレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306によりリアルタイム信号の連続出力時間(e:te0〜te1の時間)とLPF開始前無効時間閾値326とが比較され、リアルタイム信号の連続出力時間がLPF開始前無効時間閾値326より長いため、出力したリアルタイム信号が有効にされ、Hiレベルになる。
【0101】
te2において、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より高いので、リアルタイム信号がLoレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306により変化がカットされ、Hiレベルのままである。
【0102】
te3において、再びデジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より高いので、リアルタイム信号がLoレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306によりリアルタイム信号の連続出力時間(e:te2〜te3の時間)とLPF開始後無効時間閾値327とが比較され、リアルタイム信号の連続出力時間がLPF開始後無効時間閾値327より短いため、出力したリアルタイム信号が無効にされ、Hiレベルのままである。
【0103】
te4において、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より低いので、リアルタイム信号がHiレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306により変化がカットされ、Hiレベルのままである。
【0104】
te5において、te4と同様に、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より低いので、リアルタイム信号がHiレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306によりカットされ、Hiレベルのままである。
【0105】
te6において、再びデジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より高くなるので、リアルタイム信号がLoレベルで出力される。測定開始信号51がローパスフィルタ306により変化がカットされ、Hiレベルのままである。
【0106】
te7において、te6と同様に、デジタルデータ41が生体の表面用閾値D(324)より高いので、リアルタイム信号がLoレベルで出力される。測定開始信号51は、ローパスフィルタ306によりリアルタイム信号の連続出力時間(e:te6〜te7の時間)とLPF開始後無効時間閾値327とが比較され、リアルタイム信号の連続出力時間がLPF開始後無効時間閾値327より長いため、出力したリアルタイム信号が有効にされ、Loレベルになる。
【0107】
測定開始信号(61,71)に関しても同様の処理を行う。また、測定終了信号(52,62,72)に関しても、ローパスフィル306が備えるLPF開始前無効時間閾値326をLPF終了前無効時間閾値328に、LPF開始後無効時間閾値327をLPF終了後無効時間閾値329に、それぞれ置き換えれば同様の説明が成り立つので、説明を省略する。
【0108】
図5は、本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置101の代表的な信号のタイミングチャートを示す図である。図5において、(a)は起動信号12、(b)は開始信号生成カウンタ208、(c)は位置抽出信号14、(d)はデジタルデータ41、(e)は距離測定カウンタA(302)、(f)はカウンタ値A(81)である。
【0109】
図6は、本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置101のフローチャートを示す図である。
【0110】
以下、図1、図2、図3、図5、図6を用いて非侵襲血糖測定装置101の動作について説明する。
【0111】
ここで、各閾値にはそれぞれ次の値を設定する。即ち、
生体の表面用閾値D(324):第1の測定位置でのデジタルデータの振幅、
生体内の血管用閾値E(325):第2の測定位置でのデジタルデータの振幅、
位置抽出用閾値X(221):光源201を点灯してから測定位置の検出を開始するまでの時間
を、それぞれあらかじめ設定する。
【0112】
まず、ステップ1において、非侵襲血糖測定装置101を図1に示すように患者の腕などの生体の表面102に装着する。
【0113】
ステップ2において、患者が非侵襲血糖測定装置101に設けられた血糖値測定開始スイッチ(図示せず)を起動すると、制御手段202により光源201の点灯タイミングなどの制御信号11が出力され、光源201が点灯されるとともに、複数の増幅手段204とA/D変換手段205に対し起動信号12が出力される(図5(a):t50)。さらに、初期設定として制御手段202の内部に記憶された光音響検出手段(1,5,9)に対する検出手段選択信号13を信号選択手段203に出力する。
【0114】
なお、ここでは、初期設定として制御手段202の内部に光音響検出手段(1,5,9)に対する検出手段選択信号13を出力すると記憶されているものとして説明したが、ディップスイッチなどで外部から設定するようにしてもよいし、レジスタを備え外部から設定するようにしてもよい。
【0115】
光源201からの照射光103は生体内を伝播し、血管104内のグルコースにより吸収され光音響波信号105が生成される。
【0116】
ステップ3において、開始信号生成カウンタ208により、制御手段202からの起動信号12が検出されるとカウントが開始され、位置抽出用閾値X(221)以上になるまでカウントが続けられる(図5(b))。
【0117】
ステップ4において、開始信号生成カウンタ208によりカウントされた値が位置抽出用閾値X(221)以上になる(t51)と、第1の測定位置及び第2の測定位置の検出を開始するように位置抽出信号14が出力される(図5(c))。
【0118】
ステップ5において、光音響検出手段(1,2,3,4,5,・・・,8,9)で光音響波信号105の検出が開始され、検出信号(21,22,23,24,25,・・・,28,29)が生成される。信号選択手段203は、生成された検出信号(21,22,23,24,25,・・・,28,29)から検出手段選択信号13に従って、有効な検出信号(21,25,29)を有効検出信号(31,32,33)として出力する。
【0119】
ステップ6において、信号選択手段203より出力された有効検出信号(31,32,33)はそれぞれ増幅手段204により増幅され、その後、A/D変換手段205によりA/D変換されデジタルデータ(41,42,43)としてそれぞれ出力される(図5(d))。
【0120】
ステップ7において、測定位置検出手段301により、開始信号生成カウンタ208が出力した位置抽出信号14が検出されると、デジタルデータ(41,42,43)から第1の測定位置をそれぞれ検出するため、デジタルデータの振幅と生体の表面用閾値D(324)とが比較される。デジタルデータの振幅が生体の表面用閾値D(324)以上のときは第1の測定位置(t52)が検出されるとともに、測定開始信号(51,61,71)の出力がそれぞれ開始される。さらに、デジタルデータから第2の測定位置を検出するため、デジタルデータの振幅と生体内の血管用閾値E(325)とが比較される。デジタルデータの振幅が生体内の血管用閾値E(325)以上のとき、第2の測定位置(t53)が検出されるとともに、測定位置検出手段301により測定終了信号(52,62,72)がそれぞれ出力される。第1の測定位置及び第2の測定位置の検出に関しては図3を用いて説明したので、ここでは説明を省略する。
【0121】
ステップ8において、距離測定カウンタA(302)により、デジタルデータ41より生成した測定開始信号51が検出されるとカウントが開始され、測定終了信号52を検出するまでカウントが続けられる(図5(e))。同様に、距離測定カウンタB(303)により、デジタルデータ42より生成した測定開始信号61が検出されるとカウントが開始され、測定終了信号62を検出するまでカウントが続けられる。また、距離測定カウンタC(304)により、デジタルデータ43より生成した測定開始信号71が検出されるとカウントが開始され、測定終了信号72が検出されるまでカウントが続けられる。
【0122】
ステップ9において、測定終了信号52の出力タイミングにおいて、カウンタ値A(81)が選択信号生成手段305に出力され(図5(f):t54)、距離測定カウンタA(302)のカウンタ値がリセットされる。同様に、測定終了信号62の出力タイミングにおいて、カウンタ値B(82)が選択信号生成手段305に出力され、距離測定カウンタB(303)のカウンタ値がリセットされる。また、測定終了信号72の出力タイミングにおいて、カウンタ値C(83)が選択信号生成手段305に出力され、距離測定カウンタC(304)のカウンタ値がリセットされる。
【0123】
ステップ10において、選択信号生成手段305が、比較回数記憶手段308から距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)のカウンタ値を比較した回数を読み出す。
【0124】
ステップ11において、読み出した比較回数が1回目の場合にはステップ21へ進み、2回目以上の場合にはステップ12へ進む。:::
ステップ12において、比較回数が2回目以上の場合にはすでに有効にすべき光音響検出手段が選択されているので、有効な光音響検出手段のうち中心の光音響検出手段で得られた距離測定カウンタB(303)のカウンタ値B(82)が最小か否か判断し、最小でない場合にはステップ13へ進み、最小である場合にはステップ19へ進む。
【0125】
ステップ13において、選択信号生成手段305は移動指示手段210に対し移動指示信号17を出力する。
【0126】
ステップ14において、移動指示手段210は移動指示信号17に基づきに患者に非侵襲血糖測定装置101の装着位置を移動するよう通知し、終了する。
【0127】
ステップ15において、検出位置選択プロセスの一連処理を終了した結果、再測定要求がない場合にはステップ16〜ステップ20から構成される血糖値推定プロセスに進み、再測定要求がある場合にはステップ2へ進み再度、検出位置選択プロセスを行う。
【0128】
ステップ16において、光源201を点灯するとともに、検出手段指示信号16に基づき、有効な光音響検出手段を起動する。
【0129】
光源201からの照射光103は生体内を伝播し、血管104内のグルコースにより吸収され光音響波信号105が生成される。
【0130】
ステップ17において、選択信号生成手段305からの検出手段指示信号16が光音響検出手段により受け取られると、光音響波信号105の検出が開始され、検出信号が生成される。生成された検出信号は信号選択手段203により受信され、有効検出信号(31,32,33)として出力される。
【0131】
ステップ18において、信号選択手段203より出力された有効検出信号(31,32,33)はそれぞれ増幅手段204により増幅され、その後、A/D変換手段205によりA/D変換されデジタルデータ(41,42,43)としてそれぞれ出力される。
【0132】
ステップ19において、特徴量推定手段206がA/D変換手段205より出力されたデジタルデータ(41,42,43)から血糖値15を推定する。
【0133】
ステップ20において、特徴量表示手段207が特徴量推定手段206より出力された血糖値15を表示し、一連の血糖値推定プロセスを終了する。
【0134】
次に、図6(b)及び(c)を用いて検出位置選択プロセスの検出手段指示信号16の生成方法について詳細に説明する。
【0135】
ステップ21において、選択信号生成手段305が、距離測定カウンタA(302)、距離測定カウンタB(303)、距離測定カウンタC(304)から出力されたカウンタ値A(81)、カウンタ値B(82)、カウンタ値C(83)を受け取り、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順か否か判断する。カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順である場合には、ステップ22へ進み、それ以外の場合にはステップ27へ進む。
【0136】
ステップ22において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタC(304)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第一領域閾値A(321)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|A−C|が第一領域閾値A(321)以下のときはステップ23へ進み、第一領域閾値A(321)より大きいときはステップ24へ進む。
【0137】
ステップ23において、カウンタ値A(81)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|A−C|が第一領域閾値A(321)より小さいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(4,5,6)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0138】
ステップ24において、カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第二領域閾値B(322)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|が第二領域閾値B(322)以下のときはステップ25へ進み、第二領域閾値B(322)より大きいときはステップ26へ進む。
【0139】
ステップ25において、カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|が第二領域閾値B(322)より小さいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(2,3,4)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0140】
ステップ26において、カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|が第二領域閾値B(322)より大きいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(3,4,5)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0141】
ステップ27において、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順か否か判断する。カウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順である場合には、ステップ28へ進み、それ以外の場合にはステップ31へ進む。
【0142】
ステップ28において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタB(303)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第二領域閾値B(322)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|が第二領域閾値B(322)以下のときはステップ29へ進み、第二領域閾値B(322)より大きいときはステップ30へ進む。
【0143】
ステップ29において、カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|が第二領域閾値B(322)より小さいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(2,3,4)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0144】
ステップ30において、カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|が第二領域閾値B(322)より大きいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(1,2,3)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0145】
ステップ31において、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)<カウンタ値A(81)の順か否か判断する。カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)<カウンタ値A(81)の順である場合には、ステップ32へ進み、それ以外の場合にはステップ37へ進む。
【0146】
ステップ32において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタC(304)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第一領域閾値A(321)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|A−C|が第一領域閾値A(321)以下のときはステップ33へ進み、第一領域閾値A(321)より大きいときはステップ34へ進む。
【0147】
ステップ33において、カウンタ値A(81)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|A−C|が第一領域閾値A(321)より小さいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(4,5,6)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0148】
ステップ34において、距離測定カウンタB(303)と距離測定カウンタC(304)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第三領域閾値C(323)と比較する。カウンタ値B(82)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|B−C|が第三領域閾値C(323)より小さいときはステップ35へ進み、第三領域閾値C(323)より大きいときはステップ36へ進む。
【0149】
ステップ35において、カウンタ値B(82)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|B−C|が第三領域閾値C(323)より小さいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(6,7,8)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0150】
ステップ36において、カウンタ値B(82)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|B−C|が第三領域閾値C(323)より大きいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(5,6,7)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0151】
ステップ37において、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値C(83)<カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)の順か否か判断する。カウンタ値C(83)<カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)の順である場合には、ステップ38へ進み、それ以外の場合にはステップ13へ進む。
【0152】
ステップ38において、距離測定カウンタB(303)と距離測定カウンタC(304)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第三領域閾値C(323)と比較する。カウンタ値B(82)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|B−C|が第三領域閾値C(323)以下のときはステップ39へ進み、第三領域閾値C(323)より大きいときはステップ40へ進む。
【0153】
ステップ39において、カウンタ値B(82)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|B−C|が第三領域閾値C(323)より小さいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(6,7,8)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0154】
ステップ40において、カウンタ値B(82)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|B−C|が第三領域閾値C(323)より大きいので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(7,8,9)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を出力し、ステップ15へ進む。
【0155】
◇センターセンサ:Ch5
次に、有効な光音響検出手段(1,5,9)より得られたデジタルデータ(41,42,43)に対して、カウントした距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値がカウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順で、検出位置選択プロセスの一連の処理の結果、光音響検出手段(4,5,6)が有効となる場合に関して、図6及び図7を用いて説明する。
【0156】
図7は、本発明の実施の形態1における光音響検出手段(4,5,6)が有効となる場合のデジタルデータ(21,25,29)を示す図であり、(a)は光音響検出手段1より得られたデジタルデータ41、(b)は光音響検出手段5より得られたデジタルデータ42、(c)は光音響検出手段9より得られたデジタルデータ43である。
【0157】
ステップ1〜ステップ10までの一連の処理は正常に行われ、ステップ11において、比較回数が1回目であるとする。
【0158】
ここで、第一領域閾値A(321)及び第二領域閾値B(322)及び第三領域閾値C(323)には距離測定カウンタのカウンタ値の差としてそれぞれ"12"が設定されているとし、距離測定カウンタA(302)のカウンタ値A(81)が"90"、距離測定カウンタB(303)のカウンタ値B(82)が"25"、距離測定カウンタC(304)のカウンタ値C(83)が"100"であるとする。
【0159】
ステップ21において、選択信号生成手段305が、距離測定カウンタA(302)、距離測定カウンタB(303)、距離測定カウンタC(304)から出力されたカウンタ値A(81)、カウンタ値B(82)、カウンタ値C(83)を受け取り、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順か否か判断する。カウンタ値A(81)="90"、カウンタ値B(82)="25"、カウンタ値C(83)="100"なので、カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順となり、ステップ22へ進む。
【0160】
ステップ22において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタC(304)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第一領域閾値A(321)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|A−C|=|90−100|="10"であるので第一領域閾値A(321)="12"以下なのでステップ23へ進む。
【0161】
ステップ23において、|A−C|≦第一領域閾値A(321)が成り立つので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(4,5,6)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を再測定要求なしで出力し、ステップ15へ進む。
を出力し、ステップ15へ進む。
【0162】
ステップ15において、検出位置選択プロセスの一連処理を終了した結果、再測定要求がないので、ステップ16〜ステップ20から構成される血糖値推定プロセスに進む。
【0163】
ステップ16において、光源201を点灯するとともに、検出手段指示信号16に基づき、光音響検出手段(4,5,6)を起動する。
【0164】
ステップ17において、選択信号生成手段305からの検出手段指示信号16が光音響検出手段(4,5,6)により受け取られると、光音響信号105の検出が開始され、検出信号(24,25,26)が生成される。生成された検出信号(24,25,26)は信号選択手段203により受信され、有効検出信号(31,32,33)として出力される。
【0165】
ステップ18において、信号選択手段203より出力された有効検出信号(31,32,33)はそれぞれ増幅手段204により増幅され、その後、A/D変換手段205によりA/D変換されデジタルデータ(41,42,43)としてそれぞれ出力される。
【0166】
ステップ19において、特徴量推定手段206がA/D変換手段206より出力されたデジタルデータ(41,42,43)から血糖値15を推定する。
【0167】
ステップ20において、特徴量表示手段207が特徴量推定手段206より出力された血糖値15を表示し、一連の血糖値推定プロセスを終了する。
【0168】
次に、有効な光音響検出手段(1,5,9)より得られたデジタルデータ(41,42,43)に対して、カウントした距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値がカウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順で、検出位置選択プロセスの一連の処理の結果、光音響検出手段(2,3,4)が有効となる場合に関して、図6及び図8を用いて説明する。
【0169】
図8は、本発明の実施の形態1における光音響検出手段(2,3,4)が有効となる場合のデジタルデータ(21,25,29)を示す図であり、(a)は光音響検出手段1より得られたデジタルデータ41、(b)は光音響検出手段5より得られたデジタルデータ42、(c)は光音響検出手段9より得られたデジタルデータ43である。
【0170】
ステップ1〜ステップ10までの一連の処理は正常に行われ、ステップ11において、比較回数が1回目であるとする。
【0171】
ここで、第一領域閾値A(321)及び第二領域閾値B(322)及び第三領域閾値C(323)には距離測定カウンタのカウンタ値の差としてそれぞれ"12"が設定されているとし、距離測定カウンタA(302)のカウンタ値A(81)が"48"、距離測定カウンタB(303)のカウンタ値B(82)が"45"、距離測定カウンタC(304)のカウンタ値C(83)が"230"であるとする。
【0172】
ステップ21において、選択信号生成手段305が、距離測定カウンタA(302)、距離測定カウンタB(303)、距離測定カウンタC(304)から出力されたカウンタ値A(81)、カウンタ値B(82)、カウンタ値C(83)を受け取り、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順か否か判断する。カウンタ値A(81)="48"、カウンタ値B(82)="45"、カウンタ値C(83)="230"なので、カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順となり、ステップ22へ進む。
【0173】
ステップ22において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタC(304)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第一領域閾値A(321)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|A−C|=|48−230|="182"であるので第一領域閾値A(321)="12"より大きいのでステップ24へ進む。
【0174】
ステップ24において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタB(303)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第二領域閾値B(322)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|=|48−45|="3"であるので第二領域閾値B(322)="12"以下なのでステップ25へ進む。
【0175】
ステップ25において、|A−B|≦第二領域閾値B(322)が成り立つので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(2,3,4)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を再測定要求なしで出力し、ステップ15へ進む。
を出力し、ステップ15へ進む。
【0176】
ステップ15において、検出位置選択プロセスの一連処理を終了した結果、再測定要求がないので、ステップ16〜ステップ20から構成される血糖値推定プロセスに進む。
【0177】
ステップ16において、光源201を点灯するとともに、検出手段指示信号16に基づき、光音響検出手段(2,3,4)を起動する。
【0178】
ステップ17において、選択信号生成手段305からの検出手段指示信号16が光音響検出手段(2,3,4)により受け取られると、光音響信号105の検出が開始され、検出信号(22,23,24)が生成される。生成された検出信号(22,23,24)は信号選択手段203により受信され、有効検出信号(31,32,33)として出力される。
【0179】
ステップ18において、信号選択手段203より出力された有効検出信号(31,32,33)はそれぞれ増幅手段204により増幅され、その後、A/D変換手段205によりA/D変換されデジタルデータ(41,42,43)としてそれぞれ出力される。
【0180】
ステップ19において、特徴量推定手段206がA/D変換手段206より出力されたデジタルデータ(41,42,43)から血糖値15を推定する。
【0181】
ステップ20において、特徴量表示手段207が特徴量推定手段206より出力された血糖値15を表示し、一連の血糖値推定プロセスを終了する。
【0182】
次に、有効な光音響検出手段(1,5,9)より得られたデジタルデータ(41,42,43)に対して、カウントした距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値がカウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順で、検出位置選択プロセスの一連の処理の結果、光音響検出手段(3,4,5)が有効となる場合に関して、図6及び図9を用いて説明する。
【0183】
図9は、本発明の実施の形態1における光音響検出手段(3,4,5)が有効となる場合のデジタルデータ(21,25,29)を示す図であり、(a)は光音響検出手段1より得られたデジタルデータ41、(b)は光音響検出手段5より得られたデジタルデータ42、(c)は光音響検出手段9より得られたデジタルデータ43である。
【0184】
ステップ1〜ステップ10までの一連の処理は正常に行われ、ステップ11において、比較回数が1回目であるとする。
【0185】
ここで、第一領域閾値A(321)及び第二領域閾値B(322)及び第三領域閾値C(323)には距離測定カウンタのカウンタ値の差としてそれぞれ"12"が設定されているとし、距離測定カウンタA(302)のカウンタ値A(81)が"80"、距離測定カウンタB(303)のカウンタ値B(82)が"25"、距離測定カウンタC(304)のカウンタ値C(83)が"140"であるとする。
【0186】
ステップ21において、選択信号生成手段305が、距離測定カウンタA(302)、距離測定カウンタB(303)、距離測定カウンタC(304)から出力されたカウンタ値A(81)、カウンタ値B(82)、カウンタ値C(83)を受け取り、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順か否か判断する。カウンタ値A(81)="80"、カウンタ値B(82)="25"、カウンタ値C(83)="140"なので、カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順となり、ステップ22へ進む。
【0187】
ステップ22において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタC(304)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第一領域閾値A(321)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値C(83)の差の絶対値|A−C|=|25−140|="1150"であるので第一領域閾値A(321)="12"より大きいのでステップ24へ進む。
【0188】
ステップ24において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタB(303)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第二領域閾値B(322)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|=|25−80|="55"であるので第二領域閾値B(322)="12"より大きいのでステップ26へ進む。
【0189】
ステップ26において、|A−B|≦第二領域閾値B(322)が成り立たないので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(3,4,5)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を再測定要求なしで出力し、ステップ15へ進む。
【0190】
ステップ15において、検出位置選択プロセスの一連処理を終了した結果、再測定要求がないので、ステップ16〜ステップ20から構成される血糖値推定プロセスに進む。
【0191】
ステップ16において、光源201を点灯するとともに、検出手段指示信号16に基づき、光音響検出手段(3,4,5)を起動する。
【0192】
ステップ17において、選択信号生成手段305からの検出手段指示信号16が光音響検出手段(3,4,5)により受け取られると、光音響信号105の検出が開始され、検出信号(23,24,25)が生成される。生成された検出信号(23,24,25)は信号選択手段203により受信され、有効検出信号(31,32,33)として出力される。
【0193】
ステップ18において、信号選択手段203より出力された有効検出信号(31,32,33)はそれぞれ増幅手段204により増幅され、その後、A/D変換手段205によりA/D変換されデジタルデータ(41,42,43)としてそれぞれ出力される。
【0194】
ステップ19において、特徴量推定手段206がA/D変換手段206より出力されたデジタルデータ(41,42,43)から血糖値15を推定する。
【0195】
ステップ20において、特徴量表示手段207が特徴量推定手段206より出力された血糖値15を表示し、一連の血糖値推定プロセスを終了する。
【0196】
次に、有効な光音響検出手段(1,5,9)より得られたデジタルデータ(41,42,43)に対して、カウントした距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値がカウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順で、検出位置選択プロセスの一連の処理の結果、光音響検出手段(2,3,4)が有効となる場合に関して、図6及び図10を用いて説明する。
【0197】
図10は、本発明の実施の形態1における光音響検出手段(2,3,4)が有効となる場合のデジタルデータ(21,25,29)を示す図であり、(a)は光音響検出手段1より得られたデジタルデータ41、(b)は光音響検出手段5より得られたデジタルデータ42、(c)は光音響検出手段9より得られたデジタルデータ43である。
【0198】
ステップ1〜ステップ10までの一連の処理は正常に行われ、ステップ11において、比較回数が1回目であるとする。
【0199】
ここで、第一領域閾値A(321)及び第二領域閾値B(322)及び第三領域閾値C(323)には距離測定カウンタのカウンタ値の差としてそれぞれ"12"が設定されているとし、距離測定カウンタA(302)のカウンタ値A(81)が"45"、距離測定カウンタB(303)のカウンタ値B(82)が"48"、距離測定カウンタC(304)のカウンタ値C(83)が"230"であるとする。
【0200】
ステップ21において、選択信号生成手段305が、距離測定カウンタA(302)、距離測定カウンタB(303)、距離測定カウンタC(304)から出力されたカウンタ値A(81)、カウンタ値B(82)、カウンタ値C(83)を受け取り、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順か否か判断する。カウンタ値A(81)="45"、カウンタ値B(82)="48"、カウンタ値C(83)="230"なので、カウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順となり、ステップ27へ進む。
【0201】
ステップ27において、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順か否か判断する。カウンタ値A(81)="45"、カウンタ値B(82)="48"、カウンタ値C(83)="230"なので、カウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順となり、ステップ28へ進む。
【0202】
ステップ28において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタB(303)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第二領域閾値B(322)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|=|45−48|="3"であるので第二領域閾値B(322)="12"以下なのでステップ29へ進む。
【0203】
ステップ29において、|A−B|≦第二領域閾値B(322)が成り立つので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(2,3,4)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を再測定要求なしで出力し、ステップ15へ進む。
を出力し、ステップ15へ進む。
【0204】
ステップ15において、検出位置選択プロセスの一連処理を終了した結果、再測定要求がないので、ステップ16〜ステップ20から構成される血糖値推定プロセスに進む。
【0205】
ステップ16において、光源201を点灯するとともに、検出手段指示信号16に基づき、光音響検出手段(2,3,4)を起動する。
【0206】
ステップ17において、選択信号生成手段305からの検出手段指示信号16が光音響検出手段(2,3,4)により受け取られると、光音響信号105の検出が開始され、検出信号(22,23,24)が生成される。生成された検出信号(22,23,24)は信号選択手段203により受信され、有効検出信号(31,32,33)として出力される。
【0207】
ステップ18において、信号選択手段203より出力された有効検出信号(31,32,33)はそれぞれ増幅手段204により増幅され、その後、A/D変換手段205によりA/D変換されデジタルデータ(41,42,43)としてそれぞれ出力される。
【0208】
ステップ19において、特徴量推定手段206がA/D変換手段206より出力されたデジタルデータ(41,42,43)から血糖値15を推定する。
【0209】
ステップ20において、特徴量表示手段207が特徴量推定手段206より出力された血糖値15を表示し、一連の血糖値推定プロセスを終了する。
【0210】
次に、有効な光音響検出手段(1,5,9)より得られたデジタルデータ(41,42,43)に対して、カウントした距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値がカウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順で、検出位置選択プロセスの一連の処理の結果、光音響検出手段(1,2,3)が有効となる場合に関して、図6及び図11を用いて説明する。
【0211】
図11は、本発明の実施の形態1における光音響検出手段(1,2,3)が有効となる場合のデジタルデータ(21,25,29)を示す図であり、(a)は光音響検出手段1より得られたデジタルデータ41、(b)は光音響検出手段5より得られたデジタルデータ42、(c)は光音響検出手段9より得られたデジタルデータ43である。
【0212】
ステップ1〜ステップ10までの一連の処理は正常に行われ、ステップ11において、比較回数が1回目であるとする。
【0213】
ここで、第一領域閾値A(321)及び第二領域閾値B(322)及び第三領域閾値C(323)には距離測定カウンタのカウンタ値の差としてそれぞれ"12"が設定されているとし、距離測定カウンタA(302)のカウンタ値A(81)が"30"、距離測定カウンタB(303)のカウンタ値B(82)が"70"、距離測定カウンタC(304)のカウンタ値C(83)が"320"であるとする。
【0214】
ステップ21において、選択信号生成手段305が、距離測定カウンタA(302)、距離測定カウンタB(303)、距離測定カウンタC(304)から出力されたカウンタ値A(81)、カウンタ値B(82)、カウンタ値C(83)を受け取り、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値B(82)<カウンタ値A(81)<カウンタ値C(83)の順か否か判断する。カウンタ値A(81)="30"、カウンタ値B(82)="70"、カウンタ値C(83)="320"なので、カウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順となり、ステップ27へ進む。
【0215】
ステップ27において、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)の値を比較し、カウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順か否か判断する。カウンタ値A(81)="30"、カウンタ値B(82)="70"、カウンタ値C(83)="320"なので、カウンタ値A(81)<カウンタ値B(82)<カウンタ値C(83)の順となり、ステップ28へ進む。
【0216】
ステップ28において、距離測定カウンタA(302)と距離測定カウンタB(303)のカウンタ値の差の絶対値を求め、第二領域閾値B(322)と比較する。カウンタ値A(81)とカウンタ値B(82)の差の絶対値|A−B|=|30−70|="40"であるので第二領域閾値B(322)="12"より大きいのでステップ30へ進む。
【0217】
ステップ30において、|A−B|≦第二領域閾値B(322)が成り立たないので、選択信号生成手段305は制御手段202に光音響検出手段(1,2,3)を選択するよう指示する検出手段指示信号16を再測定要求ありで出力し、ステップ15へ進む。
【0218】
ステップ15において、検出位置選択プロセスの一連処理を終了した結果、再測定要求があるため、ステップ2〜ステップ9までの検出位置選択プロセスのうち光音響検出手段(1,2,3)を起動しカウンタ値A(81),B(82),C(83)を出力する一連の処理が正常に行われたとし、距離測定カウンタA(302)のカウンタ値A(81)が"45"、距離測定カウンタB(303)のカウンタ値B(82)が"43"、距離測定カウンタC(304)のカウンタ値C(83)が"46"であるとする。
【0219】
ステップ10において、選択信号生成手段305が、比較回数記憶手段308から距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)のカウンタ値を比較した回数を読み出し、2回目の比較となる。
【0220】
ステップ11において、読み出した比較回数が2回目なのでステップ12へ進む。
【0221】
ステップ12において、比較回数が2回目の場合にはすでに隣り合う3つの光音響検出手段(ここでは、光音響検出手段(2,3,4))が選択されているので、中心の光音響検出手段(つまり、光音響検出手段2)で得られた距離測定カウンタB(303)のカウンタ値B(82)が最小か否か判断する。カウンタ値A(81)="45"、カウンタ値B(82)="43"、カウンタ値C(83)="46"なので、光音響検出手段2より得られたカウンタ値B(82)が最小であるため、ステップ19へ進む。
【0222】
ステップ19において、特徴量推定手段206がA/D変換手段206より出力されたデジタルデータ(41,42,43)から血糖値15を推定する。
【0223】
ステップ20において、特徴量表示手段207が特徴量推定手段206より出力された血糖値15を表示し、一連の血糖値推定プロセスを終了する。
【0224】
◇センターセンサ:Ch1
ステップ12において、比較回数が2回目の場合で、かつ、光音響検出手段2より得られたカウンタ値B(82)が最小でない場合にはステップ13へ進む。
【0225】
ステップ13において、選択信号生成手段305は移動指示手段210に対し移動指示信号17を出力する。
【0226】
ステップ14において、移動指示手段210は移動指示信号17に基づきに患者に非侵襲血糖測定装置101の装着位置を移動するよう通知し、終了する。患者は移動指示手段210からの通知に従って、非侵襲血糖測定装置101の装着位置を移動し、再度、ステップ1からの処理を行う。
【0227】
また、光音響検出手段(6,7,8,9)が有効な光音響検出手段として選択される場合に関しても、ステップ31〜ステップ40から構成されるカウンタ値A(81),B(82),C(83)の比較と、閾値(第一領域閾値A(321)及び第三領域閾値C(323))との比較の一連の処理を行うことにより、光音響検出手段(1,2,3,4,5)が有効な光音響検出手段として選択される場合と同様の説明が成り立つので、説明を省略する。
【0228】
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、信号比較手段209を設けることにより、デジタルデータ(41,42,43)から第1の測定位置と第2の測定位置をそれぞれ検出し、第1,第2の測定位置間の時間を測定し、距離の大きさを比較して場合分けを行い、さらに、それぞれの第1,第2の測定位置間の距離の差を求めて、これが有効な光音響検出手段が存在する領域を示す第1,第2の測定位置間の距離の差に該当するか否かを閾値との比較により判定することにより、有効な光音響検出手段を検出することができるようにしたので、生体から得られる微弱な光音響波信号から血糖値を推定するための信号に増幅及びA/D変換するための増幅手段やA/D変換手段を減らすことができ、回路を大型化することなく、さらに低消費電力の装置を提供することができる。
【0229】
また、本発明の実施の形態1においては、生態の表面用閾値D(324)及び生体内の血管用閾値E(325)はそれぞれ第1の測定位置及び第2の測定位置でのデジタルデータ(41,42,43)の振幅として説明したが、それぞれ第1の測定位置及び第2の測定位置でのデジタルデータ(41,42,43)の傾きとしてもよく、同様の結果を得ることができる。
【0230】
また、本発明の実施の形態1においては、開始信号生成カウンタ208を設けることにより、制御手段202から出力された起動信号12からあらかじめ設定した位置抽出用閾値X(221)までの待ち時間を設けて第1の測定位置と第2の測定位置を検出するものについて説明したが、第1の測定位置の前に生体の表面用閾値D(324)を超える信号が発生しないように設定することにより、開始信号生成カウンタ208を省略するようにしてもよく、同様の結果を得ることができる。
【0231】
また、本発明の実施の形態1においては、ローパスフィルタ306は、測定位置検出手段301が備えるものとしたが、外乱による影響を除去するため光音響検出手段に備えて、検出信号のノイズ成分を除去するようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。
【0232】
さらに、本発明の実施の形態1においては、測定位置検出手段301により、デジタルデータ(41,42,43)が生体の表面用閾値D(324)より低い値から高い値に変化する位置を第1の測定位置として検出し、デジタルデータ(41,42,43)が生体内の血管用閾値E(325)より高い値から低い値に変化する位置を第2の測定位置として検出するようにしたが、測定位置検出手段301内のピーク位置抽出手段307により、測定開始信号(51,61,71)が有効な期間で、デジタルデータ(41,42,43)と生体の表面用閾値D(324)との差がもっとも大きい位置を第1の測定ピーク位置として検出し、その後、測定終了信号(52,62,72)が有効な期間で、デジタルデータ(41,42,43)と生体内の血管用閾値E(325)との差がもっとも大きい位置を第2の測定ピーク位置としてそれぞれ検出し、距離測定カウンタA(302),B(303),C(304)により第1の測定ピーク位置と第2の測定ピーク位置の時間をそれぞれカウントするようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0233】
以上のように、本発明にかかる非侵襲生体情報測定装置は、非侵襲生体情報測定装置に信号比較手段を設け、非侵襲生体情報測定装置の測定動作により有効な光音響波検出手段を選択するようにしたので、光音響検出手段よりも少ない数の増幅手段、A/D変換手段で測定回数を大きく増やすことなく特徴量を推定するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【図1】本発明の実施の形態1におけるシステム構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1による非侵襲血糖測定装置101のブロック構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における信号比較手段209のブロック構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における測定位置検出手段301の詳細な動作を示す図
【図5】本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置101の代表的な信号のタイミングチャート
【図6a】本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置101のフローチャート
【図6b】本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置101のフローチャート
【図6c】本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置101のフローチャート
【図7】本発明の実施の形態1における光音響検出手段(4,5,6)が有効となる場合のデジタルデータ(41,42,43)を示す図
【図8】本発明の実施の形態1における光音響検出手段(2,3,4)が有効となる場合のデジタルデータ(41,42,43)を示す図
【図9】本発明の実施の形態1における光音響検出手段(3,4,5)が有効となる場合のデジタルデータ(41,42,43)を示す図
【図10】本発明の実施の形態1における光音響検出手段(2,3,4)が有効となる場合のデジタルデータ(41,42,43)を示す図
【図11】本発明の実施の形態1における光音響検出手段(1,2,3)が有効となる場合のデジタルデータ(41,42,43)を示す図
【符号の説明】
【0235】
101 非侵襲血糖測定装置
102 生体の表面
103 照射光
104 血管
105 光音響波信号
201 光源
202 制御手段
203 信号選択手段
204 増幅手段
205 A/D変換手段
206 特徴量推定手段
207 特徴量表示手段
208 開始信号生成カウンタ
209 信号比較手段
210 移動指示手段
221 位置抽出用閾値X
1,2,3,4,5,・・・,8,9 光音響検出手段
11 制御信号
12 起動信号
13 検出手段選択信号
14 位置抽出信号
15 血糖値
16 検出手段指示信号
17 移動指示信号
21,22,23,24,25,・・・,28,29 検出信号
31,32,33 有効検出信号
41,42,43 デジタルデータ
301 測定位置検出手段
302 距離測定カウンタA
303 距離測定カウンタB
304 距離測定カウンタC
305 選択信号生成手段
306 ローパスフィルタ
307 ピーク位置抽出手段
308 比較回数記憶手段
321 第一領域閾値A
322 第二領域閾値B
323 第三領域閾値C
324 生体の表面用閾値D
325 生体内の血管用閾値E
326 LPF開始前無効時間閾値
327 LPF開始後無効時間閾値
328 LPF終了前無効時間閾値
329 LPF終了後無効時間閾値
51,61,71 測定開始信号
52,62,72 測定終了信号
81 カウンタ値A
82 カウンタ値B
83 カウンタ値C
901 測定位置検出手段
902 距離測定カウンタA
903 距離測定カウンタB
904 距離測定カウンタC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の表面に光を照射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、
少なくとも1つの光源と、
該光源の点灯タイミングを制御し、後述する増幅手段とA/D変換手段の起動信号を出力し、後述する検出手段指示信号に基づき有効な光音響検出手段に対する検出手段選択信号を後述する信号選択手段に出力する制御手段と、
該光源の照射光による生体内からの光音響波信号を検出し、検出信号を生成する複数の光音響検出手段と、
該光音響検出手段で生成された複数の検出信号から前記検出手段選択信号に応じて有効な検出信号を選択する信号選択手段と、
該信号選択手段より出力された有効な検出信号をそれぞれ増幅する複数の増幅手段と、
該増幅手段で増幅された複数の有効検出信号をそれぞれA/D変換する複数のA/D変換手段と、
該A/D変換された複数のデジタルデータから生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段と、
該特徴量推定手段により推定された生体情報の特徴量を表示する特徴量表示手段と、
前記A/D変換された複数のデジタルデータに基づき生体の表面と生体内の血管との距離をそれぞれ測定し、該距離の差に応じて有効な光音響検出手段を選択するための検出手段指示信号を出力する信号比較手段と、
該信号比較手段から出力された移動指示信号を外部に通知する移動指示手段と、を備え、
光音響検出手段よりも少ない数の増幅手段、A/D変換手段で測定回数を大きく増やすことなく特徴量を推定できる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータから第1の測定位置と第2の測定位置とを検出し、該第1,第2の測定位置間の距離をそれぞれ測定し、該第1,第2の測定位置間の距離の大きさを比較して場合分けを行い、さらに、それぞれの第1,第2の測定位置間の距離の差を求めて、該第1,第2の測定位置間の距離の差と有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値Cと、を比較し、その結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータに基づき前記第1,第2の測定位置を検出するとともに該第1,第2の測定位置間の距離の測定開始及び測定終了を示す測定開始信号及び測定終了信号を出力する測定位置検出手段と、
複数の前記デジタルデータに対し、前記測定開始信号に基づきカウントを開始し、前記測定終了信号に基づきカウントを終了する複数の距離測定カウンタと、
該距離測定カウンタがカウントした値を比較した回数を記憶する比較回数記憶手段を有し、前記カウントした値の差と閾値とを比較することにより、前記カウントした値の差が当てはまった閾値に対応する領域の前記光音響検出手段を選択するよう指示する前記検出手段指示信号を生成し、さらに、前記比較回数記憶手段の記憶回数が2回以上のときに、前記カウントした値の差が閾値に当てはまらない場合には前記移動指示信号を生成する選択信号生成手段とを有する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記選択信号生成手段が、前記距離測定カウンタがカウントした値の差と比較する閾値は、有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値C、であり、前記選択信号生成手段は、複数の前記距離測定カウンタがカウントした値の差と前記第一領域閾値Aまたは前記第二領域閾値Bまたは前記第三領域閾値Cとを比較した結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項5】
請求項3に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと、該デジタルデータが生体の表面においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体の表面用閾値Dとを比較することで前記第1の測定位置を検出するとともに、前記第1,第2の測定位置間の距離の測定開始を示す測定開始信号の出力を開始し、その後、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと該デジタルデータが生体内の血管においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体内の血管用閾値Eとを比較することで前記第2の測定位置を検出するとともに、前記第1,第2の測定位置間の距離の測定終了を示す測定終了信号の出力を開始する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータが前記生体の表面用閾値Dより高い値から低い値に変化する位置を前記第1の測定位置として検出するとともに、前記測定開始信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体の表面用閾値Dより低い値から高い値に変化する位置において前記測定開始信号の出力を終了し、その後、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより高い値から低い値に変化する位置を前記第2の測定位置として検出するとともに、前記測定終了信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより低い値から高い値に変化する位置において前記測定終了信号の出力を終了する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項7】
請求項3に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、ローパスフィルタを有し、該ローパスフィルタにより、前記測定開始信号及び前記測定終了信号の出力時間が短いときに、該測定開始信号及び測定終了信号を無効にすることが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記ローパスフィルタは、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記測定開始信号及び前記測定終了信号を無効にする時間を変更することが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項9】
請求項5に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、ピーク位置抽出手段を有し、該ピーク位置抽出手段は、前記デジタルデータと前記生体の表面用閾値Dとを比較し、前記デジタルデータと前記生体の表面用閾値Dとの差が最も大きい位置を前記第1の測定位置として検出し、その後、前記デジタルデータと前記生体内の血管用閾値Eとを比較し、前記デジタルデータと前記生体内の血管用閾値Eとの差が最も大きい位置を前記第2の測定位置として検出する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項10】
請求項2に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段が検出する前記第1の測定位置は、前記生体の表面からのデジタルデータに対応する位置である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項11】
請求項2に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段が検出する前記第2の測定位置は、前記生体内の血管からのデジタルデータに対応する位置である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項12】
請求項5に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eは、それぞれ該デジタルデータに対する所定の振幅値である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項13】
請求項5に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eは、それぞれ該検出信号に対する所定の傾きの値である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項14】
請求項5に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eを変更することが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項15】
請求項3に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記選択信号生成手段が出力する移動指示信号は、前記非侵襲生体情報測定装置の設置位置に有効な前記光音響検出手段が存在しないことを検出した結果、出力される、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項16】
請求項3に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記選択信号生成手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記第一領域閾値A及び前記第二領域閾値B及び前記第三領域閾値Cを変更することが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項17】
生体の表面に光を照射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、
少なくとも1つの光源と、
該光源の点灯タイミングを制御し、後述する増幅手段とA/D変換手段の起動信号を出力し、後述する検出手段指示信号に基づき有効な光音響検出手段に対する検出手段選択信号を後述する信号選択手段に出力する制御手段と、
該光源の照射光による生体内からの光音響波信号を検出し、検出信号を生成する複数の光音響検出手段と、
該光音響検出手段で生成された複数の検出信号から前記検出手段選択信号に応じて有効な検出信号を選択する信号選択手段と、
該信号選択手段より出力された有効検出信号をそれぞれ増幅する複数の増幅手段と、
該増幅手段で増幅された複数の有効検出信号をそれぞれA/D変換する複数のA/D変換手段と、
該A/D変換された複数のデジタルデータから生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段と、
該特徴量推定手段により推定された生体情報の特徴量を表示する特徴量表示手段と、
前記起動信号に基づきカウントを開始し、該カウントした値が、位置測定開始の判断基準である位置抽出用閾値X以上のときに位置抽出信号を出力する開始信号生成カウンタと、
前記位置抽出信号を受信することにより、前記A/D変換された複数のデジタルデータに基づき生体の表面と生体内の血管との距離をそれぞれ測定し、該距離の差に応じて有効な光音響検出手段を選択するよう指示する検出手段指示信号を出力する信号比較手段と、
該信号比較手段から出力された移動指示信号を使用者に通知する移動指示手段と、を備え、光音響検出手段よりも少ない数の増幅手段、A/D変換手段で測定回数を大きく増やすことなく特徴量を推定できる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項18】
請求項17に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータから第1の測定位置と第2の測定位置とを検出し、該第1,第2の測定位置間の距離をそれぞれ測定し、該第1,第2の測定位置間の距離の大きさを比較して場合分けを行い、さらに、それぞれの第1,第2の測定位置間の距離の差を求めて、該第1,第2の測定位置間の距離の差と有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値Cと、を比較し、その結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項19】
請求項17に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータに基づき前記第1,第2の測定位置を検出するとともに該第1,第2の測定位置間の距離の測定開始及び測定終了を示す測定開始信号及び測定終了信号を出力する測定位置検出手段と、複数の前記デジタルデータに対し、前記測定開始信号に基づきカウントを開始し、前記測定終了信号に基づきカウントを終了する複数の距離測定カウンタと、該距離測定カウンタがカウントした値を比較した回数を記憶する比較回数記憶手段を有し、前記カウントした値の差と閾値とを比較することにより、前記カウントした値の差が当てはまった閾値に対応する領域の前記光音響検出手段を選択するよう指示する前記検出手段指示信号を生成し、さらに、前記比較回数記憶手段の記憶回数が2回以上のときに、前記カウントした値の差が閾値に当てはまらない場合には前記移動指示信号を生成する選択信号生成手段とを有する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項20】
請求項19に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記選択信号生成手段が、前記距離測定カウンタがカウントした値の差と比較する閾値は、有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値C、であり、前記選択信号生成手段は、複数の前記距離測定カウンタがカウントした値の差と前記第一領域閾値Aまたは前記第二領域閾値Bまたは前記第三領域閾値Cとを比較した結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項21】
請求項19に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと、該デジタルデータが生体の表面においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体の表面用閾値Dとを比較することで前記第1の測定位置を検出するとともに、前記第1,第2の測定位置間の距離の測定開始を示す測定開始信号の出力を開始し、その後、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと該デジタルデータが生体内の血管においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体内の血管用閾値Eとを比較することで前記第2の測定位置を検出するとともに、前記第1,第2の測定位置間の距離の測定終了を示す測定終了信号の出力を開始する、
ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項22】
請求項21に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータが前記生体の表面用閾値Dより高い値から低い値に変化する位置を前記第1の測定位置として検出するとともに、前記測定開始信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体の表面用閾値Dより低い値から高い値に変化する位置において前記測定開始信号の出力を終了し、その後、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより高い値から低い値に変化する位置を前記第2の測定位置として検出するとともに、前記測定終了信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより低い値から高い値に変化する位置において前記測定終了信号の出力を終了する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項23】
請求項19に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、ローパスフィルタを有し、該ローパスフィルタにより、前記測定開始信号及び前記測定終了信号の出力時間が短いときに、該測定開始信号及び測定終了信号を無効にすることが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項24】
請求項23に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記ローパスフィルタは、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記測定開始信号及び前記測定終了信号を無効にする時間を変更することが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項25】
請求項21に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、ピーク位置抽出手段を有し、該ピーク位置抽出手段は、前記デジタルデータと前記生体の表面用閾値Dとを比較し、前記デジタルデータと前記生体の表面用閾値Dとの差が最も大きい位置を前記第1の測定位置として検出し、その後、前記デジタルデータと前記生体内の血管用閾値Eとを比較し、前記デジタルデータと前記生体内の血管用閾値Eとの差が最も大きい位置を前記第2の測定位置として検出する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項26】
請求項18に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記信号比較手段が検出する前記第1の測定位置は、前記生体の表面からのデジタルデータに対応する位置である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項27】
請求項18に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段が検出する前記第2の測定位置は、前記生体内の血管からのデジタルデータに対応する位置である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項28】
請求項21に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eは、それぞれ該デジタルデータに対する所定の振幅値である、
ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項29】
請求項21に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eは、それぞれ該検出信号に対する所定の傾きの値である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項30】
請求項21に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記生体の表面用閾値D及び前記生体内の血管用閾値Eを変更することが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項31】
請求項19に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記選択信号生成手段が出力する移動指示信号は、前記非侵襲生体情報測定装置の設置位置に有効な前記光音響検出手段が存在しないことを検出した結果、出力される、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項32】
請求項19に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記選択信号生成手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記第一領域閾値A及び前記第二領域閾値B及び前記第三領域閾値Cを変更することが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項33】
請求項17に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記開始信号生成カウンタは、外部から書き込み可能なレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記位置抽出用閾値Xを変更することが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項34】
生体の表面に光を照射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、
少なくとも1つの光源と、
該光源の点灯タイミングを制御し、後述する増幅手段とA/D変換手段の起動信号を出力し、後述する検出手段指示信号に基づき有効な光音響検出手段に対する検出手段選択信号を後述する信号選択手段に出力する制御手段と、
該光源の照射光による生体内からの光音響波信号を検出し、検出信号を生成する複数の光音響検出手段と、
該光音響検出手段で生成された複数の検出信号から前記検出手段選択信号に応じて有効な検出信号を選択する信号選択手段と、
該信号選択手段より出力された有効検出信号をそれぞれ増幅する複数の増幅手段と、
該増幅手段で増幅された複数の有効検出信号をそれぞれA/D変換する複数のA/D変換手段と、
該A/D変換された複数のデジタルデータから生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段と、
該特徴量推定手段により推定された生体情報の特徴量を表示する特徴量表示手段と、
前記起動信号に基づきカウントを開始し、該カウントした値が、位置測定開始の判断基準である位置抽出用閾値X以上のときに位置抽出信号を出力する開始信号生成カウンタと、
前記位置抽出信号を受信することにより、前記A/D変換された複数のデジタルデータの第2の測定位置を検出し、前記位置抽出信号の出力タイミングから該第2の測定位置までの距離をそれぞれ測定し、該距離の差に応じて有効な光音響検出手段を選択するよう指示する検出手段指示信号を出力する信号比較手段と、
該信号比較手段から出力された移動指示信号を使用者に通知する移動指示手段と、を備え、光音響検出手段よりも少ない数の増幅手段、A/D変換手段で測定回数を大きく増やすことなく特徴量を推定できる、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項35】
請求項34に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータから第2の測定位置を検出し、前記位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離をそれぞれ測定し、該位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離の大きさを比較して場合分けを行い、さらに、それぞれの前記位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離の差を求めて、該前記位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離の差と有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値Cと、を比較し、その結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項36】
請求項34に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段は、前記A/D変換手段から出力された複数の前記デジタルデータに基づき前記第2の測定位置を検出するとともに前記位置抽出信号の出力タイミングと該第2の測定位置間の距離の測定終了を示す測定終了信号を出力する測定位置検出手段と、
複数の前記デジタルデータに対し、前記位置抽出信号の出力タイミングでカウントを開始し、前記測定終了信号に基づきカウントを終了する複数の距離測定カウンタと、
該距離測定カウンタがカウントした値を比較した回数を記憶する比較回数記憶手段を有し、
前記カウントした値の差と閾値とを比較することにより、前記カウントした値の差が当てはまった閾値に対応する領域の前記光音響検出手段を選択するよう指示前記検出手段指示信号を生成し、さらに、前記比較回数記憶手段の記憶回数が2回以上のときに、前記カウントした値の差が閾値に当てはまらない場合には前記移動指示信号を生成する選択信号生成手段とを有する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項37】
請求項36に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記選択信号生成手段が、前記距離測定カウンタがカウントした値の差と比較する閾値は、有効な前記光音響検出手段が第一領域内であるか否かの判断基準である第一領域閾値A、有効な前記光音響検出手段が第二領域内であるか否かの判断基準である第二領域閾値B、有効な前記光音響検出手段が第三領域内であるか否かの判断基準である第三領域閾値C、であり、前記選択信号生成手段は、複数の前記距離測定カウンタがカウントした値の差と前記第一領域閾値Aまたは前記第二領域閾値Bまたは前記第三領域閾値Cとを比較した結果に応じて前記検出手段指示信号または前記移動指示信号を生成する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項38】
請求項36に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、前記位置抽出信号に基づき、前記A/D変換手段から出力されたデジタルデータと該デジタルデータが生体内の血管においてエネルギー変換された光音響信号に対応するか否かの判断基準である生体内の血管用閾値Eとを比較することで前記第2の測定位置を検出するとともに、前記位置抽出信号の出力タイミングと第2の測定位置間の距離の測定終了を示す測定終了信号の出力を開始する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項39】
請求項38に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより高い値から低い値に変化する位置を前記第2の測定位置として検出するとともに、前記測定終了信号の出力を開始し、前記デジタルデータが前記生体内の血管用閾値Eより低い値から高い値に変化する位置において前記測定終了信号の出力を終了する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項40】
請求項34に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、ローパスフィルタを有し、該ローパスフィルタにより、前記測定終了信号の出力時間が短いときに、該測定終了信号を無効にすることが可能である、
ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項41】
請求項40に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記ローパスフィルタは、外部から書き込み可能なレジスタを有し、該レジスタの値を変更することにより、前記測定終了信号を無効にする時間を変更することが可能である、
ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項42】
請求項36に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、ピーク位置抽出手段を有し、該ピーク位置抽出手段は、前記検出信号と前記生体内の血管用閾値Eとを比較し、前記検出信号と前記生体内の血管用閾値Eとの差が最も大きい位置を前記第2の測定位置として検出する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項43】
請求項34に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記信号比較手段が測定する前記第2の測定位置は、前記生体内の血管からの光音響波信号から生成した検出信号に対応する位置である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項44】
請求項36に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体内の血管用閾値Eは、
前記検出信号に対する所定の振幅値である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項45】
請求項36に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段が前記デジタルデータと比較する前記生体内の血管用閾値Eは、
前記検出信号に対する所定の傾きの値である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項46】
請求項36に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記測定位置検出手段は、外部から書き込み可能なレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記生体内の血管用閾値Eを変更することが可能である、
ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項47】
請求項37記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記選択信号生成手段が出力する移動指示信号は、前記非侵襲生体情報測定装置の設置位置に有効な前記光音響検出手段が存在しないことを検出した結果、出力される、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項48】
請求項36に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記選択信号生成手段は、外部から書き込み可能な複数のレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記第一領域閾値A及び前記第二領域閾値B及び前記第三領域閾値Cを変更することが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項49】
請求項34に記載の非侵襲生体情報測定装置において、
前記開始信号生成カウンタは、外部から書き込み可能なレジスタを有し、該レジスタに書き込む値を変更することにより、前記位置抽出用閾値Xを変更することが可能である、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−39266(P2009−39266A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206568(P2007−206568)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】