説明

非接触カード機能用コンテンツ配信システム及び非接触カード機能用コンテンツ配信方法

【課題】クレジットカード処理において店舗端末との間で決済を行うだけでなく、さらなる情報を提供することができる非接触カード機能用コンテンツ配信システム及び非接触カード機能用コンテンツ配信方法を提供すること。
【解決手段】本発明の非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおいては、クレジットセンター2の配信設定部231において、トルカデータの配信先である店舗端末11を設定し、移動体端末7と店舗端末11との間でのクレジットカード処理時にトルカデータを移動体端末7に配信する。このとき、トルカデータには、決済金額別、商品別、決済時間帯別、加盟店住所別を含む各種配信バリエーションの中から当該非接触カード機能用コンテンツと関連のある配信バリエーションを設定して付加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触カード機能用コンテンツ配信システム及び非接触カード機能用コンテンツ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体端末装置の高機能化に伴い、移動体端末装置を利用して様々なデータを取得する場面が増加している。一般的には、パケット網などを介してインターネット経由でコンテンツをダウンロードすることが行われる。また、データの種類によってはメールに添付して送受信することが可能である。さらに、最近では、赤外線通信や二次元バーコードを利用したデータの送受信も行われている。
【0003】
近年、ICカード機能を搭載した移動体端末装置が広く普及している。このICカード機能を利用したデータの受け渡しは、移動体端末装置側の電源が入っていなくても外部R/Wにかざすだけで実行ができるというように、ユーザにとっては非常に操作が簡便である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−296233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなICカード機能でデータの受け渡しが実現できたことにより、このICカード機能を利用してクレジットカード処理を行うサービスも行われている。しかしながら、従来のクレジットカード処理については、店舗端末との間で決済を行うだけであり、さらなる情報を提供することについて想定されておらず、そのような仕組みも構築されていないのが現状である。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、クレジットカード処理において店舗端末との間で決済を行うだけでなく、さらなる情報を提供することができる非接触カード機能用コンテンツ配信システム及び非接触カード機能用コンテンツ配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の非接触カード機能用コンテンツ配信システムは、リーダ/ライタを有し、非接触カード機能を有する移動体端末との間で非接触通信してクレジットカード処理を行う店舗端末と、前記店舗端末に通信網経由で非接触カード機能用コンテンツを配信するコンテンツ配信部と、を備えた非接触カード機能用コンテンツ配信システムであって、前記コンテンツ配信部は、前記店舗端末へ配信する非接触カード機能用コンテンツ毎に、決済金額別、商品別、決済時間帯別、加盟店住所別を少なくともいずれか1つ含む各種配信バリエーションの中から当該非接触カード機能用コンテンツと関連のある配信バリエーションを設定し、前記非接触カード機能用コンテンツと当該非接触カード機能用コンテンツに設定された配信バリエーションと、が組み合わされた非接触カード機能用コンテンツデータを、前記店舗端末へ配信し、前記店舗端末は、前記コンテンツ配信部から配信された前記非接触カード機能用コンテンツと前記配信バリエーションとが組み合わされた非接触カード機能用コンテンツデータを格納部に格納し、前記店舗端末のリーダ/ライタに前記移動体端末をかざして前記非接触通信により当該店舗端末と前記移動体端末との間でクレジットカード処理が行われた際に、前記格納部に格納されている各種非接触カード機能用コンテンツデータの中から当該クレジットカード処理が行われた際の状況に対応した配信バリエーションを抽出し、抽出した配信バリエーションの設定されている非接触カード機能用コンテンツを前記格納部から抽出し、抽出した非接触カード機能用コンテンツを前記非接触通信により前記移動体端末に配信することを特徴とする。
【0008】
本発明の非接触カード機能用コンテンツ配信方法は、リーダ/ライタを有し、非接触カード機能を有する移動体端末との間で非接触通信してクレジットカード処理を行う店舗端末と、前記店舗端末に通信網経由で非接触カード機能用コンテンツを配信するコンテンツ配信部と、を備えたシステムにおける非接触カード機能用コンテンツ配信方法であって、前記コンテンツ配信部が、前記店舗端末へ配信する非接触カード機能用コンテンツ毎に、決済金額別、商品別、決済時間帯別、加盟店住所別を少なくともいずれか1つ含む各種配信バリエーションの中から当該非接触カード機能用コンテンツと関連のある配信バリエーションを設定し、前記非接触カード機能用コンテンツと当該非接触カード機能用コンテンツに設定された配信バリエーションと、が組み合わされた非接触カード機能用コンテンツデータを、前記店舗端末へ配信する工程と、前記店舗端末が前記コンテンツ配信部から配信された前記非接触カード機能用コンテンツと前記配信バリエーションとが組み合わされた非接触カード機能用コンテンツデータを格納部に格納する工程と、前記店舗端末が、前記リーダ/ライタにかざした前記移動体端末との前記非接触通信により当該店舗端末と前記移動体端末との間でクレジットカード処理が行われた際に、前記格納部に格納されている各種非接触カード機能用コンテンツデータの中から当該クレジットカード処理が行われた際の状況に対応した配信バリエーションを抽出し、抽出した配信バリエーションの設定された非接触カード機能用コンテンツを前記格納部から抽出し、抽出した非接触カード機能用コンテンツを前記非接触通信により前記移動体端末に配信する工程と、を具備することを特徴とする。
【0009】
上記非接触カード機能用コンテンツ配信システムは、店舗におけるクレジットカード処理を行う店舗端末と、前記クレジットカード決済の処理のオーソリ処理を仲介する決済サーバ、並びに非接触カード機能用コンテンツのコンテンツデータの配信先である店舗端末を設定するコンテンツ配信手段を備えたクレジット管理センターと、を具備し、前記店舗端末は、前記クレジットカード処理時に前記コンテンツデータを配信することが望ましい。
【0010】
この構成によれば、移動体端末装置のクレジットカード処理ができる店舗端末で非接触カード機能用コンテンツを取得することが可能となり、クレジットカード処理にさらなる付加価値を付けることが可能となる。その結果、非接触カード機能用コンテンツの提供元のさらなる宣伝効果を発揮させることができる。
【0011】
上記非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおいては、前記コンテンツ配信手段は、配信バリエーションに対応するパラメータを設定するパラメータ設定手段を有し、前記店舗端末は、前記パラメータにしたがって前記クレジットカード処理時に前記コンテンツデータを配信することが好ましい。この構成によれば、クレジットカード処理が行われた際の状況に応じた非接触カード機能用コンテンツを移動体端末装置に配信することができるので、ターゲットを絞った非接触カード機能用コンテンツの配信を行うことが可能となる。
【0012】
上記非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおいては、前記クレジットカード処理は、前記店舗端末と移動体端末との間で行われることが好ましい。
【0013】
非接触カード機能用コンテンツ配信方法において、クレジット管理センターにおいて、非接触カード機能用コンテンツのコンテンツデータの配信先である店舗端末を設定する工程と、移動体端末と店舗端末との間でのクレジットカード処理時に前記コンテンツデータを前記移動体端末に配信する工程と、を具備することが望ましい。
【0014】
この方法によれば、移動体端末装置のクレジットカード処理ができる店舗端末で非接触カード機能用コンテンツを取得することが可能となり、クレジットカード処理にさらなる付加価値を付けることが可能となる。その結果、非接触カード機能用コンテンツの提供元のさらなる宣伝効果を発揮させることができる。
【0015】
上記非接触カード機能用コンテンツ配信方法においては、配信バリエーションに対応するパラメータを設定する工程を有し、前記店舗端末は、前記パラメータにしたがって前記クレジットカード処理時に前記コンテンツデータを配信することが好ましい。この方法によれば、クレジットカード処理が行われた際の状況に応じた非接触カード機能用コンテンツを移動体端末装置に配信することができるので、ターゲットを絞った非接触カード機能用コンテンツの配信を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、クレジット管理センターにおいて、非接触カード機能用コンテンツのコンテンツデータの配信先である店舗端末を設定し、移動体端末と店舗端末との間でのクレジットカード処理時に前記コンテンツデータを前記移動体端末に配信するので、移動体端末装置のクレジットカード処理ができる店舗端末で非接触カード機能用コンテンツを取得することが可能となり、クレジットカード処理にさらなる付加価値を付けることが可能となる。その結果、非接触カード機能用コンテンツの提供元のさらなる宣伝効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る非接触カード機能用コンテンツ配信システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおける店舗端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおけるクレジットセンターの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおける移動体端末の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る非接触カード機能用コンテンツ配信方法を説明するためのシーケンス図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る非接触カード機能用コンテンツ配信方法における配信データを説明するための図である。
【図7】(a),(b)は、トルカコンテンツの実体化を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る非接触カード機能用コンテンツ配信システムの概略構成を示す図である。なお、本実施の形態においては、コンテンツデータは、簡易データと、この簡易データに関連付けられた本体データとを含む。
【0019】
図1に示すシステムは、クレジットカード処理を行う店舗端末11を有する加盟店1と、決済部21、アプリ管理部22及びトルカ配信部を有するクレジットセンター2と、加盟店1、クレジットセンター2及びカード会社4との間の中継を行う情報処理センター3とから主に構成されている。加盟店1、クレジットセンター2及び情報処理センター3は、インターネット5のようなネットワークにより接続されており、これらはインターネット5及び移動通信網6を介して移動体端末7に接続されている。また、クレジットセンター2には、カード会社4、加盟店契約会社(アクワイアラ)8及び広告主9がトルカを配信する。また、加盟店1の店舗端末11のリーダ/ライタ(R/W)12は、移動体端末7の非接触ICと非接触通信を行うことができるようになっている。
【0020】
このような構成の非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおいては、クレジット管理センターにおいて、非接触カード機能用コンテンツのコンテンツデータの配信先である店舗端末を設定し、移動体端末と店舗端末との間でのクレジットカード処理時に前記コンテンツデータを前記移動体端末に配信する。
【0021】
情報処理センター3は、加盟店1とカード会社4との間でクレジットに関する情報の中継を行う。例えば、情報処理センター3は、加盟店1の店舗端末11で処理されたクレジットカードの与信照会データをカード会社4に送信し、カード会社4からの与信結果を加盟店1の店舗端末11に送信する。
【0022】
移動体端末7は、非接触カード機能を実行できる機能を備えており、加盟店1のリーダライタ(R/W)12との間で非接触カード通信により情報の送受信を行うことができる。また、移動体端末7は、オペレーティングシステム(移動機OS)を有しており、移動機OS上でブラウザ機能、ビューワ機能、JAM(Java(登録商標) Application Manager)その他の機能が動作する。
【0023】
移動通信網6は、移動体端末7とインターネット5を介してクレジットセンター2とを接続するネットワークである。この移動通信網6には、通常の移動通信網に加えて移動パケット通信網も含まれる。移動通信網6とインターネット5との間には、移動通信センターが存在する。この移動通信センターは、例えばiモード(登録商標)サーバなどを有すると共に、移動通信網6とインターネット5とを結ぶゲートウェイ機能を担っており、具体的には、情報配信機能、メール送受信機能、メール蓄積機能、契約顧客管理機能、情報提供者(Information Provider)管理機能、及び情報料課金機能を有する。ネットワークには、インターネット5をはじめその他のネットワーク、例えばLANやWANなども含まれる。
【0024】
図2は、図1に示す非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおける加盟店1の概略構成を示すブロック図である。加盟店1は、移動体端末7との間で非接触通信を行うことによりクレジットカード処理を行うと共にトルカ配信を行う店舗端末11を有しており、移動体端末7との間の非接触通信はR/W12との間で行われる。また、店舗端末11は、インターネット5を介して情報処理センター3と通信を行う。
【0025】
加盟店1の店舗端末11は、移動体端末7との間でクレジットカード処理を行う場合、R/W12と移動体端末7の非接触IC773との間の非接触通信により、クレジットカード処理を行う。すなわち、移動体端末7から非接触通信により移動体端末7のユーザのクレジットカード情報が店舗端末11に送られ、その情報が与信情報として情報処理センター3を介してカード会社4に送られる。カード会社4からはクレジットカード情報の与信結果が情報処理センター3を介して店舗端末11に送られる。このようなクレジットカード情報の照会が行われた後に決済処理が行われる。この決済処理の情報は、逐次あるいは定期的にクレジットセンター2に送られる。
【0026】
店舗端末11は、クレジットセンター2から配信されたトルカデータを格納部(図示せず)に格納しておき、移動体端末7との間でクレジットカード処理が行われた際に、予め設定されたトルカデータを非接触通信により移動体端末7に送る。この予め設定されたトルカデータには、クレジットセンターから配信される際にパラメータが設定されており、このパラメータは、例えば、クレジットカード処理が行われた時間、ユーザ属性、加盟店属性と関連づけられている。したがって、これらの時刻や属性に応じて、そのパラメータに関連するトルカデータが移動体端末7に送られる。
【0027】
店舗端末11は、トルカデータに対応するパラメータを認識するパラメータ認識部111を有する。パラメータ認識部111は、例えば、クレジットカード処理が行われた時刻、ユーザの属性、加盟店の属性を識別し、その時刻や属性に対応するトルカデータを格納部(図示せず)から抽出する。そして、店舗端末11は、抽出されたトルカデータを非接触通信により移動体端末7に送る。
【0028】
図3は、図1に示す非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおけるクレジットセンター2の概略構成を示すブロック図である。クレジットセンター2は、決済情報を格納する決済サーバ211を有する決済部21と、クレジットカード処理用のアプリケーションを格納するアプリサーバ221を有するアプリ管理部22と、特定の店舗端末11に対してトルカ配信を行うトルカ配信部23とから主に構成されている。トルカ配信部23は、どの加盟店のどの店舗端末にトルカ配信するかを設定する配信設定部231と、トルカ配信する際にトルカデータに関連づけたパラメータを設定するパラメータ設定部232と、トルカデータを格納するトルカサーバ233とを有する。
【0029】
決済部21は、加盟店1の店舗端末11でクレジットカード処理された決済処理の情報(決済情報)を決済サーバ211に格納し、必要に応じて情報処理センター3経由でカード会社4に送る。この決済情報は、加盟店1におけるクレジットカード処理毎に、あるいは特定期間店舗端末11に格納された後にまとめてクレジットセンター2の決済部21に送られる。
【0030】
アプリ管理部22は、クレジット処理に関連するアプリケーションをアプリサーバ221で管理しており、移動体端末7がクレジットサービスに登録する際に、移動体端末7にクレジット用アプリケーションをダウンロードする制御を行う。
【0031】
トルカ配信部23の配信設定部231は、加盟店1の店舗端末11の識別情報を管理しており、その識別情報を用いてトルカ配信する店舗端末11を設定する。なお、配信設定部231において、トルカ配信する店舗端末11を選択する基準については特に制限はない。そして、トルカ配信部23は、配信設定部231で設定された加盟店1の店舗端末11に対して、トルカサーバ233に格納されたトルカデータ(トルカスニップデータ及びトルカ本体データ)を配信する。そして、配信されたトルカデータは、店舗端末11に格納されて、移動体端末7との間の非接触通信により移動体端末7に送られる。トルカサーバ233には、カード会社4、加盟店契約会社8、広告主9などからトルカデータが提供される。なお、トルカデータの提供元としては、これに限定されず、コンテンツプロバイダなどであっても良い。
【0032】
トルカデータが予め設定された店舗端末11に配信される際には、トルカ配信するときの配信パラメータ(配信バリエーション)とトルカデータとが組み合わされて配信される。例えば、クレジットセンター2のトルカ配信部23から加盟店1の店舗端末11に配信する配信データは、トルカ(スニップ)データと、配信バリエーションを示すパラメータとを含む。ここで、配信バリエーションとしては、クレジットカード処理された時刻、ユーザ属性、加盟店属性などのパラメータや、複数種類排出(配信)するか単一排出(配信)するかの別や、ルールに沿った排出かランダムの排出かの別などのパラメータなどが含まれる。なお、これらの配信バリエーションは一例であり、本発明においては、トルカデータの内容と関連づけられるすべてのバリエーションを含む。
【0033】
クレジットセンター2は、情報処理センター3を介して加盟店1の店舗端末11から決済情報を受け取ると共に、トルカデータを店舗端末11に配信する。また、クレジットセンター2は、移動体端末7のユーザがクレジットサービスに登録する際に、アプリケーションを配信する。
【0034】
図4は、図1に示す非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおける移動体端末の概略構成を示すブロック図である。なお、図4に示す構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、通常の移動体端末に搭載される構成要素は備えているものとする。なお、ここでは、非接触カード機能用コンテンツがトルカ(登録商標)コンテンツ(トルカ簡易(スニップ)データ及びトルカ本体データを含む)である場合について説明する。
【0035】
移動体端末7は、装置全体を制御する制御部71と、無線通信の制御を行う通信制御部72と、種々の情報やデータを入力する入力部73と、種々の情報やデータを表示する表示部74と、非接触カード機能用コンテンツデータであるトルカデータ(簡易データ、本体データ)を格納する格納部75と、種々のアプリケーションを起動するアプリ制御部76と、外部R/Wとの間で非接触通信を行う非接触カード部77とから主に構成されている。非接触カード部77は、簡易データであるトルカスニップデータやその他の情報をバッファリングするメモリ771と、非接触通信用のアンテナ772と、非接触カード機能を実現させるためのコントローラを含む非接触IC773とを含む。
【0036】
通信制御部72は、他の移動体端末や別の通信機器との間の無線通信の制御などを行う。また、通信制御部72は、ブラウザ機能やメーラ機能を備えている。したがって、通信制御部72は、トルカスニップデータに含まれる、トルカ本体データを取得するためにアクセスするURLに接続してトルカ本体データをダウンロードする。また、通信制御部72は、ブラウザ機能により、Web上からトルカ本体データをダウンロードすることができる。また、通信制御部72は、トルカ本体データに含まれるURLからWebにリンクする機能、トルカ本体データに含まれる電話番号から発信する機能、トルカ本体データに含まれるメールアドレスからメール送信する機能を備えている。さらに、Java(登録商標)アプリケーションやブラウザは、通信に必要なコマンド、例えばAPI(Application Program Interface)を用いて通信制御部72を介して通信を行い、アプリケーション内部にコンテンツデータそのものが包含されている場合は、そのコンテンツデータを読み取って他のアプリケーションに引き継いだり、URLが記載されている場合はそのURLに基づいて所定のサイトにアクセスしてトルカデータを取得することも可能である。なお、通信制御部72は、光通信、赤外線通信、Bluetooth通信などにも対応できる構成を備えていても良い。
【0037】
表示部74は、ビューワ機能を備えており、取得したトルカデータを表示する。また、表示部74は、トルカデータを所定の表示形式にフォーマットして表示させる。格納部75は、トルカスニップデータやトルカ本体データを格納する。格納部75は、例えばフォルダ管理によりトルカスニップデータやトルカ本体データを抽出し易い形で格納している。アプリ制御部76は、通信制御部72を介して受信したコマンド信号に基づいてアプリケーションを起動する。
【0038】
非接触カード部77は、非接触カード機能により、例えばトルカスニップデータの追加などを行う。非接触カード機能としては、例えばフェリカ(FeliCa:登録商標)などを挙げることができる。非接触カード部77のアンテナ772は、移動体端末7を加盟店1のR/W12にかざしたときに、R/W12からトルカデータ、コマンド情報を取得して所定の処理部に受け渡す。制御部71は、ヘッダ識別機能を有しており、R/W12から取得したデータに付与されたヘッダを識別して所定の処理部に送る。例えば、R/W12から取得したデータがトルカスニップデータであれば、格納部75に送り、R/W12から取得したデータがアプリケーション起動情報であれば、JAM(Java(登録商標) Application Manager、図示せず)に送る。また、制御部71は、移動体端末7に搭載されたクレジットカード情報をR/W12に受け渡してクレジットカード処理を行う。
【0039】
このような構成を有する移動体端末7は、加盟店1のR/W12からトルカスニップデータを取得する場合、R/W12の搬送波を検出した後に、非接触IC773がR/W12との間で通信を開始して、R/W12からトルカスニップデータを取得する。また、トルカスニップデータに含まれるURLに接続することにより、トルカスニップデータに対応するトルカ本体データをダウンロードすることもできる。また、移動体端末7が加盟店1でクレジットカード決済を行う場合には、R/W12の搬送波を検出した後に、非接触IC773がR/W12との間で通信を開始して、R/W12との間でクレジットカード処理を行う。
【0040】
なお、非接触カードを用いた非接触通信とは、赤外線通信や二次元バーコードを利用したデータの送受信などの近距離通信を含む通信方法を意味する。また、非接触カードとは、外部機器との間でデータ送受信を簡易に行うことのできる移動体端末に付随するモジュールである。
【0041】
加盟店1とクレジットセンター2との間は、情報処理センター3を介して決済情報の送受信を行うパスを有する。本発明者らは、このパスを利用して、トルカ配信を行うことにより、クレジットカード処理の際にトルカデータを移動体端末7に提供することができることを見出し本発明をするに至った。したがって、本発明においては、クレジットセンター2の配信設定部231において、トルカデータの配信先である店舗端末11を設定し、移動体端末7と店舗端末11との間でのクレジットカード処理時にトルカデータを移動体端末7に配信する。
【0042】
次に、本発明の実施の形態に係る非接触カード機能用コンテンツを配信方法について図5を用いて説明する。
【0043】
まず、加盟店契約会社8がクレジットセンター2のトルカ配信部23に対して所定のトルカデータを配信する(ST11)。この場合、加盟店契約会社8がクレジットセンター2にトルカデータを配信する方法については、インターネットを介して行っても良く、インターネットを介さずに行っても良い。次いで、クレジットセンター2のトルカ配信部23の配信設定部231においては、トルカデータの配信先である店舗端末11を設定する(ST12)。なお、このとき、配信先を設定する際の基準については特に制限はない。また、ここでは、加盟店契約会社8がトルカ配信部23にトルカデータを配信する場合について説明しているが、カード会社4や広告主9がトルカ配信部23にトルカデータを配信しても良い。
【0044】
また、トルカデータの配信は、加盟店1からの依頼に基づくものであっても良い。このようにクレジットセンター2でトルカデータを取り纏めて配信することにより、各店舗端末1においてトルカデータの更新を個々に行わなくても、スケジュール通りの配信が容易に行うことができる。特に、チェーン店や商店街などの場合、この方式により、同様のトルカデータを配信する際に更新作業を効率化することができる。
【0045】
また、クレジットセンター2で配信するトルカデータをそのまま用いずに、店舗端末1でさらに変更を加えて用いるようにしても良い。例えば、商店街のセール期間に配布するトルカとして10%割引クーポンのトルカデータがクレジットセンター2から店舗端末1に送信された場合、ある店舗端末では15%割引クーポンにして配布するようトルカデータを変更してから用いるようにしても良い。この場合、店舗端末で変更可能な割引率の範囲は10%〜19%とするなどして、店舗端末での変更に制限を加えることとしても良い。
【0046】
次いで、トルカ配信部23は、配信設定部231で設定された店舗端末11にトルカデータを配信する。この場合、パラメータ設定部232において、トルカデータに対応する配信バリエーション(パラメータ)を設定し、図6に示すようにトルカデータ(トルカスニップデータ)と配信バリエーションとを組み合わせて配信データとして店舗端末11に配信する。また、配信データは、まず、クレジットセンター2のトルカ配信部23から情報処理センター3に配信され(ST13)、その後、情報処理センター3から加盟店1の店舗端末11に書き込まれる(ST14)。このようにして、配信データは、店舗端末11の格納部に格納される。
【0047】
移動体端末7が加盟店1の店舗端末11との間でクレジットカード処理(決済)を行うと、すなわち、店舗端末11のR/W12と移動体端末7の非接触IC773との間で非接触通信を行うと、店舗端末11は、決済を行った際の状況に応じたトルカデータを移動体端末7に配信する。このようにして移動体端末7がトルカデータを取得する(ST15)。具体的には、店舗端末11のR/W12は、所定の搬送波の情報信号を常時報知している。このR/W12に移動体端末7を近づけると、移動体端末7の非接触IC773が情報信号を検出する。情報信号は電磁波であるので、この電磁波により非接触IC773が起動する。そして、R/W12は、非接触IC773との間でクレジットカード処理を行うと共に、トルカデータ(トルカスニップデータ)を非接触IC773に送信する。移動体端末7側では、トルカデータを取得して格納部75に格納する。トルカデータを取得した移動体端末7においては、表示部74でトルカスニップデータを表示する(ST16)。
【0048】
店舗端末11が移動体端末7にトルカ配信を行う際には、店舗端末11のパラメータ認識部111が、クレジットカード処理が行われた際の状況に応じた配信データにおける配信バリエーションを抽出し、その配信バリエーションに関連づけられたトルカデータを移動体端末7に配信する。例えば、午前中という配信バリエーションとパン割引クーポンというトルカデータとが関連づけられている場合に、午前中に買い物をした場合、クレジットカード処理の際にパン割引クーポンのトルカデータが移動体端末7に配信される。ユーザがパン割引クーポンを取得する場合には、表示部74に表示された図7(a)に示すようなトルカスニップデータの詳細情報をクリックして図7(b)に示すようなトルカ本体データを取得して表示部74に表示させる(ST17,ST18)。
【0049】
このように、本発明に係る非接触カード機能用コンテンツ配信システムにおいては、クレジットセンター2において、トルカデータの配信先である店舗端末11を設定し、移動体端末7と店舗端末11との間でのクレジットカード処理時にトルカデータを移動体端末7に配信する。このため、移動体端末7のクレジットカード処理ができる店舗端末11でトルカデータを取得することが可能となる。また、この場合において、クレジットカード処理が行われた際の状況に応じたトルカデータを移動体端末7に配信することができるので、ターゲットを絞ったトルカ配信を行うことが可能となる。
【0050】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態においては、非接触カードを利用したデータの送受信について説明しているが、本発明においては、二次元バーコード、赤外線通信、Bluetooth通信を利用したデータの送受信を利用しても良い。例えば、二次元バーコードを用いる場合、店舗端末のR/Wはトルカデータを二次元バーコードに変換して表示し、移動体端末がカメラ撮影を行うことで二次元バーコードを移動体端末へ保存する。これにより、移動体端末へのトルカデータの配信が行われることになる。このとき、二次元バーコードをデコードした状態で移動体端末へ保存しても良い。
【0051】
上記実施の形態で説明した構成に限定されず、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて配信バリエーション、画面表示のレイアウトなどについて適宜変更して実施することが可能である。上記実施の形態においては、非接触カード機能用コンテンツがトルカコンテンツである場合について説明しているが、本発明は非接触カード機能用コンテンツがトルカコンテンツ以外の非接触カード機能用コンテンツである場合にも同様に適用することができる。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 加盟店
2 クレジットセンター
3 情報処理センター
4 カード会社
5 インターネット
6 移動通信網
7 移動体端末
8 加盟店契約会社
9 広告主
11 店舗端末
12 R/W
21 決済部
22 アプリ制御部
23 トルカ配信部
71 制御部
72 通信制御部
73 入力部
74 表示部
75 格納部
76 アプリ制御部
77 非接触カード部
111 パラメータ認識部
231 配信設定部
232 パラメータ設定部
233 トルカサーバ
773 非接触IC


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーダ/ライタを有し、非接触カード機能を有する移動体端末との間で非接触通信してクレジットカード処理を行う店舗端末と、前記店舗端末に通信網経由で非接触カード機能用コンテンツを配信するコンテンツ配信部と、を備えた非接触カード機能用コンテンツ配信システムであって、
前記コンテンツ配信部は、
前記店舗端末へ配信する非接触カード機能用コンテンツ毎に、決済金額別、商品別、決済時間帯別、加盟店住所別を少なくともいずれか1つ含む各種配信バリエーションの中から当該非接触カード機能用コンテンツと関連のある配信バリエーションを設定し、前記非接触カード機能用コンテンツと当該非接触カード機能用コンテンツに設定された配信バリエーションと、が組み合わされた非接触カード機能用コンテンツデータを、前記店舗端末へ配信し、
前記店舗端末は、
前記コンテンツ配信部から配信された前記非接触カード機能用コンテンツと前記配信バリエーションとが組み合わされた非接触カード機能用コンテンツデータを格納部に格納し、前記店舗端末のリーダ/ライタに前記移動体端末をかざして前記非接触通信により当該店舗端末と前記移動体端末との間でクレジットカード処理が行われた際に、前記格納部に格納されている各種非接触カード機能用コンテンツデータの中から当該クレジットカード処理が行われた際の状況に対応した配信バリエーションを抽出し、抽出した配信バリエーションの設定されている非接触カード機能用コンテンツを前記格納部から抽出し、抽出した非接触カード機能用コンテンツを前記非接触通信により前記移動体端末に配信する、
ことを特徴とする非接触カード機能用コンテンツ配信システム。
【請求項2】
リーダ/ライタを有し、非接触カード機能を有する移動体端末との間で非接触通信してクレジットカード処理を行う店舗端末と、前記店舗端末に通信網経由で非接触カード機能用コンテンツを配信するコンテンツ配信部と、を備えたシステムにおける非接触カード機能用コンテンツ配信方法であって、
前記コンテンツ配信部が、前記店舗端末へ配信する非接触カード機能用コンテンツ毎に、決済金額別、商品別、決済時間帯別、加盟店住所別を少なくともいずれか1つ含む各種配信バリエーションの中から当該非接触カード機能用コンテンツと関連のある配信バリエーションを設定し、前記非接触カード機能用コンテンツと当該非接触カード機能用コンテンツに設定された配信バリエーションと、が組み合わされた非接触カード機能用コンテンツデータを、前記店舗端末へ配信する工程と、
前記店舗端末が前記コンテンツ配信部から配信された前記非接触カード機能用コンテンツと前記配信バリエーションとが組み合わされた非接触カード機能用コンテンツデータを格納部に格納する工程と、
前記店舗端末が、前記リーダ/ライタにかざした前記移動体端末との前記非接触通信により当該店舗端末と前記移動体端末との間でクレジットカード処理が行われた際に、前記格納部に格納されている各種非接触カード機能用コンテンツデータの中から当該クレジットカード処理が行われた際の状況に対応した配信バリエーションを抽出し、抽出した配信バリエーションの設定された非接触カード機能用コンテンツを前記格納部から抽出し、抽出した非接触カード機能用コンテンツを前記非接触通信により前記移動体端末に配信する工程と、
を具備することを特徴とする非接触カード機能用コンテンツ配信方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−205271(P2010−205271A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57916(P2010−57916)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【分割の表示】特願2006−285243(P2006−285243)の分割
【原出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】