説明

非接触型データ受送信体およびこれを用いた重量物検知装置

【課題】異なる2つの電波の指向性を備え、使用方法によって、アンテナの指向性を変えることができる非接触型データ受送信体およびこれを用いた重量物検知装置を提供する。
【解決手段】本発明の非接触型データ受送信体10は、第一部材11と第二部材12の境界13を起点として折り畳まれた基材14と、互いに電気的に接続されたアンテナ15およびICチップ16と、を備え、境界13の近傍に離隔部材17が配設され、第一部材11の一方の面11aにアンテナ15を構成する放射素子15BとICチップ16とが設けられ、第二部材12の一方の面12aにアンテナ15を構成する導波素子15Aおよび反射素子15Cが設けられ、2つの部材が重ね合わせられた場合、2つの部材が重ね合わせられた面にて、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cが所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電波を媒体とし、非接触状態にて、外部から情報を受信し、また外部に情報を送信できるようにした非接触型データ受送信体およびこれを用いた重量物検知装置に関し、特に、異なる2つの電波の指向性を備えた非接触型データ受送信体およびこれを用いた重量物検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非接触型データ受送信体の一例であるICカードは、基材と、その一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとから構成されるインレットを備えており、情報書込/読出装置からの電波を受信すると共振作用によりアンテナに起電力が発生し、この起電力によりICカード内のICチップが起動し、このICチップ内の情報を信号化し、この信号がICカードのアンテナから発信される。
ICカードから発信された信号は、情報書込/読出装置のアンテナで受信され、コントローラーを介してデータ処理装置へ送られ、識別などのデータ処理が行われる。
【0003】
従来、このようなICカードなどは、情報書込/読出装置との間で、特定の周波数の電波を介在させてデータのやり取りを行うために、予めアンテナの共振周波数が定められている。
しかしながら、対象とする周波数帯に応じて、複数のICカードを所持することは面倒であるばかりでなく、置き忘れなどの事故が生じることがあるため、異なる2つ以上の周波数帯で通信可能なICカードが望まれていた。
そこで、例えば、カード本体にICチップとアンテナコイルを搭載してなり、アンテナコイルのインダクタンスを、カード本体を折り畳んだ状態と折り畳まない状態とで変化させることにより、異なる通信周波数を得たICカードが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このICカードによれば、カード本体の折り畳み状態と、非折り畳み状態とで異なる通信周波数を得ることができ、例えば、折り畳み状態を送受信可能にし、非折り畳み状態を送受信不可能にすることができる。
ところで、ICカードなどを用いた個体の認識や検知では、その機密性や確実性などを向上するために、ICカードなどには、使用方法によって、異なる2つの電波の指向性を示すことが望まれている。
しかしながら、特許文献1のICカードは、カード本体の折り畳み状態と、非折り畳み状態とで異なる通信周波数を得ることができるものの、アンテナの指向性まで変えることはできなかった。
【0005】
また、アンテナの指向性を制御するために、アンテナとして八木アンテナを用いたRFIDデータキャリアが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に記載されているRFIDデータキャリアは、絶縁性の基材上において、放射器と、この放射器を挟んだ両側に導波器とが形成されているため、アンテナの指向性は一方向に固定されており、RFIDデータキャリア形成後に、アンテナの指向性を変えることはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−5494号公報
【特許文献2】特許第4379875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、異なる2つの電波の指向性を備え、使用方法によって、アンテナの指向性を変えることができる非接触型データ受送信体およびこれを用いた重量物検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の非接触型データ受送信体は、連接された第一部材および第二部材を有し、これら2つの部材の境界を起点として折り畳まれた基材と、該基材に設けられ、互いに電気的に接続されたアンテナおよびICチップと、を備えた非接触型データ受送信体であって、前記境界および/またはその近傍に、前記2つの部材を、前記境界を起点として離隔する離隔手段が設けられ、前記アンテナは、前記第一部材の一方の面または他方の面、並びに、前記第二部材の一方の面または他方の面に沿って設けられ、前記第一部材の一方の面または他方の面に、前記アンテナを構成する放射素子と、該放射素子と直接接続された前記ICチップとが設けられ、前記第二部材の一方の面または他方の面に、前記アンテナを構成する導波素子および反射素子が設けられ、前記2つの部材が重ね合わせられた場合、前記2つの部材の重ね合わせられた面に沿って、前記導波素子、前記放射素子および前記反射素子が所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されることを特徴とする。
【0009】
前記離隔手段は、弾性変形可能な部材および/または弾性変形可能な材質からなることが好ましい。
【0010】
本発明の非接触型データ受送信体は、連接する第一領域と第二領域を有し、これら2つの領域の境界を起点とし、これら2つの領域が離隔するように折り曲げられた基材と、該基材に設けられ、互いに電気的に接続されたアンテナおよびICチップと、を備えた非接触型データ受送信体であって、前記アンテナは、前記第一領域の一方の面または他方の面、並びに、前記第二領域の一方の面または他方の面に沿って設けられ、前記第一領域の一方の面または他方の面に、前記アンテナを構成する放射素子と、該放射素子と直接接続された前記ICチップとが設けられ、前記第二領域の一方の面または他方の面に、前記アンテナを構成する導波素子および反射素子が設けられ、前記2つの領域が重ね合わせられた場合、前記2つの領域の重ね合わせられた面に沿って、前記導波素子、前記放射素子および前記反射素子が所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されることを特徴とする。
【0011】
本発明の重量物検知装置は、本発明の非接触型データ受送信体と、該記非接触型データ受送信体に対する情報の書込みまたは読み出しを行う情報書込/読出装置とを備え、対象物上への重量物の載置を検知する重量物検知装置であって、前記非接触型データ受送信体上に重量物が載置されて、前記2つの部材または前記2つの領域が重ね合わせられた場合、前記2つの部材または前記2つの領域の重ね合わせられた面の延長線上であり、前記導波素子、前記放射素子および前記反射素子の長手方向と垂直な方向、かつ、前記導波素子側の方向となる位置に、前記情報書込/読出装置のアンテナが配置されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の非接触型データ受送信体によれば、基材が、連接された2つの部材の境界を起点として折り畳まれ、かつ、2つの部材が所定の間隔を隔てて離隔している状態では、アンテナの電波の方向(電波の指向性)は、第一部材の厚み方向であり、一方、2つの部材を密着させた状態では、2つの部材の重ね合わせられた面に沿って、導波素子、放射素子および反射素子が所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されてなるアンテナが形成されるので、そのアンテナの電波の方向(電波の指向性)は、導波素子、放射素子および反射素子の長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子側の方向となる。このように、基材を構成する第一部材に対する第二部材の配置を変えることにより、アンテナは異なる2つの指向性を示すことができる。
【0013】
また、本発明の非接触型データ受送信体によれば、基材が、連接する2つの領域の境界を起点とし、これら2つの領域が離隔するように折り曲げられている状態では、アンテナの電波の方向(電波の指向性)は、第一領域の厚み方向であり、一方、2つの領域を密着させた状態では、2つの領域の重ね合わせられた面に沿って、導波素子、放射素子および反射素子が所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されてなるアンテナが形成されるので、そのアンテナの電波の方向(電波の指向性)は、導波素子、放射素子および反射素子の長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子側の方向となる。このように、基材を構成する第一領域に対する第二領域の配置を変えることにより、アンテナは異なる2つの指向性を示すことができる。
【0014】
本発明の重量物検知装置によれば、本発明の非接触型データ受送信体を用いて、非接触型データ受送信体の上に重量物が載置された場合と、載置されていない場合とでは、アンテナの指向性が変化することを利用することにより、重量物が所定の位置に載置されていること、あるいは、重量物が上積みの禁止されている物品などの上に載ったことを検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態の使用方法を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図3】本発明の重量物検知装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
【図4】本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。
【図5】本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態の使用方法を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図である。
【図6】本発明の非接触型データ受送信体の第三の実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のE−E線に沿う断面図である。
【図7】本発明の非接触型データ受送信体の第三の実施形態の使用方法を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の非接触型データ受送信体およびこれを用いた重量物検知装置の実施の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0017】
(1)第一の実施形態
「非接触型データ受送信体」
図1は、本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。図2は、本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態の使用方法を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、連接された第一部材11および第二部材12からなり、これら2つの部材の境界13を起点として折り畳まれた基材14と、基材14に設けられ、互いに電気的に接続されたアンテナ15およびICチップ16と、境界13の近傍に設けられた離隔部材17と、2つの部材を連接する粘着性基材18とから概略構成されている。
【0018】
基材14は、互いに形状がほぼ等しい平面視長方形状の第一部材11と平面視長方形状の第二部材12が重ね合わせられた状態で、それぞれの一端部11c,12cにおいて、第一部材11の第二部材12と対向する面(以下、「一方の面」と言う。)11aとは反対側の面(以下、「他方の面」と言う。)11bから、第二部材12の第一部材11と対向する面(以下、「一方の面」と言う。)12aとは反対側の面(以下、「他方の面」と言う。)12bに渡って貼設された粘着性基材18によって接続されてなるものである。したがって、基材14では、第一部材11と第二部材12が、それぞれの一端でのみ接続されており、その接線を境界13とし、その境界13を起点として、第一部材11と第二部材12が離隔可能となっている。
【0019】
第一部材11と第二部材12の境界13の近傍には、境界13をなす第一部材11と第二部材12の辺に沿って延在するとともに、境界13を起点として折り畳まれた第一部材11と第二部材12を、所定の間隔を隔てて離隔する離隔部材17が設けられている。
この離隔部材17は、第一部材11と第二部材12の一辺と長さがほぼ等しい円柱状をなしており、その径方向に弾性変形可能な部材から構成されている。したがって、第一部材11と第二部材12を重ね合わせる方向に外力を加えることにより、離隔部材17が撓んで変形して、第一部材11の一方の面11aと第二部材12の一方の面12aを密着させることができる。一方、第一部材11と第二部材12を重ね合わせる方向に加えていた外力を開放すると、離隔部材17が元の形状に復元するため、第一部材11と第二部材12が所定の間隔を隔てて離隔した状態に戻る。
【0020】
なお、ここで、基材14、すなわち、第一部材11と第二部材12を、境界13を起点として折り畳むとは、離隔部材17を介して、第一部材11と第二部材12を所定の間隔を隔てて近接させることを言うのであり、第一部材11と第二部材12を密着させることを言うのではない。
【0021】
アンテナ15は、各種導電体からなり、第一部材11の一方の面11aに設けられた放射素子15Bと、第二部材12の一方の面12aに、互いに所定の間隔を隔てて設けられた導波素子15Aおよび反射素子15Cとから構成されている。
詳細には、放射素子15Bは、第一部材11の一方の面11aの中央部に、第一部材11における境界13をなす辺に平行に延在するように設けられている。
一方、導波素子15Aと反射素子15Cは、第二部材12の一方の面12aの両縁部側に、第二部材12における境界13をなす辺に平行に延在するように設けられている。
【0022】
さらに、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cは、互いに長さが異なっており、この順に長さが長くなっている。すなわち、放射素子15Bを基準にして、その全長をLとすると、導波素子15Aの全長は全長L−αと表され、全長Lよりも僅かに短くなっており、一方、反射素子15Cの全長は、全長L+αと表され、全長Lよりも僅かに長くなっている。
【0023】
また、図2に示すように、第一部材11と第二部材12が重ね合わせられた場合、すなわち、第一部材11の一方の面11aと第二部材12の一方の面12aが密着された場合、第一部材11と第二部材12が重ね合わせられた面(図2において、第一部材11の一方の面11aおよび第二部材12の一方の面12a)に沿って、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cが所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されるように、2つの部材それぞれに導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cが設けられている。なお、図2では、各構成要素の位置関係を分かりやすくするために、第一部材11と第二部材12の間に隙間が生じているが、実際には、アンテナ15やICチップ16は厚みが非常に薄いものであるから、第一部材11と第二部材12を密着させることができる。
そして、このように第一部材11の一方の面11aおよび第二部材12の一方の面12aにて、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cが所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されることにより、アンテナ15はこれらの素子から構成される八木アンテナを形成する。
【0024】
また、放射素子15Bは、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点を有する一対の帯状の導電体からなるダイポールアンテナであり、給電点でICチップ16と直接接続されている。
なお、ICチップ16は、第一部材11の一方の面11aの中央部において、放射素子15Bの下(放射素子15Bよりも第一部材11の一方の面11a側)に配設されている。これにより、ICチップ16は、放射素子15Bによって保護されている。
【0025】
放射素子15Bの長手方向における長さは、非接触ICカードなどの非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長(λ)に相当する長さである。すなわち、放射素子15Bをなす一対の導電体の長手方向における長さは、1/4波長(λ)に相当する長さである。
また、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cのピッチ(長手方向に沿う中心線同士の間隔)は、1/4波長(λ)〜1/5波長(λ)である。
【0026】
ここで、例えば、アンテナ15がUHF帯(952〜955MHz)対応のアンテナである場合、放射素子15Bの全長Lは、λ/2=300/周波数(952〜955MHz)/2=約15.74cmとなる。
また、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cのピッチ(長手方向に沿う中心線同士の間隔)は、約7cmとなる。
なお、実用上、通信距離をさほど必要としない場合、λ/2は必須ではなく、全体として小型化することができる。例えば、放射素子15Bの全長はλ/2が理想であるが、λ/4でも構わず、その場合、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cのピッチも全て1/2サイズになる。また、同様にして、放射素子15Bの全長をλ/8としてもよく、その場合、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cのピッチも全て1/4サイズになる。
【0027】
このような構成のアンテナ15は、第一部材11と第二部材12が重ね合わせられた場合、第一部材11の一端部11cおよび第二部材12の一端部12cから、第一部材11の他端部11dおよび第二部材12の他端部12dへ向かう方向、すなわち、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cの長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子15A側の方向に指向性のあるアンテナである。
【0028】
基材14としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;段ボールなどの厚紙からなる基材などが用いられる。
【0029】
基材14の厚みは、特に限定されないが、非接触型データ受送信体10が適用される物品が金属製物品であっても、情報書込/読出装置からの電波を受信して、アンテナ15に起電力が生じるためには、アンテナ15と金属製物品が離隔している必要があるため、0.3mm〜2.0mmであることが好ましい。
【0030】
アンテナ15は、第一部材11の一方の面11aおよび第二部材12の一方の面12aに、ポリマー型導電インクを用いて所定のパターン状にスクリーン印刷により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0031】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
【0032】
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度でアンテナ15をなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。アンテナ15をなす塗膜の電気の流れる経路は、塗膜をなす導電微粒子が互いに接触することによる形成され、この塗膜の抵抗値は10-5Ω・cmオーダーである。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
【0033】
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型かあるいは架橋/熱可塑併用型(ただし熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特にポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型かあるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0034】
また、アンテナ15をなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
さらに、アンテナ15をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
【0035】
ICチップ16としては、特に限定されず、アンテナ15を介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能なものであれば、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは、非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0036】
離隔部材17としては、その径方向に弾性変形可能な材質からなる部材であれば特に限定されないが、例えば、各種スポンジからなる部材、各種ゴムからなる部材などが用いられる。
【0037】
粘着性基材18としては、片面(第一部材11と第二部材12への貼着面)に粘着剤が設けられたフィルム状またはシート状のものであれば特に限定されないが、例えば、粘着テープなどが用いられる。
【0038】
次に、図1および2を参照して、非接触型データ受送信体10の使用方法を説明するとともに、非接触型データ受送信体10の作用を説明する。
非接触型データ受送信体10は、図1に示す状態、すなわち、基材14が、第一部材11および第二部材12の境界13を起点として折り畳まれ、かつ、第一部材11と第二部材12が所定の間隔を隔てて離隔している状態では、アンテナ15の放射素子15Bは、単独でダイポールアンテナとして機能するので、そのダイポールアンテナの電波の方向(電波の指向性)は、第一部材11の厚み方向である(第一の指向性)。したがって、この状態では、非接触型データ受送信体10に対して、第一部材11の厚み方向からのみ、情報書込/読出装置による情報の書込みまたは読み出しができる。すなわち、第一部材11の厚み方向以外の方向では、非接触型データ受送信体10に対して、その方向における情報書込/読出装置との通信距離が著しく短くなる。
【0039】
一方、非接触型データ受送信体10は、図2に示した状態、すなわち、第一部材11と第二部材12を重ね合わせる方向に外力を加えて、第一部材11の一方の面11aと第二部材12の一方の面12aを密着させた状態では、第一部材11の一方の面11aおよび第二部材12の一方の面12aにて、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cから構成される八木アンテナが形成されるので、その八木アンテナの電波の方向(電波の指向性)は、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cの長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子15A側の方向となる。したがって、この状態では、非接触型データ受送信体10に対して、第一部材11の他端部11dおよび第二部材12の他端部12d側からのみ、情報書込/読出装置による情報の書込みまたは読み出しができる。すなわち、第一部材11の一方の面11aおよび第二部材12の一方の面12aに沿う方向以外の方向では、非接触型データ受送信体10に対して、その方向における情報書込/読出装置との通信距離が著しく短くなる。
【0040】
このように、第一部材11に対する第二部材12の配置を変えることにより、アンテナ15は異なる2つの指向性、すなわち、第一部材11の厚み方向の指向性(第一の指向性)、または、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cの長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子15A側の方向の指向性(第二の指向性)を示すことができる。
【0041】
なお、この実施形態では、離隔部材17として、円柱状の部材を用いたが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一部材と第二部材を重ね合わせる方向に外力を加えない状態では、これら2つの部材を所定の間隔を隔てて離隔することができ、一方、第一部材と第二部材を重ね合わせる方向に外力を加えた状態では、第一部材の一方の面と第二部材の一方の面を密着させることができる形状であれば、離隔部材の形状はいかなる形状であってもよい。
また、この実施形態では、弾性変形可能な部材として、離隔部材17を用い、この離隔部材17を、第一部材11と第二部材12の境界13の近傍に配設した非接触型データ受送信体10を例示したが、この実施形態の非接触型データ受送信体10はこれに限定されない。この実施形態の非接触型データ受送信体10にあっては、第一部材11と第二部材12を離隔する離隔手段として、金属や硬質樹脂などからなるV字状の板バネを用い、この板バネで、第一部材11と第二部材12の境界部を形成してもよい。また、離隔手段として板バネを用いる場合、その板バネの剛性は、非接触型データ受送信体10に求められる耐荷重に応じて適宜選択される。
【0042】
また、この実施形態では、ICチップ16が、第一部材11の一方の面11aの中央部において、放射素子15Bよりも第一部材11の一方の面11a側に配設された非接触型データ受送信体10を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一部材の一方の面において、ICチップが放射素子よりも外側に配設されていてもよい。
【0043】
また、この実施形態では、放射素子15Bが第一部材11における境界13をなす辺に平行に延在するように設けられ、かつ、導波素子15Aと反射素子15Cが第二部材12における境界13をなす辺に平行に延在するように設けられた非接触型データ受送信体10を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一部材の一方の面に放射素子が設けられ、第二部材の一方の面に導波素子および反射素子が設けられ、第一部材と第二部材を重ね合わせた場合、第一部材と第二部材が重ね合わせられた面に沿って、導波素子、放射素子および反射素子が並列に配置されるように、2つの部材それぞれに導波素子、放射素子および反射素子が設けられていれば、これらの素子が第一部材または第二部材における境界をなす辺に平行に延在していなくてもよい。
【0044】
また、この実施形態では、第一部材11と第二部材12を重ね合わせた場合、第一部材11の一方の面11aと第二部材12の一方の面12aを密着させた状態を維持するための手段が設けられていない非接触型データ受送信体10を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一部材の一方の面と第二部材の一方の面を密着させた状態を一時的に維持するための手段として、第一部材の一方の面および/または第二部材の一方の面に、剥離後も再貼付可能な粘着剤からなる粘着層が設けられていてもよい。このような粘着剤としては、アクリル樹脂系粘着剤を水性エマルジョン化したものが用いられる。
【0045】
「重量物検知装置」
図3は、本発明の重量物検知装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
この実施形態の重量物検知装置20は、上述の非接触型データ受送信体10と、非接触型データ受送信体10に対する情報の書込みまたは読み出しを行う情報書込/読出装置21とから概略構成されている。
【0046】
非接触型データ受送信体10は、棚板などからなる平板23の一方の面(上面)23aに配設されている。
また、非接触型データ受送信体10の第一部材11と第二部材12が重ね合わせられた場合、すなわち、第一部材11の一方の面11aと第二部材12の一方の面12aが密着された場合、第一部材11と第二部材12が重ね合わせられた面(図3において、第一部材11の一方の面11aおよび第二部材12の一方の面12a)の延長線上であり、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cの長手方向と垂直な方向、かつ、導波素子15A側の方向となる位置に、非接触型データ受送信体10と所定の間隔を隔てて情報書込/読出装置21およびそのアンテナ22が配置されている。
【0047】
次に、図1〜3を参照して、重量物検知装置20の使用方法を説明するとともに、重量物検知装置20の作用を説明する。
(第一の使用方法)
ここでは、重量物30が所定の場所に存在していることを確認(検知)する場合を説明する。すなわち、正常な状態では、図3に示すように、重量物30は、平板23の上面23aに配設された非接触型データ受送信体10上に載置されているものとする。
この状態では、上述のように、非接触型データ受送信体10の第一部材11の一方の面11aと第二部材12の一方の面12aが密着しているので、第一部材11の一方の面11aおよび第二部材12の一方の面12aにて、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cから構成され、これら3つの素子の長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子15A側の方向に指向性を有する八木アンテナが形成されるから、非接触型データ受送信体10に対して、第一部材11と第二部材12が重ね合わせられた面(図3において、第一部材11の一方の面11aおよび第二部材12の一方の面12a)の延長線上であり、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cの長手方向と垂直な方向、かつ、導波素子15A側の方向となる位置に配置された情報書込/読出装置21による情報の書込みまたは読み出しができる。これにより、重量物30が、正常に非接触型データ受送信体10上に載置されていること、すなわち、重量物30が所定の位置に載置されていることを検知できる。
【0048】
一方、重量物30に外力が加えられて、重量物30が非接触型データ受送信体10上から移動した場合、例えば、重量物30が持ち去られた場合、非接触型データ受送信体10は重量物30から解放されて、図1に示すように、第一部材11と第二部材12が所定の間隔を隔てて離隔している状態に戻るため、非接触型データ受送信体10に対して、上記の位置に配置された情報書込/読出装置21による情報の書込みまたは読み出しができなくなる。これにより、重量物30が、非接触型データ受送信体10上に載置されていないこと、すなわち、重量物30が所定の位置に載置されていないことを検知できる。
【0049】
このように、重量物検知装置20によれば、例えば、重量物30が持ち去られたことを検知できる。そこで、例えば、情報書込/読出装置21によって、非接触型データ受送信体10からの信号(電波)を受信できなくなった時に、警報を発するための警報器や警光灯などを設ければ、重量物検知装置20を、盗難防止装置にも適用することができる。
【0050】
なお、非接触型データ受送信体10が、図1に示すように、第一部材11と第二部材12が所定の間隔を隔てて離隔している状態のとき、非接触型データ受送信体10は、アンテナ15の放射素子15Bの電波の方向(電波の指向性)は、第一部材11の厚み方向である。したがって、例えば、情報書込/読出装置21とは別の装置、あるいは、情報書込/読出装置21に備えられ、アンテナ22よりも非接触型データ受送信体10と近接した位置に配置され、アンテナ22とは別体のアンテナにより、第一部材11の厚み方向から、非接触型データ受送信体10に対して、必要な情報(重量物30に関する情報など)の書込みまたは読み出しを行ってもよい。すなわち、第一部材11と第二部材12が密着している状態では、情報書込/読出装置21のアンテナ22により、非接触型データ受送信体10との通信を可能とし、一方、第一部材11と第二部材12が離隔している状態では、情報書込/読出装置21とは別の装置、あるいは、アンテナ22とは別体のアンテナにより、非接触型データ受送信体10との通信を可能とすることもできる。
【0051】
(第二の使用方法)
ここでは、重量物30が、上積みが禁止されている物品(以下、「物品α」とする。)の上に載置されたことを確認(検知)する場合を説明する。ここでは、仮に、平板23を物品αとする。
平板23(物品α)の上面23aに配設された非接触型データ受送信体10上に何も載置されていない場合、図1に示すように、第一部材11と第二部材12が所定の間隔を隔てて離隔しているので、非接触型データ受送信体10に対して、上記の位置に配置された情報書込/読出装置21による情報の書込みまたは読み出しができない。これにより、重量物30が、非接触型データ受送信体10上に載置されていないこと、すなわち、重量物30が平板23(物品α)上に載置されていないことを検知できる。
【0052】
一方、図3に示すように、重量物30が、平板23(物品α)の上面23aに配設された非接触型データ受送信体10上に載置された場合、上述のように、第一部材11の一方の面11aと第二部材12の一方の面12aが密着して、第一部材11の一方の面11aおよび第二部材12の一方の面12aにて、導波素子15A、放射素子15Bおよび反射素子15Cから構成される八木アンテナが形成されるから、非接触型データ受送信体10に対して、上記の位置に配置された情報書込/読出装置21による情報の書込みまたは読み出しができるようになる。これにより、重量物30が、非接触型データ受送信体10上に載置されたこと、すなわち、重量物30が平板23(物品α)の上に載置されたことを検知できる。
【0053】
(2)第二の実施形態
図4は、本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。図5は、本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態の使用方法を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体40は、連接された第一部材41および第二部材42からなり、これら2つの部材の境界43を起点として折り畳まれた基材44と、基材44に設けられ、互いに電気的に接続されたアンテナ45およびICチップ46と、境界43の近傍に設けられた離隔部材47と、2つの部材を連接する粘着性基材48とから概略構成されている。
【0054】
基材44は、上述の第一の実施形態における基材14と同様に、第一部材41と第二部材42が重ね合わせられた状態で、それぞれの一端部41c,42cにおいて、第一部材41の他方の面41bから、第二部材42の他方の面42bに渡って貼設された粘着性基材48によって接続されてなるものである。したがって、基材44では、第一部材41と第二部材42が、それぞれの一端でのみ接続されており、その境界43を起点として、互いに離隔可能となっている。
【0055】
第一部材41と第二部材42の境界43の近傍には、境界43をなす第一部材41と第二部材42の辺に沿って延在するとともに、境界43を起点として折り畳まれた第一部材41と第二部材42を、所定の間隔を隔てて離隔する離隔部材47が設けられている。
この離隔部材47は、第一部材41と第二部材42の一辺と長さがほぼ等しい円柱状をなしており、その径方向に弾性変形可能な部材から構成されている。
【0056】
アンテナ45は、各種導電体からなり、第一部材41の他方の面41bに設けられた放射素子45Bと、第二部材42の一方の面42aに、互いに所定の間隔を隔てて設けられた導波素子45Aおよび反射素子45Cとから構成されている。
詳細には、放射素子45Bは、第一部材41の他方の面41bの中央部に、第一部材41における境界43をなす辺に平行に延在するように設けられている。
一方、導波素子45Aと反射素子45Cは、第二部材42の一方の面42aの両縁部側に、第二部材42における境界43をなす辺に平行に延在するように設けられている。さらに、導波素子45Aは、第一部材41と厚みがほぼ等しい帯状の基材などからなる基台49Aを介して、第二部材42の一方の面42aに設けられている。同様に、反射素子45Cは、第一部材41と厚みがほぼ等しい帯状の基材などからなる基台49Cを介して、第二部材42の一方の面42aに設けられている。
【0057】
また、導波素子45A、放射素子45Bおよび反射素子45Cは、互いに長さが異なっており、この順に長さが長くなっている。すなわち、放射素子45Bを基準にして、その全長をLとすると、導波素子45Aの全長は全長L−αと表され、全長Lよりも僅かに短くなっており、一方、反射素子45Cの全長は、全長L+αと表され、全長Lよりも僅かに長くなっている。
【0058】
第一部材41には、第二部材42の一方の面42aに設けられた基台49Aと形状がほぼ等しく、第一部材41を厚み方向に貫通する貫通孔50Aと、第二部材42の一方の面42aに設けられた基台49Cと形状がほぼ等しく、第一部材41を厚み方向に貫通する貫通孔50Cとが、第一部材41の両縁部側に、第一部材41における境界43をなす辺に平行に延在するように設けられている。
【0059】
また、図5に示すように、第一部材41と第二部材42が重ね合わせられた場合、すなわち、第一部材41の一方の面41aと第二部材42の一方の面42aが密着された場合、第一部材41の貫通孔50A内に、導波素子45Aが設けられた基台49Aが配置され、かつ、第一部材41の貫通孔50C内に、反射素子45Cが設けられた基台49Cが配置されて、第一部材41の他方の面41bに沿って、導波素子45A、放射素子45Bおよび反射素子45Cが所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されるように、2つの部材それぞれに導波素子45A、放射素子45Bおよび反射素子45Cが設けられている。
すなわち、第一部材41の貫通孔50A内に、導波素子45Aが設けられた基台49Aが配置されると、導波素子45Aが第一部材41の他方の面41b側に突出して、第一部材41の他方の面41bと同一面上に配置される。同様に、第一部材41の貫通孔50C内に、反射素子45Cが設けられた基台49Cが配置されると、反射素子45Cが第一部材41の他方の面41b側に突出して、第一部材41の他方の面41bと同一面上に配置される。
また、第一部材41の一方の面41aと第二部材42の一方の面42aが密着された場合、第一部材41の他方の面41bは、第一部材41と第二部材42が重ね合わせられた面(図5において、第一部材41の一方の面41aおよび第二部材42の一方の面42a)に平行となっている。
そして、このように第一部材41の他方の面41bに沿って、導波素子45A、放射素子45Bおよび反射素子45Cが所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されることにより、アンテナ45はこれらの素子から構成される八木アンテナを形成する。
【0060】
また、放射素子45Bは、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点を有する一対の帯状の導電体からなるダイポールアンテナであり、給電点でICチップ46と直接接続されている。
なお、ICチップ46は、第一部材41の他方の面41bの中央部において、放射素子45Bの下(放射素子45Bよりも第一部材41の一方の面41a側)に配設されている。
【0061】
放射素子45Bの長手方向における長さや、導波素子45A、放射素子45Bおよび反射素子45Cのピッチ(長手方向に沿う中心線同士の間隔)は、上述の第一の実施形態のアンテナ15と同様である。
【0062】
このような構成のアンテナ45は、第一部材41と第二部材42が重ね合わせられた場合、第一部材41の一端部41cおよび第二部材42の一端部42cから、第一部材41の他端部41dおよび第二部材42の他端部42dへ向かう方向、すなわち、導波素子45A、放射素子45Bおよび反射素子45Cの長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子45A側の方向に指向性のあるアンテナである。
【0063】
基材44、アンテナ45、ICチップ46、離隔部材47、粘着性基材48としては、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
【0064】
次に、図4および5を参照して、非接触型データ受送信体40の使用方法を説明するとともに、非接触型データ受送信体40の作用を説明する。
非接触型データ受送信体40は、図3に示す状態、すなわち、基材44が、第一部材41および第二部材42の境界43を起点として折り畳まれ、かつ、第一部材41と第二部材42が所定の間隔を隔てて離隔している状態では、アンテナ45の放射素子45Bは、単独でダイポールアンテナとして機能するので、そのダイポールアンテナの電波の方向(電波の指向性)は、第一部材41の厚み方向である(第一の指向性)。したがって、この状態では、非接触型データ受送信体40に対して、第一部材41の厚み方向からのみ、情報書込/読出装置による情報の書込みまたは読み出しができる。すなわち、第一部材41の厚み方向以外の方向では、非接触型データ受送信体40に対して、その方向における情報書込/読出装置との通信距離が著しく短くなる。
【0065】
一方、非接触型データ受送信体40は、図5に示した状態、すなわち、第一部材41と第二部材42を重ね合わせる方向に外力を加えて、第一部材41の一方の面41aと第二部材42の一方の面42aを密着させるとともに、第一部材41の貫通孔50A内に、導波素子45Aが設けられた基台49Aを配置し、かつ、第一部材41の貫通孔50C内に、反射素子45Cが設けられた基台49Cを配置した状態では、第一部材41の他方の面41bに沿って、導波素子45A、放射素子45Bおよび反射素子45Cから構成される八木アンテナが形成されるので、その八木アンテナの電波の方向(電波の指向性)は、導波素子45A、放射素子45Bおよび反射素子45Cの長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子45A側の方向となる。したがって、この状態では、非接触型データ受送信体40に対して、第一部材41の他端部41dおよび第二部材42の他端部42d側からのみ、情報書込/読出装置による情報の書込みまたは読み出しができる。すなわち、第一部材41の他方の面41bに沿う方向以外の方向では、非接触型データ受送信体40に対して、その方向における情報書込/読出装置との通信距離が著しく短くなる。
【0066】
このように、第一部材41に対する第二部材42の配置を変えることにより、アンテナ45は異なる2つの指向性、すなわち、第一部材41の厚み方向の指向性(第一の指向性)、または、導波素子45A、放射素子45Bおよび反射素子45Cの長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子45A側の方向の指向性(第二の指向性)を示すことができる。
【0067】
なお、この実施形態では、離隔部材47として、円柱状の部材を用いたが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一部材と第二部材を重ね合わせる方向に外力を加えない状態では、これら2つの部材を所定の間隔を隔てて離隔することができ、一方、第一部材と第二部材を重ね合わせる方向に外力を加えた状態では、第一部材の一方の面と第二部材の一方の面を密着させることができる形状であれば、離隔部材の形状はいかなる形状であってもよい。
また、この実施形態では、弾性変形可能な部材として、離隔部材47を用い、この離隔部材47を、第一部材41と第二部材42の境界43の近傍に配設した非接触型データ受送信体40を例示したが、この実施形態の非接触型データ受送信体40はこれに限定されない。この実施形態の非接触型データ受送信体40にあっては、第一部材41と第二部材42を離隔する離隔手段として、金属や硬質樹脂などからなるV字状の板バネを用い、この板バネで、第一部材41と第二部材42の境界部を形成してもよい。また、離隔手段として板バネを用いる場合、その板バネの剛性は、非接触型データ受送信体40に求められる耐荷重に応じて適宜選択される。
【0068】
また、この実施形態では、ICチップ46が、第一部材41の他方の面41bの中央部において、放射素子45Bよりも第一部材41の他方の面41b側に配設された非接触型データ受送信体40を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一部材の他方の面において、ICチップが放射素子よりも外側に配設されていてもよい。
【0069】
また、この実施形態では、放射素子45Bが第一部材41における境界43をなす辺に平行に延在するように設けられ、かつ、導波素子45Aと反射素子45Cが第二部材42における境界43をなす辺に平行に延在するように設けられた非接触型データ受送信体40を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一部材の他方の面に放射素子が設けられ、第二部材の一方の面に導波素子および反射素子が設けられ、第一部材と第二部材を重ね合わせるとともに、第一部材の貫通孔内に、導波素子が設けられた基台と反射素子が設けられた基台を配置した場合、第一部材の他方の面に沿って、導波素子、放射素子および反射素子が並列に配置されるように、2つの部材それぞれに導波素子、放射素子および反射素子が設けられていれば、これらの素子が第一部材と第二部材の境界に平行に延在していなくてもよい。
【0070】
また、この実施形態では、第一部材41と第二部材42を重ね合わせた場合、第一部材41の一方の面41aと第二部材42の一方の面42aを密着させた状態を維持するための手段が設けられていない非接触型データ受送信体40を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一部材の一方の面と第二部材の一方の面を密着させた状態を一時的に維持するための手段として、第一部材の一方の面および/または第二部材の一方の面に、剥離後も再貼付可能な粘着剤からなる粘着層が設けられていてもよい。このような粘着剤としては、アクリル樹脂系粘着剤を水性エマルジョン化したものが用いられる。
【0071】
また、この実施形態でも、上述の第一の実施形態と同様にして、非接触型データ受送信体40を用いた重量物検知装置を構成することができる。
【0072】
(3)第三の実施形態
図6は、本発明の非接触型データ受送信体の第三の実施形態を示す概略図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のE−E線に沿う断面図である。図7は、本発明の非接触型データ受送信体の第三の実施形態の使用方法を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体50は、連接する第一領域51と第二領域52からなり、これら2つの領域の境界53を起点とし、これら2つの領域が離隔するように折り曲げられた基材54と、基材54に設けられ、互いに電気的に接続されたアンテナ55およびICチップ56とから概略構成されている。
【0073】
基材54は、第一領域51と第二領域52が連接してなる平面視長方形状の基材であり、その境界53を起点として、これら2つの領域が互いに離隔した状態で折曲げ可能になっている。
すなわち、基材54は、境界53を起点として折曲げることにより、その境界53が板バネとして機能し、境界53を起点として折曲げても、比較的大きな外力を加えない限り、第一領域51と第二領域52が密着することがないような材質から構成されている。その板バネの剛性は、非接触型データ受送信体50に求められる耐荷重に応じて適宜選択される。
【0074】
このような基材54としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;段ボールなどの厚紙からなる基材などが用いられる。
【0075】
アンテナ55は、各種導電体からなり、第一領域51の一方の面51aに設けられた放射素子55Bと、第二領域52の一方の面52aに、互いに所定の間隔を隔てて設けられた導波素子55Aおよび反射素子55Cとから構成されている。
詳細には、放射素子55Bは、第一領域51の一方の面51aの中央部に、第一領域51と第二領域52の境界53に平行に延在するように設けられている。
一方、導波素子55Aと反射素子55Cは、第二領域52の一方の面52aの両縁部側に、第二領域52における境界53をなす辺に平行に延在するように設けられている。
【0076】
さらに、導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cは、互いに長さが異なっており、この順に長さが長くなっている。すなわち、放射素子55Bを基準にして、その全長をLとすると、導波素子55Aの全長は全長L−αと表され、全長Lよりも僅かに短くなっており、一方、反射素子55Cの全長は、全長L+αと表され、全長Lよりも僅かに長くなっている。
【0077】
また、図7に示すように、第一領域51と第二領域52が重ね合わせられた場合、すなわち、第一領域51の一方の面51aと第二領域52の一方の面52aが密着された場合、第一領域51と第二領域52が重ね合わせられた面(図7において、第一領域51の一方の面51aおよび第二領域52の一方の面52a)に沿って、導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cが所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されるように、2つの部材それぞれに導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cが設けられている。なお、図7では、各構成要素の位置関係を分かりやすくするために、第一領域51と第二領域52の間に隙間が生じているが、実際には、アンテナ55やICチップ56は厚みが非常に薄いものであるから、第一領域51と第二領域52を密着させることができる。
そして、このように第一領域51の一方の面51aおよび第二領域52の一方の面52aにて、導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cが所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されることにより、アンテナ55はこれらの素子から構成される八木アンテナを形成する。
【0078】
また、放射素子55Bは、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点を有する一対の帯状の導電体からなるダイポールアンテナであり、給電点でICチップ56と直接接続されている。
なお、ICチップ56は、第一領域51の一方の面51aの中央部において、放射素子55Bの下(放射素子55Bよりも第一領域51の一方の面51a側)に配設されている。
【0079】
放射素子55Bの長手方向における長さや、導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cのピッチ(長手方向に沿う中心線同士の間隔)は、上述の第一の実施形態のアンテナ15と同様である。
【0080】
このような構成のアンテナ55は、第一領域51と第二領域52が重ね合わせられた場合、第一領域51の一端部51cおよび第二領域52の一端部52cから、第一領域51の他端部51dおよび第二領域52の他端部52dへ向かう方向、すなわち、導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cの長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子55A側の方向に指向性のあるアンテナである。
【0081】
アンテナ55、ICチップ56としては、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
【0082】
次に、図6および7を参照して、非接触型データ受送信体50の使用方法を説明するとともに、非接触型データ受送信体50の作用を説明する。
非接触型データ受送信体50は、図6に示す状態、すなわち、基材54が、第一領域51と第二領域52が、その境界53を起点として互いに離隔した状態で折曲げられている状態では、アンテナ55の放射素子55Bは、単独でダイポールアンテナとして機能するので、そのダイポールアンテナの電波の方向(電波の指向性)は、第一領域51の厚み方向である(第一の指向性)。したがって、この状態では、非接触型データ受送信体50に対して、第一領域51の厚み方向からのみ、情報書込/読出装置による情報の書込みまたは読み出しができる。すなわち、第一領域51の厚み方向以外の方向では、非接触型データ受送信体50に対して、その方向における情報書込/読出装置との通信距離が著しく短くなる。
【0083】
一方、非接触型データ受送信体50は、図7に示した状態、すなわち、第一領域51と第二領域52を重ね合わせる方向に外力を加えて、第一領域51の一方の面51aと第二領域52の一方の面52aを密着させた状態では、第一領域51の一方の面51aおよび第二領域52の一方の面52aにて、導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cから構成される八木アンテナが形成されるので、その八木アンテナの電波の方向(電波の指向性)は、導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cの長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子55A側の方向となる。したがって、この状態では、非接触型データ受送信体50に対して、第一領域51の他端部51dおよび第二領域52の他端部52d側からのみ、情報書込/読出装置による情報の書込みまたは読み出しができる。すなわち、第一領域51の一方の面51aおよび第二領域52の一方の面52aに沿う方向以外の方向では、非接触型データ受送信体50に対して、その方向における情報書込/読出装置との通信距離が著しく短くなる。
【0084】
このように、第一領域51に対する第二領域52の配置を変えることにより、アンテナ55は異なる2つの指向性、すなわち、第一領域51の厚み方向の指向性(第一の指向性)、または、導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cの長手方向と垂直な方向であって、かつ、導波素子55A側の方向の指向性(第二の指向性)を示すことができる。
【0085】
また、この実施形態では、ICチップ56が、第一領域51の一方の面51aの中央部において、放射素子55Bよりも第一領域51の一方の面51a側に配設された非接触型データ受送信体50を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一領域の一方の面において、ICチップが放射素子よりも外側に配設されていてもよい。
【0086】
また、この実施形態では、導波素子55A、放射素子55Bおよび反射素子55Cが第一領域51と第二領域51の境界53に平行に延在するように設けられた非接触型データ受送信体50を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一領域の一方の面に放射素子が設けられ、第二領域の一方の面に導波素子および反射素子が設けられ、第一領域と第二領域を重ね合わせた場合、第一領域の一方の面および第二領域の一方の面に沿って、導波素子、放射素子および反射素子が並列に配置されるように、2つの領域それぞれに導波素子、放射素子および反射素子が設けられていれば、これらの素子が第一領域と第一領域の境界に平行に延在していなくてもよい。
【0087】
また、この実施形態では、第一領域51と第二領域52を重ね合わせた場合、第一領域51の一方の面51aと第二領域52の一方の面52aを密着させた状態を維持するための手段が設けられていない非接触型データ受送信体50を例示したが、本発明の非接触型データ受送信体はこれに限定されない。本発明の非接触型データ受送信体にあっては、第一領域の一方の面と第二領域の一方の面を密着させた状態を一時的に維持するための手段として、第一領域の一方の面および/または第二領域の一方の面に、剥離後も再貼付可能な粘着剤からなる粘着層が設けられていてもよい。このような粘着剤としては、アクリル樹脂系粘着剤を水性エマルジョン化したものが用いられる。
また、この実施形態の非接触型データ受送信体も、上述の第二の実施形態と同様にして、第一領域の他方の面側にて、導波素子、放射素子および反射素子が並列に配置される構成としてもよい。
【0088】
また、この実施形態でも、上述の第一の実施形態と同様にして、非接触型データ受送信体50を用いた重量物検知装置を構成することができる。
【符号の説明】
【0089】
10,40,50・・・非接触型データ受送信体、11,41・・・第一部材、12,42・・・第二部材、13,43,53・・・境界、14,44,54・・・基材、15,45,55・・・アンテナ、16,46,56・・・ICチップ、17,47・・・離隔部材、18,48・・・粘着性基材、20・・・重量物検知装置、21・・・情報書込/読出装置、22・・・アンテナ、23・・・平板、30・・・重量物、51・・・第一領域、52・・・第二領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連接された第一部材および第二部材を有し、これら2つの部材の境界を起点として折り畳まれた基材と、該基材に設けられ、互いに電気的に接続されたアンテナおよびICチップと、を備えた非接触型データ受送信体であって、
前記境界および/またはその近傍に、前記2つの部材を、前記境界を起点として離隔する離隔手段が設けられ、
前記アンテナは、前記第一部材の一方の面または他方の面、並びに、前記第二部材の一方の面または他方の面に沿って設けられ、
前記第一部材の一方の面または他方の面に、前記アンテナを構成する放射素子と、該放射素子と直接接続された前記ICチップとが設けられ、
前記第二部材の一方の面または他方の面に、前記アンテナを構成する導波素子および反射素子が設けられ、
前記2つの部材が重ね合わせられた場合、前記2つの部材の重ね合わせられた面に沿って、前記導波素子、前記放射素子および前記反射素子が所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されることを特徴とする非接触型データ受送信体。
【請求項2】
前記離隔手段は、弾性変形可能な部材および/または弾性変形可能な材質からなることを特徴とする請求項1に記載の非接触型データ受送信体。
【請求項3】
連接する第一領域と第二領域を有し、これら2つの領域の境界を起点とし、これら2つの領域が離隔するように折り曲げられた基材と、該基材に設けられ、互いに電気的に接続されたアンテナおよびICチップと、を備えた非接触型データ受送信体であって、
前記アンテナは、前記第一領域の一方の面または他方の面、並びに、前記第二領域の一方の面または他方の面に沿って設けられ、
前記第一領域の一方の面または他方の面に、前記アンテナを構成する放射素子と、該放射素子と直接接続された前記ICチップとが設けられ、
前記第二領域の一方の面または他方の面に、前記アンテナを構成する導波素子および反射素子が設けられ、
前記2つの領域が重ね合わせられた場合、前記2つの領域の重ね合わせられた面に沿って、前記導波素子、前記放射素子および前記反射素子が所定の間隔を隔てて、この順に並列に配置されることを特徴とする非接触型データ受送信体。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の非接触型データ受送信体と、該記非接触型データ受送信体に対する情報の書込みまたは読み出しを行う情報書込/読出装置とを備え、対象物上への重量物の載置を検知する重量物検知装置であって、
前記非接触型データ受送信体上に重量物が載置されて、前記2つの部材または前記2つの領域が重ね合わせられた場合、前記2つの部材または前記2つの領域の重ね合わせられた面の延長線上であり、前記導波素子、前記放射素子および前記反射素子の長手方向と垂直な方向、かつ、前記導波素子側の方向となる位置に、前記情報書込/読出装置のアンテナが配置されたことを特徴とする重量物検知装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−159212(P2011−159212A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22231(P2010−22231)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】