説明

非接触型データ送受信カード付き封書及びその作成方法

【課題】封書用シートに分離可能にして一体化した非接触型データ送受信カードにおいて、送付時に情報表示シートを傷付けることなく送付でき、非接触型データ送受信カード単体を利用するときに可変情報が多く表示できるカードとする。
【解決手段】封書に分離可能に一体化された非接触型データ送受信カード14が、ICチップ実装アンテナシート13と情報表示シート15とを有し、ICチップ実装アンテナシート13の貼着面4aとは反対側の面に宛先人関連情報の少なくとも一部情報17を設け、非接触型データ送受信カード14の情報表示シート15が封書1の内方側に位置するように配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非接触型データ送受信カード付き封書とその作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今の電気製品などに係わる小売り業では顧客の購買意欲を高めるために、商品購入の度に購入額などに応じたポイントをカウントし、累積ポイントが特定数に達したときに割引などの特典が得られるようにしたポイント制を顧客へのサービスとして実施するようになってきている。このようなポイント数などの情報の管理には、顧客の氏名、会員番号などの情報を有するカードを顧客個々に予め提供しておき、店舗で顧客が商品を購入する際にこのカードの提示を受け、カードに示された情報により各種の管理を行なっている。
【0003】
そして、ポイント数、ポイント還元情報、バーゲン情報などの可変情報を顧客側でも確認できるカードとして、熱可逆性表示層を備える可変情報表示シートが用いられるようになってきており、商品購入に際しこの可変情報表示シートからなるカードに情報の書き換えを行ない、書き換えられたポイント数などが顧客にも目視にて確認できるようにした工夫がなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記書き換え情報を目視できるようにした構成のカードを予め顧客それぞれに送付する必要がある場合、顧客情報(氏名、会員番号など)を書き入れたカードが送付用封筒内で移動しないように台紙に貼り付け、その台紙とともにカードを封筒に入れて郵送しているのが現状であり、送付に際しての手数が非常に煩雑であるとともに、顧客側ではカードを台紙から取り外すときに接着痕がカードに残ったり、カードの熱可逆性表示層が破損したりするなどの問題があった。
【0005】
また、熱可逆性表示層の情報表示領域内に顧客氏名、会員番号などの固定情報も加熱印字していたため、ポイント数やポイント還元情報などの可変情報を加熱印字して表示させる書き換え情報の印字面積が少なくなるという問題もあった。
【0006】
そこで本発明は、近年、ICチップを有して電子情報の書き込み、読み取り、書き換えが非接触にて行なえる非接触型データ送受信体が普及してきた点に着目したもので、固定情報や可変情報などの書き込み、読み出しなどをこの非接触型データ送受信体にて行なうようにするとともに、累積ポイント数やポイント還元情報などの可変情報を情報表示シートに目視可能に表示させて、書き換え情報の印字面積を大きく確保できるようにし、さらには台紙にカードを貼着して支持させるという送付形態を採ることなく、カードの送付が行なえるようにすることを課題とし、熱可逆性表示層で書き換え情報の目視が行なえるカードを適正に送付できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、複数の紙片を折り重ね合わせて形成され、記録情報の読み取り、書き込み、消し込みが可能で宛先人の氏名や会員番号などの宛先人関連情報が書き込まれているICチップ実装アンテナシートからなる非接触型データ送受信カードを有する封書であって、
前記紙片の折り重ね合わせで封書外方となっている封書表出面には前記宛先人関連情報に基づく宛先情報が設けられ、
所要紙片の前記紙片の折り重ね合わせで封書内方となる面に前記ICチップ実装アンテナシートを貼着し、該ICチップ実装アンテナシートに対応して封書内方側となる面に前記宛先人関連情報の少なくとも一部情報が表示された情報表示シートが前記ICチップ実装アンテナシートを覆って貼着されて、封書内方側を前記情報表示シートとしてなる非接触型データ送受信カードが設けられていて、
前記所要紙片の非接触型データ送受信カードが設けられている部分の周囲に分断線を入れて、前記非接触型データ送受信カードが前記分断線を介して該所要紙片から分離可能に一体とされ、
前記非接触型データ送受信カードにおける前記ICチップ実装アンテナシートと情報表示シートとが重ねて貼り付けられている貼着面とは反対側の面に、前記宛先人関連情報に基づく宛先人個々に対応している情報からなる一部情報が印字されていることを特徴とする非接触型データ送受信カード付き封書を提供して、上記課題を解消するものである。
【0008】
また、もう一つの発明は、記録情報の読み取り、書き込み、消し込みが可能で宛先人の氏名や会員番号などの宛先人関連情報が書き込まれているICチップ実装アンテナシートと前記宛先人関連情報の少なくとも一部情報が表示された情報表示シートとからなる非接触型データ送受信カードを有する封書を得るにあたり、
複数の紙片が折り部を介して連接されて折り重ね合わせにより封書を形成する封書用シートに、該封書用シートの所要紙片の前記紙片の折り重ね合わせで封書内方となる面にしてICチップ実装アンテナシートを貼り付けるとともに、ICチップ実装アンテナシートに対応して封書内方側となる面に前記ICチップ実装アンテナシートが覆われるようにして前記情報表示シートを貼り付けて、ICチップ実装アンテナシートを情報表示シートで覆ってなる非接触型データ送受信カードを設け、
前記所要紙片の非接触型データ送受信カードが設けられている部分の周囲に分断線を入れて、前記非接触型データ送受信カードを前記分断線を介して該所要紙片から分離可能に設けた後、
前記封書用シートに、前記宛先人関連情報に基づく宛先情報を印字するとともに、前記ICチップ実装アンテナシートを貼る貼着面とは反対側の面に前記宛先人関連情報の少なくとも一部情報を印字し、
前記非接触型データ送受信カードのICチップ実装アンテナシートには、非接触状態にして宛先人関連情報を書き込んで記録させ、
前記宛先情報が封書表出面に位置するようにして、かつ、前記情報表示シートが封書内方となるようにして封書用シートを折り重ね合わせて封書を形成することを特徴とする非接触型データ送受信カード付き封書の作成方法であり、この非接触型データ送受信カード付き封書の作成方法を提供して、上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の非接触型データ送受信カード付き封書によれば、宛先人の氏名や会員番号、連絡先電話番号などが設けられた非接触型データ送受信カードが封書に一体的に設けられ、かつ、情報表示シートを封書外部にさらさない状態の封書となり、送付過程での情報表示シートを守ることができる。
【0010】
また、本発明の非接触型データ送受信カード付き封書によれば、封書作成に際し、予め記録管理されている情報に応じて、封書用シートにICチップ実装アンテナシートを一体にしてなる非接触型データ送受信カードに宛名人関連情報を書き込むとともに、封書用シートに前記宛先情報を印字することにより、作成された封書に表出させた宛先情報と封書内に位置するICチップ実装アンテナシートに書き込み記録させた宛先人関連情報との間でマッチングミスが生じず、適正な情報を有する非接触型データ送受信カードを内蔵した封書を宛先人に送付できるようになる。
【0011】
さらに、宛先人側において、この封書を受け取って非接触型データ送受信カードを分離すれば、非接触で宛先人関連情報を読み取れるとともに、情報表示シートにて、氏名や会員番号、連絡先電話番号などの情報を目視にて簡単に確認でき、非接触形データ送受信カードの汎用性が頗る向上するようになる。
【0012】
また、封書から得られる非接触型データ送受信カードにあっては、一方の面の情報表示シートの情報と他方の面の情報とがあるため、カードの表裏で表示情報の種類を明確に区別して、より多くの情報をカード利用者に提供できるようになるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る非接触型データ送受信カード付き封書の封書用シートを展開した状態で示す説明図である。
【図2】封書用シートを図1のII−II線に沿った断面で示す説明図である。
【図3】封書用シートのもう一方の面を示す説明図である。
【図4】封書中紙を折り重ねた状態を示す説明図である。
【図5】封書を示す説明図である。
【図6】非接触型データ送受信カードの一方の面の情報表示シートを示す説明図である。
【図7】非接触型データ送受信カードの他方の面を示す説明図である。
【図8】非接触型データ送受信カード付き封書を断面で示す説明図である。
【図9】分断線を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
つぎに本発明を図1から図9に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中1は非接触型データ送受信カード付き封書で、該封書1は図1に示されているように封書上紙2と封書下紙3と封書中紙4との三枚の紙片が折り部5を介して連接された封書用シート6からなり、一方の端部側に位置する封書中紙4が封書内方となるようにして、この三紙片2、3、4を折り部5から折り重ね合わせし、折り部5と直交する方向の辺部を相互に貼り合わせるとともに、他方の端部側に位置する封書上紙2に連接された封緘片7を封書下紙3に貼り合わせることで封書1が形成されている(図5参照)。
【0015】
封書1を開封し易くするために、図1と図2に示されているように、折り部5に直交する辺部それぞれに沿って切り取りミシン目8が設けられているとともに、前記封緘片7側の折り部5を間にして二本の切り取りミシン目9が設けられており、切り取りミシン目8、9に沿って封書1の三方を分離することで開封できるものである。
【0016】
なお、封書上紙2においては紙片連接方向での幅が他の紙片より大きく設けられていて、封書用シートを折り畳んで封緘片7で封緘したときに重なる上記切り取りミシン目9の位置に、上記封書下紙3や封書中紙4が達しないようにしている(図8参照)。
【0017】
上記折り重ね合わせにより封書外方となる上記封書上紙2の封書表出面2aには図5に示すように宛先情報10が印字されているとともに、宛先人を特定するためのバーコードからなる機械読み取り情報11が印字出力されている。この封書上紙2の内面2bには開封して見ることのできる通知情報12が印刷及び/または印字されており、この通知情報12は挨拶文などの固定情報としたり、宛先人個々に内容の異なる可変情報としたりすることが可能である。
【0018】
前記機械読み取り情報11で表現される情報は、例えばこの封書1の差出人側が管理する顧客管理コードなどであり、これをバーコード化して前記機械読み取り情報11としているものである。そして、機械読み取り情報11から読み取られた情報(管理コードなど)は、予め記録管理されている顧客氏名、会員番号、住所、連絡先電話番号、電子メールアドレスなどの宛先人関連情報に対応するものである。
【0019】
なお、機械読み取り情報11は封書上紙2の封書表出面2aに印字させたものとして示したが、印字位置は封書上紙2の封書表出面2aに限定されるものではなく、封書下紙3の表出面側であってもよい。
【0020】
封書1において内方となる封書中紙4には図8で示されているように、ICチップ実装アンテナシート13を貼着して分離可能とした非接触型データ送受信カード14が設けられている。前記ICチップ実装アンテナシート13は、基材13aにおける前記封書中紙4の貼着面4a側に形成したアンテナ13bにICチップ13cを実装してなり、記録情報の読み取り、書き込み、消し込みが非接触状態で可能な記録媒体である。このようにICチップ実装アンテナシート13にあっては、貼着面4a側にアンテナ13bとICチップ13cとを位置させて粘着剤sにより封書中紙4に貼り合わせており、アンテナ13bやICチップ13cを保護するとともに、基材13aのもう一方の面が平らになるようにしている。
【0021】
さらに前記非接触型データ送受信カード14にあっては、ICチップ実装アンテナシート13を覆うようにして情報表示シート15が粘着剤sを介して貼り合わされている。この情報表示シート15はICチップ実装アンテナシート13とは反対側となる面に熱可逆性表示層15aを備え、その熱可逆性表示層15aに固定情報と可変情報とから構成された宛先人関連情報の一部情報16が加熱印字されている。
【0022】
一部情報16における前記固定情報としては、商品購入に係るポイント数などの項目を表示する事項であって、表示変更する以外は変化することのない情報であり、一方、可変情報は、商品購入に係るポイント数やポイント還元情報などの宛先人個々に応じて任意に変化させることのできる情報であり、これら固定情報と可変情報とで構成された一部情報16は管理者側が所有する所要の書き込み装置を用いて書き換え可能に加熱印字される。
【0023】
情報表示シート15の熱可逆性表示層15aに設ける一部情報16は必ずしも固定情報と可変情報との組み合わせで構成する必要はなく、上述したポイント数やポイント還元情報などの可変情報のみであってもよい。このように可変情報のみによって一部情報16を構成すれば、書き換えできる広い表示領域を有するようになる。
【0024】
さらに、この情報表示シート15の熱可逆性表示層15aに対して一部情報16は予め設けておく必要はなく、後述するように非接触型データ送受信カード14を単体として取り扱う時にこの一部情報16が書き換え可能に印字されるようにすることも可能である。
【0025】
また、図3と図4に示されているように上記封書中紙4の非接触型データ送受信カード14が位置している部分において、上記貼着面4aとは反対側の面に前記宛先人関連情報の少なくとも一部情報17が印字されている。この一部情報17は例えば宛先人の氏名や会員番号、連絡先電話番号、電子メールアンドレスなどの宛先人個々に対応している固定の情報からなるものである。
【0026】
このように、貼着面4aとは反対側の面に氏名や会員番号などの宛先人個々に応じた固定の情報を一部情報17として設けていることから、上述した情報表示シート15の熱可逆性表示層15aには、書き換えされるポイント数、ポイント還元情報などの可変情報のみを設けることができ、カードの表と裏とで情報の種類を明確に分けることができる。
【0027】
ICチップ実装アンテナシート13と情報表示シート15とを有する非接触型データ送受信カード14を分離可能とする手法は、例えば切り取り線に沿って鋏で切り取ることができるようにしたり、図示されているように周囲に不連続な分断線18を穿設するものであり、この分断線18によって分離可能な非接触型データ送受信カード14が、封書1を構成する封書中紙4に対して一体的に設けられている。
【0028】
非接触型データ送受信カード付き封書1では、ICチップ実装アンテナシート13と情報表示シート15とを封書中紙4の所要位置(貼着面4a)に積層一体化してかつ分離可能とした非接触型データ送受信カード14が封書内方に位置し(図8)、封書内方の前記非接触型データ送受信カード14における貼着面4aとは反対側の面に上記固定の一部情報17が印字されている(これに加えて、予め上記熱可逆性表示層15aに上記一部情報16を加熱印字しておくことも可能)ことから、この封書1を受け取った側では開封した後に前記非接触型データ送受信カード14を取り出すことで、単体のカードとして使用する際には、氏名や会員番号などの固定の一部情報17を目視できるものとなり(図6参照)、また、ICチップ実装アンテナシート13に記録されている宛先人関連情報を非接触の状態で読み出せるカードとなる。さらには上記情報表示シート15の熱可逆性表示層15aに一部情報16を書き換え可能に出力できるカードとなる(図7参照)。
【0029】
このように、非接触型送受信カード14では一方の面に氏名や会員番号など(固定の一部情報17)が表示され、もう一方の面(熱可逆性表示層15a)にポイント数、ポイント還元情報など(一部情報16)をカード利用の時点などの際に必要に応じて書き換えて表示できるようになるため、利用価値の高いカードとなる。
【0030】
勿論、非接触型データ送受信カード付き封書1では表出面に宛先情報10と機械読み取り情報11が封書外方となる面に印字され、それ以外の個人的な情報となる少なくとも一部情報16は送付の際に第三者の目にさらされず、プライバシーが守られる。また、上記情報表示シート15の熱可逆性表示層15aは封書内方に位置するため、送付過程における不用意な取り扱いからも保護される。
【0031】
さらに、上記非接触型データ送受信カード付き封書1では、機械読み取り情報11を読み取ることで、封書差し出し人側が予め管理している宛先人関連情報を特定できるとともに、この封書1に非接触の状態で非接触型データ送受信カード14から宛先人関連情報を読み出すことができ、よって両者の対応が適切かどうかの検査を開封することなく簡単に行なえるようになる。
【0032】
上記非接触型データ送受信カード付き封書1の非接触型データ送受信カード14では、ICチップ実装アンテナシート13の基材13aを覆うようにして情報表示シート15を重ね、ICチップ実装アンテナシート13を間にするようにして封書中紙4の貼着面4aに貼り合わせ、アンテナ13bやICチップ13cを貼着面4aに対向させているため、基材13aを介してICチップ13cの凸形状の影響が熱可逆性表示層15a側に及ばず、後述する加熱印字の際にも一部情報16が適正に表示できる。
【0033】
つぎに非接触型データ送受信カード付き封書1は以下のようにして作成できる。
(送受信体の貼り付け)
封書用シート6の貼着面4aにICチップ実装アンテナシート13と情報表示シート16とを貼り付けて非接触型データ送受信カード14を設ける。
(分断線入れ)
情報表示シート15側から枠状の分断線18を入れて非接触型データ送受信カード14を分離可能にする。
(通知情報の印字)
封書用シート6の封書内方となる面に受取人への個別事項などを含む通知情報12を印字する。なお、個別事項がなく、事前に通知情報が印刷されている場合には印字する必要はない。
(可変情報の印字)
差出人側がデータベース上などで管理している宛先人関連情報に基づいて宛先情報10と機械読み取り情報11とを封書上紙2の封書表出面2aに印字し、同じく差出人側がデータベース上などで管理している上記宛先人関連情報に基づいて、固定の一部情報17を印字する。また、この時、情報表示シート15の熱可逆性表示層15aに、上記宛先人関連情報に基づいて一部情報16を加熱印字してもよい。
(情報書き込み)
さらに上記宛先人関連情報を、非接触型データ送受信カード14に非接触状態にして書き込んで記録させる。
(シート折り畳み)
封書表出面2aが外面となるようにして、また、情報表示シート15が封書内方となるようにして封書用シート6を折り重ね合わせて、折り部5と直交する辺部を貼り合わせし、上記封緘片7を封書下紙3の封書表出面側に貼り合わせる。
これによって、前記非接触型データ送受信カード14に対しては宛先人関連情報の一部情報を目視できる状態にして設け、外観からはその一部情報16を見えないようにして、また、情報表示シート15を内方とした封書1が得られる。
【0034】
なお、以上のようにして得られた封書1を開封して取り出した非接触型データ送受信カード14においては、そのカード14の使用時に必要に応じて上記一部情報16が書き換えられることになる。
【0035】
図9に示されているように、上記非接触型データ送受信カード14を分離できるようにするための分断線18は略長方形状としたカット19とタイ(繋ぎ部分)20とからなるものである。そして、図示した例の分断線18は、分離した後のこの非接触型データ送受信カード14をリライト装置に挿入する際の情報表示シート15に対する使用形態を考慮して形成されているものである。
【0036】
即ち、非接触型データ送受信カード14の送り込み方向Bは一般的にカード長辺に沿う方向に設定されているため、この非接触型データ送受信カード14をリライト装置の挿入口に差し入れるときに、また、読取装置内でカード搬送を行なうときに、カード長辺での引っ掛かりが生じないにようにする必要があり、送り込み方向Bに沿った位置では、カット19それぞれは一本としてタイ20は設けず、送り込み方向Bに直交する方向に沿った位置には複数のタイ20をカット19の間に設けている。
【0037】
これによって、非接触型データ送受信カード14を分離したときには、切断されたタイ20は、非接触型データ送受信カード14の短辺14aのみにあり、長辺14bは、読取装置の挿入口への挿入操作や装置内でのカード搬送に支承を生じさせない直線として得られる。
【0038】
上記実施の形態において、非接触型データ送受信カード14では、ICチップ実装アンテナシート13のアンテナ13bやICチップ13cを貼着面4aに対向させた状態としてこのICチップ実装アンテナシート13に情報表示シート15を貼り合わせるようにしているが、前記アンテナ13bやICチップ13cを情報表示シート15に対向するようにしてICチップ実装アンテナシート13を配置し、これに情報表示シート15を貼り合わせるようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施の形態では、非接触型データ送受信カード14全体が封書の内方に位置するように封書の例が示されているが、本発明にあっては、情報表示シート15が封書内方に位置して保護されていればよく、例えば封書を二つ折り形式の封書用シート6から得られるようにし、その二つ折り形式の封書用シート6における一方の紙片に、情報表示シート15が封書内方となる状態で非接触型データ送受信カード14を形成するようにしてもよい。この場合、ICチップ実装アンテナシート13の貼着面とは反対側の面は封書外方に位置することとになるため、この箇所に出力する固定の一部情報は、第三者が確認しても支障のない情報を選択すればよい。
【符号の説明】
【0040】
1…非接触型データ送受信体付き封書
2…封書上紙
2a…封書表出面
3…封書下紙
4…封書中紙
4a…貼着面
6…封書用シート
10…宛先情報
11…機械読み取り情報
12…通知情報
13…ICチップ実装アンテナシート
14…非接触型データ送受信カード
15…情報表示シート
15a…熱可逆性表示層
16、17…一部情報
18…分断線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の紙片を折り重ね合わせて形成され、記録情報の読み取り、書き込み、消し込みが可能で宛先人の氏名や会員番号などの宛先人関連情報が書き込まれているICチップ実装アンテナシートからなる非接触型データ送受信カードを有する封書であって、
前記紙片の折り重ね合わせで封書外方となっている封書表出面には前記宛先人関連情報に基づく宛先情報が設けられ、
所要紙片の前記紙片の折り重ね合わせで封書内方となる面に前記ICチップ実装アンテナシートを貼着し、該ICチップ実装アンテナシートに対応して封書内方側となる面に前記宛先人関連情報の少なくとも一部情報が表示された情報表示シートが前記ICチップ実装アンテナシートを覆って貼着されて、封書内方側を前記情報表示シートとしてなる非接触型データ送受信カードが設けられていて、
前記所要紙片の非接触型データ送受信カードが設けられている部分の周囲に分断線を入れて、前記非接触型データ送受信カードが前記分断線を介して該所要紙片から分離可能に一体とされ、
前記非接触型データ送受信カードにおける前記ICチップ実装アンテナシートと情報表示シートとが重ねて貼り付けられている貼着面とは反対側の面に、前記宛先人関連情報に基づく宛先人個々に対応している情報からなる一部情報が印字されていることを特徴とする非接触型データ送受信カード付き封書。
【請求項2】
記録情報の読み取り、書き込み、消し込みが可能で宛先人の氏名や会員番号などの宛先人関連情報が書き込まれているICチップ実装アンテナシートと前記宛先人関連情報の少なくとも一部情報が表示された情報表示シートとからなる非接触型データ送受信カードを有する封書を得るにあたり、
複数の紙片が折り部を介して連接されて折り重ね合わせにより封書を形成する封書用シートに、該封書用シートの所要紙片の前記紙片の折り重ね合わせで封書内方となる面にしてICチップ実装アンテナシートを貼り付けるとともに、ICチップ実装アンテナシートに対応して封書内方側となる面に前記ICチップ実装アンテナシートが覆われるようにして前記情報表示シートを貼り付けて、ICチップ実装アンテナシートを情報表示シートで覆ってなる非接触型データ送受信カードを設け、
前記所要紙片の非接触型データ送受信カードが設けられている部分の周囲に分断線を入れて、前記非接触型データ送受信カードを前記分断線を介して該所要紙片から分離可能に設けた後、
前記封書用シートに、前記宛先人関連情報に基づく宛先情報を印字するとともに、前記ICチップ実装アンテナシートを貼る貼着面とは反対側の面に前記宛先人関連情報の少なくとも一部情報を印字し、
前記非接触型データ送受信カードのICチップ実装アンテナシートには、非接触状態にして宛先人関連情報を書き込んで記録させ、
前記宛先情報が封書表出面に位置するようにして、かつ、前記情報表示シートが封書内方となるようにして封書用シートを折り重ね合わせて封書を形成することを特徴とする非接触型データ送受信カード付き封書の作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−140224(P2011−140224A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12082(P2011−12082)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【分割の表示】特願2001−88369(P2001−88369)の分割
【原出願日】平成13年3月26日(2001.3.26)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】