非接触型ICカード
【課題】本発明は、非接触型ICカードの上面側で発生する傾きを最小限に維持した構造を有する非接触型ICカードを提供する。
【解決手段】少なくとも、基板(1)上にアンテナシート(2)、ICチップ(3A)、補強板(4)、中間シート(6)、貫通孔(9)が形成されているコアシート(C)と、前記コアシート(C)の表裏に表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とをそれぞれ配置して、所定の温度で熱ラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート(A)又は裏面用外装シート(B)の内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサー(10)が形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【解決手段】少なくとも、基板(1)上にアンテナシート(2)、ICチップ(3A)、補強板(4)、中間シート(6)、貫通孔(9)が形成されているコアシート(C)と、前記コアシート(C)の表裏に表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とをそれぞれ配置して、所定の温度で熱ラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート(A)又は裏面用外装シート(B)の内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサー(10)が形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップを内蔵する非接触型ICカードに関するもので、さらに詳しくは非接触型ICカードの厚みの均一性を確保し、前記ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置しても上面側で発生する傾きを最小限に維持し、該カードの搬送等を円滑に行うことを可能にした構造を有する非接触型ICカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、クレジットカード、キャッシュカードなどの分野においては、磁気カードに代わるカードとして、カード基板にマイクロプロセッサ(MPU)やデータメモリなどのICメモリを含むICモジュールを内蔵したICカードが、情報記憶容量が非常に大きいこと、また高いセキュリティ性を有することから注目されている。
【0003】
特に、近年はICカードの情報量が、磁気カードに比較して非常に大きいこと、またセキュリティ性も高いということなどの理由から急速に金融分野、流通分野、交通分野、行政分野、通信分野などいろいろな分野でICカードの利用が検討、或いは実用化されている。
【0004】
ICカードの種類も多様化されている。例えば、ICカードにCPU(中央演算処理装置)を内蔵しているか否かによる分類や、またICカードに搭載されているICチップと、外部装置とのデータの送受信方法などにより分類することもできる。
【0005】
ICカードは、磁気カードと類似の形状と材料からできているプラスチック製カードの中にICチップが埋め込まれている。該ICチップにCPUを内蔵しており、演算機能があるため、データの読み書きの際にアクセスが正しいかどうか判断することができ高いセキュリティを実現できる。
【0006】
前記、ICチップ内のデータの読取りや書込みを行うためには、外部とのインターフェースが必要である。また、ICカードには、電池が内蔵されていないので、ICチップを動作させる電力を外部から供給する必要がある。
【0007】
このようなことから、ICカードには、CPUの有無による分類のほかに、リーダライタ等の外部機器とのインターフェースによる違いから、接触型ICカードと非接触型ICカードなどがある。
【0008】
接触型ICカードは、カード表面に露出した外部接続端子を直接、リーダライタ側の端子に接触させて電力供給を受けたり、外部機器とのデータ通信を行うものでICカードの中では一番多い種類である。
【0009】
一方、非接触型ICカードは、近年急速に普及してきたICカードである。カード表面に外部機器とのデータなどをやり取りする外部接続端子がなく、カード内部にICチップとコイルアンテナを内蔵しており、電波により、リーダライタと情報のやり取りを行う仕組みになっている。
【0010】
非接触型ICカードは、ICカードにアンテナを内蔵しているだけでなく、リーダライタの方にもアンテナを内蔵し、ICカードはリーダライタからの電波を利用して電力供給を受けるとともにデータなどの情報のやり取りを行う。
【0011】
ところで、従来のこのような非接触型ICカードは、熱ラミネートにより形成する方法が一般的である。まず、図9に示すように、熱ラミネート前の非接触型ICカードを構成するコアシート(C)、表面用外装シート(A)及び裏面用外装シート(B)の層構成を説明する。
【0012】
まず、コアシート(C)は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの基板(1)の表面上に、金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)が積層され、該アンテナシート(2)のアンテナ部に接続してICチップ(3A)が装着されており、該ICチップ(3A)はモールド樹脂(5)で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)(4)が載置されており、これを加熱硬化させてインレットとしている。また、前記インレットを挟み込むようにポリ塩化ビニル(PVC)、非晶質ポリエステル樹脂(例えば、イーストマンコダック社製、「PET−G」等)などの低融点でラミネート時に溶融する熱可塑性樹脂からなる中間シート(6)が配置されている。さらに、この中間シート(6)の前記インレットのICチップ(3A)、及び補強板(4)の位置には、貫通孔(9)が形成されている。
【0013】
次に、前記コアシート(C)の表裏に積層する表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とは、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの基材(7)のコアシート(C)に接する側に接着層(8)を設けた構成になっている。
【0014】
このような表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とを前記コアシート(C)の表裏に配置して、所定の温度で熱ラミネートして、図10に示すように、非接触型ICカードとするものである。前記は、単体カードを前提に説明したが、量産時は多面付けのシート状で生産し、その後、単体カードに切り出すことにより非接触型ICカードとする。
【0015】
このように従来の非接触型ICカードの製造法においては、非接触型ICカードを熱ラミネートにより形成する方法が一般的であり、前記カードを構成している中間シート(6)は、前述のように塩化ビニル(PVC)、非晶質ポリエステル樹脂(例えば、イーストマンコダック社製、「PET−G」等)などの低融点でラミネート時に溶融する熱可塑性樹脂で構成されているため、熱ラミネート時に軟化して厚みが変化するが、耐熱温度が比較的高いポリエチレンテレフタレート(PET)で形成された前記外装シート(A、B)、SUS板製の補強板(4)及びICチップ(3A)の部分は、熱ラミネート程度の加熱温度では、厚みが変化しないので、ICチップ(3A)の部分とその周辺の部分では、厚みの差が発生することがある。非接触型ICカードの場合は、特に、IC部(3)は、構成上、複雑であるため、周辺に比べ厚くなり、カードとしては凸形状(11)となる傾向がある。
【0016】
したがって、IC部(3)が厚く形成された場合、ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置した際、寸法差の累積により、例えば、図11に示すように、例えば、従来のICカード(K)を250枚重ねた際に上面側で傾き、積層傾き(N)が5mm程度発生し、カードのハンドリング・搬送などを円滑に行うことができないという問題が発生する。
【0017】
このような問題を解決する技術として、図12に示すように、ICカード用基板(2’)と、ICカード用基板(2’)に搭載されたICカード用電子回路部品(11’、20’)と、ICカード用基板(2’)の周辺部の厚みを調整する厚み調整部材(2a’)と、ICカード用基板(2’)と厚み調整部材(2a’)の両側に位置する接着層(3’、4’)と、接着層(3’、4’)の外側に位置する保護シート(5’、6’)とが一体構
成されている非接触型ICカード(1’)が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。この場合の厚み調整部材(2a’)として、厚さ100〜150μmのポリ塩化ビニルや、共重合ポリエステルシートを挟み込み、熱ラミネートにより厚みを調整するというものである。
【0018】
しかしながら、上記のような厚み調整部材(2a’)を使用する場合、実際に問題となっているカード内での厚みの差は、10〜20μm程度でそれが積み重なった際に問題となっているもので、それを改善するために部分的に前記のような厚み調整部材(2a’)を設けても、その周辺に熱ラミネートでのコントロールが困難で逆に凹部が発生し易いというような別の問題が発生し、完全な解決策にはならない。
【0019】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2002−279381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、非接触型ICカードの厚みの均一性を確保し、前記ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置しても上面側で発生する傾きを最小限に維持し、該カードの搬送等を円滑に行うことを可能にした構造を有する非接触型ICカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、基板(1)と、該基板(1)の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)と、該アンテナシート(2)のアンテナ部に接続してICチップ(3A)が装着されており、該ICチップ(3A)はモールド樹脂(5)で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)(4)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ(3A)、及び補強板(4)の位置には、貫通孔(9)が形成されている中間シート(6)とで構成されているコアシート(C)と、前記コアシート(C)の表裏には該コアシート(C)に接する側に接着層(8)を設けた基材(7)からなる表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート(A)又は裏面用外装シート(B)の内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサー(10)が形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0022】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がシルクスクリーン印刷などの印刷方式で印刷インキにより形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0023】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項2記載の非接触型ICカードにおいて、前記印刷インキが塩酢ビ系又はウレタン系のインキであることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0024】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)の厚みが10〜20μmの範囲であることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0025】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の非接触型ICカ
ードにおいて、前記スペーサー(10)のエッジ部はなだらかであることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0026】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がカードの外周部の所定の位置に周回するように連続的に帯状に形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0027】
本発明の請求項7に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がカードの外周部の所定の位置に短冊状の断続的なコの字形状に形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0028】
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がカードの角部の少なくとも1箇所の所定の位置にL字形状に形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0029】
本発明の請求項9に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がカードの外周端縁からIC部(3)を除いた全面に形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る非接触型ICカードは、基板と、該基板の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシートと、該アンテナシートのアンテナ部に接続してICチップが装着されており、該ICチップはモールド樹脂で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ、及び補強板の位置には、貫通孔が形成されている中間シートとで構成されているコアシートと、前記コアシートの表裏には該コアシートに接する側に接着層を設けた基材からなる表面用外装シートと裏面用外装シートとをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート又は裏面用外装シートの内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサーが形成されていることにより、非接触型ICカードの厚みの均一性を確保し、前記ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置しても上面側で発生する傾きを最小限に維持し、該カードの搬送等を円滑に行うことを可能にしたものである。さらに、ICチップ部の上面の局部的なこすれも解決し、外観特性に優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態の1実施例を示す側断面図であり、図3は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態のその他の実施例を示す側断面図であり、図4は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態のその他の実施例を示す側断面図であり、図5は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態の1実施例を示す平面図であり、図6は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のその他の実施例を示す平面図であり、図7は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のまたその他の実施例を示す平面図であり、図8は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のさらにまたその他の実施例を示す平面図である。
【0033】
本発明の非接触型ICカードは、図1〜図4に示すように、基板(1)と、該基板(1)の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)と、該アンテナシート(2)のアンテナ部に接続してICチップ(3A)が装着されており、該ICチップ(3A)はモールド樹脂(5)で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)(4)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ(3A)、及び補強板(4)の位置には、貫通孔(9)が形成されている中間シート(6)とで構成されているコアシート(C)と、前記コアシート(C)の表裏には該コアシート(C)に接する側に接着層(8)を設けた基材(7)からなる表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート(A)又は裏面用外装シート(B)の内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサー(10)が形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0034】
前記基板(1)は、低融点でラミネート時に溶融する熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、等の絶縁フィルム、などが単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。前記基板(1)の厚みは、15〜200μmの範囲が好ましい。
【0035】
このような絶縁フィルムの基板(1)上に、厚み15〜50μmの範囲の銅箔、あるいはアルミ箔を貼り合わせた後に、エッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)上にバンプ(突起電極)が形成された厚み200μm程度のICチップ(3A)をフェースダウンにて、異方性導電性接着シート(ACF)(図示せず)を介してアンテナパターンと回路形成するように搭載した。
【0036】
前記ICチップ(3A)は、エポキシ系のモールド樹脂で封止され、同時にICチップ(3A)上に補強用の厚み30〜100μmの範囲の補強板(SUS板製)(4)が載置され、これを加熱硬化させてインレットとする。
【0037】
前記インレットを挟み込むように複数の熱可塑性の中間シート(6)を配置してコアシート(C)とする。ここで、前記中間シート(6)の前記インレットのICチップ(3A)、および補強板(4)の位置には貫通孔(9)が形成されている。
【0038】
前記中間シート(6)はポリ塩化ビニル(PVC)、非晶質ポリエステル樹脂(例えば、イーストマンコダック社製、「PET−G」等)、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂を使用する。
【0039】
さらに、前記コアシート(C)の表裏には、コアシート(C)に接する側に塩酢ビ系接着剤、あるいはポリエステル系接着剤を塗布してなる接着層(8)を有する表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とが配置される。尚、前記接着剤はコアシート(C)側に塗布しても構わない。
【0040】
前記表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とは、前記基板(2)と同様の材料を用いることができ、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体(ABS)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、等の絶縁フィルム、などが単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。また、前記表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)との厚みは、0.10〜0.15mmの範囲が好ましい。
【0041】
次に、本発明の非接触型ICカードにおいては、ICチップ(3A)部分の厚みが、周辺に比べ厚くなり、カードとしては凸形状(11)となる現象を防ぐため、前記表面用外装シート(A)又は裏面用外装シート(B)の内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサー(10)を形成する。
【0042】
前記スペーサー(10)の形成方法としては、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷方式で印刷インキにより形成することが好ましいが、グラビアロールコート機などにより、コーティング剤をコートするコーティング方式でも構わない。
【0043】
前記印刷インキは、塩酢ビ系又はウレタン系のインキを用いることが好ましい。尚、外装シートの外側に設ける場合は、デザイン性を損なわないように、透明性に優れたものを使用することが好ましい。また、該スペーサー(10)の厚みは、前記スペーサー(10)が無い場合におけるICチップ(3A)部分の厚みとカード周辺部の厚みとの差を考慮して決定する。
【0044】
すなわち、厚み調整用のスペーサー(10)が無い場合にICチップ(3A)部分の厚み分が全て、カード周辺部の厚みとの差に反映されるわけではなく、周囲の中間シート(6)の材質などにより変化する。実際に問題になっているカード内での厚みの差は10〜20μm程度でそれが積み重なった際に問題となっているので、本発明においては、前記厚み調整用のスペーサー(10)の厚みは、10〜20μmの範囲であれば十分である。また、形状については、まず、該スペーサー(10)のエッジ部はなだらかであることが好ましい。
【0045】
次に、前記スペーサー(10)をカードの次のような位置に設けることが好ましい。例えば、図5に示すように、カードの外周部の所定の位置に周回するように連続的に帯状に形成する。図6に示すように、カードの外周部の所定の位置に短冊状の断続的なコの字形状に形成する。図7に示すように、カードの角部の少なくとも1箇所の所定の位置にL字形状に形成する。図8に示すように、カードの外周端縁からIC部(3)を除いた全面に形成する。
【0046】
次に、前記コアシート(C)の表裏に表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とがそれぞれ配置された該コアシート(C)を100〜150℃の温度でラミネートして総厚略0.8mmの、図2に示すように、カード面が平坦な非接触型ICカードと、図4に示すように、ICチップ(3A)部の凸形状(11)の上面の高さとスペーサー(10)上面の高さが同一になる非接触型ICカードを得た。尚、前記は単体カードを前提に説明したが、量産時は多面付けのシート状で生産し、その後、単体カードに切り出すことにより非接触型ICカードとする。
【0047】
以上のように、本発明に係る非接触型ICカードは、基板と、該基板の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシートと、該アンテナシートのアンテナ部に接続してICチップが装着されており、該ICチップはモールド樹脂で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ、及び補強板の位置には、貫通孔が形成されている中間シートとで構成されているコアシートと、前記コアシートの表裏には該コアシートに接する側に接着
層を設けた基材からなる表面用外装シートと裏面用外装シートとをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート又は裏面用外装シートの内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサーが形成されていることにより、非接触型ICカードの厚みの均一性を確保し、前記ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置しても上面側で発生する傾きを最小限に維持し、該カードの搬送等を円滑に行うことを可能にしたものである。さらに、ICチップ部の上面の局部的なこすれも解決し、外観特性に優れるものである。
【実施例】
【0048】
以下に、本発明に係る非接触型ICカードについて、具体的に実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。
【0049】
<実施例1>
図1に示すように、厚みが25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基板(1)の表面上に、銅箔にエッチングにより形成したアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)を積層し、該アンテナシート(2)のアンテナ部に接続してICチップ(3A)を装着した。前記ICチップ(3A)はエポキシ系などのモールド樹脂(5)で封止し、該ICチップ上には補強板(SUS板)(4)を載置した。これを加熱硬化させてインレットとした。前記インレットを挟み込むようにポリ塩化ビニル(PVC)樹脂からなる中間シート(6)を配置し、該中間シート(6)の前記インレットのICチップ(3A)、及び補強板(4)の位置には、貫通孔(9)を形成してコアシート(C)を作製した。
【0050】
次に、別工程で厚みが25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基材(7)のコアシート(C)に接する側にポリエステル系接着剤からなる接着層(8)を設け、さらに該接着層(8)上にシルクスクリーン印刷方式によりウレタン系の印刷インキを用いて印刷し、厚みが20μmのスペーサー(10)を形成してなる表面用外装シート(A)を作製した。
【0051】
さらに、別工程で厚みが25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基材(7)のコアシート(C)に接する側にポリエステル系接着剤からなる接着層(8)を設けた裏面用外装シート(B)を作製した。
【0052】
これらの前記表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とを前記コアシート(C)の表裏にそれぞれ配置して、温度120℃、圧力20Kg/cm2で12分間プレスラミネートを行い、圧着開放後、シートを所定のカードサイズに打抜き、図2に示すように、実施例1の非接触型ICカードを得た。
【0053】
<実施例2>
実施例1において、図3に示すように、スペーサー(10)を表面用外装シート(A)の外側に形成した以外は、実施例1と同様にして実施例2の非接触型ICカードを得た。
【0054】
<効果の確認>
実施例1及び実施例2で得られた非接触型ICカードをそれぞれ100枚重ねて傾きを測定したところ、ほとんど傾きがなかった。さらに、カード発行機にそれぞれのカードを500枚載置して、発券したところいずれのカードも問題なく発券を行うことができた。これにより発明の効果が確認された。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図2】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図3】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態のその他の実施例を示す側断面図である。
【図4】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態のその他の実施例を示す側断面図である。
【図5】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態の1実施例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のその他の実施例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のまたその他の実施例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のさらにまたその他の実施例を示す平面図である。
【図9】従来の非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図10】従来の非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図11】従来の非接触型ICカードを積み重ねた時のカードの傾きの状態を示す側断面図である。
【図12】先行文献技術文献の非接触型ICカードの構成図である。
【符号の説明】
【0056】
A・・・表面用外装シート
B・・・裏面用外装シート
C・・・コアシート
1・・・基板
2・・・アンテナシート
3・・・IC部
3A・・・ICチップ
4・・・補強板
5・・・モールド樹脂
6・・・中間シート
7・・・基材
8・・・接着層
9・・・貫通孔
10・・・厚み調整用のスペーサー
11・・・凸形状
N・・・傾き
K・・・カード
1’・・・非接触型ICカード
2’・・・ICカード用基板
2a’・・・厚み調整部材
3’・・・接着層
4’・・・接着層
5’・・・保護シート
6’・・・保護シート
11’・・・ICカード用電子回路部品
20’・・・ICカード用電子回路部品
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップを内蔵する非接触型ICカードに関するもので、さらに詳しくは非接触型ICカードの厚みの均一性を確保し、前記ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置しても上面側で発生する傾きを最小限に維持し、該カードの搬送等を円滑に行うことを可能にした構造を有する非接触型ICカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、クレジットカード、キャッシュカードなどの分野においては、磁気カードに代わるカードとして、カード基板にマイクロプロセッサ(MPU)やデータメモリなどのICメモリを含むICモジュールを内蔵したICカードが、情報記憶容量が非常に大きいこと、また高いセキュリティ性を有することから注目されている。
【0003】
特に、近年はICカードの情報量が、磁気カードに比較して非常に大きいこと、またセキュリティ性も高いということなどの理由から急速に金融分野、流通分野、交通分野、行政分野、通信分野などいろいろな分野でICカードの利用が検討、或いは実用化されている。
【0004】
ICカードの種類も多様化されている。例えば、ICカードにCPU(中央演算処理装置)を内蔵しているか否かによる分類や、またICカードに搭載されているICチップと、外部装置とのデータの送受信方法などにより分類することもできる。
【0005】
ICカードは、磁気カードと類似の形状と材料からできているプラスチック製カードの中にICチップが埋め込まれている。該ICチップにCPUを内蔵しており、演算機能があるため、データの読み書きの際にアクセスが正しいかどうか判断することができ高いセキュリティを実現できる。
【0006】
前記、ICチップ内のデータの読取りや書込みを行うためには、外部とのインターフェースが必要である。また、ICカードには、電池が内蔵されていないので、ICチップを動作させる電力を外部から供給する必要がある。
【0007】
このようなことから、ICカードには、CPUの有無による分類のほかに、リーダライタ等の外部機器とのインターフェースによる違いから、接触型ICカードと非接触型ICカードなどがある。
【0008】
接触型ICカードは、カード表面に露出した外部接続端子を直接、リーダライタ側の端子に接触させて電力供給を受けたり、外部機器とのデータ通信を行うものでICカードの中では一番多い種類である。
【0009】
一方、非接触型ICカードは、近年急速に普及してきたICカードである。カード表面に外部機器とのデータなどをやり取りする外部接続端子がなく、カード内部にICチップとコイルアンテナを内蔵しており、電波により、リーダライタと情報のやり取りを行う仕組みになっている。
【0010】
非接触型ICカードは、ICカードにアンテナを内蔵しているだけでなく、リーダライタの方にもアンテナを内蔵し、ICカードはリーダライタからの電波を利用して電力供給を受けるとともにデータなどの情報のやり取りを行う。
【0011】
ところで、従来のこのような非接触型ICカードは、熱ラミネートにより形成する方法が一般的である。まず、図9に示すように、熱ラミネート前の非接触型ICカードを構成するコアシート(C)、表面用外装シート(A)及び裏面用外装シート(B)の層構成を説明する。
【0012】
まず、コアシート(C)は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの基板(1)の表面上に、金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)が積層され、該アンテナシート(2)のアンテナ部に接続してICチップ(3A)が装着されており、該ICチップ(3A)はモールド樹脂(5)で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)(4)が載置されており、これを加熱硬化させてインレットとしている。また、前記インレットを挟み込むようにポリ塩化ビニル(PVC)、非晶質ポリエステル樹脂(例えば、イーストマンコダック社製、「PET−G」等)などの低融点でラミネート時に溶融する熱可塑性樹脂からなる中間シート(6)が配置されている。さらに、この中間シート(6)の前記インレットのICチップ(3A)、及び補強板(4)の位置には、貫通孔(9)が形成されている。
【0013】
次に、前記コアシート(C)の表裏に積層する表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とは、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの基材(7)のコアシート(C)に接する側に接着層(8)を設けた構成になっている。
【0014】
このような表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とを前記コアシート(C)の表裏に配置して、所定の温度で熱ラミネートして、図10に示すように、非接触型ICカードとするものである。前記は、単体カードを前提に説明したが、量産時は多面付けのシート状で生産し、その後、単体カードに切り出すことにより非接触型ICカードとする。
【0015】
このように従来の非接触型ICカードの製造法においては、非接触型ICカードを熱ラミネートにより形成する方法が一般的であり、前記カードを構成している中間シート(6)は、前述のように塩化ビニル(PVC)、非晶質ポリエステル樹脂(例えば、イーストマンコダック社製、「PET−G」等)などの低融点でラミネート時に溶融する熱可塑性樹脂で構成されているため、熱ラミネート時に軟化して厚みが変化するが、耐熱温度が比較的高いポリエチレンテレフタレート(PET)で形成された前記外装シート(A、B)、SUS板製の補強板(4)及びICチップ(3A)の部分は、熱ラミネート程度の加熱温度では、厚みが変化しないので、ICチップ(3A)の部分とその周辺の部分では、厚みの差が発生することがある。非接触型ICカードの場合は、特に、IC部(3)は、構成上、複雑であるため、周辺に比べ厚くなり、カードとしては凸形状(11)となる傾向がある。
【0016】
したがって、IC部(3)が厚く形成された場合、ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置した際、寸法差の累積により、例えば、図11に示すように、例えば、従来のICカード(K)を250枚重ねた際に上面側で傾き、積層傾き(N)が5mm程度発生し、カードのハンドリング・搬送などを円滑に行うことができないという問題が発生する。
【0017】
このような問題を解決する技術として、図12に示すように、ICカード用基板(2’)と、ICカード用基板(2’)に搭載されたICカード用電子回路部品(11’、20’)と、ICカード用基板(2’)の周辺部の厚みを調整する厚み調整部材(2a’)と、ICカード用基板(2’)と厚み調整部材(2a’)の両側に位置する接着層(3’、4’)と、接着層(3’、4’)の外側に位置する保護シート(5’、6’)とが一体構
成されている非接触型ICカード(1’)が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。この場合の厚み調整部材(2a’)として、厚さ100〜150μmのポリ塩化ビニルや、共重合ポリエステルシートを挟み込み、熱ラミネートにより厚みを調整するというものである。
【0018】
しかしながら、上記のような厚み調整部材(2a’)を使用する場合、実際に問題となっているカード内での厚みの差は、10〜20μm程度でそれが積み重なった際に問題となっているもので、それを改善するために部分的に前記のような厚み調整部材(2a’)を設けても、その周辺に熱ラミネートでのコントロールが困難で逆に凹部が発生し易いというような別の問題が発生し、完全な解決策にはならない。
【0019】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2002−279381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、非接触型ICカードの厚みの均一性を確保し、前記ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置しても上面側で発生する傾きを最小限に維持し、該カードの搬送等を円滑に行うことを可能にした構造を有する非接触型ICカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、基板(1)と、該基板(1)の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)と、該アンテナシート(2)のアンテナ部に接続してICチップ(3A)が装着されており、該ICチップ(3A)はモールド樹脂(5)で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)(4)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ(3A)、及び補強板(4)の位置には、貫通孔(9)が形成されている中間シート(6)とで構成されているコアシート(C)と、前記コアシート(C)の表裏には該コアシート(C)に接する側に接着層(8)を設けた基材(7)からなる表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート(A)又は裏面用外装シート(B)の内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサー(10)が形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0022】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がシルクスクリーン印刷などの印刷方式で印刷インキにより形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0023】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項2記載の非接触型ICカードにおいて、前記印刷インキが塩酢ビ系又はウレタン系のインキであることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0024】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)の厚みが10〜20μmの範囲であることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0025】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の非接触型ICカ
ードにおいて、前記スペーサー(10)のエッジ部はなだらかであることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0026】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がカードの外周部の所定の位置に周回するように連続的に帯状に形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0027】
本発明の請求項7に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がカードの外周部の所定の位置に短冊状の断続的なコの字形状に形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0028】
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がカードの角部の少なくとも1箇所の所定の位置にL字形状に形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0029】
本発明の請求項9に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカードにおいて、前記スペーサー(10)がカードの外周端縁からIC部(3)を除いた全面に形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る非接触型ICカードは、基板と、該基板の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシートと、該アンテナシートのアンテナ部に接続してICチップが装着されており、該ICチップはモールド樹脂で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ、及び補強板の位置には、貫通孔が形成されている中間シートとで構成されているコアシートと、前記コアシートの表裏には該コアシートに接する側に接着層を設けた基材からなる表面用外装シートと裏面用外装シートとをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート又は裏面用外装シートの内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサーが形成されていることにより、非接触型ICカードの厚みの均一性を確保し、前記ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置しても上面側で発生する傾きを最小限に維持し、該カードの搬送等を円滑に行うことを可能にしたものである。さらに、ICチップ部の上面の局部的なこすれも解決し、外観特性に優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態の1実施例を示す側断面図であり、図3は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態のその他の実施例を示す側断面図であり、図4は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態のその他の実施例を示す側断面図であり、図5は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態の1実施例を示す平面図であり、図6は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のその他の実施例を示す平面図であり、図7は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のまたその他の実施例を示す平面図であり、図8は本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のさらにまたその他の実施例を示す平面図である。
【0033】
本発明の非接触型ICカードは、図1〜図4に示すように、基板(1)と、該基板(1)の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)と、該アンテナシート(2)のアンテナ部に接続してICチップ(3A)が装着されており、該ICチップ(3A)はモールド樹脂(5)で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)(4)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ(3A)、及び補強板(4)の位置には、貫通孔(9)が形成されている中間シート(6)とで構成されているコアシート(C)と、前記コアシート(C)の表裏には該コアシート(C)に接する側に接着層(8)を設けた基材(7)からなる表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート(A)又は裏面用外装シート(B)の内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサー(10)が形成されていることを特徴とする非接触型ICカードである。
【0034】
前記基板(1)は、低融点でラミネート時に溶融する熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、等の絶縁フィルム、などが単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。前記基板(1)の厚みは、15〜200μmの範囲が好ましい。
【0035】
このような絶縁フィルムの基板(1)上に、厚み15〜50μmの範囲の銅箔、あるいはアルミ箔を貼り合わせた後に、エッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)上にバンプ(突起電極)が形成された厚み200μm程度のICチップ(3A)をフェースダウンにて、異方性導電性接着シート(ACF)(図示せず)を介してアンテナパターンと回路形成するように搭載した。
【0036】
前記ICチップ(3A)は、エポキシ系のモールド樹脂で封止され、同時にICチップ(3A)上に補強用の厚み30〜100μmの範囲の補強板(SUS板製)(4)が載置され、これを加熱硬化させてインレットとする。
【0037】
前記インレットを挟み込むように複数の熱可塑性の中間シート(6)を配置してコアシート(C)とする。ここで、前記中間シート(6)の前記インレットのICチップ(3A)、および補強板(4)の位置には貫通孔(9)が形成されている。
【0038】
前記中間シート(6)はポリ塩化ビニル(PVC)、非晶質ポリエステル樹脂(例えば、イーストマンコダック社製、「PET−G」等)、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂を使用する。
【0039】
さらに、前記コアシート(C)の表裏には、コアシート(C)に接する側に塩酢ビ系接着剤、あるいはポリエステル系接着剤を塗布してなる接着層(8)を有する表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とが配置される。尚、前記接着剤はコアシート(C)側に塗布しても構わない。
【0040】
前記表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とは、前記基板(2)と同様の材料を用いることができ、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体(ABS)、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、等の絶縁フィルム、などが単独で又は組み合わされた複合体として使用可能である。また、前記表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)との厚みは、0.10〜0.15mmの範囲が好ましい。
【0041】
次に、本発明の非接触型ICカードにおいては、ICチップ(3A)部分の厚みが、周辺に比べ厚くなり、カードとしては凸形状(11)となる現象を防ぐため、前記表面用外装シート(A)又は裏面用外装シート(B)の内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサー(10)を形成する。
【0042】
前記スペーサー(10)の形成方法としては、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷などの印刷方式で印刷インキにより形成することが好ましいが、グラビアロールコート機などにより、コーティング剤をコートするコーティング方式でも構わない。
【0043】
前記印刷インキは、塩酢ビ系又はウレタン系のインキを用いることが好ましい。尚、外装シートの外側に設ける場合は、デザイン性を損なわないように、透明性に優れたものを使用することが好ましい。また、該スペーサー(10)の厚みは、前記スペーサー(10)が無い場合におけるICチップ(3A)部分の厚みとカード周辺部の厚みとの差を考慮して決定する。
【0044】
すなわち、厚み調整用のスペーサー(10)が無い場合にICチップ(3A)部分の厚み分が全て、カード周辺部の厚みとの差に反映されるわけではなく、周囲の中間シート(6)の材質などにより変化する。実際に問題になっているカード内での厚みの差は10〜20μm程度でそれが積み重なった際に問題となっているので、本発明においては、前記厚み調整用のスペーサー(10)の厚みは、10〜20μmの範囲であれば十分である。また、形状については、まず、該スペーサー(10)のエッジ部はなだらかであることが好ましい。
【0045】
次に、前記スペーサー(10)をカードの次のような位置に設けることが好ましい。例えば、図5に示すように、カードの外周部の所定の位置に周回するように連続的に帯状に形成する。図6に示すように、カードの外周部の所定の位置に短冊状の断続的なコの字形状に形成する。図7に示すように、カードの角部の少なくとも1箇所の所定の位置にL字形状に形成する。図8に示すように、カードの外周端縁からIC部(3)を除いた全面に形成する。
【0046】
次に、前記コアシート(C)の表裏に表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とがそれぞれ配置された該コアシート(C)を100〜150℃の温度でラミネートして総厚略0.8mmの、図2に示すように、カード面が平坦な非接触型ICカードと、図4に示すように、ICチップ(3A)部の凸形状(11)の上面の高さとスペーサー(10)上面の高さが同一になる非接触型ICカードを得た。尚、前記は単体カードを前提に説明したが、量産時は多面付けのシート状で生産し、その後、単体カードに切り出すことにより非接触型ICカードとする。
【0047】
以上のように、本発明に係る非接触型ICカードは、基板と、該基板の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシートと、該アンテナシートのアンテナ部に接続してICチップが装着されており、該ICチップはモールド樹脂で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ、及び補強板の位置には、貫通孔が形成されている中間シートとで構成されているコアシートと、前記コアシートの表裏には該コアシートに接する側に接着
層を設けた基材からなる表面用外装シートと裏面用外装シートとをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート又は裏面用外装シートの内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサーが形成されていることにより、非接触型ICカードの厚みの均一性を確保し、前記ICカードを複数枚(100〜500枚程度)重ねた状態でカード発行機内に配置しても上面側で発生する傾きを最小限に維持し、該カードの搬送等を円滑に行うことを可能にしたものである。さらに、ICチップ部の上面の局部的なこすれも解決し、外観特性に優れるものである。
【実施例】
【0048】
以下に、本発明に係る非接触型ICカードについて、具体的に実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。
【0049】
<実施例1>
図1に示すように、厚みが25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基板(1)の表面上に、銅箔にエッチングにより形成したアンテナパターンを配置したアンテナシート(2)を積層し、該アンテナシート(2)のアンテナ部に接続してICチップ(3A)を装着した。前記ICチップ(3A)はエポキシ系などのモールド樹脂(5)で封止し、該ICチップ上には補強板(SUS板)(4)を載置した。これを加熱硬化させてインレットとした。前記インレットを挟み込むようにポリ塩化ビニル(PVC)樹脂からなる中間シート(6)を配置し、該中間シート(6)の前記インレットのICチップ(3A)、及び補強板(4)の位置には、貫通孔(9)を形成してコアシート(C)を作製した。
【0050】
次に、別工程で厚みが25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基材(7)のコアシート(C)に接する側にポリエステル系接着剤からなる接着層(8)を設け、さらに該接着層(8)上にシルクスクリーン印刷方式によりウレタン系の印刷インキを用いて印刷し、厚みが20μmのスペーサー(10)を形成してなる表面用外装シート(A)を作製した。
【0051】
さらに、別工程で厚みが25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基材(7)のコアシート(C)に接する側にポリエステル系接着剤からなる接着層(8)を設けた裏面用外装シート(B)を作製した。
【0052】
これらの前記表面用外装シート(A)と裏面用外装シート(B)とを前記コアシート(C)の表裏にそれぞれ配置して、温度120℃、圧力20Kg/cm2で12分間プレスラミネートを行い、圧着開放後、シートを所定のカードサイズに打抜き、図2に示すように、実施例1の非接触型ICカードを得た。
【0053】
<実施例2>
実施例1において、図3に示すように、スペーサー(10)を表面用外装シート(A)の外側に形成した以外は、実施例1と同様にして実施例2の非接触型ICカードを得た。
【0054】
<効果の確認>
実施例1及び実施例2で得られた非接触型ICカードをそれぞれ100枚重ねて傾きを測定したところ、ほとんど傾きがなかった。さらに、カード発行機にそれぞれのカードを500枚載置して、発券したところいずれのカードも問題なく発券を行うことができた。これにより発明の効果が確認された。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図2】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図3】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態のその他の実施例を示す側断面図である。
【図4】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態のその他の実施例を示す側断面図である。
【図5】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態の1実施例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のその他の実施例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のまたその他の実施例を示す平面図である。
【図8】本発明に係る非接触型ICカードにおいて、表面用外装シートの外側にスペーサーを形成した状態のさらにまたその他の実施例を示す平面図である。
【図9】従来の非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートする前の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図10】従来の非接触型ICカードにおいて、コアシートの表裏に表面用外装シートと裏面用外装シートとを熱ラミネートした後の状態の1実施例を示す側断面図である。
【図11】従来の非接触型ICカードを積み重ねた時のカードの傾きの状態を示す側断面図である。
【図12】先行文献技術文献の非接触型ICカードの構成図である。
【符号の説明】
【0056】
A・・・表面用外装シート
B・・・裏面用外装シート
C・・・コアシート
1・・・基板
2・・・アンテナシート
3・・・IC部
3A・・・ICチップ
4・・・補強板
5・・・モールド樹脂
6・・・中間シート
7・・・基材
8・・・接着層
9・・・貫通孔
10・・・厚み調整用のスペーサー
11・・・凸形状
N・・・傾き
K・・・カード
1’・・・非接触型ICカード
2’・・・ICカード用基板
2a’・・・厚み調整部材
3’・・・接着層
4’・・・接着層
5’・・・保護シート
6’・・・保護シート
11’・・・ICカード用電子回路部品
20’・・・ICカード用電子回路部品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシートと、該アンテナシートのアンテナ部に接続してICチップが装着されており、該ICチップはモールド樹脂で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ、及び補強板の位置には、貫通孔が形成されている中間シートとで構成されているコアシートと、前記コアシートの表裏には該コアシートに接する側に接着層を設けた基材からなる表面用外装シートと裏面用外装シートとをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート又は裏面用外装シートの内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサーが形成されていることを特徴とする非接触型ICカード。
【請求項2】
前記スペーサーがシルクスクリーン印刷などの印刷方式で印刷インキにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の非接触型ICカード。
【請求項3】
前記印刷インキが塩酢ビ系又はウレタン系のインキであることを特徴とする請求項2記載の非接触型ICカード。
【請求項4】
前記スペーサーの厚みが10〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項5】
前記スペーサーのエッジ部はなだらかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項6】
前記スペーサーがカードの外周部の所定の位置に周回するように連続的に帯状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項7】
前記スペーサーがカードの外周部の所定の位置に短冊状の断続的なコの字形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項8】
前記スペーサーがカードの角部の少なくとも1箇所の所定の位置にL字形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項9】
前記スペーサーがカードの外周端縁からIC部を除いた全面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項1】
基板と、該基板の表面上に金属箔にエッチングにより形成されたアンテナパターンを配置したアンテナシートと、該アンテナシートのアンテナ部に接続してICチップが装着されており、該ICチップはモールド樹脂で封止され、該ICチップ上には補強板(SUS板)が載置されており、これを加熱硬化させたインレットと、前記インレットを挟み込むように熱可塑性樹脂からなり、該インレットのICチップ、及び補強板の位置には、貫通孔が形成されている中間シートとで構成されているコアシートと、前記コアシートの表裏には該コアシートに接する側に接着層を設けた基材からなる表面用外装シートと裏面用外装シートとをそれぞれ配置して、所定の温度でラミネートして形成される非接触型ICカードにおいて、前記表面用外装シート又は裏面用外装シートの内側もしくは外側に厚み調整用のスペーサーが形成されていることを特徴とする非接触型ICカード。
【請求項2】
前記スペーサーがシルクスクリーン印刷などの印刷方式で印刷インキにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の非接触型ICカード。
【請求項3】
前記印刷インキが塩酢ビ系又はウレタン系のインキであることを特徴とする請求項2記載の非接触型ICカード。
【請求項4】
前記スペーサーの厚みが10〜20μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項5】
前記スペーサーのエッジ部はなだらかであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項6】
前記スペーサーがカードの外周部の所定の位置に周回するように連続的に帯状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項7】
前記スペーサーがカードの外周部の所定の位置に短冊状の断続的なコの字形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項8】
前記スペーサーがカードの角部の少なくとも1箇所の所定の位置にL字形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【請求項9】
前記スペーサーがカードの外周端縁からIC部を除いた全面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触型ICカード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−157742(P2009−157742A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336655(P2007−336655)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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