説明

非接触給電装置

【課題】給電トランスの相互インダクタンスが変化する用途においても効率的な電力供給を行うことができる非接触給電装置を提供する。
【解決手段】制御装置30の周波数制御器31において、給電トランスTfの送電コイル14と受電コイル21間の相互インダクタンスMの変化に応じた電流の共振周波数を探索し、電圧型インバータ部13の出力電圧を制御するための電圧指令の周波数が電流の周波数に応じた値となるように周波数制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電トランスを用いて非接触で負荷に対して電力を供給する非接触給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の非接触給電装置において、高周波電源部から出力される高周波電力の力率をほぼ「1」近くにして効率的な電力供給を行えるようにするために、抵抗検出回路により負荷の抵抗成分を検出し、検出された負荷の抵抗成分に応じて高周波電源部が生成する高周波電力の周波数を制御するという技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−272134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている従来の技術では、負荷の抵抗成分を検出して検出した負荷の抵抗成分に応じて周波数を可変するようにしているが、給電トランスの相互インダクタンスの変化については考慮していないため、例えば、地上に設置された送電コイル(1次コイル)と車両に設置された受電コイル(2次コイル)との間で非接触で電力を伝送して車両に電力供給する場合など、送受電コイル間の相対距離が必ずしも一定とならない用途で使用する場合には、相互インダクタンスの変化により力率が低下して、効率的な電力供給ができなくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消すべく創案されたものであって、給電トランスの相互インダクタンスが変化する用途においても効率的な電力供給を行うことができる非接触給電装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る非接触給電装置は、複数のコイルおよび共振素子による共振によって複数コイル間で非接触に電力を伝送する給電トランスと、給電トランスに高周波電流を通電する電力変換器と、電力変換器の出力電圧を制御する制御装置とを備える。そして、制御装置が、給電トランスの相互インダクタンスの変化に応じた共振電流の周波数値を探索する周波数探索手段と、探索した周波数値に応じて電力変換器の出力電圧指令を生成する出力電圧指令生成手段とを有し、周波数探索手段により探索した共振電流の周波数値に基づいて、電力変換器の出力電圧指令の周波数値を共振電流の周波数値に応じた値とすることで、上記の課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る非接触給電装置によれば、給電トランスの送受電コイル間の相互インダクタンスの変化に応じて電流の周波数を探索し、電圧周波数を電流周波数に合わせるようにしているので、給電トランスの送受電コイル間の相互インダクタンスが変化した場合であっても効率的な電力供給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る非接触給電装置の構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る非接触給電装置の変形例を示す構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る非接触給電装置の他の変形例を示す構成図である。
【図4】第1の実施形態に係る非接触給電装置のさらに他の変形例を示す構成図である。
【図5】第1の実施形態に係る非接触給電装置の制御装置の構成図である。
【図6】アナログ制御でキャリアを生成する手法を説明する図である。
【図7】デジタル制御でキャリアを生成する手法を説明する図である。
【図8】電圧型インバータ部の各スイッチに対するスイッチングパルスを生成する手法を説明する図である。
【図9】電圧型インバータ部の各スイッチに対するスイッチングパルスを生成する手法を説明する図である。
【図10】図1における回路Aの力率の周波数特性と、電圧型インバータ部の出力電流と出力電圧との位相差の周波数特性を示す図である。
【図11】電圧型インバータ部の出力電流と出力電圧との位相差に応じた電圧・電流波形を示す図である。
【図12】送電コイルと受電コイルの平面横方向のずれXにより相互インダクタンスMが変化することを示す特性図である。
【図13】送電コイルと受電コイルのコイル間のギャップZに対する相互インダクタンスMの変化を示す特性図である。
【図14】送電コイルと受電コイルとの相対位置変化により図1における回路Aの共振周波数が変化して力率の周波数特性が変化することを示す図である。
【図15】周波数制御器における周波数指令生成部の具体的構成を示す図である。
【図16】周波数指令生成部において周波数探索が行われる様子を示す模式図である。
【図17】周波数制御器における周波数制御の制御ロジックを示すフローチャートである。
【図18】送電コイルと受電コイルの相対距離と初期周波数との関係を定めた対応テーブルの示す図である。
【図19】第2の実施形態に係る非接触給電装置の構成図である。
【図20】第2の実施形態に係る非接触給電装置の制御装置の構成図である。
【図21】DCDCコンバータ部のスイッチに対するスイッチングパルスを生成する手法を説明する図である。
【図22】DCDC制御部による電圧制御および周波数制御器による周波数制御の制御ロジックを示すフローチャートである。
【図23】第3の実施形態に係る非接触給電装置の制御装置の構成図である。
【図24】電流判定部による判定も含めた周波数制御器による周波数制御の制御ロジックを示すフローチャートである。
【図25】電圧型インバータ部の駆動周波数と出力電流との関係を示す図である。
【図26】第3の実施形態に係る非接触給電装置の制御装置の変形例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る非接触給電装置の構成図である。本実施形態の非接触給電装置は、給電側回路10(1次側)と受電側回路20(2次側)と制御装置30とで構成され、給電側回路10の1次コイルと受電側回路20の2次コイルからなる給電トランスTfでの電磁誘導作用により、給電側回路10から受電側回路20へと非接触で電力供給するものである。
【0011】
給電側回路10は、固定設備として設けられ、商用周波数の交流電源部11と、交流電源部11から給電される交流電圧を直流電圧に変換する直流電源部12と、直流電源部12から出力される直流電圧を1〜50kHz程度の高周波電力に逆変換する電圧型インバータ部13と、電圧型インバータ部13から出力される高周波電力を受電側回路20に非接触で供給する送電コイル(1次コイル)14と、送電コイル14と直列に設けられて給電側の共振回路を構成する1次コンデンサ15とを有する。電圧型インバータ部13は、スイッチSW1〜SW4と逆接続ダイオードと直流電圧の平滑コンデンサとから構成され、制御装置30からのスイッチ指令に従ってスイッチSW1〜SW4のオン/オフが切り替えられることにより、直流電源部12から出力される直流電圧を1〜50kHz程度の高周波電力に逆変換する
一方、受電側回路20は、例えば車両などの移動体に設けられ、給電側回路10の送電コイル14から電磁誘導作用により非接触状態で高周波電力を受電する受電コイル(2次コイル)21と、受電コイル21に並列に設けられて受電側の共振回路を構成する2次コンデンサ22と、受電コイル21で受電した高周波電力を整流する整流部23と、負荷24とを有する。
【0012】
なお、図1に示した例では、1次コンデンサ15は送電コイル14に対して直列に接続され、2次コンデンサ22は受電コイル21に対して並列に接続されているが、図2に示すように、1次コンデンサ15と2次コンデンサ22の双方を並列接続する構成としてもよいし、また、図3に示すように、1次コンデンサ15と2次コンデンサ22の双方を直列接続する構成としてもよい。
【0013】
また、図4に示すように、電圧型インバータ部13と1次コンデンサ15との間に絶縁トランスTiを設け、絶縁トランスTiの一次側に直列に共振回路を構成するコンデンサ16を接続した構成としてもよい。また、コンデンサ16は絶縁トランスTiの一次側に対して並列に接続してもよい。
【0014】
図5は、本実施形態の非接触給電装置における制御装置30の構成図である。この制御装置30は、上述した給電側回路10の電圧型インバータ部13を制御するものであり、電圧型インバータ部13の出力電圧の周波数を制御する周波数制御器31と、電圧型インバータ部13の出力電圧のパルス幅を制御し、スイッチングパルスを生成する電圧指令生成部32とから構成される。
【0015】
周波数制御器31は本発明の主要な部分であり、周波数指令生成部311とキャリア生成部312とから構成される。
【0016】
周波数指令生成部311は、電圧型インバータ部13の出力電流の検出値iinvを入力し、この電圧型インバータ部13の出力電流iinvをもとに、電圧型インバータ部13が出力する電力の力率を「1」とするような周波数指令frefを演算する。なお、この周波数指令値frefの演算方法については詳細は後述する。
【0017】
キャリア生成部312は、周波数指令生成部311で演算した周波数指令値frefに基づいてキャリアの振幅Vを演算し、キャリアを生成する。例えば、アナログ制御でキャリアを生成する場合は、図6に示すように、キャリアの傾きをdv/dtとすると、
=dv/dt・1/fref
によりキャリアの振幅Vを求める。また、デジタル制御の場合は、デジタル発振周波数をf[Hz]として1カウントづつ増加することでキャリアを生成するとすると、図7に示すように、
=f/fref
によりキャリアの振幅Vを求める。ただし、Vは整数である。
【0018】
電圧指令生成部32は、電圧型インバータ部13の出力電圧振幅指令Vrefを生成する電圧振幅指令生成部321と、電圧振幅指令生成部321で生成した出力電圧振幅指令Vrefと周波数制御器31のキャリア生成部312で生成したキャリアとの比較を行ってスイッチングパルスを生成するSWパルス生成部322とから構成される。
【0019】
電圧指令生成部321は、外部から与えられる電力指令Prefから、実験や計算などにより予め求められたマップ等を参照して、電圧型インバータ部13の出力電圧振幅指令Vrefを求める。
【0020】
SWパルス生成部322は、図8に示すように、キャリアと出力電圧振幅指令Vrefおよび振幅Vとの比較から、電圧型インバータ部13の各スイッチSW1〜SW4に対するスイッチングパルスを以下のように決定する。
スイッチSW1:キャリア≦V/2のときON
キャリア>V/2のときOFF
スイッチSW2:キャリア≦V/2のときOFF
キャリア>V/2のときON
スイッチSW3:キャリア≧Vref、かつ、キャリア≦Vref+V/2のときON
キャリア<Vref、または、キャリア>Vref+V/2のときOFF
スイッチSW4:キャリア≧Vref、かつ、キャリア≦Vref+V/2のときOFF
キャリア<Vref、または、キャリア>Vref+V/2のときON
また、SWパルス生成部322は、スイッチSW1,SW3およびスイッチSW2,SW4で、正負極間のアーム短絡が発生しないよう、デッドタイムを生成する。このようにして、図8のタイムチャートの下段に示すように、電圧型インバータ部13の出力線間電圧Vinvの正電圧(+Vdc)と負電圧(−Vdc)のパルス幅を制御することができる。また、Vref=V/2の場合には、各スイッチSW1〜SW4に対するスイッチングパルスは図9に示すようになり、電圧型インバータ部13の出力線間電圧Vinvは最大出力状態となって、出力電圧の利用率が最大となるため効率がよい。
【0021】
次に、本発明の主要部分となる周波数制御器31の周波数指令生成部311の構成と動作について、さらに詳しく説明する。
【0022】
まず、本実施形態の非接触給電装置における回路の共振周波数と力率、および位相の関係について、図10および図11を用いて説明する。図10は、図1における電圧型インバータ部13から右の回路(以下、これを回路Aとする。)の力率の周波数特性と、電流iinvと電圧Vinvとの位相差の周波数特性を示す図である。なお、図中の実線で示すグラフが力率の周波数特性を示し、一点鎖線で示すグラフが電流iinvと電圧Vinvとの位相差の周波数特性を示している。また、位相差の定義は、電圧位相に対して電流位相が遅れた場合を正とする。
【0023】
ここで、回路Aはコイルとコンデンサから構成されているため、共振現象が発生する。この共振周波数をfとして位相差を見てみると、電圧型インバータ部13の駆動周波数(インバータ駆動周波数)がfより低い領域では進み位相(位相差が負)となり、fより高い領域では遅れ位相(位相差が正)となる。これは、インバータ駆動周波数が低い領域では回路Aは容量性の特性を示し、逆に、インバータ駆動周波数が高い領域では回路Aは誘導性の特性を示すからである。このとき、進み位相の場合の電圧・電流波形は図11(a)のようになり、時刻t点において電圧を切り替えた場合の電流値は負となる。これに対して、遅れ位相の場合の電圧・電流波形は図11(c)のようになり、時刻t点において電圧を切り替えた場合の電流値は正となる。また、共振周波数fと電圧パルスの周波数が一致した場合は、図11(b)のように電圧・電流の位相差が零となり、時刻tにおける電流は零となり零電流スイッチングができる。
【0024】
次に、力率について説明する。力率は電流と電圧の位相差のコサインを取ったものであるから、位相差が零であるとき力率は最も高くなる。一般に、単相交流の電力は力率と電流、電圧の実効値の積から求められるため、力率が高いほど電流の実効値を低く抑えることができ、効率よく電力を伝送できるようになる。このように、インバータ駆動周波数を共振周波数fに一致させることにより、力率を「1」とし、電圧型インバータ部13が零電流スイッチングするため、高効率な運転が可能となる。
【0025】
次に、相互インダクタンスと共振周波数fの変化について、図12乃至図14を用いて説明する。共振周波数fは、回路Aを構成する受動素子、主に、1次コンデンサ15の容量C、送電コイル14の自己インダクタンスL、送電コイル14と受電コイル21間の相互インダクタンスMなどによって決定される。ここで、例えば送電コイル14を地上に設置し、受電コイル21を車両に搭載して非接触で車両のバッテリ(負荷24)を充電するような場合を考えると、車両の停止状態や車高によって送電コイル14と受電コイル21の相互インダクタンスMは大きく変化する。図12および図13はその変化の様子を示しており、図12は送電コイル14と受電コイル21の平面横方向のずれ(X)により相互インダクタンスMが変化することを示す特性図、図13は送電コイル14と受電コイル21のコイル間のギャップ(Z)に対する相互インダクタンスMの変化を示す特性図である。これら図12および図13に示すように、送電コイル14と受電コイル21との相対位置が変化すると、共振周波数が例えば図14のfからfのように変化し、力率の周波数特性が変化する。このような共振周波数の変化は、相互インダクタンスMの変化に応じた値となる。従って、インバータ駆動周波数と共振周波数とが一致していた動作点から相互インダクタンスMが変化すると、進み位相、あるいは遅れ位相のいずれかの状態となり、いずれにしても力率は低い値となる。
【0026】
以上のように、送電コイル14と受電コイル21との相対位置が変化し相互インダクタンスMが変化すると、力率が低くなり効率が低下することになる。そこで、本実施形態の非接触給電装置では、制御装置30の周波数制御器31において、前述の送電コイル14と受電コイル21間の相互インダクタンスMが変化したときの力率の低下を補償するように周波数制御を行うことで、高効率な運転を維持できるようにしている。具体的には、周波数制御器31の周波数指令生成部311を、図15に示すように、電圧型インバータ部13の出力電流検出値iinvから周波数増減量Δfを求める周波数加減算テーブル311aと、初期周波数fの更新を行う更新部311bと、初期周波数fと周波数増減量Δfとを加算して周波数指令frefを求める加算器311cとを備えた構成とする。
【0027】
電圧型インバータ部13の出力電流iinvの検出は、図11に示した時刻t点のように、電圧型インバータ部13の出力線間電圧Vinvが正から負に切り替わるタイミングでサンプリングする。周波数加算テーブル311aは、この検出した電流値iinvの正、負に基づき、周波数増減量Δfを以下のように決定する。
検出した電流値iinvが負の場合:Δf = +a[Hz]
検出した電流値iinvが正の場合:Δf = −a[Hz]
ここで、aの値は大きくするほど周波数探索速度が向上し、小さくするほど探索精度が向上することを加味して、適切な値を選定する。
【0028】
次に、加算器311cにて初期周波数fと周波数増減量ΔFとを加算することにより、周波数指令frefを求める。
【0029】
図16は、以上のように構成される周波数指令生成部311において周波数探索が行われる様子を示す模式図である。図16(a)の上段のように、時刻tにて電圧Vinvが正から負にが切り替わる状態で検出電流iinvが負だった場合は、パルス幅を狭く(つまり、周波数を高く)し、電圧切り替えのタイミングを時刻tのタイミングとすることで、図16(a)の下段に示すように、力率「1」と零電流スイッチングを実現することができる。また、時刻tにおける検出電流iinvが正だった場合は、逆にパルス幅を太く(つまり、周波数を低く)すればよい。また、図16(b)の上段に示すように、共振電流の周波数と駆動周波数が異なる場合においても、図16(a)の場合と同じロジックで駆動周波数を決定することにより、図16(b)の下段に示すように零電流スイッチングを実現することができる。
【0030】
図17は、周波数制御器31における周波数制御の制御ロジックを示すフローチャートである。本ロジックは、検出電流iinvの平均値が零近傍となるように周波数を制御するロジックである。
【0031】
具体的には、まず、ステップS101において電流値iinvを検出した後、ステップS102において複数回の電圧切替時の電流平均値を算出する。次に、ステップS103において、ステップS102で算出した電流平均値の絶対値が所定値bを下回っているか否かを判定する。ここで、所定値bとしては零近傍の値が用いられる。
【0032】
ステップS103での判定の結果、電流平均値の絶対値が所定値bを下回っている場合には、電流平均値は零近傍であるとしてステップS104にて周波数探索を停止し、周波数増減量Δfを零とする。これにより、周波数指令生成部311は、最後に更新された周波数を周波数指令frefとして出力し続ける。
【0033】
一方、ステップS103での判定の結果、電流平均値の絶対値が所定値b以上の場合には、ステップS105にて周波数加減算テーブル311aを参照して周波数増減量Δfを演算し、ステップS106に移行して加算器311cにて初期周波数fと周波数増減量Δfとの和を求め、周波数指令frefを算出する。そして、ステップS107では、ステップS6で算出した周波数指令frefに基づき、キャリア生成部312にてキャリアを生成する。また、ステップS108では、初期周波数fをステップS106で算出した周波数指令frefに更新する。このようにして、初期周波数fに周波数増減量Δfを加算して更新していくことで、周波数指令frefは徐々に共振周波数に近づいていく。
【0034】
なお、制御開始時における初期周波数は、例えば、送電コイル14と受電コイル21間の相互インダクタンスMが最大の場合における共振周波数より高い値に設定しておく。この相互インダクタンスMの最大時における共振周波数は、予め実験や計算などにより求めておくとよい。また、初期周波数は、電圧型インバータ部13の駆動できる最大の周波数としてもよく、また、送電コイル14と受電コイル21の相対距離Dをセンサにて測定し、その測定結果に基づいて、例えば図18に示すような、実験や計算により予め求められた距離Dと初期周波数との対応テーブルを参照することによって、初期周波数を求めるようにしてもよい。
【0035】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の非接触給電装置によれば、制御装置30が給電トランスTfの送電コイル14と受電コイル21間の相互インダクタンスMの変化に応じた電流の共振周波数を探索し、電圧型インバータ部13の出力電圧を制御するための電圧指令の周波数が電流の周波数に応じた値となるように周波数制御を行うようにしているので、例えば電圧と電流の位相差を零として力率を「1」近傍に維持した状態での運転(以下、力率1運転という。)を実現することができ、効率的な電力供給が可能となる。特に、例えば送電コイル14を地上に設置し、受電コイル21を車両に搭載して非接触で車両のバッテリを充電する場合のように、相互インダクタンスMが変化し、共振周波数が変化する場合であっても、効率の良い運転が可能となる。
【0036】
また、本実施形態の非接触給電装置によれば、力率1運転をすることによって負荷有効電力を得るために必要な皮相電力を最小化することができるため、電圧型インバータ部13の電流容量を小さくすることができ、コストを低減できる。
【0037】
また、本実施形態の非接触給電装置によれば、電圧型インバータ部13の電圧指令の周波数が共振周波数とは異なる値となった場合においても、例えば共振電流の零近傍で電圧型インバータ部13の出力電圧の切り替えを行うことによってスイッチング損失を低減できるため、効率を高めることができる。
【0038】
また、本実施形態の非接触給電装置によれば、制御装置30による周波数制御によって電圧型インバータ部13の駆動周波数を共振電流の周波数と一致させることにより、力率を「1」にして運転ができるため、さらに効率の良い電力供給を行うことができる。
【0039】
また、本実施形態の非接触給電装置によれば、制御装置30が、電圧型インバータ部13の出力電流の検出値が零となるようなタイミングで出力電圧が切り替わるように周波数制御を行うことで、電圧型インバータ部13が零電流スイッチングを行うこととなるため、スイッチング損失を低減できる。
【0040】
また、本実施形態の非接触給電装置によれば、制御装置30が、初期周波数に対して周波数増減量を加算することで共振周波数を探索し、それに合わせて電圧型インバータ部13の駆動周波数を設定するようにしているので、給電トランスTfの相互インダクタンスMが変化した場合であっても、効率の良い運転点に動作点を移動させることができる。
【0041】
また、その際の初期周波数を、給電トランスTfの相互インダクタンスMが最も高い場合の共振周波数以上としておけば、周波数を低下させる方向で周波数の探索が行われるので、例えば初期周波数に対して共振周波数が2倍以上高い場合などに発生する力率1以外の運転点での周波数収束を防止でき、確実に力率1で運転できるため、安定性を高めることができる。
【0042】
また、初期周波数を電圧型インバータ部13の出力できる最も高い周波数に設定した場合も同様に、例えば初期周波数に対して共振周波数が2倍以上高い場合などに発生する力率1以外の運転点での周波数収束を防止でき、確実に力率1で運転できるため、安定性を高めることができる。
【0043】
さらに、給電トランスTfの送電コイル14と受電コイル21の相対距離Dをセンサにて測定して、その測定結果に応じて初期周波数を設定するようした場合も同様に、例えば初期周波数に対して共振周波数が2倍以上高い場合などに発生する力率1以外の運転点での周波数収束を防止でき、確実に力率1で運転できるため、安定性を高めることができる。また、この場合には、予め実験や計算により求めたコイル間の相対距離Dと初期周波数との対応関係をテーブルとして記憶させておき、このテーブルを参照してセンサで測定したコイル間の相対距離Dに対応する初期周波数を求めるようにすれば、処理の速度を高めて迅速な処理が可能となる。
【0044】
また、本実施形態の非接触給電装置によれば、制御装置30が、電圧型インバータ部13の出力電圧の切り替えのタイミングで出力電流を検出するようにしているので、共振周波数を探索して電圧型インバータ部13の出力電圧の周波数が変化している場合であっても、制御に必要な安定したタイミングで電流を検出することができる。
【0045】
また、制御装置30が、電圧型インバータ部13の出力電圧の切り替えのタイミングで検出した出力電流を零に近づけるように、初期周波数に対して増減周波数を加算することで、力率1運転や零電流スイッチングを実現することができる。
【0046】
また、本実施形態の非接触給電装置によれば、制御装置30が、電圧型インバータ部13の出力電圧の切り替えのタイミングで検出した出力電流の平均値に基づいて周波数探索を継続するか停止するかを決定するようにしているので、周波数探索が力率1などの狙った運転点以外で停止してしまうことを防止することができ、安定した周波数探索を実現できる。また、検出した出力電流の平均値が零近傍となった場合、つまり高効率で運転が行われている場合には周波数探索を停止することで、常に周波数探索をし続ける場合に比べて、周波数探索中の不要な周波数成分をカットでき、さらに効率を高めることができる。
【0047】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、低い直流電圧で周波数探索を行った後に直流電圧を最適値に制御するようにした例である。
【0048】
図19は、本発明の第2の実施形態に係る非接触給電装置の構成図である。本実施形態の非接触給電装置においては、給電側回路10の直流電源部12と電圧型インバータ部13との間に、DCDCコンバータ部17が付加されている。DCDCコンバータ部17は、制御装置30からのスイッチ指令に従ってスイッチSW5のオン/オフが切り替えられることにより、直流電源部12から電圧型インバータ部13に出力される直流電圧を昇降する。なお、本実施形態の非接触給電装置におけるその他の構成および基本的な動作は第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態と共通若しくは対応する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0049】
図20は、本実施形態の非接触給電装置における制御装置30の構成図である。この制御装置30は、図5に示した第1の実施形態における制御装置30に対して、給電側回路10のDCDCコンバータ部17を制御するためのDCDC制御部33を付加した構成となっている。
【0050】
DCDC制御部33は、DCDCコンバータ部17での昇降圧に応じたデューティ比を決定するDuty指令生成部331と、Duty指令生成部331で決定したデューティ比に基づいてDCDCコンバータ部17のスイッチSW5に対するスイッチングパルスを生成するSW指令生成部332とから構成される。
【0051】
Duty指令生成部331は、周波数制御器31において低い直流電圧で周波数探索を行った後に電力を増大するように、DCDCコンバータ部17での昇降圧を制御するためのデューティ比を決定する。
【0052】
SW指令生成部332は、Duty指令生成部331からのDuty指令に基づき、例えば図21に示すようなキャリアとデューティ指令との大小比較により、DCDCコンバータ部17のスイッチSW5に対するスイッチングパルスを生成する。
【0053】
図22は、DCDC制御部33による電圧制御および周波数制御器31による周波数制御の制御ロジックを示すフローチャートである。本ロジックは、図17に示した第1の実施形態における周波数制御の制御ロジックに、DCDCコンバータ部17を制御するためのロジックを組み込んだものとなっている。
【0054】
具体的には、まず、ステップS201において、DCDC制御部33により第一Duty指令を生成し、これに応じたスイッチングパルスをDCDCコンバータ部17に指令して、電圧型インバータ部13に出力される電圧を制御する。第一Duty指令は、周波数制御器31で周波数探索をするための指令値であり、電圧型インバータ部13に出力される電圧を通常動作時の最適値よりも低い値にするための指令値である。
【0055】
本実施形態では、以上のように電圧型インバータ部13に出力される電圧を制御した後に、第1の実施形態と同様の周波数探索ループにより周波数制御器31による周波数探索が行われる。すなわち、ステップS202において、電圧型インバータ部13の出力電流の電流値iinvを検出し、その後、ステップS203において複数回の電圧切替時の電流平均値を算出する。次に、ステップS204において、ステップS203で算出した電流平均値の絶対値が所定値bを下回っているか否かを判定する。
【0056】
ステップS204での判定の結果、電流平均値の絶対値が所定値bを下回っている場合には、ステップS205にて周波数探索を停止する。また、本実施形態では、周波数制御器31が周波数探索を終了した場合、周波数制御器31からDCDC制御部33に対して周波数探索停止信号が送られる。この周波数制御器31からの周波数停止信号を受け、DCDC制御部33は、ステップS206において、外部から与えられる電力指令値Prefに基づいて第二Duty指令を生成し、これに応じたスイッチングパルスをDCDCコンバータ部17に指令して、電圧型インバータ部13に出力される電圧を制御する。第二Duty指令は、実際に負荷24への電力供給を行う際の最適電圧に制御する指令値であり、例えば実験や計算により予め求められた電力指令値Prefと最適電圧との関係を示すマップなどを参照することで求められる。
【0057】
一方、ステップS204での判定の結果、電流平均値の絶対値が所定値b以上の場合には、第1の実施形態と同様に、ステップS207において周波数加減算テーブル311aに基づき周波数増減量Δfが演算され、ステップS208において、初期周波数fに周波数増減量Δfを加算することで周波数指令frefが算出される。そして、ステップS209において、ステップS208で算出された周波数指令frefに基づき、電圧型インバータ部13のスイッチSW1〜SW4に対するスイッチングパルスを生成するためのキャリアが生成される。また、ステップS210において、初期周波数fがステップS208で算出された周波数指令frefに更新され、その後、ステップS202以降の制御シーケンスが繰り返される。
【0058】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の非接触給電装置によれば、直流電源部12から電圧型インバータ部13に出力される直流電圧を昇降するDCDCコンバータ部17が給電側回路10に付加され、制御装置30が、低電圧の状態で周波数探索を行った後に直流電圧を最適値に昇圧させるようにしているので、いかなる電力指令であっても直流電圧を制御することで最適な電圧パルスを生成することができ、効率をさらに高めることができる。
【0059】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、電圧型インバータ部13の出力電流が最大となる点で周波数探索を停止するように制御を行うようにした例である。
【0060】
図23は、本実施形態の非接触給電装置における制御装置30の構成図である。本実施形態の非接触給電装置では、制御装置30が、第1の実施形態で説明したように電圧型インバータ回路13の出力電圧が切り替わるタイミングで出力電流を検出するだけでなく、それとは別に、電圧型インバータ回路13の出力電流を常時検出するようにしている。また、本実施形態の制御装置30には、図5に示した第1の実施形態における制御装置30の構成に加えて、常時検出している電圧型インバータ回路13の出力電流(以下、常時検出電流という。)に基づいて周波数探索停止指令を生成する電流判定部34が付加されている。なお、非接触給電装置におけるその他の構成および基本的な動作は第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態と共通若しくは対応する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0061】
常時検出電流は、例えばアナログ回路によって検出する。制御装置30の電流判定部34は、電圧型インバータ部13が出力できる最大電流からマージンを取った値を電流判定閾値Iとし、常時検出電流をこの電流判定閾値Iと比較して、常時検出電流が電流判定閾値Iを超えたところで周波数探索停止指令を周波数制御器31の周波数指令生成部311に対して出力する。
【0062】
図24は、電流判定部34による判定も含めた周波数制御器31による周波数制御の制御ロジックを示すフローチャートである。本ロジックは、図17に示した第1の実施形態における周波数制御の制御ロジックに、電流判定部34による電流判定の処理を追加したものとなっている。
【0063】
具体的には、第1の実施形態と同様に、まず、ステップS301において、電圧型インバータ回路13の出力電圧Vinvが切り替わるタイミングで出力電流iinvを検出した後、ステップS302において複数回の電圧切替時の電流平均値を算出する。そして、ステップS303において、ステップS302で算出した電流平均値の絶対値が所定値bを下回っているか否かを判定する。
【0064】
ステップS303での判定の結果、電流平均値の絶対値が所定値bを下回っている場合には、ステップS304にて周波数探索を停止する。また、本実施形態では、電流判定部34が常時検出電流を入力して(ステップS305)、常時検出電流と電流判定閾値Iとの比較を行っており(ステップS306)、常時検出電流が電流判定閾値Iを超えると電流判定部34から周波数制御器31の周波数指令生成部311に対して周波数探索停止指令が出力され、ステップS304において周波数探索が停止される。
【0065】
一方、ステップS303での判定の結果、電流平均値の絶対値が所定値b以上の場合には、第1の実施形態と同様に、ステップS307において周波数加減算テーブル311aに基づき周波数増減量Δfが演算され、ステップS308において、初期周波数fに周波数増減量Δfを加算することで周波数指令frefが算出される。そして、ステップS309において、ステップS308で算出された周波数指令frefに基づき、電圧型インバータ部13のスイッチSW1〜SW4に対するスイッチングパルスを生成するためのキャリアが生成される。また、ステップS310において、初期周波数fがステップS308で算出された周波数指令frefに更新され、その後、ステップS301以降の制御シーケンスが繰り返される。
【0066】
図25は、電圧型インバータ部13の駆動周波数と出力電流との関係を示す図である。本実施形態では、電圧型インバータ部13が出力できる最大電流Imaxからマージンを取った値Iで周波数制御を停止させるようにしているので、最大電流Imaxからに近い周波数f,fにまで周波数探索が進む前の、周波数f,fで周波数探索が停止することになる。したがって、電圧型インバータ部13の電流容量(出力可能な最大電流Imax)を小さく設定した場合であっても、電圧型インバータ部13の電流容量の範囲で適切に周波数探索を行うことができる。
【0067】
なお、常時検出電流は、例えば図26に示すように、1次コンデンサ15の両端電圧を検出して、これを常時検出電流演算部35において電流に換算することによって求めるようにしてもよい。この場合、常時検出電流演算部35は、一次コンデンサ15の容量Cと周波数指令値frefと一次コンデンサ15の両端電圧検出値Vとから、常時検出電流=2π・fref・C・Vとして常時検出電流を求めるようにすればよい。
【0068】
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の非接触給電装置によれば、電圧型インバータ部13の出力電流を常時検出して、出力電流が最大電流を超えない範囲で周波数探索を行うようにしているので、電圧型インバータ部13の電流容量を大きくした設計にする必要がなく、電圧型インバータ部13を低コストで構成することができる。また、電圧型インバータ部13の出力電流が最大値近傍となったら周波数探索を停止することによって、電圧型インバータ部13の電流容量が小さい場合においても最大出力付近で動作させることができるため、効率の良い運転を実現できる。
【0069】
また、本実施形態の非接触給電装置によれば、電圧型インバータ部13の出力電流をアナログ検出値から求めることにより、確実に電圧型インバータ部13の出力電流を常時検出できるので、電圧型インバータ部13の出力電流の最大値を正確に判断することができ、信頼性の高い制御を実現できる。また、電圧型インバータ部13の出力電流を一次コンデンサ15の両端電圧と一次コンデンサ15のインピーダンス値から求めるようにした場合には、安価な構成で電圧型インバータ部13の出力電流を検出することができる。
【0070】
なお、以上説明した本発明の実施形態は、本発明の一適用例を例示的に示したものであり、本発明の技術的範囲が上記の実施形態として開示した内容に限定されることを意図するものではない。つまり、本発明の技術的範囲は、上記の実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、この開示から容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
【符号の説明】
【0071】
10 給電側回路
11 交流電源部
12 直流電源部
13 電圧型インバータ部
14 送電コイル
15 1次コンデンサ
17 DCDCコンバータ部
20 受電側回路
21 受電コイル
22 2次コンデンサ
23 整流部
24 負荷
30 制御装置
31 周波数制御器
32 電圧指令生成部
33 DCDC制御部
34 電流判定部
Tf 給電トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコイルおよび共振素子による共振によって複数コイル間で非接触に電力を伝送する給電トランスと、
前記給電トランスに高周波電流を通電する電力変換器と、
前記電力変換器の出力電圧を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記給電トランスの相互インダクタンスの変化に応じた共振電流の周波数値を探索する周波数探索手段と、
探索した周波数値に応じて前記電力変換器の出力電圧指令を生成する出力電圧指令生成手段とを有し、
前記周波数探索手段により探索した共振電流の周波数値に基づいて、前記出力電圧指令の周波数値を、前記共振電流の周波数値に応じた値とすることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記出力電圧指令の周波数値を前記共振電流の周波数値に等しい値に設定することを特徴とする請求項1に記載の非接触給電装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記電力変換器の出力電圧が切り替わるときの出力電流の値が零となるように、前記出力電圧指令を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触給電装置。
【請求項4】
前記周波数探索手段は、初期周波数設定手段と周波数増減手段とを有し、
前記周波数増減手段が前記初期周波数設定手段の設定した初期周波数値から周波数値を増減することで、前記給電トランスの相互インダクタンスの変化に応じた共振電流の周波数値を探索することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非接触給電装置。
【請求項5】
前記初期周波数設定手段は、前記給電トランスの相互インダクタンスが最大の場合の共振周波数値より高い値を初期周波数に設定することを特徴とする請求項4に記載の非接触給電装置。
【請求項6】
前記初期周波数設定手段は、前記電力変換器が出力可能な最大の周波数値を初期周波数値に設定することを特徴とする請求項4に記載の非接触給電装置。
【請求項7】
前記給電トランスの複数コイル間の相対距離を測定する距離センサを備え、
前記初期周波数設定手段は、前記距離センサで測定された相対距離から初期周波数を求めることを特徴とする請求項4に記載の非接触給電装置。
【請求項8】
前記初期周波数設定手段は、前記給電トランスの複数コイル間の相対距離と初期周波数との対応関係を示すテーブルを有し、前記距離センサで測定された相対距離と前記テーブルとに基づいて初期周波数を求めることを特徴とする請求項7に記載の非接触給電装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記電力変換器の出力電流を検出する電流検出手段を備え、前記電力変換器の出力電圧が切り替わるタイミングで前記電流検出手段による瞬時電流検出を行うことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか一項に記載の非接触給電装置。
【請求項10】
前記周波数探索手段は、前記電力変換器の出力電圧が正から負へ切り替わる場合の検出電流値が正の場合は初期周波数値から周波数値を減少させ、前記電力変換器の出力電圧が正から負へ切り替わる場合の検出電流値が負の場合は初期周波数値から周波数を増加させ、前記電力変換器の出力電圧が負から正へ切り替わる場合の検出電流値が正の場合は初期周波数値から周波数を増加させ、前記電力変換器の出力電圧が負から正へ切り替わる場合の検出電流値が負の場合は初期周波数値から周波数を減少させることを特徴とする請求項9に記載の非接触給電装置。
【請求項11】
前記周波数探索手段は、前記瞬時電流検出値の平均値に基づいて周波数探索を継続するか停止するかを決定することを特徴とする請求項9又は10に記載の非接触給電装置。
【請求項12】
前記周波数探索手段は、前記瞬時電流検出値の平均値が零近傍となった場合に周波数探索を停止することを特徴とする請求項11に記載の非接触給電装置。
【請求項13】
前記電力変換器は、交流電圧を整流して直流電圧を生成する直流電圧生成手段と、当該直流電圧生成手段が出力する直流電圧から交流を生成する交流電圧生成手段とを有し、
前記制御装置は、前記直流電圧生成手段が出力する直流電圧の電圧値を制御し、前記直流電圧生成手段が第1の電圧値の直流電圧を出力している状態で、前記周波数探索手段による周波数探索を行い、前記周波数探索手段による周波数探索が終了した後に、前記直流電圧生成手段が出力する直流電圧の電圧値を前記第1の電圧値よりも高い値である第2の電圧値に上昇させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の非接触給電装置。
【請求項14】
前記制御装置は、前記電力変換器の出力電流を常時検出する常時電流検出手段を備え、当該常時電流検出手段の検出電流値に基づいて、前記電力変換器の出力可能な最大電流を超えない範囲で前記周波数探索手段による周波数探索を行うことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の非接触給電装置。
【請求項15】
前記周波数探索手段は、前記常時電流検出手段の検出電流値が前記電力変換器の出力可能な最大電流値近傍となったところで周波数探索を停止することを特徴とする請求項14に記載の非接触給電装置。
【請求項16】
前記常時電流検出手段は、前記電力変換器の出力電流をアナログ値として検出することを特徴とする請求項14又は15に記載の非接触給電装置。
【請求項17】
前記常時電流検出手段は、前記給電トランスのコイルと共振回路を構成する共振素子の両端電圧と、前記共振素子のインピーダンス値と、前記出力電圧指令の周波数値とに基づいて、前記電力変換器の出力電流を演算により求めることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載の非接触給電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−166693(P2010−166693A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6550(P2009−6550)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】