説明

非透水性で膨潤性の粘土を含み、透水性被覆を有する「止水性」組成物

棒状または紐状の形態の粘土含有組成物を利用した防水性製品および当該製品を用いる防水方法であって、これにより、当該製品の表面に、透水性、崩壊性または水溶性のフィルムまたは被覆層が設けられて、粘土含有組成物の不意の水和が防がれる。 好ましい実施態様によれば、膨潤性粘土含有組成物の芯材は、水で除去可能な素材または崩壊性の素材で形成された被覆層、すなわち、当該組成物の表面の大半を覆い、調整された所定の透水速度、高いpH条件下での崩壊性、または、被覆層が水に浸漬された直後に膨潤性粘土含有組成物の芯材を水和せしめる水溶性を有し、さらに、設置期間中、つまり、被覆層を水に浸漬する以前の粘土の水和を防ぐ被覆層を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、設置完了後に水との接触によって水和して膨潤する膨潤性粘土を含む、同時押し出しによって得られる「止水性」組成物を形成する方法に関する。 組成物の不意の水和を防ぐために、組成物の表面には、生分解性ポリマーや水溶性ポリマーのような緩速透水性被覆層が、好ましくは、同時押し出しによって被覆される。 被覆層は、所望の湿潤速度に応じた厚みで塗布され、そうすることで、設置期間中は、雨水と接触しても、被覆された膨潤性粘土を含む組成物が水和することもなくなる。 本願発明のある実施態様によれば、膨潤性粘土を含む組成物と透水性または緩速水溶性の被覆層とが同時押し出しされて、膨潤性粘土を含む組成物の表面に被覆層が形成される。
【背景技術】
【0002】
譲受人ハリエットの米国特許第4,656,062号、第4,810,573号、第4,733,989号、第4,787,780号、第4,668,724号および第4,534,926号は、本願発明に従って製造された被覆物に対して好適な芯材組成物を開示しており、それらの内容は、本願明細書の一部を構成するものとして援用する。 ハリエットの米国特許では、防水材の製造、取扱いおよび取付の際や、ロール形式の防水材の製造において防水材同士が接着することを防ぐために、剥離紙のシートが、前述した譲受人の米国特許に記載のベントナイト粘土/エラストマーもしくはポリプロペンまたはポリブテン組成物に適用されている。 しかしながら、水流の存在する箇所での設置に先駆けて、例えば、雨水などによって膨潤性組成物が不意に水和することを防ぐことはできない。
【0003】
通常、本願明細書に記載の棒状または紐状の膨潤性粘土組成物は、コンクリートが流し込まれた二つの工事区画に挟まれた空間に設置される。 この粘土組成物は、隣接する工事区画にコンクリートが流し込まれる以前に設置されて、硬化したコンクリートと接触するものであって、つまり、二つのコンクリート区画に挟まれた空間において互いの区画と接触する。 こうすることで、棒状または紐状の粘土組成物が水の作用を受けて膨潤すると、近接するコンクリート区画表面に存在するコンクリートの隙間箇所や空隙箇所を塞ぐように膨張して、隣接するコンクリート区画に挟まれた空間への水の浸透を妨げる。 一つの工事区画にコンクリートが流し込まれて硬化して、例えば、コンクリート足場が形成されると直ちに次の工事区画の作業に移るので、コンクリート建造物の建設は計画通りに進行しないのが通常であるため、介在する粘土組成物と接触する隣接したコンクリート区画にコンクリートが流し込まれる以前に、本願発明の棒状または紐状の粘土組成物を設置する時間的余裕は十分にある。 隣接するコンクリート区画にコンクリートが流し込まれる以前に設置され、かつ硬化したコンクリートと接触する粘土組成物と接触せしめるために、流し込まれたコンクリートは、通常、数日または数週間にわたって放置されて雨水に曝されることとなる。
【0004】
本願明細書に記載の同時押し出しされた被覆層は、膨潤性粘土組成物を包み込んでいるため、棒状または紐状の粘土組成物が設置される硬化したコンクリート区画に隣接するコンクリート区画に、コンクリートが流し込まれる前段階での粘土組成物の膨潤を防ぐ。 同時押し出しされた被覆層は、粘土組成物の不意の膨潤を防ぐものであって、つまり、粘土組成物の膨潤に伴う取付不良箇所の発生や、隣接するコンクリートとの間に生じた空間での不意の膨張に起因する粘土組成物の圧出などの現象を防ぐ。
【0005】
譲受人バイドの米国特許第5,580,630号は、水溶性ポリマー、好ましくは、速溶性のポリビニルアルコールの被覆層を、シート状の防水材の粘着面に塗布することで、粘着剤の作用によって、保管および輸送時のシートの巻き上げを可能ならしめている。 この水溶性ポリマーは、水と接触すると迅速に溶解して、その接着剤成分が防水材表面と結合する。
【0006】
水溶性ポリマーは、シート状防水材での膨潤性粘土組成物(バイドの米国特許第5,580,630号)や、本願明細書の一部を構成するものとしてそれらの内容を援用する譲受人アレクサンダーの米国特許第5,053,265号、第5,063,100号および第5,180,255号に開示された多孔質の透水性表面シート材の芯材として用いられている膨潤性粘土層の不意の水和を防ぐために利用されているが、透水性または水溶性ポリマー被覆層は、棒状または紐状の膨潤性粘土含有組成物に対して、同時押し出しまたは塗布されてはいない。
【発明の開示】
【0007】
すなわち、本願発明は、棒状または紐状の膨潤性粘土を含む組成物の形態の防水材、そして、それら防水材を用いた防水方法に関するものであって、本願発明によって、透水性または水溶性フィルムまたは被覆層は、芯材である膨潤性粘土を含む組成物の表面に被覆層を形成して、その不意な水和を防ぐ。 好ましい実施態様によれば、膨潤性粘土を含む組成物の外核には、所定の透水性または水溶性を有し、かつ、水と相互作用して組成物を完全に封じ込める物質から形成された被覆層が設けられており、そうすることで、膨潤性粘土を含む組成物の外核は、被覆層への水の浸透または被覆層の溶解および除去に要する時間が経過すれば直ちに水和してしまうので、被覆層が除去される以前の設置期間中での粘土の水和が防がれる。
【0008】
従って、本願発明の一態様によれば、膨潤性粘土組成物の内部の水和を遅延させる透水性または水溶性の被覆層から形成された外核を具備した、新規で改善された防水材と防水方法が提供される。
【0009】
本願発明の他の態様によれば、水溶性または生分解性ポリマーの外核を具備した、新規で改善された防水材と防水方法が提供される。
【0010】
本願発明のさらに他の態様によれば、膨潤性粘土を含む組成物から形成された芯材と生分解性ポリマーフィルムから形成された外核、すなわち、pHが9にも満たない物質と接触している限りは実質的に水不溶性であるが、未硬化または生のコンクリートのpHである9またはそれ以上のpH、特に、pHが10〜14の物質と接触すると溶解して水の浸透を許容する外核とを具備した、新規で改善された防水材と防水方法が提供される。
【0011】
本願発明のさらに他の目的は、新規で改善された防水材と防水材の製造方法を提供することにあり、特に、所定の透水速度または溶解速度を有する物質から形成された所望の厚みの被覆層で覆われたナトリウムベントナイトやナトリウムモンモリロナイト粘土のような膨潤性コロイド粘土を含む透水性芯材組成物を用いたことで、水による溶解作用、浸透作用または被覆層の崩壊作用を受けて、被覆層が除去されたり、被覆層に水が浸透するまでは、被覆層に浸透した水と膨潤性粘土を含む組成物との接触が防がれる。
【0012】
前述した本願発明の実施態様やその他の実施態様、それに、本願発明の特徴や特性などは、図面とその説明を参照しつつ、好適な実施態様に関する詳細な説明に基づけば、当業者にとって自明のことであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本願発明に関する以下の詳細な説明と実施例を参照することで、本願発明はさらに明確に理解できるであろう。 本願発明が、本願明細書に開示された特定の成分、製品、方法および/または条件に限定されないのは勿論である。 また、本願明細書に記載の術語は、特定の実施態様を明示する目的のためのものであって、それに基づいて限定的に解釈されるべきでない。
【0014】
本願明細書に記載の範囲とは、一方のある「だいたい」または「およそ」の特定の数値から、および/または、他方のある「だいたい」または「およそ」の特定の数値までを表す。 他の実施態様において範囲が記載されている場合、ある特定の数値から、および/または、その他の特定の数値までを表す。 同様に、「約」などの先行詞が付けられて数値が概数として示されている場合には、それによって規定される特定の数値は、全く別異の実施態様を構成する。
【0015】
本願明細書に記載の「ポリプロペン」とは、約300〜約2,500の重量平均分子量を有する、(C36)nの構造式で示されるポリマーであって、式中、nは約7〜約60である。
【0016】
本願明細書に記載の「ポリブテン」とは、約300〜約2,500の重量平均分子量を有する、(C48)nの構造式で示されるポリマーであって、式中、nは約6〜約45であり、ポリイソブチレンを含む。
【0017】
本願発明の好ましい実施態様によれば、防水材10は、膨潤性粘土を含む組成物22、好ましくは、ポリプロペン、ポリブテン、またはポリプロペンとポリブテンの混合物、そして、任意にエラストマーを入念に混合して得た膨潤性粘土を含む組成物から形成され、かつ、水との接触によって膨潤する性能に優れた芯材を具備している。 好ましくは、膨潤性粘土、例えば、ナトリウムベントナイトの量は、組成物の重量の約10重量%〜約90重量%の量であり、また、ポリプロペンおよび/またはポリブテンの量は、組成物の重量の約8重量%〜約65重量%の量であり、そして、ブチルゴムのような任意のエラストマーの量は、組成物の重量の約1重量%〜約20重量%の量である。
【0018】
本願発明の好適な実施態様での特徴を最大限に引き出す場合において、ポリプロペン、ポリブテンまたはそれらの組み合わせを、組成物22の少なくとも約8重量%の量で用いることができる。 ポリプロペンやポリブテンと相溶性のその他の粘着付与剤を用いて粘着性をさらに付与することができ、その場合、ポリプロペン、ポリブテンまたはそれらの組み合わせを、組成物の少なくとも約8重量%の量で用いることができる。 利用可能な相溶性の粘着付与剤として、例えば、ポリテルペン、水素化樹脂、および混合オレフィン類のような脂肪族石油炭化水素樹脂がある。 一般的に、芳香族粘着付与剤は、組成物の表面に染み出てきて分離してしまうため、組成物の取り扱いが難しくなり、また、粘性の低下を招くため、あまり適切ではなかった。 粘土組成物に所望の物理的特性を付与するために、粘度調整剤、充填剤、粘着付与剤などのその他の添加物を、接着性組成物の多くとも約20重量%の量で用いることができる。
【0019】
本願発明の多層製品で用いられる膨潤性粘土としては、水との接触によって膨潤する、すなわち、水の存在下で膨潤する膨潤性粘土であれば、いずれもが利用できる。 粘土としては、カルシウムモンモリロナイトおよび/またはカルシウムベントナイトあるいはナトリウムモンモリロナイトまたはナトリウムベントナイト、またはこれらの組み合わせなどのモンモリロナイト粘土が好ましい。 また、粘土としては、水和可能なモンモリロナイト粘土であるナトリウムモンモリロナイトまたはナトリウムベントナイト、特に、サウスダコタ州およびワイオミング州のブラックヒルズ地方で産出されるタイプの粘土が好ましい。 これら粘土は、主要交換カチオンとしてナトリウムを含んでいる。 しかしながら、本願発明の実施態様で利用されているベントナイトは、マグネシウムや鉄などのその他の主要カチオンも含んでいる。 モンモリロナイトに含まれる主要カルシウムイオンを、「解膠」と称する公知の手法によって、膨潤性に富んだナトリウム種に転換できる場合もある。 粘土として、解膠されたモンモリロナイトまたは解膠されたベントナイトの一つまたはそれ以上を、本願発明で用いることができる。 また、粘土として、二八面体構造または三八面体構造のスメクタイトまたはこれらの組み合わせを用いることもできる。
【0020】
そのような粘土の例として、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライトおよびサポナイトがある。 ベントナイト粘土は、通常、公知の防水パネルなどに用いる場合には、微細に、すなわち、150〜350メッシュレベルにまで粉砕され、あるいは迅速な膨潤性が要求される場合には、さらに微細に、例えば、200〜425メッシュレベルにまで粉砕される。
【0021】
好適な粘土粒子の大きさは、少なくともその80重量%が、粒径が30μm〜75μmの範囲の粒子であり、また、その20重量%以下が、粒径が30μmにも満たない粒子である。
【0022】
本願発明の好適な膨潤性粘土組成物の一部を形成するポリブテン、例えば、ポリイソブチレンは、約300〜約2,500の平均分子量を有する、(C48)nの構造式、式中、nは約6〜約45である構造式で示される。 有用な市販のポリブテンは、高分子モノオレフィン類を主成分としており、その100%をポリブテンとすることも、あるいは、約10%までのイソパラフィンを含めることができる。 ポリブテンは、化学的に安定しており、常に流動性が保たれており、また、分子量の増大に伴って粘着性を増す。 ポリブテンの粘度は、軽質油の粘度から高粘度流体の粘度に至る範囲、すなわち、約25〜約4,000センチポアズの範囲にある。 低粘度のポリブテンを膨潤性粘土と組み合わせることで、粥状の組成物、すなわち、本願発明の多層製品の粘土組成物に含まれる膨潤性粘土の量に応じて粘着性を増して、取り扱いが難しくなる組成物が生成する。
【0023】
本願発明の好適な膨潤性粘土組成物の一部を形成するポリプロペンは、約300〜約2,500の範囲の平均分子量を有する、(C36)nの構造式、式中、nは約7〜約60である構造式で示される。 好適な粘土組成物において有用な市販のポリプロペンは、通常、非晶質であり、また、ポリプロペンは、高温下、例えば、200℃で、溶剤を使わずにベントナイトと容易に混合することができるが、約10重量%までのリグロインのような好適な加工用溶剤と組み合わせて用いることもできる。
【0024】
本願発明の好適な組成物での膨潤性を最大限ならしめるために、ポリプロペンまたはポリブテンまたはこれらの組み合わせの量は、組成物全体の重量の約10重量%〜約30重量%、好ましくは、組成物全体の重量の約10重量%〜約20重量%とする。
【0025】
膨潤性粘土組成物の総重量の約1%〜約20%、好ましくは、約1%〜約10%の量の任意のエラストマーを添加することで、組成物の膨潤性を損なわずに、その取扱い易さを実質的に改善する。 本願発明の好適な実施態様での特徴を最大限に引き出す上で、粘土組成物の総重量の約2%〜約20%の量のエラストマーを添加することが肝要である。 ベントナイトのような膨潤性粘土と共にポリプロペンおよび/またはポリブテンおよびエラストマーを含んだ膨潤性粘土組成物を、具体的には、シグマ形配合機または二軸型押出機にて粉砕または剪断することで、膨潤性粘土とポリプロペン/ポリブテンとを含み、かつエラストマーを欠いた組成物や、膨潤性粘土単体が奏する膨潤性よりも大きな膨潤度を組成物に付与することができる。
【0026】
本願発明のその他の重要な特徴として、組成物に含まれる有機溶剤と共にポリブテンおよび/またはポリプロペンが、粘土を剪断している間に粘土小板間に挿入されて、20個またはそれ以下の積層された粘土小板と、ポリブテンおよび/またはポリプロペンによって取り囲まれた剥離した粘土小板が形成される。 図1に示したようなシグマ形配合機またはオーガー式押出機にて組成物を攪拌することで、十分な剪断作用が組成物に及んで、ポリブテンおよび/またはポリプロペンの挿入と、少なくとも一部分の粘土小板の剥離が実現される。
【0027】
任意のエラストマー、好ましくは、少なくとも100%、より好ましくは少なくとも500%の伸び率を示すエラストマーを、本願発明の膨潤性粘土組成物や多層製品の製造上の加工適性、粘着性および構造的集結度を実質的に改善するために、本願発明の膨潤性粘土組成物に使用することができる。 部分架橋エラストマーが、前出の特性を必要とする製品での稠度、加工適性および構造的集結度を改善する上で最も適切であることが知られているが、非架橋のエラストマー、とりわけ、配合機または押出機にて他の粘土組成物成分と共に粉砕および混合する間に発生する熱作用を受けて軽度に架橋されるポリマーも有用である。 一般的に、完全に架橋されたエラストマーの伸び率は、水和する膨潤性粘土の完全な膨張を許容する上で不十分なため、完全に架橋されたエラストマーは、本願発明の粘土組成物への利用には適していない。 しかしながら、少なくとも100%の伸び率を示すエラストマーであれば、本願明細書に記載の多層製品での膨潤性粘土組成物の構成要素として適切に利用することができ、また、本願発明の要旨にも適合する。
【0028】
好適な粘土組成物への利用に適したエラストマーとして、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、スチレン-ブタジエン、合成および天然ゴム、エチレン-プロピレンコポリマーおよびターポリマー、および所要の「硬化」度を付与する目的でターポリマーに添加されたジビニルベンゼンを有する部分的に架橋したブチルゴムがある。 剪断は必ずしも必要ではないが、混合時間の短縮を図るために、エラストマーを剪断してから、膨潤性粘土およびポリプロペンおよび/またはポリブテンと共に粉砕することができる。 膨潤性粘土組成物を混練して得た均質なエラストマー層は、例えば、シグマ形配合機において、エラストマーの作用によって、所望の形状、すなわち、ペレット形状にすることができる。
【0029】
好ましくは、少なくとも100%の伸び率を示すエラストマーを粘土組成物に取り込むことで、エラストマーが、粘土組成物の総重量の少なくとも2%の量の可塑剤を含んでいる限りは、膨潤性粘土が水と接触すると直ちに、実質的かつ完全な膨張を許容する。 このエラストマーは、粘土の膨張性を阻害することなく、予想外に良好な構造的集結度を粘土組成物に付与する。 エラストマーは、完全架橋されていない、部分架橋のものが好ましい。
【0030】
好ましい膨潤性粘土組成物は、粘土組成物の総重量の10重量%〜90重量%の量のナトリウムベントナイトなどの膨潤性粘土、約8重量%〜約65重量%の量のポリプロペンおよび/またはポリブテン、および1重量%〜20重量%の量のエラストマー、およびエラストマーに対して相溶性を示し、かつエラストマーを可塑化する、粘土組成物の総重量の2重量%〜50重量%の量の任意の可塑剤を含有している。 この可塑剤は、エラストマーの加工性を改善し、エラストマーの伸縮を補助し、水分が与えらて膨張した膨潤性粘土におけるエラストマーの復帰を補助し、そして、エラストマーに膨潤性粘土の大半(約90%まで)を捕捉せしめ、かつ粘土組成物のエラストマーに均質な粘土分布を形成せしめるために、膨潤性粘土の表面を十分に湿潤することができる。
【0031】
添加されたエラストマーと共に任意に用いられる好適な可塑剤として、エポキシ化大豆油などのエポキシ化油;オレイン酸ブチルなどのアルキルモノエステル;オレイン酸ブチルセロソルブなどの長鎖部分エーテルエステル;アジピン酸ジオクチルおよびフタル酸ジオクチルなどの長鎖アルキルジエステル;および、芳香族ナフテン系石油などの石油由来可塑剤;ナフテン系芳香油、ナフテン系パラフィン系石油;および、パラフィン系石油などの比較的低極性の可塑剤がある。
【0032】
粘土組成物での粘土/可塑剤態様での特徴を最大限に引き出して、エラストマーを可塑化し、かつベントナイトを完全に浸潤するために、組成物の少なくとも約10重量%の量の可塑剤を添加することが肝要である。 一般的な可塑剤の量は、粘土組成物の総重量の約10%〜約30%である。
【0033】
図示したように、膨潤性粘土含有芯材22は、同時押し出しされた透水性、水溶性または崩壊性被覆層24によって覆われて、防水剤10を形成する。
【0034】
本願発明の重要な一実施態様によれば、外核の被覆素材24を、膨潤性粘土含有芯材22に関して前述した割合のポリプロペンおよび/またはポリブテンと共に混合した非膨潤性粘土のような透水性素材とし、必要に応じて、膨潤性粘土含有芯材22に関して前述した割合のブチルゴムおよび/またはエラストマー用の増量可塑剤などのエラストマー素材も用いる。 好適な非膨潤性粘土として、カオリナイト、アタパルジャイト、雲母、タルク、およびその他の非膨潤性粘土がある。 ナトリウム、カルシウムまたはマグネシウムモンモリロナイト粘土を、外核の被覆層24に用いる場合には、被覆層24への水の浸透を許容ならしめるために、その量は、約10重量%以下に調整すべきである。
【0035】
本願発明の好適な実施態様での好ましい被覆素材は、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリ(メタクリル酸)またはポリメタクリレートである。 他の実施態様によれば、被覆素材として、生分解性ポリマー、例えば、テネシー州、キングスポートに所在のイーストマンケミカル社からEASTAR B10 コポリエステル 14766の商品名で市販されているポリ(テトラメチレンアジペート-コ-テレフタレート)がある。 この素材から形成されたフィルムや層状物は、通常は僅かな水溶性しか示さないが、セメント剤や約9またはそれ以上のpHを示すその他の素材と接触すると、ポリエステルは即座に崩壊して、膨潤性粘土含有芯材22に水が浸透することとなる。
【0036】
本願発明のその他の重要な実施態様によれば、膨潤性粘土含有芯材22は、水の浸透を許容せずに、水と接触しようとする所望の期間に対応する所望の厚みを具備した層状の水溶性ポリマーまたはワックスで被覆される。 設置期間中および取扱中の降雨などに対しても耐久性を示す好適な素材は、設置後の埋め戻し作業に用いる土壌に含まれる水分のような滞留水分と接触することで容易に除去できる。 任意に、所定の接触期間が経過した後に、設置を終えた後に被覆層を除去して、芯材22が直ちに水と接触して膨潤せしめるべく、被覆層24を水で飽和させることができる。 好適な被覆層では、以下のもの、すなわち;グアール、アラビア糊、ガティ、トラガカント、寒天、キサンタン、カラヤ、ローカストビーン、アカシア、カラギーナン、シリコーンガム、これらの混合物などのガム類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの化工セルロース;ゼラチン;澱粉;化工澱粉;ノノキシノール、オクストキシノール、エトキシル化(またはプロポキシル化)脂肪アルコール、エトキシル化(またはプロポキシル化)脂肪酸またはアミド、エトキシル化(またはプロポキシル化)脂肪アミンおよびドドキシノール、これらの混合物などの十分な分子量と水溶性(すなわち、少なくとも600の分子量と少なくとも8のHLB値)を具備した非イオン性界面活性剤;ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレートなどの所望の水溶性を得るに十分な架橋を施された、例えば、約200〜約100,000の重量平均分子量を有するポリアクリレート類およびそれらのコポリマー;リン酸ガラス;ケイ酸ガラス;EMA(エチレン無水マレイン酸);SMA(スチレン無水マレイン酸);機能性シリコーン;シリコーンポリマー;カルナウバ蝋、蜜蝋、微晶質蝋などの(乳化剤を含んだ)ワックス類;グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、(トリエチレングリコールなどの)ポリグリコールなどの多価アルコール;脂肪アルコール;および脂肪アミンを用いることができる。 十分な水不溶性を付与しつつ、所望の期間にわたって水分と接触した後の除去のことを考慮して、前出のポリマー類は、軽度に架橋して(例えば、重量平均分子量を約200〜約100,000に調整して)おくべきである。
【0037】
理想的な被覆剤として、ナショナルワックス社からFRESHLOK 195の名称で市販されているワックスがあり、その規格値は、以下の通りである。
【0038】
【表1A】

芯材組成物22表面に同時押し出しされた前出の製剤は、水に浸漬され次第に、以下の表1に記載の塗膜の厚みに応じた所要時間内で完全に溶解する。
【0039】
【表1B】

被覆層24の塗布量は、取扱い中および設置期間中に水と接触する機会、例えば、降水回数に応じて決定することができる。 水溶性の異なるその他の材料も、膨潤性粘土含有芯材22の水和を適度に遅延せしめる上で必要な厚さの被覆層24として用いることができる。
【0040】
ここに本願明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する「水溶性合成ポリマー:性質と作用」、Molyneux、第I巻および第II巻、CRC Press (著作権)、1983に掲載されたような多くの水溶性ポリマーを、芯材組成物22のための被覆剤24として用いることができる。 本願発明のある実施態様での層状またはフィルム状の被覆層24を形成する水溶性ポリマーとして、ポリ(ビニルアルコール)がある。
【0041】
【化1】

ポリ(ビニルアルコール)は、ポリ(酢酸ビニル)、すなわち;
【0042】
【化2】

の加水分解によって生成されるものであるため、市販のポリビニルアルコールには、常に、加水分解されていないポリ(酢酸ビニル)が残存している。 酢酸ビニルが25モル%を超えると、ポリビニルアルコールの可溶化は難しくなるので、完全な水溶性を得るためには、熱水を必要としたり、または水との接触時間を延長する必要がある。 多様な加水分解度を有する市販の好適な水溶性ポリ(ビニルアルコール)の供給源として、インディアナ州ゲイリーに所在のクリス・クラフト・インダストリアル・プロダクツ社から販売されているMONO-SOL水溶性ポリビニルアルコールフィルム、例えば、冷水溶性フィルム M-7030、それに、コネチカット州、オールドグリニッチ、バグディビジョンに所在のユニオン・キャンプ社から販売されているARMOR H-20水溶性フィルムがある。 その他の好適な水溶性ポリマーとして、ビニルアルコールと酢酸ビニルとのコポリマー、例えば、ポリ(酢酸ビニル-コ-ビニルアルコール)がある。
【0043】
【化3】

部分加水分解ポリ(酢酸ビニル)または部分加水分解アセチル化ポリ(ビニルアルコール)として知られている化合物も、デュポン社からはELVANOLという商品名で、また、エアコ・ケミカル社からはVINOLという商品名で市販されている。
【0044】
被覆層24として使用可能なその他の好適な水溶性ポリマーとして、以下の単量体構造を有するポリビニルピロリドン(PVP)がある。
【0045】
【化4】

PVPの水溶性は、(1)PVPフィルムの厚みを考慮して調整されたポリビニルピロリドンの加水分解度、および(2)PVPの金属塩、例えば、ナトリウム塩やカリウム塩を形成することで調整できる。 好ましくは、少なくとも50%のPVPモノマー単位が、以下の構造、すなわち;
【0046】
【化5】

にまで加水分解され、かつ、PVPとして、PVP塩、例えば、ナトリウムポリビニルピロリドンまたはカリウムポリビニルピロリドンを用いる。 PVP被覆層は、湿潤すると即座に、ポリマーフィルムの部分溶解を招く。 ポリマー自体が水溶性である限りは、ポリビニルアルコールやPVPポリマーの分子量は特に限定されない。 PVPの分子量が、約225〜約1,000,000またはそれ以上、好ましくは、約2,000〜約100,000である場合に、良好な結果が得られている。
【0047】
その他の水溶性のPVP誘導体として、以下の構造式で示される、N-メチルピロリドン(NMP);N-エチルピロリドン(NEP);および、N-ビニルピロリドン(NVP)がある。
【0048】
【化6】

本願発明において有用なその他の置換水溶性ピロリドンとして、N-イソプロピル-5-メチルピロリドン;ピロリドン-N-酢酸;N-シクロヘキシル-ピロリドン;および、ヘキサメチレン-ビス(2-ピロリドン)がある。 その約80%〜約90%のモノマー単位が加水分解されているPVPを用いた場合に、ポリビニルピロリドンとその誘導体に関して最良の結果が得られているようである。
【0049】
本願発明の多層製品に用いられる被覆層24として有用なその他の水溶性ポリマーとして、-[-O-(CH2)-(CH2)-]-のモノマー単位を有するポリ(エチレンオキシド)[以下、PEOと称する];ワイアンドット社のPLURACOL Eや、ユニオン・カーバイド社のPOLYOX WSRまたはCARBOWAXといった市販品として入手可能で、1,000,000またはそれ以上の超高分子量であっても水溶性を具備しているポリマー;以下のモノマー単位、すなわち;
【0050】
【化7】

を有し、かつオリゴマー形態の時にのみ水溶性を示す、重量平均分子量が約100〜約1,000、好ましくは、約100〜約500であるポリ(プロピレンオキシド);以下のモノマー単位、すなわち;
【0051】
【化8】

を有するポリ(ビニルメチルエーテル)、および、これらの加水分解産物誘導体がある。 ポリ(ビニルメチルエーテル)は、水溶性の物質であり、GAF社からGANTREZ Mという商品名で市販されており、また、例えば、約120〜約1,000,000およびそれ以上の重量平均分子量で示される超高分子量であっても、PEOと同様に室温下で水溶性を示す。 その他の好適な水溶性ポリマーとして、[O-CH2]のモノマー単位を有するポリオキシメチレン(POM)があり、このものは、短鎖のオリゴマー形態、すなわち、ポリ(ホルムアルデヒド)であっても水溶性を示し、約180℃の融点と、約40〜約400の重量平均分子量とを有している。 オキシドコポリマーも水溶性被覆層に好適に利用することができ、それらオキシドコポリマーとして、プロピレンオキシドおよび/またはポリ(プロピレンオキシド)のような、様々なモノマーを含んだポリ(エチレンオキシド)のランダムおよびブロックコポリマーがある。 分子量が約1,800のポリ(プロピレンオキシド)を芯材とし、80重量/重量%のエチレンオキシド単位を含んでなる市販のPLURONIC F68が特に有用なコポリマーであり、外核の二つのポリ(プロピレンオキシド)の合計分子量が6,600であるので、その全体の重量平均分子量は8,400となる。
【0052】
以下のモノマー単位、すなわち;
【0053】
【化9】

を有する非架橋および軽度に架橋されたポリアクリル酸ポリマーは好適な被覆剤であり、このものは、ビー. エフ. グッドリッチ社からCARBOPOLの商品名で、また、ローム アンド ハース社からPRIMALの商品名で販売されている。 軽度の架橋を行うことで、防水すべき基材に対するポリマーの良好な接着性に関与する水溶性がわずかに阻害される。
【0054】
その他のポリアクリル酸の水溶性誘導体および置換ポリアクリル酸、例えば、以下のモノマー構造、すなわち;
【0055】
【化10】

を有するポリ(メタクリル酸)、(PMAA)なども、本願発明の被覆層において好適に利用できる。 本願発明に適した同様の水溶性ポリマーとして、以下の一般モノマー構造、すなわち;
【0056】
【化11】

を有するポリ(メタクリルアミド)またはPMAAm、以下の一般モノマー構造、すなわち;
【0057】
【化12】

を有するポリ(N,N-ジメチルアクリルアミド)、以下のモノマー構造、すなわち;
【0058】
【化13】

を有するポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)またはPIPAAm、以下のモノマー構造、すなわち;
【0059】
【化14】

を有するポリ(N-アセタミドアクリルアミド)、および以下のモノマー構造、すなわち;
【0060】
【化15】

を有するポリ(N-アセタミドメタクリルアミド)がある。
【0061】
前述してきたアクリル酸ポリマーの一つまたはそれ以上を含む水溶性ポリマーも、本願発明において有用であり、そのようなポリマーとして、ポリアクリル酸とポリ(メタクリル酸)とのアクリル共重合体、ポリ(メタクリルアミド)を含むポリアクリル酸、それに、メタクリル酸を含むポリアクリル酸がある。
【0062】
その他の好適な水溶性ポリマーとして、以下のモノマー構造、すなわち;
【0063】
【化16】

を有するポリビニルオキサゾリドン(PVO)およびポリビニルメチルオキサゾリドン(PVMO)がある。
【0064】
まず、図1には、粘土組成物22と共に水溶性ポリマー外核被覆層24などの透水性被覆層24を同時に押し出して、棒状または紐状の被覆製品10を形成する装置、すなわち、符号20で示された同時押出し装置の概略が示されている。 好適な実施態様によれば、ポリプロペンおよび/またはポリブテンあるいは可塑剤とナトリウムベントナイトまたはナトリウムモンモリロナイトとの完全混合物を含む膨潤性粘土組成物22は、ブチルゴムなどのエラストマーと一緒に均質になるまで十分に混合され、次いで、押出し装置20の押出機部分26に接続した送給ホッパー25に均質な粘着性組成物を供給するために、例えば、シグマ形配合機または二軸型押出機(図示せず)において、エラストマーを完全に剪断する。 押出機部分26のオーガー28は、棒状または紐状の防水性組成物22を形成するために、膨潤性粘土を含む組成物を押出機部分26のダイ出口29に向けて押し出す。 押出し装置20での他方の押出機部分30は、棒状または紐状の防水性組成物22に対して適用される同時押し出しされた被覆素材、すなわち、透水性、崩壊性または水溶性の被覆層24を同時に押し出す。
【0065】
水溶性ポリマー被覆素材の連続被覆層24を具備した紐状10の膨潤性粘土含有防水性組成物22は、コンベヤーで冷却/乾燥室32に送給されて、そこで、被覆素材24は固化して、粘着性を喪失する。 好ましい実施態様に従って、透水性被覆層24として、ポリ(テトラメチレンアジペート-コ-テレフタレート)を用いると、紐状10組成物は、約90〜100℃の温度に設定された同時押出し装置20にも適用でき、また、粘着性を有している。 冷却室32にて、約80℃またはそれ以下の温度にまで冷却すると、透水性被覆層24は完全に固化して、粘着性を喪失する。 次に、コンベヤーモーター48によってローラー45および46の周りを駆動する無端コンベヤーベルト42を装備し、かつ符号40で示したコンベヤーに、製品10を、重力を利用して移す。 コンベヤー40は、同時押出し装置20から導出される同時押し出しされた製品22の速度に対応させて、コンベヤーモーター48を制御して様々な速度で駆動させることができる。 ダイ出口29から吐出される同時押し出しされた製品10に対するコンベヤーベルト42の相対速度を調整することで、製品10をわずかに伸長または圧縮して、押し出された製品10の断面厚みを加減することができる。 膨潤性粘土組成物22の芯材の不意な水和を防ぐべく、すなわち、雨水と接触するなどして、製品の設置期間中の膨潤性粘土含有組成物22の水和を防ぐために、膨潤性粘土含有組成物22は、制御された所定の透水性または水溶性を具備した所望の厚みの透水性または水溶性被覆素材24が同時押し出しされて被覆される。 設置完了後に、水の浸透を受けたり、あるいは被覆素材24が除去されてしまうと、膨潤性粘土含有組成物22は即座に水和する。
【0066】
好適な実施態様の膨潤性粘土含有組成物22は、水と接触して膨張する一方で、不適切な設置に起因して生じた亀裂、割れ目または間隙を恒久的に閉塞する構造的集結度を維持しているので、組成物22は、下地、例えば、コンクリート44のような建築用資材への水の浸透を完全に遮断する自己修復機能をも兼ね備えている。 本願発明の製品10は、特に、木材、コンクリート、石材などの建築用資材に対して好適に利用できる。
【0067】
図1の符号20で概略的に示した装置は、 膨潤性粘土含有芯材組成物22と、透水性または水溶性または生分解性素材、好ましくは、水溶性または高pH、例えば、9+のpHで生分解するポリマーから形成され、かつ同時押出しされた被覆層24とを含む多層製品を製造するための装置である。 好ましい実施態様によれば、十分に混合された粘土組成物22、すなわち、所望の厚みと形状で押し出すことができ、かつ被覆製品10の芯材として利用される粘土組成物22は、押出機部分26のオーガー28に対して垂直方向に位置する吐出口34を具備したホッパー25に供給される。
【0068】
図2には、本願発明の製品10を同時押し出しするための装置、すなわち、符号50で示されたその他の装置が概略的に示されている。 図2に示されているように、膨潤性粘土含有組成物22は、粘土組成物芯材22の直径を、例えば、8インチから4インチにまで縮小する第一の絞り要素54と、粘土組成物芯材22の直径を、例えば、2インチの最終直径にまで縮小するその他の絞り要素56とを有し、かつ符号52で示された径違いベルから押し出される。 押し出された粘土組成物芯材は、径路58、ユニオン継手60およびエルボ継手62を経て、オーバーレイ径路またはオーバーレイ箱64に送給される。 オーバーレイ径路64に、粘土組成物芯材を送給する径路62は嵌め込まれており、また、径路64は、膨潤性粘土含有芯材22に対して、透水性、崩壊性または水溶性素材から形成された外核の被覆層24を誘導することができる被覆素材送出ノズル66を具備している。 符号70として概略的に示した被覆素材押出機、すなわち、被覆素材、例えば、溶解した水溶性ポリマーを、径路72を介してオーバーレイ径路64に送給する押出機から被覆素材24は押し出される。 粘土素材芯材層22の表面に連続した防水層を形成するために、被覆素材24は、オーバーレイ径路64と被覆素材送出ノズル66を流れていく。
【0069】
当業者は、上記した説明に基づいて本願発明に関する無数の修正と変更を想到するであろう。 すなわち、上記説明は、例示目的のものに他ならず、本願発明を実施する上での最良の形態を当業者に教示するためのものでしかない。 本願発明の要旨の範囲内で、本願発明の構成要素に変更を加えることは可能であり、また、本願明細書に添付した請求の範囲に記載の発明に属するすべての変更態様についての独占的利用権は留保されている。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本願発明の防水材を同時押し出しする上で好適な同時押し出し装置の断面図である。
【図2】本願発明の防水材を同時押し出しする上で好適な他の同時押し出し装置の断面図である。
【図3】本願発明の棒状防水材を、自着せず、かつ設置が容易なコイル状にするために用いられた装置の斜視図である。
【図4】本願発明の被覆された棒状防水材の斜視図である。
【図5】本願発明の防水材のその他の二つの断面形状(長方形または正方形および円形)である。
【符号の説明】
【0071】
10……防水材
20……同時押出し装置
22……粘土含有組成物
24……被覆層
25……ホッパー
26、30……押出機部分
28……オーガー
29……ダイ出口
32……冷却/乾燥室
34……吐出口
40……コンベヤー
42……コンベヤーベルト
44……コンクリート
45、46……ローラー
48……モーター
52……径違いベル
54、56……絞り要素
58……径路
60……ユニオン継手
62……エルボ継手
64……オーバーレイ径路
66……送出ノズル
70……押出装置
72……径路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その表面に同時押出して設けられた透水性の被覆層を備え、かつ粘土を含有する可撓性および透水性の芯材組成物を含み、水流の存在する箇所に設置される防水材であって、当該被覆層が、設置期間中は、内包粘土を水和させずに湿潤可能な所定の透水速度を有する防水材。
【請求項2】
前記被覆層が、粘土を含有する非透水性の組成物の表面全体を連続的に被覆する水溶性ポリマーである請求項1に記載の防水材。
【請求項3】
前記水溶性ポリマーが、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリレート、ポリ(メタクリル酸)、ポリメタクリレート、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される請求項2に記載の防水材。
【請求項4】
前記水溶性ポリマーが、約0.1ミル〜約15ミルの範囲の厚みを有する請求項2に記載の防水材。
【請求項5】
前記水溶性ポリマーが、約1〜約3ミルの範囲の厚みを有する請求項4に記載の防水材。
【請求項6】
前記水溶性ポリマーが、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、ビニルアルコールと酢酸ビニルとのコポリマー、ポリビニルピロリドン、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される請求項2に記載の防水材。
【請求項7】
芯材の表面積100平方フィートにつき約1〜約10ポンドの量の前記水溶性被覆層が、粘土組成物に対して同時押出される請求項1に記載の防水材。
【請求項8】
前記粘土組成物が、約10重量%〜約90重量%の粘土と、ポリプロペン、ポリブテンおよびこれらの混合物からなるグループから選択される約8重量%〜約65重量%の物質とを含む請求項1に記載の防水材。
【請求項9】
前記粘土組成物が、約1重量%〜約20重量%の量のエラストマーをさらに含む請求項8に記載の防水材。
【請求項10】
前記粘土が、スメクタイト粘土である請求項8に記載の防水材。
【請求項11】
前記スメクタイト粘土が、ナトリウムベントナイト、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムベントナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムベントナイト、マグネシウムモンモリロナイト、鉄ベントナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、サポナイト、セピオライト、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される請求項10に記載の防水材。
【請求項12】
前記被覆層が、グアール、アラビア糊、ガティ、トラガカント、寒天、キサンタン、カラヤ、ローカストビーン、アカシア、カラギーナン、シリコーンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、澱粉、化工澱粉、ノノキシノール、オクストキシノール、エトキシル化脂肪アルコール、プロポキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪酸、プロポキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪アミン、プロポキシル化脂肪アミン、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される請求項8に記載の防水材。
【請求項13】
前記被覆層が、生分解性ポリマーである請求項8に記載の防水材。
【請求項14】
前記被覆層が、pHが9を超えると分解するポリマーである請求項8に記載の防水材。
【請求項15】
前記透水性被覆層が、ポリ(テトラメチレンアジペート-コ-テレフタレート)である請求項1に記載の防水材。
【請求項16】
その幅に対する長さの比率が少なくとも10である棒状または紐状の防水材の製造方法であって、粘土を含有する芯材組成物を押し出し、および、その表面に透水性の被覆層を同時押出する工程を含み、かつ、当該被覆層が、設置期間中は、当該芯材組成物と水との接触を妨げ、および、設置完了後は、水との接触によって除去される防水材の製造方法。
【請求項17】
前記被覆層が、粘土を含有する非透水性の組成物の表面全体を連続的に被覆する透水性ポリマーである請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記透水性ポリマーが、水溶性ポリマーである請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記水溶性ポリマーが、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリル酸)の金属塩、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)の金属塩、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記透水性ポリマーが、約0.1ミル〜約15ミルの範囲の厚みを有する請求項16に記載の製造方法。
【請求項21】
前記透水性ポリマーが、約1〜約3ミルの範囲の厚みを有する請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
前記被覆層が、ポリ(テトラメチレンアジペート-コ-テレフタレート)である請求項21に記載の製造方法。
【請求項23】
前記水溶性ポリマーが、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリレート、ポリ(メタクリル酸)、ポリメタクリレート、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択される請求項18に記載の製造方法。
【請求項24】
前記粘土組成物が、約35重量%〜約90重量%のスメクタイト粘土と、ポリプロペン、ポリブテンおよびこれらの混合物からなるグループから選択される約10重量%〜約65重量%の物質とを含む請求項16に記載の製造方法。
【請求項25】
前記被覆層を冷却または乾燥し、前記被覆層の粘着性を喪失せしめ、および、乾燥した防水材を巻き上げて巻状防水材を得る、工程をさらに含む請求項16に記載の製造方法。
【請求項26】
前記防水材が、剥離材と接触しない請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
隣接する粘土小板の間にポリブテンまたはポリプロペンを挿入して、粘土の少なくとも一部から粘土小板を剥離せしめる工程をさらに含む請求項15に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2007−505967(P2007−505967A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526878(P2006−526878)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/024830
【国際公開番号】WO2005/035880
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(500227358)アンコル インターナショナル コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】