説明

面状照明装置

【課題】導光板に伸縮や反りが発生しても、導光板の光入射面とLED等の光源との距離や導光板と液晶表示パネルとの距離を一定に保つことができ、光源の破壊、入射効率の低下および導光板の光射出面から出射される光の輝度ムラ、液晶表示パネルの破壊などを引き起こすことなく、かつ、薄型軽量化や大型化が可能な面状照明装置を提供する。
【解決手段】光源と導光板の光入射面との間の距離を一定にして固定し、一体化する固定手段と、固定手段によって一体化された光源および導光板を収納する筐体と、筐体と固定手段との間に設けられ、光源と導光板とを一体化し、光源と導光板の光入射面との間の距離を一定にしたまま、筐体に対して固定手段を弾性的に保持するすべり機構と、筐体を補強する補強部材とを設けることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源と、光源から射出された光を入射して光射出面から射出する導光板とを有する屋内外を照明する面状照明装置、もしくは液晶表示装置の液晶パネルを照明するバックライトや、広告パネルや広告塔や看板などのバックライトとして用いられる面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置には、液晶表示パネルの裏面側から光を照射し、液晶表示パネルを照明するバックライトユニットが用いられている。バックライトユニットは、照明用の光源が発する光を入射して内部で拡散し、光射出面から射出して液晶表示パネルを照射する導光板や、プリズムシートや拡散シートなどの光学部材を用いて構成される。
【0003】
現在、大型の液晶テレビのバックライトユニットは、導光板を配置せず、照明用の光源の直上に拡散板等の光学部材を配置した、いわゆる直下型と呼ばれる方式が主流である。この方式の面状照明装置では、光源である冷陰極管を液晶表示パネルの背面に複数本配置し、内部を白色の反射面として均一な光量分布と必要な輝度を確保している。
【0004】
しかしながら、直下型のバックライトユニットでは、光量分布を均一にするために、液晶表示パネルに対して垂直方向の厚さが、所定厚さ、一例としては、30mm程度必要である。今後バックライトユニットは、さらに薄型のものが望まれるであろうが、直下型では光量むらの観点からさらに薄く、例えば10mm以下の厚みをもつバックライトユニットを実現することは困難である。
【0005】
ここで、薄型化が可能なバックライトユニットとしては、光源から射出された光を側面から入射して拡散し、光が入射された面とは異なる面である正面側に位置する光射出面から射出させる導光板を用いるバックライトユニットがある。
このような、導光板を用いたバックライトユニットとしては、透明樹脂に光を散乱させるための散乱粒子を混入させた導光板を用いる方式のバックライトユニットが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0006】
特許文献1には、少なくとも1つの光入射面領域および少なくとも1つの光取出面領域を有する光散乱導光体と前記光入射面領域から光入射を行う為の光源手段とを備え、前記光散乱導光体は前記光入射面から遠ざかるにつれて厚みを減ずる傾向を持った領域を有していることを特徴とする光散乱導光光源装置が記載されている。
また、特許文献2には、光散乱導光体と、前記光散乱導光体の少なくとも一つの側面方向から光を供給する光源手段と、前記光散乱導光体の光取出面側に配置されたプリズムシートと、光散乱導光体の裏面側に配置された反射体とを備えた面光源装置が記載されている。更に、特許文献3には、プリズム列状の繰り返し起伏を有する光入射面と、光拡散性を与えられた光出射面を備えた板状の光学材料からなる光出射方向修正素子を備えた液晶ディスプレイが記載され、特許文献4には、内部に散乱能を与えられた光散乱導光体と、前記光散乱導光体の端面部から光供給を行う光供給手段を備えた光源装置が記載されている。
【0007】
特許文献1〜4に記載の光散乱粒子を混入させた光散乱導光板を備える面状照明装置では、光源から投射され、光入射面から光散乱導光体内に進入した光が、その内部を伝播する過程において、光散乱粒子による散乱作用を受けて散乱する。しかしながら、この散乱した光は、光散乱導光体の光射出面に対して所定の角度以上の光のみが光射出面から出射し、所定の角度以下の光と背面の反射体に向かった光は全反射して、到達した光の相当部分は光散乱導光体内へ戻される。
このような複合的な過程を通して、光源の方向からみて前方斜め方向に向かう指向性をもって光が伝播し、光射出面の全面からほぼ均一な輝度の光として高効率で出射される。つまり、光源から放射された光を光散乱導光体の光射出面からほぼ均一な輝度の光として取り出すことができる。
このように、光散乱粒子が混入された導光板を用いることで、高い出射効率で、均一な光を射出することができると記載されている。
【0008】
また、導光板としては、光入射面から遠ざかるにつれて厚みを減ずる傾向を持った領域を有している形状の導光板以外にも、平板形状の導光板や、光入射面から遠ざかるにつれて厚みを減ずる傾向を持った領域を有している形状の導光板を組み合わせた形状の導光板を有する面状照明装置が記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開平07−36037号公報
【特許文献2】特開平08−248233号公報
【特許文献3】特開平08−271739号公報
【特許文献4】特開平11−153963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような導光板を用いた面状照明装置においては、温度や湿度の影響により、導光板が伸縮し、或いは反りが発生するという問題がある。この導光板の伸縮や反りは、導光板のサイズが大きくなればなるほど大きくなるため、導光板を用いた面状照明装置を大型化しようとすると導光板の伸縮の影響がより顕著になる。
このため、導光板が伸縮するときには、導光板と、その光入射面に隣接して配置される光源、例えばLED(発光ダイオード)とを別々に筐体などの支持体に固定すると、導光板の伸張時に、隣接するLED等の光源を膨らんだ導光板が圧迫して光源を破壊することがあるという問題がある。
また、導光板が収縮すると、導光板の光入射面とLED等の光源との間の距離が遠くなり、光源から射出された光が導光板の光入射面に入射する光入射効率が低下し、光源射出光の利用効率の低下を引き起こすという問題がある。
更に、導光板に反りが発生すると、この面状照明装置で照明する液晶表示パネルとの距離が部分的に変化し、均一に照明できず輝度ムラが生じるばかりでなく、反りが大きくなると、液晶表示パネルに接触して、液晶表示パネルを破壊することがあるという問題がある。
【0011】
これに対して、特許文献1〜4に記載の面状照明装置では、導光板の伸縮や反りによる問題点は全く考慮されておらず、これらの問題点を解決することはできない。
【0012】
本発明の目的は、上記従来技術における問題点を解消し、導光板に伸縮や反りが発生しても、導光板の光入射面とLED等の光源との距離や導光板と液晶表示パネルとの距離を一定に保つことができ、光源の破壊、入射効率の低下および導光板の光射出面から出射される光の輝度ムラ、液晶表示パネルの破壊などを引き起こすことなく、かつ、薄型軽量化や大型化が可能な面状照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、光を射出する光源と、前記光源に隣接して配置され、前記光源から射出された光を入射させる光入射面および前記光入射面から入射した光を面状の光として射出する光射出面とを備える導光板と、前記光源と前記導光板とを前記光源と前記導光板の前記光入射面との間の距離を一定にして固定し、一体化する固定手段と、前記固定手段によって一体化された前記光源および前記導光板を収納する筐体と、前記筐体と前記固定手段との間に設けられ、前記導光板の前記光入射面から前記光源に向かう方向において、前記導光板の伸縮に応じて、前記光源と前記導光板とを一体化し、前記光源と前記導光板の前記光入射面との間の距離を一定にしたまま、前記筐体に対して前記固定手段を弾性的に保持するすべり機構と、前記導光板の伸縮に対応して、前記筐体を補強する補強部材とを有することを特徴とする面状照明装置を提供するものである。
【0014】
前記固定手段は、前記導光板の前記光入射面から前記光源に向かう方向と直交する方向において、前記導光板の伸縮に応じて、前記導光板を前記固定手段に対して摺動可能に一体化するものであることが好ましい。
【0015】
前記すべり機構は、前記導光板の伸縮に応じて、前記すべり機構と前記固定手段との間の摩擦力を変化させることのできることが好ましい。
また、前記すべり機構は、前記筐体をネジ止めする応力によって前記固定手段を挟み込む摺動部材からなり、前記摺動部材と前記固定手段との静止摩擦係数をμとし、前記ネジ止め位置から距離xだけ離れた位置における前記ネジ止めによる応力分布をG(x)とすると、前記ネジ止め位置から距離xだけ離れた位置における前記摺動部材と前記固定手段との摩擦力T(x)は、下記の式で表され、
T(x)=μ・G(x)
また、前記導光板のヤング率をYとし、前記導光板の平均断面積をAaveとし、前記導光板の長さをLとし、前記導光板の伸縮長さをΔLとすると、前記導光板の伸縮による力Fは、下記の式で表されるとき、
F=Y・Aave・(ΔL/L)
前記摺動部材は、前記筐体をネジ止めした位置から下記の式
T(x)=μ・G(x)<F=Y・Aave・(ΔL/L)
を満足する位置xに配置されることが好ましい。
【0016】
前記導光板は、線膨張率が、1/1000<ΔL/L<5/1000を満たし、且つ、ヤング率は、1.5MN/m<Y<3MN/mを満たすことが好ましい。
また、前記導光板は、矩形状で平坦な前記光射出面と、前記光射出面の互いに対向する1対の端辺に形成され、前記光射出面と平行に進行する光を入射させるための、互いに対向する1対の前記光入射面と、前記光射出面とは反対側の面に形成され、前記1対の光入射面からそれぞれ離れるに従って前記光射出面に垂直な方向の厚みが厚くなるように傾斜し、前記1対の光入射面の中央で接合する1対の傾斜面からなる背面とを備え、前記光源は、この導光板の前記1対の光入射面にそれぞれ対向して配置され、前記1対の光入射面にそれぞれ光を入射させる1対の光源からなり、各光源は、複数のLEDチップと、前記LEDチップを支持する支持体とを有し、前記複数のLEDチップは、前記支持体の前記光入射面に対向する面に、前記光入射面の長手方向に沿って列状に配置されることが好ましい。
【0017】
さらに、前記導光板の前記光射出面の残りの1対の対向する端辺に形成され、前記1対の光入射面に直交する残りの1対の光入射面と、前記残りの1対の光入射面にそれぞれ対向して配置され、前記残りの1対の光入射面にそれぞれ光を入射させる1対の前記光源とを有することが好ましい。
また、前記LEDチップは、前記導光板の厚み方向の長さをaとし、前記導光板の厚み方向に垂直な方向の長さをbとしたときに、不等式b<aを満足することが好ましい。
【0018】
前記導光板は、内部に多数の散乱粒子を含み、前記散乱粒子の散乱断面積をΦ、前記散乱粒子の密度をN、補正係数をK、光の入射方向における前記導光板の前記光入射面から前記導光板の厚みが最も厚くなる位置までの長さをLとしたときに、不等式
1.1≦Φ・N・L・K≦8.2
0.005≦K≦0.1
を満足することが好ましい。
【0019】
前記補強部材が、前記筐体の縁を折り返すように曲げた構造であることが好ましく、さらに、前記筐体の縁を折り返すように曲げた構造における折り曲げの曲率半径Rが、0.3mm<R<1mmの範囲にあり、前記筐体の板厚Tが、0.5mm<T<1.5mmの範囲であることが好ましい。
また、前記補強部材が、前記筐体にリブを設けた構造であることが好ましく、さらに、前記筐体にリブを設けた構造におけるリブの幅W、高さH、筐体の厚みTが、W<H<Tの関係にあり、筐体の厚みTが、5mm<T<20mmの範囲にあることが好ましい。
また、前記補強部材が、前記筐体の縁に角材を配置した構造であることが好ましく、さらに、前記筐体の縁に角材を配置した構造における角材の長辺の寸法Aおよび短辺の寸法Bと筐体の厚みTが、0.2T<A<0.5Tおよび0.2T<B<0.5Tの範囲にあることが好ましい。
また、前記補強部材が、前記筐体の下部筐体に設けられたハニカム構造であることが好ましく、さらに、前記筐体の下部筐体に設けられたハニカム構造における板厚Thが、0.5mm<Th<1.5mmの範囲にあり、ハニカム構造の対角線Whの寸法が、5mm<Wh<20mmの範囲であることが好ましい。
【0020】
前記補強部材が、前記筐体の縁を折り返すように曲げた構造であることが好ましく、さらに、前記筐体の縁を折り返すように曲げた構造における折り曲げの曲率半径Rが、0.3mm<R<1mmの範囲にあり、前記筐体の板厚Tが、0.5mm<T<1.5mmの範囲であることが好ましい。
また、前記補強部材が、前記筐体にリブを設けた構造であることが好ましく、さらに、前記筐体にリブを設けた構造におけるリブの幅W、高さH、筐体の厚みTが、W<H<Tの関係にあり、筐体の厚みTが、5mm<T<20mmの範囲にあることが好ましい。
また、前記補強部材が、前記筐体の縁に角材を配置した構造であることが好ましく、さらに、前記筐体の縁に角材を配置した構造における角材の長辺の寸法A、短辺の寸法B辺と筐体の厚みTが、0.2T<A<0.5T、0.2T<B<0.5Tの範囲にあることが好ましい。
また、前記補強部材が、前記筐体の下部筐体に設けられたハニカム構造であることが好ましく、さらに、前記筐体の下部筐体に設けられたハニカム構造における板厚Thが、0.5mm<Th<1.5mmの範囲にあり、ハニカム構造の対角線Whの寸法が、5mm<Wh<20mmの範囲であることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記構成、特に、LED等の光源と導光板とを一体化して固定することにより、導光板の光入射端面と光源との間の距離、すなわち、光源と導光板との光軸距離および光軸垂直距離を一定に保つことで、導光板の伸縮による光源の破壊や光源から導光板への光入射効率の低下を防ぐことができる。また、本発明によれば、導光板が筐体内で自由に伸縮できることから導光板に反りが生じないため、導光板の光射出面から射出される光の輝度ムラを防止でき、液晶表示装置のバックライトとして用いた場合にも、導光板が液晶パネルを押すことがなく、表示画面に表示ムラや輝度ムラを生じさせることがない。また、本発明によれば、大型の導光板を用いても導光板の伸縮の影響を防止することができるため、面状照明装置を大型化することができ、大型の液晶表示装置に適用することができる。
さらに、本発明によれば、導光板の伸縮に対応して、筐体を補強する補強部材を設けているので、導光板の伸縮や反りによって筐体が変形することも防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る面状照明装置を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、導光板の2辺に光源からの光を入射させる2辺入射方式の面状照明装置を代表例として説明するが、本発明はこれに限定されないことはいうまでもない。
図1は、本発明に係る面状照明装置を備える液晶表示装置の概略を示す斜視図であり、図2は、図1に示す液晶表示装置のA−A線断面図であって液晶表示装置の概略を示している。また、図3(A)および(B)は、図2に示す液晶表示装置の変形例である。図4は、図2に示す導光板の詳細を示す一部拡大断面図であり、図5(A)は、図2に示す面状照明装置(以下「バックライトユニット」ともいう)の導光板およびその2辺に配置される光源を示す部分省略平面図、図5(B)は、(A)のB−B線断面図である。
【0023】
図1に示すように、液晶表示装置10は、バックライトユニット20と、そのバックライトユニット20の光射出面側に配置される液晶表示パネル12と、液晶表示パネル12を駆動する駆動ユニット14とを有する。なお、図1においては、バックライトユニット20の構成を示すため、液晶表示パネル12の一部の図示を省略している。
【0024】
液晶表示パネル12は、予め特定の方向に配列された液晶分子を有する液晶セルの透明電極に、部分的に電圧を印加してこの分子の配列を変え、液晶セル内に生じた屈折率の変化を利用して、液晶表示パネル12の表面上に文字、図形、画像などを表示する。
駆動ユニット14は、液晶表示パネル12内の液晶セルの透明電極に選択的に電圧を印加し、液晶分子の向きを変えて液晶表示パネル12を透過する光の透過率を制御する。
【0025】
バックライトユニット20は、液晶表示パネル12の背面から、液晶表示パネル12の全面に光を照射する照明装置本体24を有しており、照明装置本体24は、液晶表示パネル12の画像表示面と略同一形状の光射出面24aを有する。
【0026】
本発明に係るバックライトユニット20は、図2、図3(A)および(B)、図4、図5(A)および図5(B)に示すように、2つの光源28、導光板30、固定手段31(図4参照)、光学部材ユニット32および反射板34を有する照明装置本体24と、下部筐体42、上部筐体44、補強部材46およびすべり機構48(図4参照)を有する筐体40とで構成されている。なお、図3(A)および(B)に示す液晶表示装置10の変形実施例は、図2および図4に示す実施例と、筐体40の下部筐体42、上部筐体44および補強部材46の構造および構成において異なるもので、図示例においては、照明装置本体24の固定手段31および筐体40のすべり機構48の図示が省略され、簡略化された状態に例示されている。
なお、図4に示す実施例においては、さらに、反射板34と下部筐体42との間には、ヒートシンク64とヒートパイプ66が設けられている。また、図1に示すように、筐体40の下部筐体42の裏側には、光源28に電力を供給する複数の電源を収納する電源収納部49が取り付けられている。
【0027】
以下、主として図4を参照して、バックライトユニット20を構成する各構成部品について説明する。
照明装置本体24は、光を射出する光源28と、光源28から射出された光を面状の光として光射出面30aから射出する導光板30と、導光板30と光源28との光軸距離および光軸垂直距離を一定に保って固定する固定手段31と、導光板30の光射出面30aから射出された光を、散乱や拡散させてよりムラのない光とする光学部材ユニット32と、導光板30から漏出した光を反射させて導光板30に再度入射させる反射板34を有する。
ここで、導光板30と光源28との光軸距離とは、図5(B)に示すように、光源28の光射出面と導光板30の光入射面(30d、30e)との間の距離cをいう。また、導光板30と光源28との光軸垂直距離とは、導光板30と光源28の導光板の厚さ方向に対するそれぞれの光軸間の距離をいう。
【0028】
はじめに、本発明の特徴的構成である固定手段31とすべり機構48について、図4を参照して、概要を説明しておく。固定手段31は、固定部材31aと複数のネジ31b、31cおよび複数の固定ピン31d、31eとによって、光源28、導光板30、光学部材ユニット32、反射板34を一体的に固定し、光源28および導光板30の間の光軸距離および光軸垂直距離を一定に保つものである。また、すべり機構48は、バネ材47、摺動部材固定部材48a、48d、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cを有し、光源28および導光板30を一体的に固定する固定部材31aを、導光板30の伸縮に対応して筐体40内で摺動可能に支持するものである。
【0029】
次に、光源28について説明する。
図6(A)は、図1〜図5に示す面状照明装置20の光源28の概略構成を示す概略斜視図であり、図6(B)は、図6(A)に示す光源28の断面図であり、図6(C)は、図6(A)に示す光源28を構成する1つのLED(発光ダイオード)チップ50のみを拡大して示す概略斜視図である。
図6(A)に示すように、光源28は、複数のLEDチップ50と、光源支持部52とを有する。
【0030】
LEDチップ50は、青色光を射出する発光ダイオードの表面に補色である黄色の蛍光物質を塗布したチップであり、所定面積の発光面58を有し、この発光面58から白色光を射出する。
つまり、LEDチップ50の発光ダイオードの表面から射出された青色光が蛍光物質を透過すると、蛍光物質が刺激されて黄色に発光する。これにより、LEDチップ50から射出された青色光が蛍光物質を透過すると、発光ダイオードから射出された青色光と蛍光物質が蛍光することで射出される補色の関係にある黄色光とが混合して白色光を生成し、LEDチップ50から白色光として射出される。
ここで、LEDチップ50としては、GaN系発光ダイオード、InGaN系発光ダイオード等の表面にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光物質を塗布したチップが例示される。
【0031】
光源支持体52は、図6(B)に示すように、アレイ基板54と複数のフィン56とを有する。上述した複数のLEDチップ50は、所定間隔だけ離間してアレイ基板54上に一列に配置されている。具体的には、光源28を構成する複数のLEDチップ50は、後述する導光板30の第1光入射面30dまたは第2光入射面30eの長手方向に沿って、言い換えれば、光射出面30aと第1光入射面30dとが交わる線と平行に、または、光射出面30aと第2光入射面30eとが交わる線と平行に、アレイ状に配列されアレイ基板54上に固定されている。
【0032】
アレイ基板54は、一面が導光板30の最薄側端面である光入射面(30d、30e)に対向して配置される板状の部材である。アレイ基板54の導光板30の光入射面(30d、30e)に対向する面となる側面には、LEDチップ50が支持されている。
ここで、本実施形態のアレイ基板54は、銅やアルミニウム等の熱伝導性の良い金属で形成されており、LEDチップ50から発生する熱を吸収し、外部に放散させるヒートシンクとしての機能も有する。
【0033】
複数のフィン56は、それぞれ銅やアルミニウム等の熱伝導性の良い金属で形成された板状部材であり、アレイ基板54のLEDチップ50が配置されている面とは反対側の面に、隣接するフィン56と所定間隔だけ離間して連結されている。
光源支持体52に、複数のフィン56を設けることで表面積を広くすることができ、かつ、放熱効果を高くすることができる。これにより、LEDチップ50の冷却効率を高めることができる。
なお、本実施形態では、光源支持体52のアレイ基板54をヒートシンクとして用いたが、LEDチップの冷却が必要ない場合は、ヒートシンクに代えて放熱機能を備えない板状部材をアレイ基板として用いてもよい。
【0034】
また、図6(A)に示すように、光源支持体52の上面52aの両端部には2箇所にネジ穴52cが設けられている。同様に、光源支持体52の下面52bにはネジ穴52cに対応した位置にネジ穴52dが設けられている。ネジ穴52c、52dは、後述するように、それぞれネジ31b、31cによって、光源28を固定手段31に固定するのに用いられる。
【0035】
ここで、図6(C)に示すように、本実施形態のLEDチップ50は、LEDチップ50の配列方向の長さよりも、配列方向に直交する方向の長さが短い長方形形状、つまり、後述する導光板30の厚み方向(光射出面30aに垂直な方向)が短辺となる長方形形状を有する。言い換えれば、LEDチップ50は、導光板30の光射出面30aに垂直な方向の長さをa、配列方向の長さをbとしたときに、b>aとなる形状である。また、LEDチップ50の配置間隔をqとするとq>bである。このように、LEDチップ50の導光板30の光射出面30aに垂直な方向の長さa、配列方向の長さb、LEDチップ50の配置間隔qの関係が、q>b>aを満たすことが好ましい。
LEDチップ50を長方形形状とすることにより、大光量の出力を維持しつつ、薄型な光源とすることができる。光源を薄型化することにより、面状照明装置を薄型にすることができる。また、LEDチップの配置個数を少なくすることができる。
【0036】
なお、LEDチップ50は、光源をより薄型にできるため、導光板30の厚み方向を短辺とする長方形形状とすることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、正方形形状、円形形状、多角形形状、楕円形形状等種々の形状のLEDチップを用いることができる。
【0037】
また、本実施形態では、LEDチップを1列に並べ、単層構造としたが、本発明はこれに限定されず、アレイ支持体に複数のLEDチップ50を配置した構成のLEDアレイを複数個、積層させた構成の多層LEDアレイを光源として用いることもできる。このようにLEDアレイを積層させる場合でもLEDチップ50を長方形形状とし、LEDアレイを薄型にすることで、より多くのLEDアレイを積層させることができる。このように、多層のLEDアレイを積層させる、つまり、LEDアレイ(LEDチップ)の充填率を高くすることで、より大光量を出力することができる。また、LEDアレイのLEDチップと隣接する層のLEDアレイのLEDチップも上述と同様に配置間隔が上記式を満たすことが好ましい。つまり、LEDアレイは、LEDチップと隣接する層のLEDアレイのLEDチップとを所定距離離間させて積層させることが好ましい。
【0038】
次に、導光板30について説明する。
図7は、導光板30の形状を示す概略斜視図である。
導光板30は、図2、図3(A)、図5および図7に示すように、略矩形形状の平坦な光射出面30aと、この光射出面30aの両端に、光射出面30aに対してほぼ垂直に形成された2つの光入射面(第1光入射面30dと第2光入射面30e)と、光射出面30aの反対側、つまり、導光板30の背面側に位置し、第1光入射面30dおよび第2光入射面30eに平行で、光射出面30aを2等分する2等分線α(図1、図5参照)を中心軸として互いに対称で、光射出面30aに対して所定の角度で傾斜する2つの傾斜面(第1傾斜面30bと第2傾斜面30c)と、光射出面30aの光入射面が形成されていない側の両端(光射出面30aと光入射面との交線に直交する2つの辺)に、光射出面30aに対して略垂直に形成された2つの側面(第1側面30fと第2側面30g)とを有している。なお、2つの第1傾斜面30bと第2傾斜面30cとは交わり、光射出面30aの2等分線αに対応して稜線30hを形成している。
【0039】
また、光射出面30aの第1光入射面30dと第1側面30fとが交わる角隅30i、および第2光入射面30eと第1側面30fとが交わる角隅30kのそれぞれの内側近傍には、それぞれ、導光板30を固定部材31aに固定するための第1丸穴60a、および第2丸穴60cが設けられており、導光板30の背面側における第1丸穴60a、および第2丸穴60cにそれぞれ対応する位置には、第1丸穴60b、および第2丸穴60dが設けられている。
また、光射出面30aの第1光入射面30dと第2側面30gとが交わる角隅30j、および第2光入射面30eと第2側面30fとが交わる角隅30lのそれぞれの内側近傍には、それぞれ、導光板30を固定部材31aに連結するための、光入射面30d、30eに平行な方向に長い第1長穴62a、および第2長穴62cが設けられており、導光板30の背面側における第1長穴62a、および第2長穴62cにそれぞれ対応する位置に、それぞれ第1長穴62b、および第2長穴62dが設けられている。
【0040】
また、第1丸穴60aが設けられている角隅30iの内側近傍には、第1丸穴60aに近接して、導光板30を筐体40の上部筐体44および下部筐体42に連結するための第3丸穴61aが設けられている。
また、第1長穴62aおよび第2丸孔60cが設けられている各角隅30iおよび30kの内側近傍には、第1長穴62aおよび第2丸穴60cにそれぞれ近接して、導光板30を筐体40の上部筐体42および下部筐体44に連結するための、光入射面30eに平行な方向に長い第3長穴63aおよび光入射面30eに垂直な方向に長い第4長穴63bが設けられている。
【0041】
第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cは、それぞれ第1光入射面30dおよび第2光入射面30eから遠ざかるに従って光射出面30aからの距離が大きくなるように、つまり、それぞれ第1光入射面30dおよび第2光入射面30eから導光板の中心に向かうに従って、導光板30の光射出面30aに垂直な方向の厚さが大きくなるように傾斜している。
つまり、導光板30は、両端部、すなわち第1光入射面30dと第2光入射面30eで厚さが最も薄くなり、中央部、すなわち第1傾斜面30bと第2傾斜面30cが交差する2等分線αに対応する位置で厚さが最大となる。言い換えれば、導光板30は、第1光入射面30dまたは第2光入射面30eから離れるに従って導光板の光射出面30aに垂直な方向の厚さが厚くなる形状である。なお、光射出面30aに対する第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cの傾斜角度は特に限定されない。
【0042】
ここで、上述した2つの光源28は、それぞれ導光板30の第1光入射面30dおよび第2光入射面30eに対向して配置されている。ここで、本実施形態では、光射出面30aに垂直な方向において、光源28のLEDチップ50の発光面58の長さと第1光入射面30dおよび第2光入射面30eの長さが略同じ長さである。
このように面状照明装置20は、2つの光源28が、導光板30をはさみこむように配置されている。つまり、所定間隔だけ離間して、向い合って配置された2つの光源28の間に導光板30が配置されている。
【0043】
図4に示す導光板30では、光源28から射出され第1光入射面30dおよび第2光入射面30eから入射した光(第1光入射面30dのみを図示する)は、導光板30の内部に含まれる散乱体(詳細は後述する)によって散乱されつつ、導光板30内部を通過し、直接、または第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cで反射した後、光射出面30aから射出する。このとき、第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30c(第1傾斜面30bのみを図示する)から一部の光が漏出する場合もあるが、漏出した光は導光板30の第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30c側に配置された反射板34によって反射され再び導光板30の内部に入射する。反射板34については後ほど詳細に説明する。
【0044】
このように、導光板30を、対向する位置に光源28が配置される第1光入射面30dまたは第2光入射面30eから離れるに従って、光射出面30aに垂直な方向の厚みが厚くなる形状とすることで、光入射面から入射する光を光入射面からより遠い位置まで届けることができ、光射出面を大きくすることができる。また、光入射面から入射した光を遠い位置まで好適に届けることができるため、導光板を薄型化することができる。
【0045】
導光板30は、透明樹脂に、光を散乱させるための散乱粒子が混錬分散されて形成されている。導光板30に用いられる透明樹脂の材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ベンジルメタクリレート、MS樹脂、あるいはCOP(シクロオレフィンポリマー)のような光学的に透明な樹脂が挙げられる。導光板30に混錬分散させる散乱粒子としては、アトシパール、シンコーン、シリカ、ジルコニア、誘電体ポリマなどを用いることができる。このような散乱粒子を導光板30の内部に含有させることによって、均一で輝度むらが少ない照明光を光射出面30aから射出することができる。そして、このような導光板30は、押出成形法や射出成形法を用いて製造することができる。
【0046】
また、導光板30に含まれる散乱粒子の散乱断面積をΦ、光の入射する方向(導光板30に入射する光の進行方向に平行な方向、光射出面30aに平行で、光射出面30aと光入射面(第1光入射面30dまたは第2光入射面30e)との接線に垂直な方向)における導光板30の第1光入射面30dまたは第2光入射面30eから光射出面30aに直交する方向の厚みが最大となる位置までの長さ、本実施形態では、導光板の光の入射する方向(本実施形態では、導光板30の第1光入射面30dに垂直な方向、以下「光軸方向」ともいう。)の半分の長さ(2等分線αの位置までの長さ)をL、導光板30に含まれる散乱粒子の密度(単位体積あたりの粒子数)をN、補正係数をKとした場合に、Φ・N・L・Kの値が1.1以上であり、かつ8.2以下であり、さらに、補正係数Kの値が0.005以上0.1以下であるという関係を満たしているのがよい。導光板30は、このような関係を満たす散乱粒子を含んでいるので、均一で輝度むらが少ない照明光を光射出面30aから射出することができる。
【0047】
一般的に、平行光束を等方媒質に入射させた場合の透過率Tは、Lambert−Beer則により下記式(1)で表される。
T=I/I=exp(−ρ・x)・・・(1)
ここで、xは距離、Iは入射光強度、Iは射出光強度、ρは減衰定数である。
【0048】
上記減衰定数ρは、粒子の散乱断面積Φと媒質に含まれる単位体積当たりの粒子数Npとを用いて下記式(2)で表される。
ρ=Φ・N・・・(2)
したがって、導光板に入射した光の進行方向に平行な方向における導光板の入射面から厚みが最も厚い位置までの長さ、本実施形態では、導光板30の光軸方向の半分の長さをLとすると、光の取り出し効率Eoutは、下記式(3)で与えられる。ここで、導光板30の光軸方向の半分の長さLは、導光板30の光入射面に垂直な方向における導光板30の一方の光入射面から導光板30の中心までの長さとなる。
【0049】
また、光の取り出し効率とは、入射光に対する、導光板の光入射面から光軸方向に長さLだけ離間した位置に到達する光の割合であり、例えば、図5に示す導光板30の場合は、端面に入射する光に対する導光板の中心(導光板の光軸方向の半分の長さとなる位置)に到達する光の割合である。
out∝exp(−Φ・N・L)・・・(3)
【0050】
ここで、式(3)は有限の大きさの空間におけるものであり、式(1)との関係を補正するための補正係数Kを導入する。補正係数Kは、有限の空間の光学媒質中で光が伝搬する場合に経験的に求められる無次元の補正係数である。そうすると、光の取り出し効率Eoutは、下記式(4)で表される。
out=exp(−Φ・N・L・K)・・・(4)
【0051】
式(4)に従えば、Φ・N・L・Kの値が3.5のときに、光の取り出し効率Eoutが3%であり、Φ・N・L・Kの値が4.7のときに、光の取り出し効率Eoutが1%である。
この結果より、Φ・N・L・Kの値が大きくなると、光の取り出し効率Eoutが低くなることが分かる。光は導光板の光軸方向へ進むにつれて散乱するため、光の取り出し効率Eoutが低くなると考えられる。
【0052】
したがって、Φ・N・L・Kの値は大きいほど導光板として好ましい性質であることが分かる。つまり、Φ・N・L・Kの値を大きくすることで、光の入射面と対向する面から射出される光を少なくし、光射出面から射出される光を多くすることができる。すなわち、Φ・N・L・Kの値を大きくすることで、入射面に入射する光に対する光射出面から射出される光の割合(以下「光利用効率」ともいう。)を高くすることができる。具体的には、Φ・N・L・Kの値を1.1以上とすることで、光利用効率を50%以上にすることができる。
【0053】
ここで、Φ・N・L・Kの値は大きくすると、導光板30の光射出面30aから射出する光の照度むらが顕著になるが、Φ・N・L・Kの値を8.2以下とすることで、照度むらを一定以下(許容範囲内)に抑えることができる。なお、照度と輝度は略同様に扱うことができる。従って、本発明においては、輝度と照度とは、同様の傾向があると推測される。
【0054】
以上より、本発明の導光板30のΦ・N・L・Kの値は、1.1以上かつ8.2以下であるという関係を満たすことが好ましく、2.0以上かつ8.0以下であることがより好ましい。また、Φ・N・L・Kの値は、3.0以上であればさらに好ましく、4.7以上であれば最も好ましい。
また、補正係数Kは、0.005以上0.1以下(0.005≦K≦0.1)であることが好ましい。
【0055】
以下、具体例とともに、導光板30についてより詳細に説明する。
まず、散乱断面積Φ、粒子密度N、導光板の光軸方向の半分の長さL、補正係数Kを種々の値とし、Φ・N・L・Kの値が異なる各導光板について、計算機シミュレーションにより光利用効率を求め、さらに照度むらの評価を行った。ここで、照度むら[%]は、導光板の光射出面から射出される光の最大照度をIMaxとし、最小照度をIMinとし、平均照度をIAveとしたときの[(IMax−IMin)/IAve]×100とした。
測定した結果を表1に示す。また、表1における判定は、光利用効率が50%以上かつ照度むらが150%以下の場合を○、光利用効率が50%より小さいまたは照度むらが150%より大きい場合を×として示す。
【0056】
【表1】

【0057】
また、図8に、Φ・N・L・Kの値と光利用効率(光入射面に入射する光に対して光射出面30aから射出される光の割合)との関係を測定した結果を示す。
表1および図8に示すように、Φ・N・L・Kを1.1以上とすることで、光利用効率を大きくすること、具体的には光利用効率を50%以上とすることができ、8.2以下とすることで、照度ムラを150%以下にすることができることがわかる。
また、Kcを0.005以上とすることで、光利用効率を高くすることができ、0.1以下とすることで、導光板からの射出される光の照度むらを小さくすることができることがわかる。
【0058】
次に、導光板に混錬または分散させる微粒子の粒子密度Nが種々の値の導光板を作成し、それぞれの導光板の光射出面の各位置から射出される光の照度分布を測定した。ここで本実施形態では、粒子密度Nを除いて他の条件、具体的には、散乱断面積Φ、導光板の光軸方向の半分の長さL、補正係数K、導光板の形状等は、同じ値とした。従って、本実施形態では、Φ・N・L・Kは、粒子密度Nに比例して変化する。
このようにして種々の粒子密度の導光板について、それぞれ光射出面から射出される光の照度分布を測定した結果を図9に示す。図9は、縦軸を照度[lx]とし、横軸を導光板の一方の光入射面からの距離(導光長)[mm]とした。
【0059】
さらに、測定した照度分布の導光板の側壁から射出される光の最大照度をIMaxとし、最小照度をIMinとし、平均照度をIAveとしたときの照度むら[(IMax−IMin)/IAve]×100[%]を算出した。
図10に、算出した照度むらと粒子密度との関係を示す。図10では、縦軸を照度むら[%]とし、横軸を粒子密度[個/m3]とした。また、図10には、横軸を同様に粒子密度とし、縦軸を光利用効率[%]として、光利用効率と粒子密度との関係も併せて示している。
【0060】
図9、図10に示すように、粒子密度を高くする、つまりΦ・N・L・Kを大きくすると、光利用効率は高くなるが、照度むらも大きくなる。また、粒子密度を低くする、つまり、Φ・N・L・Kを小さくすると、光利用効率は低くなるが、照度むらを小さくなることがわかる。
ここで、Φ・N・L・Kを1.1以上8.2以下とすることで、光利用効率を50%以上とし、かつ、照度むらを150%以下とすることができる。照度むらを150%以下とすることで、照度むらを目立たなくすることができる。
つまり、Φ・N・L・Kを1.1以上8.2以下とすることで、光利用効率を一定以上とし、かつ照度むらも低減することができることがわかる。
【0061】
次に、光学部材ユニット32について説明する。
光学部材ユニット32は、導光板30の光射出面30aから射出された照明光をより輝度むらのない光にして、照明装置本体24の光射出面24aからより輝度むらのない照明光を射出するためのもので、図4に示すように、導光板30の光射出面30aから射出する照明光を拡散して輝度むらを低減する拡散シート32aと、光入射面と光射出面との接線と平行なマイクロプリズム列が形成されたプリズムシート32bと、プリズムシート32bから射出する照明光を拡散して輝度むらを低減する拡散シート32cとを有する。
また、光学部材ユニット32には、光源28と導光板30とを固定するための固定部材31aに固定するために、導光板30の光射出面30aに設けた第1丸穴60a、第2丸穴60c、第1長穴62a、第2長穴62cに対応した位置に、同様な丸穴および長穴が設けられていることが好ましい。なお、図示されていないが、光学部材ユニット32には、導光板30を筐体40の上部筐体44および下部筐体42に連結するために、導光板30の光射出面30aに設けられた第3丸穴61a、第3長穴63aおよび第4長穴63bに対応した位置に、同様な丸穴および長穴が設けられていることが好ましい。
【0062】
拡散シート32aおよび32c、プリズムシート32bとしては、本出願人の出願に係る特開2005−234397号公報の[0028]〜[0033]に開示されているものを適用することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、光学部材ユニットを2枚の拡散シート32aおよび32cと、2枚の拡散シートの間に配置したプリズムシート32bとで構成したが、プリズムシートおよび拡散シートの配置順序や配置数は特に限定されず、また、プリズムシート、拡散シートとしても特に限定されず、導光板30の光射出面30aから射出された照明光の輝度むらをより低減することができるものであれば、種々の光学部材を用いることができる。
例えば、光学部材として、上述の拡散シートおよびプリズムシートに、加えてまたは代えて、拡散反射体からなる多数の透過率調整体を輝度むらに応じて配置した透過率調整部材も用いることもできる。
【0064】
図4には示されていないが、本発明の好ましい態様として、上述した図5(A)および図7に示すように、導光板30の3つの角隅30i、30jおよび30kの近傍には、導光板30を筐体40の上部筐体42および下部筐体44に連結するための第3丸穴61a、第3長穴63aおよび第4長穴63bが設けられており、また、上述したように、導光板30の第3丸穴61a、第3長穴63aおよび第4長穴63bに対応して、拡散シート32a、プリズムシート32bおよび拡散シート32cなどからなる光学部材ユニット32、ならびに上部誘導反射板36および下部誘導反射板38にも、同様の丸穴および長穴(図示せず)が設けられている。一方、筐体40の上部筐体42および下部筐体44には、これに収納される導光板30の第3丸穴61a、第3長穴63aおよび第4長穴63bに対応する位置に、ピンを固定するための丸穴(図示せず)が穿孔されている。これらの導光板30の第3丸穴61a、第3長穴63aおよび第4長穴63b、ならびに光学部材ユニット32および上部誘導反射板36および下部誘導反射板38の対応する丸穴および長穴には、穴径(長穴の場合は短径)に略等しいピン(図示せず)が嵌め込まれ、これらのピンが筐体40の上部筐体42および下部筐体44に穿孔された丸穴にも嵌め込まれて固定される。
【0065】
このとき、図5(A)および図7に示すように、導光板30の角隅30iには、丸穴61aが設けられているので、導光板30は、角隅30iにおいては、筐体40に固定された図示しないピンによって筐体40に対し移動不能に固定される。
しかし、導光板30の角隅30jには光入射面30d、30eに平行な方向に長い長穴63aが設けられ、角隅30lには筐体40と連結する穴が設けられていないので、筐体40に固定された、図示しないピンは、長穴63aに嵌め込まれていても、長穴63a内を光入射面30d、30eに平行な方向に移動可能であるので、導光板30は、筐体40に対し光入射面30d、30eに平行な方向には移動でき、伸縮可能である。その結果、導光板30の伸縮による反りを防ぐことができる。
また、導光板30の角隅30kには光入射面30d、30eに垂直な方向に長い長穴63bが設けられ、角隅30lには筐体40と連結する穴が設けられていないので、筐体40に固定された、図示しないピンが長穴63bに嵌め込まれていても、長穴63b内を光入射面30d、30eに垂直な方向に移動可能であるので、導光板30は、筐体40に対し、光入射面30d、30eに垂直な方向には移動でき、伸縮可能である。その結果、導光板30の伸縮による反りを防ぐことができる。
【0066】
こうして、導光板30を筐体40に伸縮自在に保持することができる。
また、上述したように、導光板30の第3丸穴61a、第3長穴63aおよび第4長穴63bに対応して、拡散シート32a、プリズムシート32bおよび拡散シート32cなどからなる光学部材ユニット32、ならびに上部誘導反射板36および下部誘導反射板38にも、同様の丸穴および長穴(図示せず)が設けられているので、導光板30や拡散シート32a、プリズムシート32bおよび拡散シート32cなどの光学部材ユニット32の伸縮率が異なっていても、これらにたわみや反りが発生しない保持機構を実現することができる。
【0067】
次に、照明装置本体24の反射板34について、図4を参照して説明する。
反射板34は、導光板30の第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30c(図5参照)から漏洩する光を反射して、再び導光板30に入射させるために設けられており、光の利用効率を向上させることができる。反射板34は、導光板30の第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cに対応した形状で、第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cの全面を覆うように形成される。本実施形態では、図5に示すように導光板30の第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cが断面三角形状に形成されているので、反射板34もこれに倣った形状に形成されている。
【0068】
反射板34は、導光板30の傾斜面から漏洩する光を反射することができれば、どのような材料で形成されてもよく、例えば、PETやPP(ポリプロピレン)等にフィラーを混練後延伸することによりボイドを形成して反射率を高めた樹脂シート、透明もしくは白色の樹脂シート表面にアルミ蒸着などで鏡面を形成したシート、アルミ等の金属箔もしくは金属箔を担持した樹脂シート、あるいは表面に十分な反射性を有する金属薄板により形成することができる。
【0069】
上部誘導反射板36は、導光板30と拡散シート32aとの間、つまり、導光板30の光射出面30a側に、光源28および導光板30の光射出面30aの端部(第1光入射面30d側の端部および第2光入射面30e側の端部)を覆うように固定部材31aの内側にそれぞれ配置されている。言い換えれば、上部誘導反射板36は、光軸方向に平行な方向において、導光板30の光射出面30aの一部から光源28のアレイ基板54の一部までを覆うように配置されている。つまり、2つの上部誘導反射板36が、導光板30の両端部にそれぞれ配置されている。
このように、上部誘導反射板36を配置することで、光源28から射出された光が導光板30に入射することなく、光射出面30側に漏れ出すことを防止できる。
これにより、光源28のLEDチップ50から射出された光を効率よく導光板30の第1光入射面30dおよび第2光入射面30eに入射させることができ、光利用効率を向上させることができる。
【0070】
下部誘導反射板38は、導光板30の光射出面30a側とは反対側、つまり、第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30c側に、光源28の一部を覆うように固定部材31aの内側に配置されている。また、下部誘導反射板38の導光板中心側の端部は、反射板34と連結されている。
下部誘導反射板38を設けることで、光源28から射出された光が導光板30に入射することなく、導光板30の第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30c側に漏れ出すことを防止できる。
これにより、光源28のLEDチップ50から射出された光を効率よく導光板30の第1光入射面30dおよび第2光入射面30eに入射させることができ、光利用効率を向上させることができる。
ここで、上部誘導反射板36および下部誘導反射板38としては、上述した反射板34に用いる各種材料を用いることができる。
なお、本実施形態では、反射板34と下部誘導反射板38と連結させたが、これに限定されず、それぞれを別々の部材としてもよい。
【0071】
なお、上部誘導反射板36および下部誘導反射板38には、それぞれ、光源28と導光板30とを一体化するための固定部材31aに固定するために、導光板30の光射出面30aに設けられた第1丸穴60a、60b、第2丸穴60c、60d、第1長穴62a、62b、第2長穴62c、62dに対応した位置に、同様な丸穴および長穴が設けられているのが好ましい。また、図示されていないが、上部誘導反射板36および下部誘導反射板38には、導光板30を筐体40の上部筐体42および下部筐体44に連結するために、導光板30の光射出面30aに設けられた第3丸穴61a、第3長穴63aおよび第4長穴63bに対応した位置に、同様な丸穴および長穴が設けられているのが好ましい。
【0072】
ここで、上部誘導反射板36および下部誘導反射板38は、光源28から射出された光を第1光入射面30dまたは第2光入射面30e側に反射させ、光源28から射出された光を第1光入射面30dまた第2光入射面30eに入射させることができ、導光板30に入射した光を導光板30中心側に導くことができれば、その形状および幅は特に限定されない。
また、本実施形態では、上部誘導反射板36を導光板30と拡散シート32aとの間に配置したが、上部誘導反射板36の配置位置はこれに限定されず、光学部材ユニット32を構成するシート状部材の間に配置してもよく、光学部材ユニット32と固定部材31aとの間に配置してもよい。
【0073】
次に、固定手段31について説明する。
固定手段31は、図4に示すように、光源28と導光板30とを固定して一体化する固定部材31aと、光源28を固定部材31aに固定する複数のネジ31b、31cと、導光板30を固定部材31aに固定する複数の固定ピン31d、31eとを有する。
固定部材31aは、光源28と導光板30との光軸距離および光軸垂直距離を一定に保って光源28と導光板30とを固定して一体化し、導光板30の伸縮に対応して、すべり機構48によって、摺動部材固定部材48aで筐体40に固定された上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48c上を摺動させるためのものである。この実施態様における固定部材31aは、断面形状がU字型をした柱状部材である。
【0074】
固定部材31aは、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cに摺接することで、導光板30が導光板30の光入射面30d、30eに垂直な方向に伸縮しても、導光板30に反りが生じることを防止する。
ここで、固定部材31aと上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cとの接触面積が大きければ、摺動する部分の摩擦力は大きくなり、両者の接触面積が小さければ、摺動する部分摩擦力は小さくなる。したがって、固定部材31aの形状は、導光板30が伸張する場合には、固定部材31aと、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cとの接触面積が大きくなり、摺動する部分の摩擦力が大きくなって固定部材31aの摺動を抑制し、導光板30が縮む場合には、固定部材31aと、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cとの接触面積が小さくなり、摺動する部分の摩擦力が小さくなって固定部材31aの摺動を容易にする形状とするのが望ましい。
【0075】
図4に示すように、光源28は、複数のネジ31b、31cによって、導光板30、光学部材ユニット32および反射板34は、固定ピン31d、31eによって固定手段31に一体的に固定される。
すなわち、光源28は、そのネジ穴52c、52d(図7参照)および固定部材31aのネジ穴にそれぞれネジ31b、31cを螺合させることによって固定部材31aに位置決めされて固定される。
【0076】
図7に示すように、導光板30の第1側面30f側の両側において、導光板30の光射出面30aおよび背面にそれぞれ設けられた第1丸穴60aおよび60bと、第2丸穴60cおよび60dとには、固定部材31aに設けられた嵌合穴に嵌めこまれた固定ピン31d、31eが嵌め込まれることにより、導光板30は固定部材31aに位置決めされて固定される。なお、第1丸穴60a、60bおよび第2丸穴60c、60dの穴径は、固定ピン31d、31eの外径と略同一である。そのため、導光板30は、その第1側面30f側において、その第1および第2光入射面30dおよび30eに垂直な方向に対しても、平行な方向に対しても、固定部材31aによって位置決めされる。その結果、固定部材31aによって、光源28と導光板30は一体化されて固定され、光源28の光出射面と導光板30の第1および第2光入射面30dおよび30eとの間の距離が一定に保たれる。
【0077】
一方、導光板30の第2側面30g側の両側において、導光板30の光射出面30aおよび背面にそれぞれ設けられた第1長穴62aおよび62bと、第2長穴62cおよび62dとには、固定部材31aに設けられた嵌合穴に嵌めこまれた固定ピン31dおよび31eが挿入される。なお、第1長穴62aおよび62b、ならびに第2長穴62cおよび62dは、導光板30の第1および第2光入射面30dおよび30eに平行な方向に長い長穴であり、その垂直な方向の穴径は、固定ピン31d、31eの外径と略同一である。そのため、固定ピン31dおよび31eは、それぞれ第1長穴62aおよび62b、ならびに第2長穴62cおよび62dに対し、導光板30の第1および第2光入射面30dおよび30eに垂直な方向に対しては移動せず固定され、平行な方向に対しては移動可能に嵌入されている。
【0078】
したがって、導光板30は、その第2側面30g側の両側において、その第1および第2光入射面30dおよび30eに垂直な方向に対しては固定部材31aに位置決めされて固定されるが、平行な方向に対しては、固定部材31aに対して位置決めされず、移動可能である。
その結果、導光板30の第1および第2光入射面30dおよび30eに垂直な方向に対しては、固定部材31aによって光源28と導光板30は一体化されて固定され、光源28の光出射面と導光板30の第1および第2光入射面30dおよび30eとの間の距離が一定に保たれる。
一方、導光板30の第1および第2光入射面30dおよび30eに平行な方向に対しては、導光板30の伸縮に応じて、固定ピン31dおよび31eが、それぞれ第1長穴62aおよび62b、ならびに第2長穴62cおよび62d内を移動(摺動)して、導光板30の伸縮による反りを防ぐことができる。
【0079】
以上から、導光板30の第1側面30f側においても、その第2側面30g側においても、固定部材31aによって、光源28と導光板30は一体化されて固定され、光源28の光出射面と導光板30の第1および第2光入射面30dおよび30eとの間の距離が一定に保たれる。このようにすることにより、第1および第2光入射面30dおよび30eの側に配置された光源28が、導光板30の伸縮によって破壊されることはない。また、光源28から導光板30の第1および第2光入射面30dおよび30eにそれぞれ入射する光の光入射効率の低下を引き起こすことがない。
【0080】
このように光源28と導光板30とが固定され一体化されていたとしても、導光板30の光入射面(30d、30e)に平行な方向に対して導光板30の伸縮が生じると、導光板30の伸縮に応じて固定ピン31dおよび31eの位置が長穴内で、その長軸方向に移動するので、導光板30は自由に伸縮することができ、導光板30に反りが生じることを抑えることができ、導光板30から出射される光の輝度ムラを抑えることができる。
また、導光板30を大型化しても導光板30が導光板の光入射面(30d、30e)に平行な方向に自由に伸縮することにより、導光板30に反りが生じることを抑えることができる。
【0081】
導光板30に設けられた丸穴60a〜60dおよび長穴62a〜62dに対応して、光学部材ユニット32および反射板34(上部誘導反射板38および下部誘導反射板36)に設けられた丸穴および長穴は、固定部材31aと導光板30、光学部材ユニット32および反射板34とをそれぞれ固定するためのピン31および31eを通すために設けられたものである。
【0082】
丸穴60a、60bおよび60c、60dは、導光板30の角隅30iおよび角隅30kの内側近傍に設ける。このようにすることにより、液晶表示装置10、従って、バックライトユニット20を光入射面30d、30eに平行な方向を上下方向にして設置したときにも、導光板30の位置が上下方向にずれて導光板30が損傷することを防止することができる。
丸穴の配置構成はこれに限定されず、液晶表示装置10、従って、バックライトユニット20の配置やその方向に応じて、導光板30の位置がずれない位置に丸穴を配置することにより、導光板30が損傷することを防止することができる。
【0083】
なお、本実施形態では、光源28の光源支持部52の上面52aおよび下面52bのそれぞれ2箇所にネジ穴52c、52dを設けて光源28と固定部材31aとを固定しているが、光源28と固定部材31aとを固定できればネジ穴の配置および個数はこれに限定されない。
また、本実施形態では、光源28と固定部材31aとを固定するためにネジを利用しているが、光源28と固定部材31aとを固定具はこれに限定されず、公知の種々の固定具を用いることができる。例えば、光源28と固定部材31aとを接着剤を用いて固定しても良い。このようにすることで、光源支持部52にネジ穴を設ける必要がないので、より簡略な構造とすることができる。
また、導光板30と固定部材31aを固定する方法も丸穴およびピンに限定されない。例えば、丸穴およびピンの代わりに、導光板30の光射出面30aおよび導光板30の背面側の角の内側に接着剤を付け、導光板30と固定部材31aとを固定しても良い。
【0084】
次に、筐体40について説明する。
図4に示すように、筐体40は、照明装置本体24を収納して支持し、かつその光射出面24a側と導光板30の第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30c側とから挟み込み、固定するものであり、下部筐体42、上部筐体44、補強部材46およびすべり機構48とを有する。
【0085】
下部筐体42は、図2、図3(A)および図3(B)に示すように、上面が開放されており、底面部42aと、底面部42aの4辺に設けられ、底面部42aに垂直に設けられた側面部42bとで構成された形状である。つまり、1面が開放された略直方体の箱型形状である。下部筐体42は、上方から収納された照明装置本体24を底面部42aおよび側面部42bで支持すると共に、照明装置本体24の光射出面24a以外の面、つまり、照明装置本体24の光射出面24aとは反対側の面(背面)および側面を覆っている。
【0086】
上部筐体44は、上面に、照明装置本体24の光射出面24aとなる、導光板30の矩形状の光射出面30aよりやや小さい矩形状の開口が形成され、かつ下面が開放された直方体の箱型形状である。
上部筐体44は、下部筐体42の上方(光射出面側)から、照明装置本体24およびこれが収納された下部筐体42を、下部筐体42の4方の側面部42bも覆うように被せられて配置されている。
【0087】
図4に示す補強部材46は上部筐体44と下部筐体42の間に設けられている断面形状がロの字型の棒状部材である。この補強部材46は、上部筐体44および下部筐体42に対してネジ46aおよび46bによって連結されている。
【0088】
このように、下部筐体42と上部筐体44との間に補強部材46を配置することで、筐体40の剛性を高くすることができ、導光板30伸縮によって反りが発生することを防止できる。これにより、例えば、輝度むらがないまたは少なく光を効率よく射出させることができる反面、反りが生じ易い導光板を用いる場合であっても、反りをより確実に矯正でき、または、導光板に反りが生じることをより確実に防止でき、輝度むら等のない、または低減された光を光射出面から射出させることができる。
また、下部筐体42および上部筐体44と補強部材46をネジ46a、46bによって締め付けて固定することで、すべり機構48に固定手段31、特に、固定部材31aを締め付ける応力を生じさせることができる。
【0089】
なお、筐体40の下部筐体42、上部筐体44および補強部材46には、金属、樹脂等の種々の材料を用いることができる。なお、材料としては、軽量で高強度の材料を用いることが好ましい。
本発明では、詳細は後述するように、この補強部材46の形状を、図3(A)、(B)および図13(A)〜図16に示すように、種々改良することによって筐体40の剛性をより高くすることができる。
【0090】
すべり機構48は、固定手段31の固定部材31aを導光板30の光入射面30d,30eに垂直な方向の伸縮に応じて摺動可能にするためのものであり、バネ材47、摺動部材固定部材48a、48d、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cで構成されている。
【0091】
バネ材47は、摺動部材固定部材48aと固定部材31aの間に設けられ、第1および第2光入射面30dおよび30e側にそれぞれ設けられた固定部材31aを、それぞれ第1および第2光入射面30dおよび30e側からそれぞれ導光板30の中心方向に付勢するものであり、導光板30の光入射面30dおよび30eに垂直な方向における筐体40に対する固定部材31aの位置決めをするものである。
また、バネ材47は、導光板30の第1側面30gおよび第2側面30fと筐体40との間にも同様に設けられ、導光板30の光入射面30dおよび30eに平行な方向における筐体40に対する位置決めを行う。
【0092】
摺動部材固定部材48a、48dは、固定手段31(固定部材31a)を摺動させる上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cを保持するためのものである。摺動部材固定部材48a、48dは、下部筐体42と上部筐体44との間に設けられ、摺動部材固定部材48dの裏側に上部摺動部材48bが配置され、摺動部材固定部材48aの上面に下部摺動部材48cが配置される。
上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cは、固定手段31(固定部材31a)を挟み込み、固定手段31(固定部材31a)を、導光板30の光入射面に垂直な方向の伸縮に対応して摺動させるものである。上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cは、それぞれ図4に示したように板状の部材である。
【0093】
本発明においては、補強部材として、図2および図4に示す補強部材46の代わりに、図3(A)および(B)に示すように、筐体40における下部筐体42の側面部42bと上部筐体44の側面部44aの縁をそれぞれ折り返すように曲げた構造(折返曲構造)の補強部材構造45aおよび45bを用いることができる。図3(A)に示す実施態様の補強部材構造45aは、上部筐体44の側面部44aの縁が内側に折り返すように曲げられた構造であり、図3(B)に示す実施態様の補強部材構造45bは、上部筐体44の側面部44aの縁が外側に折り返すように曲げられた構造である点が相違するのみで、両者は実質的に同じである。このように補強部材を折返曲構造として構成することで、特別の補強部材を取り付けることなく、上部筐体44と下部筐体42のみで必要な剛性を得ることができる。この筐体の縁を折り返すように曲げた構造、すなわち折返曲構造を用いた補強部材構造45aおよび45bでは、折り曲げ部の曲率半径をRとし、筐体の板厚をTとしたときに、折り曲げ部の曲率半径Rが0.3mm<R<1mmの範囲にあり、筐体の板厚Tが0.5mm<T<1.5mmの範囲にあることが好ましい。
なお、図3(A)および(B)では、図面を簡略化して描いているので、すべり機構48の図示が省略されているが、図3(A)および(B)でも、図4に示すように構成することによって、同様にすべり機構48を採用することができることはいうまでもない。
【0094】
図3(A)および(B)に示すように、筐体40における下部筐体42の側面部42bと上部筐体44の側面部44aの縁をそれぞれ折り返すように曲げた補強部材構造45aおよび45bの強度の向上効果を調べるために、図11(A)に示すような、従来より用いられていた90°折り曲げただけで、180°折り返すように曲げていない構造(折り返し曲げなし構造;L字構造)と、図11(B)に示すような、90°折り曲げた部分をさらに1回180°折り返すように曲げた構造(1回折り返し曲げ構造)および90°折り曲げた部分をさらに2回180°折り返すように曲げた構造(2回折り返し曲げ構造)について、曲げ剛性を求めた。ここで、板厚1.0mmの金属板(アルミニウム合金板)を用い、図11(A)、(B)および(C)に示す構造について、長さL=25mmとし、高さH=10mm、11mmおよび13mmの3種の曲げ高さについて、曲げ剛性を求めた。
【0095】
その結果を図12(A)および(B)に示す。
ここで、図12(A)は、折り返し曲げ回数と曲げ剛性との関係を示す3種の曲げ高さについての棒グラフであり、図12(B)は、折り返し曲げ回数と曲げ剛性との関係を示す3種の曲げ高さについての線グラフである。なお、図12(A)および(B)に示す曲げ剛性の値は、図11(A)に示す折り返し曲げなし構造を1に規格化して示す。
図12(A)および(B)のグラフから明らかなように、1回折り返し曲げ構造とすることにより、曲げ剛性の値を、折り返し曲げなし構造に比べ、約1.6〜1.7倍に向上させることができ、2回折り返し曲げ構造とすることにより、曲げ剛性の値を、折り返し曲げなし構造に比べ、約2.2〜2.3倍に向上させることができる。
このように、折返曲構造を適用する本発明に用いられる補強部材構造45aおよび45bは、筐体40の強度を向上させることができることがわかる。
【0096】
図13(A)ないし図16は、他の形状の補強部材を示すものであって、図13(A)は、補強部材として、筐体40の縁に角材を配置した構造を採用した例を示す断面図、図13(B)は、補強部材が、筐体の下部筐体に設けられたハニカム構造である例を示す断面図、図14(A)および(B)は、補強部材として、筐体40にリブを設けた構造を採用した例を示す断面図であって、図14(A)は、導光板30の光入射面30d、30eに垂直な方向(光の入射方向)に直交して下部筐体22の底面部22aの外側にリブを設けた構造を示す断面図、図14(B)は、下部筐体22の底面部22aの内側と外側に、互いに直行するリブを設けた構造を示す断面図である。また、図15は、図13(B)に示す補強部材として用いられるハニカム構造の例を示す拡大断面図であり、図16は、図14(A)および(B)示す補強部材として用いられる種々の形状のリブを示す拡大断面図である。
【0097】
図4に示されている補強部材46は、上部筐体44と下部筐体42との間に設けられている断面形状がロの字型をした単一の棒状部材であるが、これを図13(A)に示すように、下部筐体42の縁に配置された角材42cと、上部筐体44の縁に配置された角材44bとすることができる。この角材42c、44bは、図4に示されている補強部材46と同様の断面形状がロの字型をした棒状部材であるが、断面形状の寸法を小さくしたものである。
ここで、下部筐体42の縁に配置された角材42cまたは上部筐体44の縁に配置された角材44bの長辺および短辺の寸法をそれぞれAおよびBとし、筐体の厚みをTとしたときに、角材42cまたは44bの長辺の寸法Aおよび短辺の寸法Bが、0.2T<A<0.5Tおよび0.2T<B<0.5Tの範囲にあることが好ましい。このような範囲とするのが好ましいのは、後述するリブと同様に、角材が筐体内部に納まるような条件だからである。
【0098】
また、補強部材として、図14(A)または図14(B)に示すように、筐体40、特に下部筐体42にリブを設けた構造とすることができる。ここで、図14(A)に示されている構造では、導光板30の光入射面30d、30eに垂直な方向(光の入射方向)に直交する方向に沿って、下部筐体22の底面部22aの外側に外側リブ42dが設けられており、図14(B)に示されている構造では、下部筐体22の底面部22aの内側と外側に互いに直行するように、内側リブ42eと外側リブ42fが設けられている。導光板30の光入射面30d、30eに垂直な方向の導光板30の伸縮は、すべり機構48で吸収されるので、筐体40にかかる力は小さくなり、通常は、図14(A)に示す構造で充分であるが、より高い剛性が必要なときには、充分な剛性が得られる図14(B)に示す構造とすることが好ましい。
【0099】
このリブ42d、42e、42fは、リブの幅をW、高さをHおよび筐体の厚みをTとするとき、リブの幅W、高さH、筐体の厚みTが、W<H<Tの関係にあり、筐体の厚みTが、5mm<T<20mmの範囲にあることが好ましい。このような範囲とするのが好ましいのは、リブの幅Wに対し、高さHが高くないとたわみ抑制効果が低いからであり、筐体の厚みTよりもリブの高さHが小さくないと筐体内部に納めることができなくなるからである。
また、図16には、このリブ42d、42e、42fとして採用するに適したリブの各種の断面形状が示されている。ここで、図16(A)は角形のリブであり、図16(B)は半円形のリブ、図16(C)は山形のリブを示している。ここに示されているリブの形状は、代表的なものを例示したものであって、リブの形状はこれらの形状に限定されるものでなく、これ以外にも任意の形状のリブを採用できることはもちろんである。
【0100】
また、補強部材として、図13(B)に示すように、リブに代えて、筐体40の下部筐体42に設けられた、図15に示すようなハニカム構造42gとすることができる。この場合には、筐体40の下部筐体42に設けられたハニカム構造の板厚をThとすると、ハニカム構造の板厚Thが、0.5mm<Th<1.5mmの範囲にあることが好ましく、ハニカム構造の対角線Whの寸法が、5mm<Wh<20mmの範囲にあることが好ましい。
【0101】
ここで、これらの補強部材は、それぞれ単独で使用されるばかりでなく、図13(A)ないし図16に示されているように組み合わせて使用することも可能である。即ち、図14(A)および図14(B)の実施態様は、図13(A)に示されている筐体の縁に角材を配置した構造と、筐体40に図16に示すリブを設けた構造とを組み合わせたものであり、図13(B)の実施態様は、図3(A)に示されている筐体40の縁を折り曲げた構造と、筐体40の下部筐体に設けられた図15に示すハニカム構造とを組み合わせたものである。
【0102】
上述したように、導光板30は筐体40に伸縮自在に保持されており、筐体40と、導光板30および光源28を一体化した固定部材31aとの間にすべり機構48が設けられているので、導光板30に導光板30の光入射面30dおよび30eに垂直な方向に伸縮が生じた場合、固定部材31aは,導光板30の伸縮に応じてすべり機構48によって摺動することができる。このようにすることにより、導光板30がその光入射面に垂直な方向に伸縮したことによる導光板30の反りを抑えることができ、導光板30の光射出面30aから出射される光の輝度ムラを抑えることができる。さらに、大型の導光板においても導光板30は導光板30の光入射面に垂直な方向に自由に伸縮できるため、導光板30の光射出面30aから出射される光の輝度ムラを抑えることができる。
また、固定部材31aには導光板30と光源28が光軸距離および光軸垂直距離を一定に保つように固定されているため、固定部材31aが摺動しても導光板30と光源28の光軸距離は一定に保たれる。このようにすることにより、導光板30がその光入射面に垂直な方向に伸縮して、導光板30の光入射面30dおよび30eが光源28を圧迫して破壊することや、光源28から導光板30に入射する光の光入射効率が低下することを防ぐことができる。
更に、筐体40には、補強部材46が設けられているので、導光板30の伸縮や反りによって筐体が変形することも防止することができる。
【0103】
本実施形態において、すべり機構48は、図4に示すように、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cを有することで、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cと固定部材31aとの間には導光板30の伸縮する力に応じた摩擦力を生じさせることができる。
導光板30とすべり機構48の上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cとの接触面積は導光板の伸縮が小さい場合には接触面積が少なく、導光板30の伸縮が大きい場合には接触面積が大きくなる。上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cと固定部材31aとの間に働く摩擦力は接触面積が小さいときには小さく、接触面積が大きいときには大きくなる。よって、導光板30とすべり機構48の上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cとの間に働く摩擦力は、導光板30の伸縮が小さい場合には小さく、導光板30の伸縮が大きい場合には大きくなる。
こうして、すべり機構48の上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの形状を図4のようにすることで、導光板30の伸縮する力に対応した摩擦力をすべり機構48の上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cと固定部材31aとの間に生じさせ、導光板30の伸張に対して抵抗として働くことができる。
【0104】
本実施形態においては、導光板30の伸縮する力に対応した摩擦力を、図4示す形状の板状の上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cを用いて生じさせたが、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの形状はこれに限定されない。例えば、図17に誇張して描いたように、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの形状は、断面が奥になるに従って狭くなる形状であってもよい。もちろん、実際の角度は、固定部材31aが挿入できる程度の非常に小さなものである。
図15に示すように、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの断面が奥になるに従って狭くなる形状である場合には、導光板30の伸びが小さい場合には、上部摺動部材48bと下部摺動部材48cとの幅が広いので、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cと固定部材31aとの間に働く摩擦力は小さい。導光板30の伸びが大きくなると、固定部材31aは、上部摺動部材48bと下部摺動部材48cとの幅が狭いところをすべらなければならないので、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cと固定手段31との間に働く摩擦力は大きくなる。つまり、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの断面を奥になるに従って狭くなる形状とすることでも、導光板30の伸縮する力に対応した摩擦力を上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cと固定部材31aの間に生じさせることができる。なお、図17に示す実施形態では、すべり機構48は、奥になるに従って狭くなる形状の上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cによって固定部材31aへの付勢力が働くので、図4に示すすべり機構48のようにバネ材47を有していなくても良い。
【0105】
なお、図示例においては、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cにテフロン、金属等種々の材料を用いることができる。また、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cを別に設けずに、下部筐体42および上部筐体44に油を塗布することによって上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cとしても良い。
【0106】
また、本実施形態においては上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cを上部筐体44の裏面と下部筐体42の上面に設けたが、これに限定されない。例えば、上部摺動部材48bのみ、もしくは下部摺動部材48cのみに設けた構造としてもよい。このようにすることにより、筐体40の構造をより簡素な構造とすることができる。
【0107】
下部筐体42、上部筐体44および補強部材46とはネジ46a、46bによって連結されている。ネジ46a、46bのネジ止めによる応力によって、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cによって固定手段31(固定部材31a)を挟み込む応力を決定する。また、このようにネジの締め付け応力によって固定部材31aと上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cとの間に生じる摩擦力をコントロールすることができる。
【0108】
ここで、固定部材31aと上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cとの摩擦力の方が、導光板30が伸縮する力よりも大きいと、固定部材31aは、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cを摺動することができず、導光板30が伸縮した際に導光板30に生じる反りを抑えることができない。
また、ネジ46a、46bによって上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cにかかる応力は、ネジ46a、46bによって押さえる力が一定であったとしても、応力分布があるため場所によって異なる。
よって、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cを配置する位置はネジ46a、46bによる応力の大きさと応力分布に応じて決めるのが望ましい。以下、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの位置を決める方法について詳細に記述する。
【0109】
導光板30のヤング率をYとし、長さをL、伸びをΔL、平均断面積をAaveとすると、導光板30の伸縮による押し出す力Fは
F=Y・Aave・(ΔL/L)
となる。
導光板30を押さえる力を上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの端部に集中する形で代表させ、Gとし、接触面の静止摩擦係数をμとすると、
F>μ・G
が導光板30を固定する固定部材31aが上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cに対して滑り始める条件となる。
【0110】
ここで、実際の形状において導光板30の伸縮による力Fの例を挙げる。導光板30の材質にはアクリルを用い、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cとしてテフロンを用いた場合、導光板30のヤング率が1.5〜3MPa=1.5〜3MN/m、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの静止摩擦係数が0.01となる。ここで、この静止摩擦係数の値は固定部材31aの上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cが設けられたときの値である。24時間での導光板30の体積膨張率を0.3%とする。また、導光板30の入光部の光射出面30aに垂直な方向の幅が2mm、導光板30の2等分線αにおける光射出面30aに垂直な方向の幅が3.6mmの導光板を用いた場合、導光板のサイズと平均断面積Aaveおよび導光板30の伸縮による力Fは表2のようになる。
【0111】
【表2】

【0112】
次に、応力分布を考慮にいれた場合での、固定部材31aが上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cに対して滑り始める条件を述べる。
ネジ46a、46bをM3のネジとし、固定部材31aを締め付けるとその締め付け力は60kg程度となる。これは、ネジ山に直接加わる力であり、ネジ近傍には、ワッシャーなどで力が配分される。実際には、ネジ46a、46bの締め付け力が直接被圧着物に加わるのではなく、分布を伴う圧力が、微小領域加わり、これが、垂直抗力になると考えられる。応力分布は、一次元でG(x)と考えると、x=0の位置が、近似的にネジの締め付け力と考えられる。ネジ46a、46bからある距離x離れた位置での摩擦力T(x)は、
T(x)=μ・G(x)
であり、
T(x)=μ・G(x)<F=Y・Aave・(ΔL/L)・・・(5)
が、導光板30と光源28を固定した固定部材31aが上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cに対して摺動できる条件となる。
【0113】
図18はx=0、x=25の位置にそれぞれネジ止め固定した場合の応力分布を測定した結果を示す。縦軸は応力の大きさ、横軸はネジ止めした位置からの距離を示している。2つの実線は、固定部材31aと上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの素材が両方ともアルミニウムである場合と片方の部材の素材がアルミニウムでもう一方の部材の素材が樹脂である場合を示している。図18に示すように応力分布G(x)はネジ止めした位置から応力が下がっていき、中心部で停留部を有し、もう一方のネジ止めの位置に向かって応力が再度上がっていく。この応力が停留値となる部分にすべり機構48を配置する。このようにすることで、応力の小さい箇所に上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cを配置するため、導光板30の伸縮する力と固定部材31aとすべり機構48との間に働く摩擦力が上記(5)式を満たしやすくなる。また、停留部において応力は一定になっているので、上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの位置決めが容易になり、より確実に固定部材31aがすべり機構48によって摺動するようにできる。
【0114】
以上のように導光板の伸縮による力、ネジ46a、46bの締め付け応力および応力分布を考慮したうえで、すべり機構48の上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48cの位置を決定する。このようにすることで導光板30の伸縮による力に応じて確実に固定部材31aが上部摺動部材48bおよび下部摺動部材48c上をすべり機構48によって摺動することができる。
【0115】
本実施形態の面状照明装置10は、さらに、摺動部材固定部材48aの下部に連結して光源28の熱を吸収するヒートシンク64と、反射板34と下部筐体42との間にヒートシンク64と連結して設けられた放熱を行うヒートパイプ66が配置されている。
ヒートシンク64は、光源28から放熱された熱を、摺動部材固定部材48aを通して吸収し、放熱またはヒートパイプ66へと熱を伝える。
ヒートパイプ66は、ヒートパイプ66の一端に連結されたヒートシンク64から伝えられた熱をヒートパイプ66の他端から放熱する。
このようなヒートシンク64とヒートパイプ66を設けることによって光源28から生じる熱を効率よくヒートパイプ66に移動させ、ヒートパイプ66から放熱することができる。そのため、光源の発光効率が低い場合でも光源を冷却するため、光源の発光光量を大きく出来、大型のバックライトユニットを実現できる。また、逆に光源を冷却することにより、更に光源の発光光量を増大し、大型のバックライトユニットを実現できる。
また、ヒートシンクは、空冷方式に限定されず、水冷方式も用いることができる。
また、下部筐体42の裏側には、光源の電源(図示せず)を収納する電源収納部49(図1参照)が取り付けられている。
【0116】
面状照明装置20は、基本的に以上のような構成である。
面状照明装置20は、導光板30の両端にそれぞれ配置された光源28から射出された光が導光板30の光入射面(第1光入射面30dおよび第2光入射面30e)に入射し、さらに、導光板30の他方の両端にそれぞれ配置された副光源29から射出された光が、側面(第1側面30fおよび第2側面30g)に入射する。それぞれの面から入射した光は、導光板30の内部に含まれる散乱体によって散乱されつつ、導光板30内部を通過し、直接、または第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cで反射した後、光射出面30aから射出する。このとき、第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cから漏出した一部の光は、反射板34によって反射され再び導光板30の内部に入射する。
このようにして、導光板30の光射出面30aから射出された光は、光学部材32を透過し、照明装置本体24の光出面24aから射出され、液晶表示パネル12を照明する。
液晶表示パネル12は、駆動ユニット14により、位置に応じて光の透過率を制御することで、液晶表示パネル12の表面上に文字、図形、画像などを表示する。
【0117】
なお、導光板30は、上記形状に限定されず、光入射面30d、30eから離れるに従って、導光板30の厚さが厚くなる形状であれば、種々の形状とすることができる。
例えば、第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cには、第1光入射面30dおよび第2光入射面30eと平行な方向にプリズム列を形成してもよい。また、このようなプリズム列の代わりに、プリズムに類する光学素子を規則的に形成することもできる。例えば、レンチキュラーレンズ、凹レンズ、凸レンズ、ピラミッド型など、レンズ効果を有する光学素子を導光板の傾斜面に形成することもできる。
【0118】
また、本実施形態の導光板30は、光射出面30aから、より輝度の高い光を効率よく射出するために、導光板30の光入射面30d、30eが長辺となり、側面30f、30gが短辺となる形状としたが、本発明はこれに限定されず、光射出面を正方形形状としてもよく、光入射面側を短辺とし側面側を長辺としてもよい。
【0119】
ここで、導光板30は、第1傾斜面30bと第2傾斜面30cとの接続部となる稜線30hをR形状とすることが好ましい。稜線30hをR形状とし、第1傾斜面30bと第2傾斜面30cとの2つの面を滑らかに接続することで、第1傾斜面30bと第2傾斜面30cとの交線(稜線h)で輝線等の輝度むらが生じることを防止することができる。
【0120】
ここで、本実施例は、導光板30の傾斜面30b、30cを断面が直線となる形状としたが、第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30c(つまり、背面)の形状は特に限定されず、曲面としてもよく、第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30cをそれぞれ複数の傾斜面を組み合わせて構成してもよい。つまり、傾斜面を位置に応じて傾斜角が異なる形状としてもよい。また、傾斜面を光射出面30a側に凸形状としても、凹形状としてもよく、凹凸を組み合わせた形状としてもよい。
ここで、傾斜面は、光入射面30d、30eから導光板30の中心(もしくは、導光板の厚みの最も厚い位置)に向かうに従って、光射出面30aに対する傾斜面の傾斜角が緩やかになる形状とすることが好ましい。傾斜面の傾斜角を徐々に緩やかにすることで、光射出面30aからより輝度むらのない光を射出させることができる。
さらに、傾斜面は、断面の形状を10次多項式で表すことができる非球面形状とすることがより好ましい。傾斜面を上記形状とすることで、導光板の厚さによらず、より輝度むらのない光を射出させることができる。
【0121】
また、導光板30の形状は、本実施形態の形状に限定されず、例えば、第1傾斜面30bと第2傾斜面30cとが異なる傾斜となる形状としてもよい。また、第1光入射面30dから導光板の厚みが最大となる位置までの距離と、第2光入射面30eから導光板の厚みが最大となる位置までの距離とが異なる形状としてもよい。つまり、第1傾斜面の光軸方向の長さと第2傾斜面の光軸方向の長さが異なる形状としてもよい。
導光板をこのような形状とすることでも、薄型を維持しつつ、光入射面から遠い位置まで光を到達させることができる。これにより導光板を薄型化でかつ光射出面を大型化することができる。
導光板を上記のような形状とした場合も、光の入射する方向において導光板の光入射面から光射出面に直交する方向の厚みが最大となる位置までの長さをLとし、上述のΦ・N・L・Kが1.1以上8.2以下を満たし、かつ、0.005≦K≦0.1を満たすことが好ましい。上記範囲を満たすことで照度むらが低減され、かつ光利用効率を高い光を光射出面から射出させることができる。
【0122】
また、上記の透明樹脂に可塑剤を混入して導光板を作製してもよい。
このように、透明材料と可塑剤とを混合した材料で導光板を作製することで、導光板をフレキシブルにすること、つまり、柔軟性のある導光板とすることができ、導光板を種々の形状に変形させることが可能となる。従って、導光板の表面を種々の曲面に形成することができる。
このように導光板をフレキシブルにすることにより、例えば、導光板、または、この導光板を用いた面状照明装置を電飾(イルミネーション)関係の表示板として用いる場合に、曲率を持つ壁にも装着することが可能となり、導光板をより多くの種類、より広い使用範囲の電飾やPOP(POP広告)等に利用することができる。
【0123】
ここで、可塑剤としては、フタル酸エステル、具体的には、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP(DEHP))、フタル酸ジノルマルオクチル(DnOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジノニル(DNP)、フタル酸ジイソデジル(DIDP)、フタル酸混基エステル(C〜C11)(610P、711P等)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)が例示される。また、フタル酸エステル以外にも、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジノルマルアルキル(C6、8、10)(610A)、アジピン酸ジアルキル(C7、9)(79A)、アゼライン酸ジオクチル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリクレシル(TCP)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、エポキシ化大豆油(ESBO)、トリメリット酸トリオクチル(TOTM)、ポリエステル系、塩素化パラフィン等が例示される。
【0124】
以上、本発明に係る面状照明装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
【0125】
例えば、上述した本実施形態では、導光板30の第1入射面30dおよび第2入射面30e側にそれぞれ設けられた2つの固定手段31(固定部材31a)が、筐体40に設けられたすべり機構48によって摺動することができるようにしたが、片側の固定手段31とすべり機構48とを一体化して固定端とし、筐体40に固定してもよい。このようにすることで、導光板30の筐体40に対する位置決めを容易にすることができる。
【0126】
また、本実施形態では、光入射面30d、30eのみに光源28を配置したが、本発明はこれに限定されず、図19のように、光入射面30d、30eに対向して配置された光源28を主光源とし、第1側面30gおよび第2側面30fに対向して副光源29を設けて、第1側面30gおよび第2側面30fをそれぞれ第3光入射面および第4光入射面としもよい。このようにすることで、光射出面から射出される光の輝度をより高くすることができる。
ここで、副光源29を設ける場合にも、図2に示した光源28のときと同様に固定手段31およびすべり機構48を設け、さらに、図19に示すように光源支持部52にネジ穴52c、52dを設け、光源28と導光板30の光入射面30d、30eとの距離、および副光源29と導光板30の光入射面30f、30gとの距離を一定に保つために、導光板30の光射出面30aの角隅30i,30jおよび30lに、それぞれ、第1丸穴60a、第1長穴62aおよび第2長穴62cを設けると共に、導光板30の角隅30kに設けられた第2丸穴60cの代わりに、第1長穴62aおよび第2長穴62cと略同形状の第5長穴62eを設け、さらに、これらに加えて、導光板30の角隅30k,30jおよび30lに、それぞれ、第1長穴62a、第2長穴62cおよび第5長穴62eの長径方向と直交する方向に長径を持つ第6長穴70a、第7長穴71aおよび第8長穴72aを設けることで、導光板30の伸縮による主光源28および副光源29の破壊、主光源28および副光源29による側面への光入射効率の低下、および光射出面30aから出射される光の輝度ムラの発生を同時に防止することができる。なお、導光板30の背面の傾斜面30bおよび30cにも、図示は省略されているが、導光板30の光射出面30aの丸穴および長穴に対応する位置に同様に丸穴および長穴が形成されているのはいうまでもない。
【0127】
なお、図19に示す例では、図示されていないが、導光板30を筐体40の上部筐体42および下部筐体44に連結するために、図5(A)および図7に示す例と同様に、導光板30には、第3丸穴61a、第3長穴63aおよび第4長穴63bが設けられていても良いのはもちろんである。ここで、図5(A)および図7に示す導光板30の第3丸穴61a、第3長穴63aおよび第4長穴63bは、貫通穴であるが、導光板30の光射出面30a側および背面側で分離されていても良い。
また、上述の1つの丸穴60a、6つの長穴62a、62c、62e、70a、71aおよび72a、ならびにこれらの1つの丸穴および6つの長穴に対応する背面側の1つの丸穴および6つの長穴は、導光板30を固定部材31aに固定して光源28および副光源29と一体化し、光源28と導光板30の光入射面30d、30eとの距離、および副光源29と導光板30の側面30f、30gから変えられた光入射面との距離を一定に保つための丸穴および長穴であるので、その機能があれば、光射出面30a側の丸穴および長穴と背面側の丸穴および長穴は、貫通されていても良い。
【0128】
また、例えば、光源のLEDチップとして、青色LEDの発光面にYAG蛍光物質を塗布した構成としたが、これに限定されず、赤色LEDや緑色LED等の他の単色LEDの発光面に蛍光物質を配置した構成のLEDチップを用いてもよい。
また、光源として、赤色LED、緑色LED、青色LEDの3種類のLEDを組み合わせた構成のLEDユニットを用いることもできる。この場合は、3種類のLEDから射出された光を混色することで白色光とすることができる。
さらにLEDの代わりに半導体レーザー(LD)を用いることもできる。
【0129】
また、導光板30と光源(光源28および/または副光源29)との間に導光板30に近い屈折率の材料で形成された混同部を配置してもよい。また、導光板の光入射面および/または側面の一部を他の部分よりも屈折率の小さい材料で形成してもよい。
光源から射出された光が入射する部分を他の部分よりも屈折率を小さくすることで、光源から射出された光をより効率よく入射させることができ、光利用効率をより高くすることができる。
【0130】
また、例えば、導光板の側面同士が向い合う位置で導光板を複数並列に配置し、複数の導光板により1つの光射出面を形成してもよい。この場合は、両端の導光板の側面のみに副光源を配置する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明に係る面状照明装置を用いる液晶表示装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置のA−A線断面図であって、液晶表示装置の概略を示す断面図である。
【図3】(A)および(B)は、それぞれ図2に示す液晶表示装置の変形例である。
【図4】図2に示す液晶表示装置の面状照明装置の光源および導光板の光入射面付近の部分拡大断面図である。
【図5】(A)は、図2に示す面状照明装置の光源および導光板の部分省略平面図であり、(B)は、(A)のB−B線断面図である。
【図6】(A)は、図2に示す面状照明装置の光源の概略構成を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す光源の断面図、(C)は、(A)に示す光源を構成する1つのLEDチップを拡大して示す概略斜視図である。
【図7】図5に示す導光板の形状を示す概略斜視図である。
【図8】Φ・N・L・Kと光利用効率との関係を測定した結果を示す図である。
【図9】粒子密度が異なるそれぞれの導光体から射出される光の照度をそれぞれ測定した結果を示す図である。
【図10】光利用効率および照度むらと粒子密度との関係を示す図である。
【図11】(A)、(B)および(C)は、それぞれ折り返し曲げ回数の異なる補強部材構造示す説明図である。
【図12】(A)および(B)は、折り返し曲げ回数と曲げ剛性との関係の一例を示す3種の曲げ高さについての棒グラフおよび線グラフである。
【図13】(A)および(B)は、それぞれ、補強部材として、筐体の縁に角材を配置した構造を採用した例、および、筐体の下部筐体に設けられたハニカム構造である例を示す断面図である。
【図14】(A)および(B)は、それぞれ、補強部材として、筐体にリブを設けた構造を採用した例であって、導光板の光入射面に垂直な方向(光の入射方向)に直交して下部筐体の底面部の外側にリブを設けた構造、および、筐体にリブを設けた構造を採用した例を示す断面図であって、下部筐体の底面部の内側と外側に、互いに直行するリブを設けた構造を示す断面図である。
【図15】ハニカム構造の例を示す拡大断面図である。
【図16】リブの形状を示す拡大断面図である。
【図17】本発明に係わる面状照明装置の他の実施形態の光源および導光板の光入射面付近の部分拡大断面図である。
【図18】ネジ止め位置からの応力分布を測定した結果を示す図である。
【図19】本発明に係わる面状照明装置に用いられる導光板と光源の形状の他の実施形態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0132】
10 液晶表示装置
12 液晶表示パネル
14 駆動ユニット
20 バックライトユニット
24 照明装置本体
24a 光射出面
28 光源
29 副光源
30 導光板
30a 光射出面
30b 第1傾斜面
30c 第2傾斜面
30d 第1光入射面
30e 第2光入射面
30f 第1側面
30g 第2側面
30h 稜線
30i、30j、30k、30l 角隅
31 固定手段
31a 固定部材
31b、31c ネジ
31d、31e 固定ピン
32 光学部材ユニット
32a、32c 拡散シート
32b プリズムシート
34 反射板
36 上部誘導反射板
38 下部誘導反射板
40 筐体
42 下部筐体
42a 底面部
42b 側面部
42c 角材
42d、42f 外側リブ
42e 内側リブ
42g ハニカム構造
44 上部筐体
44a 側面部
44b 角材
45a,45b 補強部材構造
46 補強部材
46a、46b ネジ
47 バネ材
48 すべり機構
48a、48d 摺動部材固定部材
48b 上部摺動部材
48c 下部摺動部材
49 電源収納部
50 LEDチップ
52 光源支持体
52a 光源支持体上面
52b 光源支持体下面
52c、52d ネジ穴
53 ネジ穴
54 アレイ基板
56 フィン
58 発光面
60a、60b 第1丸穴
60c、60d 第2丸穴
61a 第3丸穴
62a、62b 第1長穴
62c、62d 第2長穴
62e 第5長穴
63a 第3長穴
63b 第4長穴
64 ヒートシンク
66 ヒートパイプ
70a 第6長穴
71a 第7長穴
72a 第8長穴
α 2等分線
a LEDチップの光射出面に垂直な方向の長さ(短辺)
b LEDチップの配列方向の長さ(長辺)
c 光源と導光板の光軸距離
q LEDチップの配置間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を射出する光源と、
前記光源に隣接して配置され、前記光源から射出された光を入射させる光入射面および前記光入射面から入射した光を面状の光として射出する光射出面とを備える導光板と、
前記光源と前記導光板とを前記光源と前記導光板の前記光入射面との間の距離を一定にして固定し、一体化する固定手段と、
前記固定手段によって一体化された前記光源および前記導光板を収納する筐体と、
前記筐体と前記固定手段との間に設けられ、前記導光板の前記光入射面から前記光源に向かう方向において、前記導光板の伸縮に応じて、前記光源と前記導光板とを一体化し、前記光源と前記導光板の前記光入射面との間の距離を一定にしたまま、前記筐体に対して前記固定手段を弾性的に保持するすべり機構と、
前記導光板の伸縮に対応して、前記筐体を補強する補強部材とを有することを特徴とする面状照明装置。
【請求項2】
前記固定手段は、前記導光板の前記光入射面から前記光源に向かう方向と直交する方向において、前記導光板の伸縮に応じて、前記導光板を前記固定手段に対して摺動可能に一体化するものである請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記すべり機構は、前記導光板の伸縮に応じて、前記すべり機構と前記固定手段との間の摩擦力を変化させることのできる請求項1または2に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記導光板は、矩形状で平坦な前記光射出面と、前記光射出面の互いに対向する1対の端辺に形成され、前記光射出面と平行に進行する光を入射させるための、互いに対向する1対の前記光入射面と、前記光射出面とは反対側の面に形成され、前記1対の光入射面からそれぞれ離れるに従って前記光射出面に垂直な方向の厚みが厚くなるように傾斜し、前記1対の光入射面の中央で接合する1対の傾斜面からなる背面とを備え、
前記光源は、この導光板の前記1対の光入射面にそれぞれ対向して配置され、前記1対の光入射面にそれぞれ光を入射させる1対の光源からなり、
各光源は、複数のLEDチップと、前記LEDチップを支持する支持体とを有し、
前記複数のLEDチップは、前記支持体の前記光入射面に対向する面に、前記光入射面の長手方向に沿って列状に配置される請求項1〜3のいずれかに記載の面状照明装置。
【請求項5】
さらに、前記導光板の前記光射出面の残りの1対の対向する端辺に形成され、前記1対の光入射面に直交する残りの1対の光入射面と、
前記残りの1対の光入射面にそれぞれ対向して配置され、前記残りの1対の光入射面にそれぞれ光を入射させる1対の前記光源とを有する請求項4に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記導光板は、内部に多数の散乱粒子を含み、前記散乱粒子の散乱断面積をΦ、前記散乱粒子の密度をN、補正係数をK、光の入射方向における前記導光板の前記光入射面から前記導光板の厚みが最も厚くなる位置までの長さをLとしたときに、不等式
1.1≦Φ・N・L・K≦8.2
0.005≦K≦0.1
を満足する請求項1〜5のいずれかに記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記補強部材が、前記筐体の縁を折り返すように曲げた構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の面状照明装置。
【請求項8】
前記筐体の縁を折り返すように曲げた構造における折り曲げ部の曲率半径Rが、0.3mm<R<1mmの範囲にあり、前記筐体の板厚Tが、0.5mm<T<1.5mmの範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の面状照明装置。
【請求項9】
前記補強部材が、前記筐体にリブを設けた構造であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の面状照明装置。
【請求項10】
前記筐体にリブを設けた構造におけるリブの幅W、高さH、筐体の厚みTが、W<H<Tの関係にあり、筐体の厚みTが、5mm<T<20mmの範囲にあることを特徴とする請求項9に記載の面状照明装置。
【請求項11】
前記補強部材が、前記筐体の縁に角材を配置した構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の面状照明装置。
【請求項12】
前記筐体の縁に角材を配置した構造における角材の長辺の寸法Aおよび短辺の寸法Bと筐体の厚みTが、0.2T<A<0.5Tおよび0.2T<B<0.5Tの範囲にあることを特徴とする請求項11に記載の面状照明装置。
【請求項13】
前記補強部材が、前記筐体の下部筐体に設けられたハニカム構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の面状照明装置。
【請求項14】
前記筐体の下部筐体に設けられたハニカム構造における板厚Thが、0.5mm<Th<1.5mmの範囲にあり、ハニカム構造の対角線Whの寸法がが、5mm<Wh<20mmの範囲にあることを特徴とする請求項13に記載の面状照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2009−93939(P2009−93939A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264109(P2007−264109)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】