説明

音楽再生装置

【課題】 演奏と連動するゲームを実行し得る音楽再生装置を提供する。
【解決手段】 シンセサイザ40により出力される演奏曲とマイク22から入力される音声とを合成して出力させる演奏の制御を行う演奏制御手段70と、その演奏制御手段70による演奏の制御に並行してリモコン50による操作に基づいてゲームの制御を実行するゲーム制御手段72と、前記演奏曲の出力に伴って前記マイク22から入力される音声に応じて前記演奏の内容を評価する演奏評価手段74と、前記リモコン50による操作に応じて前記ゲームの内容を評価するゲーム評価手段76とを、含むことから、前記演奏及びゲームを並行的に楽しむことができ、それぞれの評価を参照乃至はパラメータとして利用することで魅力ある娯楽を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機能を有する音楽再生装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の演奏曲のうちから選択された所望の演奏曲を出力させる音楽再生装置が知られている。例えば、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された複数の演奏曲から選択された所望の演奏曲の音楽情報を出力させると共に、その演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
ところで、上述した演奏制御に加えて、利用者の操作に応じて所定のゲームを実行し得るカラオケ装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたカラオケ演奏の合間にゲームコンテンツを出力するカラオケ装置がそれである。この技術によれば、所定のパラメータに応じてゲームコンテンツの実行内容を変更するゲーム動作変更手段と、カラオケ演奏中における利用者の歌唱内容等を採点するカラオケ採点手段とを、含むことから、カラオケ演奏に引き続いてゲームコンテンツを実行する際に、そのカラオケ演奏時に上記カラオケ採点手段により採点された採点結果に基づいて上記パラメータを定めることで、カラオケ演奏の採点結果をゲームコンテンツの実行内容に反映させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−108161号公報
【0005】
しかし、前記従来の技術は、カラオケ演奏の合間にゲームコンテンツを出力するものであることから、カラオケ演奏とゲームとを並行的には楽しむことができず、勢いそれらが乖離してしまうためにために実用的な魅力に欠け、ほとんど利用されていないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、演奏と連動するゲームを実行し得る音楽再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、複数の演奏曲のうちから選択された所望の演奏曲を出力させると共に、所定のゲームを実行し得る音楽再生装置であって、その演奏曲と所定の音声入力装置から入力される音声とを合成して出力させる演奏の制御を行う演奏制御手段と、その演奏制御手段による演奏の制御に並行して所定の操作装置による操作に基づいて前記ゲームの制御を実行するゲーム制御手段と、前記演奏曲の出力に伴って前記音声入力装置から入力される音声に応じて前記演奏の内容を評価する演奏評価手段と、前記操作装置による操作に応じて前記ゲームの内容を評価するゲーム評価手段とを、含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、前記演奏曲と所定の音声入力装置から入力される音声とを合成して出力させる演奏の制御を行う演奏制御手段と、その演奏制御手段による演奏の制御に並行して所定の操作装置による操作に基づいて前記ゲームの制御を実行するゲーム制御手段と、前記演奏曲の出力に伴って前記音声入力装置から入力される音声に応じて前記演奏の内容を評価する演奏評価手段と、前記操作装置による操作に応じて前記ゲームの内容を評価するゲーム評価手段とを、含むことから、前記演奏及びゲームを並行的に楽しむことができ、それぞれの評価を参照乃至はパラメータとして利用することで魅力ある娯楽を実現できる。すなわち、演奏と連動するゲームを実行し得る音楽再生装置を提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記演奏制御手段は、前記ゲーム評価手段による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中にその演奏の負荷を変更するものであり、前記ゲーム制御手段は、前記演奏評価手段による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中にそのゲームの負荷を変更するものである。このようにすれば、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を互いに他方の負荷として反映させることができ、演奏と有機的に連動するゲームを実行できるという利点がある。
【0010】
また、好適には、前記演奏制御手段は、前記ゲーム評価手段による評価結果が高いほど前記演奏の負荷を高くするものであり、前記ゲーム制御手段は、前記演奏評価手段による評価結果が高いほど前記ゲームの負荷を高くするものである。このようにすれば、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を競い合う対戦型のゲームを実行できるという利点がある。
【0011】
また、好適には、前記演奏制御手段は、前記ゲーム評価手段による評価結果が高いほど前記演奏の負荷を低くするものであり、前記ゲーム制御手段は、前記演奏評価手段による評価結果が高いほど前記ゲームの負荷を低くするものである。このようにすれば、前記演奏及びゲームが互いに協力して高い評価結果を目指す協力型のゲームを実行できるという利点がある。
【0012】
また、好適には、前記演奏制御手段は、前記演奏の負荷として前記演奏曲の速度及び音程のうち少なくとも一方を変更するものである。このようにすれば、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を実用的な態様でその演奏の負荷として反映させることができる。
【0013】
また、好適には、前記ゲーム制御手段は、映像表示装置の画面内を所定方向に移動する移動体を前記操作装置による操作に応じて所定方向に移動又は回転させ、その画面内の一端部に積載させて所定の条件で積載された移動体を消去するゲームの制御を実行するものである。このようにすれば、前記演奏と並行して魅力あるゲームを実現できるという利点がある。
【0014】
また、好適には、前記ゲーム制御手段は、前記ゲームの負荷として前記移動する移動体の移動速度を変更するものである。このようにすれば、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を実用的な態様でそのゲームの負荷として反映させることができる。
【0015】
また、好適には、前記ゲーム制御手段は、前記ゲームの負荷として前記積載された移動体とは異なる条件で消去される障害体を前記画面内に出現させるものである。このようにすれば、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を実用的な態様でそのゲームの負荷として反映させることができる。
【0016】
また、好適には、前記音楽再生装置は、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて遠隔的に前記音楽再生装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを有する電子早見本装置を備えたものであり、前記ゲーム制御手段は、前記音楽再生装置に備えられた映像表示装置及び前記電子早見本装置のタッチパネルディスプレイのうち何れか一方に前記ゲームのための映像を選択的に表示させるものである。このようにすれば、前記演奏のための歌詞文字映像を含む画面とは異なる画面に前記ゲームのための映像を表示させることができ、更に実用的な態様で前記演奏及びゲームを楽しめるという利点がある。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明が適用された音楽再生装置の一実施例であるカラオケ装置10の構成を説明するブロック線図である。このカラオケ装置10は、CRT等の映像表示装置12と、ディスクプレーヤ14と、ビデオミキサ16と、アンプミキサ18と、スピーカ20と、音声入力装置であるマイク22と、操作装置である操作パネル24と、CPU26と、ROM28と、RAM30と、ハードディスク32と、モデム34と、上記映像表示装置12を制御するためのCRTコントローラ36と、上記操作パネル24からの入力信号を処理する入出力インターフェイス38と、音楽情報を生成して出力するシンセサイザ40と、上記マイク22から入力された音声をディジタル信号に変換して上記CPU26に供給するA/Dコンバータ42と、上記操作パネル24と同様に操作装置として機能する電子早見本装置49やリモコン50からのリモコン信号を受信して上記CPU26に供給するリモコン受信部44とを、備えて構成されている。
【0019】
上記CPU26は、上記RAM30の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM28に記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータシステムであり、上記カラオケ装置10にてカラオケ演奏を行う利用者(ユーザ)により上記操作パネル24又はリモコン50を介して所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、そのカラオケ演奏曲を上記RAM30の演奏待ちリストに記憶する予約制御や、そのRAM30に記憶されたカラオケ演奏曲が演奏順になった場合、上記ハードディスク32からそのカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出して上記RAM30に供給した後、カラオケ演奏が進行するのに応じてそのRAM30から上記シンセサイザ40へ演奏情報を送信すると共に、歌詞文字映像を生成して上記CRTコントローラ36へ送るカラオケ演奏制御等の基本的な制御に加えて、そのカラオケ演奏制御に並行して後述するゲームの実行を制御する。
【0020】
前記操作パネル24は、利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、カラオケ演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、カラオケ演奏に関する各種のモード設定を行ったり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作釦(スイッチ)或いはツマミを備えた操作装置である。また、前記カラオケ装置10には、前記操作パネル24の一部機能を遠隔で実行するための電子早見本装置49及びリモコン50が備えられており、その操作パネル24と同様に操作装置として機能する。
【0021】
前記電子早見本装置49は、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記カラオケ装置10への入力を行うタッチパネルディスプレイ88と、そのタッチパネルディスプレイ88による映像表示制御及び利用者の接触(タッチ操作)による入力制御を行う制御部と、前記カラオケ装置10へリモコン信号を送信するためのリモコン送信部と、そのカラオケ装置10からの情報を受信する情報受信部とを、備えてそのカラオケ装置10を遠隔操作すると共に情報の送受信を行う遠隔操作装置である。また、図示しないクレイドルによって前記カラオケ装置10と接続されることにより、そのカラオケ装置10との間で情報の送受信が可能とされる。
【0022】
図2は、上記リモコン50の操作部を説明する図である。このリモコン50の操作部には、0から9までの数字を示す10個の数字釦52、選曲/送信釦(以下、単に選曲釦と称する)54、左右上下の矢印釦56、取消釦58、演奏停止釦60、割込釦62、及び拍手/SE釦(以下、単にSE釦と称する)64が備えられている。また、操作補助・確認のための表示部66が設けられている。上記数字釦52は、選曲番号の入力等を行うための釦(スイッチ)であり、その数字釦52が押されることで数字等が上記表示部66に表示される。また、上記取消釦58が押されることで上記表示部66に表示された数字等が消去させられる。選曲操作においては、上記表示部66に所定の数字が表示された状態で上記選曲釦54が押されることでその選曲番号が発信されて前記カラオケ装置10に登録される。左右上下の矢印釦56は、前記映像表示装置12に選択肢が表示された際、同様に表示されるカーソル等を左右上下に移動させるための釦であり、その矢印釦56の操作に応じてカーソル移動信号が出力され、上記選曲釦54が押されることにより選択された項目が確定する。また、前記カラオケ装置10によるカラオケ演奏中に左右の矢印釦56が操作されると、演奏音の音程を変更するための音程変更信号が出力される。上記演奏停止釦60は、カラオケ演奏を中途で停止するための釦であり、前記カラオケ装置10による演奏中にこの演奏停止釦60が押されると、その時点において演奏されているカラオケ演奏が停止される。上記割込釦62は、前記RAM30に記憶された演奏順(演奏待ちリスト)に所望の演奏曲を割り込ませる割込選曲操作を行うための釦であり、その割込釦62が押されると、その時点で演奏されている曲の次に演奏されるように所望の演奏曲を予約することができる。また、上記リモコン50は、好適には、後述するゲームの操作装置(コントローラ)として用いられるものであり、例えば、上記数字釦52、選曲釦54、及び左右上下の矢印釦56が操作釦として用いられる。
【0023】
前記ディスクプレーヤ14は、カラオケ演奏時に前記映像表示装置12に表示される背景映像を記憶したCDやDVDを再生する背景映像再生装置である。また、前記ビデオミキサ16は、前記ハードディスク32から読み出された歌詞情報に基づいて前記CPU26において生成され且つ前記CRTコントローラ36から出力される歌詞文字映像(歌詞テロップ)と、前記ディスクプレーヤ14等から送られる背景映像とを合成して前記映像表示装置12に表示させる映像合成装置である。
【0024】
前記シンセサイザ40は、前記ハードディスク32から読み出された演奏情報に基づき、楽器の演奏音等の音楽信号を生成する音源である。生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ18へ送られる。そのアンプミキサ18では、送られてきた音楽信号と音声入力装置である前記マイク22を介して入力される利用者の歌声とが合成(ミキシング)され、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ20から出力される。前記演奏情報は、好適には、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式にて圧縮されたMIDI情報であり、前記シンセサイザ40は、MIDI情報に基づいて音楽信号を生成するMIDI音源である。
【0025】
前記ハードディスク32には、タイトル情報、演奏情報、及び歌詞情報等から成り選曲番号により識別されるカラオケ情報を記憶するためのカラオケデータベースが設けられている。前記カラオケ装置10に備えられたモデム34は、前記CPU26を公衆電話回線、有線放送用ケーブル、又は光ファイバ等による通信回線46に接続するための装置である。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ設置された複数のカラオケ装置10は、上記通信回線46を介して図示しないカラオケサービス提供会社のホストサーバに接続されており、それら複数のカラオケ装置10によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、随時新曲のカラオケ情報がダウンロードされ、前記ハードディスク32に設けられたカラオケデータベースに記憶されるようになっている。すなわち、前記カラオケ装置10は、電気通信回線を通じて各種情報の送受信を行う通信式カラオケ装置である。
【0026】
図3は、前記カラオケ装置10のCPU26によるカラオケ演奏制御及びゲーム実行制御の要部を説明する機能ブロック線図である。この図3に示す演奏制御手段70は、カラオケ演奏曲すなわち前記シンセサイザ40により生成される音楽信号と、音声入力装置である前記マイク22から入力される利用者の音声とを合成して出力させる演奏の制御を行う。具体的には、前記演奏情報に基づいて前記シンセサイザ40により音楽情報を生成して前記アンプミキサ18を介して前記カラオケ演奏曲として出力すると共に、そのカラオケ演奏曲の速度、音程、及び音量等を制御する。また、前記歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して前記CRTコントローラ36を介して前記映像表示装置12に表示させると共に、その映像表示装置12に表示された歌詞文字映像を前記カラオケ演奏曲の出力と同期して色変わりさせる。
【0027】
ゲーム制御手段72は、上記演奏制御手段70による演奏の制御に並行(同期)して操作装置である前記リモコン50等による操作に基づいてゲームの制御を実行する。図4は、上記ゲーム制御手段72により実行されるゲームの一例を説明する図である。この図4に示すように、上記ゲーム制御手段72は、好適には、前記映像表示装置12の画面80内を所定方向に移動する移動体82を操作装置である前記リモコン50等による操作に応じて所定方向に移動又は回転させ、その画面80内の一端部に積載させて所定の条件で積載された移動体84を消去する所謂おちものゲームの制御を実行する。前記カラオケ装置10による前記演奏及びゲームの並行制御では、図4に示すように、前記映像表示装置12の画面80の左右何れか半分の領域に前記カラオケ演奏曲の歌詞文字映像が、他方半分の領域に前記ゲーム画面が表示される。上記移動体82は、前記映像表示装置12の画面80上方から下方に向かって所定の移動速度で落下するものであり、画面下端部に積載された移動体84に接触すると原則としてその上に積載されるが、例えば、同種類のマークを所定個数以上繋げる、積載された移動体84における左右方向の隙間をなくす等の条件に応じて積載された移動体84の一部と共に画面80内から消去される。ここで、前記リモコン50の矢印釦56等の操作により上記移動する移動体82を左右に移動させられると共に、前記数字釦52又は選曲釦54等の操作により上記移動する移動体82を重心まわりに回転(例えば、数字釦52の「0」で左回りの回転、選曲釦54で右回りの回転)させることができるようになっている。そのように上記移動する移動体82を好適に左右移動及び重心まわりに回転させることで、上記積載された移動体84を効率的に消去することができる。そして、上記移動体84が画面80の最上部にまで積載されて移動する移動体82が画面80内を落下できなくなったところでゲーム終了とされる。
【0028】
演奏評価手段74は、前記演奏制御手段70によるカラオケ演奏曲の出力に伴って前記マイク22から入力される音声に応じて前記演奏の内容を評価する。具体的には、音声入力装置である前記マイク22により入力されて前記A/Dコンバータ42によりデジタル信号に変換された音声情報に関して、前記ハードディスク32の曲データベースから読み出されて前記RAM30に記憶された演奏情報の音程及びテンポからの相対的なずれや、音量等に基づいて歌唱評価としての得点を算出する。音程及びテンポからの相対的なずれは小さいほど、音量は大きいほど高得点とされる。この演奏評価手段74は、具体的な数値としての得点を算出するものであってもよいし、予め定められた複数の評価のうち何れかを採点結果として下すものであってもよい。
【0029】
ゲーム評価手段76は、前記リモコン50による操作に応じて前記ゲームの内容を評価する。具体的には、前記移動する移動体82を前記積載された移動体84に接触させることにより消去される積載された移動体84の量に応じて得点を算出する。前記積載された移動体84が多く消去されるほど高得点とされる。このゲーム評価手段76は、具体的な数値としての得点を算出するものであってもよいし、予め定められた複数の評価のうち何れかを採点結果として下すものであってもよい。
【0030】
ここで、前記演奏制御手段70は、好適には、前記ゲーム評価手段76による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中にその演奏の負荷を変更する。この演奏の負荷とは、例えば、前記シンセサイザ40により生成されて前記アンプミキサ18を介して出力される前記カラオケ演奏曲の速度又は音程であり、前記演奏制御手段70は、好適には、前記ゲーム評価手段76による評価結果が高いほど前記演奏の負荷を高くする。例えば、前記ゲーム評価手段76による評価結果が前記演奏評価手段74による評価結果よりも高い場合には、図5に示すように、それら評価結果の差分に応じて前記カラオケ演奏曲の速度を上げる、又は音程を変更する。このように、前記カラオケ演奏曲の速度が上がったり、音程が変更されたりすることにより利用者が歌唱し難くなり、前記演奏評価手段74により高い評価を得ることが難しくなるため、結果として前記演奏の難易度が高くなる。また、好適には、前記カラオケ演奏曲の速度が速くなり過ぎる等して歌唱が困難なレベルにまで負荷が高められた場合には、前記演奏をその時点で終了させる。すなわち、前記演奏制御手段70は、換言すれば、前記ゲーム評価手段76による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中にその演奏の難易度を変更する演奏難易度変更手段である。
【0031】
また、前記ゲーム制御手段72は、好適には、前記演奏評価手段74による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中にそのゲームの負荷を変更する。このゲームの負荷とは、例えば、前記移動する移動体82の落下速度であり、前記ゲーム制御手段72は、好適には、前記演奏評価手段74による評価結果が高いほど前記ゲームの負荷を高くする。例えば、前記演奏評価手段74による評価結果が前記ゲーム評価手段76による評価結果よりも高い場合には、それら評価結果の差分に応じて前記移動する移動体82の落下速度を速くする。また、好適には、図6に示すように、それら評価結果の差分に応じて障害体86を前記画面80内に出現させ、前記移動する移動体82と同じように画面下端部に落下及び積載させる。この障害体86は、前記積載された移動体84とは異なる条件で消去されるものであり、好適には、前記移動する移動体82の接触それ自体によっては消去できず、周囲に積載された移動体84を消去しなければ消えないといったように、それら積載された移動体84よりも消去し難い。このように、前記移動する移動体82の落下速度が上がったり、上記障害体86が画面80内に出現することにより前記積載された移動体84を消去し難くなり、前記ゲーム評価手段76により高い評価を得ることが難しくなるため、結果として前記ゲームの難易度が高くなる。すなわち、前記ゲーム制御手段72は、換言すれば、前記演奏評価手段74による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中にそのゲームの難易度を変更するゲーム難易度変更手段である。
【0032】
図7は、前記カラオケ装置10のCPU26によるカラオケ演奏制御動作及びゲーム実行制御動作を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0033】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記カラオケ演奏処理及びゲーム実行処理が開始される。次に、SA2において、前記演奏及びゲームの評価タイミングであるか否かが判断される。このSA2の判断が否定される場合には、SA8以下の処理が実行されるが、SA2の判断が肯定される場合には、前記演奏評価手段74及びゲーム評価手段72の動作に対応するSA3において、前記マイク22により入力されて前記A/Dコンバータ42によりデジタル信号に変換された音声情報に関して、前記ハードディスク32の曲データベースから読み出されて前記RAM30に記憶された演奏情報の音程及びテンポからの相対的なずれや、音量等に基づいて前記演奏の評価結果としての得点が算出されると共に、前記ゲームに関して、前記移動する移動体82を前記積載された移動体84に接触させることにより消去される積載された移動体84の量に応じて前記ゲームの評価結果としての得点が算出される。次に、SA4において、SA3にて算出された前記演奏の評価結果が前記ゲームの評価結果より大きいか否かが判断される。このSA4の判断が肯定される場合には、SA5において、それら評価結果の差分に応じて前記ゲームの負荷が高められた後、SA8以下の処理が実行されるが、SA4の判断が否定される場合には、SA6において、SA3にて算出された前記ゲームの評価結果が前記演奏の評価結果より大きいか否かが判断される。このSA6の判断が肯定される場合には、SA7において、それら評価結果の差分に応じて前記演奏の負荷が高められた後、SA8以下の処理が実行されるが、SA6の判断が否定される場合には、SA8において、前記カラオケ演奏曲の速度が速くなり過ぎる等して歌唱が困難なレベルにまで負荷が高められ、その演奏が終了させられるか否かが判断される。このSA8の判断が否定される場合には、SA9において、前記カラオケ演奏処理が行われた後、SA10以下の処理が実行されるば、SA8の判断が肯定される場合には、SA10において、前記画面80内における前記移動する移動体82の移動領域がなくなる等してゲームが終了させられるか否かが判断される。このSA10の判断が肯定される場合には、SA11において、前記ゲーム実行処理が行われた後、SA12以下の処理が実行されるが、SA10の判断が肯定される場合には、SA12において、前記カラオケ演奏及びゲームの何れも終了であるか否かが判断される。このSA12の判断が否定される場合には、SA2以下の処理が再び実行されるが、SA12の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。すなわち、以上の制御では、前記演奏及びゲームの何れか一方が終了させられても、他方は継続させられ得る。また、SA7及びSA9が前記演奏制御手段70の動作に、SA5及びSA11が前記ゲーム制御手段72の動作にそれぞれ対応する。
【0034】
このように、本実施例によれば、前記シンセサイザ40により出力される演奏曲と前記マイク22から入力される音声とを合成して出力させる演奏の制御を行う演奏制御手段70(SA7及びSA9)と、その演奏制御手段70による演奏の制御に並行して前記リモコン50等による操作に基づいて前記ゲームの制御を実行するゲーム制御手段72(SA5及びSA11)と、前記演奏曲の出力に伴って前記マイク22から入力される音声に応じて前記演奏の内容を評価する演奏評価手段74(SA3)と、前記リモコン50等による操作に応じて前記ゲームの内容を評価するゲーム評価手段76(SA3)とを、含むことから、前記演奏及びゲームを並行的に楽しむことができ、それぞれの評価を参照乃至はパラメータとして利用することで魅力ある娯楽を実現できる。すなわち、演奏と連動するゲームを実行し得るカラオケ装置10を提供することができる。
【0035】
また、前記演奏制御手段70は、前記ゲーム評価手段76による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中にその演奏の負荷を変更するものであり、前記ゲーム制御手段72は、前記演奏評価手段74による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中にそのゲームの負荷を変更するものであるため、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を互いに他方の負荷として反映させることができ、演奏と有機的に連動するゲームを実行できるという利点がある。
【0036】
また、前記演奏制御手段70は、前記ゲーム評価手段76による評価結果が高いほど前記演奏の負荷を高くするものであり、前記ゲーム制御手段72は、前記演奏評価手段74による評価結果が高いほど前記ゲームの負荷を高くするものであるため、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を競い合う対戦型のゲームを実行できるという利点がある。
【0037】
また、前記演奏制御手段70は、前記演奏の負荷として前記演奏曲の速度及び音程のうち少なくとも一方を変更するものであるため、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を実用的な態様でその演奏の負荷として反映させることができる。
【0038】
また、前記ゲーム制御手段72は、前記映像表示装置12の画面80内を所定方向に移動する移動体82を前記リモコン50等による操作に応じて所定方向に移動又は回転させ、その画面80内の一端部に積載させて所定の条件で積載された移動体84を消去するゲームの制御を実行するものであり、前記ゲームの負荷として前記移動する移動体82の移動速度を変更するものであるため、魅力あるゲームを実現できることに加え、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を実用的な態様でそのゲームの負荷として反映させることができる。
【0039】
また、前記ゲーム制御手段72は、前記ゲームの負荷として前記積載された移動体84とは異なる条件で消去される障害体86を前記画面80内に出現させるものであるため、前記演奏及びゲームそれぞれの評価結果を実用的な態様でそのゲームの負荷として反映させることができる。
【実施例2】
【0040】
続いて、本発明の他の実施例を図8のフローチャートに基づいて詳細に説明する。なお、この図8に示す制御において、前述した図7のフローチャートと共通するステップに関しては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
図8の制御では、SB1において、SA3にて算出された前記演奏の評価結果が所定値より大きいか否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、SB4以下の処理が実行されるが、SB1の判断が肯定される場合には、SB2において、SA3にて算出された前記ゲームの評価結果が所定値より大きいか否かが判断される。このSB2の判断が肯定される場合には、SB3において、前記演奏の負荷及びゲームの負荷が共に下げられた後、SB5以下の処理が実行されるが、SB2の判断が否定される場合には、SB4において、前記演奏の負荷及びゲームの負荷が共に高められた後、SB5において、前記演奏及びゲームの何れかが終了させられるか否かが判断される。このSB5の判断が否定される場合には、SB5において、前記カラオケ演奏処理及びゲーム実行処理が行われた後、SA2以下の処理が再び実行されるが、SB5の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。すなわち、以上の制御では、前記演奏及びゲームの何れか一方が終了させられた時点で他方も終了させられる。また、SB3、SB4、及びSB6が前記演奏制御手段70及びゲーム制御手段72の動作に対応する。
【0042】
このように、本実施例によれば、前記演奏制御手段70(SB3、SB4、及びSB6)は、前記ゲーム評価手段76による評価結果が高いほど前記演奏の負荷を低くするものであり、前記ゲーム制御手段72(SB3、SB4、及びSB6)は、前記演奏評価手段74による評価結果が高いほど前記ゲームの負荷を低くするものであるため、前記演奏及びゲームが互いに協力して高い評価結果を目指す協力型のゲームを実行できるという利点がある。
【0043】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0044】
例えば、前述の実施例において、前記演奏制御手段70は、前記演奏の負荷として前記演奏曲の速度又は音程を変更するものであり、前記ゲーム制御手段72は、前記ゲームの負荷として前記移動する移動体82の移動速度等を変更するものであったが、例えば、図9に示すように、前記演奏制御手段70は、前記演奏の負荷として前記映像表示装置12の画面80における歌詞文字映像の表示領域を変更するものであり、前記ゲーム制御手段72は、前記ゲームの負荷として前記映像表示装置12の画面80におけるゲームの表示領域を変更するものであってもよい。前記歌詞文字映像の表示領域が小さくなれば前記演奏の負荷が高くなり、前記ゲームの表示領域が小さくなれば前記ゲームの負荷が高くなる。更には、前記演奏の負荷として前記マイク22により入力される音声の声質を変えて、例えば男声を女声に変換して出力させる等、歌い手の混乱を誘うものであってもよい。すなわち、前記演奏及びゲームの負荷は、それら演奏及びゲームの難易度を変更し得るものであればその態様は問わない。
【0045】
また、前述の実施例において、前記ゲーム制御手段72は、前記カラオケ装置10の映像表示装置12に前記ゲームのための映像を表示させるものであったが、例えば、図10に示すように、前記電子早見本装置49のタッチパネルディスプレイ88に前記ゲームのための映像を表示させるものであってもよい。また、前記カラオケ装置10に備えられた映像表示装置12及び前記電子早見本装置49のタッチパネルディスプレイ88のうち何れか一方に前記ゲームのための映像を選択的に表示させるものであっても構わない。このようにすれば、前記演奏のための歌詞文字映像を含む画面とは異なる画面に前記ゲームのための映像を表示させることができ、更に実用的な態様で前記演奏及びゲームを楽しめるという利点がある。更には、前述した図4等に示すように、前記タッチパネルディスプレイ88の画面の左右何れか半分の領域に前記カラオケ演奏曲の歌詞文字映像が、他方半分の領域に前記ゲーム画面が表示されるようにしてもよい。
【0046】
また、前述の実施例において、前記ゲーム制御手段72は、前記映像表示装置12の画面80内を所定方向に移動する移動体82を前記リモコン50等による操作に応じて所定方向に移動又は回転させ、その画面80内の一端部に積載させて所定の条件で積載された移動体84を消去する所謂おちものゲームの制御を実行するものであったが、例えば、前記映像表示装置12の画面80内に出現する移動体を射撃によって消去する所謂シューティングゲームの制御を実行するものであってもよい。この場合のゲームの負荷は、例えば、前記画面80内に出現する移動体の数等とされる。
【0047】
また、前述の実施例では、前記リモコン50を前記ゲームの操作装置として用いていたが、専用のゲームコントローラを前記カラオケ装置10に接続してそのゲームコントローラの操作に応じてゲームの制御を実行するものであってもよい。また、一般的な携帯ゲーム機を前記カラオケ装置10に接続して操作装置とするものであっても構わない。
【0048】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明が適用された音楽再生装置の一実施例であるカラオケ装置の構成を説明するブロック線図である。
【図2】図1のカラオケ装置に備えられたリモコンの操作部を説明する図である。
【図3】図1のカラオケ装置のCPUによるカラオケ演奏制御及びゲーム実行制御の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図4】図3のゲーム制御手段により実行されるゲームの一例を説明する図である。
【図5】図3のゲーム評価手段による評価結果に応じて演奏の負荷を高める例を説明する図である。
【図6】図3の演奏評価手段による評価結果に応じてゲームの負荷を高める例を説明する図である。
【図7】図1のカラオケ装置のCPUによるカラオケ演奏制御動作及びゲーム実行制御動作の一例を説明するフローチャートである。
【図8】図1のカラオケ装置のCPUによるカラオケ演奏制御動作及びゲーム実行制御動作の他の一例を説明するフローチャートである。
【図9】図3の演奏評価手段による評価結果に応じてゲームの負荷を高める他の例を説明する図である。
【図10】図1のカラオケ装置に備えられた電子早見本装置のタッチパネルディスプレイに前記ゲームの映像が表示された様子を説明する図である。
【符号の説明】
【0050】
10:カラオケ装置(音楽再生装置)
12:映像表示装置
22:マイク(音声入力装置)
50:リモコン(操作装置)
70:演奏制御手段
72:ゲーム制御手段
74:演奏評価手段
76:ゲーム評価手段
80:画面
82:移動する移動体
84:積載された移動体
86:障害体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の演奏曲のうちから選択された所望の演奏曲を出力させると共に、所定のゲームを実行し得る音楽再生装置であって、
該演奏曲と所定の音声入力装置から入力される音声とを合成して出力させる演奏の制御を行う演奏制御手段と、
該演奏制御手段による演奏の制御に並行して所定の操作装置による操作に基づいて前記ゲームの制御を実行するゲーム制御手段と、
前記演奏曲の出力に伴って前記音声入力装置から入力される音声に応じて前記演奏の内容を評価する演奏評価手段と、
前記操作装置による操作に応じて前記ゲームの内容を評価するゲーム評価手段と
を、含むことを特徴とする音楽再生装置。
【請求項2】
前記演奏制御手段は、前記ゲーム評価手段による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中に該演奏の負荷を変更するものであり、前記ゲーム制御手段は、前記演奏評価手段による評価結果に応じて前記演奏及びゲームの継続中に該ゲームの負荷を変更するものである請求項1の音楽再生装置。
【請求項3】
前記演奏制御手段は、前記ゲーム評価手段による評価結果が高いほど前記演奏の負荷を高くするものであり、前記ゲーム制御手段は、前記演奏評価手段による評価結果が高いほど前記ゲームの負荷を高くするものである請求項2の音楽再生装置。
【請求項4】
前記演奏制御手段は、前記ゲーム評価手段による評価結果が高いほど前記演奏の負荷を低くするものであり、前記ゲーム制御手段は、前記演奏評価手段による評価結果が高いほど前記ゲームの負荷を低くするものである請求項2の音楽再生装置。
【請求項5】
前記演奏制御手段は、前記演奏の負荷として前記演奏曲の速度及び音程のうち少なくとも一方を変更するものである請求項2から4の何れかの音楽再生装置。
【請求項6】
前記ゲーム制御手段は、映像表示装置の画面内を所定方向に移動する移動体を前記操作装置による操作に応じて所定方向に移動又は回転させ、該画面内の一端部に積載させて所定の条件で積載された移動体を消去するゲームの制御を実行するものである請求項1から5の何れかの音楽再生装置。
【請求項7】
前記ゲーム制御手段は、前記ゲームの負荷として前記移動する移動体の移動速度を変更するものである請求項6の音楽再生装置。
【請求項8】
前記ゲーム制御手段は、前記ゲームの負荷として前記積載された移動体とは異なる条件で消去される障害体を前記画面内に出現させるものである請求項6又は7の音楽再生装置。
【請求項9】
前記音楽再生装置は、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて遠隔的に前記音楽再生装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを有する電子早見本装置を備えたものであり、前記ゲーム制御手段は、前記音楽再生装置に備えられた映像表示装置及び前記電子早見本装置のタッチパネルディスプレイのうち何れか一方に前記ゲームのための映像を選択的に表示させるものである請求項1から8の何れかの音楽再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−11191(P2006−11191A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190732(P2004−190732)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】