音響装置
基板(58)に結合された振動トランスデューサ(50)を備え、該基板がトランスデューサ(50)に電気的に接続された回路(62)を組み込んだ組立体(38)。基板(58)は、アクチュエータ振動を音響放射又はその逆に変換するための撓み波部材に結合されるように適合されており、基板(58)と部材(30)との間に撓み波を結合させることができる程十分な可撓性を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響装置に関し、限定ではないが特に撓み慣性振動トランスデューサ、例えば慣性圧電振動トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0002】
このような撓み慣性振動トランスデューサは、WO01/54450において説明されており、撓み共振するプレート状圧電部材を利用することができる。圧電部材の上には質量体を備えることができる。該部材との間で力が加えられることになる場所にトランスデューサを取り付けるため、通常はスタブである結合手段が設けられる。部材は自由に撓むことができるので、振動中の自己の質量の加減速に伴う慣性力を発生する。部材の撓みは、トランスデューサが励振器として働く場合には、外部信号に応答したものとことができ、或いは、トランスデューサが振動センサとして働く場合には、電気信号を発生することができる。
【0003】
引用により本明細書に組み込まれるWO03/009219では、表ページ及び裏ページを有する折り畳み部材の形態のグリーティング及び類似のカードの利用が開示されている。WO01/54450で開示された種類の撓み慣性振動トランスデューサは、小さなスタブを用いてページの1つに取り付けられ、ページを振動させるようにする。ページは、例えばWO01/54450で説明されているように、この振動を音響放射に変換するための撓み波部材として構成される。トランスデューサは、信号発生器/増幅器/バッテリユニットによって駆動され、該ユニットは、カードの折り目に隠されたスイッチによって作動され、カードを開いたときに信号発生器を起動させるようにする。
【0004】
【特許文献1】WO01/54450公報
【特許文献2】WO03/009219公報
【特許文献3】WO97/09842公報
【非特許文献1】「The A to Z of Printed and Disposable Electronics(印刷及び使い捨てエレクトロニクスの全て)」(www.idtechex.com)
【非特許文献2】「Printed Electronics(印刷エレクトロニクス)」(www.printelec.com)
【非特許文献3】「Review of Flexible Circuit Technology and Its Applications(フレキシブル回路技術の検証及びその応用)」、P McLeod; PRIME Faraday Partnership UK; 2002 (ISBN 1 84402 023−1)
【発明の開示】
【0005】
本発明によれば、基板に結合された振動トランスデューサを備えた組立体であって、該基板が、トランスデューサに電気的に接続された回路を組み込み、アクチュエータ振動を音響放射又はその逆に変換するための撓み波部材に結合されるように適合されており、基板と部材との間に撓み波を結合させることができる程十分な可撓性を有する組立体が提供される。
【0006】
このような組立体は、トランスデューサとその関連する電気回路とを単一の組立体に一体化することによって、例えば前述のWO03/009219により知られる種類の撓み波音響装置の製造を簡略化する。基板の可撓性は、組立体が撓み波部材に結合されるときに、組立体と撓み波部材との間に確実に撓み波結合が存在するようにする。その結果、基板が剛体である場合よりも、アクチュエータ振動から音響振動(又はその逆)へのより効率的な変換が可能になる。
【0007】
有利には、基板は、振動トランスデューサの機械インピーダンスと撓み波部材の機械インピーダンスとの間にある機械インピーダンスを振動トランスデューサに与えるように構成されている。振動トランスデューサの機械インピーダンスは通常、必須ではないが、撓み波部材の機械インピーダンスよりも大きくなる。このような構成は、トランスデューサと撓み波部材との間の整合を改善し、これにより出力伝達効率を向上させる。
【0008】
本明細書の文脈において、用語「トランスデューサ」は、電気エネルギを振動、変位、又は力に変換し、並びに振動、変位、又は力を電気エネルギに変換することができる電磁気装置を意味するのに用いられる。電気エネルギを音圧に変換するラウドスピーカとは区別すべきである。
【0009】
基板のヤング率は、1から16GPaの範囲、特に3から14GPaの範囲にあることができる。基板は、可撓性であるので、非自立性となる可能性がある。
【0010】
振動トランスデューサは、圧電撓みトランスデューサ、特に慣性圧電撓み振動トランスデューサとすることができる。振動トランスデューサは、該振動トランスデューサの動作周波数範囲においてモードの周波数分布を有する共振素子を含む。共振素子のパラメータは、例えば、引用により本明細書に組み込まれるWO01/54450で説明された動作周波数範囲内での素子のモード分布を高めるようなものとすることができる。トランスデューサは、プレート状とすることができ、ビーム、すなわち長方形の形状であってもよい。トランスデューサは、バイモルフ、中心ベーン若しくは基板を備えたバイモルフ、或いはユニモルフとすることができる。
【0011】
基板は、実質的に平面とすることができ、トランスデューサの振動運動に適応し、これにより全体的に組立体を小型にすることを可能にする凹部を含むことができる。凹部は、基板の両面間を延びる開口によって定めることができる。
【0012】
基板は、ブリッジ部により離隔された2つの凹部を含むことができ、振動トランスデューサがこのブリッジ部に取り付けられている。トランスデューサはまた、基板以外を通る経路を介して振動を伝達する手段を有することができる。この手段は、トランスデューサの反対側の面から基板に取り付けられた面まで突出するスタブを含むことができる。基板は、プリント回路板とことができ、更に、電源、制御回路、及びサウンドチップ又はMP3プレーヤ又は同様のものなどの半導体データストレージデバイスのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0013】
本発明はまた、このような組立体、及びアクチュエータ振動を音響放射に又はその逆に変換するために組立体に結合された撓み波部材を含む音響装置を提供する。基板は、撓み波部材に結合された第1の面とトランスデューサに結合された第2の面とを有することができる。
【0014】
撓み波部材は、グリーティング又は同様のカードのパネルのような低機械インピーダンスのパネルとすることができる。或いは、撓み波部材は、風船(又は他の膨張可能物体)、印刷物(本、案内書、時刻表、又は地図など)、包装物、及びラミネート被覆カード(例えば、トレーディングカード、クレジットカード、身分証明カード、及びスマートカードとして使用されるようなもの)など、低機械インピーダンスの材料から作られた他の用途の構成部品とすることができる。
【0015】
後者の場合において、撓み波部材は、縁部で接合された2つのシートを含むことができ、該2つのシートの間に組立体が配置される。2つのシートの一方には基板を結合することができ、当該シートの他方には、当該基板以外の経路を介して振動を伝達する手段を結合することができる。カードはまた、2つのシートの少なくとも中間領域に間隔をあける手段を含むことができる。
【0016】
包装物の1つの実施例は、広告用フィギュアのような、取り外しを可能にする穿孔縁部で形成された形状物を含むことができる。この形状物は、包装物とは別個に音を出すことになるスタンド式の新規の品目に折り畳むことができる。しかしながら、これは依然として包装物の一部である限り、その穿孔縁部は、撓み波振動を他の構造物に結合させる程十分に剛性がある。代替の包装物は、嗅覚センサ及びモーションセンサと連動して、包装物内の食品が腐敗し、包装物が手に取られて開封される場合に可聴警報を発生するトランスデューサ組立体を含むことができる。
【0017】
撓み波部材はパネル形部材とすることができる。音響装置は、共振撓み波ラウドスピーカとすることができ、トランスデューサが撓み波部材で共振撓み波モードを励振する。このようなラウドスピーカは、引用により本明細書に組み込まれる国際特許出願WO97/09842及び他の特許出願並びに公開公報において記載されており、分布モードラウドスピーカと呼ぶことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、例証として添付図面を参照しながら本発明を説明する。
【0019】
図1は、前述のWO03/009219で開示され、本発明を組み込んだ種類のグリーティングカード30の斜視図である。カードは、表ページ32及び裏ページ34を有する折り畳み部材の形態である。本発明による組立体38は、共振させて音響出力を発生するように裏ページに取り付けられている。組立体の位置は前述のWO97/09842で定義された好ましい場所にあるものとすることができる。組立体は、増幅器に加えて、バッテリと、カードを開いた時に起動させるように、カードの折り畳み部44内に隠されたスイッチ42により作動される信号発生器とを含むことができる。
【0020】
図2Aは、図1の組立体38の拡大平面図である。ビーム状圧電撓み完成振動トランスデューサ50が、例えば実質的に平面基板内、この場合ではプリント回路板58内の2つの凹部54、56間に定められたブリッジ部52に接着層又は両面テープにより実装され取り付けられる。トランスデューサは、電気コネクタ55を提供する延長部を備えて形成される。
【0021】
図2Bは、図2Aの線A−Aに沿った断面図である。プリント回路板58の片側又は面59は、アクチュエータ振動を音響放射に変換し、又はその逆を行うため撓み波部材(カード30)の表面に結合されるように適合されている。こうした結合は、例えば、61で示される接着結合又は両面接着テープによって達成することができる。基板58の反対側又は面63には、トランスデューサ50と、及び例えばコネクタ55を介してこれに電気的に結合された回路62とが実装される。
【0022】
第2のシート(後で図3に示される)はトランスデューサ及び基板を覆って取り付けることができる。トランスデューサ50がシートなどを駆動し、又はうなり音を発生するのを防ぐために、例えばいずれかの凹部54、56に隣接してスペーサ60を基板上に設けることができる。これらのスペーサは、プリント回路板材料の2つの層から構成することができ、両面テープを用いて実装することができる。
【0023】
図示の実施例において、凹部は基板の両面間に延びる開口54、56により形成されるが、凹部は必ずしも基板を貫通して延びる必要はなく、すなわち、図2Cの断面図に示されているように「ブラインド」であってもよい。
【0024】
図2Dの代替の実施形態において、2つの開口54、56は、プリント回路板の縁部に隣接して配置され、片側に開いて、片側上でのみ支持されるブリッジ部53を生じるようにされる。
【0025】
図2Eは、図2A及び2Bに示される要素の相互関係示すブロック図である。破線で示されるように、組立体38は、振動トランスデューサ50に結合され、且つトランスデューサ50に電気的に接続される回路62を組み込む基板58を含む。図示の実施例では、回路は、出力増幅器63及び入力増幅器64の両方を含む。
【0026】
出力増幅器63は、データ記憶装置65からの信号を増幅し、トランスデューサ50を駆動して基板58を介した撓み波ダイアフラム30を励振し、これにより音響放射を発生するようにする。ダイアフラムがグリーティングカードの一部を形成する場合、例えば、音響放射は、メロディー又は音声グリーティングの形態とすることができる。
【0027】
入力増幅器64は、入来音響放射により撓み波振動に励振されているダイアフラム30が振動すると、トランスデューサ50により発生される電気信号を増幅する。電気信号は、その後に音響放射を再生するために画像と共にデータ記憶装置65内に記憶される。従って、上記で与えられるグリーティングの実施例では、カードを送る人は、カード(マイクロフォンとして機能する)にメッセージを話し、その後で受け取った人がカードを開いたときにカード(ラウドスピーカとして機能する)がメッセージを再生することができる。更に回路は、特に、信号受信器、デジタルアナログ変換器、アナログデジタル変換器、センサ、触覚生成器、信号灯、嗅覚発生器、又は嗅覚センサを含むことができる。
【0028】
基板の特性に関して、通常トランスデューサは、約3〜4Ns/mmp動作出力インピーダンスを有するように設計される。しかしながら、グリーティングカード30を形成するのに通常使用される材料は、1Ns/m未満の機械インピーダンスを有する。パワー変換を効率的にするために、トランスデューサ50の出力インピーダンスは、負荷の機械インピーダンスと整合する必要がある。従って、プリント回路板58は、トランスデューサに提示される機械インピーダンス負荷を増大させ、その動作値により近づけるよう構成される。これは、例えば基板の材料及び厚みを適切に選択することによって達成することができる。
【0029】
図示の実施例では、基板は、ヤング率14GPa、厚み0.4mm、及び機械インピーダンス2.5Ns/mを有するFR4として知られたプリント回路板グレードで作られる。これにより、トランスデューサに提示される全体の機械インピーダンス負荷が約3.5Ms/mにまで増大する。基板材料のヤング率をより高い値にすることも可能であるが、16Gpaよりも値が高くなると、通常、圧電トランスデューサのヤング率に近すぎて整合することができなくなる。また、基板材料のヤング率をより低い値にすることも可能であるが、前述のWO03/009219において使用可能な種類の硬質のカードのスチフネス1GPaを下回らず、整合を可能にするために3GPa以上である可能性が高い。
【0030】
基板の厚みに関しては、有用な実施形態では100μmから2mmの範囲の厚みを有し、150μmから2mmの範囲の厚みが更に良好な整合をもたらす。
【0031】
FR4は、ガラス布に含浸させたエポキシ樹脂で作られる。ポリアミド及び他のシート又はフィルム状のポリマー並びに積層体で作られたプリンタブルエレクトロニクス用の可撓性(すなわち、1つの縁部に沿って水平方向に保持されたときに非自立性である)のプリント回路板及び基板を含む、圧縮に耐性のある他の材料も好適とすることができる。このような好適な基板は、例えば、「The A to Z of Printed and Disposable Electronics(印刷及び使い捨てエレクトロニクスの全て)」(www.idtechex.com)、「Printed Electronics(印刷エレクトロニクス)」(www.printelec.com)、及び「Review of Flexible Circuit Technology and Its Applications(フレキシブル回路技術の検証及びその応用)」、P McLeod; PRIME Faraday Partnership UK; 2002 (ISBN 1 84402 023−1)から公知である。必要な特性を有するパルプベースのカードもまた好適とすることができる。
【0032】
図3Aは、本発明の別の実施形態の平面図であり、図3B及び図3Cは、その分解図と組立図である。撓み波部材70は、縁部88で接合され、スペーサ76により中間領域82に向けて分離されて撓み慣性振動トランスデューサ78が配置されるギャップ84を生成する2つのスキン又はシート72、74から形成される。トランスデューサ78は、プリント回路板79により第1のスキン72に、及びプリント回路板に取り付けられたトランスデューサ78の反対側面85から当該面86に突出するスタブ80を用いて、中間点82で第2のスキン74に振動を伝達するように取り付けられる。
【0033】
こうした構成は薄型のものとなり、例えば新規のトレーディングカードに好適である。更に、スキンの一方へのスタブ及びプリント回路板の接続、及びスキンの他方へのスタブ接続は、両方のスキンが音響放射すること、並びに単一のカードボードスキンに比べてトランスデューサによって見たインピーダンスを増大させることを可能にする。2つのスキン間のトランスデューサの位置はまた、トランスデューサに対する保護を付加する。縁部88から中間領域90までのスキンの湾曲はまた、スチフネスを増大させ、これはまた、スキンの音響性能を向上させることができる。
【0034】
図4A及び4Bの両方は、プリント回路板102が構成要素の全て、すなわち埋め込みトランスデューサ100、増幅器112、音源114、ボタン型セル電池を収容する実施形態を示している。起動及び停止機構120が組立体に接続される。プリント回路板上の相互接続部は、銅トラック及びワイヤの組み合わせである。図4Bでは、構成要素は、トランスデューサからの電子構成部品を含むプリント回路板の領域を減結合するように配列され、これにより音響性能を向上させることができる。このような減結合は、破線121で示され、例えば基板内に形成された溝又は孔によって達成することができる。
【0035】
図4Cは、埋め込みトランスデューサ100、増幅器112、ASIC(特定用途向け集積回路)の形態の音源114、及びボタン型セル電池を組み込んだプリント回路板102を示している。集積回路は、回路板上に直接定置され、ダイの下に収められる。図4Fに示すように、組立体の厚みは、ボタン型セル電池を薄型バッテリ124と置き換えることによって更に低減することができる。
【0036】
図5は、本発明の組立体を実際にどのように製造することができるかを示している。個々の基板58は、ローラ124、126により支持されたベルト又はウェブ128により搬送される。ASIC、バッテリ、及び相互接続部を含むエレクトロニクスが、最初に、ステーション130のボードの基板上に配置(いわゆるプリンティング)され、その後、ステーション132でトランスデューサが基板上に埋め込まれる。本発明は例証として説明されているに過ぎず、本発明の範囲から逸脱することなく広範な修正を行い得る点を理解されたい。
【0037】
例えば、本発明を慣性圧電撓み振動励振器に関して説明してきたが、非慣性圧電撓みトランスデューサ及び可動コイル又は可動アーマチャ電気力学的トランスデューサにも等しく適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態の斜視図である。
【図2A】図1の実施形態のトランスデューサ組立体の平面図である。
【図2B】図2Aの線AAに沿った断面図である。
【図2C】本発明の第2の実施形態の断面図である。
【図2D】本発明の第3の実施形態の断面図である。
【図2E】本発明の要素の機能的相互関係を示すブロック図である。
【図3A】本発明の第4の実施形態の平面図である。
【図3B】本発明の第4の実施形態の分解断面図である。
【図3C】本発明の第4の実施形態の組立断面図である。
【図4A】本発明の第4の別の実施形態によるトランスデューサ組立体の概略平面図である。
【図4B】本発明の第4の別の実施形態によるトランスデューサ組立体の概略平面図である。
【図4C】本発明の第4の別の実施形態によるトランスデューサ組立体の概略平面図である。
【図4D】本発明の第4の別の実施形態によるトランスデューサ組立体の概略平面図である。
【図5】本発明によるトランスデューサ組立体の製造プロセスの概略図である。
【符号の説明】
【0039】
30 撓み波ダイアフラム
38 組立体
50 振動トランスデューサ
58 基板
62 回路
63 出力増幅器
64 入力増幅器
65 データ記憶装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響装置に関し、限定ではないが特に撓み慣性振動トランスデューサ、例えば慣性圧電振動トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0002】
このような撓み慣性振動トランスデューサは、WO01/54450において説明されており、撓み共振するプレート状圧電部材を利用することができる。圧電部材の上には質量体を備えることができる。該部材との間で力が加えられることになる場所にトランスデューサを取り付けるため、通常はスタブである結合手段が設けられる。部材は自由に撓むことができるので、振動中の自己の質量の加減速に伴う慣性力を発生する。部材の撓みは、トランスデューサが励振器として働く場合には、外部信号に応答したものとことができ、或いは、トランスデューサが振動センサとして働く場合には、電気信号を発生することができる。
【0003】
引用により本明細書に組み込まれるWO03/009219では、表ページ及び裏ページを有する折り畳み部材の形態のグリーティング及び類似のカードの利用が開示されている。WO01/54450で開示された種類の撓み慣性振動トランスデューサは、小さなスタブを用いてページの1つに取り付けられ、ページを振動させるようにする。ページは、例えばWO01/54450で説明されているように、この振動を音響放射に変換するための撓み波部材として構成される。トランスデューサは、信号発生器/増幅器/バッテリユニットによって駆動され、該ユニットは、カードの折り目に隠されたスイッチによって作動され、カードを開いたときに信号発生器を起動させるようにする。
【0004】
【特許文献1】WO01/54450公報
【特許文献2】WO03/009219公報
【特許文献3】WO97/09842公報
【非特許文献1】「The A to Z of Printed and Disposable Electronics(印刷及び使い捨てエレクトロニクスの全て)」(www.idtechex.com)
【非特許文献2】「Printed Electronics(印刷エレクトロニクス)」(www.printelec.com)
【非特許文献3】「Review of Flexible Circuit Technology and Its Applications(フレキシブル回路技術の検証及びその応用)」、P McLeod; PRIME Faraday Partnership UK; 2002 (ISBN 1 84402 023−1)
【発明の開示】
【0005】
本発明によれば、基板に結合された振動トランスデューサを備えた組立体であって、該基板が、トランスデューサに電気的に接続された回路を組み込み、アクチュエータ振動を音響放射又はその逆に変換するための撓み波部材に結合されるように適合されており、基板と部材との間に撓み波を結合させることができる程十分な可撓性を有する組立体が提供される。
【0006】
このような組立体は、トランスデューサとその関連する電気回路とを単一の組立体に一体化することによって、例えば前述のWO03/009219により知られる種類の撓み波音響装置の製造を簡略化する。基板の可撓性は、組立体が撓み波部材に結合されるときに、組立体と撓み波部材との間に確実に撓み波結合が存在するようにする。その結果、基板が剛体である場合よりも、アクチュエータ振動から音響振動(又はその逆)へのより効率的な変換が可能になる。
【0007】
有利には、基板は、振動トランスデューサの機械インピーダンスと撓み波部材の機械インピーダンスとの間にある機械インピーダンスを振動トランスデューサに与えるように構成されている。振動トランスデューサの機械インピーダンスは通常、必須ではないが、撓み波部材の機械インピーダンスよりも大きくなる。このような構成は、トランスデューサと撓み波部材との間の整合を改善し、これにより出力伝達効率を向上させる。
【0008】
本明細書の文脈において、用語「トランスデューサ」は、電気エネルギを振動、変位、又は力に変換し、並びに振動、変位、又は力を電気エネルギに変換することができる電磁気装置を意味するのに用いられる。電気エネルギを音圧に変換するラウドスピーカとは区別すべきである。
【0009】
基板のヤング率は、1から16GPaの範囲、特に3から14GPaの範囲にあることができる。基板は、可撓性であるので、非自立性となる可能性がある。
【0010】
振動トランスデューサは、圧電撓みトランスデューサ、特に慣性圧電撓み振動トランスデューサとすることができる。振動トランスデューサは、該振動トランスデューサの動作周波数範囲においてモードの周波数分布を有する共振素子を含む。共振素子のパラメータは、例えば、引用により本明細書に組み込まれるWO01/54450で説明された動作周波数範囲内での素子のモード分布を高めるようなものとすることができる。トランスデューサは、プレート状とすることができ、ビーム、すなわち長方形の形状であってもよい。トランスデューサは、バイモルフ、中心ベーン若しくは基板を備えたバイモルフ、或いはユニモルフとすることができる。
【0011】
基板は、実質的に平面とすることができ、トランスデューサの振動運動に適応し、これにより全体的に組立体を小型にすることを可能にする凹部を含むことができる。凹部は、基板の両面間を延びる開口によって定めることができる。
【0012】
基板は、ブリッジ部により離隔された2つの凹部を含むことができ、振動トランスデューサがこのブリッジ部に取り付けられている。トランスデューサはまた、基板以外を通る経路を介して振動を伝達する手段を有することができる。この手段は、トランスデューサの反対側の面から基板に取り付けられた面まで突出するスタブを含むことができる。基板は、プリント回路板とことができ、更に、電源、制御回路、及びサウンドチップ又はMP3プレーヤ又は同様のものなどの半導体データストレージデバイスのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0013】
本発明はまた、このような組立体、及びアクチュエータ振動を音響放射に又はその逆に変換するために組立体に結合された撓み波部材を含む音響装置を提供する。基板は、撓み波部材に結合された第1の面とトランスデューサに結合された第2の面とを有することができる。
【0014】
撓み波部材は、グリーティング又は同様のカードのパネルのような低機械インピーダンスのパネルとすることができる。或いは、撓み波部材は、風船(又は他の膨張可能物体)、印刷物(本、案内書、時刻表、又は地図など)、包装物、及びラミネート被覆カード(例えば、トレーディングカード、クレジットカード、身分証明カード、及びスマートカードとして使用されるようなもの)など、低機械インピーダンスの材料から作られた他の用途の構成部品とすることができる。
【0015】
後者の場合において、撓み波部材は、縁部で接合された2つのシートを含むことができ、該2つのシートの間に組立体が配置される。2つのシートの一方には基板を結合することができ、当該シートの他方には、当該基板以外の経路を介して振動を伝達する手段を結合することができる。カードはまた、2つのシートの少なくとも中間領域に間隔をあける手段を含むことができる。
【0016】
包装物の1つの実施例は、広告用フィギュアのような、取り外しを可能にする穿孔縁部で形成された形状物を含むことができる。この形状物は、包装物とは別個に音を出すことになるスタンド式の新規の品目に折り畳むことができる。しかしながら、これは依然として包装物の一部である限り、その穿孔縁部は、撓み波振動を他の構造物に結合させる程十分に剛性がある。代替の包装物は、嗅覚センサ及びモーションセンサと連動して、包装物内の食品が腐敗し、包装物が手に取られて開封される場合に可聴警報を発生するトランスデューサ組立体を含むことができる。
【0017】
撓み波部材はパネル形部材とすることができる。音響装置は、共振撓み波ラウドスピーカとすることができ、トランスデューサが撓み波部材で共振撓み波モードを励振する。このようなラウドスピーカは、引用により本明細書に組み込まれる国際特許出願WO97/09842及び他の特許出願並びに公開公報において記載されており、分布モードラウドスピーカと呼ぶことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、例証として添付図面を参照しながら本発明を説明する。
【0019】
図1は、前述のWO03/009219で開示され、本発明を組み込んだ種類のグリーティングカード30の斜視図である。カードは、表ページ32及び裏ページ34を有する折り畳み部材の形態である。本発明による組立体38は、共振させて音響出力を発生するように裏ページに取り付けられている。組立体の位置は前述のWO97/09842で定義された好ましい場所にあるものとすることができる。組立体は、増幅器に加えて、バッテリと、カードを開いた時に起動させるように、カードの折り畳み部44内に隠されたスイッチ42により作動される信号発生器とを含むことができる。
【0020】
図2Aは、図1の組立体38の拡大平面図である。ビーム状圧電撓み完成振動トランスデューサ50が、例えば実質的に平面基板内、この場合ではプリント回路板58内の2つの凹部54、56間に定められたブリッジ部52に接着層又は両面テープにより実装され取り付けられる。トランスデューサは、電気コネクタ55を提供する延長部を備えて形成される。
【0021】
図2Bは、図2Aの線A−Aに沿った断面図である。プリント回路板58の片側又は面59は、アクチュエータ振動を音響放射に変換し、又はその逆を行うため撓み波部材(カード30)の表面に結合されるように適合されている。こうした結合は、例えば、61で示される接着結合又は両面接着テープによって達成することができる。基板58の反対側又は面63には、トランスデューサ50と、及び例えばコネクタ55を介してこれに電気的に結合された回路62とが実装される。
【0022】
第2のシート(後で図3に示される)はトランスデューサ及び基板を覆って取り付けることができる。トランスデューサ50がシートなどを駆動し、又はうなり音を発生するのを防ぐために、例えばいずれかの凹部54、56に隣接してスペーサ60を基板上に設けることができる。これらのスペーサは、プリント回路板材料の2つの層から構成することができ、両面テープを用いて実装することができる。
【0023】
図示の実施例において、凹部は基板の両面間に延びる開口54、56により形成されるが、凹部は必ずしも基板を貫通して延びる必要はなく、すなわち、図2Cの断面図に示されているように「ブラインド」であってもよい。
【0024】
図2Dの代替の実施形態において、2つの開口54、56は、プリント回路板の縁部に隣接して配置され、片側に開いて、片側上でのみ支持されるブリッジ部53を生じるようにされる。
【0025】
図2Eは、図2A及び2Bに示される要素の相互関係示すブロック図である。破線で示されるように、組立体38は、振動トランスデューサ50に結合され、且つトランスデューサ50に電気的に接続される回路62を組み込む基板58を含む。図示の実施例では、回路は、出力増幅器63及び入力増幅器64の両方を含む。
【0026】
出力増幅器63は、データ記憶装置65からの信号を増幅し、トランスデューサ50を駆動して基板58を介した撓み波ダイアフラム30を励振し、これにより音響放射を発生するようにする。ダイアフラムがグリーティングカードの一部を形成する場合、例えば、音響放射は、メロディー又は音声グリーティングの形態とすることができる。
【0027】
入力増幅器64は、入来音響放射により撓み波振動に励振されているダイアフラム30が振動すると、トランスデューサ50により発生される電気信号を増幅する。電気信号は、その後に音響放射を再生するために画像と共にデータ記憶装置65内に記憶される。従って、上記で与えられるグリーティングの実施例では、カードを送る人は、カード(マイクロフォンとして機能する)にメッセージを話し、その後で受け取った人がカードを開いたときにカード(ラウドスピーカとして機能する)がメッセージを再生することができる。更に回路は、特に、信号受信器、デジタルアナログ変換器、アナログデジタル変換器、センサ、触覚生成器、信号灯、嗅覚発生器、又は嗅覚センサを含むことができる。
【0028】
基板の特性に関して、通常トランスデューサは、約3〜4Ns/mmp動作出力インピーダンスを有するように設計される。しかしながら、グリーティングカード30を形成するのに通常使用される材料は、1Ns/m未満の機械インピーダンスを有する。パワー変換を効率的にするために、トランスデューサ50の出力インピーダンスは、負荷の機械インピーダンスと整合する必要がある。従って、プリント回路板58は、トランスデューサに提示される機械インピーダンス負荷を増大させ、その動作値により近づけるよう構成される。これは、例えば基板の材料及び厚みを適切に選択することによって達成することができる。
【0029】
図示の実施例では、基板は、ヤング率14GPa、厚み0.4mm、及び機械インピーダンス2.5Ns/mを有するFR4として知られたプリント回路板グレードで作られる。これにより、トランスデューサに提示される全体の機械インピーダンス負荷が約3.5Ms/mにまで増大する。基板材料のヤング率をより高い値にすることも可能であるが、16Gpaよりも値が高くなると、通常、圧電トランスデューサのヤング率に近すぎて整合することができなくなる。また、基板材料のヤング率をより低い値にすることも可能であるが、前述のWO03/009219において使用可能な種類の硬質のカードのスチフネス1GPaを下回らず、整合を可能にするために3GPa以上である可能性が高い。
【0030】
基板の厚みに関しては、有用な実施形態では100μmから2mmの範囲の厚みを有し、150μmから2mmの範囲の厚みが更に良好な整合をもたらす。
【0031】
FR4は、ガラス布に含浸させたエポキシ樹脂で作られる。ポリアミド及び他のシート又はフィルム状のポリマー並びに積層体で作られたプリンタブルエレクトロニクス用の可撓性(すなわち、1つの縁部に沿って水平方向に保持されたときに非自立性である)のプリント回路板及び基板を含む、圧縮に耐性のある他の材料も好適とすることができる。このような好適な基板は、例えば、「The A to Z of Printed and Disposable Electronics(印刷及び使い捨てエレクトロニクスの全て)」(www.idtechex.com)、「Printed Electronics(印刷エレクトロニクス)」(www.printelec.com)、及び「Review of Flexible Circuit Technology and Its Applications(フレキシブル回路技術の検証及びその応用)」、P McLeod; PRIME Faraday Partnership UK; 2002 (ISBN 1 84402 023−1)から公知である。必要な特性を有するパルプベースのカードもまた好適とすることができる。
【0032】
図3Aは、本発明の別の実施形態の平面図であり、図3B及び図3Cは、その分解図と組立図である。撓み波部材70は、縁部88で接合され、スペーサ76により中間領域82に向けて分離されて撓み慣性振動トランスデューサ78が配置されるギャップ84を生成する2つのスキン又はシート72、74から形成される。トランスデューサ78は、プリント回路板79により第1のスキン72に、及びプリント回路板に取り付けられたトランスデューサ78の反対側面85から当該面86に突出するスタブ80を用いて、中間点82で第2のスキン74に振動を伝達するように取り付けられる。
【0033】
こうした構成は薄型のものとなり、例えば新規のトレーディングカードに好適である。更に、スキンの一方へのスタブ及びプリント回路板の接続、及びスキンの他方へのスタブ接続は、両方のスキンが音響放射すること、並びに単一のカードボードスキンに比べてトランスデューサによって見たインピーダンスを増大させることを可能にする。2つのスキン間のトランスデューサの位置はまた、トランスデューサに対する保護を付加する。縁部88から中間領域90までのスキンの湾曲はまた、スチフネスを増大させ、これはまた、スキンの音響性能を向上させることができる。
【0034】
図4A及び4Bの両方は、プリント回路板102が構成要素の全て、すなわち埋め込みトランスデューサ100、増幅器112、音源114、ボタン型セル電池を収容する実施形態を示している。起動及び停止機構120が組立体に接続される。プリント回路板上の相互接続部は、銅トラック及びワイヤの組み合わせである。図4Bでは、構成要素は、トランスデューサからの電子構成部品を含むプリント回路板の領域を減結合するように配列され、これにより音響性能を向上させることができる。このような減結合は、破線121で示され、例えば基板内に形成された溝又は孔によって達成することができる。
【0035】
図4Cは、埋め込みトランスデューサ100、増幅器112、ASIC(特定用途向け集積回路)の形態の音源114、及びボタン型セル電池を組み込んだプリント回路板102を示している。集積回路は、回路板上に直接定置され、ダイの下に収められる。図4Fに示すように、組立体の厚みは、ボタン型セル電池を薄型バッテリ124と置き換えることによって更に低減することができる。
【0036】
図5は、本発明の組立体を実際にどのように製造することができるかを示している。個々の基板58は、ローラ124、126により支持されたベルト又はウェブ128により搬送される。ASIC、バッテリ、及び相互接続部を含むエレクトロニクスが、最初に、ステーション130のボードの基板上に配置(いわゆるプリンティング)され、その後、ステーション132でトランスデューサが基板上に埋め込まれる。本発明は例証として説明されているに過ぎず、本発明の範囲から逸脱することなく広範な修正を行い得る点を理解されたい。
【0037】
例えば、本発明を慣性圧電撓み振動励振器に関して説明してきたが、非慣性圧電撓みトランスデューサ及び可動コイル又は可動アーマチャ電気力学的トランスデューサにも等しく適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態の斜視図である。
【図2A】図1の実施形態のトランスデューサ組立体の平面図である。
【図2B】図2Aの線AAに沿った断面図である。
【図2C】本発明の第2の実施形態の断面図である。
【図2D】本発明の第3の実施形態の断面図である。
【図2E】本発明の要素の機能的相互関係を示すブロック図である。
【図3A】本発明の第4の実施形態の平面図である。
【図3B】本発明の第4の実施形態の分解断面図である。
【図3C】本発明の第4の実施形態の組立断面図である。
【図4A】本発明の第4の別の実施形態によるトランスデューサ組立体の概略平面図である。
【図4B】本発明の第4の別の実施形態によるトランスデューサ組立体の概略平面図である。
【図4C】本発明の第4の別の実施形態によるトランスデューサ組立体の概略平面図である。
【図4D】本発明の第4の別の実施形態によるトランスデューサ組立体の概略平面図である。
【図5】本発明によるトランスデューサ組立体の製造プロセスの概略図である。
【符号の説明】
【0039】
30 撓み波ダイアフラム
38 組立体
50 振動トランスデューサ
58 基板
62 回路
63 出力増幅器
64 入力増幅器
65 データ記憶装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に結合された振動トランスデューサを備える組立体であって、前記基板が前記トランスデューサに電気的に接続された回路を組み込んでおり、前記基板が、アクチュエータ振動を音響放射又はその逆に変換するために撓み波部材に結合されるように適合され、撓み波を前記基板と前記部材間に結合できる程十分に可撓性を有する、
ことを特徴とする組立体。
【請求項2】
前記基板が、前記振動トランスデューサの機械インピーダンスと前記撓み波部材の機械インピーダンスとの間にある機械インピーダンスを前記振動トランスデューサに提示するよう構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記振動トランスデューサの機械インピーダンスが、前記撓み波部材の機械インピーダンスよりも高い、
ことを特徴とする請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記基板が、1から16GPaの範囲のヤング率を有する、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項5】
前記基板が、3から14GPaの範囲のヤング率を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の組立体。
【請求項6】
前記基板が、非自立性である程可撓性がある、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項7】
前記振動トランスデューサが、圧電撓みトランスデューサである、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項8】
前記振動トランスデューサが、慣性圧電撓み振動トランスデューサである、
ことを特徴とする請求項7のいずれかに記載の組立体。
【請求項9】
前記慣性圧電撓み振動トランスデューサがビーム状である、
ことを特徴とする請求項7に記載の組立体。
【請求項10】
前記振動トランスデューサが、該振動トランスデューサの動作周波数範囲においてモードの周波数分布を有する共振素子を含む、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項11】
前記基板が実質的に平面である、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項12】
前記基板が前記トランスデューサの振動運動に適応するような凹部を含む、
ことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の組立体。
【請求項13】
前記凹部が基板の両面間を延びる開口により定められる、
ことを特徴とする請求項12に記載の組立体。
【請求項14】
前記基板が、ブリッジ部により離隔された2つの凹部を含み、前記振動トランスデューサが前記ブリッジ部に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の組立体。
【請求項15】
前記振動トランスデューサが、前記基板以外を通る経路を介して振動を伝達する手段を有する、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項16】
前記手段が、前記トランスデューサの相対する面から前記基板に取り付けられた面まで突出するスタブを含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の組立体。
【請求項17】
前記基板が、増幅器、電源、制御回路、及び半導体データ記憶装置の1つ又はそれ以上を含む、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項18】
前記基板がプリント回路板である、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項19】
前記請求項に記載の組立体と、アクチュエータ振動を音響放射又はその逆に変換するために前記組立体に結合された撓み波部材とを備える、
ことを特徴とする音響装置。
【請求項20】
前記基板が、前記撓み波部材に結合された第1の面と前記トランスデューサに結合された第2の面とを有する、
ことを特徴とする請求項19に記載の音響装置。
【請求項21】
前記撓み波部材が、前記振動トランスデューサよりも低い機械インピーダンスを有する、
ことを特徴とする請求項19又は20に記載の音響装置。
【請求項22】
前記撓み波部材が、パネル形部材である、
ことを特徴とする請求項19から21のいずれか1項に記載の音響装置。
【請求項23】
請求項12から22のいずれか1項に記載の音響装置を備える包装物。
【請求項24】
請求項19から22のいずれか1項に記載の音響装置を備える膨張可能装置。
【請求項25】
請求項19から22のいずれか1項に記載の音響装置を備えるグリーティング又は同様のカード。
【請求項26】
前記撓み波部材が縁部で接合された2つのシートを含み、前記組立体が該2つのシートの間に配置されている、
ことを特徴とする請求項25に記載のグリーティング又は同様のカード。
【請求項27】
請求項11に従属する場合、前記基板が前記2つのシートの一方に結合され、前記基板以外を通る経路を介して振動を伝達するための前記手段が、前記2つのシートの他方に結合されている、
請求項26に記載のグリーティング又は同様のカード。
【請求項28】
前記2つのシートの少なくとも中間領域に間隔を開ける手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項26又は27に記載のグリーティング又は同様のカード。
【請求項1】
基板に結合された振動トランスデューサを備える組立体であって、前記基板が前記トランスデューサに電気的に接続された回路を組み込んでおり、前記基板が、アクチュエータ振動を音響放射又はその逆に変換するために撓み波部材に結合されるように適合され、撓み波を前記基板と前記部材間に結合できる程十分に可撓性を有する、
ことを特徴とする組立体。
【請求項2】
前記基板が、前記振動トランスデューサの機械インピーダンスと前記撓み波部材の機械インピーダンスとの間にある機械インピーダンスを前記振動トランスデューサに提示するよう構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記振動トランスデューサの機械インピーダンスが、前記撓み波部材の機械インピーダンスよりも高い、
ことを特徴とする請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記基板が、1から16GPaの範囲のヤング率を有する、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項5】
前記基板が、3から14GPaの範囲のヤング率を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の組立体。
【請求項6】
前記基板が、非自立性である程可撓性がある、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項7】
前記振動トランスデューサが、圧電撓みトランスデューサである、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項8】
前記振動トランスデューサが、慣性圧電撓み振動トランスデューサである、
ことを特徴とする請求項7のいずれかに記載の組立体。
【請求項9】
前記慣性圧電撓み振動トランスデューサがビーム状である、
ことを特徴とする請求項7に記載の組立体。
【請求項10】
前記振動トランスデューサが、該振動トランスデューサの動作周波数範囲においてモードの周波数分布を有する共振素子を含む、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項11】
前記基板が実質的に平面である、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項12】
前記基板が前記トランスデューサの振動運動に適応するような凹部を含む、
ことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の組立体。
【請求項13】
前記凹部が基板の両面間を延びる開口により定められる、
ことを特徴とする請求項12に記載の組立体。
【請求項14】
前記基板が、ブリッジ部により離隔された2つの凹部を含み、前記振動トランスデューサが前記ブリッジ部に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の組立体。
【請求項15】
前記振動トランスデューサが、前記基板以外を通る経路を介して振動を伝達する手段を有する、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項16】
前記手段が、前記トランスデューサの相対する面から前記基板に取り付けられた面まで突出するスタブを含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の組立体。
【請求項17】
前記基板が、増幅器、電源、制御回路、及び半導体データ記憶装置の1つ又はそれ以上を含む、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項18】
前記基板がプリント回路板である、
ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の組立体。
【請求項19】
前記請求項に記載の組立体と、アクチュエータ振動を音響放射又はその逆に変換するために前記組立体に結合された撓み波部材とを備える、
ことを特徴とする音響装置。
【請求項20】
前記基板が、前記撓み波部材に結合された第1の面と前記トランスデューサに結合された第2の面とを有する、
ことを特徴とする請求項19に記載の音響装置。
【請求項21】
前記撓み波部材が、前記振動トランスデューサよりも低い機械インピーダンスを有する、
ことを特徴とする請求項19又は20に記載の音響装置。
【請求項22】
前記撓み波部材が、パネル形部材である、
ことを特徴とする請求項19から21のいずれか1項に記載の音響装置。
【請求項23】
請求項12から22のいずれか1項に記載の音響装置を備える包装物。
【請求項24】
請求項19から22のいずれか1項に記載の音響装置を備える膨張可能装置。
【請求項25】
請求項19から22のいずれか1項に記載の音響装置を備えるグリーティング又は同様のカード。
【請求項26】
前記撓み波部材が縁部で接合された2つのシートを含み、前記組立体が該2つのシートの間に配置されている、
ことを特徴とする請求項25に記載のグリーティング又は同様のカード。
【請求項27】
請求項11に従属する場合、前記基板が前記2つのシートの一方に結合され、前記基板以外を通る経路を介して振動を伝達するための前記手段が、前記2つのシートの他方に結合されている、
請求項26に記載のグリーティング又は同様のカード。
【請求項28】
前記2つのシートの少なくとも中間領域に間隔を開ける手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項26又は27に記載のグリーティング又は同様のカード。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【公表番号】特表2008−543146(P2008−543146A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512904(P2008−512904)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【国際出願番号】PCT/GB2006/001872
【国際公開番号】WO2006/125967
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507384629)ニュー トランスデューサーズ リミテッド (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【国際出願番号】PCT/GB2006/001872
【国際公開番号】WO2006/125967
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507384629)ニュー トランスデューサーズ リミテッド (11)
【Fターム(参考)】
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