説明

風車及びこれを備えた遊技機

【課題】 パチンコ機等の遊技機において、デザインを容易に変更することができる遊技機の風車を提供する。
【解決手段】 遊技盤7の遊技領域7aに打ち付けた釘27によって、風車50を回動自在に支持する。風車50は、円筒部53と円板部54と複数の羽根部55とを合成樹脂によって一体成型した風車本体51と、この円板部54に着脱自在に装着した装飾パネル52とによって構成する。装飾パネル52は、その前面58aに図柄が付されていて、周縁部の3箇所に突設された爪部(係合手段)59を円板部54の裏面側に屈曲させることで、着脱容易に装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機の遊技領域に回動自在に配設された風車、及びこれを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機において、一般に、遊技盤の遊技領域には、釘によって回動自在に支持された風車が配設されている(例えば、特許文献1)。この風車は、流下してきた遊技球が衝突することで右回転又は左回転して遊技球の流れを変更する、といった機能的な役目を果たしている。
【0003】
さらに、風車は、遊技機全体のデザインの一部を担っている。風車は、その前面が遊技者に対面していて頻繁に回転するため、遊技中の遊技者の目に入りやすい。このため、風車の前面には、遊技機全体のデザインに合わせた図柄が付されていて、遊技者の目を楽しませている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−165952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の風車は、遊技盤の遊技領域に打ち込まれた釘によって保持されているため、取り外しが困難である。このため、風車のデザインを簡単に変更することができず、遊技者が見飽きてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、前面に図柄を有する装飾パネルを、風車本体の前面に着脱自在に装着できるようにすることで、上述の課題を解決するようにした風車及びこれを備えた遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は(例えば、図1ないし図7参照)、遊技盤(7)の遊技領域(7a)に打ち込まれた釘(27)によって回動自在に支持される風車において、
前記釘(27)が内周側を軸方向に貫通する筒状部(53)と、前記筒状部(53)の一方の端面に配設された円板部(54)と、前記円板部(54)の裏面側でかつ前記筒状部(53)の外周側に放射状に配設された複数の羽根部(55)とを有する風車本体(51,62,68)と、
遊技者に対面する前面(58a,63a,69a)に図柄を有するとともに、前記円板部(54)の表面(54a)を覆うように装着される装飾パネル(52,63,69)と、を備え、
前記円板部(54)と前記装飾パネル(52,63,69)とのうちの少なくとも一方に、前記円板部(54)が前記装飾パネル(52,63,69)を着脱自在に保持するための係合手段(59,64,66,70)を設けた、
ことを特徴とする風車(50,61,67)にある。
【0008】
請求項2に係る本発明は(例えば、図4,図5参照)、前記係合手段(59)が、前記装飾パネル(52)に形成されて前記円板部(54)の周縁部に係脱可能な爪部(59)によって構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の風車(50)にある。
【0009】
請求項3に係る本発明は(例えば、図6参照)、前記係合手段(64,66)が、前記円板部(54)と前記装飾パネル(63)とのうちの一方に形成された嵌合凹部(66)と他方に形成されて前記嵌合凹部に嵌脱可能な嵌合凸部(64)とによって構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の風車(61)にある。
【0010】
請求項4に係る本発明は、前記係合手段が、前記装飾パネルの裏面に設けられて前記円板部(54)の表面(54a)に対し剥離可能に接着される粘着剤によって構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の風車にある。
【0011】
請求項5に係る本発明(例えば、図5〜図7参照)は、前記装飾パネル(52,63,69)の後面(58b)に図柄が描かれていて、前記装飾パネル(52,63,69)を表裏反転した状態で前記円板部(54)に装着可能である、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の風車(50,61,67)にある。
【0012】
請求項6に係る本発明は(例えば、図1,図2,図4〜図7参照)、遊技球を遊技盤(7)の遊技領域(7a)に打ち出して遊技を行う遊技機(1)において、
前記遊技領域(7a)に回動自在に配設された風車を備え、
前記風車が、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の風車(50,61,67)である、
ことを特徴とする遊技機(1)にある。
【0013】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によると、風車本体の円板部と、前面に図柄を有する装飾パネルとのうちの少なくとも一方に、円板部が装飾パネルを着脱自在に保持するための係合手段を設けたことにより、この係合手段を利用して、装飾パネルを円板部に対して簡単に装着し、また装飾パネルを円板部から簡単に取り外すことができる。このように、円板部に対して装飾パネルを容易に着脱することができるので、装飾パネルの前面に付された図柄を、装飾パネルごと他の図柄に容易に変更することができる。これにより遊技者が見飽きることを防止する。
【0015】
請求項2に係る本発明によると、係合手段が、装飾パネルに形成されて円板部の周縁部に係脱可能な爪部によって構成されているので、風車本体側には、特別な係合手段を設ける必要がなく、したがって従来の風車をそのまま風車本体として流用することができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によると、係合手段が、円板部と装飾パネルとのうちの一方に形成された嵌合凹部と他方に形成されて前記嵌合凹部に嵌脱可能な嵌合凸部とによって構成されているので、簡単な構成で係合手段を構成することができる。
【0017】
請求項4に係る本発明によると、前記係合手段が、装飾パネルの裏面に設けられて円板部の表面に対し剥離可能に接着される粘着剤によって構成されているので、円板部に対する装飾パネルの着脱が極めて容易である。
【0018】
請求項5に係る本発明によると、装飾パネルの前面と後面との双方に図柄が付されているので、1枚の装飾パネルをリバーシブルで使用することができる。
【0019】
請求項6に係る本発明によると、遊技機が上述の風車を備えているので、遊技機の一部としての風車のデザインを容易に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図1ないし図7に沿って説明する。図1〜図7のうち、図1は本発明に係るパチンコ機の外部構造を示す正面図、図2は本パチンコ機の外部構造を左斜め上方から見た斜視図、図3は本パチンコ機の制御系を示すブロック図、図4は遊技盤に取り付けられた状態の風車を右側方から見た図、図5は風車の分解斜視図、図6は他の風車の分解斜視図、図7はさらに別の風車の分解斜視図である。
【0021】
本パチンコ機(遊技機)1は、発射ハンドル(ハンドル装置)9の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球を遊技盤7の遊技領域7aに打ち出しつつ遊技を行うものであり、例えば始動チャッカー(抽選入賞口)45に遊技球が入賞することで、アタッカー(大入賞口)(図示せず)の開閉に関する抽選を行い、この抽選の結果が当選状態、いわゆる大当たりが発生した状態でアタッカーに入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。この大当たりには、抽選の結果に基づいて選択される「通常大当たり」や「確立変動大当たり」などの種類があり、例えば確立変動大当たりの際には、上述の始動チャッカー45に入賞した際の抽選における大当たりの確立が高くなるとともに、次に大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる。
【0022】
図1に示すように、本パチンコ機1は、開口部を有する枠体状の筐体2と、この筐体2に上下のヒンジ機構26a,26bを介して開閉可能に装着された前扉3とを備えており、前扉3の前面には、透明ガラス6を有するガラス枠5が開閉可能に取付けられている。透明ガラス6の奥側には遊技盤7が配置されており、ガラス枠5の上部における左側及び右側には、それぞれ演出用照明装置23が配置されている。前扉3の下部には、スピーカ(図示せず)を有する放音装置8が配置されている。また、ガラス枠5における中央部の右側には、前扉3を筐体2側に施錠し又は筐体2側から解放するための施錠装置4が配置されている。
【0023】
前扉3における下部中央、すなわちガラス枠5の下方中央には、遊技球の受皿13aを有する上皿ユニット13と、遊技球の受皿15aを有する下皿ユニット15とが上下二段に設けられている。上皿ユニット13における左上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口18が設けられ、また上皿ユニット13における右上部壁面には、球貸ボタン14a及びプリペイドカード返却ボタン14bが設けられている。
【0024】
球供給口18の奥側には、上段の受皿13aに遊技球が満たされている場合に溢れた遊技球を、下段の下皿ユニット15の受皿15aに開口した球排出口19へ導く導通路(図示せず)が設けられている。上段の受皿13aで溢れた遊技球は、この導通路を経由して球排出口19から下段の受皿15aに排出される。また、下皿ユニット15には、レバー20が設けられており、このレバー20をスライドすると、受皿15aの底部分にあるスライド板21が開いて、受皿15a内の遊技球が下方に排出される。
【0025】
前扉3における下皿ユニット15の右側には、遊技者の操作に基づき発射装置に指令信号を出力する発射ハンドル9と、この発射ハンドル9の奥側に、遊技球を遊技盤7の遊技領域7aに向けて打ち出す発射装置とが設けられている。なお、下皿ユニット15の左側には、灰皿24が配置されている。
【0026】
上述の遊技盤7の遊技領域7aの中央部には、遊技球ステージS及びこのステージSからの遊技球を下方の始動チャッカー(始動入賞口)45に入賞させるための球放出口12を有するセンター飾り25が配置され、センター飾り25の中央部に形成された矩形状の開口には、遊技盤7裏面側に配置された図柄表示装置28が露出している。また、センター飾り25における球放出口12のやや下方には、大当たり抽選実行の契機となり得る入球が行われる上述の始動チャッカー45が配設されている。また、遊技領域7aには、センター飾り25の左方及び右方にそれぞれ風車50が回動自在に取り付けられている。この風車は、遊技領域7aを流下してきた遊技球が当たることで左又は右回転し、遊技球の進路を変更するものである。なお、風車50については後に詳述する。遊技領域7aには、センター飾り25、始動チャッカー45、風車50の外に、多数の障害釘(図示せず)が設けられている。
【0027】
上述構成の本パチンコ機1は、上述の筐体2及び前扉3等によって遊技機本体を構成している。本パチンコ機1が、遊技状の島設備(いずれも図示せず)に、設置された状態においては、図2に示すように、遊技機本体の例えば左側に遊技球供給装置46が配設される。遊技球供給装置46は、プリペイドカード挿入口47を有しており、上述の球貸ボタン14a及びプリペイドカード返却ボタン14bの押下に応じて、遊技球を供給したり、プリペイドカード挿入口47からプリペイドカードを返却したりする。
【0028】
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図3に沿って説明する。
【0029】
本制御系は、主基板30と、この主基板30に接続されたサブ基板31とを有している。このうち主基板30は、遊技盤7の裏面側に取り付けられ、サブ基板31は、上皿ユニット13の裏面側に取り付けられている。
【0030】
主基板30は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、本パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行するマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。この主基板30は、入賞判定手段32、入賞信号出力手段33、大当たり抽選手段38、演出決定手段40、及び保留手段37を有している。
【0031】
入賞判定手段32は、発射ハンドル9の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技盤7の遊技領域7aに打ち出された遊技球が始動チャッカー45に入賞したとき、この始動チャッカー45への入賞と判定する。
【0032】
入賞信号出力手段33は、入賞判定手段32によって始動チャッカー45への入賞が判定されたとき、始動チャッカー45に入賞した旨の入賞信号を出力する。
【0033】
大当たり抽選手段38は、抽選用メモリ39を有していて、入賞信号出力手段33からの入賞信号の入力時、始動チャッカー45への入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、特殊状態とはならない通常当たり、及び外れのうちのいずれか一に当選するように、抽選用メモリ39から当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。
【0034】
抽選用メモリ39は、予め設定された確変当たり当選乱数値及び通常当たり当選乱数値を有する当たり判定テーブルを格納している。
【0035】
演出決定手段40は、演出抽選手段41、演出抽選決定手段42、及び演出用メモリ43を有しており、演出抽選決定手段42から出力される変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、このオンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットする。
【0036】
演出抽選手段41は、大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定すべく、演出用メモリ43に格納された演出乱数値に基づいて演出の抽選を実行する。なお、上述の「大当たり有効ライン」は、大当りを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。演出抽選手段41は、また大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、変動の結果、通常当たりに対応する「222」、「444」や「888」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定すべく、演出乱数値に基づいて演出の抽選を実行する。演出抽選手段41は、また大当たり抽選で外れた場合、変動の結果、外れに対応する「252」、「464」や「838」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定すべく、演出の抽選を実行する。
【0037】
また演出抽選手段41は、大当たり抽選での当選結果や外れ結果に応じた変動パターンコマンドの出力に先だって、いわゆるスーパーリーチの発生が確定するリーチ予告のコマンドをこの変動パターンコマンドとともに出力するか否かを、演出用メモリ43からリーチ予告当選乱数値を取得してリーチ予告抽選を行う。演出抽選手段41は、さらにリーチ予告抽選で当選した場合、演出用メモリ43に格納された演出乱数値に基づいて、上述のリーチ予告抽選で当選したリーチ予告として実行されるべき予告パターンを抽選する。
【0038】
演出抽選決定手段42は、演出抽選手段41での抽選で決定された予告パターンに対応するリーチ予告コマンドを、演出抽選手段41での抽選で決定された演出に係る変動パターンコマンド変動パターンコマンドとともに出力する。
【0039】
演出用メモリ43は、図柄表示装置28の液晶パネル(表示パネル)28a上で所要の演出表示を行い得るように予め設定された複数の変動パターンのデータと、確変当たり時の変動パターン、通常当たり時の変動パターン、及び大当たり外れ時の変動パターンにそれぞれ対応するように予め設定された演出乱数値とを格納している。演出用メモリ43は、さらにリーチ予告の予告パターンに対応するように予め設定された演出乱数値を格納するとともに、予め設定されたリーチ予告当選乱数値を有するリーチ予告判定テーブルを格納している。
【0040】
保留手段37は、演出抽選決定手段42から出力された変動パターンコマンドを入力し、始動チャッカー45への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。この記憶状況は、遊技領域7a内に備えた保留球表示部(図示せず)に、例えば最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段37は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー45への入賞にかかわらず大当たり抽選は行わない。
【0041】
そして保留手段37は、保留(記憶)している変動パターンコマンドを順次演出制御手段34に送信し、この送信した変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)とともに、このオンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段37は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、大当たり抽選手段38で行われる始動チャッカー45への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
【0042】
なお、本実施形態では、保留球に対応して点灯表示される保留球数を最大4個として説明するが、この保留球数は、適宜、例えば3個以下、又は5個以上とすることが可能である。また、保留球数を点灯表示する上述の保留球表示部は、例えば、センター飾り25の一部や、図柄表示装置28の表示画面内に設けることができる。
【0043】
またサブ基板31は、演出制御手段34を有しており、サブ基板31には、放音装置8及び演出用照明装置23が接続されるとともに、液晶制御基板35を介して液晶パネル28aが接続されている。このサブ基板31は、主基板30中の上述のマイクロプロセッサから供給される演出制御信号に従って、実装された電気回路からなる上述の演出制御手段34が、放音装置8及び演出用照明装置23を適時駆動し、また液晶制御基板35を介して液晶パネル28aを適時駆動して、遊技者の視覚及び聴覚に訴える演出表示を行う。
【0044】
放音装置8、演出用照明装置23、及び液晶パネル28aは、上述したように演出制御手段34による制御に応答して、通常時の演出や大当り時における特別な演出を、音や光及び画像表示等によって行う。
【0045】
ここで演出制御手段34は、より詳細には、図柄表示装置28を制御して種々の遊技状況に応じた図柄を表示させる手段であり、所定条件の成立を契機として、いわゆるスーパーリーチの発生が確定するリーチ予告を図柄表示装置28の表示領域に表示する。ここで、上述の「所定条件の成立」とは、入賞信号出力手段33からの入賞信号を大当たり抽選手段38が受けこれに基づく抽選を行った結果出力された変動パターンコマンドとリーチ予告コマンドとを演出制御手段34が受け取った状況の成立を意味する。
【0046】
ついで、本パチンコ機1による作用について説明する。すなわち、本パチンコ機1に対して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作すると、発射装置(図示せず)の作動によって遊技球が所定の時間間隔で遊技領域7aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域7aに放出された多数の遊技球は、始動チャッカー45等に入賞し、あるいはこれらに関与せず転動落下して遊技領域最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤7背面側に排出される。
【0047】
そして、始動チャッカー45に入賞した場合、入賞判定手段32がこの入賞を判定し、かつ入賞信号出力手段33が入賞信号を出力する。この際、保留手段37は、保留球Hが0<H<5であるか否かを常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときには、保留している変動パターンコマンドを順次、演出制御手段34に送信し、図柄変動禁止フラグをオンするとともに、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段37は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、大当たり抽選手段38で行われる始動チャッカー45への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
【0048】
一方、保留手段37による上述の処理と並行して、主基板30では、以下のような処理が進行している。すなわち、保留手段37は、前回の変動パターンコマンド送信時にセットされた図柄変動タイマが解除されたか否か(つまり、次の図柄変動を許可できるか否か)を判定し、その結果、解除されていれば、大当たり抽選手段38が、入賞信号出力手段33からの入賞信号に応答して、抽選用メモリ39の当たり判定テーブルから当たり当選乱数値を読み込み、この当たり当選乱数値と、入力した上述の入賞信号に対応する乱数値とに基づいて大当たり抽選を行う。
【0049】
そして、大当たり抽選手段38は、大当たり抽選で当選した場合、当たりフラグをオンし、さらに演出抽選手段41及び演出抽選決定手段42が、演出用メモリ43に格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
【0050】
これにより、図柄表示装置28に表示される当たり図柄がセットされ、演出抽選決定手段42は、その旨の変動パターンコマンドを出力し、演出決定手段40が、この変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、このオンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットする。そして、保留手段37は、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
【0051】
一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリ43に格納された演出乱数値に基づく抽選で、外れに対応する図柄が、変動の結果、最終的に揃う変動パターンを決定し、その旨の変動パターンコマンドを出力する。これにより、図柄表示装置28に表示される外れ図柄がセットされ、演出決定手段40は、その旨の変動パターンコマンドを演出抽選決定手段42から出力するとともに、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
【0052】
上述のように演出抽選決定手段42から確変当たり、通常当たり又は外れに対応する変動パターンコマンドが出力され、保留手段37を介して演出制御手段34が当該変動パターンコマンドを受け取った際、演出制御手段34は、液晶制御基板35を介して液晶パネル28aを駆動し、確変当たりに対応する「111」等の図柄がその変動の結果、大当たり有効ライン上で最終的に揃う変動パターンを演出表示させ、又は通常当たりに対応する「222」等の図柄がその変動の結果、大当たり有効ライン上で最終的に揃う変動パターンを演出表示する。あるいは、演出制御手段34は、外れに対応する「252」等の図柄がその変動の結果、大当たり有効ライン上で最終的に揃う変動パターンを演出表示する。
【0053】
次に、図4,図5を参照して、本発明を適用することができる風車50について詳述する。このうち、図4,図5は、前述のように、それぞれ取り付け状態の風車50に右側面図、右斜め上方から見た分解斜視図である。
【0054】
図4,図5に示すように、風車50は、上述のパチンコ機1の遊技盤7の遊技領域7aに打ち込まれた釘27によって回動自在に支持されている。つまり右回転及び左回転のいずれにも回転自在に支持されている。
【0055】
風車50は、風車本体51と、この風車本体51に対して装着された着脱自在の装飾パネル52とを備えている。
【0056】
このうち風車本体51は、円筒状の筒状部53と円板部54と複数の羽根部55とが一体となって構成されている。筒状部53の中心には、軸方向に貫通された透孔56が穿設されている。この透孔56は、その直径がピン27の直径よりもわずかに大きく、またピン7の頭部27aの直径よりも小さく設定されている。円板部54は、上述の筒状部53の2つの端面のうちの、遊技盤7から遠い側の端面に配設されていて、その直径は、筒状部53の外径よりも大きく設定されている。円板部54の中心には、上述の筒状部53の透孔56と同径の透孔57が穿設されている。羽根部55は、円板部54の裏面側(遊技盤7側)でかつ筒状部53の外周側に複数のものが放射状に配設されている。本実施形態では、3枚の羽根部55が放射状に配置されている。風車本体51全体は、例えば、合成樹脂を一体成型することによって構成することができる。
【0057】
このような構成の風車本体51全体は、上述の釘27によって回動自在に支持されている。釘27は、円板部54の透孔57及び筒状部53の透孔56に、円板部54側から挿入されて、先端部が遊技盤7に打ち込まれ、頭部27aが抜け止めとして作用する。
【0058】
装飾パネル52は、円板部54の表面54a(遊技者に対面する側の面)を覆うように装着される。装飾パネル52は、円板部54とほぼ同形の薄板状のパネル本体58と、このパネル本体58の周縁部に突設された爪部(係合手段)59を有している。ここでパネル本体58の表裏両面のうち、遊技者に対面する側の面を前面58a(装飾パネル52の前面と同じ)とし、これとは反対の面を裏面58bとすると、本実施形態では、パネル本体58の前面58aには、装飾用の図柄が付されている。この図柄としては、例えば、遊技機1全体の装飾(デザイン)と統一のとれたものが好ましい。また、パネル本体58の中央には、釘27の頭部27aよりも大きい透孔60が穿設されている。
【0059】
爪部59は、パネル本体58の周縁部を3等分する位置に、放射方向に突設されている。これら爪部59は、風車本体51の円板部54の表面54aにパネル本体58の裏面58bを接触させた状態で、円板部54の裏面側に屈曲させることで、円板部54の周縁部に係合させる。これにより、パネル本体58を円板部54に取り付けることができる。
【0060】
ここで、例えば、パネル本体58と3つの爪部59を有する装飾パネル58全体を薄い金属板によって構成すれば、爪部59を屈曲させたり、屈曲させたものを元に引き延ばしたりすることが可能である。したがって、風車本体51の円板部54に対して装飾パネル52を簡単に着脱することができる。すなわち、現在使用中の装飾パネル52を風車本体51から取り外して、この風車本体51に異なる図柄を有する別の装飾パネル52を簡単に取り付け、デザインを変更することができる。
【0061】
以上説明した例は、円板部54が装飾パネル52を着脱自在に保持するための係合手段として、装飾パネル52側にのみ爪部59を設けたものである。
【0062】
以下、図6,図7を参照して、係合手段の外の例を説明する。
【0063】
図6に、本発明を適用することができる他の風車61を示す。同図に示す風車61は、風車本体62と、この風車本体62に対して着脱自在に装着される装飾パネル63とを有している。風車本体62は、図5に示す風車本体51と同様の筒状部53と円板部54と複数の羽根部55とが一体に形成されている。さらに、図6に示す風車本体62では、円板部54の表面54aに、嵌合凸部64が3箇所に突設されている。一方、装飾パネル63には、その中央部に上述の釘27(図5参照)の頭部27aよりも大きい透孔65が穿設されている外に、上述の風車本体62側の嵌合凸部64に対応する位置に、嵌合凹部66が穿設されている。また、装飾パネル63の前面には、図柄が付されている。本例では、風車本体62側の嵌合凸部64と、装飾パネル63a側の嵌合凹部66とによって係合手段が構成されている。そして、風車本体62に対して装飾パネル63を装着する際には、それそれの嵌合凸部64にそれぞれの嵌合凹部66を嵌合させることにより行う。このときの嵌合状態は、積極的な嵌合動作及び嵌合解除動作に対しては、適宜な力で着脱を行うことができ、かつ装着後には容易には脱落しない程度のものとする。なお、本例においては、嵌合凸部と嵌合凹部とを逆に、すなわち風車本体62側に嵌合凹部を形成し、装飾パネル63側に嵌合凸部を形成するようにしてもよい。なお、図6に示す例では、風車本体62は合成樹脂、また装飾パネル63は金属板又は合成樹脂板で形成することができる。
【0064】
図7に、本発明を適用することができるさらに別の風車67を示す。同図に示す風車67は、風車本体68と、この風車本体68に対して着脱自在に装着される装飾パネル69とを有している。風車本体68は、図5に示す風車本体51と同様の筒状部53と円板部54と複数の羽根部55とが一体に形成されている。さらに、図7に示す風車本体68では、円板部54の表面54aの周縁部の3箇所に係合手段としてのフック70が設けられている。これらフック70は、中心側に向けて屈曲された爪70aを有している。この爪70によって、装飾パネル69の周縁部69aを係脱可能に保持するのである。本例は、風車本体68側にのみ係合手段としてのフック70を設けたものであり、装飾パネル69側には、特別な係合手段を設ける必要がなく、構成が簡略化できる。なお、図7に示す例では、風車本体68は合成樹脂、また装飾パネル69は金属板又は合成樹脂板で形成することができる。
【0065】
以上、図5〜図7で説明した例において、それぞれの装飾パネル52,63,69の裏面側にも図柄を付すようにしてもよい。この場合には、1枚の装飾パネル52,63,69をリバーシブルで使用することができる。
【0066】
以上説明した例のほかの、風車本体に対して装飾パネルを着脱自在に装着するための係合手段として、例えば装飾パネルの裏面に、風車本体に対して剥離可能な粘着剤を塗布するようにしてもよい。
【0067】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の風車及び遊技機は、上述の実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上述の実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態におけるパチンコ機の外部構造を左斜め上方から見た斜視図である。
【図3】本実施形態におけるパチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【図4】遊技盤に取り付けられた状態の風車を右側方から見た図である。
【図5】風車の分解斜視図である。
【図6】他の風車の分解斜視図である。
【図7】さらに別の風車の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1…遊技機(パチンコ機)
2…遊技機本体(筐体)
3…遊技機本体(前扉)
7…遊技盤
7a…遊技領域
27…釘
50,61,67…風車
51,62,68…風車本体
52,63,69…装飾パネル
53…筒状部
54…円板部
54a…円板部の表面
55…羽根部
58a,63a,69a…装飾パネルの前面
59…係合手段(爪部)
64…係合手段(嵌合凸部)
66…係合手段(嵌合凹部)
70…係合手段(フック)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の遊技領域に打ち込まれた釘によって回動自在に支持される風車において、
前記釘が内周側を軸方向に貫通する筒状部と、前記筒状部の一方の端面に配設された円板部と、前記円板部の裏面側でかつ前記筒状部の外周側に放射状に配設された複数の羽根部とを有する風車本体と、
遊技者に対面する前面に図柄を有するとともに、前記円板部の表面を覆うように装着される装飾パネルと、を備え、
前記円板部と前記装飾パネルとのうちの少なくとも一方に、前記円板部が前記装飾パネルを着脱自在に保持するための係合手段を設けた、
ことを特徴とする風車。
【請求項2】
前記係合手段が、前記装飾パネルに形成されて前記円板部の周縁部に係脱可能な爪部によって構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の風車。
【請求項3】
前記係合手段が、前記円板部と前記装飾パネルとのうちの一方に形成された嵌合凹部と他方に形成されて前記嵌合凹部に嵌脱可能な嵌合凸部とによって構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の風車。
【請求項4】
前記係合手段が、前記装飾パネルの裏面に設けられて前記円板部の表面に対し剥離可能に接着される粘着剤によって構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の風車。
【請求項5】
前記装飾パネルの後面に図柄が描かれていて、前記装飾パネルを表裏反転した状態で前記円板部に装着可能である、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の風車。
【請求項6】
遊技球を遊技盤の遊技領域に打ち出して遊技を行う遊技機において、
前記遊技領域に回動自在に配設された風車を備え、
前記風車が、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の風車である、
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−296585(P2006−296585A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120247(P2005−120247)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】