説明

飛灰処理用薬液供給方法及び飛灰処理用薬液供給装置

【課題】飛灰処理用の薬液が高粘性の薬液であっても、その高粘性薬液の流量を知るのに、フロート式流量計を使用できるようすること。
【解決手段】混練機4により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機4に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給方法において、混練機4に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽101、混練機4に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽102、及び混練機4に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽103を設け、第1の薬液貯槽101から送出され、第1のフロート式流量計106を通した第1の薬液と、第2の薬液貯槽102から送出される高粘性薬液とを合流させて、混練機4に連絡する管路L101に設けられた第2のフロート式流量計108へ導くようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液(液状薬剤)とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給方法及び飛灰処理用薬液供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ごみ焼却施設でごみの焼却に伴って発生する排ガス中には飛灰が含まれている。この排ガス中から分離された飛灰は、最終的には埋め立て処理される。しかし飛灰が重金属類(鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、砒素、及びセレンなど)を含有する場合には、飛灰を埋め立てた後に雨水などで重金属類が溶出するおそれがあるため、これらの重金属が溶出しないように、飛灰処理用の薬液によって飛灰を前もって処理して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物とする必要がある。なお、飛灰は、ごみ焼却施設の廃熱ボイラ、ガス冷却室(減温塔)などで捕集された「ばいじん」、及び集じん灰(集じん施設(バクフィルタなど)によって捕集された「ばいじん」)を総称したものである。
【0003】
そのため、ごみ焼却施設には、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練することにより、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成する飛灰処理設備が備えられている。
【0004】
この飛灰処理設備における飛灰処理用薬液供給装置では、混練機に例えば2種類の薬液を供給可能な装置の場合、飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽と、飛灰処理用の第2の薬液を貯留する第2の薬液貯槽とが備えられている。そして、第1のフロート式流量計を有して前記第1の薬液貯槽から混練機に連絡する第1の管路により、混練機に第1の薬液を供給するとともに、前記第1のフロート式流量計によって第1の薬液の供給流量を測定するようにしている。また、第2のフロート式流量計を有して前記第2の薬液貯槽から前記混練機に連絡する第2の管路により、前記混練機に第2の薬液を供給するとともに、前記第2のフロート式流量計によって第2の薬液の供給流量を測定するようにしている。
【0005】
このように、飛灰処理用薬液供給装置では、薬液の供給流量の測定に、フロート式流量計が使用されている。図4はフロート式流量計を説明のために示すその正面図である。
【0006】
フロート式流量計50は、図4に示すように、テーパー管51内にフロート52を配置し、下方から上方に流体、この場合薬液を流すことにより、薬液の流速によってフロート52の上昇位置が異なることを利用して、薬液の流量を測定するものである。
【0007】
詳しくは、テーパー管51は、鉛直に延びて上方に行くにしたがって直径が若干ではあるが漸次増大された逆円錐台筒形状をなしており、透明あるいは半透明材料、例えばガラスあるいは適宜の合成樹脂からなっている。このテーパー管51内にはその中心を鉛直方向(上下方向)に延びる案内ロッド53が配設されており、この案内ロッド53には、案内ロッド53に沿って鉛直方向に昇降自在にフロート52が装着されている。フロート52は、上方に向かって直径が若干ではあるが漸次増大された逆円錐台形状である。また、テーパー管51の外周面には流量を示す目盛り部54が付されている。そして、薬液貯槽から混練機に連絡する管路に対して、テーパー管51の下端部側が上流側接続部55となされ、テーパー管51の上端部側が下流側接続部56となされている。
【0008】
このフロート式流量計は、使い易く故障がなく安価であるという利点をあることから、飛灰処理用薬液供給装置では、汎用的に広く使用されている。
【0009】
ところが、飛灰処理用の薬液として、液体キレート剤などの一般に広く使用されている薬液の粘度は、10mPa・s以下程度の範囲であるが、粘度が100mPa・s以上のような高粘性の薬液を使用する場合には、フロート式流量計では、高粘性のため、テーパー管底部近傍の内周面にフロートがくっつくこととなって、フロートがスムーズに動かず、前記のような利点を持つフロート式流量計が使用できないという心配がある。
【0010】
【特許文献1】特開2005−52776号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明の課題は、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給するに際し、飛灰処理用の薬液が高粘性の薬液であっても、その高粘性薬液の流量を知るのに、フロート式流量計を使用できるようにした、飛灰処理用薬液供給方法及び飛灰処理用薬液供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
請求項1の発明は、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給方法において、前記混練機に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽、前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽、及び前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽を設け、前記第1の薬液貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した第1の薬液と、前記第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くようにすることを特徴とする飛灰処理用薬液供給方法である。
【0014】
請求項2の発明は、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給方法において、前記混練機に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽、前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽、及び前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽を設け、前記希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、前記第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くようにすることを特徴とする飛灰処理用薬液供給方法である。
【0015】
請求項3の発明は、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給方法において、前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽、及び前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する薬液貯槽を設け、前記希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、前記薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くようにすることを特徴とする飛灰処理用薬液供給方法である。
【0016】
請求項4の発明は、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給装置において、前記混練機に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽、前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽、及び前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽を備え、前記第1の薬液貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した第1の薬液と、前記第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くように構成していることを特徴とする飛灰処理用薬液供給装置である。
【0017】
請求項5の発明は、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給装置において、前記混練機に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽、前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽、及び前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽を備え、前記希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、前記第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くように構成していることを特徴とする飛灰処理用薬液供給装置である。
【0018】
請求項6の発明は、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給装置において、前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽、及び前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する薬液貯槽を備え、前記希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、前記薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くように構成していることを特徴とする飛灰処理用薬液供給装置である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の飛灰処理用薬液供給方法又は請求項3の飛灰処理用薬液供給装置は、第1の薬液貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した第1の薬液と、第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くようにしている。
【0020】
したがって、第2のフロート式流量計には、第1の薬液と高粘性薬液とが合流した混合薬液であって、第1の薬液との合流によって前記高粘性薬液よりも粘性を低下させた混合薬液が導入されるので、第2のフロート式流量計では、フロートがテーパー管底部近傍の内周面にくっつくことなくスムーズに動く。よって、第2のフロート式流量計の測定値(目盛り値)Stから、第1のフロート式流量計によって測定された第1の薬液の流量S1を差し引くことで、第2の薬液貯槽からの高粘性薬液の流量S2を知ることができて、飛灰処理用の薬液が高粘性の薬液であっても、その高粘性薬液の流量S2を知るのに、使い易く故障がなく安価という利点を持つフロート式流量計を使用することができる。
【0021】
請求項2の飛灰処理用薬液供給方法又は請求項5の飛灰処理用薬液供給装置は、希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くようにしている。
【0022】
したがって、第2のフロート式流量計には、希釈水と高粘性薬液とが合流した混合薬液であって、希釈水との合流によって前記高粘性薬液よりも粘性が低下した薬液が導入されるので、第2のフロート式流量計では、フロートがテーパー管底部近傍の内周面にくっつくことなくスムーズに動く。よって、第2のフロート式流量計の測定値(目盛り値)St’から、第1のフロート式流量計によって測定された希釈水の流量S1’の値を差し引くことで、第2の薬液貯槽からの高粘性薬液の流量S2’を知ることができて、飛灰処理用の薬液が高粘性の薬液であっても、その高粘性薬液の流量S2’を知るのに、使い易く故障がなく安価という利点を持つフロート式流量計を使用することができる。
【0023】
請求項3の飛灰処理用薬液供給方法又は請求項6の飛灰処理用薬液供給装置は、希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くようにしている。
【0024】
したがって、第2のフロート式流量計には、希釈水と高粘性薬液とが合流した混合薬液であって、希釈水との合流によって前記高粘性薬液よりも粘性が低下した薬液が導入されるので、第2のフロート式流量計では、フロートがテーパー管底部近傍の内周面にくっつくことなくスムーズに動く。よって、第2のフロート式流量計の測定値(目盛り値)St”から、第1のフロート式流量計によって測定された希釈水の流量S1”の値を差し引くことで、薬液貯槽からの高粘性薬液の流量S2”を知ることができて、飛灰処理用の薬液が高粘性の薬液であっても、その高粘性薬液の流量S2”を知るのに、使い易く故障がなく安価という利点を持つフロート式流量計を使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による飛灰処理用薬液供給装置を示す概略構成図である。
【0026】
ごみ焼却施設には、混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練することにより、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成する飛灰処理設備が備えられており、飛灰処理用薬液供給装置は、この飛灰処理設備を構成する装置のひとつである。
【0027】
図1において、1は飛灰貯留槽であり、2は飛灰搬送コンベヤであって、ごみ焼却施設における廃熱ボイラ、ガス冷却室(減温塔)及びバクフィルタなどで捕集された飛灰を前記飛灰貯留槽1へ搬送する。3は飛灰貯留槽1からの飛灰の定量切り出し、定量供給を行う飛灰定量供給装置としてのテーブルフィーダであり、4はテーブルフィーダ3によって飛灰が定量供給され、飛灰と飛灰処理用の薬液とを希釈水とともに混練する混練機である。5は搬出コンベヤ、6はこの例では飛灰処理物ピットである。混練後の飛灰処理物は、飛灰処理物ピット6での固着防止のため搬出コンベヤ5上で自然養生された後に、飛灰処理物ピット6に貯留されるようになっている。
【0028】
次に、飛灰処理用薬液供給装置100について説明する。
【0029】
図1において、101は混練機4に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽、102は混練機4に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽、103は混練機4に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽である。第1の薬液貯槽101には、代表的な飛灰処理用薬液である液体キレート剤(粘度:10mPa・s at25℃)が貯留され、第2の薬液貯槽102には、例えばスラリー状薬液で粘度が100〜1000mPa・s(at25℃)の高粘性の薬液が貯留される。
【0030】
そして、この実施形態では第1の薬液貯槽101から混練機4に管路(供給ライン)L101が連絡し、この管路L101には、上流側から順に、ポンプ104、開閉弁105、第1のフロート式流量計106、逆止弁107、第2のフロート式流量計108及び逆止弁109が設けられている。また、第2の薬液貯槽102から管路L102が前記管路L101における逆止弁107と第2のフロート式流量計108との間に連絡し、この管路L102には上流側から順に、ポンプ110と開閉弁111が設けられている。
【0031】
また、希釈水貯槽103から混練機4に管路L103が連絡し、この管路L101には、上流側から順に、ポンプ112、開閉弁113、フロート式流量計114及び逆止弁115が設けられている。
【0032】
このように、この実施形態の飛灰処理用薬液供給装置100は、第1の薬液貯槽101から送出され、第1のフロート式流量計106を通した第1の薬液と、第2の薬液貯槽102から送出される高粘性薬液とを合流させて、混練機4に連絡する管路L101に設けられた第2のフロート式流量計108へ導くように構成されている。
【0033】
したがって、第2のフロート式流量計108には、第1の薬液と第2の薬液貯槽102からの高粘性薬液とが合流した混合薬液であって、第1の薬液との合流によって前記高粘性薬液よりも粘性を低下させた混合薬液が導入されるので、第2のフロート式流量計108では、フロートがテーパー管底部近傍の内周面にくっつくことなくスムーズに動く。よって、第2のフロート式流量計108の測定値(目盛り値)Stから、第1のフロート式流量計106によって測定された第1の薬液の流量S1を差し引くことで、第2の薬液貯槽102からの高粘性薬液の流量S2を知ることができて、飛灰処理用の薬液が高粘性の薬液であっても、その高粘性薬液の流量S2を知るのに、使い易く故障がなく安価という利点を持つフロート式流量計108,106を使用することができる。
【0034】
図2は本発明の他の実施形態による飛灰処理用薬液供給装置を示す概略構成図である。
【0035】
図2に示すように、この実施形態では希釈水貯槽203から混練機4に管路L201が連絡し、この管路L201には、上流側から順に、ポンプ204、開閉弁205、第1のフロート式流量計206、逆止弁207、第2のフロート式流量計208及び逆止弁209が設けられている。また、第2の薬液貯槽202から管路L202が前記管路L201における逆止弁207と第2のフロート式流量計208との間に連絡し、この管路L202には上流側から順に、ポンプ210と開閉弁211が設けられている。
【0036】
また、第1の薬液貯槽201から混練機4に管路L203が連絡し、この管路L203には、上流側から順に、ポンプ212、開閉弁213、フロート式流量計214及び逆止弁215が設けられている。
【0037】
このように、この実施形態の飛灰処理用薬液供給装置200は、希釈水貯槽203から送出され、第1のフロート式流量計206を通した希釈水と、第2の薬液貯槽202から送出される高粘性薬液とを合流させて、混練機4に連絡する管路L201に設けられた第2のフロート式流量計208へ導くように構成されている。
【0038】
したがって、第2のフロート式流量計208には、希釈水と第2の薬液貯槽202からの高粘性薬液とが合流した混合薬液であって、希釈水との合流によって前記高粘性薬液よりも粘性が低下した薬液が導入されるので、第2のフロート式流量計208では、フロートがテーパー管底部近傍の内周面にくっつくことなくスムーズに動く。よって、第2のフロート式流量計208の測定値(目盛り値)St’から、第1のフロート式流量計206によって測定された希釈水の流量S1’の値を差し引くことで、第2の薬液貯槽202からの高粘性薬液の流量S2’を知ることができて、飛灰処理用の薬液が高粘性の薬液であっても、その高粘性薬液の流量S2’を知るのに、使い易く故障がなく安価という利点を持つフロート式流量計208,206を使用することができる。
【0039】
図3は本発明の他の実施形態による飛灰処理用薬液供給装置を示す概略構成図である。
【0040】
図3に示すように、この実施形態では希釈水貯槽302から混練機4に管路L301が連絡し、この管路L301には、上流側から順に、ポンプ303、開閉弁304、第1のフロート式流量計305、逆止弁306、第2のフロート式流量計307及び逆止弁308が設けられている。また、薬液貯槽301から管路L302が前記管路L301における逆止弁306と第2のフロート式流量計307との間に連絡し、この管路L302には上流側から順に、ポンプ309と開閉弁310が設けられている。
【0041】
このように、この実施形態の飛灰処理用薬液供給装置300は、希釈水貯槽か302ら送出され、第1のフロート式流量計305を通した希釈水と、薬液貯槽301から送出される高粘性薬液とを合流させて、混練機4に連絡する管路L301に設けられた第2のフロート式流量計307へ導くようにしている。
【0042】
したがって、第2のフロート式流量計307には、希釈水と薬液貯槽301からの高粘性薬液とが合流した混合薬液であって、希釈水との合流によって前記高粘性薬液よりも粘性が低下した薬液が導入されるので、第2のフロート式流量計307では、フロートがテーパー管底部近傍の内周面にくっつくことなくスムーズに動く。よって、第2のフロート式流量計307の測定値(目盛り値)St”から、第1のフロート式流量計305によって測定された希釈水の流量S1”の値を差し引くことで、薬液貯槽301からの高粘性薬液の流量S2”を知ることができて、飛灰処理用の薬液が高粘性の薬液であっても、その高粘性薬液の流量S2”を知るのに、使い易く故障がなく安価という利点を持つフロート式流量計307,305を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態による飛灰処理用薬液供給装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の他の実施形態による飛灰処理用薬液供給装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の他の実施形態による飛灰処理用薬液供給装置を示す概略構成図である。
【図4】フロート式流量計を説明のために示すその正面図である。
【符号の説明】
【0044】
1…飛灰貯留槽
4…混練機
101…第1の薬液貯槽
102…第2の薬液貯槽
103…希釈水貯槽
104,110,112…ポンプ
106…第1のフロート式流量計
108…第2のフロート式流量計
114…フロート式流量計
L101,L102,L103…管路
201…第1の薬液貯槽
202…第2の薬液貯槽
203…希釈水貯槽
204,210,212…ポンプ
206…第1のフロート式流量計
208…第2のフロート式流量計
214…フロート式流量計
L201,L202,L203…管路
301…薬液貯槽
302…希釈水貯槽
303,309…ポンプ
305…第1のフロート式流量計
307…第2のフロート式流量計
L301,L302…管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給方法において、
前記混練機に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽、前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽、及び前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽を設け、前記第1の薬液貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した第1の薬液と、前記第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くようにすることを特徴とする飛灰処理用薬液供給方法。
【請求項2】
混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給方法において、
前記混練機に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽、前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽、及び前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽を設け、前記希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、前記第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くようにすることを特徴とする飛灰処理用薬液供給方法。
【請求項3】
混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給方法において、
前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽、及び前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する薬液貯槽を設け、前記希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、前記薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くようにすることを特徴とする飛灰処理用薬液供給方法。
【請求項4】
混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給装置において、
前記混練機に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽、前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽、及び前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽を備え、前記第1の薬液貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した第1の薬液と、前記第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くように構成していることを特徴とする飛灰処理用薬液供給装置。
【請求項5】
混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給装置において、
前記混練機に供給する飛灰処理用の第1の薬液を貯留する第1の薬液貯槽、前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する第2の薬液貯槽、及び前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽を備え、前記希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、前記第2の薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くように構成していることを特徴とする飛灰処理用薬液供給装置。
【請求項6】
混練機により飛灰と飛灰処理用の薬液とを混練して、飛灰中の重金属類の溶出防止がなされた飛灰処理物を生成するために前記混練機に飛灰処理用の薬液を供給する飛灰処理用薬液供給装置において、
前記混練機に供給する希釈水を貯留する希釈水貯槽、及び前記混練機に供給する飛灰処理用の高粘性薬液を貯留する薬液貯槽を備え、前記希釈水貯槽から送出され、第1のフロート式流量計を通した希釈水と、前記薬液貯槽から送出される高粘性薬液とを合流させて、前記混練機に連絡する管路に設けられた第2のフロート式流量計へ導くように構成していることを特徴とする飛灰処理用薬液供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−272547(P2008−272547A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222508(P2006−222508)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】