説明

食器手洗い用液体洗剤組成物

優れたグリース洗浄及び光沢をもたらすための、キレート剤及び分枝状界面活性剤を含む食器手洗い用洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた清浄及び光沢をもたらすための、キレート剤と、少なくとも10%の平均分枝を有する界面活性剤と、を含む食器手洗い用液体組成物、及びかかる洗剤組成物を用いた食器洗浄法に関する。
【背景技術】
【0002】
グリース洗浄の最適化は、食器手洗い分野の継続中の課題である。軽質の食器用液体洗剤組成物として液体洗剤を利用する消費者は、グラス及び平皿のようなより洗浄しやすいものを洗浄した後、洗い物の最後に油っぽく洗浄しにくいものを洗う傾向がある。軽質の食器用液体洗剤組成物は、グリース洗浄をもたらしながら、高い起泡特性が必要とされる。
【0003】
水で薄めない及び水で薄めた使用法でのグリース洗浄及び泡立ちを確実にするために、最小限の界面活性剤が必要である。しかしながら、界面活性剤は、目で確認できる膜を残し、すすいだ食器の表面上に筋や斑点をもたらす可能性がある。しかしながら、光沢もまた、消費者にとっての重要な利益である。驚くべきことに、キレート剤と、総界面活性剤ベースの平均アルキル鎖分枝が少なくとも10%であるように考案された界面活性剤ベースとの組み合わせにより、優れた光沢がもたらされることが見出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、優れた清浄及び光沢をもたらす食器手洗い用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、次を含む食器手洗い用液体洗剤組成物に関する。
(a)総組成物の0.1重量%〜20重量%のキレート剤と、
(b)アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双極性、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、総組成物の5重量%〜80重量%の界面活性剤とを含み、界面活性剤の平均アルキル鎖分枝が界面活性剤の総量の少なくとも10重量%である、食器手洗い用液体洗剤組成物。
【0006】
本発明は、更に、このような液体洗剤組成物を用いて食器を洗浄する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の食器手洗い用液体洗剤組成物及び食器洗浄法は、驚くべきことに、優れたグリース洗浄と同時に優れた光沢を提供する。
【0008】
本明細書で使用するとき、「グリース」は、少なくとも一部(すなわち、グリースの少なくとも0.5重量%)に、飽和及び不飽和の油脂、好ましくは牛肉及び/又は鶏肉のような動物性原料に由来する油脂を含む物質を意味する。
【0009】
本明細書で使用するとき、「起泡特性」は、本発明の組成物の液体洗剤組成物の使用によりもたらされる、洗浄プロセスの全体を通した泡立ちの量(多さ又は少なさ)及び泡立ちの一貫性(持続的な起泡性)を意味する。本明細書で使用するとき、「高起泡性」は、高起泡性(すなわち消費者に許容されると考えられる起泡レベル)であり、かつ起泡を維持する(すなわち食器洗い作業にわたって高レベルで起泡が維持される)という両方である、食器手洗い用液体洗剤組成物を指す。このことは、消費者が、高い起泡性を洗剤組成物の性能の目安として用いることから、食器洗い用液体洗剤組成物に関して特に重要である。更に、食器洗い用液体洗剤組成物の消費者は、洗浄液がまだ活性洗剤成分を含有している目安としても、起泡特性を使用する。消費者は、通常、起泡がなくなったときに洗浄液を新しくする。したがって、少ない起泡性の食器用液体洗剤組成物の製剤は、少ない起泡レベルのために、消費者によって、必要以上に頻繁に取り替えられる傾向がある。
【0010】
本明細書で使用するとき、「食器」は、セラミック、陶器、金属、ガラス、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)及び木で作製された食器、グラス、深鍋、鍋、焼き皿及び食卓食器などの表面を意味する。
【0011】
本明細書で使用する時、「食器手洗い用液体洗剤組成物」とは、手作業による(すなわち、手による)食器洗いに使用される組成物を指す。このような組成物は一般的には、本来起泡性又は発泡性が高い。
【0012】
本明細書で使用するとき、「洗浄」とは、洗浄、及び/又は消毒のために表面に適用することを意味する。
【0013】
液体組成物
本明細書において、液体洗剤組成物は、一般に、30%〜95%の、好ましくは40%〜80%の、より好ましくは50%〜75%の水性液体キャリア、好ましくは水を含有し、このキャリアには他の必須成分及び任意選択的な組成物成分が溶解、分散、又は懸濁している。
【0014】
本発明の組成物は、優れた清浄及び優れた光沢をもたらす。アルキルサルフェート及びアルキルベンゼンスルホネートをベースとするアニオン性界界面活性剤ベースなどの効果的な洗浄活性物質は、表面上に結晶性付着物を生じさせ、この付着物は、表面の外観を曇らせる及び/又は膜、筋、及び斑点を残す。これは、洗浄活性物質が、水中のCa/Mgイオンと不溶性塩類を形成することに原因がある。結晶成長抑制特性を有するキレート剤は、特に汚れた条件下で結晶の形成を防止し、その結果、洗浄された食器アイテムに光沢をもたらすことが見出された。驚くべきことに、キレート剤と、界面活性剤ベースの総量の少なくとも10%の平均アルキル鎖分枝によって特徴付けられる界界面活性剤ベースとの組み合わせは、優れた光沢をもたらすことが見出された。理論に束縛されるものではないが、キレート剤と分枝状界面活性剤と組み合わせは、形成された塩によって形成される結晶膜の形成を妨害及び防止することによって、優れた膜除去を確実にし、表面の湿潤を更に改善すると考えられている。つまり、キレート剤と分枝状界面活性剤ベースとの組み合わせは、食器の表面の結晶膜の形成を効果的に防止し、表面の湿潤を改善し、その結果優れた光沢をもたらす。
【0015】
キレート剤
本発明の組成物は、キレート剤を組成物の総量の0.1重量%〜20%重量%、好ましくは0.2重量%〜5重量%、より好ましくは0.2重量%〜3重量%の濃度で含む。
【0016】
洗剤分野において通常理解されるように、キレート化は、本明細書において、二座配位子又は多座配位子の結合又は錯化を意味する。多くの場合有機化合物であるこれら配位子は、キーラント(chelants)、キレート化剤、キレート剤、及び/又は金属イオン封鎖剤と呼ばれる。キレート剤は、単一金属イオンと多重結合を形成する。キレート剤は、特定の金属イオンと可溶性錯体分子を形成する化学物質であり、これらイオンが他の構成成分又はイオンと正常に反応して沈殿物又はスケールを生成することができないように、これらイオンを不活性化する。配位子は、基質とキレート錯体を形成する。この用語は、金属イオンがキーラントの2つ以上の原子と結合する錯体のためにある。本発明で使用されるキレート剤は、結晶成長抑制特性を有するものであり、即ち、小さなカルシウム及び炭酸マグネシウム粒子と相互作用して、それらが硬いスケール沈積に凝集するのを防止するものである。粒子は互いに反発し合い、水中に懸濁したままとなる、又は沈殿し得る緩い凝集塊を形成する。これら緩い凝集塊は容易に洗い流されて、堆積物を形成しない。
【0017】
好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0018】
本明細書に用いるのに好ましいキレート剤は、アミノ酸ベースのキレート剤、好ましくはグルタミン酸−N,N−二酢酸及び誘導体並びに/又はホスホネートベースのキレート剤、好ましくはジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸である。
【0019】
アミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミンテトラアセテート類、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセテート類、ニトリロ−トリ−アセテート類、エチレンジアミンテトラプロプリオネート類、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート類、ジエチレントリアミンペンタアセテート類、及びエタノールジグリシン類、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。加えて、MGDA(メチル−グリシン−二酢酸)並びにその塩及び誘導体、並びに、GLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸)並びにその塩及び誘導体が挙げられる。GLDA(それらの塩及び誘導体)は特に、本発明に従って好ましく、それらの四ナトリウム塩が特に好ましい。
【0020】
他の好適なキレート剤には、アミノ酸ベースの化合物又はコハク酸塩ベースの化合物が挙げられる。用語「コハク酸塩ベースの化合物」及び「コハク酸ベースの化合物」は、本明細書において互換的に使用される。他の好適なキレート剤は、米国特許第6,426,229号で述べられている。特に好適なキレート剤としては、例えば、アスパラギン酸−N−一酢酸(ASMA)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸−N−モノプロピオン酸(ASMP)、イミノジコハク酸(IDS)、イミノジ酢酸(IDA)、N−(2−スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N−(2−スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N−(2−スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N−(2−スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)、□−アラニン−N,N−二酢酸(□−ALDA)、セリン−N,N−二酢酸(SEDA)、イソセリン−N,N−二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン−N,N−二酢酸(PHDA)、アントラニル酸−N,N−二酢酸(ANDA)、スルファニル酸−N,N−二酢酸(SLDA)、タウリン−N,N−二酢酸(TUDA)、及びスルホメチル−N,N−二酢酸(SMDA)、並びにアルカリ金属塩類又はそれらのアンモニウム塩類が挙げられる。同様に適しているのは、エチレンジアミンジコハク酸(「EDDS」)、特に米国特許第4,704,233号記載のような(S,S)−異性体である。更に、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸、イミノジコハク酸ヒドロキシ、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸もまた好適である。
【0021】
他のキレート剤には、ポリカルボン酸及びこれらの部分又は完全中和した塩のホモポリマー並びにコポリマー、モノマー性ポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸並びにこれらの塩が挙げられる。上記の化合物の好ましい塩は、アンモニウム及び/又はアルカリ金属塩、すなわち、リチウム、ナトリウム及びカリウム、並びに特に好ましい塩はナトリウム塩である。
【0022】
好適なポリカルボン酸は、非環式、脂環式、複素環式及び芳香族カルボン酸であり、これらの場合において少なくとも2つのカルボキシル基が含まれ、これらはそれぞれ、互いに離れた場所に分離され、好ましくはわずか炭素原子2つ分、互いに離れている。2つのカルボキシル基を含むポリカルボキシレートは、例えばマロン酸、(エチレンジオキシ)二酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸、及びフマル酸の水溶性の塩を含む。3つのカルボキシル基を含有するポリカルボキシレートとしては、例えば水溶性クエン酸塩が挙げられる。それに相応するものとして、好適なヒドロキシカルボン酸は、例えばクエン酸である。他の好適なポリカルボン酸は、アクリル酸のホモポリマーである。好ましいのは、スルホネート末端封鎖ポリカルボキシレート類である。
【0023】
アミノホスホネートもまた、キレート剤として使用するのに好適であり、DEQUESTのようなエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート類)が挙げられる。好ましい、これらのアミノホスホネート類は、約6個を超える炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基を含有しない。
【0024】
米国特許第3,812,044号に記載のような、多官能置換された芳香族キレート剤もまた、本明細書の組成物に有用である。酸の形態のこの種の好ましい化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンのようなジヒドロキシジスルホベンゼン類である。
【0025】
本明細書に用いるのに更に好適なポリカルボキシレートキレート剤としては、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸、ギ酸が挙げられ、全て水溶性塩の形態であるのが好ましい。他の好適なポリカルボキシレート類は、オキソジスクシネート類、カルボキシメチルオキシコハク酸、及び米国特許第4,663,071号に記載されているようなタータラートモノコハク酸とタータラート二コハク酸の混合物である。
【0026】
好ましい界面活性剤ベース
本発明の組成物は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双極性、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を含む。組成物の界面活性剤は、10重量%超過、好ましくは20重量%超過、より好ましくは30重量%超過、及び更により好ましくは40重量%超過のアルキル鎖の平均分枝を有する。
【0027】
本発明の界面活性剤は、一般に、組成物の総量の5重量%〜80重量%、好ましくは10重量%〜60重量%、より好ましくは12重量%〜45重量%の濃度で含まれる。
【0028】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を更に含み、より好ましくは、総界面活性剤と非イオン性界面活性剤の重量比が2〜10、好ましくは2〜7.5、より好ましくは2〜6で含む。
【0029】
以下に記載の界面活性剤は、直鎖バージョン及び/又は分枝バージョンで使用され得る。
【0030】
非イオン性界面活性剤
本発明で使用するのに好ましいのは、非イオン性界面活性剤である。実際に、非イオン性界面活性剤、好ましくは分枝状非イオン性界面活性剤を添加すると、食器表面の結晶膜の形成を効果的に防止し、表面の湿潤を改善し、その結果優れた光沢をもたらすことが見出された。
【0031】
非イオン性界面活性剤は、液体洗剤組成物の2重量%〜40重量%、好ましくは3重量%〜30重量%、及び好ましくは組成物の総量の3重量%〜20重量%の典型的な量で含まれる。好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールと1〜25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分枝鎖状の、一級又は二級でよく、一般的に炭素数が8〜22である。特に好ましいものは、アルキル基を有し、8〜18個の炭素原子、好ましくは9〜15個の炭素原子を含有する、アルコールモルあたり2〜18モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは5〜12モルのエチレンオキシドを含有する、アルコールの縮合生成物である。
【0032】
式R2O(Cn2nO)t(グリコシル)x(式(III))を有するアルキルポリグリコシドも好適であり、ここで、式(III)のR2は、アルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル、及びこれらの混合物からなる群から選択され、アルキル基は、10〜18個、好ましくは12〜14個の炭素原子を含有し、式(III)のnは、2又は3、好ましくは2であり、式(III)のtは、0〜10、好ましくは0であり、式(III)のxは、1.3〜10、好ましくは1.3〜3、最も好ましくは1.3〜2.7である。グリコシルは、好ましくはグルコースから誘導される。同様に好適なものは、アルキルグリセロールエーテル及びソルビタンエステルである。
【0033】
式(IV)を有する脂肪酸アミド界面活性剤もまた好適である。
【0034】
【化1】

式中、式(IV)のR6は、7〜21個、好ましくは9〜17個の炭素原子を含有するアルキル基であり、式(IV)の各R7は、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、及び−(C240)xHからなる群から選択され、ここで式(IV)のxは、1〜3で変化する。好ましいアミドは、C8〜C20アンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、及びイソプロパノールアミドである。
【0035】
本発明で使用するのに好ましい非イオン性界面活性剤は、脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物であり、市販の平均8個のEOユニットで修飾されたNeodol91−5又はNeodol 91−8のような、例えば、平均5個のエチレンオキシド(EO)ユニットで修飾されたノニル(C9)、デシル(C10)ウンデシル(C11)アルコールの混合物などである。更に好適なのは、例えば、5個のEOで修飾されたC12、C13(Neodol 23−5)などの、長アルキル鎖のエトキシ化非イオン性物質である。NeodolはShellの商標名である。更に好適なのは、7個のEOで修飾されたC12、C14アルキル鎖であり、商標名Novel 1412−7(Sasol)、又はLutensol A 7 N(BASF)で市販されている。
【0036】
好ましい分枝状非イオン性物質は、5個のEOで修飾されたC10アルコールエトキシレートであり、例えば、市販のLutensol XLシリーズ(Xl50、XL70、...)のような、(EO及びPO=プロピレンオキシドで修飾された)Ethylan 1005、Lutensol XP50、及びGuerbet C10アルコールアルコキシル化非イオン性物質などである。他の分枝としてはまた、オキソ分枝状非イオン性界面活性剤、例えば、Lutensol ON50(5個のEO)及びLutensol ON70(7個のEO)などが挙げられる。他の好適な分枝状非イオン性物質は、イソトリデシルアルコールから誘導されるもの、及びエチレンオキシドで修飾されるもの、例えば、BASFからのLutensol TO7(7EO)及びSasolからのMarlipal O13/70(7EO)などである。更に好適なのは、Sasolのsafol(商標)から生成されるもののような、最大50%分枝(40%メチル(モノ又はバイ)、10%シクロヘキシル)を含むFisher & Troshp反応で生じるエトキシル化脂肪族アルコール;SasolのIsalchem(商標)アルコール又はLial(商標)アルコールから生成されるもののような、アルコールの少なくとも50重量%がC2異性体(メチル〜ペンチル)であるオキソ反応で生じるエトキシル化脂肪族アルコール;ShellのNeodol(商標)アルコールから生成されるもののような、アルコールの少なくとも15重量%がC2異性体(メチル〜ペンチル)である改良オキソ反応で生じるエトキシル化脂肪族アルコールである。
【0037】
両性/双極性界面活性剤
両性及び双極性界面活性剤は、液体洗剤組成物の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.2重量%〜15重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%の濃度で含まれ得る。本発明の組成物は、アミンオキシド及び/又はベタインを更に含むのが好ましい。
【0038】
最も好ましいアミンオキシドは、ココジメチルアミンオキシド又はココアミドプロピルジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中程度分枝状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8〜18アルキル部分と、C1〜3アルキル基及びC1〜3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分と、を含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくはアミンオキシドは、式R1−N(R2)(R3)→Oにより特徴付けられ、式中、R1はC8〜18アルキルであり、R2及びR3はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル及び3−ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8〜C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが挙げられ得る。好ましいアミンオキシドとしては、直鎖C10、直鎖C10〜C12、及び直鎖C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0039】
本明細書で使用するとき、「中程度分枝状(mid-branched)」とは、アミンオキシドが、n1の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、アルキル部分の1つのアルキル分枝が、n2の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分の窒素からのα炭素に位置する。アミンオキシドのこの種類の分枝は、内在アミンオキシドとしても当該技術分野において知られている。n1とn2の総合計は、10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜20個、より好ましくは10〜16個である。1つのアルキル部分に対する炭素原子の数(n1)は、1つのアルキル分枝(n2)とおよそ同数の炭素原子であって、その1つのアルキル部分と1つのアルキル分枝とが対称となるようにされるべきである。本明細書で使用するとき、「対称」は、本明細書で用いられる中分枝状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%〜100重量%で、|n1−n2|が5以下、好ましくは4、最も好ましくは0〜4の炭素原子であることを意味する。
【0040】
アミンオキシドは、C1〜3アルキル、C1〜3ヒドロキシアルキル基、又は平均で約1〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立に選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、2つの部分は、C1〜3アルキルから選択され、より好ましくは、両方がC1アルキルとして選択される。
【0041】
他の好適な界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられ、好ましくは次の式(I)に合致する。
1−[CO−X(CH2nx−N+(R2)(R3)−(CH2m−[CH(OH)−CH2y−Y−(I)式中、
1は飽和又は不飽和C6〜22アルキル残基であり、好ましくはC8〜18アルキル残基、特に飽和C10〜16アルキル残基であり、例えば飽和C12〜14アルキル残基であり、
XはNH、C1〜4アルキル残基R4を有するNR4、O、又はSであり、
nは1〜10の数であり、好ましくは2〜5、特に3であり、
xは0又は1であり、好ましくは1であり、
2、R3は独立して、ヒドロキシエチル、好ましくはメチルなどのヒドロキシ置換される可能性のあるC1〜4アルキル残基であり、
mは1〜4の数であり、特に1、2又は3であり、
yは0又は1であり、
YはCOO、SO3、OPO(OR5)O又はP(O)(OR5)Oであり、R5は水素原子Hであるか又はC1〜4アルキル残基である。
【0042】
好ましいベタインは式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドベタイン、式(Ic)のスルホベタイン及び式(Id)のアミドスルホベタインである;
1−N+(CH32−CH2COO- (Ia)
1−CO−NH(CH23−N+(CH32−CH2COO- (Ib)
1−N+(CH32−CH2CH(OH)CH2SO3− (Ic)
1−CO−NH−(CH23−N+(CH32−CH2CH(OH)CH2SO3− (Id)式中、R11は式(I)中のものと同様のものを意味する。特に好ましいベタインはカルボベタインであり[式中、Y-=COO-]、特に式(Ia)及び(Ib)のカルボベタイン、より好ましいものは式(Ib)のアルキルアミドベタインである。]
【0043】
好適なベタイン及びスルホベタインの例は以下のものである[INCIに従って表記している]:アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、ベタイン、キャノーラアミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチル大豆グリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、PG−ベタインのプロピルジメチコーン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、ヤシアミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、ヤシ仁アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタイン。例えば、好ましいベタインはココアミドプロピルベタイン類(ココアミドプロピルベタイン)である。
【0044】
アニオン性界面活性剤
本発明の組成物及び方法で使用するのに好適なアニオン性界面活性剤はサルフェート、スルホサクシネート、スルホアセテート及び/又はスルホネートであり、好ましくはアルキルサルフェート及び/又はアルキルエトキシサルフェートであり、より好ましくは組み合わせたエトキシル化度が好ましくは5未満、好ましくは3未満、より好ましくは2未満である、アルキルサルフェート及び/又はアルキルエトキシサルフェートの組み合わせである。
【0045】
サルフェート又はスルホネート界面活性剤は、典型的には液体洗剤組成物の少なくとも5重量%、好ましくは5重量%〜40重量%、より好ましくは15重量%〜30重量%、及び更により好ましくは15重量%〜25重量%の濃度で存在する。
【0046】
本明細書の組成物で使用するのに好適なサルフェート又はスルホネート界面活性剤としては、C10〜C14アルキル若しくはヒドロキシアルキル、サルフェート又はスルホネートの水溶性塩又は酸が挙げられる。好適な対イオンとしては、水素、アルカリ金属カチオン又はアンモニウム又は置換アンモニウムが挙げられるが、好ましくはナトリウムである。ヒドロカルビル鎖が分枝状である場合、C1〜4のアルキル分枝単位を含むことが好ましい。スルフェート又はスルホネート界面活性剤の平均分枝率は、好ましくは、全ヒドロカルビル鎖の30%超、より好ましくは35%〜80%、最も好ましくは40%〜60%である。
【0047】
サルフェート又はスルホネート界面活性剤は、C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C8〜C20第一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS)、C10〜C18第二級(2,3)アルキルサルフェート、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AExS)であって、好ましくはxが1〜30であるもの、好ましくは1〜5個のエトキシ単位を含む、C10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号で考察される中鎖分枝状アルキルサルフェート、同第6,008,181号及び同第6,020,303号で考察される中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート、国際特許公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号で考察される変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)から選択されてよい。
【0048】
パラフィンスルホネートは、モノスルホネート又はジスルホネートであってもよく、普通はこれらの混合物であり、10〜20個の炭素原子を有するパラフィンのスルホネート化により得られる。好ましいスルホネートは、C12〜18の炭素原子鎖を有するものであり、より好ましくはC14〜17鎖のものである。パラフィン鎖に沿って分布されたスルホネート基を有するパラフィンスルホネートは、米国特許第2,503,280号;同第2,507,088号;同第3,260,744号;同第3,372188号及び独国特許第735096号に記載されている。
【0049】
更に好適なのは、Procter & Gambleの特許出願WO06/014740に記載のアルキルグリセリルスルホネート界面活性剤及び/又はアルキルグリセリルサルフェート界面活性剤、即ち、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、及びこれらの混合物から選択される、オリゴマーのアルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤混合物であり、ここで、モノマーの重量パーセントは、アルキルグリセリルスルホネート及び/又はサルフェート界面活性剤混合物の0重量%〜60重量%である。
【0050】
他の好適なアニオン性界面活性剤は、アルキル、好ましくはジアルキルジアルキルスルホサクシネート及び/又はスルホアセテートである。ジアルキルスルホサクシネートは、C6〜15直鎖又は分枝鎖ジアルキルスルホサクシネートであり得る。アルキル部分は、対称(すなわち同じアルキル部分)であっても非対称(すなわち異なるアルキル部分)であってもよい。好ましくは、アルキル部分は対称である。
【0051】
最も一般的な分枝状アニオン性アルキルエーテルサルフェートは、分枝状アルコール及びアルコールエトキシレートの混合物の硫酸化によって得られる。更に好適なのは、Sasolのsafol(商標)アルコールから生成されるもののような、最大50%分枝(40%メチル(モノ又はバイ)、10%シクロヘキシル)を含むFisher & Troshp反応で生じる硫酸化脂肪族アルコール;SasolのIsalchem(商標)アルコール又はLial(商標)アルコールから生成されるもののような、アルコールの少なくとも50重量%がC2異性体(メチル〜ペンチル)であるオキソ反応で生じる硫酸化脂肪族アルコール;ShellのNeodol(商標)アルコールから生成されるもののような、アルコールの少なくとも15重量%がC2異性体(メチル〜ペンチル)である改良オキソ反応で生じる硫酸化脂肪族アルコールである。
【0052】
カチオン性界面活性剤
組成物に存在する場合、カチオン性界面活性剤は、有効量で、より好ましくは液体洗剤組成物の0.1重量%〜20重量%で存在する。好適なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム界面活性剤である。好適な第四級アンモニウム界面活性剤は、モノC6〜C16、好ましくはC6〜C10N−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤からなる群から選択され、残りのN位はメチル、ヒドロキシエチル(hydroxyehthyl)、又はヒドロキシプロピル基によって置換される。別の好ましいカチオン性界面活性剤は、第四級クロリンエステルのような、第四級アンモニウムアルコールのC6〜C18アルキル又はアルケニルエステルである。より好ましくは、カチオン性界面活性剤は、式(V)を有する。
【0053】
【化2】

式中、式(V)のR1は、C8〜C18ヒドロカルビル及びこれらの混合物、好ましくはC8〜14アルキル、より好ましくはC8、C10又はC12のアルキルであり、式(V)のXは、アニオン、好ましくは塩化物又は臭化物である。
【0054】
洗浄ポリマー
本発明の方法に用いられる組成物は、1つ以上のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーを更に含み得る。組成物は、国際公開第2007/135645号(Procter & Gamble Companyにより公開)の2頁33行目〜5頁5行目に記載され、及び5〜7頁の実施例1〜4に例示のように、組成物の0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜2重量%、より好ましくは0.1重量%〜1.5重量%、更により好ましくは0.2重量%〜1.5重量%のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーを含み得る。
【0055】
本発明の組成物のアルコキシル化ポリエチレンイミンポリマーは、400〜10000の重量平均分子量、好ましくは400〜7000の重量平均分子量、あるいは3000〜7000の重量平均分子量を有するポリエチレンイミン主鎖を有する。
【0056】
これらのポリアミンは、例えば、二酸化炭素、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸、過酸化水素、塩酸、及び酢酸などのような触媒の存在下でエチレンイミンを重合することによって調製できる。
【0057】
ポリエチレンイミン主鎖のアルコキシル化としては、(1)ポリエチレンイミン主鎖中の内部窒素原子又は末端窒素原子にて修飾が生じるかどうかによって、窒素原子1個あたり1又は2個のアルコキシル化修飾であって、このアルコキシル化修飾が、修飾1個あたり平均約1〜約40個のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖上の水素原子の置換からなり、アルコキシル化修飾の末端アルコキシ部分が水素、C1〜C4アルキル、又はこれらの混合物で末端封鎖されるアルコキシル化修飾、(2)窒素原子1個あたり1つのC1〜C4アルキル部分又はベンジル部分の置換及びポリエチレンイミン主鎖中の内部窒素原子又は末端窒素原子にて置換が生じるかどうかによって1つ又は2つのアルコキシル化修飾であって、このアルコキシル化修飾が、修飾1個あたり平均約1〜約40個のアルコキシ部分を有するポリアルコキシレン鎖による水素原子の置換からなり、末端アルコキシ部分が水素、C1〜C4アルキル、又はこれらの混合物で末端封鎖されている置換、あるいは(3)これらの組み合わせが挙げられる。
【0058】
組成物は更にグラフトベースとしての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)、及びビニルエステル構成要素の重合により形成される側鎖(B)に基づく両親媒性グラフトポリマーを含むことができ、このようなポリマーは、BASFの特許出願、国際公開第2007/138053号の、2頁の14行目〜10頁の34行目の記載、及び15〜18頁の例示にあるように、アルキレンオキシド単位50個あたり平均≦1のグラフト部位と、3,000〜100,000の平均モル質量Mwとを有する。
【0059】
塩及び溶媒
塩及び溶媒は、一般に、溶解、濃度及び審美性に関して好ましい製品品質を確実にするため、及びより良好なプロセッシングを確実にするために使用される。塩が含まれる場合、イオンは、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及び/又はマグネシウムから、好ましくはナトリウム及びマグネシウムから選択され、水酸化塩、クロリド塩、酢酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酸化物塩又は硝酸塩として本明細書の組成物に添加される。塩は、一般に、液体洗剤組成物の0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.015重量%〜3重量%、より好ましくは0.025重量%〜2.0重量%の活性濃度で存在する。しかしながら、本明細書の組成物に関しては、追加のマグネシウムイオンは避けるべきである。
【0060】
好適な溶媒としては、式R−OHのC1〜C5アルコールであり、式中、Rは、炭素原子が1〜5個、好ましくは2〜4個の直鎖飽和アルキル基である。好適なアルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、又はこれらの混合物である。他の好適なアルコールは、式R(A0n−ohのアルコキシル化C1〜8アルコールであり、式中、Rは、炭素原子が1〜8個、好ましくは3〜6個の線状アルキル基であり、Aはアルコキシ基、好ましくはプロポキシ基及び/又はエトキシ基であり、nは1〜5、好ましくは1〜2の整数である。好適なアルコールは、ブトキシプロポキシプロパノール(n−BPP)、ブトキシプロパノール(n−BP)ブトキシエタノール、又はこれらの混合物である。本明細書で使用する好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、式R(b)n−OHのものであり、式中、Rは、炭素原子が1〜20個、好ましくは2〜15個、より好ましくは2〜10個のアルキル置換又はアルキル非置換アリール基であり、Bは、アルコキシ基、好ましくはブトキシ基、プロポキシ基及び/又はエトキシ基であり、nは1〜5、好ましくは1〜2の整数である。好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、ベンゾイエタノール(benzoyethanol)及び/又はベンゾイプロパノール(benzoypropanol)である。本明細書で使用する好適な芳香族アルコールは、ベンジルアルコールである。他の好適な溶媒には、ブチルジグリコールエーテル、ベンジルアルコール、プロポキシプロポキシプロパノール(欧州特許第0859044号)エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C6〜C16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化脂肪族分枝状アルコール、アルコキシル化線状C1〜C5アルコール、線状C1〜C5アルコール、アミン、C8〜C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。存在する場合、液体洗剤組成物は、液体洗剤組成物の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の溶媒を含有する。これらの溶媒は、水のような水性液体キャリアと組み合わせて使用されてもよく、又はいずれの水性液体キャリアも存在させることなしに使用されてもよい。
【0061】
ヒドロトロープ
本発明の液体洗剤組成物は、液体洗剤組成物が水に適切に相溶するように、所望によりヒドロトロープを有効量で含んでもよい。本明細書で使用するのに好適なヒドロトロープとしては、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物、並びに米国特許第3,915,903号に開示されている関連する化合物が挙げられる。本発明の液体洗剤組成物は、典型的には、液体洗剤組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは3重量%〜6重量%のヒドロトロープ、又はその混合物を含む。
【0062】
高分子泡安定剤
本発明の組成物は、高分子泡安定剤を任意に含有してもよい。これらの高分子泡安定剤は、液体洗剤組成物の起泡量及び起泡持続時間の増大をもたらす。これらの高分子泡安定剤は、(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルエステル及び(N,N−ジアルキルアミノ)アルキルアクリレートエステルのホモポリマーから選択され得る。従来のゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される高分子泡増進剤の重量平均分子量は、1,000〜2,000,000、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜750,000、より好ましくは20,000〜500,000、更により好ましくは35,000〜200,000である。高分子泡安定剤は所望により、無機又は有機の塩のいずれかの塩、例えば(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステルのクエン酸塩、硫酸塩、又は硝酸塩の形態で存在できる。
【0063】
1つの好ましい高分子泡安定剤は、(N,N−ジメチルアミノ)アルキルアクリレートエステル、すなわち、式(VII)で表されるアクリレートエステルである。
【0064】
【化3】

【0065】
他の好ましい起泡増進高分子は、式VIII及びIXにより表されるヒドロキシプロピルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(HPA/DMAMコポリマー)である。
【0066】
【化4】

【0067】
組成物に存在する場合、高分子起泡増進/安定化剤は、液体洗剤組成物の0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.05重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜5重量%で組成物に存在してもよい。
【0068】
他の好ましい高分子起泡増進剤の部類は、45,000未満の、好ましくは10,000〜40,000の、より好ましくは13,000〜25,000の数平均分子量(Mw)を有する疎水変性セルロースベースのポリマーである。疎水変性セルロースベースのポリマーとしては、非イオン性及びカチオン性のセルロース誘導体などの水溶性セルロースエーテル誘導体が挙げられる。好ましいセルロース誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0069】
ジアミン
本発明による組成物の別の任意成分は、ジアミンである。液体洗剤組成物のユーザーの習慣及びやり方は著しいばらつきを示すので、組成物は、好ましくは組成物の0重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.2重量%〜10重量%、より好ましくは0.25重量%〜6重量%、より好ましくは0.5重量%〜1.5重量%の、少なくとも1つのジアミンを含有する。
【0070】
好ましい有機ジアミンは、pK1及びpK2が8.0〜11.5の範囲、好ましくは8.4〜11の範囲、更により好ましくは8.6〜10.75の範囲であるものである。好ましい物質としては、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン(pKa=10〜10.5)、1,3−プロパンジアミン(pK1=10.5、pK2=8.8)、1,6−ヘキサンジアミン(pK1=11、pK2=10)、1,3−ペンタンジアミン(DYTEK EP(登録商標))(pK1=10.5、pK2=8.9)、2−メチル1,5−ペンタンジアミン(ダイテックA(登録商標))(pK1=11.2、pK2=10.0)が挙げられる。他の好ましい物質には、C4〜C8の範囲のアルキレンスペーサーを有する第一級/第一級ジアミンが挙げられる。一般的に、第一級ジアミンは第二級及び第三級ジアミンと比べて好ましいと考えられている。同様の様式で本明細書で用いられるpKaは化学分野の当業者には一般的に既知である:全水溶液25℃下、イオン強度が0.1〜0.5Mの間。本明細書に参照される値は「Critical Stability Constants:Volume 2,Amines」(Smith and Martel,Plenum Press,NY and London,1975)などの文献により得ることができる。
【0071】
カルボン酸
本発明による液体洗剤組成物は、組成物のすすぎの感触を向上させるために、直鎖若しくは環式カルボン酸又はその塩を含んでもよい。アニオン性界面活性剤の存在は、特に組成物の15〜35重量%の範囲で多量に存在すると、使用者の手及び食器にぬるりとした感触を与える組成物になる。
【0072】
本明細書で有用なカルボン酸には、C1〜6直鎖又は少なくとも3個の炭素を含有する環式酸が挙げられる。カルボン酸又はその塩の直鎖若しくは環状炭素含有鎖は、ヒドロキシル、エステル、エーテル、1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基、及びこれらの混合物からなる群から選択される置換基で置換されてもよい。
【0073】
好ましいカルボン酸は、サリチル酸、マレイン酸、アセチルサリチル酸、3−メチルサリチル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、ジヒドロキシフマル酸、1,2,4ベンゼントリカルボン酸、ペンタン酸及びこれらの塩、クエン酸及びこれらの塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるカルボン酸である。カルボン酸が塩の形態で存在する場合、塩のカチオンは、好ましくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミン、及びこれらの混合物から選択される。
【0074】
カルボン酸又はその塩は、存在する場合、好ましくは0.1%〜5%、より好ましくは0.2%〜1%、最も好ましくは0.25%〜0.5%の濃度で存在する。
【0075】
他の任意成分
本明細書の液体洗剤組成物は、香料、染料、真珠光沢剤、乳白剤、酵素、好ましくはプロテアーゼ、増粘剤、防腐剤、殺菌剤及び本明細書の液体洗剤組成物が一般に3〜14、好ましくは6〜13、最も好ましくは8〜11のpHを有するようにするためのpH緩衝手段などの、液体洗剤組成物中で使用するのに好適な多くの他の任意成分を更に含むことができる。組成物のpHは、当該技術分野で既知のpH調節成分を用いて調整することができる。
【0076】
軽質液体洗剤組成物の使用に好適な許容できる任意成分の更なる記載を、米国特許第5,798,505号に見出すことができる。
【0077】
粘度
本発明の組成物は、好ましくは、20s-1及び20℃において、50〜2000センチポアズ(50〜2000mPa.s)、より好ましくは100〜1500センチポアズ(100〜1500mPa.s)、最も好ましくは500〜1300センチポアズ(500〜1300mPa.s)の粘度を有する。粘度は、従来の方法で測定できる。本発明による粘度は、直径40mm及び間隙サイズ500μmの平板の鋼製スピンドルを用いるTA instruments製のAR 550レオメーターを使用して測定される。20s-1での高剪断粘度、及び0.05s-1での低剪断粘度は、20℃において3分間の0.1s-1〜25s-1の対数剪断速度掃引から得ることができる。ここに述べる好ましいレオロジーは、内部に存在する洗剤成分による構造化を用いて又は外的レオロジー変性剤を用いることにより得ることができる。それゆえ、本発明の好ましい実施形態において、組成物はレオロジー変性剤を更に含む。
【0078】
食器の洗浄/処理プロセス
本発明の食器洗いの方法は、プロテアーゼと真珠光沢剤とを含む食器手洗い用液体組成物を用いて、食器を洗浄することを含む。前記食器洗いの作業は、前記組成物を典型的には希釈又は非希釈形態にて食器に適用する工程と、前記表面から前記組成物をすすぐ工程又は前記表面をすすがずに前記表面上の組成物を乾燥させる工程と、を含む。前記組成物を空気乾燥させて前記表面上に残す代わりに、キッチンタオルを用いてハンドドライすることもできる。食器洗いの作業時に、特に食器への前記液体組成物の適用時に及び/又は食器からの前記液体組成物のすすぎ時に、使用者の手及び皮膚は希釈又は非希釈形態の液体組成物に曝露され得る。
【0079】
「非希釈形態」とは、本明細書において、適用前(直前)にユーザーによって希釈されることなく、このような液体組成物を処理されるべき表面に直接適用することを意味する。この、被処理表面への、前記液体組成物の直接的な適用は、前記液体組成物を食器手洗い用液体ボトルから被洗浄表面に直接絞り出すか、あるいは前記洗浄物品で標的表面を洗浄する前に、前記食器手洗い用液体ボトルから前記液体組成物を、限定することを意図しないがスポンジ、布又はブラシなどの予め濡らされた、又は予め濡らされてはいない洗浄物品の上に絞り出すことにより達成され得る。「希釈形態」とは、本明細書において、前述の液体組成物を、適切な溶媒、典型的には水でユーザーが希釈することを意味する。本明細書では「すすぐ」とは、本明細書の液体組成物を前述の食器に適用する工程の後、本発明に従うプロセスで洗浄される食器と、かなりの量の適切な溶媒、典型的には水とを接触させることを意味する。「かなりの量」とは、普通は0.1〜20リットルを意味する。
【0080】
本発明の実施形態の1つでは、本明細書の組成物は、希釈形態にて適用することができる。汚れた食器を、有効量、典型的には(処理される食器25個当たり)0.5mL〜20mL、好ましくは3mL〜10mLの、水で希釈された本発明の液体洗剤組成物と接触させる。使用される液体洗剤組成物の実際の量は、ユーザーの判断に基づき、典型的には、組成物中の活性成分の濃度を含む組成物の特定の製品配合、洗浄される汚れた食器の数、食器の汚れの程度などのような要因に左右されることになる。また、特定の製品配合は、意図される市場(すなわち、米国、ヨーロッパ、日本など)のような、組成物製品に関する多数の要因に左右されることになる。典型的な軽質洗剤組成物は実施例の節に記載される。
【0081】
一般に、0.01mL〜150mL、好ましくは3mL〜40mL、更により好ましくは3mL〜10mLの本発明の液体洗剤組成物が、1000mL〜20000mL、より典型的には5000mL〜15000mLの範囲の容積を有するシンクの中で、2000mL〜20000mL、より典型的には5000mL〜15000mLの水と組み合わされる。こうして得られる希釈組成物の入ったシンク内に汚れた食器を浸して、食器の汚れた表面を、布、スポンジ、又は類似の物品と接触させて食器を洗浄する。布、スポンジ、又は類似の物品は、食器表面と接触する前に洗剤組成物と水との混合物に浸漬されてもよく、典型的には、1〜10秒間の範囲の時間にわたって食器表面と接触するが、実際の時間は、各適用及びユーザーによって異なる。布、スポンジ、又は同様の物品を食器表面に接触させることは、好ましくは同時に食器表面を擦ることを伴う。
【0082】
本発明の別の方法は、食器洗い用液体洗剤なしで水浴中に汚れた食器を浸漬するか、又は流水下に保持することを含む。スポンジなどの、食器洗い用液体洗剤を吸収させるための道具を、希釈された食器洗い用液体洗剤の別個の量の濃縮プレミックスに典型的には1〜5秒の範囲の時間にわたって直接的に配置する。次に吸収道具、及び結果として希釈された食器洗い用液体組成物が、汚れた食器のそれぞれの表面に個々に接触して、汚れを除去する。吸収道具と、典型的には、1〜10秒間の範囲の時間にわたってそれぞれの食器表面と接触させるが、実際の適用時間は、食器の汚れの程度などの要因に左右されることになる。吸収道具を食器表面に接触させることは、好ましくは同時に擦ることを伴う。典型的には、希釈された食器洗い用液体洗剤の前記濃縮プレミックスは、1mL〜200mLの非希釈の食器洗い用洗剤を、50mL〜1500mLの水、より典型的には200mL〜1000mLの水と組み合わせることにより形成される。
【0083】
パッケージング
本発明の液体洗剤組成物は、使用のために液体洗剤組成物を供給するためのいかなる好適なパッケージ内に包装されてもよい。好ましくは、パッケージは、ガラス又はプラスチック製の透明なパッケージである。
【実施例】
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
【表3】

【0087】
【表4】

*)C10〜C14、好ましくはC12〜C13のアルキル鎖、及びx=0〜4、好ましくは0.5〜2
**)その他:染料、乳白剤、香料、防腐剤、ヒドロトロープ、加工助剤、塩、安定剤...
(1)グルタミン酸
(2)ジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸
(3)ジエチレントリアミン五酢酸
(4)メチルグリシン二酢酸
【0088】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)総組成物の0.1重量%〜20重量%のキレート剤と、
(b)アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性、双極性、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、総組成物の5重量%〜80重量%の界面活性剤とを含み、前記界面活性剤の平均アルキル鎖分枝が前記界面活性剤の総量の少なくとも10重量%である、食器手洗い用液体洗剤組成物。
【請求項2】
前記平均アルキル鎖分枝が、前記界面活性剤の総量の少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記平均アルキル鎖分枝が、分枝状アニオン性界面活性剤及び/又は分枝状非イオン性界面活性剤によってもたらされる、好ましくは分枝状非イオン性界面活性剤によってたらされる、より好ましくは、ゲルベ(Guerbet)アルコールエトキシレート、ゲルベアルコールアルコキシル化EO/PO非イオン性物質、オキソ分枝状非イオン性界面活性剤;イソトリデシルアルコールからから誘導されるもの及びエチレンオキシドで修飾されるもの、及びこれらの混合物からなる群から選択される、分枝状非イオン性界面活性剤によってもたらされる、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
総界面活性剤濃度が、前記組成物の総量の10重量%〜60重量%、より好ましくは12重量%〜45重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤を、好ましくは前記組成物の総量の2重量%〜40重量%、より好ましくは3重量%〜30重量%、更により好ましくは3重量%〜20重量%の濃度で更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
総界面活性剤と非イオン性界面活性剤の重量比が、2〜10、好ましくは2〜7.5、より好ましくは2〜6である、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記キレート剤が、グルタミン酸、ジエチレントリアミンペンタメチルホスホン酸、ジエチレントリアミン五酢酸、メチルグリシン二酢酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアミノ酸ベースのキレート剤、ホスホネートベースのキレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
アミンオキシド及びベタイン界面活性剤並びにこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはアミンオキシド、より好ましくはココジメチルアミンオキシドである、0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%の界面活性剤を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を用いる食器洗浄方法であって、該方法が、前記組成物を前記食器に適用する工程を含む、食器洗浄方法。

【公表番号】特表2012−530183(P2012−530183A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516177(P2012−516177)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/038566
【国際公開番号】WO2010/147916
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】