説明

食材等の材料自動計量装置

【課題】米飯以外の食材であっても傷めずに精度良く計量・供給することが可能な材料自動計量装置を得る。
【解決手段】第1食材受入枠の下部に食材搬送用第1コンベアを設けると共に該第1コンベアの前端部近傍に食材解し器を設け、上記第1のコンベアから供給される食材を受け入れる第2食材受入枠を設け、該第2食材受入枠の下部に上記食材を搬送する食材搬送用第2コンベアを設け、上記第2コンベアに食材均し器を設け、上記第2コンベアの前端部近傍に食材解しローラを設け、上記第2コンベアの上記前端部下方位置に食材を蓄積するシャッター機構と、該機構に蓄積された食材を計量する計量機構を設け、上記計量機構の計量値が目標計量値になるまで上記第2コンベア及び上記食材解しローラを駆動すると共に上記食材解しローラの外周面が上記第2コンベアの前端部から離間する方向と上記前端部に近接する方向に移動可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鰹節のような小片状等の食材その他の各種食材或いはその他の材料を計量し、一定量ずつ供給し得る食材等の材料自動計量装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、主に米飯等の食材を自動的に計量して供給する計量供給装置が開発されている。
【0003】
例えば、ホッパーから落下供給される米飯をローラコンベアで受けて前方に搬送し、先端の食材解しローラにより所定量を解しながら下方の食材受部材に落下供給し、当該受部材にて計量し、計量値に応じて上記食材解しローラの回転を制御することにより、米飯の正確な計量並びに盛り付けを可能とした装置が開発されている(特許文献1、2)。
【0004】
【特許文献1】特許第3620844号公報
【特許文献2】特開2005−237236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の装置では、対象となる食材の範囲は、主に米飯を中心とした食材であり、米飯以外の食材にも対応可能ではあったが、食材の種類によっては、より正確な計量供給を実現し得る構造が求められた。
【0006】
また、米飯とは異なる性質の食材、例えばカット野菜や鰹節のような小片状の食材を、正確に計量して供給することが求められていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、カット野菜や鰹節等のような食材であっても正確に計量供給することを実現し得る食材等の材料自動計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するため、
第1に、第1材料受入枠の下部開口に材料搬送用第1コンベアを設けると共に該第1コンベアの前端部近傍に該コンベアの進行方向と直交する回転軸を有する材料解し器を設け、上記前端部に搬送されてきた材料を上記解し器にて解しながら下方に供給する構成とし、上記第1のコンベアから供給される材料を受け入れる第2材料受入枠を上記第1コンベアの前端部下方に設け、該第2材料受入枠の下部開口に上記材料を搬送する材料搬送用第2コンベアを設け、上記第2材料受入枠における上記第2コンベアの前端部近傍に該コンベアの進行方向と直交する回転軸を有する材料解しローラを設け、上記前端部に搬送されてきた材料を上記材料解しローラにて解しながら下方に供給するように構成し、上記第2コンベアの上記前端部下方位置に、該第2コンベアから供給される材料を蓄積すると共に開成により材料を下方に落下供給し得る材料蓄積機構と、該材料蓄積機構に蓄積された材料を計量する計量機構とを設け、上記計量機構の計量値が目標計量値になるまで上記第2コンベア及び上記材料解しローラを駆動する制御手段を設けて、上記材料が目標計量値になった後に上記材料蓄積機構を開いて計量後の材料を下方に供給し得るように構成し、かつ上記材料解しローラの外周面が上記第2コンベアの前端部から離間する方向と、上記前端部に近接する方向に移動可能とする間隔調整機構を設けたものであることを特徴とする食材等の材料自動計量装置により構成されるものである。
【0009】
上記第1材料受入枠は例えば食材受入枠(2)により構成することができる。上記材料搬送用第1コンベアは例えば食材搬送用ベルトコンベア(3)により構成することができる。上記材料解し器は例えば食材解し器(8)により構成することができる。上記材料としては例えば鰹節等である。上記第2材料受入枠は例えば食材受入枠(17)により構成することができる。上記材料搬送用第2コンベアは例えば食材搬送用ベルトコンベア(12)により構成することができる。上記材料解しローラは例えば食材解しローラ(22)により構成することができる。上記材料蓄積機構は例えばシャッター機構(40)により構成することができる。上記計量機構はロードセル機構(41)により構成することができる。
【0010】
よって、第1コンベアに供給された材料(例えば鰹節等の食材)は当該コンベアによって直ちに前方に移送され前端部の材料解し器により第2コンベア上に供給され、第2コンベア上の材料は前方に移送され材料解しローラにより少しずつ下方に落下供給される。よって、食材等の材料の種類に拘わらず材料をスムーズに移送しながら材料蓄積機構に落下供給することができる。また、材料解しローラと第2コンベアの前端部との距離を調整可能であるため、材料の単位の大きさ等に応じて上記距離を調整することにより、食材等の材料の種類に拘わらず所定量ずつの材料を正確に落下供給することができる。
【0011】
第2に、上記第2材料受入枠における上記第2コンベアの上方位置に、該コンベアの進行方向と直交する回転軸を有する材料均し器を設けたものであることを特徴とする上記第1記載の食材等の材料自動計量装置により構成される。
【0012】
上記材料均し器は例えば食材均し器(19)により構成することができる。このように構成すると、第2コンベア上の材料(例えば鰹節等の食材)を上記材料均し器により均すことができ、第2コンベア上に略均一な厚みの層を形成することができる。
【0013】
第3に、上記間隔調整機構は、上記第2材料受入枠の側板に設けられた回動中心軸を以って回動する回動アーム板を設けて、該回動アーム板の一端部において上記材料解しローラの回転中心軸を保持する構成とし、かつ上記回動アーム板を上記回動中心軸を以って回動することにより上記材料解しローラと上記第2コンベアの前端部との間隔を調整可能に構成したものであることを特徴とする上記第1又は2記載の食材等の材料自動計量装置により構成される。
【0014】
このように構成すると、材料解しローラと第2コンベア前端部との距離の調整を回動アーム板の回動により容易に行うことができる。
【0015】
第4に、上記第2材料受入枠の側板の所定高さに高さ検出センサーを設け、上記制御手段は上記第2材料受入枠内に供給された材料の高さが上記センサーレベルに達したことに基づいて上記第1コンベア及び上記材料解し器の駆動を停止するものであることを特徴とする上記第1〜3の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置により構成される。
【0016】
制御手段は高さ検出センサーからの信号に基づいて第1コンベア及び材料解し器の駆動を制御することにより、第2材料受入枠に所定量の材料(例えば鰹節等の材料)を継続的に供給することができる。
【0017】
第5に、上記材料蓄積機構を材料自動計量装置本体から独立したユニットとして構成すると共に、上記計量機構は、上記材料自動計量装置本体内に固設されたものであって、上記材料蓄積機構が載置される材料蓄積機構載置部と、該材料蓄積機構載置部に載置された上記材料蓄積機構の重量を計量し得る計量手段とから構成されるものであることを特徴とする上記第1〜4の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置により構成される。
【0018】
上記材料蓄積機構載置部は本体側に設けられた取付シャフト(55、55’)等により構成することができる。上記計量手段は例えば上記材料蓄積機構載置部に載置された機構の重量を計量し得るロードセル等により構成することができる。このように構成すると、材料蓄積機構をワンタッチで取替えることができ、計量する材料に応じて各種の材料蓄積機構を取り替えることができる。上記計量機構には、上記材料蓄積機構を上記載置部に載置した状態において上記材料蓄積機構を開閉駆動する開閉駆動手段を設けても良い。この場合、上記開閉駆動手段は、例えば材料蓄積機構のシャッター或は開閉蓋等を開閉駆動可能な機構により構成することができる。
【0019】
第6に、上記材料蓄積機構は、材料を受け入れる計量枡の底面に沿って形成された案内レールと、該案内レールに沿って開閉するシャッター板と、該シャッター板の一縁にその開閉方向と直交する方向に設けられた案内ガイドとから構成し、これらの部材からなる材料蓄積機構を材料自動計量装置本体から独立したユニットとし、上記計量機構は、上記材料自動計量装置本体内に固設されたものであって、上記材料蓄積機構が載置される材料蓄積機構載置部と、該材料蓄積機構載置部に載置された上記材料蓄積機構の重量を計量し得る計量手段と、上記材料蓄積機構を上記載置部に載置した状態において上記案内ガイドに係合して上記シャッター板を開閉駆動する開閉駆動手段とから構成されるものであることを特徴とする上記第1〜4の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置により構成される。
【0020】
上記開閉駆動手段は、上記案内ガイドに係合可能な回動アーム板及び該アーム板を回動駆動する駆動モータ等により構成することができる。このように構成すると、シャッター板上に落下供給された材料(例えば鰹節等の食材)の重量を上記計量手段にて計量することができ、計量後に上記開閉駆動手段を以ってシャッター板を開くことにより、材料を例えば下方に落下供給することができる。
【0021】
第7に、上記材料解しローラを、同一回転中心の右ローラと左ローラに分割し、各々独立した駆動手段にて回転駆動するように構成し、上記制御手段は、上記計量機構での計量値が目標計量値に接近したことに基づいて、一方のローラの回転を停止するものであることを特徴とする上記第1〜6の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置により構成される。
【0022】
このように構成すると、例えば目標計量値の90%に達したときに一方のローラの回転を停止するように制御することにより、目標値に達するまでは他方のローラのみの回転により供給される材料(例えば鰹節等)の量の微調整が可能となり、より正確な計量を実現し得る。
【0023】
第8に、上記材料搬送用第1コンベアと上記材料搬送用第2コンベアは各々ベルトコンベアであることを特徴とする上記第1〜7の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置により構成される。
【0024】
このように構成すると、材料として例えば鰹節、千切りキャベツ、その他水分を含んだ惣菜等を正確に計量供給することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る食材等の材料自動計量装置によると、各種の食材等の材料を高い精度で、傷めることなく計量供給することが可能となるものである。
【0026】
また、本発明に係る食材等の材料自動計量装置は、例えば色々な形状・サイズの食材等の材料にも対応できるため、外食産業、スーパーマーケットの惣菜部門、食品加工工場等で広範囲に使用することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
図1、図2は本発明に係る材料自動計量装置1の実施形態の全体構成を示す図である。これらの図において、2は装置1の最上部を形成する食材受入枠(第1材料受入枠)であり、左右側板2a,2bと後板2cによりコ字型枠状に構成され、ホッパー状の上向き傾斜面2a’,2b’、2c’を備えた上面開口部2’を有すると共に、下部は開口部2”により方形に開口され、後述の食材搬送用ベルトコンベア(材料搬送用第1コンベア)3がその上側移行部3”を上記開口部2”に近接した状態で配置されている。上記食材受入枠2の上記下部開口部2”におけるコンベア3の進行方向(矢印a方向)に沿う左右縁には、食材落下防止用のガイドレール5、5が固定され、その下端縁を上記コンベア3の上側移行部3”にさらに近接した位置に設定している。これにより上記コンベア3上を移行する食材がコンベア3の左右端より上記食材受入枠2外に落下するのを防止している。尚、上記食材受入枠2の前部側には、後述の食材解し器8を軸支すべく左右直立側板4,4’が連続して設けられている。
【0029】
3は、上記開口部2”下部に近接して水平に設けられた食材搬送用ベルトコンベア(材料搬送用第1コンベア)であり、上記装置1の機枠(材料自動計量装置本体)1aに固設されている。このコンベア3は、図3に示すように駆動ローラ3a、従動ローラ3bを機枠1aに軸支することにより、コンベヤベルト3’の上側移行部3”が水平となるように設置されており、駆動モータM1(図4)の回転によりギア6、駆動ローラ3aに設けられた駆動ギア7を介して矢印a方向(前方向)に駆動される。尚、食材は上記上面開口部2’から上記コンベア3の上側移行部3”上に供給される。
【0030】
8は、上記ベルトコンベア3の前端部に近接して設けられた食材解し器(材料解し器)であり、上記ベルトコンベア3の進行方向とは直交する主軸(回転軸)8aと、該主軸8aの周囲に螺旋状に設けられた解し片8bとから構成されている。この解し器8はその解し片8bの先端部が上記ベルトコンベア3の前端部に近接する位置に、上記左右直立側板4,4’に上記主軸8aを以って回転自在に軸支されている。この解し器8は、上記左右直立側板4の外側において(図4)、その主軸8aの端部に設けられた駆動ギア9が、連動ギア10、及び上記ギア7,6を介して上記駆動モータM1の出力軸11に噛合しており、上記駆動モータM1によって上記コンベア3と連動して矢印b方向に回転駆動される。この解し器8は上記ベルトコンベア3により矢印a方向に搬送されてきた食材を矢印b方向に回転することにより解しながら、当該ベルトコンベア3の前端部と同解し器8との間隙T1より、徐々に下段の食材搬送用ベルトコンベア12に供給していくものである(図3参照)。
【0031】
上記食材受入枠2の構造は、下側の開口2”に近接して水平方向のベルトコンベア3が設置されているので、上部から受け入れられた食材は、当該コンベア3の水平な上側移行面3”により受け入れられて、直ぐに前方(矢印a方向)に搬送され、上記食材解し器8により解されながら次段の搬送用ベルトコンベア12に供給されていく。よって、食材を水平コンベア3の平面的な広がりの上で受け入れることができ、食材が自重で押し潰されて傷むことを効果的に防止することができる。
【0032】
図3において、12は、食材搬送用ベルトコンベア(材料搬送用第2コンベア)であり、上記搬送用ベルトコンベア3の設置位置より低い位置(下段)において、上記機枠1aに水平に支持されている。このベルトコンベア12は、上記上段のベルトコンベア3の前端部の下方位置にその後端部を位置させ、上記間隙T1から落下供給される食材を上側移行部12’で受け入れて当該食材を前方(矢印a方向)に搬送するものである。このベルトコンベア12は、機枠1aの一方の側面に固設された駆動モータM2(図4参照)によりギア13、14、駆動ローラ12aを介して矢印a方向に駆動される。
【0033】
この下段の搬送用ベルトコンベア12は、上記機枠1aに上記駆動ローラ12a及び従動ローラ12bを以って水平に支持されているが、図6に示すように、このコンベア12の左右両側には機枠1aの対向直立側板15,15’が近接配置され、さらに上記コンベア12の後端部には図3に示すようにコンベア12方向に傾斜する傾斜板16が該後端部に近接配置されている。このような構成により、上記コンベア12の上側移行部12’周縁は上記直立側板15,15’並びに傾斜板16によってコ字型に囲まれており、上記各直立側板15,15’、上記傾斜板16並びにコンベア12の上側以降部12’によって食材受入枠(第2材料受入枠)17が形成されている。即ち、この食材受入枠17は上記コンベア3の前端部下方に設置されている。よって、上記間隙T1から供給される食材は、上記食材受入枠17において、上記コンベア12によって前方に移送される。
【0034】
18は、上記直立側板15’において、上記コンベア12の後端部近傍の所定高さに設けられた光学的反射型検出センサー(高さ検出センサー)であり(図3)、上記間隙T1から落下供給された食材が上記コンベア12上に堆積して行き、その高さが上記センサー18にて検出される高さに達した場合、上記センサー18の検知に基づいて上記上段のコンベア3の駆動を停止し、食材の堆積レベルがセンサー18よりも低下した場合は上段のコンベア3の駆動を再開する等の制御を行う。尚、上記食材の堆積レベルがセンサー18の検出レベルを下回った後、直ちにコンベア3の駆動を開始するのではなく、上記センサー18の検出レベルを下回った後、所定時間経過後(ある程度堆積レベルが低下したとき)に上記コンベア3の駆動を開始して、食材の堆積レベルが上記検出センサー18の検出レベルに到達するまで上記コンベア3の駆動を継続するように制御することもできる。
【0035】
19は食材均し器(材料均し器)であり、上記コンベア12の進行方向と直交する主軸(回転軸)19aと該主軸19aの幅方向の全長に亘って該主軸19aの周辺に突出して設けられた複数の食材均し片19bにより構成されている(図1参照)。この均し器19は、上記コンベア12の前端部寄りの上方位置において、その主軸19aの両端が上記直立側板15、15’に軸支されており、上記直立側板15の外側において(図4参照)上記主軸19aに連結されたギア20がギア21を介して上記駆動モータM2のギア13に噛合することにより、上記コンベア12と連動して矢印b方向に回転駆動されるものである。この均し器17は矢印b方向に回転することにより上記コンベア12上を移行してくる食材をできるだけ平坦に均して、食材が上記食材解しローラ22に移行する前に食材をコンベア12の幅方向に均等な厚みとするものである。
【0036】
22は食材解しローラ(材料解しローラ)であり、上記コンベア12の前端部に対して所定間隔T2を有する位置に、上記コンベア12の進行方向aと直交する回転軸22b,22b’を以って上記左右直立側板15,15’に軸支されている(図7参照)。この食材解しローラ22は、図5に示すようにその外周面に複数の突起22’を軸方向に一列に設けて一条の解し羽根22”を形成し、この解し羽根22”を周方向に一定角度毎に複数取り付けることにより形成されている。
【0037】
この食材解しローラ22は(図5参照)、中央から同一回転中心軸の左右ローラ22a,22a’に2分割されており、左ローラ22aの駆動軸22bは上記側板15の円弧状貫通孔23から側板外側に突出し、側板外側において駆動ギア24が設けられている(図2参照)。右ローラ22a’の駆動軸22b’は上記側板15’の円弧状貫通孔23’(上記円弧状貫通孔23と対称位置に設けられている)から上記側板外側に突出し、側板外側において駆動ギア24’が設けられている(図2、図5参照)。この左右ローラ22a,22a’の対向面は左ローラ22aの回転軸22bが右ローラ22a’内の中心軸22b’内に挿通されるように構成されており(図7)、これにより、両ローラ22a,22a’は同一中心軸を以って各々独立して回転できるようになっている。
【0038】
この食材解しローラ22の左側のローラ22aの駆動ギア24には、図4に示すように上記側板15の外側において上記駆動軸22bに隣接する回転軸26に設けられた駆動ギア25が噛合しており、当該駆動ギア25を上記側板15の外側に設置された駆動モータ(駆動手段)M3により駆動することにより右側のローラ22a’とは独立して駆動されるように構成されている。また、上記食材解しローラ22の右側のローラ22a’の駆動ギア24’には上記側板15’の外側の回転軸26’(上記回転軸26と対称位置に設けられている)に設けられた駆動ギア25’が噛合しており、当該駆動ギア25’を上記側板15’の外側に設けられた駆動モータ(駆動手段)M4により駆動することにより左側のローラ22aとは独立して駆動されるように構成されている(図6参照)。尚、図5に回転軸26,26’の回転中心軸をZ,Z’で示す。
【0039】
上記円弧状貫通孔23,23’の円弧の曲率は、各々上記回転軸26、26’を中心とする円弧軌道(Z、Z’線を中心とする円弧軌道)に沿うものであるため、後述のように上記食材解しローラ22が上記円弧状貫通孔23,23’に沿って矢印c、d方向に移動しても(図8,9)、当該ローラ22の移動位置に拘わらず上記駆動ギア24,24’と上記駆動ギア25,25’との噛合状態は維持される。
【0040】
上記駆動モータM3,M4を同期して駆動することにより、両ローラ22a,22a’を一体的に回転させることも可能である。そして、当該食材解しローラ22は、矢印b方向に回転することにより、上記ベルトコンベア12にて当該コンベア12前端部に運ばれてきた食材を上記間隙T2から下方に少しずつ落下供給するものである。
【0041】
このように、上記第1食材受入枠2のベルトコンベア3上に載置された食材が、食材解し器8の回転駆動によって該コンベア3の食材の搬送方向に直交する方向に広げられて平坦にならされ、食材が平坦にならされた状態で間隙T1から送出・落下し、それを受ける第2食材受入枠17では、上記センサー18によって食材が所定高さ以上に堆積しないように制御され、ベルトコンベア12上には所定高さで略平坦に堆積した食材の堆積層が得られる(図19参照)。これにより食材解しローラ22にはその中心軸方向の全幅において食材が均等に接触して食材がかき落とされるため、落下する食材の量を正確に制御できる。
【0042】
また、図7に示すとおり、食材解しローラ22は左ローラ22aと右ローラ22a’の2つに分割されて駆動モータM3、M4によって夫々独立して回転駆動されるように構成されているため、当初は両ローラ22a,22a’が同期して回転駆動するが、かき落とされた食材の重量が所定重量に近づくと、一方ローラ22aを停止して、他方のローラ(例えば微調整ローラとしての右ローラ22a’)のみを回転して食材をかき落とすように制御することにより、落下供給される食材量の微調整が可能となり、食材を目的重量に正確に計量することができる。
【0043】
この食材解しローラ22と上記ベルトコンベア12の前端部との間隔T2は、次の機構により食材の種類等に応じて変更し得るように構成されている。
【0044】
図5に示すように、27は上記食材解しローラ22を上記円弧状貫通孔23,23’に沿って動かすことにより、当該ローラ22の外周面と上記下段ベルトコンベア12の前端部との間隙T2の大きさを変更するための間隙調整機構であり、間隙調整レバー27aを前後方向(矢印e,f方向)に動かすことによって上記間隙T2を拡大縮小して調整することができるように構成されている。
【0045】
28、28’は、上記左右直立側板15,15’の外側において各直立側板15,15’に上記回動軸26,26’を以って回動自在に設けられた一対の回動アーム板であり、その前側のローラ保持部28a,28a’には、上記食材解しローラ22の上記各駆動軸22b,22b’が円弧状貫通孔23,23’を介して回転自在な状態で貫通しており、上記ローラ保持部28a,28a’の外側において各々上記駆動ギア24,24’が上記駆動軸22b,22b’に接続されている(図2)。従って、上記回動アーム板を矢印e,f方向に動かすことにより上記食材解しローラ22を上記円弧状貫通孔23,23’に沿って矢印c,d方向(図8)に移動可能となっている。
【0046】
上記一対の回動アーム板28、28’は、その回動中心位置(回転軸26,26’)から上方に向けて操作板28b,28b’が屈曲形成されており、その上端部は上記直立左右側板15、15’上端縁から90度屈曲して設けられた上部カバー15a,15a’に開口された前後方向長孔29,29’を介して、上記上部カバー15a,15a’の上方に突出されている(図2参照)。そして、上記回動アーム板28,28’はその各上端部を左右方向に上記間隔調整レバー27aを以って連結されている。
【0047】
30,30’は上記回動アーム28,28’の内側において、上部を上記前後方向長孔29、29’から上方に突出した状態で上記左右直立側板15,15’の外側に固定された位置決板であり、その板面には上記回動アーム板28,28’の回動中心(回転軸26,26’)を起点とした円弧軌道に沿って複数の位置決め用孔32が貫設されている。そして、上記一対の回動アーム板28,28’の上記位置決板30,30’に対応する上記操作板部28b、28b’には、位置決めピン31,31’がバネ等により位置決板30,30’方向に附勢した状態で設けられており、上記回動アーム板28,28’の所定位置にて上記位置決めピン31,31’を上記位置決め孔32に挿入することにより、当該位置において回動アーム板28,28’の位置を固定し得るように構成されている。
【0048】
当該間隔調整機構27はこのように構成されているため、図8に示すように、間隔調整レバー27aを最も手前に位置した状態においては、食材解しローラ22と上記ベルトコンベア12の前端部の間隔T2を最も小さくすることができ、図9に示すように、上記間隔調整レバー27aを最も後ろに位置した状態においては、食材解しローラ22と上記ベルトコンベア12の前端部の間隔T2を最も大きくすることができる。このように計量する食材等の材料の種類に応じて最も適切な間隔T2を設定することができる。
【0049】
なお、上述のように、上記食材解しローラ22は上記回転軸26,26’を中心とする円弧軌道に沿って移動するものであるため、当該移動位置に拘わらず上記駆動ギア24,24’と駆動ギア25,25’との噛合関係が維持され(図8、図9)、当該ローラ22をどの位置に固定しても支障なく上記ギア25,25’で当該ローラ22を駆動し得る。
【0050】
図3に示すとおり、第1食材受入枠2のベルトコンベア3及び第2食材受入枠17のベルトコンベア12の下方位置には、各々コンベア3、コンベア12の底部全面をカバーする受皿33と受皿34が設けられ、ベルトコンベア3、12上の食材から垂れ落ちる水分等を受け止めることができるように構成されている。また、これらの受皿33、34には放水チューブ33a,34aが設けられ、受け止めた水分を外部へ放出するように構成されている。このように構成すると、例えば水分を含んだカット野菜・漬物等の食材を支障なく取り扱うことができる。
【0051】
35は、上記ベルトコンベア12の前端部の上記間隔T2の下方であって上記食材解しローラの直下に設けられた筒状の食材落下通路であり、その前端には下方向けて傾斜した食材案内板35aが設けられており、食材の前方への飛散を防止している。従って、上記間隔T2から上記解しローラ22により解された食材は当該通路35を通って下方に落下供給される。
【0052】
図2、図3に示すとおり、36はシャッターであり、上記食材落下通路(材料落下通路)35を落下してくる食材を受け止めることができるように、当該通路35の下段に設けられている。このシャッター36は、食材が上記間隙T2から後述の計量部39に落下する途中に設けられ、常時は開いた状態を維持しており、計量容器に所定重量の食材が蓄積されると閉鎖状態となって食材の落下を遮断するためのものである。このシャッター36は、上記食材通路35の下部に位置する観音開き式の一対のシャッター部36a,36a’から構成されており、これらのシャッター板36a,36a’は両端部の前後方向回転支軸37,37’が上記食材通路35の下部の機枠1aに回転自在に軸支され、かかる支軸37、37’を駆動モータM5(図3)により矢印g、h方向に回転駆動することにより開閉駆動されるものである(図2)。尚、上記シャッター板36a,36a’は上記各駆動軸37,37’をギア等で接続することにより、1つのモータM5の正逆駆動により開閉駆動することができる。
【0053】
38は上記シャッター36の下部に引き続いて設けられた筒状の食材落下通路であり、上記開状態のシャッター36を通過した食材は、当該通路38を介して下方の計量部39に向けて落下供給される。
【0054】
39は上記食材落下通路37の下方に設けられた計量部であり、上記間隙T2から食材解しローラ22によってかき取られて落下した食材を受け止めることができるよう配置されている。この計量部39は、大別して、機枠1a側(材料自動計量装置本体側)に着脱自在に設けられたシャッター機構(材料蓄積機構)40と、機枠1a(装置本体側)に固定して設けられたロードセル機構(計量機構)41とから構成されており、操作部66で設定した所定重量の食材を自動計量してシャッター機構40に蓄積し、操作部の落下供給スイッチS2を押すことにより、或は目標重量に設定されたことを自動的に検出して、食材を包装容器等へ落下させるものである。
【0055】
上記シャッター機構40は、図12に示すように、基板42の中央に底部開口状態の計量枡43が固定されており、上記基板42の下部左右位置に前後方向に設けられた案内レール44に計量枡43の底部を構成する方形状のシャッター板45が前後方向(矢印a,i方向)に水平摺動自在に設けられている。上記案内レール44は上記基板42の後方に延長して設けられており、上記シャッター板45が後方にスライドしたとき、上記計量枡43の底部を完全に開口し得るように構成されている(図14)。このシャッター板45の後端縁には該シャッター板45の開閉方向と直交する左右方向の上向案内レールを構成する案内ガイド46が固定されており、当該案内ガイド46の後方側レール46’の一端には駆動ローラ挿入用の切欠部46aが形成されている。
【0056】
上記計量枡43の前面側には前面板47が設けられると共に、上記計量枡43の左右側面には本体装着用のコ字型アングル48,48’が前後方向に固定されており、当該アングル48,48’の前後の各起立片には各々2個ずつの取付用透孔49、49が貫設されている。かかる構成により、当該計量シャッター機構40は後述の本体側のロードセル52に連結した一対の取付シャフト55,55’に上記取り付け用透孔49をその後方側から挿入することで、上記機枠1aに装着できるように構成されている。引き抜く際は少し持ち上げた状態で引き抜くことができる。このように計量シャッター機構40を着脱自在に構成することにより、計量重量を増やす場合等に内容積の異なる計量容器と交換することが可能となる。
【0057】
上記ロードセル機構41は以下の構成からなる。即ち、上記機枠1a内に水平に設けられた仕切板50(図3)上に基板51が固定され(図10)、該基板51上にロードセル(計量手段)52が固定されている。そして上記ロードセル52上に取付杆53が載置固定され、当該取付杆53の先端部に左右方向枠板54を載置し(図14参照)、当該左右方向枠板54の前面屈曲部54’の左右両端位置に前方に突出する一対の取付シャフト(シャッター機構載置部)55,55’を水平方向に固定して設ける。上記左右方向枠板54は、その板面の2箇所に上方からボルト56が挿通され、当該ボルト56の下端が上記基板51前方に固定された補助基板57に挿通されて位置決めされているが、上記取付シャフト55,55’に装着された上記計量シャッター機構40の重量は、上記取付杆53を介して上記ロードセル52の重量センサーに加重され、当該ロードセル52にてシャッター機構40の重量を計量し得るように構成されている。
【0058】
また、上記基板51の下側には、上記シャッター板45を開閉するためのスイングアーム58がその回動軸59を以って回動自在に支持されている。このスイングアーム58は、上記基板51の上面側において上記回動軸59にギア60が接続されており、当該ギア60にモータM6の駆動ギア61が噛合することにより、上記モータM6の正逆駆動により、回動駆動される。このスイングアーム58の先端部にはローラ58aが回転自在に装着されており、上記モータM6の正逆駆動により、上記始点である図14の符号Xの位置(シャッター閉鎖位置)から略90度回動して終点である図14の符号X’の位置(シャッター開成位置)まで矢印j,k方向に往復回動し得るものである。
【0059】
62は上記回転軸に同軸的に設けられたカムであり、上記スイングアーム58と共に上記軸59を中心として回転し、上記スイングアーム58が始点位置Xにあるときは、マイクロスイッチ63aのみをオンし、上記スイングアーム58が終点位置X’にあるときは、マイクロスイッチ63bのみをオンすることにより、後述のコントローラ65にて、上記シャッター板45の開閉状態を検知し得るように構成したものである。尚、62’はスペーサである。
【0060】
このように構成される計量部39において、上記計量シャッター機構40を後方からその取り付け孔49,49内に上記ロードセル機構41の取り付けシャフト55,55’を挿入することにより取り付ける。このとき、上記取付シャフト55,55’の各先端が上記計コ字状アングル48,48’の手前側の取り付け用透孔49,49’を貫通するまで当該機構40を上記シャフト55,55’に確実に取り付ける(図14参照)。すると、当該計量シャッター機構40の重量は上記取り付けシャフト55,55’、左右方向枠板54及び取付杆53を介してロードセル52にかかるため、当該重量をロードセル52にて計量することが可能になる。尚、後述のコントローラ65は、予め上記計量シャッター機構40の重量を記憶しており、上記ロードセル52における実際の計量値から上記計量シャッター機構40の重量を差し引くことにより、食材の重量を認識できるように構成されている。
【0061】
上記取り付けシャフト55,55’の先端が前側の取り付け孔を貫通するまで当該計量シャッター機構40を装着すると、上記スイングアーム58のローラ58aが上記シャッター板45の後方のガイドレール46の切欠部46aからレール46’内部に入り込んだ所に位置する。よって、かかる状態から上記モータM6を駆動することにより、上記スイングアーム58が矢印j方向に回動すると、上記ローラ58aが上記案内ガイド46の手前のレール46’に係合し、引き続いて回動することにより、上記ローラ58が上記案内ガイド46内を右方向に移動して上記レール46を介して上記シャッター45を後方に牽引していき、図14に示す終端位置X’においては、シャッター45は全開することができる。すなわち該アーム58が始点Xから終点X’まで回転すると、ガイド46が取り付けられているシャッター板45を牽引して計量枡43の底部を開放し、蓄積された食材を落下させることができる。
【0062】
64は開口面積の広い上部開口から開口面積の狭い下部開口まで徐々に狭くなるように構成された漏斗状のシュータである。上記計量された食材は上記シャッター板45から当該シュータ64を介してその下部開口から下方に落下供給される。通常は、上記シュータ64の下部開口に包装袋等を宛がって、上記食材を一定量毎に包装していく。
【0063】
次に、本発明の電気的構成について説明する。図16は本装置の電気的構成を示すブロック図であり、本発明の装置は、図17、18に示す動作手順が記憶されたものであって、当該手順に従って各部を駆動制御するプログラマブルコントローラ65、該コントローラ65の入力部に接続された上記ロードセル52、反射型センサー18、上記コントローラ65の出力部に接続され、該コントローラ65からの指令により動作制御される上記各駆動モータM1〜M6、及び上記コントローラ65の入力部に接続された動作開始スイッチS1、供給スイッチS2を含む各種スイッチを具備する操作パネル部66、上記コントローラ65の出力部に接続され、各種情報を表示する表示部67により構成されている。尚、68は各種データを記憶するための記憶部であり、本発明の場合、食材等の材料の目標計量値等が予め記憶されている。
【0064】
本発明の材料自動計量装置は上述のように構成されるものであり、次に図17、図18のフローチャートに基づいてその動作を説明する。尚、装置の電源はオン状態であるものとする。また、計量する食材は1片が約1cm乃至3cmの薄いチップ状の鰹節とする。
【0065】
また、この鰹節のような小さく薄いチップ片の集合からなる食材の場合は、間隔T2を最小位置に設定する。即ち、間隔調整レバー27aを前方(矢印e方向)に一杯に動かして最も手前に位置させた状態(図8の状態)において位置決めピン31を以って回動アーム板28,28’を固定する。よって、食材解しローラ22と下段のベルトコンベア12の前端部の間隔T2は最小の間隔(図8の間隔)となっているものとする。
【0066】
かかる状態において、まず、鰹節を食材受入枠2の上面開口部2’から当該受入枠2内に投入する。鰹節は小さく薄いチップ片が集合した状態であり、1チップ片は極めて軽いため、集合状態においても全体として比較的軽量の状態でベルトコンベア3上に堆積する。
【0067】
次に、操作者が動作開始スイッチS1をオンにすると(図17P1)、プログラマブルコントローラ65(以下、コントローラ65という)はモータM1を駆動する。すると、ベルトコンベア3が矢印a方向に駆動されると共に、解し器8が矢印b方向に回転する(図17P2)。これにより、コンベア3上の食材は矢印a方向に移送されると共に、解し器8により解されながら、下段のベルトコンベア12に落下供給されていく。
【0068】
また、上記動作開始スイッチS1をオンすると(図18P1)、上記コントローラ65はモータM5を駆動してシャッター36を開状態とし(図18P2)、さらにモータM2を駆動してベルトコンベア12を矢印a方向に駆動すると共に(図18P3)、駆動モータM3,M4を同時に駆動して食材解しローラ22を矢印b方向に同時に回転駆動する(図18P3)。また、このとき、上記モータM2の駆動に基づいて均し器19も矢印b方向に回転を開始する。
【0069】
すると、上記上段のコンベア3から間隙T1を介して下段のコンベア12に落下供給された食材は、当該コンベア12により矢印a方向に移送されると共に、当該コンベア12上に堆積して行き、当該食材が光センサー18の高さレベルに達すると、上記コントローラ65はモータM1の駆動を停止する(図17P3,P4)。これにより、上記コンベア3及び解し器8の回転が停止して、下段コンベア12への食材の供給が停止する。
【0070】
上記コンベア12に供給された食材は、均し器19の矢印b方向の回転により、その上面が均一にならされて、コンベア12の幅方向に亘って略均一な幅(層)となるように均される。その後、上記食材解しローラ22の矢印b方向の回転により、上記食材は間隔T2から徐々に下方に落下供給され、当該落下した食材は、食材通路35、開状態のシャッター36、さらには食材通路38を介して計量シャッター機構40の計量枡43の底部を構成するシャッター板45上に蓄積されていく(図19(a)参照)。上記コントローラ65は、上記シャッター板45上に落下された食材の重量をロードセル52の計量値に基づいて検出し、当該計量値が目標重量の90%に到達したか否か判断する(図18P4)。上記コントローラ65は、計量値が目標重量の90%に達するまでは上記動作を継続する。
【0071】
そして、コントローラ65は、目標重量の90%に到達したことを検出すると、駆動モータM3を停止して一方のローラ22aの駆動を停止し、他方のローラ22a’のみを間歇的に駆動する(図18P5)。これにより、食材は、両方のローラ22a,22a’が同時に回転していたときに比べて少量が落下供給されるようになり、さらに間歇駆動されるため、計量値を目標値に徐々に近づけていくことができ、正確な計量が可能となる。
【0072】
上記コントローラ65は、食材計量値が目標値になったことを検出すると(図18P6)、駆動モータM4、M2を停止する。よって、間歇駆動していた食材解しローラ22a’も停止し、ベルトコンベア12の駆動も停止すると共に(図18P7)、駆動モータM5を駆動してシャッターを閉鎖する(図18P8)。これにより、食材の落下が遮断される。以上の動作により、シャッター機構40のシャッター板45上に目標値に正確に計量された食材(この場合鰹節)が蓄積されたことになる。
【0073】
その後は、操作者はシュータ64の下端に包装袋を宛がい、供給ボタンS2を押せばよい(図18P9)。すると、コントローラ65は、駆動モータM6を駆動して回動アーム板58を回動させる。すると、当該アーム板58の矢印j方向の回動により、シャッター板45が後方に移動して計量枡43の底部が開口されるため(図18P10)、上記シャッター板45上に蓄積されていた食材は落下してシュータ64を介して上記包装袋に包装することができる。
【0074】
このように、コントローラ65は、図18のステップP2からP10の動作を繰り返し行って、順次計量された食材が上記シャッター板45上に蓄積されていく。このような動作の繰り返しにより、上記コンベア12上の食材は徐々にその量が低下してき、その堆積レベルが上記光センサー18のレベル以下になると、上記コントローラ65はこれを検出し(図17P5)、駆動モータM1を駆動して上記コンベア12に供給される食材のレベルが光センサーの高さレベルに至るまで、上記コンベア3及び解し器8を回転駆動する。
【0075】
次に、鰹節以外の食材、例えば水分を含んだ惣菜の漬物等の食材の1単位が比較的大きな食材を計量する場合は、位置決めピン31を外して、上記間隔調整ハンドル27aを矢印f方向に倒して所定の位置で位置決めピン31を位置決め孔32に係合させて固定することにより、上記食材解しローラ22とベルトコンベア12の前端部の間隔T2を大きくすればよい(図19(b)参照)。
【0076】
尚、計量する重量及び食材の搬送速度(計量速度)は操作パネル部66から各種設定が可能であり、任意に設定することができる。また、計量枡43の内容積が不足する場合は、内容積の異なるシャッター機構40とワンタッチで交換することもできる。また、上記落下供給スイッチS2の押下に基づく信号に代わり、計量値が目標値に達したことの検出に基づいて自動的にシャッター板45を開く制御を行うことにより、計量動作を包装袋への供給動作を計量毎に自動的に行うこともできる。
【0077】
図20に示すものは、本発明の材料自動計量装置の他の実施形態を示すものであり、食材均し器19としてローラ状の食材均し器19’を用いたものである。この均し器19’は上記食材受入枠17内の供給された食材の上面を押さえながら均等な厚みに均すものであり、左右直立側板15,15’に貫設された上下方向長孔70に沿って上下方向に昇降し高さ調整可能に設けられている。尚、当該食材均し器19’の上下駆動はシリンダー71等により行うことができる。この食材均し器19’は食材解しローラ22に接近した位置に設けているが、これは例えば白菜漬け等のように連なりやすい材料については、上記食材均し器19’で押さえつけた状態において上記ローラ22の回転にて上記連なりを引き剥がし、上記材料の連なりを解除する必要があること考慮したものである。
【0078】
図21に示すのは、材料蓄積機構(上記シャッター機構)の他の実施形態を示すものであり、材料蓄積機構を材料蓄積バケット72として構成したものである。このバケット72は上面72aが開口しており、前端上縁を支点として開閉する前面側開閉蓋72bを有すると共に、底面72cは上記開閉蓋72bに向けての傾斜面となっている。また、両側面にはコ字型アングル48,48’が設けられており、上記一対の取付シャフト55,55’に上記シャッター機構と同様に取り付ける。よって上方から供給されてきた食材は上記底面72bに蓄積され、所定の重量になったときにシリンダー74等の駆動手段で上記開閉蓋72bを開成(矢印n方向)して食事を落下供給(矢印m方向)するものである。
【0079】
図22はさらに材料蓄積機構の他の実施形態を示すものであり、材料蓄積機構を上面開口73aを有する材料蓄積バケット73として構成し、前面側の開閉蓋73bをその回動軸73b’を回転駆動する回転駆動手段を以って回転することにより開閉可能(矢印n方向)とし、当該開閉蓋73bを開いて材料を落下供給(矢印m方向)し得るように構成したものである。
【0080】
このような材料蓄積機構72,73は上記シャッター機構と同様に、色々な重量に応じてワンタッチで上記取り付けシャフト55、55’に取付け又は取外すことができ、計量材料或いは計量値に適した形状のものを適宜使用することができる。
【0081】
上述のように、本発明によれば、食材解しローラ22と第2コンベア12の前端部との間隔T2を調整可能であるため、鰹節のような小片状の食材から、食材の単位が比較的大きな食材まで複数種の食材の計量を行うことができる。
【0082】
また、食材を食材搬送用ベルトコンベア3で受けて直ちに前方に移送し、該ベルトコンベア3から落下供給され食材を食材搬送用のベルトコンベア12で受けて、当該コンベア12上で食材を食材均し器19により一定の層に均しながら食材解しローラ22で少量ずつ計量部39に落下供給する構成としたので、食材の種類に拘わらず、食材を痛めることなく食材の正確な計量が実現可能となった。
【0083】
これにより、米飯は勿論これに限らず、鰹節、カット野菜(千切りキャベツ等)、豆等、菓子類、粉類その他、水分を含んだ惣菜(例えばキムチ等)等、様々な形状、サイズの食材等を、正確に計量供給可能な食材等の材料自動計量装置を実現できるものである。
【0084】
さらに、上記実施形態では食材を中心に説明してきたが、本発明は食材以外の材料も計量可能であり、例えばねじ、シリカゲル等の材料の自動計量に使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る食材等の材料自動計量装置の斜視図である。
【図2】同上装置の一部切欠正面図である。
【図3】同上装置の側面断面図である。
【図4】同上装置の食材解しローラ近傍の側面断面図である。
【図5】同上装置の食材解しローラ近傍の分解斜視図である。
【図6】同上装置の食材搬送用第2コンベア近傍の分解斜視図である。
【図7】同上装置の食材解しローラの分解斜視図である。
【図8】同上装置の食材解しローラ近傍の側面断面図である。
【図9】同上装置の食材解しローラ近傍の側面断面図である。
【図10】同上装置のシャッター機構及びロードセル機構の側面図である。
【図11】同上装置のシャッター機構及びロードセル機構の側面図である。
【図12】同上装置のシャッター機構の斜視図である。
【図13】同上装置の計量部近傍の側面図である。
【図14】同上装置の計量部近傍の平面図である。
【図15】同上装置の計量部近傍の平面図である。
【図16】同上装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図17】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図18】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図19】(a)(b)は同上装置の食材解しローラによって食材を供給している状態を示す説明図である。
【図20】同上装置の他の実施形態の食材解しローラ近傍の側面断面図である。
【図21】同上装置の食材蓄積機構の他の実施形態を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は側面図を示す。
【図22】同上装置の食材蓄積機構の他の実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0086】
1 食材自動計量装置
2 食材受入枠
3 食材搬送用ベルトコンベア
8 食材解し器
8a 主軸
12 食材搬送用ベルトコンベア
17 食材受入枠
18 反射型センサー
19 食材均し器
19a 主軸
22 食材解しローラ
22a 左ローラ
22a’ 右ローラ
26,26’ 回動軸
27 間隔調整機構
27a 間隔調整レバー
28,28’ 回動アーム板
40 シャッター機構
41 ロードセル機構
43 計量枡
44 案内レール
45 シャッター板
52 ロードセル
55,55’ 取付シャフト
58 スイングアーム
58a ローラ
65 プログラママブコントローラ
M1〜M6 駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1材料受入枠の下部開口に材料搬送用第1コンベアを設けると共に該第1コンベアの前端部近傍に該コンベアの進行方向と直交する回転軸を有する材料解し器を設け、上記前端部に搬送されてきた材料を上記解し器にて解しながら下方に供給する構成とし、
上記第1のコンベアから供給される材料を受け入れる第2材料受入枠を上記第1コンベアの前端部下方に設け、該第2材料受入枠の下部開口に上記材料を搬送する材料搬送用第2コンベアを設け、
上記第2材料受入枠における上記第2コンベアの前端部近傍に該コンベアの進行方向と直交する回転軸を有する材料解しローラを設け、上記前端部に搬送されてきた材料を上記材料解しローラにて解しながら下方に供給するように構成し、
上記第2コンベアの上記前端部下方位置に、該第2コンベアから供給される材料を蓄積すると共に開成により材料を下方に落下供給し得る材料蓄積機構と、該材料蓄積機構に蓄積された材料を計量する計量機構とを設け、
上記計量機構の計量値が目標計量値になるまで上記第2コンベア及び上記材料解しローラを駆動する制御手段を設けて、上記材料が目標計量値になった後に上記材料蓄積機構を開いて計量後の材料を下方に供給し得るように構成し、
かつ上記材料解しローラの外周面が上記第2コンベアの前端部から離間する方向と、上記前端部に近接する方向に移動可能とする間隔調整機構を設けたものであることを特徴とする食材等の材料自動計量装置。
【請求項2】
上記第2材料受入枠における上記第2コンベアの上方位置に、該コンベアの進行方向と直交する回転軸を有する材料均し器を設けたものであることを特徴とする請求項1記載の食材等の材料自動計量装置。
【請求項3】
上記間隔調整機構は、上記第2材料受入枠の側板に設けられた回動中心軸を以って回動する回動アーム板を設けて、該回動アーム板の一端部において上記材料解しローラの回転中心軸を保持する構成とし、
かつ上記回動アーム板を上記回動中心軸を以って回動することにより上記材料解しローラと上記第2コンベアの前端部との間隔を調整可能に構成したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の食材等の材料自動計量装置。
【請求項4】
上記第2材料受入枠の側板の所定高さに高さ検出センサーを設け、上記制御手段は上記第2材料受入枠内に供給された材料の高さが上記センサーレベルに達したことに基づいて上記第1コンベア及び上記材料解し器の駆動を停止するものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置。
【請求項5】
上記材料蓄積機構を材料自動計量装置本体から独立したユニットとして構成すると共に、
上記計量機構は、上記材料自動計量装置本体内に固設されたものであって、上記材料蓄積機構が載置される材料蓄積機構載置部と、該材料蓄積機構載置部に載置された上記材料蓄積機構の重量を計量し得る計量手段とから構成されるものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置。
【請求項6】
上記材料蓄積機構は、材料を受け入れる計量枡の底面に沿って形成された案内レールと、該案内レールに沿って開閉するシャッター板と、該シャッター板の一縁にその開閉方向と直交する方向に設けられた案内ガイドとから構成し、これらの部材からなる材料蓄積機構を材料自動計量装置本体から独立したユニットとし、
上記計量機構は、上記材料自動計量装置本体内に固設されたものであって、上記材料蓄積機構が載置される材料蓄積機構載置部と、該材料蓄積機構載置部に載置された上記材料蓄積機構の重量を計量し得る計量手段と、上記材料蓄積機構を上記載置部に載置した状態において上記案内ガイドに係合して上記シャッター板を開閉駆動する開閉駆動手段とから構成されるものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置。
【請求項7】
上記材料解しローラを、同一回転中心の右ローラと左ローラに分割し、各々独立した駆動手段にて回転駆動するように構成し、
上記制御手段は、上記計量機構での計量値が目標計量値に接近したことに基づいて、一方のローラの回転を停止するものであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置。
【請求項8】
上記材料搬送用第1コンベアと上記材料搬送用第2コンベアは各々ベルトコンベアであることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の食材等の材料自動計量装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−45927(P2008−45927A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−220051(P2006−220051)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000236746)不二精機株式会社 (48)
【Fターム(参考)】