説明

食肉の内在酵素活性調理方法と加熱調理器

【課題】食肉を50℃の酵素反応温度で保持する際に肉汁成分が流出するので、その前にタンパク質凝固温度である60℃以上に保持する凝固工程を設けて食肉表面を熱凝固させ、肉汁成分の流出を防止し、酵素反応工程で旨み成分の増加と肉質を軟化させる加熱調理器を提供する。
【解決手段】調理プレート4と、加熱手段2と、温度検知手段6と、制御手段7を備えて、調理プレート4および調理空間を60℃以上にする凝固工程と、酵素活性温度で保持する酵素反応工程と、調理工程の3つの加熱工程のように加熱手段2を制御することで、食肉の旨みを増やし、肉質を軟らかくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食肉に含まれる内在酵素を活性化させる調理方法とその調理方法を実現する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、牛肉等食肉を焼く調理器としてホットプレートやオーブンがあった。ホットプレートでは、鉄板を200℃〜250℃の高温にして肉の両面を焼くことで、肉の旨みが流出せずに、ジューシーに焼き上げるようにしている。また、オーブンでは、大きな塊肉を同じく高温雰囲気で加熱して、ローストビーフや焼き豚などを調理することができる。いずれの調理器でも、初期に設定した高温で、加熱するものであった。
【0003】
しかし、ホットプレートでは、鉄板が高温であるために短時間で食肉に焦げが生じやすく、最適な焼き状態にある時間が短くて肉の旨みを残しながら焼ける一方で、その出来上がりの見極めを誤ると、ぱさぱさで硬くなりおいしさが損なわれていた。また、オーブンにおいても、肉塊の表面と内部の焼き加減のバランスが悪く、肉塊の内部が、食品の安全性から70℃以上に到達する頃には、表面は炭化が進んでしまうなどの課題を有していた。
【0004】
このような課題に対し、食肉を軟らかく、しかも旨み成分を増加させることができる食肉の調理方法と加熱調理器が、特開平5−244903号公報に提案されている。図8にその加熱調理器を示す。
【0005】
機器の内底面には、ヒータからなる加熱手段1が底面に設けられ、調理空間2には食肉3を載置する鉄板4が備えられている。機器の外には、制御手段5とパイロットランプ6が設けられ、制御手段5は、加熱手段1を制御して、食肉3の調理空間2の調理温度を制御する。調理空間2の四隅には、温度センサ7が設けられている。この温度センサ7による検出温度情報は、制御手段5に、フィードバックされるようになっている。調理空間2の天面には、ファン8が設けられており、調理空間2を撹拌して温度の均一化を図る。制御手段5は、食肉3を酵素作用の活性温度で一定時間加温する工程と、焼肉温度で加熱調理する調理工程とに、加熱手段1を制御するようになっている。
【0006】
以上のように構成された加熱調理器において、その動作を説明する。
【0007】
まず、ファン8を駆動しながら加熱手段1を動作させて、調理空間2内の温度を均一に50℃にする。調理空間2内の温度が50℃に到達すると、パイロットランプ6が点灯し、使用者は調理可能を知ることができる。例えば、厚さ10mmのステーキの場合、30分間前記温度で加温する。すなわち、食肉3を酵素作用の活性温度で一定時間加温する加温工程を経て、その後230℃の焼肉温度で加熱する調理工程に移るように制御している。50℃で30分間加温することで、肉が有している酵素の働きを促進させて食肉を軟化させ、同時に旨み成分を増加させるように作用するものである。
【特許文献1】特開平5−244903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の構成の加熱調理器では、酵素活性温度の40℃から50℃で加温する際に、肉表面のタンパク凝固していないためにドリップとして水分が肉表面から流出してしまい、食肉の軟化と旨み成分増加を狙ったにも係わらず、肉の表層部は硬く旨
みも減少するという問題が生じた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を改善するもので、食肉の表層をタンパク凝固させた後に食肉の内在酵素の活性温度で一定時間保持してから、活性温度よりも高温で加熱することにより、食肉全体を軟化し旨み成分を増加させる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、食肉を載せる調理プレートと、食肉の調理空間の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の信号をもとに、前記加熱手段の制御を行う制御手段を備え、食肉の表層のみを凝固させた後に、食肉の内在酵素が活性する温度に保持してから加熱調理するものである。
【0011】
これによって、食品の酵素活性温度で保持する前に食品の表層部を凝固させているので、酵素反応中に食肉自体に含まれる水分や成分流出を防ぎ、かつ肉の軟化と旨み成分の増加を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の加熱調理器は、食肉の表面を凝固させた後に、食肉に内在する酵素の活性温度で一定時間保持するので、酵素活性温度保持中に肉の表面から肉汁成分や水分が流出することなく、肉全体を軟化させて旨み成分を増加させる加熱調理器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
第1の発明は、食肉のタンパク質が凝固する温度で一定時間加温後、食肉に含まれる内在酵素の活性温度で一定時間保持し、その後前記内在性酵素の活性温度よりも高温で加熱する食肉の酵素活用調理法であり、タンパク質が凝固する温度で一定加温することにより、食肉の表面が加熱凝固し、その後の酵素活性温度で保持している間も水分と成分流出を防ぐことができ、かつ肉質の軟化と旨み成分の増加を図ることができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明のタンパク質が凝固する温度を60℃以上とし、内在性酵素の活性温度を60℃未満とするもので、60℃を境界温度として制御することで、食品表面のタンパク質凝固と食品内在酵素の活性の2つの反応を実現することができる。
【0015】
第3の発明は、食品を載せる調理プレートと、前記調理プレートを加熱する加熱手段と、食品の調理空間の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の信号をもとに前記加熱手段の制御を行う制御手段からなり、前記制御手段が食品の表層のみを凝固させるように一定時間加温する凝固工程と、その後に内在酵素活性温度に保持する酵素反応工程と、前記酵素反応工程の後に加熱を行う調理工程の順で加熱制御することによって、第1および第2の発明の調理方法を具現化することができる。
【0016】
第4の発明は、第3の発明の調理プレート上に水を供給する水供給手段を設けたことで熱した調理プレート上に水を滴下して蒸気を発生させることができる。
【0017】
第5の発明は、第3の発明の加熱調理器に蓋と、蓋の上面に着脱自在の水供給手段を設けたことで加熱調理器の大きさが大型化せずに済む。
【0018】
第6の発明は、第4および第5の発明の加熱調理器の調理プレートに水供給手段近傍側が高くなるような傾斜をもたせることによって、水供給手段から供給した余分な水分や肉からの余分な油分を調理プレートの一部に溜めて調理物から分離することができる。
【0019】
第7の発明は、第3から第6の発明の加熱調理器において、制御手段が前記酵素反応工程直前に前記水供給手段を作動するように制御することによって、タンパク質凝固温度である60℃以上に制御された調理空間に水が滴下して調理プレートの温度が瞬時に低下し、調理空間の温度をタンパク質凝固温度の60℃以上から酵素活性温度の60℃未満にすばやく制御することができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す加熱調理器の構成概略図を示すもので、図2は本発明の第1の実施の形態を示す加熱調理器の調理プレートを取外したときの上面から見た構成概略図であり、図3は調理工程と調理プレートの温度曲線を示すグラフである。
【0022】
図1において、本体1には、ヒータからなる加熱手段2と、ファン3が配設されている。加熱手段2の上に、調理プレート4が嵌め込むようになっている。調理プレート4は鉄板などの金属でなり、中央部はスリット状あるいは網目状に構成されていて、下部のファン3作動時に送風される。調理プレート4の上方は、蓋5で覆うことで調理空間となり、ファン3により調理空間の大気は撹拌され、温度が均一となる。また、本体1内には温度検知手段6が備えられており、調理プレート4の裏面と接触している。温度検知手段6は、調理プレート4の底面の温度を検知して、その検知信号を制御手段7に送る。制御手段7では、凝固工程,酵素反応工程,調理工程の順で、加熱手段2を制御する。
【0023】
まず凝固工程では、調理プレート4の裏面の温度を基に、食品の表層のみのタンパク質が凝固するように一定時間加温する。次に、第2の工程である酵素反応工程では、食品の内在酵素が活性化する温度に一定時間保持し、最後の工程の調理工程で酵素反応工程よりも高温で加熱を行う。
【0024】
以上のように構成された加熱調理器において、その動作を説明する。
【0025】
まず、調理プレート4に蓋5をして、メニューボタン8で例えば熟成モードを選択すると、加熱手段2が動作して図3に示すように凝固工程がスタートする。同時にファン3が作動して、蓋5で覆われた調理空間の温度が均一化される。そして、調理プレート4および調理空間が、80℃以上に予熱される。調理プレート4の底面温度が80℃に到達すると、電子音によって予熱完了が使用者に知らされる。予熱完了後に、ステーキ肉を調理プレート4上に載せ、蓋5をする。そして例えば1分間、制御手段7で80℃を保持するように、加熱手段2とファン3を制御する。その間に、ステーキ肉の表面のタンパク質が熱により凝固する。
【0026】
その後、第2の工程である酵素反応工程に移り、加熱手段2がオフしてファン3だけが作動し、調理プレート4および調理空間の温度が低下していく。50℃まで低下した時点で、再び加熱手段2をオンオフ制御しながら、50℃を一定時間保持する。50℃に保持することによって、食肉に内在しているカテプシンやカルパインなどのプロテアーゼが活性化して、食肉の筋肉タンパクを分解する。その結果肉質は軟化し、タンパク質が分解することで旨み成分のアミノ酸が生成され、肉に旨みが生じる。
【0027】
この酵素反応工程時には、凝固工程ですでに肉表面が凝固しているので、肉内部の水分や旨み成分が流出することなく、増加した旨み成分が肉にとどまった状態で酵素反応中はさらに増加させることができる。酵素反応工程の50℃で保持する時間は、肉の厚みで異なるが、5分から30分保持すればよい。酵素反応工程を経た後は、調理プレート4上を
200℃〜230℃になるように加熱手段2を制御してステーキ肉を焼き上げればよい。このような3つの加熱工程を経ることで、ステーキ肉の旨み成分が増すとともに肉の軟化し、旨みのある軟らかいステーキに仕上げることが可能となる。
【0028】
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態について図4を参照しながら説明する。
【0029】
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す加熱調理器の構成概略図を示すものである。なお、本発明の第2の実施の形態は、調理プレート4上に水を供給する水供給手段9を備え、酵素反応工程直前に調理プレート4上に水を滴下する点が第1の実施の形態と異なっており、その相違点について説明を行う。なお、その他の部分については第1の実施の形態と同様である。
【0030】
水供給手段9は、水タンク10と送水経路11と送水弁12とからなり、送水経路11は調理プレート4に接するように配設されている。水タンク10は着脱自在であり、水タンク10内の水が送水経路11を経て送水弁12の開放により、調理プレート4上に水が滴下される。水の滴下は、酵素反応工程前に行われる。例えば、凝固工程後は、調理プレート4上が80℃に到達している。80℃の調理プレート4上に滴下した水は、すぐさま蒸気となり、ファン3による撹拌で、調理空間内を拡散していく。次の酵素反応工程のために、加熱手段2はOFFの状態であり、そこに水の滴下と蒸発潜熱によって、調理プレート4および調理空間はすみやかに温度低下して、酵素反応温度の50℃に到達する。また、蒸気の作用によって、食肉自体は加湿される。
【0031】
このように、凝固反応工程後に、調理プレートに水を滴下することで、調理プレート4および調理空間をタンパク質の凝固温度である60℃以上から酵素活性温度の60℃未満に、すばやく制御することができる。また、発生した蒸気で酵素反応工程中の食肉の乾燥を防止することができる。
【0032】
(実施の形態3)
以下、本発明の第3の実施の形態について、図5および図6を参照しながら説明する。
【0033】
図5は、本発明の第3の実施の形態を示す加熱調理器の構成概略図を示すものである。図6は、本発明の第3の実施の形態を示す加熱調理器の調理工程と鍋の温度曲線を示すグラフである。なお、本発明の第3の実施の形態は、鍋と前記鍋を覆う蓋の上面に着脱自在の水供給手段を備えている点が第1および第2の実施の形態と異なっており、その相違点について説明を行う。なお、その他の部分については第1および第2の実施の形態と同様である。
【0034】
本体1の上面に天板13が配設しており、天板13の下方に加熱手段となる加熱コイル14が位置し、電源スイッチ(図示なし)を動作させると、天板13上に載せた鍋15自体が発熱体となって、鍋15内の食品16が加熱される。また、天板13の下方には温度検知手段6が備えられており、鍋15の温度が検知される。
【0035】
鍋15を覆う蓋5の上方に水供給手段9を備え、水タンク10と送水経路11と送水弁12とから構成されている。水タンク10は着脱自在で、取り外して水を入れることができる。水タンク10内の水が送水経路11を経て送水弁12の開放により、鍋15内に水が滴下される。蓋5の上方に水タンク10を備えることで、機器が平面的に大きくならずにすむ。また、煮込み料理などを作る際にはふたを開けずに水の供給ができ、炒めた鍋15に水を供給したときの水の飛散も防止できる。
【0036】
ここで、煮込み料理の一つとして、ビーフシチューの肉片を煮込む場合について、説明する。
【0037】
まず、メニューボタン8で選択後、凝固工程のスタートとともに加熱コイル14が通電されて、鍋15および調理空間が80℃になるように予熱される。予熱完了が電子音によって知らされると、使用者は肉片を鍋15に入れて蓋5をし、水タンク10にはビーフシチューのレシピに従った量の水を注いでおく。そして例えば1分間、制御手段7で80℃を保持するように加熱コイル14の通電を制御することで、肉片の表面のタンパク質が熱により凝固する。その後、水投入時期を電子音で使用者に知らせ、送水弁12を開放して、鍋15内に水が供給される。低温の水が供給されるので、鍋15内は80℃からただちに50℃に到達する。50℃に到達しない場合は、加熱コイル14が通電される。
【0038】
そして、鍋15温度が50℃に達したことを温度検知手段6で検知して、第2の工程である酵素反応工程がスタートし、50℃を一定時間保持する。肉片の場合、30分以上50℃で保持することによって、食肉に内在する酵素が活性化して肉質は軟化し、旨み成分のアミノ酸が生成され、肉に旨みが生じる。また、この酵素反応工程時には、凝固工程ですでに肉表面が凝固しているので、肉内部の水分や旨み成分が流出することなく、旨み成分が肉に留まったままさらに増加させることができる。酵素反応工程後は、緩やかな沸騰状態になるように、鍋の温度を95℃から100℃で加熱制御する。
【0039】
このように、水供給手段9を蓋5の上面に備えることで、平面方向に加熱調理器が、大型にならずにすむ。また、蓋5をしたまま水を供給できるので、予熱した鍋15に水を投入する際に起こる、水の飛散も防ぐことができる。
【0040】
(実施の形態4)
以下、本発明の第4の実施の形態について図7を参照しながら説明する。
【0041】
図7は、本発明の第4の実施の形態を示す加熱調理器の構成概略図を示すものである。なお、本発明の第4の実施の形態は、調理プレート4に傾斜をつけて配設し、水供給手段9の水が調理プレート4の供給口から、その反対方向に流れるように構成した点が、第1から第3の実施の形態と異なっており、その相違点について説明を行う。なお、その他の部分については第1から第3の実施の形態と同様である。
【0042】
調理プレート4は傾斜をもって本体1に配設されており、調理プレート4の水供給手段9の送水経路11が接している部分が高く、接していない反対側は低くなっている。凝固工程後の80℃の調理プレート4上に水を滴下すると、水はすぐさま蒸気となる。滴下した水が多い場合、調理プレート4が水平に配設されていると、食肉などの食品近傍に余剰の水が溜まってしまう。しかし、本実施の形態のように調理プレート4が傾斜をもって配設されていれば、蒸発しなかった水が、調理プレート4の傾斜に沿って、送水経路11と反対方向へと流れていく。食肉を焼く場合に食肉周辺に水が残存すると、蒸し焼きになってしまい水っぽくなり、好ましい状態ではなくなる。しかし、調理プレート4に水の送水経路11が高くなるような傾斜を設けることで、余分な水だけなく、加熱中に生じた余分の油成分も肉から分離することができる。
【0043】
なお、オーブンレンジでローストビーフや肉の煮込みものを加熱調理する際にも、庫内の温度検知手段6の検出温度に基づいて、凝固工程,酵素反応工程,調理工程の順で加熱工程が進むように加熱手段2を制御することによって、酵素反応工程中に肉汁成分が流出することなく、旨み成分の増加と肉質の軟化とを図り、旨みのある軟らかい肉料理に仕上げることができる。さらに、スチーム発生機構を備えたオーブンレンジにおいても、凝固工程の後に低温(例えば40℃)スチームを発生させることで、すばやく酵素反応工程に
適した温度状態に切り替えることができ、肉の乾燥防止効果も得られる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は調理プレートと、食品の調理空間の温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段の信号をもとに加熱手段の制御を行う制御手段を備え、食品の表層のみを凝固させた後に食肉の内在酵素が活性する温度に保持してから加熱調理を行うように制御することで、酵素反応中の食肉からの水分や成分流出が防止でき、さらに酵素反応工程によって肉の軟化と旨み成分の増加を図ることができる。よって、家庭用の加熱調理器として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す加熱調理器の構成概略図
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す加熱調理器の調理プレートを取外したときの上面から見た構成概略図
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す加熱工程と調理プレート底面の温度曲線を示すグラフ
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す加熱調理器の構成概略図
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す加熱調理器の構成概略図
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す加熱工程と鍋底面の温度曲線を示すグラフ
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す加熱調理器の構成概略図
【図8】従来の加熱調理器の構成図
【符号の説明】
【0046】
1 本体
2 加熱手段
3 ファン
4 調理プレート
5 蓋
6 温度検知手段
7 制御手段
8 メニューボタン
9 水供給手段
10 水タンク
11 送水経路
12 送水弁
13 天板
14 加熱コイル(加熱手段)
15 鍋
16 肉片(食品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食肉のタンパク質が凝固する温度で一定時間加温後、食肉に含まれる内在酵素の活性温度で一定時間保持し、その後、前記内在酵素の活性温度よりも高温で加熱することを特徴とした食肉の内在酵素活性調理方法。
【請求項2】
タンパク質が凝固する温度として60℃以上で一定時間加温後に、内在酵素の活性温度として60℃未満の温度で一定時間保持することを特徴とした請求項1記載の食肉の内在酵素活性調理方法。
【請求項3】
食肉を載せる調理プレートと、前記調理プレートを加熱する加熱手段と、前記食肉の調理空間の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の信号をもとに前記加熱手段の制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記食肉の表層のみを凝固させるように一定時間加温する凝固工程と、その後に内在酵素が活性する温度に保持する酵素反応工程と、前記酵素反応工程の後に加熱を行う調理工程とに制御することを特徴とした加熱調理器。
【請求項4】
調理プレートと食品を覆う着脱自在の蓋と、前記調理プレート上に水を供給する水供給手段を備えた請求項3記載の加熱調理器。
【請求項5】
蓋の上面部に着脱自在の水供給手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。
【請求項6】
調理プレートに水供給手段近傍側が高くなるような傾斜をもたせたことを特徴とする請求項4または5記載の加熱調理器。
【請求項7】
制御手段は酵素反応工程直前に水供給手段を作動することを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−225701(P2009−225701A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73278(P2008−73278)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】