説明

飲食や食品の保存に用いる竹炭筒製容器

【課題】
例えば、高知県の特産品である藁焼きタタキの美味しさを損なわせないために、冷凍処理
をせずに送る場合でも無機質の容器が用いられるために、藁焼きタタキそのものの熟成や旨味を増加させることはなく、製造から送付に要する時間を経て消費されるまでに食品自体の味が経時劣化することは不可避であった。
更にまた、電子レンジなどで加熱処理される食品もただ単に温めること自体が目的であり、
暖めることで容器自体が含有するミネラル成分が食品の旨味を更に増加させる食品用容器はなかった。
本願発明は、食品が製造されてから消費されるまでの期間にいて、食品が熟成することや旨味を増加させることを目的とする飲食や食品の保存用容器を提供することを課題とする。
【解決手段】
本願発明は、竹炭筒製容器を用いることで竹炭が含有する豊富なミネラル成分が食品の熟成や旨味を増加させ課題の解決を図るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、食品が製造されてから消費されるまでの期間において、食品自体の熟成や旨味を増加させることを目的に、ミネラル成分を豊富に含有する竹炭筒を飲食や食品の保存に用いる竹炭筒製容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における飲食や食品の保存に用いる容器は、陶器や漆器及びビン、金属、紙、ペットボトルなどの容器が用いられているため、容器自体にミネラル成分が豊富に含有することはなく食品の熟成や旨味を増加させることはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
食品が製造されてから消費されるまでの期間において、食品自体の熟成や旨味を増加させることを目的に、ミネラル成分を豊富に含有する竹炭筒を食品用容器に用いる文献は検索できないため、竹炭に関する食品用容器を以下に参考事例として記載する。
【特許文献1】特開2003−335377号公報
【0004】
更に上記の特許文献1に関する拒絶理由とする引用文献を以下に提示する。
【特許文献2】特開2003−335377号公報に記載される国内出願引用文献
【非特許文献】
【0005】
食品用の容器ではないが、竹炭筒製の容器が販売されているため以下に参考事例として記載する。
【非特許文献1】株式会社 弥栄(いやさか)京都市右京区花園伊町26−1が運営するwebサイトに記載される商品名で竹炭筒、竹炭壁掛け一輪挿し、竹炭キャンドル
【0006】
食器として竹炭製容器が販売されているものを以下に参考事例として記載する。
【非特許文献2】ファウンドアウト大阪市西成区潮路1−8−10が運営するWebサイト茜屋竹炭本舗に記載される商品名で燻煙食器
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
水や酒などの飲み物用の容器や食事用の食器及び酒類、醤油、蒲鉾、野菜サラダ、魚介
類、ご飯などの飲料や加工食品を保存する容器も無機質な容器を用いているため、食品の熟成や旨味を更に増加させることは望むべくもなかった。
【0008】
例えば、高知県の特産品である藁焼きタタキの美味しさを損なわせないために、冷凍処理をせずに送る場合でも無機質の容器が用いられるために、藁焼きタタキそのものの熟成や旨味を増加させることはなく、製造から送付に要する時間を経て消費されるまでに食品自体の味が経時劣化することは不可避であった。
【0009】
また、蒲鉾などの製造も板の上に載せられることや円形をした樹脂を芯に用いる製法などであるため、容器自体がミネラル成分を発し蒲鉾そのものの熟成や旨味を増加させることはなかった。
【0010】
更にまた、電子レンジなどで加熱処理される食品もただ単に温めること自体が目的であり、暖めることで容器自体が含有するミネラル成分が食品の旨味を更に増加させる食品用容器はなかった。
【0011】
本願発明では、食品が製造されてから消費されるまでの期間において、食品自体を熟成させることや旨味を増加させることを目的とする飲食や食品の保存用容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は、竹炭筒製容器を用いることで竹炭が含有する豊富なミネラル成分が食品の熟成や旨味を増加させ課題の解決を図るものである。
【発明の効果】
【0013】
竹炭には、豊富に含有されるミネラル成分が食品の熟成や旨味を増加させること以外にも、さまざまな効能があることが近年の研究で判明している。
本願発明が、ミネラル成分を豊富に含有する竹炭筒自体を容器に用いることで、食品の熟成や旨味を増加させ得るものであることは再三に亘り記載していることであるが、その効果について以下に記載する。
【0014】
それは、飲食や食品の保存に竹炭を用いることにより得られることとして、石油製品などから生産される容器から自然に植生し得る竹炭を利用することで温暖化の抑制及びそれに有する雇用の場を提供し得ることである。
【0015】
更に雇用の場としての提供理由のひとつに挙げられることは、5年で成熟する竹の成長力である。杉や檜などは一般的に樹齢と価値が比例するものであるが、竹の場合5年を経過した後は竹自体の価値の増加がないことである。
つまり、5年を1サイクルとして竹林を管理することで日常的且つ永続的な雇用を提供し得る植生を有していることである。
【0016】
更に竹炭の生産工程における炭焼きもマニュアル化を図ることによって、比較的容易に生産し得ることが可能である。
また、加工の難易度においても竹炭筒自体が比較的容易に生産可能であることなどによって、マニュアル化を図り工業的生産もなし得るものである。
【0017】
更に商品寿命においても一部の半永久的に用いられる保存容器以外は、比較的短いものであるため安定した生産需要も見込め得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、節を用いた竹炭筒製容器に加工するため、横方向に切断する前段階の例を示した竹炭筒の構造図である。
【図2】図2は、節を用いず竹炭筒製容器に加工するため、横方向に切断する前段階の例を示す竹炭筒の構造図である。
【図3】図3は、節を用いた竹炭筒製容器に加工するため、縦方向に切断する前段階の例を示す竹炭筒の構造図である。
【図4】図4は、節を用いず竹炭筒製容器に加工するため、縦横方向に切断する前段階の例を示す竹炭筒の構造図である。
【図5】図5は、図1に記載する竹炭筒を蓋と容器本体に加工した例を示す竹炭筒製容器の構造図である。
【図6】図6は、図2に記載する竹炭筒を分割せず容器に加工した例を示す竹炭筒製容器の構造図である。
【図7】図7は、図3に記載する竹炭筒を蓋と容器本体に加工した例を示す竹炭筒製容器の構造図である。
【図8】図8は、図4に記載する竹炭筒を蓋と容器本体に加工した例を示す竹炭筒製容器の構造図である。
【図9】図9は、図2に記載する竹炭筒製容器の蓋と容器本体を結合する部材と注ぎ口を設けた例を示す正面図である。
【図10】図10は、図2に記載する竹炭筒製容器の蓋と容器本体を結合する部材と注ぎ口を設けた例を示す側面図である。
【図11】図11は、図9・10に記載する竹炭筒製容器の蓋を開けた状態を示す構造図である。
【図12】図12は、図5に記載する竹炭筒製容器の蓋の部分に取っ手を設け、容器として独自に利用する例を示す構造図である。
【図13】図13は、図5に記載する竹炭筒製容器の容器本体の部分に取っ手を設け、容器として独自に利用する例を示す構造図である。
【図14】図14は、図3に記載する竹炭筒製容器の蓋と容器本体に転び止め部材を設けた例を示す構造図である。
【図15】図15は、図14に記載する竹炭筒製容器の容器本体から蓋を外した状態の例を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本願発明は、竹を炭釜で炭化させた竹炭筒自体を機能性を有した安全衛生上支障のない容器に加工するものである。
【0020】
植生する竹を利用するため竹の大きさや節と節の間の長さ及び肉厚などが異なることや炭化された状態などによって用途も限定されるものである。
【0021】
また、以下に記載する実施例は炭化したものを切断加工する例を示しているが、炭化させる以前の竹材を切断加工したものを炭化させる手法でも支障のないものである。
【0022】
それは、竹の段階で切断加工したものを炭化させることが効果的である場合や切断加工したものを炭化させ、更に仕上げ加工する手法も用いられるものである。
また、加工の状態に不具合が生じていても再加工を施すことも可能である。そのように加工自体の手法は如何にあっても本願発明が本旨とするところは、竹炭筒自体を容器に用いることにある。
【0023】
それでは、図1及至4を参照し請求項1における実施例を以下に記載する。
【実施例1】
【0024】
図1及至4に記載する竹炭筒1の形状寸法や肉厚及び炭化、亀裂、強度などの判断は、竹炭筒1自体を叩いた時に発する音や表面2、切口3、節4の視認及び電気抵抗値を測定した上で、用途毎の需要量に応じて切断箇所5を決定するものである。
【0025】
また、図1及至4に記載する図面の相違点は、切断方向の相違と節の利用方法いかんにある。
【0026】
続いて、図5及至8を参照し請求項1における実施例を以下に記載する。
【0027】
図1及至4に記載する竹炭筒1は、図5及至8に記載するように、切断され蓋6と容器本体7になり得るものであって、図示されない容器内部を含め表面2、切口3、節4の状態を再確認し、容器としての機能性と安全衛生上支障のない範囲に加工処理するものである。
【0028】
それでは、前記同様に、図5及至8を参照し加工処理の手順を以下に記載する。
1工程 表面2を確認し付着した異物を除去する。
2工程 前項「0015」の記載内容を経て切断し蓋6や容器本体7を作製する。
3工程 図示されない容器内部を確認し切口3の鋭角部を除去し丸みを付ける。
4工程 図示されない容器内部を含む蓋6や容器本体7を洗浄する。
5工程 蓋6や容器本体7を煮沸消毒する。
6工程 容器本体7に水を入れ滲みや漏水の確認をする。
7工程 蓋6や容器本体7全体を観察する。
但し、条件次第で工程順序に規定されず行われても支障のないものである。また、これによらない手順や手法をもって加工することも有するものである。
【0029】
それでは、請求項2に記載する漏水兼破損防止を兼ねた皮膜処理の方法を前記同様に、図5及至8を参照し以下に記載する。
【実施例2】
【0030】
皮膜処理剤として利用する材料は、漆、漆と竹炭粉、漆と小麦粉、漆と米粉、漆と竹炭粉と小麦粉、漆と竹炭粉と米粉を調合したものなどを前項「0019」に記載する工程の後に、漆器や一般的食器に用いられている刷毛塗りや吹き付けなどの手法をもって図示されない容器の内側以外である蓋6、容器本体7の表面2、切口3、節4に施すものである。
【0031】
また、それに限定されず、漏水兼破損防止の目的を果たし得る材料であって、食品用容器として人体に有害なものでなければ、皮膜処理剤として利用され得るものである。
【0032】
例えば、図示されない容器の内側以外である蓋6、容器本体7の表面2、切り口3、節4に樹脂をコーティングするものであってもよい。
【0033】
また、蓋6と容器本体7の接合部10にも図示されないシールなどが施されるものである。
例えば、ゴムや樹脂などで作製されたシールを接合部10に取り付け蓋6と容器本体7を密閉することで漏水などを防止するものである。
【0034】
続いて、請求項3に記載する容器に注ぎ口や飲み口を設けることについて、図9及至11を参照し以下に記載する。
【実施例3】
【0035】
蓋6と容器本体7は、結合部材8で固定され一対の容器になり得るものであって、蓋6には、注ぎ口9が設けられるものである。
それは、蓋6と容器本体7で構成され結合部材8と注ぎ口9を有する従来製品に見られる手法によって行われることで支障のないものである。
【0036】
例えば、樹脂などで作製した結合部材8を接着剤で蓋6に取り付ける手法やねじなどで固定する手法も可能なものである。
また、樹脂などで作製した注ぎ口9を挿入する図示されない穴を蓋6に開け差し込む手法や作製した注ぎ口9と蓋6に開けられた図示されない穴を連結し機能させ得る形態に接着剤やねじなどで取り付けてもよい。
このように、結合部材8と注ぎ口9の取り付け手法以外の形状や取り付け位置なども図示されるものに限定されるものではない。
【0037】
また、蓋6や容器本体7自体に図示されない注ぎ口を設けることや注ぎ口をも設けず、蓋6や容器本体7自体を独自に利用するために加工された容器も製造されるものであって、図示される形状や加工方法に限定されるものではない。
【0038】
更に続いて、請求項4に記載する容器に取っ手を設けることについて、図12及至13を参照し以下に記載する。
【実施例4】
【0039】
これは、図5に記載する蓋6と容器本体7をそれぞれ独自に容器本体7として用いたものに、取っ手11を設けたものであって、部材は樹脂などで製造された取っ手11を接着剤やねじなどで容器本体7に取り付けたものである。
【0040】
また、取っ手11の形状や取り付け部材及び取り付け方法も前記に限定されず、さまざまな手法が用いられるものであってよい。
【0041】
続いて、請求項5に記載する転び止の部材を設けることについて、図14及至15を参照し以下に記載する。
【実施例5】
【0042】
図示される転び止部材12は、自動車の輪止めと同様のシンプルな構造を用いたもので、
樹脂などで転び止部材12を製作し容器本体7に接着剤やねじなどで取り付けるものである。
これもまた、記載する事項に限定されず、さまざまな手法が用いられるものであってよい。
【0043】
更に接合部材13も樹脂などで製作し蓋6に接着剤やねじなどで取り付けるものであるが、これに関してもそれのみに限定されるものではない。
【0044】
竹炭筒の加工以外としては、日本の国土に一般的に植生する竹を用いるものであるため、マニュアル化を図ることやインターネットを介し情報の提供や共有をすることで、それぞれの地域で竹の植生をはじめ竹炭化や製品化をし得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本願発明における竹炭筒を利用した容器は、竹炭自体がミネラル成分を豊富に含有していることやそれらが食品に及ぼす効果などは科学的に立証されている。更に日本の国土の有する竹の植生条件や竹炭の製造能力においても工業的生産が可能であるため産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0046】
1 竹炭筒
2 表面
3 切口
4 節
5 切断箇所
6 蓋
7 容器本体
8 結合部材
9 注ぎ口
10 接合部
11 取っ手
12 転び止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹炭に含有するミネラル成分が食品の熟成や旨味を増加させることを目的に、竹炭筒自体
を加工し、飲食や食品の保存に利用し得ることを特徴とする竹炭筒製容器。
【請求項2】
漏水兼破損の防止を目的に皮膜処理することを特徴とする請求項1記載の竹炭筒製容器。
【請求項3】
容器に注ぎ口や飲み口を有することを特徴とする請求項1及至2の何れかに記載の竹炭筒製容器。
【請求項4】
容器に取っ手を設けることを特徴とする請求項1及至3記載の何れかに竹炭筒製容器。
【請求項5】
蓋や容器本体に転び止部材を取り付けることを特徴とする請求項1及至4記載の何れかに竹炭筒製容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−189007(P2010−189007A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32090(P2009−32090)
【出願日】平成21年2月15日(2009.2.15)
【出願人】(597048414)
【Fターム(参考)】