説明

駆動伝達装置、給紙装置、及び、画像形成装置

【課題】大幅なコストアップをすることなく、保持部材と板状部材との間の複数の駆動伝達部材を駆動伝達可能に支持し、保持部材に固定された複数の支持軸と、板状部材に設けられた孔部とのガタつきを防止する駆動伝達装置を提供する。
【解決手段】駆動伝達装置50は、駆動伝達ギヤ(22、25、26、33)と、駆動伝達ギヤを支持するスタッド(220、250、260、330)と、ブラケット201と、ブラケット201を固定する奥側面板501とを備え、ブラケット201の固定足同士を結んだ仮想三角形Tの内側のスタッド(220、260)は貫通孔(522、526)に進入する貫通部と奥側面板501の面に突き当たる突き当て部とから成る段付き構造で、仮想三角形Tの外側のスタッド(250、330)が進入する貫通孔(525、533)に振動を抑制する制振部材としてのマイラシート400を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源からの駆動力を駆動対象に伝達する駆動伝達装置、並びに、これを用いる給紙装置、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置においては、ローラや無端状のベルトなどといった表面無端移動体の表面移動を利用して、画像を形成したり、形成した画像を最終的に記録する転写紙等の記録媒体を搬送したりするのが一般的である。例えば、電子写真方式の画像形成装置の画像形成部では、回転するドラム状の潜像担持体の表面無端移動を利用して、光走査による潜像を形成したり、それを現像したり、現像によって得られた可視像を転写位置に向けて搬送したりする。また、画像形成装置の給紙部では、表面無端移動体としての給紙ローラや搬送ローラを備え、給紙ローラを回転させて給紙カセット内の転写紙を紙搬送路に送り出し、紙搬送路内の転写紙を搬送ローラによって転写位置に向けて搬送する。これらの表面無端移動体はローラであればその回転軸に、ベルトであればベルトを張架して回転駆動する駆動ローラの回転軸に回転駆動が伝達されることにより、表面無端移動する。
【0003】
以下、表面無端移動体に駆動を伝達する駆動伝達装置として、画像形成装置の給紙装置が備える給紙ローラ及び搬送ローラに駆動を伝達する駆動伝達装置の一例について説明する。
図16は、画像形成装置本体の筺体を形成する板状部材である奥側面板501に駆動伝達装置50を配置した構成の斜視説明図であり、図17は図16中の駆動伝達装置50近傍の拡大図である。また、図18は、駆動伝達装置50を上方から見た状態を模式的に示す上面図である。
駆動伝達装置50は、複数の駆動伝達部材としての駆動伝達ギヤ(22、25、26、33)を備え、駆動伝達ギヤを介してローラ軸(141、151、321)に固定された駆動入力ギヤ(24、23、34)に給紙モータ21からの駆動を伝達する。これにより、各ローラ(給紙ローラ14、搬送ローラ15、中継搬送ローラ32)が回転駆動する。
また、駆動伝達装置50は、駆動伝達ギヤ(22、25、26、33)を支持する複数の支持軸としてのスタッド(220、250、260、330)と、これらのスタッドの一端が固定され、スタッドを介して駆動伝達ギヤを保持する保持部材としてのブラケット201を備える。また、奥側面板501は、ブラケット201に固定された4つのスタッド(220、250、260、330)の他端が進入し、スタッドを位置決めするための孔部である貫通孔を4つ備え、ブラケット201が奥側面板501に固定されることによって、ブラケット201と奥側面板501との間に各駆動伝達ギヤを挟むような配置となる。また、ブラケット201は、奥側面板501との間が所定の距離となるようにブラケット201を固定する固定部材としての3つの固定足(431、432、433)を備える。
【0004】
駆動伝達装置50では、ブラケット201は駆動伝達系を構成する駆動伝達ギヤを精度欲位置決めするための部材であり、ブラケット201には駆動伝達ギヤを保持するためのスタッドが固着されている。そして、ブラケット201に固着された各スタッドと対抗する奥側面板501に設けられた貫通孔(522、525、526、533)に各スタッドが挿入されることによって、スタッドに支持されている駆動伝達ギヤが奥側面板501に対して位置決めされる。
【0005】
ここで、位置決めに用いられる奥側面板501に設けられた貫通孔は、スタッドが振動しないように、スタッドと同じ径で加工し、スタッドと同じ位置に開けられることが要求されるが、厳密に位置決めするための孔を加工することは非常に困難である。このため、実際には図19に示すように、ブラケット201を奥側面板501に取り付けた状態でスタッド290と貫通孔295との間には僅かな間隙が生じてしまう。なお、図19に示すスタッド290と貫通孔295との関係は、4つのスタッド(220、250、260、330)と貫通孔(522、525、526、533)との何れの組み合わせの場合であっても生じ得る関係である。なお、図19及び後述する図21で示す2つの固定足430は、3つの固定足(431、432、433)のうちのいずれか2つを組み合わせたものである。
このような間隙があると駆動伝達装置50で駆動を伝達する際に、ブラケット201に振動が生じ、ブラケット201の振動を抑えることができないため、スタッドにも振動が生じ、スタッドと貫通孔とがガタつくためにガタつき音の発生という問題が生じる。
【0006】
このような問題を解決することができる構成として、特許文献1には貫通孔に挿入するスタッドの位置が定まるように、貫通孔に弾性体からなる制振部材としてのマイラシートを貼り付ける構成が記載されている。図20(a)は、奥側面板501の貫通孔529にマイラシート400を貼り付けた状態を示す。この状態から図20(b)に示すようにスタッド290の先端が貫通孔529に進入ことによって、スタッド290と貫通孔295との間の隙間がなくなり、スタッド290が振動することを防止し、スタッド290と貫通孔529とがガタつくことによるガタつき音の発生を防止することができる。
【0007】
【特許文献1】特開2003−83348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、スタッドが複数ある場合、スタッドが進入する全ての貫通孔をカバーするようにマイラシートを貼り付けることは、部品点数の大幅な増加につながり、さらに、貼り付け時の作業も大幅に増えるため、大幅なコストアップにつながる。
このように貫通孔に制振部材を設け得ることなるスタッドと貫通孔とのガタつきを防止する構成として、スタッドの先端に奥側面板と突き当たる突き当て部を設け、この突き当て部を固定足の先端よりも若干突出させるものが実機において用いられている。この構成について、図21をもちいて説明する。
図21に示す構成では、スタッド290の奥側面板501側の先端は、貫通孔529に進入する貫通部297と貫通孔529に進入せず奥側面板501のブラケット201側の面に突き当たる突き当て部296とから成る段付き構造となっている。そして、図21(a)に示すように、スタッド290の長さL2の方が固定足430の長さL1よりも若干(図中ΔL)長くなっている。このため、スタッド290が固定されたブラケット201を奥側面板501に固定していない状態では、突き当て部296の奥側面板501側の先端は固定足430の奥側面板501側の先端よりも奥側面板501側に突出する。
このようなブラケット201を奥側面板501に固定しようとすると、図21(a)に示すように、スタッド290の突き当て部296の先端面が固定足430よりも先に奥側面板501に突き当たる。この状態から、図21中の矢印Bで示すように、ブラケット201を奥側面板501に向けて抑えるようにして、固定足430の先端を奥側面板501に対してネジ締結等で固定する。これにより、図21(b)に示すように、ブラケット201の固定足430よりも長いスタッド290が固定された部分が奥側面板501に対して凹となるように撓む。そして、撓んだブラケット201の復元力によってスタッド290の突き当て部296の先端面を図21中矢印Aで示すように奥側面板501に対して強く押し付けることができる。そして、スタッド290の突き当て部296の先端面を奥側面板501に対して強く押し付けることにより、スタッド290の軸方向に直交する方向の振動は起こりにくくなり、スタッド290が貫通孔529に対してガタつくことを防止することができる。このように、ブラケット201の固定足430の長さとスタッド290の突き当て部296の先端までの長さとの長さの違いによって、スタッド290の突き当て部296を奥側面板501に強く押し付けることができる。これによって、スタッド290と貫通孔529とがガタつくことによるガタつき音の発生を防止することができる。
【0009】
しかしながら、複数のスタッドを備える構成においては、図21を用いて説明したように、ブラケットの固定足よりもスタッドの突き当て部までの長さを長くした構成であっても、ブラケットにおける位置によってはガタつきが生じるスタッドがあった。
上述した説明では、画像形成装置が備える給紙装置の駆動伝達装置におけるガタツキについて説明したが、ようなガタツキの問題は、給紙装置の駆動伝達装置に限るものではない。画像形成装置の画像形成部における各種表面無端移動体に駆動を伝達する駆動伝達装置でも生じ得る問題である。さらに、画像形成装置が備える駆動伝達装置に限らず、駆動回転させる表面無端移動体を備える装置であれば生じ得る問題である。また、回転駆動するものであれば無端移動体に限らず、例えば回転軸に羽部を設けたスクリュ部材などに対して駆動を伝達する駆動伝達装置であれば起こり得る問題である。
【0010】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、大幅なコストアップをすることなく、保持部材と板状部材との間の複数の駆動伝達部材を駆動伝達可能に支持し、保持部材に固定された複数の支持軸と、板状部材に設けられた孔部とのガタつきを防止することができる駆動伝達装置、並びに、この駆動伝達装置を備えた給紙装置、及び、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動源から駆動伝達される複数の駆動伝達部材と、該駆動伝達部材を駆動伝達可能に支持する複数の支持軸と、複数箇所の所定の位置に該複数の支持軸をそれぞれ固定することによって上記駆動伝達部材を保持する保持部材と、該支持軸が進入することで該支持軸との位置決めを行う孔部を備え、該保持部材が固定されることによって該保持部材との間に上記複数の駆動伝達部材を挟むような配置となる板状部材と、該保持部材と該板状部材との間が所定の距離となるように該保持部材を該板状部材に対して固定する3つ以上の固定部材と、を有する駆動伝達装置において、上記複数の支持軸には、上記固定部材の上記板状部材側の固定部同士を結んで形成される仮想多角形の内側となる領域に配置された支持軸と、該仮想多角形の外側となる領域に配置された支持軸とがあり、該仮想多角形の内側となる領域に配置された該支持軸の上記板状部材側の先端は、上記孔部に進入する進入部と該板状部材の該保持部材側の面に突き当たる突き当て部とから成る段付き構造となっており、上記保持部材に上記固定部材と上記支持軸とを固定し、且つ、該保持部材を上記板状部材に固定していない状態では、上記突き当て部の該板状部材側の先端は該固定部材の該板状部材側の先端よりも該板状部材側に突出する構成であり、上記仮想多角形の外側となる領域に配置された上記支持軸が進入する上記孔部に、該支持軸の振動を抑制する制振部材を設け、且つ、上記仮想多角形の内側となる領域に配置された上記支持軸が進入する上記孔部の少なくとも一つには上記制振部材を設けないことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の駆動伝達装置において、上記制振部材は薄板状であり、上記板状部材の上記保持部材に対向する面に貼り付けられ、上記孔部の位置に切込部を有し、上記仮想多角形の外側となる領域に配置された上記支持軸は、該制振部材を介して該孔部に嵌合することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の駆動伝達装置において、上記制振部材は、上記孔部と上記切込部との位置を合わせる位置決め部を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、駆動伝達手段によって駆動が伝達される記録媒体搬送部材によって記録媒体に搬送力を付与して、記録媒体を給紙位置に向けて搬送する給紙装置において、上記駆動伝達手段として請求項1、2または3の駆動伝達装置を備えることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像とする現像手段と、該潜像担持体上のトナー像を転写位置で記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体を転写位置に給紙する給紙手段と、該転写位置を通過した記録媒体上のトナー像を記録媒体上に定着させる定着手段と、該転写位置を通過した記録媒体を画像形成後の記録媒体を収容する収容部まで搬送する搬送手段とを有する画像形成装置において、該画像形成装置を構成する無端移動体等の回転体に駆動を伝達する駆動伝達手段として請求項1、2または3の駆動伝達装置を備えることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記給紙手段として請求項4の給紙装置を備えることを特徴とするものである。
【0012】
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、保持部材を板状部材に固定する固定部材よりも支持軸の突き当て部までの長さを長くした構成では、3つ以上の固定部材の板状面側の固定部を結んで形成される仮想多角形の外側に配置された支持軸においてガタつきが生じることが分かった。
図22は、図16及び図17に示した駆動伝達装置50の給紙モータ21を外した状態の概略正面図である。ブラケット201は、3つの固定足(431、432、433)を奥側面板501にネジ締結することによって固定される。このとき、3つの固定足(431、432、433)のネジ締結部(631、632、633)を直線で結んで形成される仮想三角形Tの内側にあるスタッド(220、260)ではガタツキ音は発生しなかったが、仮想三角形Tの外側にあるスタッド(250、330)ではガタツキ音は発生した。
【0013】
このように、ブラケット201における位置によってスタッドにガタつきが生じる理由について図23を用いて説明する。
図23は、図22中の一点鎖線αにおける断面を図22中の矢印D方向から見た模式図であるが、図23では、スタッドに支持されている駆動伝達ギヤの表示は省略している。ここで、図22で示す仮想三角形Tの3つの辺のうち、第二固定足432のネジ締結部と第三固定足433のネジ締結部とを結んだ直線を仮想直線T1とし、断面αにおいて仮想直線T1が交わる位置を図23中の破線のT1で示している。そして、図23で示す断面図では、第一固定足431のネジ締結部における奥側面板501の法線Nと仮想直線T1とで挟まれる領域が仮想三角形Tの内側の領域である。図23において、ブラケット201の第一固定足431の位置では、固定足の長さによって奥側面板501からの距離が規制される。また、仮想直線T1の位置では、その両端が第二固定足432と第三固定足433とによって奥側面板501との距離が規制された状態でのブラケット201の撓み量によって奥側面板501からの距離が規制される。一方、図23中のT1よりも左側の位置では、奥側面板501からの距離を規制する構成が無いため、仮想直線T1の位置を固定端とした片持ち支持梁のように矢印C方向に変位可能である。
【0014】
仮想三角形Tの内側の領域に配置されたスタッド(220、260)は、ブラケット201の奥側面板501に対する距離が規制された位置に囲まれている。このため、固定足よりも長いスタッドによって撓んだブラケット201の復元力によってスタッドの突き当て部の先端面を図23中矢印Aで示すように奥側面板501に対して強く押し付けることができ、スタッドが貫通孔に対してガタつくことを防止することができる。一方、仮想三角形Tの外側の領域に配置されたスタッド(250、330)は、ブラケット201が片持ち支持梁のように変位可能な領域に固定されているため、固定足よりも長いスタッドによって矢印C方向に撓んだブラケット201の復元力では、スタッドが貫通孔に対してガタつくことを防止できるほど、スタッドの突き当て部の先端面を奥側面板501に対して強く押し付けることができない。このため、仮想三角形Tの外側にあるスタッド(250、330)ではガタツキ音は発生する。すなわち、3つ以上の固定部材の板状面側の固定部を結んで形成される仮想多角形の外側に配置された支持軸におけるガタつきを防止することができれば、駆動伝達装置としてガタつきを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明を適用した駆動伝達装置であれば、複数の支持軸のうち仮想多角形の外側となる領域に配置された支持軸が進入する孔部に、支持軸の振動を抑制する制振部材を設けることによって、仮想多角形の外側に配置された支持軸におけるガタつきを防止することができ、駆動伝達装置としてガタつきを防止することができる。また、仮想多角形の内側に配置された支持軸が進入する孔部には制振部材を設ける必要がないため、部品点数が大幅に増加することを防止し、ガタつきを防止する構成によって大幅なコストアップとなることを防止することができる。
よって、本願請求項1乃至7の発明によれば、大幅なコストアップをすることなく、保持部材に固定された複数の支持軸と板状部材に設けられた孔部とのガタつきを防止することができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を、画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。
図2は、本実施形態に係るカラー画像形成装置であるカラーレーザプリンタ(以下、プリンタ500という)の全体の概略構成図である。プリンタ500は、トナー像担持体として中間転写体である中間転写ベルトを用いたタンデム型中間転写式の電子写真装置であり、本体部100と本体部100を載せる給紙装置200とを備える。また、給紙装置200は、第一給紙カセット3a、第二給紙カセット3b、及び、第三給紙カセット3cからなる3つの給紙カセットを備える。なお、本実施形態では、図2で示すプリンタ500について、図2中の左から右方向をx方向、下から上方向をz方向、手前から奥方向をy方向とする。
図3は、図2のプリンタ500の給紙装置200が備える第一給紙カセット3a内に収容された記録媒体である第一転写紙13aを本体部100に向けて給紙する第一給紙部20a周辺の概略構成図である。
図2において、このプリンタ500の本体部100では、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色の画像を形成する。このために4組のトナー像形成部1Y、1C、1M、1K(以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示す)が、配置されている。このトナー像形成部1Y、1C、1M、1Kはそれぞれ、像担持体としての感光体11Y、11C、11M、11Kと、現像ユニットとを備えている。トナー像形成部1Y、1C、1M、1Kの上方には、形成されたトナー像を重ね合わせ搬送する中間転写ユニット6が備えられている。
【0017】
プリンタ500の本体部100は、トナー像形成部1Y、1C、1M、1Kのほか、光書き込みユニット2、レジストローラ対5を備えている。また、中間転写ユニット6を構成する中間転写ベルト12の中転駆動ローラ61、これに対向して二次転写部としての二次転写ニップを形成する二次転写ローラ62、ベルト定着方式の定着ユニット7等を備えている。また、手差しトレイMFを備えている。
光書き込みユニット2は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体11Y、11C、11M、11Kの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
図2中の矢印は、シート状の転写紙13(a〜d)の搬送経路を示している。転写紙13(a〜d)は、給紙カセット3(a〜c)あるいは手差しトレイMFから給紙ローラ14(a〜d)によって給送される。次いで、転写紙13は、図示しない搬送ガイドにガイドされながら搬送ローラ15(a〜c)で搬送され、レジストローラ対5が設けられている一時停止位置に送られる。
【0018】
転写紙13は搬送ローラ15とレジストローラ対5との間で、たるみを持った状態で一時停止した後、所定のタイミングでレジストローラ対5によって送り出される。送り出された転写紙13表面には中間転写ベルト12上に形成されたトナー像が二次転写ローラ62の転写電界や二次転写ニップのニップ圧の作用を受けてフルカラートナー像として形成される。
フルカラートナー像が形成された転写紙13は、定着ユニット7でこのフルカラートナー像が定着された後、排紙ローラ対8を抜けて、画像形成装置であるプリンタ500の装置外である排紙トレイ600上に排出される。
このように、本実施形態の画像形成装置であるプリンタ500は、4連タンデム型フルカラー画像形成装置として構成される。かかる4連タンデム型フルカラーの構成であれば、生産性が高く、かつ安定した画質の画像形成装置を提供することが可能となる。
【0019】
次に、給紙装置200の給紙部20について説明する。第一給紙部20aは図3に示すように、第一給紙カセット3a内に積載された第一転写紙13aを送り出す第一給紙ローラ14a、第一転写紙13aの重送を防止するために設けられた第一フリクションパッド16aを備える。
積載された第一転写紙13aを送り出す給紙手段である第一給紙ローラ14aに分離手段を設け、この分離手段がフリクションパッド方式であれば、最も安価に重送といった不具合が解消される。さらに、積載された第一転写紙13a同士の分離性の向上が図れ、安定した転写紙搬送品質を提供することが可能となる。
また、第一給紙部20aは、第一給紙ローラ14aの下流側に配置された第一搬送ローラ15a、及び、第一搬送ローラ15aを通過した転写紙13の搬送位置を検出する第一紙搬送センサ17aなどで構成されている。また、第一給紙ローラ14aによって正常に給紙が成されているか否かを確認する第一給紙センサ19aも備えている。なお、給紙ローラ14、フリクションパッド16、紙搬送センサ17、及び、給紙センサ19は、第二給紙部20b及び第三給紙部20cも同様の構成である。
図3には、第一給紙部20aの上方に配置された、レジストローラ対5、レジストセンサ18、中転駆動ローラ61、及び、二次転写ローラ62を示している。
【0020】
3つの給紙部20について、第三給紙部20cは後述する中継搬送ローラ32と中継搬送ローラ32に駆動を伝達する部材とを備えていない点以外は他の2つの給紙部20と共通するため、以下、給紙部20の共通する構成の説明ついては、各給紙部を示す(a〜c)の符号は省略する。
図4は、第一〜第三の給紙部20(a〜c)のうちのひとつの給紙部20のおいて各ローラに駆動を伝達する駆動伝達装置50を構成する駆動伝達部材の概略正面図であり、図5は、駆動伝達装置50を構成する駆動伝達部材の概略上面図である。なお、図5では駆動伝達装置50を構成する板状部材及び保持部材は省略している。
図4及び図5において、駆動源である一つの給紙モータ21の出力部としてのモータギヤ27を介して、給紙ローラ14と搬送ローラ15とを回転駆動するように設けられている。また、詳細は後述するが第一給紙部20a及び第二給紙部20bでは、中継搬送ローラ32も一つの給紙モータ21からの駆動が伝達され回転駆動する。なお、図4及び図5には給紙ローラ14と搬送ローラ15を示していないが、図5中の給紙ローラ軸141が給紙ローラ14の回転軸であり、搬送ローラ軸151が搬送ローラ15の回転軸である。
このような構成の場合、給紙手段である給紙ローラ14、及び、搬送手段である搬送ローラ15を駆動する駆動手段としての駆動源である給紙モータ21がPM(パーマネントマグネット)型ステッピングモータであれば、低コスト化が可能となる。
また、給紙ローラ14を駆動するためのギヤやワンウェイクラッチからなる駆動列には、給紙ワンウェイクラッチ24及び第一駆動伝達ギヤ22が配置されている。なお、給紙ワンウェイクラッチ24は第一駆動伝達ギヤ22から伝達された一方向の回転(図4中の反時計回り方向の回転)のみを給紙ローラ軸141を介して給紙ローラ14に伝達する構成である。
【0021】
搬送ローラ15を駆動するための駆動列は2系統あり、搬送ローラ軸151に駆動を伝達する搬送ローラギヤ部23は、第一搬送ワンウェイクラッチ231及び第二搬送ワンウェイクラッチ232とを備える。すなわち、同軸状に配置された第一搬送ワンウェイクラッチ231及び第二搬送ワンウェイクラッチ232は、搬送ローラ軸151により軸心を支持されている。これらの2つのワンウェイクラッチは搬送ローラ軸151に対して一方向の回転(図4中の反時計回り方向の回転)のみを搬送ローラ軸151を介して搬送ローラ15に伝達する構成である。また、搬送ローラ15に駆動を伝達する駆動列には、第二駆動伝達ギヤ25及び第三駆動伝達ギヤ26が配置されている。
【0022】
搬送ローラ15を駆動するための2系統の駆動列のうちの一方は、給紙モータ21が正回転時(モータギヤ27が図4中反時計回りに回転時)にモータギヤ27から第一駆動伝達ギヤ22及び第一搬送ワンウェイクラッチ231を介して搬送ローラ15に駆動が伝達される。また、他方の駆動列では、給紙モータ21が逆回転時(モータギヤ27が図4中時計回りに回転時)にモータギヤ27から第二駆動伝達ギヤ25、第三駆動伝達ギヤ26、及び、第二搬送ワンウェイクラッチ232を介して搬送ローラ15に駆動が伝達される。
各ワンウェイクラッチ(24、231、232)の機構はスプリングによって規制する方式である。ここで、この方式自体は広く一般的であるのでワンウェイクラッチの機構の詳細な説明は省略する。また、ワンウェイクラッチが機械的駆動遮断機構であれば、安価に、且つ、確実に駆動の切り換えが可能となる。
また、第一搬送ワンウェイクラッチ231と第二搬送ワンウェイクラッチ232との歯数は同数であり、さらに、第一駆動伝達ギヤ22と第二駆動伝達ギヤ25との歯数も同数となっている。各駆動伝達部材の歯数をこうのように設定することによって、搬送ローラ15に駆動を伝達する2系統の駆動列のギヤ費は等しくなっている。
【0023】
図6及び図7は、給紙部20の駆動伝達装置50について、説明を簡明化するために図5ちゅうのギヤの重なりを見えやすくするために模式的に示した図であり、図6は、給紙モータ21を正回転の場合、図7は給紙モータ21を逆回転の場合である。
図6及び図7には、給紙ローラ軸141、搬送ローラ軸151、駆動源である給紙モータ21、第一駆動伝達ギヤ22、第一搬送ワンウェイクラッチ231、第二搬送ワンウェイクラッチ232、給紙ワンウェイクラッチ24、第二駆動伝達ギヤ25、及び、第三駆動伝達ギヤ26を示している。さらに、これらの図には、モータに取り付けたモータギヤ27と、第一駆動伝達ギヤ22の第一ギヤ入力部221及び第一ギヤ出力部222と、第二駆動伝達ギヤ25の第二ギヤ入力部251及び第二ギヤ出力部252とを示している。
【0024】
図6に示すように、給紙モータ21の正回転時には、第一駆動伝達ギヤ22を介して給紙ワンウェイクラッチ24に入力された駆動の回転方向は、給紙ワンウェイクラッチ24がロックする回転方向となり、給紙ローラ軸141に駆動が伝達される。また、第一駆動伝達ギヤ22の中心部に第一ギヤ入力部221に対して図6中の下方に突出した小ギヤ部である第一ギヤ出力部222と噛合う第一搬送ワンウェイクラッチ231に入力される回転方向も第一搬送ワンウェイクラッチ231がロックする回転方向である。これにより、搬送ローラ軸151に駆動が伝達される。このとき、搬送ローラ軸151に支持された第二搬送ワンウェイクラッチ232は、第三駆動伝達ギヤ26と噛合っており、第二駆動伝達ギヤ25及び第三駆動伝達ギヤ26を介して駆動が伝達し回転する。しかし、その回転方向は第二搬送ワンウェイクラッチ232が空転する方向の回転方向であるため、第二搬送ワンウェイクラッチ232に入力された回転駆動は搬送ローラ軸151に刃伝達されず、第二搬送ワンウェイクラッチ232は空転した状態となる。
【0025】
図7に示すように、給紙モータ21が逆回転時には、第一駆動伝達ギヤ22から駆動が伝達される給紙ワンウェイクラッチ24及び第一搬送ワンウェイクラッチ231がともに空転する。このため、給紙ワンウェイクラッチ24がロック時に駆動が伝達される給紙ローラ軸141には駆動が伝達されないため給紙ローラ14は回転しない。また、搬送ローラ軸151にも第一搬送ワンウェイクラッチ231からの駆動の伝達は成されない。一方、第二駆動伝達ギヤ25及び第三駆動伝達ギヤ26を介して駆動が伝達される第二搬送ワンウェイクラッチ232の回転方向がロック方向になるため、第二搬送ワンウェイクラッチ232から搬送ローラ軸151に駆動の伝達が成され、搬送ローラ15が回転する。
図6及び図7をもちいて説明したように、給紙モータ21の正回転時には給紙ローラ14と搬送ローラ15との両方とも回転するが、給紙モータ21の逆回転時には給紙ローラ14は回転せず、搬送ローラ15は回転する。
そして、プリンタ500で画像形成を行う際の給紙装置200の動作では、印刷開始と同時に給紙モータ21を正回転させ、転写紙13の先端がレジストローラ対5のレジストニップに到達したことをレジストセンサ18で検出したら給紙モータ21を停止する。そして、所定のタイミングでレジストローラ対5が駆動されるのと同期して、次のシートを送り出さないようにするために給紙モータ21を逆回転して、給紙ローラ14は回転させず、搬送ローラ15は回転駆動させる。
【0026】
なお、転写紙13の搬送方向の長さが長い場合には、転写紙13の先端がレジストニップに到達した後でも転写紙13の後端が給紙ローラ14に挾持されている場合がある。そのとき、給紙モータ21を逆回転させて搬送ローラ15を回転させると、転写紙13と給紙ローラ14表面との摩擦によって給紙ローラ14が回転する。このとき、給紙ローラ軸141に支持されている駆動伝達部材が通常のギヤであると、給紙ローラ14が回転する駆動が他の駆動伝達部材に伝わってしまうおそれがある。一方、本実施形態のプリンタ500では、給紙ローラ14用の駆動列の最終段となる給紙ローラ軸141に支持されている駆動伝達部材が給紙ワンウェイクラッチ24であるため、給紙ローラ14が回転しても給紙ワンウェイクラッチ24のギヤ部は回転しない。このため、転写紙13を介した駆動の伝達が行われることを防止することができる。
【0027】
図2に示すように、第一給紙部20a及び第二給紙部20bは、搬送ローラ15(a、b)の下方に中継搬送ローラ32(a、b)を備えている。この中継搬送ローラ32は、その中継搬送ローラ32を備える給紙部20よりも下方の給紙部20から転写紙13を給紙する場合に駆動し、転写紙13が上方のレジストローラ対5へ向かうように搬送力を付与するものである。詳しくは、第一給紙部20aが備える第一中継搬送ローラ32aは第二給紙カセット3bまたは第三給紙カセット3c内の転写紙13(bまたはc)を給紙するときに転写紙13に搬送力を付与する。また、第二給紙部20bが備える第二中継搬送ローラ32bは第三給紙カセット3c内の第三転写紙13cを給紙するときに転写紙13に搬送力を付与する。
また、図6及び図7を用いて説明した給紙部20の駆動伝達部は、中継搬送ローラ32の回転軸である中継搬送ローラ軸321と、中継搬送ローラ軸321に駆動を伝達する中継搬送ワンウェイクラッチ34及び第四駆動伝達ギヤ33とを備えている。すなわち、図6及び図7に示す駆動伝達部は、第一給紙部20a及び第二給紙部20bの駆動伝達部の構成であり、第三給紙部20cの駆動伝達部は、図6及び図7で示す構成から中継搬送ローラ軸321、中継搬送ワンウェイクラッチ34及び第四駆動伝達ギヤ33を除いた構成である。
【0028】
第一給紙部20a及び第二給紙部20bの駆動伝達部は、図6及び図7に示すように、第二駆動伝達ギヤ25の第二ギヤ出力部252に第四駆動伝達ギヤ33が噛合っており、この第四駆動伝達ギヤ33に中継搬送ワンウェイクラッチ34が噛合っている。なお、中継搬送ワンウェイクラッチ34は24は第四駆動伝達ギヤ33から伝達された一方向の回転(図2中の中継搬送ローラ32の回転が反時計回り方向となる回転)のみを中継搬送ローラ軸321を介して中継搬送ローラ32に伝達する構成である。
第一給紙部20a及び第二給紙部20bの駆動伝達部では、図6にしめすように、給紙モータ21の正回転時には、第四駆動伝達ギヤ33を介して駆動が伝達された中継搬送ワンウェイクラッチ34が空転する。このため、給紙モータ21の正回転時には、搬送ローラ15と給紙ローラ14とが回転する。また、図7に示すように、給紙モータ21の逆回転時には、第四駆動伝達ギヤ33を介して駆動が伝達された中継搬送ワンウェイクラッチ34がロックした状態となり、中継搬送ローラ軸321に駆動が伝達される。このため、給紙モータ21の逆回転時には、搬送ローラ15と中継搬送ローラ32とが回転する。
なお、第三給紙部20cでは、給紙モータ21の正回転時には、搬送ローラ15と給紙ローラ14とが回転し、給紙モータ21の逆回転時には、搬送ローラ15のみが回転する。
【0029】
次に、給紙カセット3(a〜c)のそれぞれに載置された転写紙13(a〜c)の給紙するときの各給紙モータ21の駆動制御について説明する。ここで、第一給紙部20a、第二給紙部20b、及び、第三給紙部20cが備える駆動源としての給紙モータ21をそれぞれ、第一給紙モータ21a、第二給紙モータ21b、及び、第三給紙モータ21cとする。
図8は、転写紙13(a〜c)のそれぞれについての給紙する場合の各ローラの回転状態を模式的に示した説明図である。
【0030】
図8(a)は第一転写紙13aを給紙するときの説明図である。第一転写紙13aを給紙するときには、第一給紙モータ21aを正回転させ、第二給紙モータ21b及び第三給紙モータ21cは停止させる。
第一給紙部20aが備える第一給紙モータ21aを正回転させることにより第一給紙ローラ14aと第一搬送ローラ15aとが回転し、第一第一給紙カセット3a内の第一転写紙13aが送り出される。そして、第一転写紙13aの先端がレジストローラ対5に到達して第一給紙モータ21aを一度停止させた後、または、第一転写紙13aの後端が第一給紙ローラ14aを通過した後、第一給紙モータ21aを逆回転させる。第一給紙モータ21aを逆回転させることにより、第一給紙部20aでは、第一給紙ローラ14aが停止して第一給紙ローラ14aから第一転写紙13aに搬送力が付与されなくなり、第一給紙部20aでは第一搬送ローラ15aのみが第一転写紙13aに搬送力を付与する状態になる。第一給紙ローラ14aによる給紙が停止されることにより、第一転写紙13aの連送(二枚続けて送られてしまうこと)の不具合を防止することができる。
【0031】
図8(b)は第二転写紙13bを給紙するときの説明図である。第二転写紙13bを給紙するときには、第二給紙モータ21bを正回転させ、第一給紙モータ21aは逆回転、そして、第三給紙モータ21cは停止させる。
第二給紙部20bが備える第二給紙モータ21bを正回転させることにより第二給紙ローラ14bと第二搬送ローラ15bとが回転し、第二給紙カセット3b内の第二転写紙13bが送り出される。また、第一給紙モータ21aを逆回転させることにより、第一搬送ローラ15aと第一中継搬送ローラ32aとが回転駆動する。これにより、第二給紙ローラ14bによって送り出された第二転写紙13bは、第二搬送ローラ15b、第一中継搬送ローラ32a、及び、第一搬送ローラ15aの順に搬送力が付与され、レジストローラ対5へと搬送される。
そして、第二転写紙13bの先端がレジストローラ対5に到達して第二給紙モータ21bを一度停止させた後、または、第二転写紙13bの後端が第二給紙ローラ14bを通過した後、第二給紙モータ21bを逆回転させる。このとき、第一給紙モータ21aは逆回転のままである。第二給紙モータ21bを逆回転させることにより、第二給紙部20bでは、第二給紙ローラ14bが停止して第二給紙ローラ14bから第二転写紙13bに搬送力が付与されなくなる。これにより、第一転写紙13aの給紙と同様に第二転写紙13bの連送(二枚続けて送られてしまうこと)の不具合を防止することができる。
【0032】
図8(c)は第三転写紙13cを給紙するときの説明図である。第三転写紙13cを給紙するときには、第三給紙モータ21cを正回転させ、第一給紙モータ21a及び第二給紙モータ21bは逆回転させる。
第三給紙部20cが備える第三給紙モータ21cを正回転させることにより第三給紙ローラ14cと第三搬送ローラ15cとが回転し、第三給紙カセット3c内の第三転写紙13cが送り出される。また、第一給紙モータ21a及び第二給紙モータ21bを逆回転させることにより、第一搬送ローラ15a、第一中継搬送ローラ32a、第二搬送ローラ15b、及び、第二中継搬送ローラ32bが回転駆動する。これにより、第三給紙ローラ14cによって送り出された第三転写紙13cは、第三搬送ローラ15c、第二中継搬送ローラ32b、第二搬送ローラ15b、第一中継搬送ローラ32a、及び、第一搬送ローラ15aの順に搬送力が付与され、レジストローラ対5へと搬送される。
そして、第三転写紙13cの先端がレジストローラ対5に到達して第三給紙モータ21cを一度停止させた後、または、第三転写紙13cの後端が第三給紙ローラ14cを通過した後、第三給紙モータ21cを逆回転させる。このとき、第一給紙モータ21a及び第二給紙モータ21bは逆回転のままである。第三給紙モータ21cを逆回転させることにより、第三給紙部20cでは、第三給紙ローラ14cが停止して第三給紙ローラ14cから第三転写紙13cに搬送力が付与されなくなる。これにより、第一転写紙13a及び第二転写紙13bの給紙と同様に第三転写紙13cの連送(二枚続けて送られてしまうこの)の不具合を防止することができる。
【0033】
また、第一給紙部20a及び第二給紙部20bでは、給紙モータ21(a、b)が一度に駆動を伝達するローラは、給紙ローラ14(a、b)と搬送ローラ15(a、b)との組み合わせか、搬送ローラ15(a、b)と中継搬送ローラ32(a、b)との組み合わせである。すなわち、給紙モータ21(a、b)が駆動を伝達するローラ部材は3つあるが、一度に駆動を伝達するローラ部材は2つだけとすることが可能になり、モータに係る負荷トルクを低減することができる。
また、搬送ローラ15(a、b)と中継搬送ローラ32(a、b)とのローラ外径を同一にし、さらに駆動列での減速比を同一にすることによって搬送速度の安定化や部品の共通化によるコストダウンが可能となる。
【0034】
図9は、本実施形態の画像形成装置であるプリンタ500の筺体を構成する面板のうち、図2中の奥側に配置された奥側面板501に駆動伝達装置50を配置した構成の斜視説明図であり、図10は図9中の駆動伝達装置50近傍の拡大図である。なお、図9及び図10に示すプリンタ500は、詳細は後述するが図中斜線部で示すマイラシート400を備える点で図16及び図17を用いて説明した例とは異なる。
また、図11は、奥側面板501を表示しない状態とした駆動伝達装置50の斜視説明図である。図11(a)と図11(b)とは同じ状態の駆動伝達装置50を異なる角度から見た斜視説明図である。さらに、図12は、図11の状態からブラケット201を表示しない状態とした駆動伝達装置50の斜視説明図である。また、図13は、図11の状態の駆動伝達装置50の複数の支持軸としての4つのスタッド(220、250、260、330)とブラケット201とのみを表示した斜視説明図である。
駆動伝達部材である各ギヤについて、第一駆動伝達ギヤ22は第一スタッド220に、第二駆動伝達ギヤ25は第二スタッド250に、第三駆動伝達ギヤ26は第三スタッド260に、第四駆動伝達ギヤ33は第四スタッド330にそれぞれ回転可能に支持されている。また、図に示すように、4つのスタッド(220、250、260、330)は互いに平行に配置されており、ブラケット201に対してはカシメによって固定されている。また、給紙モータ21は正逆回転可能なステッピングモータであり、不図示の制御部によって正回転、逆回転、および停止の制御がなされる。駆動伝達装置50は給紙モータ21の正逆回転と4つのワンウェイクラッチ(24、34、231、232)の駆動伝達または駆動遮断によって給紙ローラ14、搬送ローラ15及び中継搬送ローラ32を駆動させている。
また、図13に示すように、ブラケット201の3つの固定足(431、432、433)には奥側面板501とネジ締結されることで組み付けられるようネジ締結穴(631、632、633)が設けてられている。
【0035】
本実施形態のプリンタ500が備える駆動伝達装置50を給紙モータ21側から見た正面図は、先に説明した図22と同様の構成となっている。
図22に示すように、第一スタッド220及び第三スタッド260は、3つのネジ締結穴(631、632、633)を直線で結んで形成される仮想三角形Tの内側に位置し、第二スタッド250及び第四スタッド330は仮想三角形Tの外側に位置する。
図1は、本実施形態プリンタ500が備える駆動伝達装置50の図22中の一点鎖線αにおける断面を図22中の矢印D方向から見た模式図である。なお、図1では、保持部材であるブラケット201と、板状部材である奥側面板501と、支持軸であるスタッド(220、260、250、330)との位置関係を模式的に説明する図であり、図1中の破線で示す駆動伝達ギヤ(22、26、25、33)の大きさや形状は実施形態のものとは異なる。また、図1は、模式図であって、ブラケットの撓み状態を説明しやすいように、撓みを誇張して描いている。ここで、図22で示す仮想三角形Tの3つの辺のうち、第二固定足432の第二ネジ締結部632と第三固定足433の第三ネジ締結部633とを結んだ直線を仮想直線T1とし、断面とαにおいて仮想直線T1が交わる位置を図23中の破線のT1で示している。そして、図1で示す断面図では、第一固定足431の第一ネジ締結部631における奥側面板501の法線Nと仮想直線T1とで挟まれる領域が仮想三角形Tの内側の領域である。図1において、ブラケット201の第一固定足431の位置では、固定足の長さによって奥側面板501からの距離が規制される。また、仮想直線T1の位置では、その両端が第二固定足432と第三固定足433とによって奥側面板501との距離が規制された状態でのブラケット201の撓み量によって奥側面板501からの距離が規制される。一方、図1中のT1よりも左側の位置では、奥側面板501からの距離を規制する構成が無いため、仮想直線T1の位置を固定端とした片持ち支持梁のように矢印C方向に変位可能である。
【0036】
図1及び図13に示すように、仮想三角形Tの内側に位置するスタッド(220、260)の奥側面板501側の先端は、孔部である貫通孔(522、526)に進入する進入部である貫通部(227、267)と貫通孔に進入せず奥側面板501のブラケット201側の面に突き当たる突き当て部(226、266)とから成る段付き構造となっている。そして、仮想三角形Tの内側の領域に配置されたスタッド(220、260)は、ブラケット201の奥側面板501に対する距離が規制された位置に囲まれている。このため、ブラケット201の固定足(431、432、433)よりもスタッド(220、260)の突き当て部(226、266)までの長さを長くすることによって、スタッド座面(突き当て部の先端面)が先に奥側面板501に押し当たる構成となっている。すなわち座面を奥側面板501に押し付けることによって異音の発生を防止する構成となっている。
【0037】
ここで、ブラケット201平面の仮想三角形Tの内側の部分は、図1中の矢印B方向に引っ張られる力が働くが、一方で仮想三角形Tの外側の平面(図1中の破線T1よりも左側の部分)は逆方向へ反る力が働く。
このため、仮想三角形Tの外側のブラケット201平面上に位置するスタッド(220、260)についてはスタッド先端を段付き構造としても奥側面板501へ押し当たらない可能性がある。なお、本実施形態では3つの固定足の3つのネジ締結部を直線で結んで形成される仮想三角形である。固定足のネジ締結部の数が4つ以上の場合にネジ締結部を結んで形成される仮想多角形についても、スタッドが仮想多角形の内側にあるか、外側にあるかによって同様の現象が生じ得る。
【0038】
このように、複数のスタッドのうちの一部のスタッドが仮想多角形の外側にあり、段付き構造としても奥側面板501へ押し当たらない可能性がある場合、全てのスタッドが仮想多角形の内側となるように固定足を設けることによって、全てのスタッド奥側面板501に押し付けることが可能である。しかし、固定足の数を増やすとブラケット201が大きくなり、ブラケット201が大きいと占有スペースが大きくなる為装置全体が大型化するとともに、ブラケット201自体のコストが増加する。更には装置の重量が増加するため、望ましくはない。近年、電子写真複写機には小型化が望まれており、機能を劣化させずに小型化を実現する為にレイアウト的に窮屈になっているため、その様な大きなブラケット201を用いることは現実的ではない。このように比較的小型のブラケット201を用いた場合、全てのスタッドを奥側面板501に押し付けることは出来ないが、そのことによって以下の問題が生じる。
【0039】
すなわち、ブラケット201のネジ締結位置を直線で結んだ仮想多角形の内側については、段付きの構造のスタッドの作用によって対向面に対して凹形状に撓むため、仮想多角形の外側についてはブラケット201が対向面に対して離れる方向に撓む。すると、仮想多角形の外側に設けた同じ長さの段付き構造のスタッドを、奥側面板501に対して強く押し付けることが出来ない。
この状態では、図23を用いて説明したように駆動伝達部材が駆動すると仮想多角形の外側に設けた段付きスタッドが対向する奥側面板501に対して固定されない為に、この段付きスタッドに振動が生じ、この段付きスタッドとその貫通孔とがガタつくためにガタつき音が生じる。
また、ブラケット201の撓み量を計算し各位置における段付きスタッドの長さを調節することは、ブラケット201や段付きスタッドの加工公差によってバラツキがある他、ネジの締結力のバラツキによっても撓み量が変化するため、予め予測して長さを変えることは出来ない。
【0040】
そこで、本実施形態のプリンタ500の駆動伝達装置50では、図1に示すように、仮想三角形Tの外側に位置するスタッド(250、330)の先端が進入する貫通孔(525、533)を覆うように、制振部材としてのマイラシート400を貼り付けている。マイラシート400としては、図14に示すようなスリット(425、450)を設けた薄いシート材からなる。これによって、スタッドと貫通孔との微小なガタに薄いマイラシート400が入り込み隙間を吸収し、異音発生を防止ことが可能となる。
なお、複数のスタッドが進入するする全ての貫通孔にマイラシートを貼り付けると、マイラシートを貼るべき範囲が広範囲に及ぶ。仮に全てのスタッドの貫通孔をカバーするようにマイラシートを設けるとすると、あわせるべきマイラシートの孔(スリット)とスタッドの貫通孔との位置を合わせることが困難であり、孔の位置がずれた場合には、ピンが進入出来なくなるおそれも生じる。また、孔の位置を精度良く合わせるためにマイラシートを各孔ごとに分割して貼っていくとすると、組み立ての作業時間が大幅に増加すると共に、貼り忘れ等の別の問題を生じるおそれがある。
これに対して、プリンタ500が備える駆動伝達装置50では、複数のスタッドのうち仮想多角形の外側に位置するスタッドの貫通孔にのみマイラシートを設けることにより、マイラシートを貼るべき範囲を抑制することができる。さらに、位置合せすべき貫通孔が少なくなるため、マイラシートの孔(スリット)と貫通孔との位置を合わせることが容易となる。また、マイラシートを各孔ごとに分割して貼っていくとしても、組み立ての作業時間な大幅な増加を抑制すると共に、貼り忘れの発生も抑制することができる。
【0041】
なお、マイラシート400は奥側面板501に設けた切り欠き540(図10参照)に沿うように位置決め部460を形成してあり、この位置決め部460を切り欠き540に沿うように貼り付けると、容易に2つの貫通孔(525、533)とスリット(425、450)との位置を合わせることが出来る。
また、マイラシート400としては、図15に示すように勘合穴の一部を覆うような構成としても良い。尚、十字に切ったスリットの中心と貫通孔の中心が若干ズレた場合にもスタッドが挿入可能になるように、十字のスリットの長さは、貫通孔の直径よりも若干長い。
さらに、シート材としては透明なものがあるが、マイラシート400として色付のシート材を用いることにより、組み付け時の貼り付け確認が容易となる。
また、駆動伝達装置50では、仮想多角形の外側に位置するスタッドの振動を抑制する制振部材としてシート材を設けた構成であるが、制振部材としてはシート材に限るものではなく、スタッドと貫通孔とのガタつきを止めることができるものであればよい。
【0042】
上述した実施形態では、駆動伝達装置50として、画像形成装置であるプリンタ500の給紙装置200が備える給紙ローラ14や搬送ローラ15に駆動を伝達する駆動伝達装置50について説明したが、本願請求項1に係る発明を適用可能な駆動伝達装置としてはこれに限るものではない。例えば、画像形成装置の潜像担持体や中間転写体などの画像形成部を構成する無端移動体に回転駆動を伝達する駆動伝達装置に対してもギヤ等の駆動伝達部材が保持部材と板状部材と挟まれて配置された構成であれば適用可能である。また、駆動を伝達する対象は無端移動体に限るものではなく、例えば、現像装置内で現像剤を循環させる現像剤搬送スクリュ等、回転駆動する部材に駆動を伝達する駆動伝達装置であれば適用可能である。さらに、給紙装置だけでなく、画像形成後の記録媒体を排紙トレイなどに搬送する搬送ローラ等の記録媒体搬送路を形成する搬送部材にも適用可能である。
また、画像形成装置に限らず、回転駆動する部材に駆動を伝達する駆動伝達装置であれば、本願請求項1に係る発明は適用可能である。
【0043】
以上、本実施形態の駆動伝達装置50は、駆動源である給紙モータ21から駆動伝達される複数の駆動伝達部材である駆動伝達ギヤ(22、25、26、33)と、駆動伝達ギヤを駆動伝達可能なように回転可能に支持する複数の支持軸であるスタッド(220、250、260、330)とを備える。また、複数箇所の所定の位置にスタッド(220、250、260、330)をそれぞれ固定することによって駆動伝達ギヤ(22、25、26、33)を保持する保持部材としてのブラケット201を備える。また、スタッド(220、250、260、330)が進入することでスタッドとの位置決めを行う貫通孔(522、525、526、533)を備え、ブラケット201が固定されることによってブラケット201との間に駆動伝達ギヤ(22、25、26、33)を挟むような配置となる板状部材である奥側面板501を備える。また、ブラケット201と奥側面板501との間が所定の距離となるようにブラケット201を奥側面板501に対して固定する3つの固定部材である固定足(431、432、433)を備える。また、複数のスタッドには、固定足(431、432、433)の奥側面板501側の固定部であるネジ締結部(631、632、633)同士を結んで形成される仮想三角形Tの内側となる領域に配置されたスタッド(220、260)と、仮想三角形の外側となる領域に配置されたスタッド(220、260)とがある。仮想三角形Tの内側となる領域に配置されたスタッド(220、260)の奥側面板501側の先端は、貫通孔(522、526)に進入する貫通部(227、267)と奥側面板501のブラケット201側の面に突き当たる突き当て部(226、266)とから成る段付き構造となっている。そして、固定足(431、432、433)が一体であるブラケット201にスタッド(220、260)を固定してブラケット201を奥側面板501に固定していない状態では、突き当て部(226、266)の奥側面板501側の先端は固定足(431、432、433)の奥側面板501側の先端のネジ締結部(631、632、633)による締結の面よりも奥側面板501側に突出する構成である。このような構成より、ブラケット201を奥側面板501に固定するときに、段付きのスタッド(220、260)に設けた突き当て部(226、266)がネジ締結部(631、632、633)よりも先に奥側面板501に突き当たる。そして、その状態からブラケット201をさらに押し付けるように固定するため、スタッド(220、260)はブラケット201と奥側面板501とで強固に固定されてガタつかない。さらに、仮想三角形Tの外側となる領域に配置されたスタッド(250、330)が進入する貫通孔(525、533)に、スタッド(250、330)の振動を抑制する制振部材としてのマイラシート400を設けているため、ガタつかない。また、仮想三角形の内側となる領域に配置されたスタッド(220、260)が進入する貫通孔(522、526)には制振部材であるマイラシート400を設けないため、全ての貫通孔に制振部材を設ける構成に比べてコストアップを抑制することができる。これにより、駆動伝達部材である駆動伝達ギヤ(22、25、26、33)を回転自在に支持するスタッド(220、250、260、330)と、貫通孔(522、525、526、533)とによるガタつき及びそのガタつき音を、大幅なコストアップをすることなく簡単な構成により解決することができる。
【0044】
また、制振部材であるマイラシート400は薄板状であり、奥側面板501のブラケット201に対向する面に貼り付けられ、仮想三角形の外側となる領域の貫通孔(525、533)の位置に切込部であるスリット(425、450)を有する。そして、仮想三角形Tの外側となる領域に配置されたスタッド(250、330)は、マイラシート400を介して貫通孔(525、533)に嵌合する。これにより、仮想三角形Tの外側となる領域に配置されたスタッド(250、330)と貫通孔(525、533)とのガタつきの防止を実現することができる。
【0045】
また、制振部材であるマイラシート400は、貫通孔(525、533)とスリット(425、450)との位置を合わせる位置決め部460を有する。これにより、貫通孔(525、533)とスリット(425、450)の位置がずれ、スタッド(250、330)が貫通孔(525、533)に進入出来ないことを防ぐことが出来る。位置決め部460により弾性体であるマイラシート400が位置決めされる為、組み立てが容易になる。
【0046】
また、駆動伝達手段によって駆動が伝達される記録媒体搬送部材である給紙ローラ14、搬送ローラ15及び中継搬送ローラ32によって記録媒体である転写紙13に搬送力を付与して、転写紙13を給紙位置であるレジストローラ対5に向けて搬送する給紙装置200の駆動伝達手段として、上述した実施形態の駆動伝達装置50を用いる。これにより給紙装置200からの異音の発生を抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態の画像形成装置であるプリンタ500は、潜像担持体である感光体11と、感光体11上に潜像を形成する潜像形成手段である光書き込みユニット2と、感光体11上の潜像を現像してトナー像とする現像手段である現像ユニットを備える。また、感光体11上のトナー像を転写位置である二次転写ニップで記録媒体である転写紙13に転写する転写手段である中間転写ユニット6及び二次転写ローラ62を備える。また、転写紙13を二次転写ニップに給紙する給紙装置200と、二次転写ニップを通過した転写紙13上のトナー像を転写紙13上に定着させる定着手段である定着ユニット7とを備える。さらに、二次転写ニップ及び定着ユニット7を通過した転写紙13を画像形成後の転写紙13を収容する収容部である排紙トレイ600まで搬送する排紙ローラ対などの搬送手段を有する。このようなプリンタ500を構成する無端移動体等の回転体に駆動を伝達する駆動伝達手段として駆動伝達装置50と同様の構成を適用することによって、その回転体を回転駆動するときの異音の発生を抑制することができる。
【0048】
また、画像形成装置であるプリンタ500の給紙手段である給紙装置200の給紙ローラ14、搬送ローラ15及び中継搬送ローラ32に駆動を伝達する駆動伝達手段として駆動伝達装置50を用いることにより、プリンタ500の給紙時に異音が発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態の駆動装置の断面の模式図。
【図2】本実施形態に係るカラー画像形成装置の全体の概略構成図。
【図3】給紙部周辺の概略構成図。
【図4】駆動伝達装置を構成する駆動伝達部材の概略正面図。
【図5】駆動伝達装置を構成する駆動伝達部材の概略上面図。
【図6】給紙モータを正回転したときの駆動伝達装置の模式図。
【図7】給紙モータを逆回転したときの駆動伝達装置の模式図。
【図8】3種の転写紙のそれぞれについての給紙する場合の各ローラの回転状態を模式的に示した説明図。
【図9】奥側面板に駆動伝達装置を配置した構成の斜視説明図。
【図10】図9中の駆動伝達装置近傍の拡大図。
【図11】奥側面板を表示しない状態とした駆動伝達装置の斜視説明図。
【図12】図11の状態からブラケットを表示しない状態とした駆動伝達装置の斜視説明図。
【図13】図11の状態の駆動伝達装置の4つのスタッドとブラケットとのみを表示した斜視説明図。
【図14】マイラシートの説明図。
【図15】マイラシートの他の例の説明図。
【図16】従来の奥側面板に駆動伝達装置を配置した構成の斜視説明図。
【図17】図16中の駆動伝達装置近傍の拡大図。
【図18】駆動伝達装置を上方から見た状態を模式的に示す上面図。
【図19】ブラケットを奥側面板に取り付けた状態の説明図。
【図20】マイラシートによってガタつきを防止する構成の説明図。
【図21】ブラケットの固定足よりもスタッドの突き当て部までの長さを長くすることによってガタつきを防止する構成の説明図。
【図22】駆動伝達装置の給紙モータを外した状態の概略正面図。
【図23】ブラケットにおける位置によってスタッドにガタつきが生じる状態の説明図。
【符号の説明】
【0050】
1 トナー像形成部
2 光書き込みユニット
3 給紙カセット
5 レジストローラ対
6 中間転写ユニット
7 定着ユニット
8 排紙ローラ対
11 感光体
12 中間転写ベルト
13 転写紙
14 給紙ローラ
15 搬送ローラ
16 フリクションパッド
17 紙搬送センサ
18 レジストセンサ
19 給紙センサ
20 給紙部
21 給紙モータ
22 第一駆動伝達ギヤ
23 搬送ローラギヤ部
24 給紙ワンウェイクラッチ
25 第二駆動伝達ギヤ
26 第三駆動伝達ギヤ
27 モータギヤ
32 中継搬送ローラ
33 第四駆動伝達ギヤ
34 中継搬送ワンウェイクラッチ
50 駆動伝達装置
62 二次転写ローラ
61 中転駆動ローラ
100 本体部
141 給紙ローラ軸
151 搬送ローラ軸
200 給紙装置
201 ブラケット
220 第一スタッド
221 第一ギヤ入力部
222 第一ギヤ出力部
231 第一搬送ワンウェイクラッチ
232 第二搬送ワンウェイクラッチ
250 第二スタッド
251 第二ギヤ入力部
252 第二ギヤ出力部
260 第三スタッド
290 スタッド
295 貫通孔
296 突き当て部
297 貫通部
321 中継搬送ローラ軸
330 第四スタッド
400 マイラシート
430 固定足
431 第一固定足
432 第二固定足
433 第三固定足
460 位置決め部
500 プリンタ
501 奥側面板
529 貫通孔
540 切り欠き
600 排紙トレイ
631 第一ネジ締結部
632 第二ネジ締結部
633 第三ネジ締結部
MF 手差しトレイ
T 仮想三角形
T1 仮想直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源から駆動伝達される複数の駆動伝達部材と、
該駆動伝達部材を駆動伝達可能に支持する複数の支持軸と、
複数箇所の所定の位置に該複数の支持軸をそれぞれ固定することによって上記駆動伝達部材を保持する保持部材と、
該支持軸が進入することで該支持軸との位置決めを行う孔部を備え、該保持部材が固定されることによって該保持部材との間に上記複数の駆動伝達部材を挟むような配置となる板状部材と、
該保持部材と該板状部材との間が所定の距離となるように該保持部材を該板状部材に対して固定する3つ以上の固定部材と、を有する駆動伝達装置において、
上記複数の支持軸には、上記固定部材の上記板状部材側の固定部同士を結んで形成される仮想多角形の内側となる領域に配置された支持軸と、該仮想多角形の外側となる領域に配置された支持軸とがあり、
該仮想多角形の内側となる領域に配置された該支持軸の上記板状部材側の先端は、上記孔部に進入する進入部と該板状部材の該保持部材側の面に突き当たる突き当て部とから成る段付き構造となっており、
上記保持部材に上記固定部材と上記支持軸とを固定し、且つ、該保持部材を上記板状部材に固定していない状態では、上記突き当て部の該板状部材側の先端は該固定部材の該板状部材側の先端よりも該板状部材側に突出する構成であり、
上記仮想多角形の外側となる領域に配置された上記支持軸が進入する上記孔部に、該支持軸の振動を抑制する制振部材を設け、且つ、上記仮想多角形の内側となる領域に配置された上記支持軸が進入する上記孔部の少なくとも一つには上記制振部材を設けないことを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項2】
請求項1の駆動伝達装置において、
上記制振部材は薄板状であり、上記板状部材の上記保持部材に対向する面に貼り付けられ、上記孔部の位置に切込部を有し、
上記仮想多角形の外側となる領域に配置された上記支持軸は、該制振部材を介して該孔部に嵌合することを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項3】
請求項2の駆動伝達装置において、
上記制振部材は、上記孔部と上記切込部との位置を合わせる位置決め部を有することを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項4】
駆動伝達手段によって駆動が伝達される記録媒体搬送部材によって記録媒体に搬送力を付与して、記録媒体を給紙位置に向けて搬送する給紙装置において、
上記駆動伝達手段として請求項1、2または3の駆動伝達装置を備えることを特徴とする給紙装置。
【請求項5】
潜像担持体と、
該潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、
該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像とする現像手段と、
該潜像担持体上のトナー像を転写位置で記録媒体に転写する転写手段と、
記録媒体を転写位置に給紙する給紙手段と、
該転写位置を通過した記録媒体上のトナー像を記録媒体上に定着させる定着手段と、
該転写位置を通過した記録媒体を画像形成後の記録媒体を収容する収容部まで搬送する搬送手段とを有する画像形成装置において、
該画像形成装置を構成する無端移動体等の回転体に駆動を伝達する駆動伝達手段として請求項1、2または3の駆動伝達装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
上記給紙手段として請求項4の給紙装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−59998(P2010−59998A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224160(P2008−224160)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】