説明

駆動回路および表示装置

【課題】充放電電流の高調波成分に起因するEMIノイズを小さくする。
【解決手段】ソースドライバ10は、液晶パネルを駆動する出力端子(OUTn)と、映像信号を増幅するアンプ15と、アンプ15の出力と出力端子間に接続される出力スイッチ回路17と、出力スイッチ回路17のスイッチング動作を制御する出力スイッチインピーダンス制御回路16と、を備える。出力スイッチインピーダンス制御回路16は、出力スイッチ回路17のスイッチング動作においてオン状態とする場合に出力スイッチ回路17のインピーダンスを順次低下させるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回路および表示装置に関し、特にEMI(Electro Magnetic Interference)ノイズを低減させる駆動回路及びそれを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)は、薄型・軽量・低消費電力の特徴を活かし、情報通信時代に必須のフラットパネルディスプレイとして、OA用、民生用、産業用と幅広く活用されている。一般に、このような液晶表示装置には、階調電位発生回路、デコード回路やアンプなどを有する液晶駆動IC(液晶駆動回路)が配置される。また、階調電位発生回路によって、複数の階調電位を発生させる。そして、画像データ信号に応じて複数の階調電位のうちのいずれかの階調電位をデコード回路によって選択する。デコード回路によって選択した階調電位を、アンプで電流増幅し、データ線を介して液晶セルに与えている。
【0003】
ところで、液晶ディスプレイは大画面化が進んでおり、このデータ線に負荷される容量が増加傾向にある。このため、より大きな充放電電流が必要となってきている。この充放電電流は、ラッチパルスと同期して液晶駆動ICの全出力分に同時に流れるため、鋭いピーク電流となり、大きなEMIノイズが発生してしまうこととなる。
【0004】
そこでEMIノイズを低減させる技術として、複数のラッチパルスの出力タイミングをずらすことで、ピーク電流を削減する駆動回路が、特許文献1に記載されている。
【0005】
図11は、特許文献1に記載の駆動回路の構成を示す図である。図11において、表示データ保持部105は、選択パルス信号XSP、クロック信号XCLK、表示データXDnを入力し、保持した表示データXDnをラッチ回路106a、106bに出力する。ラッチ回路106a、106bは、同じ水平期間内に外部から供給される2つの画像出力制御信号XSTB1、XSTB2のそれぞれのタイミングで表示データXDnをラッチし、D/Aコンバータ107に出力する。D/Aコンバータ107は、表示データXDnをアナログ信号に変換し、出力バッファ部108a、108bを介して画像信号出力端子109a、109bにそれぞれ出力する。
【0006】
駆動回路は、以上のように構成され、表示データXDnの奇数出力と偶数出力とで出力スイッチがオンするタイミングを図12に示すようにΔtずらす。これにより、液晶表示装置の画素の充放電電流のピーク値に対応する電源電流IDDを削減することができる。したがって、電源電流IDDの増大に伴って増加するEMIノイズを低減させることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2006−267999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以下の分析は本発明において与えられる。
【0009】
従来技術によれば充放電電流に伴う電源電流のピーク値を削減できるものの、依然として充放電電流に急峻な立ち上がりが発生する。充放電電流が発生するのは、水平期間に1回であり、基本周波数成分は50kHz前後と低い。しかしながら、充放電電流の急峻な立ち上がりには、高調波成分が含まれているため、実際にはその高調波成分がEMIノイズとして現れる。このため、高調波成分であるMHz帯のEMIノイズが大きくなってしまう。図5(B)に、従来技術の充放電電流のFFT(高速フーリエ変換)の結果を示す。充放電電流の基本周波数成分は、50kHz前後であるが、EMIノイズとして問題とされる10MHz〜1GHzの高調波成分を多く含んでいることが分かる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つのアスペクト(側面)に係る駆動回路は、出力端子と、映像信号を増幅する増幅回路と、増幅回路の出力と出力端子間に接続される出力スイッチ回路と、出力スイッチ回路のスイッチング動作において出力スイッチ回路のインピーダンスを順次変化させるように制御するインピーダンス制御回路と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、出力スイッチ回路のインピーダンスを順次変化させ、充放電電流の急峻な変化を防ぐことで、充放電電流の高調波成分を低減することができる。そのため、充放電電流の高調波成分に起因するEMIノイズを小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る駆動回路は、出力端子と、映像信号を増幅する増幅回路と、増幅回路の出力と出力端子間に接続される出力スイッチ回路と、出力スイッチ回路のスイッチング動作を制御するインピーダンス制御回路と、を備える。インピーダンス制御回路は、出力スイッチ回路のスイッチング動作において出力スイッチ回路のインピーダンスを順次変化させるように制御する。特に、出力スイッチ回路をオン状態とする場合にインピーダンスを順次低下させるように制御することが好ましい。
【0013】
本発明の駆動回路において、出力スイッチ回路は、FETで構成され、インピーダンス制御回路は、出力スイッチ回路をオン状態とする場合にFETのゲート端にFETのオン抵抗を順次低下させるような制御電圧を供給するようにしてもよい。
【0014】
本発明の駆動回路において、インピーダンス制御回路は、定電流源回路と、定電流源回路からの出力電流、および電源電圧のいずれかを選択してFETのゲート端に供給するスイッチ素子と、を備えるようにしてもよい。
【0015】
本発明の駆動回路において、インピーダンス制御回路は、それぞれ異なる複数の電圧を出力する電圧発生回路と、複数の電圧のいずれかを選択してFETのゲート端に供給する選択回路と、FETのオン抵抗を順次低下させるように、複数の電圧から一つを順次選択するための選択信号を選択回路に対して与えるタイミング制御回路と、を備えるようにしてもよい。
【0016】
本発明の駆動回路において、インピーダンス制御回路は、映像信号を生成するための複数の階調電圧信号を発生する階調電位発生回路をさらに備え、電圧発生回路は、階調電位発生回路に含まれ、複数の電圧を複数の階調電圧信号から選択して出力するようにしてもよい。
【0017】
本発明の表示装置は、上記の駆動回路と、駆動回路によって駆動される表示パネルと、を備えるようにしてもよい。
【0018】
以上のような駆動回路によれば、出力スイッチ回路のインピーダンスを順次下げていき、充放電電流の急峻な立ち上がりを防ぐことで、充放電電流の高調波成分が低減する。したがって、充放電電流の高調波成分に起因するEMIノイズを小さくすることができる。
【0019】
以下、実施例に即し、図面を参照して詳しく説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の構成を示す図である。図1において、液晶表示装置1は、複数のソースドライバ(ソース側液晶駆動IC)10、タイミングコントローラ(LCDコントローラ)20、複数のゲートドライバ(ゲート側液晶駆動IC)30、液晶表示パネル40を備える。
【0021】
LCDコントローラ20は、クロック、およびデータ(映像データ)と制御信号からなるシリアルデータをそれぞれソースドライバ10に供給し、ゲート制御信号をそれぞれゲートドライバ30に供給する。液晶表示パネル40中の各薄膜トランジスタTFTにおいて、ソースがソースドライバ10によって駆動され、ゲートがゲートドライバ30によって駆動される。TFTのドレインは、液晶画素(液晶部)Lcおよび補助容量Csを介して共通配線COMなどに接続される。
【0022】
このような構成の液晶表示装置1において、ソースドライバ10とゲートドライバ30とによって選択されるTFTは、データ(映像データ)に対応した信号で液晶画素Lcを駆動し表示させる。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施例に係るソースドライバの構成を示す図である。ソースドライバ10は、8bitのソース側液晶駆動ICであって、レシーバ&シリアルパラレル変換回路11、ラッチ回路&シフトレジスタ12、階調電位発生回路13、デコーダ14、アンプ(増幅回路)15、出力スイッチインピーダンス制御回路16、出力スイッチ回路17を備える。
【0024】
レシーバ&シリアルパラレル変換回路11は、タイミングコントローラ20から送られてくるクロックCLKおよびシリアルの映像データ信号DATAを受信し、1画素ごとのパラレルデータD00〜D07に変換する。
【0025】
ラッチ回路&シフトレジスタ12は、レシーバ&シリアルパラレル変換回路11によって変換されたパラレルデータD00〜D07をクロック信号CLK1によって順次転送し、ゲート信号線1ライン分のデータを転送する。このパラレルデータD00〜D07は、ラッチパルス信号STBに同期してラッチされ、出力数に対応したディジタル階調データとして保持される。
【0026】
デコーダ14は、階調電位VDATA0(+)〜VDATA255(+)およびVDATA0(−)〜VDATA255(−)を入力し、入力した階調電位VDATA0(+)〜VDATA255(+)またはVDATA0(−)〜VDATA255(−)の中から、ラッチ回路&シフトレジスタ12から送られてくるディジタル階調データD00〜D07に対応した階調電位を出力ごとに選択する。なお、階調電位VDATA0(+)〜VDATA255(+)及びVDATA0(−)〜VDATA255(−)は、階調電位発生回路13によって生成され、デコーダ14に出力される。また、階調電位VDATA0(+)〜VDATA255(+)及びVDATA0(−)〜VDATA255(−)は、デコーダ14内では同一極性の出力同士で共有されている。正極性の出力はVDATA0(+)〜VDATA255(+)を、負極性の出力はVDATA0(−)〜VDATA255(−)を共有しているものとする。
【0027】
デコーダ14によって選択された各出力の階調電位は、例えば出力数が720の場合、出力ごとに備えられた各アンプ15の入力t1〜t720にそれぞれ出力される。そして、ラッチパルスSTBの立ち下がりに同期して、全てのアンプ15は、データ線OUT1〜OUT720を充放電し、データ線を介して選択された電位を液晶セルの各画素に供給する。
【0028】
出力スイッチインピーダンス制御回路16は、ラッチパルスSTBに同期して制御信号SWN_DRV、SWP_DRVを出力スイッチ回路17に出力し、出力スイッチ回路17のインピーダンスを制御する。
【0029】
出力スイッチ回路17は、互いに逆導電型である2つのFETが並列接続されたトランスファゲートなどで構成され、制御信号SWN_DRV、SWP_DRVが2つのFETのそれぞれのゲートに供給される。出力スイッチ回路17は、制御信号SWN_DRV、SWP_DRVのレベルを元にそれぞれのアンプ15の出力とデータ線OUT1〜OUT720間を一定期間切り離す。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施例に係る出力スイッチインピーダンス制御回路の構成とタイミングを示す図である。図3(A)において、出力スイッチインピーダンス制御回路16は、インバータ回路INV、NMOSトランジスタMN1、MN2、PMOSトランジスタMP1、MP2、電流源回路Is1、Is2を備える。ラッチパルス信号STBは、PMOSトランジスタMP2、NMOSトランジスタMN2のそれぞれのゲートに供給される。インバータ回路INVは、ラッチパルス信号STBの信号レベルを反転し、PMOSトランジスタMP1、NMOSトランジスタMN1のそれぞれのゲートに供給する。PMOSトランジスタMP1は、ソースを電源に接続し、ドレインをNMOSトランジスタMN1のドレインに接続する。NMOSトランジスタMN1は、ソースを電流源回路Is1を介して接地する。PMOSトランジスタMP2は、ソースを電流源回路Is2を介して電源に接続し、ドレインをNMOSトランジスタMN2のドレインに接続する。NMOSトランジスタMN2は、ソースを接地する。
【0031】
このような構成の出力スイッチインピーダンス制御回路16は、図3(B)に示すように、ラッチパルス信号STBがハイレベルに変化すると、PMOSトランジスタMP1およびNMOSトランジスタMN2がオンとなる。したがって、PMOSトランジスタMP1のドレインにおける信号SWP_DRVは、電源レベルとなり、NMOSトランジスタMN2のドレインにおける信号SWN_DRVは、接地レベルとなる。
【0032】
その後、ラッチパルス信号STBがローレベルに変化すると、PMOSトランジスタMP1およびNMOSトランジスタMN2がオフとなり、NMOSトランジスタMN1およびPMOSトランジスタMP2がオンとなる。したがって、出力スイッチ回路17の制御端(FETのゲート)に充電された電荷は、電流源回路Is1を介して放電され、信号SWP_DRVの電位は、徐々に接地レベルに向かう。また、出力スイッチ回路17の他の制御端における放電された電荷は、電流源回路Is2を介して充電され、信号SWN_DRVの電位は、徐々に電源レベルに向かう。したがって、信号SWP_DRV、SWN_DRVの波形は、図3(B)に示すようなランプ波形となる。
【0033】
次に、ソースドライバ10の動作について説明する。図4は、本発明の第1の実施例に係るソースドライバの各部のタイミングチャートである。ゲートドライバ30から出力されるゲート駆動信号GATE1、GATE2、・・・に同期してラッチパルス信号STBがハイレベルとなる。ラッチパルス信号STBの立ち上がりで、ラッチ回路&シフトレジスタ12にディジタル映像データ(8ビットのDATA1[7:0]、DATA2[7:0]等)が書き込まれる。そして、書き込まれたディジタル映像データに対応したアナログ電圧がデコーダ14によって選択され、アンプ15の入力へと出力される。この時、出力スイッチインピーダンス制御回路16は、ラッチパルス信号STBの立ち下がりから出力スイッチインピーダンス制御期間内にランプ波形を呈する信号SWP_DRV、SWN_DRVを出力スイッチ回路17に出力する。したがって、出力スイッチ回路17のTFTへの出力OUT1〜OUT720における波形は、図4に示すような立ち上がりおよび立ち下がりの緩やかな波形となる。これにより、主としてアンプ15における電源電流IDDは、水平期間(20μs前後)を周期とした緩やかに変化する波形となる。
【0034】
なお、上述した出力スイッチインピーダンス制御期間は、固定でもいいし、垂直期間毎やフレーム毎で動的に変化させてもよい。また、出力スイッチのインピーダンス(抵抗成分)を下げる波形をランプ波形としたが、ランプ波形に限らず、最終的に抵抗値が最小値になればどのような波形でも構わない。なお、効果を考えると、単調減少の波形が好ましい。
【0035】
以上のようにソースドライバ10は、出力スイッチのインピーダンスを徐々に下げていき、液晶表示装置の電源電流の急峻な立ち上がりおよび立ち下がりを防ぐことで、電源電流の高調波成分を低減することができる。このため、電源電流の高調波成分に起因して発生するEMIノイズを小さくすることができる。図3(B)に示す出力スイッチインピーダンス制御期間をより長くすれば、高周波成分はより低減され、EMIノイズをより小さくすることができる。
【0036】
図5(A)に本発明の駆動回路における充放電電流のFFT(高速フーリエ変換)結果の例を示す。図5を参照するならば、本発明では、10MHz〜50MHz付近の高調波成分を、従来技術に比べ大幅に低減できていることが分かる。なお、図5(A)、図5(B)のそれぞれ相対する縦軸の振幅の目盛の単位は、同一である。
【実施例2】
【0037】
図6は、本発明の第2の実施例に係るソースドライバの構成を示す図である。図6に示すソースドライバが第1の実施例におけるソースドライバと異なる点は、階調電位発生回路13が発生した複数の階調電位(本例ではVDATA255(+)、VDATA128(+)、VDATA0(+)、VDATA128(−)、VDATA255(−))が出力スイッチインピーダンス制御回路16aに入力されていることである。出力スイッチインピーダンス制御回路16aは、入力されるこれら複数の階調電位を用いて、出力スイッチインピーダンス制御期間内に階段波形を生成し、出力スイッチ回路17のインピーダンスを段階的に制御する。
【0038】
なお、コモン電圧(VCOM)固定でかつノーマリーブラックタイプの液晶表示装置における電源電圧・コモン電圧・階調電位の関係を図7に示す。
【0039】
図8は、本発明の第2の実施例に係る出力スイッチインピーダンス制御回路の回路図である。出力スイッチインピーダンス制御回路16aは、タイミング制御回路18、階調電位選択スイッチSW11〜SW17、SW21〜SW27を備える。
【0040】
階調電位選択スイッチSW11〜SW17は、一端をそれぞれ電源VDD2、階調電位VDATA255(+)、VDATA128(+)、VDATA0(+)、VDATA128(−)、VDATA255(−)、接地GNDに接続し、他端を共通とし信号SWP_DRVを出力する。また、階調電位選択スイッチSW21〜SW27は、一端をそれぞれ接地GND、階調電位VDATA255(−)、VDATA128(−)、VDATA0(+)、VDATA128(+)、VDATA255(+)、電源VDD2に接続し、他端を共通とし信号SWN_DRVを出力する。
【0041】
タイミング制御回路18は、ラッチパルス信号STB、クロック信号CLK1を入力し、階調電位選択スイッチSW11〜SW17、SW21〜SW27のオンオフを制御する制御パルスTIM1〜TIM7を発生する。制御パルスTIM1〜TIM7は、階調電位選択スイッチSW11〜SW17および階調電位選択スイッチSW21〜SW27の制御端にそれぞれ供給される。
【0042】
図9は、本発明の第2の実施例に係る出力スイッチインピーダンス制御回路のタイミングチャートである。ラッチパルス信号STBに同期し制御パルスTIM1がハイレベルとなる。その後、出力スイッチインピーダンス制御期間において、ラッチパルス信号STBの立ち下がりのタイミングからクロック信号CLK1に同期して制御パルスTIM2〜TIM6が順々にハイレベルとなる。制御パルスTIM6の立ち下りと共に、制御パルスTIM7は、ラッチパルス信号STBの立ち上がりまでハイレベルを保つ。このように発生された制御パルスTIM1〜TIM7によって、階調電位選択スイッチSW11〜SW17が順次オンとされ、電位が階段状に低下する信号SWP_DRVが得られる。また、階調電位選択スイッチSW21〜SW27が順次オンとされ、電位が階段状に上昇する信号SWN_DRVが得られる。
【0043】
図10は、本発明の第2の実施例に係るソースドライバの各部のタイミングチャートである。図10において、図4と異なる点は、信号SWP_DRV、SWN_DRVが階段波形を有し、信号SWP_DRV、SWN_DRVによって出力スイッチのインピーダンスを段階的に制御する点である。アンプ15における電源電流IDDが、水平期間(20μs前後)を周期とし緩やかに変化することは、第1の実施例のソースドライバと同様である。
【0044】
なお、上記例では出力スイッチインピーダンス制御回路に入力される階調電位をVDATA255(+)、VDATA128(+)、VDATA0(+)、VDATA128(−)、VDATA255(−)の5つであるとして説明をしたが、5に限定されるものではない。また、選択する階調も等間隔に限らず、任意に選択することができる。さらに、出力スイッチインピーダンス制御期間は固定であってもよいし、垂直期間毎やフレーム毎で動的に変化させてもよい。
【0045】
実施例1では、インピーダンス制御回路の電流源によってランプ波形を生成する。そのため、出力スイッチにおけるインピーダンス制御期間は、インピーダンス制御回路の電流源の電流量と出力スイッチにおけるゲート容量とによって決まるため、正確にコントロールするのが難しい。これに対し、本実施例では、階調電位の数と制御パルス数で出力スイッチのインピーダンス制御期間を正確にコントロールすることができる。
【0046】
以上の説明は、「液晶表示装置(LCD)」について行っているが、表示装置は液晶を使用したものに限らず、同様な駆動方法をとる全ての表示装置を本発明の対象とする。
【0047】
なお、前述の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るソースドライバの構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る出力スイッチインピーダンス制御回路の構成とタイミングを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るソースドライバの各部のタイミングチャートである。
【図5】本発明および従来の充放電電流のFFT(高速フーリエ変換)の結果を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係るソースドライバの構成を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る液晶表示装置における電源電圧・コモン電圧・階調電位の関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る出力スイッチインピーダンス制御回路の構成を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る出力スイッチインピーダンス制御回路のタイミングチャートである。
【図10】本発明の第2の実施例に係るソースドライバの各部のタイミングチャートである。
【図11】特許文献1に記載の駆動回路の構成を示す図である。
【図12】特許文献1に記載の駆動回路の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0049】
1 液晶表示装置
10 ソースドライバ
11 レシーバ&シリアルパラレル変換回路
12 ラッチ回路&シフトレジスタ
13 階調電位発生回路
14 デコーダ
15 アンプ
16、16a 出力スイッチインピーダンス制御回路
17 出力スイッチ回路
18 タイミング制御回路
20 タイミングコントローラ
30 ゲートドライバ
40 液晶表示パネル
COM 共通配線
Cs 補助容量
INV インバータ回路
Is1、Is2 電流源回路
Lc 液晶画素
MN1、MN2 NMOSトランジスタ
MP1、MP2 PMOSトランジスタ
SW11〜SW17、SW21〜SW27 階調電位選択スイッチ
TFT 薄膜トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力端子と、
映像信号を増幅する増幅回路と、
前記増幅回路の出力と前記出力端子間に接続されるスイッチ回路と、
前記スイッチ回路のスイッチング動作において前記スイッチ回路のインピーダンスを順次変化させるように制御するインピーダンス制御回路と、
を備えることを特徴とする駆動回路。
【請求項2】
前記インピーダンス制御回路は、前記スイッチ回路をオン状態とする場合に前記インピーダンスを順次低下させるように制御することを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
【請求項3】
前記スイッチ回路は、FETで構成され、
前記インピーダンス制御回路は、前記スイッチ回路をオン状態とする場合に前記FETのゲート端に前記FETのオン抵抗を順次低下させるような制御電圧を供給することを特徴とする請求項2記載の駆動回路。
【請求項4】
前記インピーダンス制御回路は、
定電流源回路と、
前記定電流源回路からの出力電流、および電源電圧のいずれかを選択して前記FETのゲート端に供給するスイッチ素子と、
を備えることを特徴とする請求項3記載の駆動回路。
【請求項5】
前記インピーダンス制御回路は、
それぞれ異なる複数の電圧を出力する電圧発生回路と、
前記複数の電圧のいずれかを選択して前記FETのゲート端に供給する選択回路と、
前記FETのオン抵抗を順次低下させるように、前記複数の電圧から一つを順次選択するための選択信号を前記選択回路に対して与えるタイミング制御回路と、
を備えることを特徴とする請求項3記載の駆動回路。
【請求項6】
前記映像信号を生成するための複数の階調電圧信号を発生する階調電位発生回路をさらに備え、
前記電圧発生回路は、前記階調電位発生回路に含まれ、前記複数の電圧を前記複数の階調電圧信号から選択して出力することを特徴とする請求項5記載の駆動回路。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一に記載の駆動回路と、
前記駆動回路によって駆動される表示パネルと、
を備えることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−300866(P2009−300866A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156782(P2008−156782)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】