説明

駆動装置および方法、プログラム、並びに記録媒体

【課題】スライダ制御を適切に行う。
【解決手段】光学ヘッド21には、光学ピックアップ22−1と光学ピックアップ22−2が備えられ、それぞれの駆動を制御する2軸アクチュエータ41−1と2軸アクチュエータ41−2が備えられている。光学ピックアップ22−1からの信号で生成されたトラッキング制御信号と、光学ピックアップ22−2からの信号で生成されたトラッキング制御信号は、それぞれ、LPF64とLPF68でフィルタリングされ、演算部65に供給される。演算部65は、2つの信号の平均値を算出し、スライダフィルタ66に供給する。この平均値がスライダを制御する制御信号として用いられる。本発明は、所定のディスクに容量の大きなデータを記録する記録装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駆動装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、所定のディスクへの記録、再生速度を向上させる駆動装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高画質な映像のデータの記録、再生が普及しつつある。このような高画質な映像のデータは、その容量が大きくなってしまう傾向にある。よって、記録時に所定のディスクに書き込む容量が大きくなり、ディスクへの書き込みを早く行う必要がある。そこで、ディスクのスピンドルの回転数を上げて記録速度を向上させることが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ディスクのスピンドルの回転数を上げると、その回転の音が大きくなり、その音が録音されてしまうことがあった。そのために、記録装置でディスクのスピンドルの回転数を上げることで、記録速度を向上させることは好ましい対処法ではなかった。
【0004】
そこで、同じ仕様の光学系を2チャンネル備え、2チャンネルを同時に用いて記録処理を実行することが考えられる。2チャンネル備える装置は、その2チャンネルを対向した位置に設け、それぞれスライダを設ける構成が考えられる。このように構成することで、それぞれのチャンネルが独立的にスライダ制御され、同時に所定のディスクに対して記録動作を行うことができ、記録速度を向上させることが可能となる。
【0005】
しかしながら、2チャンネルを対向した位置に設け、それぞれにスライダを設けるような構成とすると、装置が大きくなってしまい、例えば、持ち運び可能な記録装置(例えばビデオカメラ)などにおいては、不向きな構成であった。このようなことから、回転速度を上げずに、かつ、装置自体の大きさが大きくなることがなく、記録速度を向上させるための新たな仕組みが望まれていた。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、1ヘッドに2チャンネルの光学系を備え、1系統のスライダで制御するようにし、2チャンネルに対して共に適切なスライダ制御をできるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の駆動装置は、同じ仕様の第1の光学ピックアップと第2の光学ピックアップが搭載されたヘッドを駆動する駆動手段と、前記第1の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第1の信号と、前記第2の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第2の信号を用いて所定の演算をする演算手段と、前記演算手段からの信号を前記駆動手段を駆動するための制御信号として出力する出力手段とを備える。
【0008】
前記第1の光学ピックアップから得られる信号からトラッキング制御信号を生成する生成手段をさらに備え、前記生成手段は、前記第2の光学ピックアップを制御するためのトラッキング制御信号をデジタル信号に変換する変換手段と、前記フィルタリングを行うフィルタを備えるようにすることができる。
【0009】
前記演算手段は、前記第1の信号と前記第2の信号の平均を演算するようにすることができる。
【0010】
本発明の一側面の駆動方法は、同じ仕様の第1の光学ピックアップと第2の光学ピックアップが搭載されたヘッドを駆動する駆動手段を備える駆動装置の駆動方法において、前記第1の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第1の信号と、前記第2の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第2の信号を用いて所定の演算し、演算された信号を前記駆動手段を駆動するための制御信号とし、出力するステップを含む。
【0011】
本発明の一側面のプログラムは、同じ仕様の第1の光学ピックアップと第2の光学ピックアップが搭載されたヘッドを駆動する駆動手段を備える駆動装置に、前記第1の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第1の信号と、前記第2の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第2の信号を用いて所定の演算し、演算された信号を前記駆動手段を駆動するための制御信号とし、出力するステップを含む処理を実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラム。
【0012】
本発明の一側面の記録媒体は、同じ仕様の第1の光学ピックアップと第2の光学ピックアップが搭載されたヘッドを駆動する駆動手段を備える駆動装置に、前記第1の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第1の信号と、前記第2の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第2の信号を用いて所定の演算し、演算された信号を前記駆動手段を駆動するための制御信号とし、出力するステップを含む処理を実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている。
【0013】
本発明の一側面の駆動装置および方法、プログラム、並びに記録媒体においては、同じ仕様のピックアップにより、同時に記録や再生が行われ、一方のピックアップから得られるトラッキング制御信号と、他方のピックアップから得られるトラッキング制御信号の平均値が、スライダを制御する信号とされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一側面によれば、1ヘッドに2チャンネルの光学系が備えられ、1系統のスライダで制御するようなときでも、2チャンネルに対して共に適切なスライダ制御を行うことが可能となる。また、適切なスライダ制御を行えるようになることで、2チャンネルを用いた高速な記録や再生を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明を適用した駆動装置の一実施の形態の構成を示す図である。図1に示した駆動装置10は、所定のディスクを駆動し、そのディスクに対してデータを記録したり、記録されているデータを再生したりする装置である。ここでは、主に記録時の動作を例に挙げて説明する。
【0017】
図1に示した駆動装置10は、所定のディスクとして、ディスク11を駆動する。ディスク11は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)である。駆動装置10は、光学ヘッド21、光学ピックアップ22−1、光学ピックアップ22−2、スライダ23、スライドモータ24、ドライブ制御回路25、およびドライブ制御回路26を備える。
【0018】
図1に示した駆動装置10は、1つの光学ヘッド21に2つの光学ピックアップ22−1と光学ピックアップ22−2を備える構成とされている。このような構成を、以下、適宜、1ヘッド2ピックアップと記述する。また、光学ピックアップ22−1と光学ピックアップ22−2を個々に区別する必要がない場合、単に、光学ピックアップ22と記述する。
【0019】
光学ピックアップ22−1と光学ピックアップ22−2は、同じ仕様の光学ピックアップである。この2つの光学ピックアップ22−1と光学ピックアップ22−2は、同時に動作し、ディスク11に対してデータを記録する。このことにより、1つの光学ピックアップ22で記録するよりも、倍の記録を行うことができ、記録時の処理を高速化させることが可能となる。
【0020】
光学ヘッド21は、スライダ23によりディスク11に対して水平方向に移動される。スライダ23は、スライドモータ24により駆動される。スライドモータ24の制御信号(スライドモータ駆動電流)は、ドライブ制御回路25から供給される。ドライブ制御回路25には、光学ピックアップ22−1からの信号が供給され、その信号から、光学ピックアップ22−1を制御するための信号(トラックアクチュエータ駆動電流)が生成され、光学ピックアップ22−1に供給される。
【0021】
同様に、ドライブ制御回路26には、光学ピックアップ22−2からの信号が供給され、その信号から、光学ピックアップ22−2を制御するための信号(トラックアクチュエータ駆動電流)が生成され、光学ピックアップ22−2に供給される。ドライブ制御回路25とドライブ制御回路26は、それぞれ、光学ピックアップ22−1,22−2を制御するが、その構成は、図2に示すように異なる構成である(図2において、DSP53とDSP54は異なる構成とされている)。また、光学ピックアップ22−1と光学ピックアップ22−2は、共に光学ヘッド21に搭載され、例えば、データを同時にディスク11に書き込むといった動作を行うため、協調動作する必要があり、そのための信号が、ドライブ制御回路25とドライブ制御回路26との間で授受される。
【0022】
また、光学ピックアップ22−1と光学ピックアップ22−2は、線速一定(CLV)でディスク11に記録を同時に行うことができるように構成されている。すなわち、線速誤差が許容できる近接した位置(例えば、数百μm程度)に、レーザスポットがフォーカスするように、対物レンズアクチュエータ(例えば、図2に示す2軸アクチュエータ41−1と2軸アクチュエータ41−2)が設置されている。また、1ヘッド2ピックアップを用いた記録は、それぞれの光学ピックアップ22が、ある決まった容量の連続データを記録したのち、同時にトラックジャンプを行い、次の連続したデータの記録を行うことで行われる。
【0023】
1ヘッド2ピックアップの構成を有する駆動装置10の場合、スライダは、スライダ23の1系統しか備えられていないため、適切なスライダ制御を行わなくては、例えば、一方の光学ピックアップ22に適切なスライダ制御を行うと、他方の光学ピックアップ22には適切ではないスライダ制御となる可能性がある。
【0024】
1ヘッド2ピックアップで(2チャンネルで)、連続して記録を行う容量と、光学ピックアップ22間(光学ピックアップ22を構成する対物レンズの間)の距離は一致していることが望ましい。仮に、対物レンズ間距離が、個々の光学ピックアップ22で設計値からのばらつきがあると、そのばらつきが対物レンズのオフセットとなってしまうためである。一般的なスライダ制御は、トラックアクチュエータの駆動電流低域成分がゼロになるようにフィードバック制御を行うことで行われる。
【0025】
しかしながら、一方のチャンネル、例えば光学ピックアップ22−1に最適なスライダ制御をしてしまうと、対物レンズ間距離誤差などが、全て他方のチャンネル(例えば、光学ピックアップ22−2)の誤差となり、対物レンズオフセットになってしまう。換言すれば、光学ピックアップ22−1からの信号からスライダ制御を行うようにすると、光学ピックアップ22−1の誤差などは取り除かれるが、光学ピックアップ22−2の誤差は考慮されていないスライダ制御となり、光学ピックアップ22−2に対して適切なスライダ制御ではない可能性がある。
【0026】
すなわち、1ヘッド2ピックアップで、1チャンネルのトラッキング制御量のみを用いたスライダ制御を行うと、2つの光学ピックアップ22間の距離のばらつきが、そのまま、スライダ制御を行わない光学ピックアップ22のアクチュエータの対物レンズシフトになってしまう可能性がある。
【0027】
一般に、対物レンズアクチュエータの光学特性保証範囲は数百um程度であり、ディスクの偏芯やディスクチャッキング誤差の見積もりに対してあまりマージンがないため、1ヘッド2チャンネル方式特有の対物レンズオフセットはできる限り抑制する必要がある。
【0028】
そこで、駆動装置10は、図2に示すような構成を有し、図3に示すような処理を行うことで、対物レンズ間の距離誤差の影響を、1つの対物レンズに最適化したスライダ制御を行う方式に比べ、半分以下に抑制する。
【0029】
図2は、図1に示したドライブ制御回路25とドライブ制御回路26の詳細な構成例を示す図である。光学ヘッド21には、光学ピックアップ22−1と、その光学ピックアップ22−1の移動方向や移動距離(トラッキング方向とフォーカス方向)を制御する2軸アクチュエータ41−1が設けられている。光学ヘッド21にはさらに光学ピックアップ22−2と2軸アクチュエータ41−2が設けられている。
【0030】
光学ピックアップ22―1と光学ピックアップ22−2は、それぞれ光源や対物レンズを含む構成とされ、ディスク11に対してデータの記録またはデータの再生を行うためのレーザを出射する。光学ピックアップ22―1により出射されたレーザがディスク11で反射することにより戻ってきた反射光による情報は、マトリクスアンプ51に供給される。同様に光学ピックアップ22―2により出射されたレーザがディスク11で反射することにより戻ってきた反射光による情報は、マトリクスアンプ52に供給される。
【0031】
マトリクスアンプ51は、トラッキングエラー信号を生成し、DSP(Digital Signal Processer)53のA/D(Analog/Digital)変換部61に供給する。DSP53は、A/D変換部61、サーボフィルタ62、D/A(Digital/Analog)変換部63、LPF(Low Pass Filter)64、演算部65、スライダフィルタ66、A/D変換部67、および、LPF68を備える構成とされる。
【0032】
DSP53のA/D変換部61は、供給されたトラッキングエラー信号をデジタル信号に変換し、サーボフィルタ62に供給する。サーボフィルタ62は、位相補償フィルタであり、サーボループを安定させるために備えられている。またサーボフィルタ62(または、図示していない後段の部分)は、位相補償されたトラッキングエラー信号に、サーボゲインと称される所定の係数を乗算し、増幅するといった処理も行う。
【0033】
サーボフィルタ62からの信号は、トラッキング制御信号として、D/A変換部63とLPF64に供給される。D/A変換部63は、供給されたトラッキング制御信号を、アナログ信号に変換し、2軸ドライバ55に供給する。2軸ドライバ55は、供給されたトラッキング制御信号を基に、光学ピックアップ22−1の2軸アクチュエータ41−1を駆動する。このような一連のサーボループにより、光学ピックアップ22−1に対するトラッキング制御やフォーカシング制御が実現される。
【0034】
一方、LPF64に供給されたトラッキング制御信号は、低域の周波数成分だけが抽出され、演算部65に供給される。トラッキング制御信号の低域成分は、スライドエラー信号(スライダ23の誤差を表す信号)とされる。演算部65には、LPF68からの信号も供給される。LPF68への信号は、A/D変換部67でデジタル信号に変換された信号であり、DSP54から供給された信号である。
【0035】
DSP54は、A/D変換部71、サーボフィルタ72、およびD/A変換部73を含む構成とされる。このA/D変換部71、サーボフィルタ72、およびD/A変換部73は、それぞれ、DSP53のA/D変換部61、サーボフィルタ62、およびD/A変換部63と対応し、同様の処理を行う。すなわち、A/D変換部71、サーボフィルタ72、およびD/A変換部73により、2軸ドライバ57に供給されるトラッキング制御信号が生成され、光学ピックアップ22−2の2軸アクチュエータ41−2を駆動するための信号が生成される。このような一連のサーボループにより、光学ピックアップ22−2に対するトラッキング制御やフォーカシング制御が実現される。
【0036】
DSP54からのトラッキング制御信号は、DSP53のA/D変換部67とLPF68を介して演算部65に供給される。すなわち、DSP54からのトラッキング制御信号は、DSP53で、スライドエラー信号に変換される。演算部65には、このようにして、光学ピックアップ22−1からのトラッキング制御信号をLPF64でフィルタリングした信号と、光学ピックアップ22−2からのトラッキング制御信号をLPF68でフィルタリングした信号とが供給される。
【0037】
換言すると、演算部65には、光学ピックアップ22−1からの信号で生成されたスライドエラー信号と、光学ピックアップ22−2からの信号で生成されたスライドエラー信号が供給される。
【0038】
演算部65は、このような2つのスライダ制御信号の平均値を演算し、スライダフィルタ66に供給する。スライダフィルタ66は、所定のフィルタリングを施した信号を、スライダ23を制御するスライダ制御信号(スライドモータ24を制御する信号)として、スライダドライバ56に供給する。スライダドライバ56は、2つの光学ピックアップ22からの信号の平均値から生成されたスライダ制御信号に基づいて、スライドモータ24を制御する。
【0039】
このような構成を有する駆動装置10の動作について、主に、スライドモータ24の制御について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
ステップS11において、トラックサーボフィルタ演算が実行される。この処理は、光学ピックアップ22−1、マトリクスアンプ51、A/D変換部61、サーボフィルタ62、D/A変換部63、および2軸ドライバ55で構成されるサーボループにより実行される。同様に、光学ピックアップ22−2、マトリクスアンプ52、A/D変換部71、サーボフィルタ72、D/A変換部73、および2軸ドライバ57で構成されるサーボループにより実行される。こららのサーボループにより、トラッキング制御信号が生成され、トラッキングが制御される。
【0041】
ステップS12において、それぞれのサーボループから供給されるトラッキング制御信号が、LPF64とLPF68においてそれぞれフィルタリングされる。フィルタリングされることにより、スライダエラー信号が生成される。ステップS13において、演算部65は、LPF64,68によるフィルタリング後のスライドエラー信号の平均値を算出する。ステップS14において、スライダフィルタ66により、フィルタリング演算が行われることで、スライダ制御信号が生成される。
【0042】
ステップS15において、スライダドライバ56は、スライダフィルタ66から供給されるスライダ制御信号に基づき、スライドモータ24を駆動する。
【0043】
このようにして、1つの光学ヘッド21に搭載された2つの光学ピックアップ22−1と光学ピックアップ22−2から、それぞれ得られる信号を平均化してスライダ制御信号を生成する。このようにすることで、2つのアクチュエータ設置距離が、設計値から誤差を持った場合でも、1チャンネルあたりの対物レンズオフセットは平均化され、半分以下の影響で済むようになる。
【0044】
また、このようにすることで、適切なスライダ制御を行えるようになり、2つの光学ピックアップ22により、同時にデータをディスク11に書き込むことが可能となり、もって、書き込みの高速化を実現することが可能となる。
【0045】
なお、上述した実施の形態においては、書き込み(記録)時について説明したが、再生時に同様の処理で、適切にスライダ制御を行うことができる。また、2つの光学ピックアップ22を用いて再生することで、高速でデータの読み出しを行うことが可能となる。
【0046】
なお、上述した実施の形態においては、2つの光学ピックアップ22から得られる信号の平均値を演算するとしたが、平均値以外の演算を行うようにしても良い。例えば、どちらかの光学ピックアップ22が、誤差を含んでいるとわかっている場合、その誤差を打ち消すために、そちらの光学ピックアップ22に重み付けした演算が行われるなどしても良い。すなわち、2つの光学ピックアップ22の誤差を打ち消すような演算が、演算部65で行われればよい。
【0047】
なお、上述した実施の形態においては、1ヘッド2ピックアップの例を挙げて説明したが、1ヘッド3ピックアップなど、複数のピックアップが1ヘッドに搭載されるような形態であっても、本発明を適用することはできる。
【0048】
上述した一連の処理、例えば、2つのトラッキング制御信号を取得し、平均化するといった処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0049】
図4は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータのハードウェアの構成の例を示すブロック図である。
【0050】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0051】
バス104には、さらに、入出力インターフェース105が接続されている。入出力インターフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0052】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0053】
コンピュータ(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア111に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0054】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア111をドライブ110に装着することにより、入出力インターフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0055】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0056】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0057】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明を適用した駆動装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】駆動装置の詳細な構成例を示す図である。
【図3】駆動装置の動作について説明するフローチャートである。
【図4】記録媒体について説明するための図である。
【符号の説明】
【0059】
10 駆動装置, 11 ディスク, 21 光学ヘッド, 22 光学ピックアップ, 23 スライダ, 24 スライドモータ, 25 ドライブ制御回路, 26 ドライブ制御回路, 41 2軸アクチュエータ, 51,52 マトリクスアンプ, 53,54 DSP, 55 2軸ドライバ, 56 スライダドライバ, 57 2軸ドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ仕様の第1の光学ピックアップと第2の光学ピックアップが搭載されたヘッドを駆動する駆動手段と、
前記第1の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第1の信号と、前記第2の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第2の信号を用いて所定の演算をする演算手段と、
前記演算手段からの信号を前記駆動手段を駆動するための制御信号として出力する出力手段と
を備える駆動装置。
【請求項2】
前記第1の光学ピックアップから得られる信号からトラッキング制御信号を生成する生成手段をさらに備え、
前記生成手段は、
前記第2の光学ピックアップを制御するためのトラッキング制御信号をデジタル信号に変換する変換手段と、
前記フィルタリングを行うフィルタを
備える
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記演算手段は、前記第1の信号と前記第2の信号の平均を演算する
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
同じ仕様の第1の光学ピックアップと第2の光学ピックアップが搭載されたヘッドを駆動する駆動手段を備える駆動装置の駆動方法において、
前記第1の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第1の信号と、前記第2の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第2の信号を用いて所定の演算し、
演算された信号を前記駆動手段を駆動するための制御信号とし、出力する
ステップを含む駆動方法。
【請求項5】
同じ仕様の第1の光学ピックアップと第2の光学ピックアップが搭載されたヘッドを駆動する駆動手段を備える駆動装置に、
前記第1の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第1の信号と、前記第2の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第2の信号を用いて所定の演算し、
演算された信号を前記駆動手段を駆動するための制御信号とし、出力する
ステップを含む処理を実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラム。
【請求項6】
同じ仕様の第1の光学ピックアップと第2の光学ピックアップが搭載されたヘッドを駆動する駆動手段を備える駆動装置に、
前記第1の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第1の信号と、前記第2の光学ピックアップから得られる信号をフィルタリングした第2の信号を用いて所定の演算し、
演算された信号を前記駆動手段を駆動するための制御信号とし、出力する
ステップを含む処理を実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−9636(P2010−9636A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164445(P2008−164445)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】