説明

駆動装置

【課題】 原動機により回転軸を回転させる自動操作と手動により回転軸を回転させる手動操作との切換を簡易な構成で、かつ非常に簡単な操作で行うことができる駆動装置を提供する。
【解決手段】 回転軸3の外周部を囲むように原動機により回転駆動される駆動輪6を設け、回転軸3に、回転軸3の軸端から軸心方向に伸びる軸方向孔3gと、軸方向孔3gより半径方向または略半径方向に伸びる半径方向孔3hとを形成し、半径方向孔3hにボール12を収容するとともに軸方向孔3gに切換用軸11を収容し、切換用軸11を軸方向に移動させることによりボール12を押して半径方向外方に移動させ、ボール12を駆動輪6に押圧し駆動輪6と回転軸3とを結合して自動操作を可能にし、切換用軸11を移動方向とは反対方向に移動させることによりボール12の駆動輪6への押圧を解除し駆動輪6と回転軸3との結合を解除して手動操作を可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に係り、特に、原動機により回転軸を回転させる自動操作と、手動により回転軸を回転させる手動操作とが可能な駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種機械や装置においては、各種の要素を回転させたり移動させたりするために回転軸が多く用いられている。この回転軸を手動で回転させる場合には回転軸の端部に操作用のハンドルが固定されている。また回転軸を自動で回転させる場合には、回転軸にプーリや歯車等の伝達部材を介してモータが連結されている。自動操作および手動操作の両方が可能な回転軸において、手動で回転軸を回転させる場合には、モータのブレーキ機構を解除した後に、ハンドル付きの回転軸を手動で回転させるようにしている。この場合、ブレーキ機構は、電磁力あるいは空気圧等によってモータ側のディスクに摩擦板を押し当てる構造が代表的であり、電磁力あるいは空気圧等を解除すれば摩擦板がディスクから離れ、自由にモータ軸が回転できるようになっている。ブレーキ機構はモータに内蔵されているものと外付けされるものがあるが、手動操作が必要となった場合には、電磁力あるいは空気圧等を解除する操作が必要となる。
【0003】
上述の操作用のハンドル付の回転軸を用いた装置の一例として容器検査装置がある。この容器検査装置は、ガラス壜やペットボトル等の容器を搬送するコンベヤと、コンベヤに隣接して側方または上方等に配置され容器を照明するランプと、容器からの透過光または反射光を撮影するCCDカメラ等からなる撮像用カメラを備え、コンベヤにより搬送される容器にランプから投光し、容器からの透過光または反射光を撮像用カメラにより撮影し、容器の外観検査を行っている。
【0004】
この場合、容器の検査部位は複数あるため、コンベヤに沿って複数の撮影ステーションが配置されている。複数の撮影ステーションにおける照明用ランプと撮像用カメラは高さの異なる容器に対応するため、それぞれ個別に昇降可能に構成しなければならないため、本件出願人は、先に特許文献1において、照明用ランプと撮像用カメラとを一つの支持具に支持させ、この支持具を昇降用ネジにより昇降できるようにした一つのユニットとして構成し、複数の撮影ステーションとも同一のユニットを使用する容器の外観検査装置を提案している。この検査装置においては、高さの異なる容器を検査する場合には、ハンドル付の回転軸を回転させて、昇降用ネジにより支持具を昇降させ、照明用ランプと撮像用カメラとを一体に昇降させ、照明用ランプと撮像用カメラの容器に対する高さ調整をすることができるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特許第3195759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の駆動装置においては、自動操作から手動操作に切換える場合には、モータのブレーキ機能を解除しているが、その解除作業に手間がかかるという問題点がある。
また、上述した容器検査装置においては、照明用ランプと撮像用カメラを昇降させる場合に昇降速度は高速ではない場合が多く、そのため減速用のギアを具備したギアードモータが多く用いられるが、モータブレーキを解除しただけでは、手動でハンドルを回す際にモータの減速機も一緒に回すことになり、大きなトルクが必要となり、手動でハンドルを回す作業が容易ではないという問題点がある。この場合、容器検査装置に限らず、このような駆動装置を用いる各種装置にあっては、同様に回転軸の回転速度は高速ではない場合が多く、同様にギアードモータが多く用いられており、手動操作において同様な問題点がある。
【0007】
さらに、上述した容器検査装置においては、容器の検査部位を増加したいという要請があって、照明用ランプと撮像用カメラの個数が増加し、1人の調整員が負担する作業が多くなっている状況で、従来の駆動装置の機能では重労働になるという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、原動機により回転軸を回転させる自動操作と手動により回転軸を回転させる手動操作との切換を簡易な構成で、かつ非常に簡単な操作で行うことができる駆動装置を提供することを目的とする。
また本発明は、検査ユニットを吊り下げ方式にして一体で昇降可能な構成にすることにより、照明用ランプと撮像用カメラの高さ調整を容易に行うことができるようにし、高さの異なる容器に極めて簡単に対応することができる容器検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、本発明の駆動装置は、原動機により回転軸を回転させる自動操作と、手動により回転軸を回転させる手動操作とが可能な駆動装置において、回転軸の外周部を囲むように原動機により回転駆動される駆動輪を設け、前記回転軸に、回転軸の軸端から軸心方向に伸びる軸方向孔と、該軸方向孔より半径方向または略半径方向に伸びる半径方向孔とを形成し、前記半径方向孔にボールを収容するとともに前記軸方向孔に切換用軸を収容し、該切換用軸を軸方向に移動させることによりボールを押して半径方向外方に移動させ、ボールを前記駆動輪に押圧し駆動輪と回転軸とを結合して前記自動操作を可能にし、前記切換用軸を前記移動方向とは反対方向に移動させることにより前記ボールの前記駆動輪への押圧を解除し駆動輪と回転軸との結合を解除して前記手動操作を可能にしたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、切換用軸を軸方向に移動させることにより、半径方向孔内のボールを半径方向外方に移動させ、ボールを駆動輪に対して押圧する。その結果、ボールと駆動輪との間の摩擦力によって駆動輪と回転軸とが結合され、原動機を駆動することにより、駆動輪が回転駆動されると、駆動輪と一体に回転軸が回転される。一方、切換用軸を前記移動方向とは反対方向に移動させることにより、切換用軸を後退させて、ボールによる駆動輪の押圧を解除して、駆動輪と回転軸との結合を解除することができる。これにより、回転軸を駆動輪とは切り離して単独で回転させることができる。
【0011】
前記半径方向孔は、回転軸の円周方向に複数あることを特徴とする。
前記半径方向孔には、複数のボールが収容されていることを特徴とする。
前記切換用軸の先端と前記半径方向孔内のボールとの間にボールを介装し、このボールを介して半径方向孔内のボールを押すようにしたことを特徴とする。
前記切換用軸は先端状の円錐状部を有し、該円錐状部により、直接に半径方向孔内のボールを押すようにしたことを特徴とする。
前記回転軸の軸方向孔に雌ネジを形成し、切換用軸に雄ネジを形成し、切換用軸の回転により切換用軸を移動させるようにしたことを特徴とする。
前記切換用軸に操作用ノブが固定されていることを特徴とする。
前記回転軸の端部に操作用ハンドルが固定されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の容器検査装置は、容器を搬送するコンベヤと、コンベヤにより搬送される容器をランプにより照明し容器からの光をカメラにより撮影する複数の撮影ステーションを備えた容器検査装置において、前記ランプとカメラを支持する支持具と、支持具を昇降させる昇降用ネジと、昇降用ネジを回転させる上記駆動装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明によれば、各撮影ステーションにおいて、ランプおよびカメラの容器に対する距離を変える時には、切換用軸を軸方向に移動させ、半径方向孔内のボールを半径方向外方に移動させ、ボールを駆動輪に押圧することにより、駆動輪と回転軸とを結合した後に、原動機により回転軸を回転させて昇降用ネジを回転させ、ランプおよびカメラを支持する支持具を昇降させて支持具の高さ位置を変えればよい。また、前記切換用軸を前記移動方向とは反対方向に移動させることにより、前記ボールの前記駆動輪への押圧を解除して駆動輪と回転軸との結合を解除することにより、回転軸を手動で回転させることもできる。この場合には、ハンドルを用いて回転軸を回転させて昇降用ネジを回転させ、ランプおよびカメラを支持する支持具を昇降させて支持具の高さ位置を変えればよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の駆動装置によれば、原動機により回転軸を回転させる自動操作と手動で回転軸を回転させる手動操作との切換が切換用軸を軸方向に移動させるだけで行うことができるので、切換機構が簡素になり、かつ切換用の操作が非常に簡単になる。
また、手動で回転軸を回す際には、駆動輪と回転軸との結合が解除されているので、回転軸の回転がモータ側に伝達されることがないため、モータの減速機も一緒に回すことがなく、手動で回転軸を回す作業が容易になる。
また本発明によれば、検査ユニットを吊り下げ方式にして一体で昇降可能な構成にすることにより、照明用ランプと撮像用カメラの高さ調整を容易に行うことができ、高さの異なる容器に極めて簡単に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る駆動装置の実施形態を図1乃至図5を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る駆動装置を示す断面図である。図2は図1のII−II線断面図である。
図1に示すように、機器や装置類のフレーム1には、軸受ハウジング2が固定されている。回転軸3は軸受ハウジング2内のボールベアリング4,4によって回転可能に支持されている。回転軸3の端部には、回転軸3を手動操作するためのハンドル5が固定されている。回転軸3は、中間部に、軸部より大きい外径を有する大径部3aを有している。そして、回転軸3の大径部3aを囲むように円筒状の駆動輪6が設けられている。
【0016】
図2に示すように、駆動輪6の外周部には、タイミングギア(又はスプロケット)6aが形成されており、タイミングギア6aの外周部にはタイミングベルト7が巻回されている。またフレーム1には原動機を構成するモータ8が固定されており、このモータ8はブレーキ機能を有さない、いわゆるオフブレーキモータから構成されている。タイミングベルト7は、モータ8の回転軸8aに固定されたタイミングギア(又はスプロケット)9に巻回されている。したがって、駆動輪6はタイミングギア6a,9およびタイミングベルト7を介してモータ8に連結されており、駆動輪6はモータ8により回転駆動されるように構成されている。
【0017】
図2に示すように、回転軸3の大径部3aには、大径部3aの軸心より外周まで半径方向又は略半径方向に延びる3つの半径方向孔3h,3h,3hが形成されており、各半径方向孔3hには2つのボール12が収容されている。3個の半径方向孔3h,3h,3hは、回転軸3の円周方向に等間隔で形成されている。また、図1に示すように、回転軸3には、回転軸3の端部(下側の端部)から前記半径方向孔3h,3h,3hに達するとともに回転軸3の軸心方向に延びる軸方向孔3gが形成されており、この軸方向孔3gには切換用軸11が収容されている。そして、切換用軸11の先端部11aと、前記半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向内側の3つのボール12との間には、単一のボール13が配置されている。なお、各半径方向孔3hは、回転軸3の軸心に対して直交して回転軸3の半径方向に延びているが、回転軸3の軸心に対して直交していなくても、軸方向の前後にある程度傾いて半径方向に延びていてもよい。また、切換用軸11の先端部11aは、ボール13の球面に沿う凹球面になっている。
【0018】
前記回転軸3の軸方向孔3gの端部には雌ネジ3sが形成され、切換用軸11の端部近傍には雌ネジ3sに螺合する雄ネジ11sが形成されている。また、切換用軸11の端部には操作用ノブ15が固定されている。
【0019】
図1および図2に示す構成において、回転軸3をモータ8で回転させる自動操作と回転軸3を手動で回転させる手動操作とを行うことができる。次に、自動操作と手動操作の手順を説明する。
(1)自動操作の場合
操作用ノブ15を所定角度回転させ、切換用軸11を前進させてボール13により半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向内側の3つのボール12を押圧すると、3つのボール12は半径方向孔3h,3h,3h内を半径方向外側に移動する。そのため、図1に示すように、半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向外側の3つのボール12は、駆動輪6の内周面6iに所定の力で押圧される。その結果、回転軸3は、3つのボール12と駆動輪6の内周面6iとの間の摩擦力によって駆動輪6と結合される。そのため、モータ8が駆動されると、タイミングギア6a,9およびタイミングベルト7を介して駆動輪6が回転され、回転軸3が駆動輪6と一体に回転される。すなわち、モータ8により回転軸3を回転駆動することができ、回転軸3の反ハンドル側の端部に直結された被回転体(図示せず)を直接に回転させることができる。また回転軸3の反ハンドル側の端部に歯車やスプロケット等の伝達要素を固定し、回転軸3を回転させ、伝達要素(歯車、スプロケット、チェーン等)を介して被回転体(図示せず)を回転させることができる。
【0020】
(2)手動操作の場合
操作用ノブ15を自動操作とは反対方向に所定角度回転させ、図3に示すように、切換用軸11を後退させてボール13による半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向内側の3つのボール12の押圧を解除し、半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向外側の3つのボール12による駆動輪6の内周面6iの押圧を解除する。これにより、回転軸3と駆動輪6の結合は解除される。したがって、モータ8の回転は回転軸3には伝わらないので、回転軸3のモータ駆動(自動操作)はできない。代わりに、ハンドル5を手動で操作して回転軸3を回転させ、回転軸3の反ハンドル側の端部に直結された被回転体(図示せず)を直接に回転させることができる。また回転軸3の反ハンドル側の端部に歯車やスプロケット等の伝達要素を固定し、ハンドル5を手動で操作し回転軸3を回転させ、伝達要素(歯車、スプロケット、チェーン等)を介して被回転体(図示せず)を回転させることができる。
【0021】
図4および図5は本発明の第2の実施形態に係る駆動装置を示す図である。図4は駆動装置を示す断面図であり、図5は図4のV−V線断面図である。図4および図5に示す実施形態においては、3つの半径方向孔3h,3h,3hには各々3つのボール12が収容されており、これら半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向最内側の3つのボール12に、切換用軸11の先端の円錐部11cが直接に接触可能になっている。すなわち、ボール12は、先細状の円錐部11cにより半径方向外方に押されるようになっている。図4および図5に示す駆動装置のその他の構成は図1および図2に示すものと同様である。
【0022】
図4および図5に示す構成において、回転軸3をモータ8で回転させる自動操作と回転軸3を手動で回転させる手動操作とを行うことができる。次に、自動操作と手動操作の手順を説明する。
(1)自動操作の場合
操作用ノブ15を所定角度回転させ、切換用軸11を前進させて切換用軸11の先端の円錐部11cにより半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向最内側の3つのボール12を押圧すると、3つのボール12は半径方向孔3h,3h,3h内を半径方向外側に移動する。そのため、図4に示すように、半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向最外側の3つのボール12は、駆動輪6の内周面6iに所定の力で押圧される。その結果、回転軸3は、3つのボール12と駆動輪6の内周面6iとの間の摩擦力によって駆動輪6と結合される。そのため、モータ8が駆動されると、タイミングギア6a,9およびタイミングベルト7を介して駆動輪6が回転され、回転軸3が駆動輪6と一体に回転される。すなわち、モータ8により回転軸3を回転駆動することができ、回転軸3の反ハンドル側の端部に直結された被回転体(図示せず)を直接に回転させることができる。また回転軸3の反ハンドル側の端部に歯車やスプロケット等の伝達要素を固定し、回転軸3を回転させ、伝達要素(歯車、スプロケット、チェーン等)を介して被回転体(図示せず)を回転させることができる。
【0023】
(2)手動操作の場合
操作用ノブ15を自動動作とは反対方向に所定角度回転させ、切換用軸11を後退させて円錐部11cによる半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向最内側の3つのボール12の押圧を解除し、半径方向孔3h,3h,3h内の半径方向最外側の3つのボール12による駆動輪6の内周面6iの押圧を解除する。これにより、回転軸3と駆動輪6の結合は解除される。したがって、モータ8の回転は回転軸3には伝わらないので、回転軸3のモータ駆動(自動操作)はできない。代わりに、ハンドル5を手動で操作して回転軸3を回転させ、回転軸3の反ハンドル側の端部に直結された被回転体(図示せず)を直接に回転させることができる。また回転軸3の反ハンドル側の端部に歯車やスプロケット等の伝達要素を固定し、ハンドル5を手動で操作し回転軸3を回転させ、伝達要素(歯車、スプロケット、チェーン等)を介して被回転体(図示せず)を回転させることができる。
【0024】
図1乃至図5に示す実施形態においては、半径方向孔が3個の場合を説明したが、この半径方向孔は1個であってもよい。また、半径方向孔内に収容されるボールが2個又は3個の場合を説明したが、このボールは1個であってもよい。
【0025】
次に、図1および図2に示す駆動装置を具備した容器検査装置について図6および図7を参照して説明する。図6は容器検査装置の全体構成を示す立面図である。
図6に示すように、容器検査装置は、ガラス壜やペットボトル等の容器21を搬送するコンベヤ22と、容器21の搬送方向に沿って配設された複数の撮影ステーションS1,S2,S3,S4とから構成されている。各撮影ステーションS1〜S4は、照明用ランプと撮像用カメラとを備え、容器21の複数の検査部位(胴部、口部等)を個別に検査することができるようになっている。
【0026】
図7は図6に示す撮影ステーションS2を図6のVII方向から見た模式図である。図7に示すように、前記コンベヤ22を挟んで、且つ搬送方向に沿ってフレーム25が設置されている。フレーム25は、鉛直方向に延びる4本の支柱26(図6では前方の2本のみ示す)と、コンベヤ22の搬送方向に沿いかつ前後2本の支柱26の上部間を接続する2本の梁27と、4本の支柱26の下部で相隣接する2本の支柱間を接続する複数の横木28とから構成されている。梁27の位置はコンベヤ22上を搬送される容器21より上方に設定されている。
【0027】
前記2本の梁27の間には、支持フレーム30が掛け渡されている。撮影ステーションS2は、コンベヤ22を挟んで一方に配置され、容器21を照明するランプ38と、他方に配置され容器21を撮影するCCDカメラ39とを備えている。前記ランプ38とCCDカメラ39とは一つの支持具31に支持されている。支持具31は、昇降用ネジ33により吊り下げられて支持されている。支持フレーム30には2つのガイドリング34が固定されており、これら2つのガイドリング34には支持具31に接続された2本のガイドバー42が嵌合されている。昇降用ネジ33には支持具31に固定されたナット43が螺合しており、また昇降用ネジ33の上端は支持フレーム30に回転可能に支持されている。さらに、昇降用ネジ33にはスプロケット44が固定されている。
【0028】
一方、図1および図2に示す回転軸3の端部にはスプロケット45が固定されており、2つのスプロケット44,45はチェーン46によって連結されている。したがって、操作用ノブ15を操作して駆動輪6と回転軸3とを結合した後に、モータ8を駆動して回転軸3を回転させることにより、2つのスプロケット44,45およびチェーン46を介して昇降用ネジ33が回転する。昇降用ネジ33には、ナット43が螺合しているため、昇降用ネジ33の回転に伴い支持具31が昇降される。支持具31にはランプ38とCCDカメラ39とが支持されているため、容器21に対するランプ38とCCDカメラ39の高さ調整を行うことができる。なお、操作用ノブ15を操作して駆動輪6と回転軸3との結合を解除して、手動でハンドル5を回すことにより、回転軸3を回転させ、ランプ38とCCDカメラ39の高さ調整を行うこともできる。
【0029】
本実施形態によれば、複数の撮影ステーションS1〜S4とも同一のユニットを使用するように構成されているため、各撮影ステーションS1〜S4において、ランプ38およびCCDカメラ39の容器21からの距離を変える時は、モータ8(又は手動でハンドル5を回すこと)により回転軸3を回転させて昇降用ネジ33を回転させ、支持具31を昇降させて支持具31の高さ位置を変えればよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る駆動装置を示す断面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係る駆動装置を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態に係る駆動装置を示す断面図である。
【図5】図5は、図4のV−V線断面図である。
【図6】図6は、容器検査装置の全体構成を示す立面図である。
【図7】図7は、図6に示す撮影ステーションS2を図6のVII方向から見た模式図である。
【符号の説明】
【0031】
1 フレーム
2 軸受ハウジング
3 回転軸
3a 大径部
3g 軸方向孔
3h 半径方向孔
3s 雌ネジ
4 ボールベアリング
5 ハンドル
6 駆動輪
6a,9 タイミングギア
6i 内周面
7 タイミングベルト
8 モータ
8a 回転軸
11 切換用軸
11a 先端部
11c 円錐部
11s 雄ネジ
12,13 ボール
15 操作用ノブ
21 容器
22 コンベヤ
26 支柱
27 梁
28 横木
30 支持フレーム
31 支持具
33 昇降用ネジ
34 ガイドリング
38 ランプ
39 CCDカメラ
42 ガイドバー
43 ナット
44,45 スプロケット
46 チェーン
S1,S2,S3,S4 撮影ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機により回転軸を回転させる自動操作と、手動により回転軸を回転させる手動操作とが可能な駆動装置において、
回転軸の外周部を囲むように原動機により回転駆動される駆動輪を設け、
前記回転軸に、回転軸の軸端から軸心方向に伸びる軸方向孔と、該軸方向孔より半径方向または略半径方向に伸びる半径方向孔とを形成し、
前記半径方向孔にボールを収容するとともに前記軸方向孔に切換用軸を収容し、該切換用軸を軸方向に移動させることによりボールを押して半径方向外方に移動させ、ボールを前記駆動輪に押圧し駆動輪と回転軸とを結合して前記自動操作を可能にし、
前記切換用軸を前記移動方向とは反対方向に移動させることにより前記ボールの前記駆動輪への押圧を解除し駆動輪と回転軸との結合を解除して前記手動操作を可能にしたことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記半径方向孔は、回転軸の円周方向に複数あることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記半径方向孔には、複数のボールが収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記切換用軸の先端と前記半径方向孔内のボールとの間にボールを介装し、このボールを介して半径方向孔内のボールを押すようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記切換用軸は先細状の円錐状部を有し、該円錐状部により、直接に半径方向孔内のボールを押すようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記回転軸の軸方向孔に雌ネジを形成し、切換用軸に雄ネジを形成し、切換用軸の回転により切換用軸を移動させるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記切換用軸に操作用ノブが固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記回転軸の端部に操作用ハンドルが固定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項9】
容器を搬送するコンベヤと、コンベヤにより搬送される容器をランプにより照明し容器からの光をカメラにより撮影する複数の撮影ステーションを備えた容器検査装置において、
前記ランプとカメラを支持する支持具と、支持具を昇降させる昇降用ネジと、昇降用ネジを回転させる請求項1乃至8のいずれか1項に記載の駆動装置とを備えたことを特徴とする容器検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−85441(P2007−85441A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−274370(P2005−274370)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(390014661)株式会社キリンテクノシステム (126)
【Fターム(参考)】