駐車スペース案内システム
【課題】駐車場側に特別な設備を要することなく、車両側における簡単な構成で、立体的な駐車場を含めて精度良く駐車場の空きスペースを案内する技術を提供する。
【解決手段】自車両に近接する他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部11と、自車両の周辺物体と自車両との距離情報を含む周辺物体の物体情報を取得する物体情報取得部12と、車車間通信を行って駐車場マップを取得する駐車場マップ取得部13と、車両情報と物体情報とを用いて駐車場マップに自車両をマッピングするマッピング部14と、駐車場マップを用いて空きスペースを案内する案内部15と、自車両と周辺物体との相対的な近距離マップを生成する近距離マップ生成部16と、近距離マップを用いて駐車場マップを更新する駐車場マップ更新部18と、更新された駐車場マップを車車間通信により送信する駐車場マップ送信部19とを備える。
【解決手段】自車両に近接する他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部11と、自車両の周辺物体と自車両との距離情報を含む周辺物体の物体情報を取得する物体情報取得部12と、車車間通信を行って駐車場マップを取得する駐車場マップ取得部13と、車両情報と物体情報とを用いて駐車場マップに自車両をマッピングするマッピング部14と、駐車場マップを用いて空きスペースを案内する案内部15と、自車両と周辺物体との相対的な近距離マップを生成する近距離マップ生成部16と、近距離マップを用いて駐車場マップを更新する駐車場マップ更新部18と、更新された駐車場マップを車車間通信により送信する駐車場マップ送信部19とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の駐車空きスペースを案内する駐車スペース案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用ナビゲーション装置が普及し、ドライバーの利便性は向上している。初めて訪れる行楽地やショッピングセンターであっても、目的地を設定することで良好に誘導される。このような目的地の駐車場を目的地として設定すれば、駐車場まで円滑に誘導される。しかし、駐車場に到着した後は、空きスペースをドライバー自身が探す必要がある。特に混雑した駐車場では、空きスペースを探すために、駐車場内を何度も周回しなければならないこともある。このため、逐次状況が変化する駐車場において、良好に空きスペースを案内することができるナビゲーション機能が要望される。
【0003】
特開2004−240805号公報(特許文献1)には、そのような機能を有する駐車場空きスペース案内システムの技術が開示されている。このシステムでは、駐車場において駐車目的で停車状態にある自車両から既に駐車中の複数の他車両に対し、自車両の車体幅のデータを送信する。このデータに応答して他車両から自車両に、それぞれの他車両の位置検出手段により検出されたそれぞれの他車両の位置のデータと、それぞれの他車両の距離検出手段により検出されたそれぞれの他車両の左右各方向の距離のデータとが送信される。自車両は、これら他車両から送信されたデータに基づいて、マッピング処理を行う。自車両は、マッピング結果から駐車可能な空きスペースを検索し、検索した空きスペースの情報を表示手段の画面上に表示する。これにより、ドライバーは駐車場のどこに駐車スペースがあるのかを認識することができ、当該駐車スペースまで自車両を誘導することが可能となる。
【0004】
特開2006−209429号公報(特許文献2)には、駐車場から退出する車両が退出情報を発信し、当該退出車両に最も近い場所にいる車両が、当該退出車両の退出後の駐車スペースに案内される駐車案内ナビゲーションシステムが開示されている。この文献には、この他、例えば、予め駐車場に整備された駐車スペース情報提供装置により車両を検知して、当該装置が保有し、管理する地図に車両をマッピングし、駐車場内を巡回中の車両に情報を提供するものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−240805号公報(第13〜15段落、図2等)
【特許文献2】特開2006−209429号公報(第57〜60段落、第67〜76段落等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては車両の位置計測にGPS(global positioning system)の経緯値が用いられる。しかし、GPSにより計測される車両位置には誤差が含まれている。高精度な位置計測が可能なGPSとして、RTK−GPS(real time kinematic GPS)があるが、非常に高コストである。また、GPSは屋内では精度が低下してしまうため、地下駐車場や屋根付き駐車場などの閉ざされた空間では空きスペース案内システムが良好に機能しない。また、ビル内の立体駐車場など複数階にまたがる駐車場では、平面的に同じ位置情報を有する車両が存在することになる。3D測量により高さ方向の計測値を加味することも可能ではあるが、精度の関係上、各階の地図が混ざり合ってしまう可能性もある。GPSによる位置測定の課題は、特許文献2の技術を適用する場合も同様である。また、予め、駐車スペース情報提供装置のような設備を駐車場に整備するには設備管理が必要である。また、車両側にシステムが装備されていても、駐車場に設備が整備されていない環境においては、駐車スペースの案内を受けることができない。
【0007】
従って、駐車場側に特別な設備を要することなく、車両側における簡単な構成で、立体的な駐車場を含めて精度良く駐車場の空きスペースを案内する技術が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑みて創案された本発明に係る駐車スペース案内システムの特徴構成は、
自車両に近接する他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記他車両を含む前記自車両の周辺物体と前記自車両との距離情報を含む当該周辺物体の物体情報を取得する物体情報取得部と、
前記他車両を含み、少なくとも1つの他の車両と車車間通信を行って、駐車場内に駐車された車両の相対的な配置情報と各車両の前記車両情報とを含む駐車場マップを取得する駐車場マップ取得部と、
前記他車両の前記車両情報と前記物体情報とを用いて、前記駐車場マップに前記自車両をマッピングするマッピング部と、
前記自車両がマッピングされた前記駐車場マップを用いて、駐車場内の空きスペースを案内する案内部と、
前記自車両の駐車時に前記自車両に近接する前記他車両の前記車両情報と前記物体情報とに基づいて前記自車両と前記周辺物体との相対的な近距離マップを生成する近距離マップ生成部と、
前記近距離マップを用いて前記駐車場マップを更新する駐車場マップ更新部と、
更新された前記駐車場マップを車車間通信により送信する駐車場マップ送信部と、を備える点にある。
【0009】
この特徴構成によれば、駐車場側に特別な設備を要することなく、車両側における簡単な構成で駐車場の空きスペースを案内することが可能となる。また、駐車場マップの利用時及び更新時には、自車両に近接する他車両の車両情報及び物体情報に基づいた処理が実行される。従って、立体的な駐車場であっても異なる階の情報が混在することなく、精度良く駐車場の空きスペースを案内することができる。
【0010】
ここで、前記車両情報取得部が、近接した車両間において近距離ワイヤレス通信により通信する近距離ワイヤレス通信部を含むと好適である。
【0011】
近距離ワイヤレス通信により、例えばナンバープレート情報や車台番号情報など、車両ごとに固有の情報が正確に伝達される。また、近距離ワイヤレス通信では、近距離に存在する車両間でのみ通信が成立し、アンテナなどの設置場所によっては、方向もある程度限定された状態で通信が成立する。従って、通信が成立する他車両が存在する範囲や、方向の特定が容易となる。その結果、駐車場マップへの自車両のマッピングや、近距離マップの生成、駐車場マップの更新などの精度が向上する。
【0012】
また、本発明に係る駐車スペース案内システムの前記車両情報取得部は、前記自車両に搭載された車載カメラの撮影画像から前記他車両のナンバープレートを認識するナンバープレート認識部を含むと好適である。
【0013】
他車両が近距離ワイヤレス通信を行う装置を有していない場合であっても、撮影画像から他車両のナンバープレートを認識することによって、良好に車両ごとに固有の情報を取得することが可能となる。また、車載カメラの撮影範囲は予め設定されているので、他車両が存在する範囲や、方向が精度良く特定される。他車両及び自車両が近距離ワイヤレス通信を行う装置を有している場合には、さらに車載カメラによるナンバープレートを認識することによって車両情報の精度を向上させることができる。
【0014】
また、本発明に係る駐車スペース案内システムは、さらに、前記自車両の走行時の挙動を検出する挙動検出部の検出結果に基づいて、前記近距離マップ及び前記駐車場マップの少なくとも一方において、駐車場内の通路の位置を判定する通路判定部を備えると好適である。
【0015】
自車両が走行する範囲は、駐車区画ではなく駐車場内の通路である。駐車区画と通路とが明確に分離された状態で駐車場マップが構成されると、利便性に優れたものとなる。挙動検出部により検出された自車両の挙動に基づけば、近距離マップ及び駐車場マップの少なくとも一方において良好に通路が設定される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】車両の全体的なシステム構成を模式的に示すブロック図
【図2】距離計測部の車両への配置の一例を示す図
【図3】駐車スペース案内システムの構成例を模式的に示すブロック図
【図4】駐車スペース案内の手順の一例を模式的に示すフローチャート
【図5】駐車スペース案内を実施する駐車場の俯瞰図
【図6】図5における駐車場に対して生成された駐車場マップ
【図7】案内される車両がマッピングされた状態の図6の駐車場マップ
【図8】モニタ装置を用いて駐車スペース案内を行う際の画面例
【図9】駐車場マップを生成する駐車場の俯瞰図
【図10】近距離マップを生成する概念を示す図
【図11】近距離マップの例を示す図
【図12】複数の近距離マップに共通の車両が存在する例を示す図
【図13】複数の近距離マップを合成する例を示す図
【図14】駐車場マップの生成及び更新手順の一例を模式的に示すフローチャート
【図15】駐車場マップを生成する駐車場の別の俯瞰図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る駐車スペース案内システムの実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の駐車スペース案内システムは、駐車場に特別な設備は必要としない。当該駐車スペース案内システムが搭載された車両間の通信によって、駐車場マップが作成及び更新され、各車で共有され、空きスペースへ自車両が案内される。駐車スペース案内システムは、自車両の位置情報の取得に際してGPSなどの絶対的な位置情報は利用せず、自車両と他車両との相対的な位置関係により駐車場マップを生成する。従って、例えば、最初の1台の車両が駐車場に駐車した時には駐車場マップは未完成であり、順次、周辺に他の車両が駐車されていくことによって、駐車場マップが形成されていく。この状態において、駐車場は混雑してはおらず、駐車場に進入した車両は容易に任意の場所に駐車することが可能であるから合理性を損なうものではない。理解を容易にするために、この駐車場マップの形成過程については後述する。はじめに、駐車場マップが完成されている状態で、新たな車両が駐車場に進入する場合を例について説明する。
【0018】
図1は、駐車スペース案内システム10が搭載された車両(自車両)100の全体的なシステム構成の一例を模式的に示したものである。駐車スペース案内システム10は、車内ネットワークであるCAN(controller area network)50に接続され、他のシステムやセンサなどと協調して機能する。駐車スペース案内システム10は、本実施形態においては、CPU(central processing unit)2を中核として、プログラムメモリ3やワークメモリ4、その他不図示の周辺回路などを備えたECU(electronic control unit)1として構成される。プログラムメモリ3やワークメモリ4は、CPU2と共に1つのパッケージ内に集積されていてもよい。プログラムメモリ3にはCPU2に実行させるプログラムが記憶される。プログラムメモリ3に記憶されたプログラムやパラメータなどのソフトウェアとCPU2のハードウェアとの協働により、駐車スペース案内システム10の有する種々の機能部が実現される。ワークメモリ4は、車車間の通信によって獲得した駐車場マップを格納するデータベースとしても機能する。尚、駐車スペース案内システム10は、ECU1単独ではなく、ECU1と協働する他のシステムやセンサなどを含めて構成されてもよい。
【0019】
車両100は、車両同士が直接情報をやりとりする車車間通信を制御する車車間通信システム7を有している。車車間通信システム7が搭載された車両100は、同様に車車間通信システムが搭載された他車両(200)との間で直接、通信を実施し、情報の授受を行うことが可能である。後述するように、車両100は、他車両200から駐車場マップを受け取ったり、自車両100が更新した駐車場マップを他車両200へ送信したりすることが可能である。車間通信には、例えば、700MHz帯(715M〜725MHz程度)の周波数帯の電波が利用され、この帯域に対応したアンテナ71が車両100や200に搭載される。見通しのよい場所であれば、約270〜300m程度、電波を遮る障害物の多い場所であれば90m程度の範囲内において他の車両との通信が可能である。尚、道路脇に設けられた路側器と車両との間の通信である路車間通信に利用される5.8GHz帯の電波を用いて車車間通信を行うことを妨げるものではない。
【0020】
車両100は、100mを超える比較的長距離におい他車両200との通信が可能な車車間通信システム7とは別に、10〜30m程度までの比較的近距離において他車両200との通信が可能な近距離通信システム51も有している。後述するように、近距離通信システム51は、本発明の近距離ワイヤレス通信部21として機能し、他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部の一部として機能する。ID情報とは、例えばナンバープレート情報や車台番号情報など、車両ごとに固有の情報である。近距離ワイヤレス通信では、近距離に存在する車両間でのみ通信が成立し、アンテナなどの設置場所によっては、方向もある程度限定された状態で通信が成立する。従って、通信が成立する他車両が存在する範囲や、方向の特定も容易である。
【0021】
近距離通信システム51は、例えば、数mから数十m程度の距離で2.4GHz帯の電波を用いて簡易な情報のやりとりを行う近距離無線通信規格(IEEE 802.15.1)や、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm〜数m)のワイヤレス通信によって情報をやりとりするRFID(radio frequency identification)などである。RFIDには、種々の規格が存在するが、433MHz、900MHz(860〜960MHz)、2.45GHzの周波数帯域のRFIDが好適である。900MHz帯のRFIDの場合、通信可能距離は概ね2〜3m程度、ベストケースで5m程度である。尚、135kHzや13.56MHzの周波数帯を用いた電磁誘導方式のRFIDは、通信可能距離が数cm〜1m程度と短いが、その規格の適用が妨げられるものではない。
【0022】
また、近距離通信システム51は、車両に搭載されている既存のシステムと共用されるものでもよい。例えば、日本において5.8GHz帯の周波数帯域の電波を利用して実用化されている自動車通行料の自動料金収受システム(ETC : electronic toll collection system)を利用してもよい。勿論、その他の国や地域においては、当該国や地域で採用されている自動料金収受システムの通信を流用してもよい。さらに、キーレスエントリーシステムの通信機能を共用してもよい。キーレスエントリーシステムでは、利用者が携帯する携帯機から車両への通信にはUHF帯(310MHz帯)の電波が利用され、車両から携帯機への通信にはLF帯(125kHz帯)の電波が利用される。
【0023】
車両100には、道順案内などを行ないドライバーの運転を支援するナビゲーションシステム30が搭載されている。ナビゲーションシステム30は、不図示のGPS装置や、不図示のジャイロなどの自律航法装置などにより、現在位置を特定し、システムに記憶された地図と照らし合わせることでドライバーの運転を支援する。モニタ装置31は、ナビゲーションシステム30のGUI(graphic user interface)として機能する表示部31aやタッチパネル31bを備えている。また、モニタ装置31は、ナビゲーションシステム30が音声案内などを行うために、スピーカ31cも備えている。
【0024】
車両100には、ドライバーの運転を支援する運転支援システム40も搭載されている。運転支援システム40は、例えば、車両100が後退する際に、車内のモニタ装置31にカメラ52により撮影された車両100の後方の情景を表示させるバックモニタシステムを含む。また、運転支援システム40は、画像認識や進路予想などの演算処理を行って、カメラ52の撮影画像に車幅延長線や予想進路線などのガイド線を重畳させる駐車支援システムを含んでいてもよい。さらに、駐車支援システムは、ドライバーが速度調整だけを担い、自動操舵により駐車目標へ誘導するシステムであってもよい。本実施形態において、カメラ52は、車両100の後部(例えば、ナンバープレートの上方)にカメラ光軸を下方(例えば水平から30°下方)に向けて設置される。カメラ52は、例えば水平方向の視野角110〜120°の広角カメラであり、後方約8m程度までの領域を撮影可能である。尚、車両100の前方を撮影する前方カメラや、車両100の左右の側方を撮影する側方カメラも搭載することができる。カメラ52に加え、これら不図示の前方カメラや側方カメラは、本発明の車載カメラに相当する。
【0025】
駐車支援システムが、進路予想などの演算処理を実施するためには、適切な駐車目標が設定される必要がある。駐車目標の設定については、様々な手法がある。例えば、駐車目標位置を通過した際に、クリアランスソナー61などで空き領域を検出して自動認識し、駐車目標を設定するものがある。クリアランスソナー61は、駐車支援システムに限らず、単純に、車両100の周辺の障害物の存在を検出するためにも利用される。クリアランスソナー61による検出結果に基づいて、他車両を含む車両100の周辺物体までの距離を知ることができる。従って、クリアランスソナー61は、車両100の周辺物体と車両100との距離を計測する距離計測部6に相当する。図2に示す例においては、車両100の側方に向けてクリアランスソナー61が設置されている。これに限らず、クリアランスソナー61は、前後方向に向けて設置されてもよいし、斜め方向に向けて設置されてもよい。また、個数についても当然ながら2個に限らず、さらに多く設置されてもよい。
【0026】
距離計測部6として、ミリ波レーダ62が備えられていてもよい。近年、車両周辺の状況や車両の挙動などに基づいて衝突が避けられない状況であることを衝突前に判定して、シートベルトの張力を高めるシートベルトテンショナなどの保護装置を早期に作動させるセーフティシステムが提案され、一部実用化されている。本実施形態における車両100も、このようなセーフティシステム60を搭載することが可能である。
【0027】
セーフティシステム60は、実際に衝突などの事象が発生する前に、当該事象が発生する可能性を予測し、保護装置やその他のシステムを作動させる必要がある。このため、セーフティシステム60は、ミリ波レーダ62などにより検出された自車両100の近傍の他車両200や物体などの情報に基づいて、実際に衝突が発生するよりも前に衝突などの可能性を予測する。本実施形態においては、ミリ波レーダ62は車両100の前後方向に設置される。当然ながら、斜め方向に向けたミリ波レーダが追加して設置されてもよい。ミリ波レーダ62は、他車両を含む車両100の周辺物体までの距離を検出する。従って、ミリ波レーダ62は、車両100の周辺物体と車両100との距離を計測する距離計測部6に相当する。尚、セーフティシステム60は、クリアランスソナー61の検出結果を利用してもよい。また、距離計測部6は、カメラであってもよい。即ち、カメラで撮影した映像から画像処理によって距離を計測する。このカメラは、例えば上述した本発明の車載カメラを利用することができる。
【0028】
図1において、各種センサの一例として、車輪速センサ81やステアリングセンサ82がCAN50に接続されている。車輪速センサ81は、車両100の車輪の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサであり、例えばホール素子などを用いて構成される。駐車スペース案内システム10を含む車両100の各システムは、車輪速センサ81から取得した情報に基づいて車両100の移動量などを演算することができる。ステアリングセンサ82は、ステアリングホイールの操舵量(回転角度)を検出するセンサであり、例えばホール素子などを用いて構成される。操舵量に基づいて、駐車スペース案内システム10を含む車両100の各システムは車両100の進行方向などの車両挙動を知ることができる。車輪速センサ81及びステアリングセンサ82の検出結果を利用して、駐車スペース案内システム10を含む車両100の各システムは自律航法に基づく車両挙動を演算することが可能である。車輪速センサ81やステアリングセンサ82は、自車両100の走行時の挙動を検出する挙動検出部8に相当する。
【0029】
図3は、駐車スペース案内システム10のシステム構成を模式的に示すブロック図である。車両情報取得部11は、自車両に近接する他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する機能部である。後述するように、車両情報取得部11は、近接した車両間において近距離ワイヤレス通信により通信する近距離ワイヤレス通信部21を含むことができる。また、車両情報取得部11は、カメラ52などの車載カメラの撮影画像から他車両200のナンバープレートを認識するナンバープレート認識部26を含むことができる。
【0030】
物体情報取得部12は、他車両200を含む自車両100の周辺物体と自車両100との距離情報を含む当該周辺物体の物体情報を取得する機能部である。駐車場マップ取得部13は、他車両200を含み、少なくとも1つの他の車両と車車間通信を行って、駐車場内に駐車された車両の相対的な配置情報と各車両の車両情報とを含む駐車場マップMを取得する機能部である。マッピング部14は、近接する他車両200の車両情報と物体情報とを用いて、駐車場マップMに自車両100をマッピングする機能部である。案内部15は、自車両100がマッピングされた駐車場マップMを用いて、駐車場内の空きスペースを案内する機能部である。
【0031】
近距離マップ生成部16は、自車両100の駐車時に自車両100に近接する他車両200の車両情報と物体情報とに基づいて自車両100と周辺物体との相対的な近距離マップを生成する機能部である。尚、近距離マップ生成部16は、自車両100が駐車位置から退出のために発進する際にも、近距離マップを生成することが可能である。駐車場マップ更新部18は、近距離マップに基づいて駐車場マップを更新する機能部である。駐車場マップ送信部19は、更新された駐車場マップを車車間通信により送信する機能部である。
【0032】
まず、図4のフローチャートも利用して、車両100が駐車場に進入し、空きスペースを探索する場合について説明する。図5は、駐車場Pの俯瞰図であり、図6は、図5における駐車場Pに対して生成された駐車場マップMである。車両100は、駐車場Pに進入すると、駐車中の他車両200の内の何れかから車車間通信により送信された駐車場マップMを受信する。この時、既に駐車中の他車両200は、省電力モードとなっており、自発的には駐車場マップMを送信しない可能性がある。従って、自車両100から車車間通信によってリクエスト信号を発信するように構成されていると好適である。この際、多くの車両がリクエスト信号を受信して直ちに駐車場マップMを返信すると、通信が混雑したり、重複して駐車場マップMを受け取ったりする可能性がある。従って、まず、通信開始のリクエスト信号を送信し、応答した車両に対して駐車場マップMの送信を依頼するようにすると好適である。また、図4のフローチャートの手順(#1〜#3)とは異なるが、近距離ワイヤレス通信部21やナンバープレート認識部26により取得された車両情報に基づいて、ID情報を付加してリクエスト信号を送信することも可能である。この他、駐車中の他車両200が定期的に駐車場マップMを送信するように構成されていてもよい。
【0033】
駐車スペース案内システム10は、駐車スペース案内の開始に際して、駐車場マップ取得部13により駐車場マップMを受信済みであるか否かを確認する(#1)。駐車場マップMを未受信の場合には、繰り返し確認が実施される。図6に示すような駐車場マップMが受信済みの場合には、車両情報取得部11により車両情報を取得する(#2)。ここでは、車両情報取得部11が近距離ワイヤレス通信部21を備えて構成されている場合を例として説明する。近距離ワイヤレス通信部21は、近距離通信システム51を介して他車両200との通信を実施する。一例として、車両ドアのドアハンドルやキーシリンダーにRFIDが備えられ、自車両100と他車両200とが通信範囲内で近接した際に、通信が成立する。近距離ワイヤレス通信部21の受信部22は、他車両200の固有のID情報を含む車両情報を受信する。固有のID情報とは、例えば車両のナンバープレートや車台番号など、車両同士で重複しない情報である。車両情報には、ID情報の他、車幅や車長、車高などの車両寸法を含むと好適である。
【0034】
図5に示すように、自車両100が駐車場に進入した場合、例えば、最も自車両100に近い他車両201から車両情報を取得する。ここでは、他車両201からID情報として「B1」が送信され、自車両100がこのID情報を受信する。この場合も、既に駐車中の他車両200が省電力モードとなっており、自発的には車両情報を送信しない可能性がある。従って、自車両100から近距離通信によってリクエスト信号を発信するように構成されていると好適である。また、近距離通信がパッシブタイプの場合には、自車両100から他車両200(201)に電磁界を与えることによって、他車両200の近距離通信システムを起動させてもよい。
【0035】
尚、車両情報取得部11は、図3に示すように、ナンバープレート認識部26を備えて構成されていてもよい。ナンバープレート認識部26は、カメラ52から撮影画像を取得する画像取得部27と、ナンバープレートの文字や記号などの記載情報を認識する画像認識部28とを備えて構成される。撮影画像は、後方を撮影するカメラ52に限定されず、前方カメラや側方カメラからも取得することが可能である。ナンバープレート認識部26は、撮影画像から他車両201(200)のナンバープレートを認識する。ナンバープレートに記載されている記号やナンバーは、車両に固有のID情報である。
【0036】
次に物体情報取得部12は、自車両100の周辺物体と自車両100との距離を計測する距離計測部8から、その計測結果を含む物体情報を取得する(#3)。この周辺物体には、他車両201(200)も含まれる。近距離通信システム51を介して通信が成立する範囲や方向は、ほぼ限定されるので、当該範囲や当該方向において検出される周辺物体は、近距離通信が成立する他車両201(200)である可能性が高い。従って、近距離ワイレス通信部21を介して取得された他車両201の車両情報と、物体情報とを良好に関連付けることが可能である。また、ナンバプレート認識部27を介して他車両201(200)の車両情報を取得した場合には、当該他車両201(200)の方向が既知である。従って、他車両201の車両情報と、物体情報とは良好に関連付けられる。
【0037】
他車両201の車両情報及び物体情報を取得すると、マッピング部14は、図6に示す駐車場マップMにおいてID情報B1を検索する(#4)。検索の結果、駐車場マップMにおいてID情報B1が発見されると、物体情報に基づいて、駐車場マップM上に自車両100がマッピングされる(#5)。図6に示すように、駐車場マップMには、駐車場の区画情報F,Eや、通路情報W、区画内に駐車されている車両情報が含まれる。区画情報Fは駐車済み区画、区画情報Eは空き区画(空きスペース)を示す。また、物体情報は、他車両201に対する情報に限らず、自車両100の周辺の状況を示す情報が含まれる。つまり、物体情報には、「所定範囲内の所定方向には物体が存在しないこと」も含まれる。さらに、自車両100が存在する位置(通行する位置)は、通路である蓋然性が高い。従って、マッピング部14は、車両情報及び物体情報に基づいて、良好に駐車場マップMに自車両100をマッピングする(図7)。
【0038】
案内部15は、自車両100がマッピングされた駐車場マップMを利用して、ドライバーに空きスペースを案内する。例えば、モニタ装置31に、図8に示すような案内図が表示される。尚、自車両100の進行方向を上にして表示したり、自車両100を画面の中央に表示したりするなど、レイアウトや表示形態は任意に変更可能である。また、表示に関しては、ナビゲーションシステム30や運転支援システム40に委ねてもよい。また、必要に応じてスピーカ31cを介して案内メッセージを提供してもよい。例えば、最も自車両100に近い空き区画E1(図6及び図7参照)を推奨する場合には、「左前方に空きスペースがあります。」などと案内する。また、空き区画E1以外の空き区画に対して、「右前方に空きスペースが複数あります。」などの案内メッセージを提供してもよい。また、車輪速センサ81やステアリングセンサ82などの検出結果に基づく自律航法により、車両100の進行に応じて進路を案内してもよい。
【0039】
次に、図9〜図13を用いて、駐車場マップMを生成する手順について説明する。図9に示すように、駐車場Pには、ID情報A0の車両101とID情報B0の車両102とが駐車されている。この時点においては、全体の駐車場マップMは生成されていない。車両101と車両102とは、ともに自車両100としてそれぞれが生成する近距離マップm(ma,mb)を駐車場マップMとしている。
【0040】
車両101を代表として説明すると、車両101は、車両情報として、ID情報A0の他、車両長、車両幅、車高などの情報を、近距離通信システム51を介して出力する。また、車両101は、他車両200から送信された同様の車両情報を近距離通信システム51を介して取得する。さらに、車両101は、距離計測部6として機能するクリアランスソナー61やミリ波レーダ62による距離計測結果を物体情報として取得する。図10においては、車両101の前後左右の4方向の物体情報が取得される場合を例示しているが、斜め方向を含んでいてもよい。車両101の近距離マップ生成部16は、物体情報に基づいて、図10に示すような近距離マップm(ma)を生成する。尚、図10では、便宜的に近距離マップmの範囲を車両101の前後左右における車両1台分として例示している。しかし、近距離マップmの範囲は、車両情報や物体情報を取得可能な範囲により定まるので、図10の例に限定されるものではない。
【0041】
図11は、車両101と車両102とが、それぞれ、近距離マップma(m)とmb(m)とを生成している例を示している。車両101と車両102とのそれぞれの周辺に駐車された他車両200の車両情報と物体情報とに基づき、それぞれの近距離マップ生成部16において近距離マップmが生成される。この時点においては、車両101及び車両102双方の駐車場マップ更新部18は、ともに近距離マップmを駐車場マップMとして記憶する。そして、駐車場マップ送信部19は、車車間通信システム7を介して近距離マップmを駐車場マップMとして送信する。近距離マップmbを駐車場マップMとして受け取った車両101は、駐車場マップMの中に確認できている車両情報が含まれないので、受け取った駐車場マップMは無視する。そして、駐車場マップ更新部18は、駐車場マップMとして近距離マップmaを更新することなく保持する。近距離マップmaを駐車場マップMとして受け取った車両102についても同様である。
【0042】
尚、この時点で駐車場Pに進入した車両は、2種類の駐車場マップM(近距離マップma又はmb)を受け取ることとなる。この内、駐車場Pに進入した車両が近接する車両から受け取ったID情報が含まれる近距離マップma又はmbが駐車場マップMとして扱われ、空きスペースへと案内される。広い駐車場において、駐車車両が散在している場合には、さらに多くの種類の駐車場マップM(近距離マップm)を受け取る可能性がある。しかし、そのように空(す)いている駐車場においては、多少演算に時間が掛かり、案内が遅れたとしてもドライバーは任意の場所に容易に駐車可能であるから実質的な問題は生じない。
【0043】
このように、駐車場に進入した車両が2種類以上の駐車場マップMを受け取ることは、駐車場マップMが未完成の場合の他、複数階で構成された立体駐車場においても発生し得る。つまり、駐車場Pに進入した車両が居る階と、その上下の階との複数の駐車場マップMを受け取る可能性がある。この場合においても、駐車場Pに進入した車両が近接する車両から受け取ったID情報が含まれる駐車場マップMを用いることで当該車両は、良好に空きスペースへと案内される。
【0044】
ここで、図12に示すように、ID情報Cの他車両200が駐車されると、近距離マップmaとmbとの双方に共通してID情報Cの他車両200が含まれることになる。近距離マップmaとmbとは、上述したように、車車間通信システム7を介して車両101及び車両102に共有される。図13に示すように、車両101及び車両102の駐車場マップ更新部18は、近距離マップmaとmbとを合成して駐車場マップMを更新する。つまり、車両101の駐車場マップ更新部18は、駐車場マップMとしての近距離マップmaに近距離マップmbを加えて駐車場マップMを更新する。車両102の駐車場マップ更新部18は、駐車場マップMとしての近距離マップmbに近距離マップmaを加えて駐車場マップMを更新する。
【0045】
このようにして、順次、駐車場Pに駐車される車両が近距離マップmを生成し、これを駐車場マップMに付加していくことによって、駐車場マップMが更新されていく。駐車場マップMを受信して空きスペースに駐車した車両の通路判定部17は、車輪速センサ81やステアリングセンサ82などの挙動検出部8の検出結果に基づいて自律航法により移動経路を通路Wとして判定可能である。駐車場マップ更新部18は、通路判定部17の判定結果に基づいて、駐車場マップMに通路Wを設定する。これは、駐車場マップMが、単一の車両により生成された近距離マップmの状態であっても同様である。このようにして、順次更新されて、図8に示したような駐車場マップMが生成される。
【0046】
駐車場マップMには、更新時刻を示すタイムスタンプが付加されていると好適である。更新時刻は、車両内の時計から取得される。この時計は、ナビゲーションシステム30と連動する時計であると、適宜GPSを介して取得される時刻に校正されているので高い精度が期待できる。ところで、既に駐車中の他車両は、更新された駐車場マップMが送信された時に、省電力モードとなっている可能性がある。この場合、駐車場マップMを受信した際に、ECU1の一部の機能だけを起動させ、駐車場マップ更新部18がタイムスタンプを確認して最新の駐車場マップMであれば、更新するようにすると好適である。この場合、当該車両が主体的に駐車場マップMを更新した訳ではなく、単純に受信した駐車場マップMに置き換えただけであるので、当該車両の駐車場マップ送信部19は、更新後の駐車場マップMを送信する必要はない。これにより、不要な送信が抑制される。
【0047】
駐車している車両が退出する際には、駐車中に省電力モードとなっていたとしても駐車スペース案内システム10が再起動されるので、車両情報及び物体情報に基づいて自車両を駐車場マップMにマッピングする。この際、駐車場マップMにおける駐車区画Fにマッピングされていた自車両は、通路Wへマッピングされていくことになる。これにより、退出する車両の駐車場マップ更新部18は、駐車場マップMにおいて当該車両が駐車していた区画Fを空き区画Eへ変更して駐車場マップMを更新する。駐車場マップ送信部19は、更新された駐車場マップMを送信する。
【0048】
以下、図14のフローチャートを利用して、自車両100における駐車場マップMの生成及び更新の手順について整理しておく。はじめに、自車両100が駐車を完了したか、又は、駐車状態から発車したかについて確認される(#11)。これは、車輪速センサ81の他、図1には不図示であるがシフトレバースイッチや、ブレーキセンサ、パーキングブレーキスイッチなどの検出結果に基づいてECU1において判定される。
【0049】
次に、他車両200から送信された駐車場マップMが取得される(#12)。この駐車場マップMは、自車両100が駐車する際に使用した駐車場マップMでもよいし、駐車完了の際に改めて取得した駐車場マップMでもよい。また、この駐車場マップMは、自車両100をマッピングすることができない駐車場マップMも含む。例えば、図9に示す車両101だけが駐車されており、自車両100は図9における車両102であったとする。この場合には、駐車場マップMとして、近距離マップmaを取得するが、近距離マップmaにおいて自車両100(102)をマッピングすることはできない。このような場合の駐車場マップMも含むものである。また、図15に示すように、車両101と車両102とが駐車された状態で自車両100が、車両101及び車両102から離れた位置に駐車した場合には、駐車場マップMとして、近距離マップma及び近距離マップmbを取得する。そして、これらの何れにも自車両100はマッピングされない。このように、複数の駐車場マップMを取得する場合や、複数の何れにもマッピングされない場合も含む。
【0050】
次に、自車両100は駐車位置において他車両200の車両情報を取得し(#13)、物体情報を取得する(#14)。そして、車両情報及び物体情報に基づいて近距離マップmを生成する(#15)。近距離マップmが生成されると、この近距離マップmと合成可能な、つまり、共通部分を有する駐車場マップMがあるか否かが駐車場マップ更新部18により判定される(#16)。合成可能な駐車場マップMがある場合には、当該駐車場マップMと近距離マップmとが合成される(#17)。尚、例えば、複数の駐車場マップMとして、近距離マップma及び近距離マップmbが取得された場合に、自車両100の近距離マップmが双方と共通部分を有することがある。この場合には、2つの駐車場マップMと、自車両100の近距離マップmとが合成される。つまり、処理#17における合成は、2つのマップの合成に限定されるものではない。合成されたマップは、駐車場マップ更新部18により新たな駐車場マップMとして更新され(#18)、駐車場マップ送信部19により、他車両200へと送信される(#19)。処理#16において合成可能な駐車場マップMがない場合には、近距離マップmが駐車場マップMとして更新され(#18)、他車両200へと送信される(#19)。
【0051】
尚、図10に示すように、車両長や車両幅などの自車両100の寸法から、自車両100の駐車スペースの寸法を計算すると好適である。さらに、自車両100の駐車スペースや、隣接する駐車車両までの距離情報などを利用して近距離マップmや駐車場マップMが構築されると好適である。
【0052】
以上、説明したように、本発明に係る駐車スペース案内システム10によれば、駐車場側に特別な設備を要することなく、車両側における簡単な構成で、立体的な駐車場を含めて精度良く駐車場の空きスペースを案内することが可能となる。尚、駐車スペース案内システム10は、必ずしも、ナビゲーションシステム30や運転支援システム40と独立している必要はなく、ナビゲーションシステム30や運転支援システム40の一機能として構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1:駐車スペース案内ECU
6:距離計測部
7:車車間通信システム
8:挙動検出部
10:駐車スペース案内システム
11:車両情報取得部
12:物体情報取得部
13:駐車場マップ取得部
14:マッピング部
15:案内部
16:近距離マップ生成部
17:通路判定部
18:駐車場マップ更新部
19:駐車場マップ送信部
21:近距離ワイヤレス通信部
26:ナンバープレート認識部
51:近距離通信システム
52:カメラ(車載カメラ)
100:自車両
200:他車両
M:駐車場マップ
m:近距離マップ
W:通路
P:駐車場
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の駐車空きスペースを案内する駐車スペース案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用ナビゲーション装置が普及し、ドライバーの利便性は向上している。初めて訪れる行楽地やショッピングセンターであっても、目的地を設定することで良好に誘導される。このような目的地の駐車場を目的地として設定すれば、駐車場まで円滑に誘導される。しかし、駐車場に到着した後は、空きスペースをドライバー自身が探す必要がある。特に混雑した駐車場では、空きスペースを探すために、駐車場内を何度も周回しなければならないこともある。このため、逐次状況が変化する駐車場において、良好に空きスペースを案内することができるナビゲーション機能が要望される。
【0003】
特開2004−240805号公報(特許文献1)には、そのような機能を有する駐車場空きスペース案内システムの技術が開示されている。このシステムでは、駐車場において駐車目的で停車状態にある自車両から既に駐車中の複数の他車両に対し、自車両の車体幅のデータを送信する。このデータに応答して他車両から自車両に、それぞれの他車両の位置検出手段により検出されたそれぞれの他車両の位置のデータと、それぞれの他車両の距離検出手段により検出されたそれぞれの他車両の左右各方向の距離のデータとが送信される。自車両は、これら他車両から送信されたデータに基づいて、マッピング処理を行う。自車両は、マッピング結果から駐車可能な空きスペースを検索し、検索した空きスペースの情報を表示手段の画面上に表示する。これにより、ドライバーは駐車場のどこに駐車スペースがあるのかを認識することができ、当該駐車スペースまで自車両を誘導することが可能となる。
【0004】
特開2006−209429号公報(特許文献2)には、駐車場から退出する車両が退出情報を発信し、当該退出車両に最も近い場所にいる車両が、当該退出車両の退出後の駐車スペースに案内される駐車案内ナビゲーションシステムが開示されている。この文献には、この他、例えば、予め駐車場に整備された駐車スペース情報提供装置により車両を検知して、当該装置が保有し、管理する地図に車両をマッピングし、駐車場内を巡回中の車両に情報を提供するものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−240805号公報(第13〜15段落、図2等)
【特許文献2】特開2006−209429号公報(第57〜60段落、第67〜76段落等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1においては車両の位置計測にGPS(global positioning system)の経緯値が用いられる。しかし、GPSにより計測される車両位置には誤差が含まれている。高精度な位置計測が可能なGPSとして、RTK−GPS(real time kinematic GPS)があるが、非常に高コストである。また、GPSは屋内では精度が低下してしまうため、地下駐車場や屋根付き駐車場などの閉ざされた空間では空きスペース案内システムが良好に機能しない。また、ビル内の立体駐車場など複数階にまたがる駐車場では、平面的に同じ位置情報を有する車両が存在することになる。3D測量により高さ方向の計測値を加味することも可能ではあるが、精度の関係上、各階の地図が混ざり合ってしまう可能性もある。GPSによる位置測定の課題は、特許文献2の技術を適用する場合も同様である。また、予め、駐車スペース情報提供装置のような設備を駐車場に整備するには設備管理が必要である。また、車両側にシステムが装備されていても、駐車場に設備が整備されていない環境においては、駐車スペースの案内を受けることができない。
【0007】
従って、駐車場側に特別な設備を要することなく、車両側における簡単な構成で、立体的な駐車場を含めて精度良く駐車場の空きスペースを案内する技術が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑みて創案された本発明に係る駐車スペース案内システムの特徴構成は、
自車両に近接する他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記他車両を含む前記自車両の周辺物体と前記自車両との距離情報を含む当該周辺物体の物体情報を取得する物体情報取得部と、
前記他車両を含み、少なくとも1つの他の車両と車車間通信を行って、駐車場内に駐車された車両の相対的な配置情報と各車両の前記車両情報とを含む駐車場マップを取得する駐車場マップ取得部と、
前記他車両の前記車両情報と前記物体情報とを用いて、前記駐車場マップに前記自車両をマッピングするマッピング部と、
前記自車両がマッピングされた前記駐車場マップを用いて、駐車場内の空きスペースを案内する案内部と、
前記自車両の駐車時に前記自車両に近接する前記他車両の前記車両情報と前記物体情報とに基づいて前記自車両と前記周辺物体との相対的な近距離マップを生成する近距離マップ生成部と、
前記近距離マップを用いて前記駐車場マップを更新する駐車場マップ更新部と、
更新された前記駐車場マップを車車間通信により送信する駐車場マップ送信部と、を備える点にある。
【0009】
この特徴構成によれば、駐車場側に特別な設備を要することなく、車両側における簡単な構成で駐車場の空きスペースを案内することが可能となる。また、駐車場マップの利用時及び更新時には、自車両に近接する他車両の車両情報及び物体情報に基づいた処理が実行される。従って、立体的な駐車場であっても異なる階の情報が混在することなく、精度良く駐車場の空きスペースを案内することができる。
【0010】
ここで、前記車両情報取得部が、近接した車両間において近距離ワイヤレス通信により通信する近距離ワイヤレス通信部を含むと好適である。
【0011】
近距離ワイヤレス通信により、例えばナンバープレート情報や車台番号情報など、車両ごとに固有の情報が正確に伝達される。また、近距離ワイヤレス通信では、近距離に存在する車両間でのみ通信が成立し、アンテナなどの設置場所によっては、方向もある程度限定された状態で通信が成立する。従って、通信が成立する他車両が存在する範囲や、方向の特定が容易となる。その結果、駐車場マップへの自車両のマッピングや、近距離マップの生成、駐車場マップの更新などの精度が向上する。
【0012】
また、本発明に係る駐車スペース案内システムの前記車両情報取得部は、前記自車両に搭載された車載カメラの撮影画像から前記他車両のナンバープレートを認識するナンバープレート認識部を含むと好適である。
【0013】
他車両が近距離ワイヤレス通信を行う装置を有していない場合であっても、撮影画像から他車両のナンバープレートを認識することによって、良好に車両ごとに固有の情報を取得することが可能となる。また、車載カメラの撮影範囲は予め設定されているので、他車両が存在する範囲や、方向が精度良く特定される。他車両及び自車両が近距離ワイヤレス通信を行う装置を有している場合には、さらに車載カメラによるナンバープレートを認識することによって車両情報の精度を向上させることができる。
【0014】
また、本発明に係る駐車スペース案内システムは、さらに、前記自車両の走行時の挙動を検出する挙動検出部の検出結果に基づいて、前記近距離マップ及び前記駐車場マップの少なくとも一方において、駐車場内の通路の位置を判定する通路判定部を備えると好適である。
【0015】
自車両が走行する範囲は、駐車区画ではなく駐車場内の通路である。駐車区画と通路とが明確に分離された状態で駐車場マップが構成されると、利便性に優れたものとなる。挙動検出部により検出された自車両の挙動に基づけば、近距離マップ及び駐車場マップの少なくとも一方において良好に通路が設定される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】車両の全体的なシステム構成を模式的に示すブロック図
【図2】距離計測部の車両への配置の一例を示す図
【図3】駐車スペース案内システムの構成例を模式的に示すブロック図
【図4】駐車スペース案内の手順の一例を模式的に示すフローチャート
【図5】駐車スペース案内を実施する駐車場の俯瞰図
【図6】図5における駐車場に対して生成された駐車場マップ
【図7】案内される車両がマッピングされた状態の図6の駐車場マップ
【図8】モニタ装置を用いて駐車スペース案内を行う際の画面例
【図9】駐車場マップを生成する駐車場の俯瞰図
【図10】近距離マップを生成する概念を示す図
【図11】近距離マップの例を示す図
【図12】複数の近距離マップに共通の車両が存在する例を示す図
【図13】複数の近距離マップを合成する例を示す図
【図14】駐車場マップの生成及び更新手順の一例を模式的に示すフローチャート
【図15】駐車場マップを生成する駐車場の別の俯瞰図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る駐車スペース案内システムの実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の駐車スペース案内システムは、駐車場に特別な設備は必要としない。当該駐車スペース案内システムが搭載された車両間の通信によって、駐車場マップが作成及び更新され、各車で共有され、空きスペースへ自車両が案内される。駐車スペース案内システムは、自車両の位置情報の取得に際してGPSなどの絶対的な位置情報は利用せず、自車両と他車両との相対的な位置関係により駐車場マップを生成する。従って、例えば、最初の1台の車両が駐車場に駐車した時には駐車場マップは未完成であり、順次、周辺に他の車両が駐車されていくことによって、駐車場マップが形成されていく。この状態において、駐車場は混雑してはおらず、駐車場に進入した車両は容易に任意の場所に駐車することが可能であるから合理性を損なうものではない。理解を容易にするために、この駐車場マップの形成過程については後述する。はじめに、駐車場マップが完成されている状態で、新たな車両が駐車場に進入する場合を例について説明する。
【0018】
図1は、駐車スペース案内システム10が搭載された車両(自車両)100の全体的なシステム構成の一例を模式的に示したものである。駐車スペース案内システム10は、車内ネットワークであるCAN(controller area network)50に接続され、他のシステムやセンサなどと協調して機能する。駐車スペース案内システム10は、本実施形態においては、CPU(central processing unit)2を中核として、プログラムメモリ3やワークメモリ4、その他不図示の周辺回路などを備えたECU(electronic control unit)1として構成される。プログラムメモリ3やワークメモリ4は、CPU2と共に1つのパッケージ内に集積されていてもよい。プログラムメモリ3にはCPU2に実行させるプログラムが記憶される。プログラムメモリ3に記憶されたプログラムやパラメータなどのソフトウェアとCPU2のハードウェアとの協働により、駐車スペース案内システム10の有する種々の機能部が実現される。ワークメモリ4は、車車間の通信によって獲得した駐車場マップを格納するデータベースとしても機能する。尚、駐車スペース案内システム10は、ECU1単独ではなく、ECU1と協働する他のシステムやセンサなどを含めて構成されてもよい。
【0019】
車両100は、車両同士が直接情報をやりとりする車車間通信を制御する車車間通信システム7を有している。車車間通信システム7が搭載された車両100は、同様に車車間通信システムが搭載された他車両(200)との間で直接、通信を実施し、情報の授受を行うことが可能である。後述するように、車両100は、他車両200から駐車場マップを受け取ったり、自車両100が更新した駐車場マップを他車両200へ送信したりすることが可能である。車間通信には、例えば、700MHz帯(715M〜725MHz程度)の周波数帯の電波が利用され、この帯域に対応したアンテナ71が車両100や200に搭載される。見通しのよい場所であれば、約270〜300m程度、電波を遮る障害物の多い場所であれば90m程度の範囲内において他の車両との通信が可能である。尚、道路脇に設けられた路側器と車両との間の通信である路車間通信に利用される5.8GHz帯の電波を用いて車車間通信を行うことを妨げるものではない。
【0020】
車両100は、100mを超える比較的長距離におい他車両200との通信が可能な車車間通信システム7とは別に、10〜30m程度までの比較的近距離において他車両200との通信が可能な近距離通信システム51も有している。後述するように、近距離通信システム51は、本発明の近距離ワイヤレス通信部21として機能し、他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部の一部として機能する。ID情報とは、例えばナンバープレート情報や車台番号情報など、車両ごとに固有の情報である。近距離ワイヤレス通信では、近距離に存在する車両間でのみ通信が成立し、アンテナなどの設置場所によっては、方向もある程度限定された状態で通信が成立する。従って、通信が成立する他車両が存在する範囲や、方向の特定も容易である。
【0021】
近距離通信システム51は、例えば、数mから数十m程度の距離で2.4GHz帯の電波を用いて簡易な情報のやりとりを行う近距離無線通信規格(IEEE 802.15.1)や、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm〜数m)のワイヤレス通信によって情報をやりとりするRFID(radio frequency identification)などである。RFIDには、種々の規格が存在するが、433MHz、900MHz(860〜960MHz)、2.45GHzの周波数帯域のRFIDが好適である。900MHz帯のRFIDの場合、通信可能距離は概ね2〜3m程度、ベストケースで5m程度である。尚、135kHzや13.56MHzの周波数帯を用いた電磁誘導方式のRFIDは、通信可能距離が数cm〜1m程度と短いが、その規格の適用が妨げられるものではない。
【0022】
また、近距離通信システム51は、車両に搭載されている既存のシステムと共用されるものでもよい。例えば、日本において5.8GHz帯の周波数帯域の電波を利用して実用化されている自動車通行料の自動料金収受システム(ETC : electronic toll collection system)を利用してもよい。勿論、その他の国や地域においては、当該国や地域で採用されている自動料金収受システムの通信を流用してもよい。さらに、キーレスエントリーシステムの通信機能を共用してもよい。キーレスエントリーシステムでは、利用者が携帯する携帯機から車両への通信にはUHF帯(310MHz帯)の電波が利用され、車両から携帯機への通信にはLF帯(125kHz帯)の電波が利用される。
【0023】
車両100には、道順案内などを行ないドライバーの運転を支援するナビゲーションシステム30が搭載されている。ナビゲーションシステム30は、不図示のGPS装置や、不図示のジャイロなどの自律航法装置などにより、現在位置を特定し、システムに記憶された地図と照らし合わせることでドライバーの運転を支援する。モニタ装置31は、ナビゲーションシステム30のGUI(graphic user interface)として機能する表示部31aやタッチパネル31bを備えている。また、モニタ装置31は、ナビゲーションシステム30が音声案内などを行うために、スピーカ31cも備えている。
【0024】
車両100には、ドライバーの運転を支援する運転支援システム40も搭載されている。運転支援システム40は、例えば、車両100が後退する際に、車内のモニタ装置31にカメラ52により撮影された車両100の後方の情景を表示させるバックモニタシステムを含む。また、運転支援システム40は、画像認識や進路予想などの演算処理を行って、カメラ52の撮影画像に車幅延長線や予想進路線などのガイド線を重畳させる駐車支援システムを含んでいてもよい。さらに、駐車支援システムは、ドライバーが速度調整だけを担い、自動操舵により駐車目標へ誘導するシステムであってもよい。本実施形態において、カメラ52は、車両100の後部(例えば、ナンバープレートの上方)にカメラ光軸を下方(例えば水平から30°下方)に向けて設置される。カメラ52は、例えば水平方向の視野角110〜120°の広角カメラであり、後方約8m程度までの領域を撮影可能である。尚、車両100の前方を撮影する前方カメラや、車両100の左右の側方を撮影する側方カメラも搭載することができる。カメラ52に加え、これら不図示の前方カメラや側方カメラは、本発明の車載カメラに相当する。
【0025】
駐車支援システムが、進路予想などの演算処理を実施するためには、適切な駐車目標が設定される必要がある。駐車目標の設定については、様々な手法がある。例えば、駐車目標位置を通過した際に、クリアランスソナー61などで空き領域を検出して自動認識し、駐車目標を設定するものがある。クリアランスソナー61は、駐車支援システムに限らず、単純に、車両100の周辺の障害物の存在を検出するためにも利用される。クリアランスソナー61による検出結果に基づいて、他車両を含む車両100の周辺物体までの距離を知ることができる。従って、クリアランスソナー61は、車両100の周辺物体と車両100との距離を計測する距離計測部6に相当する。図2に示す例においては、車両100の側方に向けてクリアランスソナー61が設置されている。これに限らず、クリアランスソナー61は、前後方向に向けて設置されてもよいし、斜め方向に向けて設置されてもよい。また、個数についても当然ながら2個に限らず、さらに多く設置されてもよい。
【0026】
距離計測部6として、ミリ波レーダ62が備えられていてもよい。近年、車両周辺の状況や車両の挙動などに基づいて衝突が避けられない状況であることを衝突前に判定して、シートベルトの張力を高めるシートベルトテンショナなどの保護装置を早期に作動させるセーフティシステムが提案され、一部実用化されている。本実施形態における車両100も、このようなセーフティシステム60を搭載することが可能である。
【0027】
セーフティシステム60は、実際に衝突などの事象が発生する前に、当該事象が発生する可能性を予測し、保護装置やその他のシステムを作動させる必要がある。このため、セーフティシステム60は、ミリ波レーダ62などにより検出された自車両100の近傍の他車両200や物体などの情報に基づいて、実際に衝突が発生するよりも前に衝突などの可能性を予測する。本実施形態においては、ミリ波レーダ62は車両100の前後方向に設置される。当然ながら、斜め方向に向けたミリ波レーダが追加して設置されてもよい。ミリ波レーダ62は、他車両を含む車両100の周辺物体までの距離を検出する。従って、ミリ波レーダ62は、車両100の周辺物体と車両100との距離を計測する距離計測部6に相当する。尚、セーフティシステム60は、クリアランスソナー61の検出結果を利用してもよい。また、距離計測部6は、カメラであってもよい。即ち、カメラで撮影した映像から画像処理によって距離を計測する。このカメラは、例えば上述した本発明の車載カメラを利用することができる。
【0028】
図1において、各種センサの一例として、車輪速センサ81やステアリングセンサ82がCAN50に接続されている。車輪速センサ81は、車両100の車輪の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサであり、例えばホール素子などを用いて構成される。駐車スペース案内システム10を含む車両100の各システムは、車輪速センサ81から取得した情報に基づいて車両100の移動量などを演算することができる。ステアリングセンサ82は、ステアリングホイールの操舵量(回転角度)を検出するセンサであり、例えばホール素子などを用いて構成される。操舵量に基づいて、駐車スペース案内システム10を含む車両100の各システムは車両100の進行方向などの車両挙動を知ることができる。車輪速センサ81及びステアリングセンサ82の検出結果を利用して、駐車スペース案内システム10を含む車両100の各システムは自律航法に基づく車両挙動を演算することが可能である。車輪速センサ81やステアリングセンサ82は、自車両100の走行時の挙動を検出する挙動検出部8に相当する。
【0029】
図3は、駐車スペース案内システム10のシステム構成を模式的に示すブロック図である。車両情報取得部11は、自車両に近接する他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する機能部である。後述するように、車両情報取得部11は、近接した車両間において近距離ワイヤレス通信により通信する近距離ワイヤレス通信部21を含むことができる。また、車両情報取得部11は、カメラ52などの車載カメラの撮影画像から他車両200のナンバープレートを認識するナンバープレート認識部26を含むことができる。
【0030】
物体情報取得部12は、他車両200を含む自車両100の周辺物体と自車両100との距離情報を含む当該周辺物体の物体情報を取得する機能部である。駐車場マップ取得部13は、他車両200を含み、少なくとも1つの他の車両と車車間通信を行って、駐車場内に駐車された車両の相対的な配置情報と各車両の車両情報とを含む駐車場マップMを取得する機能部である。マッピング部14は、近接する他車両200の車両情報と物体情報とを用いて、駐車場マップMに自車両100をマッピングする機能部である。案内部15は、自車両100がマッピングされた駐車場マップMを用いて、駐車場内の空きスペースを案内する機能部である。
【0031】
近距離マップ生成部16は、自車両100の駐車時に自車両100に近接する他車両200の車両情報と物体情報とに基づいて自車両100と周辺物体との相対的な近距離マップを生成する機能部である。尚、近距離マップ生成部16は、自車両100が駐車位置から退出のために発進する際にも、近距離マップを生成することが可能である。駐車場マップ更新部18は、近距離マップに基づいて駐車場マップを更新する機能部である。駐車場マップ送信部19は、更新された駐車場マップを車車間通信により送信する機能部である。
【0032】
まず、図4のフローチャートも利用して、車両100が駐車場に進入し、空きスペースを探索する場合について説明する。図5は、駐車場Pの俯瞰図であり、図6は、図5における駐車場Pに対して生成された駐車場マップMである。車両100は、駐車場Pに進入すると、駐車中の他車両200の内の何れかから車車間通信により送信された駐車場マップMを受信する。この時、既に駐車中の他車両200は、省電力モードとなっており、自発的には駐車場マップMを送信しない可能性がある。従って、自車両100から車車間通信によってリクエスト信号を発信するように構成されていると好適である。この際、多くの車両がリクエスト信号を受信して直ちに駐車場マップMを返信すると、通信が混雑したり、重複して駐車場マップMを受け取ったりする可能性がある。従って、まず、通信開始のリクエスト信号を送信し、応答した車両に対して駐車場マップMの送信を依頼するようにすると好適である。また、図4のフローチャートの手順(#1〜#3)とは異なるが、近距離ワイヤレス通信部21やナンバープレート認識部26により取得された車両情報に基づいて、ID情報を付加してリクエスト信号を送信することも可能である。この他、駐車中の他車両200が定期的に駐車場マップMを送信するように構成されていてもよい。
【0033】
駐車スペース案内システム10は、駐車スペース案内の開始に際して、駐車場マップ取得部13により駐車場マップMを受信済みであるか否かを確認する(#1)。駐車場マップMを未受信の場合には、繰り返し確認が実施される。図6に示すような駐車場マップMが受信済みの場合には、車両情報取得部11により車両情報を取得する(#2)。ここでは、車両情報取得部11が近距離ワイヤレス通信部21を備えて構成されている場合を例として説明する。近距離ワイヤレス通信部21は、近距離通信システム51を介して他車両200との通信を実施する。一例として、車両ドアのドアハンドルやキーシリンダーにRFIDが備えられ、自車両100と他車両200とが通信範囲内で近接した際に、通信が成立する。近距離ワイヤレス通信部21の受信部22は、他車両200の固有のID情報を含む車両情報を受信する。固有のID情報とは、例えば車両のナンバープレートや車台番号など、車両同士で重複しない情報である。車両情報には、ID情報の他、車幅や車長、車高などの車両寸法を含むと好適である。
【0034】
図5に示すように、自車両100が駐車場に進入した場合、例えば、最も自車両100に近い他車両201から車両情報を取得する。ここでは、他車両201からID情報として「B1」が送信され、自車両100がこのID情報を受信する。この場合も、既に駐車中の他車両200が省電力モードとなっており、自発的には車両情報を送信しない可能性がある。従って、自車両100から近距離通信によってリクエスト信号を発信するように構成されていると好適である。また、近距離通信がパッシブタイプの場合には、自車両100から他車両200(201)に電磁界を与えることによって、他車両200の近距離通信システムを起動させてもよい。
【0035】
尚、車両情報取得部11は、図3に示すように、ナンバープレート認識部26を備えて構成されていてもよい。ナンバープレート認識部26は、カメラ52から撮影画像を取得する画像取得部27と、ナンバープレートの文字や記号などの記載情報を認識する画像認識部28とを備えて構成される。撮影画像は、後方を撮影するカメラ52に限定されず、前方カメラや側方カメラからも取得することが可能である。ナンバープレート認識部26は、撮影画像から他車両201(200)のナンバープレートを認識する。ナンバープレートに記載されている記号やナンバーは、車両に固有のID情報である。
【0036】
次に物体情報取得部12は、自車両100の周辺物体と自車両100との距離を計測する距離計測部8から、その計測結果を含む物体情報を取得する(#3)。この周辺物体には、他車両201(200)も含まれる。近距離通信システム51を介して通信が成立する範囲や方向は、ほぼ限定されるので、当該範囲や当該方向において検出される周辺物体は、近距離通信が成立する他車両201(200)である可能性が高い。従って、近距離ワイレス通信部21を介して取得された他車両201の車両情報と、物体情報とを良好に関連付けることが可能である。また、ナンバプレート認識部27を介して他車両201(200)の車両情報を取得した場合には、当該他車両201(200)の方向が既知である。従って、他車両201の車両情報と、物体情報とは良好に関連付けられる。
【0037】
他車両201の車両情報及び物体情報を取得すると、マッピング部14は、図6に示す駐車場マップMにおいてID情報B1を検索する(#4)。検索の結果、駐車場マップMにおいてID情報B1が発見されると、物体情報に基づいて、駐車場マップM上に自車両100がマッピングされる(#5)。図6に示すように、駐車場マップMには、駐車場の区画情報F,Eや、通路情報W、区画内に駐車されている車両情報が含まれる。区画情報Fは駐車済み区画、区画情報Eは空き区画(空きスペース)を示す。また、物体情報は、他車両201に対する情報に限らず、自車両100の周辺の状況を示す情報が含まれる。つまり、物体情報には、「所定範囲内の所定方向には物体が存在しないこと」も含まれる。さらに、自車両100が存在する位置(通行する位置)は、通路である蓋然性が高い。従って、マッピング部14は、車両情報及び物体情報に基づいて、良好に駐車場マップMに自車両100をマッピングする(図7)。
【0038】
案内部15は、自車両100がマッピングされた駐車場マップMを利用して、ドライバーに空きスペースを案内する。例えば、モニタ装置31に、図8に示すような案内図が表示される。尚、自車両100の進行方向を上にして表示したり、自車両100を画面の中央に表示したりするなど、レイアウトや表示形態は任意に変更可能である。また、表示に関しては、ナビゲーションシステム30や運転支援システム40に委ねてもよい。また、必要に応じてスピーカ31cを介して案内メッセージを提供してもよい。例えば、最も自車両100に近い空き区画E1(図6及び図7参照)を推奨する場合には、「左前方に空きスペースがあります。」などと案内する。また、空き区画E1以外の空き区画に対して、「右前方に空きスペースが複数あります。」などの案内メッセージを提供してもよい。また、車輪速センサ81やステアリングセンサ82などの検出結果に基づく自律航法により、車両100の進行に応じて進路を案内してもよい。
【0039】
次に、図9〜図13を用いて、駐車場マップMを生成する手順について説明する。図9に示すように、駐車場Pには、ID情報A0の車両101とID情報B0の車両102とが駐車されている。この時点においては、全体の駐車場マップMは生成されていない。車両101と車両102とは、ともに自車両100としてそれぞれが生成する近距離マップm(ma,mb)を駐車場マップMとしている。
【0040】
車両101を代表として説明すると、車両101は、車両情報として、ID情報A0の他、車両長、車両幅、車高などの情報を、近距離通信システム51を介して出力する。また、車両101は、他車両200から送信された同様の車両情報を近距離通信システム51を介して取得する。さらに、車両101は、距離計測部6として機能するクリアランスソナー61やミリ波レーダ62による距離計測結果を物体情報として取得する。図10においては、車両101の前後左右の4方向の物体情報が取得される場合を例示しているが、斜め方向を含んでいてもよい。車両101の近距離マップ生成部16は、物体情報に基づいて、図10に示すような近距離マップm(ma)を生成する。尚、図10では、便宜的に近距離マップmの範囲を車両101の前後左右における車両1台分として例示している。しかし、近距離マップmの範囲は、車両情報や物体情報を取得可能な範囲により定まるので、図10の例に限定されるものではない。
【0041】
図11は、車両101と車両102とが、それぞれ、近距離マップma(m)とmb(m)とを生成している例を示している。車両101と車両102とのそれぞれの周辺に駐車された他車両200の車両情報と物体情報とに基づき、それぞれの近距離マップ生成部16において近距離マップmが生成される。この時点においては、車両101及び車両102双方の駐車場マップ更新部18は、ともに近距離マップmを駐車場マップMとして記憶する。そして、駐車場マップ送信部19は、車車間通信システム7を介して近距離マップmを駐車場マップMとして送信する。近距離マップmbを駐車場マップMとして受け取った車両101は、駐車場マップMの中に確認できている車両情報が含まれないので、受け取った駐車場マップMは無視する。そして、駐車場マップ更新部18は、駐車場マップMとして近距離マップmaを更新することなく保持する。近距離マップmaを駐車場マップMとして受け取った車両102についても同様である。
【0042】
尚、この時点で駐車場Pに進入した車両は、2種類の駐車場マップM(近距離マップma又はmb)を受け取ることとなる。この内、駐車場Pに進入した車両が近接する車両から受け取ったID情報が含まれる近距離マップma又はmbが駐車場マップMとして扱われ、空きスペースへと案内される。広い駐車場において、駐車車両が散在している場合には、さらに多くの種類の駐車場マップM(近距離マップm)を受け取る可能性がある。しかし、そのように空(す)いている駐車場においては、多少演算に時間が掛かり、案内が遅れたとしてもドライバーは任意の場所に容易に駐車可能であるから実質的な問題は生じない。
【0043】
このように、駐車場に進入した車両が2種類以上の駐車場マップMを受け取ることは、駐車場マップMが未完成の場合の他、複数階で構成された立体駐車場においても発生し得る。つまり、駐車場Pに進入した車両が居る階と、その上下の階との複数の駐車場マップMを受け取る可能性がある。この場合においても、駐車場Pに進入した車両が近接する車両から受け取ったID情報が含まれる駐車場マップMを用いることで当該車両は、良好に空きスペースへと案内される。
【0044】
ここで、図12に示すように、ID情報Cの他車両200が駐車されると、近距離マップmaとmbとの双方に共通してID情報Cの他車両200が含まれることになる。近距離マップmaとmbとは、上述したように、車車間通信システム7を介して車両101及び車両102に共有される。図13に示すように、車両101及び車両102の駐車場マップ更新部18は、近距離マップmaとmbとを合成して駐車場マップMを更新する。つまり、車両101の駐車場マップ更新部18は、駐車場マップMとしての近距離マップmaに近距離マップmbを加えて駐車場マップMを更新する。車両102の駐車場マップ更新部18は、駐車場マップMとしての近距離マップmbに近距離マップmaを加えて駐車場マップMを更新する。
【0045】
このようにして、順次、駐車場Pに駐車される車両が近距離マップmを生成し、これを駐車場マップMに付加していくことによって、駐車場マップMが更新されていく。駐車場マップMを受信して空きスペースに駐車した車両の通路判定部17は、車輪速センサ81やステアリングセンサ82などの挙動検出部8の検出結果に基づいて自律航法により移動経路を通路Wとして判定可能である。駐車場マップ更新部18は、通路判定部17の判定結果に基づいて、駐車場マップMに通路Wを設定する。これは、駐車場マップMが、単一の車両により生成された近距離マップmの状態であっても同様である。このようにして、順次更新されて、図8に示したような駐車場マップMが生成される。
【0046】
駐車場マップMには、更新時刻を示すタイムスタンプが付加されていると好適である。更新時刻は、車両内の時計から取得される。この時計は、ナビゲーションシステム30と連動する時計であると、適宜GPSを介して取得される時刻に校正されているので高い精度が期待できる。ところで、既に駐車中の他車両は、更新された駐車場マップMが送信された時に、省電力モードとなっている可能性がある。この場合、駐車場マップMを受信した際に、ECU1の一部の機能だけを起動させ、駐車場マップ更新部18がタイムスタンプを確認して最新の駐車場マップMであれば、更新するようにすると好適である。この場合、当該車両が主体的に駐車場マップMを更新した訳ではなく、単純に受信した駐車場マップMに置き換えただけであるので、当該車両の駐車場マップ送信部19は、更新後の駐車場マップMを送信する必要はない。これにより、不要な送信が抑制される。
【0047】
駐車している車両が退出する際には、駐車中に省電力モードとなっていたとしても駐車スペース案内システム10が再起動されるので、車両情報及び物体情報に基づいて自車両を駐車場マップMにマッピングする。この際、駐車場マップMにおける駐車区画Fにマッピングされていた自車両は、通路Wへマッピングされていくことになる。これにより、退出する車両の駐車場マップ更新部18は、駐車場マップMにおいて当該車両が駐車していた区画Fを空き区画Eへ変更して駐車場マップMを更新する。駐車場マップ送信部19は、更新された駐車場マップMを送信する。
【0048】
以下、図14のフローチャートを利用して、自車両100における駐車場マップMの生成及び更新の手順について整理しておく。はじめに、自車両100が駐車を完了したか、又は、駐車状態から発車したかについて確認される(#11)。これは、車輪速センサ81の他、図1には不図示であるがシフトレバースイッチや、ブレーキセンサ、パーキングブレーキスイッチなどの検出結果に基づいてECU1において判定される。
【0049】
次に、他車両200から送信された駐車場マップMが取得される(#12)。この駐車場マップMは、自車両100が駐車する際に使用した駐車場マップMでもよいし、駐車完了の際に改めて取得した駐車場マップMでもよい。また、この駐車場マップMは、自車両100をマッピングすることができない駐車場マップMも含む。例えば、図9に示す車両101だけが駐車されており、自車両100は図9における車両102であったとする。この場合には、駐車場マップMとして、近距離マップmaを取得するが、近距離マップmaにおいて自車両100(102)をマッピングすることはできない。このような場合の駐車場マップMも含むものである。また、図15に示すように、車両101と車両102とが駐車された状態で自車両100が、車両101及び車両102から離れた位置に駐車した場合には、駐車場マップMとして、近距離マップma及び近距離マップmbを取得する。そして、これらの何れにも自車両100はマッピングされない。このように、複数の駐車場マップMを取得する場合や、複数の何れにもマッピングされない場合も含む。
【0050】
次に、自車両100は駐車位置において他車両200の車両情報を取得し(#13)、物体情報を取得する(#14)。そして、車両情報及び物体情報に基づいて近距離マップmを生成する(#15)。近距離マップmが生成されると、この近距離マップmと合成可能な、つまり、共通部分を有する駐車場マップMがあるか否かが駐車場マップ更新部18により判定される(#16)。合成可能な駐車場マップMがある場合には、当該駐車場マップMと近距離マップmとが合成される(#17)。尚、例えば、複数の駐車場マップMとして、近距離マップma及び近距離マップmbが取得された場合に、自車両100の近距離マップmが双方と共通部分を有することがある。この場合には、2つの駐車場マップMと、自車両100の近距離マップmとが合成される。つまり、処理#17における合成は、2つのマップの合成に限定されるものではない。合成されたマップは、駐車場マップ更新部18により新たな駐車場マップMとして更新され(#18)、駐車場マップ送信部19により、他車両200へと送信される(#19)。処理#16において合成可能な駐車場マップMがない場合には、近距離マップmが駐車場マップMとして更新され(#18)、他車両200へと送信される(#19)。
【0051】
尚、図10に示すように、車両長や車両幅などの自車両100の寸法から、自車両100の駐車スペースの寸法を計算すると好適である。さらに、自車両100の駐車スペースや、隣接する駐車車両までの距離情報などを利用して近距離マップmや駐車場マップMが構築されると好適である。
【0052】
以上、説明したように、本発明に係る駐車スペース案内システム10によれば、駐車場側に特別な設備を要することなく、車両側における簡単な構成で、立体的な駐車場を含めて精度良く駐車場の空きスペースを案内することが可能となる。尚、駐車スペース案内システム10は、必ずしも、ナビゲーションシステム30や運転支援システム40と独立している必要はなく、ナビゲーションシステム30や運転支援システム40の一機能として構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1:駐車スペース案内ECU
6:距離計測部
7:車車間通信システム
8:挙動検出部
10:駐車スペース案内システム
11:車両情報取得部
12:物体情報取得部
13:駐車場マップ取得部
14:マッピング部
15:案内部
16:近距離マップ生成部
17:通路判定部
18:駐車場マップ更新部
19:駐車場マップ送信部
21:近距離ワイヤレス通信部
26:ナンバープレート認識部
51:近距離通信システム
52:カメラ(車載カメラ)
100:自車両
200:他車両
M:駐車場マップ
m:近距離マップ
W:通路
P:駐車場
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に近接する他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記他車両を含む前記自車両の周辺物体と前記自車両との距離情報を含む当該周辺物体の物体情報を取得する物体情報取得部と、
前記他車両を含み、少なくとも1つの他の車両と車車間通信を行って、駐車場内に駐車された車両の相対的な配置情報と各車両の前記車両情報とを含む駐車場マップを取得する駐車場マップ取得部と、
前記他車両の前記車両情報と前記物体情報とを用いて、前記駐車場マップに前記自車両をマッピングするマッピング部と、
前記自車両がマッピングされた前記駐車場マップを用いて、駐車場内の空きスペースを案内する案内部と、
前記自車両の駐車時に前記自車両に近接する前記他車両の前記車両情報と前記物体情報とに基づいて前記自車両と前記周辺物体との相対的な近距離マップを生成する近距離マップ生成部と、
前記近距離マップを用いて前記駐車場マップを更新する駐車場マップ更新部と、
更新された前記駐車場マップを車車間通信により送信する駐車場マップ送信部と、
を備える駐車スペース案内システム。
【請求項2】
前記車両情報取得部は、近接した車両間において近距離ワイヤレス通信により通信する近距離ワイヤレス通信部を含む請求項1に記載の駐車スペース案内システム。
【請求項3】
前記車両情報取得部は、前記自車両に搭載された車載カメラの撮影画像から前記他車両のナンバープレートを認識するナンバープレート認識部を含む請求項1又は2に記載の駐車スペース案内システム。
【請求項4】
前記自車両の走行時の挙動を検出する挙動検出部の検出結果に基づいて、前記近距離マップ及び前記駐車場マップの少なくとも一方において、駐車場内の通路の位置を判定する通路判定部を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の駐車スペース案内システム。
【請求項1】
自車両に近接する他車両の固有のID情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記他車両を含む前記自車両の周辺物体と前記自車両との距離情報を含む当該周辺物体の物体情報を取得する物体情報取得部と、
前記他車両を含み、少なくとも1つの他の車両と車車間通信を行って、駐車場内に駐車された車両の相対的な配置情報と各車両の前記車両情報とを含む駐車場マップを取得する駐車場マップ取得部と、
前記他車両の前記車両情報と前記物体情報とを用いて、前記駐車場マップに前記自車両をマッピングするマッピング部と、
前記自車両がマッピングされた前記駐車場マップを用いて、駐車場内の空きスペースを案内する案内部と、
前記自車両の駐車時に前記自車両に近接する前記他車両の前記車両情報と前記物体情報とに基づいて前記自車両と前記周辺物体との相対的な近距離マップを生成する近距離マップ生成部と、
前記近距離マップを用いて前記駐車場マップを更新する駐車場マップ更新部と、
更新された前記駐車場マップを車車間通信により送信する駐車場マップ送信部と、
を備える駐車スペース案内システム。
【請求項2】
前記車両情報取得部は、近接した車両間において近距離ワイヤレス通信により通信する近距離ワイヤレス通信部を含む請求項1に記載の駐車スペース案内システム。
【請求項3】
前記車両情報取得部は、前記自車両に搭載された車載カメラの撮影画像から前記他車両のナンバープレートを認識するナンバープレート認識部を含む請求項1又は2に記載の駐車スペース案内システム。
【請求項4】
前記自車両の走行時の挙動を検出する挙動検出部の検出結果に基づいて、前記近距離マップ及び前記駐車場マップの少なくとも一方において、駐車場内の通路の位置を判定する通路判定部を備える請求項1〜3の何れか一項に記載の駐車スペース案内システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−65279(P2011−65279A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213636(P2009−213636)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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