説明

駐車装置とその制御方法

【課題】車両を駐車させる際に車両に給電するのに適した駐車装置を提供する。
【解決手段】駐車装置は、複数の駐車空間と車両移載機器と三相電動機とを有する駐車機構と、整流部とインバータと不平衡検知器とを有する駆動機器と、三相3線式線路のうちの任意の2線を組み合わせて互いに異なる3つの単相交流を各々に引きだす3つの単相交流線路と、3つの前記単相交流線路を介して入力した3つの単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両へ各々に給電できる給電機器と、を備え、運転モードを前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を前記三相電動機へ給電するモードである作動モードと前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を3つの前記単相交流線路を介して前記給電機器へ給電するモードである給電モードとの間で切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を駐車させる駐車装置に係る。特に、充電可能な電動車両を含む車両を駐車させる駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両を駐車させるのに駐車機構を備える駐車装置を用いることがある。
駐車機構は、車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動させて駐車させる。
例えば、駐車機構は、メリーゴーランド方式駐車機構、エレベータ方式駐車機構、エレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構、運搬格納方式駐車機構、二段方式・多段方式駐車機構がある。
例えば、メリーゴーランド方式駐車機構では、上下一対のスプロケットに主務チェーンが巻きかけられ、複数のケージが主務チェーンに所定の間隔でつり下げられ、ケージがパレットを支持する。スプロケットを回転させると、複数のケージが循環移動する。
例えば、エレベータ方式駐車機構では、垂直になった昇降路に沿って上下方向に多段の駐車空間を配し、車両を載せたケージを昇降路の中に昇降させて、車両をケージから駐車空間に移載し、駐車させる。電動機は、ケージを吊るケーブルを巻上げ、巻き下げする。さらに、他の電動機が、車両をケージと駐車空間との間で移動させる。
例えば、エレベータ・スライド方式駐車機構では、駐車空間を垂直方向と水平方向に多段に配列し、車両を搬送台車に乗せて入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。
例えば、平面往復方式駐車機構では、駐車空間を水平に配列し、搬送台車が車両を入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。
【0003】
一方、車両の電動化が加速している。これらの車両を電動車両と総称する。
電動車両には、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、電動バイク、等がある。
そこで、駐車している間に、電動車両に給電することが考えられる。
電動車両には、外部から給電して車載バッテリーを充電するタイプのものがある。
それらの電動車両は、給電のための給電プラグ受を持つ。
急速充電器の給電プラグや100/200V等の電源コンセントに充電ケーブルを接続し充電ケーブルの給電プラグを電動車両の給電プラグ受に接続することで充電を行う。
【0004】
車両をパレットに載せて車両を取り扱う形式の駐車機構を採用する駐車装置では、パレットに車両側中継端子を設け、パレットに乗せた車両の給電プラグ受と車両側中継端子とを充電ケーブルで電気的に接続して、駐車時間中に車両を充電することが考えられる。
【0005】
駐車機構は、インバータ制御される三相電動機をもつことがある。
駐車機構に駐車する車両に給電する機能を付加するのに、単相交流を確保する必要がある。そこで、出願人は、駐車機構が作動しないときに、インバータが出力する三相交流を車両への給電に当てることを考案した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、車両を駐車させる際に車両に給電するのに適した駐車装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置を、車両を駐車させる複数の駐車空間と車両を前記駐車空間に移載できる車両移載機器と前記車両移載機器を作動させる三相電動機とを有する駐車機構と、三相交流電源を直流電圧に変換する整流部と前記直流電圧を入力して三相3線式線路へ三相交流を出力して前記三相電動機を駆動できるインバータと前記三相3線式線路に作用する負荷の不平衡を検知する不平衡検知器とを有する駆動機器と、前記三相3線式線路のうちの任意の2線を組み合わせて互いに異なる3つの単相交流を各々に引きだす3つの単相交流線路と、3つの前記単相交流線路を介して入力した3つの単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両へ各々に給電できる給電機器と、を備え、運転モードを前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を前記三相電動機へ給電するモードである作動モードと前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を3つの前記単相交流線路を介して前記給電機器へ給電するモードである給電モードとの間で切り替えることをできる、ものとした。
【0008】
上記本発明の構成により、駐車機構は、車両を駐車させる複数の前記駐車空間と車両を前記駐車空間に移載できる車両移載機器と前記車両移載機器を作動させる前記三相電動機とを有する。駆動機器は、前記三相交流電源を直流電圧に変換する前記整流部と前記直流電圧を入力して三相3線式線路へ三相交流を出力して前記三相電動機を駆動できる前記インバータと前記三相3線式線路に作用する負荷の不平衡を検知する前記不平衡検知器とを有する。3つの前記単相交流線路は、前記三相3線式線路のうちの任意の2線を組み合わせて互いに異なる3つの単相交流を各々に引きだす。給電機器は、3つの前記単相交流線路を介して入力した3つの単相交流を複数の前記駐車空間に各々に位置する複数の車両へ各々に給電できる。運転モードを前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を前記三相電動機へ給電するモードである前記作動モードと前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を3つの前記単相交流線路を介して前記給電機器へ給電するモードである前記給電モードとの間で切り替えることをできる、
その結果、前記駐車機構を作動させるときは前記駆動機器から出力する電力を前記駐車機構の作動に用い、前記駐車機構を作動させないときは前記駆動機器から出力する電力を車両へ給電できる。
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0010】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきを測定して該ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力し、前記作動モードでの前記基準値である第一基準値と前記給電モードでの前記基準値である第二基準値とが異なる値をもつ。
上記の実施形態の構成により、前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきを測定して該ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力する。前記作動モードでの前記基準値である第一基準値と前記給電モードでの前記基準値である第二基準値とが異なる値をもつ。
その結果、作動モードと給電モードとの各々に、モードに適した不平衡管理をできる。
【0011】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記第一基準値が前記作動モードで不平衡が生じたときに前記三相電動機を保護できる値であって、前記第二基準値が前記給電モードで不平衡が生じたときに前記インバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値である、ものとした。
上記の実施形態の構成により、前記第一基準値が前記作動モードで不平衡が生じたときに前記三相電動機を保護できる値である。前記第二基準値が前記給電モードで不平衡が生じたときに前記インバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値である。
その結果、作動モードと給電モードとの各々に、モードに適した不平衡管理をできる。
【0012】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記給電モードにおいて前記ばらつきが前記基準値を越えない様に前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる。
上記の実施形態の構成により、前記給電モードにおいて、前記ばらつきが前記基準値を越えない様に、前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる。
その結果、前記インバータの不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
【0013】
本発明の実施形態に係るパレットは、前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきを測定して該ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力でき、前記給電モードにおいて前記ばらつきが前記基準値を越えない様に前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる。
上記の実施形態の構成により、前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷の前記ばらつきを測定して前記ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力できる。前記給電モードにおいて、前記ばらつきが前記基準値を越えない様に、前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる。
その結果、基準値をインバータの不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置の制御方法を、車両を駐車させる複数の駐車空間と車両を前記駐車空間に移載できる車両移載機器と前記車両移載機器を作動させる三相電動機とを有する駐車機構と三相交流電源を直流電圧に変換する整流部と前記直流電圧を入力して三相3線式線路へ三相交流を出力して前記三相電動機を駆動できるインバータと前記三相3線式線路に作用する負荷の不平衡を検知する不平衡検知器とを有する駆動機器と前記三相3線式線路のうちの任意の2線を組み合わせて互いに異なる3つの単相交流を各々に引きだす3つの単相交流線路と3つの前記単相交流線路を介して入力した3つの単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両へ各々に給電できる給電機器とを準備する準備工程と、を備え、前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を前記三相電動機へ給電する作動工程と、前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を3つの前記単相交流線路を介して前記給電機器へ給電する給電工程と、を備え、前記作動工程と前記給電工程との間で工程を切り替えることをできる、ものとした。
【0015】
上記本発明の構成により、駐車機構は、車両を駐車させる複数の前記駐車空間と車両を前記駐車空間に移載できる前記車両移載機器と前記車両移載機器を作動させる前記三相電動機とを有する。駆動機器は、前記三相交流電源を直流電圧に変換する前記整流部と前記直流電圧を入力して前記三相3線式線路へ三相交流を出力して前記三相電動機を駆動できる基準値をインバータと前記三相3線式線路に作用する負荷の不平衡を検知する前記不平衡検知器とを有する。3つの単相交流線路は、前記三相3線式線路のうちの任意の2線を組み合わせて互いに異なる3つの単相交流を各々に引きだす。給電機器は、3つの前記単相交流線路を介して入力した3つの単相交流を複数の前記駐車空間に各々に位置する複数の車両へ各々に給電できる。作動工程で、前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を前記三相電動機へ給電する。給電工程で、前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を3つの前記単相交流線路を介して前記給電機器へ給電する。前記作動工程と前記給電工程との間で工程を切り替えることをできる。
その結果、前記駐車機構を作動させるときは前記駆動機器から出力する電力を前記駐車機構の作動に用い、前記駐車機構を作動させないときは前記駆動機器から出力する電力を車両で給電することをできる。
【0016】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置の制御方法を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0017】
本発明の実施形態に係る駐車装置の制御方法は、前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきを測定して該ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力し、前記作動モードでの前記基準値である第一基準値と前記給電モードでの前記基準値である第二基準値とが異なる値をもつ。
上記の実施形態の構成により、前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷の前記ばらつきを測定して前記ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力する。前記作動モードでの前記基準値である第一基準値と前記給電モードでの前記基準値である第二基準値とが異なる値をもつ。
その結果、前記作動モードと前記給電モードとの各々で、モードに適した不平衡管理をできる。
【0018】
本発明の実施形態に係る駐車装置の制御方法は、前記第一基準値が前記作動モードで不平衡が生じたときに前記三相電動機を保護できる値であって、前記第二基準値が前記給電モードで不平衡が生じたときに前記インバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値である、ものとした。
上記の実施形態の構成により、前記第一基準値が前記作動モードで不平衡が生じたときに前記三相電動機を保護できる値である。前記第二基準値が前記給電モードで不平衡が生じたときに前記インバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値である。
その結果、作動モードと給電モードとの各々に、モードに適した不平衡管理をできる。
【0019】
本発明の実施形態に係る駐車装置の制御方法は、前記給電工程において前記ばらつきが前記基準値を越えない様に前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる。
上記の実施形態の構成により、前記給電工程において、前記ばらつきが前記基準値を越えない様に、前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる。
その結果、前記給電工程において、前記インバータの不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
【0020】
本発明の実施形態に係る駐車装置の制御方法は、前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきを測定して該ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力でき、前記給電工程において前記ばらつきが前記基準値を越えない様に前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる。
上記の実施形態の構成により、前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷の前記ばらつきを測定して前記ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力できる。前記給電工程において、前記ばらつきが前記基準値を越えない様に、前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる。
その結果、前記インバータの不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明に係る駐車装置、その構成により、以下の効果を有する。
前記駆動機器に内蔵される前記インバータが複数の前記駐車空間に車両を移載できる前記車両移載機器を作動させる前記三相電動機を駆動し、前記インバータが三相交流を出力する前記三相3線式線路の任意の2線を組み合わせて単相交流を引きだす3つの前記単相交流線路を分岐し、3つの前記単相交流線路を介して入力した3つの単相交流を複数の前記駐車空間に各々に位置する複数の車両へ給電し、前記インバータが前記三相電動機を駆動する前記作動モードと3つの前記単相交流線路を介して前記給電機器へ給電する前記給電モードとを切り替える様にしたので、前記駐車機構を作動させるときは前記駆動機器から出力する電力を前記駐車機構の作動に用い、前記駐車機構を作動させないときは前記駆動機器から出力する電力を車両で給電することをできる。
また、前記インバータでの不平衡の程度を判断するために、前記基準値を前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきと比較するために設け、前記基準値を前記作動モードと前記給電モードとで異なる値をもつ様にしたので、前記作動モードと前記給電モードとの各々のモードに適した不平衡管理をできる。
また、前記第一基準値が前記作動モードで不平衡が生じたときに前記三相電動機を保護できる値にし、、前記第二基準値が前記給電モードで不平衡が生じたときに前記インバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値にしたので、前記作動モードと前記給電モードとの各々のモードに適した不平衡管理をできる。
また、前記給電モードにおいて、前記給電機器が3つの前記単相交流線路から入力した単相交流を複数の前記駐車空間に各々に位置する複数の車両に給電する流れを各々に導通または遮断して前記ばらつきが前記基準値を越えない様にする様にしたので、前記インバータの不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
また、前記インバータでの不平衡の程度を判断するために、基準値を前記三相3線式線路に作用する負荷の前記ばらつきと比較するためにもうけ、前記給電モードにおいて、前記給電機器が3つの前記単相交流線路から入力した単相交流を複数の前記駐車空間に各々に位置する複数の車両に給電する流れを各々に導通または遮断して前記ばらつきが前記基準値を越えない様にする様にしたので、前記インバータの不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
【0022】
以上説明したように、本発明に係る駐車装置の制御方法は、その構成により、以下の効果を有する。
前記駆動機器に内蔵される前記インバータが複数の前記駐車空間に車両を移載できる前記車両移載機器を作動させる前記三相電動機を駆動し、前記インバータが三相交流を出力する前記三相3線線路の任意の2線を組み合わせて単相交流を引きだす3つの単相交流線路を分岐し、3つの前記単相交流線路を介して入力した3つの単相交流を複数の前記駐車空間に各々に位置する複数の車両へ給電し、前記インバータが前記三相電動機を駆動する作動工程と3つの前記単相交流線路を介して前記給電機器へ給電する前記給電工程とを切り替える様にしたので、前記駐車機構を作動させるときは前記駆動機器から出力する電力を前記駐車機構の作動に用い、前記駐車機構を作動させないときは前記駆動機器から出力する電力を車両で給電することをできる。
また、前記インバータでの不平衡の程度を判断するために、前記基準値を前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきと比較するために設け、前記基準値を前記作動モードと前記給電モードとで異なる値をもつ様にしたので、前記作動モードと前記給電モードとの各々のモードに適した不平衡管理をできる。
また、前記第一基準値が前記作動工程で不平衡が生じたときに前記三相電動機を保護できる値にし、前記第二基準値が前記給電工程で不平衡が生じたときに前記インバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値にしたので、前記作動モードと前記給電モードとの各々のモードに適した不平衡管理をできる。
また、前記給電工程において、前記給電機器が3つの前記単相交流線路から入力した単相交流を複数の前記駐車空間に各々に位置する複数の車両に給電する流れを各々に導通または遮断して前記ばらつきが前記基準値を越えない様にする様にしたので、前記インバータの不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
また、前記インバータでの不平衡の程度を判断するために、前記基準値を前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきと比較するためのもうけ、前記給電工程において、前記給電機器が3つの前記単相交流線路から入力した単相交流を複数の前記駐車空間に各々に位置する複数の車両に給電する流れを各々に導通または遮断して前記ばらつきが前記基準値を越えない様にする様にしたので、前記インバータの不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
従って、車両を駐車させる際に車両に給電するのに適した駐車装置とその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車装置の概念図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電力系統図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる駐車装置の制御フローチャート図である。
【図4】各種形式の駐車装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置の概念図である。図2は、本発明の実施形態に係る電力系統図である。
本発明の実施形態にかかる駐車装置は、車両を駐車させる装置である。
車両が電動車両である場合、車両5は充電ケーブル6により電力を給電される。
充電ケーブル6は、車両5に積まれていてもよい。
充電ケーブル6は、駐車装置に備えられていてもよい。
充電ケーブル6は、充電端子と充電ケーブル本体と給電プラグとで構成される。
充電端子は、車両5を搭載するパレット14に設けられた車両側中継端子に接合する端子である。
給電プラグは、車両に設けられた給電プラグ受に接合する端子である。
充電ケーブル本体は、充電端子と給電プラグとを電気的に接続する。
パレット14は、車両5を搭載可能であり、少なくとも駐車空間11に置かれたときに、後述する給電機器40から電力を給電される。
【0025】
駐車装置は、駐車機構10と駆動機器20と3つの単相交流線路30と給電機器40と補機50とで構成される。
【0026】
駐車機構10は、複数の駐車空間11と車両移載機器12と三相電動機13とで構成される。
例えば、駐車機構10は、複数の駐車空間11と車両移載機器12と三相電動機13と複数のパレット14と入出庫空間15で構成される。
駐車空間11は、車両5を駐車させる空間である。
例えば、複数の駐車空間が、上下方向に所定の間隔で並ぶ。
例えば、複数の駐車空間11が、後述する昇降空間Hにそって多段に積み重ねられる。
車両移載機器12は、車両を駐車空間に移載できる機器である。
例えば、車両移載機器12は、車両5を入出庫空間15と駐車空間11との間で移載する。
例えば、車両移載機器12は、車両5を乗せたパレット14を昇降空間Hの中で昇降させて駐車空間11と入出庫空間15との間で移載する。
三相電動機13は、車両移載機器を作動させる電動機である。
三相電動機13は、後述する駆動機器20に内蔵するインバータ23により回転速度をインバータ制御される。
三相電動機13が回転速度をインバータ制御されると、車両移載機器12が速度を制御される。
パレット14は上から見て略矩形の板構造体であって、車両5を乗せる。
入出庫空間15は、車両が入庫または出庫するための空間である。
例えば、入出庫空間15が、昇降路Hの下部に設けられる。
【0027】
駆動機器20は、三相電動機13を駆動する機器である。
駆動機器20は、整流部21とインバータ23と三相3線式線路24と不平衡検知部25とで構成される。
例えば、駆動機器20は、整流部21と平滑部22とインバータ23と三相3線式線路24と不平衡検知部25と波形整形部26とコントローラ27と遮断器28と遮断器コントローラ29とで構成される。
整流部21は、三相交流電源を直流電圧に変換する部分である。
平滑部22は、直流電圧を平滑する部分である。平滑部22は、整流部21にて整流された脈流電圧を平滑化する。
インバータ23は、直流電圧を入力して三相3線式線路24へ三相交流を出力して三相電動機13を駆動できる部分である。
三相3線式線路24は、三相交流を各々に流す3つの電線で構成される線路である。
【0028】
不平衡検知器25は、三相3線式線路24に作用する負荷の不平衡を検知す機器である。
不平衡検知器25は、三相3線式線路24に作用する負荷のばらつきを測定して、ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力できる。
例えば、不平衡検知器25は、三相3線式線路24の3つの電線に巻きかけられた電流検知器である。三相3線式線路24の3つの電線にながれる交流にばらつきがないとき電流検知器の出力電圧は0ボルトである。三相3線式線路24に作用する負荷に不平衡が生ずると3線のベクトル合成によってきまる出力電圧が発生する。
例えば、不平衡検知器25は、平滑部22を流れる直流電圧を計測する電圧器である。三相3線式線路24に作用する負荷に不平衡が生ずると、直流電圧のリップル値が大きくなる。
例えば、 不平衡検知器25がエラー信号を出力すると、駆動機器20が非常停止する。
波形整形部26は三相3線式線路24に流れる三相交流の波形を整形する機器である。
例えば、波形整形部26は三相3線式線路24に設けられるフィルタ、リアクトルである。
【0029】
コントローラ27は駆動機器20を制御する機器である。
例えば、コントローラ27は、インバータ23をPWM制御して、三相3線式線路24に出力する三相交流の周波数、電圧を制御する。
遮断器28は、三相3線式線路24に設けられ、遮断器コントローラによりオン/オフされる。遮断器28は、電動機駆動の時、地絡、欠相等の不具合が生じた時に、インバータ23から三相電動機13へ流れる三相交流の流れを導通また遮断できる電気機器である。
遮断器コントローラ29は、遮断器28をオン/オフして作動させる。
例えば、遮断器コントローラ29が遮断器28をオンすると遮断器28が三相交流の流れを導通し、遮断器コントローラが遮断器28をオフすると遮断器28が三相交流の流れを遮断する。
充電時は遮断器28はオフ状態であり、必要な箇所の遮断器42のみがオンしており、充電状態である。不平衡の可能性もあるが、第二基準値以内であれば充電を継続し、基準値を越えたときに、遮断コントローラ29は、全ての遮断器42をオフし、充電を中断する。
【0030】
3つの単相交流線路30は、三相3線式線路のうちの任意の2線を組み合わせて互いに異なる3つの単相交流を各々に引きだす線路である。
三相交流3線式線路の3つの電線をA線、B線、C線と符号を付すと、3つの単相交流線路は、A線とB線とを組み合わせた単相交流線路30aとA線とC線とを組み合わせた単相交流線路30bとB線とC線とを組み合わせた単相交流線路30cとで構成される。
【0031】
給電機器40は、3つの単相交流線路30a、30b、30cを介して入力した3つの単相交流を複数の駐車空間11に各々に位置する複数の車両5へ各々に給電できる機器である。
給電機器40は、3つの単相交流線路30a、30b、30cから各々に入力した単相交流を複数の駐車空間11に各々に位置する複数の車両5に各々に給電する流れを複数の車両5の各々ごとに導通または遮断できてもよい。
例えば、給電機器40は、3つの単相交流線路30a、30b、30cから各々に入力した3つの単相交流を複数の駐車空間11に各々に位置する複数の車両5に各々に給電する流れを複数の車両5の各々ごとに導通または遮断できる。
例えば、給電機器40は、複数の充電コントローラ41と複数の遮断器42と遮断器コントロータ43と給電回路44と給電端子45とで構成される。
充電コントローラ41は、単相交流線路30を介して単相交流を入力して車両5へ給電する電気機器である。
例えば、充電コントローラ41は、車両へ給電される単相交流の電流の値を計測し、電流の値が一定時間だけ、一定の電流値以下の値を維持すると、給電を終了する。
一定の電流値が、電動車両に給電を開始した際の電流に所定の割合を掛けた値であってもよい。
遮断器42は、単相交流線路30からパレットに位置する車両へ給電する流れを導通または遮断できる電気機器である。
例えば、遮断器42は、単相交流線路30と充電コントローラとの間に設けられる。遮断器42は、単相交流線路30から充電コントローラへ給電する流れを導通または遮断できる。
例えば、遮断器42は、充電コントローラに内蔵される。
遮断器42は、遮断器42aと遮断器42bと遮断器42cとで構成される。
遮断器42aは、単相交流線路30aから入力した単相交流をパレット14に位置する車両5へ給電する流れを、車両の各々ごとに導通または遮断できる。
遮断器42bは、単相交流線路30bから入力した単相交流をパレット14に位置する車両5へ給電する流れを、車両の各々ごとに導通または遮断できる。
遮断器42cは、単相交流線路30cから入力した単相交流をパレット14に位置する車両5へ給電する流れを、車両の各々ごとに導通または遮断できる。
遮断器コントローラ43は、遮断器42をオン/オフする機器である。
遮断器コントローラ43が遮断器42をオンすると給電機器40が車両への給電の流れを導通でき、遮断器コントローラ43が遮断器42をオフすると給電機器40が車両への給電の流れを遮断できる。
給電回路44は、充電コントローラ41と給電端子45とを導通する回路である。
給電端子45は、駐車機構に固定される端子である。車両を乗せたパレットを駐車空間11に置くと、給電端子45を経由して車両に給電される。
【0032】
補機50は、三相電動機13以外の電動機、照明、制御装置、等である。
【0033】
運転モードを作動モードと給電モードとの間で切り替えることをできる。
作動モードは、インバータが三相3線式線路に出力する電力を三相電動機へ給電するモードである。
給電モードは、インバータが三相3線式線路に出力する電力を3つの単相交流線路を介して給電機器へ給電するモードである。
例えば、運転モードが作動モードであるときと、コントローラがインバータ23をPWM制御して三相電動機をインバータ制御する。
例えば、運転モードが給電モードであるときに、コントローラがインバータ23をPWM制御して、三相3線式線路に一定周波数、一定振幅電圧の交流電力を給電する。
作動モードでの基準値である第一基準値と給電モードでの基準値である第二基準値とが異なる値をもってもよい。
例えば、第一基準値が作動モードで不平衡が生じたときに三相電動機を保護できる値である。
例えば、第二基準値が給電モードで不平衡が生じたときにインバータ23に機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値である。
例えば、第二基準値に対応するばらつきが、第一基準値に対応するばらつきより大きい。
給電モードにおいて、ばらつきが基準値を越えない様に、給電機器が3つの単相交流線路から各々に入力した3つの単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる。
【0034】
以下に、本発明の実施形態にかかる駐車装置の制御方法を、図を基に、説明する。
図3は、本発明の実施形態にかかる駐車装置の制御フローチャート図である。
本発明の実施形態にかかる駐車装置の制御方法は、準備工程と作動工程と給電工程とで構成される。
準備工程は、駐車機構10と駆動機器20と3つの単相交流線路30と給電機器40とを準備する工程である。
駐車機構10と駆動機器20と3つの単相交流線路30と給電機器40の構成は、本発明の実施形態にかかる駐車装置の構成と同じなので、説明を省略する。
【0035】
作動工程は、インバータが三相3線式線路に出力する電力を三相電動機へ給電する工程である。
例えば、コントローラ27がインバータ23をPWM制御して、インバータ23が三相3線式線路を介して三相電動機13をインバータ制御する。
【0036】
給電工程は、インバータ23が三相3線式線路24に出力する電力を3つの単相交流線路30を介して給電機器40へ給電する工程である。
例えば、コントローラ27がインバータ23をPWM制御して、インバータ23が一定周波数の一定振幅電圧の交流を3つの単相交流線路30へ出力する。
【0037】
作動工程と給電工程との間で工程を切り替えることをできる。
【0038】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
駆動機器20に内蔵されるインバータ23が複数の駐車空間11に車両5を移載できる車両移載機器12を作動させる三相電動機13を駆動し、インバータ23が三相交流を出力する三相3線式線路の任意の2線を組み合わせて単相交流を引きだす3つの単相交流線路を分岐し、3つの単相交流線路30を介して入力した3つの単相交流を複数の駐車空間11に各々に位置する複数の車両5へ給電し、インバータ23が三相電動機13を駆動する作動モードと3つの単相交流線路30a、30b、30cを介して給電機器40へ給電する給電モードとを切り替える様にしたので、駐車機構10を作動させるときは駆動機器20から出力する電力を駐車機構10の作動に用い、駐車機構10を作動させないときは駆動機器20から出力する電力を車両5で給電することをできる。
また、インバータ23での不平衡の程度を判断するために三相3線式線路24に作用する負荷のばらつきと比較するために設けた基準値を作動モードと給電モードとで異なる値をもつ様にしたので、作動モードのときは三相電動機の故障監視を行い、不具合のときに、遮断コントローラ29が遮断器28をオフして電動機を停止させ、給電モードのときは不平衡の許容範囲内で充電を続け、許容範囲を越えたらインバータ23からの信号により、遮断コントローラ43から遮断器42の全てをオフし充電を中断させる。
また、第一基準値が作動モードで不平衡が生じたときに三相電動機を保護できる値にし、第二基準値が給電モードで不平衡が生じたときにインバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値にしたので、作動モードと給電モードとの各々のモードに適した不平衡管理をできる。
また、給電モードにおいて、給電機器40が3つの単相交流線路30から入力した3つの単相交流を複数の駐車空間11に各々に位置する複数の車両5に給電する流れを車両毎に導通または遮断してばらつきが基準値を越えない様にする様にしたので、インバータ23の不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
また、インバータ23での不平衡の程度を判断するために三相3線式線路24に作用する負荷のばらつきと比較するための基準値をもうけ、給電モードにおいて、給電機器40が3つの単相交流線路30a、30b、30cから入力した3つの単相交流を複数の駐車空間11に各々に位置する複数の車両5に給電する流れを車両毎に導通または遮断してばらつきが基準値を越えない様にする様にしたので、インバータ23の不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
【0039】
また、本発明の実施形態に係る駐車装置の制御方法は、その構成により、以下の効果を有する。
駆動機器20に内蔵されるインバータ23が複数の駐車空間11に車両を移載できる車両移載機器12を作動させる三相電動機13を駆動し、インバータ23が三相交流を出力する三相3線式線路24の任意の2線を組み合わせて単相交流を引きだす3つの単相交流線路30を分岐し、3つの単相交流線路30を介して入力した3つの単相交流を複数の駐車空間11に各々に位置する複数の車両5へ給電し、インバータ23が三相電動機13を駆動する作動工程と3つの単相交流線路30を介して給電機器40へ給電する給電工程とを切り替える様にしたので、駐車機構10を作動させるときは駆動機器20から出力する電力を駐車機構10の作動に用い、駐車機構10を作動させないときは駆動機器20から出力する電力を車両5で給電することをできる。
また、インバータ23での不平衡の程度を判断するために基準値を三相3線式線路24に作用する負荷のばらつきと比較するために設け、基準値を作動モードと給電モードとで異なる値をもつ様にしたので、作動モードと給電モードとに合わせた不平衡管理をできる。
また、第一基準値が作動工程で不平衡が生じたときに三相電動機を保護できる値にし、第二基準値が給電工程で不平衡が生じたときにインバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値にしたので、作動工程と給電工程との各々のモードに適した不平衡管理をできる。
また、給電工程において、給電機器40が3つの単相交流線路30a、30b、30cから入力した3つの単相交流を複数の駐車空間11に各々に位置する複数の車両5に給電する流れを車両ごとに導通または遮断してばらつきが基準値を越えない様にする様にしたので、インバータ23の不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
また、インバータ23での不平衡の程度を判断するために三相3線式線路24に作用する負荷のばらつきと比較するための基準値をもうけ、給電工程において、給電機器40が3つの単相交流線路30a、30b、30cから入力した3つの単相交流を複数の駐車空間11に各々に位置する複数の車両5に給電する流れを車両毎に導通または遮断してばらつきが基準値を越えない様にする様にしたので、インバータ23の不平衡を大きくすることなく給電を続けることをできる。
【0040】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
説明では、エレベータ方式駐車機構を採用した駐車装置を例にして説明したがこれに限定されず、メリーゴーランド方式駐車機構、エレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構、運搬格納方式駐車機構、二段方式・多段方式駐車機構のどれを採用した駐車装置であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
H 昇降空間
5 車両
6 充電ケーブル
10 駐車機構
11 駐車空間
12 車両移載機器
13 三相電動機
14 パレット
15 入出庫空間
20 駆動機器
21 整流部
22 平滑部
23 インバータ
24 三相3線式線路
25 不平衡検知部
26 波形整形部
27 コントローラ
28 遮断器
29 遮断器コントローラ
30 単相交流線路
30a 単相交流線路A
30b 単相交流線路B
30b 単相交流線路C
40 給電機器
41 充電コントローラ
42 遮断器
43 遮断器コントローラ
44 給電回路
45 給電端子
50 補機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0042】
【特許文献1】特開2006−287993号
【特許文献2】特開2006−005980号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車させる駐車装置であって、
車両を駐車させる複数の駐車空間と車両を前記駐車空間に移載できる車両移載機器と前記車両移載機器を作動させる三相電動機とを有する駐車機構と、
三相交流電源を直流電圧に変換する整流部と前記直流電圧を入力して三相3線式線路へ三相交流を出力して前記三相電動機を駆動できるインバータと前記三相3線式線路に作用する負荷の不平衡を検知する不平衡検知器とを有する駆動機器と、
前記三相3線式線路のうちの任意の2線を組み合わせて互いに異なる3つの単相交流を各々に引きだす3つの単相交流線路と、
3つの前記単相交流線路を介して入力した3つの単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両へ各々に給電できる給電機器と、
を備え、
運転モードを前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を前記三相電動機へ給電するモードである作動モードと前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を3つの前記単相交流線路を介して前記給電機器へ給電するモードである給電モードとの間で切り替えることをできる、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきを測定して該ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力でき、
前記作動モードでの前記基準値である第一基準値と前記給電モードでの前記基準値である第二基準値とが異なる値をもつ、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記第一基準値が前記作動モードで不平衡が生じたときに前記三相電動機を保護できる値であって、
前記第二基準値が前記給電モードで不平衡が生じたときに前記インバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値である、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記給電モードにおいて前記ばらつきが前記基準値を越えない様に前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる、
ことを特徴とする請求項3に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきを測定して該ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力でき、
前記給電モードにおいて前記ばらつきが前記基準値を越えない様に前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項6】
車両を駐車させる駐車装置の制御方法であって、
車両を駐車させる複数の駐車空間と車両を前記駐車空間に移載できる車両移載機器と前記車両移載機器を作動させる三相電動機とを有する駐車機構と三相交流電源を直流電圧に変換する整流部と前記直流電圧を入力して三相3線式線路へ三相交流を出力して前記三相電動機を駆動できるインバータと前記三相3線式線路に作用する負荷の不平衡を検知する不平衡検知器とを有する駆動機器と前記三相3線式線路のうちの任意の2線を組み合わせて互いに異なる3つの単相交流を各々に引きだす3つの単相交流線路と3つの前記単相交流線路を介して入力した3つの単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両へ各々に給電できる給電機器とを準備する準備工程と、
を備え、
前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を前記三相電動機へ給電する作動工程と、
前記インバータが前記三相3線式線路に出力する電力を3つの前記単相交流線路を介して前記給電機器へ給電する給電工程と、
を備え、
前記作動工程と前記給電工程との間で工程を切り替えることをできる、
ことを特徴とする駐車装置の制御方法。
【請求項7】
前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきを測定して該ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力でき、
前記作動工程での前記基準値である第一基準値と前記給電工程での前記基準値である第二基準値とが異なる値をもつ、
ことを特徴とする請求項6に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項8】
前記第一基準値が前記作動工程で不平衡が生じたときに前記三相電動機を保護できる値であって、
前記第二基準値が前記給電工程で不平衡が生じたときに前記インバータに機能不全を起こさせない範囲、または三相交流電源に不都合な影響を与えない範囲で最大限に許容できる値である、
ことを特徴とする請求項7に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記給電工程において前記ばらつきが前記基準値を越えない様に前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる、
ことを特徴とする請求項8に記載の駐車装置の制御方法。
【請求項10】
前記不平衡検知器が前記三相3線式線路に作用する負荷のばらつきを測定して該ばらつきが所定の基準値を越えるときにエラー信号を出力でき、
前記給電工程において前記ばらつきが前記基準値を越えない様に前記給電機器が3つの前記単相交流線路から各々に入力した単相交流を複数の駐車空間に各々に位置する複数の車両に各々に給電する流れを複数の車両の各々ごとに導通または遮断できる、
ことを特徴とする請求項6に記載の駐車装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−44770(P2012−44770A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183354(P2010−183354)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】