説明

骨組織の成長の育成および保存のための方法および組成物

骨組織の増加を必要とする患者における骨組織の増加方法であって、患者の骨組織の内部に、骨組織の内部に足場を形成するために十分な量の生体適合性のある物質を投入することを含み、ここで前記足場は、前記骨組織の内部で新しい骨が形成されるのを補助する機能を果たし、および前記患者に、前記患者における少なくとも1つの同化剤の血中濃度が上昇するように十分な量の少なくとも1つの骨組織増加剤を投与することを含む。当該方法は、さらに、新しい骨組織の成長の再吸収を実質的に防止するのに十分な量の少なくとも1つの再吸収阻害剤を患者に投与することを含む。他の実施の形態において、当該方法はさらに前記患者における骨芽細胞活性の上昇を機械的に誘導するステップを含み、ここで前記同化剤の血中濃度の上昇と、骨芽細胞活性の上昇は少なくとも部分的に時間的に重なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に患者における骨組織の育成および保存のための方法および組成物に関する。より特定的には、本発明は、たとえば骨折の部位、骨密度の減少した骨格の領域、および/または海綿様骨構造が欠如している長骨の一部位のような場所における迅速な骨組織の形成、そしてその後の内部骨格または足場であって、その上に新しく生産された骨組織が固定され成長されるものを提供することによって、そのような場所における追加の骨組織の成長を育成する間に形成された、新しい骨組織の保存を含む。新しく形成された骨組織が徐々に吸収されるのを減少することを目的として、再吸収阻害剤を任意に投与することができる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
骨格の骨組織は完全に固体であるわけではない。たとえば、皮質骨のような外側の骨組織は、実質的に固体であるが、少しのハーバス管を有している。しかしながら、皮質骨の内側には、海綿骨(または骨梁)として知られている海綿状の骨組織が存在している。海綿状の骨組織は蜂の巣状の構造を有する骨梁からなり、その骨梁は、複数の空間または空洞が、流動状の骨髄、幹細胞、そしていくつかの脂肪細胞で満たされている。これらの髄腔内には、とりわけ、現存する骨組織を破壊するのを助ける、高度に分化されたさまざまな細胞(破骨細胞)や、それに対して、破壊された骨または外傷や病気などの要因によって失われた骨と置換えるために、新しい骨組織を製造する細胞(たとえば骨芽細胞)が存在する。
【0003】
上述のとおり、骨組織の物理的な構造は、外傷や病気を含むさまざまな理由によって危険にさらされる。骨の病気で最も一般的なものの1つに骨粗しょう症がある。骨粗しょう症とは、骨組織の質量が低いこと、および骨組織の構造劣化によって特徴付けられ、それは、骨の脆弱性および特に臀部脊椎および手首の骨折への感受性の上昇をもたらす。骨粗しょう症は、骨組織の再吸収の速度が、骨組織の形成の速度を超えるといった不均衡の存在する場所で起きる。これは、一部分においては、破骨細胞によって3日間で破壊された骨の量を再構成するのに、骨芽細胞は6日間を要するという事実に起因する。たとえば、55歳までに、平均的な骨粗しょう症の女性は、既に骨質量の30%を失っている。
【0004】
骨粗しょう症は、更年期に急激に加速し、そして70歳以上の女性の3番目の死因となっている。この病気はまた、男性も苦しめており、その数は全骨粗しょう症の患者の20%を占めている。75歳までには、全女性の約90%および全男性の約33%が骨粗しょう症にかかるであろう。この病気は1年間に150万の骨折を生じ、その結果、年間の米国での医療費は、180万ドルを超えている。50歳以上の女性のうち2人に1人および男性の8人に1人は、生涯に、骨粗しょう症性骨折を生じるであろう。これらのうちで股関節骨折を患った者は、5人のうち1人は、1年以上成長することができない。これまでのところ、罹患者の10%未満が、処方薬によって骨粗しょう症の治療を受けている。
【0005】
これらの処方薬は典型的には、少なくとも1つの骨組織増加剤を含む。ここで“骨組織増加剤”という単語は、骨組織同化剤、および、患者内で生産される内因性の骨組織同化剤の血中濃度を上昇させる薬剤を含み、これらに限定されない。骨組織同化剤として知られる骨組織増加剤は、当該技術分野で公知である。骨組織同化剤は一般的に、副甲状腺ホルモンおよびアミド化されたまたは遊離酸の形状のさまざまな副甲状腺ホルモン断片、PTHrPおよびそれらのアナログ、プロスタグランジンE−2、骨形態形成タンパク質、
IGF−1、成長ホルモン、繊維芽細胞成長因子TGFおよびその他を含み、これらに限定されない。一方、内因性の骨組織同化剤の発現を増加させる薬剤は、calcilytic剤、スクレロスチンに対する抗体を含み、これらに限定されない。calcilytic剤は典型的に、しかしこれは必須ではないが、カルシウムがその受容体に結合するのを制限する薬剤を含み、それによって内因性の副甲状腺ホルモンの放出が引き起こされる。これらの物質の例は米国特許第6,362,231号、第6,395,919号、第6,432,656号および第6,521,667号に記載されており、これらの内容を本願に引用して援用する。
【0006】
たとえば骨密度の上昇を目的として、上述されたような骨組織同化剤を投与することは、しかしながら、しばしば長期の治療計画を含み、そしてそれは患者のコンプライアンス問題を伴っている。加えて、このような治療方法は、骨格系全体を標的として全身的作用を引き起こし、それゆえ、これは1つまたはそれ以上の特定の骨組織に対する効果をもたらす、標的化されたものではなく、またなり得ない。
【0007】
したがって、たとえば骨組織の質量が減少している患者において骨組織の形成を誘起したり、それによって生産された新しい骨組織の成長を保存することを手助けする、迅速で、より標的化された方法を提供するために、本発明の共同発明者のうち何人かは、骨組織形成の育成および保存方法であって、前述された先行技術の欠点を克服する方法を開発した。当該方法は、追加の骨組織の成長が必要とされる患者の、1つまたはそれ以上の標的化された骨における、骨芽細胞活性の上昇を、機械的に誘導するステップと、それと結び付けて患者において少なくとも1つの骨組織同化剤の血中濃度を増加させるステップを含み、ここで上記のステップはどのような順番で行なわれることができるが、これらは骨組織同化剤の濃度の上昇、および、骨芽細胞活性の上昇の機械的誘導が、少なくとも一部分重なるほど、十分に近い時間に行なわれるものである。上記の方法はたとえば、2005年5月11日提出の米国特許出願番号第11/128,095号、および2005年11月7日提出の米国一部継続出願番号11/267,987号に記載されている。これらの出願の両方の内容を本願は引用して援用する。上述されたように、当該方法は、たとえば修復、補強、再形成および/または改造の効果のために、特定の骨組織を特別に標的化することができる。
【0008】
たとえ上述の方法が、追加の骨組織の成長のための標的化された場所に、十分な量の海綿骨が提供され、そして新しい成長の補助をする骨格として提供されるように、新しい骨組織の成長および保存に特に有効であるとわかっても、骨組織同化剤のみの作用によって生産された新しい骨組織は、たとえそれが内因性のものであってもそうではないとしても、足場として提供される十分な量の海綿骨の欠如のある場所の骨を置換するのに理想的なものではない。さらに、PTHの使用および他の同化剤は、増加する骨組織の再吸収に起因する穴である骨梁における隙間を埋めるのに十分ではない。増加剤(同化剤を含みこれに限定されない)によって生産された骨組織のうち、徐々に上述のように骨の足場材料が欠乏している場所でのこのような再吸収によって失われるものもある。このような再吸収を防ぎ、または少なくとも最小限に留めるこれまでの努力は、当該技術分野において公知の再吸収阻害剤の投与を含む。これらの薬剤は、たとえば、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、エルカトニン、豚カルシトニン、鶏カルシトニン、SERMS(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)、ビスフォスフォネート、ラネリック酸ストロンチウムおよびこれらの組合せを含むがこれらに限定されない。このような再吸収阻害剤の投与は、新しく形成された骨組織を保護することができる。しかしながら、同化剤の存在によって促進された初期の噴出的成長に形成された新しい骨の一部または全部は、そうは言っても、患者自身によって再吸収されることがある。このようにして、骨格強度および/または補強の上昇といった新しい骨の効果は害されることになる。
【0009】
しかしながら、本発明者らによって、このような特定な場所に生体適合性のあるマトリックスを形成する物質を投入することによって、新しく標的化された骨組織が失われることを防ぐことが発見された。なぜならその物質は、追加の骨の成長を可能とする補助を提供するからである。さらに、このような生体適合性のあるマトリックスを投入することは、長骨、たとえば上腕など、の骨幹内の場所において、骨組織が合成されることをより可能とすることがわかった。
【0010】
説明のために記載すると、骨が細くなること、およびこれに伴う骨折を含むこのような細くなることに起因する骨の損傷の解決が困難である、典型的な部位の一つは、脊椎の脊椎骨である。椎体形成術および椎骨形成術は現在米国において一般的に使用されているが、脊椎の増加のための外科的手段であり、さらに脊椎圧迫骨折に伴う痛みを処理するものである。これらの手順の両方ともが、X線ガイダンスおよびtranspedicularまたはparapedicular術を、液体セメントを注射するために椎体に接近するために使用する。当該セメントはその後、弱くなりおよび痛みを伴う脊椎骨を増加するために固められる。最も単純な手順は椎体形成術である。この技術はたとえば、米国特許第6,273,916号で議論されており、その内容を本願は引用して援用する。さらに近年の技術で、より一般的になっているものには、椎骨形成術があり、それは高さを回復するためにバルーンを膨張させることを含み、そしてバルーンによって形成された空洞に骨セメントを注入する。
【0011】
これらの方法で使用される非常に一般的な骨セメントにはポリメチルメタクリレート(“PMMA”)がある。PMMAの使用はさまざまな専門的な雑誌に掲載されている:(a)“静脈造影法の前処置を伴わない経皮的な椎体形成術は安全であるか?205の連続的な手順の評価”,Cristiana Vasconcelos, Philippe Gailloud, Norman J. Beauchamp,
Donald V. Heck, および Kieran J. Murphy, AJNR Am J Neuroradiol 23:913-917, June/July 2002 (“Vasconcelos”);(b)“骨セメント:経皮的な椎体形成術における生理化学的および生物化学的な特性の考察”,Matthew J. Provenzano, Kieran P. J. Murphy, および Lee H. Riley III, AJNR Am J Neuroradiol 25:1286-1290, August 2004 (“Provenzano”);(c)“アクリル系骨セメントの化学および画像誘導治療における臨床での使用結果”, David A. Nussbaum, M S, Philippe Gailloud, MD, および Kieran Murphy, MD., J Vasc Interv Radiol 2004; 15 Page 1. (“Nussbaum”)。これらの論文の内容を、本願は引用して援用する。
【0012】
PMMAはアクリル系骨セメントである。これは粘着性があるものではなく、徐々に骨組織に溶け込むものでもなく、しかしながら著しく強度が高い。たとえば、PMMAは構造物において、セメント内の鉄筋のように働く。しかしながら、PMMAの使用は重要な欠点を有している。それはPMMAは、その周囲にある骨梁構造の役割に取って代わることによって、骨密度を維持する力を取除く、または減少させることが知られている。そして骨組織の成長に貢献している電荷を取除き、または減少させてしまう。
【0013】
さらに、PMMA粉体を溶かすためのモノマー溶液は毒性を有することがあり、そして死亡および心停止のような合併症と関連する(Nussbaum文献参照)。さらに、PMMAの高い圧縮強度は、近接する脊椎骨に適合しない高い力を与えるため、近接した椎体の骨折を引き起こす。これはPMMAの注入によって椎体が堅くなりすぎるためである。これらの近接部位の骨折は当節の8から10%で生じている。
【0014】
PMMAの有望な代替品として、生物学的活性のある骨セメントまたは生体適合性のあるポリマーがある。生物学的活性のある骨セメントは、PMMAの使用が直面するいくつかの困難を取除くことができる。たとえば、生物学的活性のある骨セメントは、PMMAに比べて低い強度である。したがってそれらが注入された場合、椎体の堅さはより小さくなる。しかしながら、たとえば椎骨増強剤の使用には、それに固有の多くの問題がある。
たとえば、生物学的活性のある骨セメントは、注射するのが非常に難しく、それらは天然の放射線濃度を欠如しており、そしてそれらは通常数ヶ月または何年にも亘って十分に溶け込まない。さらに、いくつかの生物学的活性のある骨セメントは、固まってそして安全となるまでに数時間を要する。より一般的には、これらのセメントのうちいくつかは死亡が報告されている。これは、注入されたセメントのpHに関与し、またはカルシウムが循環系に漏れ、結果として播種性凝固を引き起こすことに関係すると思われる。しかしながら現在では、生物学的活性のある骨セメントを脊椎増加手順においてどのように使用するかについて殆ど知識がない。
【0015】
脊椎増加に使用される生物学的活性のあるセメントは、リン酸カルシウムである。リン酸カルシウムセメントは粉体およびこの粉体を溶かすための溶液からなる。これらは臀部、脊椎および手首の手術に広く用いられ、ならびに頭蓋の制限(cranial restriction)にも用いられている。リン酸カルシウムセメントには、2つの異なる族が存在する。1つのグループは発熱反応を受け、一方他のグループは吸熱反応を受ける。1つのグループはブルスカイト(bruschite)セメントと呼ばれる族に属している。他のグループは最終的に骨組織の前駆体である、ヒドロキシアパタイトを形成する族に属している。リン酸カルシウムの粉体と水溶液を混ぜると、ペーストとなり、それは数分から数時間で固まる。したがってこれらは注射に適しておらずそしてX線ガイダンスの下で視覚化するのに適しておらず、それゆえ脊椎増加技術での使用が難しくなっている。さらに、それらが骨組織に到達すると、これらは骨梁構造に残っている骨芽細胞および破骨細胞に影響を与えられる。仮に骨梁構造が残存していない場合は、周辺の骨セメントは骨表面の骨内膜に溶け込む。しかし椎体の固まりの中に位置する骨セメントは、変わらぬ形状で残り、それは張力の低いそして圧縮密度の低い脆いセラミックであり、長期に亘る負の影響の可能性がある。
【0016】
上述の先行技術の欠点を考慮すると、骨梁を構成する骨の足場が欠如した骨において、骨の形成をより迅速におよびより効果的にする方法、そしてそれはこのようにして生産された新しい骨のある程度の保存の促進を伴う方法が、長年に亘って当該分野に従事している者に必要とされている。本発明は、後述するように、見事にこれらの必要とされる機能を満足している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって本発明の目的は、新規および非自明の、必要であるすべての部位における標的骨組織の比較的迅速な成長を誘導し、そしてその間に得られた新しい新規の骨組織の成長を保存し、および増加させる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一般的に、下記にさらに詳述されるように、本発明は、生物学的活性のあるセメントまたは他のマトリックス形成物質を骨の内部に投入して、その場所における新しい骨の成長を引き起こし、その結果そのセメントまたは他のマトリックス物質を、新しい骨と共に現存する骨構造に溶け込ませる方法を提供する。本発明の一実施の形態において、たとえば灌注による間質細胞の除去は、標的化された新しい骨の成長の刺激として用いられ、ここで骨組織の増加組成物は、たとえば反応を長引かせる骨組織同化剤であり、そしてここでマトリックス形成物質は、骨の内部で骨梁が欠如している空間を埋め、そしてこのような骨梁が十分でない場所、およびこのような骨梁が全く欠如している場所における新しい骨組織の成長の足場を提供する。たとえば、再吸収阻害治療の後に行なわれる骨髄灌注の周期的なパラダイム、および、それとともに行なわれる同化剤の投与、および骨組織内部への生体適合性のあるマトリックスの投入が、本発明において想定される。
【0019】
本発明の一実施の形態において、本発明は、骨組織の貧乏している患者における骨組織
の増加の方法を提供する。ここで、当該方法は、骨の内部に足場を形成するのに十分な量の生体適合性のある物質を、患者の骨組織の内部に投与することを含む。ここで足場は、骨組織内部で新しい骨が形成されるのを補助する。そして当該方法は、患者において少なくとも1つの同化剤の血中濃度が上昇するように、少なくとも1つの増加剤の十分な量を患者に投与することを含む。
【0020】
他の実施の形態において、本発明は、骨組織の貧乏している患者において、骨組織を増加する方法を提供する。ここで当該方法は、患者において骨芽細胞活性を上昇させることを機械的に誘導すること、骨芽細胞活性の上昇が誘導されている患者における骨組織の内部に、骨組織の内部に足場を形成するのに十分な量の生体適合性のある物質を投入すること、ここで足場は骨組織の内部に、新しい骨組織を形成するのを補助する役割を果たす、そして患者に、患者における少なくとも1つの骨組織同化剤の濃度が上昇するように十分な量の、少なくとも1つの骨組織増加剤を投与すること、ここで患者における骨組織同化剤の血中濃度の上昇と骨芽細胞活性の上昇は、少なくとも部分的に時間的に重なる、を含む。
【0021】
さらに一実施の形態において、本発明は、そこで形成された新しい骨組織の再吸収を実質的に防ぐための、十分な量の骨梁の足場が欠如している骨組織の内部における骨の成長を育成および保存するキットである。当該キットは、追加の量の足場を形成するのに適用される、少なくとも1つの生体適合性のある物質を有する少なくとも1つの容器、および、骨組織同化剤を有する少なくとも1つの容器を含む。
【0022】
さらに一実施の形態において、本発明は、実質的に新しく形成された骨組織の再吸収を抑制するための、十分な骨梁の足場を欠如している骨組織の内部における、骨組織の成長の育成および保護のためのキットである。当該キットは骨組織の内部に追加の量の足場を形成するために適用される、少なくとも1つの生体適合性のある物質を有する少なくとも1つの容器、および骨組織増加剤を有する少なくとも1つの容器、および少なくとも1つの標的化された骨組織の髄腔の内容物を変化させる機械的改変器具を含む容器からなる。
【0023】
本発明を、単なる一例として、特定の実施の形態および添付された図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】図1Aは、21日間および84日間の投与後それぞれの、ラットの大腿骨の中央部骨幹の断面図である。それぞれのグループは、(a)コントロール/骨髄除去なし(“BMX”)または同化剤、(b)BMX/骨髄除去単独、および(c)BMX+PTH−骨髄除去およびPTH1−34 NH2の21日間または84日間投与。さらにラットは屠殺の9,8,2および1日前にカルセインという蛍光染料を投与された。カルセインは骨組織に溶け込み、骨組織の成長および石化の指標として用いられる。
【図1B】図1Bは同じグループの動物において、マイクロ−CTと呼ばれる画像技術を使用した結果を表わす。この技術はコントロール、BMX、およびBMX+PTH1−34 NH2のラットで、PBS(緩衝剤)またはPTHを21日間または84日間それぞれ投与したものの、大腿骨の骨幹の骨髄腔の高分解能を提供する。
【図2】図2は本発明の一実施の形態に従った、骨組織の増加の方法を表わしている。当該方法は生体適合性のある骨セメントであり、しかし必ずしもそうでなくともよい、生体適合性のあるマトリックス物質の投与、およびこれと併せて行なわれる、骨組織同化組成物のような骨組織増加剤の投与を伴う。
【図3】図3は骨粗しょう症性骨折を有する脊椎骨の軸方向像を表わしている。ここで脊椎骨には、図2に示されるステップの1つの実施である、生体適合性のあるマトリックス物質(たとえば生物学的活性のある骨セメント)の投与が実施される。生体適合性のある物質は、持続的な骨組織の形成のための足場を提供するために、海綿骨を欠如している空間に注入される。
【図4】図4は骨組織同化剤のような骨組織増加剤の投与を表わしている。そしてこれは、図2で示されるステップの1つとして行なわれる。生体適合性のあるマトリックスは、マトリックスと結び付く、または混じり合う同化剤を含み得る。さらに、同化剤は交互に全身的に患者に投与され得る。
【図5】図5は骨粗しょう症を有する脊椎骨の軸方向像を表わしている。ここで脊椎骨には生体適合可能性のあるマトリックスのスラリーが投与され、これは図2で示されるステップの1つとして実行される。そして本発明の他の実施の形態に従って行なわれる。本実施例では、たとえば骨髄腔の少なくとも一部の灌注を通じて骨芽細胞活性の上昇を機械的に誘導すること、およびそれに伴って同化剤を投与することによる複合効果の影響を受ける残存した海綿骨が存在する。しかし完全な骨梁が欠如している領域には、生体適合可能性のある物質の導入が隙間を埋め、そして新しい骨の持続的な成長に必要な骨格を提供する。
【図6A】図6Aは生体適合可能性のある物質の投与後の84日目に達成された、持続的な骨の成長の程度を示している。本例においてはセメンテック(セメンテックLV,非化学量論的なヒドロキシアパタイトであり、酸および塩基のリン酸カルシウムを水溶液の存在下で反応させることによって調製する。Teknimid, 65500 VIV en Biggore, フランス)またはペプジェン−15(高純度の無生物性ウシ属移植材料であり、放射線不透過性であり、自原性の骨を再現するためにペプチド強化されたものである。Dentsply Friadent CeraMed Lakewood, コロラド州)。すべてのサンプルは、BMXが行なわれた大腿骨から採取された。グループは、1行目に示されている84日間の同化剤またはBPS(緩衝剤)の投与後のBMX、またはPTHの84日間の投与と併用または併用しない生体適合性のあるマトリックス(セメンテックまたはペプジェン−15)のスラリーの投与後のBMX、を含む。
【図6B】図6Bはマイクロ−CT造影技術を用いた、図6Aで報告されたものと同様の動物のグループから得られた結果を示している。この画像技術は、BMX+PBSまたはPBX+PTH処理から得られた大腿骨の骨幹の骨髄腔の高分解能分析を、たとえば除去のような工程で、その結果として骨芽細胞活性の増加を引き起こすものに続いて、髄腔内に生体適合可能性のある物質(セメンテックまたはペプジェン−15)を投入した大腿骨と比べたものを提供する。
【図7A】図7Aおよび7Bは本発明に係る方法によって形成された骨の組織を保存するために、再吸収阻害剤であるアレンドロン酸を投与したことに起因する効果を示している。以下の治療モダリティが含まれている:(a)BMX+PTH1−34 NH2を21日間+PBS(緩衝剤)を22−84日間;(b)BMX+PTH1−34 NH2を21日間+カルシトニンを22−84日間;(c)BMX+PTH1−34 NH2を21日間+アレンドロン酸を22−84日間;および(d)BMX+PTH1−34 NH2を1−84日間。
【図7B】図7Bは図7Aと同じグループの動物を大腿骨骨幹軸の骨髄腔の高分解能分析を提供するマイクロ−CT造影技術を用いた結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明の詳細な説明および好ましい実施の形態
上記の本発明の背景に関しての議論において指摘されたように、本発明者らによって、海綿骨が欠如している部位において、たとえば骨組織同化剤(例、副甲状腺ホルモン)のような骨組織増加剤の働きによって形成された新しい骨組織が、天然では不変ではなく、そしてこのような骨は実際は一定の同化治療(単独で)が適用された場合は、少なくとも部分的に再吸収されるということがわかった。この問題に取り組むために、本発明者らは、海綿骨“足場”が欠如している骨髄腔の中の新しい骨組織を保存するための、2つの異なる取組みを述べている。それは、たとえばビスフォソネートのような再吸収阻害剤の効
能があるものの循環、または、新しい骨組織の成長およびその維持を育成するのを補助する足場として働く生体適合性のある骨セメントのような(それに限られるわけではないが)、1つまたはそれ以上の生体適合性のある物質を投入することである。
【0026】
本発明を説明するのを簡便とすることを目的として、本発明に従って、標的とする骨組織の中に骨組織の成長を促進するために足場を形成するための物質を、以下においては通常“生物適合性のある物質”および/または“生物学的活性のある物質”と呼ぶ。以下、この用語は骨セメント(生体適合性のある骨セメント)のみならず、他の物質、たとえば、リン酸カルシウムまたはヒドロキシアパタイトのように、現在知られているもの、または今後見つかるもののポリマー、ゲルおよび/または発泡体、スラリーまたは懸濁液をも含み、これらは骨の内部の部分に必要な足場を形成する能力を提供する。
【0027】
加えて足場の効果を提供するのに十分な量の海綿骨を有する場所において、たとえば骨髄灌注を介した細胞活性の上昇を機械的に引き起こすこと、およびたとえば骨組織同化剤のような骨組織増加剤の投与を組合せることは、同化剤での治療の間に、骨組織の成長を維持するのに十分であることが判明した。しかしながら、骨梁微細構造が欠如している部位(たとえば図1Aおよび1B参照)、または危険にさらされている部位および/または多数の骨梁が穴が空いている場所の骨においては、生体適合性のある物質の導入は−前述の骨髄灌注および同化剤による処置と併せて−全体的な骨の同化および維持を上昇させる。海綿様骨構造を欠如している、長骨の骨幹における骨組織の再吸収は、たとえば骨組織同化剤を、追加の骨組織の成長の標的とされている骨組織における骨芽細胞活性の上昇の誘導とともに投与された場合にも生じることが確認されている。この技術はたとえば2005年5月11日提出の米国特許第11/128,095号、および2005年11月7日提出の米国特許第11/267,987号に記載されており、本願は引用することによって援用する。
【0028】
図1Aに示されるように、PTHの24時間の治療は、骨組織形成層を拡大し、それはBMXに続き、追加の骨組織の形成を導くものである。84日目では、骨組織の再構成が行なわれ、それはBMXおよびBMX+PTH群の21日目で見られた骨の実質的な一部分の再吸収を引き起こしている。この結果は、海綿骨ネットワーク(たとえば足場)を欠如している骨組織の領域においては、徐々に再吸収が起こるということを示唆している。
【0029】
図1Bを考察すると、BMXの21日目の結果として、髄腔内に多量の新しく形成された骨組織があることがわかり、それはPTHの24日間の処方によってさらに増加されることがわかる。これと対照に、PBSまたはPTHを84日間投与されたラットから採取したBMX−処理大腿骨の中央骨幹の骨髄は、もはや骨組織の形成を行なっておらず、実際は、もはや実質的な骨組織の量を含有していない。これらの結果は図1Aに示されているように、カルセインで標識された観察結果から確認される。
【0030】
上記に示されたように、たとえ骨組織の再吸収が、カルシトニンおよび/またはアレンドロン酸などの再吸収阻害剤の投与によって遅延されおよび/または減少されても、本発明による方法および組成物によって達成されるように、可能な程度まで、たとえすべての骨組織の欠如を除去することができなくても、減少させることは、明らかな理由によって好ましいものであり、そして本発明は長骨、臀部、脊椎および、実際は、海綿骨ネットワークを欠如している骨組織(または減少している)において有用である。したがって本発明は、標的化された骨組織の迅速および持続的な成長の達成のための方法および組成物を提供し、これは同時にこのようにして生産された新しい骨組織が、骨組織の特定の標的化された場所における再吸収などの要因に起因して欠如することの好ましい減少と併せて行なわれる。
【0031】
一実施の形態において、図2の符号100に示されるとおり、本発明は骨組織の増加のための方法を示しており、そして骨組織とは、固体の、たとえば大腿骨や上腕骨のような長骨、および脊椎骨のような長骨を含み、しかしこれに限定されない。ここでは、“増加”または“増加剤”とは、骨組織の内部に含まれている骨組織の量および/または密度の上昇を意味し、これは本発明の使用によって生産された新しく生産された骨組織の、その後の加速された再吸収を可能な限り完全に減少または防止することに対応する。
【0032】
上記は1つのステップに、増加されるべき骨組織の内部に、骨セメントのような生物学的活性のある物質を与えることを含む方法の使用によって達成される。骨セメントを含む生体適合性のある物質、しかしこれに限定されない、はX線写真上でコントロールされた方法または開腹手術を通じてもたらされる。本発明の方法での使用に効果的な、さまざまな生体適合性のある物質は以下により詳細に示される。
【0033】
生物学的活性のある物質は標的化された骨組織の内部の一部分に存在する海綿様骨構造に関連しており、たとえば骨折が起きた場所または骨密度の減少によって将来的に骨折が起きる危険性のある場所などのような所望な場所において、通常の骨組織の機能および強度を回復するために、追加の骨組織の形成を可能とする骨格として働く足場を形成する。徐々に、同化剤の存在下で、セメントおよび新しく形成された骨組織は現存する骨構造に溶け込まれていく。これは、たとえば骨セメントを単独で用いた場合には再生することのできない精巧な重量分配、圧縮剪断強度および再生特性を、通常の骨梁が有するという点から有利である。
【0034】
この議論においては、脊椎骨の増加が、しばしば本発明の例示として利用されている。しかしながら、本発明は脊椎骨の使用のみに限定されるものとして解釈されるものではない。すなわち、上述されているように、他の骨たとえば臀部、遠位大腿骨頸、橈骨遠位端、上腕骨近位、踵骨、肋骨、脛骨および仙骨、しかしこれらに限定されない、を含む上述のような他の骨を、本明細書に示されている方法によって増加する。
【0035】
ここで本出願の図3を参照して、脊椎は一般的に符号50で示される。脊椎骨50は骨粗しょう症性骨折または脊髄奇形を有しており、さらに骨組織の1つの型および、方法100の使用によって処置され得る対応する状態(たとえば骨折)を例示している。このようにして脊椎骨50を方法100を用いて処置するために、ステップ110が行なわれ、これは間質細胞を除去するための灌注の後に、生物学的に活性のある物質を投与することを含む。場合によっては、骨組織の内部に生体適合性のある物質を導入することは、間質細胞を除去するための方法として働くこともあるが、しかしより好ましい方法は、間質細胞骨髄を十分に除去するための灌注の前処理を含む。
【0036】
脊椎骨50のような脊椎骨の場合には、生体適合性のある物質の投与は、典型的には椎体形成術または椎骨形成術によって行なわれる。図2においては、脊椎骨50はステップ110の効果のために椎体形成術が行なわれている。この図面はしたがって、椎体形成術針54がtranspedicular アプローチによって挿入されており、針54の先端は、椎体58の内部に位置している。間質細胞の灌注および除去は、同じ針または間質細胞の灌注および収集のための、よりよい方法を提供する、改造された特別な針によって達成される。
【0037】
脊椎骨50でのステップ110の実行は、公知または将来予想される椎体形成術の技術を用いてもたらされることが理解され、それは適切な所望の針、画像ガイダンスモダリティおよびそのようなものを使用する。生体適合性のある物質(たとえば骨セメント)62の型は、このような選択肢に影響を与え、さらにステップ120の効果を出すために使用される選択肢を補完する手段として選択されるであろう。
【0038】
方法100を実行するための他の方法として、生体適合性のある物質と増加剤の投与が、別個の椎体への注射によっても達成され得る。したがって、セメントまたは生体適合性のあるマトリックス物質は、椎体の椎弓根の1つに注射され、そして骨組織増加剤は他の椎弓根または、生体適合性のあるものと同じ椎弓根を通じて、同側のアプローチを通じて注入されることができ、またはその代わりにそこで混ぜられる。同化剤も同様に全身的に投与される。
【0039】
本明細書に示される本発明の方法において、生体適合性のある物質とは、本発明の一実施の形態において、少なくとも1つの骨セメントを意味するものであり、これは本明細書において生物学的活性のある骨セメントとも記載される。適切な生体適合性のある物質とは、限定されるものではないが、リン酸カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、アルミン酸カルシウム、骨形態形成タンパク質、ポリマー、フィブリノゲン、合成フィブリン、コラーゲンゲル、コラーゲン+ヒドロキシアパタイト懸濁液およびこれらのさまざまな組合せを含む。これらの物質の特定の例示は、これは本発明を例示するためのみの目的で提供されるものであるが(およびこれらに限定されない)、(a)Alpha−BSM骨代替物質、骨組織の結晶構造の化学組成および結晶構造が設計された生物学的に再吸収可能な代替物質を含み、ETEX Corporation, Cambridge マサチューセッツ州によって販売されている;(b)コートス(Cortoss)合成皮質骨、2つの機能を有する架橋樹脂であって要求に応じて混ぜる2つのペーストによって提供される、Orthovita Corp., Malverne ペンシルベリア州により販売;(c)セメンテックLV、非化学量論的ヒドロキシアパタイトであって、水溶液存在下でリン酸カルシウムの酸および塩基の間の反応によって調製される、Teknimid lacated at 65500 VIC en Bigorre, フランスによって製造;(d)ペプジェンP−15,高純度の無生物のウシ属の移植材料であって、放射線不透過性の、自原性の骨組織を再現するためにペプチド強化されたもの、Dentsply
Friadent CereaMed Lakewood COP-Pによって販売;および(e)ノリアン(Norian)SRS(Skeletal Repair System、骨格修復システム)、注射可能、成形可能および生体適合可能性のあるリン酸カルシウムであり、体温で炭酸リン灰石に固定される、Synthes, Inc. located in West Chester, ペンシルベニア州によって販売、を含む。
【0040】
たとえば1つまたはそれ以上のセメントが短期間の安定性および/または痛みの除去を提供し、一方、他が長期間に亘る一体化および新しい骨組織の形成を提供するというような組合せを選択することは望ましいと考えられる。生体適合性のある物質の選択は、部位に特異的であろう。たとえば、股関節骨折の予防に用いられる生体適合性のある物質は、椎体形成術の間に脊椎骨を補強するのに使用される生物学的物質とは異なるであろう。さらに、殆どの場合、生体適合性のある物質は、容易に入手可能な状態で用いられることはないであろう。これはその処方および/または物理的状態は特定の適用のための必要に応じて変更されるものであり、たとえば、懸濁液、発泡剤またはジェルに転換したりおよび/またはこれらの物質が含まれている固体粒子濃度、大きさ、形状などの要素を変更することによって行なわれる。
【0041】
改良された骨セメントが、また本発明において有用であり、さらに骨セメントおよび増加剤を含む。このような改良された骨セメントに使用される骨セメントの例としては、セメンテックおよびセメンテックLVが含まれ、一方これらの改良された骨セメントに使用される増加剤の例としては、インシュリン関連成長因子(“IGF”)、rhPTH、GH、同化ビタミンDアナログ、低密度リボタンパク質受容体関連タンパク質5(LRP5)活性剤、またはスクレロスチンLRP5結合阻害剤、非ゲノム性エストロゲンシグナル活性剤(ANGELS)、骨組織形態形成タンパク質、成長ホルモン関連因子(GHRF)、幹細胞成長因子(HGF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)、形質転換成長因子(TGF)および/またはこれらの組合せを含む。
【0042】
本発明に従うと、ここに記載された実施の形態はさらにさらなるステップを構成することができ(たとえば、標的化された骨組織に、生物学的に活性のある骨セメントを導入することと併せて行なうことができ)、それは患者に骨組織同化剤を投与することを含む。骨組織同化剤がたとえば最大6ヶ月まで毎日患者に投与されることが思い描かれる。たとえば、骨組織同化組成物のような増加剤は、少なくとも骨セメントまたは骨組織増加剤のいずれかを用いた方法と比較して、骨セメントによって形成された足場の表面の骨梁の成長を促進またはそうでなければ強化することによって、そしてその後に骨組織の再吸収が減少するという結果をもたらすことによって役立つ。骨増加剤は適切な方法で投与されることができ、それは注射、静脈内(“IV”)、経口(“PO”)的、経皮的、経鼻的または経腸的であり、骨組織の内部に骨セメントを投入する間またはその後のいつでも適切な時間を含む。
【0043】
上述されるように、たとえば記述に従うと、たとえば、経皮的および経鼻的な投与では、薬剤は全身的にまたは骨セメントが導入される部位に直接投与され得る。骨組織増加剤の投与の時期および方法は、本技術分野の当業者の間でよく理解されている。すなわち方法100のステップは、示されているのとは違う順番で行なうことができ、または同時に行なうこともできる。骨組織増加剤は、上述されたように、骨組織同化剤または他の注入されたセメントの溶け込みを促進する薬剤であり得る。上記に示されるように、骨組織増加剤は、骨セメントによってもたらされるものとの結合効果を生じることがわかった。そして骨セメントは、生物学的に活性のある骨セメントを、通常骨粗しょう症患者の貧弱な品質の骨梁によって達成されるよりもより迅速に、実際の骨組織に転換することを補助する。骨組織同化剤が存在しないときは、骨セメントは再吸収される可能性があり、そしてその効果を減少させる。いくつかの有用な骨組織増加剤が以下に例示される。
【0044】
図4に例示されるような特定の実施の形態において、1つの好ましい骨組織同化剤の十分量が、たとえば、PTH[1−34]NH2が、たとえば針72によって患者68に投与され、患者における脈動血中濃度が約50から約350pg/ml、好ましくは約100から200pg/ml、および最も好ましくは約150pg/mlの間に維持されることが達成される。他の実施の形態では、PTH[1−34]NH2の患者の血中濃度は、ステップ110の実施から7日以内に好ましい水準まで上昇する。当業者によく理解されているように、適切なPTH[1−34]NH2は、所望の血中濃度を達成するように決められる。針を通じて組成物を注射する場合は、必ずしも必要ではないものの、その投与量は1日当たり約10から約200マイクログラム(“μg”)の間の範囲に、より好ましくは約1投与当たり約20から約100μgの間、およびより好ましくは1投与当たり約20から約50μgの間、またはより好ましくは1日1回投与量当たり約20から40μgの間となり得る。さらに本技術の当業者によく理解されているように、PTH[1−34]NH2以外の骨組織増加剤を含む注射可能な製剤の投与水準は、以下に詳述されるように、本明細書に記載されるものと整合性がある。希望するのであれば、PTH[1−34]OHもまた、上記に記載されているものと同一の方法を用いることができる。
【0045】
方法100を実行するための代替的な方法が、追加的に本発明の範囲に含まれることが意図される。ここで図5を参照して、脊椎骨は一般的に符号50aで示される。脊椎骨50aはまた骨粗しょう症性骨折を有し、そして1つの骨組織の型(脊椎骨)および方法100を用いて処置され得る対応する状態(骨折)を例示している。しかしながら本実施の形態においては、脊椎骨50aを処置するために用いる方法100、ステップ110およびステップ120は実質的に同時に行なわれる。図5は改良されたまたは誘導化された骨セメント62aを示している。図2は椎体形成術用針54aがトランスペディキュラー(transpedicular)に従って挿入され、針54aの先端は椎体58aの内部に位置している。針54aはまた、椎体58aの中に改良された骨セメント62aを絞り出していること
を示している。
【0046】
ここに示されている一実施の形態の一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的に活性な骨セメント(以下“生物学的物質”ともいう)が骨組織の内部にもたらされ、そして経口投与された骨組織増加剤は、セメントが、注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されることを、セメント粒子の上、中および/または周囲の骨組織の成長を促進することによって補助するために使用され、このように形成された追加の骨組織がより迅速に成長することの原因となり、そしてそれは骨組織増加剤またはセメントが単独で使用される方法よりも著しく再吸収の程度が小さい。
【0047】
他の例は骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的な物質は骨組織に運ばれ、そして増加剤が経鼻的に投与され、それは生物学的物質が注射された状態から、上述のように通常の天然の骨組織と同族の物質に統合され、そして転換されることを補助する。さらに他の一実施の形態の例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体において、骨粗しょう症性骨折の治療の方法を含み、ここで生物学的物質は骨組織に運ばれ、および増加剤が経皮的に投与され、それは生物学的物質が注射された状態から、通常の天然の骨と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0048】
さらに一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的物質が骨組織の内部にもたらされ、および注射された増加剤が注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質にそれが統合されおよび転換されることを補助する。
【0049】
さらに本実施の形態の一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的物質が骨組織にもたらされ、そして副甲状腺ホルモン(“PTH”)が生物学的物質が注射された形態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0050】
他の一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的物質が骨組織の内部にもたらされ、そして組み換え副甲状腺ホルモン(“rhPTH”)がそれが注射された状態から、通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0051】
本発明の一実施の形態のさらなる一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的物質は骨組織の内部にもたらされ、そしてカルシトニンがその注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0052】
さらに一実施の形態の他の一例は骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の骨における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的物質が骨組織の内部に輸送され、成長ホルモンがそれが注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0053】
他の追加の一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的物質が骨組織の内部にもたらされ、そしてインシュリン関連成長因子がそれが注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。さらなる一例は骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療の方法を含み、ここでリン酸カ
ルシウムからなる骨セメントが骨組織の内部にもたらされ、そして統合刺激剤がそれが注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0054】
他の一例は骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで骨セメントはカルシウムヒドロキシアパタイトからなり、骨組織の内部にもたらされ、そして統合刺激剤がそれが注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0055】
さらに他の一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここでリン酸カルシウムからなる骨セメントが骨組織の内部にもたらされ、そして統合刺激剤がそれが注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0056】
他の一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここでアルミン酸カルシウムからなる骨セメントが骨組織の内部にもたらされ、そして統合刺激剤がそれが注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0057】
本実施の形態のさらなる一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで骨形態形成タンパク質からなる骨セメントが骨組織の内部にもたらされ、そして統合刺激剤がそれが注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることを補助する。
【0058】
他の一例は脊椎骨折の治療を必要とする個人における脊椎骨折の治療方法を含み、ここでそれはインシュリン関連成長因子(“IGF”)がそこに組み込まれたセメントを用い、それは脊椎骨にもたらされる。この方法はさらにカルシトニンまたはPTHまたは他の骨組織増加促進剤をたとえば経口、経鼻、注射、経皮などのいずれかの適切な投与方法を用いたものを含む。
【0059】
さらに他の一例は骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的物質が骨組織の内部にもたらされ、さらに組み換え副甲状腺ホルモン(“rhPTH”)もセメントと一緒に骨組織の内部にもたらされ、それは局所の骨組織の成長およびセメントが注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることの促進剤として働く。
【0060】
さらに本発明の一実施の形態の一例は、骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする個人の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的物質が骨組織の内部にもたらされ、さらに組み換え副甲状腺ホルモン(“rhPTH”)およびインシュリン関連成長因子がセメントとともに骨組織の内部に、局所における骨組織の成長およびセメントがその注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることの促進剤としてもたらされる。
【0061】
他の一例は骨粗しょう症性骨折の治療を必要とする患者の体における骨粗しょう症性骨折の治療方法を含み、ここで生物学的物質は骨組織の内部にもたらされ、および組み換え副甲状腺ホルモン(“rhPTH”)およびインシュリン関連成長因子もセメントとともに骨組織の内部に、局所における骨の成長およびセメントが注射された状態から通常の天然の骨組織と同種の物質に統合されおよび転換されることの促進剤としてもたらされる。同時に、経口/IVまたは他の方法による全身的な骨組織増加促進剤が、広範囲の骨密度が広く上昇するためにもたらされる。
【0062】
上述の本発明の例はさらなるステップを含むことができ、これは、空洞から、すべてまたは一部の間質細胞を除去することに応じて、骨組織の内部の骨髄腔の内容物を変化させることである。生体適合性のある物質の投与は、細胞を骨髄腔から出すことによってこの目的を達することができ、または他のたとえば灌注のような方法が、代替的に同一の目的のために用いられる。
【0063】
たとえば図6Aに示されるように、生体適合性のあるマトリックス物質およびそれに引続いてPTHの処理を受けた大腿骨における骨組織の形成の結果は、緩衝剤(PBS)単独のものよりも著しく良好である。この結果はBMXを生体適合性のあるマトリックスと組合せて用いることが、継続的な骨組織の増加を育成し、および追加のPTHはさらにこの反応を向上させることを示している。
【0064】
さらに図6Bに示されるように、BMX+PTH1−34NH2および生体適合性のある物質のいずれかは、生体適合性のある物質のみをBMXの後に使用するものよりも、よい結果をもたらした。この結果は図1Aに示されるようにカルセイン標識を使用して得られた観察で確認される。
【0065】
図7Aは骨髄除去(BMX)およびそれに続く21日間のPTHの処理、に応答して骨髄腔の中に形成された骨組織を示しており、PTHの処理は、続く63日間のカルシトニンまたはアレンドロン酸の処理によって保護されており、これは石化された骨に組み入れられたカルセインからの蛍光シグナルで表わされている。アレンドロン酸は強力な再吸収阻害剤であり、投与された量において、新しく合成された骨組織の優れた保護効果を有していた。対照的に、84日間PTHを処理されたラットからの大腿骨の除去された骨髄腔は、最小の蛍光ラベルを有している。カルセインは動物の屠殺の9、8、2および1日前に注射された。
【0066】
さらに、カルシトニンおよびアレンドロン酸は、骨髄除去(BMX)および21日間のPTH処理に応答する骨組織の形成を保護する。図7Aに示されるように、骨髄除去およびそれに続く21日間のPTHの処理に応答する骨組織の骨髄腔における形成は、次の63日間のカルシトニンまたはアレンドロン酸の投与によって保護され、それは石化された骨に組み入れられるカルセインからの蛍光シグナルによって表わされる。対照的に、84日間のPTHの処理を受けたラットの大腿骨の除去された骨髄腔は、もはや蛍光ラベルを含んでいない。
【0067】
さらに、図7Bは骨髄除去、およびそれに続く21日間のPTHの処置、およびそれに続く再吸収阻害薬剤のカルシトニンまたはアレンドロン酸のいずれかの継続的な処置をさらに63日間行なうものに応答して骨髄腔の中に形成された骨組織の、マイクロ−CT分析の結果を示している。カルシトニン、および、特にアレンドロン酸は、骨髄除去およびPTHによる21日間の処置に応答して形成された骨組織を保護する。対照的に、84日間PTHの処理されたラットの大腿骨の骨幹の除去された骨髄腔は、もはやX線上濃く写る骨組織を含んでいない。この結果によって、骨梁の海綿様ネットワークを欠如する解剖学的領域において、継続的なPTHの処置は骨組織の吸収という結果をもたらすことが確認される。しかしながら、ビスフォスフォネートの投与はそのような場所における新しく形成された骨組織を保護することができる。
【0068】
好ましい一実施の形態において、本発明の方法はヒトにも用いられる。しかしながら本発明はさらに獣医学の分野の適用も含む。
【0069】
これまで説明してきた実施の形態のさらなる代替として、本発明は、治療されるべき患
者における骨芽細胞活性を高めることを機械的に誘導するさらなるステップを含み、前記誘導は上述されたように患者に骨セメントのような生体適合性のある物質を投入すること、および骨組織同化剤のような骨組織増加剤を投与することともに行なわれる。さまざまなステップがいずれの順番によっても行なわれ得るが、しかしながら十分に時間的に近く、それは患者の血流における少なくとも1つの増加剤の上昇した濃度および患者における機械的に誘導された上昇した骨芽細胞活性が、少なくとも一部分重なるものである。任意のステップにおいて再吸収阻害剤の患者への投与は、さまざまな方法のステップの相乗作用の関係によって形成された骨組織の再吸収をさらに減少させるのに十分な期間および濃度において行なわれる。本発明の方法を通じて達成された追加の骨組織の成長の再吸収や保存を回避するさらなる要因としては、骨セメントの存在が挙げられる。それはそこからさらに広がって成長することを助ける足場または補助としての役割も果たす。一旦十分な量の骨組織が形成されると、再吸収阻害剤は構成された骨組織を保護するために投与される。
【0070】
機械的な誘導は、必須ではないものの、骨組織の内部にあって、追加の骨組織の成長の育成および保護が望まれる、骨髄腔の内容物を機械的に変化させることを含む方法を用いて達成される。さまざまなこのような骨髄腔の内容物を変化させることを達成させる方法は、以下に示される。
【0071】
骨組織成長の誘導は、たとえば、現在骨組織の成長が行なわれていない場所において新しいまたは追加の骨組織を生産すること、および/または既に形成中にある骨組織の成長を刺激すること(例,スピードを増加させること)がある。理論に多少なりとも縛られることなく、出願人らは、骨組織の成長の誘導は、(1)扱われる患者における骨芽細胞活性の機械的誘導および(2)患者における少なくとも1つの骨組織同化剤の血中濃度の上昇、の組合された効果によって生じるものであると信じる。本明細書を通じては、本発明のプロセスによって形成された骨組織として示されるものは、骨梁のみに限定されるものではなく、1つ以上の以下の追加の骨の“型”を含む:緻密骨、皮質骨および/または層板骨。
【0072】
本発明の好ましい一実施の形態において、骨芽細胞活性の上昇の機械的誘導は、骨髄灌注および除去の工程によって得られる。再び、何らかの理論に拘束されることなく、出願人らは骨髄灌注または機械的プロセスは、生物化学的反応のカスケードを通じて、骨髄腔内に血栓を生じることに繋がり、それは患者における骨芽細胞活性の上昇に寄与するものと信じる。
【0073】
他の実施の形態において、上昇した骨芽細胞活性は、機械的誘導と生化学的誘導のような他の追加の形態の誘導を組合せることによっても代替的に得られる。このような生化学的な誘導は、患者にたとえば、第7因子(“F”)、フィブリノーゲンまたはフィブリン、第VIIa因子またはこれらの組合せの十分な量の血液因子を投与することによって得られ得る。組織または血管の外傷の後に、凝固が、結晶FVII/FVIIaと組織因子(組織トロンボプラスチン)の結合によって引起される。この複合体(FVII/FVIIa+トロンボプラスチン)は連続した事象を引起し、それは凝固カスケードの活性化に繋がり、最終的にはフィブリン沈殿および血小板活性化へと繋がる。この複合体による連続した事象は、骨髄内での骨芽細胞の刺激に部分的貢献するであろう。第VII因子および第VIIa因子は商業的に入手可能な形態であり、たとえば、ノボノルディクスが販売している。
【0074】
本発明の方法の使用によって得られる骨芽細胞活性の上昇は、以下を含むさまざまな要因によって起こると考えられ、しかしこれらに必ずしも限定されるものではない:(1)骨芽細胞の分化、たとえば、追加の骨芽細胞の生産、(2)患者における骨組織の形成の
誘導において既に存在している、骨芽細胞の活動および/または有効性の上昇、および(3)これらの組合せ。本発明の好ましい実施の形態において、骨芽細胞活性の上昇は、すべての上記の機能を含み得る。
【0075】
本発明の一実施の形態において、前記方法は、さらに骨組織の誘導のために、患者の1つまたはそれ以上の特定化された骨組織を“標的化”することを含む。この標的化は、それぞれの標的化された骨組織の中の骨髄腔の内容物を機械的に変化させて、そこにおける骨芽細胞活性を上昇させることを誘導することによって達成される。
【0076】
本発明の方法は、このように、たとえば外傷による骨折の場合のように、骨組織の修復に対して有用であるのみならず、二重エネルギーX線吸収測定法(“DEXA”)または他の方法によって、骨折を防ぐために骨の質量および/または密度の上昇を必要とする(たとえば、骨粗しょう症に罹っているもの)ことが示されている個人の場合、またはたとえば脊椎圧迫のような症状に起因する慢性的な痛みによって骨組織が弱っている個人の場合に、特異的な方法で骨組織を強化することに対しても有用である。さらに、本発明の方法は、たとえば人工股関節、人工膝および人工肩関節のような人工装具、および/または歯のインプラントのようなインプラントのアンカーとして働くことを必要とする新しい骨組織の提供(および保持)の働きをする。新しい骨組織の成長は、骨折の危険性のある骨組織を標的化をすることができ、そしてそれによって骨折のリスクを低減する。
【0077】
本発明の一実施の形態において、骨組織同化剤は、骨芽細胞活性の機械的誘導(骨芽細胞の形成の増加および/または既存の骨芽細胞による骨組織の形成の上昇によって引起される)、と同時に患者に投与される。そしてその機械的誘導は、たとえば骨髄腔を変化させることによって達成される。好ましい実施の形態において、髄質および/または髄腔の内容物は圧力下で(たとえば骨髄腔内対骨髄腔外の関連する圧力を変化させることによる)、たとえば髄腔の灌注および基質細胞を除去することにより除去される。
【0078】
他の実施の形態において、骨組織同化剤はこのような機械的誘導に引続いて投与される。他の実施の形態において、骨組織同化剤は、機械的誘導の前に投与され、そして機械的誘導時には既に骨組織同化剤は上昇されたレベルで存在し、そのレベルはその後長期間にわたって維持されまたは断続的に継続され得る。
【0079】
上記の議論に示されたように、骨組織同化剤は、経口的、静脈的、筋肉内投与的、経皮下的、インプラント、経粘膜的、経皮的、経腸的、経鼻的、蓄積注射または吸入剤および肺吸収によって投与され得る。他の実施の形態において、骨組織同化剤は、徐放剤として一度、何度も、または1以上の長期間にわたって投与され得る。好ましくは、上昇された同化剤の血中濃度は、機械的誘導後少なくとも断続的に約14−365日間、より好ましくは約30−180日間、維持される。副甲状腺ホルモン、たとえば、PTH[1−34]−NH2、の断続的な投与は1日1回または週に1回の血中濃度のピークを引起し、そしてそれは各投与の間にベースラインレベルへと戻るが、それにもかかわらずある意味では骨組織同化剤の血中レベルの周期的な上昇をもたらし、それは、初期に機械的に誘導された骨芽細胞活性の上昇と重なり、しかしながら該骨芽細胞活性の上昇の少なくとも一部は、その後、同化剤によって維持されるものである。
【0080】
追加の実施の形態において、同化剤は、副甲状腺ホルモン(PTH)、同化ビタミンDアナログ、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質活性剤5(LRP5)、またはスクレロスチンLRP5結合阻害剤、非ゲノムエストロゲン様シグナル伝達活性剤(ANGELS)、骨形態形成タンパク質(BMP)、インスリン様成長成長因子(IGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、レプチン、プロスタグランジン、スタチン、ストロンチウム、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子(GHRF)、肝細胞増殖因子(HGF)、カ
ルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)、形質転換増殖因子(TGF)−PGE−2、およびこれの安定アナログ、およびこれらの組合せからなる群から選択される。ここで副甲状腺ホルモンという用語は、制限されるものではないが、天然副甲状腺ホルモン、天然副甲状腺ホルモン切断産物、アミド化された天然副甲状腺ホルモン切断産物、アミド化された天然副甲状腺ホルモン、およびこれらの組合せを含む。
【0081】
一実施の形態において、骨組織同化剤はPTH[1−34]切断産物の遊離酸形態である。この物質はイーライリリー社から商標名Forteo(登録商標)(テリパラチド)で、FDAに承認された製剤処方として商業的に入手可能である。本発明の使用に有用な他の骨組織同化剤としては、制限されるものではないが、アミド化された天然副甲状腺ホルモン切断産物、PTH[1−30]NH2、PTH[1−31]NH2、PTH[1−32]NH2、PTH[1−33]NH2、PTH[1−34]NH2およびこれらの組合せを含む。好ましい一実施の形態において、骨組織同化剤はPTH[1−34]NH2である。副甲状腺ホルモン切断産物の調製方法は、Mehtaらの米国特許第6,103,495号に記載されている。さらに、これらの副甲状腺ホルモン切断産物のアミド化方法については、たとえば、Bertelsenらの米国特許5,789,234号、およびGilliganらの第6,319,685号に記載されている。これらの特許の内容を、本願は引用して援用する。
【0082】
本発明の一実施の形態において、十分量の好ましい副甲状腺ホルモン切断産物(上記議論を参照)が、患者におけるその脈動血中濃度が約50から350pg/ml、好ましくは約100から200pg/ml、および最も好ましくは約150pg/mlを達成し、およびその後維持するために投与される。他の実施の形態において、副甲状腺ホルモンの患者における血中濃度は、骨髄腔の内容物の機械的変化の後7日間以内に、好ましいレベルに上昇する。本分野においてよく知られているように、PTH骨組織同化剤の適切な容量は、上記の血中濃度を達成するように計算されるべきである。注射可能な剤形の場合は、たとえば、ヒトに投与されるべき容量(活性化ホルモンの純粋量)は、これらのさまざまな剤の骨組織同化作用に関係する文献中に記されている。このような容量は、仮に非経口経路で投与される場合は、必ずしもではないが、約10−200μg、を1日1回、より好ましくは1回投与量が約20−100μg、および最も好ましくは1回投与量が約20−50μgである。上記に記載した副甲状腺ホルモン系の剤以外の骨組織同化剤を含む注射可能な剤形の投与レベルは、ヒトに応じて同化作用を引起すのに必要とされる公知の血中レベルと一致しているであろう。
【0083】
本発明のさらなる一実施の形態において、骨芽細胞活性の機械的誘導は、骨組織の形成の増強のために標的化された骨組織の骨髄腔内へ、髄腔内の内容物を物理的に変化させるように構成されまたは適合されたものを挿入し、そして髄腔内における骨芽細胞活性を刺激することによって達成される。他の実施の形態において、機械的変化は、髄腔内の内容物の少なくとも一部を除去することを含む。適切な方法は基質細胞を除去するために骨髄腔を溶液で灌注することがある。ある実施の形態においては、骨髄細胞を除去し、そして骨芽細胞活性を誘導するために、生体適合性のある物質が用いられる。
【0084】
さらなる実施の形態において、本発明の方法は、さらに骨芽細胞活性によって生産された新しい骨組織の再吸収を実質的に防止するために、十分な一定期間および濃度の再吸収阻害剤を患者に投与することを含む。一実施の形態において、再吸収阻害剤は、骨組織同化剤と同時期に投与され得る。一実施の形態において、再吸収阻害剤は骨組織同化剤の投与に引続いて投与され得る。さらなる実施の形態において、再吸収阻害剤の投与は、骨組織同化剤の投与中に開始され、その投与は、骨組織同化剤の投与が終了した後も継続され得る。
【0085】
本発明の他の実施の形態において、骨組織同化特性および再吸収阻害特性の双方を有する1つの剤が投与され得る。このような物質の例としては、限定されるものではないが、エストロゲン、ラネリック酸ストロンチウムおよび選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMS)が含まれる。
【0086】
本発明の方法の一実施の形態において、再吸収阻害剤は、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン(“sCT”)、ウナギカルシトニン、エルカトニン、豚カルシトニン、鶏カルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、およびこれらの組合せを含むグループから選択されるカルシトニンであり得る。好ましい実施の形態において、再吸収阻害剤はサケカルシトニンである。再吸収阻害剤として用いられる場合は、カルシトニンの血中レベルは、好ましくは約5−500pg/mlの範囲、より好ましくは約10−250pg/mlの範囲、および最も好ましくは20−50pg/mlの範囲である。さらに、たとえば注射可能な剤形において、長期の血中レベルを達成するために必要とされるカルシトニン製剤のヒトへの投与レベルは、これらの物質を同化剤として用いることに関連した文献に記載されているであろう。そのような容量は、必ずしもではないが、約5−20μgを1日1回投与、さらに好ましくは約5−50μgおよび最も好ましくは8−20μgの純粋薬物量を毎日投与することである。サケカルシトニン(sCT)を、他の投与経路、たとえば、経鼻または経口投与した場合は、上記に記載されたよりも多くの容量が必要となるであろう。
【0087】
代替的に、(たとえばカルシトニン以外の)さまざまなさらなる再吸収阻害剤が本発明の方法に有用である。これらは、一般的に、ホルモン補充療法(HRT)の剤を含み、たとえば、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMS)、ビスフォスフィネート、カテプシン−K阻害剤、ラネリック酸ストロンチウム、およびこれらのさまざまな組合せを含む。特定的な追加の再吸収阻害剤の例としては、限定されるものではないが、(1)ワイス社のプレマリン(登録商標)、有効成分としてエストロゲンを含む。典型的な許容容量は0.625mg錠を1日1回;(2)プロクターアンドギャンブル社製のアクトネル(登録商標)、有効成分としてリセドロン酸ナトリウムを含む、典型的な許容容量は5mg錠を1日1回または35mg錠を1週間に1回;(3)イーライリリー社製のレビスタ(登録商標)、有効成分として塩酸ラロキシフェンを含む。本製剤の典型的な許容容量は60mg錠を1日1回;および(4)メルク社製のフォサマックス(登録商標)、有効成分としてアレンドロン酸を含む。典型的な本物質の容量は10mg/日または70mg/週。さらなるビスフォスフォネートはアクトネル(登録商標)(プロクターギャンブルアベンティス)、イバンドロネート(登録商標)(GSKロシュ)およびゾレンドロネート(登録商標)(ノバルティス)を含む。
【0088】
他に注記がなく、または内容から明らかな場合を除き、ここに記載された容量は、医薬品添加剤、希釈剤、キャリアまたは他の含有物、たとえ典型的に本発明の方法に有用なさまざまな剤形に含まれているとしても、に影響されない有効成分の重量を示している。医薬品業界において一般的に使用されているいずれの剤形(たとえばカプセル、錠剤、注射剤またはこれらのようなもの)もがここでは適切に使用され、そして“添加剤”、“希釈剤”または“キャリア”は業界において有効成分とともに典型的に含まれるような非有効成分を含む。たとえば、典型的なカプセル、ピル、腸溶コーティング、固形または液体の希釈剤または添加剤、香料、保存料、またはこれらのようなものが含まれる。さらにここに示される推奨される容量のすべてに関して、担当医は個々の患者の反応を観察して、それに容量を調節すべきである。
【0089】
再吸収阻害剤は経口的、気化投与的、筋肉内投与、経皮的、インプラントを通じて、経粘膜的、経腸的、経鼻的、蓄積注射を通じ、吸入剤を通じて、および肺吸収または経皮的に投与され得る。さらに、再吸収阻害剤は、一度、何度も、または1以上の長期間にわた
って投与され得る。
【0090】
本発明は特定の実施の形態に関連して述べられているが、多くの他の変形および改良および他の使用方法が当業者に明らかになるであろう。本発明は、したがって、ここに開示された特定のものに限定されるものではなく、クレームにより限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨組織が貧乏している患者において骨組織を増加させる方法であり、前記方法は:
(a) 前記患者における骨芽細胞活性の上昇を機械的に誘導すること;
(b) 前記患者の骨組織の内部の、骨芽細胞活性が誘導された場所内に、前記骨組織の内部に骨格を形成するのに十分な量の生体適合性のある物質を投入すること、ここで前記骨格は前記内部の部分に新しい骨組織の形成を補助する役割を果たすものである;および
(c)前記患者において少なくとも1つの骨組織同化剤の血中濃度を上昇させるために、少なくとも1つの骨組織増加剤の十分量を前記患者に投与すること、ここで前記患者における前記同化剤の血中濃度の上昇と、その時点での骨芽細胞活性の上昇は、少なくとも部分的に時間的に重なる、
とを含む、方法。
【請求項2】
前記生体適合性のある物質は、生物学的に活性な骨セメント、骨形態形成タンパク質、ポリマー、フィブリノゲン、合成フィブリン、コラーゲンゲル、ヒドロキシアパタイト懸濁液を含むコラーゲンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記生体適合性のある物質は、生物学的に活性な骨セメントであり、および前記骨セメントは、リン酸カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムおよびアルミン酸カルシウムからなる群から選択される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記骨組織増加剤は骨組織同化剤である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記骨組織同化剤は、副甲状腺ホルモン(PTH)、同化ビタミンDアナログ、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質5(LRP5)活性剤、またはスクレロスチンLRP5結合阻害剤、非ゲノムエストロゲン様シグナル伝達活性剤(ANGELS)、骨形態形成タンパク質(BMP)、インシュリン様成長因子(IGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、レプチン、プロスタグランジン、スタチン、ストロンチウム、成長ホルモン、成長ホルモン放出因子(GHRF)、肝細胞増殖因子(HGF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)、形質転換増殖因子(TGF)−β1およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記骨組織同化剤が副甲状腺ホルモンであり、前記ホルモンは天然副甲状腺ホルモン、天然副甲状腺ホルモン切断産物、アミド化された天然副甲状腺ホルモン切断産物、アミド化された天然副甲状腺ホルモンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記患者における前記副甲状腺ホルモンの脈動血中濃度が約50−350pg/mlの範囲を達成するように十分な量の副甲状腺ホルモンが、前記患者に投与される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記十分量の副甲状腺ホルモンは、1回投与当たりのPTHホルモン純粋重量が約10μg−10mgである、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記副甲状腺ホルモンが注射によって投与され、前記副甲状腺ホルモンの十分量は、1回投与当たり約10−200μgである、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記骨組織同化剤がPTH[1−34]の遊離酸形態である、請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記骨組織同化剤はアミド化された天然副甲状腺ホルモン切断産物であり、および前記切断産物はPTH[1−30]NH2、PTH[1−31]NH2、PTH[1−32]NH2、PTH[1−33]NH2、PTH[1−34]NH2およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項6記載の方法。
【請求項12】
前記骨組織増加剤は前記患者における内因性の同化剤のレベルの上昇をもたらす少なくとも1つの剤である、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記患者における内因性の骨組織同化剤の発現の増加をもたらす前記剤は、calcilytic剤およびスクレロスチンの抗体からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
さらに前記患者に再吸収阻害剤を投与することを含み、ここで前記再吸収阻害剤は前記新しい骨組織の成長の吸収を実質的に防ぐのに十分な量投与される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記再吸収阻害剤はビスフォスフォネートまたはヒトカルシトニン、サケカルシトニン、ウナギカルシトニン、エルカトニン、豚カルシトニン、鶏カルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)およびこれらの組合せからなる群から選択されるカルシトニンである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記再吸収阻害剤はサケカルシトニンであり、サケカルシトニンは前記患者に対して実質的な継続的な血中濃度が約5−500pg/mlの間に達するように計算された量を投与される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記サケカルシトニンの量が、1投与当たり、カルシトニン純粋重量として約5μgから5mgである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記サケカルシトニンは注射によって投与され、前記サケカルシトニンの量は1投与当たり約5μg−200μgである、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記骨組織増加剤は副甲状腺ホルモンであり、ここで前記副甲状腺ホルモンの前記患者における血中濃度は、前記機械的誘導の後7日以内までに約50−350pg/mlの間のレベルに上昇する、請求項1記載の方法。
【請求項20】
さらに前記患者の顎領域に、前記顎領域内にインプラントされる歯科インプラントのためのアンカーを提供するために十分な量の追加の骨組織を形成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
さらに、前記患者の標的化された1つ以上の骨組織の中に、前記の少なくとも1つの標的化された骨組織の中に人工補装具をそこにしっかりと固定するのを可能とするために、十分量の追加の骨組織を形成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記追加の骨組織に固定された隙間のある、調整可能な挿入物のためのしっかり固定されたアンカーとしての機能を果たすために十分な量の追加の骨組織を前記の患者内に形成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項23】
さらに前記患者の少なくとも1つの脊椎骨を、追加の骨組織の形成の標的とすることを含み、その場所で、前記患者が脊椎骨圧壊による慢性的な痛みから実質的に解放されるの
に十分な量の骨組織を、前記少なくとも1つの脊椎骨に加える、請求項1記載の方法。
【請求項24】
追加の骨組織が、前記患者の少なくとも1つの脊椎骨上に、それを強化することによって、少なくとも1つの前記脊椎骨を安定させるのに十分な量形成される、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記生体適合性のある物質が、近位大腿骨、臀部、橈骨遠位端、上腕骨近位、踵骨、肋骨、脛骨および仙骨からなる群から選ばれる部位に、注射によって投与される、請求項1記載の方法。
【請求項26】
前記骨組織増加剤が、経口的、経鼻的、経皮的、経直腸的、皮下的および静脈内投与からなる群から選択される方法によって投与される、請求項1記載の方法。
【請求項27】
骨組織の内部に形成された新しい骨組織の再吸収を実質的に防止するための十分な量の小柱足場を欠如している骨組織の内部における骨組織の成長を育成および保存するためのキットであって、前記キットは:
(a) 少なくとも1つの容器であって、容器内に前記骨組織の内部に追加の量の足場を形成するのに適用される、少なくとも1つの生体適合性のある物質を有するもの;
(b) 少なくとも1つの容器であって、その内部に骨組織増加剤を有するもの;および
(c) 機械的変化器具であって、少なくとも1つの標的化された骨組織の骨髄腔の内容物を変化させるもの、
を含む、キット。
【請求項28】
前記生体適合性のある物質は、生物学的活性のある骨セメントである、請求項27記載のキット。
【請求項29】
前記骨組織増加剤は骨組織同化剤である、請求項27記載のキット。
【請求項30】
さらに少なくとも1つの再吸収阻害剤を有する少なくとも1つの容器を含む、請求項27記載のキット。
【請求項31】
さらに前記骨髄腔の内容物の少なくとも一部を排出するための排出器具を含む、請求項27記載のキット。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2010−526064(P2010−526064A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506155(P2010−506155)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/010267
【国際公開番号】WO2008/133618
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(503195300)ユニジーン・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド (17)
【出願人】(506379736)エール・ユニバーシティ (3)
【氏名又は名称原語表記】YALE UNIVERSITY
【Fターム(参考)】