説明

高さ制限表示装置

【課題】例えば、車両に対して高さ制限を表示する表示体が取り外し可能、或いは、上下方向に移動可能で、車高のある車両を適宜通過させることができると共に、表示体を道路側に移動させて、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を有する高さ制限表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る高さ制限表示装置は、道路の上方に配置した表示体により、車両に対して高さ制限を表示すると共に、この道路の上方に配置している表示体が取り外し可能、或いは、上下方向に移動可能であり、表示体を道路側に移動させたときに、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を有する。また、表示体による高さ制限の表示時には、表示体に車両が通過可能な高さの値を表示し、表示体による道路閉鎖時には、表示体に道路閉鎖を意味する文字や図形等を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両に対して高さ制限を表示する表示体が取り外し可能、或いは、上下方向に移動可能で、車高のある車両を適宜通過させることができると共に、表示体を道路側に移動させて、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を有する高さ制限表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路上に設置されている高さ制限表示装置は、所定の表示体に車両が通過可能な高さの値を表示したもので、表示体自体が固定的に設置されているのが一般的である。
【0003】
即ち、高さ制限表示装置の表示体は、例えば、取り外し可能であったり、また、表示体が上下方向に移動できるような構成にはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特に無し
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、工場や建設中の施設等における特定の施設内においては、クレーン等の重機が一時的に使用される場合があることから、車高のある重機が施設内の道路上を走行することもある。
【0006】
この様な場合、車両が通過可能な高さの値を表示している一般的な高さ制限表示装置においては、表示体自体が固定的に設置されていることから、この表示体が障害となって、車高のある重機が通過できない事態が生じていた。
【0007】
また、車高のある重機が通過できるように、固定的に設置されている表示体をいちいち取り外すのも非常に面倒である。
【0008】
さらに、固定的に設置されている表示体を取り外して、車高のある重機を通過させた場合、重機による作業が終了した後に、重機は高さ制限表示装置を再度通過して退去することから、作業のために重機が高さ制限表示装置を通過した後に、表示体を元の位置に固定してしまうと、重機の退去時に表示体を再度取り外さなければならないため、非常に面倒である。
【0009】
この様な事態を回避する措置として、表示体を取り外した場合に、この表示体の取り外し状態を、そのまま所定時間、継続的に維持させることもある。
【0010】
しかし、表示体の取り外し状態を継続的に維持させると、車高のある他の車両が自由に通過できる状態になることから、車両が通過可能な高さの値を表示し、それよりも高さのある車両の進入を阻止する高さ制限表示装置の機能が阻害されてしまう。
【0011】
そこで、本発明は、如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、例えば、車両に対して高さ制限を表示する表示体が取り外し可能、或いは、上下方向に移動可能で、車高のある車両を適宜通過させることができると共に、表示体を道路側に移動させて、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を有する高さ制限表示装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る高さ制限表示装置は、道路の上方に配置した表示体により、車両に対して高さ制限を表示すると共に、この道路の上方に配置している表示体が取り外し可能、或いは、上下方向に移動可能であり、表示体を道路側に移動させたときに、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を有することにより、上述した課題を解決した。
【0013】
また、表示体による高さ制限の表示時には、表示体に車両が通過可能な高さの値を表示し、表示体による道路閉鎖時には、表示体に道路閉鎖を意味する文字や図形等を表示することにより、同じく上述した課題を解決した。
【0014】
さらに、道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に横架させた表示体から構成され、該表示体は、一対の柱材の上部から取り外し可能で、道路上に配置できることにより、同じく上述した課題を解決した。
【0015】
また、一対の柱材は、その上端部に所定の深さの穴を設けると共に、一対の柱材の基礎部に隣接するように、道路にも所定の深さの穴を設けた状態とし、表示体を全体として横長で下向きのコ字状に形成されている枠材と、この枠材の両端部分に位置している垂設棒部分の間に固定されている補強杆により構成し、枠材の垂設棒部分の先端部側に挿入杆を設け、この挿入杆における先端部から若干離れた位置にフランジ板を設けて形成し、表示体の挿入杆を一対の柱材の穴に挿入して、表示体を一対の柱材の上部に横架させる一方、表示体の挿入杆を道路の穴に挿入して、表示体を道路上に配置していることにより、同じく上述した課題を解決した。
【0016】
加えて、道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に横架させた表示体から構成され、一対の柱材が上下方向に伸縮して、表示体を道路の上方と道路の近傍に配置できることにより、同じく上述した課題を解決した。
【0017】
また、道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に、チェーンを介して吊り下げるように横架させた表示体から構成され、チェーンの引き上げと引き下ろしにより、表示体を道路の上方と道路の近傍に配置できることにより、同じく上述した課題を解決した。
【0018】
この他、道路の脇に設置された柱材と、所定の長さの表示体から構成され、該表示体は、その基端部が柱材の上部に軸支されて表示体の先端部側が上下に回動可能であり、表示体の先端部側を道路の上方と道路の近傍に配置できることにより、同じく上述した課題を解決した。
【0019】
また、道路上に設置された施設内において、所定の間隔を開けて一対の回動杆を配置し、この一対の回動杆の先端部側に所定の長さの表示体を固定して、表示体を道路の上方と道路の近傍に配置できることにより、同じく上述した課題を解決した。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る高さ制限表示装置は、道路の上方に配置した表示体により、車両に対して高さ制限を表示すると共に、この道路の上方に配置している表示体が取り外し可能、或いは、上下方向に移動可能であることから、例えば、工場や建設中の施設等における特定の施設内において、クレーン等の重機を一時的に使用する場合に、表示体を取り外したり、また、表示体を上方向に移動させて、車高のある重機を適宜通過させることができる。
【0021】
さらに、表示体を道路側に移動させたときに、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を有することから、重機を通過させた後は、車高のある他の車両の進入を確実に阻止することができる。
【0022】
また、表示体による高さ制限の表示時には、表示体に車両が通過可能な高さの値を表示し、表示体による道路閉鎖時には、表示体に道路閉鎖を意味する文字や図形等を表示することから、車両が通過可能な高さの値を表示してそれよりも高さのある車両の進入を阻止する高さ制限表示装置の機能と、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を、表示体により有効に発揮することができる。
【0023】
この他、本発明に係る高さ制限表示装置は、道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に横架させた表示体から構成されていることから、車両が通過可能な高さの値を表示して、それよりも高さのある車両の進入を阻止する高さ制限表示装置の機能を有効に発揮することができる。また、表示体は、一対の柱材の上部から取り外し可能であることから、車高のある重機を適宜通過させることができる。さらに、取り外した表示体を道路上に配置できるので、車高のある他の車両の進入を確実に阻止することができる。
【0024】
また、一対の柱材は、その上端部に所定の深さの穴を設けると共に、一対の柱材の基礎部に隣接するように、道路にも所定の深さの穴を設けた状態とし、表示体を全体として横長で下向きのコ字状に形成されている枠材と、この枠材の両端部分に位置している垂設棒部分の間に固定されている補強杆により構成し、枠材の垂設棒部分の先端部側に挿入杆を設け、この挿入杆における先端部から若干離れた位置にフランジ板を設けて形成していることから、表示体の挿入杆を一対の柱材の穴に挿入し、挿入杆のフランジ板を柱材の上端部分に当接させた状態で、表示体を一対の柱材の上部に横架させることができる。
【0025】
そして、表示体の挿入杆を一対の柱材の穴から引き抜いて、道路の穴に表示体の挿入杆を挿入し、挿入杆のフランジ板を道路面に当接させた状態で、表示体を道路上に配置することができる。
【0026】
また、本発明に係る高さ制限表示装置は、道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に横架させた表示体から構成され、一対の柱材が上下方向に伸縮することから、表示体を道路の上方に配置したときには、車高のある重機を適宜通過させることができる。さらに、表示体を道路の近傍に配置したときには、車高のある他の車両の進入を確実に阻止することができる。
【0027】
加えて、本発明に係る高さ制限表示装置は、道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に、チェーンを介して吊り下げるように横架させた表示体から構成されることから、チェーンの引き上げにより表示体を道路の上方に配置したときには、車高のある重機を適宜通過させることができる。さらに、チェーンの引き下ろしにより、表示体を道路の近傍に配置したときには、車高のある他の車両の進入を確実に阻止することができる。
【0028】
この他、本発明に係る高さ制限表示装置は、道路の脇に設置された柱材と、所定の長さの表示体から構成され、該表示体は、その基端部が柱材の上部に軸支されて表示体の先端部側が上下に回動可能であることから、表示体の先端部側を道路の上方に配置したときには、車高のある重機を適宜通過させることができる。また、表示体の先端部側を道路の近傍に配置したときには、車高のある他の車両の進入を確実に阻止することができる。
【0029】
さらに、本発明に係る高さ制限表示装置は、道路上に設置された施設内において、所定の間隔を開けて一対の回動杆を配置し、この一対の回動杆の先端部側に所定の長さの表示体を固定していることから、表示体を道路の上方に配置させて、車高のある重機を適宜通過させることができる。また、表示体を道路の近傍に配置したときには、車高のある他の車両の進入を確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に横架させた表示体から成る高さ制限表示装置において、表示体を道路の上方に配置している状態を示す斜視図である。
【図2】一対の柱材の上部から、表示体を取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図3】一対の柱材の上部から取り外した表示体を、道路に配置した状態を示す斜視図である。
【図4】道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に横架させた表示体から成る高さ制限表示装置において、一対の柱材が上方向に伸びて表示体を道路の上方に配置している状態を示す斜視図である。
【図5】一対の柱材を縮めて、表示体を道路の近傍に配置している状態を示す斜視図である。
【図6】道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に、チェーンを介して吊り下げるように横架させた表示体から成る高さ制限表示装置において、チェーンを引き上げて表示体を道路の上方に配置している状態を示す斜視図である。
【図7】チェーンを引き下ろして、表示体を道路の近傍に配置している状態を示す斜視図である。
【図8】道路の脇に設置された単独の柱材と、柱材に回動可能に取り付けた表示体から成る高さ制限表示装置において、チェーンを巻き上げて表示体の先端部側を道路の上方に配置している状態を示す斜視図である。
【図9】チェーンを巻き戻して、表示体の先端部側を道路の近傍に配置している状態を示す斜視図である。
【図10】道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に、回動杆を介して上下方向に移動できるように設置した表示体から成る高さ制限表示装置において、表示体を道路の近傍から道路の上方に配置する状態を示す斜視図である。
【図11】道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に、回動杆を介して上下方向に移動できるように設置した表示体から成る高さ制限表示装置において、表示体を道路の近傍から道路の上方、さらには、一対の柱材の上端部の上方に配置する状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に係る高さ制限表示装置1は、道路Rの上方に配置した表示体2により、車両に対して高さ制限を表示すると共に、この道路Rの上方に配置している表示体2が取り外し可能、或いは、上下方向に移動可能に構成されている。さらに、表示体2を道路R側に移動させたときに、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を有するものである。
【0032】
そして、表示体2による高さ制限の表示時には、表示体2に車両が通過可能な高さの値を表示する。また、表示体2による道路閉鎖時には、表示体2に道路閉鎖を意味する、漢字や平仮名等の文字や、×印等の図形を表示するものである。
【0033】
高さ制限表示装置1は、図1に示すように、道路Rを跨ぐように設置された一対の柱材3と、この一対の柱材3の上部に横架させた表示体2から構成されている。この表示体2は、図2・図3に示すように、一対の柱材3の上部から取り外し可能で、道路R上に配置できるようになっている。
【0034】
一対の柱材3は、いずれも所定の長さの四角柱状に形成されており、図2・図3に示すように、その上端部に、所定の深さの円穴4を設けている。また、一対の柱材3の基礎部に隣接するように、道路Rにも、所定の深さの円穴5を設けている。
【0035】
一対の柱材3の上部に横架させる表示体2は、図2に示すように、全体として横長で、下向きのコ字状に形成されている枠材2aと、この枠材2aの両端部分に位置している垂設棒部分の間に固定されている補強杆2bにより構成されている。また、枠材2aの垂設棒部分の先端部側に、円柱状の挿入杆2cが設けられている。この挿入杆2cにおける先端部から若干離れた位置には、フランジ板2dを設けている。
【0036】
この様に構成された高さ制限表示装置1は、図1に示すように、一対の柱材3の上端部に設けている円穴4に、表示体2の挿入杆2cを挿入し、表示体2のフランジ板2dが柱材3の上端部に当接した状態で、道路Rの上方に配置される。このとき、表示体2の枠材2aと補強杆2bの間には、例えば、「高さ制限4.0m」等の文字が表示される。
【0037】
この表示体2は、図2・図3に示すように、一対の柱材3から取り外し可能であり、表示体2を道路R側に配置することができる。具体的には、図2に示すように、一対の柱材3の円穴4から表示体2の挿入杆2cを引き抜いて、図3に示すように、表示体2の挿入杆2cを道路Rの円穴5に挿入し、表示体2のフランジ板2dが円穴5の周囲に当接した状態で、道路R側に配置されるのである。このとき、表示体2の枠材2aと補強杆2bの間には、図3に示すように、例えば、「道路閉鎖」等の文字が表示される。
【0038】
この様に構成された高さ制限表示装置1は、通常、図1に示すように、道路Rの上方に配置した表示体2により、車両に対して高さ制限を表示している。そして、車高のあるクレーン等の重機を一時的に通過させる場合は、図2に示すように、一対の柱材3から表示体2を取り外して、一対の柱材3間の上方を開放するのである。また、重機が通過した後は、図3に示すように、表示体2を道路R側に配置して、他の車両の進入を阻止するのである。
【0039】
この他、高さ制限表示装置1は、図4・図5に示すように、道路Rを跨ぐように設置された一対の柱材3と、この一対の柱材3の上部に横架させた表示体2から成り、一対の柱材3が上下方向に伸縮して、表示体2を道路Rの上方と道路Rの近傍に配置できるように構成しても良い。
【0040】
一対の柱材3は、いずれもその全体が所定の長さの四角柱状に形成されている。具体的には、道路R側に固定されている基礎部3aと、この基礎部3aに挿入された状態で、上下方向に移動できる摺動部3bにより構成されている。
【0041】
柱材3の基礎部3aは、所定の高さを有する四角筒状に形成されて、道路R上に設置されている。また、基礎部3aの四角筒の内部空間に連通するように、道路Rの内部にも、所定の長さの挿入空間が設けられている。
【0042】
この様に構成された高さ制限表示装置1は、図4に示すように、一対の柱材3の上端部に表示体2を配置し、一対の柱材3の摺動部3bを上方に伸ばした状態にして、車両に対して高さ制限を表示する。そして、車高のあるクレーン等の重機を一時的に通過させる場合は、一対の柱材3の摺動部3bを、さらに上方に伸ばした状態にして、一対の柱材3間の上方を開放するのである。尚、摺動部3bを上方に伸ばした状態でも、重機が通過できる高さを確保できない場合には、一対の柱材3から表示体2を取り外しても良い。
【0043】
また、重機が通過した後は、図5に示すように、柱材3の摺動部3bを下方に移動させて、表示体2を道路R側に配置し、他の車両の進入を阻止するのである。
【0044】
尚、摺動部3bの上下方向の移動は、所定の駆動機構を利用して行うが、表示体2として所定の電光掲示板の機構を採用し、摺動部3bの移動に連動して、表示体2における「高さ制限」を示す数字部分が適宜変化するようにしても良い。また、図5に示すように、摺動部3bか最下方に移動したときには、表示体2に「道路閉鎖」の文字を自動的に表示させると良い。
【0045】
一方、高さ制限表示装置1は、図6・図7に示すように、道路Rを跨ぐように設置された一対の柱材30と、この一対の柱材30の上部に、チェーン31を介して吊り下げるように横架させた表示体20から構成され、チェーン31の引き上げと引き下ろしにより、表示体20を道路Rの上方と道路Rの近傍に配置できるように構成しても良い。
【0046】
一対の柱材30は、いずれも所定の太さを有する四角柱状に形成され、その上部における側面(道路Rの長手方向に沿う柱材30の側面)に、所定のローラ32が回転可能に設置されている。このローラ32の回転駆動により、チェーン31を巻き上げたり、巻き戻すことにより、吊り下げている表示体20を上下に移動させるのである。
【0047】
一対の柱材3の上部に横架させる表示体20は、図6に示すように、長尺な2本の横杆20aの端部を短尺な縦杆20bにより接続して、全体として横長の四角枠を形成している。また、四角枠の内部には、補強用の斜行材20cと縦材20dが固定されている。
【0048】
また、一対の柱材30の下方部分には、上向きのフック33が固定されている。このフック33は、図7に示すように、表示体20を道路Rの近傍に移動させたとき、表示体20の下方に位置している横杆20aを受け止めて、固定状態を維持するものである。
【0049】
尚、表示体20を安定的に移動させるために、柱材30の側面に沿うように縦長のガイド溝を設ける一方、表示体20の縦杆20bに係合突起を設け、表示体20の係合突起を、柱材30のガイド溝に係合させながら表示体20を移動させるようにしても良い。
【0050】
この様に構成された高さ制限表示装置1は、ローラ32の回転駆動により、チェーン31を巻き上げて、一対の柱材30の上方に表示体20を配置し、車両に対して高さ制限を表示する。そして、車高のあるクレーン等の重機を一時的に通過させる場合は、ローラ32の回転駆動により、チェーン31をさらに巻き上げて、図6に示すように、一対の柱材3の上端部に表示体20を配置し、重機が通過できる高さを確保する。
【0051】
また、重機が通過した後は、図7に示すように、ローラ32の回転駆動により、チェーン31を巻き下ろして、表示体20を道路R側に配置し、他の車両の進入を阻止するのである。
【0052】
この他、高さ制限表示装置1は、図8・図9に示すように、道路Rの脇に設置された単独の柱材30と、所定の長さの表示体20から構成され、該表示体20は、その基端部が柱材30の上部に軸支されて表示体20の先端部側が上下に回動可能であり、表示体20の先端部側を道路の上方と道路の近傍に配置できるように構成しても良い。
【0053】
単独の柱材30は、所定の太さを有する四角柱状に形成され、その上部における側面(道路Rの内側を向いている柱材30の側面)に、所定のローラ32が回転可能に設置されている。このローラ32の回転駆動により、チェーン31を巻き上げたり、巻き戻すことにより、表示体20の先端部側を上下に移動させるのである。
【0054】
表示体20は、図8に示すように、基端部側に位置している横杆20a・縦杆20b・斜行材20cの接合している部分に、所定の長さの軸部34を固定している。一方、柱材30においては、その内部に保持管35が設置されており、柱材30の保持管35に表示体20の軸部34を挿入して、柱材30に表示体20を回動可能に取り付けている。
【0055】
また、表示体20を構成している上方の横杆20aにおける軸部34の近傍に、所定のリング部材36が固定されており、柱材30のローラ32に巻回しているチェーン31の先端部が、表示体20のリング部材36に接続されている。その為、チェーン31を巻き上げたり、巻き戻すことにより、表示体20の先端部側が上下に移動するのである。
【0056】
この様に構成された高さ制限表示装置1は、ローラ32の回転駆動により、チェーン31を巻き上げて、図8に示すように、表示体20を水平に配置し、車両に対して高さ制限を表示する。そして、車高のあるクレーン等の重機を一時的に通過させる場合は、ローラ32の回転駆動により、チェーン31をさらに巻き上げて、表示体20の先端部が上方を向くように配置し、重機が通過できる高さを確保する。
【0057】
また、重機が通過した後は、図9に示すように、ローラ32の回転駆動により、チェーン31を巻き下ろして、表示体20の先端部を道路R側に配置し、他の車両の進入を阻止するのである。
【0058】
さらに、高さ制限表示装置1は、図10・図11に示すように、道路Rを跨ぐように設置された一対の柱材37と、この一対の柱材37の上部に、回動杆36を介して上下方向に移動できるように表示体200を設置し、この表示体200を道路Rの近傍から道路Rの上方、さらには、一対の柱材37の上端部の上方に配置できるように構成しても良い。
【0059】
一対の柱材37の上部には、所定の駆動部が内蔵されている。この駆動部は、一対の回動杆36を回動させるもので、回動杆36の基端部分を保持する保持管を備えている。
【0060】
回動杆36は、図10に示すように、全体が直線の棒状に形成され、一対の回動杆36の先端部側に、表示体200を固定している。また、回動杆36の基端部側は、いずれも外向きに折曲して短尺な接続杆36aを形成している。この接続杆36aを、駆動部の保持管に挿入して、一対の回動杆36を、一対の柱材37の間に回動可能に取り付けているのである。
【0061】
一対の回動杆36の先端部側に固定している表示体200は、図10に示すように、全体が所定の長さを有する四角柱状に形成されている。この表示体200には、図10の実線部分に示すように、表示体200の前面部分200aに、「道路閉鎖」の文字を表示している。また、表示体200の上面部分200bに、「高さ制限4.0m」の文字を表示している。
【0062】
そして、図10・図11の実線部分に示すように、一対の回動杆36を回動させて、表示体200を道路R側に配置したときには、「道路閉鎖」の文字を表示するようにする。また、図10の二点鎖線部分に示すように、一対の回動杆36を上方に移動するように回動させて、回動杆36が道路Rと平行になるように配置したときには、「高さ制限4.0m」の文字を表示するようにする。
【0063】
また、車高のあるクレーン等の重機を一時的に通過させる場合は、図11の二点鎖線部分に示すように、一対の回動杆36をさらに上方に移動するように回動させて、表示体200を一対の柱材37の上端部の上方に配置する。
【0064】
この様に、車高のあるクレーン等の重機を一時的に通過させる場合は、表示体200が道路Rを閉鎖している位置から、回動杆36を180度回動させて、表示体200を一対の柱材37の真上で停止した状態とするのである。
【0065】
尚、本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改良・変形等は、本発明に全て包含されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、車両に対して高さ制限を表示する表示体が取り外し可能、或いは、上下方向に移動可能で、車高のある車両を適宜通過させることができると共に、表示体を道路側に移動させて、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を有する高さ制限表示装置に関するものであり、様々な現場に敷設されている種々の道路に、幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
R…道路
E…施設
W…側壁

1…高さ制限表示装置
2…表示体
2a…枠材
2b…補強杆
2c…挿入杆
2d…フランジ板

20…表示体
20a…横杆
20b…縦杆
20c…斜行材
20d…縦材
200…表示体
200a…前面部分
200b…上面部分

3…柱材
30…柱材
3a…基礎部
3b…摺動部

4…円穴
5…円穴

31…チェーン
32…ローラ
33…フック
34…軸部
35…保持管
36…回動杆
36a…接続杆
37…柱材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の上方に配置した表示体により、車両に対して高さ制限を表示すると共に、この道路の上方に配置している表示体が取り外し可能、或いは、上下方向に移動可能であり、表示体を道路側に移動させたときに、車両の進入を阻止する道路閉鎖機能を有する高さ制限表示装置。
【請求項2】
表示体による高さ制限の表示時には、表示体に車両が通過可能な高さの値を表示し、表示体による道路閉鎖時には、表示体に道路閉鎖を意味する文字や図形等を表示する請求項1に記載の高さ制限表示装置。
【請求項3】
道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に横架させた表示体から構成され、該表示体は、一対の柱材の上部から取り外し可能で、道路上に配置できる請求項1または2に記載の高さ制限表示装置。
【請求項4】
一対の柱材は、その上端部に所定の深さの穴を設けると共に、一対の柱材の基礎部に隣接するように、道路にも所定の深さの穴を設けた状態とし、表示体を全体として横長で下向きのコ字状に形成されている枠材と、この枠材の両端部分に位置している垂設棒部分の間に固定されている補強杆により構成し、枠材の垂設棒部分の先端部側に挿入杆を設け、この挿入杆における先端部から若干離れた位置にフランジ板を設けて形成し、表示体の挿入杆を一対の柱材の穴に挿入して、表示体を一対の柱材の上部に横架させる一方、表示体の挿入杆を道路の穴に挿入して、表示体を道路上に配置している請求項3に記載の高さ制限表示装置。
【請求項5】
道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に横架させた表示体から構成され、一対の柱材が上下方向に伸縮して、表示体を道路の上方と道路の近傍に配置できる請求項1または2に記載の高さ制限表示装置。
【請求項6】
道路を跨ぐように設置された一対の柱材と、この一対の柱材の上部に、チェーンを介して吊り下げるように横架させた表示体から構成され、チェーンの引き上げと引き下ろしにより、表示体を道路の上方と道路の近傍に配置できる請求項1または2に記載の高さ制限表示装置。
【請求項7】
道路の脇に設置された柱材と、所定の長さの表示体から構成され、該表示体は、その基端部が柱材の上部に軸支されて表示体の先端部側が上下に回動可能であり、表示体の先端部側を道路の上方と道路の近傍に配置できる請求項1または2に記載の高さ制限表示装置。
【請求項8】
道路上に設置された施設内において、所定の間隔を開けて一対の回動杆を配置し、この一対の回動杆の先端部側に所定の長さの表示体を固定して、表示体を道路の上方と道路の近傍に配置できる請求項1または2に記載の高さ制限表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−188851(P2012−188851A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52913(P2011−52913)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】