説明

高められた紫外線防御のための化粧用組成物および方法

本開示は、全体として、高められた紫外線防御指数を有する化粧品調合物に関する。本開示は、特に、化粧用粉体を含み、低い配合率の有機日焼け防止剤を有する紫外線防御化粧品調合物に関するがこれに限定されるものではない。本化粧品調合物は、少なくとも1つの表面処理された化粧用粉体を含み、この化粧用粉体は、その表面に結合した少なくとも1つの有機紫外線活性物質を有する。上記表面処理された化粧用粉体は、少なくとも1つの金属架橋された表面活性剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本開示は、全体として、高められた紫外線防御指数を有する化粧品調合物に関する。本開示は、特に、化粧用粉体を含み、低い配合率の有機日焼け防止剤を有する紫外線防御化粧品調合物に関するがこれに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
背景
下記に提供される情報は、本発明にとって先行技術であると認められるものではなく、単に読者の理解を助けるために提供される。
【0003】
現在、多数のローション型の日焼け防止剤が市販されている。通常、日焼け防止剤処方物は、油中水型(W/O)または水中油型(O/W)エマルジョンであるか、あるいは無水系である。高い太陽光線防御指数(SPF)、特にUV−A放射に対する高い防御指数(PFA)を得るために、日焼け防止剤調合物は、通常、大量の油分主体の紫外線活性物質を配合する。大量の油分主体の紫外線活性物質を用いると、得られる日焼け防止剤の質感が油性となり、脂っぽくなり、べたつき、いくらか不透明になる。油分は、経皮投与が不適切であり得る成分を含む他の調合成分の皮膚透過を高めることがあることからも好ましくない。これらの望ましくない特性に加えて、高い配合率の油分主体の紫外線活性物質は、多くの場合に敏感な個人において有害な皮膚反応を引き起こす。
【0004】
市販日焼け防止剤は、通常、重量パーセント(重量%)紫外線活性成分あたり約1から2のSPF単位を生じるように調合される。例えば、20のSPFの通常の日焼け防止剤調合物は、大体13%の紫外線活性物質を含んでいる。多くの場合に、はるかに高いSPF評点を有する日焼け防止剤を調合することが望ましい。より高いSPF評点の日焼け防止剤を調合するためには、油分主体の有機紫外線活性物質の濃度を対応して増加させる必要がある。
【0005】
より高いレベルの防御を与えるようにますます高いSPF値を有する日焼け防止剤を調合することが望ましい。しかし、現行の調合量では、好ましくない副作用が高くなるであろう。調合物中で有機紫外線吸収剤が可能な最低レベルで用いられるなら、感触の問題および安全性の懸念は改善されるであろう。調合物中により少ない量の原料が用いられると製造コストも低くなるであろう。従って、有機紫外線活性物質の量を少なくした日焼け防止剤を調合することが求められている。
【0006】
以下の開示から、他の目的および利点が明らかになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本開示は、少なくとも1つの有機紫外線活性物質および少なくとも1つの化粧用粉体物質を含む化粧品調合物に関し、本調合物は、少なくとも3.0のSPF指数を有する。本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、少なくとも4.0のSPF指数を有する。本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、少なくとも6.0のSPF指数を有する。本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、少なくとも8.0のSPF指数を有する。本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、少なくとも10.0のSPF指数を有する。
【0008】
本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、少なくとも1つの有機紫外線活性物質を含む。本開示の様相によれば、有機紫外線活性物質は、紫外線放射を吸収するか、遮断するか、または他の方法で軽減する任意の有機日焼け防止剤である。
【0009】
本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、約0.5重量%から約35重量%の化粧用粉体を含む。本開示の様相によれば、本化粧用粉体は、シリケート、表面修飾シリケート、有機ポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる。
【0010】
本開示の様相によれば、シリケートは、水和シリケートを含んでよく、例えば、シリカ、雲母、タルク、絹雲母、カオリン、およびそれらの混合物などのような、しかしこれに限定されるものではない物質を含んでよい。
【0011】
本開示の様相によれば、化粧用粉体の少なくとも一部分は、本開示の共有結合性の表面を修飾する反応の「基材」である。本開示の様相によれば、化粧用粉体の少なくとも一部分は、本開示の共有結合性の表面を修飾する反応が適用されない「フィラー」である。
【0012】
本開示の様相によれば、シリケートは、その表面に有機物質が結合することによって修飾されてよい。表面修飾されたシリケートの非限定的な例は、
・トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたシリカ、
・トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたタルク、
・トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたカオリン、
・トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム、
・トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆された雲母、
・パール顔料である、すなわち、トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたFlamenco Velvetなどの雲母チタン(titanated mica)
を含む。
【0013】
本開示の様相によれば、化粧用粉体基材の少なくとも1つのヒドロキシルは、多価金属を介して、少なくとも有機酸またはアシル部分を含む少なくとも1つの有機化合物と、共有結合によって連結してよい。本開示の様相によれば、少なくとも1つの有機化合物は、有機紫外線活性種の少なくとも一部分に結合するかまたはその少なくとも一部分を吸収してよい。
【0014】
本開示の様相によれば、化粧用粉体基材は、トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムの錯体を含む表面処理剤に結合してよい。本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、少なくとも1つの無機紫外線活性物質をさらに含んでよい。本開示の様相によれば、トリエトキシカプリリルシラン錯体は、有機紫外線活性種の少なくとも一部分に結合するかまたはその少なくとも一部分を吸収してよい。
【0015】
本開示の様相によれば、非限定的な無機紫外線活性物質は、二酸化チタンおよび酸化亜鉛を含む。本明細書において用いられる用語「無機紫外線活性物質」は、微粒子、例えば微粒子の二酸化チタンまたは微粒子の酸化亜鉛を指す。当業者によって理解されるように、雲母チタンの二酸化チタン被覆物は、紫外線活性でない。
【0016】
本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、任意選択として着色顔料を含んでよい。非限定的な任意選択の着色顔料は、鉄酸化物、例えば赤色、黄色、または黒色の酸化鉄を含んでよい。着色顔料は、サブミクロン微粒子であってよく、好ましくは約0.2ミクロンから約0.3ミクロンの微粒子であってよい。
【0017】
特定の様相によれば、開示されている調合物は、乳化剤を含んでよい。様相によれば、乳化剤は、鉱物性物質を安定化させるのに特に適することがある。
【0018】
本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、化粧品として承認されている皮膚軟化剤(油、ワックス等)、保湿剤(ポリオール、例えばグリセリン、ブチレングリコールおよびペンチレングリコール)、多糖類、およびアミノ酸、防腐剤、香料、および化粧品調合物中に通常用いられる他の添加剤をさらに含んでよい。
【0019】
本開示の様相によれば、本化粧品調合物は、実質的に視覚的に透明である。
【0020】
単に本発明の実施の、意図される最良のモードを例示するために、本発明の好ましい実施態様が示され、記載されている以下の詳細な説明から、本発明のさらに別の様相および利点が当業者によって容易に明らかになる。理解されるように、本発明は、他の実施態様および異なる実施態様が可能であり、本発明のいくつかの細部は、本発明から逸脱することなく、さまざまな明らかな点で改変が可能である。従って、本説明は、本来例示的であり限定的ではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、モノカルボン酸塩および表面処理剤と化粧用粉体基材との反応の概略図である。
【図2】図2は、ジカルボン酸塩および表面処理剤と化粧用粉体基材との反応の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好ましい実施態様の詳細な説明
本出願の譲受人に譲渡された同時係属中の米国特許出願第11/142,468号は、1つ以上の表面活性剤で化学的に固定された表面層を有し、油分で被覆された粉体物質を含む被覆粉体物質を開示している。同時係属中の出願第11/142,468号は、被覆された粉体を作る方法をさらに開示している。本出願は、出願第11/142,468号の内容全体を参照により援用する。開示されている、被覆粉体物質は、さまざまな化粧用および洗面用製品中への混和に適している無塵粉体である。
【0023】
本出願の譲受人に譲渡された同時係属中の米国特許出願第12/273,495号は、水系スラリー組成物、および水系スラリー組成物を調製するための方法を開示している。開示されている水系スラリー組成物は1つ以上の顔料および基材を含み、顔料または基材は少なくとも1つの表面処理剤(例えば、疎水性または親水性)で化学的に固定された表面を有し、顔料は基材に接着し、顔料および基材は水媒質中に分散している。開示されている水系スラリー組成物は1つ以上の顔料および基材も含み、顔料または基材は少なくとも2つの表面処理剤(例えば、疎水性または親水性)で化学的に固定された表面を有し、顔料は基材に接着し、顔料および基材は水媒質中に分散している。水系スラリー組成物を調製するための方法は、少なくとも1つの顔料および基材を提供するステップ、基材または顔料を表面処理剤と接触させて表面修飾された基材または顔料物質を製造し、それによって顔料を接着させた基材を製造するステップ、上記物質が完全にまたは部分的に広がるまで上記物質をブレンドするステップ、およびブレンドされた物質を液体の水系(水性)媒質中に分散させるステップを含む。開示されている組成物は、化粧品用途に適している。本出願は、出願第12/273,495号の内容全体を参照により援用する。
【0024】
Miyoshi Kasei,Inc.に譲渡された米国特許第6,482,441号は、化粧品目的に適している表面処理された粉体を開示している。本出願は、米国特許第6,482,441号の内容全体を参照により援用する。米国特許第6,482,441号は、粉体物質がさまざまな機能特性、例えば接着力、美感(触感)、被覆力、着色力、ならびに光吸収および散乱を有し得ることを開示している。‘441号特許は、これらの粒子が一次サイズの粒子として分散するとそのような粉体特性がより十分に実現され、これらの粒子がフロックを形成する(flocculate)かまたは塊になるとこれらの特性が弱められることをさらに開示している。
【0025】
Shamrock Technologies,Inc.に譲渡された米国特許第6,036,945号およびその継続特許(第6,280,710号)は、日焼け防止活性物質を含むことがあるワックスの結晶化の核形成を行うためのミクロンサイズの粒子の使用を開示している。好ましい核形成剤として二酸化チタンおよび酸化亜鉛が開示されている。‘945号特許は、二酸化チタンおよび酸化亜鉛は紫外線活性なので得られるワックス粉体のSPF値を加法的に高めることを開示している。
【0026】
本発明者らは、驚くべきことに、ミクロンサイズの被覆粒子がさらに有機紫外線活性物質で被覆されている相乗作用的な紫外線活性物質を発見した。この相乗作用的な紫外線活性は、非紫外線活性物質、例えば粘土(カオリン)、シリカ、およびナイロンから構成された粒子によって顕される。この相乗作用によって、高いSPF値を有するが比較的低い濃度の有機紫外線活性成分を有する化粧品調合物の製造が可能になる。
【0027】
市販の日焼け防止剤は、通常、紫外線活性成分1重量パーセント(重量%)あたり約1から2のSPF単位を生じるように調合される。例えば、通常の市販の50のSPFの日焼け防止剤調合物は、合計で約27%の紫外線活性物質、例えば7.5%のオクチノキセート、6.0%のオキシベンゾン、8.0%のオコクリレン、および5.0%のオクチサレートを含む。本開示は、用語「SPF指数」に関する。SPF指数は、本明細書において、重量パーセント(重量%)で表した有機紫外線活性物質の濃度に対するSPFの、数で示される比として定義される。
【0028】
当業者は、SPF値を決定するためのいくつかの方法に通じている。インビボSPF値は、1993年5月12日の58 FR 28194のFederal Register,Docket No.78N−0038に公表された日焼け防止剤試験のための提案された規則のFood and Drug Administration(FDA)Tentative Final Monographに示されている手順に従って決定されてよい。インビボPFA値は、Federal Register Vol 72,No.165 pp.49070〜49122,21 CFR Parts 347 and 352,Sunscreen Drug Products for Over−the−Counter Human Use;Proposed Amendment of Final Monograph;Proposed Ruleに示されている手順に従って決定されてよい。インビトロSPF値は、Diffy,B.L.and Robson,J.(1989)(“A new substrate to measure sunscreen protection factor throughout the ultraviolet spectrum,”40 J.Soc.Cosmet.Chem.127〜133,1989)の方法に従って決定されてよい。
【0029】
本発明の目的のために、SPF値は、所定の波長における透過率の逆数に比例すると決定された。清浄な大体2mmの厚さのクォート(quarts)スライド上にTranspore(商標)(3M、Minneapolis、USA)テープの層が単一の層として配置される。好ましくは、6つの重複しない点の測定が可能になるように、少なくとも40cmの面積に貼られる。試験される各日焼け防止剤について最小限の3つの試験試料および少なくとも1つの対照試料が調製された。SPF−290(商標)Ultraviolet Transmittance Analyzer(Optometrics LLC,Ayer,MA,USA)の中で試料プレートが280〜400nmの紫外線照射に曝露された。Transpore(商標)層がほぼ2mg/cmの適切な試料で均一に被覆されるか、またはビヒクル対照がスポンジを用いてプレートに塗布された。分析用天秤でプレートが秤量され、15分間平衡化した。試料プレートが、前と同じように紫外線照射に曝露された。6つのランダムに選ばれた点において照射が行われた。製造業者によって供給されたソフトウェアを用い、式I
【0030】
【数1】

に従ってSPF値を計算した。式Iについて、E(λ)は、波長λにおける太陽照度スペクトルであり、A(λ)は、波長λにおける紅斑(erythemal)作用スペクトルであり、MPF(λ)は、波長λにおける単色防御指数である。MPFは、大まかには所定の波長における透過率の逆数である。
【0031】
本発明において用いられる有機日焼け防止剤は、紫外線放射を吸収するか、遮断するか、または他の方法で軽減する任意の有機日焼け防止剤を含む。いかなる形であれ本発明を限定することは望まないが、そのような日焼け防止剤組成物は、p−アミノ安息香酸、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、ジエタノールアミン−p−メトキシシンナメート、トリオレイン酸ジガロイル、2,2−ジヒドロキシ(hyroxy)−4−メトキシベンゾフェノン、エチル−4−ビス−(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、サリチル酸2−エチルヘキシル、アミノ安息香酸グリセリル、サリチル酸3 3,5−トリメチルシクロヘキシル、ジヒドロキシアセトンを用いるローソン、アントラニル酸メチル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、アミル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、赤石油(red petroleum)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、トリエタノールアミンサリチレート、アミロキセート、エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオネート、エチルヘキシルメトキシクリレン、および類似物、ならびにそれらの混合物を含むがこれに限定されるものではない。
【0032】
上記に挙げられている日焼け防止剤に加えて、Sunscreens Final Monogram,64FR27666(1999年5月21日)に本発明の日焼け防止剤組成物において用いられるのに適した日焼け防止剤が示されている。米国、ヨーロッパ共同体、オーストラリアおよび日本の規制当局によって承認され、本発明の目的に対し適切な日焼け防止剤は、PABA、オクチルジメチル−PABA、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、シノキセート、ジオキシベンゾン(ベンゾフェノン−8)、オキシベンゾン(ベンゾフェノン−3)、ホモサレート、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、オクチノキセート、オクチサレート、スリソベンゾン、トロラミンサリチレート、アボベンゾン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、4−メチルベンジリデンカンファー、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ビスイミダジレート、ドロメトリゾールトリシロキサン、ナトリウムジヒドロキシジメトキシジスルホベンゾフェノン(ベンゾフェノン−9)、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、イスコトリジノール、ポリシリコーン−15、アミロキセート、エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオネート、およびそれらの混合物を含んでよい。
【0033】
非限定的な好ましい日焼け防止剤は、オクチノキセート(エチルヘキシルメトキシシンナメート)、オキシベンゾン(ベンゾフェノン−3)、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、ホモサレート、オクチサレート、アボベンゾン、およびそれらの混合物を含む。
【0034】
開示されている組成物は、少なくとも1つの化粧用粉体物質を含む。本開示の目的のために、用語「化粧用粉体」は、化粧用および洗面用製品において用いるのに適している粉体形の化粧品原料を含み、紫外線活性物質、無機物質、例えば二酸化チタンおよび酸化亜鉛を除く。同時係属中の第11/142,468号に、適当な粉体物質が開示されている。
【0035】
粉体形の化粧品原料は、増量剤、ポリマー粉体、パール顔料、無機着色顔料、無機白色顔料、および有機顔料(レーキ)を含んでよい。
【0036】
増量剤は、無機物質、例えばタルクシリカ、他のシリケート、例えば、雲母、絹雲母、カオリン(粘土)、ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム、すなわちbeadyl beads(商標)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、セラミック粉体、例えば窒化ホウ素、および金属粉体、例えばアルミニウムを含んでよいがこれに限定されるものではない。カオリンは、天然カオリンであっても焼成されたカオリンであってもよく、剥離したカオリン、例えばKaMin LLCによって販売されているものであってよい。通常、増量剤物質は、約1から約40ミクロンのサイズを有する。
【0037】
ポリマー粉体は、粉体形の物質、例えばナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ウール、セルロース、絹、デンプン粉体を含んでよいがこれに限定されるものではない。通常、ポリマー粉体物質は、約1から約40ミクロンのサイズを有する。
【0038】
パール顔料は、通常、無機顔料で被覆された増量剤物質から構成されている。通常のパール顔料は、雲母チタン、例えばRona/EM Industriesによって製造されているTimron Super Silver(商標)である。雲母チタンは、雲母表面に二酸化チタンを堆積させることによって形成される。通常、パール顔料は、約10から約250ミクロンのサイズを有する。
【0039】
無機着色顔料は、鉄酸化物(赤色、黄色、黒色、褐色)、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンピンク、ウルトラマリンバイオレット、マンガンバイオレット、酸化クロムグリーン、水酸化クロムグリーン、およびカーボンブラックを含んでよいがこれに限定されるものではない。色強度を最大にするために、無機着色顔料は、通常、サブミクロンの粒子サイズを有する。
【0040】
非限定的な無機白色顔料は、二酸化チタンおよび酸化亜鉛を含む。顔料等級の無機白色顔料は、通常、約0.3ミクロンであり、超微細等級は、通常、0.1ミクロン未満である。
【0041】
非限定的な有機顔料(レーキ)は、赤色4号、赤色7号、赤色22号、赤色27号、黄色5号、黄色6号、緑色3号、青色1号、ベータ−カロテン、カルミン、およびクロロフィルを含んでよい。
【0042】
本開示の実施態様において、化粧用粉体は、シリケート、有機ポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選ばれてよい。本発明のシリケートは、水和シリケートを含んでよく、シリカ、雲母、タルク、絹雲母、カオリン、およびそれらの混合物を含んでよいがこれに限定されるものではない。
【0043】
シリケートは、さまざまな有機および/または無機化合物で被覆することによってそれらの表面を修飾してよい。被覆物の非限定的な例は、トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムの1つ以上を含む混合物を含む。
【0044】
本発明の調合物は、乳化剤を含んでよい。特に適している乳化剤は、鉱物質添加剤を安定化することができるものである。適当な乳化剤は、スクアレンおよびポリソルベート60とともに調合されたヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマーである。そのような物質は、Simulgel(商標)NSという名称で売買されている。適当な乳化剤は、RM2051(登録商標)(Dow Corning)ジメチコーン系増粘用および乳化用ポリマー(INCI名:ナトリウムポリアクリレート(および)ジメチコーン(および)シクロペンタシロキサン(および)Trideceth−6(平均して6つのエチレンオキシド単位を有するトリデシルアルコールのポリエチレングリコールエーテルのための一般名)(および)PEG/PPG 18/18ジメチコーン)を含む。
【0045】
化粧用粉体組成物において通常使用される他の従来の添加剤が本発明とともに使用されてよい。そのような添加剤は、1つ以上の防腐剤、例えばメチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、安息香酸、イミダゾリジニル尿素および他の従来の防腐剤、酸化防止剤、皮膚軟化剤、可塑剤、界面活性剤防水添加剤、植物抽出物、ならびにポリエチレン、炭酸マグネシウム、メチルセルロース、雲母および類似物を含むフィラーを含むがこれに限定されるものではない。
【0046】
本発明の実施態様において、粉体組成物の成分は、従来の粉体ブレンド用装置および手順を用いて一緒に乾式ブレンドされる。
【0047】
化粧用粉体は、1つ以上の表面活性層で被覆されてよい。化粧用粉体の被覆は、米国特許第6,482,441号または同時係属中の第11/142,468号または同時係属中の第12/273,495号に開示されているように行われてよい。
【0048】
実施態様において、表面処理剤は、式I
【0049】
【化1】

による脂肪酸またはその塩であり、ここで、Rは、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基であってよく、これらのすべてが1つ以上のヒドロキシ基によって置換されていてよく、1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基によってさらに置換されていてよい。通常、Rは、CからC24炭素ラジカルであるがこれによって限定されるものではない。Mは、カチオンであり、このカチオンは、独立に、水素、金属または、例えばトリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、またはリシンのような、しかしこれに限定されるものではない有機塩基から選ばれてよい。
【0050】
実施態様において、表面処理剤は、式II
【0051】
【化2】

によるアルキルエーテルカルボン酸またはその塩であり、ここで、Rは、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基であってよく、これらのすべてが1つ以上のヒドロキシ基によって置換されていてよく、1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基によってさらに置換されていてよい。通常、Rは、CからC24炭素ラジカルであるがこれに限定されるものではない。スペーサーRは、通常、エチレン、プロピレン、またはブチレンであり、通常、そのようなスペーサー基の数nは、0から約20まで変わり得る。Mは、カチオンであり、このカチオンは、独立に、水素、金属、または、例えばトリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、またはリシンのような、しかしこれに限定されるものではない有機塩基から選ばれてよい。
【0052】
実施態様において、表面処理剤は、式III
【0053】
【化3】

によるアシルアミノ酸またはその塩であり、ここで、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基であってよく、これらのいずれもが1つ以上のヒドロキシ基(単数または複数)によって置換されていてよく、1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基(単数または複数)によってさらに置換されていてよい。通常、Rは、CからC24炭素ラジカルであり、R10は、水素またはメチルであってよいが、これに限定されるものではない。Mは、カチオンであり、このカチオンは、独立に、水素、金属または、例えばトリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、またはリシンのような、しかしこれに限定されるものではない有機塩基から選ばれてよい。
【0054】
実施態様において、表面処理剤は、式IV
【0055】
【化4】

による2−ピロリジノン−5−カルボン酸またはその塩であり、ここで、Rは、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基であってよく、これらのいずれもが1つ以上のヒドロキシ基によって置換されていてよく、1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基(単数または複数)によってさらに置換されていてよい。通常、Rは、CからC24炭素ラジカルであるがこれに限定されるものではない。Mは、カチオンであり、このカチオンは、独立に、水素、金属または、例えばトリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、またはリシンのような、しかしこれに限定されるものではない有機塩基から選ばれてよい。
【0056】
実施態様において、表面処理剤は、式V
【0057】
【化5】

による酸ポリアミドまたはその塩であり、ここで、RおよびRのそれぞれは、独立に、疎水性のアルキル、アルキニル、およびアルケニル部分から選ばれてよい。通常、RおよびRのそれぞれは、独立に、CからC24炭素ラジカルであるがこれに限定されるものではない。RおよびRのそれぞれは、独立に、アルキル、アルキニル、およびアルケニルアミノ酸部分から選ばれてよい。RおよびRのそれぞれは、独立に、アルキル、アルキニル、およびアルケニル部分から選ばれてよい。R、RおよびRの少なくとも1つは、カルボキシル基を有し、このカルボキシル基は、酸の形(水素と錯体形成した)であってもよく、塩の形(カチオンと錯体形成し、このカチオンは、金属または、例えばトリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、またはリシンのような、しかしこれに限定されるものではない有機塩基であってよい)であってもよい。
【0058】
実施態様において、表面処理剤は、式VIaによるリン脂質またはその塩、あるいは式VIbまたは式VIcによるアルキルエーテルリン酸またはその塩であり、
【0059】
【化6】

ここで、RおよびRのそれぞれは、独立に、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基(単数または複数)から選ばれてよく、それらのいずれもが1つ以上のヒドロキシル基(単数または複数)によって置換されていてよく、1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基(単数または複数)によってさらに置換されていてよい。通常、RおよびRのそれぞれは、独立に、CからC24炭素ラジカルであるがこれに限定されるものではない。各Mは、カチオンであり、このカチオンは、独立に、水素、金属または、例えばトリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、またはリシンのような、しかしこれに限定されるものではない有機塩基から選ばれてよい。
【0060】
実施態様において、表面処理剤は、式VIIaまたはVIIb
【0061】
【化7】

による両性物質またはその塩であり、ここで、R、R、およびRのそれぞれは、独立に、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基(単数または複数)から選ばれてよく、それらのいずれもが1つ以上のヒドロキシル基(単数または複数)によって置換されていてよく、1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基(単数または複数)によってさらに置換されていてよい。通常、Rは、独立に、CからC24炭素ラジカルであるがこれに限定されるものではない。
【0062】
実施態様において、表面処理剤は、式VIIIa〜VIIIc
【0063】
【化8】

によるシランであり、ここで、R、R、およびRのそれぞれは、独立に、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基(単数または複数)から選ばれてよく、それらのいずれもが1つ以上のヒドロキシル基(単数または複数)によって置換されていてよく、1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基(単数または複数)によってさらに置換されていてよい。通常、Rは、独立に、CからC24炭素ラジカルであるがこれに限定されるものではない。Xは、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、イソブトキシのような、しかしこれに限定されるものではないアルコキシ基、あるいはハロゲン(F、Cl、BrまたはI)である。
【0064】
実施態様において、表面処理剤は、式IX
【0065】
【化9】

によるポリシランであり、ここで、R、R、R、R、R、R、R、およびR10のそれぞれは、独立に、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基(単数または複数)から選ばれてよく、それらのいずれもが1つ以上のヒドロキシル基(単数または複数)によって置換されていてよく、1つ以上のハロゲン、アルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基(単数または複数)によってさらに置換されていてよい。指数nは、0から約60まで変わり得る。
【0066】
実施態様において、表面処理剤は、式X
【0067】
【化10】

によるテトラヒドロピラン−2−カルボン酸またはその塩であり、ここで、Y、Y、Y、およびYのそれぞれは、独立に、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、またはオキソ基から選ばれてよい。これらの少なくとも1つは、ヒドロキシ基である。Mは、カチオンであり、このカチオンは、独立に、水素、金属または、例えばトリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、またはリシンのような、しかしこれに限定されるものではない有機塩基から選ばれてよい。
【0068】
実施態様において、表面処理剤は、式XI
【0069】
【化11】

によるテトラヒドロフラン−2−アセチルカルボキシレートであり、ここで、Y、Y、Y、Yのそれぞれは、独立に、水素、ヒドロキシ基、アルコキシ基またはオキソ基から選ばれ、これらの少なくとも1つはヒドロキシ基である。Mは、カチオンであり、このカチオンは、独立に、水素、金属または、例えばトリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、またはリシンのような、しかしこれに限定されるものではない有機塩基から選ばれてよい。
【0070】
実施態様において、表面処理剤の少なくとも1つのカルボキシル部分(−COOH)が基材化粧用粉体の表面に存在する少なくとも1つのヒドロキシル部分に共有結合によって架橋されている。実施態様(図1)において、4当量のモノカルボン酸塩、表面処理剤が化粧用粉体基材と混合される。化粧用粉体は、一対のヒドロキシルとして表されている。カルボン酸塩およびヒドロキシルは、例えば硫酸アルミニウム(Al(SO)のような、しかしこれに限定されるものではない多価金属イオン塩と混合される。反応は、2つの表面処理剤部分がそれらのカルボキシル基を介して、化粧用粉体表面からのヒドロキシルに共有結合によって架橋するように進む。4当量のモノカルボン酸塩、表面処理剤が2当量の金属架橋錯体を与える。
【0071】
実施態様(図2)において、2当量のジカルボン酸塩、表面処理剤が化粧用粉体基材と混合される。カルボン酸塩およびヒドロキシルは、例えば硫酸アルミニウム(Al(SO)のような、しかしこれに限定されるものではない多価金属イオン塩と混合される。反応は、単独の表面処理剤部分がその2つのカルボキシル基を介して、化粧用粉体表面からのヒドロキシルに共有結合によって架橋するように進む。2当量のジカルボン酸塩、表面処理剤が1当量の金属架橋錯体を与える。
【0072】
式I〜XIは、表面処理剤がカルボキシル置換基を含む場合のものが描かれている。本開示の実施態様によっては、カルボキシル基の一部またはすべてがサルフェート基(−SO)および/またはホスフェート基(−PO)によって置き換えられてよい。
【0073】
本開示は、化粧用粉体の表面処理のための一般手順を提供する。実施態様において、化粧用粉体が容器中で、ある量の水または水とエタノール、イソプロパノール等のような有機溶媒との混合物と混ぜられてスラリーを形成する。化粧用粉体は、単一の物質であってもよく本明細書に開示されているさまざまな基材物質の混合物であってもよい。例えば段落0046〜0070に開示されているような表面処理剤がスラリーに加えられ、混合される。例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウムのような、しかしこれに限定されるものではない少なくとも1つの多価金属の塩が加えられて処理剤を粉体表面に固定する。
【0074】
上記のスラリーに液体の有機紫外線活性物質が加えられる。紫外線活性物質は、単一の物質であってもよく複数の物質の組み合わせであってもよい。紫外線活性物質が室温固体、例えばオキシベンゾンまたはアボベンゾンまたは同様の物質である場合、上記固体を、液体の有機溶媒に溶解させるべきである。好ましくは、有機溶媒は、それ自体、例えばオクトクリレンまたはオクチノキセートのような、しかしこれに限定されるものではない紫外線活性物質であるべきである。
【0075】
実施態様において、紫外線活性物質は、多価金属の塩の添加前に化粧用粉体に加えられてよい。実施態様において、紫外線活性物質は、多価金属の塩の添加後に化粧用粉体に加えられてよい。実施態様において、紫外線活性物質は、多価金属の塩の添加と同時に化粧用粉体に加えられてよい。
【0076】
共有結合表面処理反応は完結するまで進行させられ、結合した紫外線活性物質を有する表面処理された化粧用粉体を含む「ウェットケーキ」が未反応物質から分離される。分離は、遠心分離およびろ過を含むがこれに限定されるものではない手段によって実行されてよい。
【0077】
ウェットケーキは、ホモジナイザー、分散装置、プロペラミキサー、または当分野において公知である他の機械的手段を用いて混合されることによって、水に分散してよい。系を安定させ、質感を日焼け防止剤処方物として整えるために追加の化粧用物質が加えられるべきである。そのような追加の物質は、乳化剤、防腐剤、酸化防止剤、皮膚軟化剤、可塑剤、界面活性剤、防水剤、植物抽出物、染料、着色剤、着香剤、香水、およびそれらの混合物を含んでよいがこれに限定されるものではない。
【0078】
ろ過または遠心分離から得られる「ウェットケーキ」残留物は、残留水分で湿っている疎水性の表面修飾された化粧用粉体を含んでいる。疎水性被覆物は、紫外線活性な日焼け防止剤油分を表面修飾された化粧用粉体に接着させる原因となる。この処理は、水と油分と化粧用粉体との間の界面活性剤層として作用する。
【0079】
実施態様によると、ウェットケーキは少なくとも部分的に乾燥させてよい。乾燥は、約105℃から約120℃の温度において約1から約10時間であってよい。乾燥は、所望の乾燥度が得られるまで続けられてよい。
【0080】
あるいは、さまざまな成分は、「捏和法」によってブレンドされてよい。捏和−ブレンド方法によって、ウェットケーキを形成するのに必要であるより実質的に少ない水の使用が可能になる。捏和−ブレンド法によって、ウェットケーキと比較してはるかに乾燥した製品(捏和ブレンド)も得られる。
【0081】
捏和ブレンドは、化粧用粉体を溶媒で湿らすことによって形成されてよい。化粧用粉体は、単一の物質であってもよくいくつかの物質の混合物であってもよい。溶媒は、水または水と有機溶媒との混合物であってよい。有機溶媒は、好ましくは、例えばエタノールまたはイソプロパノールのような、しかしこれに限定されるものではない低級アルコールである。有機溶媒は、溶媒の混合物であってよい。
【0082】
湿った化粧用粉体に表面処理剤またはその混合物が加えられ、ブレンドされる。段落0046〜0070に適当な表面処理剤が開示されている。
【0083】
処理剤を粉体表面に固定するために、例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウムのような、しかしこれに限定されるものではない、少なくとも1つの多価金属の塩が加えられる。
【0084】
上記のスラリーに液体の有機紫外線活性物質が加えられる。紫外線活性物質は、単一の物質であってもよく複数の物質の組み合わせであってもよい。紫外線活性物質が室温固体、例えばオキシベンゾンまたはアボベンゾンまたは同様の物質である場合、上記固体を、液体有機溶媒に溶解させるべきである。好ましくは、有機溶媒は、それ自体、例えばオクトクリレンまたはオクチノキセートのような、しかしこれに限定されるものではない紫外線活性物質であるべきである。
【0085】
結合した紫外線活性物質を有する表面処理された化粧用粉体から構成される捏和ブレンドは、湿った組成物として回収される。
【0086】
実施態様において、紫外線活性物質は、多価金属の塩の添加前に化粧用粉体に加えられてよい。実施態様において、紫外線活性物質は、多価金属の塩の添加後に化粧用粉体に加えられてよい。実施態様において、紫外線活性物質は、多価金属の塩の添加と同時に化粧用粉体に加えられてよい。
【0087】
実施態様において、捏和ブレンドは、少なくとも部分的に乾燥させてよい。乾燥は、約105℃から約120℃の温度において約1から約10時間であってよい。乾燥は、所望の乾燥度が得られるまで続けられてよい。
【0088】
実施態様において、結合した紫外線活性物質を有し、乾燥した、表面処理された物質は、化粧品調合物、例えば無水系または油中水型エマルジョン中に分散してよい。実施態様において、結合した紫外線活性物質を有し、乾燥した、表面処理された物質は、例えば圧縮された(pressed)ファンデーションパウダーまたは固まっていない(loose)パウダーのような、しかしこれに限定されるものではない粉体系として調合されてよい。他の化粧品成分が適切に加えられてよい。そのような追加の物質は、乳化剤、防腐剤、酸化防止剤、皮膚軟化剤、可塑剤、界面活性剤、防水剤、植物抽出物、染料、着色剤、着香剤、香水、およびそれらの混合物を含んでよいがこれに限定されるものではない。
【0089】
上記の方法のいずれかによって製造されたウェットケーキまたは捏和ブレンドも、任意選択として、オーブン乾燥してよい。乾燥は、通常、105℃において一夜行われる。この方法によって保持されている水のほとんどまたはすべてが除去される。「乾燥した」製品は、日焼け防止剤油分を含む、処理された化粧用粉体からなる。表面被覆物および日焼け防止活性物質の親油的な性質により安定な系が可能になる。
【0090】
実施態様において、任意選択として乾燥したウェットケーキおよび/または捏和ブレンドは、乳化されて安定な水中油型(OW)系を形成してよい。任意選択として乾燥したウェットケーキおよび/または捏和ブレンドに、ある量の水が加えられ、ホモジナイザー、分散ブレード、またはプロペラで混合される。ブレンド用機器の選択は、当業者に明らかであるように、必要なエネルギー量に依存してよい。混合を続けながらレオロジー調節剤(増粘剤)が加えられる。レオロジー調節剤は、Simulgel(商標)NSまたはDow RM2051(商標)であってよい。レオロジー調節剤を加えるとクリーム状のローションの質感を有する最終製品が得られる。
【0091】
理論によって束縛されることはないが、上記の分散の性質、具体的には、処理された化粧用粉体であって紫外線活性油分と組み合わされた化粧用粉体が、塗布されると「ブランケット」のような覆いをもたらし、それによって高いSPFの基礎を提供すると本発明者らは考える。
【0092】
実施態様において、任意選択として乾燥したウェットケーキおよび/または捏和ブレンドは、乳化されて安定な油中水型(WO)系を形成してよい。任意選択として乾燥したウェットケーキおよび/または捏和ブレンドは、例えばイソノニルイソノナノエート(「ININ」)、シクロメチコーン(シクロペンタジメチルシロキサン、「D5」)、イソドデカンのような、しかしこれに限定されるものではない通常の油分、および例えばABIL WE09(ポリグリセリル−4イソステアレート(および)セチルPEG/PPG−10/1ジメチコーン(および)ヘキシルラウレートのブレンド)のような、しかしこれに限定されるものではない乳化剤とともにホモジナイズされてよい。
【0093】
ウェットケーキまたは捏和ブレンドは、他の化粧品成分とともに調合されてよい。そのような追加の物質は、乳化剤、防腐剤、酸化防止剤、皮膚軟化剤、可塑剤、界面活性剤、防水剤、植物抽出物、染料、着色剤、着香剤、香水、およびそれらの混合物を含んでよいがこれに限定されるものではない。
【0094】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示することができる。
【実施例】
【0095】
実施例1
【0096】
【表1】

NA:データ入手不可
表Iの対照調合物は、従来の日焼け防止剤調合物の通常のものである。対照調合物は、6重量%の有機紫外線活性物質を含み、14のSPF値を達成し、2.33(14/6)のSPF指数を生み出している。調合物1は、約1%の被覆シリカ化粧用粉体を含むことによって、はるかに低い紫外線活性物質濃度(2.6)においてほとんど同じSPF値を実現することができることを示している(SPF指数は3.8)。調合物1および3において、示されているシリカおよびタルクは、トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムの混合物で被覆されている。
【0097】
調合物2は、11重量%の被覆されていない化粧用粉体を含むことによって、6重量%の有機紫外線活性物質によって得られる対照SPF値に対して2.8倍の増加が達成可能であることを示している。SPF指数は、6.5に増加している。被覆化粧用粉体(調合物3)を用いることによって、39のSPFから42のSPFへの増加が達成され、有機紫外線活性物質は6重量%から5.8重量%に減少し、SPF指数は7.2に増加している。
【0098】
実施例2
【0099】
【表2】

実施例2のための手順:大体70℃に加熱することによってオキシベンゾンをオクチノキセートに溶解させた。得られたオクチノキセート溶液に被覆されていないシリカおよび被覆されていないタルクを分散させ、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー(および)スクアラン(および)ポリソルベート60(Simulgel(商標)NS)を加えた。粉体を懸濁させたこの油相に、約70℃に加熱した水を加え、ホモジナイズ法によって乳化させた。それに防腐剤および香料が必要に応じて加えられる。
【0100】
実施例の調合物4から7は、有機紫外線活性物質および被覆シリカの一定の濃度を維持する一方で、被覆カオリン基材の濃度の増大を提供している。表IIは、それらの条件がSPF指数のプラトーへの増加の原因となることを示している。調合物4〜7のシリカおよびカオリンは、トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムの混合物で被覆されている。
【0101】
実施例3
【0102】
【表3】

表IIIにおいて、「シリケート」は、ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウムを指し、さまざまな化粧用粉体物質をトリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムの混合物で被覆した。Flamenco Velvetは、トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムの混合物で同じように被覆されている雲母チタンを指す。さまざまな調合物において、紫外線活性物質の濃度を5.4±0.4%に維持し、化粧用粉体の濃度を10.6±0.6%(1.2±0.1%シリカ+9.4±0.6%の他化粧用粉体)に維持した。表IIIのデータは、これらの条件下でSPF、従ってSPF指数は、特定のシリケート基材の性質に強く依存することを示している。
【0103】
実施例4
【0104】
【表4】

調合物13および14は、特定の有機紫外線活性物質および特定の化粧用粉体基材を変化させることによってSPF指数を制御することができることを示している。
【0105】
実施例5 表面処理され乾燥した粉体であって紫外線吸収油分で被覆された粉体を、「ミリスチン酸イソプロピル」に分散させ、続いてSimulgel NSおよびAbil WE−09を加えた。次に、あらかじめ調製した水相を、大体4500rpmでホモジナイズしながら油相に加えた。
【0106】
【表5】

*1 カオリンと雲母チタンとの混合物上に提供されるトリエトキシカプリリルシラン(および)ミリスチン酸アルミニウム(および)ステアロイルグルタミン酸二ナトリウムの表面処理を含むFlamenco Velvet。
【0107】
調合物15は、オーブン乾燥したウェットケーキから調製される油中水型日焼け防止剤の実施例である。処理プロセス全体、およびそれに続く製品の乾燥は上記に記載されている通りである。A相およびB相が別々に調製され、次にホモジナイゼーションによって混ぜられる。最終製品は、油を主体とする、注ぐことが可能な日焼け防止剤である。この系において、処理され乾燥した粉体は、化粧品油分(ミリスチン酸イソプロピル、「IPM」)内にあり、日焼け防止活性油分は、処理と活性物質との両方の親油性に起因して処理された粉体とともに残る。この系は、ABIL WE09乳化剤で安定化される。
【0108】
実施例6 以下の実施例は、日常使用の「着色日焼け防止剤」である。
【0109】
【表6】

調合物16、17および18は、UVAおよびUVB防御を両方提供する水中油型日焼け防止剤の実施例である。各調合物を、記載された通りそれぞれのウェットケーキを乳化させることによって調製した。実施例16において、アボベンゾンはUVAフィルターを含んでいる。比較例は、実施例16と同じ量の活性物質を含んでいるが、比較例は化粧用粉体を含んでいない。これは、所定の調合物中で化粧用粉体を用いると全体としてのSPFが大いに高められることを明快に示している。この値は比であるから、UVAスター評点(+++)は比較試料および実施例16の両方の場合で同じである点に注意するべきである。はるかに低い全体としてのSPF値と組み合わされたはるかに低いUVA値が、はるかに大きな全体としてのSPF値と組み合わされたはるかに大きなUVA値によって得られるものと同じUVAスター評点(比)を与えることができる。例えば、5:7と50:70とは、後者の値の方が1桁大きいが同じ比である。実施例17において、小さな一次粒子サイズの被覆着色顔料を使用することによって、UVA防御は向上する。従って、アボベンゾンの量は大いに低減することができる。実施例17は、赤褐色を有する着色生成物である点に注意するべきである。
【0110】
調合物18は、アボベンゾンを含まない。すべてのUVA防御は、顔料の一次粒子サイズから誘導される。実施例8〜12、および15は、++UVA評点を有する点に注意することが重要である。しかし、これらの試料についての平均UVA比は、約0.37である。調合物18についてのUVA比は、0.50である。これは、これらの顔料が追加のUVA防御を提供しているという事実を強調している。上記の最終生成物は、「肌色」の色合いで着色されている。
【0111】
実施態様において、有機シランと共有結合させることによって、シリカ系化粧用粉体が表面処理される。実施態様において、有機シランは、トリエトキシカプリリルシランである。実施態様において、表面処理剤は、トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムの錯体である。
【0112】
実施例19は、表面処理がトリエトキシカプリリルシランをカオリン(シリカ)に共有結合させることからなる日焼け防止剤の実施例である。
【0113】
【表7】

表VIIの比較例3。大体75℃に加熱しながらプロペラミキサーを用いてオクチノキセート、オクトクリレン、およびミリスチン酸イソプロピルの混合物にアボベンゾンを溶解させた。溶解させた紫外線吸収剤にSimulgel NSおよびWE−09を加え、使用するまで約65℃に維持した。別の容器中で大体50℃へ穏やかに加熱することによって塩化ナトリウム、EDTA二ナトリウム、およびブチレングリコールを水に溶解させた。4500rpmでホモジナイズしながら、水相を油相に加えた。2,3分間の混合後、成分を外界温度に冷却した。次に、SPFアナライザーを用いてSPF性能を決定した。
【0114】
表VIIの実施例19。トリエトキシカプリリルシラン処理され、乾燥したカオリンを、米国特許第5,968,531号に開示されている手順により高速ミキサー、例えばHenschelミキサーを用いて調製した。処理されたカオリンを、「比較例3」に関して上記に記載されているように油相中に分散させた。4500rpmでホモジナイズしながら、同じように調製した水相を油相に加えた。2,3分間の混合後、成分は外界温度に冷却した。次に、SPFアナライザーを用いてSPF性能を調べた。
【0115】
実施態様において、比較例3に関して上に記載されているように、処理されていない化粧用粉体を油相中に分散させる。上記のように、ホモジナイゼーションを用いて、上記と同じように調製した水相が油相に加える。処理されていない化粧用粉体も、本発明によって処理されると、SPF性能を増強することを決定した。
【0116】
我々の発明を上記のように記載してきたが、我々が新規であると主張し、かつ特許証による保護を望んでいるものは、添付の請求項にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの表面処理された化粧用粉体物質を含み、該化粧用粉体物質は、その表面に結合した少なくとも1つの有機紫外線活性物質を有する、化粧品調合物。
【請求項2】
前記表面処理された化粧用粉体物質は、少なくとも1つの金属架橋された表面活性剤を含む、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項3】
前記調合物は、少なくとも3.0のSPF指数を有する、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項4】
前記調合物は、少なくとも4.0のSPF指数を有する、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項5】
前記調合物は、少なくとも6.0のSPF指数を有する、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項6】
前記調合物は、少なくとも8.0のSPF指数を有する、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項7】
前記調合物は、少なくとも10.0のSPF指数を有する、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項8】
前記調合物は、約0.5重量%から約35重量%の化粧用粉体を含む、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項9】
前記調合物は、少なくとも1つの無機紫外線活性物質をさらに含む、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項10】
前記化粧用粉体は、シリケート、表面修飾シリケート、有機ポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項11】
前記シリケートは、シリカ、ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム、タルク、雲母、絹雲母、カオリン、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項10に記載の化粧品調合物。
【請求項12】
前記表面修飾されたシリケートは、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたシリカ、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたタルク、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたカオリン、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆された雲母、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆された雲母チタン、
およびそれらの混合物
からなる群から選ばれる、請求項10に記載の化粧品調合物。
【請求項13】
前記有機ポリマーは、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ウール粉体、セルロース粉体、絹粉体、デンプン、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項10に記載の化粧品調合物。
【請求項14】
前記表面活性剤は、脂肪酸、アルキルエーテルカルボン酸、アシルアミノ酸、2−ピロリジノン−5−カルボン酸、酸ポリアミド、アルキルエーテルリン酸、両性化合物、シラン、ポリシラン、テトラヒドロピラン−2−カルボン酸、テトラヒドロフラン−2−アセチルカルボン酸、それらの塩、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる化合物から誘導される残基である、請求項2に記載の化粧品調合物。
【請求項15】
前記金属は、多価金属の塩から誘導される、請求項2に記載の化粧品調合物。
【請求項16】
前記表面活性剤の少なくとも1つのカルボキシル基は、サルフェート基またはホスフェート基によって置換される、請求項14に記載の化粧品調合物。
【請求項17】
前記有機紫外線活性物質は、オクチノキセート(エチルヘキシルメトキシシンナメート)、オキシベンゾン(ベンゾフェノン−3)、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、ホモサラート、オクチサラート、アボベンゾン、p−アミノ安息香酸、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、ジエタノールアミン−p−メトキシシンナメート、トリオレイン酸ジガロイル、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチル−4−ビス−(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、サリチル酸2−エチルヘキシル、アミノ安息香酸グリセリル、サリチル酸3 3,5−トリメチルシクロヘキシル、ジヒドロキシアセトンを用いるローソン、アントラニル酸メチル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、アミル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、赤石油、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、トリエタノールアミンサリチレート、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項18】
前記無機紫外線活性物質は、二酸化チタン、酸化亜鉛、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項9に記載の化粧品調合物。
【請求項19】
乳化剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項20】
前記乳化剤は、鉱物質添加剤を安定化する、請求項19に記載の化粧品調合物。
【請求項21】
前記乳化剤は、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマーを主体とする調合物とジメチコーンポリマーを主体とする調合物とからなる群から選ばれる、請求項19に記載の化粧品調合物。
【請求項22】
防腐剤、酸化防止剤、皮膚軟化剤、可塑剤、界面活性剤、防水添加剤、植物抽出物、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる添加剤をさらに含む、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項23】
その表面に少なくとも1つのヒドロキシルを有する化粧用粉体を提供するステップ、
該化粧用粉体をある量の溶媒と接触させてスラリーを形成させるステップ、
該スラリーを表面処理剤と接触させるステップ、
該スラリーを多価金属の塩と接触させるステップであって、該多価金属は、該化粧用粉体および該表面処理剤と金属架橋された共有結合錯体を形成するステップ、および
該金属架橋された錯体を紫外線活性有機物質と接触させるステップ
を含む、表面処理された化粧用粉体調合物を作るウェットケーキ法。
【請求項24】
前記溶媒からウェットケーキを分離するステップをさらに含む、請求項23に記載の表面処理された化粧用粉体調合物を作るウェットケーキ法。
【請求項25】
前記ウェットケーキを少なくとも部分的に乾燥させるステップをさらに含む、請求項24に記載の表面処理された化粧用粉体調合物を作るウェットケーキ法。
【請求項26】
前記ウェットケーキを乳化させるステップをさらに含む、請求項24に記載の表面処理された化粧用粉体調合物を作るウェットケーキ法。
【請求項27】
請求項26に記載の前記エマルジョンは、水中油型エマルジョンおよび油中水型エマルジョンからなる群から選ばれるエマルジョンとして調合される日焼け防止剤調合物。
【請求項28】
その表面に少なくとも1つのヒドロキシルを有する化粧用粉体を提供するステップ、
該化粧用粉体を、該化粧用粉体を湿らせるのに十分であり、かつ、スラリーを形成させる量より少ない量の溶媒と接触させるステップ、
該化粧用粉体を該溶媒と捏和して捏和ブレンドを形成させるステップ、
該捏和ブレンドを表面処理剤と接触させるステップ、
該捏和ブレンドを多価金属の塩と接触させるステップであって、該多価金属は、該化粧用粉体および該表面処理剤と金属架橋された共有結合錯体を形成するステップ、および
該金属架橋された錯体を紫外線活性有機物質と接触させるステップ
を含む、表面処理された化粧用粉体調合物を作る捏和ブレンド法。
【請求項29】
前記捏和ブレンドを少なくとも部分的に乾燥させるステップをさらに含む、請求項28に記載の表面処理された化粧用粉体調合物を作る捏和ブレンド法。
【請求項30】
前記捏和ブレンドを乳化させるステップをさらに含む、請求項28に記載の表面処理された化粧用粉体調合物を作る捏和ブレンド法。
【請求項31】
請求項30に記載の前記エマルジョンは水中油型エマルジョンおよび油中水型エマルジョンからなる群から選ばれるエマルジョンとして調合される日焼け防止剤調合物。
【請求項32】
前記表面処理された化粧用粉体物質は、該化粧用粉体物質の表面と共有結合によって結合したシランまたはポリシラン界面活性剤を含む、請求項1に記載の化粧品調合物。
【請求項33】
前記シランは、式VIIIa、式VIIIb、式VIIIc、
【化12】

[式中、
、R、およびRのそれぞれは、独立に、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基(単数または複数)から選ばれてよく、これらの基のいずれも1つ以上のヒドロキシル基(単数または複数)によって置換されていてよく、1つ以上のアルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基(単数または複数)によってさらに置換されていてもよく、
式中、
Xは、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、イソブトキシのような、しかしこれに限定されるものではないアルコキシ基、あるいはハロゲン(F、Cl、BrまたはI)である]
およびそれらを混合したものからなる群から選ばれる構造を有する化合物である、請求項32に記載の化粧品調合物。
【請求項34】
前記シランは、トリエトキシカプリリルシランである、請求項33に記載の化粧品調合物。
【請求項35】
前記ポリシランは、式IX
【化13】

[式中、R、R、R、R、R、R、R、およびR10のそれぞれは、独立に、アルキル、アルキルアミド、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、アリールアルキル基(単数または複数)から選ばれてよく、これらの基のいずれも1つ以上のヒドロキシル基(単数または複数)によって置換されていてよく、1つ以上のハロゲン、アルコキシル、カルボキシル、またはオキソ基(単数または複数)によってさらに置換されていてよく、
式中、指数nは、0から約60まで変わり得る]
の構造を有する化合物である、請求項32に記載の化粧品調合物。
【請求項36】
前記表面処理された化粧用粉体物質は、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムをさらに含む、請求項32に記載の化粧品調合物。
【請求項37】
前記表面活性錯体に結合した少なくとも1つの有機紫外線活性物質を有する、請求項32に記載の化粧品調合物。
【請求項38】
前記化粧用粉体は、シリケート、表面修飾されたシリケート、有機ポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項32に記載の化粧品調合物。
【請求項39】
前記シリケートは、シリカ、ケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム、タルク、雲母、絹雲母、カオリン、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項35に記載の化粧品調合物。
【請求項40】
前記表面修飾されたシリケートは、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたシリカ、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたタルク、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたカオリン、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆されたケイ酸アルミニウムカルシウムナトリウム、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆された雲母、
トリエトキシカプリリルシラン、ミリスチン酸アルミニウム、およびステアロイルグルタミン酸二ナトリウムで被覆された雲母チタン、
およびそれらの混合物
からなる群から選ばれる、請求項35に記載の化粧品調合物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−530711(P2012−530711A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516291(P2012−516291)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/038966
【国際公開番号】WO2010/148180
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(507331209)ユー.エス. コスメティックス コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】