説明

高周波増幅回路

【課題】高速に起動・シャットダウンが可能な高周波増幅回路を実現すること。
【解決手段】バイアス電圧Va、Vbの供給が停止されると、高周波信号を増幅するトランジスタTr1〜Tr3はオフとなる。また、同時にトランジスタTr4、Tr5がオフとなり、キャパシタC1、C2の放電は遮断される。そのため、キャパシタC1、C2には一定の電荷が保持される。その結果、高周波増幅回路1は高速にシャットダウンされる。また、バイアス電圧Va、Vbが供給されると、キャパシタC1、C2には一定の電荷が保持されるため、キャパシタC1、C2が充電されるまでの時間は非常に短くなる。そのため、高高周波増幅回路1は高速に起動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エミッタが抵抗を介して接地され、その抵抗に並列にキャパシタが接続されたトランジスタを有した高周波信号を増幅する高周波増幅回路に関するものであり、特にその高周波増幅回路を高速に起動・シャットダウンさせることができるものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、エミッタ接地のトランジスタを用いた高周波増幅回路がよく知られている。たとえば特許文献1、2である。図7は、その従来の高周波増幅回路の構成を示した回路図である。トランジスタTrのベースには、高周波信号が入力され、バイアス源からバイアス電圧Vaが供給される。トランジスタTrのエミッタとグランドには、エミッタ抵抗Rが接続され、さらにエミッタ抵抗Rに並列にキャパシタCが接続されている。トランジスタTrのコレクタはコレクタ抵抗Rcを介して電源に接続されている。トランジスタTrのベースから入力された高周波信号は、増幅されてトランジスタTrのコレクタから取り出される。エミッタ抵抗Rに並列に接続されたキャパシタCは、トランジスタTrのエミッタを高周波的に接地し、高周波帯域における利得を高めるために設けられている。この高周波増幅回路では、バイアス電圧Vaの供給を停止することで、トランジスタTrをオフさせ、高周波増幅回路の信号増幅動作をシャットダウンさせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−18246
【特許文献2】特開2001−60833
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図7に示す従来の高周波増幅回路では、高周波増幅回路の駆動開始時にキャパシタCを充電する必要があり、また、トランジスタTrのシャットダウン時にはキャパシタCを放電する必要があり、キャパシタCの充放電時間が必要なことから高周波増幅回路を高速に起動、シャットダウンすることができなかった。そのため、省エネルギー化や熱上昇の抑制などの要望を満たすことができなかった。
【0005】
そこで本発明の目的は、高速で起動、シャットダウンさせることができる高周波増幅回路を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、高周波信号を増幅し、ベースバイアス電圧の供給・停止によってオンオフ制御されるnチャネルの第1トランジスタと、第1トランジスタのエミッタ/ソース−グランド間に接続されたエミッタ抵抗と、エミッタ抵抗と並列に接続されたキャパシタと、キャパシタからエミッタ抵抗を通りグランドに至る線路の途中に挿入され、その線路の導通・非導通を、第1トランジスタのオンオフと同期してオンオフ制御するスイッチと、を有することを特徴とする高周波増幅回路である。
【0007】
第1トランジスタは、npn型のバイポーラトランジスタでもよいし、nチャネルの電界効果トランジスタであってもよい。また、スイッチには、トランジスタやMEMSスイッチなどを用いることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、スイッチは、第2トランジスタであることを特徴とする高周波増幅回路である。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、第2トランジスタは、エミッタ抵抗側に挿入され、エミッタ抵抗を兼ねていることを特徴とする高周波増幅回路である。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明の高周波増幅回路では、第1トランジスタのオフ時において、スイッチによってキャパシタからエミッタ抵抗を介してグランドに至る線路の導通も同時にオフすることで、エミッタ抵抗を介してグランドへと流れるキャパシタの放電を切断している。そのため、キャパシタが完全には放電せず、キャパシタには一定の電荷が保持されている。このように、キャパシタを完全に放電させる必要がないため、高速に高周波増幅回路をシャットダウンすることができる。また、第1トランジスタのオン時においても、キャパシタには一定の電荷が保持されているため、新たにキャパシタに充電する電荷量は少なくてすみ、高速に高周波増幅回路を起動させることができる。以上のように、第1の発明の高周波増幅回路では、高速な起動・シャットダウンができ、省エネルギー化、熱上昇の抑制などが可能となる。また、高速な起動・シャットダウンを利用して、高周波信号のASK変調に利用することもできる。
【0011】
また、第2の発明のように、スイッチとして第2トランジスタを用いることができ、その場合には、第3の発明のように第2トランジスタがエミッタ抵抗を兼ねるようにすることもできる。そのため、回路構成をより簡略化することができ、コストの低減などを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1の高周波増幅回路1の構成を示した回路図。
【図2】バイアスコントロール回路2の構成を示した回路図。
【図3】高周波増幅回路1の出力電圧をシミュレーションにより求めたグラフ。
【図4】高周波増幅回路1の全電流をシミュレーションにより求めたグラフ。
【図5】キャパシタC1の電位をシミュレーションにより求めたグラフ。
【図6】キャパシタC2の電位をシミュレーションにより求めたグラフ。
【図7】従来の高周波増幅回路の構成を示した回路図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではないではない。
【実施例1】
【0014】
図1は、実施例1の高周波増幅回路1の構成を示した回路図であり、図2は、高周波増幅回路1のバイアス源であるバイアスコントロール回路2を示した回路図である。
【0015】
まず、高周波増幅回路1の構成について、図1を参照に説明する。高周波増幅回路1は、npn型のバイポーラトランジスタであるトランジスタTr1を有している。トランジスタTr1は、本発明の第1トランジスタに相当する。
【0016】
トランジスタTr1のベースは、マッチング回路10を介して高周波信号の入力端子Vinと接続している。また、トランジスタTr1のベースとマッチング回路10との間の線路に、抵抗R1を介してバイアスコントロール回路2からバイアス電圧Vbが供給される。
【0017】
トランジスタTr1のエミッタは、エミッタ抵抗Re1を介してトランジスタTr4のコレクタに接続されている。トランジスタTr4のエミッタはグランドに接続されていて、ベースには抵抗R2を介してバイアスコントロール回路2からバイアス電圧Vbが供給される。トランジスタTr4は、npn型のバイポーラトランジスタである。トランジスタTr4は、バイアス電圧Vbの供給がある場合には、トランジスタTr4をオンにしてエミッタ抵抗Re1とグランドとの間を導通させ、バイアス電圧Vbの供給がない場合には、トランジスタTr4をオフにして非導通とするスイッチ素子として使用する。トランジスタTr1とグランドの間にはキャパシタC1が接続されており、エミッタ抵抗Re1に並列に接続している。
【0018】
トランジスタTr1のコレクタは、コレクタ抵抗Rc1を介して電源端子Vccに接続している。
【0019】
高周波増幅回路1は、npn型のバイポーラトランジスタであるトランジスタTr2、Tr3をさらに有している。トランジスタTr2のコレクタとトランジスタTr3のコレクタは接続され、トランジスタTr2のエミッタとトランジスタTr3のベースは接続されている。
【0020】
トランジスタTr2のベースは、キャパシタC4を介してトランジスタTr1のコレクタとコレクタ抵抗Rc1との間の線路に接続されている。また、キャパシタC4とトランジスタTr2のベースとの間の線路には、抵抗R3を介してバイアスコントロール回路2からバイアス電圧Vaが供給される。また、トランジスタTr2のエミッタとトランジスタTr3のベースは、エミッタ抵抗Re2を介してグランドに接続されている。また、トランジスタTr2、Tr3のコレクタは、インダクタLを介して電源端子Vccに接続されている。電源端子VccとインダクタLとの間の線路には、キャパシタC3の一端が接続し、他端はグランドに接続されている。また、トランジスタTr2、Tr3のコレクタとインダクタLとの間の線路には、キャパシタC5を介して出力端子Voutが接続されている。
【0021】
トランジスタTr3のエミッタは、ダイオード接続のトランジスタTr6を介して、トランジスタTr5のコレクタに接続されている。トランジスタTr5のエミッタはグランドに接続されていて、ベースには抵抗R4を介してバイアスコントロール回路2からバイアス電圧Vbが供給される。トランジスタTr5は、npn型のバイポーラトランジスタである。トランジスタTr5は、バイアス電圧Vbの供給がある場合には、トランジスタTr5をオンにしてダイオード接続のTr6とグランドとの間を導通させ、バイアス電圧Vbの供給がない場合には、トランジスタTr4をオフにして非導通とするスイッチ素子として使用する。トランジスタTr3のエミッタとグランドの間にはキャパシタC2が接続されている。ダイオード接続のトランジスタTr6は、トランジスタTr3のエミッタ抵抗に相当している。
【0022】
トランジスタTr1、Tr2、Tr3は、本発明の第1トランジスタに相当する。また、トランジスタTr4、Tr5は、本発明の第2トランジスタに相当する。トランジスタTr1、Tr2、Tr3は、nチャネルの電界効果トランジスタであってもよい。トランジスタTr4、Tr5は、バイアス電圧Vbによってオンオフ制御されるスイッチ素子であれば任意のものを使用することができ、たとえば電界効果トランジスタや、MEMSスイッチなどを用いることもできる。
【0023】
なお、エミッタ抵抗Re1、ダイオード接続のTr6を省いて、トランジスタTr4、Tr5の寄生抵抗が、第1トランジスタであるトランジスタTr1、トランジスタTr3のエミッタ抵抗を兼ねるようにしてもよい。これにより高周波増幅回路1の構成を簡略化でき、低コスト化を図ることができる。
【0024】
次に、バイアスコントロール回路2の構成について、図2を参照に説明する。バイアスコントロール回路2は、npn型のバイポーラトランジスタであるトランジスタTr7、Tr8を有している。トランジスタTr7、Tr8はカレントミラーを構成し、トランジスタTr7のベースとトランジスタTr8のベースは接続され、トランジスタTr8はコレクタとベースが接続されたダイオード接続となっている。トランジスタTr7のコレクタは、コレクタ抵抗Rc2を介して電源端子Vccに接続されている。また、トランジスタTr7のエミッタは、ダイオード接続のTr10と抵抗R5との直列接続回路を介してグランドに接続している。トランジスタTr8のコレクタは、電源端子Vccに接続されており、電源端子VccとトランジスタTr8のコレクタとの間には、電源端子Vcc側から順にトランスファースイッチTrans1、コレクタ抵抗Rc3、R4が縦続に挿入されている。トランジスタTr8のエミッタは、npn型のバイポーラトランジスタであるトランジスタTr9のコレクタに接続されている。トランジスタTr9のベースは、ダイオード接続のトランジスタTr10と抵抗R5との間の線路に接続され、エミッタはグランドに接続されている。
【0025】
コレクタ抵抗Rc3とコレクタ抵抗Rc4との間には、バイアス電圧Vaを出力する出力端子Vaが接続され、コレクタ抵抗Rc4とトランジスタTr8のコレクタとの間には、バイアス電圧Vbを出力する出力端子Vbが接続されている。バイアス電圧Vaは3.75V、Vbは1.95Vである。
【0026】
トランスファースイッチTrans1のNMOSのゲートは制御信号入力端子CNT1に接続され、PMOSのゲートは制御信号入力端子CNT2に接続されている。制御信号入力端子CNT1からの制御信号がハイレベル、制御信号入力端子CNT2からの制御信号がローレベルである場合はトランスファースイッチTrans1はオンとなり、電源端子Vccとコレクタ抵抗Rc3との間が導通する。逆に、制御信号入力端子CNT1からの制御信号がローレベル、制御信号入力端子CNT2からの制御信号がハイレベルである場合はトランスファースイッチTrans1はオフとなり、電源端子Vccとコレクタ抵抗Rc3との間は遮断される。
【0027】
バイアスコントロール回路2は、NMOSからなるスイッチSW1、SW2、SW3をさらに有している。スイッチSW1は、トランジスタTr7、Tr8のベースとグランドとの間に挿入されており、スイッチSW2は、出力端子Vbとグランドとの間に挿入されており、スイッチSW3は、出力端子Vaとグランドとの間に挿入されている。スイッチSW1、SW2、SW3は、制御信号入力端子CNT2からの制御信号によってオンオフ制御され、制御信号がハイレベルの場合にはオン、制御信号がローレベルの場合にはオフとなる。
【0028】
このバイアスコントロール回路2は、制御信号入力端子CNT1からの制御信号がハイレベル、制御信号入力端子CNT2からの制御信号がローレベルである場合に、バイアス電圧Va、Vbを出力する定電圧回路として動作する。たとえば、何らかの原因でコレクタ抵抗Rc3やRc4の電流が増加した場合、コレクタ抵抗Rc3やRc4での電圧降下が増してトランジスタTr7のベース電圧が低下し、その結果エミッタ電圧も低下し、ダイオード接続のトランジスタTr10と抵抗R5との分圧によるトランジスタTr9のベース電圧も低下する。その結果、トランジスタTr9の引き込む電流が減少し、コレクタ抵抗Rc3やRc4での電圧降下も減少する。このようなフィードバック動作によって、バイアス電圧Va、Vbが一定に保持される。
【0029】
また、このバイアスコントロール回路2は、制御信号入力端子CNT1からの制御信号がローレベル、制御信号入力端子CNT2からの制御信号がハイレベルである場合に、シャットダウンし、バイアス電圧Va、Vbは0Vとなる。これは、トランスファースイッチTrans1がオフとなり、スイッチSW1がオンとなることでトランジスタTr7、Tr8のべースがグランドと接続され、トランジスタTr7、Tr8がオフとなるためである。また、この時、スイッチSW2、SW3もオンとなり、出力端子Va、Vbがグランドに接続される。これにより、リークによって高周波増幅回路1側がバイアスされてしまうのを防止している。
【0030】
次に、高周波増幅回路1の動作について説明する。
【0031】
まず、バイアスコントロール回路2からバイアス電圧Va、Vbが印加されている場合について説明する。この場合、トランジスタTr1にはバイアス電圧Vbが印加され、トランジスタTr2にはバイアス電圧Vaが印加される。また、トランジスタTr4、Tr5はオンとなり、トランジスタTr1のエミッタはエミッタ抵抗を介してグランドに接続され、トランジスタTr3のエミッタはダイオード接続のトランジスタTr6を介してグランドに接続される。そのため高周波増幅回路1は、トランジスタTr1を用いたエミッタ接地増幅回路と、トランジスタTr2、Tr3とをダーリントン接続して用いたエミッタ接地増幅回路とを2段縦続に接続した回路構成として動作し、入力端子Vinから入力された高周波信号は、トランジスタTr1によって増幅されたのち、ダーリントン接続のトランジスタTr2、Tr3によってさらに増幅されて、出力端子Voutから出力される。
【0032】
次に、高周波増幅回路1をシャットダウンする場合について説明する。バイアスコントロール回路2がシャットダウンされ、バイアス電圧Va、Vbが0Vとなると、トランジスタTr1、Tr2はオフし、トランジスタTr2のオフによってトランジスタTr3のベース電位も0Vとなるため、Tr3もオフする。また、これと同時にトランジスタTr4もオフする。そのため、トランジスタTr1のエミッタとエミッタ抵抗Re1との接続点Aを通りエミッタ抵抗Re1を介してグランドへと流れるキャパシタC1の放電は、遮断される。その結果、キャパシタC1の電荷は、トランジスタTr1、Tr4の寄生容量などに再分配されて、キャパシタC1には一定の電荷が保持される。また、同時にトランジスタTr5もオフし、同様の理由によってキャパシタC2には一定の電荷が保持される。また、電源端子Vccからは電位が与えられ続けており、キャパシタC3は放電しない。
【0033】

このように、キャパシタC1、C2には一定の電荷が保持され、キャパシタC3は放電しないため、高周波増幅回路1は急速にシャットダウンされる。
【0034】
次に、高周波増幅回路1を起動させる場合について説明する。バイアスコントロール回路2が起動し、バイアス電圧Va、Vbの供給が開始されると、トランジスタTr1〜Tr3がオンとなり、またトランジスタTr4、Tr5がオンとなってキャパシタC1、C2が充電される。ここで、キャパシタC1、C2には一定の電荷が保持されているために、キャパシタC1、C2が充電されるまでにかかる時間が非常に短くなる。また、キャパシタC3は高周波増幅回路1のシャットダウン時に放電しないため、充電の必要がない。その結果、高周波増幅回路1は、高速に起動される。
【0035】
以上のように、実施例1の高周波増幅回路1は、高速に起動・シャットダウンを行うことができるため、省エネルギー化や熱上昇の抑制などを実現することが可能となっている。また、高周波増幅回路1の高速な起動・シャットダウンを利用して、ASK変調を行うこともできる。
【0036】
24GHzの信号を高周波増幅回路1に入力し、高周波増幅回路1を20ns間起動させ、30ns間シャットダウンさせるのを繰り返した場合において、シミュレーションを行い、以下の図3〜図6の結果を得た。図3は、高周波増幅回路1からの出力電圧を示したグラフ、図4は、全電流(電源端子Vccから高周波増幅回路1に流れ込む電流)を示したグラフ、図5は、キャパシタC1の電位を示したグラフ、図6は、キャパシタC2の電位を示したグラフである。図3のように、起動・シャットダウン時の立ち上がり、立ち下がりが非常に急峻であることがわかる。また、図4のように、高周波増幅回路1のシャットダウン時には確かに全電流が0となっていることが確認できる。
【0037】
また、図5のように、キャパシタC1の電位はオフ時に約0.67Vに維持されていることがわかり、図6のように、キャパシタC2の電位はオフ時に約1.47Vに維持されていることがわかる。このように、高周波増幅回路1のシャットダウン時にキャパシタC1、C2の電位が保持されているために、図3に示すような高周波増幅回路1の高速な起動・シャットダウンが可能となっている。
【0038】
なお、実施例1の高周波増幅回路1では、トランジスタTr4、Tr5であるスイッチ素子を、エミッタ抵抗とグランドとの間に挿入しているが、キャパシタC1の放電を遮断する位置、すなわちキャパシタC1からエミッタ抵抗を介してグランドに至る経路の途中であれば、どこにスイッチ素子を挿入してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の高周波増幅回路は、高周波増幅動作を間欠駆動させる場合に有効である。また、高周波信号の増幅とともに、ASK変調を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0040】
1:高周波増幅回路
2:バイアスコントロール回路
10:マッチング回路
Tr1〜Tr10:トランジスタ
C1〜C5:キャパシタ
Re1、Re2:エミッタ抵抗
Rc1〜Rc4:コレクタ抵抗
R1〜R5:抵抗
L:インダクタ
Trans1:トランスファースイッチ
SW1〜SW3:スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース/ゲートから入力された高周波信号を増幅してコレクタ/ドレインから出力し、ベース/ゲートのバイアス電圧の供給・停止によって、前記高周波信号の増幅動作がオンオフ制御されるnチャネルの第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのエミッタ/ソース−グランド間に接続されたエミッタ抵抗と、
前記エミッタ抵抗と並列に接続されたキャパシタと、
前記キャパシタから前記エミッタ抵抗を通り前記グランドに至る線路の途中に挿入され、その線路の導通・非導通を、前記第1トランジスタのオンオフと同期してオンオフ制御するスイッチと、
を有することを特徴とする高周波増幅回路。
【請求項2】
前記スイッチは、第2トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の高周波増幅回路。
【請求項3】
前記第2トランジスタは、前記エミッタ抵抗側に挿入され、前記エミッタ抵抗を兼ねていることを特徴とする請求項2に記載の高周波増幅回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−155379(P2011−155379A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14487(P2010−14487)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】